スリーブを継ぎ合わせるためのキット及び方法
多孔性のスリーブを継ぎ合わせるためのキット及び方法が開示される。キットは、無孔性のメンブレン状、望ましくは長尺状チューブの形状を有するリリースライナーを備える。また、接着剤及び接着剤アプリケータも含まれる。方法は、リリースライナーを第1のスリーブの端部内に挿入する工程と、次に同スリーブの端部を第2のスリーブの端部へ挿入する工程とを含む。第1のスリーブの外面は、第2のスリーブの内面を係合し、所定の長さを有する係合領域を形成する。リリースライナーは係合領域に沿って延びる。接着剤は、第2のスリーブの外面に塗布される。接着剤は、第2のスリーブに浸透して、同スリーブを第1のスリーブに接合する。リリースライナーは、継ぎ合わせの際に接着剤が第1のスリーブを接合して塞いでしまうのを防止する防壁として機能する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリーブの端部を継ぎ合わせるための方法と、そのような継ぎ合わせを行うためのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワーク、送電等に使用されるワイヤ束や光ケーブルといった長尺状の部材の多くは、地中に埋設された保護ダクト内に設置されるか、支柱から張りめぐらされるか、或いは、他のユーティリティ配管やサービス配管と共に建造物内に配置される。そのようなダクトは、その多くが押出成形された可撓性を有するポリマー管であり、長尺状部材を湿気、摩耗、衝撃や他の環境要因から継続的に保護する。
【0003】
そのような長尺状部材を、ダクト内に予め配置された可撓性を有する保護スリーブで覆うことが有効であることは認識されている。保護スリーブは、ダクト内の異なる部材を互いに離間させ整理して、限られたダクト内のスペースをより効率よく使用できるようにする。また、スリーブは、他の長尺状の部材がすでに収納されているダクトを介して、さらに別の長尺状部材を牽引する際に発生する摩擦から長尺状部材を保護する。
【0004】
スリーブは、丈夫なポリマーからなるモノフィラメントから織り合わされていることが望ましく、それにより、スリーブがダクトを介して1マイル(約1.6km)以上の距離にわたって牽引される場合に、比較的高い張力に耐えることができる。そのような保護スリーブが複数ダクト内に設置されることが望ましい。ダクト内のスペースを節約し、ダクトを介してスリーブを容易に牽引するために、スリーブは平らな即ち折り畳まれた形状で配置される。スリーブは可撓性を有するので、外方へ拡張してダクトを介して牽引された長尺状部材を収容する。各スリーブは、予め高い強度を有する牽引テープを内蔵している。ダクト内に長尺状部材を設置することが望ましい場合、長尺状部材はそれらのスリーブのうちの一つの牽引テープの一端に装着され、牽引テープは、スリーブから牽引されて(スリーブはダクト内に保持されている)、共に長尺状部材を牽引する。
【0005】
ダクトが届く十分な長さという点においては、スリーブを配置する長さがダクトの長さを超えるように、保護スリーブの端部を継ぎ合わせることが必要である。ダクトを介して牽引する際に、張力を受けるとスリーブが分離しやすい脆弱な連結部分が、継ぎ合わせにより形成されることを回避するために、継ぎ合わせにはスリーブ自身の引張強度以上の引張強度を有することが望ましい。これに代えて、継ぎ合わせには、ダクトを介して牽引する際にスリーブにより受ける張力を越える引張強度が必要である。いずれにしても、継ぎ合わせにおいて、スリーブが拡張して長尺状部材を収容する能力を妨げてはならないし、スリーブ内の牽引テープの動きを妨げてもいけない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記した懸案を鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、流動性のある接着剤を使用して多孔性スリーブの端部を継ぎ合わせるためのキットに関する。継ぎ合わせを行うために、第1のスリーブの一端の一部が、第2のスリーブの一端内に配置される。これにより、所定の長さにわたって第1のスリーブの外面が第2のスリーブの内面に係合するようになる。接着剤により、所定の長さによって形成された領域内で、スリーブが互いに接合される。キットは、可撓性を有する無孔性のメンブレンからなる。メンブレンは、第1のスリーブ内に配置されて所定の長さにわたって延びる。メンブレンは、接着剤が第1のスリーブに浸透するのを防止する防壁として機能する。そのため、継ぎ合わせにおいてスリーブを接合して塞いでしまうことが回避できる。メンブレンは、第1のスリーブ内に収まるように寸法が設定された長尺状チューブからなることが望ましい。
【0008】
また、本発明は、第1の多孔性スリーブの一端を第2の多孔性スリーブの一端に継ぎ合わせる方法に関し、同方法は、
(A)無孔性のメンブレンを提供する工程と、
(B)同メンブレンを第1の多孔性スリーブの同端内に挿入する工程と、
(C)第1の多孔性スリーブの同端を第2の多孔性スリーブの同端内に挿入して、所定の長さにわたって延びる領域において第1のスリーブの外面を第2のスリーブの内面に係合させる工程と、
(D)メンブレンを覆う部分上の同領域にわたって、第1のスリーブと第2のスリーブとの間に接着剤を塗布する工程とを備え、接着剤は、第1のスリーブと第2のスリーブを互いに接着して、無孔性のメンブレンに浸透しないことを特徴とする。
【0009】
さらに、同方法は、接着剤が塗布される部分に圧力を付与する工程を含む。
これらのスリーブがダクト内の長尺状部材を保護するために使用される場合は、スリーブ内に牽引テープを備えて、スリーブ内に長尺状部材を容易に配置できるようにする。継ぎ合わせる際には、各スリーブはそれぞれに牽引テープを備え、牽引テープは継ぎ合わされる時に互いに結合される必要がある。そのため、一方のスリーブの牽引テープを他方のスリーブの牽引テープに接合する工程と、牽引テープが接着剤によりスリーブの一方に接着されないように、少なくとも一方の牽引テープと接着剤が塗布される部分との間にメンブレンを配置する工程とがさらに必要となる。
【0010】
本発明は、また、交絡された(interlaced)複数のフィラメント状部材から形成された第1のセグメントからなる保護スリーブを備え、第1のセグメントは第1の開放端を有する。可撓性を有する無孔性メンブレンは、第1のセグメントの第1の開放端内に配置される。第2のセグメントは、交絡された複数のフィラメント状部材から形成される。第2のセグメントは第2の開放端を有する。第1のセグメントの第1の開放端は、これらのセグメントの所定の長さにわたって、第1のセグメントの外側の面が第2のセグメントの内側の面を係合するように、第2の開放端内に配置される。接着剤は、これらの外側の面と内側の面との間に溶着される。接着剤は、メンブレンにより形成される部分に留まり、セグメントを互いに接合する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、複数の保護スリーブのセグメントの端部を継ぎ合わせるためのキット10を示す。キット10は、リリースライナー12、接着剤14、及び接着剤プリケータ16を備えることが望ましい。
【0012】
リリースライナー12は、長尺状チューブ20の形状に好適に形成されたほぼ無孔性の可撓性を有するメンブレン18からなる。チューブ20は、以下に詳述する保護スリーブ内にほぼ収まるような長さ22と幅24とを有する。他の形状からなるリリースライナー12も可能であり、例えば、フラットシートや、2つの背中合わせになった層を形成する折り返し面を有するシートであってもよい。リリースライナーを構成する材料は、ほぼ無孔性であるため、防壁として機能して接着剤14が通過するのを防止する。好適な材料には、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートやポリテトラフルオロエチレン等の合成樹脂、ポリプロピレンや他のポリオレフィン等の他のポリマー材料が含まれる。また、接着剤14がリリースライナー12を接合しないことが望ましい。
【0013】
図2−12において、本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせる方法が示される。図2に関して、接合される2個のスリーブのセグメント26,28は、交絡された複数のフィラメント状部材30から好適に形成される。フィラメント状部材は、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等のポリマーから形成されたモノフィラメントであってもよい。交絡とは好適に織り合わせたもので、その織り方により生じた間隙32によりスリーブのセグメント26,28が多孔性を有するようになるため、以下に詳述するように、これらのセグメントが接着剤により接合され得る。しかしながら、継ぎ合わせる方法は、織り合わされたスリーブに限定されないため、他の形状からなる多孔性スリーブもまた、以下に記載される技術を使用して継ぎ合わされ得る。
【0014】
スリーブセグメント26,28は、可撓性を有し、弾性的に付勢されると平らな形状をとる。この形状により、ダクトを介したスリーブの牽引が容易になり、そのスペースが節約できる。スリーブは外方へ拡張して長尺状部材を収容する。
【0015】
また、スリーブセグメント26,28は、それらが継ぎ合わされる前に接合されなければならない牽引テープ34,36をそれぞれ有している。上記したように、保護スリーブがダクト内に設置されると、牽引テープにより、長尺状部材が保護スリーブから牽引され得る。加えて、スリーブセグメント26,28は、それらの長さに沿って延びる可視性の識別要素をそれぞれ有している。識別要素は、異なるスリーブがダクトの対向する端部において互いに区別できるように、色分けされたライン37の形状をなすことが望ましい。
【0016】
継ぎ合わせは、ダクト内に1個以上の保護スリーブを設置する間に行われてもよい。例えば、保護スリーブのセグメント26の長さが不十分でダクト全体を貫通できない場合、ダクトを介してスリーブセグメント26を牽引する作業は、その端部38がダクト内に引き込まれる前に停止され、次に、スリーブセグメント28の端部40が端部38に継ぎ合わされる。その後、セグメント26、28からなる保護スリーブがダクト内に再び引き込まれて、保護スリーブがダクト全体を貫通できるほどの長さになるまで、継ぎ合わせの作業が繰り返される。
【0017】
継ぎ合わせを行う場合、図2に示すように、最初に端部38,40を切りそろえることが望ましく、それにより両端部が直角に整えられて、もつれたりほどけたフィラメントが取り除かれるので、長尺状部材が絡まったり、ダクト内に設置された後に保護スリーブから牽引テープが引っ張られることがない。次に、図3に示すように、リリースライナー12が、スリーブの端部の一方(例:端部40)へ挿入される。リリースライナー12の好適な形状は、スリーブ26,28の平らな形状に合うように平らに折り畳まれたチューブ20である。折り畳まれると、チューブ20は、スリーブセグメント26,28内にはめ込まれてそれらのセグメントをほぼ満たすように寸法が設定された幅24を有する。図4に示すように、チューブ20は、牽引テープ36を取り巻き、牽引テープとスリーブセグメント28の内面42との間に置かれる。チューブ20は、長さが約6インチ(約15.24cm)であることが望ましく、図5に示すように、スリーブセグメントから約1インチ(約2.54cm)出るように端部40内に挿入される。
【0018】
次に、図6に示すように、牽引テープ36は牽引テープ34に結合されて、継ぎ合わされたスリーブセグメント26,28を介して牽引テープがひと続きになる。牽引テープは、結び箇所44により結合されることが望ましく、結び方としては「てぐす結び(fisherman's knot)」や「ダブル ブラッド ノット(double blood knot)」が望ましい。
【0019】
スリーブセグメント28の端部40をスリーブセグメント26の端部38内に挿入するための前処理が行われる。挿入する前に、図7に示すように、後の継ぎ合わせの作業を妨害しないように、牽引テープ34と36を結合する結び箇所44が、セグメント26内に深く挿入されるように注意する。次に、図8に示すように、スリーブセグメント28の端部40が、スリーブセグメント26の端部38内に挿入される。この工程において、可視性の識別要素37を互いに整合させて、それらの識別する特徴(色等)が同じになるように注意する。2つのスリーブセグメントは、初期段階においては約6インチ(約15.24cm)の長さにわたって互いに係合する。
【0020】
初期段階においてセグメントの端部40をセグメントの端部38内に挿入した後で、図9に示すように、セグメント26,28は、係合領域46上で互いに係合するように引き離される。係合領域46は、約3−3.5インチ(約7.62−8.89cm)の所定の長さ48を有する。セグメントを引き離すことにより、チューブ20がセグメント内で平らに配置されて係合領域46が形成される。チューブ20が、係合領域46のどちらかの側を越えて約1インチ(約2.54cm)延びるような長さ22を有することが望ましい。係合領域においては、図10に示すように、スリーブセグメント28の外面50はスリーブセグメント26の内面52に係合し、チューブ20はスリーブセグメント28の内面42に係合する。
【0021】
図9に関して、次に、接着剤プリケータ16を使用して、チューブ20を覆う領域46a上の係合領域46にわたって、スリーブ26、28の間に接着剤14が塗布される。接着剤は、第1及び第2のスリーブを互いに接着するが、チューブ20を構成する無孔性メンブレンに浸透しない。好適な接着剤は、二成分アクリルエポキシ樹脂であって、室温で迅速に硬化し、硬化後の可撓性、高い接合力、様々な流体に対する不活性といった効果を提供する。ポリエチレンビニールアセテートからなるホットメルト接着剤も可能である。
【0022】
接着剤は、係合領域46の領域46aに留まることが望ましく、図11に示すように、スリーブセグメントの間において、平らなスリーブセグメント28の両面に複数のストライプ56状に塗布される。ストライプ56は、スリーブセグメントに平行且つスリーブセグメントの長さ方向に配向することが望ましい。このように配向することにより、スリーブセグメントは、継ぎ合わせを行っても拡張性と可撓性を保つことができる。どちらかのスリーブセグメントを接合して塞いでしまわないように、チューブ20の延長部分を越えて接着剤を塗布しないように注意すべきである(図9参照)。スリーブセグメントの有孔性により、接着剤14はスリーブセグメントの間に流れて、係合領域46の領域46a上でスリーブセグメント26をスリーブセグメント28に接合する。スリーブセグメントの間の接着剤の塗布とスリーブの表面の係合を容易にするために、係合領域に圧力を付与することも有効である。これは、図12に示すようにクランプ58により適宜行われる。接着剤は、係合領域46の領域46aに留まるため、チューブ20によりスリーブセグメント28全体に浸透するのを防止される。チューブ20は防壁として機能して、接着剤がスリーブセグメント26又はスリーブセグメント28を接合して塞いでしまうのを防止する。接着剤は、スリーブセグメントを互いに接着するためだけに使用される。
【0023】
接着剤が硬化すると、図13に示すように、クランプ58が取り外されて、スリーブセグメント26,28を備える保護スリーブがダクトを介して再び牽引される。
本発明による継ぎ合わせキットと、継ぎ合わせる方法は、屋外での継ぎ合わせの作業において、継ぎ合わされたスリーブが開放された状態を維持しつつ、保護スリーブ内に長尺状の部材を挿入できるような、強固なスリーブの継ぎ合わせを確実に行う手段を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるためのキットを構成する部材を示す図。
【図2】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための工程を示す図。
【図3】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための他の工程を示す図。
【図4】図3の4−4線における長手方向の断面図。
【図5】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための別の工程を示す図。
【図6】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための別の工程を示す図。
【図7】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための別の工程を示す図。
【図8】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための別の工程を示す図。
【図9】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための別の工程を示す図。
【図10】図9の10−10線における長手方向の断面図。
【図11】図10の11−11線における断面図。
【図12】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための別の工程を示す図。
【図13】継ぎ合わされた2つのスリーブセグメントから形成された保護スリーブを示す図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリーブの端部を継ぎ合わせるための方法と、そのような継ぎ合わせを行うためのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワーク、送電等に使用されるワイヤ束や光ケーブルといった長尺状の部材の多くは、地中に埋設された保護ダクト内に設置されるか、支柱から張りめぐらされるか、或いは、他のユーティリティ配管やサービス配管と共に建造物内に配置される。そのようなダクトは、その多くが押出成形された可撓性を有するポリマー管であり、長尺状部材を湿気、摩耗、衝撃や他の環境要因から継続的に保護する。
【0003】
そのような長尺状部材を、ダクト内に予め配置された可撓性を有する保護スリーブで覆うことが有効であることは認識されている。保護スリーブは、ダクト内の異なる部材を互いに離間させ整理して、限られたダクト内のスペースをより効率よく使用できるようにする。また、スリーブは、他の長尺状の部材がすでに収納されているダクトを介して、さらに別の長尺状部材を牽引する際に発生する摩擦から長尺状部材を保護する。
【0004】
スリーブは、丈夫なポリマーからなるモノフィラメントから織り合わされていることが望ましく、それにより、スリーブがダクトを介して1マイル(約1.6km)以上の距離にわたって牽引される場合に、比較的高い張力に耐えることができる。そのような保護スリーブが複数ダクト内に設置されることが望ましい。ダクト内のスペースを節約し、ダクトを介してスリーブを容易に牽引するために、スリーブは平らな即ち折り畳まれた形状で配置される。スリーブは可撓性を有するので、外方へ拡張してダクトを介して牽引された長尺状部材を収容する。各スリーブは、予め高い強度を有する牽引テープを内蔵している。ダクト内に長尺状部材を設置することが望ましい場合、長尺状部材はそれらのスリーブのうちの一つの牽引テープの一端に装着され、牽引テープは、スリーブから牽引されて(スリーブはダクト内に保持されている)、共に長尺状部材を牽引する。
【0005】
ダクトが届く十分な長さという点においては、スリーブを配置する長さがダクトの長さを超えるように、保護スリーブの端部を継ぎ合わせることが必要である。ダクトを介して牽引する際に、張力を受けるとスリーブが分離しやすい脆弱な連結部分が、継ぎ合わせにより形成されることを回避するために、継ぎ合わせにはスリーブ自身の引張強度以上の引張強度を有することが望ましい。これに代えて、継ぎ合わせには、ダクトを介して牽引する際にスリーブにより受ける張力を越える引張強度が必要である。いずれにしても、継ぎ合わせにおいて、スリーブが拡張して長尺状部材を収容する能力を妨げてはならないし、スリーブ内の牽引テープの動きを妨げてもいけない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記した懸案を鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、流動性のある接着剤を使用して多孔性スリーブの端部を継ぎ合わせるためのキットに関する。継ぎ合わせを行うために、第1のスリーブの一端の一部が、第2のスリーブの一端内に配置される。これにより、所定の長さにわたって第1のスリーブの外面が第2のスリーブの内面に係合するようになる。接着剤により、所定の長さによって形成された領域内で、スリーブが互いに接合される。キットは、可撓性を有する無孔性のメンブレンからなる。メンブレンは、第1のスリーブ内に配置されて所定の長さにわたって延びる。メンブレンは、接着剤が第1のスリーブに浸透するのを防止する防壁として機能する。そのため、継ぎ合わせにおいてスリーブを接合して塞いでしまうことが回避できる。メンブレンは、第1のスリーブ内に収まるように寸法が設定された長尺状チューブからなることが望ましい。
【0008】
また、本発明は、第1の多孔性スリーブの一端を第2の多孔性スリーブの一端に継ぎ合わせる方法に関し、同方法は、
(A)無孔性のメンブレンを提供する工程と、
(B)同メンブレンを第1の多孔性スリーブの同端内に挿入する工程と、
(C)第1の多孔性スリーブの同端を第2の多孔性スリーブの同端内に挿入して、所定の長さにわたって延びる領域において第1のスリーブの外面を第2のスリーブの内面に係合させる工程と、
(D)メンブレンを覆う部分上の同領域にわたって、第1のスリーブと第2のスリーブとの間に接着剤を塗布する工程とを備え、接着剤は、第1のスリーブと第2のスリーブを互いに接着して、無孔性のメンブレンに浸透しないことを特徴とする。
【0009】
さらに、同方法は、接着剤が塗布される部分に圧力を付与する工程を含む。
これらのスリーブがダクト内の長尺状部材を保護するために使用される場合は、スリーブ内に牽引テープを備えて、スリーブ内に長尺状部材を容易に配置できるようにする。継ぎ合わせる際には、各スリーブはそれぞれに牽引テープを備え、牽引テープは継ぎ合わされる時に互いに結合される必要がある。そのため、一方のスリーブの牽引テープを他方のスリーブの牽引テープに接合する工程と、牽引テープが接着剤によりスリーブの一方に接着されないように、少なくとも一方の牽引テープと接着剤が塗布される部分との間にメンブレンを配置する工程とがさらに必要となる。
【0010】
本発明は、また、交絡された(interlaced)複数のフィラメント状部材から形成された第1のセグメントからなる保護スリーブを備え、第1のセグメントは第1の開放端を有する。可撓性を有する無孔性メンブレンは、第1のセグメントの第1の開放端内に配置される。第2のセグメントは、交絡された複数のフィラメント状部材から形成される。第2のセグメントは第2の開放端を有する。第1のセグメントの第1の開放端は、これらのセグメントの所定の長さにわたって、第1のセグメントの外側の面が第2のセグメントの内側の面を係合するように、第2の開放端内に配置される。接着剤は、これらの外側の面と内側の面との間に溶着される。接着剤は、メンブレンにより形成される部分に留まり、セグメントを互いに接合する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、複数の保護スリーブのセグメントの端部を継ぎ合わせるためのキット10を示す。キット10は、リリースライナー12、接着剤14、及び接着剤プリケータ16を備えることが望ましい。
【0012】
リリースライナー12は、長尺状チューブ20の形状に好適に形成されたほぼ無孔性の可撓性を有するメンブレン18からなる。チューブ20は、以下に詳述する保護スリーブ内にほぼ収まるような長さ22と幅24とを有する。他の形状からなるリリースライナー12も可能であり、例えば、フラットシートや、2つの背中合わせになった層を形成する折り返し面を有するシートであってもよい。リリースライナーを構成する材料は、ほぼ無孔性であるため、防壁として機能して接着剤14が通過するのを防止する。好適な材料には、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートやポリテトラフルオロエチレン等の合成樹脂、ポリプロピレンや他のポリオレフィン等の他のポリマー材料が含まれる。また、接着剤14がリリースライナー12を接合しないことが望ましい。
【0013】
図2−12において、本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせる方法が示される。図2に関して、接合される2個のスリーブのセグメント26,28は、交絡された複数のフィラメント状部材30から好適に形成される。フィラメント状部材は、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等のポリマーから形成されたモノフィラメントであってもよい。交絡とは好適に織り合わせたもので、その織り方により生じた間隙32によりスリーブのセグメント26,28が多孔性を有するようになるため、以下に詳述するように、これらのセグメントが接着剤により接合され得る。しかしながら、継ぎ合わせる方法は、織り合わされたスリーブに限定されないため、他の形状からなる多孔性スリーブもまた、以下に記載される技術を使用して継ぎ合わされ得る。
【0014】
スリーブセグメント26,28は、可撓性を有し、弾性的に付勢されると平らな形状をとる。この形状により、ダクトを介したスリーブの牽引が容易になり、そのスペースが節約できる。スリーブは外方へ拡張して長尺状部材を収容する。
【0015】
また、スリーブセグメント26,28は、それらが継ぎ合わされる前に接合されなければならない牽引テープ34,36をそれぞれ有している。上記したように、保護スリーブがダクト内に設置されると、牽引テープにより、長尺状部材が保護スリーブから牽引され得る。加えて、スリーブセグメント26,28は、それらの長さに沿って延びる可視性の識別要素をそれぞれ有している。識別要素は、異なるスリーブがダクトの対向する端部において互いに区別できるように、色分けされたライン37の形状をなすことが望ましい。
【0016】
継ぎ合わせは、ダクト内に1個以上の保護スリーブを設置する間に行われてもよい。例えば、保護スリーブのセグメント26の長さが不十分でダクト全体を貫通できない場合、ダクトを介してスリーブセグメント26を牽引する作業は、その端部38がダクト内に引き込まれる前に停止され、次に、スリーブセグメント28の端部40が端部38に継ぎ合わされる。その後、セグメント26、28からなる保護スリーブがダクト内に再び引き込まれて、保護スリーブがダクト全体を貫通できるほどの長さになるまで、継ぎ合わせの作業が繰り返される。
【0017】
継ぎ合わせを行う場合、図2に示すように、最初に端部38,40を切りそろえることが望ましく、それにより両端部が直角に整えられて、もつれたりほどけたフィラメントが取り除かれるので、長尺状部材が絡まったり、ダクト内に設置された後に保護スリーブから牽引テープが引っ張られることがない。次に、図3に示すように、リリースライナー12が、スリーブの端部の一方(例:端部40)へ挿入される。リリースライナー12の好適な形状は、スリーブ26,28の平らな形状に合うように平らに折り畳まれたチューブ20である。折り畳まれると、チューブ20は、スリーブセグメント26,28内にはめ込まれてそれらのセグメントをほぼ満たすように寸法が設定された幅24を有する。図4に示すように、チューブ20は、牽引テープ36を取り巻き、牽引テープとスリーブセグメント28の内面42との間に置かれる。チューブ20は、長さが約6インチ(約15.24cm)であることが望ましく、図5に示すように、スリーブセグメントから約1インチ(約2.54cm)出るように端部40内に挿入される。
【0018】
次に、図6に示すように、牽引テープ36は牽引テープ34に結合されて、継ぎ合わされたスリーブセグメント26,28を介して牽引テープがひと続きになる。牽引テープは、結び箇所44により結合されることが望ましく、結び方としては「てぐす結び(fisherman's knot)」や「ダブル ブラッド ノット(double blood knot)」が望ましい。
【0019】
スリーブセグメント28の端部40をスリーブセグメント26の端部38内に挿入するための前処理が行われる。挿入する前に、図7に示すように、後の継ぎ合わせの作業を妨害しないように、牽引テープ34と36を結合する結び箇所44が、セグメント26内に深く挿入されるように注意する。次に、図8に示すように、スリーブセグメント28の端部40が、スリーブセグメント26の端部38内に挿入される。この工程において、可視性の識別要素37を互いに整合させて、それらの識別する特徴(色等)が同じになるように注意する。2つのスリーブセグメントは、初期段階においては約6インチ(約15.24cm)の長さにわたって互いに係合する。
【0020】
初期段階においてセグメントの端部40をセグメントの端部38内に挿入した後で、図9に示すように、セグメント26,28は、係合領域46上で互いに係合するように引き離される。係合領域46は、約3−3.5インチ(約7.62−8.89cm)の所定の長さ48を有する。セグメントを引き離すことにより、チューブ20がセグメント内で平らに配置されて係合領域46が形成される。チューブ20が、係合領域46のどちらかの側を越えて約1インチ(約2.54cm)延びるような長さ22を有することが望ましい。係合領域においては、図10に示すように、スリーブセグメント28の外面50はスリーブセグメント26の内面52に係合し、チューブ20はスリーブセグメント28の内面42に係合する。
【0021】
図9に関して、次に、接着剤プリケータ16を使用して、チューブ20を覆う領域46a上の係合領域46にわたって、スリーブ26、28の間に接着剤14が塗布される。接着剤は、第1及び第2のスリーブを互いに接着するが、チューブ20を構成する無孔性メンブレンに浸透しない。好適な接着剤は、二成分アクリルエポキシ樹脂であって、室温で迅速に硬化し、硬化後の可撓性、高い接合力、様々な流体に対する不活性といった効果を提供する。ポリエチレンビニールアセテートからなるホットメルト接着剤も可能である。
【0022】
接着剤は、係合領域46の領域46aに留まることが望ましく、図11に示すように、スリーブセグメントの間において、平らなスリーブセグメント28の両面に複数のストライプ56状に塗布される。ストライプ56は、スリーブセグメントに平行且つスリーブセグメントの長さ方向に配向することが望ましい。このように配向することにより、スリーブセグメントは、継ぎ合わせを行っても拡張性と可撓性を保つことができる。どちらかのスリーブセグメントを接合して塞いでしまわないように、チューブ20の延長部分を越えて接着剤を塗布しないように注意すべきである(図9参照)。スリーブセグメントの有孔性により、接着剤14はスリーブセグメントの間に流れて、係合領域46の領域46a上でスリーブセグメント26をスリーブセグメント28に接合する。スリーブセグメントの間の接着剤の塗布とスリーブの表面の係合を容易にするために、係合領域に圧力を付与することも有効である。これは、図12に示すようにクランプ58により適宜行われる。接着剤は、係合領域46の領域46aに留まるため、チューブ20によりスリーブセグメント28全体に浸透するのを防止される。チューブ20は防壁として機能して、接着剤がスリーブセグメント26又はスリーブセグメント28を接合して塞いでしまうのを防止する。接着剤は、スリーブセグメントを互いに接着するためだけに使用される。
【0023】
接着剤が硬化すると、図13に示すように、クランプ58が取り外されて、スリーブセグメント26,28を備える保護スリーブがダクトを介して再び牽引される。
本発明による継ぎ合わせキットと、継ぎ合わせる方法は、屋外での継ぎ合わせの作業において、継ぎ合わされたスリーブが開放された状態を維持しつつ、保護スリーブ内に長尺状の部材を挿入できるような、強固なスリーブの継ぎ合わせを確実に行う手段を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるためのキットを構成する部材を示す図。
【図2】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための工程を示す図。
【図3】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための他の工程を示す図。
【図4】図3の4−4線における長手方向の断面図。
【図5】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための別の工程を示す図。
【図6】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための別の工程を示す図。
【図7】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための別の工程を示す図。
【図8】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための別の工程を示す図。
【図9】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための別の工程を示す図。
【図10】図9の10−10線における長手方向の断面図。
【図11】図10の11−11線における断面図。
【図12】本発明による保護スリーブのセグメントを継ぎ合わせるための別の工程を示す図。
【図13】継ぎ合わされた2つのスリーブセグメントから形成された保護スリーブを示す図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性を有する接着剤を使用して多孔性のスリーブの端部を継ぎ合わせるためのキットであって、第1のスリーブの一端の一部は第2のスリーブの一端内に配置され、同第1のスリーブの外面は所定の長さにわたって同第2のスリーブの内面に係合され、同接着剤は、継ぎ合わせを行うために所定の長さに形成された領域内でこれらのスリーブを互いに接合し、同キットは無孔性にして可撓性を有するメンブレンを備え、同メンブレンは同第1のスリーブ内に配置可能であり、所定の長さにわたって延び、同メンブレンは同第1のスリーブに同接着剤が浸透するのを防止する防壁として機能することを特徴とするキット。
【請求項2】
前記メンブレンは前記第1のスリーブ内にほぼ収まるように寸法が設定された長尺状チューブからなる請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記長尺状チューブは前記所定の長さよりも長い請求項2に記載のキット。
【請求項4】
前記メンブレンは合成樹脂からなる請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記メンブレンはポリエチレンテレフタレートからなる請求項1に記載のキット。
【請求項6】
前記流動性を有する接着剤をさらに備える請求項1に記載のキット。
【請求項7】
接着剤アプリケータをさらに備える請求項6に記載のキット。
【請求項8】
第1の多孔性スリーブの一端を第2の多孔性スリーブの一端に継ぎ合わせる方法であって、
無孔性のメンブレンを提供する工程と、
同メンブレンを同第1の多孔性スリーブの同端内に挿入する工程と、
同第1の多孔性スリーブの同端を同第2の多孔性スリーブの同端内に挿入して、所定の長さにわたって延びる領域において同第1のスリーブの外面を同第2のスリーブの内面に係合させる工程と、
同メンブレンを覆う部分上の同領域全体において、同第1のスリーブと同第2のスリーブとの間に接着剤を塗布する工程とを備え、同接着剤は、同第1のスリーブと同第2のスリーブとを互いに接着し、同無孔性のメンブレンに浸透しないことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記部分に圧力を付与する工程をさらに有する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、第1の牽引テープは前記第1のスリーブ内に配置され、第2の牽引テープは前記第2のスリーブ内に配置されることと、
同第1の牽引テープを同第2の牽引テープに結合する工程と、
前記メンブレンをこれらの牽引テープの少なくとも一方と接着剤が塗布されている前記部分との間に配置する工程とをさらに有する方法。
【請求項11】
前記挿入工程に先だって、前記第1のスリーブと前記第2のスリーブの端部を切断する工程をさらに有する請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のスリーブと前記第2のスリーブはそれぞれの長さ方向に延びる可視性の識別要素を有し、前記第1のスリーブの同識別要素を前記第2のスリーブの同識別要素に整合させる工程をさらに有する請求項8に記載の方法。
【請求項13】
交絡された複数のフィラメント状部材から形成された第1のセグメントと、同第1のセグメントは第1の開放端を有することと、
同第1の開放端内に配置された無孔性にして可撓性を有するメンブレンと、
交絡された複数のフィラメント状部材から形成された第2のセグメントと、同第2のセグメントは第2の開放端を有することと、同第1のセグメントの外側の面は同第2のセグメントの内側の面をこれらのセグメントの所定の長さにわたって係合するように、同第1の開放端は同第2の開放端内に配置されることと、
同外側の面と同内側の面との間に溶着された接着剤と、同接着剤は同メンブレンにより形成される部分に留まって、これらのセグメントを互いに接合することとを特徴とする保護スリーブ。
【請求項14】
前記フィラメント状部材は織り合わされて交絡される請求項13に記載の保護スリーブ。
【請求項15】
前記フィラメント状部材はモノフィラメントからなる請求項13に記載の保護スリーブ。
【請求項16】
前記フィラメント状部材は、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンから選択された材料から形成される請求項13に記載の保護スリーブ。
【請求項17】
前記メンブレンは、前記第1のセグメント内にほぼ同軸上に配置された長尺状チューブからなる請求項13に記載の保護スリーブ。
【請求項18】
前記長尺状チューブは前記所定の長さよりも長い請求項17に記載の保護スリーブ。
【請求項1】
流動性を有する接着剤を使用して多孔性のスリーブの端部を継ぎ合わせるためのキットであって、第1のスリーブの一端の一部は第2のスリーブの一端内に配置され、同第1のスリーブの外面は所定の長さにわたって同第2のスリーブの内面に係合され、同接着剤は、継ぎ合わせを行うために所定の長さに形成された領域内でこれらのスリーブを互いに接合し、同キットは無孔性にして可撓性を有するメンブレンを備え、同メンブレンは同第1のスリーブ内に配置可能であり、所定の長さにわたって延び、同メンブレンは同第1のスリーブに同接着剤が浸透するのを防止する防壁として機能することを特徴とするキット。
【請求項2】
前記メンブレンは前記第1のスリーブ内にほぼ収まるように寸法が設定された長尺状チューブからなる請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記長尺状チューブは前記所定の長さよりも長い請求項2に記載のキット。
【請求項4】
前記メンブレンは合成樹脂からなる請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記メンブレンはポリエチレンテレフタレートからなる請求項1に記載のキット。
【請求項6】
前記流動性を有する接着剤をさらに備える請求項1に記載のキット。
【請求項7】
接着剤アプリケータをさらに備える請求項6に記載のキット。
【請求項8】
第1の多孔性スリーブの一端を第2の多孔性スリーブの一端に継ぎ合わせる方法であって、
無孔性のメンブレンを提供する工程と、
同メンブレンを同第1の多孔性スリーブの同端内に挿入する工程と、
同第1の多孔性スリーブの同端を同第2の多孔性スリーブの同端内に挿入して、所定の長さにわたって延びる領域において同第1のスリーブの外面を同第2のスリーブの内面に係合させる工程と、
同メンブレンを覆う部分上の同領域全体において、同第1のスリーブと同第2のスリーブとの間に接着剤を塗布する工程とを備え、同接着剤は、同第1のスリーブと同第2のスリーブとを互いに接着し、同無孔性のメンブレンに浸透しないことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記部分に圧力を付与する工程をさらに有する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、第1の牽引テープは前記第1のスリーブ内に配置され、第2の牽引テープは前記第2のスリーブ内に配置されることと、
同第1の牽引テープを同第2の牽引テープに結合する工程と、
前記メンブレンをこれらの牽引テープの少なくとも一方と接着剤が塗布されている前記部分との間に配置する工程とをさらに有する方法。
【請求項11】
前記挿入工程に先だって、前記第1のスリーブと前記第2のスリーブの端部を切断する工程をさらに有する請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のスリーブと前記第2のスリーブはそれぞれの長さ方向に延びる可視性の識別要素を有し、前記第1のスリーブの同識別要素を前記第2のスリーブの同識別要素に整合させる工程をさらに有する請求項8に記載の方法。
【請求項13】
交絡された複数のフィラメント状部材から形成された第1のセグメントと、同第1のセグメントは第1の開放端を有することと、
同第1の開放端内に配置された無孔性にして可撓性を有するメンブレンと、
交絡された複数のフィラメント状部材から形成された第2のセグメントと、同第2のセグメントは第2の開放端を有することと、同第1のセグメントの外側の面は同第2のセグメントの内側の面をこれらのセグメントの所定の長さにわたって係合するように、同第1の開放端は同第2の開放端内に配置されることと、
同外側の面と同内側の面との間に溶着された接着剤と、同接着剤は同メンブレンにより形成される部分に留まって、これらのセグメントを互いに接合することとを特徴とする保護スリーブ。
【請求項14】
前記フィラメント状部材は織り合わされて交絡される請求項13に記載の保護スリーブ。
【請求項15】
前記フィラメント状部材はモノフィラメントからなる請求項13に記載の保護スリーブ。
【請求項16】
前記フィラメント状部材は、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンから選択された材料から形成される請求項13に記載の保護スリーブ。
【請求項17】
前記メンブレンは、前記第1のセグメント内にほぼ同軸上に配置された長尺状チューブからなる請求項13に記載の保護スリーブ。
【請求項18】
前記長尺状チューブは前記所定の長さよりも長い請求項17に記載の保護スリーブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−538202(P2007−538202A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533052(P2006−533052)
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/015074
【国際公開番号】WO2004/102057
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(503170721)フェデラル−モーグル パワートレイン インコーポレイテッド (32)
【氏名又は名称原語表記】Federal−Mogul Powertrain, Inc.
【住所又は居所原語表記】26555 Northwestern Highway, Southfield, Michigan 48034, U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/015074
【国際公開番号】WO2004/102057
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(503170721)フェデラル−モーグル パワートレイン インコーポレイテッド (32)
【氏名又は名称原語表記】Federal−Mogul Powertrain, Inc.
【住所又は居所原語表記】26555 Northwestern Highway, Southfield, Michigan 48034, U.S.A.
【Fターム(参考)】
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