説明

スピーカ接続検出機能付増幅器

【課題】多数の各種のスピーカが増幅器に接続する時でも、1つの検出素子により、ほぼ同時に、小電流を流すのみで、また回路に抵抗を設ける必要もなく、容易に、且つ正確にスピーカの接続検出を行うことができる「スピーカ接続検出機能付増幅器」とする。
【解決手段】複数のスピーカ毎のオーディオ信号入力ラインにテスト信号を入力する。スピーカ毎の出力ブロックからの出力ラインの内、プラス側配線またはマイナス側配線を集中させると共に、他の配線は電流による磁気の影響を与えない位置にずらして配置し、集中させて配置した配線部分において、各配線の電流による磁気を検出する位置に磁気センサを設け、テスト信号が流れる各配線の電流による磁気を検出する。接続判定部では、検出した磁気信号を電流に変換した電流値と、予め設定した上限と下限の閾値とを比較し、その範囲内にない時には接続不良、または短絡と判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば車両の生産ラインにおいて、車両用オーディオ装置の増幅器にスピーカが適切に接続しているか否かを容易に、且つ安全に検出することができるようにしたスピーカ接続検出機能付増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のオーディオ装置は車の利用者にとって、車内で快適に過ごすためになくてはならないものとなっており、ほとんどの車両にはオーディオ装置を搭載している。このオーディオ装置を車両に取り付けるには、多くの場合車両の生産ラインにおいて取り付けられており、時には利用者の好みのオーディオ装置を別途購入し、これをカーディーラや車両関連機器販売店で取り付けてもらっている。
【0003】
このようなカーオーディオ装置は、フロントパネル等に取り付けたヘッドユニットに、車内において音響効果のよい場所で、車内の利用者にとって邪魔にならない場所に、強固にしっかりと固定されたスピーカを接続して使用する。
【0004】
このヘッドユニットには多くの場合ラジオ受信機能を備え、そのほかCDプレーヤ、テレビ受信機、DVDプレーヤ等々の各種機器を適宜選択して内蔵するものも多く、更には、ナビゲーション機能を備えるほか、CDやDVDのディスクチェンジャ等を接続して用いる場合もある。
【0005】
このヘッドユニットは、それらの機器のオーディオ、あるいは音声(以下「音声」と略称する)をスピーカから適切な音量で出力するため、増幅器で音量を増幅して出力している。そのときには、車内においてできる限り音響効果が良いように、例えば4.1サラウンド等の音響効果が発揮できるように、その位置、音質等を調整されているスピーカから出力する。
【0006】
そのため、ヘッドユニット等には最終的に利用者が希望する音量で音声を出力するため、増幅器を備えてており、車内の各所に設けたそれぞれ特有の音質を出力可能なスピーカは、各々のスピーカと接続している接続コードを、増幅器において各スピーカ毎に設けている接続部に接続している。それにより各スピーカ毎に適切なバランスで増幅する増幅器からの音声を、車内において全体として利用者の好みの音量で、且つ個々のスピーカ毎に適切な音量バランスで音声を出力する。
【0007】
このような車内のオーディオ装置において、増幅器と車内のスピーカとを適切に接続することは重要であり、その際には第1に適切に接続されていなければならず、第2に接続コート等が車内の導電性物体と直接接触してショートしてはならない。また、各スピーカ毎の増幅器に対して、本来接続されるべきスピーカが接続されていなければならない。
【0008】
そのため、前記のような車両にオーディオ機器を搭載する車両の生産ライン等では、機器を車両に組み込んだ後、適切に接続しているか否かをチェックする検査工程を設けることが多くなっている。その検査に際しては、多くの場合増幅器からスピーカに適切な電流が流れているか否かを検査しており、そのために増幅器からスピーカ接続部に至る回路に、例えば0.5Ω程度の抵抗を入れておき、この回路にサイン波の電流を流して、所定の抵抗部分を流れる電流を検出して、これをパソコン等のA/D入力部に入力して、ソフトウエアによって適切な接続がなされいるかを検出することによって検査を行っている。
【0009】
この検査の時に流す所定の電流は、大電流の方が誤差が少なく正確に測定することができるものの、例えば小型のスピーカのツイータの場合は大電流を流すとスピーカが破損するため、所定以上の大電流を流すことはできない。前記スピーカの接続検査に際して、検査する回路がツイータ用のものであるか否かをチェックして、そのスピーカに適した電流を選択して流すことは作業効率が悪くなる。
【0010】
また、スピーカに流す電流は、スピーカからの音声信号の振動に対応して振動する構造を採用しているため、電流検査を行うのに容易な大きな直流電流を流すことはできない。そのため、スピーカの検査時には前記のようにサイン波の大電流を流している。
【0011】
なお、スピーカの接続の有無や低音再生能力を検出し、自動的に最適なモードを選択する技術は特許文献1に開示され、また、複数のスピーカの接続状態を各スピーカ毎に設けた通電検出手段によって検出し、最適な音声出力設定を行う技術は特許文献2に開示されている。また、電動機等に流れる電流をホール素子によって検出する技術は特許文献3に開示され、また、各種電線に流れる電流をMR素子により検出する技術は特許文献4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2000−023300号公報
【特許文献2】特開2003−134591号公報
【特許文献3】特開05−223848号公報
【特許文献4】特開2004−020371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記のように、スピーカが適切に接続しているか否かの検出に際して、従来は各スピーカに対応する各チャンネル毎に電流検出部を備えるのが一般的であり、したがってスピーカに流れる電流検知回路が増加して、回路全体が複雑化すると共に高価になる問題があった。また、接続回路に予め電流検知のための抵抗を入れておくと、スピーカの通常作動時においてもこの抵抗を介して出力するため、スピーカの音質に影響し、特に高性能のオーディオ装置ではダンピングファクターの悪化が目立つという問題も発生する。
【0014】
また、スピーカの接続検出をスピーカ毎に行うときには、各スピーカ毎に同じ作業を繰り返す必要があるため、接続するスピーカの数が多くなればなる程、時間がかかり、作業効率が悪いという問題もあった。
【0015】
更に、前記のようにスピーカ接続検出のために0.5Ω等の抵抗を予め入れておくことによるダンピングファクターに対する影響の他、できる限り確実に接続状態を検出するため、大電流のサイン派を流す必要もあり、ツィータのような小型スピーカに対する悪影響もあり、スピーカに対する信頼性が悪くなるという問題もある。そのため、電流を少なくすると検査性能が低下する、というジレンマがあった。
【0016】
また、前記特許文献3及び4に開示されているような磁気検出素子を用いて電流を検出する場合においても、これらに開示された技術では各電線毎に磁気検出素子を配置する必要があり、多数のスピーカを接続した時には高価な装置とならざるを得ない。
【0017】
したがって本発明は、多数の各種のスピーカが増幅器に接続する場合でも、1つの検出素子により、ほぼ同時に、小電流を流すのみで、また回路に抵抗を設ける必要もなく、容易に、且つ正確にスピーカの接続検出を行うことができるようにしたスピーカ接続検出機能付増幅器を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係るスピーカ接続検出機能付増幅器は、前記課題を解決するため、複数のスピーカ毎のオーディオ信号入力ラインの信号をそれぞれ増幅する複数の出力ブロックと、
前記複数の出力ブロックからの出力配線と、外部の複数のスピーカの配線とをそれぞれ接続するスピーカ接続部と、前記出力ブロックからの出力配線におけるプラス側配線またはマイナス側配線のいずれかの配線を流れる電流による磁気を検出する磁気センサと、前記複数の出力ブロックへの前記入力ラインにそれぞれテスト信号を出力するテスト信号出力手段と、前記磁気センサによる、前記テスト信号出力手段からのテスト信号が出力配線を流れるときの電流による磁気信号を入力して、電流に変換する通過電流検出手段と、前記通過電流検出手段で検出する電流が、前記スピーカ接続部に適正にスピーカが接続している時に流れる電流の範囲を示す閾値を設定する閾値設定手段と、前記通過電流検出手段で検出した前記テスト信号による電流値が、前記閾値設定手段で設定した閾値の範囲内にあるか否かを判定する接続状態判定手段とを備え、前記複数の出力ブロックからの各出力配線におけるプラス側配線またはマイナス側配線は、互いに磁気干渉を生じないように分離して配置し、前記磁気センサは複数のプラス側配線またはマイナス側配線の全ての出力ブロックからの配線を流れる電流の磁気を検出する位置に配置したことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る他のスピーカ接続検出機能付増幅器は、前記スピーカ接続検出機能付増幅器において、前記閾値設定手段には上限閾値と下限閾値を備え、前記接続状態判定手段では、前記通過電流検出手段で検出した電流値が、前記上限閾値と下限閾値の範囲にあるとき、前記スピーカ接続部に適正にスピーカが接続しているものと判定することを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る他のスピーカ接続検出機能付増幅器は、前記スピーカ接続検出機能付増幅器において、前記接続状態判別手段では、前記通過電流検出手段で検出した電流値が、前記上限閾値以上の時にはスピーカへの接続配線が短絡しているものと判定し、前記下限閾値以下の時には接続不良であると判定することを特徴とする請求項2記載のスピーカ接続検出機能付増幅器。
【0021】
また、本発明に係る他のスピーカ接続検出機能付増幅器は、前記スピーカ接続検出機能付増幅器において、前記テスト信号出力手段からは各出力ブロック毎にタイミングのずれたテスト信号をそれぞれ出力し、前記接続状態判別手段では、前記磁気センサで検出した磁気を電流に変換した電流値を、前記テスト信号出力手段でテスト信号を出力したタイミングにより分割し、該分割した電流値と、各スピーカに対応した閾値設定手段で設定している閾値とを比較し、各スピーカ毎の接続状態の判定を行うことを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る他のスピーカ接続検出機能付増幅器は、前記スピーカ接続検出機能付増幅器において、前記テスト信号出力手段からは各出力ブロックに共通のテスト信号を同時に出力し、前記接続状態判別手段では、前記磁気センサで検出した磁気を電流に変換した電流値と、複数のスピーカの合計電流に対応した閾値設定手段で設定している閾値とを比較し、複数のスピーカ全体の接続状態の判定を行うことを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る他のスピーカ接続検出機能付増幅器は、前記スピーカ接続検出機能付増幅器において、前記磁気センサを各出力ブロックのプラス側配線を集めた部分、及びマイナス側配線を集めた部分の両方にそれぞれ配置し、前記接続状態判定手段では、両方の磁気センサの出力に基づき前記判定を行うことを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係る他のスピーカ接続検出機能付増幅器は、前記スピーカ接続検出機能付増幅器において、2個の出力ブロックからの出力プラス側配線と出力マイナス側配線が互いに逆になるように配置し、互の内側の配線を集めた部分に磁気センサを配置したことを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係る他のスピーカ接続検出機能付増幅器は、前記スピーカ接続検出機能付増幅器において、4個の出力ブロックから出るプラス側配線またはマイナス側配線のいずれかの4本の配線を全て集めた部分に磁気センサを配置するに際して、第1基板に2本の配線を配置し、該第1基板と絶縁材を挟んで設けた第2基板に他の2本の配線を配置し、全ての配線の電流による磁気を検出する位置に1個の磁気センサを配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明は上記のように構成したので、多数の各種のスピーカが増幅器に接続する場合でも、1つの検出素子により、ほぼ同時に、小電流を流すのみで、また回路に抵抗を設ける必要もなく、容易に、且つ正確にスピーカの接続検出を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の基本原理を示すブロック図である。
【図2】同基本原理に基づく接続判定処理例を示す図である。
【図3】本発明の基本原理に基づき本発明を2個のスピーカの接続に適用した実施態様を示す図である。
【図4】同2個のスピーカの接続に適用した他の実施態様を示す図である。
【図5】同2個のスピーカの接続に適用した更に他の実施態様を示す図である。
【図6】本発明の基本原理に基づき本発明を4個のスピーカの接続に適用した実施態様を示す図である。
【図7】本発明の実施例における、接続判定制御部の詳細な機能ブロック図である。
【図8】本発明において磁気センサを利用してスピーカの接続が適切であるか否かを判定する処理を行う作動フロー図である。
【図9】同判定処理の作動フローにおいてスピーカの接続判定を行う作動フロー図である。
【図10】本発明の実施例における磁気センサ配置部分近傍の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0028】
本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1は本発明の実施例の基本原理を示す図であり、基本的なスピーカ接続回路構成、及びそのスピーカ接続回路構成を用いて所定の機能を行うための基本的な機能ブロック図を示している。なお、同図及び他の各図において、各機能を行う機能部は、それぞれ各機能を行う手段ということができる。
【0029】
図1には前記のように本発明の基本的な原理を示しており、本発明はこの基本原理に基づいて各種の態様で実施することができる。図1に示す基本原理の図においては、その説明の都合上スピーカが増幅器に1個だけ接続した状態を示しているが、本発明はこの基本原理に基づき、後述するように複数のスピーカを接続した時、更に特有の効果を発揮することができるものである。
【0030】
図1に示す基本原理を示す図においては、増幅器1に対して1個のスピーカ5を、増幅器の出力部に設けた接続部4に接続したとき、このスピーカ5が接続部4に対して確実に接続されているか否かを主として検査を行い、更にこの接続部4に接続したスピーカの接続配線が、その途中で車体等に対して裸線部分で接触してショートしていないか、即ち、スピーカ接続配線が短絡していないかも検出することができるようにした図を示している。
【0031】
図1の増幅器1の例においては、例えばヘッドユニットのオーディオ機能部において、各種音源からの音声信号に対して種々の波形整形等を行い、最終的にスピーカ5に所定の音量で出力するため、出力ブロック2を備えている。出力ブロック2においては、前記のような信号を信号入力ライン6から取り込み、増幅した信号をスピーカ接続部4からスピーカ5に出力するものであるが、スピーカ接続部4に至る(+)の出力ラインとしての出力プラスライン7と、(−)の出力ラインとしての出力マイナスライン8について、図示の例では出力プラスライン7と出力マイナスラインの両者を互いに離れるように曲げた後に、スピーカの接続部4に接続している。
【0032】
図1の例においてはその出力ラインの内、出力プラスライン7のプラス側折曲部9に対して絶縁材を介して磁気センサ3を配置している。なお、この磁気センサ3は出力マイナスライン8の設曲部10側に配置しても同様に機能させることができる。
【0033】
本発明においては、スピーカに所定の電流が流れるか否かを磁気センサにより検出することにしているため、出力ラインにおいて、出力プラスラインと出力マイナスラインが接近していると、磁気センサでは両者の磁界が互いに打ち消し合ってしまうので、本発明においては図示するように、できる限り打ち消し合いを生じないように、出力プラスラインの折曲部9と出力マイナスラインの折曲部10を互いに逆方向に折り曲げた例を示している。したがって、磁気センサによる電流検出に影響を与えないならば、出力マイナスライン8には折曲部10を設けないようにすることもできる。このような出力ラインは、配線基板上における各配線の配置によって形成することができる。
【0034】
ここで用いる磁気センサとしては種々のものを用いることができるが、近年は磁気センサが小型化し、半導体素子化しており、回路基板に容易に組み込むことができるようになっている。したがって、このような磁気センサを基板に形成した出力ラインの折曲部9とは絶縁状態で近接して配置しておくことにより本発明を実施することができる。
【0035】
磁気センサの多くのものは磁気抵抗効果MR(magnetoresistance)を利用するものであり、例えば半導体・半金属における正のMRでローレンツ力を用いるもの、磁性半導体に見られる負のMRでスピン無秩序散乱を利用するもの、強磁性体の異方性磁気抵抗であるAMR、磁性体/非磁性体/磁性体構造の巨大磁気抵抗であるGMR、磁性体/絶縁層/磁性体構造のトンネル磁気抵抗であるTMR、強相関系酸化物の巨大磁気抵抗であるCMR等が知られており、任意のものを選択することができる。
【0036】
図1に示す例においては、この磁気センサ3の信号を、増幅器1の基板上に設けたマイクロコンピュータとしての接続判定制御部11におけるA/D変換部12に入力した例を示している。この接続判定制御部11には、磁気検出部13を備え、A/D変換部12に入力した磁気センサ3の信号をデジタル信号化して検出する。この磁気検出部13の磁気検出信号により、通過電流検出部16は、出力プラスラインを流れる電流に変換する。
【0037】
接続判定制御部11にはテスト信号出力部14を備え、従来からスピーカの接続検査時に増幅器の出力ブロック等に対して出力していた所定のサイン波信号を出力ブロック7の入力ライン6に対して、テスト信号出力ライン19から出力する。それにより後に詳述するように、接続状態判定部17では、信号出力部14からの出力信号と、磁気センサ3が検出した信号による通過電流検出部15の信号とを比較し、通過電流検出部15で検出した電流値が、閾値設定部16で設定した上下の閾値の範囲内にあるか否かを判定することによって、スピーカの接続の適否を判定する。
【0038】
その判定結果は接続判定結果出力部18から外部の検査結果表示機器等に出力する。このように、予め増幅器に磁気センサ、及び接続判定制御部11等を組み込んでおくことにより、スピーカ接続検査時には簡単な機器を接続するだけで、正確な接続判定結果を得ることができる。
【0039】
なお、磁気センサは前記のように予め増幅器の基板に設置しておき、接続判定制御部を予め用意しておく以外に、車両生産工程等の検査ラインで検査作業者が、予め印を付けている磁気センサ設置位置に所定の磁気センサを設置し、別設のパソコンのソフトウェアによって接続判定を行うようにすることも可能である。その際には磁気センサについては基板上に予め配置しておき、その信号出力部から別説のパソコン等に検出信号を入力して接続判定を行うようにすることもできる。
【0040】
図2には、前記図1の本発明の基本原理の構成に基づいて、実際にスピーカの接続検出を行う時の例を示している。図2に示す例においては、図1の例と同様に、接続判定制御部11のテスト信号出力部14から、同図(b)に示すようなサイン波を出力ブロック2の入力ライン6に出力する。出力ブロック2からは必要に応じてこれを適宜増幅して出力する。磁気センサ3では、この信号の内、出力プラスライン7の折曲部9に設けた磁気センサ3によって、サイン波の内プラス側の電流を検出する。
【0041】
この時検出する磁気は、ここで用いる磁気センサの特性によって大きく異なるが、図示の例では電流によって生じる磁気を磁気センサが正確に検出し、それにより磁気検出部13では、出力部プラスラインの折曲部9に流れる電流を同図(b)〜(e)のように検出した時の例を示している。したがって磁気センサの特性により、所定時間内の複数のサイン波のプラス電流によって生じる磁気を検出する等、種々の態様が存在しうるが、いずれにしてもプラス側に流れる電流を検出することは同様である。図2に示す例においては、入出力電流の関係の説明をわかりやすくするため、テスト信号のサイン波の電流変化を正確に検出する例を示している。
【0042】
図2(b)には前記のようなテスト信号に対して、磁気センサは全く磁気を検出せず、それにより電流を検出しなかった例を示している。この時には接続判定制御部11の接続判定結果出力部18から、ここに接続した検査機器等に対して、スピーカの接続不良である旨の表示、更には必要に応じて音声を出力する。
【0043】
図2(c)には、検出した電流値における特に最大電流値が、閾値設定部15で設定した下限閾値L1よりも低かった状態を示している。この時の閾値は、前記のような所定のテスト信号を流した時に、出力ブロック2からの所定の増幅信号が、ここに用いている磁気センサで検出する特性を考慮して、予め設定した値であり、本来検出されるべき値の上下限の余裕を見込んで、下限閾値L1と上限閾値L2とを設定している。
【0044】
したがって図2(c)の例においては、前記下限閾値L1よりも検出電流の最大値が低いため、接続が適切に行われていない旨の出力を行う。この時にも前記図2(b)と同様の警告出力を行う。また、図2(d)には検出電流の最大電流値が前記下限閾値L1と上限閾値L2との間に存在するため、適切に接続しているものと判定する。通常の車両の製造ラインにおけるオーディオ装置の組み付け工程においては、多くの場合はこの状態になっている。
【0045】
図2(e)には検出電流の最大電流値が前記上限閾値L2よりも大きくなった時の状態を示している。この状態は増幅器1のスピーカ接続部4からスピーカ5への配線系統において、何らかの原因で車体等に短絡しているか、他の異常がある可能性が高いことを示している。この時においても前記と同様の警告出力を行うこととなるが、そのときには例えば「スピーカへの接続コードがショートしている可能性があります」のような警告を行っても良い。
【0046】
図3には、前記図1の本発明の基本原理に基づき、増幅器1に2個のスピーカ5a及び5bを接続した例を示している。図示の例では各スピーカにそれぞれ出力ブロックを備え、第1出力ブロック2aには第1入力ライン6aから、第2出力ブロック2bには第2入力ライン6bから信号を入力している。
【0047】
図示の例では第1出力ブロック2aからのプラスの出力である出力1プラスライン7aの折曲部9aと、出力ブロック2bからのプラスの出力である出力2プラスライン8aの折曲部10aを近接させており、両折曲部を流れる電流を検出できるように、その部分に絶縁材を挟んで磁気センサ3を配置している。その後は出力1プラスライン9aは第1スピーカ接続部4aのプラス側に導き、出力2プラスライン10aは第2スピーカ接続部4bのプラス側に導いている。
【0048】
一方、第1出力ブロック2aの出力1マイナスライン8aは、前記図1の例と同様に、磁気センサ3から遠ざかるように前記折曲部9a、9bとは逆方向に折り曲げて、折曲部10を形成している。図示の例では第2出力ブロック2bの出力2マイナスライン8bは、前記折曲部9a、9bから充分に離れているものとして、特に折曲部を設けることなく、第2スピーカ接続部4bのマイナス側に導いている。但し、出力2マイナスラインが折曲部9a、9bに接近している時には、、出力1マイナスライン8aの折曲部と同様に折り曲げることとなる。
【0049】
それに対して接続判定制御部11のテスト信号出力部14からは、図示の例では第1出力ブロック2a用の第1入力ライン6aに第1テスト信号出力ライン19aからサイン波の信号を、また第2出力ブロック2b用の第2入力ライン6bに第2テスト信号出力ライン19bから、前記第1テスト信号出力ライン19aから出力しているサイン波に続くサイン波の信号を出力している。
【0050】
この時出力サイン波についても、1周期分のみ出力する以外に、複数周期分を出力することもできる。図示の例ではこの時でも第1テスト信号出力ライン19aと、第2テスト信号出力ライン19bの信号は重ならないようにする。それにより、磁気センサ3においては、第1出力ブロック2aからの電流と、第2出力ブロック2bからの電流とを分けて検出することが可能となる。
【0051】
即ち、前記の例では磁気センサ3からの信号を接続判定制御部11のA/D変換部12を介して磁気検出部13でその磁気をデジタル信号として検出し、通過電流検出部15でこれを電流に変換して、接続状態判定部17で判定処理を行う時、テスト信号出力部14における出力タイミングのデータに基づいて、通過電流の検出信号を分割し、それぞれの閾値設定部16の閾値と比較して接続状態の判定を行う。
【0052】
図3の例においては、前記のようにテスト信号出力部14から第1出力ブロック2aと第2出力ブロック2bに対してタイミングを異ならせたテスト信号を出力する例を示したが、それ以外に両出力ブロックに同じサイン波の電流をテスト信号出力部14から出力し、磁気センサ3では両方の電流による磁気を検出し、あたかも図1の例に示すような1個のスピーカを備えたものと同様の処理を行い、その際には閾値設定部16からスピーカ2個分の電流に対する閾値を読み込む。
【0053】
それにより接続状態判定部17では、通過電流検出部15の電流が上下の閾値の範囲内にある時には、2個のスピーカの系統が全て適切に接続しているものと判別する。それに対して上下の閾値の範囲外であることを検出した時にはいずれか、或いは両方のスピーカ接続系統が不適切であると判定し、以降は前記個別の検出態様で個々に接続状態を検出するようにしても良い。この手法は車両の生産ラインのように、原則としてスピーカが適切に接続されている場合には、効率良く検査を行うことができる。
【0054】
図4には前記図3の例と同様に、2個のスピーカについて個々に出力ブロック2a、2bを備えている例を示しており、図3の例とは磁気センサを2個用いている点で異なっている。即ち図4の例においては、図3の磁気センサ3に対応する磁気センサとして第1磁気センサ3aを備える以外に、第1出力ブロック2aの出力1マイナスラインの折曲部9bと、第2出力ブロック2bの出力2マイナスラインとを近接させ、その部分に第2磁気センサ3bを、第1磁気センサ3aと同様にして配置している。
【0055】
それにより第1磁気センサ3aではテスト信号出力部14からの前記のようなサイン波について、プラス側のみの電流による磁気を検出し、それに対して第2磁気センサ3bでは、テスト信号の内マイナス側のみの電流による磁気を検出する。この時においてもテスト信号出力部14から出力するテスト信号は、各スピーカの系統に対して重ならないサイン波を出力してもよく、同じテスト信号を出力して2系統が同時に適正であるか否かを判定するようにしても良い。このように2個の磁気センサを用いることによって、より正確なスピーカ接続状態の判定が可能となる。
【0056】
図5には増幅器を配置している基板において、2個の出力ブロック2aと2bが横に配置しているのに対して、これに対応する2個のスピーカの接続部4aと4bが基板の横に縦方向に並んで配置している時の例を示している。また、図5(a)の例においては、第1出力ブロック2aと第2出力ブロック2bとが共に左右に出力プラスラインと出力マイナスラインとが同じ態様で出力している例を示しているのに対して、同図(b)の例においては、各出力ブロックの出力プラスラインと出力マイナスラインとが逆に配置している例を示している。
【0057】
図5(a)に示すような配線状態の例においては、図示するように第1出力ブロック2aの出力マイナスラインと、第2出力ブロック2bの出力マイナスラインとを、各々の折曲部10aと10bで近接させ、その部分に磁気センサ3を配置している。それに対して第1出力ブロック2aの出力プラスライン7aについては、折曲部9aによって磁気センサ3から離れる方向に折り曲げ、第2出力ブロック2bの出力プラスライン7bについては、折曲部9bによって磁気センサ3から遠ざかるように折り曲げている。
【0058】
図5(a)の例は各種態様の内の1例に過ぎず、更に種々の配線によって同様の機能を行わせることができるものであるが、同図に示すように磁気センサ3に同極の配線を集めるためには、出力プラスラインと出力マイナスラインとがクロスせざるを得ない部分が生じ、基板に対する配線を立体化する等の必要がある。それに対して図5(b)の例においては、各出力ブロックの出力のプラス側と、マイナス側とを逆に配置しているため、その配線はクロスすることなく容易に配線することが可能となる。
【0059】
図6には4個のスピーカを備えると共に、それぞれのスピーカ5a〜5dに対応してステ第1出力ブロック2a〜第4出力ブロック2dを備えた例を示している。このような多数のスピーカを備えた場合でも、各出力ブロックの出力プラスライン9a〜9dを集中させ、その部分に磁気センサ3を配置することにより、前記と同様のテスト信号の出力、及び磁気センサ3の信号の処理によって、それぞれのスピーカの接続の適否を判定することができる。この時においても、出力マイナスライン8a〜8dについては、磁気センサ3の設置部分から適宜折曲して遠ざかるように配置することも前記と同様である。
【0060】
図7には本発明における特に接続判定制御部11についてより詳細にした機能ブロック図を示している。同図において前記各図で示した機能ブロックについては同じ符号で示している。図7の接続判定制御部11では、テスト信号出力部14から前記のようなテスト信号を出力するものであるが、その中の出力タイミング調節部20では、前記図3に示すようなサイン波を、各出力ブロックに対応して、時間をずらして出力することを可能とする。ただし、ここでは各出力ブロックに同時にテスト信号を出力することができることは前記のとおりである。
【0061】
磁気センサ3の信号をA/D変換部12、磁気検出部13、通過電流検出部15で処理することも前記のとおりであるが、図7の例においては、複数入力信号分割部19を備え、テスト信号出力部14の出力タイミング調節部20で複数の出力信号を所定のタイミングで出力する時、その信号を取り込んで、磁気センサ3による通過電流検出部15の電流の信号を分割する。
【0062】
それにより、接続状態判定部17では、各スピーカに対する適切な閾値を閾値設定部16から上下の閾値を読み込み、前記のように両者を比較することによってスピーカの接続状態を判定する。この時の上限閾値及び下限閾値は、接続するスピーカがウーハであるか、ツイータであるか等、各種スピーカに対応して予め設定しておく。
【0063】
図7の接続状態判定部17には単独スピーカ判定部27と、複数スピーカ一括判定部28とを備えた例を示している。その内単独スピーカ判定部27では、個々のスピーカ毎の接続状態を判定するものであり、その際には閾値設定部16の単独スピーカ用21における上限閾値22と下限閾値23とを読み込んで、磁気センサによる検出電流と比較してスピーカ接続状態の判定を行う。
【0064】
同様に複数スピーカ一括判定部28においては、複数のスピーカに一括して同じテスト信号を出力する時、閾値設定部16の複数スピーカ用24における上限閾値25と下限閾値26とを読み込んで、磁気センサによる検出電流と比較してスピーカ接続状態の判定を行う。
【0065】
図7に示す例においては、接続状態判定部17で判定した結果を接続判定結果出力部18からこの増幅器に接続した検査機器のモニタ29に出力している。図示の例では接続状態の判定結果は接続が不適切である旨の判定があった状態を示しており、スピーカ接続判定結果は「接続不良」である警告表示を行った例を示している。
【0066】
前記のような機能ブロックからなる本発明においては、例えば図8に示す作動フローにしたがって順に作動させることによって、本発明の所定の機能を行わせることができる。図8に示す磁気センサ利用スピーカ接続適否判定処理の例においては、最初テスト信号をスピーカ毎に所定タイミングで出力することから開始している(ステップS1)。
【0067】
その後磁気センサで電流の検出を行い(ステップS2)、次いで所定タイミング毎に検出電流を分割する(ステップS3)。この状態は図8(b)〜(d)に示しており、同図(b)のような磁気センサからの2つの電流検出信号があった時、これをステップS1で行った所定タイミングに合わせて分割する。その分割した信号を同図(c)と(d)に示している。
【0068】
次いで、図9に示すようなスピーカ毎の検出電流値により接続状態の判定を行う。図9に示すスピーカ毎の検出電流値により接続状態を判定する処理の例においては、前記図8のステップS3以降の処理として、検出スピーカの種別及び一度にテストするスピーカの数に対応した閾値を選択する(ステップS11)。
【0069】
次いで図示の例では、検出電流は下限閾値以下か否かを判別している(ステップS12)。ここで下限閾値以下ではないと判別した時には、ステップS13に進んで、検出電流は上限閾値以上か否かを判別する。ここで上限閾値以上ではないと判別した時には、ステップS14に進んで、接続状態は正常と判別する。この状態は図8(c)に示している。
【0070】
それに対してステップS12で検出電流は下限閾値以下であると判定した時、及びステップS13で検出電流は上限閾値以上であると判定した時には共に接続状態が不良と判定する(ステップS15)。特にステップS12において検出電流は下限閾値以下であると判定した時には、前記図2の(b)及び(c)の状態であり、接続不良と判定する(ステップS17)。この状態は図8(d)二も示している。
【0071】
ステップS13で検出電流は上限閾値以上であると判別した時には 、図2の(e)の状態であり、短絡または他の異常であると判定する(ステップS16)。図8のステップS4で前記のような判定を行った後は、スピーカ毎に判定結果を出力し(ステップS5)一連の処理を終了する(ステップS6)。
【0072】
図10は本発明における磁気センサ3と電流を検出する配線との関係を示す断面図である。同図(a)には最も基本的な態様として、磁気センサで検出する配線が1本である状態を示しており、絶縁材からなる基板31の図中裏側に引出線32が配線されている時、基板31の図中表側において、引出線32に対応する位置に磁気センサ3を配置した例を示している。
【0073】
図10(b)には2個のスピーカ用に引出線が2本存在する時の例を示し、基板31の図中裏側に引出線32aと32bとを配置し、図示の例では各々引出線の間における基板31の図中表側に磁気センサ3を配置した例を示している。
【0074】
同図(c)にはスピーカが4個接続する時の例を示し、第1基板33の図中表側に第1引出線32a、32bを配置し、第1基板と絶縁材34を介して第2基板35を配置している。この第2基板35の図中裏側に第3引出線32と第4引出線32dをそれぞれ前記第1基板32の第1引出線32aと第2引出線32bよりも内側になるように配置している。この配線状態で、磁気センサ3を第1基板の図中表側における第1引出線32aと第2引出線32bの間に配置している。このような配置によって、4本の引出線を流れる電流を、1つの磁気センサで検出可能となる。
【0075】
本発明は前記のように極めて多種多様な実施態様で実施することができるものであるが、更に磁気センサの種類選択に応じた各磁気センサの特性に応じて、種々の態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 増幅器
2 出力ブロック
3 磁気センサ
4 スピーカ接続部
5 スピーカ
6 入力ライン
7 出力プラスライン
8 出力マイナスライン
9 出力プラス側折曲部
10 出力マイナス側折曲部
11 接続判定制御部
12 A/D変換部
13 磁気検出部
14 テスト信号出力部
15 通過電流検出部
16 閾値設定部
17 接続状態判定部
18 接続判定結果出力部
19 複数入力信号分割部
20 出力タイミング調節部
21 単独スピーカ用
22 上限閾値
23 下限閾値
24 複数スピーカ用
25 上限閾値
26 下限閾値
27 単独スピーカ判定部
28 複数スピーカ一括判定部
29 モニタ
31 基板
32 引出線
33 第1基板
34 絶縁材
35 第2基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスピーカ毎のオーディオ信号入力ラインの信号をそれぞれ増幅する複数の出力ブロックと、
前記複数の出力ブロックからの出力配線と、外部の複数のスピーカの配線とをそれぞれ接続するスピーカ接続部と、
前記出力ブロックからの出力配線におけるプラス側配線またはマイナス側配線のいずれかの配線を流れる電流による磁気を検出する磁気センサと、
前記複数の出力ブロックへの前記入力ラインにそれぞれテスト信号を出力するテスト信号出力手段と、
前記磁気センサによる、前記テスト信号出力手段からのテスト信号が出力配線を流れるときの電流による磁気信号を入力して、電流に変換する通過電流検出手段と、
前記通過電流検出手段で検出する電流が、前記スピーカ接続部に適正にスピーカが接続している時に流れる電流の範囲を示す閾値を設定する閾値設定手段と、
前記通過電流検出手段で検出した前記テスト信号による電流値が、前記閾値設定手段で設定した閾値の範囲内にあるか否かを判定する接続状態判定手段とを備え、
前記複数の出力ブロックからの各出力配線におけるプラス側配線またはマイナス側配線は、互いに磁気干渉を生じないように分離して配置し、前記磁気センサは複数のプラス側配線またはマイナス側配線の全ての出力ブロックからの配線を流れる電流の磁気を検出する位置に配置したことを特徴とするスピーカ接続検出機能付増幅器。
【請求項2】
前記閾値設定手段には上限閾値と下限閾値を備え、
前記接続状態判定手段では、前記通過電流検出手段で検出した電流値が、前記上限閾値と下限閾値の範囲にあるとき、前記スピーカ接続部に適正にスピーカが接続しているものと判定することを特徴とする請求項1記載のスピーカ接続検出機能付増幅器。
【請求項3】
前記接続状態判別手段では、前記通過電流検出手段で検出した電流値が、前記上限閾値以上の時にはスピーカへの接続配線が短絡しているものと判定し、前記下限閾値以下の時には接続不良であると判定することを特徴とする請求項2記載のスピーカ接続検出機能付増幅器。
【請求項4】
前記テスト信号出力手段からは各出力ブロック毎にタイミングのずれたテスト信号をそれぞれ出力し、
前記接続状態判別手段では、前記磁気センサで検出した磁気を電流に変換した電流値を、前記テスト信号出力手段でテスト信号を出力したタイミングにより分割し、該分割した電流値と、各スピーカに対応した閾値設定手段で設定している閾値とを比較し、各スピーカ毎の接続状態の判定を行うことを特徴とする請求項1記載のスピーカ接続検出機能付増幅器。
【請求項5】
前記テスト信号出力手段からは各出力ブロックに共通のテスト信号を同時に出力し、
前記接続状態判別手段では、前記磁気センサで検出した磁気を電流に変換した電流値と、複数のスピーカの合計電流に対応した閾値設定手段で設定している閾値とを比較し、複数のスピーカ全体の接続状態の判定を行うことを特徴とする請求項1記載のスピーカ接続検出機能付増幅器。
【請求項6】
前記磁気センサを各出力ブロックのプラス側配線を集めた部分、及びマイナス側配線を集めた部分の両方にそれぞれ配置し、
前記接続状態判定手段では、両方の磁気センサの出力に基づき前記判定を行うことを特徴とする請求項1記載のスピーカ接続検出機能付増幅器。
【請求項7】
2個の出力ブロックからの出力プラス側配線と出力マイナス側配線が互いに逆になるように配置し、互の内側の配線を集めた部分に磁気センサを配置したことを特徴とする請求項1記載のスピーカ接続検出機能付増幅器。
【請求項8】
4個の出力ブロックから出るプラス側配線またはマイナス側配線のいずれかの4本の配線を全て集めた部分に磁気センサを配置するに際して、第1基板に2本の配線を配置し、該第1基板と絶縁材を挟んで設けた第2基板に他の2本の配線を配置し、全ての配線の電流による磁気を検出する位置に1個の磁気センサを配置したことを特徴とする請求項1記載のスピーカ接続検出機能付増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−175402(P2012−175402A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35420(P2011−35420)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】