説明

スポーツタイプの鞍乗り型電動車両

【課題】スポーツタイプの鞍乗り型電動車両において、既存のモータを複数流用して低コストを達成しながらも、アイドル軸等の追加要素を介さずに駆動輪を駆動可能とする。
【解決手段】走行用の駆動源たる駆動モータ3が、複数のモータ本体3a,3bを車幅方向で同軸に隣接させて一体駆動可能としてなり、かつ駆動輪を支持するスイングアームのピボット軸よりも前方に配置され、前記駆動モータ3の駆動軸39の車幅方向一端が前記駆動輪への出力端とされ、この出力端に前記駆動輪への動力伝達用のドライブスプロケット58aが設けられ、車幅方向における前記駆動モータ3のセンター(中心線MCL)が、車体センター(中心線CL)に対して前記ドライブスプロケット58aとは反対側にオフセットして配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツタイプの自動二輪車等の鞍乗り型電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動二輪車の車幅方向で駆動モータと発電機とを並列に配置し、これらに電力を供給して駆動力を得ることを可能としたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4330588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スポーツタイプの自動二輪車の車体に駆動モータを配置するにあたっては、駆動モータの出力をスポーツ用により高出力にする必要があるが、専用の大型モータを備えようとすると高額になるため、四輪車用等のモータを複数流用して所定性能を得ることが好ましいと考えられる。
一方で、駆動モータは、特に高出力タイプにおいては重量が大きくなることから、運動性能が重要となるスポーツタイプの自動二輪車では、車体のセンターに駆動モータをマスとして配置したいという要望もある。
【0005】
そこでこの発明は、スポーツタイプの鞍乗り型電動車両において、既存のモータを複数流用して低コストを達成しながらも、アイドル軸等の追加要素を介さずに駆動輪を駆動可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、
電動の駆動モータ(3)を走行用の駆動源とするスポーツタイプの鞍乗り型電動車両(1)であって、
前記駆動モータ(3)は、複数の単モータ(3a,3b)を車幅方向で同軸に隣接させて一体駆動可能としてなり、かつ駆動輪(4)を支持するスイングアーム(15)のピボット軸(14a)よりも前方に配置され、
前記駆動モータ(3)の駆動軸(39)の車幅方向一端が前記駆動輪(4)への出力端とされ、この出力端に前記駆動輪(4)への動力伝達用のドライブスプロケット(58a)が設けられ、
車幅方向における前記駆動モータ(3)のセンター(MCL)が、車体センター(CL)に対して前記ドライブスプロケット(58a)とは反対側にオフセットして配置されることを特徴とする。
なお、前記スポーツタイプの鞍乗り型電動車両には、車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(スクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
【0007】
請求項2に記載した発明は、
前記駆動モータ(3)用の電装部品(43,47,41,45,44,48)が前記駆動モータ(3)よりも前方に配置されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、
前記電装部品(43,47,41,45,44,48)は、下方から順にモータドライバ(43,47)、コンタクタ(41,45)及び電子制御装置(44,48)を配置することを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、
前記駆動モータ(3)へ電力を供給するメインバッテリ(2)を備え、
前記メインバッテリ(2)は、複数のバッテリセル(17a〜17j)を組み合わせたバッテリモジュール(2a,2b)を前記各単モータ(3a,3b)に対応して複数有し、前記各バッテリモジュール(2a,2b)から前記各単モータ(3a,3b)にそれぞれ個別に電力が供給されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、
前記駆動モータ(3)の上方に前記メインバッテリ(2)が配置されることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、
前記ドライブスプロケット(58a)を含むチェーン式伝動機構(58)のみを介して、前記駆動軸(39)から駆動輪(4)に駆動力が伝達されることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、
前記駆動軸(39)の車幅方向他端にこの駆動軸(39)の回転数を検出する回転センサ(79)が設けられることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、
前記各単モータ(3a,3b)を収容するモータケース(38)を備え、
前記駆動軸(39)の車幅方向一端側で前記モータケース(38)内かつこのモータケース(38)の側壁とこれに隣接する単モータ(3a)との間に、前記駆動軸(39)の回転数を検出する回転センサ(83)が設けられることを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、
前記各単モータ(3a,3b)を収容するモータケース(38)を備え、
前記モータケース(38)の下方には補機用のサブバッテリ(51)が配置され、このサブバッテリ(51)が前記モータケース(38)に支持されることを特徴とする。
請求項10に記載した発明は、
ヘッドパイプ(12)から後方に延びるメインフレーム(13)と、このメインフレーム(13)の後端から下方に延びるピボットフレーム(14)とを備え、車両側面視で、前記メインフレーム(13)とピボットフレーム(14)とで囲まれた部位に、前記駆動モータ(3)が配置され、かつ前記駆動軸(39)が前記ピボット軸(14a)よりも上方に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載した発明によれば、ピボット軸前方の車体センターに近い位置にて車幅方向に複数の単モータを隣接させて駆動モータを形成することで、汎用のモータや四輪車用のモータ等を適宜選択して所望のモータ出力を得ることができ、安価で汎用性の高い、特にスポーツタイプのモータサイクルに好適な高出力の駆動モータを提供できる。
また、駆動モータの車幅方向中心をあえて車体の車幅方向中心からオフセットさせることで、駆動モータの駆動軸に設けられるドライブスプロケットを車幅方向で所定の位置に配置し易くなり、既存のモータを流用した場合にもチェーンラインを容易に合わせることが可能となって、ドライブスプロケットからのシンプルな車輪駆動系を採用できる。
請求項2に記載した発明によれば、前記電装部品に対する駆動モータの熱影響を抑えると共に走行風を当たり易くして冷却性を向上できる。
請求項3に記載した発明によれば、走行風を当たり易くしたいものを車両下方、外乱の影響を抑えたいものを車両上方に配置することができる。
請求項4に記載した発明によれば、各バッテリモジュールから各単モータのそれぞれに互いに影響を与えることなく電力を供給することができる。
請求項5に記載した発明によれば、重量のあるメインバッテリを車両上方に配置でき、モータサイクルにおける操作性を向上できると共にマスの集中化にも寄与できる。
請求項6に記載した発明によれば、駆動軸からチェーン式伝動機構のみを介してダイレクトに後輪を駆動させることで、複数の伝動機構を介することなく駆動輪へ動力伝達可能となり、駆動系のロスを最小限に抑えることが可能となって、電動車両における走行距離の増加を図ると共に、駆動部品の小型軽量化を図ることができる。
請求項7に記載した発明によれば、駆動軸の回転数に応じた各単モータの駆動制御を行うことができる。
請求項8に記載した発明によれば、各単モータの駆動制御を単一の回転センサで行うことができると共に、回転センサをモータケース内に収容することで外乱の影響を抑えることができる。
請求項9に記載した発明によれば、専用の保持部品やスペースを設けることなくサブバッテリを搭載できる。
請求項10に記載した発明によれば、駆動モータの駆動軸(重心位置)をできるだけ車両上方に配置でき、モータサイクルにおける操作性(旋回性)を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態におけるスポーツタイプの鞍乗り型電動車両の左側面図である。
【図2】上記鞍乗り型電動車両の上面図である。
【図3】上記鞍乗り型電動車両の要部の左側面図である。
【図4】上記鞍乗り型電動車両の要部の上面図である。
【図5】上記鞍乗り型電動車両の要部の前面図である。
【図6】上記鞍乗り型電動車両の要部の後面図である。
【図7】上記鞍乗り型電動車両の要部を斜め左前方から見た斜視図である。
【図8】上記鞍乗り型電動車両のメインバッテリの上面図である。
【図9】上記鞍乗り型電動車両の主構成を示す構成図である。
【図10】上記鞍乗り型電動車両の駆動モータ周辺を斜め左前方から見た斜視図である。
【図11】上記駆動モータ周辺を斜め右後方から見た斜視図である。
【図12】上記駆動モータの左側面図である。
【図13】図12のS13−S13断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
【0011】
図1,2に示すスポーツタイプの鞍乗り型電動車両1は、車体中央上部に走行用のメインバッテリ2を搭載すると共に、車体中央下部には走行用の駆動モータ(モータユニット)3を搭載し、メインバッテリ2からの電力により駆動モータ3を駆動させると共に、その駆動力を駆動輪たる後輪4に伝達して走行する。
【0012】
鞍乗り型電動車両1は、スポーツタイプ(エンジン搭載車では並列四気筒で600cc〜1000ccの二輪車に相当する)のモータサイクル(自動二輪車)としての態様をなし、その前輪5は左右一対のフロントフォーク6の下端部に軸支され、左右フロントフォーク6の上部はステアリングステム7を介して車体フレーム11前端のヘッドパイプ12に操向可能に枢支される。ステアリングステム7(又はフロントフォーク6)の上部には操向ハンドル8が取り付けられる。
【0013】
ヘッドパイプ12からは左右一対のメインフレーム13が後下がりに後方に延出し、左右メインフレーム13の後端部からはそれぞれピボットフレーム14が下方に延出する。左右ピボットフレーム14にはピボット軸14aを介してスイングアーム15の前端部が上下揺動可能に枢支され、スイングアーム15の後端部には後輪4が軸支される。
【0014】
鞍乗り型電動車両1の車体前部は、その前方、側方及び下方からカウリング21により覆われる。左右メインフレーム13間にはメインバッテリ2が搭載され、左右メインフレーム13の下方には駆動モータ3が搭載される。左右メインフレーム13の前部下側にはそれぞれモータハンガ13aが下方に延出し、これら左右モータハンガ13aの下端部に駆動モータ3の前部が支持される。
【0015】
左右メインフレーム13の後端部及び左右ピボットフレーム14からは、シートフレーム16が後上がりに後方に延出し、このシートフレーム16上に乗員着座用のシート9が支持される。シートフレーム16の周囲はシートカウル22により覆われる。シートフレーム16を含む車体フレーム11は、複数種の金属部材を溶接や締結等により一体に結合してなる。
【0016】
シート9の前方には、左右メインフレーム13の上縁よりも上方に膨出するシート前カバー23が配置される。シート前カバー23は、シート9に着座した乗員の両膝間に挟み込まれる。シート前カバー23内には、メインバッテリ2の上部が収容される。
【0017】
図3,4,8に示すように、メインバッテリ2は、バッテリケース18内に収容された計十個のバッテリセル(単バッテリ)17a〜17jらなる。バッテリケース18は、上方に開放した略直方体状の箱型のケース本体18aと、ケース本体18aの上部開口を閉塞するケースカバー18bとを有する。ケース本体18aの外壁には、適宜開口が形成されている。なお、図8はケースカバー18bを取り外した状態を示す。
【0018】
各バッテリセル17a〜17jは、上下方向に沿って起立する厚板状をなし、メインバッテリ2の前端部及び前後中間部では厚さ方向が車両前後方向と直交するように配置され、メインバッテリ2の後部では厚さ方向が車両左右方向と直交するように配置される。
【0019】
メインバッテリ2の前端部では、一つのバッテリセル17aが車体左右中心線CLを跨いで配置され、メインバッテリ2の前後中間部では、車体左右中心線CLを挟んだ左右に三つずつ計六つのバッテリセル17b〜17gがそれぞれ前後に並んで配置され、メインバッテリ2の後部では、三つのバッテリセル17h〜17jが車体左右中心線CLを跨いで左右に並んで配置される。メインバッテリ2の前後中間部の各バッテリセル17b〜17gは左右対称に配置されるが、メインバッテリ2の前端部のバッテリセル17a及び後部のバッテリセル17h〜17jはやや右方に偏倚して配置される。
【0020】
このような各バッテリセル17a〜17jの配置により、メインバッテリ2及びバッテリケース18は、前端部及び後部に対して前後中間部の左右幅を広げるように設けられる。これにより、上面視で前後に長い楕円状をなすシート前カバー23内へのメインバッテリ2の納まりが良くなり(図2参照)、かつシート前カバー23後部の左右幅が抑えられてニーグリップが容易になる。
【0021】
図8を参照し、各バッテリセル17a〜17jは互いに間隙を空けて配置されており、バッテリケース18内に進入した外気(冷却風)を流通可能とする。各バッテリセル17a〜17jは適宜充放電可能なエネルギーストレージであり、例えばリチウムイオンバッテリ、ニッケル水素バッテリ、鉛バッテリ等からなる。
【0022】
各バッテリセル17a〜17jの上端には、正極端子19a及び負極端子19bがそれぞれ突設される。
ここで、各バッテリセル17a〜17jの内、メインバッテリ2前端部のバッテリセル17a、前後中間部左側のバッテリセル17b〜17d、及び後部左側のバッテリセル17hは互いに直列に結線され、所定の高電圧(48〜72V)の第一バッテリモジュール2aを形成する。
【0023】
一方、メインバッテリ2前後中間部右側のバッテリセル17e〜17g、及び後部右側のバッテリセル17i,17jは互いに直列に結線され、同じく高電圧の第二バッテリモジュール2bを形成する。
各バッテリモジュール2a,2bは、後述する第一及び第二モータ本体3a,3bのそれぞれに個別に電力を供給するものである。
【0024】
なお、図中符号24,25は各バッテリモジュール2a,2bの外部出力用の正負極からそれぞれ延びる出力ケーブルを、符号26,27は各バッテリモジュール2a,2bにおける正負極間を結線する電極間ブリッジ及びケーブルを、符号28は各バッテリモジュール2a,2bにおける電極間ブリッジ26の途中に設けられるヒューズを、符号29はケースカバー18bをケース本体18aに固定する固定ブラケットをそれぞれ示す。
【0025】
図3,4を参照し、メインバッテリ2及びバッテリケース18は、その下部が左右メインフレーム13間に入り込むように配置される。メインフレーム13の前部には、これを車幅方向で貫通する前後開口13b,13cが形成される。各開口13b,13cは、車体フレーム11全体の剛性を調整すると共に、前開口13bは、メインバッテリ2への冷却風導入口としても用いられる。
【0026】
図1,2を併せて参照し、前開口13bからは外気導入ダクト21aが前方に延出し、この外気導入ダクト21aの前端がカウリング21前端にて車両前方に向けて開口する。この外気導入ダクト21aを通じて、メインフレーム13間のメインバッテリ2に走行風(冷却風)が供給される。
【0027】
図3,10に示すように、バッテリケース18の前部下面からは、斜め前下方に向けて左右一対のバッテリ前支持腕18cが延出し、これら左右バッテリ前支持腕18cの下端部が、車体フレーム11の左右モータハンガ13aの下端部に後述するモータ前支持部35と共にボルト締結により支持、固定される。
【0028】
一方、図3,6に示すように、バッテリケース18の後部は、バッテリ後支持ブラケット31を介して車体フレーム11に支持される。バッテリ後支持ブラケット31は、バッテリケース18の後部下側に沿うように屈曲した帯状のブラケット本体31aと、その下辺部から後方に延出する連結片31bとを有する。ブラケット本体31aの左右辺部の上端は、左右メインフレーム13の後部上側に突設されたバッテリ支持突部13dにそれぞれボルト締結により支持、固定され、連結片31bの後端は、駆動モータ3のモータ後上支持部36に固定された支持ステー32の上端にボルト締結により支持、固定される。
以上により、メインバッテリ2及びバッテリケース18が車体フレーム11に固定的に支持される。
【0029】
図1,3に示すように、駆動モータ3は、車両側面視でメインフレーム13、ピボットフレーム14及びモータハンガ13aで囲まれる部位内に収まるように設けられる。駆動モータ3は、その側面視での中央位置を左右方向に沿って貫通する単一の駆動軸39を有する(図13参照)。駆動軸39は、その中心軸線(軸心、駆動モータ3の重心位置に相当)C1がピボット軸14aの中心軸線(軸心)C2よりも上方に位置するように設けられる。
【0030】
図10,11を併せて参照し、駆動モータ3は、左右幅(軸方向幅)を抑えた扁平状のモータ本体(単モータ)3a,3bを左右一対に有し、これらを互いに隣接させると共に同軸に連結して一体駆動可能とする。駆動モータ3は、左右メインフレーム13及びピボットフレーム14間の空間よりも左右幅を狭めて設けられる。以下、各モータ本体3a,3bの内の左側のものを第一モータ本体3a、右側のものを第二モータ本体3bという。また、各モータ本体3a,3bの合わせ面は駆動モータ3の車幅方向中心に相当し、これを図6,13にモータ左右中心線として符号MCLで示す。
【0031】
図12,13を併せて参照し、各モータ本体3a,3bは、ステータの内方にロータを配置したインナーロータ型とされる。各モータ本体3a,3bは、環状の第一及び第二ケーシング33,34をそれぞれ有する。各ケーシング33,34の前端部上側には、斜め上前方に突出するモータ前支持部35がそれぞれ一体形成され、これらがバッテリケース18の左右バッテリ前支持腕18c間に挟まれた状態で、左右モータハンガ13aの下端にボルト締結により支持、固定される。
【0032】
一方、各ケーシング33,34の後端部上側には、斜め上後方に向けて延出するモータ後上支持部36がそれぞれ一体形成され、これらが左右ピボットフレーム14の上端部前側のピボット上締結部36aの左右内側にボルト締結により支持、固定される。また、各ケーシング33,34の後端部下側には、斜め下後方に向けて延出するモータ後下支持部37がそれぞれ一体形成され、これらが左右ピボットフレーム14の下端部前側のピボット下締結部37aの左右内側にボルト締結により支持、固定される。
【0033】
図9に示すように、第一バッテリモジュール2aからの電力は、不図示のメインスイッチと連動する第一コンタクタ41を介して、モータドライバたる第一PDU(power driver unit)43に供給され、この第一PDU43にて直流から三相交流に変換された後、三相交流モータである第一モータ本体3aに供給される。
【0034】
同様に、第二バッテリモジュール2bからの電力は、同じくメインスイッチと連動する第二コンタクタ45を介して、モータドライバたる第二PDU47に供給され、この第二PDU47にて直流から三相交流に変換された後、三相交流モータである第二モータ本体3bに供給される。
【0035】
図7を併せて参照し、駆動モータ3の前部下方には、12Vのサブバッテリ51が配置され、このサブバッテリ51より、灯火器等の一般電装部品やECU(electric control unit)等の制御系部品に電力が供給される。
【0036】
第一PDU43には、ECUたる第一MCU(モータコントロールユニット)44が接続され、第二PDU47には、同じくECUたる第二MCU48が接続される。各MCU44,48には、スロットル(アクセル)センサ52からの出力要求信号が入力され、この出力要求信号に基づき、各MCU44,48が各PDU43,47を介して各モータ本体3a,3bを個別に駆動制御する。なお、本実施形態では各MCU44,48は相互監視や通信を行っていないが、図9に鎖線で示す如く各MCU44,48同士を通信可能に接続し、相互に各モータ本体の出力等を監視したり該出力等の協調制御や左右独立制御を行うことも可能である。
【0037】
なお、本実施形態の鞍乗り型電動車両1では、メインバッテリ2の充電時には、前記シート前カバー23を取り外す等によりメインバッテリ2を車外に露出させるのみの車載状態でメインバッテリ2の充電を行うか、メインバッテリ2を車体から取り外して単体にした状態でメインバッテリ2の充電を行う。
【0038】
図3,5,7に示すように、駆動モータ3の前端部の前方には、各モータ本体3a,3bに対応する各PDU43,47が左右に並んで配置される。各PDU43,47は厚板状をなし、その厚さ方向が車両前後方向と略直交するように(詳細には厚さ方向がやや前下がりとなるように)起立して配置される。各PDU43,47の直前には、これらと平行をなす板状のヒートシンク53が配置される。
【0039】
ヒートシンク53は、その前面に上下方向に沿う多数の放熱フィン53aを有し、後面には各PDU43,47の前面を接触させる。ヒートシンク53は、その上部が上ブラケット54を介して駆動モータ3のモータケース38の上部に支持され、下部が下ブラケット55を介してモータケース38の下部に支持される。下ブラケット55には、サブバッテリ51を支持するべくその前面及び下面に沿って側面視L字状に屈曲して延びるバッテリ支持ステー55aが一体的に設けられる。
【0040】
ヒートシンク53の上方には、各コンタクタ41,45及び各PDU43,47に対応する第一及び第二コンデンサ(キャパシタ)42,46が設けられる。各コンデンサ42,46は、前後に長い楕円状の断面を有して左右に延びる棒状をなし、上下二段に重なった状態でヒートシンク53の上方に配置される。各コンデンサ42,46は、コンデンサケース56内に一体的に収容されている。
【0041】
各コンデンサ42,46よりも左右外側でかつ側面視で各コンデンサ42,46の斜め上後方に位置する部位には、各コンタクタ41,45がそれぞれ配置される。各コンタクタ41,45は直方体状をなし、各コンデンサ42,46とこれらよりも左右外側に位置する左右モータハンガ13aとの間にそれぞれ配置される。各コンタクタ41,45の上方には、比較的小形のプリチャージコンタクタ41a,45aがそれぞれ配置される。
【0042】
各コンタクタ41,45よりも上方でかつメインバッテリ2の下部前方には、各MCU44,48が左右に並んで配置される。各MCU44,48は前後幅を抑えた直方体状をなし、バッテリケース18の下部前側に固定されたMCU支持ブラケット57に支持される。
【0043】
各MCU44,48の上方には、ヘッドパイプ12の後方で車体フレーム11に固定されたスロットルセンサ52が配置される。スロットルセンサ52は、ハンドル8のスロットル操作子たる右グリップ52aと操作ケーブル52bを介して連結される。右グリップ52aの開閉操作は、操作ケーブル52bを介してスロットルセンサ52に機械的に伝達される。この開閉操作に応じた制御信号が、スロットルセンサ52から各MCU44,48にそれぞれ出力される。
【0044】
図12,13を参照し、各モータ本体3a,3bは、各ケーシング33,34の内周にそれぞれ固定的に支持された環状の第一及び第二ステータ61,65と、各ステータ61,65の内方に回転自在に配置された円筒状の第一及び第二ロータ62,66とを有する。各ロータ62,66は、これらを同軸に貫通する駆動軸39を介して一体に連結される。
【0045】
第一ケーシング33の左方には、その左開口を閉塞する左ケースカバー33aが取り付けられ、第二ケーシング34の右方には、その右開口を閉塞する右ケースカバー34aが取り付けられる。これら各ケーシング33,34及びケースカバー33a,34aがボルト締結により一体に結合されて、駆動モータ3のモータケース38が形成される。
【0046】
図1を併せて参照し、左ケースカバー33aの中央部からは駆動軸39の左端部が左方に突出し、この突出部分にドライブスプロケット58aが取り付けられる。このドライブスプロケット58aと、後輪4左側に取り付けたドリブンスプロケット58bと、各スプロケットに掛け回されたドライブチェーン58cとにより、駆動モータ3と後輪4との間のチェーン式伝動機構58が形成される。
【0047】
左ケースカバー33aの左方には、ドライブスプロケット58aの周囲を覆うスプロケットカバー59a、及びドライブチェーン58cの浮きを抑えるチェーンガイド59bがそれぞれ取り付けられる。
駆動モータ3は、例えばVVVF(variable voltage variable frequency)制御による可変速駆動がなされる。駆動モータ3の回転数は、後述の回転センサ79,83により検出される。
【0048】
図3,7を参照し、各ケースカバー33a,34aの前端部には、各PDU43,47の左右外側から後方に延びる三相の給電片71u,71v,71wを接続する給電端子72u,72v,72wが設けられる。各給電片71u,71v,71w及び給電端子72u,72v,72wは、例えば下方から順にU相、V相、W相とされる。これら各給電片71u,71v,71w及び給電端子72u,72v,72wを通じて、各PDU43,47からの電流が、各モータ本体3a,3bのステータ61,65のコイル61a,65aにそれぞれ供給される。
【0049】
各PDU43,47におけるU相及びW相の二相の給電片71u,71wの基端側には、それぞれ電流センサ73u,73wが設けられる。各PDU43,47の周囲はドライバカバー74により覆われ、各給電片71u,71v,71w及び給電端子72u,72v,72wの周囲は給電部カバー75により覆われる。
【0050】
図12,13を参照し、各ロータ62,66は、外周にマグネット62a,66aを保持するロータ本体63,67をそれぞれ有する。各ロータ本体63,67は、その外周の環状のマグネット保持部63a,67aに対し、駆動軸39を貫通させる内フランジ部63b,67bを左方にオフセットさせる。これら各内フランジ部63b,67bを右方から貫通する複数(六つ)の締結ボルト69の先端部が、駆動軸39の左側部外周に形成された締結フランジ39aの複数のネジ孔にそれぞれ螺着されることで、各ロータ62,66が駆動軸39に一体回転可能に結合される。
【0051】
各内フランジ部63b,67b間には、各締結ボルト69をそれぞれ挿通する複数(六つ)のカラー69aが設けられる。各カラー69aは、各締結ボルト69の締結時には各内フランジ部63b,67b間に挟み込まれ、もって各内フランジ部63b,67b間の間隔が保たれる。
【0052】
駆動軸39の左側部における左ケースカバー33aを貫通する部位は左ジャーナル39bとされ、この左ジャーナル39bが左ケースカバー33aに形成された左ハブ部33bに左ラジアル玉軸受け33cを介して回転自在に支持される。左ラジアル軸受け33cの右方には締結フランジ39aが隣接する。
【0053】
また、駆動軸39の右側部は右ケースカバー34aの中央部を貫通し、この駆動軸39の右側部における右ケースカバー34aを貫通する部位は右ジャーナル39cとされ、この右ジャーナル39cが右ケースカバー34aに形成された右ハブ部34bに右ラジアル玉軸受け34cを介して回転自在に支持される。
【0054】
駆動軸39における左ラジアル玉軸受け33c及び左ハブ部33bの左方に突出する部位の外周には、前記ドライブスプロケット58aの内周がスプライン嵌合する。ドライブスプロケット58aの右端と左ジャーナル39bの左端から内周側に落ち込む段差面との間には、左カラー49aが挟み込まれる。この状態で、駆動軸39の左端ネジ孔に左端ボルト49bを螺着し締め込むことで、ドライブスプロケット58aが駆動軸39の左端に一体回転可能に取り付けられる。
【0055】
駆動軸39における右ラジアル玉軸受け34c及び右ハブ部34bの右方に突出する部位の外周には、駆動軸39の位置決め用のロックナット49dが螺着される。ロックナット49dとその左方の右ラジアル玉軸受け34cのインナレースとの間には、右カラー49cが挟み込まれる。この状態で、駆動軸39に螺着したロックナット49dを締め込むことで、ロックナット49dと右ジャーナル39cの左端から外周側に立ち上がる段差面との間に、右ラジアル玉軸受け34cのインナレース及び右カラー49cが締結固定される。
【0056】
右ラジアル玉軸受け34cのアウタレースは、右ケースカバー34a(右ハブ部34b)に対して固定プレート34dにより左右方向で移動不能に保持され、もって右ラジアル玉軸受け34cを介して駆動軸39のモータケース38に対する左右方向の位置決めがなされる。
【0057】
右ハブ部34bの右側には、ロックナット49dの周囲を囲むカップ状のセンサステー76が取り付けられ、このセンサステー76の右端にホールIC(磁気センサ)76aが取り付けられる。一方、駆動軸39の右端ネジ孔には右端ボルト78が螺着され、この右端ボルト78の頭部と駆動軸39の右端との間に、外周にマグネット77aを保持したセンサ用カラー77が一体回転可能に保持される。これらマグネット77a及びホールIC76aにより、駆動軸39の回転角度を検出する第一回転センサ79が構成される。
【0058】
また、左ケースカバー33aの右方(モータケース38内側)には、ステー81aを介してレゾルバステータ81が取り付けられ、このレゾルバステータ81に対応するレゾルバロータ82が、第一ロータの内フランジ部63bの外周に取り付けられる。これらレゾルバステータ81及びレゾルバロータ82によって、同じく駆動軸39の回転角度を検出する第二回転センサ83が構成される。
【0059】
各回転センサ79,83は何れかを用いればよいが、第一回転センサ79(ホールIC)を用いれば非接触なため耐久性が高く、かつ磁気を検出するため埃、塵、油等の汚れに強く、さらにデジタル出力であるため後段信号処理が容易で小型化も可能である。また、第二回転センサ83(レゾルバ)を用いれば、センサ部分がコイルなので分解能が高く熱等にも強く、耐環境性を高めることが可能である。さらに、フェール用に各回転センサ79,83の両方を用いることも可能である。
【0060】
以上説明したように、上記実施形態におけるスポーツタイプの鞍乗り型電動車両1は、
電動の駆動モータ3を走行用の駆動源とするものであって、
前記駆動モータ3は、複数のモータ本体3a,3bを車幅方向で同軸に隣接させて一体駆動可能としてなり、かつ後輪4を支持するスイングアーム15のピボット軸14aよりも前方に配置され、
前記駆動モータ3の駆動軸39の車幅方向一端が前記後輪4への出力端とされ、この出力端に前記後輪4への動力伝達用のドライブスプロケット58aが設けられ、
車幅方向における前記駆動モータ3のセンター(中心線MCL)が、車体センター(中心線CL)に対して前記ドライブスプロケット58aとは反対側にオフセットして配置されるものである。
【0061】
この構成によれば、ピボット軸14a前方の車体センターに近い位置にて車幅方向に複数のモータ本体3a,3bを隣接させて駆動モータ3を形成することで、汎用のモータや四輪車用のモータ等を適宜選択して所望のモータ出力を得ることができ、安価で汎用性の高い、特にスポーツタイプのモータサイクルに好適な高出力の駆動モータ3を提供できる。
また、駆動モータ3の車幅方向中心(各モータ本体3a,3bの合わせ面)MCLをあえて車体の車幅方向中心線CLからオフセットさせることで、駆動モータ3の駆動軸39に設けられるドライブスプロケット58aを車幅方向で所定の位置に配置し易くなり、既存のモータを流用した場合にもチェーンラインを容易に合わせることが可能となって、ドライブスプロケット58aからのシンプルな車輪駆動系を採用できる。
【0062】
また、上記鞍乗り型電動車両1は、前記駆動モータ3用の電装部品(PDU43,47、コンタクタ41,45及びMCU44,48)が前記駆動モータ3よりも前方に配置されることで、前記電装部品駆動モータ3の熱影響を抑えると共に走行風を当たり易くして冷却性を向上できる。このとき、ヒートシンク53の冷却フィンが車両前方に臨むと共に、上下方向に沿う冷却フィンに沿って走行風が流れることで、PDU43,47の冷却性をより向上できる。
【0063】
また、上記鞍乗り型電動車両1は、前記電装部品が、下方から順にPDU43,47、コンタクタ41,45及びMCU44,48を配置することで、走行風を当たり易くしたいものを車両下方、外乱の影響を抑えたいものを車両上方に配置することができる。すなわち、コンタクタ41,45はPDU43,47の上方に配置して冷却性を確保しながらも外乱の影響を抑え、そのさらに上方にMCU44,48を配置することで外乱の影響をより抑えることができる。
【0064】
また、上記鞍乗り型電動車両1は、前記駆動モータ3へ電力を供給するメインバッテリ2が、複数のバッテリセル17a〜17jを組み合わせたバッテリモジュール2a,2bを前記各モータ本体3a,3bに対応して複数有し、前記各バッテリモジュール2a,2bから前記各モータ本体3a,3bにそれぞれ個別に電力が供給されることで、各バッテリモジュール2a,2bから各モータ本体3a,3bのそれぞれに互いに影響を与えることなく電力を供給することができる。
【0065】
また、上記鞍乗り型電動車両1は、前記駆動モータ3の上方に前記メインバッテリ2が配置されることで、重量のあるメインバッテリ2を車両上方に配置でき、モータサイクルにおける操作性を向上できると共にマスの集中化にも寄与できる。
【0066】
また、上記鞍乗り型電動車両1は、前記ドライブスプロケット58aを含むチェーン式伝動機構58のみを介して、前記駆動軸39から後輪4に駆動力が伝達されることを特徴とする。
駆動軸39からチェーン式伝動機構58のみを介してダイレクトに後輪4を駆動させることで、複数の伝動機構を介することなく後輪4へ動力伝達可能となり、駆動系のロスを最小限に抑えることが可能となって、電動車両における走行距離の増加を図ると共に、駆動部品の小型軽量化を図ることができる。
【0067】
また、上記鞍乗り型電動車両1は、前記駆動軸39の車幅方向他端に該駆動軸39の回転数を検出する回転センサ79が設けられると共に、前記駆動軸39の車幅方向一端側でモータケース38内かつ該モータケース38の側壁とこれに隣接するモータ本体3a,3bとの間に、前記駆動軸39の回転数を検出する回転センサ83が設けられることで、駆動軸39の回転数に応じた各モータ本体3a,3bの駆動制御を行うことができる。また、回転センサ83をモータケース38内に収容することで外乱の影響を抑えることができる。
【0068】
また、上記鞍乗り型電動車両1は、モータケース38の下方に補機用のサブバッテリ51が配置され、このサブバッテリ51が前記モータケース38に支持されることで、専用の保持部品やスペースを設けることなくサブバッテリ51を搭載できる。
【0069】
また、上記鞍乗り型電動車両1は、ヘッドパイプ12から後方に延びるメインフレーム13と、このメインフレーム13の後端から下方に延びるピボットフレーム14とを備え、車両側面視で、前記メインフレーム13とピボットフレーム14とで囲まれた部位に、前記駆動モータ3が配置され、かつ前記駆動軸39が前記ピボット軸14aよりも上方に配置されることで、駆動モータ3の駆動軸39(重心位置)をできるだけ車両上方に配置でき、モータサイクルにおける操作性(旋回性)を向上できる。また、ピボット軸14aよりも前方に位置する駆動モータ3の上方にメインバッテリ2を配置することで、重量物である駆動モータ3及びメインバッテリ2を車体中央に近付けてマスの集中化を図ることができる。
【0070】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、左右一対ではなく単一のメインフレーム及びピボットフレームを備えるスポーツタイプの鞍乗り型電動車両に適用してもよい。ここで、前記スポーツタイプの鞍乗り型電動車両には、車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(スクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0071】
1 スポーツタイプの鞍乗り型電動車両
2 メインバッテリ
2a,2b バッテリモジュール
3 駆動モータ
3a,3b モータ本体(単モータ)
4 後輪(駆動輪)
12 ヘッドパイプ
13 メインフレーム
14 ピボットフレーム
14a ピボット軸
15 スイングアーム
17a〜17j バッテリセル
38 モータケース
39 駆動軸
41,45 コンタクタ(電装部品)
43,47 PDU(電装部品、モータドライバ)
44,48 MCU(電装部品、電子制御装置)
51 サブバッテリ
58 チェーン式伝動機構
58a ドライブスプロケット
79,83 回転センサ
CL 車体左右中心線(車体センター)
MCL モータ左右中心線(センター)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動の駆動モータ(3)を走行用の駆動源とするスポーツタイプの鞍乗り型電動車両(1)であって、
前記駆動モータ(3)は、複数の単モータ(3a,3b)を車幅方向で同軸に隣接させて一体駆動可能としてなり、かつ駆動輪(4)を支持するスイングアーム(15)のピボット軸(14a)よりも前方に配置され、
前記駆動モータ(3)の駆動軸(39)の車幅方向一端が前記駆動輪(4)への出力端とされ、この出力端に前記駆動輪(4)への動力伝達用のドライブスプロケット(58a)が設けられ、
車幅方向における前記駆動モータ(3)のセンター(MCL)が、車体センター(CL)に対して前記ドライブスプロケット(58a)とは反対側にオフセットして配置されることを特徴とするスポーツタイプの鞍乗り型電動車両。
【請求項2】
前記駆動モータ(3)用の電装部品(43,47,41,45,44,48)が前記駆動モータ(3)よりも前方に配置されることを特徴とする請求項1に記載のスポーツタイプの鞍乗り型電動車両。
【請求項3】
前記電装部品(43,47,41,45,44,48)は、下方から順にモータドライバ(43,47)、コンタクタ(41,45)及び電子制御装置(44,48)を配置することを特徴とする請求項2に記載のスポーツタイプの鞍乗り型電動車両。
【請求項4】
前記駆動モータ(3)へ電力を供給するメインバッテリ(2)を備え、
前記メインバッテリ(2)は、複数のバッテリセル(17a〜17j)を組み合わせたバッテリモジュール(2a,2b)を前記各単モータ(3a,3b)に対応して複数有し、前記各バッテリモジュール(2a,2b)から前記各単モータ(3a,3b)にそれぞれ個別に電力が供給されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のスポーツタイプの鞍乗り型電動車両。
【請求項5】
前記駆動モータ(3)の上方に前記メインバッテリ(2)が配置されることを特徴とする請求項4に記載のスポーツタイプの鞍乗り型電動車両。
【請求項6】
前記ドライブスプロケット(58a)を含むチェーン式伝動機構(58)のみを介して、前記駆動軸(39)から駆動輪(4)に駆動力が伝達されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のスポーツタイプの鞍乗り型電動車両。
【請求項7】
前記駆動軸(39)の車幅方向他端にこの駆動軸(39)の回転数を検出する回転センサ(79)が設けられることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のスポーツタイプの鞍乗り型電動車両。
【請求項8】
前記各単モータ(3a,3b)を収容するモータケース(38)を備え、
前記駆動軸(39)の車幅方向一端側で前記モータケース(38)内かつこのモータケース(38)の側壁とこれに隣接する単モータ(3a)との間に、前記駆動軸(39)の回転数を検出する回転センサ(83)が設けられることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のスポーツタイプの鞍乗り型電動車両。
【請求項9】
前記各単モータ(3a,3b)を収容するモータケース(38)を備え、
前記モータケース(38)の下方には補機用のサブバッテリ(51)が配置され、このサブバッテリ(51)が前記モータケース(38)に支持されることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載のスポーツタイプの鞍乗り型電動車両。
【請求項10】
ヘッドパイプ(12)から後方に延びるメインフレーム(13)と、このメインフレーム(13)の後端から下方に延びるピボットフレーム(14)とを備え、車両側面視で、前記メインフレーム(13)とピボットフレーム(14)とで囲まれた部位に、前記駆動モータ(3)が配置され、かつ前記駆動軸(39)が前記ピボット軸(14a)よりも上方に配置されることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載のスポーツタイプの鞍乗り型電動車両。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−158292(P2012−158292A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20677(P2011−20677)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】