スタッカークレーン
【課題】構成の複雑化を招くことなく、ボールネジ駆動式の昇降駆動手段を備えることができながら、昇降用モータの交換作業を短時間で行えるスタッカークレーンの提供。
【解決手段】昇降駆動手段は、ネジ部16を回転駆動させる昇降用モータ17と、ネジ部16の回転駆動により昇降されるナット部18と、ナット部18の昇降により昇降台を昇降自在に支持する連結支持部19とを備え、ネジ部16、ナット部18、及び、連結支持部19の少なくとも一部が、昇降マスト7内に配置され、ネジ部16は、走行台車を構成する台車フレームの上端部を貫通する状態でその下端部が台車フレーム内に位置するように配置され、昇降用モータ17は、台車フレームの下方側に配置され、台車フレーム内には、昇降用モータ17の出力軸23とネジ部16とを連結して昇降用モータ17の出力をネジ部16に伝達自在なカップリング部22が備えられている。
【解決手段】昇降駆動手段は、ネジ部16を回転駆動させる昇降用モータ17と、ネジ部16の回転駆動により昇降されるナット部18と、ナット部18の昇降により昇降台を昇降自在に支持する連結支持部19とを備え、ネジ部16、ナット部18、及び、連結支持部19の少なくとも一部が、昇降マスト7内に配置され、ネジ部16は、走行台車を構成する台車フレームの上端部を貫通する状態でその下端部が台車フレーム内に位置するように配置され、昇降用モータ17は、台車フレームの下方側に配置され、台車フレーム内には、昇降用モータ17の出力軸23とネジ部16とを連結して昇降用モータ17の出力をネジ部16に伝達自在なカップリング部22が備えられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行レールに沿って走行自在な走行台車と、前記走行台車に立設された昇降マストに沿って昇降自在に備えられた昇降台と、前記昇降台に備えられて物品を移載自在な移載部と、前記昇降台を昇降駆動させる昇降駆動手段とが備えられているスタッカークレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなスタッカークレーンは、走行台車の走行作動及び昇降台の昇降作動を行うことにより、例えば、収納棚の物品収納部に対して設定された移載用位置に移載部を移動させ、移載用位置に移載部を位置させた状態で移載部の移載作動を行うことにより、物品収納部との間で物品を移載している(例えば、特許文献1参照。)。そして、この特許文献1に記載のスタッカークレーンでは、昇降台がチェーンやベルト等の索状体にて吊り下げ支持されており、昇降駆動手段として、例えば、索状体を巻き取り及び繰り出し自在な巻き取りドラムとその巻き取りドラムを回転駆動する昇降モータとを備えている。
【0003】
スタッカークレーンにおける昇降駆動手段ではないものの、昇降台を昇降させる昇降駆動手段として、ボールネジ駆動式のものもある(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に記載のものでは、昇降駆動手段が、軸心が上下方向に沿って配置されたネジ部を回転駆動させる昇降用モータと、ネジ部に螺合されてネジ部の回転駆動により昇降されるナット部と、上下方向に沿って配置されて昇降台を上下方向に沿って昇降案内する昇降案内部と、ナット部と昇降台を連結してナット部の昇降により昇降台を昇降自在に支持する連結支持部とを備えている。そして、昇降案内部として、上下方向に延びる一対のガイドレールが設けられ、昇降台側に備えられた一対のローラが一対のガイドレールに接触しながら回転することにより、昇降台を昇降案内している。また、ネジ部やナット部等が昇降マスト内に配置されており、昇降用モータは、ネジ部とは水平方向に離れた位置に設置されているので、昇降用モータの出力をネジ部に伝達するために、複数のギアを水平方向に並べて配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−247558号
【特許文献2】特開平8−12288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のスタッカークレーンでは、昇降台を索状体にて吊り下げ支持するために、スタッカークレーンの上部やその他の箇所にもスプロケット等の案内体を複数設けなければならず、構成の複雑化を招く可能性がある。また、索状体の伸び等により昇降台を適正に昇降できなくなる虞があるので、索状体の伸びに対する処置を行う必要があり、この点からも構成の複雑化を招く可能性があった。
【0006】
そこで、スタッカークレーンにおいて、昇降駆動手段として、上記特許文献2に記載の如く、ボールネジ駆動式の昇降駆動手段を備えることが考えられている。しかしながら、特許文献2に記載のものでは、昇降マスト内に配置されたネジ部とは水平方向に離れた位置に昇降用モータが設置されているので、昇降用モータの出力をネジ部に伝達するために、複数のギアを備えなければならず、構成の複雑化を招くものとなる。
また、スタッカークレーンでは、経年劣化等により昇降用モータを交換することがあるが、その昇降用モータの交換作業はスタッカークレーンの作動を停止させて行うことから、昇降用モータの交換作業を短時間で行うことができることが求められる。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、昇降駆動手段として、構成の複雑化を招くことなく、ボールネジ駆動式の昇降駆動手段を備えることができながら、昇降用モータの交換作業を短時間で行うことができるスタッカークレーンを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明に係る昇降式の物品搬送装置の第1特徴構成は、走行レールに沿って走行自在な走行台車と、前記走行台車に立設された昇降マストに沿って昇降自在に備えられた昇降台と、前記昇降台に備えられて物品を移載自在な移載部と、前記昇降台を昇降駆動させる昇降駆動手段とが備えられているスタッカークレーンにおいて、
前記昇降駆動手段は、軸心が上下方向に沿って配置されたネジ部を回転駆動させる昇降用モータと、前記ネジ部に螺合されて前記ネジ部の回転駆動により昇降されるナット部と、前記ナット部と前記昇降台を連結して前記ナット部の昇降により前記昇降台を昇降自在に支持する連結支持部とを備え、前記ネジ部、前記ナット部、及び、前記連結支持部の少なくとも一部が、前記昇降マスト内に配置され、前記ネジ部は、前記走行台車を構成する台車フレームの上端部を貫通する状態でその下端部が前記台車フレーム内に位置するように配置され、前記昇降用モータは、前記台車フレームの下方側に配置され、前記台車フレーム内には、前記昇降用モータの出力軸と前記ネジ部とを連結して前記昇降用モータの出力を前記ネジ部に伝達自在なカップリング部が備えられている点にある。
【0009】
本特徴構成によれば、昇降用モータがネジ部を回転駆動すると、その回転駆動によりナット部が昇降し、そのナット部の昇降に伴って連結支持部によりナット部に連結された昇降台が昇降する。このようにして、昇降用モータによるネジ部の回転駆動により昇降台を昇降させることができ、昇降台を安定した状態で昇降させることができる。
【0010】
そして、ネジ部、ナット部、及び、連結支持部の少なくとも一部が、昇降マスト内に配置されているので、これらの部材の設置スペースとして昇降マストの内部空間を利用することができる。また、ネジ部は、台車フレームの上端部を貫通する状態でその下端部が台車フレーム内に位置するように配置され、さらに、台車フレーム内には、台車フレームの下方側に配置された昇降用モータの出力軸とネジ部とを連結して昇降用モータの出力をネジ部に伝達するカップリング部が備えられている。これにより、単に、カップリング部にて昇降用モータの出力軸とネジ部とを連結するという簡易な構成により、昇降用モータの出力をネジ部に伝達させることできる。しかも、昇降用モータは、台車フレームの外部に露出する状態で台車フレームの下方側に配置しているので、昇降用モータの交換作業を容易に行うことができる。つまり、昇降用モータを交換する作業を行う場合には、単に、昇降用モータをネジ部に対して回転させる作業等を行うだけで、ネジ部から昇降用モータを取り外すことができる。また、ネジ部に対して昇降用モータを取り付けるときにも、単に、昇降用モータをネジ部に対して回転させる作業等を行うだけでよい。したがって、昇降用モータの交換作業を容易に行うことができ、その交換作業を短時間で行うことができる。
【0011】
したがって、本発明では、昇降駆動手段として、構成の複雑化を招くことなく、ボールネジ駆動式の昇降駆動手段を備えることができながら、昇降用モータの交換作業を短時間で行うことができるスタッカークレーンを実現できる。
【0012】
本発明に係るスタッカークレーンの第2特徴構成は、前記昇降用モータは、その長手方向が前記走行台車の走行方向に対して直交する方向に沿う姿勢で配置されている点にある。
【0013】
例えば、昇降用モータの長手方向が走行台車の走行方向に沿う姿勢で配置する場合には、昇降マストが位置する側から昇降台が位置する側に延びるように昇降用モータを設置すると、作業者がその昇降用モータを交換するときに、作業者は昇降台の下方に入り込んで交換作業を行わなければならない。よって、交換作業を行うに当たり、安全面での配慮が必要となって、交換作業が面倒な作業となってしまう可能性ある。そこで、昇降マストが位置する側から走行台車の外側に延びるように昇降用モータを設置することが考えられるが、この場合には、昇降用モータが走行台車の走行方向に突出する状態で設置されることになり、スタッカークレーンとして、走行台車の走行方向の長さが長くなってしまう。
そこで、本特徴構成では、昇降用モータの長手方向が走行台車の走行方向に対して直交する方向に沿う姿勢で昇降用モータが配置されているので、昇降用モータは走行台車の走行方向に突出する状態とはならず、走行台車の走行方向の長さを短くできながら、作業者が昇降台の下方に入り込まずに昇降用モータの交換作業を行うことができ、有用なものとなる。
【0014】
本発明に係るスタッカークレーンの第3特徴構成は、前記昇降用モータには、前記昇降用モータの出力を減速させて前記出力軸に伝達自在な減速機が一体的に備えられている点にある。
【0015】
本特徴構成によれば、減速機が昇降用モータに一体的に備えられているので、昇降用モータを交換する作業を行うことで、一体的に備えられた減速機も一緒に交換することができ、減速機と昇降用モータとを各別に備えるものと比べて、交換作業がより一層簡易なものとなる。
【0016】
本発明に係るスタッカークレーンの第4特徴構成は、前記走行レールは、前記移載部による物品移載方向に間隔を隔てて一対設けられ、前記昇降用モータは、前記物品移載方向において一対の前記走行レールの間で且つ上下方向において前記昇降用モータよりも下方側にメンテナンス台車挿入用空間を形成する状態で配置されている点にある。
【0017】
本特徴構成によれば、上下方向において昇降用モータよりも下方側にメンテナンス台車挿入用空間を形成する状態で昇降用モータが配置されているので、昇降用モータの交換作業を行うときに、このメンテナンス台車挿入用空間を利用しながら効率よく作業を行うことができる。つまり、昇降用モータを交換するときには、作業者の押し移動等により床面上でメンテナンス台車を移動させるだけで、メンテナンス台車挿入用空間にメンテナンス台車を挿入させることができる。よって、昇降用モータの運搬等をメンテナンス台車を用いて行うことができ、昇降用モータの交換作業がより簡単なものとなり、作業時間の短縮を効果的に図ることができる。
【0018】
本発明に係るスタッカークレーンの第5特徴構成は、前記昇降マストは、前記物品移載方向に水平に直交する水平直交方向に間隔を隔てて前記昇降台を挟む状態で一対設けられ、前記昇降駆動手段及び前記カッププリング部は、前記水平直交方向に間隔を隔てて前記昇降台を挟む状態で一対設けられている点にある。
【0019】
本特徴構成によれば、水平直交方向において一対の昇降駆動手段が昇降台を挟む状態で設けられているので、一対の昇降駆動手段の夫々にて昇降台を両側から支持しながら昇降台を昇降させることができる。これにより、昇降台を支持する構成としては簡易な構成を用いながら昇降台を安定した姿勢で支持して昇降させることができる。しかも、昇降台を昇降させるために必要な駆動力を一対の昇降駆動手段の夫々に分担させることができ、昇降駆動手段としては、高能力なものが求められず、構成の簡素化及び小型化を図ることができる。そして、昇降用モータの交換作業としては、一対の昇降駆動手段の夫々における昇降用モータを交換することになるが、上述の如く、昇降用モータの夫々を簡易に交換することでき、昇降用モータの交換作業の時間短縮を効果的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】保管設備の全体概略側面図
【図2】スタッカークレーンの側面図
【図3】スタッカークレーンの側面図
【図4】昇降台の平面図
【図5】スタッカークレーンの断面図
【図6】昇降駆動手段を示す断面図
【図7】昇降駆動手段を示す断面図
【図8】昇降駆動手段の要部を拡大した図
【図9】昇降台の要部を拡大した平面図
【図10】昇降台の要部を拡大した側面図
【図11】昇降台の要部を拡大した図
【図12】回転センサを示す平面図
【図13】回転センサを示す側面図
【図14】保管設備の制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係るスタッカークレーンを適用した保管設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
この保管設備は、図1に示すように、物品Bを出し入れする前面が互いに対向するように間隔を隔てて設置した2つの収納棚1と、それらの収納棚1どうしの間に形成した走行通路2を自動走行するスタッカークレーン3とを備えている。
【0022】
各収納棚1は、各物品Bを収納する物品収納部4が上下方向及び左右方向に複数並ぶように設けられており、図1では、上下方向に2つの物品収納部4が設けられている例を示している。ここで、物品Bは、例えば、ガラス基板を水平姿勢にて上下方向に間隔を隔てて複数枚収納可能な容器にて構成されている。そして、スタッカークレーン3は、走行通路2の床面側に設置された一対の走行レール5に沿って移動自在に設けられており、収納棚1の棚横幅方向の端部等に配置された搬出入部(図示省略)に入庫された物品Bを収納棚1の物品収納部4に収納する入庫動作や、収納棚1の物品収納部4に収納されている物品Bを搬出入部に搬送する出庫動作を行うように構成されている。
【0023】
スタッカークレーン3は、図2及び図3に示すように、一対の走行レール5に沿って走行自在な走行台車6と、走行台車6に立設された一対の昇降マスト7と、一対の昇降マスト7の間において一対の昇降マスト7に沿って昇降自在な昇降台8と、昇降台8に備えられた物品移載装置9(移載部に相当する)とを備えて構成されている。図2は、収納棚1の前後幅方向視での側面図であり、図3は、収納棚1の横幅方向視での側面図である。
【0024】
走行台車6には、走行レール5上を走行自在な前後2つの車輪10が設けられ、2つの車輪10のうちの走行台車6の前後幅方向の一端側の車輪が、インバータ式モータである走行用電動モータ11にて駆動される駆動輪10aとして構成され、走行台車6の前後幅方向の他端側の車輪が、遊転自在な従動輪10bとして構成されている。そして、走行台車6は、走行用電動モータ11の作動により駆動輪10aを回転駆動させて走行レール5に沿って走行するように構成されている。
【0025】
図2及び図3では図示を省略するが、走行レール5上での走行台車6の走行位置を検出するために、走行台車6には、走行用レーザ測距計26(図14参照)が備えられている。この走行用レーザ測距計26から走行レール5の端部に設置された反射体に対して測定用光を投光し、走行用レーザ測距計26が反射体にて反射された測定用光を受光して、走行台車6から反射体までの距離を検出することで走行台車6の走行位置を検出している。
【0026】
昇降マスト7は、走行台車6の前後幅方向において前端部と後端部の夫々に1つずつ一対設けられている。そして、一対の昇降マスト7は、その上部同士を連結しない非連結構造にて構成されている。これにより、一対の昇降マスト7の上部同士を連結する部材が必要ないので、スタッカークレーン3の軽量化を図ることができる。
【0027】
昇降台8は、図4に示すように、棚横幅方向(図中Y方向)に間隔を隔てて配置されて棚前後幅方向に延びる一対の第1昇降フレーム33と、一対の第1昇降フレーム33の端部側部位同士を連結する一対の第2昇降フレーム34と、一対の第2昇降フレーム34の中央部位同士を連結する第3昇降フレーム35とを備えて構成されている。図4は、物品移載装置9を取り外した状態での昇降台8を示す平面図である。
【0028】
物品移載装置9は、第1〜第3昇降フレーム33〜35により構成された昇降台8上に備えられており、収納棚1の棚前後幅方向を物品収納部4との間で物品Bを移載する物品移載方向(図中X方向)として、物品収納部4との間で物品Bを移載する。そして、物品移載装置9は、図2及び図5に示すように、物品Bを棚前後幅方向に載置搬送する一対のローラ式搬送装置13と、物品Bを構成する物品構成用枠体の底面に係合して、物品Bを物品収納部4からローラ式搬送装置13に係止移動させ且つ物品Bをローラ式搬送装置13から物品収納部4に係止移動させる係止式搬送装置14とを備えている。
【0029】
一対のローラ式搬送装置13は、物品移載方向に水平に直交する水平直交方向である収納棚1の棚横幅方向(図中Y方向)において昇降台8の両端部に配置され、係止式搬送装置14は、収納棚1の棚横幅方向において昇降台8の中央部に配置されている。
【0030】
係止式搬送装置14は、物品構成用枠体の底面に係合する係合部が物品収納部4に突出する突出位置と昇降台8側に引退する引退位置とに出退自在に、且つ、物品構成用枠体の底面に係合する上昇位置とその上昇位置よりも下方に引退する下降位置とに昇降自在に備えられている。そして、係止式搬送装置14は、係合部を突出位置に突出させて下降位置から上昇位置に昇降させることで物品収納部4の物品Bに対してその物品Bの物品構成用枠体の底面に係合自在となり、その状態で係合部を突出位置から引退位置に引退させることで、物品Bを物品収納部4からローラ式搬送装置13に係止移動させる。また、係止式搬送装置14は、係合部を引退位置に位置させて下降位置から上昇位置に昇降させることで物品移載装置9の物品Bに対してその物品Bの物品構成用枠体の底面に係合自在となり、その状態で係合部を引退位置から突出位置に突出させることで、物品Bをローラ式搬送装置13から物品収納部4に係止移動させる。
【0031】
このようにして、物品移載装置9は、係止式搬送装置14による物品Bの係止移動及びローラ式搬送装置13による物品Bの載置搬送により、物品収納部4との間で物品Bを移載自在に構成されている。そして、物品移載装置9による物品Bの移載をスムーズに行うために、収納棚1の物品収納部4の夫々には、図1に示すように、収納棚1の棚横幅方向に沿う軸心周りで自由回転自在な複数のローラ15が、収納棚1の棚前後幅方向に沿って並べる状態で設けられている。
【0032】
スタッカークレーン3には、図4及び図5に示すように、昇降台8を昇降マスト7に沿って上下方向に昇降駆動させるボールネジ駆動式の昇降駆動手段12が備えられている。昇降駆動手段12は、棚横幅方向(図中Y方向)に間隔を隔てて昇降台8を挟む状態で一対設けられている。
【0033】
一対の昇降駆動手段12の夫々は、同様の構成をしており、図6及び図7に示すように、軸心が上下方向に沿って配置されたネジ部16を回転駆動させる昇降用電動モータ17(昇降用モータに相当する)と、ネジ部16に螺合されてネジ部16の回転駆動により昇降されるナット部18と、ナット部18と昇降台8を連結してナット部18の昇降により昇降台8を昇降自在に支持する連結支持部19と、上下方向に沿って配置されて昇降台8を上下方向に沿って昇降案内する昇降案内部20とを備えている。図6は、図5における棚横幅方向視での昇降駆動手段12の拡大図であり、図7は、図5における棚前後幅方向視での昇降駆動手段12の拡大図である。そして、一対の昇降駆動手段12の夫々は、ネジ部16、ナット部18、昇降案内部20、及び、連結支持部19の少なくとも一部が昇降マスト7内に配置されている。
【0034】
ネジ部16は、上部及び下部の夫々がベアリング27により回転自在に支持されている。ネジ部16の下端側部位16aは、走行台車6を構成する台車フレーム21の上端部を貫通する状態で台車フレーム21内に延びるように配置されており、ネジ部16の下端部が台車フレーム21内に配置されている。ここで、台車フレーム21は、棚前後幅方向(図中X方向)に伸びる角材にて構成されており、図5に示すように、棚横幅方向に間隔を隔てて一対設けられている。そして、走行台車6は、一対の台車フレーム21と一対の台車フレーム21同士を連結する連結フレームとから構成されている。
【0035】
昇降用電動モータ17は、台車フレーム21の下方側に配置されており、その長手方向が棚前後幅方向(図中X方向)に沿う姿勢で配置されている。また、昇降用電動モータ17には、昇降用電動モータ17の出力を減速させて出力軸23に伝達自在な減速機24が一体的に備えられている。昇降用電動モータ17は、棚前後幅方向に沿う出力軸にて出力しており、減速機24は、昇降用電動モータ17の出力を減速させるとともに、昇降用電動モータ17の回転駆動力を出力する方向を上下方向に沿う出力軸23に変換して出力している。そして、台車フレーム21内には、減速機24の出力軸23とネジ部13とを連結して昇降用電動モータ17の出力をネジ部13に伝達自在なカップリング部22が備えられている。減速機24が一体的に備えられた昇降用電動モータ17の出力軸23は、その軸心が上下方向に沿ったものとなっており、ネジ部16の軸心も上下方向に沿ったものとなっている。よって、カップリング部22は、単に、上下方向に沿った出力軸23とネジ部23とを連結するだけでよく、簡易な構成となっている。
【0036】
このように、カップリング部22を台車フレーム21内に配置して、昇降用電動モータ17の出力をネジ部16に的確に伝達することができながら、減速機24が一体的に備えられた昇降用電動モータ17を台車フレーム21の外部に露出する状態で台車フレーム21の下方側に配置している。これにより、昇降用電動モータ17を交換する作業を行う場合には、単に、昇降用電動モータ17をネジ部16に対して回転させる作業等を行うだけで、ネジ部16から昇降用電動モータ17及びそれに一体的に備えられた減速機24を取り外すことができる。また、ネジ部16に対して昇降用電動モータ17を取り付けるときにも、単に、減速機24が一体的に備えられた昇降用電動モータ17をネジ部16に対して回転させる作業等を行うだけでよい。したがって、昇降用電動モータ17の交換作業を短時間で行うことができる。
【0037】
また、昇降用電動モータ17は、図3に示すように、棚前後幅方向(図中X方向)において一対の走行レール5の間で且つ上下方向において昇降用電動モータ17よりも下方側にメンテナンス台車挿入用空間25を形成する状態で配置されている。これにより、昇降用電動モータ17を交換するときには、作業者の押し移動等により床面上でメンテナンス台車(図示省略)を移動させるだけで、メンテナンス台車挿入用空間25にメンテナンス台車を挿入させることができる。よって、メンテナンス台車を用いながら昇降用電動モータ17の交換作業を行うことができ、昇降用電動モータ17の交換作業がより簡単なものとなり、作業時間の短縮を効果的に図ることができる。
【0038】
ナット部18は、図6及び図7に示すように、ネジ部16に螺合された円柱状に形成されており、ナット部18と昇降台8とを連結するために、ナット部18の下端部に水平方向に延びる板状の第1連結部材28が備えられている。昇降案内部20は、昇降マスト7に取り付けられて上下方向に沿って延びるガイドレールにて構成されており、棚前後幅方向においてネジ部16を挟む状態で間隔を隔てて一対設けられている。
【0039】
連結支持部19は、ナット部16と昇降台8とを連結してナット部16と昇降台8とを一体的に昇降させるとともに、昇降案内部20にて昇降案内されるように構成されている。連結支持部19は、ナット部16側に備えられた第1連結部材28と、昇降台8側に備えられて第1連結部材28と上下方向に重ね合わせる状態で配置される水平方向に延びる板状の第2連結部材29と、第2連結部材29に連結されて上下方向に延びる一対の第3連結部材30と、一対の第3連結部材30の夫々に連結されて昇降台8の第1昇降フレーム33に連結される第4連結部材31とを備えて構成されている。第1連結部材28と第2連結部材27とは、平面視における大きさが第2連結部材27の方が大きくなっている。一対の第3連結部材30は、棚前後幅方向においてネジ部16を挟む状態で間隔を隔てて設けられており、一対の第3連結部材30の夫々には、昇降案内部20にて摺動案内される被案内部32が上下方向に間隔を隔てて2つずつ備えられている。
【0040】
連結支持部19における第1連結部材28と第2連結部材29とは固定状態で連結されておらず、第1連結部材28に対して水平方向での移動を許容する状態で第2連結部材29が連結されている。
以下、その構成について、図6の該当部分を拡大した図8に基づいて説明を加える。
連結支持部19は、第1連結部材28と第2連結部材29とを連結するための連結用ボルト36を備えている。連結用ボルト36は、第1連結部材28を下方側に位置させる状態で第1連結部材28と第2連結部材29とを上下方向に重ね合わせて、第1連結部材28に形成された第1連結孔37と第2連結部材29に形成された第2連結孔38とを通して固定されて第1連結部材28と第2連結部材29とを連結している。第1連結孔37は、第2連結孔38の孔径よりも大きな孔径に形成されている。連結用ボルト36は、第1連結孔37の孔径よりも小径の外径である第1部位36aと、第1部位36aの外径よりも小径の外径を有して第1部位36aよりも先端側の第2部位36bとを備えた段付きボルトにて構成されている。そして、連結用ボルト36は、第1部位36aが第1連結孔37を貫通する状態で第2部位36bが第2連結孔38に内嵌固定されている。
【0041】
このようにして、第1連結孔37の内周部と連結用ボルト36の第1部位36aの外周部との間には隙間Sが形成されており、第1連結孔37内において移動許容範囲(隙間S分に相当する範囲)で連結用ボルト36の水平方向での移動が許容されている。これにより、ナット部18側に備えられた第1連結部材28に対して水平方向での移動を許容する状態で第2連結部材29が連結されている。そして、第2連結部材29は、第3連結部材30及び第4連結部材31を介して昇降台8に固定状態で連結されているので、連結支持部19は、ネジ部16に設置されたナット部18に対して移動許容範囲内で水平方向での移動を許容する状態で昇降台8を連結自在に構成されている。
【0042】
したがって、例えば、ネジ部16の軸心方向に対して昇降案内部20の案内方向がずれた状態でネジ部16及び昇降案内部20が設置された場合でも、昇降台8を昇降させる際に、ナット部18に対して昇降台8が水平方向に移動許容範囲内で移動しながら昇降することになり、ネジ部16に対して水平方向に力がかからず、ネジ部16の破損を防止することができる。しかも、ネジ部16自体は移動せずに固定されているので、ネジ部16を揺動させる等の複雑な構成を備えることなく、昇降台8を上下方向に沿って適正に昇降させることができる。
【0043】
また、上下方向に重ね合わされる第1連結部材28と第2連結部材29との間には、第1連結部材28と第2連結部材29との間での摩擦抵抗よりも小さい摩擦抵抗を有する小摩擦抵抗体39(例えば、MCナイロンにて構成された平板状部材)が配置されている。これにより、昇降台8を昇降させる際に、ナット部18に対する昇降台8の水平方向での移動をスムーズに行うことができ、ネジ部16に対して水平方向に力がかかることを的確に防止することができる。
【0044】
昇降台8は、上述の如く、図4に示すように、一対の第1昇降フレーム33と一対の第2昇降フレーム34とを備えているが、第1昇降フレーム33と第2昇降フレーム34とは固定状態で連結されておらず、一対の第2昇降フレーム34の夫々における一端部が一対の第1昇降フレーム33の一方側に対して棚前後幅方向に沿う軸心周りに揺動自在で連結され、且つ、一対の第2昇降フレーム34の夫々における他端部が一対の第1昇降フレーム33の他方側に対して水平方向にスライド移動自在に連結されている。
【0045】
以下、その構成について、第1昇降フレーム33と第2昇降フレーム34との連結部分を拡大した図9〜図11に基づいて説明する。
一対の第2昇降フレーム34の夫々は、その一端部が棚前後幅方向に沿う軸心周りで揺動自在に第1昇降フレーム33に連結され、且つ、その他端部が棚横幅方向にスライド移動自在に第1昇降フレーム33に連結されている。図9は、第1昇降フレーム33と第2昇降フレーム34とを連結する部分を拡大した平面図であり、図10は、第1昇降フレーム33と第2昇降フレーム34とを連結する部分を拡大した側面図である。図11(a)は、図9及び図10において第2昇降フレーム34の左端部と第1昇降フレーム33とを連結する部分の断面図であり、図11(b)は、図9及び図10において第2昇降フレーム34の右端部と第1昇降フレーム33とを連結する部分の断面図である。
【0046】
第2昇降フレーム34の一端部では、図9及び図10中左側、並びに、図11(a)に示すように、棚前後幅方向(図中X方向)に沿う軸心周りに回転自在な連結ピン41が第1昇降フレーム33に備えられた一端側連結部材40を貫通する状態でその一端側連結部材40に対して回転自在に設けられている。そして、第2昇降フレーム34が、連結ピン41により一端側連結部材40に対して棚前後幅方向に沿う軸心周りに回転自在に連結されている。これにより、第2昇降フレーム34がその一端部を支点として第1昇降フレーム33に対して揺動自在となっている。
【0047】
また、第2昇降フレーム34の他端部では、図9及び図10中右側、並びに、図11(b)に示すように、第1昇降フレーム33に備えられた他端側連結部材49に形成された水平直交方向に沿う長孔状の溝部42に対して、第2昇降フレーム34に備えられた棚前後幅方向に沿う軸心周りで自由回転自在なガイドローラ51を嵌め込むことで、第2昇降フレーム34が他端側連結部材49に対して棚横幅方向(図中Y方向)にスライド移動自在に連結されている。これにより、ガイドローラ51が溝部42内で棚横幅方向にスライド移動することにより、第2昇降フレーム34が第1昇降フレーム33に対して棚横幅方向に移動自在となっている。また、他端側連結部材49に対する第2昇降フレーム34の移動を規制するために、他端側連結部材49やガイドローラ51に当接自在な上下方向に沿う軸心周りで自由回転自在な規制ローラ50が備えられている。
【0048】
スタッカークレーン3には、図5に示すように、棚横幅方向(図中Y方向)の一方側に上下方向での昇降台8の昇降位置を検出する昇降用レーザ測距計43が備えられている。昇降用レーザ測距計43は、棚横幅方向において昇降台8の一方側に配置された反射体44に対して上下方向に沿って測定用光を投光し、反射体44にて反射された測定用光を受光するように構成されている。昇降用レーザ測距計43は、例えば、測定用光を投光してから測定用光を受光するまでの経過時間に基づいて、走行台車6から昇降台8までの距離を求めることで、上下方向での昇降台8の昇降位置を検出している。
【0049】
また、スタッカークレーン3には、一対の昇降駆動手段12のうち、棚横幅方向(図中Y方向)の他方側(昇降用レーザ測距計43の配置位置とは反対側)に位置する昇降駆動手段12には、ネジ部16が回転しているか否かを検出する回転センサ45が備えられている。この回転センサ45について、平面図である図12及び側面図である図13に基づいて説明する。
【0050】
回転センサ45は、ネジ部16の上端部にネジ部16と同軸上で回転自在に設けられた回転体47と、回転体47の回転を検出する馬蹄形のセンサ部48とを備えている。回転体47は、回転方向に存在領域と非存在領域とを備えた扇形状に形成され、センサ部48は、例えば、投受光式のセンサであり、回転体47の存在領域の回転方向での通過を検出するように構成されている。
【0051】
このスタッカークレーン3には、図14に示すように、スタッカークレーン3の運転を制御するクレーン制御装置Hが備えられている。そして、クレーン制御装置Hは、地上側コントローラ(図示省略)からの指令に基づいて、搬出入部に入庫された物品Bを収納棚1の物品収納部4に収納する入庫動作や、収納棚1の物品収納部4に収納されている物品Bを搬出入部に搬送する出庫動作を行うべく、スタッカークレーン3の運転を制御する。クレーン制御装置Hは、入庫動作及び出庫動作において、走行台車10の走行作動及び昇降台8の昇降作動を制御することにより、移載対象となる物品収納部4又は搬出入部に対して設定された移載用目標位置に物品移載装置9を移動させ、移載用目標位置に物品移載装置9を位置させた状態において物品移載装置9の移載作動を制御することにより、移載対象となる物品収納部4又は搬出入部との間で物品Bを移載する。
【0052】
クレーン制御装置Hは、走行用レーザ測距計26の検出情報に基づいて、走行台車6の走行位置を管理しており、その走行台車6の走行位置に基づいて走行用電動モータ11を作動させて走行台車10の走行作動を制御することで、棚横幅方向で移載用目標位置に物品移載装置9を移動させている。
【0053】
昇降用電動モータ17としてサーボモータを用いているので、クレーン制御装置Hは、昇降用電動モータ17としてのサーボモータのエンコーダ値に基づいて、昇降台8の昇降位置を管理しており、その昇降台8の昇降位置に基づいて一対の昇降駆動手段12の夫々における2つの昇降用電動モータ17を同期駆動させることで、一対の昇降駆動手段12を同期駆動させて昇降台8の昇降作動を制御して、上下方向で移載用目標位置に物品移載装置9を移動させている。
【0054】
ここで、クレーン制御装置Hが、昇降台8を昇降させるに当たり、一対の昇降駆動手段12の夫々における昇降用電動モータ17を同期駆動させるのであるが、昇降用電動モータ17の故障等により一方の昇降駆動手段12においてネジ部16を適正に回転駆動できなくなることがある。この場合には、昇降台8を適正に昇降させることができず、ネジ部16の破損等の問題が生じることになる。そこで、一対の昇降駆動手段12の夫々において、ネジ部16が適正に回転駆動しているか否かを判別することが必要となる。
【0055】
昇降用レーザ測距計43は、図5に示すように、棚横幅方向(図中Y方向)の一方側に配置されており、クレーン制御装置Hは、この昇降用レーザ測距計43の検出情報に基づいて、上下方向での昇降台8の昇降位置を管理している。これにより、一対の昇降駆動手段12のうち、棚横幅方向の一方側に位置する昇降駆動手段12について、クレーン制御装置Hが、昇降用電動モータ17を作動させているにもかかわらず、昇降用レーザ測距計43の検出情報による昇降台8の昇降位置が変化しなければ、ネジ部16が適正に回転駆動していないと判別して、昇降台8の昇降を異常停止させる。
【0056】
回転センサ45は、図5に示すように、棚横幅方向(図中Y方向)の他方側に配置されている。そこで、クレーン制御装置Hには、図14に示すように、一対の昇降駆動手段12のうち、棚横幅方向の他方側に位置する昇降駆動手段12について、昇降用電動モータ17にてネジ部16を回転させたときに、回転センサ45の検出情報に基づいて、ネジ部16が適正に回転していないネジ部回転異常状態であるか否かを判別するネジ部回転異常状態判別手段H1が備えられている。ネジ部回転異常状態判別手段H1は、昇降用電動モータ17を作動させてネジ部16を回転させているときに、ネジ部16が設定回数回転するまでにセンサ部48にて回転体47の存在領域の回転方向での通過を検出しなければ、ネジ部回転異常状態であると判別して、昇降台8の昇降を異常停止させる。
【0057】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、昇降駆動手段12として、昇降台8を挟んで一対設けているが、昇降駆動手段12を1つ設け、その1つの昇降駆動手段12にて昇降台8を片持ち支持しながら昇降させることもできる。
【0058】
(2)上記実施形態では、上下方向での昇降台8の昇降位置を検出する昇降用レーザ測距計43を設けているが、例えば、上下方向での昇降台8の昇降位置を検出する昇降用ロータリエンコーダを設けることもできる。この場合、例えば、昇降用ロータリエンコーダの回転軸には、昇降マスト7の長手方向に沿って設けられたチェーンに歯合するスプロケットが設けられ、昇降用ロータリエンコーダは、基準位置からの昇降台8の昇降距離から上下方向での昇降台8の昇降位置を検出する。
また、走行台車6の走行位置を検出する走行用レーザ測距計26についても、これに代えて、走行用ロータリエンコーダを用いることもできる。
【符号の説明】
【0059】
3 スタッカークレーン
5 走行レール
6 走行台車
7 昇降マスト
8 昇降台
9 移載部
12 昇降駆動手段
16 ネジ部
17 昇降用モータ
18 ナット部
19 連結支持部
21 台車フレーム
22 カップリング部
24 減速機
25 メンテナンス台車用挿入用空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行レールに沿って走行自在な走行台車と、前記走行台車に立設された昇降マストに沿って昇降自在に備えられた昇降台と、前記昇降台に備えられて物品を移載自在な移載部と、前記昇降台を昇降駆動させる昇降駆動手段とが備えられているスタッカークレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなスタッカークレーンは、走行台車の走行作動及び昇降台の昇降作動を行うことにより、例えば、収納棚の物品収納部に対して設定された移載用位置に移載部を移動させ、移載用位置に移載部を位置させた状態で移載部の移載作動を行うことにより、物品収納部との間で物品を移載している(例えば、特許文献1参照。)。そして、この特許文献1に記載のスタッカークレーンでは、昇降台がチェーンやベルト等の索状体にて吊り下げ支持されており、昇降駆動手段として、例えば、索状体を巻き取り及び繰り出し自在な巻き取りドラムとその巻き取りドラムを回転駆動する昇降モータとを備えている。
【0003】
スタッカークレーンにおける昇降駆動手段ではないものの、昇降台を昇降させる昇降駆動手段として、ボールネジ駆動式のものもある(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に記載のものでは、昇降駆動手段が、軸心が上下方向に沿って配置されたネジ部を回転駆動させる昇降用モータと、ネジ部に螺合されてネジ部の回転駆動により昇降されるナット部と、上下方向に沿って配置されて昇降台を上下方向に沿って昇降案内する昇降案内部と、ナット部と昇降台を連結してナット部の昇降により昇降台を昇降自在に支持する連結支持部とを備えている。そして、昇降案内部として、上下方向に延びる一対のガイドレールが設けられ、昇降台側に備えられた一対のローラが一対のガイドレールに接触しながら回転することにより、昇降台を昇降案内している。また、ネジ部やナット部等が昇降マスト内に配置されており、昇降用モータは、ネジ部とは水平方向に離れた位置に設置されているので、昇降用モータの出力をネジ部に伝達するために、複数のギアを水平方向に並べて配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−247558号
【特許文献2】特開平8−12288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のスタッカークレーンでは、昇降台を索状体にて吊り下げ支持するために、スタッカークレーンの上部やその他の箇所にもスプロケット等の案内体を複数設けなければならず、構成の複雑化を招く可能性がある。また、索状体の伸び等により昇降台を適正に昇降できなくなる虞があるので、索状体の伸びに対する処置を行う必要があり、この点からも構成の複雑化を招く可能性があった。
【0006】
そこで、スタッカークレーンにおいて、昇降駆動手段として、上記特許文献2に記載の如く、ボールネジ駆動式の昇降駆動手段を備えることが考えられている。しかしながら、特許文献2に記載のものでは、昇降マスト内に配置されたネジ部とは水平方向に離れた位置に昇降用モータが設置されているので、昇降用モータの出力をネジ部に伝達するために、複数のギアを備えなければならず、構成の複雑化を招くものとなる。
また、スタッカークレーンでは、経年劣化等により昇降用モータを交換することがあるが、その昇降用モータの交換作業はスタッカークレーンの作動を停止させて行うことから、昇降用モータの交換作業を短時間で行うことができることが求められる。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、昇降駆動手段として、構成の複雑化を招くことなく、ボールネジ駆動式の昇降駆動手段を備えることができながら、昇降用モータの交換作業を短時間で行うことができるスタッカークレーンを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明に係る昇降式の物品搬送装置の第1特徴構成は、走行レールに沿って走行自在な走行台車と、前記走行台車に立設された昇降マストに沿って昇降自在に備えられた昇降台と、前記昇降台に備えられて物品を移載自在な移載部と、前記昇降台を昇降駆動させる昇降駆動手段とが備えられているスタッカークレーンにおいて、
前記昇降駆動手段は、軸心が上下方向に沿って配置されたネジ部を回転駆動させる昇降用モータと、前記ネジ部に螺合されて前記ネジ部の回転駆動により昇降されるナット部と、前記ナット部と前記昇降台を連結して前記ナット部の昇降により前記昇降台を昇降自在に支持する連結支持部とを備え、前記ネジ部、前記ナット部、及び、前記連結支持部の少なくとも一部が、前記昇降マスト内に配置され、前記ネジ部は、前記走行台車を構成する台車フレームの上端部を貫通する状態でその下端部が前記台車フレーム内に位置するように配置され、前記昇降用モータは、前記台車フレームの下方側に配置され、前記台車フレーム内には、前記昇降用モータの出力軸と前記ネジ部とを連結して前記昇降用モータの出力を前記ネジ部に伝達自在なカップリング部が備えられている点にある。
【0009】
本特徴構成によれば、昇降用モータがネジ部を回転駆動すると、その回転駆動によりナット部が昇降し、そのナット部の昇降に伴って連結支持部によりナット部に連結された昇降台が昇降する。このようにして、昇降用モータによるネジ部の回転駆動により昇降台を昇降させることができ、昇降台を安定した状態で昇降させることができる。
【0010】
そして、ネジ部、ナット部、及び、連結支持部の少なくとも一部が、昇降マスト内に配置されているので、これらの部材の設置スペースとして昇降マストの内部空間を利用することができる。また、ネジ部は、台車フレームの上端部を貫通する状態でその下端部が台車フレーム内に位置するように配置され、さらに、台車フレーム内には、台車フレームの下方側に配置された昇降用モータの出力軸とネジ部とを連結して昇降用モータの出力をネジ部に伝達するカップリング部が備えられている。これにより、単に、カップリング部にて昇降用モータの出力軸とネジ部とを連結するという簡易な構成により、昇降用モータの出力をネジ部に伝達させることできる。しかも、昇降用モータは、台車フレームの外部に露出する状態で台車フレームの下方側に配置しているので、昇降用モータの交換作業を容易に行うことができる。つまり、昇降用モータを交換する作業を行う場合には、単に、昇降用モータをネジ部に対して回転させる作業等を行うだけで、ネジ部から昇降用モータを取り外すことができる。また、ネジ部に対して昇降用モータを取り付けるときにも、単に、昇降用モータをネジ部に対して回転させる作業等を行うだけでよい。したがって、昇降用モータの交換作業を容易に行うことができ、その交換作業を短時間で行うことができる。
【0011】
したがって、本発明では、昇降駆動手段として、構成の複雑化を招くことなく、ボールネジ駆動式の昇降駆動手段を備えることができながら、昇降用モータの交換作業を短時間で行うことができるスタッカークレーンを実現できる。
【0012】
本発明に係るスタッカークレーンの第2特徴構成は、前記昇降用モータは、その長手方向が前記走行台車の走行方向に対して直交する方向に沿う姿勢で配置されている点にある。
【0013】
例えば、昇降用モータの長手方向が走行台車の走行方向に沿う姿勢で配置する場合には、昇降マストが位置する側から昇降台が位置する側に延びるように昇降用モータを設置すると、作業者がその昇降用モータを交換するときに、作業者は昇降台の下方に入り込んで交換作業を行わなければならない。よって、交換作業を行うに当たり、安全面での配慮が必要となって、交換作業が面倒な作業となってしまう可能性ある。そこで、昇降マストが位置する側から走行台車の外側に延びるように昇降用モータを設置することが考えられるが、この場合には、昇降用モータが走行台車の走行方向に突出する状態で設置されることになり、スタッカークレーンとして、走行台車の走行方向の長さが長くなってしまう。
そこで、本特徴構成では、昇降用モータの長手方向が走行台車の走行方向に対して直交する方向に沿う姿勢で昇降用モータが配置されているので、昇降用モータは走行台車の走行方向に突出する状態とはならず、走行台車の走行方向の長さを短くできながら、作業者が昇降台の下方に入り込まずに昇降用モータの交換作業を行うことができ、有用なものとなる。
【0014】
本発明に係るスタッカークレーンの第3特徴構成は、前記昇降用モータには、前記昇降用モータの出力を減速させて前記出力軸に伝達自在な減速機が一体的に備えられている点にある。
【0015】
本特徴構成によれば、減速機が昇降用モータに一体的に備えられているので、昇降用モータを交換する作業を行うことで、一体的に備えられた減速機も一緒に交換することができ、減速機と昇降用モータとを各別に備えるものと比べて、交換作業がより一層簡易なものとなる。
【0016】
本発明に係るスタッカークレーンの第4特徴構成は、前記走行レールは、前記移載部による物品移載方向に間隔を隔てて一対設けられ、前記昇降用モータは、前記物品移載方向において一対の前記走行レールの間で且つ上下方向において前記昇降用モータよりも下方側にメンテナンス台車挿入用空間を形成する状態で配置されている点にある。
【0017】
本特徴構成によれば、上下方向において昇降用モータよりも下方側にメンテナンス台車挿入用空間を形成する状態で昇降用モータが配置されているので、昇降用モータの交換作業を行うときに、このメンテナンス台車挿入用空間を利用しながら効率よく作業を行うことができる。つまり、昇降用モータを交換するときには、作業者の押し移動等により床面上でメンテナンス台車を移動させるだけで、メンテナンス台車挿入用空間にメンテナンス台車を挿入させることができる。よって、昇降用モータの運搬等をメンテナンス台車を用いて行うことができ、昇降用モータの交換作業がより簡単なものとなり、作業時間の短縮を効果的に図ることができる。
【0018】
本発明に係るスタッカークレーンの第5特徴構成は、前記昇降マストは、前記物品移載方向に水平に直交する水平直交方向に間隔を隔てて前記昇降台を挟む状態で一対設けられ、前記昇降駆動手段及び前記カッププリング部は、前記水平直交方向に間隔を隔てて前記昇降台を挟む状態で一対設けられている点にある。
【0019】
本特徴構成によれば、水平直交方向において一対の昇降駆動手段が昇降台を挟む状態で設けられているので、一対の昇降駆動手段の夫々にて昇降台を両側から支持しながら昇降台を昇降させることができる。これにより、昇降台を支持する構成としては簡易な構成を用いながら昇降台を安定した姿勢で支持して昇降させることができる。しかも、昇降台を昇降させるために必要な駆動力を一対の昇降駆動手段の夫々に分担させることができ、昇降駆動手段としては、高能力なものが求められず、構成の簡素化及び小型化を図ることができる。そして、昇降用モータの交換作業としては、一対の昇降駆動手段の夫々における昇降用モータを交換することになるが、上述の如く、昇降用モータの夫々を簡易に交換することでき、昇降用モータの交換作業の時間短縮を効果的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】保管設備の全体概略側面図
【図2】スタッカークレーンの側面図
【図3】スタッカークレーンの側面図
【図4】昇降台の平面図
【図5】スタッカークレーンの断面図
【図6】昇降駆動手段を示す断面図
【図7】昇降駆動手段を示す断面図
【図8】昇降駆動手段の要部を拡大した図
【図9】昇降台の要部を拡大した平面図
【図10】昇降台の要部を拡大した側面図
【図11】昇降台の要部を拡大した図
【図12】回転センサを示す平面図
【図13】回転センサを示す側面図
【図14】保管設備の制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係るスタッカークレーンを適用した保管設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
この保管設備は、図1に示すように、物品Bを出し入れする前面が互いに対向するように間隔を隔てて設置した2つの収納棚1と、それらの収納棚1どうしの間に形成した走行通路2を自動走行するスタッカークレーン3とを備えている。
【0022】
各収納棚1は、各物品Bを収納する物品収納部4が上下方向及び左右方向に複数並ぶように設けられており、図1では、上下方向に2つの物品収納部4が設けられている例を示している。ここで、物品Bは、例えば、ガラス基板を水平姿勢にて上下方向に間隔を隔てて複数枚収納可能な容器にて構成されている。そして、スタッカークレーン3は、走行通路2の床面側に設置された一対の走行レール5に沿って移動自在に設けられており、収納棚1の棚横幅方向の端部等に配置された搬出入部(図示省略)に入庫された物品Bを収納棚1の物品収納部4に収納する入庫動作や、収納棚1の物品収納部4に収納されている物品Bを搬出入部に搬送する出庫動作を行うように構成されている。
【0023】
スタッカークレーン3は、図2及び図3に示すように、一対の走行レール5に沿って走行自在な走行台車6と、走行台車6に立設された一対の昇降マスト7と、一対の昇降マスト7の間において一対の昇降マスト7に沿って昇降自在な昇降台8と、昇降台8に備えられた物品移載装置9(移載部に相当する)とを備えて構成されている。図2は、収納棚1の前後幅方向視での側面図であり、図3は、収納棚1の横幅方向視での側面図である。
【0024】
走行台車6には、走行レール5上を走行自在な前後2つの車輪10が設けられ、2つの車輪10のうちの走行台車6の前後幅方向の一端側の車輪が、インバータ式モータである走行用電動モータ11にて駆動される駆動輪10aとして構成され、走行台車6の前後幅方向の他端側の車輪が、遊転自在な従動輪10bとして構成されている。そして、走行台車6は、走行用電動モータ11の作動により駆動輪10aを回転駆動させて走行レール5に沿って走行するように構成されている。
【0025】
図2及び図3では図示を省略するが、走行レール5上での走行台車6の走行位置を検出するために、走行台車6には、走行用レーザ測距計26(図14参照)が備えられている。この走行用レーザ測距計26から走行レール5の端部に設置された反射体に対して測定用光を投光し、走行用レーザ測距計26が反射体にて反射された測定用光を受光して、走行台車6から反射体までの距離を検出することで走行台車6の走行位置を検出している。
【0026】
昇降マスト7は、走行台車6の前後幅方向において前端部と後端部の夫々に1つずつ一対設けられている。そして、一対の昇降マスト7は、その上部同士を連結しない非連結構造にて構成されている。これにより、一対の昇降マスト7の上部同士を連結する部材が必要ないので、スタッカークレーン3の軽量化を図ることができる。
【0027】
昇降台8は、図4に示すように、棚横幅方向(図中Y方向)に間隔を隔てて配置されて棚前後幅方向に延びる一対の第1昇降フレーム33と、一対の第1昇降フレーム33の端部側部位同士を連結する一対の第2昇降フレーム34と、一対の第2昇降フレーム34の中央部位同士を連結する第3昇降フレーム35とを備えて構成されている。図4は、物品移載装置9を取り外した状態での昇降台8を示す平面図である。
【0028】
物品移載装置9は、第1〜第3昇降フレーム33〜35により構成された昇降台8上に備えられており、収納棚1の棚前後幅方向を物品収納部4との間で物品Bを移載する物品移載方向(図中X方向)として、物品収納部4との間で物品Bを移載する。そして、物品移載装置9は、図2及び図5に示すように、物品Bを棚前後幅方向に載置搬送する一対のローラ式搬送装置13と、物品Bを構成する物品構成用枠体の底面に係合して、物品Bを物品収納部4からローラ式搬送装置13に係止移動させ且つ物品Bをローラ式搬送装置13から物品収納部4に係止移動させる係止式搬送装置14とを備えている。
【0029】
一対のローラ式搬送装置13は、物品移載方向に水平に直交する水平直交方向である収納棚1の棚横幅方向(図中Y方向)において昇降台8の両端部に配置され、係止式搬送装置14は、収納棚1の棚横幅方向において昇降台8の中央部に配置されている。
【0030】
係止式搬送装置14は、物品構成用枠体の底面に係合する係合部が物品収納部4に突出する突出位置と昇降台8側に引退する引退位置とに出退自在に、且つ、物品構成用枠体の底面に係合する上昇位置とその上昇位置よりも下方に引退する下降位置とに昇降自在に備えられている。そして、係止式搬送装置14は、係合部を突出位置に突出させて下降位置から上昇位置に昇降させることで物品収納部4の物品Bに対してその物品Bの物品構成用枠体の底面に係合自在となり、その状態で係合部を突出位置から引退位置に引退させることで、物品Bを物品収納部4からローラ式搬送装置13に係止移動させる。また、係止式搬送装置14は、係合部を引退位置に位置させて下降位置から上昇位置に昇降させることで物品移載装置9の物品Bに対してその物品Bの物品構成用枠体の底面に係合自在となり、その状態で係合部を引退位置から突出位置に突出させることで、物品Bをローラ式搬送装置13から物品収納部4に係止移動させる。
【0031】
このようにして、物品移載装置9は、係止式搬送装置14による物品Bの係止移動及びローラ式搬送装置13による物品Bの載置搬送により、物品収納部4との間で物品Bを移載自在に構成されている。そして、物品移載装置9による物品Bの移載をスムーズに行うために、収納棚1の物品収納部4の夫々には、図1に示すように、収納棚1の棚横幅方向に沿う軸心周りで自由回転自在な複数のローラ15が、収納棚1の棚前後幅方向に沿って並べる状態で設けられている。
【0032】
スタッカークレーン3には、図4及び図5に示すように、昇降台8を昇降マスト7に沿って上下方向に昇降駆動させるボールネジ駆動式の昇降駆動手段12が備えられている。昇降駆動手段12は、棚横幅方向(図中Y方向)に間隔を隔てて昇降台8を挟む状態で一対設けられている。
【0033】
一対の昇降駆動手段12の夫々は、同様の構成をしており、図6及び図7に示すように、軸心が上下方向に沿って配置されたネジ部16を回転駆動させる昇降用電動モータ17(昇降用モータに相当する)と、ネジ部16に螺合されてネジ部16の回転駆動により昇降されるナット部18と、ナット部18と昇降台8を連結してナット部18の昇降により昇降台8を昇降自在に支持する連結支持部19と、上下方向に沿って配置されて昇降台8を上下方向に沿って昇降案内する昇降案内部20とを備えている。図6は、図5における棚横幅方向視での昇降駆動手段12の拡大図であり、図7は、図5における棚前後幅方向視での昇降駆動手段12の拡大図である。そして、一対の昇降駆動手段12の夫々は、ネジ部16、ナット部18、昇降案内部20、及び、連結支持部19の少なくとも一部が昇降マスト7内に配置されている。
【0034】
ネジ部16は、上部及び下部の夫々がベアリング27により回転自在に支持されている。ネジ部16の下端側部位16aは、走行台車6を構成する台車フレーム21の上端部を貫通する状態で台車フレーム21内に延びるように配置されており、ネジ部16の下端部が台車フレーム21内に配置されている。ここで、台車フレーム21は、棚前後幅方向(図中X方向)に伸びる角材にて構成されており、図5に示すように、棚横幅方向に間隔を隔てて一対設けられている。そして、走行台車6は、一対の台車フレーム21と一対の台車フレーム21同士を連結する連結フレームとから構成されている。
【0035】
昇降用電動モータ17は、台車フレーム21の下方側に配置されており、その長手方向が棚前後幅方向(図中X方向)に沿う姿勢で配置されている。また、昇降用電動モータ17には、昇降用電動モータ17の出力を減速させて出力軸23に伝達自在な減速機24が一体的に備えられている。昇降用電動モータ17は、棚前後幅方向に沿う出力軸にて出力しており、減速機24は、昇降用電動モータ17の出力を減速させるとともに、昇降用電動モータ17の回転駆動力を出力する方向を上下方向に沿う出力軸23に変換して出力している。そして、台車フレーム21内には、減速機24の出力軸23とネジ部13とを連結して昇降用電動モータ17の出力をネジ部13に伝達自在なカップリング部22が備えられている。減速機24が一体的に備えられた昇降用電動モータ17の出力軸23は、その軸心が上下方向に沿ったものとなっており、ネジ部16の軸心も上下方向に沿ったものとなっている。よって、カップリング部22は、単に、上下方向に沿った出力軸23とネジ部23とを連結するだけでよく、簡易な構成となっている。
【0036】
このように、カップリング部22を台車フレーム21内に配置して、昇降用電動モータ17の出力をネジ部16に的確に伝達することができながら、減速機24が一体的に備えられた昇降用電動モータ17を台車フレーム21の外部に露出する状態で台車フレーム21の下方側に配置している。これにより、昇降用電動モータ17を交換する作業を行う場合には、単に、昇降用電動モータ17をネジ部16に対して回転させる作業等を行うだけで、ネジ部16から昇降用電動モータ17及びそれに一体的に備えられた減速機24を取り外すことができる。また、ネジ部16に対して昇降用電動モータ17を取り付けるときにも、単に、減速機24が一体的に備えられた昇降用電動モータ17をネジ部16に対して回転させる作業等を行うだけでよい。したがって、昇降用電動モータ17の交換作業を短時間で行うことができる。
【0037】
また、昇降用電動モータ17は、図3に示すように、棚前後幅方向(図中X方向)において一対の走行レール5の間で且つ上下方向において昇降用電動モータ17よりも下方側にメンテナンス台車挿入用空間25を形成する状態で配置されている。これにより、昇降用電動モータ17を交換するときには、作業者の押し移動等により床面上でメンテナンス台車(図示省略)を移動させるだけで、メンテナンス台車挿入用空間25にメンテナンス台車を挿入させることができる。よって、メンテナンス台車を用いながら昇降用電動モータ17の交換作業を行うことができ、昇降用電動モータ17の交換作業がより簡単なものとなり、作業時間の短縮を効果的に図ることができる。
【0038】
ナット部18は、図6及び図7に示すように、ネジ部16に螺合された円柱状に形成されており、ナット部18と昇降台8とを連結するために、ナット部18の下端部に水平方向に延びる板状の第1連結部材28が備えられている。昇降案内部20は、昇降マスト7に取り付けられて上下方向に沿って延びるガイドレールにて構成されており、棚前後幅方向においてネジ部16を挟む状態で間隔を隔てて一対設けられている。
【0039】
連結支持部19は、ナット部16と昇降台8とを連結してナット部16と昇降台8とを一体的に昇降させるとともに、昇降案内部20にて昇降案内されるように構成されている。連結支持部19は、ナット部16側に備えられた第1連結部材28と、昇降台8側に備えられて第1連結部材28と上下方向に重ね合わせる状態で配置される水平方向に延びる板状の第2連結部材29と、第2連結部材29に連結されて上下方向に延びる一対の第3連結部材30と、一対の第3連結部材30の夫々に連結されて昇降台8の第1昇降フレーム33に連結される第4連結部材31とを備えて構成されている。第1連結部材28と第2連結部材27とは、平面視における大きさが第2連結部材27の方が大きくなっている。一対の第3連結部材30は、棚前後幅方向においてネジ部16を挟む状態で間隔を隔てて設けられており、一対の第3連結部材30の夫々には、昇降案内部20にて摺動案内される被案内部32が上下方向に間隔を隔てて2つずつ備えられている。
【0040】
連結支持部19における第1連結部材28と第2連結部材29とは固定状態で連結されておらず、第1連結部材28に対して水平方向での移動を許容する状態で第2連結部材29が連結されている。
以下、その構成について、図6の該当部分を拡大した図8に基づいて説明を加える。
連結支持部19は、第1連結部材28と第2連結部材29とを連結するための連結用ボルト36を備えている。連結用ボルト36は、第1連結部材28を下方側に位置させる状態で第1連結部材28と第2連結部材29とを上下方向に重ね合わせて、第1連結部材28に形成された第1連結孔37と第2連結部材29に形成された第2連結孔38とを通して固定されて第1連結部材28と第2連結部材29とを連結している。第1連結孔37は、第2連結孔38の孔径よりも大きな孔径に形成されている。連結用ボルト36は、第1連結孔37の孔径よりも小径の外径である第1部位36aと、第1部位36aの外径よりも小径の外径を有して第1部位36aよりも先端側の第2部位36bとを備えた段付きボルトにて構成されている。そして、連結用ボルト36は、第1部位36aが第1連結孔37を貫通する状態で第2部位36bが第2連結孔38に内嵌固定されている。
【0041】
このようにして、第1連結孔37の内周部と連結用ボルト36の第1部位36aの外周部との間には隙間Sが形成されており、第1連結孔37内において移動許容範囲(隙間S分に相当する範囲)で連結用ボルト36の水平方向での移動が許容されている。これにより、ナット部18側に備えられた第1連結部材28に対して水平方向での移動を許容する状態で第2連結部材29が連結されている。そして、第2連結部材29は、第3連結部材30及び第4連結部材31を介して昇降台8に固定状態で連結されているので、連結支持部19は、ネジ部16に設置されたナット部18に対して移動許容範囲内で水平方向での移動を許容する状態で昇降台8を連結自在に構成されている。
【0042】
したがって、例えば、ネジ部16の軸心方向に対して昇降案内部20の案内方向がずれた状態でネジ部16及び昇降案内部20が設置された場合でも、昇降台8を昇降させる際に、ナット部18に対して昇降台8が水平方向に移動許容範囲内で移動しながら昇降することになり、ネジ部16に対して水平方向に力がかからず、ネジ部16の破損を防止することができる。しかも、ネジ部16自体は移動せずに固定されているので、ネジ部16を揺動させる等の複雑な構成を備えることなく、昇降台8を上下方向に沿って適正に昇降させることができる。
【0043】
また、上下方向に重ね合わされる第1連結部材28と第2連結部材29との間には、第1連結部材28と第2連結部材29との間での摩擦抵抗よりも小さい摩擦抵抗を有する小摩擦抵抗体39(例えば、MCナイロンにて構成された平板状部材)が配置されている。これにより、昇降台8を昇降させる際に、ナット部18に対する昇降台8の水平方向での移動をスムーズに行うことができ、ネジ部16に対して水平方向に力がかかることを的確に防止することができる。
【0044】
昇降台8は、上述の如く、図4に示すように、一対の第1昇降フレーム33と一対の第2昇降フレーム34とを備えているが、第1昇降フレーム33と第2昇降フレーム34とは固定状態で連結されておらず、一対の第2昇降フレーム34の夫々における一端部が一対の第1昇降フレーム33の一方側に対して棚前後幅方向に沿う軸心周りに揺動自在で連結され、且つ、一対の第2昇降フレーム34の夫々における他端部が一対の第1昇降フレーム33の他方側に対して水平方向にスライド移動自在に連結されている。
【0045】
以下、その構成について、第1昇降フレーム33と第2昇降フレーム34との連結部分を拡大した図9〜図11に基づいて説明する。
一対の第2昇降フレーム34の夫々は、その一端部が棚前後幅方向に沿う軸心周りで揺動自在に第1昇降フレーム33に連結され、且つ、その他端部が棚横幅方向にスライド移動自在に第1昇降フレーム33に連結されている。図9は、第1昇降フレーム33と第2昇降フレーム34とを連結する部分を拡大した平面図であり、図10は、第1昇降フレーム33と第2昇降フレーム34とを連結する部分を拡大した側面図である。図11(a)は、図9及び図10において第2昇降フレーム34の左端部と第1昇降フレーム33とを連結する部分の断面図であり、図11(b)は、図9及び図10において第2昇降フレーム34の右端部と第1昇降フレーム33とを連結する部分の断面図である。
【0046】
第2昇降フレーム34の一端部では、図9及び図10中左側、並びに、図11(a)に示すように、棚前後幅方向(図中X方向)に沿う軸心周りに回転自在な連結ピン41が第1昇降フレーム33に備えられた一端側連結部材40を貫通する状態でその一端側連結部材40に対して回転自在に設けられている。そして、第2昇降フレーム34が、連結ピン41により一端側連結部材40に対して棚前後幅方向に沿う軸心周りに回転自在に連結されている。これにより、第2昇降フレーム34がその一端部を支点として第1昇降フレーム33に対して揺動自在となっている。
【0047】
また、第2昇降フレーム34の他端部では、図9及び図10中右側、並びに、図11(b)に示すように、第1昇降フレーム33に備えられた他端側連結部材49に形成された水平直交方向に沿う長孔状の溝部42に対して、第2昇降フレーム34に備えられた棚前後幅方向に沿う軸心周りで自由回転自在なガイドローラ51を嵌め込むことで、第2昇降フレーム34が他端側連結部材49に対して棚横幅方向(図中Y方向)にスライド移動自在に連結されている。これにより、ガイドローラ51が溝部42内で棚横幅方向にスライド移動することにより、第2昇降フレーム34が第1昇降フレーム33に対して棚横幅方向に移動自在となっている。また、他端側連結部材49に対する第2昇降フレーム34の移動を規制するために、他端側連結部材49やガイドローラ51に当接自在な上下方向に沿う軸心周りで自由回転自在な規制ローラ50が備えられている。
【0048】
スタッカークレーン3には、図5に示すように、棚横幅方向(図中Y方向)の一方側に上下方向での昇降台8の昇降位置を検出する昇降用レーザ測距計43が備えられている。昇降用レーザ測距計43は、棚横幅方向において昇降台8の一方側に配置された反射体44に対して上下方向に沿って測定用光を投光し、反射体44にて反射された測定用光を受光するように構成されている。昇降用レーザ測距計43は、例えば、測定用光を投光してから測定用光を受光するまでの経過時間に基づいて、走行台車6から昇降台8までの距離を求めることで、上下方向での昇降台8の昇降位置を検出している。
【0049】
また、スタッカークレーン3には、一対の昇降駆動手段12のうち、棚横幅方向(図中Y方向)の他方側(昇降用レーザ測距計43の配置位置とは反対側)に位置する昇降駆動手段12には、ネジ部16が回転しているか否かを検出する回転センサ45が備えられている。この回転センサ45について、平面図である図12及び側面図である図13に基づいて説明する。
【0050】
回転センサ45は、ネジ部16の上端部にネジ部16と同軸上で回転自在に設けられた回転体47と、回転体47の回転を検出する馬蹄形のセンサ部48とを備えている。回転体47は、回転方向に存在領域と非存在領域とを備えた扇形状に形成され、センサ部48は、例えば、投受光式のセンサであり、回転体47の存在領域の回転方向での通過を検出するように構成されている。
【0051】
このスタッカークレーン3には、図14に示すように、スタッカークレーン3の運転を制御するクレーン制御装置Hが備えられている。そして、クレーン制御装置Hは、地上側コントローラ(図示省略)からの指令に基づいて、搬出入部に入庫された物品Bを収納棚1の物品収納部4に収納する入庫動作や、収納棚1の物品収納部4に収納されている物品Bを搬出入部に搬送する出庫動作を行うべく、スタッカークレーン3の運転を制御する。クレーン制御装置Hは、入庫動作及び出庫動作において、走行台車10の走行作動及び昇降台8の昇降作動を制御することにより、移載対象となる物品収納部4又は搬出入部に対して設定された移載用目標位置に物品移載装置9を移動させ、移載用目標位置に物品移載装置9を位置させた状態において物品移載装置9の移載作動を制御することにより、移載対象となる物品収納部4又は搬出入部との間で物品Bを移載する。
【0052】
クレーン制御装置Hは、走行用レーザ測距計26の検出情報に基づいて、走行台車6の走行位置を管理しており、その走行台車6の走行位置に基づいて走行用電動モータ11を作動させて走行台車10の走行作動を制御することで、棚横幅方向で移載用目標位置に物品移載装置9を移動させている。
【0053】
昇降用電動モータ17としてサーボモータを用いているので、クレーン制御装置Hは、昇降用電動モータ17としてのサーボモータのエンコーダ値に基づいて、昇降台8の昇降位置を管理しており、その昇降台8の昇降位置に基づいて一対の昇降駆動手段12の夫々における2つの昇降用電動モータ17を同期駆動させることで、一対の昇降駆動手段12を同期駆動させて昇降台8の昇降作動を制御して、上下方向で移載用目標位置に物品移載装置9を移動させている。
【0054】
ここで、クレーン制御装置Hが、昇降台8を昇降させるに当たり、一対の昇降駆動手段12の夫々における昇降用電動モータ17を同期駆動させるのであるが、昇降用電動モータ17の故障等により一方の昇降駆動手段12においてネジ部16を適正に回転駆動できなくなることがある。この場合には、昇降台8を適正に昇降させることができず、ネジ部16の破損等の問題が生じることになる。そこで、一対の昇降駆動手段12の夫々において、ネジ部16が適正に回転駆動しているか否かを判別することが必要となる。
【0055】
昇降用レーザ測距計43は、図5に示すように、棚横幅方向(図中Y方向)の一方側に配置されており、クレーン制御装置Hは、この昇降用レーザ測距計43の検出情報に基づいて、上下方向での昇降台8の昇降位置を管理している。これにより、一対の昇降駆動手段12のうち、棚横幅方向の一方側に位置する昇降駆動手段12について、クレーン制御装置Hが、昇降用電動モータ17を作動させているにもかかわらず、昇降用レーザ測距計43の検出情報による昇降台8の昇降位置が変化しなければ、ネジ部16が適正に回転駆動していないと判別して、昇降台8の昇降を異常停止させる。
【0056】
回転センサ45は、図5に示すように、棚横幅方向(図中Y方向)の他方側に配置されている。そこで、クレーン制御装置Hには、図14に示すように、一対の昇降駆動手段12のうち、棚横幅方向の他方側に位置する昇降駆動手段12について、昇降用電動モータ17にてネジ部16を回転させたときに、回転センサ45の検出情報に基づいて、ネジ部16が適正に回転していないネジ部回転異常状態であるか否かを判別するネジ部回転異常状態判別手段H1が備えられている。ネジ部回転異常状態判別手段H1は、昇降用電動モータ17を作動させてネジ部16を回転させているときに、ネジ部16が設定回数回転するまでにセンサ部48にて回転体47の存在領域の回転方向での通過を検出しなければ、ネジ部回転異常状態であると判別して、昇降台8の昇降を異常停止させる。
【0057】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、昇降駆動手段12として、昇降台8を挟んで一対設けているが、昇降駆動手段12を1つ設け、その1つの昇降駆動手段12にて昇降台8を片持ち支持しながら昇降させることもできる。
【0058】
(2)上記実施形態では、上下方向での昇降台8の昇降位置を検出する昇降用レーザ測距計43を設けているが、例えば、上下方向での昇降台8の昇降位置を検出する昇降用ロータリエンコーダを設けることもできる。この場合、例えば、昇降用ロータリエンコーダの回転軸には、昇降マスト7の長手方向に沿って設けられたチェーンに歯合するスプロケットが設けられ、昇降用ロータリエンコーダは、基準位置からの昇降台8の昇降距離から上下方向での昇降台8の昇降位置を検出する。
また、走行台車6の走行位置を検出する走行用レーザ測距計26についても、これに代えて、走行用ロータリエンコーダを用いることもできる。
【符号の説明】
【0059】
3 スタッカークレーン
5 走行レール
6 走行台車
7 昇降マスト
8 昇降台
9 移載部
12 昇降駆動手段
16 ネジ部
17 昇降用モータ
18 ナット部
19 連結支持部
21 台車フレーム
22 カップリング部
24 減速機
25 メンテナンス台車用挿入用空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行レールに沿って走行自在な走行台車と、前記走行台車に立設された昇降マストに沿って昇降自在に備えられた昇降台と、前記昇降台に備えられて物品を移載自在な移載部と、前記昇降台を昇降駆動させる昇降駆動手段とが備えられているスタッカークレーンであって、
前記昇降駆動手段は、軸心が上下方向に沿って配置されたネジ部を回転駆動させる昇降用モータと、前記ネジ部に螺合されて前記ネジ部の回転駆動により昇降されるナット部と、前記ナット部と前記昇降台を連結して前記ナット部の昇降により前記昇降台を昇降自在に支持する連結支持部とを備え、
前記ネジ部、前記ナット部、及び、前記連結支持部の少なくとも一部が、前記昇降マスト内に配置され、
前記ネジ部は、前記走行台車を構成する台車フレームの上端部を貫通する状態でその下端部が前記台車フレーム内に位置するように配置され、
前記昇降用モータは、前記台車フレームの下方側に配置され、
前記台車フレーム内には、前記昇降用モータの出力軸と前記ネジ部とを連結して前記昇降用モータの出力を前記ネジ部に伝達自在なカップリング部が備えられているスタッカークレーン。
【請求項2】
前記昇降用モータは、その長手方向が前記走行台車の走行方向に対して直交する方向に沿う姿勢で配置されている請求項1に記載のスタッカークレーン。
【請求項3】
前記昇降用モータには、前記昇降用モータの出力を減速させて前記出力軸に伝達自在な減速機が一体的に備えられている請求項1又は2に記載のスタッカークレーン。
【請求項4】
前記走行レールは、前記移載部による物品移載方向に間隔を隔てて一対設けられ、
前記昇降用モータは、前記物品移載方向において一対の前記走行レールの間で且つ上下方向において前記昇降用モータよりも下方側にメンテナンス台車挿入用空間を形成する状態で配置されている請求項1〜3の何れか1項に記載のスタッカークレーン。
【請求項5】
前記昇降マストは、前記物品移載方向に水平に直交する水平直交方向に間隔を隔てて前記昇降台を挟む状態で一対設けられ、
前記昇降駆動手段及び前記カップリング部は、前記水平直交方向に間隔を隔てて前記昇降台を挟む状態で一対設けられている請求項1〜4の何れか1項に記載のスタッカークレーン。
【請求項1】
走行レールに沿って走行自在な走行台車と、前記走行台車に立設された昇降マストに沿って昇降自在に備えられた昇降台と、前記昇降台に備えられて物品を移載自在な移載部と、前記昇降台を昇降駆動させる昇降駆動手段とが備えられているスタッカークレーンであって、
前記昇降駆動手段は、軸心が上下方向に沿って配置されたネジ部を回転駆動させる昇降用モータと、前記ネジ部に螺合されて前記ネジ部の回転駆動により昇降されるナット部と、前記ナット部と前記昇降台を連結して前記ナット部の昇降により前記昇降台を昇降自在に支持する連結支持部とを備え、
前記ネジ部、前記ナット部、及び、前記連結支持部の少なくとも一部が、前記昇降マスト内に配置され、
前記ネジ部は、前記走行台車を構成する台車フレームの上端部を貫通する状態でその下端部が前記台車フレーム内に位置するように配置され、
前記昇降用モータは、前記台車フレームの下方側に配置され、
前記台車フレーム内には、前記昇降用モータの出力軸と前記ネジ部とを連結して前記昇降用モータの出力を前記ネジ部に伝達自在なカップリング部が備えられているスタッカークレーン。
【請求項2】
前記昇降用モータは、その長手方向が前記走行台車の走行方向に対して直交する方向に沿う姿勢で配置されている請求項1に記載のスタッカークレーン。
【請求項3】
前記昇降用モータには、前記昇降用モータの出力を減速させて前記出力軸に伝達自在な減速機が一体的に備えられている請求項1又は2に記載のスタッカークレーン。
【請求項4】
前記走行レールは、前記移載部による物品移載方向に間隔を隔てて一対設けられ、
前記昇降用モータは、前記物品移載方向において一対の前記走行レールの間で且つ上下方向において前記昇降用モータよりも下方側にメンテナンス台車挿入用空間を形成する状態で配置されている請求項1〜3の何れか1項に記載のスタッカークレーン。
【請求項5】
前記昇降マストは、前記物品移載方向に水平に直交する水平直交方向に間隔を隔てて前記昇降台を挟む状態で一対設けられ、
前記昇降駆動手段及び前記カップリング部は、前記水平直交方向に間隔を隔てて前記昇降台を挟む状態で一対設けられている請求項1〜4の何れか1項に記載のスタッカークレーン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−79613(P2011−79613A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−231797(P2009−231797)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
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