説明

スクライブ装置およびそれを用いて製作した表示板

【課題】 スクライブ圧の設定が容易なスクライブ装置を得る。
【解決手段】 スクライブ加圧シリンダー107でスクライブカッターホルダー109を加圧して、スクライブカッター14をワークに押圧しながら移動させることにより、ワーク上面にスクライブラインを形成するスクライブ装置において、スクライブ箇所に応じてスクライブ加圧シリンダー107の空圧をコントロールする制御部202と、該制御部202の指示で空圧をコントロールするスクライブカット用空電レギュレータ201とを設けた。制御部202で空圧をコントロールできるので、スクライブ圧の設定が容易になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラスやプラスチック板等の切断に使用されるスクライブ装置およびそれを用いて製作した表示板に関する。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器部品等の表示部に使用する各種の表示板、即ち、液晶表示板、EL(エレクトロルミネッセンス)表示板、TP(タッチパネル)表示板等を造る場合、ガラスやプラスチック等から成る大型の基板(ワーク)を分割することにより所定の大きさの小型基板を得る。大型基板の切断には、スクライブ装置の載物面上に真空吸着等の手段で該大型基板を固定し、大型基板の片面側に、その外周部が超硬合金、ダイヤモンド等の硬質部材で形成されたホイール状のカッター(以下、スクライブカッターと呼ぶ)により、スクライブと呼ばれる線状の条痕を施した後、切断装置(ブレーカー)で反対面側よりプレス、またはローラー等の押圧手段によりスクライブ線に沿って加圧し、大型基板のスクライブ溝に発生し、大型基板面と垂直方向に向かうクラックを進展させて切断する方法が一般的に行われている。
【0003】
図4は背景技術における典型的なスクライブ装置の側面図であり、図4(a)は、成膜層無しのワークを加工するスクライブ装置を、図4(b)は、成膜層付きのワークを加工するスクライブ装置を、図5は背景技術において、成膜層無しのワークを加工するスクライブ装置の本体部分側面図を、図6は図5に用いるスクライブ装置のエアー回路図を、
図7は背景技術において、成膜層付きのワークを加工するスクライブ装置の本体部分側面図を、図8は、図7に用いるスクライブ装置のエアー回路図を、図9は背景技術において、スクライブカッターの総走行距離に応じてスクライブカット圧を調整するスクライブ装置のエアー回路を含む模式図を、図10は背景技術において、重りを用いてスクライブカット圧を調整するスクライブ装置の基本構成の概念図を、図11は、背景技術としての、液晶表示板の外観を示す斜視図であり、図11(a)は、表面側を、図11(b)は、裏面側を、図12は、背景技術のスクライブ装置で加工後の液晶表示板用大型基板の断面図を、図13は、背景技術として、スクライブ装置の移動ユニットが液晶表示板の素材となる液晶表示板用大型基板上で動作中の状態を示す斜視図を、図14は、背景技術としての液晶表示板の素材となる液晶表示板用大型基板の外観を示す斜視図を、図15は、背景技術として、液晶表示板製造装置を動作させた後の液晶表示板用大型基板の外観を示す斜視図で、図15(a)は、TFT側を、図15(b)は、カラーフィルター側を示す。
【0004】
先ず、従来のスクライブ装置の典型的な構成と動作を図4(a)を用いながら説明する。
移動ブロック1は本体部9上をコの字状に跨ぐユニット全体であり、左右一対のボールネジ2及びガイド3により、図示しないモータ等の駆動手段及び制御手段により本体部9に対し、図4(a)の上下方向に所定量移動可能な構成になっている。移動ブロック1上には、タイミングベルト4が設けられ、このタイミングベルト4にユニット基板5が固定され、該ユニット基板5並びに、その上に設けたスクライブカットブロック6は、図示しないモータ等の駆動手段によるプーリー7の回転に伴うタイミングベルト4の移動によってガイドレール8に沿って左右に必要量移動可能である。前記移動ブロック1が取り付いている本体部9は、ワークテーブル11、支持台12と一体に構成され、ワークテーブル11には、真空吸着等の固定手段によりワーク13を固定できる。ユニット基板5上のスクライブカットブロック6の下方にはスクライブカッター14が設けてある。そして、図示しない周知の油圧、空圧またはバネ力等の押圧手段で、大型ガラス基板等のワーク13に対し、スクライブカッター14を所定の荷重で押圧しながら、周知のボールスライド等から成るガイドレール8に沿って移動(例えば右方向に)する時、スクライブカッター14でワーク13上にスクライブラインを形成する。そして、スクライブカットブロック6の復工程では前記押圧手段を用いてスクライブカッター14を引込めた状態で当初のユニット基板5の位置に戻る。又、ワークテーブル11および支持台12は、本体部9内に格納されている回転駆動手段により、図4(a)の上方からみて90°回転可能である。この構成により、ワークテーブル11上のワーク13には格子状にスクライブを施すことが可能であり、この装置を用いて、大型ガラス基板等の大型のワーク13から小片を切出すことができる。
【0005】
ところで、大型ガラス基板から切出した小片は、その後、その表面に位相差板や偏光板等の成膜層を設け完成品として仕上げることがある。この様な場合、近年は、製品完成迄の全工程を考え、製品トータルとしての生産コストを下げるために、表面に予めこれらの成膜層を設けた大型ガラス基板を用意し、該大型ガラス基板から個別の製品を直接切出すことも多くなった。この様な場合に用いるスクライブ装置は、図4(b)に示したように、ユニット基板25上に、既に説明したスクライブカットブロック6の他に、先端に成膜層を帯状に剥離するための剥離カッター24を有する剥離カットブロック26を備えたスクライブ装置20を用いる。このスクライブ装置20は、ユニット基板25の往工程で、ワーク23表面の成膜層を剥離カッター24によって削り取り、ガラス板部分を帯状に表出して、帯状剥離領域を形成する。そして、これに後続して、その帯状剥離領域に沿ってスクライブカッター14がガラス板部分と接触しながら移動し、スクライブラインを形成する。ユニット基板25の復工程においては、剥離カッター24及びスクライブカッター14は上昇することで、ワーク23と非接触状態で復帰する。この後、ユニット基板25を左右一対のボールネジ2及びガイド3により、本体部9に対し、図4(b)の上下方向に所定量移動させ、順次スクライブしたい位置で上記の動作を繰り返す。次いでワーク23を水平面内で90°回転させ、同様に直交するスクライブラインを形成する。
【0006】
この成膜層付きワーク23の加工例として液晶表示板の製造を説明するが、そのための準備として、先ず液晶表示板の構成を、次いで、その製造順を図11〜図15を用いて説明しておく。
【0007】
図11に示す様に、液晶表示板50は、外周を貼り合わされたガラス板から成り、該ガラス板の間に液晶が封入された液晶セル、即ち、TFT側小型ガラス基板31と、カラーフィルター側小型ガラス基板41より成り、TFT側小型ガラス基板31の一側がカラーフィルター側小型ガラス基板41の一側よりも突出している。その突出部32の内面側には、液晶表示板駆動用の接続端子32aが形成されている。接続端子32aには液晶表示板50が液晶表示装置に搭載された状態で電気的な信号を受け取って液晶表示板50を点灯させるためのFPC(Flexible Printed Circuit)や、COG(Chip On Glass)が接続される。この液晶表示板50はバックライト型の液晶表示装置に適用されるものであり、各液晶表示板の外面には略全域に亘って偏光板(TFT側小型偏光板33、カラーフィルター側小型偏光板43)が貼り付けられている。
【0008】
図14に示した様に、液晶表示板50を製造する為の素材としての液晶表示板用大型基板60は、液晶表示板用大型ガラス基板61を主構成要素とする。この液晶表示板用大型ガラス基板61は、相互に貼りあわされた一対のTFT側大型ガラス基板30、及びカラーフィルター側大型ガラス基板40からなる。この液晶表示板用大型ガラス基板61には、格子状に分割配置、即ち、隣接配置された複数のTFT側小型ガラス基板31およびカラーフィルター側小型ガラス基板41が形成されており、各一対のTFT側小型ガラス基板31およびカラーフィルター側小型ガラス基板41間には液晶が封入されている。またTFT側大型ガラス基板30、カラーフィルター側大型ガラス基板40の各外面には、全面を覆うように、夫々TFT側大型偏光板62、カラーフィルター側大型偏光板63が貼り付けられている。これらTFT側大型偏光板62、カラーフィルター側大型偏光板63の各外面には、保護用の成膜層が積層されている。(図示省略)
【0009】
この液晶表示板用大型基板60をTFT側が上になる様にスクライブ装置(この場合は、液晶表示板製造装置)のワークテーブル上にセットする。図13中の移動ユニット70は、図4(b)におけるスクライブ装置20の剥離カットブロック26とスクライブカットブロック6の機能を抽出してモデル化したものであるが、この移動ユニット70が隣接するTFT側小型ガラス基板同士の境界上を液晶表示板用大型基板60の端から端まで一方向に移動すると、TFT側大型偏光板62が剥離カッター24によって、切屑71を出しながら削り取られ、TFT側大型ガラス基板30が帯状に表出して、帯状剥離領域72が形成される。これに後続して、その帯状剥離領域72に沿ってスクライブカッター14が移動し、スクライブライン73が形成されていく。その後、液晶表示板用大型基板60を水平面内で平行移動させ、順次境界に対して上記の動作を繰り返し、次いで液晶表示板用大型基板60を水平面内で90°回転させ、今度は直交するスクライブライン73を形成する。図15(a)参照。
【0010】
次いで、液晶表示板用大型基板60を裏返し、カラーフィルター側に対し、上記の動作を繰返す訳だが、今度は、TFT側に対する動作と若干異なる。つまり、TFT側小型ガラス基板31の境界に対向するカラーフィルター側小型ガラス基板41の境界とともに、TFT側小型ガラス基板31に突出部32(図15(b)、図11参照)を形成すべく、各々所定距離を隔てて突出境界を設定する。そしてカラーフィルター側小型ガラス基板41の境界74、突出形成境界75と交互に順に液晶表示板用大型基板60の端から端まで一方向に移動していく。これにより、カラーフィルター側大型偏光板63が剥離カッター24によって削り取られ、カラーフィルター側大型ガラス基板40が帯状に表出して帯状剥離領域72が交互に形成され、これに後続して帯状剥離領域72に沿ってスクライブカッター14が移動し、スクライブラインが形成されていく。その後、液晶表示板用大型基板60を水平面内で90°回転させ、TFT側小型ガラス基板31の境界に対向するカラーフィルター側小型ガラス基板41の境界に対して上記の動作を繰り返しスクライブを形成する。上記加工の結果の液晶表示板用大型基板60の図15(b)におけるB−B断面を図12に示した。
【0011】
その後、必要に応じて液晶表示板用大型基板60に負荷を与え、一対のTFT側小型ガラス基板31、カラーフィルター側小型ガラス基板41毎に分断する。その際、カラーフィルター側大型ガラス基板40におけるカラーフィルター側ガラス基板境界74と突出形成境界75間に存在する部分は不要部分76として除去される。これにより、TFT側小型ガラス基板31に突出部32が形成される。最後にこの突出部32に設けられた接続端子にCOGやFPCを接続し、液晶表示板50が完成する。
【0012】
以上、成膜層付きワーク23の加工例として、液晶表示板の製造を例に基本的な背景技術を説明してきたが、次に、成膜層を設けない一般の大型ガラス板等を分割する際に用いる従来のスクライブ装置の内、特に本発明のテーマ即ち、スクライブ切込量を調整する技術に関連深いスクライブ装置に関し、更に説明を行う。
【0013】
本発明に関連の深いスクライブ装置の背景技術としては下記の特許文献1〜3がある。
【0014】
【特許文献1】特許出願公開 特開平6−345471号公報
【0015】
【特許文献2】特許出願公開 特開平8−72051号公報
【0016】
【特許文献3】特許出願公開 特開平11−21140号公報
【0017】
先ず、特許文献1に開示されたスクライブ装置を背景技術1−1として、図5を用いながら説明する。図5に示し、成膜層無しのワークをスクライブする第1のスクライブ装置本体110は、図4(a)におけるスクライブ装置10の内、ユニット基板5、並びに、スクライブカッター14を含むスクライブカットブロック6相当部分のみを抽出して、より具体的に描いたものであり、スクライブ装置としての、それ以外の部分は図4(a)と同一の構成である。
【0018】
図5において、カッター基板101は、エアーシリンダー102(但し、エアー供給部分の図示は省略)の伸縮で、カッターテーブル103に対し、昇降自在に設けられており、カッター基板101の下端位置の設定は、微調節ネジ104を用いておこなうことができる。このカッター基板101にはスクライブカットブロック106が設けられており、スクライブカットブロック106は、スクライブ加圧シリンダー107と、このスクライブ加圧シリンダー107内のピストンに固定されたステム108と、ステム108の下端に回動可能に設けたスクライブカッターホルダー109と、スクライブカッターホルダー109に装着したスクライブカッター14を主な構成要素にしている。そして、スクライブカッターホルダー109の図中右端が、カッター基板101の下部に設けた留具111とピン112を中心に回動可能に装着され、スクライブ加圧シリンダー107からの与力でステム108が伸縮することにより、スクライブカッター14は上下方向に移動可能である。尚、スクライブカッターホルダー109の図中左端が、カッター基板101下端に設けたL字状のストッパー113に当接することでスクライブカッター14の過剰な下降は防止される。
【0019】
圧縮空気をスクライブ加圧シリンダー107に供給する為の一般的なエアー回路は、特許文献2に示されているので、これを図6を用いて説明する。圧縮空気源121からフィルター122及びレギュレーター123並びにリュブリケータ124を通過した圧縮空気は、減圧弁125で圧力調整され、電磁弁式のディストリビューター126を経てスクライブ加圧シリンダー107に達する。また電磁弁式のディストリビューター126は制御部(図示なし)からの信号で駆動され、スクライブ加圧シリンダー107との間のエアー流路を接続または遮断することができる。なお、圧力スイッチ128で減圧弁125に供給するエアーの圧力を監視しており、エアー圧力が所定以下になった場合、前記制御部に異常信号を出力する。
【0020】
図5で説明したスクライブ装置本体110を備えたスクライブ装置のスクライブ加圧シリンダー内107に、図6のエアー回路120を用いて、圧縮空気を送り込むことでピストンが下降し、スクライブカッターホルダー109はピン112を支点に反時計方向に回転して、スクライブカッター14とワークテーブル11上のワーク13との間にスクライブカット圧(スクライブカッター14のワーク13に対する押付力)が生じる。所定のスクライブカット圧を加えつつ、カッターテーブル103を図5において左から右方向に移動することでワーク13の表面に割れが形成されるので、後工程で、この割れが広がる方向にワーク13に押力を加えることで、ワーク13を容易に切断することができる。このエアー回路を用いたスクライブ装置では、スクライブカット圧は、減圧弁125の調整で行う。
【0021】
次に、成膜層付きワークをスクライブする場合の背景技術を、特に特許文献は示さないが背景技術1−2として図7、8を用いて説明する。
【0022】
図7に示し、成膜層付きのワークをスクライブする第2のスクライブ装置本体130は、図4(b)におけるスクライブ装置20の内、ユニット基板25、並びに、スクライブカッター14を含むスクライブカットブロック6、並びに、剥離カッター24を含む剥離カットブロック26相当部分のみを取り出して、より具体的に描いたものであり、スクライブ装置としての、それ以外の部分は図4(b)と全く同一の構成である。また、第2のスクライブ装置本体130は、既に説明した第1のスクライブ装置本体110に、剥離カットブロック136部分並びに、その付属部品を追加しただけであり、その他の構成は同一であるので、同一の部分に関しては説明を省略する。
【0023】
第2のスクライブ装置本体130のカッターテーブル134上に設けたカッター基板131上の剥離カットブロック136は、剥離カット加圧シリンダー137と、この剥離カット加圧シリンダー137内のピストンに固定されたステム138と、ステム138の下端に設けられた剥離カッターホルダー139と、剥離カッターホルダー139に装着した剥離カッター24とを主な構成要素にしている。そして、剥離カッターホルダー139の図中右端が、カッター基板131の下部に設けた留具135とピン132を中心に回動可能に装着され、剥離カット加圧シリンダー137からの与力でステム138が伸縮することにより、剥離カッター24は上下方向に移動可能となる。また、剥離カッターホルダー139の図中左端が、カッター基板131下端に設けたL字状のストッパー133に当接することにより剥離カッター24の過剰な下降は防止される。
【0024】
次に、図7に示した第2のスクライブ装置本体130のスクライブ加圧シリンダー107並びに剥離カット加圧シリンダー137に圧縮空気を供給するエアー回路140を図8を用いて説明する。圧縮空気源121からフィルター122及びレギュレーター123並びにリュブリケータ124を通過した圧縮空気は、二つに分岐される。そして、一方は、スクライブ用減圧弁125Sで圧力調整され、電磁弁式のスクライブ用ディストリビューター126Sを経てスクライブ加圧シリンダー107に達し、他方は、剥離カット用減圧弁125Hで圧力調整され、電磁弁式の剥離カット用ディストリビューター126Hを経て剥離カット用加圧シリンダー137に達する。
【0025】
このように構成されたスクライバー装置において、剥離カット用加圧シリンダー137内に圧縮空気を送り込むことでピストンを下降させて、剥離カッターホルダー139をピン132を支点に反時計方向に回転させ、剥離カッター24を所定の剥離カット圧(剥離カッター24のワーク23に対する押付力)でワーク23に押圧、又、スクライブ加圧シリンダー107内に圧縮空気を送り込んでピストンを下降させて、スクライブカッターホルダー109をピン112を支点に反時計方向に回転させ、スクライブカッター14を所定のスクライブ圧でワーク23に押圧しつつ、カッターテーブル11を左から右方向に移動することで、ワーク23表面に帯状剥離領域を形成し、その中にスクライブラインを形成する。その後、この割れが広がる方向にワーク23に押力を加えることで、ワーク23を容易に切断することができる。
【0026】
以上説明した第2のスクライブ装置本体130を備えたスクライブ装置では、スクライブカット圧は、スクライブ用減圧弁125Sの調整で行い、剥離カット圧は、剥離カット用減圧弁125Hの調整で行う。
【0027】
次に、特許文献2に示されたエアー回路を含むスクライブ装置を、図9を用いて背景技術2として説明する。背景技術2では、ワークテーブル11に平行にスライダー141が配設され、このスライダー141には、ボールネジ142と類合した移動部143が平行に配置された2本のガイド148で支持されている。ボールネジ142はサーボモータ144に連結され、制御部145からの信号で回転する。移動部143にはスクライブ加圧シリンダー107が搭載され、ピストンはスクライブカッター14に連結している。圧縮空気は、フィルター122及びレギュレーター123、リュブリケータ−124、空電レギュレーター146、電磁式ディストリビューター147を経由してスクライブ加圧シリンダー107に供給され、これによりスクライブカッター14がワークに13向けて押付られる。このスクライブ装置では、エアー圧力は、制御部145からの電気信号のレベルに応じて空電レギュレーター146を用いて調整するが、制御部145はスクライブカッター14の総走行距離を計算し、総走行距離に応じたレベルの電気信号を出力する。これにより、スクライブカッター14の総走行距離に応じてスクライブカット圧を調整している。
【0028】
次に、特許文献3に示されたスクライブ装置を 図10を用いて背景技術3として説明する。背景技術3のスクライブ装置150では、スクライブ機構151は、ワークテーブル11上の保護膜付きのワーク153とC方向に相対移動可能である。また、スクライブ機構151は、カッター部154が取付けられた回動アーム155を回動自在に支持するための支持機構156と、回動アーム155に回動力を付与して、カッター部154をガラス基板から成るワーク153に押付けるための重り157を有し、その自重によって、カッター圧を規定し若しくは調整するための荷重付与手段158を有する。スクライブカット圧の調整は重り157を選択的に回動アーム155に取付けたり、重り157の回動アーム155への取付け位置で調整する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
スクライブ時のスクライブ切込深さはワーク加工後の製品性能に大きく影響する。しかし、適切な切込深さは材質は勿論のこと、板厚やスクライブ場所によっても夫々異なる。もし、スクライブ切込深さを適切に選択しないと製品に割れや欠け等の不良が出現し易くなる。スクライブ場所によって異なる例としては、液晶表示板の場合、カラーフィルター基板セル境界と突出形成境界とでは、適切な切込深さが異なる。又、端部では切込深さを浅くする必要がある。これらの切込深さはスクライブカット圧を加減することで調整する。また、成膜層付きのワークの場合、成膜層の材質や、脆性材料との接着力によって適切な切込力が異なる。これらの切込力は剥離カット圧を加減して調整する必要がある。
【0030】
ところで、背景技術1−1で説明したスクライブ装置では、スクライブカット圧の変更は減圧弁125の調整により行う。ワーク13の切断個所に応じてすることは工数をかければ勿論可能であるが、生産性に劣る。背景技術1−2で説明した成膜層付きワーク23に対するスクライブ装置でも全く同様の問題がある。
【0031】
また、背景技術2のスクライブ装置では、制御部145はスクライブカッター14の総走行距離を計算し、総走行距離に応じたレベルの電気信号を出力し、電気信号のレベルに応じて空電レギュレーター146でスクライブ加圧シリンダーへのエアー供給圧力を調整するが、スクライブカット圧をワーク13の切断個所に応じて自在にコントロールし、スクライブ深さを容易に変更する機能はない。
【0032】
背景技術3のスクライブ装置では、スクライブカット圧の調整は重り157を選択的に回動アーム155に取付けたり、重り157の回動アーム155への取り付け位置を変えて調整するので、スクライブカット圧をワーク153の切断個所に応じて自在にコントロールしてスクライブ深さを変更することは困難である。
【0033】
以上、成膜層無しのワークをスクライブする場合、背景技術1−1、1−2、2、3で説明したように、従来のスクライブ装置では、スクライブカット圧は一定であるか、もしくは変更するとしても容易でなかった。この為、液晶表示板の製造において、表裏の両ガラスにスクライブ線が入る場合と、片側のガラスのみにスクライブ線が入る場合とでは、スクライブ深さを変えるのが望ましいにもかかわらずスクライブカット圧の設定が面倒であった。また、一般的に、ガラス端部はガラスが欠け易く、切込みも深くなり易いので端部で浅くすることが望ましいがきめ細かい設定は工数の都合上困難であった。また、多種少量製品を生産する場合、同一ワークテーブル上に、板厚の異なるガラスや脆性材料を並べておいて、一度にスクライブしてしまえば製品の生産性が高まるが、これは従来のスクライブ装置では何れも工数がかかり過ぎてこの方式の採用は困難であった。また、成膜層付きのワークを多種少量用いて生産する場合、従来の装置では、背景技術1−2で説明した様に、剥離カット圧の変更に工数が多くかかり、同一ワークテーブル上に、並べておいて、一度にスクライブしてしまう生産方法の採用は困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明は上記課題を解決するために成されたものである。解決する手段として、本発明の請求項1記載に係わる発明は、ワークテーブルに固定した脆性材料よりなるワークの表面に沿って相対的に移動可能なカッター基板を備え、該カッター基板上に、下端にスクライブカッターを設けたスクライブカッターホルダーと、前記スクライブカッターをワークに押圧するスクライブ加圧シリンダーとを備え、該スクライブ加圧シリンダーで該スクライブカッターホルダーを加圧して、スクライブカッターをワークテーブル上のワークに押圧しながらカッター基板をワークに対して相対移動させることにより、ワーク上面にスクライブラインを形成し、スクライブラインに沿ってワークを複数に分断するスクライブ装置において、ワークのスクライブ箇所に応じてスクライブ加圧シリンダーの空圧をコントロールする制御部と、該制御部の指示に基づき空圧をコントロールするスクライブカット用空電レギュレータとを設けたことを特徴とするものである。
【0035】
また、本発明の請求項2記載に係わる発明は、ワークテーブルに固定した成膜層付きの脆性材料よりなるワークの表面に沿って相対的に移動可能なカッター基板を備え、該カッター基板上に、下端にワーク表面の成膜層を部分的に剥離する剥離カッターを有する剥離カッターホルダーと、前記剥離カッターをワークに押圧する剥離カット加圧シリンダーとを備えた剥離カットブロックと、下端にスクライブカッターを設けたスクライブカッターホルダーと、前記スクライブカッターをワークに押圧するスクライブ加圧シリンダーとを備えたスクライブカットブロックとを設け、剥離カット加圧シリンダーで剥離カッターホルダーを介して剥離カッターをワークテーブル上のワークに押圧し、且つ、スクライブ加圧シリンダーで、スクライブカッターホルダーを介してスクライブカッターをワークテーブル上のワークに押圧しながら、カッター基板をワークに対して相対移動させることにより、ワーク上面に成膜層を削除した帯状剥離領域を形成すると同時に、該帯状剥離領域のワーク上にスクライブラインを形成してスクライブラインに沿ってワークを複数に分断するスクライブ装置において、ワーク上の帯状剥離領域形成箇所に応じた剥離カット加圧シリンダーの空圧並びに、ワーク上のスクライブ箇所に応じたスクライブカット加圧シリンダーの空圧とをコントロールする制御部と、該制御部の指示に基づき、剥離カット加圧シリンダーの空圧をコントロールする剥離カット用空電レギュレータと、スクライブカット加圧シリンダーの空圧をコントロールするスクライブカット用空電レギュレータとを設けたことを特徴とするものである。
【0036】
また、本発明の請求項3記載に係わる発明は、請求の範囲1乃至2のいずれか1つに記載にスクライブ装置において、前記制御部にシーケンサを用いたことを特徴とするものである。
【0037】
また、本発明の請求項4記載に係わる発明は、請求の範囲1乃至3のいずれか1つに記載のスクライブ装置において、前記制御部にてワークの端部ではスクライブ加圧シリンダーの空圧を小さくするように設定したことを特徴とするものである。
【0038】
また、本発明の請求項5記載に係わる発明は、請求の範囲1乃至4のいずれか1つに記載のスクライブ装置において、前記制御部にてワーク切断箇所のワークの厚さに基づいてスクライブ加圧シリンダーの空圧を設定したことを特徴とするものである。
【0039】
また、本発明の請求項6記載に係わる発明は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載のスクライブ装置において、前記ワークはガラス又はプラスチックであることを特徴とするものである。
【0040】
また、本発明の請求項7記載に係わる発明は、請求項6に記載のスクライブ装置によって製作したことを特徴とする表示板である。
【発明の効果】
【0041】
発明の効果として、請求項1記載に係わる本発明のスクライブ装置は、制御部の指示に基づいて、スクライブカット用空電レギュレータを制御して、スクライブ加圧シリンダーへの供給空圧をコントロールすることで、スクライブカッターのワークに対する押付力を自在にコントロールして、ワークの切断個所に応じてスクライブ深さを容易に変更することが可能になる。この結果、脆性材料よりなるワークに対して、製品毎に、きめ細かいスクライブの設定が可能になる。
【0042】
また、請求項2記載に係わる本発明のスクライブ装置は、制御部の指示に基づいて、スクライブカット用空電レギュレータ並びに剥離カット用空電レギュレータを制御して、スクライブ加圧シリンダー並びに剥離カット加圧シリンダーへの供給空圧をコントロールすることで、スクライブカット圧並びに剥離カット圧を自在にコントロールして、ワークの切断個所に応じて、スクライブ深さを変更したり、剥離カット切込力を変更することが容易になる。この結果、成膜層付きの脆性材料よりなるワークに対し、製品毎に、きめ細かいスクライブの設定が可能になる。
【0043】
また、請求項3記載に係わる本発明のスクライブ装置は、制御部にシーケンサを用いたので、スクライブカット圧の設定変更や、剥離カット圧の設定変更が容易に行える。
【0044】
また、請求項4記載に係わる本発明のスクライブ装置は、ワークの端部ではスクライブ加圧シリンダーの空圧を小さくするように設定したので、脆性材料の端部での欠け発生が少なくなる。
【0045】
また、請求項5記載に係わる本発明のスクライブ装置は、スクライブ加圧シリンダーの空圧を、ワーク切断箇所のワークの厚さに基づいて設定することで、ワーク毎に好適なスクライブが可能になる。
【0046】
また、請求項6記載に係わる本発明のスクライブ装置は、ワークを構成する脆性材料がガラス基板やガラス基板を貼り合せてなる表示板用ガラス基板である場合、本発明のスクライブ装置を用いることで好適なスクライブが可能になる。
【0047】
また、液晶表示板は、品質上、カラーフィルター基板セル境界と突出形成境界において、またワーク端部とそれ以外の場所において、夫々スクライブ時の切込深さを変えることが望ましいが、請求項7記載に係わる表示板では、これらの条件を満たすことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
次に本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」と略す)を図1〜3を用いて説明する。図1は本発明の第1実施形態のスクライブ装置のエアー回路図、図2は本発明の第2実施形態のスクライブ装置のエアー回路図、図3は、本発明において、板厚の異なるワークを一回のセットアップでスクライブする場合のワーク斜視図であり、(a)は表面に薄膜の無い場合、(b)は表面に薄膜のある場合である。ところで、図1に示した本発明の第1実施形態のエアー回路を適用するスクライブ装置の本体部分は背景技術で既に図5を用いて説明したスクライブ装置と同一である。従って新たな図面は省略し、説明は簡単に留める。また、図2に示した本発明の第2実施形態のエアー回路を適用するスクライブ装置の本体部分は背景技術で既に図7を用いて説明したスクライブ装置と同一である。従って新たな図面は省略し、説明は簡単に留める。
【0049】
図1に示した本発明の第1実施形態のエアー回路210では、圧縮空気源121から供給された圧縮空気は、フィルター122及びレギュレーター123を先ず通過する。フィルター122では、ゴミ等の異物を除去し、次のレギュレーター123で圧力を調整する。この後、圧縮空気は、リュブリケータ−124で潤滑油が混入され、スクライブ用の空電レギュレーター201に送られる。リュブリケータ124とスクライブカット用空電レギュレータ201の間には圧力スイッチ128が設けられており、該圧力スイッチ128でスクライブカット用空電レギュレーター201に与えられるエアーの圧力を監視し、所定の圧力以下になると異常信号を制御部202に出力する。また、該スクライブカット用空電レギュレータ201は、制御部202からの電気信号のレベルに応じて、エアーの圧力を調整することが可能である。制御部202には、シーケンサーが設けられ、スクライブカット用空電レギュレータ201を経由した圧縮空気はシーケンサーのプログラムに従って、圧力をシーケンシャルに制御されながら、電磁式ディストリビューター126を経由してスクライブ加圧シリンダー107に供給される。
【0050】
スクライブ加圧シリンダー107内に入り込んだ圧縮空気は、図5に示す様に、ピストンを下降させて、スクライブカッターホルダー109をピン112を支点に反時計方向に回転させ、スクライブカッター14をワーク13に所定の押力で押付ける。この状態で、カッターテーブル103が左方向に移動すると、ワークテーブル11上に載置したワーク13表面にスクライブカッター14でスクライブラインが加工される。全てのスクライブライン加工後、このスクライブラインの割れが広がる方向にワーク13に押力を加えることでワーク13が切断される。
【0051】
エアー回路210とスクライブ装置本体110を備えた第1実施形態のスクライブ装置では、制御部202に設けたシーケンサーの設定により、スクライブカット圧をシーケンシャルに自動的に変更していくことが容易であり、図3(a)に示した様な板厚の異なるガラス板やセラミック板の様な脆性材料からなるワーク210A、210B、210Cをワークテーブル11上に並べておいて、一括してスクライブしてしまうことも可能である。従って、多種少量製品の加工において生産性が向上する。また、一般的に、ガラス板等の脆性材料は端部が欠け易く、切込みも深くなり易いので浅くすることが望ましいが、第1実施形態のスクライブ装置を用いると、きめ細かい切込深さの設定が容易である。
【0052】
次に、成膜層付きワークをスクライブする本発明の第2実施形態のスクライブ装置のエアー回路を図2を用いて説明する。
【0053】
尚、第2実施形態におけるスクライブ装置本体の構成は、背景技術の説明で図7を用いて既に使用した構成と同一である。従って、スクライブ装置本体の説明はここでは省略する。また、第2実施形態のスクライブ装置のエアー回路の内、第1実施形態と共通の部分についての説明は簡単に留める。
【0054】
第2実施形態のスクライブ装置でも、圧縮空気源121で供給された圧縮空気は、フィルター122及びレギュレーター123、リュブリケータ−124を経た後、今度は二つに分岐して、一方はスクライブ用の空電レギュレーター201Sに、その他は剥離カット用の空電レギュレーター201Hに送られる。また、制御部302には、シーケンサーが設けてあり、前記スクライブカット用空電レギュレータ201S及び剥離カット用空電レギュレーター201Hは、制御部302からの電気信号のレベルに応じて、エアーの圧力を調整する。スクライブカット用空電レギュレータ201Sを経由した圧縮空気はシーケンサーのプログラムに従って、空気圧力をシーケンシャルに制御されながら、ディストリビューター126Sを経由してスクライブ加圧シリンダー107に供給され、剥離カット用空電レギュレータ201Mを経由した圧縮空気はシーケンサーのプログラムに従って、空気圧力をシーケンシャルに制御されながら、ディストリビューター126Hを経由して剥離カット加圧シリンダー137に供給される。
【0055】
剥離カット加圧シリンダー137内に供給された圧縮空気は、この後、図7に示した様に、ピストンを降下させ、剥離カッターホルダー139がピン132を支点に反時計方向に回転し、剥離カッター24がワーク23に所定の圧力で押付けられる。又、スクライブ加圧シリンダー107内に供給された圧縮空気はピストンを降下させ、スクライブカッターホルダー109がピン112を支点に反時計方向に回転し、スクライブカッター14がワーク23に所定の圧力で押付けられる。この状態で、カッターテーブル134を左から右方向に移動すると、ワークテーブル11上に載置したワーク23表面には、剥離カッター24で帯状剥離領域が形成され、その帯状剥離領域中に、スクライブカッター14で割れがスクライブラインとして加工される。その後、この割れが広がる方向にワーク23に押力を加えることで、ワーク23を切断する。
【0056】
第2実施形態のスクライブ装置の効果を、ワークが液晶表示板用大型基板である場合で説明する。液晶表示板用大型基板の場合、図12に示した様に、表裏の両ガラスにスクライブ線が入る場合と、片側のガラスのみにスクライブ線が入る場合とでは、スクライブ深さを変えるのが望ましい。ところが第2実施形態のスクライブ装置では、シーケンサーの設定により予め設定したプログラムに従ってスクライブ圧を自動的に変更していくことが容易であり、この為、加工箇所に応じたスクライブ深さの加工が容易である。また、ワークが液晶表示板用大型基板である場合に限らず、ガラス端部ではガラスが欠け易く、スクライブ時の切込みも深くなり易いので、スクライブ圧を低目に設定することが望ましいが第2実施形態のスクライブ装置では、ワーク加工箇所に応じたスクライブ圧の設定が容易である。また、第2実施形態のスクライブ装置では、予め設定したプログラムに従ってスクライブ圧を自動的に変更していくことが容易の為、図3(b)の様に、ワークテーブル11上に、板厚や材質の異なるガラス基板等の脆性材料の表面に夫々材質が異なったり、或いは接着力が異なったりする成膜層を設けたワーク410A、410B、410Cをセットし、一度にスクライブしてしまうことが可能になる。
【0057】
以上、本発明のスクライブ装置が効果を発揮するケースを、ワークの板厚や材質の異なる場合、多種少量品の場合、液晶表示板の場合等を例にあげて説明してきたが、本発明のスクライブ装置は、これらの利用に限るものではない。例えば、ガラス、プラスチック材料を素材とする基板より成り、保護フォルム、位相差板、偏光板などの成膜層を備えるEL表示板、TP表示板の場合であっても、液晶表示板と全く同様の効果を生じる。本発明のスクライブ装置はスクライブ圧や剥離カット圧の設定変更が極めて容易であることが特徴であり、スクライブ圧や剥離カット圧の微妙な選択が望まれるスクライブ加工において全く同様にその効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1実施形態のスクライブ装置のエアー回路である。
【図2】本発明の第2実施形態のスクライブ装置のエアー回路である。
【図3】本発明において、板厚の異なるワークを一回のセットアップでスクライブする場合のワーク斜視図であり、(a)は表面に薄膜の無い場合を、(b)は表面に薄膜のある場合を示す。
【図4】背景技術における典型的なスクライブ装置の側面図であり、図4(a)は成膜層無しのワークを加工するスクライブ装置を、図4(b)は成膜層付きのワークを加工するスクライブ装置を示す。
【図5】背景技術において、成膜層無しのワークを加工するスクライブ装置の本体部分側面図である。
【図6】図5に用いるスクライブ装置のエアー回路図である。
【図7】背景技術において、成膜層付きのワークを加工するスクライブ装置の本体部分側面図である。
【図8】図7に用いるスクライブ装置のエアー回路図である。
【図9】背景技術において、スクライブカッターの総走行距離に応じてスクライブカット圧を調整するスクライブ装置のエアー回路を含む模式図である。
【図10】図10は背景技術において、重りを用いてスクライブカット圧を調整するスクライブ装置の基本構成の概念図である。
【図11】背景技術において、液晶表示板の外観を示す斜視図であり、図11(a)は表面側を、図11(b)は裏面側を示す。
【図12】背景技術において、スクライブ装置で加工後における液晶表示板用大型基板の断面図である。
【図13】背景技術において、移動ユニットが液晶表示板用大型基板上で動作中の状態を示す斜視図である。
【図14】背景技術において、液晶表示板用大型基板の外観を示す斜視図である。
【図15】背景技術において、液晶表示板製造装置を動作させた後の液晶表示板用大型基板の外観を示す斜視図であり、図15(a)はTFT側を、図15(b)はカラーフィルター側を示す。
【符号の説明】
【0059】
11 ワークテーブル
13、23、210a、210b、210c、410a、410b、410c ワーク
14 スクライブカッター
24 剥離カッター
101、131 カッター基板
106 スクライブカットブロック
107 スクライブ加圧シリンダー
109 スクライブカッターホルダー
136 剥離カットブロック
137 剥離カット加圧シリンダー
139 剥離カッターホルダー
201 201s スクライブカット用空電レギュレータ
201h 剥離カット用空電レギュレータ
202、302 制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークテーブルに固定した脆性材料よりなるワークの表面に沿って相対的に移動可能なカッター基板を備え、該カッター基板上に、下端にスクライブカッターを設けたスクライブカッターホルダーと、前記スクライブカッターをワークに押圧するスクライブ加圧シリンダーとを備え、該スクライブ加圧シリンダーで該スクライブカッターホルダーを加圧して、スクライブカッターをワークテーブル上のワークに押圧しながらカッター基板をワークに対して相対移動させることにより、ワーク上面にスクライブラインを形成し、スクライブラインに沿ってワークを複数に分断するスクライブ装置において、ワークのスクライブ箇所に応じてスクライブ加圧シリンダーの空圧をコントロールする制御部と、該制御部の指示に基づき空圧をコントロールするスクライブカット用空電レギュレータとを設けたことを特徴とするスクライブ装置。
【請求項2】
ワークテーブルに固定した成膜層付きの脆性材料よりなるワークの表面に沿って相対的に移動可能なカッター基板を備え、該カッター基板上に、下端にワーク表面の成膜層を部分的に剥離する剥離カッターを有する剥離カッターホルダーと、前記剥離カッターをワークに押圧する剥離カット加圧シリンダーとを備えた剥離カットブロックと、下端にスクライブカッターを設けたスクライブカッターホルダーと、前記スクライブカッターをワークに押圧するスクライブ加圧シリンダーとを備えたスクライブカットブロックとを設け、前記剥離カット加圧シリンダーで剥離カッターホルダーを介して剥離カッターをワークテーブル上のワークに押圧し、且つ、前記スクライブ加圧シリンダーで、スクライブカッターホルダーを介してスクライブカッターをワークテーブル上のワークに押圧しながら、カッター基板をワークに対して相対移動させることにより、ワーク上面に成膜層を削除した帯状剥離領域を形成すると同時に、該帯状剥離領域のワーク上にスクライブラインを形成してスクライブラインに沿ってワークを複数に分断するスクライブ装置において、ワーク上の帯状剥離領域形成箇所に応じた剥離カット加圧シリンダーの空圧並びに、ワーク上のスクライブ箇所に応じたスクライブカット加圧シリンダーの空圧とをコントロールする制御部と、該制御部の指示に基づき、剥離カット加圧シリンダーの空圧をコントロールする剥離カット用空電レギュレータと、スクライブカット加圧シリンダーの空圧をコントロールするスクライブカット用空電レギュレータとを設けたことを特徴とするスクライブ装置。
【請求項3】
前記制御部にシーケンサを用いたことを特徴とする請求の範囲1乃至2のいずれか1つに記載にスクライブ装置。
【請求項4】
前記制御部にてワークの端部ではスクライブ加圧シリンダーの空圧を小さくするように設定したことを特徴とする請求の範囲1乃至3のいずれか1つに記載のスクライブ装置。
【請求項5】
前記制御部にてワーク切断箇所のワークの厚さに基づいてスクライブ加圧シリンダーの空圧を設定したことを特徴とする請求の範囲1乃至4のいずれか1つに記載のスクライブ装置。
【請求項6】
前記ワークはガラス又はプラスチックよりなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のスクライブ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のスクライブ装置によって製作したことを特徴とする表示板。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−69477(P2007−69477A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−259448(P2005−259448)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(000124362)シチズンセイミツ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】