スプレッダの清掃方法及び清掃装置を具備したスプレッダ
【課題】スプレッダに滞留する木片等の異物を適確に排除することができ、而も、単板に塗布した接着剤の接着性能を劣化させる虞のない清掃方法を提供する。
【解決手段】送りロール4の上方に、塗布ロール1とドクターロール2とを備え、前記両ロール1・2の間に貯留した接着剤13の適量を、単板8の上面へ塗布するスプレッダに於て、ドクターロール2を正逆回転可能に備えると共に、ドクターロール2と同等幅の先端部9aを有する清掃部材9を、単板8の通過を阻害しない位置であって、而も、先端部9aが、ドクターロール2の周面の適宜部分に、随時当接及び離隔し得るように備え、所望時に限り、ドクターロール2を逆回転させて、貯留部に残留する接着剤13と一緒に、異物14を貯留部から排出し、且つ、清掃部材の先端部9aを、ドクターロール2の周面に当接させて、貯留部から排出された接着剤13と異物14を掻き取るように排除する.
【解決手段】送りロール4の上方に、塗布ロール1とドクターロール2とを備え、前記両ロール1・2の間に貯留した接着剤13の適量を、単板8の上面へ塗布するスプレッダに於て、ドクターロール2を正逆回転可能に備えると共に、ドクターロール2と同等幅の先端部9aを有する清掃部材9を、単板8の通過を阻害しない位置であって、而も、先端部9aが、ドクターロール2の周面の適宜部分に、随時当接及び離隔し得るように備え、所望時に限り、ドクターロール2を逆回転させて、貯留部に残留する接着剤13と一緒に、異物14を貯留部から排出し、且つ、清掃部材の先端部9aを、ドクターロール2の周面に当接させて、貯留部から排出された接着剤13と異物14を掻き取るように排除する.
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば図12(イ)・(ロ)・(ハ)に例示する如く、合板・単板積層材等の製造に供するベニヤ単板(以下、単に単板と称す)8の通路の上側又は/及び下側に、塗布ロール1とドクターロール2とを、前記両ロール1・2の対向する周面の上部側に接着剤13の貯留部が形成されるように並設し、該貯留部に貯留した接着剤13の適量を、単板8の上面又は/及び下面に塗布する形式のスプレッダの清掃方法及び清掃装置を具備したスプレッダに関するものである。図中、4は、送りロールである。
【背景技術】
【0002】
前記形式のスプレッダを用いて接着剤の塗布処理を行う場合の一つの問題点は、処理前の単板の上面に載っていた木片や、処理中の単板から外れた節などの異物が、時折塗布ロールに付着し、塗布ロールの回転に伴って、接着剤の貯留部に混入する結果、該異物の滞留量が過大になると、塗布ロールとドクターロールとの間に詰まって、塗布ロールによる接着剤の塗布状態を不均一にしたり、或は塗布ロールとドクターロールとの間から不規則に抜け出て、処理後の単板の塗布面に異物の塊が残ったりする問題点である。
【0003】
斯様な問題点を解消する為に、例えば特許文献1に開示される如く、前記接着剤の貯留部の側方に、金網等から成る濾過部材を具備した接着剤の抜き取り回路を設け、所望時期に、貯留部に貯留した接着剤を、前記抜き取り回路へ流出させることにより、濾過部材によって、異物を濾過して適時に廃棄し、濾過済みの接着剤は、ポンプ等を介して、貯留部へ環流させる清掃手段や、或は例えば特許文献2に開示される如く、ドクターロールの下方に、ドクターロールの周面から流下する接着剤を収容するに足る広さの開口部を有する受樋と、接着剤の貯留槽とを備えると共に、特許文献2には明記されていないが、受樋と貯留槽との中間等の適当な位置に、金網等から成る濾過部材を備え、新たに接着剤を貯留部に補充する際に、貯留部の容量を超える分量の接着剤を過剰に補充することによって、貯留部に滞留した異物を、接着剤と一緒に、ドクターロールの周面から受樋を介して、貯留槽に流下させる途中で、濾過部材によって、異物を濾過して適時に廃棄し、貯留槽の接着剤は、ポンプ等を介して、貯留部へ環流させる清掃手段等が実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭58−39815号公報
【特許文献2】実公昭62−40699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の清掃手段は、貯留部に滞留する異物を、接着剤と一緒に随時貯留部の外へ流出させ、濾過部材によって濾過して、適時廃棄し得るので、先記問題点の解消には有効であり、また、濾過済みの接着剤を、貯留部へ環流させて再利用するので、接着剤の浪費も少なく、硬化剤を添加しない種類の接着剤を使用する限りに於ては、実用的で有益な解決手段であったが、硬化剤を添加する種類の接着剤を使用する場合にあっては、貯留部へ環流させる濾過済みの接着剤に対して、硬化剤の硬化作用が徐々に促進され、而も、二度・三度と繰り返し環流させられる分量も少なからず貯留部に混在することとなるから、結果的に、単板に塗布した接着剤の接着性能が劣化する不具合が発生する欠陥があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記不具合の発生がない清掃手段を提供すべく開発したものであって、具体的には、前記形式のスプレッダに於て、ドクターロールを正逆回転可能に備えると共に、ドクターロールと同等幅の先端部を有する清掃部材を、単板の通過を阻害しない位置であって、而も、該清掃部材の先端部が、ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に、随時当接及び離隔し得るように備え、常態に於ては、ドクターロールを正回転させ、且つ、清掃部材の先端部を、前記適宜部分から離隔させて、常法通りの塗布処理を行い、また、所望時には、ドクターロールを逆回転させて、貯留部に残留する接着剤と一緒に、異物を貯留部から排出し、且つ、清掃部材の先端部を、前記ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に当接させて、ドクターロールの周面から、接着剤及び異物を掻き取るように排除するスプレッダの清掃方法(請求項1)を、基礎的な発明として提案すると共に、先端部から適宜距離だけ離れた部分に、先端部を介して流入する接着剤及び異物を収容するに足る広さの開口部を有する排除用受樋を、一体的又は別体的に付設して成る清掃部材を用いると共に、掻き取った接着剤及び異物が、自重の作用によって前記排除用受樋に流下するのに適した、ドクターロールの周面の所定箇所に、随時先端部が当接し得るように清掃部材を備えて成る請求項1記載のスプレッダの清掃方法(請求項2)と、清掃部材の先端部がドクターロールの周面に当接する箇所、乃至は該箇所の近辺に向けて、洗浄水を供給する水供給部材を付加的に備えて、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる際に、乃至は当接させた後に、前記水供給部材を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ供給して成る請求項2記載のスプレッダの清掃方法(請求項3)とを進歩的な発明として提案する。
【0007】
また、前記請求項1に係る清掃方法の実施に用いる設備として、前記形式のスプレッダであって、ドクターロールを正逆回転させる駆動源と、ドクターロールと同等幅の先端部を有し、該先端部が、ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に、当接及び離隔し得るよう可動自在に備えた清掃部材と、清掃部材の先端部が、前記適宜部分に当接及び離隔するよう、前記清掃部材を作動させる作動部材と、常態に於ては、ドクターロールを正回転させるよう、前記駆動源を駆動させると共に、清掃部材の先端部を、前記適宜部分から離隔させるよう、前記作動部材を作動させ、また、所望時には、ドクターロールを逆回転させるよう、前記駆動源を駆動させると共に、清掃部材の先端部を、前記ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に当接させるよう、前記作動部材の作動を制御する制御機構とを少なくとも有する清掃装置を具備したスプレッダ(請求項4)を、前記請求項2に係る清掃方法の実施に用いる設備として、先端部から適宜距離だけ離れた部分に、先端部を介して流入する接着剤及び異物を収容するに足る広さの開口部を有する排除用受樋を、一体的又は別体的に付設して成る清掃部材を用いると共に、掻き取った接着剤及び異物が、自重の作用によって前記排除用受樋に流下するのに適した、ドクターロールの周面の所定箇所に、随時先端部が当接し得るように清掃部材を備えて成る請求項4に記載するスプレッダ(請求項5)を、前記請求項3に係る清掃方法の実施に用いる設備として、清掃部材の先端部がドクターロールの周面に当接する箇所、乃至は該箇所の近辺に向けて、洗浄水を供給する水供給部材と、該水供給部材への洗浄水の供給及び停止を制御する制御弁とを付加すると共に、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる際に、乃至は当接させた後に、前記水供給部材を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ供給させるよう、前記制御弁の作動を制御する制御機能を、制御機構に付加して成る請求項5に記載するスプレッダ(請求項6)を夫々提案する。
【発明の効果】
【0008】
前記本発明の請求項1に係る清掃方法によると、所望時には、ドクターロールを逆回転させて、貯留部に残留する接着剤と一緒に、異物を貯留部から排出し、且つ、清掃部材の先端部を、前記適宜部分に当接させて、接着剤及び異物を、ドクターロールの周面から掻き取るように排除するものであるから、貯留部に於ける異物の滞留量が過大になって、塗布ロールによる接着剤の塗布状態を不均一にしたり、或は処理後の単板の塗布面に異物の塊が残ったりする問題点が解消されるのは勿論のこと、貯留部に残留する接着剤と一緒に異物を排除するものであるから、接着剤の歩留りが些か低下する弱点はあるものの、たとえ硬化剤を添加する種類の接着剤を使用した場合であっても、硬化剤による硬化作用が過度に促進された接着剤は全く再利用しないので、単板に塗布した接着剤の接着性能を劣化させる虞は一切なく、先記従来の清掃手段の欠陥を払拭することができる。
【0009】
また、前記本発明の請求項1に係る清掃方法に於て、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる部分は、接着剤の貯留部を形成する部分以外の部分であれば足りるが、本発明の請求項2に係る清掃方法の如く、先端部から適宜距離だけ離れた部分に、先端部を介して流入する接着剤及び異物を収容するに足る広さの開口部を有する排除用受樋を、一体的又は別体的に付設して成る清掃部材を用いると共に、掻き取った接着剤及び異物が、自重の作用によって前記排除用受樋に流下するのに適した、ドクターロールの周面の所定箇所に、随時先端部が当接し得るように清掃部材を備えれば、掻き取った接着剤及び異物の自重を活用して、排除を促進し得るので実用的である。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る清掃方法を実施するに際しては、本発明の請求項3に係る清掃方法の如く、清掃部材の先端部がドクターロールの周面に当接する箇所、乃至は該箇所の近辺に向けて、洗浄水を供給する水供給部材を付加的に備えて、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる際に、乃至は当接させた後に、前記水供給部材を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ供給する構成を採れば、掻き取る接着剤の粘度を低下させ、接着剤及び異物の自重による流下作用を助長して、排除を促進し得るので一段と実用的である。
【0011】
而して、本発明の請求項4に係る清掃装置を具備したスプレッダは、前記請求項1に係る清掃方法の実施に、また、本発明の請求項5に係る清掃装置を具備したスプレッダは、前記請求項2に係る清掃方法の実施に、更に、本発明の請求項6に係る清掃装置を具備したスプレッダは、前記請求項3に係る清掃方法の実施に夫々用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るスプレッダの実施例の一部破断正面説明図である。
【図2】図1に例示したスプレッダの一部破断側面説明図である。
【図3】図1及び図2に例示したスプレッダの動作説明図である。
【図4】図1及び図2に例示したスプレッダの動作説明図である。
【図5】図1及び図2に例示したスプレッダの動作説明図である。
【図6】図1及び図2に例示したスプレッダの動作説明図である。
【図7】本発明に係るスプレッダの異なる実施例の一部破断側面説明図である。
【図8】本発明に係るスプレッダの異なる実施例の一部破断正面説明図である。
【図9】図8に例示したスプレッダの一部破断側面説明図である。
【図10】本発明に係るスプレッダの異なる実施例の一部破断側面説明図である。
【図11】本発明に係るスプレッダの異なる実施例の一部破断側面説明図である。
【図12】既知のスプレッダの形態を模式的に表した概略側面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図面に例示した実施の一例と共に更に詳述するが、異物の移動過程を明確化させる便宜上、異物については、代表的な一個のみを図示することとし、他の異物の図示は省略した。また、図面を見易くする便宜上、塗布ロールの周面に設ける条状の溝、単板をスプレッダへ搬入する搬入機構、単板をスプレッダから搬出する搬出機構などについても図示を省略した。また更に、貯留部への接着剤の供給経路・手順等は、従来公知の種々の供給経路・手順等を用いて差支えないので、図示及び詳細な説明を省略した。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明に係るスプレッダの実施例の部分正面説明図であり、図2は、図1に例示したスプレッダの一部破断側面説明図である。図中、1は、外周部に被覆されたゴム等から成る弾性体1aの周面に、適宜の断面形状を有する条状の溝(図示省略)が穿設されて成る塗布ロールであって、図示しない軸受等を介して機枠(図示省略)に枢着されており、後述する制御機構12によって制御される電動機等から成る駆動源5を介して、所定の周速にて図示矢印方向へ回転せしめられ、後述するドクターロール2と対向する周面の上部側に、接着剤13の貯留部を形成すると共に、後述する送りロール4と協働して、単板8を図示矢印方向へ移送する都度、単板8の上面に適量の接着剤13を塗布する。
【0015】
2は、滑らかな周面を有して成るドクターロールであつて、ハンドル付の螺子等から成る変位部材(図示省略)の変位作用を得て、前後方向へ精密に変位し得るよう、図示しない軸受等を介して機枠(図示省略)に前後移動可能に係止されており、常態に於ては、後述する制御機構12によって制御される電動機等から成る駆動源6を介して、通例通り前記塗布ロール1の周速よりも幾分遅い周速にて実線で示す矢印方向へ正回転せしめられ、前記塗布ロール1と対向する周面の上部側に、接着剤13の貯留部を形成すると共に、塗布ロール1を介して単板8の上面に塗布する接着剤13の塗布量が適量となるように規制する。但し、所望時には、後述する制御機構12の制御に基づく駆動源6の逆回転作用を得て、所望の周速にて(好ましくは、常態に於ける正回転方向の周速に比べて著しく遅い周速にて)点線で示す矢印方向へ逆回転せしめられ、前記貯留部に残留する接着剤13と一緒に、異物14を貯留部から排出する。
【0016】
3は、前記塗布ロール1及びドクターロール2の両側部に配設された左右一対の堰板であって、コイルバネ等から成る弾発部材(図示省略)の弾発作用を得て、前記各ロール1・2の両側面に軽く圧接されており、前記各ロール1・2の対向する周面間の上部側に形成された貯留部に、所望量の接着剤13が貯留し得るように堰き止める。
【0017】
4は、前記塗布ロール1の下方に配設した送りロールであって(図示は省略したが、必要に応じては、外周部にゴム等から成る弾性体を被覆する)、処理する単板8の厚さの変更に適応できるように、ハンドル付の螺子等から成る昇降部材(図示省略)の昇降作用を得て、上下方向へ精密に昇降し得るよう、図示しない軸受等を介して機枠(図示省略)に昇降可能に係止されており、後述する制御機構12によって制御される電動機等から成る駆動源7を介して、前記塗布ロール1の周速と同等の周速にて図示矢印方向へ回転せしめられ、前記塗布ロール1と協働して、単板8を図示矢印方向へ移送する
【0018】
9は、前記ドクターロール2と同等幅(図示例は、幅方向の左右に若干プラスの誤差を設けて形成してあり、異物等の掻き取りに適するが、例えば全く同じ幅であっても、掻き取り作用に差異はなく、或は例えば図示例とは逆に、若干マイナスの誤差を設けて形成しても実用的には格別支障ない)の先鋭な先端部9aを有する刃物状の清掃部材であって、機枠(図示省略)に係止され、且つ、後述する制御機構12によって制御される流体シリンダ等から成る作動部材11の作動作用を得て、実線で示す位置と点線で示す位置とへ交互に移動し得るよう、作動部材11によって前後移動可能に保持されており、点線で示す位置へ移動した際に、先端部9aが、逆回転するドクターロール2の周面に当接して、貯留部から排出された接着剤13と一緒に、異物14を掻き取る。
【0019】
10は、前記清掃部材9によってドクターロール2の周面から掻き取られ、自重の作用によって流下する接着剤13と異物14を収容するに足る広さの開口部を有すると共に、幅方向の中央部を頂点とする山状に屈折させられて成る排除用受樋であって、前記清掃部材9に一体状に付設されており(後側の壁部の大部分は、清掃部材9を以って代用している)、収容した接着剤13と異物14を、単板8の通路の左右両側に排除する。
【0020】
12は、前記各機器類の作動を制御する制御機構であって、常態に於ては、駆動源5、7を介して、前記塗布ロール1及び送りロール4を、所定の周速にて図示矢印方向に回転させると共に、駆動源6を介して、ドクターロール2を、通例通りの周速にて実線で示す矢印方向に正回転させるよう制御し、更に、清掃部材9を、実線で示す待機位置に待機させるように、作動部材11の作動を制御する。また一方、所望時には、ドクターロール2を、所望の周速にて点線で示す矢印方向へ逆回転させるよう、駆動源6を逆回転駆動させると共に、清掃部材9を、点線で示す位置に移動させ、清掃部材9の先端部9aを、ドクターロール2の周面に当接させるよう、作動部材11の作動を制御する
【0021】
本発明に係るスプレッダは、例えば前記実施例に例示する如く、一般的なスプレッダの構成に、排除用受樋10を一体状に付設して成る清掃部材9、該清掃部材9用の作動部材11、該作動部材11の制御機能とドクターロール2の逆回転機能とを兼備する制御機構12等を有する清掃装置を付加的に具備して構成するものであり、以下に述べる如く、本発明に係る清掃方法の実施に用いることができる。
【0022】
即ち、常態に於ては、制御機構12の制御によって、図1及び図2に例示する如く、駆動源5、7を介して、塗布ロール1及び送りロール4を、所定の周速にて図示矢印方向に回転させると共に、駆動源6を介して、ドクターロール2を、通例通りの周速にて実線で示す矢印方向に正回転させるよう制御し、更に、清掃部材9を、実線で示す待機位置に待機させるよう、作動部材11の作動を制御する。而して、塗布ロール1とドクターロール2との対向する周面の上部側に形成される貯留部に、適宜の供給手段を介して、所望量の接着剤13を供給した後に、塗布ロール1と送りロール4の間に単板8を挿入すれば、該単板8の上面に適量の接着剤13を塗布することが可能であり、また、塗布処理の繰り返しに伴って、貯留部に貯留する接着剤13の貯留量が相当に減少したら、再び供給手段を介して、貯留部に接着剤13を補充すれば差支えない。
【0023】
また一方、処理前の単板8の上面に載っていた木片や、処理中の単板8から外れた節などの異物14が、時折塗布ロール1に付着し、塗布ロール1の回転に伴って、貯留部に混入する結果、該異物14の滞留量が過大となり、塗布ロール1による接着剤13の塗布状態を不均一にしたり、或は処理後の単板8の上面に異物14の塊が残ったりする問題が発生する虞が生じた際には、例えば作業者の手動操作によって、或は例えば貯留部を観察するカメラの画像に、適宜の画像処理を施して、異物14の滞留総量を推定する自動操作に基づき、適宜の信号源(図示省略)を操作して、制御機構12に回避指令信号を発信し、制御機構12の制御により、図3に例示する如く、駆動源6を介して、ドクターロール2を、所望の周速にて常態とは逆の図示矢印方向へ逆回転させるよう制御する。
【0024】
尚、述上の如く、ドクターロールを逆回転させるに際しては、廃棄する接着剤の量を節約する必要性からして、貯留部に貯留する接着剤が、比較的少なくなった時期を選ぶのが好ましく、斯様にすれば、貯留部に滞留する異物の総量も比較的容易に目測、或は自動的に観察できるので、前記問題の発生が回避し易い。また、現に塗布ロールに付着している異物も併せて廃棄する利便性、周面の磨耗の均一化等からして、塗布ロールについては、回転を継続するのが好ましく、必要に応じては、回転を継続する際の周速を、常態に於ける周速に比べて減速させ得るように、駆動源及び制御機構の機能を改変する構成を採っても差支えない。他方、送りロールについては、図示する如く、回転を暫時停止する態様、又は継続する態様(図示省略)のいずれであっても支障はない。
【0025】
而して、述上の如く、ドクターロール2を逆回転させれば、図4に例示する如く、貯留部に残留する接着剤13と一緒に、異物14が貯留部から排出されるので、該接着剤13等が、清掃部材の先端部9aが当接すべき位置に至る前に、制御機構12の制御により、図5に例示する如く、作動部材11を介して、清掃部材の先端部9aがドクターロール2の周面に当接する位置へ、清掃部材9を移動させるように制御すると、排出された接着剤13と異物14が、清掃部材の先端部9aによって、ドクターロール2の周面から掻き取られ、次いで、自重の作用により、排除用受樋10に流下し(図6参照)、やがて、単板8の通路の左右両側に排除される。
【0026】
また更に、接着剤13と異物14が、ドクターロール2の周面から掻き取られた後は、制御機構12の制御により、図6に例示する如く、作動部材11を介して、清掃部材9を当初の待機位置へ復帰させると共に、駆動源6を介して、ドクターロール2を図示矢印方向に正回転させるように制御し(必要に応じては、駆動源7を介して、暫時停止させていた送りロール4の回転を再開させるよう制御し)、更に、貯留部へ新たに所望量の接着剤13を供給することによって、再び単板8への接着剤13の塗布処理が可能となる。
【0027】
述上の如き清掃方法によれば、貯留部に於ける異物の滞留量が過大になって、塗布ロールによる接着剤の塗布状態を不均一にしたり、或は処理後の単板の塗布面に異物の塊が残ったりする問題点が解消されるのは勿論のこと、たとえ硬化剤を添加する種類の接着剤を使用した場合であっても、硬化剤による硬化作用が過度に促進された接着剤は全く再利用しないので、単板に塗布した接着剤の接着性能を劣化させる虞は一切ない。
【0028】
尚、前記実施例に例示する如く、掻き取った異物等が、自重の作用によって、排除用受樋に流下する構成を採れば、清掃装置の構造が単純化できるので有効であるが、例えば比較的粘性の大きな接着剤を使用する場合などに、必要に応じて、洗浄水による洗浄作用を付加する構成を採れば、異物等の排除が、一段と円滑化するので効果的である。
【0029】
即ち、図7に例示した実施例は、図1及び図2に例示した実施例の構成に加えて、清掃部材9の全幅よりも長い全長を有し、且つ、清掃部材9の全幅よりも幾分狭い区域内の適宜間隔毎に、適宜口径の丸孔状の供給孔15aを直列的に設けて成る水供給部材15を、前記各供給孔15aから噴出される洗浄水が、清掃部材の先端部9aがドクターロール2の周面に当接する箇所(乃至は該箇所の近辺)に向けて噴射されるように備えると共に、該水供給部材15への洗浄水の供給と休止とを繰り返す開閉弁16の制御機能を付加した制御機構12aを備えて構成したものであり、清掃部材の先端部9aを、ドクターロール2の周面に当接させる際に(乃至は当接させた後に)、前記水供給部材15を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ噴射すれば、ドクターロール2の周面から掻き取る接着剤13の粘性が低下し、異物等の排除用受樋10への流下と排除用受樋10からの排除が、一段と円滑化するので効果的である。
【0030】
尤も、本発明に係る清掃方法を実施する際の、清掃部材の配設位置としては、必ずしも図1及び図2、図7に例示した実施例の位置に限るものではなく、以下に述べる変更例からも明らかなように、種々変更することが可能であり、要は、清掃部材の先端部が、ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に当接する態様であれば、異物等の排除に格別支障はなく、また、清掃装置の構成についても、必要に応じて、異物等の流下或は排除を促進・助長する補助部材を付加すれば足りる。
【0031】
即ち、図8及び図9に例示した実施例は、ドクターロール2の周面から掻き取られる異物等を収容するに足る広さの開口部を有し、且つ、一方端にのみ(実施例は正面視右側)排除口18aを形成し、他方端には側壁を形成して成る排除用受樋18が、前記各実施例と同様に一体状に付設されて成る刃物状の清掃部材17を、その先端部17aが、ドクターロール2の周面の最下点付近に対して、当接及び離隔し得るように、作動部材19により、実線で示す位置と点線で示す位置とへ交互に移動可能に保持すると共に、常時、又は少なくとも排除用受樋18に異物等が流入する直前の時期から、排除用受樋18からの異物等の排除が完了する時期までは、給水口20aを介して、排除用受樋18の側壁を有する端部側に流水を供給する給水部材20を、排除用受樋18と一体状又は別体状(別途に作動部材を備えて、同期的に前後移動可能に)に配設して、前記排除用受樋18からの異物等の排除を促進するように構成したものであり、斯様な位置に先端部17aが当接する清掃部材17を備えた清掃装置を用いても、異物等の排除に格別支障はない。
【0032】
また、図10に例示した実施例は、刃物状の清掃部材21を、その先端部21aが、ドクターロール2の周面の最上点付近に対して、当接及び離隔し得るように、実線で示す位置から点線で示す位置まで回動可能に枢支すると共に、作動部材23を介して、実線で示す位置と点線で示す位置とへ交互に回動させる機能を制御機構12bに具備し、更に、図1及び図2、図7に例示した実施例の排除用受樋10と同様に、幅方向の中央部を頂点とする山状に屈折して成る排除用受樋22を、清掃部材21が実線で示す位置へ回動した際に、清掃部材21から流下する異物等を収容し得る位置へ、清掃部材21とは別体状に固定的に備えて構成したものであり、斯様な位置に先端部21aが当接する清掃部材21を備えた清掃装置を用いても、異物等の排除に格別支障はない。
【0033】
また、図11に例示した実施例は、単板8の下面に適量の接着剤13を塗布する形式のスプレッダであって、図1及び図2に例示した実施例のスプレッダに於ける清掃装置、つまり、清掃部材9、排除用受樋10、作動部材11、制御機構12等を有する清掃装置を備える代わりに、図10に例示した実施例のスプレッダに於ける清掃装置、つまり、清掃部材21、排除用受樋22、作動部材23、制御機構12b等を有する清掃装置を備えて構成したものであり(勿論、図1及び図2に例示した実施例のスプレッダに於ける清掃装置を、そのまま同じ位置に備えても差支えないのであるが、清掃装置の互換性を明確化させる便宜上、あえて、別の形態の清掃装置を、別の位置に備えた例を例示した)、斯様に単板8の下面に適量の接着剤13を塗布する方式のスプレッダに於ても(実施例の図示は省略したが、単板の上下両面に接着剤を塗布する方式のスプレッダに於ても)、先記各実施例に於ける清掃装置に類する構成の清掃装置を、適当な位置に備えることによって、本発明に係る清掃方法を支障なく実施することができる。
【0034】
尚、図示は省略したが、必要に応じては、図8及び図9、或は図11に例示した実施例のスプレッダに於ても、先記図7に例示した実施例のスプレッダと同様に、先記水供給部材と同様の構成で成る水供給部材を、該水供給部材の供給孔から噴出される洗浄水が、清掃部材の先端部がドクターロールの周面に当接する箇所(乃至は該箇所の近辺)に向けて噴出されるよう付加的に備えと共に、水供給部材への洗浄水の供給と休止とを繰り返す開閉弁の制御機能を付加した制御機構を備えて、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる際に、乃至は当接させた後に、水供給部材を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ噴射するよう構成することも可能であり、ドクターロールの周面から掻き取る接着剤の粘性が低下し、異物等の排除用受樋への流下と排除用受樋からの排除が一層円滑化する効果が期待できる。
【0035】
また、図示は省略したが、必要に応じては、図10に例示した実施例のスプレッダに於ても、先記図7に例示した実施例のスプレッダに於ける水供給部材と同様の構成で成る水供給部材を、該水供給部材の供給孔から噴出される洗浄水が、図10に於て実線で示す位置にある清掃部材の先端部に対して(乃至は先端部よりも若干下方の部位に対して)、図10の斜め右上から斜め左下に向けて噴射されるように備えと共に、水供給部材への洗浄水の供給と休止とを繰り返す開閉弁の制御機能を付加した制御機構を備えて、ドクターロールの周面から異物等を掻き取った清掃部材が、図10に於て点線で示す位置から実線で示す位置へ回動させられた直後に、水供給部材を介して、適量の洗浄水を、清掃部材の先端部に対して(乃至は先端部よりも若干下方の部位に対して)、図10の斜め右上から斜め左下に向けて噴射するよう構成することも可能であり、やはり異物等の排除用受樋への流下と排除用受樋からの排除が円滑化する効果が期待できる。
【0036】
また、図10に例示した実施例のスプレッダに於て、前述の如く、水供給部材を備える場合にあっては、清掃部材を、図10に於て実線で示す位置から点線で示す位置へ回動させる直前に、水供給部材を介して、少量の洗浄水を、清掃部材の先端部付近に噴射する構成を採ることも可能であり、ドクターロールの周面から異物等を掻き取る際の清掃部材の上面側を、予め湿潤状態とする作用によって、掻き取る接着剤の付着性を低下させて、流動を助長する効果が期待できる。また、いずれにしても、排除した接着剤は再利用しないので、必要に応じては、洗浄水に少量の界面活性剤を添加しても差支えない。
【0037】
また、前記各実施例に於ては、いずれも刃物状の清掃部材を用いたが、清掃部材の形態としては、刃物状に限るものではなく、図示は省略したが、例えば薄板状・断面楔状の板材等の如く、適宜の形状に設計変更して差支えなく、要は、ドクターロールの周面から異物等を円滑に掻き取るに足る形態であれば、本発明に係る清掃装置に用い得る。
【0038】
また、排除用受樋についても、前記各実施例に例示した形態に限るものではなく、図示は省略したが、例えば長さ方向に半裁した筒状・断面V字状の樋等の如く、適宜の形状に設計変更して差支えなく、要は、清掃部材から流下する異物等を収容して、適当な場所へ円滑に排除するに足る形態であれば、本発明に係る清掃装置に用い得る。
【0039】
また、作動部材の形態についても、前記各実施例に例示した流体シリンダに限るものではなく、図示は省略したが、例えばカム・リンク等の機械的な仕組みを用いる形態であっても差支えなく、要は、所望通りに清掃部材を作動させるに足る形態であれば、本発明に係る清掃装置に用い得る。
【0040】
勿論、水供給部材の形態についても、前記実施例に例示した複数個の丸孔付の筒状に限るものではなく、図示は省略したが、例えば複数個の丸孔に変えて、一条の細隙を設けて成る筒状、或は例えば複数個の丸孔付の筒状に変えて、圧縮空気を併用する噴霧用口金の適数個を備えて成る形態の如く、適宜の形態に設計変更して差支えなく、要は、所望部位に適量の洗浄水を供給するに足る形態であれば(但し、洗浄水の供給態様としては、図示実施例の如き噴射状の供給態様の外に、例えば滴下状の供給態様や噴霧状の供給態様等も採用可能である)、本発明に係る清掃装置に用い得る。
【0041】
また、前記各実施例に例示する如く、前記各ロール毎に、個別の駆動源を備えて構成すれば、各ロール毎の周速の制御や、ドクターロールの正逆回転の制御が容易化するので至便ではあるが、必要に応じては、単一の駆動源に、歯車・鎖車・歯付ベルト車等々の各種の動力伝達部材を組合わせて、画一的に制御する構成を採ることも可能であり、正逆切替用のクラッチを組合わせれば、ドクターロールの正逆回転の制御にも格別支障は無い。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上明らかな如く、本発明に係るスプレッダの清掃方法によれば、貯留部に於ける異物の滞留量が過大になって、塗布ロールによる接着剤の塗布状態を不均一にしたり、或は処理後の単板の塗布面に異物の塊が残ったりする問題点が解消されるのは勿論のこと、たとえ硬化剤を添加する種類の接着剤を使用した場合であっても、硬化剤による硬化作用が過度に促進された接着剤は全く再利用しないので、単板に塗布した接着剤の接着性能を劣化させる虞も一切なく、既知の清掃方法に於ける不具合の発生が回避できるので、合板・単板積層材等の品質にも、好ましい作用・効果を及ぼすことができる。
【符号の説明】
【0043】
1 :塗布ロール
2 :ドクターロール
3 :堰板
4 :送りロール
5、6、7 :駆動源
8 :単板
9、17、21 :清掃部材
10、18、22 :排除用受樋
11、19、23 :作動部材
12、12a、12b :制御機構
13 :接着剤
14 :異物
15 :水供給部材
16 :開閉弁
20 :給水部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば図12(イ)・(ロ)・(ハ)に例示する如く、合板・単板積層材等の製造に供するベニヤ単板(以下、単に単板と称す)8の通路の上側又は/及び下側に、塗布ロール1とドクターロール2とを、前記両ロール1・2の対向する周面の上部側に接着剤13の貯留部が形成されるように並設し、該貯留部に貯留した接着剤13の適量を、単板8の上面又は/及び下面に塗布する形式のスプレッダの清掃方法及び清掃装置を具備したスプレッダに関するものである。図中、4は、送りロールである。
【背景技術】
【0002】
前記形式のスプレッダを用いて接着剤の塗布処理を行う場合の一つの問題点は、処理前の単板の上面に載っていた木片や、処理中の単板から外れた節などの異物が、時折塗布ロールに付着し、塗布ロールの回転に伴って、接着剤の貯留部に混入する結果、該異物の滞留量が過大になると、塗布ロールとドクターロールとの間に詰まって、塗布ロールによる接着剤の塗布状態を不均一にしたり、或は塗布ロールとドクターロールとの間から不規則に抜け出て、処理後の単板の塗布面に異物の塊が残ったりする問題点である。
【0003】
斯様な問題点を解消する為に、例えば特許文献1に開示される如く、前記接着剤の貯留部の側方に、金網等から成る濾過部材を具備した接着剤の抜き取り回路を設け、所望時期に、貯留部に貯留した接着剤を、前記抜き取り回路へ流出させることにより、濾過部材によって、異物を濾過して適時に廃棄し、濾過済みの接着剤は、ポンプ等を介して、貯留部へ環流させる清掃手段や、或は例えば特許文献2に開示される如く、ドクターロールの下方に、ドクターロールの周面から流下する接着剤を収容するに足る広さの開口部を有する受樋と、接着剤の貯留槽とを備えると共に、特許文献2には明記されていないが、受樋と貯留槽との中間等の適当な位置に、金網等から成る濾過部材を備え、新たに接着剤を貯留部に補充する際に、貯留部の容量を超える分量の接着剤を過剰に補充することによって、貯留部に滞留した異物を、接着剤と一緒に、ドクターロールの周面から受樋を介して、貯留槽に流下させる途中で、濾過部材によって、異物を濾過して適時に廃棄し、貯留槽の接着剤は、ポンプ等を介して、貯留部へ環流させる清掃手段等が実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭58−39815号公報
【特許文献2】実公昭62−40699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の清掃手段は、貯留部に滞留する異物を、接着剤と一緒に随時貯留部の外へ流出させ、濾過部材によって濾過して、適時廃棄し得るので、先記問題点の解消には有効であり、また、濾過済みの接着剤を、貯留部へ環流させて再利用するので、接着剤の浪費も少なく、硬化剤を添加しない種類の接着剤を使用する限りに於ては、実用的で有益な解決手段であったが、硬化剤を添加する種類の接着剤を使用する場合にあっては、貯留部へ環流させる濾過済みの接着剤に対して、硬化剤の硬化作用が徐々に促進され、而も、二度・三度と繰り返し環流させられる分量も少なからず貯留部に混在することとなるから、結果的に、単板に塗布した接着剤の接着性能が劣化する不具合が発生する欠陥があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記不具合の発生がない清掃手段を提供すべく開発したものであって、具体的には、前記形式のスプレッダに於て、ドクターロールを正逆回転可能に備えると共に、ドクターロールと同等幅の先端部を有する清掃部材を、単板の通過を阻害しない位置であって、而も、該清掃部材の先端部が、ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に、随時当接及び離隔し得るように備え、常態に於ては、ドクターロールを正回転させ、且つ、清掃部材の先端部を、前記適宜部分から離隔させて、常法通りの塗布処理を行い、また、所望時には、ドクターロールを逆回転させて、貯留部に残留する接着剤と一緒に、異物を貯留部から排出し、且つ、清掃部材の先端部を、前記ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に当接させて、ドクターロールの周面から、接着剤及び異物を掻き取るように排除するスプレッダの清掃方法(請求項1)を、基礎的な発明として提案すると共に、先端部から適宜距離だけ離れた部分に、先端部を介して流入する接着剤及び異物を収容するに足る広さの開口部を有する排除用受樋を、一体的又は別体的に付設して成る清掃部材を用いると共に、掻き取った接着剤及び異物が、自重の作用によって前記排除用受樋に流下するのに適した、ドクターロールの周面の所定箇所に、随時先端部が当接し得るように清掃部材を備えて成る請求項1記載のスプレッダの清掃方法(請求項2)と、清掃部材の先端部がドクターロールの周面に当接する箇所、乃至は該箇所の近辺に向けて、洗浄水を供給する水供給部材を付加的に備えて、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる際に、乃至は当接させた後に、前記水供給部材を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ供給して成る請求項2記載のスプレッダの清掃方法(請求項3)とを進歩的な発明として提案する。
【0007】
また、前記請求項1に係る清掃方法の実施に用いる設備として、前記形式のスプレッダであって、ドクターロールを正逆回転させる駆動源と、ドクターロールと同等幅の先端部を有し、該先端部が、ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に、当接及び離隔し得るよう可動自在に備えた清掃部材と、清掃部材の先端部が、前記適宜部分に当接及び離隔するよう、前記清掃部材を作動させる作動部材と、常態に於ては、ドクターロールを正回転させるよう、前記駆動源を駆動させると共に、清掃部材の先端部を、前記適宜部分から離隔させるよう、前記作動部材を作動させ、また、所望時には、ドクターロールを逆回転させるよう、前記駆動源を駆動させると共に、清掃部材の先端部を、前記ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に当接させるよう、前記作動部材の作動を制御する制御機構とを少なくとも有する清掃装置を具備したスプレッダ(請求項4)を、前記請求項2に係る清掃方法の実施に用いる設備として、先端部から適宜距離だけ離れた部分に、先端部を介して流入する接着剤及び異物を収容するに足る広さの開口部を有する排除用受樋を、一体的又は別体的に付設して成る清掃部材を用いると共に、掻き取った接着剤及び異物が、自重の作用によって前記排除用受樋に流下するのに適した、ドクターロールの周面の所定箇所に、随時先端部が当接し得るように清掃部材を備えて成る請求項4に記載するスプレッダ(請求項5)を、前記請求項3に係る清掃方法の実施に用いる設備として、清掃部材の先端部がドクターロールの周面に当接する箇所、乃至は該箇所の近辺に向けて、洗浄水を供給する水供給部材と、該水供給部材への洗浄水の供給及び停止を制御する制御弁とを付加すると共に、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる際に、乃至は当接させた後に、前記水供給部材を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ供給させるよう、前記制御弁の作動を制御する制御機能を、制御機構に付加して成る請求項5に記載するスプレッダ(請求項6)を夫々提案する。
【発明の効果】
【0008】
前記本発明の請求項1に係る清掃方法によると、所望時には、ドクターロールを逆回転させて、貯留部に残留する接着剤と一緒に、異物を貯留部から排出し、且つ、清掃部材の先端部を、前記適宜部分に当接させて、接着剤及び異物を、ドクターロールの周面から掻き取るように排除するものであるから、貯留部に於ける異物の滞留量が過大になって、塗布ロールによる接着剤の塗布状態を不均一にしたり、或は処理後の単板の塗布面に異物の塊が残ったりする問題点が解消されるのは勿論のこと、貯留部に残留する接着剤と一緒に異物を排除するものであるから、接着剤の歩留りが些か低下する弱点はあるものの、たとえ硬化剤を添加する種類の接着剤を使用した場合であっても、硬化剤による硬化作用が過度に促進された接着剤は全く再利用しないので、単板に塗布した接着剤の接着性能を劣化させる虞は一切なく、先記従来の清掃手段の欠陥を払拭することができる。
【0009】
また、前記本発明の請求項1に係る清掃方法に於て、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる部分は、接着剤の貯留部を形成する部分以外の部分であれば足りるが、本発明の請求項2に係る清掃方法の如く、先端部から適宜距離だけ離れた部分に、先端部を介して流入する接着剤及び異物を収容するに足る広さの開口部を有する排除用受樋を、一体的又は別体的に付設して成る清掃部材を用いると共に、掻き取った接着剤及び異物が、自重の作用によって前記排除用受樋に流下するのに適した、ドクターロールの周面の所定箇所に、随時先端部が当接し得るように清掃部材を備えれば、掻き取った接着剤及び異物の自重を活用して、排除を促進し得るので実用的である。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る清掃方法を実施するに際しては、本発明の請求項3に係る清掃方法の如く、清掃部材の先端部がドクターロールの周面に当接する箇所、乃至は該箇所の近辺に向けて、洗浄水を供給する水供給部材を付加的に備えて、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる際に、乃至は当接させた後に、前記水供給部材を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ供給する構成を採れば、掻き取る接着剤の粘度を低下させ、接着剤及び異物の自重による流下作用を助長して、排除を促進し得るので一段と実用的である。
【0011】
而して、本発明の請求項4に係る清掃装置を具備したスプレッダは、前記請求項1に係る清掃方法の実施に、また、本発明の請求項5に係る清掃装置を具備したスプレッダは、前記請求項2に係る清掃方法の実施に、更に、本発明の請求項6に係る清掃装置を具備したスプレッダは、前記請求項3に係る清掃方法の実施に夫々用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るスプレッダの実施例の一部破断正面説明図である。
【図2】図1に例示したスプレッダの一部破断側面説明図である。
【図3】図1及び図2に例示したスプレッダの動作説明図である。
【図4】図1及び図2に例示したスプレッダの動作説明図である。
【図5】図1及び図2に例示したスプレッダの動作説明図である。
【図6】図1及び図2に例示したスプレッダの動作説明図である。
【図7】本発明に係るスプレッダの異なる実施例の一部破断側面説明図である。
【図8】本発明に係るスプレッダの異なる実施例の一部破断正面説明図である。
【図9】図8に例示したスプレッダの一部破断側面説明図である。
【図10】本発明に係るスプレッダの異なる実施例の一部破断側面説明図である。
【図11】本発明に係るスプレッダの異なる実施例の一部破断側面説明図である。
【図12】既知のスプレッダの形態を模式的に表した概略側面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図面に例示した実施の一例と共に更に詳述するが、異物の移動過程を明確化させる便宜上、異物については、代表的な一個のみを図示することとし、他の異物の図示は省略した。また、図面を見易くする便宜上、塗布ロールの周面に設ける条状の溝、単板をスプレッダへ搬入する搬入機構、単板をスプレッダから搬出する搬出機構などについても図示を省略した。また更に、貯留部への接着剤の供給経路・手順等は、従来公知の種々の供給経路・手順等を用いて差支えないので、図示及び詳細な説明を省略した。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明に係るスプレッダの実施例の部分正面説明図であり、図2は、図1に例示したスプレッダの一部破断側面説明図である。図中、1は、外周部に被覆されたゴム等から成る弾性体1aの周面に、適宜の断面形状を有する条状の溝(図示省略)が穿設されて成る塗布ロールであって、図示しない軸受等を介して機枠(図示省略)に枢着されており、後述する制御機構12によって制御される電動機等から成る駆動源5を介して、所定の周速にて図示矢印方向へ回転せしめられ、後述するドクターロール2と対向する周面の上部側に、接着剤13の貯留部を形成すると共に、後述する送りロール4と協働して、単板8を図示矢印方向へ移送する都度、単板8の上面に適量の接着剤13を塗布する。
【0015】
2は、滑らかな周面を有して成るドクターロールであつて、ハンドル付の螺子等から成る変位部材(図示省略)の変位作用を得て、前後方向へ精密に変位し得るよう、図示しない軸受等を介して機枠(図示省略)に前後移動可能に係止されており、常態に於ては、後述する制御機構12によって制御される電動機等から成る駆動源6を介して、通例通り前記塗布ロール1の周速よりも幾分遅い周速にて実線で示す矢印方向へ正回転せしめられ、前記塗布ロール1と対向する周面の上部側に、接着剤13の貯留部を形成すると共に、塗布ロール1を介して単板8の上面に塗布する接着剤13の塗布量が適量となるように規制する。但し、所望時には、後述する制御機構12の制御に基づく駆動源6の逆回転作用を得て、所望の周速にて(好ましくは、常態に於ける正回転方向の周速に比べて著しく遅い周速にて)点線で示す矢印方向へ逆回転せしめられ、前記貯留部に残留する接着剤13と一緒に、異物14を貯留部から排出する。
【0016】
3は、前記塗布ロール1及びドクターロール2の両側部に配設された左右一対の堰板であって、コイルバネ等から成る弾発部材(図示省略)の弾発作用を得て、前記各ロール1・2の両側面に軽く圧接されており、前記各ロール1・2の対向する周面間の上部側に形成された貯留部に、所望量の接着剤13が貯留し得るように堰き止める。
【0017】
4は、前記塗布ロール1の下方に配設した送りロールであって(図示は省略したが、必要に応じては、外周部にゴム等から成る弾性体を被覆する)、処理する単板8の厚さの変更に適応できるように、ハンドル付の螺子等から成る昇降部材(図示省略)の昇降作用を得て、上下方向へ精密に昇降し得るよう、図示しない軸受等を介して機枠(図示省略)に昇降可能に係止されており、後述する制御機構12によって制御される電動機等から成る駆動源7を介して、前記塗布ロール1の周速と同等の周速にて図示矢印方向へ回転せしめられ、前記塗布ロール1と協働して、単板8を図示矢印方向へ移送する
【0018】
9は、前記ドクターロール2と同等幅(図示例は、幅方向の左右に若干プラスの誤差を設けて形成してあり、異物等の掻き取りに適するが、例えば全く同じ幅であっても、掻き取り作用に差異はなく、或は例えば図示例とは逆に、若干マイナスの誤差を設けて形成しても実用的には格別支障ない)の先鋭な先端部9aを有する刃物状の清掃部材であって、機枠(図示省略)に係止され、且つ、後述する制御機構12によって制御される流体シリンダ等から成る作動部材11の作動作用を得て、実線で示す位置と点線で示す位置とへ交互に移動し得るよう、作動部材11によって前後移動可能に保持されており、点線で示す位置へ移動した際に、先端部9aが、逆回転するドクターロール2の周面に当接して、貯留部から排出された接着剤13と一緒に、異物14を掻き取る。
【0019】
10は、前記清掃部材9によってドクターロール2の周面から掻き取られ、自重の作用によって流下する接着剤13と異物14を収容するに足る広さの開口部を有すると共に、幅方向の中央部を頂点とする山状に屈折させられて成る排除用受樋であって、前記清掃部材9に一体状に付設されており(後側の壁部の大部分は、清掃部材9を以って代用している)、収容した接着剤13と異物14を、単板8の通路の左右両側に排除する。
【0020】
12は、前記各機器類の作動を制御する制御機構であって、常態に於ては、駆動源5、7を介して、前記塗布ロール1及び送りロール4を、所定の周速にて図示矢印方向に回転させると共に、駆動源6を介して、ドクターロール2を、通例通りの周速にて実線で示す矢印方向に正回転させるよう制御し、更に、清掃部材9を、実線で示す待機位置に待機させるように、作動部材11の作動を制御する。また一方、所望時には、ドクターロール2を、所望の周速にて点線で示す矢印方向へ逆回転させるよう、駆動源6を逆回転駆動させると共に、清掃部材9を、点線で示す位置に移動させ、清掃部材9の先端部9aを、ドクターロール2の周面に当接させるよう、作動部材11の作動を制御する
【0021】
本発明に係るスプレッダは、例えば前記実施例に例示する如く、一般的なスプレッダの構成に、排除用受樋10を一体状に付設して成る清掃部材9、該清掃部材9用の作動部材11、該作動部材11の制御機能とドクターロール2の逆回転機能とを兼備する制御機構12等を有する清掃装置を付加的に具備して構成するものであり、以下に述べる如く、本発明に係る清掃方法の実施に用いることができる。
【0022】
即ち、常態に於ては、制御機構12の制御によって、図1及び図2に例示する如く、駆動源5、7を介して、塗布ロール1及び送りロール4を、所定の周速にて図示矢印方向に回転させると共に、駆動源6を介して、ドクターロール2を、通例通りの周速にて実線で示す矢印方向に正回転させるよう制御し、更に、清掃部材9を、実線で示す待機位置に待機させるよう、作動部材11の作動を制御する。而して、塗布ロール1とドクターロール2との対向する周面の上部側に形成される貯留部に、適宜の供給手段を介して、所望量の接着剤13を供給した後に、塗布ロール1と送りロール4の間に単板8を挿入すれば、該単板8の上面に適量の接着剤13を塗布することが可能であり、また、塗布処理の繰り返しに伴って、貯留部に貯留する接着剤13の貯留量が相当に減少したら、再び供給手段を介して、貯留部に接着剤13を補充すれば差支えない。
【0023】
また一方、処理前の単板8の上面に載っていた木片や、処理中の単板8から外れた節などの異物14が、時折塗布ロール1に付着し、塗布ロール1の回転に伴って、貯留部に混入する結果、該異物14の滞留量が過大となり、塗布ロール1による接着剤13の塗布状態を不均一にしたり、或は処理後の単板8の上面に異物14の塊が残ったりする問題が発生する虞が生じた際には、例えば作業者の手動操作によって、或は例えば貯留部を観察するカメラの画像に、適宜の画像処理を施して、異物14の滞留総量を推定する自動操作に基づき、適宜の信号源(図示省略)を操作して、制御機構12に回避指令信号を発信し、制御機構12の制御により、図3に例示する如く、駆動源6を介して、ドクターロール2を、所望の周速にて常態とは逆の図示矢印方向へ逆回転させるよう制御する。
【0024】
尚、述上の如く、ドクターロールを逆回転させるに際しては、廃棄する接着剤の量を節約する必要性からして、貯留部に貯留する接着剤が、比較的少なくなった時期を選ぶのが好ましく、斯様にすれば、貯留部に滞留する異物の総量も比較的容易に目測、或は自動的に観察できるので、前記問題の発生が回避し易い。また、現に塗布ロールに付着している異物も併せて廃棄する利便性、周面の磨耗の均一化等からして、塗布ロールについては、回転を継続するのが好ましく、必要に応じては、回転を継続する際の周速を、常態に於ける周速に比べて減速させ得るように、駆動源及び制御機構の機能を改変する構成を採っても差支えない。他方、送りロールについては、図示する如く、回転を暫時停止する態様、又は継続する態様(図示省略)のいずれであっても支障はない。
【0025】
而して、述上の如く、ドクターロール2を逆回転させれば、図4に例示する如く、貯留部に残留する接着剤13と一緒に、異物14が貯留部から排出されるので、該接着剤13等が、清掃部材の先端部9aが当接すべき位置に至る前に、制御機構12の制御により、図5に例示する如く、作動部材11を介して、清掃部材の先端部9aがドクターロール2の周面に当接する位置へ、清掃部材9を移動させるように制御すると、排出された接着剤13と異物14が、清掃部材の先端部9aによって、ドクターロール2の周面から掻き取られ、次いで、自重の作用により、排除用受樋10に流下し(図6参照)、やがて、単板8の通路の左右両側に排除される。
【0026】
また更に、接着剤13と異物14が、ドクターロール2の周面から掻き取られた後は、制御機構12の制御により、図6に例示する如く、作動部材11を介して、清掃部材9を当初の待機位置へ復帰させると共に、駆動源6を介して、ドクターロール2を図示矢印方向に正回転させるように制御し(必要に応じては、駆動源7を介して、暫時停止させていた送りロール4の回転を再開させるよう制御し)、更に、貯留部へ新たに所望量の接着剤13を供給することによって、再び単板8への接着剤13の塗布処理が可能となる。
【0027】
述上の如き清掃方法によれば、貯留部に於ける異物の滞留量が過大になって、塗布ロールによる接着剤の塗布状態を不均一にしたり、或は処理後の単板の塗布面に異物の塊が残ったりする問題点が解消されるのは勿論のこと、たとえ硬化剤を添加する種類の接着剤を使用した場合であっても、硬化剤による硬化作用が過度に促進された接着剤は全く再利用しないので、単板に塗布した接着剤の接着性能を劣化させる虞は一切ない。
【0028】
尚、前記実施例に例示する如く、掻き取った異物等が、自重の作用によって、排除用受樋に流下する構成を採れば、清掃装置の構造が単純化できるので有効であるが、例えば比較的粘性の大きな接着剤を使用する場合などに、必要に応じて、洗浄水による洗浄作用を付加する構成を採れば、異物等の排除が、一段と円滑化するので効果的である。
【0029】
即ち、図7に例示した実施例は、図1及び図2に例示した実施例の構成に加えて、清掃部材9の全幅よりも長い全長を有し、且つ、清掃部材9の全幅よりも幾分狭い区域内の適宜間隔毎に、適宜口径の丸孔状の供給孔15aを直列的に設けて成る水供給部材15を、前記各供給孔15aから噴出される洗浄水が、清掃部材の先端部9aがドクターロール2の周面に当接する箇所(乃至は該箇所の近辺)に向けて噴射されるように備えると共に、該水供給部材15への洗浄水の供給と休止とを繰り返す開閉弁16の制御機能を付加した制御機構12aを備えて構成したものであり、清掃部材の先端部9aを、ドクターロール2の周面に当接させる際に(乃至は当接させた後に)、前記水供給部材15を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ噴射すれば、ドクターロール2の周面から掻き取る接着剤13の粘性が低下し、異物等の排除用受樋10への流下と排除用受樋10からの排除が、一段と円滑化するので効果的である。
【0030】
尤も、本発明に係る清掃方法を実施する際の、清掃部材の配設位置としては、必ずしも図1及び図2、図7に例示した実施例の位置に限るものではなく、以下に述べる変更例からも明らかなように、種々変更することが可能であり、要は、清掃部材の先端部が、ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に当接する態様であれば、異物等の排除に格別支障はなく、また、清掃装置の構成についても、必要に応じて、異物等の流下或は排除を促進・助長する補助部材を付加すれば足りる。
【0031】
即ち、図8及び図9に例示した実施例は、ドクターロール2の周面から掻き取られる異物等を収容するに足る広さの開口部を有し、且つ、一方端にのみ(実施例は正面視右側)排除口18aを形成し、他方端には側壁を形成して成る排除用受樋18が、前記各実施例と同様に一体状に付設されて成る刃物状の清掃部材17を、その先端部17aが、ドクターロール2の周面の最下点付近に対して、当接及び離隔し得るように、作動部材19により、実線で示す位置と点線で示す位置とへ交互に移動可能に保持すると共に、常時、又は少なくとも排除用受樋18に異物等が流入する直前の時期から、排除用受樋18からの異物等の排除が完了する時期までは、給水口20aを介して、排除用受樋18の側壁を有する端部側に流水を供給する給水部材20を、排除用受樋18と一体状又は別体状(別途に作動部材を備えて、同期的に前後移動可能に)に配設して、前記排除用受樋18からの異物等の排除を促進するように構成したものであり、斯様な位置に先端部17aが当接する清掃部材17を備えた清掃装置を用いても、異物等の排除に格別支障はない。
【0032】
また、図10に例示した実施例は、刃物状の清掃部材21を、その先端部21aが、ドクターロール2の周面の最上点付近に対して、当接及び離隔し得るように、実線で示す位置から点線で示す位置まで回動可能に枢支すると共に、作動部材23を介して、実線で示す位置と点線で示す位置とへ交互に回動させる機能を制御機構12bに具備し、更に、図1及び図2、図7に例示した実施例の排除用受樋10と同様に、幅方向の中央部を頂点とする山状に屈折して成る排除用受樋22を、清掃部材21が実線で示す位置へ回動した際に、清掃部材21から流下する異物等を収容し得る位置へ、清掃部材21とは別体状に固定的に備えて構成したものであり、斯様な位置に先端部21aが当接する清掃部材21を備えた清掃装置を用いても、異物等の排除に格別支障はない。
【0033】
また、図11に例示した実施例は、単板8の下面に適量の接着剤13を塗布する形式のスプレッダであって、図1及び図2に例示した実施例のスプレッダに於ける清掃装置、つまり、清掃部材9、排除用受樋10、作動部材11、制御機構12等を有する清掃装置を備える代わりに、図10に例示した実施例のスプレッダに於ける清掃装置、つまり、清掃部材21、排除用受樋22、作動部材23、制御機構12b等を有する清掃装置を備えて構成したものであり(勿論、図1及び図2に例示した実施例のスプレッダに於ける清掃装置を、そのまま同じ位置に備えても差支えないのであるが、清掃装置の互換性を明確化させる便宜上、あえて、別の形態の清掃装置を、別の位置に備えた例を例示した)、斯様に単板8の下面に適量の接着剤13を塗布する方式のスプレッダに於ても(実施例の図示は省略したが、単板の上下両面に接着剤を塗布する方式のスプレッダに於ても)、先記各実施例に於ける清掃装置に類する構成の清掃装置を、適当な位置に備えることによって、本発明に係る清掃方法を支障なく実施することができる。
【0034】
尚、図示は省略したが、必要に応じては、図8及び図9、或は図11に例示した実施例のスプレッダに於ても、先記図7に例示した実施例のスプレッダと同様に、先記水供給部材と同様の構成で成る水供給部材を、該水供給部材の供給孔から噴出される洗浄水が、清掃部材の先端部がドクターロールの周面に当接する箇所(乃至は該箇所の近辺)に向けて噴出されるよう付加的に備えと共に、水供給部材への洗浄水の供給と休止とを繰り返す開閉弁の制御機能を付加した制御機構を備えて、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる際に、乃至は当接させた後に、水供給部材を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ噴射するよう構成することも可能であり、ドクターロールの周面から掻き取る接着剤の粘性が低下し、異物等の排除用受樋への流下と排除用受樋からの排除が一層円滑化する効果が期待できる。
【0035】
また、図示は省略したが、必要に応じては、図10に例示した実施例のスプレッダに於ても、先記図7に例示した実施例のスプレッダに於ける水供給部材と同様の構成で成る水供給部材を、該水供給部材の供給孔から噴出される洗浄水が、図10に於て実線で示す位置にある清掃部材の先端部に対して(乃至は先端部よりも若干下方の部位に対して)、図10の斜め右上から斜め左下に向けて噴射されるように備えと共に、水供給部材への洗浄水の供給と休止とを繰り返す開閉弁の制御機能を付加した制御機構を備えて、ドクターロールの周面から異物等を掻き取った清掃部材が、図10に於て点線で示す位置から実線で示す位置へ回動させられた直後に、水供給部材を介して、適量の洗浄水を、清掃部材の先端部に対して(乃至は先端部よりも若干下方の部位に対して)、図10の斜め右上から斜め左下に向けて噴射するよう構成することも可能であり、やはり異物等の排除用受樋への流下と排除用受樋からの排除が円滑化する効果が期待できる。
【0036】
また、図10に例示した実施例のスプレッダに於て、前述の如く、水供給部材を備える場合にあっては、清掃部材を、図10に於て実線で示す位置から点線で示す位置へ回動させる直前に、水供給部材を介して、少量の洗浄水を、清掃部材の先端部付近に噴射する構成を採ることも可能であり、ドクターロールの周面から異物等を掻き取る際の清掃部材の上面側を、予め湿潤状態とする作用によって、掻き取る接着剤の付着性を低下させて、流動を助長する効果が期待できる。また、いずれにしても、排除した接着剤は再利用しないので、必要に応じては、洗浄水に少量の界面活性剤を添加しても差支えない。
【0037】
また、前記各実施例に於ては、いずれも刃物状の清掃部材を用いたが、清掃部材の形態としては、刃物状に限るものではなく、図示は省略したが、例えば薄板状・断面楔状の板材等の如く、適宜の形状に設計変更して差支えなく、要は、ドクターロールの周面から異物等を円滑に掻き取るに足る形態であれば、本発明に係る清掃装置に用い得る。
【0038】
また、排除用受樋についても、前記各実施例に例示した形態に限るものではなく、図示は省略したが、例えば長さ方向に半裁した筒状・断面V字状の樋等の如く、適宜の形状に設計変更して差支えなく、要は、清掃部材から流下する異物等を収容して、適当な場所へ円滑に排除するに足る形態であれば、本発明に係る清掃装置に用い得る。
【0039】
また、作動部材の形態についても、前記各実施例に例示した流体シリンダに限るものではなく、図示は省略したが、例えばカム・リンク等の機械的な仕組みを用いる形態であっても差支えなく、要は、所望通りに清掃部材を作動させるに足る形態であれば、本発明に係る清掃装置に用い得る。
【0040】
勿論、水供給部材の形態についても、前記実施例に例示した複数個の丸孔付の筒状に限るものではなく、図示は省略したが、例えば複数個の丸孔に変えて、一条の細隙を設けて成る筒状、或は例えば複数個の丸孔付の筒状に変えて、圧縮空気を併用する噴霧用口金の適数個を備えて成る形態の如く、適宜の形態に設計変更して差支えなく、要は、所望部位に適量の洗浄水を供給するに足る形態であれば(但し、洗浄水の供給態様としては、図示実施例の如き噴射状の供給態様の外に、例えば滴下状の供給態様や噴霧状の供給態様等も採用可能である)、本発明に係る清掃装置に用い得る。
【0041】
また、前記各実施例に例示する如く、前記各ロール毎に、個別の駆動源を備えて構成すれば、各ロール毎の周速の制御や、ドクターロールの正逆回転の制御が容易化するので至便ではあるが、必要に応じては、単一の駆動源に、歯車・鎖車・歯付ベルト車等々の各種の動力伝達部材を組合わせて、画一的に制御する構成を採ることも可能であり、正逆切替用のクラッチを組合わせれば、ドクターロールの正逆回転の制御にも格別支障は無い。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上明らかな如く、本発明に係るスプレッダの清掃方法によれば、貯留部に於ける異物の滞留量が過大になって、塗布ロールによる接着剤の塗布状態を不均一にしたり、或は処理後の単板の塗布面に異物の塊が残ったりする問題点が解消されるのは勿論のこと、たとえ硬化剤を添加する種類の接着剤を使用した場合であっても、硬化剤による硬化作用が過度に促進された接着剤は全く再利用しないので、単板に塗布した接着剤の接着性能を劣化させる虞も一切なく、既知の清掃方法に於ける不具合の発生が回避できるので、合板・単板積層材等の品質にも、好ましい作用・効果を及ぼすことができる。
【符号の説明】
【0043】
1 :塗布ロール
2 :ドクターロール
3 :堰板
4 :送りロール
5、6、7 :駆動源
8 :単板
9、17、21 :清掃部材
10、18、22 :排除用受樋
11、19、23 :作動部材
12、12a、12b :制御機構
13 :接着剤
14 :異物
15 :水供給部材
16 :開閉弁
20 :給水部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベニヤ単板の通路の上側又は/及び下側に、塗布ロールとドクターロールとを、前記両ロールの対向する周面の上部側に接着剤の貯留部が形成されるように並設し、該貯留部に貯留した接着剤の適量を、ベニヤ単板の上面又は/及び下面に塗布する形式のスプレッダに於て、ドクターロールを正逆回転可能に備えると共に、ドクターロールと同等幅の先端部を有する清掃部材を、ベニヤ単板の通過を阻害しない位置であって、而も、該清掃部材の先端部が、ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に、随時当接及び離隔し得るように備え、常態に於ては、ドクターロールを正回転させ、且つ、清掃部材の先端部を、前記適宜部分から離隔させて、常法通りの塗布処理を行い、また、所望時には、ドクターロールを逆回転させて、貯留部に残留する接着剤と一緒に、異物を貯留部から排出し、且つ、清掃部材の先端部を、前記ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に当接させて、ドクターロールの周面から、接着剤及び異物を掻き取るように排除するスプレッダの清掃方法。
【請求項2】
先端部から適宜距離だけ離れた部分に、先端部を介して流入する接着剤及び異物を収容するに足る広さの開口部を有する排除用受樋を、一体的又は別体的に付設して成る清掃部材を用いると共に、掻き取った接着剤及び異物が、自重の作用によって前記排除用受樋に流下するのに適した、ドクターロールの周面の所定箇所に、随時先端部が当接し得るように清掃部材を備えて成る請求項1記載のスプレッダの清掃方法。
【請求項3】
清掃部材の先端部がドクターロールの周面に当接する箇所、乃至は該箇所の近辺に向けて、洗浄水を供給する水供給部材を付加的に備えて、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる際に、乃至は当接させた後に、前記水供給部材を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ供給して成る請求項2記載のスプレッダの清掃方法。
【請求項4】
ベニヤ単板の通路の上側又は/及び下側に、塗布ロールとドクターロールとを、前記両ロールの対向する周面の上部側に接着剤の貯留部が形成されるように並設し、該貯留部に貯留した接着剤の適量を、ベニヤ単板の上面又は/及び下面に塗布する形式のスプレッダであって、ドクターロールを正逆回転させる駆動源と、ドクターロールと同等幅の先端部を有し、該先端部が、ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に、当接及び離隔し得るよう可動自在に備えた清掃部材と、清掃部材の先端部が、前記適宜部分に当接及び離隔するよう、前記清掃部材を作動させる作動部材と、常態に於ては、ドクターロールを正回転させるよう、前記駆動源を駆動させると共に、清掃部材の先端部を、前記適宜部分から離隔させるよう、前記作動部材を作動させ、また、所望時には、ドクターロールを逆回転させるよう、前記駆動源を駆動させると共に、清掃部材の先端部を、前記ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に当接させるよう、前記作動部材の作動を制御する制御機構とを少なくとも有する清掃装置を具備したスプレッダ。
【請求項5】
先端部から適宜距離だけ離れた部分に、先端部を介して流入する接着剤及び異物を収容するに足る広さの開口部を有する排除用受樋を、一体的又は別体的に付設して成る清掃部材を用いると共に、掻き取った接着剤及び異物が、自重の作用によって前記排除用受樋に流下するのに適した、ドクターロールの周面の所定箇所に、随時先端部が当接し得るように清掃部材を備えて成る請求項4に記載するスプレッダ。
【請求項6】
清掃部材の先端部がドクターロールの周面に当接する箇所、乃至は該箇所の近辺に向けて、洗浄水を供給する水供給部材と、該水供給部材への洗浄水の供給及び停止を制御する制御弁とを付加すると共に、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる際に、乃至は当接させた後に、前記水供給部材を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ供給させるよう、前記制御弁の作動を制御する制御機能を、制御機構に付加して成る請求項5に記載するスプレッダ。
【請求項1】
ベニヤ単板の通路の上側又は/及び下側に、塗布ロールとドクターロールとを、前記両ロールの対向する周面の上部側に接着剤の貯留部が形成されるように並設し、該貯留部に貯留した接着剤の適量を、ベニヤ単板の上面又は/及び下面に塗布する形式のスプレッダに於て、ドクターロールを正逆回転可能に備えると共に、ドクターロールと同等幅の先端部を有する清掃部材を、ベニヤ単板の通過を阻害しない位置であって、而も、該清掃部材の先端部が、ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に、随時当接及び離隔し得るように備え、常態に於ては、ドクターロールを正回転させ、且つ、清掃部材の先端部を、前記適宜部分から離隔させて、常法通りの塗布処理を行い、また、所望時には、ドクターロールを逆回転させて、貯留部に残留する接着剤と一緒に、異物を貯留部から排出し、且つ、清掃部材の先端部を、前記ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に当接させて、ドクターロールの周面から、接着剤及び異物を掻き取るように排除するスプレッダの清掃方法。
【請求項2】
先端部から適宜距離だけ離れた部分に、先端部を介して流入する接着剤及び異物を収容するに足る広さの開口部を有する排除用受樋を、一体的又は別体的に付設して成る清掃部材を用いると共に、掻き取った接着剤及び異物が、自重の作用によって前記排除用受樋に流下するのに適した、ドクターロールの周面の所定箇所に、随時先端部が当接し得るように清掃部材を備えて成る請求項1記載のスプレッダの清掃方法。
【請求項3】
清掃部材の先端部がドクターロールの周面に当接する箇所、乃至は該箇所の近辺に向けて、洗浄水を供給する水供給部材を付加的に備えて、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる際に、乃至は当接させた後に、前記水供給部材を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ供給して成る請求項2記載のスプレッダの清掃方法。
【請求項4】
ベニヤ単板の通路の上側又は/及び下側に、塗布ロールとドクターロールとを、前記両ロールの対向する周面の上部側に接着剤の貯留部が形成されるように並設し、該貯留部に貯留した接着剤の適量を、ベニヤ単板の上面又は/及び下面に塗布する形式のスプレッダであって、ドクターロールを正逆回転させる駆動源と、ドクターロールと同等幅の先端部を有し、該先端部が、ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に、当接及び離隔し得るよう可動自在に備えた清掃部材と、清掃部材の先端部が、前記適宜部分に当接及び離隔するよう、前記清掃部材を作動させる作動部材と、常態に於ては、ドクターロールを正回転させるよう、前記駆動源を駆動させると共に、清掃部材の先端部を、前記適宜部分から離隔させるよう、前記作動部材を作動させ、また、所望時には、ドクターロールを逆回転させるよう、前記駆動源を駆動させると共に、清掃部材の先端部を、前記ドクターロールの周面に於ける接着剤の貯留部を形成する部分を除いた適宜部分に当接させるよう、前記作動部材の作動を制御する制御機構とを少なくとも有する清掃装置を具備したスプレッダ。
【請求項5】
先端部から適宜距離だけ離れた部分に、先端部を介して流入する接着剤及び異物を収容するに足る広さの開口部を有する排除用受樋を、一体的又は別体的に付設して成る清掃部材を用いると共に、掻き取った接着剤及び異物が、自重の作用によって前記排除用受樋に流下するのに適した、ドクターロールの周面の所定箇所に、随時先端部が当接し得るように清掃部材を備えて成る請求項4に記載するスプレッダ。
【請求項6】
清掃部材の先端部がドクターロールの周面に当接する箇所、乃至は該箇所の近辺に向けて、洗浄水を供給する水供給部材と、該水供給部材への洗浄水の供給及び停止を制御する制御弁とを付加すると共に、清掃部材の先端部を、ドクターロールの周面に当接させる際に、乃至は当接させた後に、前記水供給部材を介して、適量の洗浄水を、前記箇所乃至は該箇所の近辺へ供給させるよう、前記制御弁の作動を制御する制御機能を、制御機構に付加して成る請求項5に記載するスプレッダ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−166169(P2012−166169A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30599(P2011−30599)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000155182)株式会社名南製作所 (77)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000155182)株式会社名南製作所 (77)
【Fターム(参考)】
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