説明

ステータスモニタプログラムおよび画像形成装置

【課題】画像形成装置のステータス情報を、コンピュータにおいて好適に通知可能なステータスモニタプログラムおよびこのステータスモニタプログラムによるステータス情報の通知の対象となる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置のステータス情報の通知について、設定された通知レベルが「管理者」である場合(S206:Yes)、ステータス情報を表示部に表示し(S212)、通知レベルが「管理者」ではない場合(S206:No)、ステータス情報の表示部への表示を省略可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータで画像形成装置のステータス情報を通知するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンピュータに接続され利用される例えば画像形成装置のステータス情報を通知する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献1には、保守部品の状態情報を検出する状態検出部と、状態情報の通知先を登録して記憶する通知先記憶部と、状態検出部の検出した状態情報の内容に対応した状態通知用のメッセージを記憶するメッセージ記憶部と、状態検出部が所定のタイミングで検出した状態情報に対応するメッセージを、所定のタイミングでメッセージ記憶部から読み出して、通知先記憶部に記憶された通知先に対し、ネットワークを通じて発信して通知するメッセージ発信部とを備えた状態通知システムが提案されている。
【0003】
また、特許文献2には、ネットワークを介して複数のユーザ用のデータ処理装置とネットワーク管理者用のデータ処理装置およびプリンタ装置とが通信可能な印刷システムであって、いずれかのユーザ用のデータ処理装置からプリンタ装置に転送された印刷ジョブに対して、プリンタ装置から該印刷ジョブの要求元にジョブ処理エラーが通知された後の所定時間経過を計測する計測手段と、計測手段により所定時間経過を計測後、ジョブ処理エラーをネットワーク管理者用のデータ処理装置に通知して表示部にその旨を表示させる第1の通知制御手段と、第1の通知制御手段によるジョブ処理エラー通知後、印刷ジョブの要求元を除いたいずれかのデータ処理装置がネットワーク上にログインしているかどうかを判断する判断手段と、判断手段によりログインされていると判断されたいずれかのデータ処理装置に対して、ジョブ処理エラーをユーザ用のデータ処理装置に通知して表示部にその旨を表示させる第2の通知制御手段と、を有する印刷システムが提案されている。
【0004】
さらに、特許文献3には、接続されている周辺装置に関する警告またはエラーの表示を表示または非表示に設定する設定手段と、設定手段により接続されている周辺装置に関する警告またはエラーの表示が非表示に設定されている場合、以前に同じ警告またはエラーが発生したか否かを判断する判断手段と、判断手段により以前に同じ警告またはエラーが発生したと判断された場合、警告またはエラーの表示を行う表示手段とを有する情報処理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−69216号公報
【特許文献2】特開2004−280214号公報
【特許文献3】特開2008−305142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、コンピュータで画像形成装置のステータス情報を通知するためのステータスモニタプログラムは、モニタ対象の画像形成装置の管理者およびユーザに、画像形成装置のステータス情報を通知することができる点において、有効なプログラムである。
【0007】
本発明は、画像形成装置のステータス情報を、コンピュータにおいて好適に通知可能なステータスモニタプログラムおよびこのステータスモニタプログラムによるステータス情報の通知の対象となる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑みなされた本発明のステータスモニタプログラムは、取得した画像形成装置のステータス情報を、一の場合に通知し、他の場合に通知しないこととしたものである。また、本発明の画像形成装置は、自装置に発生した事象について確認されていない場合、この事象に対応するステータス情報と、事象の確認が行われていないことを示す確認情報とを、画像形成装置のステータス情報を通知するコンピュータに提供することとしたものである。
【0009】
本発明の第1の課題解決手段は、画像形成装置のステータス情報を前記画像形成装置から取得し、前記ステータス情報を通知するコンピュータが読み取り可能なステータスモニタプログラムであって、前記コンピュータを、前記ステータス情報の通知レベルを設定する設定手段と、前記設定手段で設定された前記通知レベルを、設定記憶手段に記憶する記憶制御手段と、前記画像形成装置から前記ステータス情報を取得する第1取得手段と、前記第1取得手段によって前記ステータス情報が取得された場合、前記設定記憶手段に記憶された前記通知レベルについて判断する第1判断手段と、前記第1判断手段によって前記通知レベルが第2レベルであると判断された場合、前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報の種別について判断する第2判断手段と、前記第1判断手段によって前記通知レベルが第1レベルであると判断された場合、および、前記第2判断手段によって前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報の種別が第1種別であると判断された場合、前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報を通知するように制御し、前記第2判断手段によって前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報の種別が第2種別であると判断された場合、前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報を通知しないように制御する通知制御手段として機能させるためのステータスモニタプログラムである。
【0010】
これによれば、取得したステータス情報について、ステータス情報の通知レベルとステータス情報の種別とにしたがって、ステータス情報の通知と非通知とを制御することができる。
【0011】
第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段のステータスモニタプログラムであって、前記コンピュータを、前記画像形成装置から、前記第2種別の前記ステータス情報に対応する事象の確認に関する確認情報を取得する第2取得手段と、前記第2判断手段によって前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報の種別が第2種別であると判断された場合、前記第2取得手段で取得された前記確認情報について判断する第3判断手段と、前記第3判断手段によって前記確認情報が前記事象の確認が行われていないことを示す情報であると判断された場合、前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報を通知するように制御し、前記第3判断手段によって前記確認情報が前記事象の確認が行われたことを示す情報であると判断された場合、前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報を通知しないように制御する前記通知制御手段として機能させることを特徴とする。これによれば、さらに、確認情報にしたがったステータス情報の通知と非通知とを制御することができる。
【0012】
第3の課題解決手段は、外部装置から取得した前記外部装置のステータス情報を通知し、前記ステータス情報に対応する事象の確認に関する確認情報にしたがい、前記ステータス情報の通知を制御するコンピュータに、前記ステータス情報と前記確認情報とを提供する、前記外部装置としての画像形成装置であって、前記画像形成装置で発生した前記事象を検知する検知手段と、前記検知手段で検知された前記事象が発生してからの前記事象の確認について判断する第4判断手段と、前記第4判断手段によって前記事象の確認がなされていないと判断された場合、前記コンピュータに、前記検知手段で検知された前記事象に対応する前記ステータス情報と、前記事象の確認が行われていないことを示す前記確認情報とを提供することを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
これによれば、ステータス情報と、画像形成装置で発生した事象について確認が行われていないことを示す確認情報とを提供することができる。確認情報が提供されたコンピュータでは、確認情報にしたがったステータス情報の通知が可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像形成装置のステータス情報を、コンピュータにおいて好適に通知可能なステータスモニタプログラムおよびこのステータスモニタプログラムによるステータス情報の通知の対象となる画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】画像形成システムを示す図である。
【図2】ステータス情報通知レベル設定処理のフローチャートを示す図である。
【図3】ステータスモニタ処理のフローチャートを示す図である。
【図4】第1処理形態の画像形成装置側処理のフローチャートを示す図である。
【図5】第2処理形態の画像形成装置側処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の上記課題解決手段を実施するための実施形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。上記課題解決手段は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に説明する各構成において、所定の構成を省略可能で、また、各処理において、所定の処理ステップを省略することができる。
【0017】
(システムの構成)
画像形成システム100について、図1を参照して説明する。画像形成システム100は、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という。)200と、画像形成装置300と、その他図1には描画していないネットワーク装置とを含み、各装置はLAN(Local Area Network)500を介して通信可能に接続されている。パソコン200は、画像形成装置300に、印刷データを送信する処理、スキャン指令を送信する処理、画像形成装置300のステータス情報を取得し、これを通知(表示など、以下、「表示」を例に説明する)する処理を実行する。画像形成装置300は、パソコン200から送信される印刷データを受信する処理、これに対する印刷処理、パソコン200からのスキャン指令にしたがったスキャン処理、パソコン200に自装置のステータス情報を送信(提供)する処理を実行する。
【0018】
次に、パソコン200の構成について説明する。パソコン200は、CPU210とROM220とRAM230と記憶部240とを備える。また、パソコン200は、表示部250と操作部260とメディアドライブ270とネットワークインターフェース(以下、「ネットワークI/F」という。)280とを備える。CPU210は、演算処理を実行し、パソコン200を制御する。ROM220は、各種プログラムを記憶する。RAM230は、CPU210による演算処理などのための作業領域として利用される。
【0019】
記憶部240は、例えばハードディスクによって構成される。記憶部240には、例えば、OS(Operating System)と、各種プログラムとがインストール(記憶)されている。各種プログラムとしては、例えば、画像形成装置300のステータス情報を通知するステータスモニタプログラム、画像形成装置300を制御するドライバプログラム、ワープロソフトなどの各種アプリケーションソフトウェアが例示される。なお、OSが有するデータベース(例えば、マイクロソフト社製のWindows(登録商標)において、レジストリがこれに相当)には、各種プログラムの設定などが記憶されている。
【0020】
表示部250には、各種情報が表示される。操作部260は、キーボードおよびマウスにより構成される。メディアドライブ270は、各種記憶媒体(例えば、USBメモリ、CD−R、DVD−R)に記憶された各種データを読み取るための装置である。ネットワークI/F280は、パソコン200をLAN500に接続するための接続インターフェースである。
【0021】
CPU210が、RAM230上で、ROM220に記憶されたプログラム、記憶部240に記憶された各プログラムなどを実行することで、各種処理が実行される。これにより、パソコン200において、各種機能手段が構成される。
【0022】
画像形成装置300の構成について説明する。画像形成装置300は、CPU310とROM320とRAM330とを備える。また、画像形成装置300は、プリンタ部340とスキャナ部350と検知センサ360と表示部370と操作部380とネットワークI/F390とを備える。CPU310は、演算処理を実行し、画像形成装置300を制御する。ROM320は、各種プログラムを記憶する。RAM330は、CPU310による演算処理などのための作業領域として利用される。
【0023】
プリンタ部340は、受信した印刷データを印刷する。スキャナ部350は、原稿載置台(図1で図示を省略)にセットされた記録媒体をスキャンする。検知センサ360は、画像形成装置で発生した事象を検知するセンサである。検知センサ360は、プリンタ部340において発生する、例えば、インク(インクジェット方式の場合)またはトナー(レーザ方式の場合)の残量を検知し、用紙の残量を検知し、用紙詰まりを検知し、その他消耗品に関する情報(データ)を検知する。また、検知センサ360は、スキャナ部350において発生する、例えば、ランプ寿命を検知し、その他消耗品に関する情報(データ)を検知する。なお、検知センサ360は、事象それぞれを検知する複数のセンサによって構成されている。
【0024】
表示部370は、各種情報を表示する。操作部380は、ユーザからの指令の入力インターフェースとしての機能を備え、例えばテンキーボードおよび確定キーなどによって構成される。ネットワークI/F390は、画像形成装置300をLAN500に接続するための接続インターフェースである。
【0025】
CPU310が、RAM330上で、ROM320に記憶されたプログラムを実行することで、各種処理が実行される。これにより、画像形成装置300において、各種機能手段が構成される。
【0026】
(パソコンで実行される処理)
以下、パソコン200で実行される、ステータス情報通知レベル設定処理と、ステータスモニタ処理とについて説明する。
【0027】
(ステータス情報通知レベル設定処理)
ステータス情報通知レベル設定処理について、図2を参照して説明する。このステータス情報通知レベル設定処理は、ステータスモニタプログラムが起動された状態で、ユーザが操作部260を介して、この処理の開始を入力した場合に、CPU210が記憶部240からステータスモニタプログラムにおけるステータス情報通知レベル設定処理のための部分を読み出し、RAM230上で実行することで開始される。
【0028】
この処理を開始したCPU210は、表示部250に、ステータス情報通知レベルを選択させる表示処理を実行する(S100)。具体的に、CPU210は、表示部250に、ステータス情報通知レベルの設定画面を表示する。設定画面では、プルダウン方式またはラジオボタン方式によって、ステータス情報通知レベルとして、「管理者」モードまたは「ユーザ」モードのいずれかを選択することができる。例えば、ユーザは、操作部260を操作し、プルダウンメニューの中から「管理者」を選択する。また、ユーザは、操作部260を操作し、「ユーザ」についてのラジオボタンをオンとする。
【0029】
次に、CPU210は、操作部260を介したユーザ操作によって、「管理者」が選択されたかを判断する処理を実行する(S102)。判断の結果、「管理者」が選択された場合(S102:Yes)、CPU210は、OSの管理下にあるデータベースに、ステータス情報通知レベルを「管理者」として記憶する処理を実行する(S104)。一方、「ユーザ」が選択された場合(S102:No)、CPU210は、データベースに、ステータス情報通知レベルを「ユーザ」として記憶する処理を実行する(S106)。
【0030】
S104またはS106を実行した後、CPU210は、このステータス情報通知レベル設定処理を終了する。なお、ステータス情報通知レベル設定処理は、例えば、ステータスモニタプログラムが記憶部240にインストールされる際に実行する構成としてもよい。
【0031】
(ステータスモニタ処理)
ステータスモニタ処理について、図3を参照して説明する。このステータスモニタ処理は、OSの起動とともに、CPU210が記憶部240からステータスモニタプログラムを読み出し、RAM230上で実行することで自動的に開始(起動)される。そして、自動的に起動したステータスモニタプログラムは、OSが起動している間または強制終了されるまで、RAM230上に常駐し、CPU210は、以下に説明する処理を、繰り返して実行する。
【0032】
この処理を開始したCPU210は、データベースから通知レベルを取得する処理を実行する(S200)。具体的に、データベースに通知レベルとして「管理者」が記憶されていれば(図2のS104参照)、CPU210は、データベースから通知レベルとして「管理者」を取得する。一方、データベースに通知レベルとして「ユーザ」が記憶されていれば(図2のS106参照)、CPU210は、データベースから通知レベルとして「ユーザ」を取得する。
【0033】
次に、CPU210は、ネットワークI/F280を制御し、画像形成装置300にステータス情報を問い合わせる処理(ポーリング)を実行する(S202)。そして、CPU210は、S202のステータス情報を問い合わせる処理に対して画像形成装置300からステータス情報を受信したかを判断する(S204)。判断の結果、一定時間(予め設定されたタイムアウト時間)内にステータス情報を受信できなかった場合(S204:No)、CPU210は、処理をS214に移行する。一方、ステータス情報を受信した場合(S204:Yes)、CPU210は、S200で取得した通知レベルが「管理者」であるかを判断する。判断の結果、通知レベルが「管理者」ではない、換言すれば、「ユーザ」である場合(S206:No)、CPU210は、処理をS208に移行し、通知レベルが「管理者」である場合(S206:Yes)、処理をS212に移行する。
【0034】
S208でCPU210は、S202に応じて受信したステータス情報が、クリティカル(critical/致命的な、いわゆる重要な)なステータス情報であるかを判断する(S208)。ここで、クリティカルなステータス情報とは、例えば、プリンタ部340による印刷処理が継続できない、具体的には、用紙切れ、インクまたはトナー切れ、ドラム寿命といった事象の発生を示すステータス情報である。換言すれば、インクまたはトナー残量が残り20%であるといったステータス情報は、クリティカルなステータス情報には該当しない。また、スキャナ部350であれば、ランプ寿命(ランプ切れ)などは、クリティカルなステータス情報に該当する。
【0035】
CPU210は、S208の判断を、ステータス情報に付加されている(図4のS314,図5のS414参照)、このステータス情報に対応する事象に関するクリティカルフラグにしたがい行う。詳細には、クリティカルフラグが「TRUE」(図4のS304,図5のS404参照)である場合、S208の判断を肯定し(S208:Yes)、クリティカルフラグが「FALSE」(図4のS306,図5のS406参照)である場合、S208の判断を否定する(S208:No)。なお、S202の問い合わせに応じて複数のステータス情報、例えば、インクまたはトナー残量が残り20%を示すステータス情報と、用紙切れを示すステータス情報とを受信した場合、CPU210は、それぞれのステータス情報について、クリティカルなステータス情報であるかを、クリティカルフラグにしたがい判断する。
【0036】
S208の判断の結果、受信したステータス情報がクリティカルなステータス情報である、または、クリティカルなステータス情報を含む(クリティカルフラグが「TRUE」である、または、複数のステータス情報に付加されたそれぞれのクリティカルフラグのいずれかが「TRUE」である。)場合(S208:Yes)、CPU210は、処理をS212に移行する一方、クリティカルなステータス情報でない、または、クリティカルなステータス情報を含まない(クリティカルフラグが「FALSE」である、または、複数のステータス情報に付加されたそれぞれのクリティカルフラグの全てが「FALSE」である。)場合(S208:No)、CPU210は、処理をS210に移行する。S210でCPU210は、画像形成装置300のステータス情報に対応する事象の確認に関する管理者確認フラグが「TRUE」(図4のS312,図5のS412参照)であるかを判断する。
【0037】
管理者確認フラグは、クリティカルフラグと同様、ステータス情報に付加されている(図4のS314,図5のS414参照)。CPU210は、ステータス情報に付加された管理者確認フラグが「TRUE」である場合、S210の判断を肯定し(S210:Yes)、処理をS214に移行する一方、管理者確認フラグが「FALSE」である場合、S210の判断を否定し(S210:No)、処理をS212に移行する。なお、S202の問い合わせに応じて複数のステータス情報、例えば、インクまたはトナー残量が残り20%であるとのステータス情報と、用紙切れであるとのステータス情報とを受信した場合、CPU210は、複数のステータス情報にそれぞれ付加されている管理者確認フラグについて判断する。そして、複数のステータス情報に付加されたそれぞれの管理者確認フラグの全てが「TRUE」である場合、S210の判断を肯定し(S210:Yes)、複数のステータス情報に付加されたそれぞれの管理者確認フラグのいずれかが「FALSE」である場合、S210の判断を否定する(S210:No)。
【0038】
S212で、CPU210は、S202の問い合わせに応じて受信したステータス情報を表示部250に表示し、処理をS214に移行する。S214でCPU210は、一定時間が経過するのを待機する(S214:No)。そして、一定時間が経過した場合(S214:Yes)、CPU210は、処理をS202に戻し、S202を再度実行する。
【0039】
なお、S202の処理は、画像形成装置300において、以下に説明する第2処理形態の画像形成装置側処理が実行される場合、省略することもできる。すなわち、第2処理形態の画像形成装置側処理によれば、詳細は後述するが、画像形成装置300からステータス情報が自動で送信されてくる。
【0040】
(画像形成装置側処理)
画像形成装置300で実行される画像形成装置側処理について、2つの処理形態を説明する。なお、この画像形成装置側処理は、画像形成装置300が駆動している間、継続して実行される。
【0041】
(第1処理形態)
第1処理形態の画像形成装置側処理について、図4を参照して説明する。第1処理形態の画像形成装置側処理は、CPU310がROM320に記憶されたこの処理のためのプログラムを読み出し、RAM330上で実行することで行われる。
【0042】
この処理を開始したCPU310は、パソコン200からの問い合わせ情報(図3のS202参照)を受信したかを判断する(S300)。判断の結果、パソコン200からの問い合わせ情報を受信していない場合(S300:No)、CPU310は、問い合わせ情報を受信するまで待機する。一方、問い合わせ情報を受信した場合(S300:Yes)、CPU310は、検知センサ360で検知されている事象に対応するステータス情報が、クリティカルなステータス情報であるかを判断する(S302)。なお、CPU310は、検知センサ360で、複数の事象が検知されている場合、それぞれの事象に対応するステータス情報が、クリティカルなステータス情報であるかを判断する。例えば、インクまたはトナー残量が残り20%と、用紙切れとが検知されている場合、CPU310は、インクまたはトナー残量が残り20%であるとのステータス情報がクリティカルなステータス情報であるかを判断し、用紙切れであるとのステータス情報がクリティカルなステータス情報であるかを判断する。
【0043】
S302の判断の結果、判断対象のステータス情報がクリティカルなステータス情報である場合(S302:Yes)、CPU310は、判断対象のステータス情報のクリティカルフラグを「TRUE」にセットし(S304)、処理をS310に移行する。また、判断対象のステータス情報がクリティカルなステータス情報でない場合(S302:No)、CPU310は、判断対象のステータス情報のクリティカルフラグを「FALSE」にセットし(S306)、処理をS308に移行する。
【0044】
S308でCPU310は、検知センサ360で検知された事象が発生してから一定時間経過していることと、例えば画像形成装置300の管理者による事象の確認が行われていない(管理者確認済みでない)こととを判断する。事象の確認は、例えば、次のように行われる。すなわち、検知センサ360で検知された事象に関連した画像形成装置300の特定箇所が操作された、具体的には、用紙切れ場合、例えば用紙トレーが引き出されたか否かで判断され、インクまたはトナー切れなどの場合、インクまたはトナーの収容部のカバーが開かれたまたは新たなインクまたはトナーがセットされたか否かで判断される。また、画像形成装置300の操作部380に「確認済みボタン」を設置し、または、表示部370がタッチパネル機能を備える場合、表示部370に「確認済みボタン」を表示し、これの押下の有無によって判断することもできる。また、管理者レベルに設定されているパソコン200において(図2のS206:Yes参照)、ステータス情報の表示とともに「確認済みボタン」を表示し(図2のS212参照)、操作部260を介した「確認済みボタン」の押下によってパソコン200から送信される情報を受信済みであるか否かによって判断してもよい。なお、S308で複数の事象、例えば、インクまたはトナー残量が残り20%であることと、用紙切れであることとが検知されている場合、CPU310は、それぞれの事象について、一定時間の経過と、管理者確認済みでないこととを判断する。
【0045】
S308の判断の結果、判断対象の事象が発生した後一定時間が経過しておらず、かつ事象の確認が行われていない(管理者確認済みでない)場合(S308:Yes)、CPU310は、処理をS310に移行する。S310でCPU310は、S304の判断対象のステータス情報に対応する事象またはS308の判断対象の事象の管理者確認フラグを「FALSE」にセットする(S310)。一方、S308の判断の結果、判断対象の事象の発生から一定時間が経過しておらずおよび/または事象の確認が行われている(管理者確認済み)場合(S308:No)、CPU310は、判断対象の事象の管理者確認フラグを「TRUE」にセットし(S312)する。CPU310は、S310またはS312を実行した後、処理をS314に移行する。
【0046】
S314でCPU310は、S304またはS306でセットされたクリティカルフラグと、S310またはS312でセットされた管理者確認フラグとを、検知センサ360で検知された事象に対応するステータス情報に付加する処理を実行し、これをパソコン200に送信する処理を実行する(S316)。S316を実行した後、CPU310は、処理をS300に戻す。
【0047】
(第2処理形態)
第2処理形態の画像形成装置側処理について、図5を参照して説明する。第2処理形態の画像形成装置側処理は、第1処理形態の場合と同じく、CPU310がROM320に記憶されたこの処理のためのプログラムを読み出し、RAM330上で実行することで行われる。
【0048】
この処理を開始したCPU310は、検知センサ360で検知された画像形成装置300のステータス情報が更新されたか、または、管理者確認済みになったかを判断する(S400)。ここで、例えば、検知センサ360によって、新たにプリンタ部340のインクまたはトナー残量が残り20%であることが検知された場合、S400の判断を肯定する(S400:Yes)。また、インクまたはトナー残量が残り20%である状態で、用紙切れが発生した場合、CPU310は、インクまたはトナー残量についてのステータス情報については更新されていないものの、新たに用紙切れが検知されたとして、S400の判断を肯定する(S400:Yes)。さらに、第1処理形態で説明した手法で、事象の確認が行われた場合、管理者確認済みになったとして、S400の判断を肯定する(S400:Yes)。
【0049】
S400の判断の結果、画像形成装置300のステータス情報が更新されておらず、かつ管理者確認済みになっていない場合(S400:No)、CPU310は、ステータス情報が更新される、または、管理者確認済みになるまで待機する。一方、ステータス情報が更新され、または、管理者確認済みになった場合(S400:Yes)、CPU310は、検知センサ360で検知されている事象に対応するステータス情報が、クリティカルなステータス情報であるかを判断する(S402)。なお、CPU310は、検知センサ360で、複数の事象が検知されている場合、それぞれの事象に対応するステータス情報が、クリティカルなステータス情報であるかを判断する。例えば、インクまたはトナー残量が残り20%と、用紙切れとが検知されている場合、CPU310は、インクまたはトナー残量が残り20%であるとのステータス情報がクリティカルなステータス情報であるかを判断し、用紙切れであるとのステータス情報がクリティカルなステータス情報であるかを判断する。
【0050】
S402の判断の結果、判断対象のステータス情報がクリティカルなステータス情報である場合(S402:Yes)、CPU310は、判断対象のステータス情報のクリティカルフラグを「TRUE」にセットし(S404)、処理をS410に移行する。また、判断対象のステータス情報がクリティカルなステータス情報でない場合(S402:No)、CPU310は、判断対象のステータス情報のクリティカルフラグを「FALSE」にセットし(S406)、処理をS408に移行する。
【0051】
S408でCPU310は、検知センサ360で検知された事象が発生してから一定時間経過していることと、例えば画像形成装置300の管理者による事象の確認が行われていない(管理者確認済みでない)こととを判断する。事象の確認は、第1処理形態で説明した手法で行われるため、詳細は省略する。なお、S308で複数の事象、例えば、インクまたはトナー残量が残り20%であることと、用紙切れであることとが検知されている場合、CPU310は、それぞれの事象について、一定時間の経過と、管理者確認済みでないこととを判断する。
【0052】
S408の判断の結果、判断対象の事象が発生した後一定時間が経過しており、かつ事象の確認が行われていない(管理者確認済みでない)場合(S408:Yes)、CPU310は、処理をS410に移行する。S410でCPU310は、S404の判断対象のステータス情報に対応する事象またはS408の判断対象の事象の管理者確認フラグを「FALSE」にセットする(S410)。一方、S408の判断の結果、判断対象の事象の発生から一定時間が経過しておらずおよび/または事象の確認が行われている(管理者確認済み)場合(S408:No)、CPU310は、判断対象の事象の管理者確認フラグを「TRUE」にセット(S412)する。CPU310は、S410またはS412を実行した後、処理をS414に移行する。
【0053】
S414でCPU310は、S404またはS406でセットされたクリティカルフラグと、S410またはS412でセットされた管理者確認フラグとを、検知センサ360で検知された事象に対応するステータス情報に付加する処理を実行し、これをパソコン200に送信する処理を実行する(S416)。S416を実行した後、CPU310は、処理をS400に戻す。
【0054】
(変形例)
(1)上記では、画像形成装置300がプリンタ部340とスキャナ部350とを備える構成を例に説明した。しかし、画像形成装置300は、このような複合的な装置以外の装置であってもよい。例えば、画像形成装置300は、プリンタ部340を備える印刷装置であってもよい。
【0055】
(2)上記のステータスモニタ処理(図3参照)では、S202のステータス情報を問い合わせる処理に応じて複数のステータス情報、例えば、インクまたはトナー残量が残り20%を示すステータス情報と、用紙切れを示すステータス情報とを受信した場合、CPU210は、それぞれのステータス情報について、クリティカルなステータス情報であるかを判断し(S208)、管理者確認フラグが「TRUE」であるかを判断する(S210)。そして、クリティカルなステータス情報を含む場合(S208:Yes)、または、管理者確認フラグのいずれかが「FALSE」である場合(S210:No)、CPU210は、S202のステータス情報を問い合わせる処理に応じて受信したステータス情報を表示部250に表示することとした(S212)。
【0056】
このような場合、CPU210は、S208の判断が肯定(S208:Yes)された原因となったステータス情報、または、S210の判断が否定(S210:No)された原因となったステータス情報についてのみ、表示部250に表示するように制御する、換言すれば、そのような制御が実行されるようなステータスモニタプログラムとすることもできる。これによれば、S208の判断が否定(S208:Yes)された原因となったステータス情報以外のステータス情報、または、S210の判断が否定(S210:No)された原因となったステータス情報以外のステータス情報については、表示部250に表示されず、画像形成装置300の管理者ではないユーザに対し、画像形成装置300のステータス情報を好適に通知することができる。
【0057】
(3)上記の第1処理形態の画像形成装置側処理(図4参照)では、CPU310は、S304が実行後、処理をS310に移行し、また、S306を実行後、処理をS308に移行し、さらにその後、処理をS310またはS312に移行する構成とした。この処理は、次のようにすることもできる。すなわち、CPU310は、S304またはS306を実行後、処理をS308に移行する。そして、CPU310は、S308の判断が肯定された場合(S308:Yes)、処理をS310に移行し、S308の判断が否定された場合(S308:No)、処理をS312に移行する。
【0058】
また、第2処理形態の画像形成装置側処理(図5参照)のS404〜S412を、この変形例(3)に係る第1処理形態の画像形成装置側処理のようなフローとすることができる。すなわち、CPU310は、S404またはS406を実行後、処理をS408に移行する。そして、CPU310は、S408の判断が肯定された場合(S408:Yes)、処理をS410に移行し、S408の判断が否定された場合(S408:No)、処理をS412に移行する。
【0059】
(4)図3に示すステータスモニタ処理を実行するパソコン200と、図4に示す第1処理形態の画像形成装置側処理を実行する画像形成装置300とを含む画像形成システム100によれば、検知センサ360で検知された事象が発生してから一定時間経過していることを、画像形成装置300側で判断し(図4のS308参照)、パソコン200のCPU210は、これに係る判断を直接しない構成とした。しかし、この判断は、パソコン200側で判断する構成とすることもできる。この場合、図4のS308では、一定時間の経過は判断せず、管理者確認済みでないことを判断する。
【0060】
そして、図3に示すステータスモニタ処理では、CPU210は、一定時間毎に(S214:Yes参照)、画像形成装置300にステータス情報を問い合わせる処理(ポーリング)を実行し(S202参照)、画像形成装置300からステータス情報を受信する(S204参照)。CPU210は、ステータス情報を受信した時刻を管理し、受信したステータス情報とこれに付加された管理者確認フラグとに変化がない場合(同一のステータス情報で、管理者確認フラグは「FALSE」が継続)、この時刻に基づき、検知センサ360で検知された事象が発生してから一定時間経過していると判断する。そして、このような判断がなされた場合、CPU210は、図3のS210の判断を否定する(S210:No)。
【0061】
また、図4に示す第1処理形態の画像形成装置側処理のS314で、CPU310が、ステータス情報の更新時間についても付加する構成を採用すれば、パソコン200のCPU210は、上記同様、この更新時刻に基づき一定時間経過を判断する。そして、このような判断がなされた場合、CPU210は、図3のS210の判断を否定する(S210:No)。
【0062】
(5)図3に示すステータスモニタ処理を実行するパソコン200と、図5に示す第2処理形態の画像形成装置側処理を実行する画像形成装置300とを含む画像形成システム100においても、検知センサ360で検知された事象が発生してから一定時間経過していることを、画像形成装置300側で判断することとした(図5のS408参照)。しかし、この場合も上記変形例(4)のように、パソコン200側で判断する構成とすることができる。すなわち、図4のS408では、一定時間の経過は判断せず、管理者確認済みでないことを判断する。そして、パソコン200のCPU210は、所定のステータス情報を受信したタイミングで、時間経過の計測を開始し、一定時間内に、同一ステータス情報について管理者確認フラグ「TRUE」を受信しなかった場合に、検知センサ360で検知された事象が発生してから一定時間経過していると判断する。そして、このような判断がなされた場合、CPU210は、図3のS210の判断を否定する(S210:No)。
【0063】
また、図5に示す第2処理形態の画像形成装置側処理のS414で、CPU310が、ステータス情報の更新時間についても付加する構成を採用すれば、パソコン200のCPU210は、上記同様、この更新時刻に基づき一定時間経過を判断する。そして、このような判断がなされた場合、CPU210は、図3のS210の判断を否定する(S210:No)。
【符号の説明】
【0064】
200 パーソナルコンピュータ(パソコン)
210 CPU
220 ROM
230 RAM
240 記憶部
280 ネットワークI/F
300 画像形成装置
310 CPU
320 ROM
330 RAM
340 プリンタ部
350 スキャナ部
360 検知センサ
380 ネットワークI/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置のステータス情報を前記画像形成装置から取得し、前記ステータス情報を通知するコンピュータが読み取り可能なステータスモニタプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記ステータス情報の通知レベルを設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された前記通知レベルを、設定記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記画像形成装置から前記ステータス情報を取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段によって前記ステータス情報が取得された場合、前記設定記憶手段に記憶された前記通知レベルについて判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段によって前記通知レベルが第2レベルであると判断された場合、前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報の種別について判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段によって前記通知レベルが第1レベルであると判断された場合、および、前記第2判断手段によって前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報の種別が第1種別であると判断された場合、前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報を通知するように制御し、前記第2判断手段によって前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報の種別が第2種別であると判断された場合、前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報を通知しないように制御する通知制御手段として機能させるためのステータスモニタプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
前記画像形成装置から、前記第2種別の前記ステータス情報に対応する事象の確認に関する確認情報を取得する第2取得手段と、
前記第2判断手段によって前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報の種別が第2種別であると判断された場合、前記第2取得手段で取得された前記確認情報について判断する第3判断手段と、
前記第3判断手段によって前記確認情報が前記事象の確認が行われていないことを示す情報であると判断された場合、前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報を通知するように制御し、前記第3判断手段によって前記確認情報が前記事象の確認が行われたことを示す情報であると判断された場合、前記第1取得手段で取得された前記ステータス情報を通知しないように制御する前記通知制御手段として機能させるための請求項1に記載のステータスモニタプログラム。
【請求項3】
外部装置から取得した前記外部装置のステータス情報を通知し、前記ステータス情報に対応する事象の確認に関する確認情報にしたがい、前記ステータス情報の通知を制御するコンピュータに、前記ステータス情報と前記確認情報とを提供する、前記外部装置としての画像形成装置であって、
前記画像形成装置で発生した前記事象を検知する検知手段と、
前記検知手段で検知された前記事象が発生してからの前記事象の確認について判断する第4判断手段と、
前記第4判断手段によって前記事象の確認がなされていないと判断された場合、前記コンピュータに、前記検知手段で検知された前記事象に対応する前記ステータス情報と、前記事象の確認が行われていないことを示す前記確認情報とを提供することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−59746(P2011−59746A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205376(P2009−205376)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】