スマートエントリシステム及びその警告方法
【課題】車両の複数の乗員が携帯機をそれぞれ携帯している場合に、車両における安全性や利便性等を向上させることができるスマートエントリシステムを提供する。
【解決手段】車両のユーザがそれぞれ携帯する複数の携帯機10A〜10Cが車両の室内にあるか室外の近傍にあるかを少なくとも検出可能な車両用のスマートエントリシステムであって、複数の携帯機10A〜10Cの車両に対する位置関係に応じて所定の処理を実行する処理手段としてのスマートエントリECU20を有する。携帯機10A〜10Cの位置関係から車両周辺の状況を推定できるので、その状況に応じて各種処理を施すことにより、安全性や利便性を高めることができる。
【解決手段】車両のユーザがそれぞれ携帯する複数の携帯機10A〜10Cが車両の室内にあるか室外の近傍にあるかを少なくとも検出可能な車両用のスマートエントリシステムであって、複数の携帯機10A〜10Cの車両に対する位置関係に応じて所定の処理を実行する処理手段としてのスマートエントリECU20を有する。携帯機10A〜10Cの位置関係から車両周辺の状況を推定できるので、その状況に応じて各種処理を施すことにより、安全性や利便性を高めることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信により車両のドアの施錠、開錠を行うスマートエントリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートエントリシステムは、スマートカードやスマートキーなどと呼ばれている携帯機を持って車両に接近/離間することにより、自動的に車両のドアの施錠、開錠を行うものであり、様々なスマートエントリシステムが提案されている(例えば、特許文献1〜4等を参照)。
従来のスマートエントリシステムでは、携帯機が車室内にあるか車室外にあるかを検出できる機能を少なくとも備えており、この機能を利用して、例えば、車室内に携帯機を置いたまま降車してドア施錠操作(ドアハンドルのロックボタンを押す操作)を行おうとした場合や、エンジンを運転状態にしたまま携帯機を携帯して車室外へ出た場合などに、ブザー音等を発生させるなどして警告を実行していた。このようにスマートエントリシステムを利用することにより、車両の安全性や利便性を高めることができる。
【特許文献1】特開2000−16203号公報
【特許文献2】特開2004−189150号公報
【特許文献3】特開2001−349110号公報
【特許文献4】特開2002−37027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、スマートエントリシステムでは、車両の複数の乗員がそれぞれ携帯機を携帯することは可能である。このため、各乗員が車室内に携帯機を置いたまま降車してドア施錠操作したような場合には警告を発する。
しかしながら、従来のシステムでは、例えば、親と同乗している子供が勝手にドアを開けたような場合に、警告を発することはできない。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、車両の複数の乗員が携帯機をそれぞれ携帯している場合に、車両における安全性や利便性等を向上させることができるスマートエントリシステム及び警告方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るスマートエントリシステムは、車両のユーザがそれぞれ携帯する複数の携帯機が車両の室内にあるか室外にあるかを少なくとも検出可能な車両用のスマートエントリシステムであって、車両に対する複数の携帯機の位置関係に応じて所定の処理を実行する処理手段を有する、ことを特徴としている。
この構成によれば、車両に対する複数の携帯機の位置関係から、車両周辺で生じている状況を推定できるので、その状況に応じて各種処理を施すことにより、安全性や利便性を高めることができる。
【0006】
上記構成において、処理手段は、複数の携帯機のうち、少なくともいずれかの携帯機が車両に対して接近又は離隔したことを検出した場合に、車室内の乗員に対する警告処理を実行する、構成を採用することができる。
この構成によれば、例えば、携帯機をもつ乗員が車室外から車両の近くに戻って来た場合に、警告処理が実行されて車室内の乗員にそのことを自動的に知らせることができる。また、例えば、携帯機をもつ乗員が車室内から車室外から出た場合(例えば、子供が勝手にドアを開けて外に出たような場合)に、警告処理が実行されて車室内の乗員にそのことを自動的に知らせることができる。
【0007】
上記構成において、処理手段は、複数の携帯機のうち、システム管理者が携帯する携帯機が車室内にある状態において、他の携帯機のいずれかが車室内から車室外へ移動したことを検知した場合には、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対する警告処理を実行する、構成を採用することができる。
この構成によれば、システム管理者(たとえば、車両のドライバ)以外のユーザ(例えば、子供)が車外へ出たことをシステム管理者に確実に知らせることができる。
【0008】
上記構成において、処理手段は、システム管理者が携帯する携帯機が車室外へ移動し、かつ、他の携帯機が車室内に位置する状態において車両の運転操作機器が作動した場合には、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対する警告処理を実行する、構成を採用することができる。
この構成によれば、システム管理者(たとえば、車両のドライバ)が車外に出て、他のユーザ(例えば、子供)が、ステアリングホイールやイグニションキー等の運転操作機器を操作した場合には、自動的に警告がシステム管理者や他のユーザに発せられる。これにより、子供がいたずらで車両を操作する等の危険な行為が発生するのを防ぐことができる。
【0009】
上記構成において、処理手段は、警告処理を実行すると共に、車両のエンジンが始動された場合には、エンジンを停止又は車両の走行を禁止する処理を実行する、構成を採用できる。
この構成によれば、警告だけでなく、エンジンを停止又は車両の走行を禁止するので、より確実に安全を確保できる。
【0010】
上記構成において、処理手段は、少なくともシステム管理者が携帯する携帯機が車室内にある状態において、他の携帯機を車室外で検出した場合には、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対する警告処理を実行する、構成を採用することができる。
この構成によれば、例えば、システム管理者である運転手が車室内で寝ているような場合に、同乗者が戻ってきたことを自動的に知らせることができる。
【0011】
上記構成において、携帯機は、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対して警告する警告手段を備えており、処理手段は、警告手段を起動させることにより警告処理を実行する、構成を採用することができる。
この構成によれば、ユーザに直接的にかつ確実に警告を伝えることができる。尚、警告手段としては、音声、光、振動等が挙げられる。
【0012】
上記構成において、携帯機は、警告手段の警告機能をカスタマイズ可能に形成されている、構成を採用できる。
この構成によれば、携帯機に備わる音声、光、振動等による警告手段を警告内容やユーザの種類等に応じてカスタマイズできるので、警告の内容等を感覚的に把握することが可能となる。
【0013】
上記構成において、携帯機は、車両に備わる操作ボタンの操作により警告手段を起動可能になっている、構成を採用することができる。
この構成によれば、例えば、携帯機を車室内で落としてしまいその所在がわからなくなったような場合に、車両に備わる操作ボタン(例えば、ハザードボタンなど)を操作することにより、その携帯機から警告音等を発生させることができ、比較的容易に落とした携帯機を探し出すことができる。
【0014】
上記構成において、複数の携帯機のうち、システム管理者が携帯する携帯機の操作により、他の携帯機の機能をカスタマイズ可能な構成を採用することができる。
この構成によれば、例えば、子供が使用する携帯機等の機能を制限して、子供が危険な操作をするのを防ぐことができる。
【0015】
上記構成において、処理手段は、複数の携帯機のいずれかが車室内から車室内へ移動した時点からの経過時間を計測し、経過時間が予め設定時間を経過した場合には、警告処理を実行する、構成を採用できる。
この構成によれば、ユーザに車から離れてからの時間を報知することができる。
【0016】
上記構成において、複数の携帯機の位置を検出する位置検出手段をさらに有し、処理手段は、車両のドアが開閉される際に、位置検出手段の検出する位置情報に基づいて、ドアの近くにシステム管理者以外の携帯機が存在しないかを判断し、存在する場合には、ユーザに対する警告処理を実行する、構成を採用できる。
この構成によれば、例えば、ドアを閉める際に、ユーザの手がドアに挟まるのを未然に防止することや、ドアを開く際にドアの近くにいるユーザにドアがぶつかるのを未然に防止できる。
【0017】
本発明に係るスマートエントリシステムにおける警告方法は、車両のユーザがそれぞれ携帯する複数の携帯機が車両の室内にあるか室外にあるかを少なくとも検出可能な車両用のスマートエントリシステムにおける警告方法であって、前記複数の携帯機の車両に対する位置関係の変化に応じて所定の警告処理を実行する、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、車両における安全性や利便性等を向上させることができるスマートエントリシステムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るスマートエントリシステムの構成を示す機能ブロック図、図2は携帯機の構成の一例を示す図、図3はスマートエントリシステムの車両への適用例を示す図、及び図4は携帯機の位置検出原理を説明するための図である。
【0020】
このスマートエントリシステムは、複数の携帯機10(10A〜10C)、処理手段としてのスマートエントリECU20(以下,ECU20という)、複数の送信アンテナユニット30A〜30C、警報装置40等から構成されている。
【0021】
ECU20は、プロセッサ、メモリ等のハードウエアと所要のソフトウエアから構成されており、後述する車両内に設置される。また、ECU20は、高周波の電波信号UHFを受信するための受信アンテナ21と低周波の電波信号LFを送信するための送信アンテナ22が接続されている。さらに、ECU20は、複数の送信アンテナユニット30A〜30Cに信号送信可能に接続されており、これらに対して各種データを出力する。
また、ECU20には、車両ECU100が接続され、車両ECU100との間で各種データを送受可能に接続されている。
車両ECU100は、エンジン、ブレーキ、変速機等、車両に備わる各種車両用機器110を制御する。尚、車両ECU100は、実際には、各機器毎に形成されている。
【0022】
警報装置40は、ECU20から指令を受けて、例えば、車室内に設けれて音声等により車両のユーザに警告するための装置である。尚、警報装置40として、車両に備わるブザーやスピーカ等を用いることも可能である。
【0023】
複数の送信アンテナユニット30A〜30Cは、後述する車両にそれぞれ設置されて、ECU20からのデータに基づいて、図1に示すように、低周波の電波信号LFを出力する。
この送信アンテナユニット30A〜30Cは、後述するように携帯機10の位置を検出するために、車両に対して少なくとも3台設けられる。
【0024】
携帯機10は、図1に示すように、低周波の電波信号LFを受信すると共に高周波の電波信号UHFを送信可能なアンテナを備えていると共に、図示しないプロセッサ、メモリ等のハードウエアと所要のソフトウエアを内蔵している。また、携帯機10は、図2に示すように、施錠するためのボタンBT1、開錠するためのボタンBT2、例えば、車両のトランクを施錠、開錠等するのに用いられる補助的なボタンBT3を備えている。さらに、携帯機10は、ユーザに警告あるいは報知するための警告手段としてのスピーカSPを備えている。
携帯機10の基本的な機能は、送信アンテナユニット30A〜30Cから低周波の電波信号LFを受信すると、自己の識別番号IDを含む応答信号を高周波の電波信号UHFにより送信する。この応答信号は、ECU20の受信アンテナ21により受信される。
【0025】
ここで、上記のスマートエントリシステムは、例えば、図3に示すように車両300に適用される。
ECU20は、例えば、車両300の車室内の中央部に設置され、送信アンテナユニット30A、30Bは両サイドのドア付近、送信アンテナユニット30Cはリアのトランクに設置される。
図3に示すように、携帯機10A〜10CのユーザU1〜U3が車両300のドア付近に接近した際に、携帯機10A〜10Cは、送信アンテナユニット30A〜30Cからの電波信号LFを受信すると、自己の識別番号(ID)を含む応答信号をECU20の受信アンテナ21に送信する。これにより、ECU20では、ユーザU1〜U3が車両300のドア付近に接近していることを認識できる。
【0026】
一方、ECU20に接続された送信アンテナ22は、車両300の車室内の特定エリアにおいて受信できる低周波の電波信号LFを送信しており、ユーザU1〜U3が車室内に乗り込み、携帯機10が送信アンテナ22からの電波信号LFを受信して自己のIDを含む応答信号をECU20の受信アンテナ21に送信する。これにより、ECU20は携帯機10が車両300の室内にあるか室外にあるかを検出できる。また、ECU20は、携帯機10A〜10CのIDを取得することにより、どの携帯機かを識別することができる。
【0027】
ここで、上記のスマートエントリシステムにおいて、各携帯機10の位置を検出する方法の一例について説明する。
図4に示すように、携帯機10は、3つの送信アンテナユニット30A〜30Cから送信される電波信号のいずれも受信できる範囲にある場合には、3つの送信アンテナユニット30A〜30Cからの電波信号の強度K1,K2,K3をそれぞれ検出し、ECU20の受信アンテナ21に送信する。
ECU20は、得られた強度K1,K2,K3から三角測量の原理に基づいて、携帯機10の位置を算出する。これにより、位置検出手段が構成されている。
【0028】
次に、ECU20による処理の一例について図5に示すフローチャートを参照して説明する。
本例では、車両に乗っている子供がドアを開けて勝手に車室外へ出ることを防止するための処理の一例について説明する。
尚、図3におけるユーザU1をシステム管理者(運転者)としての大人(例えば、父親)、ユーザU2を大人(例えば、母親)、ユーザU3を子供として説明する。また、ECU20は、携帯機10Aがシステム管理者用、携帯機10Bが大人用、及び、携帯機10Cが子供用の携帯機であることを、予め設定された情報により認識しているものとする。また、図5に示す処理は、予め設定しておくことにより、定期的に実行されるものとする。
【0029】
ECU20は、先ず、図5に示すように、車室内に子供用の携帯機10Cがあるかを判断し(ステップST1)、存在しない場合には、処理を終了する。
ECU20は、子供用の携帯機10Cが車室内にあることを検出すると、車室内に管理者用の携帯機10A又は大人用の携帯機10Bがあるかを判断する(ステップST2)。子供の親が同乗していることを確認するためである。携帯機10A又は携帯機10Bが車室内にない場合には、処理を終了する。
【0030】
携帯機10A又は携帯機10Bが車室内にある場合には、子供用の携帯機10Cが車室内から車室外へ移動しないかを確認する(ステップST3)。子供用の携帯機10Cが車室内から車室外へ移動しない場合には、処理を終了する。
ECU20は、子供用の携帯機10Cが車室内から車室外へ移動した場合には、子供がドアを開けて勝手に車室外へ出ようとしていると推定できるので、所定の警告処理を実行する(ステップST4)。
この警告処理は、上記した警告装置40を起動してシステム管理者である父親や母親に子供が車室外に出たことを知らせたり、携帯機10のスピーカSPから警告音を出力させる等の処理である。
これにより、子供がドアを開けて勝手に車室外へ出ることを未然に防止できる。また、子供がドアを開けて勝手に車室外へ出たとしても、親はそのことを即座に認識できる。この結果、車両に同乗している子供の安全性を高めることができる。
【0031】
次に、ECU20による処理の他の例について図6に示すフローチャートを参照して説明する。
本例では、携帯機10B又は10Cを携行する同乗者が車室外へ外出してシステム管理者である運転手(携帯機10Aをもっている)が車室内で待っているような場合に、同乗者が車両の近くに戻ってきた際に運転手にそのことを知らせる場合について説明する。
尚、ECU20は、予め設定された情報により携帯機10Aがシステム管理者の携帯機と認識しているものとする。また、図6に示す処理は、予め設定しておくことにより、定期的に実行されるものとする。
【0032】
ECU20は、先ず、図6に示すように、車室内に運転手用の携帯機10Aがあるかを判断し(ステップST11)、存在しない場合には、処理を終了する。
ECU20は、運転手用の携帯機10Aが車室内にあることを検出すると、一時外出した者が携行している携帯機あるかを判断する(ステップST12)。なお、同乗者が外出する際に予め情報をECU20に設定しておくか、あるいは、同乗者が外出したことを自動検出することにより、ステップST12の判断が可能である。外出した携帯機がない場合には、処理を終了する。
【0033】
次いで、ECU20は、外出中の同乗者の携帯機が車室外で検出されたかを判断し(ステップST13)。外出中の同乗者の携帯機が検出されない場合には、処理を終了する。
ECU20は、外出中の同乗者の携帯機が検出された場合には、所定の警告処理を実行し(ステップST14)、運転手に同乗者が帰還したことを知らせる。
これにより、同乗者が外出中に運転手が寝ていた場合に、運転手を確実に起こすことができる。
【0034】
次に、ECU20による処理のさらに他の例について図7に示すフローチャートを参照して説明する。図7に示す処理は、予め設定することにより、定期的に実行されるものとする。
本例では、例えば、車室内に子供を残してシステム管理者である父親や母親が外出したような場合に、子供がいたずらで車両の運転操作機器を操作すること、例えば、エンジン始動、シフトノブ操作、ハンドル操作、クラクション操作、照明操作、パワーウインド操作などを実行するのを防止するための処理の一例について説明する。尚、本例では、図5において説明した条件と同条件とする。
【0035】
ECU20は、先ず、図7に示すように、大人用の携帯機10A,10Bが車室外へ移動したかを判断し(ステップST21)、移動していない場合には、処理を終了する。
ECU20は、大人用の携帯機10A,10Bが車室外へ移動した場合には、子供用の携帯機10Cが車室内にあるかを判断し(ステップST22)、無い場合には処理を終了する。
【0036】
ECU20は、子供用の携帯機10Cが車室内にある場合には、車両の運転操作機器、例えば、イグニションキー、シフトノブ、ハンドル、クラクション、照明、パワーウインド等が操作されたかを判断する(ステップST23)。
ECU20は、操作された場合には、例えば、警告音を出力させる等して、子供に操作をやめさせるように警告する(ステップST24)。
【0037】
さらに、ECU20は、イグニションキーがオンされたかを判断し(ステップST25)、オンされた場合には、例えば、車両用ECU100に対してエンジン停止指令や走行禁止のための指令を出力する(ステップST26)。これにより、子供のいたずらによりエンジンが始動するのを防止できる。また、パワーウインド等も操作できないようにしてもよい。
【0038】
次に、ECU20による処理のさらに他の例について図8に示すフローチャートを参照して説明する。尚、図8に示す処理は、予め設定することにより、定期的に実行されるものとする。
本例では、時間を忘れて車両を長時間駐車したままの状態になるような状況の発生を防止するための処理の一例について説明する。
【0039】
図8に示すように、ECU20は、車室内の携帯機10のいずれかが車室外へ移動したかを判断し(ステップST31)、移動した場合には、タイマーをスタートさせる(ステップST32)。
そして、タイマーをスタートさせてから予め設定した時間(例えば、30分、1時間等のような時間)が経過したかを判断する(ステップST33)。
設定時間を経過した場合には、外出中の携帯機10に警告信号を送信する(ステップST34)。
【0040】
これにより、外出中の者は、その携帯機10から警告音等により時間が経過したことを知ることができる。
尚、ECU20から外出中の携帯機10へ電波信号が届かない場合も想定される。この場合には、ECU20は、自身のタイマーをスタートさせる際に、外出に携行される携帯機10に内蔵されたタイマを同時に起動し、携帯機10自身で設定時間を経過したかを判断させる構成とすることも可能である。
【0041】
次に、ECU20による処理のさらに他の例について図9に示すフローチャートを参照して説明する。尚、図9に示す処理は、予め設定することにより、定期的に実行されるものとする。
本例では、システム管理者の携帯機10Aを用いて、他の携帯機10B,10Cの機能をカスタマイズする場合の処理の一例を説明する。尚、携帯機10B,10CのIDをそれぞれID2、ID3とする。
また、本例では、例えば、携帯機にエンジン始動機能やパワーウインド操作機能が備わっている場合に、子供がこれらの機能を使用すると危険であるのでこれを制限する等の目的でカスタマイズを行うが、これに限定されるわけではない。
【0042】
先ず、ECU20は、図9に示すように、管理者用の携帯機10Aの2つのボタンBT1,BT2が同時に押されたかを判断する(ステップST41)。押された場合には、ECU20は、携帯機10AのボタンBT3が押されたかを判断する(ステップST42)。すなわち、ECU20は、ボタンBT1,BT2が同時に押されると共にボタンBT3が押された場合には、カスタマイズモードと判断する。
【0043】
そして、ECU20は、ボタンBT3が押された回数が1回かを判断し(ステップST43)、1回の場合には、カスタマイズ(機能制限)する携帯機のIDをID2(携帯機10B)に決定する(ステップST44)。2回の場合には(ステップST45)、カスタマイズ(機能制限)する携帯機のIDをID3(携帯機10c)に決定する(ステップST46)。
【0044】
次いで、車両のイグニションがオンからオフされたかを判断し(ステップST47)、イグニションが操作された場合には、その操作回数が1回か2回かを判断する(ステップST48、ST49)。
イグニション操作が1回の場合には、選択された携帯機10B又は10Cのドア開錠機能を制限する(ステップST51)。一方、イグニション操作が1回の場合には、パワーウインドの操作機能を制限する(ステップST50)。
【0045】
このように、携帯機10AのボタンBT1〜BT3だけでなく、車両に備わるイグニション等の操作機器を利用することにより、より複雑なカスタマイズ操作が可能になる。
【0046】
次に、ECU20による処理のさらに他の例について図10に示すフローチャートを参照して説明する。尚、図10に示す処理は、予め設定することにより、定期的に実行されるものとする。
本例では、携帯機10を車室内で落として行方がわからないときに、携帯機10の探索を助けるための処理の一例について説明する。
先ず、ECU20は、車室内に携帯機10があるかを判断し(ステップST61)、携帯機10がある場合には、その台数が1台かを判断する(ステップST62)。探し出すべき携帯機10を特定するためである。
【0047】
携帯機10が複数ある場合、例えば、2台の場合は、1台が探し出すべき携帯機10であり、他の1台はユーザが持っている携帯機10である。
したがって、ECU20は、ユーザが持っている携帯機10に対して探し出すべき携帯機10のIDを選択するように要求する(ステップST63)。
【0048】
次いで、ECU20は、探し出すべき携帯機10に発生させる警告音や発生時間等を選択し(ステップST64)、その後、車両に備わるハザードボタンが押されたかを判断する(ステップST65)。
ECU20は、ハザードボタンが押されると、探し出すべき携帯機10から警告音を発生される(ステップST66)。
これにより、行方不明となっていた携帯機10を探し出しやすくなる。
【0049】
次に、ECU20による処理のさらに他の例について図11に示すフローチャートを参照して説明する。尚、図11に示す処理は、予め設定することにより、定期的に実行されるものとする。
本例では、システム管理者(運転者)が運転席のドアを開閉する際に、子供などがそのドアの近くに手を置いていた場合に、ドアに手が挟まれるのを未然に防ぐための処理の一例について説明する。
【0050】
先ず、ECU20は、車両のドアが開閉されるかを判断する(ステップST71)。例えば、システム管理者(運転者)の携帯機10Aが車室内から車室外へ移動することを検出、あるいは、車室外ら車室内へ移動することを検出することにより、車両のドアが開閉される状況を検出できる。
【0051】
ECU20は、車両のドアが開閉される状況にある場合には、例えば、図4において説明した位置検出機能を用いて、各携帯機10の位置を検出する(ステップST72)。
そして、各携帯機10の検出位置に基づいて、開閉されるドアの近くに携帯機10があるかを判断する(ステップST73)。開閉されるドアの近くに携帯機10がある場合には、ドアの近くに人が存在する可能性がある。
このため、ECU20は、ドアの近くにある携帯機10が、システム管理者(運転者)以外の携帯機10かを判断し(ステップST74)、システム管理者以外の場合には、警告処理を実行する(ステップST75)。
これにより、ドアに手を挟まれる事故が発生するのを未然に防ぐことができる。
【0052】
上記実施形態では、携帯機のボタンと共にイグニションキーを用いて携帯機の機能をカスタマイズする場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、携帯機のボタンと共に車両に備わる他の操作機器を用いてカスタマイズすることも可能であり、また、車両に備わる操作機器のみを用いて携帯機の機能をカスタマイズすることも可能である。
【0053】
上記実施形態では、携帯機の警告手段としてスピーカの場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、例えば、バイブレータや照明等の他の警告(報知)手段を用いることも可能であり、これらを併用することも可能である。
【0054】
上記実施形態では、車室内で携帯機を探す際にハザードボタンを利用したが、これに限定されるわけではなく、車両に備わる他の操作ボタン、スイッチ等を利用することが可能である。
【0055】
上記実施形態では、携帯機として3つのボタンBT1〜BT3を備えるものについて説明したが、これに限定されるわけではなく、他の形式のものもしよう可能であるし、例えば、携帯電話機を携帯機として利用することも可能である。
【0056】
上記実施形態では、携帯機を書くユーザが保持する方法については特に説明しなかったが、衣服等に装着してもよいし、例えば、腕時計のように腕に装着してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態に係るスマートエントリシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】携帯機の構成の一例を示す図である。
【図3】スマートエントリシステムの車両への適用例を示す図である。
【図4】携帯機の位置検出原理を説明するための図である。
【図5】子供が勝手に車室外へ出たことを警告するための処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】同乗者が外出から車両の近くまで戻ってきたときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】子供を車内に残したまま車室外に出たときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】車両を駐車して車室外へ出るときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】携帯機の機能のカスタマイズ処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】携帯機を車室内で落としたときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】車両のドアを開閉する際の警告処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10(10A,10B、10C)…携帯機
20…スマートエントリECU(処理手段)
21…受信アンテナ
22…送信アンテナ
30(30A,30B、30C)…送信アンテナユニット
40…警報装置
100…車両ECU
110…各種車両用機器
300…車両
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信により車両のドアの施錠、開錠を行うスマートエントリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートエントリシステムは、スマートカードやスマートキーなどと呼ばれている携帯機を持って車両に接近/離間することにより、自動的に車両のドアの施錠、開錠を行うものであり、様々なスマートエントリシステムが提案されている(例えば、特許文献1〜4等を参照)。
従来のスマートエントリシステムでは、携帯機が車室内にあるか車室外にあるかを検出できる機能を少なくとも備えており、この機能を利用して、例えば、車室内に携帯機を置いたまま降車してドア施錠操作(ドアハンドルのロックボタンを押す操作)を行おうとした場合や、エンジンを運転状態にしたまま携帯機を携帯して車室外へ出た場合などに、ブザー音等を発生させるなどして警告を実行していた。このようにスマートエントリシステムを利用することにより、車両の安全性や利便性を高めることができる。
【特許文献1】特開2000−16203号公報
【特許文献2】特開2004−189150号公報
【特許文献3】特開2001−349110号公報
【特許文献4】特開2002−37027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、スマートエントリシステムでは、車両の複数の乗員がそれぞれ携帯機を携帯することは可能である。このため、各乗員が車室内に携帯機を置いたまま降車してドア施錠操作したような場合には警告を発する。
しかしながら、従来のシステムでは、例えば、親と同乗している子供が勝手にドアを開けたような場合に、警告を発することはできない。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、車両の複数の乗員が携帯機をそれぞれ携帯している場合に、車両における安全性や利便性等を向上させることができるスマートエントリシステム及び警告方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るスマートエントリシステムは、車両のユーザがそれぞれ携帯する複数の携帯機が車両の室内にあるか室外にあるかを少なくとも検出可能な車両用のスマートエントリシステムであって、車両に対する複数の携帯機の位置関係に応じて所定の処理を実行する処理手段を有する、ことを特徴としている。
この構成によれば、車両に対する複数の携帯機の位置関係から、車両周辺で生じている状況を推定できるので、その状況に応じて各種処理を施すことにより、安全性や利便性を高めることができる。
【0006】
上記構成において、処理手段は、複数の携帯機のうち、少なくともいずれかの携帯機が車両に対して接近又は離隔したことを検出した場合に、車室内の乗員に対する警告処理を実行する、構成を採用することができる。
この構成によれば、例えば、携帯機をもつ乗員が車室外から車両の近くに戻って来た場合に、警告処理が実行されて車室内の乗員にそのことを自動的に知らせることができる。また、例えば、携帯機をもつ乗員が車室内から車室外から出た場合(例えば、子供が勝手にドアを開けて外に出たような場合)に、警告処理が実行されて車室内の乗員にそのことを自動的に知らせることができる。
【0007】
上記構成において、処理手段は、複数の携帯機のうち、システム管理者が携帯する携帯機が車室内にある状態において、他の携帯機のいずれかが車室内から車室外へ移動したことを検知した場合には、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対する警告処理を実行する、構成を採用することができる。
この構成によれば、システム管理者(たとえば、車両のドライバ)以外のユーザ(例えば、子供)が車外へ出たことをシステム管理者に確実に知らせることができる。
【0008】
上記構成において、処理手段は、システム管理者が携帯する携帯機が車室外へ移動し、かつ、他の携帯機が車室内に位置する状態において車両の運転操作機器が作動した場合には、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対する警告処理を実行する、構成を採用することができる。
この構成によれば、システム管理者(たとえば、車両のドライバ)が車外に出て、他のユーザ(例えば、子供)が、ステアリングホイールやイグニションキー等の運転操作機器を操作した場合には、自動的に警告がシステム管理者や他のユーザに発せられる。これにより、子供がいたずらで車両を操作する等の危険な行為が発生するのを防ぐことができる。
【0009】
上記構成において、処理手段は、警告処理を実行すると共に、車両のエンジンが始動された場合には、エンジンを停止又は車両の走行を禁止する処理を実行する、構成を採用できる。
この構成によれば、警告だけでなく、エンジンを停止又は車両の走行を禁止するので、より確実に安全を確保できる。
【0010】
上記構成において、処理手段は、少なくともシステム管理者が携帯する携帯機が車室内にある状態において、他の携帯機を車室外で検出した場合には、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対する警告処理を実行する、構成を採用することができる。
この構成によれば、例えば、システム管理者である運転手が車室内で寝ているような場合に、同乗者が戻ってきたことを自動的に知らせることができる。
【0011】
上記構成において、携帯機は、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対して警告する警告手段を備えており、処理手段は、警告手段を起動させることにより警告処理を実行する、構成を採用することができる。
この構成によれば、ユーザに直接的にかつ確実に警告を伝えることができる。尚、警告手段としては、音声、光、振動等が挙げられる。
【0012】
上記構成において、携帯機は、警告手段の警告機能をカスタマイズ可能に形成されている、構成を採用できる。
この構成によれば、携帯機に備わる音声、光、振動等による警告手段を警告内容やユーザの種類等に応じてカスタマイズできるので、警告の内容等を感覚的に把握することが可能となる。
【0013】
上記構成において、携帯機は、車両に備わる操作ボタンの操作により警告手段を起動可能になっている、構成を採用することができる。
この構成によれば、例えば、携帯機を車室内で落としてしまいその所在がわからなくなったような場合に、車両に備わる操作ボタン(例えば、ハザードボタンなど)を操作することにより、その携帯機から警告音等を発生させることができ、比較的容易に落とした携帯機を探し出すことができる。
【0014】
上記構成において、複数の携帯機のうち、システム管理者が携帯する携帯機の操作により、他の携帯機の機能をカスタマイズ可能な構成を採用することができる。
この構成によれば、例えば、子供が使用する携帯機等の機能を制限して、子供が危険な操作をするのを防ぐことができる。
【0015】
上記構成において、処理手段は、複数の携帯機のいずれかが車室内から車室内へ移動した時点からの経過時間を計測し、経過時間が予め設定時間を経過した場合には、警告処理を実行する、構成を採用できる。
この構成によれば、ユーザに車から離れてからの時間を報知することができる。
【0016】
上記構成において、複数の携帯機の位置を検出する位置検出手段をさらに有し、処理手段は、車両のドアが開閉される際に、位置検出手段の検出する位置情報に基づいて、ドアの近くにシステム管理者以外の携帯機が存在しないかを判断し、存在する場合には、ユーザに対する警告処理を実行する、構成を採用できる。
この構成によれば、例えば、ドアを閉める際に、ユーザの手がドアに挟まるのを未然に防止することや、ドアを開く際にドアの近くにいるユーザにドアがぶつかるのを未然に防止できる。
【0017】
本発明に係るスマートエントリシステムにおける警告方法は、車両のユーザがそれぞれ携帯する複数の携帯機が車両の室内にあるか室外にあるかを少なくとも検出可能な車両用のスマートエントリシステムにおける警告方法であって、前記複数の携帯機の車両に対する位置関係の変化に応じて所定の警告処理を実行する、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、車両における安全性や利便性等を向上させることができるスマートエントリシステムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るスマートエントリシステムの構成を示す機能ブロック図、図2は携帯機の構成の一例を示す図、図3はスマートエントリシステムの車両への適用例を示す図、及び図4は携帯機の位置検出原理を説明するための図である。
【0020】
このスマートエントリシステムは、複数の携帯機10(10A〜10C)、処理手段としてのスマートエントリECU20(以下,ECU20という)、複数の送信アンテナユニット30A〜30C、警報装置40等から構成されている。
【0021】
ECU20は、プロセッサ、メモリ等のハードウエアと所要のソフトウエアから構成されており、後述する車両内に設置される。また、ECU20は、高周波の電波信号UHFを受信するための受信アンテナ21と低周波の電波信号LFを送信するための送信アンテナ22が接続されている。さらに、ECU20は、複数の送信アンテナユニット30A〜30Cに信号送信可能に接続されており、これらに対して各種データを出力する。
また、ECU20には、車両ECU100が接続され、車両ECU100との間で各種データを送受可能に接続されている。
車両ECU100は、エンジン、ブレーキ、変速機等、車両に備わる各種車両用機器110を制御する。尚、車両ECU100は、実際には、各機器毎に形成されている。
【0022】
警報装置40は、ECU20から指令を受けて、例えば、車室内に設けれて音声等により車両のユーザに警告するための装置である。尚、警報装置40として、車両に備わるブザーやスピーカ等を用いることも可能である。
【0023】
複数の送信アンテナユニット30A〜30Cは、後述する車両にそれぞれ設置されて、ECU20からのデータに基づいて、図1に示すように、低周波の電波信号LFを出力する。
この送信アンテナユニット30A〜30Cは、後述するように携帯機10の位置を検出するために、車両に対して少なくとも3台設けられる。
【0024】
携帯機10は、図1に示すように、低周波の電波信号LFを受信すると共に高周波の電波信号UHFを送信可能なアンテナを備えていると共に、図示しないプロセッサ、メモリ等のハードウエアと所要のソフトウエアを内蔵している。また、携帯機10は、図2に示すように、施錠するためのボタンBT1、開錠するためのボタンBT2、例えば、車両のトランクを施錠、開錠等するのに用いられる補助的なボタンBT3を備えている。さらに、携帯機10は、ユーザに警告あるいは報知するための警告手段としてのスピーカSPを備えている。
携帯機10の基本的な機能は、送信アンテナユニット30A〜30Cから低周波の電波信号LFを受信すると、自己の識別番号IDを含む応答信号を高周波の電波信号UHFにより送信する。この応答信号は、ECU20の受信アンテナ21により受信される。
【0025】
ここで、上記のスマートエントリシステムは、例えば、図3に示すように車両300に適用される。
ECU20は、例えば、車両300の車室内の中央部に設置され、送信アンテナユニット30A、30Bは両サイドのドア付近、送信アンテナユニット30Cはリアのトランクに設置される。
図3に示すように、携帯機10A〜10CのユーザU1〜U3が車両300のドア付近に接近した際に、携帯機10A〜10Cは、送信アンテナユニット30A〜30Cからの電波信号LFを受信すると、自己の識別番号(ID)を含む応答信号をECU20の受信アンテナ21に送信する。これにより、ECU20では、ユーザU1〜U3が車両300のドア付近に接近していることを認識できる。
【0026】
一方、ECU20に接続された送信アンテナ22は、車両300の車室内の特定エリアにおいて受信できる低周波の電波信号LFを送信しており、ユーザU1〜U3が車室内に乗り込み、携帯機10が送信アンテナ22からの電波信号LFを受信して自己のIDを含む応答信号をECU20の受信アンテナ21に送信する。これにより、ECU20は携帯機10が車両300の室内にあるか室外にあるかを検出できる。また、ECU20は、携帯機10A〜10CのIDを取得することにより、どの携帯機かを識別することができる。
【0027】
ここで、上記のスマートエントリシステムにおいて、各携帯機10の位置を検出する方法の一例について説明する。
図4に示すように、携帯機10は、3つの送信アンテナユニット30A〜30Cから送信される電波信号のいずれも受信できる範囲にある場合には、3つの送信アンテナユニット30A〜30Cからの電波信号の強度K1,K2,K3をそれぞれ検出し、ECU20の受信アンテナ21に送信する。
ECU20は、得られた強度K1,K2,K3から三角測量の原理に基づいて、携帯機10の位置を算出する。これにより、位置検出手段が構成されている。
【0028】
次に、ECU20による処理の一例について図5に示すフローチャートを参照して説明する。
本例では、車両に乗っている子供がドアを開けて勝手に車室外へ出ることを防止するための処理の一例について説明する。
尚、図3におけるユーザU1をシステム管理者(運転者)としての大人(例えば、父親)、ユーザU2を大人(例えば、母親)、ユーザU3を子供として説明する。また、ECU20は、携帯機10Aがシステム管理者用、携帯機10Bが大人用、及び、携帯機10Cが子供用の携帯機であることを、予め設定された情報により認識しているものとする。また、図5に示す処理は、予め設定しておくことにより、定期的に実行されるものとする。
【0029】
ECU20は、先ず、図5に示すように、車室内に子供用の携帯機10Cがあるかを判断し(ステップST1)、存在しない場合には、処理を終了する。
ECU20は、子供用の携帯機10Cが車室内にあることを検出すると、車室内に管理者用の携帯機10A又は大人用の携帯機10Bがあるかを判断する(ステップST2)。子供の親が同乗していることを確認するためである。携帯機10A又は携帯機10Bが車室内にない場合には、処理を終了する。
【0030】
携帯機10A又は携帯機10Bが車室内にある場合には、子供用の携帯機10Cが車室内から車室外へ移動しないかを確認する(ステップST3)。子供用の携帯機10Cが車室内から車室外へ移動しない場合には、処理を終了する。
ECU20は、子供用の携帯機10Cが車室内から車室外へ移動した場合には、子供がドアを開けて勝手に車室外へ出ようとしていると推定できるので、所定の警告処理を実行する(ステップST4)。
この警告処理は、上記した警告装置40を起動してシステム管理者である父親や母親に子供が車室外に出たことを知らせたり、携帯機10のスピーカSPから警告音を出力させる等の処理である。
これにより、子供がドアを開けて勝手に車室外へ出ることを未然に防止できる。また、子供がドアを開けて勝手に車室外へ出たとしても、親はそのことを即座に認識できる。この結果、車両に同乗している子供の安全性を高めることができる。
【0031】
次に、ECU20による処理の他の例について図6に示すフローチャートを参照して説明する。
本例では、携帯機10B又は10Cを携行する同乗者が車室外へ外出してシステム管理者である運転手(携帯機10Aをもっている)が車室内で待っているような場合に、同乗者が車両の近くに戻ってきた際に運転手にそのことを知らせる場合について説明する。
尚、ECU20は、予め設定された情報により携帯機10Aがシステム管理者の携帯機と認識しているものとする。また、図6に示す処理は、予め設定しておくことにより、定期的に実行されるものとする。
【0032】
ECU20は、先ず、図6に示すように、車室内に運転手用の携帯機10Aがあるかを判断し(ステップST11)、存在しない場合には、処理を終了する。
ECU20は、運転手用の携帯機10Aが車室内にあることを検出すると、一時外出した者が携行している携帯機あるかを判断する(ステップST12)。なお、同乗者が外出する際に予め情報をECU20に設定しておくか、あるいは、同乗者が外出したことを自動検出することにより、ステップST12の判断が可能である。外出した携帯機がない場合には、処理を終了する。
【0033】
次いで、ECU20は、外出中の同乗者の携帯機が車室外で検出されたかを判断し(ステップST13)。外出中の同乗者の携帯機が検出されない場合には、処理を終了する。
ECU20は、外出中の同乗者の携帯機が検出された場合には、所定の警告処理を実行し(ステップST14)、運転手に同乗者が帰還したことを知らせる。
これにより、同乗者が外出中に運転手が寝ていた場合に、運転手を確実に起こすことができる。
【0034】
次に、ECU20による処理のさらに他の例について図7に示すフローチャートを参照して説明する。図7に示す処理は、予め設定することにより、定期的に実行されるものとする。
本例では、例えば、車室内に子供を残してシステム管理者である父親や母親が外出したような場合に、子供がいたずらで車両の運転操作機器を操作すること、例えば、エンジン始動、シフトノブ操作、ハンドル操作、クラクション操作、照明操作、パワーウインド操作などを実行するのを防止するための処理の一例について説明する。尚、本例では、図5において説明した条件と同条件とする。
【0035】
ECU20は、先ず、図7に示すように、大人用の携帯機10A,10Bが車室外へ移動したかを判断し(ステップST21)、移動していない場合には、処理を終了する。
ECU20は、大人用の携帯機10A,10Bが車室外へ移動した場合には、子供用の携帯機10Cが車室内にあるかを判断し(ステップST22)、無い場合には処理を終了する。
【0036】
ECU20は、子供用の携帯機10Cが車室内にある場合には、車両の運転操作機器、例えば、イグニションキー、シフトノブ、ハンドル、クラクション、照明、パワーウインド等が操作されたかを判断する(ステップST23)。
ECU20は、操作された場合には、例えば、警告音を出力させる等して、子供に操作をやめさせるように警告する(ステップST24)。
【0037】
さらに、ECU20は、イグニションキーがオンされたかを判断し(ステップST25)、オンされた場合には、例えば、車両用ECU100に対してエンジン停止指令や走行禁止のための指令を出力する(ステップST26)。これにより、子供のいたずらによりエンジンが始動するのを防止できる。また、パワーウインド等も操作できないようにしてもよい。
【0038】
次に、ECU20による処理のさらに他の例について図8に示すフローチャートを参照して説明する。尚、図8に示す処理は、予め設定することにより、定期的に実行されるものとする。
本例では、時間を忘れて車両を長時間駐車したままの状態になるような状況の発生を防止するための処理の一例について説明する。
【0039】
図8に示すように、ECU20は、車室内の携帯機10のいずれかが車室外へ移動したかを判断し(ステップST31)、移動した場合には、タイマーをスタートさせる(ステップST32)。
そして、タイマーをスタートさせてから予め設定した時間(例えば、30分、1時間等のような時間)が経過したかを判断する(ステップST33)。
設定時間を経過した場合には、外出中の携帯機10に警告信号を送信する(ステップST34)。
【0040】
これにより、外出中の者は、その携帯機10から警告音等により時間が経過したことを知ることができる。
尚、ECU20から外出中の携帯機10へ電波信号が届かない場合も想定される。この場合には、ECU20は、自身のタイマーをスタートさせる際に、外出に携行される携帯機10に内蔵されたタイマを同時に起動し、携帯機10自身で設定時間を経過したかを判断させる構成とすることも可能である。
【0041】
次に、ECU20による処理のさらに他の例について図9に示すフローチャートを参照して説明する。尚、図9に示す処理は、予め設定することにより、定期的に実行されるものとする。
本例では、システム管理者の携帯機10Aを用いて、他の携帯機10B,10Cの機能をカスタマイズする場合の処理の一例を説明する。尚、携帯機10B,10CのIDをそれぞれID2、ID3とする。
また、本例では、例えば、携帯機にエンジン始動機能やパワーウインド操作機能が備わっている場合に、子供がこれらの機能を使用すると危険であるのでこれを制限する等の目的でカスタマイズを行うが、これに限定されるわけではない。
【0042】
先ず、ECU20は、図9に示すように、管理者用の携帯機10Aの2つのボタンBT1,BT2が同時に押されたかを判断する(ステップST41)。押された場合には、ECU20は、携帯機10AのボタンBT3が押されたかを判断する(ステップST42)。すなわち、ECU20は、ボタンBT1,BT2が同時に押されると共にボタンBT3が押された場合には、カスタマイズモードと判断する。
【0043】
そして、ECU20は、ボタンBT3が押された回数が1回かを判断し(ステップST43)、1回の場合には、カスタマイズ(機能制限)する携帯機のIDをID2(携帯機10B)に決定する(ステップST44)。2回の場合には(ステップST45)、カスタマイズ(機能制限)する携帯機のIDをID3(携帯機10c)に決定する(ステップST46)。
【0044】
次いで、車両のイグニションがオンからオフされたかを判断し(ステップST47)、イグニションが操作された場合には、その操作回数が1回か2回かを判断する(ステップST48、ST49)。
イグニション操作が1回の場合には、選択された携帯機10B又は10Cのドア開錠機能を制限する(ステップST51)。一方、イグニション操作が1回の場合には、パワーウインドの操作機能を制限する(ステップST50)。
【0045】
このように、携帯機10AのボタンBT1〜BT3だけでなく、車両に備わるイグニション等の操作機器を利用することにより、より複雑なカスタマイズ操作が可能になる。
【0046】
次に、ECU20による処理のさらに他の例について図10に示すフローチャートを参照して説明する。尚、図10に示す処理は、予め設定することにより、定期的に実行されるものとする。
本例では、携帯機10を車室内で落として行方がわからないときに、携帯機10の探索を助けるための処理の一例について説明する。
先ず、ECU20は、車室内に携帯機10があるかを判断し(ステップST61)、携帯機10がある場合には、その台数が1台かを判断する(ステップST62)。探し出すべき携帯機10を特定するためである。
【0047】
携帯機10が複数ある場合、例えば、2台の場合は、1台が探し出すべき携帯機10であり、他の1台はユーザが持っている携帯機10である。
したがって、ECU20は、ユーザが持っている携帯機10に対して探し出すべき携帯機10のIDを選択するように要求する(ステップST63)。
【0048】
次いで、ECU20は、探し出すべき携帯機10に発生させる警告音や発生時間等を選択し(ステップST64)、その後、車両に備わるハザードボタンが押されたかを判断する(ステップST65)。
ECU20は、ハザードボタンが押されると、探し出すべき携帯機10から警告音を発生される(ステップST66)。
これにより、行方不明となっていた携帯機10を探し出しやすくなる。
【0049】
次に、ECU20による処理のさらに他の例について図11に示すフローチャートを参照して説明する。尚、図11に示す処理は、予め設定することにより、定期的に実行されるものとする。
本例では、システム管理者(運転者)が運転席のドアを開閉する際に、子供などがそのドアの近くに手を置いていた場合に、ドアに手が挟まれるのを未然に防ぐための処理の一例について説明する。
【0050】
先ず、ECU20は、車両のドアが開閉されるかを判断する(ステップST71)。例えば、システム管理者(運転者)の携帯機10Aが車室内から車室外へ移動することを検出、あるいは、車室外ら車室内へ移動することを検出することにより、車両のドアが開閉される状況を検出できる。
【0051】
ECU20は、車両のドアが開閉される状況にある場合には、例えば、図4において説明した位置検出機能を用いて、各携帯機10の位置を検出する(ステップST72)。
そして、各携帯機10の検出位置に基づいて、開閉されるドアの近くに携帯機10があるかを判断する(ステップST73)。開閉されるドアの近くに携帯機10がある場合には、ドアの近くに人が存在する可能性がある。
このため、ECU20は、ドアの近くにある携帯機10が、システム管理者(運転者)以外の携帯機10かを判断し(ステップST74)、システム管理者以外の場合には、警告処理を実行する(ステップST75)。
これにより、ドアに手を挟まれる事故が発生するのを未然に防ぐことができる。
【0052】
上記実施形態では、携帯機のボタンと共にイグニションキーを用いて携帯機の機能をカスタマイズする場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、携帯機のボタンと共に車両に備わる他の操作機器を用いてカスタマイズすることも可能であり、また、車両に備わる操作機器のみを用いて携帯機の機能をカスタマイズすることも可能である。
【0053】
上記実施形態では、携帯機の警告手段としてスピーカの場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、例えば、バイブレータや照明等の他の警告(報知)手段を用いることも可能であり、これらを併用することも可能である。
【0054】
上記実施形態では、車室内で携帯機を探す際にハザードボタンを利用したが、これに限定されるわけではなく、車両に備わる他の操作ボタン、スイッチ等を利用することが可能である。
【0055】
上記実施形態では、携帯機として3つのボタンBT1〜BT3を備えるものについて説明したが、これに限定されるわけではなく、他の形式のものもしよう可能であるし、例えば、携帯電話機を携帯機として利用することも可能である。
【0056】
上記実施形態では、携帯機を書くユーザが保持する方法については特に説明しなかったが、衣服等に装着してもよいし、例えば、腕時計のように腕に装着してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態に係るスマートエントリシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】携帯機の構成の一例を示す図である。
【図3】スマートエントリシステムの車両への適用例を示す図である。
【図4】携帯機の位置検出原理を説明するための図である。
【図5】子供が勝手に車室外へ出たことを警告するための処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】同乗者が外出から車両の近くまで戻ってきたときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】子供を車内に残したまま車室外に出たときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】車両を駐車して車室外へ出るときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】携帯機の機能のカスタマイズ処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】携帯機を車室内で落としたときの処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】車両のドアを開閉する際の警告処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10(10A,10B、10C)…携帯機
20…スマートエントリECU(処理手段)
21…受信アンテナ
22…送信アンテナ
30(30A,30B、30C)…送信アンテナユニット
40…警報装置
100…車両ECU
110…各種車両用機器
300…車両
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のユーザがそれぞれ携帯する複数の携帯機が車両の室内にあるか室外にあるかを少なくとも検出可能な車両用のスマートエントリシステムであって、
車両に対する前記複数の携帯機の位置関係に応じて所定の処理を実行する処理手段を有する、
ことを特徴とするスマートエントリシステム。
【請求項2】
前記処理手段は、前記複数の携帯機のうち、少なくともいずれかの携帯機が車両に対して接近又は離隔したことを検出した場合に、車室内のユーザに対する警告処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のスマートエントリシステム。
【請求項3】
前記処理手段は、前記複数の携帯機のうち、システム管理者が携帯する携帯機が車室内にある状態において、他の携帯機のいずれかが車室内から車室外へ移動したことを検知した場合には、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対する警告処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のスマートエントリシステム。
【請求項4】
前記処理手段は、システム管理者が携帯する携帯機が車室外へ移動し、かつ、他の携帯機が車室内に位置する状態において車両の運転操作機器が作動した場合には、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対する警告処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のスマートエントリシステム。
【請求項5】
前記処理手段は、前記警告処理を実行すると共に、車両のエンジンが始動された場合には、エンジンを停止又は車両の走行を禁止する処理を実行する、ことを特徴とする請求項4に記載のスマートエントリシステム。
【請求項6】
前記処理手段は、少なくともシステム管理者が携帯する携帯機が車室内にある状態において、他の携帯機を車室外で検出した場合には、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対する警告処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のスマートエントリシステム。
【請求項7】
前記携帯機は、少なくともシステム管理者を含むユーザに対して警告する警告手段を備えており、
前記処理手段は、前記警告手段を起動させることにより前記警告処理を実行する、ことを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載のスマートエントリシステム。
【請求項8】
前記携帯機は、前記警告手段の警告機能をカスタマイズ可能に形成されている、ことを特徴とする、請求項7に記載のスマートエントリシステム。
【請求項9】
前記携帯機は、車両に備わる操作ボタンの操作により前記警告手段を起動可能になっている、ことを特徴とする請求項7又は8に記載のスマートエントリシステム。
【請求項10】
前記複数の携帯機のうち、少なくともシステム管理者が携帯する携帯機の操作により、他の携帯機の機能をカスタマイズ可能なことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のスマートエントリシステム。
【請求項11】
前記処理手段は、前記複数の携帯機のいずれかが車室内から車室内へ移動した時点からの経過時間を計測し、前記経過時間が予め設定時間を経過した場合には、警告処理を実行する、ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のスマートエントリシステム。
【請求項12】
前記複数の携帯機の位置を検出する位置検出手段をさらに有し、
前記処理手段は、車両のドアが開閉される際に、前記位置検出手段の検出する位置情報に基づいて、前記ドアの近くにシステム管理者以外の携帯機が存在しないかを判断し、存在する場合には、ユーザに対する警告処理を実行する、ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のスマートエントリシステム。
【請求項13】
車両のユーザがそれぞれ携帯する複数の携帯機が車両の室内にあるか室外にあるかを少なくとも検出可能な車両用のスマートエントリシステムにおける警告方法であって、
車両に対する前記複数の携帯機の位置関係の変化に応じて所定の警告処理を実行する、
ことを特徴とするスマートエントリシステムにおける警告方法。
【請求項1】
車両のユーザがそれぞれ携帯する複数の携帯機が車両の室内にあるか室外にあるかを少なくとも検出可能な車両用のスマートエントリシステムであって、
車両に対する前記複数の携帯機の位置関係に応じて所定の処理を実行する処理手段を有する、
ことを特徴とするスマートエントリシステム。
【請求項2】
前記処理手段は、前記複数の携帯機のうち、少なくともいずれかの携帯機が車両に対して接近又は離隔したことを検出した場合に、車室内のユーザに対する警告処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のスマートエントリシステム。
【請求項3】
前記処理手段は、前記複数の携帯機のうち、システム管理者が携帯する携帯機が車室内にある状態において、他の携帯機のいずれかが車室内から車室外へ移動したことを検知した場合には、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対する警告処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のスマートエントリシステム。
【請求項4】
前記処理手段は、システム管理者が携帯する携帯機が車室外へ移動し、かつ、他の携帯機が車室内に位置する状態において車両の運転操作機器が作動した場合には、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対する警告処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のスマートエントリシステム。
【請求項5】
前記処理手段は、前記警告処理を実行すると共に、車両のエンジンが始動された場合には、エンジンを停止又は車両の走行を禁止する処理を実行する、ことを特徴とする請求項4に記載のスマートエントリシステム。
【請求項6】
前記処理手段は、少なくともシステム管理者が携帯する携帯機が車室内にある状態において、他の携帯機を車室外で検出した場合には、少なくともシステム管理者を含む車両のユーザに対する警告処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のスマートエントリシステム。
【請求項7】
前記携帯機は、少なくともシステム管理者を含むユーザに対して警告する警告手段を備えており、
前記処理手段は、前記警告手段を起動させることにより前記警告処理を実行する、ことを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載のスマートエントリシステム。
【請求項8】
前記携帯機は、前記警告手段の警告機能をカスタマイズ可能に形成されている、ことを特徴とする、請求項7に記載のスマートエントリシステム。
【請求項9】
前記携帯機は、車両に備わる操作ボタンの操作により前記警告手段を起動可能になっている、ことを特徴とする請求項7又は8に記載のスマートエントリシステム。
【請求項10】
前記複数の携帯機のうち、少なくともシステム管理者が携帯する携帯機の操作により、他の携帯機の機能をカスタマイズ可能なことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のスマートエントリシステム。
【請求項11】
前記処理手段は、前記複数の携帯機のいずれかが車室内から車室内へ移動した時点からの経過時間を計測し、前記経過時間が予め設定時間を経過した場合には、警告処理を実行する、ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のスマートエントリシステム。
【請求項12】
前記複数の携帯機の位置を検出する位置検出手段をさらに有し、
前記処理手段は、車両のドアが開閉される際に、前記位置検出手段の検出する位置情報に基づいて、前記ドアの近くにシステム管理者以外の携帯機が存在しないかを判断し、存在する場合には、ユーザに対する警告処理を実行する、ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のスマートエントリシステム。
【請求項13】
車両のユーザがそれぞれ携帯する複数の携帯機が車両の室内にあるか室外にあるかを少なくとも検出可能な車両用のスマートエントリシステムにおける警告方法であって、
車両に対する前記複数の携帯機の位置関係の変化に応じて所定の警告処理を実行する、
ことを特徴とするスマートエントリシステムにおける警告方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−146415(P2007−146415A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339798(P2005−339798)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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