説明

スタータ

【課題】モータ2の回転速度に比例した周波数の回転信号を出力する回転検出装置を内蔵することで、搭載性の制約を受けることなく、且つ、エンジンが停止する過程で再始動要求が生じた時に、精密な制御を行うことが可能なスタータ1を提供することにある。
【解決手段】回転検出装置は、隔壁18によって隔てられたモータ2側の内部空間に配置され、電機子軸12aに設けられる複数の検出歯41と、この検出歯41が設けられる電機子軸12aの周囲を環状に取り巻いて配置される検出コイル42と、この検出コイル42に発生する誘起電圧の周期的な変化を回転信号として出力する信号処理回路44等より構成される。これにより、再始動要求が発生した時に、モータ2を先に回転させて、ピニオン6とリングギヤとの相対回転数が所定値以下になってからピニオン6をリングギヤに噛み合わせることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピニオンをエンジンのリングギヤ側へ押し出す動作と、モータに流れる電流を断続する電気接点の開閉動作とをそれぞれ独立して制御できるスタータに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化対策におけるCO2削減策の一つとして、車両のアイドリングストップが重要な手段とされている。このアイドリングストップは、例えば、交差点での信号停止や渋滞等により車両が一時停止した際に、エンジンへの燃料噴射を停止してエンジンを自動的に停止させるシステムである。
ところで、エンジンの始動を行う従来のスタータは、基本的にエンジンのリングギヤが停止した状態でないとピニオンをリングギヤに噛み合わせることができない。このため、例えば、交差点で赤信号によりアイドリングストップが実施された時に、エンジンの回転が完全に停止する前に青信号に変わった場合でも、直ちにエンジンを再始動させることはできない。
【0003】
このため、アイドリングストップが実施された後、ユーザが発進操作(例えば、ブレーキペダルの解除操作、ドライブレンジへのシフト操作等)を行った場合、すなわち、再始動要求が発生した時は、エンジンの惰性による回転降下中であっても、直ちにエンジンを再始動できる技術が望まれている。この技術を実現するためには、回転中のリングギヤにスタータのピニオンを噛み合わせる必要があり、それを可能にする一つの手段として、ピニオンをエンジンのリングギヤ側へ押し出す動作と、モータに流れる電流を断続するための電気接点を開閉する動作とを独立に制御する方法がある(特許文献1参照)。
【0004】
ピニオンをリングギヤ側へ押し出す動作と、電気接点の開閉動作とを独立に制御するに当たって重要な要件は、リングギヤとピニオンとの相対回転数であり、この相対回転数が小さい程、ピニオンとリングギヤとの噛み合いをスムーズに行うことが可能であることは言うまでもない。特に、エンジン回転数の高い領域において再始動要求が生じた場合は、ピニオンをリングギヤ側へ押し出す動作より先にモータを起動することで、より短い時間でリングギヤとピニオンとがスムーズに噛み合うことができる必要相対回転数(例えば100rpm以下)を得ることが可能となり、延いては、再始動時間の短縮につながり、燃費向上にもメリットがある。なお、ピニオンの回転数は、リングギヤとの歯数比に換算した値で考えることは当然である。
【0005】
上記のように、モータを先に起動してからピニオンを押し出してリングギヤに噛み合わせる制御においては、リングギヤとピニオンの双方の回転数値を得る必要がある。リングギヤの回転は、例えば、既存のクランク角センサ等からの回転信号を用いることは可能であるが、ピニオンの回転は、独立した回転検出器を用いて検出する必要がある。例えば、特許文献2に示される様に、ピニオンに近接して配置した回転検出器によってピニオンの回転を検出する、あるいは、モータの電機子軸をエンドフレームの外側へ軸方向に延長し、その軸端部に近接して配置した回転検出器によって電機子軸の回転を検出し、その電機子軸の回転よりピニオンの回転速度を求める方法等が考えられる。
【0006】
ところが、ピニオンの回転を検出するために独立した回転検出器を用いる場合は、ピニオンの回転を直接検出する場合、あるいは、エンドフレームの外側に延長した電機子軸の回転を検出してピニオンの回転速度を求める場合等、いずれの方法にしても、スタータの外側に回転検出器を配設することになる。これらの場合、回転検出器の取り付けスペースが必要となり、搭載上の面で制約を受けることから、回転検出器を適切な場所に配置することは困難である。
これに対し、特許文献3では、ピニオンに対する回転検出器を設けることなく、モータの回転立ち上がり特性を制御装置の内部メモリに記憶しておき、モータをオンしてからの経過時間を基にピニオンの回転速度を推定して制御する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−191843号公報
【特許文献2】特表2009−529114号公報
【特許文献3】特開2011−29138号公報(段落番号0033参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、現在、スタータに用いられているモータは、一般的に直流整流子モータであるため、回転数特性が経時的に安定し難い欠点がある。すなわち、ブラシの摩耗により機械損失が減少し、電気損失が増加するため、回転数特性が変化し易いことが原因である。回転数特性が変化すると、リングギヤに対してピニオンの適切な相対回転数が変化するため、噛み合い時の騒音が増加したり、最悪の場合は、ギヤの摩耗が進行することが懸念される。よって、特許文献3に記載された従来技術では、回転数特性の変化を見込んだ制御ロジックを組み立てる必要があるため、制御が複雑になり、回転降下中のリングギヤにピニオンの回転を同期させるために精密な制御を行うことは困難である。
【0009】
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、モータの回転速度に応じた回転信号を出力する回転検出装置を有し、且つ、その回転検出装置をモータの内部スペースを利用して配置することで、搭載上の制約を受けることなく、且つ、エンジンが停止する過程で再始動要求が生じた時に、回転降下中のリングギヤに対し適切な相対回転数でピニオンを噛み合わせてエンジンを再始動させるために精密な制御を行うことが可能なスタータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(請求項1の発明)
本発明は、電機子軸の一端側に整流子を配置した電機子を有し、この電機子に回転力を発生するモータと、このモータの反整流子側に設けられ、モータの回転速度を減速して駆動トルクを増幅する減速機と、この減速機で増幅された駆動トルクをエンジンのリングギヤに伝達するピニオンと、モータと減速機との間に配設されて両者の間を隔てると共に、径方向の中央部に電機子軸の端部を通すための開口孔が形成された隔壁と、通電によって電磁石を形成し、その電磁石の吸引力を利用してピニオンをリングギヤ側へ押し出す働きを行うピニオン駆動用ソレノイドと、通電によって電磁石を形成するソレノイドを有し、このソレノイドのオン/オフ動作に連動してモータに流れる電流を断続するための電気接点を開閉するモータ通電用スイッチとを有し、ピニオン駆動用ソレノイドの動作とモータ通電用スイッチの動作を個々に独立して制御できるスタータであって、モータの回転速度に比例した周波数の回転信号を出力する回転検出装置を備え、この回転検出装置が、隔壁によって隔てられたモータ側の内部空間に配設されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の構成によれば、回転検出装置の設置スペースをスタータの外側に確保する必要がないため、エンジンに対する搭載性が損なわれることはない。また、回転検出装置より出力される回転信号を基にモータの回転速度を算出できるので、例えば、特許文献3に開示されている方法、つまり、モータの回転立ち上がり特性を制御装置の内部メモリに記憶しておき、モータをオンしてからの経過時間を基にピニオンの回転速度を推定する方法と比較して、より精密な制御が可能となる。なお、回転検出装置より出力される回転信号は、ピニオン駆動用ソレノイドおよびモータ通電用スイッチの動作を制御する制御装置(一般にECUと呼ばれる電子制御装置)に入力される。制御装置は、入力した回転信号よりモータの回転速度を算出し、そのモータの回転速度に減速比を乗算してピニオンの回転速度を求めることができる。
【0012】
これにより、アイドリングストップが実施された後、エンジンの回転が完全に停止する前に再始動要求が発生した場合でも、モータの回転速度からピニオンの回転速度を算出することで、リングギヤとピニオンとの相対回転数を精度良く求めることができる。よって、ピニオンがリングギヤに噛み合う時の相対回転数を小さくできる。言い換えると、リングギヤの回転にピニオンの回転を同期させた状態でピニオンをリングギヤに噛み合わせることも可能となる。その結果、ピニオンとリングギヤとの噛み合い時に生じる騒音の低減、および、ギヤの摩耗抑制を長期に亘って図ることができる。
【0013】
(請求項2の発明)
請求項1に記載したスタータにおいて、回転検出装置は、電機子軸の周囲を環状に取り巻いて配置され、電機子軸の回転に伴って磁束が変化することで誘起電圧が発生する検出コイルを有し、この検出コイルに発生する誘起電圧の周期的な変化を回転信号として出力することを特徴とする。
隔壁によって隔てられたモータ側には、電機子軸に支持される電機子鉄心と隔壁との間に比較的スペースに余裕があるため、このスペースを利用して検出コイルを電機子軸の周囲に配置できる。
【0014】
(請求項3の発明)
請求項2に記載したスタータにおいて、回転検出装置は、検出コイルの内周に対向して電機子軸の周方向に等間隔に設けられた複数の検出歯を有し、検出コイルを励磁してバイアス磁界を形成し、このバイアス磁界の中で複数の検出歯が回転することで検出コイルに鎖交する磁束が変化することを特徴とする。
本発明の回転検出装置は、検出コイルに電流を流してバイアス磁界を形成している。
このバイアス磁界の中で複数の検出歯が回転すると、検出コイルに鎖交する磁束が変化するため、その磁束の変化に比例した周波数の誘起電圧が検出コイルに発生する。よって、検出コイルに発生する誘起電圧の周期的な変化を回転信号として出力することで、その回転信号よりモータの回転速度を求めることができる。
【0015】
(請求項4の発明)
請求項3に記載したスタータにおいて、減速機は、電機子軸の他端側に設けられた太陽歯車に噛み合う遊星歯車を有し、この遊星歯車が太陽歯車に噛み合って自転しながら電機子軸の周囲を公転する遊星歯車減速装置であり、電機子軸に設けられた複数の検出歯は、太陽歯車によって形成されることを特徴とする。
本発明のスタータは、減速機に遊星歯車減速装置を用いるので、電機子軸に形成される太陽歯車を回転検出装置の検出歯として利用できる。
【0016】
(請求項5の発明)
請求項2に記載したスタータにおいて、回転検出装置は、電機子軸または電機子軸に支持される電機子鉄心の反整流子側の端面に取り付けられて電機子と一体に回転する永久磁石と、検出コイルの周囲にクローポール型の磁気回路を形成して永久磁石により磁化されるヨークとを有することを特徴とする。
上記の構成によれば、電機子と一体に永久磁石が回転することにより、クローポール型の磁気回路に交番磁束が発生し、それに応じた電圧が検出コイルに誘起される。よって、検出コイルに発生する誘起電圧の周期的な変化を回転信号として出力することで、その回転信号よりモータの回転速度を求めることができる。
【0017】
(請求項6の発明)
請求項1〜5に記載した何れか一つのスタータにおいて、隔壁は、強磁性体から成る板状部材によって形成されていることを特徴とする。
この場合、強磁性体である隔壁を磁気回路の一部として利用できるので、磁気回路を形成する専用の部品を少なくできる。その結果、部品点数を低減でき、回転検出装置の構造を簡素化できる。
【0018】
(請求項7の発明)
請求項1〜6に記載した何れか一つのスタータにおいて、モータ通電用スイッチは、バッテリからモータに電力を供給するための電源ラインに接続されるバッテリ端子とモータ端子との間に電気接点を形成し、バッテリ端子あるいはモータ端子を介して回転検出装置に電力が供給されることを特徴とする。
上記の構成によれば、スタータの外部から回転検出装置に対して専用の電力供給線を設ける必要はないので、車両側に対する配線の接続が増えることはない。よって、回転検出装置を設けたことによってスタータの搭載性が悪化することはない。
【0019】
(請求項8の発明)
請求項1〜7に記載した何れか一つのスタータにおいて、回転検出装置は、検出コイルに発生する誘起電圧の周期的な変化を波形処理する波形処理回路を含む回路基板を有し、この回路基板が隔壁のモータ側壁面に取り付けられていることを特徴とする。
この場合、回路基板を隔壁のモータ側壁面に取り付けることで、検出コイルと回路基板とを近接して配置できる。また、スタータの外部に回路基板が露出することはないため、被水等から回路基板を保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1に示すスタータの断面図である。
【図2】スタータの電気回路図である。
【図3】実施例2に示すスタータの断面図である。
【図4】実施例2に用いられる回転検出装置の構成を示す分解斜視図である。
【図5】実施例3に示すスタータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
【実施例】
【0022】
(実施例1)
実施例1に示すスタータ1は、図1に示す様に、回転力を発生するモータ2と、このモータ2の回転速度を減速して駆動トルクを増幅する減速機3と、この減速機3に連結される出力軸4と、この出力軸4の外周にクラッチ5と一体に配置されるピニオン6と、シフトレバー7を介してクラッチ5と一体にピニオン6を出力軸4の反モータ方向(図示左方向)へ押し出すピニオン駆動用ソレノイド8と、モータ2に流れる電流を断続するためのメイン接点(後述する)を開閉するモータ通電用スイッチ9等より構成され、モータ2のの回転速度に比例した周波数の回転信号を出力する回転検出装置(後述する)を備えている。
【0023】
モータ2は、磁気回路を形成するヨーク10の内周に複数の永久磁石11を配置して構成される界磁と、電機子軸12aの一端側に整流子13を設けた電機子12と、電機子軸12aの回転に伴って整流子13の外周上を摺接するブラシ14等を備え、モータ通電用スイッチ9によりメイン接点がオン操作されると、バッテリ15(図2参照)より電力の供給を受けて電機子12に回転力を発生する直流整流子モータである。なお、モータ2の界磁は、永久磁石11の代わりに、界磁巻線を用いた電磁石界磁でも良い。
減速機3は、電機子軸12aの他端側に形成された太陽歯車16に噛み合う遊星歯車17を有し、電機子軸12aが回転することにより、遊星歯車17が太陽歯車16に噛み合って自転しながら電機子軸12aの周囲を公転する周知の遊星歯車減速装置である。
【0024】
モータ2と減速機3との間には、例えば、整流子13に摺接して摩耗するブラシ14の摩耗粉等が減速機3の内部(歯車と歯車との噛み合い隙間)、あるいは、出力軸4の摺動部等に浸入することを防止するために、モータ2と減速機3との間を隔てる隔壁18が配設される。この隔壁18は、例えば、強磁性体である鉄等の板材を円板状に形成したもので、電機子軸12aと直交する径方向に沿って配置され、その外周がヨーク10の内周に嵌合して径方向の移動が規制されている。
隔壁18の中央部には丸孔が形成され、この丸孔に電機子軸12aの端部が挿通される。なお、丸孔の内径は、電機子軸12aと干渉することなく、電機子軸12aの外径(本実施例では、太陽歯車16の歯先円直径)より若干大きい寸法を有している。また、電機子軸12aに設けられる太陽歯車16は、電機子軸12aの長手方向(軸方向)に対し、隔壁18を挟んで減速機3側とモータ2側の両方に跨がって形成されている。
【0025】
出力軸4は、減速機3を介してモータ2の電機子軸12aと同軸線上に配置され、減速機3で増幅されたモータ2の駆動トルクが伝達されて回転する。
クラッチ5は、出力軸4の外周に形成されるヘリカルスプラインに嵌合して配置され、出力軸4に伝達されたモータ2の駆動トルクをピニオン6に伝達する一方、ピニオン6から出力軸4へのトルク伝達を遮断する一方向クラッチとして構成されている。
ピニオン6は、クラッチ5と一体に構成され、クラッチ5がヘリカルスプラインに沿って回転することで、そのクラッチ5と一体に出力軸4の軸上を移動可能に設けられている。このピニオン6は、出力軸4の軸上を反モータ方向(図1の左方向)へ移動してエンジンのリングギヤ19(図2参照)に噛み合うことができ、そのリングギヤ19に噛み合った状態で、クラッチ5を介して伝達されるモータ2の駆動トルクをリングギヤ19に伝達する。
【0026】
ピニオン駆動用ソレノイド8とモータ通電用スイッチ9は、図1に示す様に、両者が軸方向に直列に配置され、電磁スイッチ装置として一体的に構成されている。
この電磁スイッチ装置は、一端側に環状の底面を有し、他端側が開口する有底円筒状のフレーム20と、このフレーム20の内部に挿入されるソレノイドユニット(後述する)と、フレーム20の他端側に開口する開口部を閉塞してフレーム20に固定される樹脂カバー21等より構成される。
フレーム20は、ピニオン駆動用ソレノイド8とモータ通電用スイッチ9とに共通の磁気回路を兼ねて形成され、2本のスタッドボルト(図示せず)によってスタータハウジング22(図1参照)に固定される。
【0027】
ソレノイドユニットは、ピニオン駆動用ソレノイド8に使用される第1のコイル23と、モータ通電用スイッチ9に使用される第2のコイル24とを有する。
第1のコイル23は、フレーム20内の一端側(取付け面側)に収容され、図2に示す駆動リレー25を介してバッテリ15に接続され、バッテリ15から通電されて電磁石を形成する。
第2のコイル24は、フレーム20内の他端側に収容され、図2に示す駆動リレー26を介してバッテリ15に接続され、バッテリ15から通電されて電磁石を形成する。
駆動リレー25、26は、後述するECU27(図2参照)よりオン信号を受けることで閉成し、オフ信号を受けることで開成する。
第1のコイル23と第2のコイル24との間には、共通の固定鉄心28が配置される。 第1のコイル23の内周には、固定鉄心28の一方の端面(図1の左端面)に対向して軸心方向に可動する第1のプランジャ29が配置され、第2のコイル24の内周には、固定鉄心28の他方の端面に対向して軸心方向に可動する第2のプランジャ30が配置される。
【0028】
第1のプランジャ29は、第1のコイル23への通電によって固定鉄心28が磁化されると、固定鉄心28との間に配設されるリターンスプリング31の反力に抗して固定鉄心28の一方の端面に吸着され、第1のコイル23への通電が停止すると、リターンスプリング31の反力で反固定鉄心方向(図1の左方向)へ押し戻される。
この第1のプランジャ29は、径方向の中央部に円筒孔(図示せず)を有する略円筒状に設けられ、その円筒孔は、第1のプランジャ29の一端側(図1の左側)に開口して、他端側に底面を有する。第1のプランジャ29の円筒孔には、第1のプランジャ29の動きをシフトレバー7に伝達するためのジョイント32と、ピニオン6をエンジンのリングギヤ19に噛み合わせるための反力を蓄えるドライブスプリング(図示せず)とが挿入されている。
【0029】
第2のプランジャ30は、第2のコイル24への通電によって固定鉄心28が磁化されると、固定鉄心28との間に配設されるリターンスプリング33の反力に抗して固定鉄心28の他方の端面に吸着され、第2のコイル24への通電が停止すると、リターンスプリング33の反力で反固定鉄心方向(図1の右方向)へ押し戻される。
樹脂カバー21は、円筒状の脚部を有し、この脚部の先端側がフレーム20の他端側に開口する開口部の内周に挿入され、脚部の外周面に形成された段差部にフレーム20の端部をかしめることでフレーム20に固定される。
この樹脂カバー21には、バッテリ15からモータ2に電力を供給するための電源ラインに接続される2本の端子ボルト34、35が取り付けられている。
【0030】
2本の端子ボルト34、35は、電源ラインの高電位側(バッテリ15側)に接続されるB端子ボルト34と、電源ラインの低電位側(モータ2側)に接続されるM端子ボルト35であり、樹脂カバー21に形成される貫通孔を通って樹脂カバー21に挿通され、かしめワッシャ36によって樹脂カバー21に固定されている。
樹脂カバー21の内部には、前述のメイン接点を形成する一組の固定接点37と可動接点38が配置される。
一組の固定接点37は、2本の端子ボルト34、35と電気的に接続され、且つ、機械的に結合されている。つまり、一組の固定接点37と2本の端子ボルト34、35は、それぞれ別体に設けられ、例えば、固定接点37に形成される円形孔に端子ボルト34、35の首下部を圧入して固定される。また、端子ボルト34、35の首下部にセレーションを形成して、そのセレーションが形成される首下部を固定接点37の円形孔に圧入して固定することもできる。
【0031】
2本の端子ボルト34、35と一組の固定接点37は、異種金属によって形成することもできる。例えば、固定接点37を導電率の高い銅材料で形成し、2本の端子ボルト34、35を機械的強度が高い鉄材料で形成することができる。また、鉄材料で形成された端子ボルト34、35の表面に銅メッキ、または、すずメッキを施すこともできる。この場合、鉄材料が持つ機械的強度に加えて、端子ボルト34、35の表面にメッキを施すことで導電率を高めることができる。なお、固定接点37を端子ボルト34、35と一体に設けることも可能であり、例えば、端子ボルト34、35の頭部を固定接点37に利用することもできる。
【0032】
可動接点38は、第2のプランジャ30に固定された樹脂製のシャフト39の端面に支持され、接点圧スプリング40の荷重を受けてシャフト39の端面に押圧されている。但し、接点圧スプリング40の荷重は、リターンスプリング33の荷重より小さく設定されるので、第2のコイル24が非通電の時は、可動接点38が接点圧スプリング40を押し縮めた状態で、樹脂カバー21の内側端面に押し付けられている(図1に示す状態)。
メイン接点は、接点圧スプリング40に付勢された可動接点38が一組の固定接点37に当接して両固定接点37が導通することにより閉成状態(オン)となり、可動接点38が一組の固定接点37から離れて両固定接点37の導通が遮断されることにより開成状態(オフ)となる。
【0033】
次に、回転検出装置について説明する。
回転検出装置は、図1に示す様に、隔壁18によって隔てられたモータ2側の内部空間に配置される。具体的には、電機子軸12aの他端側に設けられる複数の検出歯41と、この検出歯41が設けられる電機子軸12aの周囲を環状に取り巻いて配置される検出コイル42と、この検出コイル42を保持して隔壁18に固定されるケース43と、検出コイル42に発生する誘起電圧の周期的な変化を回転信号として出力する信号処理回路44とで構成される。
検出歯41は、検出コイル42の内周に対向して電機子軸12aの周方向に等間隔に設けられる凸部である。実施例1では、電機子軸12aの他端側に形成された太陽歯車16を検出歯41として利用することができる。但し、太陽歯車16とは別に複数の検出歯41を設けることも可能である。
【0034】
検出コイル42は、信号処理回路44より励磁されてバイアス磁界を形成し、このバイアス磁界の中で複数の検出歯41が回転することで検出コイル42に鎖交する磁束が周期的に変化し、その磁束の変化に応じて誘起電圧が発生する。
ケース43は、隔壁18との間に検出コイル42を保持すると共に、鉄等の強磁性体から成る板材を折り曲げて形成され、隔壁18と共に磁気回路を形成している。
信号処理回路44は、バイアス磁界を形成するために検出コイル42を励磁する励磁回路、検出コイル42に発生する誘起電圧の周期的な変化を波形処理する波形処理回路、および、波形処理回路に電力を供給する電源回路等が回路基板に設けられている。なお、励磁回路と電源回路は同一でも良い。
【0035】
この信号処理回路44は、例えば、回路基板がケース43に固定され、そのケース43を隔壁18のモータ側壁面に固定して取り付けることができる。ケース43を隔壁18に固定する方法は、例えば、スクリュによって固定する、あるいは、樹脂インサート成形によって固定することもできる。
また、信号処理回路44は、例えば、電磁スイッチ装置の樹脂カバー21に固定されるB端子ボルト34あるいはM端子ボルト35に電源配線が接続され(図2参照)、モータ2の電源ラインに接続されるB端子ボルト34あるいはM端子ボルト35を介してバッテリ15より電力の供給を受けることができる。信号処理回路44で処理された信号、つまり、検出コイル42に発生する誘起電圧の周期的な変化を波形処理した回転信号は、図2に示す出力端子44aに接続される外部のECU27に出力され、このECU27によってモータ2の回転速度が算出される。
【0036】
ECU27は、アイドリングストップを制御する電子制御装置であり、エンジンの運転状態を制御するエンジンECU(図示せず)より、エンジン回転信号、ミッションレバーの位置信号、ブレーキスイッチのオン/オフ信号等を入力し、これらの情報を基に、エンジンを停止させるための停止条件が成立したと判断すると、エンジンECUにエンジン停止信号を送信する。
また、ECU27は、アイドリングストップが実施された後、運転者が車両を発進させようとする操作(例えばブレーキの解除操作、ドライブレンジ等へのシフト操作等)を行うと、再始動要求が発生したと判断して、再始動要求の信号をエンジンECUへ送信すると共に、駆動リレー25、26にオン信号を出力する。
【0037】
次に、スタータ1の作動を説明する。
本実施例のスタータ1に搭載される電磁スイッチ装置は、ピニオン駆動用ソレノイド8の作動およびモータ通電用スイッチ9の作動をECU27によって独立に制御できる。
以下、アイドリングストップが実施された場合の一例として、エンジン停止過程(エンジンの回転が完全に停止するまでの惰性回転中)に再始動要求が発生した時の作動について説明する。
【0038】
ECU27は、エンジン停止過程で再始動要求が発生すると、先に駆動リレー26に対しオン信号を出力し、ピニオン6の回転速度とリングギヤ19の回転速度が所定の相対回転数(例えば100rpm)より小さくなった時点で、駆動リレー25にオン信号を出力する。このECU27は、信号処理回路44より入力した回転信号を基にモータ2の回転速度を算出し、さらに、減速機3の減速比をモータ2の回転速度に乗算してピニオン6の回転速度を算出する。一方、リングギヤ19の回転速度は、図2に示す回転検出器45より出力される回転信号を基に算出される。なお、回転検出器45は、リングギヤ19の回転を直接検出するために設けても良いが、既存のクランク角センサを利用することも出来る。
【0039】
ECU27より出力されるオン信号を受けて駆動リレー26が閉成すると、バッテリ15から第2のコイル24に通電されてモータ通電用スイッチ9が作動することにより、メイン接点が閉成する。その結果、バッテリ15より電力の供給を受けてモータ2の電機子12が回転し、その駆動トルクが減速機3で増幅されてピニオン6に伝達されることにより、ピニオン6が回転する。
この後、ピニオン6とリングギヤ19との相対回転数が所定値(例えば100rpm)以下になると、駆動リレー25が閉成して、バッテリ15から第1のコイル23に通電される。これにより、ピニオン駆動用ソレノイド8が作動し、シフトレバー7を介してピニオン6がクラッチ5と一体に反モータ方向(リングギヤ19側)へ押し出されることで、リングギヤ19の回転と略同期した状態でピニオン6がリングギヤ19に噛み合うことができる。その結果、モータ2の駆動トルクがピニオン6からリングギヤ19に伝達されて、速やかにエンジンを始動できる。
【0040】
(実施例1の効果)
実施例1では、スタータ1に内蔵した信号処理回路44より出力される回転信号を基にモータ2の回転速度をECU27により算出できるので、アイドリングストップが実施された後、再始動要求が発生した時に、速やかにエンジンを再始動できる。つまり、エンジンの停止指令後、エンジンが惰性で回転降下している間に再始動要求が発生した時は、ピニオン6をリングギヤ19側へ押し出す前にモータ2を回転させ、ピニオン6とリングギヤ19との相対回転数が所定値以下になってからピニオン6を押し出してリングギヤ19に噛み合わせることが出来る。この場合、特許文献3に開示されている方法、つまり、モータ2の回転立ち上がり特性を制御装置の内部メモリに記憶しておき、モータ2をオンしてからの経過時間を基にピニオン6の回転速度を推定する方法と比較して、より精密な制御が可能となる。その結果、ピニオン6とリングギヤ19とをスムーズに噛み合わせることが可能となるため、噛み合い時に生じる騒音の低減、および、ギヤの摩耗抑制を長期に亘って図ることができる。
【0041】
また、実施例1に示すスタータ1は、回転検出装置を隔壁18によって隔てられたモータ2側の内部空間に配置している。これにより、回転検出装置の設置スペースをスタータ1の外側に確保する必要がないので、回転検出装置を備えることで、エンジンに対する搭載性が損なわれることはない。
さらに、モータ2と減速機3との間を隔てる隔壁18は、鉄等の強磁性体から成る板材によって形成されるので、検出コイル42を保持するケース43と協働として磁気回路を形成することができる。つまり、隔壁18を磁気回路の一部として利用できるので、磁気回路を形成する専用の部品を少なくできる。その結果、部品点数を低減でき、回転検出装置の構造を簡素化できる。
【0042】
また、回転検出装置の信号処理回路44は、電磁スイッチ装置の樹脂カバー21に固定されるB端子ボルト34あるいはM端子ボルト35に電源配線を接続することで、B端子ボルト34あるいはM端子ボルト35を介してバッテリ15より電力の供給を受けることができる。この構成によれば、スタータ1の外部から信号処理回路44に対して専用の電力供給線を設ける必要はないので、車両側に対する配線の接続が増えることはない。よって、回転検出装置を設けたことによってスタータ1の搭載性が悪化することはない。
さらに、信号処理回路44は、回路基板を隔壁18のモータ側壁面に取り付けているので、検出コイル42と回路基板とを近接して配置でき、且つ、スタータ1の外部に回路基板が露出することはないため、被水等から回路基板を保護できる。
【0043】
(実施例2)
この実施例2は、回転検出装置の構成が実施例1とは異なり、図3に示す様に、検出コイル42の周囲にクローポール型の磁気回路を形成するヨークを配置し、且つ、電機子軸12aに永久磁石46を固着している。クローポール型の磁気回路を形成するヨークは、隔壁18とケース43とで形成される。隔壁18には、図4に示す様に、丸孔18aの周縁から軸方向に延びる複数の爪状磁極18bが周方向に等間隔に設けられている。一方、隔壁18との間に検出コイル42を保持するケース43には、径方向の内周縁から軸方向に延びる複数の爪状磁極43aが周方向に等間隔に設けられている。上記のヨークは、隔壁18に設けられた複数の爪状磁極18bと、ケース43に設けられた複数の爪状磁極43aとが噛み合う様に、周方向に交互に配置される。
【0044】
永久磁石46は、電機子軸12aに形成される太陽歯車16の歯と歯の間に形成される凹部に配置され、例えば、接着によって固定される。
この実施例2に示す回転検出装置は、電機子軸12aに取り付けた永久磁石46が回転することで、隔壁18に設けた爪状磁極18bとケース43に設けた爪状磁極43aとの極性が交互に入れ変わるため、磁気回路を形成するヨークに交番磁束が発生する。その結果、交番磁束の周波数に応じた誘起電圧が検出コイル42に発生するため、実施例1と同様に、波形処理回路により誘起電圧の周期的な変化を波形処理することで回転信号を得ることができる。
なお、永久磁石46は、太陽歯車16の歯と歯の間に形成される凹部の形状に合わせて成型したボンド磁石を用いることもできる。また、永久磁石46は、太陽歯車16の全ての歯と歯の間に配置しても良いが、使用する永久磁石46の数を減らすこともできる。
【0045】
(実施例3)
この実施例3は、実施例2と同様に、検出コイル42の周囲にクローポール型の磁気回路を形成するヨークを配置し、且つ、永久磁石46を使用した回転検出装置の他の例である。実施例2と異なる点は、永久磁石46の配置である。つまり、実施例3では、図5に示す様に、電機子軸12aに支持される電機子鉄心12bの反整流子側の端面に取り付けたリング状のホルダ47に複数の永久磁石46が保持されている。
検出コイル42および磁気回路を形成するヨークの構成は実施例2と同じである。この実施例3の構成においても、実施例2と同様に、永久磁石46の回転によってヨークに交番磁束が発生し、それに応じた電圧が検出コイル42に誘起されるため、その誘起電圧の周期的な変化を波形処理することで回転信号を得ることができる。
【0046】
(変形例)
実施例1では、アイドリングストップが実施されてエンジンが停止する過程に再始動要求が発生した場合の作動を説明しているが、本発明のスタータ1は、ピニオン駆動用ソレノイド8の作動とモータ通電用スイッチ9の作動を独立に制御できるので、アイドリングストップによりエンジンが完全に停止した状態から再始動させる場合にも好適に対応できることは言うまでもない。
実施例1〜3に記載した回転検出装置は、磁束の変化によって検出コイル42に誘起電圧が発生し、その誘起電圧の周期的な変化を回転信号として出力する構成であるが、検出コイル42に替えて、例えば、ホール素子やMR素子(磁気抵抗素子)、光電素子等を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 スタータ
2 モータ
3 減速機(遊星歯車減速装置)
6 ピニオン
8 ピニオン駆動用ソレノイド
9 モータ通電用スイッチ
12 電機子
12a 電機子軸
13 整流子
15 バッテリ
19 エンジンのリングギヤ
16 電機子軸の太陽歯車
17 遊星歯車
18 隔壁
18a 隔壁の中央部に開口する丸孔(開口孔)
34 B端子ボルト(バッテリ端子)
35 M端子ボルト(モータ端子)
37 固定接点(電気接点)
38 可動接点(電気接点)
41 電機子軸に設けられた検出歯
42 検出コイル
44 信号処理回路(波形処理回路、電源回路、励磁回路)
46 永久磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電機子軸の一端側に整流子を配置した電機子を有し、この電機子に回転力を発生するモータと、
このモータの反整流子側に設けられ、前記モータの回転速度を減速して駆動トルクを増幅する減速機と、
この減速機で増幅された駆動トルクをエンジンのリングギヤに伝達するピニオンと、
前記モータと前記減速機との間に配設されて両者の間を隔てると共に、径方向の中央部に前記電機子軸の端部を通すための開口孔が形成された隔壁と、
通電によって電磁石を形成し、その電磁石の吸引力を利用して前記ピニオンを前記リングギヤ側へ押し出す働きを行うピニオン駆動用ソレノイドと、
通電によって電磁石を形成するソレノイドを有し、このソレノイドのオン/オフ動作に連動して前記モータに流れる電流を断続するための電気接点を開閉するモータ通電用スイッチとを有し、
前記ピニオン駆動用ソレノイドの動作と前記モータ通電用スイッチの動作を個々に独立して制御できるスタータであって、
前記モータの回転速度に比例した周波数の回転信号を出力する回転検出装置を備え、この回転検出装置が、前記隔壁によって隔てられたモータ側の内部空間に配設されていることを特徴とするスタータ。
【請求項2】
請求項1に記載したスタータにおいて、
前記回転検出装置は、
前記電機子軸の周囲を環状に取り巻いて配置され、前記電機子軸の回転に伴って磁束が変化することで誘起電圧が発生する検出コイルを有し、
この検出コイルに発生する誘起電圧の周期的な変化を前記回転信号として出力することを特徴とするスタータ。
【請求項3】
請求項2に記載したスタータにおいて、
前記回転検出装置は、
前記検出コイルの内周に対向して前記電機子軸の周方向に等間隔に設けられた複数の検出歯を有し、
前記検出コイルを励磁してバイアス磁界を形成し、このバイアス磁界の中で前記複数の検出歯が回転することで前記検出コイルに鎖交する磁束が変化することを特徴とするスタータ。
【請求項4】
請求項3に記載したスタータにおいて、
前記減速機は、前記電機子軸の他端側に設けられた太陽歯車に噛み合う遊星歯車を有し、この遊星歯車が前記太陽歯車に噛み合って自転しながら前記電機子軸の周囲を公転する遊星歯車減速装置であり、
前記電機子軸に設けられた複数の検出歯は、前記太陽歯車によって形成されることを特徴とするスタータ。
【請求項5】
請求項2に記載したスタータにおいて、
前記回転検出装置は、
前記電機子軸または前記電機子軸に支持される電機子鉄心の反整流子側の端面に取り付けられて前記電機子と一体に回転する永久磁石と、
前記検出コイルの周囲にクローポール型の磁気回路を形成して前記永久磁石により磁化されるヨークとを有することを特徴とするスタータ。
【請求項6】
請求項1〜5に記載した何れか一つのスタータにおいて、
前記隔壁は、強磁性体から成る板状部材によって形成されていることを特徴とするスタータ。
【請求項7】
請求項1〜6に記載した何れか一つのスタータにおいて、
前記モータ通電用スイッチは、バッテリから前記モータに電力を供給するための電源ラインに接続されるバッテリ端子とモータ端子との間に前記電気接点を形成し、
前記バッテリ端子あるいは前記モータ端子を介して前記回転検出装置に電力が供給されることを特徴とするスタータ。
【請求項8】
請求項1〜7に記載した何れか一つのスタータにおいて、
前記回転検出装置は、
前記検出コイルに発生する誘起電圧の周期的な変化を波形処理する波形処理回路を含む回路基板を有し、この回路基板が前記隔壁のモータ側壁面に取り付けられていることを特徴とするスタータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−2304(P2013−2304A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131377(P2011−131377)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】