説明

スロットル弁及び製作方法

弁が流体通路及び開口部を備えた本体と、シャフト及びシャフトに結合されたプレートを含むシャフト・プレート組立体と、開口部を覆った状態で本体に固定されたカバーとを有する。カバーは、シャフト・プレート組立体のシャフトを受け入れるシャフトボアを有する。シャフト・プレート組立体は、流体通路内で回転可能である。弁の製作方法が流体通路及び開口部を備えた本体を用意するステップと、シャフト及びシャフトに結合されたプレートを含むシャフト・プレート組立体を用意するステップと、シャフトボアを有するカバーを用意するステップとを有する。この方法は、シャフト・プレート組立体のシャフトをシャフトボア中に挿入するステップと、開口部を介してシャフト・プレート組立体のプレートを流体通路内に位置決めするステップと、カバーを本体に固定するステップとを更に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
トラック業界では、排気スロットル弁の設計例は、幾つかの異なる用途で使用される。
【背景技術】
【0002】
例えば、排気スロットル弁設計例の中には、エンジンブレーキ用の(車両を制動するためにエンジンを負荷降下(load down)させるよう背圧を増大させる)ものがあれば、排気分流又はエンジン排気バンク釣り合わせ、又は過給機過剰圧力管理用のものもあり、更に、排気ガスエミッション軽減装置の熱管理用のものもある。これらスロットル弁は、典型的には、従来型スロットルプレート設計を有し、このようなスロットルプレート設計では、スロットルプレートを支持したシャフトは、ボア内でのシャフト位置に応じて流量調整器として働く。一般に、これらの弁は全て、シングルピース(一体構成)型スロットル本体設計のものであり、プレートは、スロットル装置の入口又は出口ポートを通ってシャフトに組み付けられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
弁について説明する。一実施形態では、弁は、流体通路及び開口部を備えた本体と、シャフト及びシャフトに結合されたプレートを含むシャフト・プレート組立体と、開口部を覆った状態で本体に固定されたカバーとを有する。カバーは、シャフト・プレート組立体のシャフトを受け入れるシャフトボアを有する。シャフト・プレート組立体は、流体通路内で回転可能である。
【0004】
少なくとも1つの実施形態では、弁の製作方法が提供される。この方法は、流体通路及び開口部を備えた本体を用意するステップと、シャフト及びシャフトに結合されたプレートを含むシャフト・プレート組立体を用意するステップと、シャフトボアを有するカバーを用意するステップとを有する。この方法は、シャフト・プレート組立体のシャフトをシャフトボア中に挿入するステップと、開口部を介してシャフト・プレート組立体のプレートを流体通路内に位置決めするステップと、カバーを本体に固定するステップとを更に有する。
【0005】
例示の実施形態の十分な理解を容易にするために、次に添付の図面を参照する。これら図は、本発明を限定するものと解釈されてはならず、例示であるに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】例示の実施形態としてのスロットルプレート組立体の斜視図である。
【図2】例示の実施形態としてのスロットル弁の斜視図である。
【図3】カバーが取り外された状態の例示の実施形態としてのスロットル弁の斜視図である。
【図4】カバーが取り外された状態の例示の実施形態としてのスロットル弁の斜視図である。
【図5】例示の実施形態としてのカバー・スロットルプレート組立体の組立て分解図である。
【図6】カバーが取り外され、スロットルプレート組立体が挿入された状態の例示の実施形態としてのスロットル弁の上面図である。
【図7】スロットル弁の図6の7‐7線矢視断面図である。
【図8】例示の実施形態としてのスロットル弁の図である。
【図9】例示の実施形態としてのスロットル弁の図である。
【図10】例示の実施形態としてのスロットル弁の図である。
【図11】例示の実施形態としてのスロットル弁の図(A,B,C,D)である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明は、スロットル弁又は絞り弁を含む多くの特定の実施形態及び細部を提供することによって実施形態の完全な理解を提供しようとするものである。しかしながら、本発明は、例示に過ぎないこれらの実施形態及び細部には限定されないことはいうまでもない。さらに、当業者であれば、公知の装置、システム及び方法に照らして、任意の数の変形実施形態において本発明の使用をその意図した目的及び利点に関し理解するであろうことはいうまでもない。
【0008】
一般に、例示の実施形態のスロットル弁は、スロットル本体及びカバーを備えたツーピース(二部品構成)型スロットル本体設計例及び特徴的なシングルピーススロットルシャフト/プレートを有している。この種のツーピーススロットル本体組立体は、例えばスロットルプレートが大きく、しかもアクセスが入口及び出口ポートを介する見通し線内にない場合、従来型弁組立体と比較して利点を提供することができる。例示の実施形態は、入口及び出口の幾何学的形状をアクチュエータとは別個独立にすることができるので、従来型弁組立体と比較して追加の利点を提供することができる。
【0009】
図2及び図7を参照すると、例示の実施形態では、スロットル弁100は、通路220を備えたスロットル本体/マニホルド200を有し、通路220は、少なくとも1つの流体入口222及び少なくとも1つの流体出口224を提供する。例示の実施形態では、スロットル本体/マニホルド200は、多数の入口222及び多数の出口224を提供する多数の通路220を有するのが良い。通路220は、ハブ240を目がけて収斂し、このハブのところで、回転式スロットルプレート組立体400は、通路220相互間の流体流量を選択的に制御する。
【0010】
図2〜図4を参照すると、例示の実施形態では、スロットル本体/マニホルド200は、ハブ240のところに、開口部210及び開口部を覆うカバー300を有している。開口部210は、通路220内へのスロットルプレート組立体400の挿入を可能にするほど十分な任意適当な寸法形状のものであって良い。例えば、図6を参照すると、開口部は、スロットルプレート部分410の幅よりも大きな直径を有する全体として円形の開口部であるのが良い。
【0011】
例示の実施形態では、カバー300が開口部210を封止するために設けられている。例示の実施形態では、カバー300を永続的又は一時的にスロットル本体/マニホルド200に取り付けることができる。例えば、図2〜図4を参照すると、カバー300は、スロットル本体/マニホルド200に設けられた締結フランジ260と対応関係をなして接合される締結フランジ310を有するのが良い。1つ又は2つ以上の締結具340が対応の締結フランジ310,320を互いに接合することができる。オプションとして、カバー300とスロットル本体/マニホルド200との間にシール320を設けるのが良く、それにより密封面が提供される。他の適当な締結手段、例えば溶接、圧力嵌め、嵌合切欠き/溝組立体、接着剤による取り付け、圧着、オービタルフォーミング(orbital forming)等(上述の手段の組み合わせを含む)を用いてもカバー300とスロットル本体/マニホルド200を接合することができる。
【0012】
例示の実施形態では、カバー300は、通路220の1つ又は2つ以上の少なくとも一部をなすことができる内面302を有する。例えば、図7を参照すると、カバー300の内面302は、通路220の上側部分を形成するよう湾曲している。一実施形態では、スロットルプレート410の内面302は、カバー300の内面302の少なくとも一部に対してシールを形成することができる。
【0013】
例示の実施形態では、カバー300は、スロットルプレート組立体400を弁100内に位置合わせすると共に/或いは保持する1つ又は2つ以上の特徴部を有するのが良い。種々の実施形態では、カバー300は、スロットルプレート組立体400のシャフト420の着座面の一部をなす。
【0014】
例えば、再び図7を参照すると、カバー300は、シャフト420の少なくとも一部分を受け入れるシャフトボア330を有している。種々の実施形態では、ハウジング又は支承体332がシャフトボア330とシャフト420との間に設けられるのが良い。
図1を参照すると、種々の例示の実施形態では、スロットルプレート組立体400は、シャフト部分420及びプレート部分410を有している。例示の実施形態では、スロットルプレート部分410とスロットルシャフト部分420は、互いに一体である。他の実施形態では、スロットルプレート部分410とシャフト部分420は、別々に形成され、次に互いに接合される。シャフト部分420は、一般に、スロットルプレート410の回転軸線を提供する。種々の実施形態では、シャフト部分420は、ほぼスロットルプレート410の中心線のところに設けられるのが良い。他の実施形態では、シャフト420は、スロットルプレート410の中心線からオフセットするのが良く、それによりオフセンタ回転軸線が提供される。回転軸線がスロットルプレート410に対してオフセンタである場合、例えばスロットルプレート410を開放又は閉鎖位置に付勢するようアンバランスな力を達成することができる。
【0015】
例示の実施形態では、スロットルプレート410は、このスロットルプレートを通路220内で回転させることができる任意適当な形状のもので良く、このようなスロットルプレートは、本明細書において説明するように通路220の幾つかの部分とシールを構成する。スロットルプレート組立体400又はその任意の部分は、任意適当な材料、例えばアルミニウム、鋳鉄、ステンレス鋼、プラスチック等で構成可能である。スロットルプレート410は、必要に応じて又は所望ならば、必要な又は所望の構造特性又は流体流れ特性を提供するよう種々の他の輪郭又は装置を有することができる。例えば、スロットルプレート410は、スロットルプレート410が閉鎖位置にあるとき、較正された漏れを生じさせる1つ又は2つ以上の孔を有するのが良く、又はプレート410周りに所望の線形又は非線型流れ特性を提供するようシャフト部分寄りにリブを有するのが良い。
【0016】
種々の例示の実施形態では、スロットルプレート組立体400は、スロットル本体200に回転可能に結合される。例えば、スロットルプレート410は、このスロットルプレート410が開放位置と、スロットルプレート410が実質的に流体の流れを遮断する閉鎖位置との間で回転することができ或いは第1の位置と第2の位置との間で回転することができるようスロットル本体/マニホルド200に結合されるのが良い。閉鎖位置では、スロットルプレート410は、スロットルプレート410と通路220との間の流体の流れを阻止するようスロットル本体通路220の1つ又は2つ以上の表面に対してシールを構成するよう形作られるのが良い。例えば、スロットルプレート410は、通路220の表面と周方向シール、アンギュラー又は傾斜シール、面シール(端面シールともいう)等(上記シールの組み合わせを含む)を構成するよう形作られるのが良い。
【0017】
図5を参照すると、スロットルプレート組立体400は、このスロットルプレート組立体400を使用中保持するスロットル本体/マニホルド200及び/又はカバー300に結合されるのが良い。例えば、シャフト部分420は、カバー300のシャフトボア330内に受け入れられるのが良い。下側付属部440が下側ブッシュ450に結合されるのが良く、下側ブッシュは、スロットル本体/マニホルド200に設けられたボア250(図4に示されている)内に嵌め込まれるのが良い。
【0018】
種々の例示の実施形態では、スロットルプレート410の輪郭形状は、スロットルプレートがスロットル本体通路220内で回転すると共に通路220の1つ又は2つ以上の表面に対してシールを形成することができるほどの任意適当な形状のものであって良い。図1を参照すると、例示の実施形態では、シングルピース型スロットルプレート410は、第1のプレートチーク412及び第2のプレートチーク414を備えた扁平なプレートであるのが良く、これらチーク412,414は、全体としてシャフト420周りに同一平面内に位置している。通路220の内面が非対称であり又は異形である場合、スロットルプレート410は、流れ損失及び乱流を減少させるためにスロットル本体通路220の内部輪郭を辿る特徴的な形状を有するのが良い。例えば、スロットルプレート410は、対称の形状を有しても良く、非対称の形状を有しても良い。例示の実施形態では、スロットルプレート410は、円形、長円形、多角形、心臓形、腎臓形、卵形又は通路220の隣接の表面とシールをなすのに適した任意形状のもので良い。
【0019】
図9を参照すると、種々の例示の実施形態では、シングルピース形スロットルプレート410は、例えば第1のプレートチーク412と第2のプレートプレート414がシャフト420回りに約90°から約180°までの角度をなす場合、山形又は傾斜した形状に鋳造されるのが良い。別の例示の実施形態では、スロットルプレート410は、第2のプレートチーク414に平行であるがこれからオフセットしている第1のプレートチーク412を有するのが良い。山形又はオフセットスロットルプレート410は、弁100内に特徴的な所定の流れパターンをもたらすことができる。例えば、山形形態は、例えば弁が閉鎖位置にあるとき、一定の漏れを生じさせるよう一方向流れ弁で用いられるのが良い。変形例として、図9に示されているように、山形又はオフセットスロットルプレート410は、例えば多数の収斂している又は広がっている通路相互間の流量を制御するようマルチフロー型通路(multi-flow passage)に使用できる。
【0020】
例示の実施形態では、スロットプレート410は、厚さが変化しているスロットルプレート410であっても良い。例えば、図8を参照すると、例示のスロットルプレート410は、近位厚さ(シャフト420に隣接したところの厚さ)及び近位厚さよりも大きな遠位厚さ(縁部に隣接したところの厚さ)を有する1又は2以上のチークを有しても良い。別の例示のスロットルプレート410は、遠位厚さよりも大きな近位厚さを有する1つ又は2つ以上のチークを有しても良い。例示のスロットルプレート410は、上記の任意の組み合わせを有しても良いことが解る。
【0021】
図8に示されているように、例示のV字形プレートは、遠位厚さよりも大きな近位厚さを備えた第1のチーク412及び近位厚さよりも大きな遠位厚さを備えた第2のチーク414を有しても良い。厚さが変化しているV字形スロットルプレート410を提供することは、スロットルプレート410が当初シャフト40回りに回転しているときにスロットルプレート410周りの流量を良好に制御するのに役立つことが可能である。
【0022】
種々の例示の実施形態では、スロットルプレート410及び通路220の1つ又は2つ以上は、スロットルプレート410が回転しているときに弁100を通る動的流体流れを最適化するよう構成されるのが良い。例えば、図10を参照すると、例示の実施形態では、通路220は、スロットルプレート410の縁に隣接して少なくとも1つの異形表面230を有するのが良い。スロットルプレート420が当初、その閉鎖位置からその開放位置に向かって例えばほぼ20°の初期回転角度にわたり回転しているとき、スロットルプレート410の縁と異形表面230との間の隙間は、実質的に一定のままであり、又は変化するとしてもほんの僅かに過ぎず、それにより圧力の変化を小さくなり、しかもスロットルプレート410周りの流れが制限される。例示の実施形態では、異形表面230は、円形の輪郭形状を有するよう形作られるのが良く、この場合、スロットルプレート410の遠位縁と異形表面230との間の距離は、比較的一定のままであり、それによりスロットルプレート410の或る特定の回転範囲に関して流れをなくすことができ、又は一定の流れを生じさせることができる。別の例示の実施形態では、異形表面230は、放物線の輪郭形状を有するよう形作られるのが良く、それにより、スロットルプレート410の遠位縁と異形表面230との間の距離は、例えば正確な流量の調整を可能にするようスロットルプレート410の或る特定の回転範囲にわたりほんの僅かしか変化しないようになっている。異形表面230は、スロットルプレート410の一方又は両方のチーク(412,414)に隣接して設けられるのが良い。
【0023】
例示の実施形態ではスロットルプレート組立体400は、スロットルプレート組立体400がスロットル本体200内で軸方向に動くのを制限する或る特定の特徴部を有するのが良い。例えば、図1及び図7を参照すると、スロットルプレート組立体400は、肩430を有するのが良く、この肩は、スロットル本体200又はカバー300に設けられた対応の構造体と協働してスロットルプレート組立体400がスロットル本体200内で軸方向に動くのを阻止することができる。スロットルプレート組立体400の軸方向運動を制限することによって、スロットルプレート410と弁200内の通路220との摩擦を減少させることができる。これとは逆に、スロットルプレート組立体400の軸方向運動を可能にすることは、熱膨張する部品の相互干渉を回避するのに役立つことが可能である。スロットルプレート組立体400の軸方向運動は、特定のスロットル弁設計に合うよう必要に応じて又は所望に応じて調節できる。
【0024】
幾つかの実施形態では、側方漏れ(即ち、シャフト420周りの漏れ)を一段と減少させるために追加のシャフト封止手段を用いるのが良い。例えば、特に高温用途においてシャフト部分420周りにラビリンスシール、ばね付勢軸方向シール、半径方向封止リング(ピストンリング)等を設けるのが良い。幾つかの実施形態では、特に300℃を下回る用途の場合、ばね又はエラストマー付勢テフロン(Teflon(登録商標))を利用したシャフトシールを用いると、シャフト420周りの側方漏れを減少させることができる。
【0025】
図11(A)〜図11(D)を参照すると、例示の実施形態では、スロットル弁100は、直立及び/又は並列に配置された多数の通路220及び/又はスロットルプレート組立体400を有するのが良い。例えば、図11(B)〜図11(D)は、それぞれ、並列に配置された2つ、3つ及び4つの通路220を備えた例示のスロットル本体220を示している。理解されるように、多数の通路220及び/又はスロットルプレート組立体400の各々は、上述した特徴とほぼ同じ特徴を有するのが良い。
【0026】
例示の実施形態では、弁100の作動は、任意適当な手段によって達成できる。例えば、弁100を電気的、油圧的又は機械的手段によって駆動させることができる。例示の実施形態では、弁100を一体形アクチュエータによって駆動させるのが良く、或いは遠隔アクチュエータによって駆動させることができる。例示のアクチュエータが米国特許第7,591,245号明細書及び同第7,658,177号明細書に記載されており、これら米国特許を参照により引用し、これらの開示内容全体を本明細書の一部とする。当業者であれば、本明細書において説明する実施形態に使用するのに適当な種々の作動手段を認識されよう。
【0027】
図5及び図7を参照すると、種々の実施形態では、アクチュエータは、アクチュエータ結合リンク機構体350によりスロットルプレート組立体400に結合されている。アクチュエータ結合リンク機構体は、アクチュエータをスロットルプレート組立体400に直接的に又は間接的に結合するのに適したリンク装置であればどのようなものであっても良い。例えば、アクチュエータ結合リンク機構体350は、例えばねじ締結具等によりシャフト410に締結されたアームであって良い。
【0028】
例示の実施形態では、スロットル弁100を製作する方法が、貫通した通路を有するスロットル本体200を用意するステップを有する。スロットル本体200を形成するのに適した方法であればどのような方法によってもスロットル本体200を作ることができる。例示の方法は、スロットル本体200に開口部210を設けるステップを有する。開口部は、スロットルプレート組立体400及び/又はスロットルプレート410をスロットル本体の通路220の開口部中に挿入することができるような所定の寸法形状並びに形態を有する。例示の実施形態では、このスロットルプレート410をスロットル本体の開口部から通路内に挿入するステップを有する。カバー300をスロットル本体200に取り付けて開口部210を封止すると共にスロットルプレート組立体410の軸方向運動を阻止するのが良い。
【0029】
例示の実施形態では、シングルピース型スロットルプレート組立体400は、任意適当な製作方法を用いて製作できる。例えば、スロットルプレート組立体400を製作するのに、鍛造法、砂型鋳造法、インベストメント鋳造法又はビレット機械加工法を用いて製作できる。例示の製作方法では、粗仕上げワンピース型加工物を鋳造しても良い。次に、鋳造スロットルシャフト/プレートを機械加工して例えばツーピース型スロットル本体200内におけるスロットルプレート組立体400の心出しを保証する或る特定の特徴部、ジャーナル及び軸方向端停止部を形作るのが良い。例えば、粗仕上げ鋳造部品は、総形研削、心なし研削、オンセンタ研削、ハードマシニング(hard machining)、ワイヤ放電加工(EDM)又はプランジEDM法を用いて製作できる。当業者であれば理解されるように、本明細書において説明した特徴部を有するスロットルプレート組立体400をもたらすよう利用できる種々の方法の存在を理解されよう。
【0030】
例示の実施形態では、スロットル弁100の組立ては、従来型空気弁の組立てと比較して単純化できる。例えば、大抵の従来型弁は、シャフトをシャフトボア中に挿入し、スロットルプレートを通路の1つの中に挿入し、そしてシャフトとスロットルプレートを通路内で組み立てることによって組み立てられている。例示の実施形態では、スロットルプレート組立体400をスロットル本体/マニホルド200の開口部210中に挿入し、そしてスロットル本体/マニホルド200に設けられているボア250内に嵌め込むだけで良い。次に、カバー300を、例えば締結フランジ340,260を互いに接合又は嵌合することによってスロットル本体/マニホルド200に接合することができる。また、この単純化された組立て方法により、スロットルプレート410及び通路220について設計上の高い融通性が得られる。例えば、スロットルプレート420のサイズは、必ずしもハブ240の上流側又は下流側の通路220のサイズによって制限されることはない。スロットルプレート420及び通路220は、開口部210及びスロットルプレート420に隣接して位置する通路220の一部分がスロットルプレート420を通路220内に挿入してこれを回転させることができるよう構成されている限り、任意適当な寸法形状のものであって良い。
【0031】
上述の説明において、添付の図面を参照して種々の実施形態を説明した。しかしながら、以下の特許請求の範囲に記載された例示の実施形態に示された本発明の広い範囲から逸脱することなく、これら実施形態の種々の改造例及び変更例を想到できると共に追加の実施形態を具体化できることは明らかであろう。したがって、明細書及び図面の記載は、本発明を限定するものではなく、例示であると見なされるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体通路及び開口部を有する本体と、
シャフトと該シャフトに結合されたプレートとを有するシャフト・プレート組立体と、
前記本体に固定され前記開口部を覆うカバーであって、前記シャフト・プレート組立体の前記シャフトを受け入れるシャフトボアを有するカバーと、を備え、
前記シャフト・プレート組立体は、前記流体通路内で回転可能である、
ことを特徴とする弁。
【請求項2】
前記シャフト・プレート組立体は、一体構造のものである、
請求項1記載の弁。
【請求項3】
前記プレートは、扁平である、
請求項1記載の弁。
【請求項4】
前記プレートは、V字形である、
請求項1記載の弁。
【請求項5】
前記プレートは、前記プレートの周囲に設けられた少なくとも1つの輪郭を有する、
請求項1記載の弁。
【請求項6】
前記プレートは、少なくとも1つの開口部を有する、
請求項1記載の弁。
【請求項7】
前記プレートは、模様付きである、
請求項1記載の弁。
【請求項8】
前記プレートは、前記プレートの周囲に設けられたシールを有する、
請求項1記載の弁。
【請求項9】
前記シャフト・プレート組立体を回転させるアクチュエータを更に有する、
請求項1記載の弁。
【請求項10】
前記シャフトは、前記プレートの中心線からオフセットしている、
請求項1記載の弁。
【請求項11】
前記シャフトは、前記プレートの中心線上に心出しされている、
請求項1記載の弁。
【請求項12】
前記カバーは、前記流体通路の一部である内面を有する、
請求項1記載の弁。
【請求項13】
前記弁は、スロットル弁である、
請求項1記載の弁。
【請求項14】
弁の製作方法であって、
流体通路及び開口部を備えた本体を用意するステップと、
シャフト及び前記シャフトに結合されたプレートを含むシャフト・プレート組立体を用意するステップと、
シャフトボアを有するカバーを用意するステップと、
前記シャフト・プレート組立体の前記シャフトを前記シャフトボア中に挿入するステップと、
前記開口部を介して前記シャフト・プレート組立体の前記プレートを前記流体通路内に位置決めするステップと、
前記カバーを前記本体に固定するステップと、を備えている、
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記シャフト・プレート組立体は、一体構造のものである、
請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記プレートは、扁平である、
請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記プレートは、V字形である、
請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記プレートは、前記プレートの周囲に設けられた少なくとも1つの輪郭を有する、
請求項14記載の方法。
【請求項19】
前記プレートは、少なくとも1つの開口部を有する、
請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記プレートは、模様付きである、
請求項14記載の方法。
【請求項21】
前記プレートは、前記プレートの周囲に設けられたシールを有する、
請求項14記載の方法。
【請求項22】
前記シャフト・プレート組立体を回転させるアクチュエータを更に有する、
請求項14記載の方法。
【請求項23】
前記シャフトは、前記プレートの中心線からオフセットしている、
請求項14記載の方法。
【請求項24】
前記シャフトは、前記プレートの中心線上に心出しされている、
請求項14記載の方法。
【請求項25】
前記カバーは、前記流体通路の一部である内面を有する、
請求項14記載の方法。
【請求項26】
前記プレートは、前記シャフトが前記シャフトボア中に挿入される前に前記開口部を通って前記流体通路内に位置決めされる、
請求項14記載の製作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11(A)】
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【図11(B)】
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【図11(C)】
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【図11(D)】
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【公表番号】特表2012−524229(P2012−524229A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507322(P2012−507322)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/031766
【国際公開番号】WO2010/123913
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(501402947)インターナショナル エンジン インテレクチュアル プロパティー カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー (69)
【Fターム(参考)】