説明

セキュリティ機構とその使用及びその製造方法

本発明はセキュリティ構造に関し、これは金属粒子及び/又は金属ナノ粒子からなるインクから形成され、生成され、印刷される。好ましくはセキュリティ構造は反射型セキュリティ構造であり、これは金属ナノ粒子を含み、この金属ナノ粒子を包含するインクを用いて直接描画処理、例えばインクジェット印刷処理によって形成される。本発明はこれらのセキュリティ構造の様々な用途における使用法及びセキュリティ構造の製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ機構とその使用、及びセキュリティ機構の製造方法に関する。特に本発明は、反射型であり、好ましくは少なくとも部分的には金属粒子(好ましくは金属ナノ粒子)から形成されたセキュリティ機構に関する。本発明はそれらのセキュリティ機構を製造する方法にも関し、特に、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子包含インクを用いる反射型セキュリティ機構を印刷する方法に関する。
【0002】
関連出願の参照
本特許出願は、係属出願中の米国特許出願第60/643,577号(2005年1月14日)から優先権を主張しており、その全体が本明細書に参照により組み込まれている。
【発明の背景】
【0003】
最近のカラーコピー及び印刷の進歩は、紙幣などの有価書類の偽造を防ぐために新たな方法を開発することの重要性をますます深刻化させている。様々な技術が開発されているが、関心を高める一つの分野は、特にカラー複写機や印刷機では容易に複製できないセキュリティ機構の開発である。
【0004】
このような試みの一つは、視覚的にその複製から識別できる印刷イメージを形成するインクを処方することである。例えば米国特許第5,059,245号、第5,569,535号、及び第4,434,010号(これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれている)は、積層した薄いフィルムプレートレット又は薄片の使用を開示している。そのような色素で生成された画像は角度的な分節製を呈するので、その色は視たときの角度に応じて変化する。これらの色素は例えば紙幣に用いられる防犯インクに既に採用されている。これらの色素はプラスチック用途にも採用されている(例えばPCT公報第WO00/24580号、2000年5月4日付で公開を参照)。付加的なインク及びセキュリティ機構は米国特許第4,705,356号,第4,779,898、第5,278,590号、第5,766,738号、及び第6,114,018号に開示されており、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0005】
米国特許第6,013,307号(その全体が参照により本明細書に組み込まれている)は、単独の色素又は少なくとも二つの色素の混合体を含有する印刷インクを開示しており、これは二つの規定された種類の照明下で、処方インクと参照インクとの間に大きな潜在的分節性を生じさせる目的で処方されている。原イメージは、その複製と比較して視覚的に明瞭に差異を特定できるものとして説明されている。
【0006】
機密文書の生成に用いられている他の試みは、「隠匿」イメージを形成することであり、これは裸眼では視認できないが、特定の条件化では視認可能となる材料を包含しており、一定の条件の下で目に見えるようにすることができる。例えば、米国特許第5,324,567号,5,818,754号、第5,718,754号、及び第5,853,464号はラマン活性化合物の使用を開示している。
【0007】
米国特許第5,944,881号及び第5,980,589号は、インクに用いることができる蛍光材料を説明している。また、米国特許第4,504,084号は、少なくとも部分的に不透明であるか、又は赤外光線下で視認可能な第1のカラーと、可視スペクトル下では第1のカラーを隠すが、赤外線に対しては不可視である第2のカラーとからなる情報マーキングを包含する書類を開示している。
【0008】
化学物質にさらされると変化するインクも機密文書に用いられている。例えば米国特許第5,720,801号、第5,498,283号及び第5,304,587号は、印刷されたときは不可視であり、退色するに従って色が発現するインク組成を開示している。
【0009】
これらの試みは印刷イメージを複製することを困難にしてはいるが、カラー複写機及びカラー印刷における開発は更に進められている。従って依然としてイメージを生成する方法、特に機密文書のために、容易に複製できず、且つその複製から視覚的に識別できる方法を与える必要性がある。
【0010】
更に、可変な情報、例えば、シリアルナンバーなどの特定の製品ユニットを簡単又は容易に複製又は複写することができない可変な情報として識別する情報を表示するセキュリティ機構を形成する能力を提供する必要性もある。可変情報を表示させるセキュリティ機構を形成し、且つ商業的に許容可能な程度の高解像度を有する能力を与える必要性もある。
【0011】
発明の概要
一つの実施例においては、本発明は金属粒子からなる反射型セキュリティ機構に関する。
【0012】
他の実施例においては、本発明はデジタル印刷された反射型セキュリティ機構であり、これは選択的に金属粒子を含む。
【0013】
金属粒子は、その平均粒子サイズが約5μm未満、約1μm、約500nm未満、或いは100nm未満でもよい。金属粒子は選択的に約50nm乃至約100nmの平均粒子サイズを有する。セキュリティ機構は選択的に金属ナノ粒子を含む。反射型セキュリティ機構の少なくとも一部は可変情報を表示することが好ましくい。また、反射型セキュリティ機構は発光性としてもよい。
【0014】
一つの態様では、反射型セキュリティ機構は基板表面上のイメージと少なくとも部分的に重なる。イメージの少なくとも一部分は、基板表面に対して第1の角度で見たときに反射型セキュリティ機構を通じて選択的に視認可能であるが、イメージの少なくとも一部分は、基板表面に対して第2の角度で見たときには少なくとも部分的に不透明である。
【0015】
反射型セキュリティ機構は、金属粒子を包含するインクを基板上にインクジェット印刷することを含む処理により作製することができる。
【0016】
好ましくは反射型セキュリティ機構は、複製することが困難な光学的効果を示す。 例えば、反射型セキュリティ機構は選択的に基板上に配置され、その基板は、透明材料のシートと反射層とからなり、透明材料は透明面を有し、反射型セキュリティ機構は透明面上に配置される。この態様においては、反射型セキュリティ機構は光学的干渉パターンを示すことが好ましい。
【0017】
金属粒子は選択的に、銀、金、亜鉛、錫、銅、プラチナ、パラジウム、或いはそれらのか組み合わせからなるグループから選択された金属を含む。 隣接する金属粒子間の平均距離は選択的に約700nm未満である。例えば、金属粒子の大部分は少なくとも一つの隣接するナノ粒子に近接するであろう。
【0018】
一つの実施例においては、反射型セキュリティ機構は少なくとも部分的に半透明な反射層を含む。一つの実施例においては、反射層は非連続的な反射層を含み、その非連続的な反射層は金属粒子を含む。反射層は複数のマイクロイメージを含み、少なくとも一つのマイクロイメージは可変情報を選択的に含む。複数のマイクロイメージは、好ましくは経筋最大寸法が約0.5mm未満である。他の実施例おいては、反射層は連続的反射層を含み、この連続的反射層は、金属粒子を含む。この連続的反射層は半透明又は不透明である。例えば、連続的反射層は、基板表面上でイメージと選択に部分的に重畳し、イメージは縦方向に変動するトポグラフィーを有する。この実施例においては、好ましくは連続的反射層は重畳したイメージの縦方向に変動するトポグラフィーの並行移動を示す。
【0019】
他の実施例においては、本発明はセキュリティ機構であり、(a)表面を有する基板であり、その表面はイメージを有する基板と、(b)金属粒子を含み、表面の少なくとも一部分に配置されて、且つ少なくとも部分的にイメージと重畳する反射層とを備える。好ましくは、イメージの少なくとも一部分は、表面に対して第1の角度で見たときに反射層を通じて視認できるが、イメージの少なくとも一部分は、表面に対して第2の角度で見たときに少なくとも部分的に不透明である。第2の角度は好ましくは、表面に対して、約180°マイナス入射光の入射角である。反射層は選択的に複数の反射イメージを有する。イメージは選択的に、直接捺染、凹版印刷、グラビア印刷、リトグラフィー印刷、フレキソ印刷処理からなるグループから選択された印刷処理から形成される。他の態様においては、イメージは、ホログラム、黒及び白イメージ、カラーイメージ、ウォーターマーク、UV蛍光イメージ、テキスト及びシリアルナンバーからなるグループから選択される。
【0020】
他の実施例においては、本発明は反射型セキュリティ機構を形成する方法であって、その方法は(a)金属粒子を含むインクを与える段階と、(b)反射型セキュリティ機構を形成するようにインクを直接捺染する段階とを含む方法。反射型セキュリティ機構の少なくとも一部分は変動情報を付加的に表示し、これは選択的に隠し情報及び/又はあらわな情報を含む。理想的には、反射型セキュリティ機構は約15m/sよりも大きな速度で形成される。段階(b)は好ましくは実質的に一定の温度で連続的に生じさせることが好ましい。一つの実施の態様においては段階(b)は、インク貯蔵器からのインクをプリントヘッドを通じて基板上に印刷するインクジェットを含み、このインク貯蔵器又はプリントヘッドの温度は約30℃よりも高い。選択的に方法は更に、(c)紫外線又は赤外線を印刷されたインクへ適用することを含む。選択的に、インクは非紫外線硬化担体を含み、この方法は更に(c)印刷されたインクへ紫外線を適用することを含む。反射型セキュリティ機構は、透明材料のシート及び反射層からなる基板上に印刷され、透明材料は透明面を有し、反射型セキュリティ機構は透明面へ印刷され、好ましくはセキュリティ機構は光学的干渉パターンを呈する。特に好適な実施の形態では、段階(b)は、反射型セキュリティ機構を形成するようにイメージを有する基板表面上にインクを直接捺染することを含む。この態様では、イメージは好ましくはイメージの少なくとも一部分を通じて視認可能であるが、表面に対して第2の角度から見たときとは少なくとも部分的に不透明である。イメージは、直接捺染、インタリオ印刷、グラビア印刷、リトグラフ印刷及びフレキソ印刷処理からなるグループから選択された印刷処理から形成できる。他の実施の形態においては、イメージはホログラム、白黒イメージ、カラーイメージ、ウォーターマーク、UV蛍光イメージ、テキスト及びシリアルナンバーからなるグループから選択される。
【0021】
他の実施の形態においては、本発明は、直接捺染ヘッドを有する直接描画プリンターを用いてセキュリティ機構を印刷する直接捺染処理であり、その直接捺染ヘッドは基板上にインクの液滴を形成し、且つ沈着させる能力があり、そのインクは金属粒子を含み、この方法は直接捺染ヘッドを5000s−1よりも大きく操作して、生成されたインクの各液滴が約5ピコリットル乃至約100ピコリットルのインクを含み、且つ基板が1m/sよりも早い速度で移動する。この処理は選択的にインク及び/又は直接捺染ヘッドを加熱する段階を更に含む。特に、インク又は直接捺染ヘッドの温度は選択的に約30℃乃至約100℃に保持される。好ましくはこの操作は実質的に一定の温度において連続的になされる。直接捺染ヘッドは好ましくは一つ又は複数のオリフィスを有し、そのオリフィスの径は約100μmを越えることはない。セキュリティ機構は好ましくは200μm未満のサイズで形成されて、選択的に可変な情報を含み、選択的に隠匿された情報及び/又は明白な情報を含む。セキュリティ機構は好ましくは約15m/sよりも大きな速度で形成される。この方法は選択的に紫外線又は赤外線を沈着した液滴へ適用する段階を更に含む。一つの態様では、インクは非紫外線硬化担体を含み、この方法は更に沈着した液滴へ紫外線を照射する段階を含む。
【0022】
他の実施の形態においては、本発明は反射型セキュリティ機構を形成する方法であり、この方法は(a)金属粒子を含むインクを与える段階と、(b)基板の速度に基づいて1m/sよりも早い速度(たとえば約5m/s,10m/s,15m/s,20m/sよりも速い速度)で反射型セキュリティ機構を形成するように基板上にインクを印刷する段階とを含む。段階(b)は選択的に反射型セキュリティ機構を形成するようにインクを直接捺染(例えば、インクジェット印刷又はデジタル印刷)することを含む。好ましくは、セキュリティ機構の解像度はx方向及び/又はy方向において部分的に約200dpiよりも高い(例えば約300dpiを越えるか、或いは約400dpiを越える)。
【0023】
他の実施の形態において本発明は、金属粒子を含んで、伝導認証特性を呈するセキュリティ機構である。例えば、金属粒子はバルク属を含み、セキュリティ機構の少なくとも一部分はバルク金属の抵抗の約30倍を越えないか又は20倍を越えないことが好ましい。好ましくはセキュリティ機構は反射型であるか及び/又は磁気特性を含む。一つの態様では、セキュリティ機構は実質的に非伝導性であるが、伝導部分を含む。例えば、導電部分の抵抗はバルク金属の30倍を越えないか、又は20倍を越えないが、セキュリティ機構の抵抗はバルク金属の少なくとも約30倍又は少なくとも50倍である。
【0024】
他の実施の態様においては、本発明は紫外線硬化セキュリティ機構であって、これは金属粒子を含んでいるが、紫外線硬化有機組成は含んでいない。この金属粒子の平均粒子サイズは好ましくは約5μm未満又は約1μm未満である。 UV硬化可能なセキュリティ機構は選択的に金属ナノ粒子を含む。UV硬化有機組成は選択的にUV硬化担体又はUV硬化モノマー又はポリマーである。理想的にはUV硬化セキュリティ機構は金属ナノ粒子の焼結したネットワークを形成するように硬化可能である。
【0025】
他の実施の形態においては、本発明は実質的に非伝導UV硬化セキュリティ機構であって、これは伝導部分又は成分を含み、セキュリティ機構はUV硬化成分を含まない。
【0026】
他の実施の形態においては、本発明はセキュリティ機構であって、(a)第1の金属酸化物を包含する1の金属粒子を含む第1の層と、(b)第1の層上に少なくとも部分的に配置され、第2の金属酸化物を包含する第2の金属粒子を含む第2の層と備える。好ましくは、このセキュリティ機構は更に、(c)少なくとも部分的に第2の層上に配置され、第1の金属酸化物を包含する第3の金属粒子を含む第3の層を備える。選択的に、第1の金属酸化物は、シリカ、チタニア、及びマイカからなるグループから選択され、且つ第2の金属酸化物は、シリカ、チタニア、及びマイカからなるグループから選択されると共に、第1の金属酸化物は第2の金属酸化物とは異なる。好ましい実施の形態においては、第1の金属酸化物はチタニアを含み、第2の金属酸化物はマイカを含む。好ましくはセキュリティ機構は、傾動するにつれて色が変化して光学的効果を与え、これは偽造者には複製が非常に困難である。
【0027】
他の実施の形態においては、本発明はその一つ又は複数のセキュリティ機構を含む紙幣、ブランド認証タグ、物品又は製造物、納税印紙、アルコールボトル及び煙草製品に関する。
【0028】
本発明は非限定的な添付図面を参照することにより一層理解されよう。
【0029】
本発明の詳細な説明
序論
様々なアプリケーション、例えばブランド品、例えば香水、薬品、煙草、アルコール製品等、及び機密文書、例えばパスポート、債券、チケット、納税印、紙幣等におけるセキュリティ機構は非常に重要な産業になりつつある。偽造者はより高度になり、進歩したカラーコピー機のような発展は、これらの個人が企業や消費者から年間当り数十億ドルを奪い取ることを一層に容易にしている。
【0030】
今日では、既に使用されている多数の防犯デバイスが存在する。セキュリティ機構は様々な処理及び多数のタイプのインクから生成されている。代表的には、これらの処理は、通常のペースト又はペーストインクを用いるスクリーン印刷、オフセット印刷、及びインタリオ印刷を含む。しかしながら、新規な金属粒子のような独特の材料を生成する本発明の方法の開発までは、本発明のセキュリティ機構は見出すことはできなかった。インク、好ましくはデジタルインクであって、金属粒子、好ましくはナノ粒子を含んで本発明のセキュリティ機構を形成するように用いられるインクは、上述の処理を改良するのみならず、セキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構を直接捺染、デジタル印刷、又はジェット印刷する能力も与える。更に、直接捺染、特にインクジェット印刷は、通常の処理では形成できないセキュリティ機構を形成する能力を与える。例えば本発明は、例えば連続的に又は個々を通じて、可変情報を与える。直接捺染を伴わないことが不可能でないとしても、これは甚だ非効率的で且つ高価である。更に本発明のインクは、高速印刷が要求される商業的用途で驚くほど良好に働く。
【0031】
金属粒子
本発明は幾つかの実施例において、セキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構を意図しており、これは金属粒子、好ましくは金属ナノ粒子を含み、更に、このようなセキュリティ機構をインク、好ましくはデジタルインクから形成する方法に関し、この方法はこれらの金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含む。本明細書で用いるように、用語「金属粒子」は、金属又は金属的特性を有し、且つ平均粒子サイズが約10mμm未満の粒子である。好ましくは金属粒子は平均粒子サイズが7μm、好ましくは約5μm未満、更に好ましくは約3mm未満、より好ましくは2μm未満である。用語「金属ナノ粒子」は金属又は金属的性質を有し、且つ平均粒子サイズ約1μmである粒子を含む粒子を意味する。当業者には、投射される粒子の平均粒子サイズを決定するための様々な技術が明白であろうが、走査型電子顕微鏡(SEM)が特に効果的な技術である。ミクロンサイズの粒子(例えば約1μm乃至約10μm)の平均粒子サイズを決定する他の方法は、単独粒子光掩蔽技術(例えばAccuSizer(商標名)粒子径分析器を用いる)である。より小さな粒子(例えば約1μmよりも小さい)の平均粒子サイズも準弾性光散乱(QELS)技術(例えば、Malvern(商標名)ZetaDizer(商標名)を用いて)により決定可能である。「金属を含む」とは、粒子の全て又は一部が、全体的又は部分的に、金属(例えば元素金属(酸 化零状態)又は金属の混合体或いは合金)又は金属含有組成(例えば金属酸化物又は金属窒化物)を含むことを意味する。従って好ましい実施例においては、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は、金属、金属合金、及び金属含有組成(例えば金属酸化物)を含む。付加的に又は代替的に、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は金属特性を有する成分を含んでもよい。用語「金属的特性」とは反射性又は光沢のある光学的特性が金属に類似することを意味する。例えば成分はそれが小さな電子バンドギャップを有することにより金属的性質を示す。
上述のように、本発明の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は好ましくは約1μm未満の平均粒子サイズを有する。他の実施形態においては、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子の平均粒子サイズは、約500nm未満、更に好ましくは約250nm未満、より好ましくは約100nm未満、最も好ましくは約80nm未満である。金属粒子及び/又は金属ナノ粒子の平均粒子サイズは選択的に、約20nmよりも大きく、約25nmよりも大きく、約30nmよりも大きく、約40nmよりも大きく、約50nmよりも大きく、約100nmよりも大きく、約250nmよりも大きく、或いは約500nmよりも大きい。範囲の観点では、本発明の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子の平均流サイズの範囲は選択的に、約20nm乃至約5μm、好ましくは約25nm乃至約3μm、更に好ましくは約30nm乃至約2μm、より好ましくは約40nm乃至約1μm、一層好ましくは約50nm乃至約500nm、更に好ましくは約50nm乃至約100nm、及び最も好ましくは約50nm乃至約80nmである。金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は単一モード又は多重モード(例えば2重モード、3重モード等)粒子サイズ分布を有する。
【0032】
一つの実施形態においては、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子には、以下の粒子サイズ(平均最大寸法、例えば球状粒子の径)を有する粒子は実質的に含まない。即ち、5μmよりも大きい、例えば4μmよりも大きい、3μmよりも大きい、2μmよりも大きい、1μmよりも大きい、500nmよりも大きい、250nmよりも大きい、或いは100μmよりも大きい粒子サイズである。本明細書及び添付の特許請求の範囲において「実質的に含まない」とは、重量で、約50%を越えず、好ましくは約40%を越えず、更に好ましくは約30%を越えず、更に好ましくは約20%を越えず、更に好ましくは約10%を越えず、更に好ましくは約5%を越えず、更に好ましくは約1%を越えず、更に好ましくは約0.5%を越えず、最も好ましくは約0.25%を越えないことを意味する。
【0033】
本発明の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子及びセキュリティ機構に使用する金属の非限定的な例は、主族金属、例えば銀、金、銅、ニッケル、コバルト、パラジウム、インジウム、錫、亜鉛、チタニア、クロミウム、タンタル、タングステン、鉄、ロジウム、イリジウム、ルチニウム、オスミウム、並びにそれらの導出物及び混合物のみならず遷移金属を含む。本発明に用いる好ましい金属の非限定的な例は、銀、金、亜鉛、錫、銅、ニッケル、コバルト、ロジウム、パラジウム、及びプラチナを含むが、銀、銅及びニッケルが特に好ましい。金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は選択的に、銀、金、亜鉛、錫、銅、プラチナ及びパラジウム又はそれらの組み合わせからなるグループから選択された金属を含む。金属的特性を示し、且つ本発明のセキュリティ機構及びインクの金属粒子及び/又は金属ナノ粒子として有益な金属含有組成又は成分の非限定的な例は、金属酸化物、金属窒化物(例えば窒化チタニア又は窒化タンタル)、金属硫化物及び或る半導体である。金属包含の単独又は複数の組成は好ましくは小さな電子ギャップを有し、これは金属的特性又は特徴を生じさせる。金属酸化物の非限定的な列挙はブロンズ、例えばタングステンブロンズであり、これはヒドロゲン酸化タングステン、ソジウム酸化タングステン、リチウム酸化タングステンを含み、更に、リン青銅のような他のブロンズである。付加的な酸化タングステンは公開された米国特許出願第2005/0271566A1号(2005年12月8日発行)に説明されており、その全体が本明細書に参照により組み込まれている。一つの態様においては、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は金属的特徴を有する一つの鉱物を含む。金属粒子及び/又は金属ナノ粒子に適する鉱物の非限定的な例は、白鉄鉱及び黄鉄鉱を含む。他の実施形態においては、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は、金属的特性を与えるエナメル又はガラス/金属合成物を含む。一つの実施例においては、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は、金属的特性を与える真珠状光沢のある材料及び/又は乳白色光を発する材料を含む。
【0034】
本発明のセキュリティ機構(及び本発明のセキュリティ機構を作成、形成、印刷又は作成するために用いるインク)も一つの実施形態においては、二つ又はそれよりも多くの異なる金属粒子及び/又は金属ナノ粒子の混合体を含み、選択的に色素若しくは着色料を伴う。他の実施の形態においては、本発明のセキュリティ機構は金属粒子及び/又は金属ナノ粒子からなり、これは金属又は金属含有組成の合金又は混合体の形態の二つ又はそれ以上の金属を含む。本発明の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子として有益な合金の非限定的な例はCu/Zn、Cu/Sn、Ag/Ni、Ag/Cu、Pt/Cu、Ir/Pt及びAg/Coを含む。選択的に、金属粒子及び/又はナノ粒子は合金(例えばブロンズ、タングステンブロンズ又は真鍮)を含む。一つの実施形態においては、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子はコアシェル構造を有し、これは二つの異なる金属、例えばコアがニッケルからなり、シェルが銀からなる(例えば、約20nm径のニッケルコアを約15nm厚の銀シェルが包囲している)。他の実施の形態においては、コアシェル構造は、他の酸化金属で被覆された酸化金属コアから形成してもよい。ナノ粒子コアシェル構造の非限定的な例はマイカコア及びチタニア被覆からなる。他の実施の形態では、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は金属効果粒子及び/又は色素を含む。金属効果色素を形成する一つの方法は、一つの酸化金属又はセラミックの薄い層を他のもの(例えばマイカ上のTiO)の表面上に蒸着させることである。金属効果色素はCENEAR Vol.81,No.44,pp.25−27(2003年11月3日)(ISSN 0009−2347)に更に説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0035】
他の実施の形態では、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は複合粒子を含み、これは金属である第1の相と、非金属である第2の相とを有する。この実施例においては、第2の相は、金属の第1の相の反射性若しくは光沢を実質的に損なわないことが好ましい。第2の相の非限定的例は、ケイ酸塩、ホウ酸塩、及びシリカを含む。複合粒子の構造は、第2の相が第1の相と混合して金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を形成するようにされて、第1の相は第2の相を被覆するか、或いは第2の相が第1の相を被覆する。他の実施の形態では、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は複合粒子を含み、これは第1の金属相(元素金属又は金属の混合体或いは合金)と、金属包含組成(例えば、チタニア又はアルミニウムなどの酸化金属)を含む第2の相とからなる。他の実施の形態では、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は複合粒子を含み、これは第1の金属相(元素金属又は金属の混合体或いは合金を含む)と、色素又は着色料を含む第2の相とからなる。色素又は着色料は第1の層の反射性又は光沢をは実質的に損なわない。この態様では、色素又は着色料が金属粒子及び/又は金属ナノ粒子の色を第1の相の本来の金属的な色が他の色(例えば金色)へ変化する。、第2の相に適する色素又は着色料の非限定的な例は、一つ又は複数の黄、緑、青、赤及び/又はオレンジ色の色素又は着色料を含む。複合物(又は非複合物)金属粒子及び/又は金属ナノ粒子で達成される金属的カラーは選択的に、銀、銅、ブロンズ、金、及び黒のみならず、可視スペクトルの任意の色の金属反射又は光沢からなるグループから選択される。
【0036】
本発明のセキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構に用いられると共に、本発明のセキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構を形成するのに用いられるインク、好ましくはデジタルインクに用いるのに適する金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は幾多の方法により形成できる。例えば、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は噴霧熱分解法により形成でき、これは例えば米国仮特許出願第60/645,985号(2005年1月21日出願)に説明されており、或いは米国特許出願第11/117,701号(2005年4月29日出願)に説明されたように有機基質に形成してもよく、それらは全体が参照により本明細書に組み込まれている。金属粒子及び金属ナノ粒子を形成する一つの非限定的な例はポリオール処理として知られており、米国特許第4,539,041号に開示され、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。ポリオール処理の変形例が例えばP.Y.Silvert他”Preparation of colloidal silver dispersions by the polyol process”Part1−Synthesis andcharacterization, J.Master.Chem.,1996,6(4),573−577;Part2−Mechanism of particle formation,J.Master.Chem.,1997,7(2),293−299に説明されており、これらの文献の開示事項は参照により本明細書に組み込まれている。簡単に言えば、ポリオール処理においては金属化合物が分解してポリオール、例えばグリコールにより圧下するか或いは部分的に圧下して、高温で対応する金属粒子を与える。改良されたポリオール処理においては、圧下が分解抗凝集物質、好ましくはポリマー、最も好ましくはポリヴィニルピロリドン(PVP)の存在下でなされる。
【0037】
金属粒子、とりわけ金属ナノ粒子を生成するポリオール処理の特に好ましい変形例は、係属中の米国特許出願第60/643,577号(2005年1月14日出願)、第60/643,629(2005年1月14日出願)、第60/643,578号(2005年1月14日出願)及びキャボットコーポレーションの特許整理番号第2005A001.2号、第2005A002.2号、第2005A003.2号に記載されており、それらはその全体が参照により本明細書に組み込まれている。改良ポリオール処理において、溶解金属化合物(例えば、硝酸銀などの銀化合物)は高温(例えば約120℃)でポリオール(例えば、エチレングリコール、プロピレン グリコール等)と組み合わされて低減されて、ポリマー、好ましくはPVPなどのヘテロ原子包含ポリマー内に存在する。
【0038】
セキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構、或いはこれらの機構を形成するのに用いるインク、好ましくはデジタルインクにおける金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は選択的に、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子が、インク、好ましくは金属インク、更に好ましくはデジタルインク、例えばインクジェットインクへ分散された際に、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子の凝集を抑制する抗凝集物質を含む。抗凝集物質は無機物でも有機物でもよく、低分子重量化合物、好ましくは低分子重量有機化合物、例えば約500amuよりも高くない、更に好ましくは約300amuよりも高くない分子重量を有する化合物であって、及び/又はオリゴマー又はポリメリック化合物、好ましくは有機ポリメリック化合物を含み、その分子重量(の平均重量)は少なくとも約1,000amu、例えば少なくとも約3,000amu、少なくとも約5,000amu、又は少なくとも8,000amuであるが、好ましくは500,000amuよりも高くなく、例えば約200,000よりも高くなく、或いは約100,000amuよりも高くない。非限定的な例として、抗凝集物質は好ましくはポリマーであり、更に好ましくはポリビニルピロリドンであり、選択的に約3,000amu乃至約60,000amuの範囲の平均分子重量を有する。例えば、抗凝集物質は選択的に、平均分子重量約10,000amu,約20,000amu、約30,000amu、約40,000amu、又は約50,000amuとしてもよい。特に、本発明において抗凝集材として用いるのに特に好適なポリマーは、以下を含む。即ち、一つ又は複数の非置換又は置換N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−2−ピペリドン及びN−ビニルピロリドンのモノマーユニットである。これらのポリマーは、ホモ及びコポリマー、並びにそれらの組み合わせを含む。本発明における抗凝集物質としての使用に適するポリマーの非限定的な例は、例えば米国特許出願公報第2004/018533A1号(2004年9月23日公開)に開示されており、その開示事項の全体が参照により本明細書に特に組み込まれている。好ましい実施の形態では、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は、金属又は金属含有化合物、或いは金属的特性を有する化合物、及び抗凝集剤、好ましくはポリマー、最も好ましくはヘテロ原子含有ポリマーを含む。
【0039】
本発明の好ましい態様によれば、本発明のインク及びセキュリティ機構に有益な金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は、小さな平均粒子サイズを呈し、好ましくは狭い粒子サイズ分布を有する。狭い粒子サイズ分布は、直接捺染又はデジタル印刷に用いられる。というのは、直接捺染デバイス、例えばインクジェットヘッド又はカートリッジのオリフィスの大粒子による閉塞を制限するためである。狭い粒子サイズ分布は高解像度及び/又は高充填密度を有する機構を形成する能力も与える。
【0040】
本発明に使用するための金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は選択的に高度に均一な形状を示す。本発明の組成、好ましくはインク組成及び/又はセキュリティ機構に用いる
金属粒子及び/又は金属ナノ粒子、更に好ましくは本発明のデジタルインク組成は、選択的に実質的に一つの形状、例えば選択的に実質的に球形形状を有する。実質的に球形の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は液体縣濁液内により容易に分散するので、特にインク、好ましくはインクジェットデバイス、直接捺染ツール又は類似の他のデバイス又はツールに用いるためのインクジェットインク又はデジタルインク内の沈殿にとって、有益な流れ特性を与える。固体充填の所定のレベルについて、実質的に球形の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を有する低い粘性金属組成は、非球形金属粒子、例えば金属フラスクを有する組成よりも低い 粘性を有する。実質的に球形の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は、鋸歯状又は平坦状プレートよりも研磨が少なく、研磨量及びデポジッションツールの磨耗が低減する。
【0041】
一つの実施の形態によれば、本発明に有益な金属粒子及び/又は少なくとも約70wt.%少なも約80wt.%、少なくとも約85wt.%少なくとも約90wt.%、少なくと少なくとも約80wt.%少なくとも約90wt.%、少なく約95wt.%、又は少なくと少なくとも約99wt.%であり、例えばセキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構、及び/又はインク、好ましくは防犯特性の形成に用いたデジタルインクが実質的に球形状である。他の実施例において、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は約70wt.%乃至約100wt.%の範囲にあり、実質的に球形形状は、例えば約80wt.%乃至100wt.%であり、実質的に球形形状は又は約89wt.%乃至100wt.%である。
【0042】
他の実施例においては、セキュリティ機構及び/又はセキュリティ機構の形成に用いたインクは、フラスクの形態における金属粒子から実質的に自由である。反対に、他の観点によれば、セキュリティ機構及び/又はこのセキュリティ機構の形成のために用いたインクは、フラスク、ロッド、チューブ、テトラボッド、プイトレット、ニードル、ディスクの形態及び/又はクリスタル、選択的には球形状粒子に対して上述したものと同様な重量パーセントを有する。
【0043】
セキュリティ機構の形成に用いたインクの処方
本発明のセキュリティ機構の形成に用いた単独又は複数のインクは、様々な異なる成分からなる。理想的には、インクは金属粒子からなり、好ましくは金属ナノ粒子であり、これについては完全に上述した。更に、インクは金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を分散させる能力があるビークルからなることが好ましい。選択的に、インクは一つ又は複数の添加剤を含んでもよい。
【0044】
金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は、上述のように、インクに有益であり、好ましくは印刷用インクジェットインク又はデジタルインクであり、好ましくは本発明の反射型セキュリティ機構及び/又は伝導型セキュリティ機構のインクジェット印刷又は直接描画印刷又はデジタル印刷である。高い材料依存性があるが、様々な実施の形態においては、インク、例えばインクジェットインク又はデジタルインク中に充填される金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は、全インク組成の総重量に基づいて、少なくとも約2%重量からなり、例えば約5%重量、少なくとも約10%重量、少なくとも約15%重量、少なくとも約20%重量、少なくとも約40%重量である。様々な実施の形態において、範囲に関しては、全インク組成の総重量に基づいて、インクは約1wt.%乃至60wt.%の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子、例えば約2乃至40wt.%の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子、約5乃至25wt.%の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子、約10乃至20wt.%の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子である。他の様々な実施の形態では、インクは約40wt.%乃至約75wt.%の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子からなり、例えば全インク組成の総重量に基づいて、約40乃至約60wt.%の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子である。好ましい充填を過度に上回る充填は、好ましくない粘性及び好ましくない流れ特性をもたらす。勿論、最大充填は有益な結果を得るには未だ余裕があり、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子の密度に依存する。換言すれば、例えば金属粒子及び/又は金属ナノ粒子の金属の密度を高くすることは、重量パーセントにおける負荷を許容できるので望ましいことである。
【0045】
ビークル
本発明のセキュリティ機構は好ましくは印刷により形成されるか、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子へ添加したビークルからなるインクにより形成される。一つの実施の形態では、インクは更に耐凝集物質を含み。これは例えば上述のように、ポリマー又は界面活性剤である。インク、好ましくはインクジェットインク又はデジタルインクに使用するためのビークルは好ましくは液体であり、これは金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を安定分散させる能力があり、更に好ましくは金属粒子及び/又は金属ナノ粒子が耐凝集物質を含む。例えばビークルは、インクを分散させる能力があり、これは実質的な耐凝集物質或いは金属粒子及び/又はのナノ金属粒子の設定を伴わずに、室温下で数日間又は一週間、二週間、三週間又は一ヶ月或いはそれ以上保たれるので好ましい。このため、ビークルが金属粒子及び/又は金属ナノ粒子の表面に適合することが更に好ましい。ビークルは(耐凝集物質が存在するならば)、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を除去することなく、耐凝集物質を或る程度まで溶解させる能力がある。一つの実施の形態では、ビークルは、一つ又は複数の単極成分(溶媒)を備え(又は主に溶媒からなる)、この溶媒は例えばプロトン性溶媒、或いは一つ又は複数の非プロトン性、非極成分、若しくはそれらの混合体である。一つの実施例におけるビークルは、アルコール、ポリオール、アミン、アミド、エステル、酸、ケトン、エーテル、飽和炭化水素、非飽和炭化水素、及びそれらの混合体からなるグループから選択された溶媒である。
【0046】
本発明のセキュリティ機構は、反射型又は導電型或いはそれらの組み合わせであり、直接描画印刷、例えばインクジェット印刷又はデジタル印刷を通じて印刷、形成、又は作成でき、ビークルは、特にインク組成の粘性及び表面張力の観点で効果的に作動する直接描画印刷ツール(例えばインクジェットヘッド、デジタルヘッド、及びカートリッジ)から選択することが好ましい。
【0047】
好ましい観点では、ビークルは少なくとも二つの溶媒の混合体、好ましくは少なくとも二つの溶媒、例えば少なくとも三つの有機溶媒又は少なくとも四つの有機溶媒の混合体である。一つよりも多くの溶剤の使用が好ましい。というのは、これはとりわけ、組成の様々な特性(例えば粘性、表面張力、意図された基板等との接触角)を同時に調整可能とすると共に、これらのすべての特性を可能な限り最適値に近づけるためである。一つの好ましい実施例では、ビークルはエチレン・グリコール、エタノール、及びグリコールの混合体を含む。ビークルの非限定的な例は、米国特許第5,853,470号、第5,679,724号,第5,725,647号,第4,877,451号,第5,837,045号,第5,837,041号に開示されており、その開示事項の全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0048】
以下に詳述するするように、デポジッションツールによって課された要件(例えば粘性、インクの表面張力)及びビークルの選定を選択する基板の表面特性(例えば酸、親水性又は疎水性)があるならば、これらを考慮に入れることが望ましい。
【0049】
望ましいインク粘性は、特定の使用したデポジッションツールに大きく依存するが、本発明のセキュリティ機構は、特にピエゾヘッドと共に用いるインクジェットのために意図されており、好ましくは粘性(約20℃で測定)を有し、これは約10センチポイズ(cP)よりも低くなく、例えば約12cPよりも低くなく、或いは15cPよりも低くなく、且つ約50cPよりも高くなく、例えば約40cPよりも高くなく、約30cPよりも高くなく、或いは約25cPよりも高くない。好ましくは、インク組成の粘性は、約20℃から約40℃の範囲に依存する小さな温度であり、例えば約0.4cP/℃よりも大きくないものに依存する温度である。インクジェット印刷処理に使用するインクについては、インクの粘性は好ましくは約10cP乃至約40cの範囲であり、好ましくは約10cP乃至約35cPの範囲であり、最も好ましくは約10cP乃至約30cPの範囲であり、好ましくは約25CP未満である。エアゾールジェット噴霧処理における使用においては、インクの粘性は好ましくは約20cPを大きく越えないことが好ましい。自動注入処理においては、インクの粘度は約5000cpまで上昇させることが望ましい。グラビア印刷処理における使用においては、インクの粘度は約15cP乃至約100cPの範囲である。リトグラフィック又はオフセット印刷処理においては、インクの粘性は好ましくは約5,000P乃至50,000cPである。
【0050】
更に、本発明のセキュリティ機構を形成するのに用いた好適なインクは、好ましい表面張力(約20℃で測定して)を示し、これは約20dynes/cmよりも低くなく、例えば約25dynes/cmよりも低くなく、又は約30dynes/cmよりも低くなく、約40dynes/cmよりも高くない。一つの実施の形態では、セキュリティ機構を形成するのに用いたインクの組成又は処方は、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子からなり、且つ粘性が約60CP未満であり、例えば30cP或いは20cP未満である。
【0051】
選択的添加剤
インクは好ましくはインクジェットインク又はデジタルインクであり、これは金属粒子及び/又は金属ナノ粒子であり、これは本発明のセキュリティ機構を形成するのに用いられ、好ましくは反射型及び/又は伝導セキュリティ機構であり、一つの実施例においては一つ又は複数の添加剤を更に含み、これは例えば、接着促進剤、流動調整剤、界面活性剤、濡れ角調整剤、保湿剤、結晶抑制剤、バインダー、染料/着色剤等であるが、それらに限定されるものではない。
【0052】
一つの実施例においては、インク、好ましくはインクジェットインク又はデジタルインクは、接着促進剤を含み、これは金属粒子、好ましくは金属ナノ粒子のインク内での基板への接着を促進し、最終的にはここに沈着する。接着促進剤の非限定的な例は、シュラック、ラテックス、アクリル酸、他の重合体、金属又は主族酸化物(例えば、SiO,CuO)を含む。接着促進のたの付加的な例が米国特許第5,750,194号に説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。抗凝集物質は、選択的に金属粒子及び/又は金属ナノ粒子によって任意に含まれてり、接着促進剤として機能するであろう。更に、あまり好ましいことではないが、接着促進剤又は上述の接着剤を基板へ直接に添加することもできる。
【0053】
一つの実施例において、インク、好ましくはインクジェットインク又はデジタルインクは、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子に加えて流動調節剤を更に含み、これは沈着後のインクの拡散を抑制する。流動調節剤の非限定的な例としては、SOLTHIX250(Averia Limited),SOLSPERSE21000(Averia Limited)、スチレン アリル アルコール(SAA)、エチル セルローズ、カーボキシ メチルセルローズ、ニトロセルローズ、ポリアキレン カーボネイト、エチル ニトロセルローズ等がある。
【0054】
一つの実施例においては、インク好ましくはインクジェットインク又はデジタルインクは、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子に加えて、バインダーを含み、これは最終的に形成された特徴の永続性を増強する。バインダーの非限定的な例はラテックス、シェラック、アクリレイト等がある。更にポリマー、例えばこれに限定されるものではなく、ポリアミド酸ポリマー、アクリルポリマー、PVP、PVPの共ポリマー(アルカン、スチレンなど)、ポリフルオロアルキルシリケイト ポリマー、ポリフルオウリネイト テロマーズ(E.I.Dupont de Nemours & Co.製造のZonyl(登録商標)製品を含む)、スチレンアクリルのコポリマー(例えば、Jonery(登録商標)の下にJohonson Polymer Corpから販売されているものなど)は、結合剤物質(例えばチタン塩酸及びシラン)になり得る限り、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子のポリマー基板への接着を強化する。これらの物質はセキュリティ機構の基板への接着を増大させ、且つ水とセキュリティ機構との相互作用を抑制することにより、セキュリティ機構に一層の耐久性を与える。凝縮力促進剤を更にインクに含めてセキュリティ機構の耐久性を高めてもよい。
【0055】
基板
上述したインク、好ましくはインクジェットインク又はデジタルインクは、無数の表面特性を有する様々な基板上に印刷されて、沈着されて、或いは配置されるので、本発明のセキュリティ機構、好ましくは反射型及び/又は伝導型セキュリティ機構を基板表面上に形成、配置又は印刷できる。
【0056】
好ましい実施例においては、本発明のセキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構は、一つ又は複数の金属粒子、好ましくは金属ナノ粒子からなるインク組成又は処方を用いて基板上に印刷し、この基板はセキュリティ機構が形成される表面を有する。この実施例においては、印刷は好ましくは直接描画ツール、例えば、インクジェットプリンタ、プリントヘッド、カートリッジ等により実行され、インク組成又は処方はインクジェットヘッド又はカートリッジを通じて噴出可能である。最も好ましい実施例においては、セキュリティ機構、好ましくは反射型及び/又は伝導型セキュリティ機構が低温のインク処方から形成される。従って本発明のセキュリティ機構が形成される基板の選択は、低軟化点又は低融点を有する基板を含み、これは例えば紙、ポリマー等である。本発明の好ましい態様によれば、その上に金属粒子及びナノ金属粒子を包含するインク組成又は処方が沈着される基板は、約300℃よりも高くない軟化及び/又は分解温度を有し、これは例えば約250℃よりも高くなく、約200℃よりも高くなく、約185℃よりも高くなく、約150℃よりも高くなく、或いは約125℃よりも高くない。
【0057】
セキュリティ機構、好ましくは反射型及び/又は伝導型セキュリティ機構を印刷するか或いはこのセキュリティ機構に組み込むために特に有益な基板の非限定的な例は、一つ又は複数の基板の表面が以下のうちの少なくとも一つを含むものである。即ち、フッ素化ポリマー、ポリイミド、エポキシ樹脂(ガラス充填エポキシ樹脂を含む)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、双方向ポリエチレン、ポリプロピレン、単指向のポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ABSコポリマー、木、紙、金属ホイル、ガラス、紙幣、リネン、ラベル(例えば、自己粘着ラベル等)、合成紙、可撓性ファイバーボード、不繊ポリマーファブリック、布、その他の織物である。他の特に有益な基板はセルロースベース材料、例えば木、紙、段ボール、レーヨン、金属ホイル、ガラスなどの材料(例えば薄いガラス)である。本発明の組成は温度に敏感な基板に特に有益であるが、他の基板、例えば金属、及びセラミック基板にも有益であることに留意されたい。
【0058】
一つの実施例によれば、基板はコーティングを含む。特に、上述した基板は、例えば自然紙又は合成紙は、特定の層でコーティングされて光沢を高め、及び/又はインク又は当該インク(特にデジタルインク)中に用いられたインクビークルの浸透を促進する。コーティングの好ましい例として、インクジェット基板、例えば紙(例えば、写真紙)のための光沢コーティングは、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、及び/又はヒュームドアルミナを含む。好ましい実施例において、紙の表面はpH5未満である。
【0059】
様々な実施例において、基板はその表面に一つ又は複数のイメージを含む。このイメージは直接描画印刷(例えばインクジェット又はデジタルプリンティング)、インタリオ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、リトグラフィック印刷、およびフレキソ印刷工程からなるグループから選択された印刷工程から形成してもよい。
【0060】
ホログラムまたは他の種のイメージのために、イメージは少なくとも一部をレーザエッチングにより処理できる。 イメージ(例えば印刷イメージ、ホログラム等)を有する基板上に本発明のセキュリティ機構を印刷、作成及び形成する能力は、それまでになかった書類保全の付加的なレベルを提供する。更に、書類、タグ等を個別化すると共に、可変情報がこれまで認識されておらず利用可能でなかった更なる耐偽造防止処理も与える。本明細書では用語「可変情報」は製品ユニットについて個別化された情報を意味し、これは例えば、但し限定的ではなく、連続データを含む。例えばシリアル番号は可変情報の一つの非限定的な形式である。可変情報の他の例は、計数、レタリング、連続記号、アルファベット及び数字可変情報、非連続可変情報(連続的でない可変情報)、及びそれらの組み合わせである。
【0061】
更に、基板の表面上のイメージは、長くて変動するトポグラフィーを有しても有さなくてもよい。長くて変動するトポグラフィーによれば、イメージは部分、例えば表面を有しており、これは基板表面に直交する方向へ、好ましくは可変な角度で、延伸している。長手方向延出面を形成してもよく、例えばイメージを形成するように基板表面により多くのインクが適用された領域として形成してもよい。即ち、イメージの或る部分(例えば一色の領域)が、イメージの他の部分(例えば異なる色の領域)よりも非常に長く延出するトポログラフィーを有してもよい。、非均一面に対する印刷能力は、溝及び凹所を通じて付加的な耐偽造処理を与え、これは従来のインク又は処理では利用可能ではない。
【0062】
インク沈着
上述したように、本発明のセキュリティ機構、例えば反射型及び/又は伝導型セキュリティ機構は、好ましくは直接描画印刷処理により形成されるが、他の印刷処理をセキュリティ機構を形成するために用いてもよく、これは例えばペン/シリンジ、連続又は液敵オンデマンドインクジェット、液滴付着沈着、拡散、オフセット印刷、フレキソ印刷、リトグラフィック印刷、グラビア印刷、インタリオ印刷及びその他であり、より詳細に後述する。本発明のセキュリティ機構は、浸漬コーティング又はスピンコーティング、或いはロッド又はファイバー状基板上へのペン分配によりインクを沈着させて形成してもよい。
【0063】
上述したように、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は本発明のセキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構を形成するために用いるインクを包含し、様々なツール、例えば低粘性沈着ツールを用いて基板の表面に沈着させることができる。本明細書で用いるように、用語「低粘性沈着ツール」とは、液体又は縣濁液を表面へ向って、オリフィスを通じて組成を表面へ射出して沈着させ、その表面に直接に接触するツールは用いないツールである。低粘性沈着ツールは好ましくはx−y格子上、又はx−y−z格子上で制御可能であり、以下、「直接描画沈着ツール」と称する。本発明による好ましい直接描画沈着ツールはインクジェットデバイス又はプリンターである。直接描画沈着ツールの他の例は、エアゾールジェット及び自動化シリンジ、例えばニューヨークのHoneoye FallsのOhmcraft Incから利用可能なものを含む。既に述べたように、、商業的に許容できるレートで可変情報を包括するの反射型セキュリティ機構を印刷する能力ははこれまで可能ではなかった。
【0064】
直接描画印刷処理、例えばインクジェット印刷処理は本発明に特に好ましく、これはセキュリティ機構を好ましくも反射を多機能に形成する能力があり、その機能は可変情報を含み、このようなセキュリティ機構を商業的に許容可能なレートで形成、印刷、及び作成できるためである。例えば特有のシリアル番号、特徴その他をセキュリティ機構へ組み込む能力は、望ましい耐偽造処理である。金属粒子及び/又は金属ナノ粒子からなるインクはデジタル印刷を与え、これは本発明のセキュリティ機構、特に本発明の反射型セキュリティ機構へ可変な情報の印刷を可能とする。更に、例えば紙等の低融点を有する基板上に印刷する能力は、これを更に可能にする。
【0065】
商業的な直接捺染処理に適するインクは多数の特徴及び特性を有し、粒子の正確な充填、適切な粘性、適宜なバインダー、接着促進剤等を含む。驚くべきことには、本発明のインクは商業的印刷機器に用いて本発明のセキュリティ機構を迅速に商業的に許容できるレートで印刷する能力があることが判明した。セキュリティ機構は、本発明の一実施例においては好ましくは反射型機構であり、これは直接描画印刷を用いて可動基板上に、例えばインクジェット又はデジタル印刷処理により印刷され、そのレートは基板の移動速度に基づいて、約0.1m/よりも大きく、約0.5m/sよりも大きく、約1m/sよりも大きく、約5m/sよりも大きく、約10m/よりも大きく、約15m/よりも大きく、或いは約20m/sよりも大きかった。、好ましくは、これらの速度で印刷されたセキュリティ機構は極めて高解像度(x及び/又はy方向で、好ましくは200dpi(79dpcm)より大きく、約300dpi(118dpcm)より大きく、約400dpi(157pcm)より大きい)である。この意味では、用語「デジタル印刷」「デジタル印刷された」及びその変形は、デジタルデータを用いた非接触印刷処理を意味し、好ましくは可変情報を印刷する能力がある。一つの形態においては、レートとは、基板がインクジェットプリンタを通過してセキュリティ機構がそこへ印刷される速度を参照してセキュリティ機構が形成されるレートか、或いは印刷ヘッドが基板表面上を移動する間、基板が静止しているのに等しいレートとする。これらと他の理由のため、直接描画印刷処理、デバイス及びツール、例えばインクジェット処理、デバイス及びツールは、上述のインクを基板表面へ沈着させるために極めて望ましい手段である。他の実施の形態では、セキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構の数が、本発明のインクを用いて毎分約5,000個よりも多く、好ましくは毎分約10,000個よりも多く、最も好ましくは毎分20,000個よりも多く印刷する能力を有する。勿論、このレートは印刷されるセキュリティ機構に依存しており、部分的にはセキュリティ機構のサイズに依存している。更にこの実施例においては、セキュリティ機構は好ましくは反射型セキュリティ機構であり、好ましくは可変情報を含む。
【0066】
一つの態様では、本発明のセキュリティ機構、例えば反射型セキュリティ機構を形成する処理は、以下のステップを含む。即ち、(a)金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含むインクを与える段階と、(b)インクを基板へ直接描画印刷してセキュリティ機構を形成する段階とを含む。上述したようにセキュリティ機構の少なくとも一部は可変情報、例えば隠匿及び/又は顕在可変情報を選択的に表示する。この態様における基板は本明細書で既に説明したもののうちの何れかとすることができる。好ましくは、基板は紙、プラスチック、又はそれらの組み合わせである。更に、この態様においては、基板の表面が選択的に一つ又は複数のイメージを包含するようにされ、そのイメージ上には全体的に若しくは部分的に本発明のセキュリティ機構が印刷されるように意図されている。実施例における一つ又は複数のイメージは印刷されたイメージ、ホログラム等を含む。
【0067】
或る従来の直接描画、例えばインクジェット処理が直面する一つの問題点は、印刷処理が印刷ヘッド及び/又はカートリッジの温度が連続的拘束印刷期間を変動させるので、周囲温度で印刷されるように設計されたインクの一つ又は複数の特性、例えば粘性及び/又は表面張力に好ましくない変動を生じることである。このインクの特性の変化は有害な影響を及ぼし、例えば印刷の質や性能を変化させ、粘性の液滴により尾部が形成されたり、粘性が高まるにつれてプリントヘッドに閉塞や故障が生じたりすることがある。
【0068】
本発明の一つの態様においては、本発明の印刷方法に用いられる金属粒子及び/又は金属ナノ粒子インク含有インクの組成又は処方は実質的に一定の高温で印刷されるように設計されている。例えば、インクは高粘性成分(例えばホメクタント)及び/又は形成されたセキュリティ機構の永続性増大と高温化のインク能力向上との双方の機能を果たすポリマーを含むように変更されている。従って一つの実施例においては、直接描画印刷段階は雰囲気温度よりも高い温度、例えば25℃よりも高く、30℃よりも高く、35℃よりも高い温度で生じる。範囲上限に関しては、これらの範囲下限と選択的に組み合わせ、直接描画印刷段階は選択的に約40℃未満、約35℃未満又は約30℃未満の温度で生じる。従って一つの態様では、インクの直接描画印刷の段階は、インク貯蔵器から印刷ヘッドを経たインクを基板上にインクジェット印刷することを含み、そのインク貯蔵器又はプリントヘッドの温度は約25℃よりも高く、約30℃よりも高く、或いは約35℃よりも高い。これらの温度は印刷ヘッド又はインク貯蔵器の何れかの印刷中の温度を示しており、熱電対測定により決定する。インク例えばジェット噴射インク又はデジタルインクを沈着させる方法の他の例は、加熱されたインク貯蔵器及び/又は印刷ヘッドを採用して、インク組成の粘性を低減させる。驚くべきことに、インク、インクジェットヘッド又はそれらの両方を加熱して、高温化で操作すると、温度変動が低減して、実質的に一層に信頼できる直接描画処理がもたされることが判明した。選択的に、本発明のセキュリティ機構を高速で商業的に印刷する際にはヘッド及び/又はインクの加熱が必要となり、特にインクジェットヘッド、好ましくは圧電ヘッドの操作は高周波でなされ、これは例えば3,000s−1よりも高く、好ましくは5,000s−1よりも高く、好ましくは7,000s−1よりも高く、より好ましくは9,000s−1よりも高く、更に好ましくは10,000s−1よりも高く、最も好ましくは12,000s−1よりも高い。
【0069】
従って一つの実施の形態では、本発明はセキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構を直接描画プリンタ、例えばインクジェットプリンタを用いて、高速又は高率で印刷するための方法に関し、この方法は選択的に、印刷ヘッド(例えば圧電ヘッド)を加熱するか、或いは印刷ヘッド(好ましくは圧電ヘッド)で用いられるインクを加熱することを含む。好ましい実施の形態では、インク又はインクジェットヘッドの温度は室温よりも高い温度から約200℃、好ましくは約30℃から約100℃、更に好ましくは約30℃から約40℃、最も好ましくは約30℃から35℃である。
【0070】
本発明のインクの連続印刷は高温化で生じるが、この連続印刷は好ましくは実質的に一定温度、例えば±6℃、好ましくは±4℃、更に好ましくは±2℃、更に好ましくは±1℃、最も好ましくは±0.5で生じる。上述のように、印刷処理の温度は、それが上述の比較的に一定の高温に達するまで初めに上昇する。従って用語「連続印刷」は、この状況では、インク及び/又は印刷ヘッドがこの比較的に一定の高温を得た後の時間間隔、例えばインク及び/又は印刷ヘッドの温度が開始から安定した後の時間間隔を意味する。
【0071】
好ましい実施の形態においては、直接描画沈着ツール(好ましくはインクジェットデバイス)は、インク(好ましくはインクジェット噴射インク又はデジタルインク)と組み合わせ用いられて、本発明のセキュリティ機構(好ましくは反射型セキュリティ機構)を形成する。インクジェットデバイスは、インク滴を生成することにより操作され、インク滴を基板の表面へ指向させる。インクジェトヘッドにより生成されて基板表面へ分与された各インク滴は、約5乃至約100ピコリットルのインク(例えば、約10乃至約100ピコリットル又は約25乃至約100ピコリットルのインク)、例えばインクジェットインク又はデジタルインクを含む。可変滴容積インクジェットプリントヘッドを採用してもよい。各小滴は好ましくは実質的に球形であるが、印刷された機構に例外的な構造(例えば各滴が上部尾状構造を形成する)形成するために非球形滴を用いて、更なるレベルの秘匿防犯を付加してもよい。インクジェットの位置は慎重に調整されて高度に自動化されており、組成の不連続パターンを表面へ施せる。インクジェットプリンタは約1000滴毎ジェット或いはそれよりも高く(例えば3,000滴毎秒よりも多く、約5,000滴毎秒よりも多く、約7,000滴毎秒よりも多く、約9,000滴毎秒よりも多く、約10,000滴毎秒よりも多く、約12,000滴毎秒よりも多い)、線形機能を含む様々な機構を良好な解像度(例えば、x及び又はy方向において約200dpi(79dpcm)よりも高く、約300dpi(118dpcm)よりも高く、或いは約400dpi(157dpcm)よりも高い)で商業的に許容できる(上述した)レートで印刷する。
【0072】
代表的に、インクジェットデバイスは、インクヘッド、及び/又はカートリッジ或いは他のインク搬送システムとを含み、それは少なくとも一つのオリフィスを有し、そのオリフィスの径は約100μmよりも大きくはなく、例えば約5μm乃至約75μmである。小滴が形成されて、オリフィスを通じて、印刷すべき表面へ向う。インクジェットプリンタは代表的には圧電駆動システムを用いて小滴を形成するが、その他の変形例も使用される。熱的且つバブルジェット印刷を試みてもよい。インクジェットデバイスについては、例えば米国特許第4,627,875号及び第5,329,293号に更に詳細に説明されており、その開示事項はその全体が参照により本明細書に組み込まれている。[0070] 他の実施の形態では、本発明のセキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構が形成され、印刷され、沈着され、或いは金属粒子及び/又は金属ナノ粒子からなるインクからエアゾールジェット沈着処理を用いて形成される。エアゾールジェット沈着処理は、最小限の機構寸法(例えば約200μm未満、例えば150μm未満、100μm未満、50μm未満)を有するセキュリティ機構の形成を可能とする。エアゾールジェット沈着処理においては、金属粒子及び又は金属ナノ粒子含有インク組成又は処方が小滴へ噴霧化されて、その小滴が流れチャンネルを通じてフローガスとして基板へ移送される。エアゾールジェット沈着の例は、米国特許第6,251,488号、第5,725,672号及び第4,019,188号に開示されたものを含み、その開示事項はその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0073】
小滴は大きな液滴との慣性衝突、荷電小滴の静電沈着、サブマイクロン小滴の拡散、非平坦面上の遮断及び小滴(例えば約10μm未満の寸法を有する)の沈降により基板の表面へ沈着される。
【0074】
一つの実施の形態では、本発明は、直接描画ヘッドを有する直接描画プリンタを利用してセキュリティ機構を印刷する直接描画方法に関し、その直接描画へッドは基板上にインク滴を生成及び/又は沈着させる能力があり、インクは金属粒子及び/又は金属ナノ粒子からなり、方法は直接描画ヘッドを少なくとも5000s−1よりも大きく操作して、生成されたインク滴は約5ピコリットル乃至約100ピコリットルのインク(例えば約10乃至約100ピコリットル又は約25乃至約100ピコリットルのインク)、からなり、基盤は1m/sよりも早い速度で移動する。上述の方法は選択的に、インク及び/又は直接描画ヘッドを加熱する段階を更に含む。この実施例の好ましい態様によれば、インク又は直接描画ヘッドの温度は、室温を越える温度から約200℃、好ましくは約30℃ 乃至約100℃、更に好ましくは約30℃乃至40℃、最も好ましくは約30℃乃至35℃に保持されている。この実施例によれば、直接描画ヘッドは一つ又は複数のオリフィスを有し、そのオリフィスの径は約100μm未満であり、例えば約50μm乃至約75μmである。更に、この実施例においては、機構の寸法は好ましくは200μm未満、好ましくは150μm未満、更に好ましくは100μm未満、及び最も好ましくは約50μm未満である。また、この実施例においては、機構はセキュリティ機構であり、好ましくは反射型又は伝導型機構であり、最も好ましくは反射型セキュリティ機構であり、選択的には可変情報を更に含む。これらのセキュリティ機構はラベル、タグ、書類、通貨等に有益であり、任意の製造物に対して添付するか、或いは実質上固定する。この実施例の他の態様によれば、基板はコーティングを含むか、或いは一つ又は複数のイメージ、例えばホログラムを含む。一つの実施の形態においては、直接描画プリンタはインクジェットデバイスを含むと共に、直接描画ヘッドは選択的に圧電ヘッドを含む。
【0075】
他の実施例においては、本発明のセキュリティ機構(好ましくは反射型セキュリティ機構)は、金属粒子及び金属ナノ粒子からなるインクから様々な技法を用いて形成され、印刷され、或いは作成される。その技法は、インタリオ、ロールプリンタ、スプレー、オフセット印刷、浸漬コーティング、スピンコーテイング及び他の技法、即ち液体又は連続ジェットのための直接個別ユニット、或いは表面への液体の連続シートを含むが、これらに限定されるものではない。
【0076】
本発明の組成のための有益な印刷方法の他の例は、リトグラフ印刷及びグラビア印刷を含む。例えばグラビア印刷は、金属粒子と金属ナノ粒子を包含し、約500cPまでの粘度を有するインク組成又は処方を用いることができる。グラビア法は約1μm乃至約25μmの最小の機構寸法を有する機構を沈着させることができ、且つこの機構を毎分約700メートルまでの高速で沈着させることができる。グラビア法は表面上のパターンの直接形成も含む。従って、本発明のインクが好ましくは直接描画法と共に用いられると、本発明のインクはグラビア印刷方法に用いて、グラビアシリンダのマイクロ刻設を通じて微細な機構を印刷する能力を与える。この実施例は、金属粒子及び/又はナノ金属粒子をを含んで微小刻設グラビアシリンダ特徴を湿らせるインクを用いて極めて微細なセキュリティ機構を印刷することを可能とする。
【0077】
他の実施例においては、本発明のセキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構は、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含むインクから、リトグラフ印刷法を用いて、形成され、印刷され、沈着され、或いは作成される。リトグラフ法においては、インク印刷板がラバーブランケットに接触してパターンを転写し、このラバーブランケットが、印刷すべき表面に接触してパターンを転写する。プレートシリンダは先ず湿ローラに接触し、これがプレートの親水性非イメージ領域へ水溶液を転写する。次いで、湿プレートがインク付ローラへ接触して、インクを親油性イメージ領域のみに受け入れさせる。従って、本発明のインクが好ましく直接描画処理に用いられる間に、本発明のインクはリトグラフ処理にも用いられ、これは、これらの処理を用いた高解像度パターンにより規定された高反射型セキュリティ機構を与える。
【0078】
一つ又は複数の堆積技法を用いると、上述のインクを基板の一側又は両側に堆積させることが可能である。更に、これらの処理を繰り返して、同一又は異なる金属ナノ粒子組成の多重層を基板上に堆積させることができる。
【0079】
一つの好ましい実施例によれば、金属粒子、好ましくは金属ナノ粒子を含むインクは有益に基板上に限定されるので、最小の機構寸法を有するセキュリティ機構の形成が可能となり、その最小機構寸法はx−y軸で最小の機構次元となるので、線の幅又は円の径となる。直接描画処理によれば、本発明はセキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構の形成を含み、選択的には、最小の機構寸法を有する。例えば本発明の方法は、約200μmよりも大きくはなく、例えば約150μmよりも大きくはなく、約100μmよりも大きくはなく、或いは約50μmよりも大きくはない最小寸法のセキュリティ機構を製作するために用いることができる。これらの機構寸法は、表面へ液滴又は離散的なユニットの組成を与えるインクジェット印刷及び他の印刷の試みを用いて与えることができる。本発明の傍観機構を形成するために用いられた好ましい金属粒子及びナノ粒子含有インクは、基板上の領域に限定することができ、その基板の幅は約200μm未満であり、好ましくは150μm未満であり、例えば100μm未満であり、約50μm未満である。
【0080】
上述のように、その上にインク例えばインクジェット又はデジタルインクがある基板は、この基板上に選択的に一つ又は複数のイメージを含めるように印刷される。従って印刷段階は、選択的に基板表面上に直接描画印刷してセキュリティ機構の耐偽造保障を向上させるセキュリティ機構を形成するイメージを持たせることを含む。好ましくは、最終的に形成された印刷セキュリティ機構は少なくとも部分的に重畳した一つ又は複数のイメージを有する。下側のイメージは、セキュリティ機構、好ましくは少なくとも結局形成された印刷されたセキュリティ機構1つ以上のイメージを部分的に重ね合わせる。 基本的なイメージは、ホログラム、黒及び白イメージから成るグループ、カラーイメージ、UV 透かし、UV蛍光イメージ、テキスト及びシリアル番号、またはこれらの組み合わせからなるグループから選択してもよい。一つ又は複数のイメージの少なくとも一部の上部にセキュリティ機構を印刷することは、以下に詳細に説明するように、写真写りを不明瞭にする効果を持っているセキュリティ機構を形成するので好ましい。
【0081】
金属粒子及び/又はナノ粒子を含有インクが基板に印刷されて本発明のセキュリティ機構、例えば反射型セキュリティ機構を形成する前に、基礎をなす基板のイメージが形成されていることが好ましい。様々な実施の態様において、基板イメージは直接描画印刷(例えばインクジェット又は他のデジタル印刷)、インタリオ印刷、グラビア印刷、リトグラフ印刷及びフレキソ印刷処理からなるグループから選択された印刷処理から形成することができる。そのイメージは(全体的に又は部分的に)、セキュリティ機構を形成するのに用いたのと同一のインクを使用してもしなくてもよく、そのセキュリティ機構はイメージに少なくとも部分的に重畳する。ホログラム又は他の種類のイメージについて、イメージは少なくとも部分的にレーザーエッチング処理により形成してもよい。更に、基板表面上に選択的に存在するイメージは、上述したように長さ方向に変動するトポグラフィーを持っても持たなくてもよい。他の実施の形態では、インクは金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含有するインクを用いて反射型セキュリティ機構を印刷するには、以下の印刷法のうちの任意の一つ又は組み合わせを用いる。即ち、インクジェット印刷、インタリオ、グラビア、オフセット印刷等である。
【0082】
インクの処置
本方法は、上述の印刷段階と同時に又は後に、例えばインク沈着(印刷)の直後に、基板上に沈着されたインクを処置及び/又は硬化させる段階を選択的に含む。本明細書で用いるように、用語「処置」とは、組成(沈着したインク)の物理的又は化学的特性を変更させるのに充分な状態で例えば加熱又は輻射の適用(例えばIR,UV又はマイクロウェーブ輻射)による処理か、或いは、例えば他の層(例えば被覆層)を形成することにより組成を変更する処理である。従って一つの態様では、本方法は、加熱、紫外線輻射、赤外線輻射及び/又はマイクロ波輻射を印刷若しくは沈着したインクに施す段階を更に含む。この方式で沈着インクを処置する方法の非限定的な例は、UV、IR、マイクロ波、熱、レーザー又は通常の光源を採用する方法を含む。沈着インクの温度は、高温ガスを用いるか或いは加熱基板に接触することにより上昇させることができる。この温度は、ビークル及び/又は他の種の更なる蒸発を結果的に増大させる。レーザー、例えばIRレーザーも加熱のために使用することができる。IRランプ、ホットプレート又はベルト炉を用いることもできる。 他の観点では、この処理は、例えば、冷凍、溶融、輻射を含むか、或いは塗布されたインクの特性、例えば粘性及び/又は表面張力の変更を含んでおり、これは化学反応若しくは塗布されたインクからの材料の除去を伴うか或いは伴わない。この処置段階は、例えばより恒久的なセキュリティ機構(例えば沈着インクの硬化により)を形成し、及び/又は導電セキュリティ機構を形成するので好ましい。
【0083】
一つの態様においては、本発明のセキュリティ機構を形成するのに用いられた沈着インク、例えば、インクジェット又はデジタルインクは非常に短時間で処理される。短い加熱時間は基礎をなす基板に対する損傷を防ぐので有益である。例えば、200nm程度の乾燥した厚さを有するセキュリティ機構を形成するようにインクを沈着さえるための熱処理時間は、約100ミリ秒未満であり、例えば約10ミリ秒未満であり、或いは約1ミリ秒未満である。短い加熱時間はレーザー(パルス又は連続波)ランプ又は他の輻射を用いて与えることができる。特に好ましいのは、制御された滞留時間を有する走査レーザーである。ベルト及びボックス炉又はランプにより処理する場合、持続時間はしばしば約60秒未満であり、例えば約30秒未満であり、或いは約10秒未満である。好ましい加熱時間及び温度は所定の特性、例えば所望のセキュリティ機構に応じて変動する。溶媒又は他のの構成物質が迅速に沸騰して多孔性や他の種の欠陥を形成してしまう場合には、短い加熱時間は非効果的であることに留意されたい。、
一つの実施形態において、金属粒子及び/又はナノ粒子を含むインクは、UV光の照射により硬化可能な光活性試薬を更に含む。この光活性試薬は例えばモノマー又は低分子重量ポリマーであって、これは重合化させ、選択的には光開始剤として存在し、UV光に晒されることにより、堅固で溶けにくい金属反射層がもたらされる。
【0084】
一つの特定の局面によれば、本発明はセキュリティ機構。好ましくは反射型セキュリティ機構に関し、これはUV硬化性であるが、UV硬化性有機組成は含んでいない(例えば、有機UV硬化ビークル、モノマー又はポリマーを含んでいない)。従って一実施形態においては、本発明はUV硬化性セキュリティ機構であり、これは金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含み、これにはUV硬化性有機組成がない(例えばUV硬化性ビークルがない)
特定の理論により拘束されずに、この観点では、金属(例えば銀)粒子及び/又は金属ナノ粒子のプラズモン共鳴と、UV照射による周囲のビークルの加熱とが同時に起こると考えられる。この加熱は基板表面からのビークルの蒸発をもたらすので、乾燥して高度に反射性の機構が形成される。例えば、UV硬化性セキュリティ機構は硬化して金属ナノ粒子の焼結ネットワークを形成する。
【0085】
特定の理論により拘束されずに、UV照射は沈着したインクにおける隣接する金属粒子及び/又はナノ粒子の焼結を増大させて、最終的に形成されたセキュリティ機構の反射性及び導電性を向上させるものと考えられる。
【0086】
本発明の更なる態様においては、沈着したインク、例えばインクジェット又はデジタルインクは処置、例えば圧縮により硬化して本発明のセキュリティ機構、例えば反射型セキュリティ機構を形成する。これは沈着したインクを保持する基板を、そのインク内の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を「溶接」する様々な異なる処理に晒すことにより達成できる。これらの処理の非限定的な例はスタンピング及びロール圧延を含む。
【0087】
本発明の一つの態様では、沈着したインクは、約300℃未満、例えば約250℃未満、で225℃未満、200℃未満、或いは185℃未満の温度で印刷されたセキュリティ機構、例えば印刷された反射型セキュリティ機構へ変換される。多くの場合、約150℃未満の温度、約125℃未満の温度、或いは約100℃未満の温度ですら、所望のセキュリティ機構、例えば反射型セキュリティ機構(選択的には或る所望の程度の導電性を示す)を形成することが可能である。
【0088】
本発明のセキュリティ機構において、例えば付加的な防犯要素(詳しくは後述する)として、導電性が望まれるならば、これは重量の大部分、即ちインクから抽出されて最終的に形成されたセキュリティ機構における少なくとも一つの隣接する金属ナノ粒子へ少なくとも部分的に、好ましくは完全に、焼結した(又は連なった)金属粒子及び/又は金属ナノ粒子の好ましくは少なくとも約60重量パーセント、少なくとも約70重量パーセント、少なくとも約80重量パーセント又は少なくとも約90重量パーセントにとって有益である。この焼結は室温下で、又は沈着したインクの処置(例えば熱、IR照射、UV照射、マイクロ波照射、圧力、又は他の輻射)中に生じる。
【0089】
沈着して処置された材料、例えばセキュリティ機構は、好ましくは反射型セキュリティ機構であり、また処置後である。処置後は例えば洗浄及び/又はセキュリティ機構の封入(たとえば沈着した材料を酸素、水その他の潜在的な有害物質から守る目的)又は他の変更例を含む。インク、例えばインクジェット又はデジタルインクが基板上に沈着されて、好ましくは処置されて、本発明のセキュリティ機構、例えば反射型セキュリティ機構を形成した後は、セキュリティ機構の少なくとも一部を損傷及び/又は酸化から保護するために、その上に保護層を形成することが好ましい。
【0090】
従って、他の非限定的な例は、印刷されたセキュリティ機構の上部に保護層を印刷又は塗布することである。この保護層は例えば圧力、磨耗、水、或いはガス又は液体中に存在して印刷後の構造へ晒される化学薬品に対する保護を与える。この保護層はセキュリティ機構をヒトとの接触、汗、或いは周囲環境、例えば湿気等に対する露呈からも保護する。例えば、ラッカー、エナメル、ガラス、ガラス/金属合成物、又はポリマー保護物質をセキュリティ機構、例えば反射型セキュリティ機構の上部の上塗りとして塗布(選択的には印刷)して、セキュリティ機構の例えば酸化や汚れを抑制して、傷や磨耗に対する抗力を向上させる。代替的に、ラッカー、ガラス。及びポリマー保護物質を本発明の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子の組み合わせのインク組成へ添加する。様々な保護物質を、既に印刷されたセキュリティ機構、或いはセキュリティ機構へ印刷する前のインク自身に添加でき、セキュリティ機構に耐久性(特に耐水性)を与えると共に、その耐用寿命を向上させる。上塗りとして又はインク自身への含有に有益な保護物質の非限定的な例は、ラッカー、フルオロケイ酸塩、フッ素化ポリマー(例えばゾニール生成物)、シュラック(又は他の同様の透明な被覆技術)、アクリル酸、UV硬化アクリル酸、ポリウレタン等、或いはそれらの組み合わせである。保護層は選択的に以下のグループから選択された印刷処理によりセキュリティ機構上へ置かれる。そのグループは、直接描画印刷(例えばインクジェット又はデジタル印刷)、インタリオ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、リトグラフ印刷及びフレキソ印刷処理からなる。勿論、この保護層は、当業者には公知の任意の他の通常の被覆処理によりセキュリティ機構上に形成してもよい。一つの実施形態によれば、保護物質はセキュリティ機構を印刷するためのインク内に用いられて、次いで防犯昨日が同一の又は別の保護物質で印刷される。二つの異なる保護物質がこの方式で使用可能であるならば、それらが反応して第3の保護物質を形成する。
【0091】
セキュリティ機構
上述した本発明のインク、例えばインクジェット又はデジタルインク及び処理は、例えば、金属粒子、好ましくは金属ナノ粒子を含む印刷されたセキュリティ機構、好ましくは印刷された反射型セキュリティ機構の製作に有益に使用できる。セキュリティ機構は、実質上の証明として、任意の製造品目、例えばブランド製品、香水、薬品、煙草又はアルコール製品、ボトル、衣類(例えばシャツ、パンツ、ジーンズ、ブラウス、スカート、ドレス、ソックス、帽子、、ドレス、ソックス、帽子、下着など)、食品のパッケージ若しくは容器、スポーツ用品、ポスター、及びその他、また書類では、例えば、、パスポート、債券、チケット、印税スタンプ、紙幣、ブランド認証タグ、及び他に使用できるが、それらに限定されるものではない。
【0092】
一つの態様では、本発明はデジタル印刷されたセキュリティ機構に関する。このセキュリティ機構は電気的に導電性でも絶縁性でもよく、磁気的でも非磁気的でもよく、透明でも半透明でもよく、及び/又は可視光範囲及び/又は他の任意の範囲、例えばUV及び/又はIR範囲に対して反射性でもよい。
【0093】
本明細書においては、用語「半透明」とは、例えば開口を通じて及び/又は透明層を通じて、少なくとも或る光を透過させつつ、光の一部を選択的に吸収することを意味するものとする。本明細書で用いるように、用語「反射」とは、実質的に反射鏡(若しくは鏡状の)特性を示しつつ、選択的に或る程度の量(例えば特定の波長)の光を吸収することを意味する。
【0094】
本明細書及び添付の請求項で使用された用語「機構」と「構造」は、2次元又は3次元構造を含み、これは、線、形状、イメージ、ドット、パッチ、連続又は不連続層(例えば、コーティング)、及び特に、任意の基板上に形成可能な構造を含むが、これらに限定されるものではない。本明細書で用いるように、用語「セキュリティ機構」は上述のように定義された構造であって、即ち物品(例えば、タグ又はラベル、書類、例えばパスポート、小切手、債券、紙幣、通貨、チケットなど)の直接又は間接的な認証の目的で、その物品上に配置される。
【0095】
本発明は、一つの実施例によれば、セキュリティ機構に関し、このセキュリティ機構は、金属粒子、好ましくは金属ナノ粒子を含み、更に好ましくはセキュリティ機構は金属ナノ粒子を含んでおり、少なくとも部分的に、好ましくは完全に反射性である。一つの実施例によれば、本発明のセキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構は、その大部分(例えば80%より多いか、或いは90%よりも多く)が金属粒子及び/又は金属ナノ粒子(上塗り及び/又は保護層を除く)からなる。他の態様では、本発明はデジタル印刷されたセキュリティ機構、、好ましくは反射型のデジタル印刷されたセキュリティ機構に関する。本発明の反射型セキュリティ機構は、そのセキュリティ機構の複製を極めて困難にさせる様々な光学的セキュリティ機構を与える。
【0096】
本発明は、金属粒子、好ましくは金属ナノ粒子からセキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構を形成する方法にも関する。付加的に又は代替的に、本発明はデジタル印刷されたセキュリティ機構を形成する方法にも関する。このセキュリティ機構は好ましくはインクから形成されており、このインクは、金属粒子、好ましくは金属ナノ粒子を含む。このインクは一つの実施例では包括されるデジタルインクであり、これは金属粒子、好ましくは金属ナノ粒子を含み、デジタルインクジェットプリンタヘッド又はカートリッジを通じてデジタル印刷することが可能である。この方法は、一つの実施例によれば、インク、好ましくはデジタルインクを与える第1の段階を含み、そのインクは金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含む。この方法は、インク、好ましくはデジタルインクを基板上に直接描画印刷、好ましくはインクジェット印刷してセキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構を形成する第2の段階を含む。基板は選択的にイメージを含み、上述のように、その下のイメージが写真に写りにくい効果を有するセキュリティ機構によって、当該イメージ上は少なくとも部分的に覆われている、上述したように、特定のインク処方に依存して、方法は印刷されたインクを処理する段階を選択的に含んでおり、これは例えば、印刷されたインクを硬化させるのに効果的な条件化の熱、マイクロ波、紫外線照射及び/又は赤外線照射によりなされる。好ましい実施例においては、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は、金属(例えば元素金属の形態、合金、又はは、金属を含む化合物)或いは金属特性を有する化合物、また選択的には抗凝集剤、好ましくはポリマー、及び最も好ましくはポリマーを含むヘテロ原子からなる。
【0097】
本発明のセキュリティ機構は、様々な異なる用途において防犯及び信用性を与える目的で使用するために広範な形態を包含している。例えば、デスクトップパブリッシング及びカラーコピー機の出現と発展によって、書類やクーポン券の不正行為の機会は劇的に増加している。本発明のセキュリティ機構は、広範な分野で実用性があり、これは例えば、クーポン償還、在庫保全、通貨防犯、コンパクトディスク保全、運転免許証及びパスポートの防犯を含む。本発明のセキュリティ機構は、磁気ストリップに対する効果的な代替手段として利用することもできる。現在、磁気ストリップはクレジットカード番号などの識別番号を含んでおり、これは生産業者によってプログラムされている。これらのストリップは、障害を生じる傾向にあり、また複製や書き換えが容易なので、不正を被る。 これらの短所を克服するために、導電性のセキュリティ機構であって、回路の形態で基板上に印刷されて特定の消費者の情報が符号化されている。従って本発明は、クレジットカード、ATM及び磁気ストリップが防犯手段として使用される他のトラッキングカードに用いて防犯を向上させるために使用できる。
【0098】
本発明の他の防犯用途の形態では、セキュリティ機構は、例えば反射型セキュリティ機構であり、これは様々な物品に印刷して顕在的なセキュリティ機構を製作できる。例えば、そのような特徴が有益な用途は、通貨(例えば紙幣)への防犯、ブランド商品の商標保護を与えることである。非限定的な例として、特有の金属的な反射型機構を表面へデジタル印刷することにより、容易に認識可能な反射性の金属的セキュリティ機構を与えてもよい。反射性、その機構の金属的性質、及び例えばインクジェット印刷により印刷された情報のデジタル特性の組み合わせは、基板に対して多段階の防犯を与えることができる。このような機構により与えられた機構は、他のセキュリティ機構、例えば光学的に可変な機能、エンボス加工、透かし、スレッド、ホログラム、蛍光基板、及びそれ自体が導電的且つ磁性的な金属インキの特徴と組み合わせることにより更に高めることができる。
【0099】
非限定的な例として、上述のインク、例えば、インクジェットインク又はデジタルインクは、電磁スペクトル又は可視スペクトルの可視領域における半透明セキュリティ機構を生成する方式で印刷できる。この機構の半透明性は、一方が他方を通じて可視である独特の組み合わせにより、多重セキュリティ機構を可能とする。この機構の反射力に対する光学的半透明性は、層の特性及び処理状態に応じてを調整できる。一例として、反射性半透明機構を他の機構(例えばカラーイメージ、白黒イメージ、透かし、ホログラム等の)の表面上に印刷することができ、或いは隠匿機構(例えばUV又は反ストーク燐光体のような蛍光材料及び他の隠匿機構)と組み合わせることができる。半透明コーティングを選択的に電気的導電性及び/又は磁気的とすることにより、上述の機構に対して追加的程度の隠匿機構を付加することができる。半透明コーティングは、電磁スペクトルの他の領域(例えば紫外域及び赤外域)に対して選択的に透明になるように形成することもできる。
【0100】
他の非限定的な態様においては、異なる金属粒子及び/又は金属ナノ粒子組成、例えばインクからなる層を印刷して、その印刷された粒子又はナノ粒子金属の物理的特性に応じた選択的な透明度に達するようにしてもよい。例えば、二種類の異なる金属粒子及び/又はナノ粒子を包含するインクを色付き機構の上に印刷することにより、特定の色についての光学的透過性を達成可能である。更に、二種類の異なる金属粒子及び/又はナノ粒子包含インクを印刷することにより、特定の色を達成可能である。
【0101】
本発明の他の実施の形態では、多重半透明層を形成して、選択的に印刷して(例えばグラビア印刷、直接描画印刷、デジタル印刷及び/又はインクジェット印刷)、それらの層の何れかが金属性の「低下」や色の変動をもたらす。この実施例によれば、セキュリティ機構、例えば反射型セキュリティ機構は選択的に、第1の半透明層と、この第1の半透明層上の少なくとも一部に配置された第2の半透明層とを含む。好ましくは第1の半透明層の厚さは約50nm乃至約500nmであり、代表的には約200nmであり、横方向寸法は相当に大きく、例えば少なくとも数ミクロン程度である。第2の半透明層の厚さは好ましくは約20nm乃至約500nmであり、横方向寸法は相当に大きく、例えば少なくとも数ミクロン程度である。第1の半透明層及び/又は第2の半透明層は、好ましくは、金属酸化物を含み、これは例えば、マイカ、シリカ、チタニア、酸化鉄、クロム酸化物、又はそれらの混合体であり、好ましくはマイカ、チタニア及び/又はシリカである。好ましい実施例においては、第1の半透明層及び/又は第2の半透明層は金属粒子及び又は金属ナノ粒子を含み、その金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は酸化金属を含む。特定の好ましい実施例は、以下の表1に示すように、マイカ、チタニア、及びシリカの様々な組み合わせからなる。
【表1】

【0102】
更に、セキュリティ機構は選択的に、第2の半透明層上の少なくとも一部に配置された第3の半透明層を含む。第3の半透明層の厚さは、約20nm乃至約500nmであり,横方向寸法は相当に大きく、例えば少なくとも数ミクロン程度である。第2の半透明層及び/又は選択的な第3の半透明層の厚さを変化させて(例えば、x及び/又はy方向へ厚さを減少させて)、異なる金属色を呈するようにしてもよい。第1及び第2の半透明層と同様に、第3の半透明層は選択的に金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含み、これは好ましくは以下を含むが、それらに限定されるのものではない。即ち、酸化金属、例えば、マイカ、シリカ、チタニア、酸化鉄、クロム酸化物、又はそれらの混合体であり、特に好ましいのはマイカ、シリカ、及びチタニアである。第1の層、第2の層、及び/又は選択的な第3の層のうちの少なくとも一つは、印刷処理、例えば直接描画処理、好ましくはデジタル印刷処理又はインクジェット印刷処理により形成してもよい。この方式において、可変な情報を含むセキュリティ機構は、特有の金属的反射効果を持つように形成することができる。表2は、特定の金属色特性を有するセキュリティ機構を互いに形成する組み合わせに用いることができる様々な半透明層のリストを示す。次の文献を参照されたい。 Huge M. Smith, High Perfomance Pigments, Wiley−VCH Velag−GmbH,Weinheim,Germany,(2002),この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【表2】

【0103】
多色は、第2の反射層の厚さが増大するにつれて、その色がここに示した順序で変化することを示す。
【0104】
他の実施の形態では、第1の半透明層と第3の透明層とが少なくとも部分的には同一の組成、例えば同一酸化金属で形成されている。この態様では、第2の半透明層の屈折率を第1及び第3の半透明層のそれとは異ならせることにより、多重界面を形成して「金属的効果」現象を強める多重干渉を導くことが好ましい。即ち、セキュリティ機構の層構造は、基板の表面上に個々の層が積層されて構成されているのであって、予め製作されて基板上に塗布される多層色素粒子を採用しているのではない。これは、特異な色効果を示す新規なセキュリティ機構を形成することを可能とする。そのような効果は、予め製作された多層金属効果色素粒子の配置では生じさせることができない。特有の金属的効果を有する好ましい多層セキュリティ機構を形成する層の追加的な組み合わせを以下の表3に示す。
【表3】

【0105】
従って一つの態様においては、本発明はセキュリティ機構であって、これは(a)第1の金属粒子を含む第1の層であり、その第1の金属粒子が第1の酸化金属を含む第1の層と、(b)第1の層上の少なくとも一部に配置され、第2の酸化金属を含む第2の金属粒子を含む第2の層とを備える。好ましくは、セキュリティ機構は更に、(c)第2の層上の少なくとも一部に配置された第3の層を含み、この第3の層は、第3の酸化金属を含む第3の金属粒子を含む。選択的に、第1の酸化金属は、シリカ、チタニア、及びマイカからなるグループから選択され、第2の酸化金属は、シリカ、チタニア、及びマイカからなるグループから選択され、且つ第1の酸化金属は第2の酸化金属とは異なる。好ましい実施の態様では、第1の酸化金属はチタニアを含み、第2の酸化金属はマイカを含む。好ましくは、セキュリティ機構はそれを傾けると色の変化を示し、偽造者が複製することが極めて困難な光学的特徴を与える。
【0106】
更に、少なくとも一つの半透明層は、少なくともその一部が、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含むインクから形成され(例えば、直接描画印刷、デジタル印刷又はインクジェット印刷)、一つ又は複数の反射層は選択的に、以下の表4に特定された色素種の一つ又は複数を含むインクから形成してもよい。これらの色素種は一般に、直接描画、デジタル又はインクジェット印刷処理には大き過ぎる粒子を含んでいる。
【表4】

【0107】
本発明に係る半透明金属粒子被覆又は半透明金属ナノ粒子被覆は様々な方法により達成できる。非限定的な例では、印刷された機構のデジタル分解能は基板表面に印刷された材料の量を減らすことにより低減するので、光学的透過性を増大させるには、被覆される表面領域の量を縮小する。代替的に、本発明の金属粒子又は金属ナノ粒子含有インクは、金属粒子又は金属ナノ粒子含有量を低減するように稀釈して印刷することにより、表面を薄い層で完全に覆うことができる。
【0108】
(上述した)本発明に係るセキュリティ機構、例えば反射型性セキュリティ機構を形成する処理の選択的な処理、例えば硬化段階は、その反射に比較して透明度に強い影響力を持つ。通常は、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子の高充填により、高い硬化温度及び長い硬化時間が、印刷された機構の高反射率及び低い光学的透明度に寄与する。低い硬化温度は通常は低反射率をもたすが、透明度を増大させる。増大した光学的透明度と増大した反射率との組み合わせを達成する最適条件は、通常は、硬化したナノ粒子の完全な被覆膜を含んでおり、より連続的な膜を与えている。
【0109】
本発明の一つのセキュリティ用途では、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子包含インク組成又は処方が着色顔料及び/又は色素を含んでおり、インク組成又は処方が印刷されて、選択的な処理(例えば硬化)がなされた際には、機構は金属的光沢を有し、更に、機構はそれ自体の金属組成の特性ではない色を呈する。非限定的な例では、金色の光沢は黄色色素を銀ナノ粒子インクと混合することにより達成される。
【0110】
更なる観点では、蛍光性又は燐光性添加剤はインクに含有され、この場合は、それから生成された機構が、金属的光沢(顕在性機構)と蛍光(秘匿機構)とを含む特性の組み合わせを有し、その蛍光(秘匿機構)は適宜な波長、例えばUV光源による短波長(例えば、約254nm)又は長波長(例えば約365nm)の電磁的照射に晒すことにより検出される。このような一つの実施形態によれば、例えばIR吸収燐光体(例:エルビウム及び/又はイッテルビウムがドープされたイットリウムホウ酸塩)が利用されており、これは米国仮特許出願第60/731,004号(出願日:2005年10月18日)に説明されたとおりであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。更なる態様によれば、着色料又は色素は蛍光性としてもよく、これは以下の特性の組み合わせによりもたらされる。即ち本発明の印刷されたセキュリティ機構は金属光沢を有し、その色は(通常の光では)着色料又は色素の性質によって定まるが、例えばUV光の照射の下では、可視光の放射が観察される。
【0111】
他のセキュリティ用途の態様では、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子包含インク組成又は処方が基板上に印刷されて、その基板連続的に使用されてセキュリティスレッドを生成する。この実施例では、インク組成又は処方が上述の処理の何れか、特に直接描画印刷により、例えば紙又は有機ポリマー基板上に多数の付加的なセキュリティ機構と共に印刷される。デジタル印刷の付加的な使用は、セキュリティ機構が施される物品の偽造に対する更なる防御策を形成する可変情報を与えることに役立つ。代表的な適用では、スレッドは紙幣、書類(例えばパスポート、或いは風船ガムなどの消費製品を開封するための開封テープなど)に対するセキュリティの付加的な度合いを与えるのに用いてもよい。
【0112】
本発明の更なるセキュリティ用途においては、本発明の印刷されたセキュリティ機構、好ましくは印刷された反射型セキュリティ機構は、光学的に課ヘンな特徴のような特有の光学的特性を有する複合セキュリティ機構の一部として使用される。非限定的な例では、本発明の金属粒子又は金属ナノ粒子包含インク組成又は処方は、硬化後に高反射性となる特定のパターンに金属的機構を印刷するために用いられる。この反射型金属機構(これは本実施例においては好ましくは全体的に反射性である)は、複雑なセキュリティ構造のための光学的特性を形成する一連の複数の印刷層における基層として用いることができる。第2の層は反射型金属層の表面上に加えることができ、この第2の層は光学的に透明又は半透明である。次いで第3の層は第2の層の表面上に印刷して、半透明性及び可視光に対して反射性の特性を持たせることができる。この第3の層は、この実施形態においては、好ましくは到来する光の一部を吸収する。この第3の層の非限定的な例では、金属ナノ粒子の他の被覆が、非常に薄い層を与える方式で印刷されて硬化する。他の非限定的な例では、第1の層及び/又は第3の層がクロミウム又はインコネル(商標)(ニッケル−クロミウム−鉄合金族)からなる。この三層積層(サンドウィッチ状)により奏される効果は、上部層(第3の層)により反射した光と基層(第1の反射型金属インク層)との間の光学的干渉パターンであり、これらの多層がその上に印刷された物品を視認者に対して傾動(角度を変える)させるにつれて、特有の単色又は多色が生じることである。これらの光学的変化は、積層により形成された特有の光学的干渉パターンに加えて、印刷の構造及び厚さを含む層の組成により変動するこの種の構造により形成される。
【0113】
サンドウィッチの第2(中間)層の材料も多くの場合は、その固有の物理的吸収スペクトラム及び/又は光散乱を減少させる範囲内の寸法を有する粒子からなるという事実の何れかの効果により光学的に透明な材料とすることができる。この材料は無機物、有機物(例えば有機ポリマーなど)或いはそれらの混合体としてもよい。高屈折率を有する材料、例えばTiO,シリカ、又はMgFは、より一層の効果を与える。この材料は、例えば蛍光粒子からなるような若干の他の機能的特性を持たせて、この機構が顕在的特性と秘匿的特性との組み合わせを有するようにしてもよい。
【0114】
この実施例においては、セキュリティ機構を形成するのに用いられた各種の層は、同一の印刷処理により形成してもよく、或いは異なる印刷処理により形成してもよい。例えば、第1の層は選択的に、直接描画印刷(例えばジェット又はデジタル印刷)、インタリオ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、リトグラフ印刷及びフレキソ印刷処理からなるグループから選択された印刷処理により形成してもよい。選択的に、第2の層は直接描画印刷(例:インクジェット又はデジタル印刷)、インタリオ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、リトグラフ印刷及びフレキソ印刷処理からなるグループから選択された印刷所により形成してもよい。同様に、第3の層は選択的に直接描画印刷(例えばインクジェット又はデジタル印刷)、インタリオ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、リトグラフ印刷及びフレキソ印刷処理からなるグループから選択された印刷所により形成してもよい。従って、一つ、二つ又は三つの層全てを直接描画印刷処理、例えばデジタル印刷処理又はインクジェット印刷処理により形成してもよい。他の実施の形態では、三層よりも多くの層を採用して、更に独特のセキュリティ機構を与える。
【0115】
図3は本発明のこの態様による非限定的なセキュリティ機構300を示す。図示のようにセキュリティ機構300は基板301上に三層構造構造を含む。この三層構造は基板301上に配置された第1の反射層302を含む。第1の反射層302は半透明又は不透明とすることができる。透明層303が第1の反射層302上に配置される。透明層303は無機組成又は有機組成、(例えば有機ポリマー)或いはこれらの混合体を含んでもよい。透明層303は、例えば選択的に、一つ又は複数のTiO,シリカ、及び/又はMgFからなる。第2の反射層304は好ましくは半透明であり、図示のように透明層303上に配置されている。第1の反射層302と第2の反射層304とは、同一の材料から形成してもよく、或いは異なる材料から形成してもよい。
【0116】
好ましくは、第2反射層は金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を包含するインク、好ましくは直接描画インク例えばインクジェット又はデジタルインクにより形成される。第1の反射層も選択的にこのインクから形成してもよい。このセキュリティ機構403は独特の光学的特性、例えば光学的可変機構のように、偽造者には複製することが非常に困難な特性を与える。
【0117】
関連する態様では、セキュリティ機構、好ましくは反射型セキュリティ機構は、例えばインクジェット印刷のような直接捺染処理により基板上に印刷され、この基板は透明材料(選択的にはポリマー)のシートからなり、複雑なセキュリティ機構を形成するためにシート上に配置された薄い反射層を有しており、上述したものに類似してはいるが、単独の印刷段階で形成される。この態様における基板は、透明な表面と、これとは反対側の半透明若しくは不透明な反射面とを有する。セキュリティ機構(例えば反射型セキュリティ機構)は、インクジェット印刷又はデジタル印刷のような直接描画処理により透明表面上に直接に印刷されて、上述した三層セキュリティ機構と同様な三層の複雑なセキュリティ機構を形成する。この印刷層は、(例えば基板上の反射面が不透明であるならば)半透明か、或いは(たとえば基板上の反射面が半透明であるならば)不透明である。従って本発明のセキュリティ機構の他の実施の形態は、透明材料及び反射層のシートを含む基板上に配置(若しくは印刷)され、その透明材料は透明表面を有し、セキュリティ機能は透明表面上に配置(若しくは印刷)される。三層の複雑なセキュリティ機構を形成するこの処理に必要なのは、単独の印刷段階のみであるので、三つの層の全てをそれぞれ個別に印刷するよりも単純である。結果的な三層セキュリティ機構は、通常の取り付け手段、例えば接着により商品へ固定してもよい。
【0118】
図4A及びBに示された実施例は、光学的反射層401を含む基板400を示す。透明層401は無機組成又は有機組成(例えば有機ポリマー)或いはそれらの混合体としてもよい。透明層401は例えば光学的に一つ又は複数のTiO、シリカ、及び/又はMgFを含む。基板400も図示のように透明層401上に配置された第1の反射層402を含む。選択的に、第1反射層は半透明である。代替的に、第1の反射層は不透明である。図示のように、基板400は透明表面405及びその反対側の反射面406を有する。上述したように、インク、好ましくは金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を包含するインクジェットインク又はデジタルインクなどの直接描画インクが基板400の透明表面405に印刷され、その上に選択的に第2の反射層404を形成するように処理して、図4Bに示すように三層セキュリティ機構403を形成する。図3に示したセキュリティ機構300のようなセキュリティ機構403は、特有の光学的特性、例えば光学的に可変な機構を与え、これを偽造者が複製することは極めて困難である。
【0119】
本発明の方法によりインクから形成されて印刷されたセキュリティ機構、例えば反射型セキュリティ機構は、他のセキュリティ機構と組み合わせてセキュリティの付加的な度合を与えることができる。付加的なセキュリティ機構は、顕在的なものでも隠匿したものでもよい。付加的で顕在的な透明機構の非限定的な例は、光学的に可変な特性、ホログラム、エンボス、透かし等当を含む。付加的な顕在的機構の非限定的な例は、蛍光材料、例えばUV励起蛍光体、アップコンバート蛍光体、マイクロプリント又はマイクロイメージを含む。更に若しくは代替的に、セキュリティ機構が磁気的特性を帯びており、選択的に光学的効果と組み合わせてもよい。例えばセキュリティ機構が磁気的特性(これは隠匿セキュリティ機構として働く)を帯びており、更に光学的効果(これは顕在的及び/又は隠匿セキュリティ機構として働く)を示してもよい。これは例えばセキュリティ機構が、酸化鉄からなる金属粒子を更に備える場合である。
【0120】
上述したように、好ましい実施例においては、本発明は単独のセキュリティ機構であるか、或いは複雑なセキュリティ機構の一部であり、好ましくは当該セキュリティ機構若しくは当該複雑なセキュリティ機構の一部が反射性であり、また当該セキュリティ機構若しくは当該複雑なセキュリティ機構の一部が金属粒子、好ましくは金属ナノ粒子を含む。他の形態においては、本発明はデジタル印刷されたセキュリティ機構、好ましくはデジタル印刷された反射型セキュリティ機構であり、これは選択的に金属粒子、好ましくは金属ナノ粒子を含む。何れの場合でも、セキュリティ機構は選択的に、その上にイメージを有する基板表面上に配置される。セキュリティ機構は好ましくはイメージの少なくとも一部に重畳させる。この態様では、用語「セキュリティ機構」は専らイメージ上に重畳された反射層を意味するか、或いは、反射層と当該反射層の下にあるイメージとの組み合わせを意味する。最も好ましい態様では、本発明のセキュリティ機構は、本発明のインク組成にから印刷、作成若しくは形成された可変情報を含み、そのインク組成は金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含む。
【0121】
関連する実施形態では、本発明はセキュリティ機構に関し、これは (a) イメージを持つ表面を有する基板、及び(b)金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含み、基板表面の少なくとも一部に配置され、少なくとも部分的にイメージに重畳する反射層とを備える。
【0122】
好ましい態様においては、例えば、セキュリティ機構は、金属粒子、好ましくは金属ナノ粒子からなる半透明反射層を含み。この機構はその下にあるイメージの少なくとも一部、好ましくは全体に重畳して、角度に依存する反射力をs与える。反射層の特性は、基板表面に対して第1の角度で機構を見たときには反射層を通じてイメージを視認可能とさせる。しかしながら、第2の角度から見たときは、入射光が半透明反射層で反射されて観察者の目へ向うにつれて、その下にあるイメージが見えにくくなる。セキュリティ機構の下にあるイメージが一つ又は複数の角度では見えにくくなる特徴を、本明細書においては「光隠蔽」効果と称する。例えば、第2の角度は約180°から基板表面に対する入射角度を差し引いたものである。上記により詳しく説明した光隠蔽効果は、偽造者による複製を極めて困難にする。何らかの特定の理論により規定することなく、この効果は特定の角度では、反射型セキリュティ機構がミラーのように働いて光源からの入射光を直接に観察者へ反射するという事実から導かれる。この反射光からの明るさは、下にあるイメージを実質的に視認できないようにする(図2Bに示して後述する)。しかしながら他の角度においては反射型機構は観察者に対して入射光を反射しないので、観察者は、下にあるイメージを明瞭に視認できる。
【0123】
一つの態様では、セキュリティ機構は、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子からなる非連続的な反射層を含む。本明細書において用語「非連続的」とは、個別に分断された複数の対象の少なくとも一部が、隣接する対象の間の平均距離が約500μm未満になるように形成されているか、或いは、少なくとも一つの空間若しくは間隙(例えば螺旋パターン)を有する単独の対象の少なくとも一部が、その空間若しくは間隙の幅が約500μm未満になるように形成されていることを意味する。好ましい実施の形態では、非連続的反射層は複数の反射イメージ、好ましくは複数のマイクロイメージを含み、それは付加的な隠匿セキリュティ要素を与える。
【0124】
非連続的半透明反射層における間隙若しくは空間の一つの目的は、観察者に対し、第1の角度では半透明反射層の下にあるイメージを視認させるが、第2の角度では入射光を半透明反射層における金属粒子及び/又は金属ナノ粒子で反射させることにより、下にあるイメージを観察者には見えなくすることである。この目的に間隙又は空間を適合させるためには、間隙又は空間の平均最小寸法を比較的に小さくせねばならない。例えば、間隙又は空間の平均最小寸法は、選択的に約500μm未満、約250μm未満、約100μm未満、或いは約50μm未満である。
【0125】
非連続的半透明反射層は、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含む反射層を開口若しくは間隙を有するパターンで印刷することにより形成でき、その開口若しくは間隙は、少なくとも第1の角度で見たときに反射層に光を通過させる。開口若しくは間隙は様々な形態を採り得る。例えば、反射層は、窓網戸状のクロスハッチングパターン(図1Aに示す如し)を含んでもよい。他の形態では、反射層は図1Bに示すように複数の平行線を含んでもよく、その線は本発明の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含むインク組成を用いて作成、形成、配置、印刷される。これらの線には有益にも約250μmを越えない、例えば約200μmを越えない、約100μmを越えない、或いは約50μmを越えない平均幅を持たせることができる。図1Bには直線を図示したが、セキュリティ機構における線は、直線、曲線、正弦曲線、重合線、ジグザグ線、又はそれらの組み合わせでもよい。線の端部は隣接線へ接続されていてもいなくてもよい(図1Bにおいては非接続状態で示されている)。他の態様では、反射層は図1Cに示すように螺旋パターンとしてもよい。他の態様では、反射層は図1Dに示すように複数の点を有してもよい。他の態様では、反射層はテキスト体、例えばアルファベット数字体を有し、これらは図1Eに示すように選択的に複数の点から形成される。他の態様では、反射層は複数の幾何学的形状を含み、それらは形状は同様であるが、寸法が異なっており、各形状は、図1Fに示すように、次に大きな寸法の形状の中に位置している。その形状は、矩形、円、楕円、長方形、星型、或いは他の任意の形状を含む。これらの形状は、反射層における空間若しくは間隙が、その下の潜在的なイメージを視認するのに充分である限りは、隣接する形状に対して重なり合ってもなくてもよい。他の態様では、上述の態様のうちの一つ又は複数を組み合わせてもよい。幾つかの非限定的な例では、セキュリティ機構が半透明反射層を含み、当業者には、間隙若しくは開口を有する半透明反射層は、他の無数のパターン(例えば反復パターン又は非反復パターン文字、テキスト、レター、数字、星印、円、矩形、イメージ等)で形成できることが明らかであろう。他の例示的な形状及びパターンはPCT出願公開WO2005/080089 A1(2005年9月1日発行)に説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0126】
図2A−Cは本発明の一実施例に係るセキュリティ機構100の非限定的な例を示す。図示のセキュリティ機構は、上述した写真に写りにくい効果を示している。図2Aは基板表面に対して第1の角度から見たセキュリティ機構100の図示である。図示のように第1の角度では、星印を含む顕在的イメージ103が、その星印イメージ103上に重ねられた半透明反射層を通して明瞭に視認される。しかしながら、図2Bに示すように、第2の角度では入射光が半透明層で観察者へ向って反射されるので、イメージ103は、隠された領域106によって示すように、実質的に見えなくなる(領域106においては図2Aに示すイメージ103は不可視である)。
【0127】
図2A及び図2Bに示すセキュリティ機構100においては、半透明反射層104は複数の反射マイクロイメージ105を含んでいる。このマイクロイメージ105は、図2A及び図2Bでは不可視であるが、図2Cに拡大挿入して示してある。本明細書で用いるように用語「マイクロイメージ」は、実質的に二次元の抽象的若しくは幾何学的な形状、或いは物体又は情報を表す象徴的な表示であり、その最大平均長さは0.5mm未満、例えば約0.4mm未満、約0.3mm未満又は約0.2mm未満、約0.1mm未満、約750μ、約500μm、又は約250μm未満である。隣接するマイクロイメージ105の間の距離は図1A−図1Eを参照して上述したように、空間若しくは間隙を形成する。 図2Cに挿入して示すように、図2A及び図2Bのセキュリティ機構100におけるマイクロイメージ105は反復する円形を含んでいる。他の好ましい実施の形態では、マイクロイメージは一連の文字数字テキストを含む。
【0128】
本発明の一実施形態においては、セキュリティ機構、例えば反射型セキュリティ機構は、可変情報を包含する少なくとも一つのマイクロイメージを含む。従って、一つの態様では、セキュリティ機構は、複数のマイクロイメージを含む反射層と、可変情報を選択的に含む少なくとも一つのマイクロイメージとを備え、好ましくはマイクロイメージは本発明の金属粒子及び/又はナノ粒子からなるインク組成を用いて生成され、形成され、沈着されて印刷される。付加的なセキュリティ要素として、セキュリティ機構は顕在的な可変情報を選択的に含み、その情報は上述した金属ナノ粒子から形成されていてもいなくてもよい。本発明の一つの特に望ましい態様では、セキュリティ機構が顕在的と隠匿的との可変情報を含んでおり、その顕在的可変情報と隠匿的可変情報は同じ情報を表すか、或いは相互に関連する情報(例えば数列或いは他の手段)を表す。
【0129】
図2A乃至図2Cは本発明のこの態様を示す。図示のように、セキュリティ機構100は顕在的な可変情報101を含み、これは肉眼で容易に視認できる。これと同様な可変情報は、隠匿的可変情報102で示すように、半透明反射層104のマイクロイメージ105において少なくとも一回は示されている。従って付加的なセキュリティ要素としては、ループ又は他の単純な拡大デバイスを有する隠匿的情報102を隠匿的な可変情報102を有する顕在的な可変情報101とを比較することにより、これらが互いに整合するか若しくは互いに関連することを検査できる。
【0130】
一つの実施例においては、文字数字又は光学的認識文字又は記号、イメージその他の微小印刷は、本発明の金属粒子及び/又はナノ粒子を含む本発明のインク組成又は処方を用いて印刷、生成、形成又は沈着される。好ましい実施形態においては、微小印刷文字、イメージ、記号その他は、印刷のインチ平方毎のドット即ち印刷密度を増大させるように変更される。これは基本的に、多数のドットが個々の文字を形成する新たなフォントを低減させて、基本的情報、可視的イメージ、又は文字の値が変化しない。例えばタイムスニューローマンにおけるフォントサイズ2ポイントの数字「2」は33ドットからなるが、本発明の実施例については、文字「2」の基本的な情報、可視的なイメージ若しく値を損なうことなく、20ドットを除去できる。この技術は、良好な解像度及び半透明層のような視覚的効果を伴う本発明のインク組成又は処方を用いる可変情報などの様々なセキュリティ機構を微小印刷可能とする。
【0131】
他の態様においては、セキュリティ機構は、連続的な半透明層と、本発明の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子からなる連続的な半透明層とからなる。 本明細書で用いるように用語「連続的」とは、単独の個別の連結した対象、例えば、実質的に間隙がないインクを意味する。
【0132】
連続的反射層は透明でも半透明でもよい。本明細書で用いるように用語「透明」とは、光の透過を許容するが、空間若しくは間隙に限定されないことを意味する(但し、幾つかの空間若しくは間隙が透明層に存在してもしなくてもよい)。この態様では、半透明層へ光を透過させるために、透明反射層は好ましくは特に薄く、例えば約5μm未満、1μm未満、約500nm未満、又は約50nm未満程度である。
【0133】
透明反射層は、図2A乃至図2Cを参照して上述したような非連続反射層により形成された写真に写りにくい効果と同様な写真に写りにくい効果を呈する。即ち、透明反射層は基板表面にイメージを配置する。このイメージは基板表面に対して第1の角度では透明反射層を通じて視認できるが、入射光が透明反射層で観察者へ向って反射する基板表面に対する第2の角度では視認できない。
【0134】
他の実施の形態では、セキュリティ機構は、上述したように、長手方向に変動するトポグラフィーを有する下層イメージの少なくとも一部の上に配置された反射層を含む。一つ又は複数のイメージが長手方向に変動するトポグラフィーを有するならば、そのイメージの少なくとも一部分上に印刷されたセキュリティ機構(又はその反射層)は、重畳されたイメージの長手方向に変動するトポグラフィーの平行移動を好ましくも提示する。本発明の反射型セキュリティ機構は、長手方向に変動するトポグラフィーを有する下層イメージ上に形成された際には、複製するのが極めて困難なセキュリティィ要素を与えることが判っている。この実施例では、反射層は、この反射層が不透明であったとしても、下層イメージの長手方向変動トポグラフィーが重畳された反射層へ平行移動するので、下層イメージに類似するものを示す。
【0135】
従って、一つの態様では、連続反射層が少なくとも部分的に基板表面上のイメージに重畳され、このイメージは長手方向に変動するトポグラフィーを有し、且つ連続反射層が、重畳されたイメージの長手方向に変動するトポグラフィーの平行移動を示す。この実施例では、反射層は連続的でも非連続的でもよい。連続的であるならば、この実施例の反射層は透明でも不透明でもよい。即ち、反射層は、この反射層が不透明で下層イメージが反射層を通じて実際に不可視であったとしても、下層イメージの並行移動を与える。
【0136】
一つの態様では、セキュリティ機構の平均厚さは、金属粒子又は金属ナノ粒子を含み、即ち金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含むインクから生成、形成、沈着又は印刷されたセキュリティ機構は約0.01μmよりも厚く、例えば約0.05μmを越え、約0.1μmを越えるか、或いは約0.5μmを越える。厚さは約1μmをも越えることができ、例えば約5μmを越えてもよい。これらの厚さは直接描画沈着、例えばインクジェット沈着、或いは単独の経路又は二つ若しくはそれ以上の経路における材料の個別単位の沈着により得られる。例えば、単独層が沈着され乾燥された後に、所望とあれば、このサイクルを一回又はそれ以上繰り返してもよい。選択的に、沈着されたセキュリティ機構の厚さ、例えば反射層の厚さは(選択的に不透明、半透明、連続的又は非連続的反射層)は約2μm未満、約1μm未満、約750nm未満、又は約500nm未満である。
【0137】
セキュリティ機構、例えば反射型セキュリティ機構又はその反射層の金属粒子及び/又は金属属ナノ粒子の間の距離は、ばらつきが大きいであろう。 様々な実施の形態では、セキュリティ機構(例えば反射型セキュリティ機構又はその反射層)における金属粒子及び/又は金属ナノ粒子は約1μm未満、例えば約700nm未満、約500nm未満、約250nm、約100nm又は約50nm未満である。
【0138】
本発明の他のセキュリティ用途の態様では、セキュリティ機構、選択的に反射型セキュリティ機構は、物品に付加的なセキュリティ要素を与える導電(選択的に反射)層又は配線を含む。この態様では、セキュリティ機構は金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含んでおり、導電性認証特性を示す。非限定的な例として、上述したように、印刷された金属セキュリティ機構は、、例えば隣接する金属ナノ粒子のネッキングを通じる電気的導電性の条件化で硬化して、セキュリティの付加的な度合いを与える。電気導電性の存在は、例えば2点又は4点プローブ測定のような接触方式、或いは導電特性の存在が電場又は磁場で判断される非接触方式により判断できる。例えば印刷された金属機構は次元(厚さ、幅及び長さ)をもって構成でき、ここで機構の電気的導電性は、測定がなされる機構内の位置の関数として変動する。これはこの機構に付加的な度合いのセキュティを与える。一つの実施の形態においては、セキュリティ機構の金属粒子及び/又は金属ナノ粒子の大部分(例えば、少なくとも約60重量パーセント、少なくとも約75重量パーセント、少なくとも約80重量パーセント、又は少なくとも約90重量パーセント)は、少なくとも一つの隣接するナノ粒子に繋がっている。
【0139】
従って、セキュリティ機構それ自体又はセキュリティ機構の部分若しくは部品は、好ましくは反射型セキュリティ機構であって、選択的には伝導性である。好ましい実施の形態では、セキュリティ機構は金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含み、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子はバルク金属を含む。セキュリティ機構の少なくとも一部分、複数の部分、又は全て或いはセキュリティ機構の部品は好ましくは反射型セキュリティ機構であって、これは金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含み、抵抗率を有し、その抵抗は金属粒子及び/又はナノ金属粒子の純粋なバルク金属の抵抗率の約30倍を越えることは無く、例えば約20倍を越えず、約10倍を越えず、或いは約5倍を越えない。従って、一つの実施の形態では、本発明のセキュリティ機構は導電性であるか、或いはこのセキュリティ機構は部分的に導電性である。好ましくは本発明のセキュリティ機構又は本発明のセキュリティ機構の部分は共に反射性であり、導電性部分を有する。反射性と導電性とのセキュリティ特性の組み合わせは、セキュリティ機構がタグ、ラベル、紙幣等に拘らず、セキュリティ機構の防犯性を更に高める。偽造者は本発明のセキュリティ機構の反射性特性のみならず導電性も複製しなければならない。更に他の実施の形態では、セキュリティ機構又はその部分は更に、反射性及び/又は導電性との組み合わせにおける磁気特性を含む。他の態様では、セキュリティ機構、例えば反射型セキュリティ機構の一部分が、金属粒子及び/又は金属ナノ粒子を含み、高い導電性(低抵抗率)を有するが、セキュリティ機構全体は導電性を殆ど又は全く示さない。即ち、一つの態様では、本発明は実質的に非導電性セキュリティ機構であって、導電性部分を又は部品を含む。選択的に導電性部分は約1cm未満の最小の機構寸法を有し、これは例えば500μm未満、250μm未満、約100μm未満、又は約50μm未満である。範囲の観点では、導電性部分は選択的に約10μm乃至約5cmの最小機構寸法を有し、これは例えば約250μm乃至約5cm、約500μm乃至約3cm、又は約750μm乃至約2cmである。この態様では、高導電性領域はバルク金属の抵抗率の約30倍未満の抵抗率を有することが好ましく、これは例えばバルク金属の抵抗率の約10倍未満、又はバルク金属の抵抗率の約5倍未満である。しかしながらセキュリティ機構全体では、選択的に金属粒子及び/又はナノ金属粒子のバルク金属の抵抗率の10倍よりも大きな抵抗率を示し、これは例えばバルク金属の抵抗率に対して、少なくとも30倍、少なくとも50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約500倍又は少なくとも約1000倍である。更に、選択的にセキュリティ機構全体の導電率は、導電性部分の導電率の約10倍よりも大きく、例えば導電性部分の導電率の約100倍或いは1000倍である。一つの実施の形態では、セキュリティ機構は可変情報の二つ又はそれよりも多くの形態を含み、例えば一方の形態はセキュリティ機構で視認でき(例えばシリアル番号)、他方の形態は部品機構の可変抵抗を示すようにする。これは機構に二つのレベルのセキュリティを与える。即ち顕在的セキュリティ(可変特性)及び隠匿的セキュリティ(従属部品の可変抵抗)である。
【0140】
他の実施の形態では、本発明は実質的に非導電性UV硬化セキュリティ機構であり、これは導電部分又は部品を有し、セキュリティ機構はUV硬化有機物組成を含んでおらず、例えば有機UV硬化ビークル、モノマー又はポリマーを含まない。この実施の形態では、導電性部分又は部品が金属粒子及び/又はナノ粒子を含み、これらは好ましくは抗凝集物質、例えばポリマー、好ましくはヘテロ原子を包含するポリマーを更に含む。
【0141】

インクは、銀ナノ粒子(平均粒子寸法50nm、5wt%)、エチレン・グリコール(EG)(38wt%)、ジエチレン・グリコール・モノエチル・エーテル(DEGME)(38wt%)、及び銀ナノ粒子の分散を通じて、EG:DE:DEGME:グリセロールの混合体を40:40:20にするように処方したグリセロール(19wt%)を含む。
【0142】
このインクは25℃(100RPM)において粘性率21.8cpであり、表面張力は37mN/mであった。このインクをSE128のSスペクトラインクジェットプリントヘッド(Dimatix社から市販されている)から射出しながら、インク貯蔵器の温度を0°に維持した。インクは基板上へ連続的に射出されて、12kHzにおいて中断することなく1時間で反射セキュリティ機構を形成した。このインクは繊維系にも射出され、その速度(ヘッドの下を移動する基板の速度)は100ft/分、200ft/分、及び300ft/分であり、解像度は300dpi及び500dpiである。射出の後、約8時間に亘って断続的に観察したところ、全てのジェットが発射されており、インクジェット性能に悪影響を与えるキャッピング/閉塞はなかった。 印刷された反射型セキュリティ機構は肉眼で視認できるほど極めて反射的であった。
【0143】
本発明を例示的な実施例を参照して説明したが、その用語は説明及び図示のために用いたのであって、限定的な意味に用いたものではないことに留意されたい。本発明及びその態様の目的及び要旨を逸脱することなく、現在の及び補正後の請求項の範囲内で修正をなし得るであろう。本発明は本明細書では特定の手段、材料、及び実施例を参照して説明したが、本発明は本明細書における特定の開示事項に限定されることを意図したものではない。むしろ本発明は添付の請求項の目的の範囲内の全ての機能的に均等な構造、方法及び用途に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1A】図1Aは開口又はギャップを有する半透明反射型機能を形成するように採用されるパターンの例を示す図である。
【図1B】図1Bは開口又はギャップを有する半透明反射型機能を形成するように採用されるパターンの例を示す図である。
【図1C】図1Cは開口又はギャップを有する半透明反射型機能を形成するように採用されるパターンの例を示す図である。
【図1D】図1Dは開口又はギャップを有する半透明反射型機能を形成するように採用されるパターンの例を示す図である。
【図1E】図1Eは開口又はギャップを有する半透明反射型機能を形成するように採用されるパターンの例を示す図である。
【図2A】図2Aは本発明の一つの態様の写真を不明瞭にする効果を示す防犯デバイスの例を示す図である。
【図2B】図2Bは本発明の一つの態様の写真を不明瞭にする効果を示す防犯デバイスの例を示す図である。
【図2C】図2Cは本発明の一つの態様の写真を不明瞭にする効果を示す防犯デバイスの例を示す図である。
【図3】図3は本発明の一実施例によるセキュリティ機構の断面図を示す図である。
【図4A】図4Aは本発明の他の実施例によるセキュリティ機構の断面図を示す図である。
【図4B】図4Bは本発明の他の実施例によるセキュリティ機構の断面図を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属粒子を含む反射型セキュリティ機構。
【請求項2】
請求項1の反射型セキュリティ機構において、前記金属粒子が約5μm未満の平均粒子サイズを有する反射型セキュリティ機構。
【請求項3】
請求項1の反射型セキュリティ機構において、前記反射型セキュリティ機構はナノ金属粒子を含む反射型セキュリティ機構。
【請求項4】
請求項1の反射型セキュリティ機構において、前記金属粒子が約1μm未満の平均粒子サイズを有する反射型セキュリティ機構。
【請求項5】
請求項4の反射型セキュリティ機構において、前記金属粒子が約500nm未満の平均粒子サイズを有する反射型セキュリティ機構
【請求項6】
請求項5の反射型セキュリティ機構において、前記金属粒子が約100nm未満の平均粒子サイズを有する反射型セキュリティ機構。
【請求項7】
請求項1の反射型セキュリティ機構において、前記金属粒子が約50nm乃至約100nmの平均粒子サイズを有する反射型セキュリティ機構。
【請求項8】
請求項1の反射型セキュリティ機構において、前記反射型セキュリティ機構が少なくとも部分的に基板表面に重畳している反射型セキュリティ機構。
【請求項9】
請求項8の反射型セキュリティ機構において、前記イメージの少なくとも一部は前記基板表面に対する第1の角度で見たときは前記反射型セキュリティ機構を通じて視認でき、前記イメージの少なくとも一部は前記基板表面に対する第2の角度で見たときは視認できない反射型セキュリティ機構。
【請求項10】
請求項1の反射型セキュリティ機構において、前記反射型セキュリティ機構は、金属粒子を含むインクを基板上へインクジェット印刷する処理により形成される反射型セキュリティ機構。
【請求項11】
請求項1の反射型セキュリティ機構において、前記反射型セキュリティ機構は発光性である反射型セキュリティ機構。
【請求項12】
請求項1の反射型セキュリティ機構において、前記反射型セキュリティ機構の少なくとも一部は可変情報を表す反射型セキュリティ機構。
【請求項13】
請求項1の反射型セキュリティ機構において、前記反射型セキュリティ機構は、透明材料のシートと反射層とからなる基板上に配置され、前記透明材料は透明表面を有しており、この透明表面上に前記反射型セキュリティ機構が配置される反射型セキュリティ機構。
【請求項14】
請求項13の反射型セキュリティ機構において、前記反射型セキュリティ機構は、光学的干渉パターンを示す反射型セキュリティ機構。
【請求項15】
請求項1の反射型セキュリティ機構において、前記金属粒子は、銀、金、亜鉛、錫、銅、プラチナ、及びパラジウム若しくはそれらの組み合わせを含む反射型セキュリティ機構。
【請求項16】
請求項1の反射型セキュリティ機構において、隣接する金属粒子の間の平均距離は約700nm未満である反射型セキュリティ機構。
【請求項17】
請求項16の反射型セキュリティ機構において、前記金属粒子の大部分は少なくとも一つの隣接する金属粒子に連結している反射型セキュリティ機構。
【請求項18】
請求項1の反射型セキュリティ機構において、前記反射型セキュリティ機構は反射層を含み、この反射層は少なくとも部分的に半透明である反射型セキュリティ機構。
【請求項19】
請求項18の反射型セキュリティ機構において、前記反射層は非連続的反射層を含み、この非連続的反射層は金属粒子を含む反射型セキュリティ機構。
【請求項20】
請求項18の反射型セキュリティ機構において、前記反射層は複数のマイクロイメージを含み、このマイクロイメージの少なくとも一つは選択的に可変情報を含む反射型セキュリティ機構。
【請求項21】
請求項20の反射型セキュリティ機構において、前記複数のマイクロイメージは、約0.5mm未満の平均最大寸法を有する反射型セキュリティ機構。
【請求項22】
請求項18の反射型セキュリティ機構において、前記反射層は連続的反射層を含み、この連続的反射層は金属粒子を含む反射型セキュリティ機構。
【請求項23】
請求項22の反射型セキュリティ機構において、前記連続的反射層は半透明である反射型セキュリティ機構。
【請求項24】
請求項22の反射型セキュリティ機構において、前記連続的反射層は不透明である反射型セキュリティ機構。
【請求項25】
請求項22の反射型セキュリティ機構において、前記連続的反射層は少なくとも部分的に基板表面上のイメージに重畳し、そのイメージは長手方向に変動するトポグラフィーを有する反射型セキュリティ機構。
【請求項26】
請求項25の反射型セキュリティ機構において、前記連続的反射層は前記重畳されたイメージの長手方向に変動するトポグラフィーの平行移動を示す反射型セキュリティ機構。
【請求項27】
請求項1の反射型セキュリティ機構を包含する紙幣。
【請求項28】
請求項1の反射型セキュリティ機構を包含するブランド認証タグ。
【請求項29】
請求項28のブランド認証タグを含む製品。
【請求項30】
請求項1の反射型セキュリティ機構を包含する納税印印紙。
【請求項31】
請求項30の納税印印紙を含むアルコールボトル。
【請求項32】
請求項30の納税印印紙を含む煙草製品容器。
【請求項33】
デジタル印刷された反射型セキュリティ機構。
【請求項34】
請求項33の反射型セキュリティ機構において、前記デジタル印刷された反射型セキュリティ機構は金属粒子を含む反射型セキュリティ機構。
【請求項35】
請求項34の反射型セキュリティ機構において、前記金属粒子は約5μm未満の平均粒子サイズを有する反射型セキュリティ機構。
【請求項36】
請求項34の反射型セキュリティ機構において、前記金属粒子は、銀、金、亜鉛、錫、銅、プラチナ、及びパラジウム若しくはそれらの組み合わせを含む反射型セキュリティ機構。
【請求項37】
請求項34の反射型セキュリティ機構において、隣接する金属粒子の間の平均距離は約700nm未満である反射型セキュリティ機構。
【請求項38】
請求項37の反射型セキュリティ機構において、前記金属粒子の大部分は少なくとも一つの隣接するナノ粒子に連結している反射型セキュリティ機構。
【請求項39】
請求項33の反射型セキュリティ機構において、前記デジタル印刷された反射型セキュリティ機構は基板表面上のイメージに少なくとも部分的に重畳している反射型セキュリティ機構。
【請求項40】
請求項39の反射型セキュリティ機構において、前記イメージの少なくとも一部は前記基板表面に対する第1の角度で見たときは前記デジタル印刷された反射型セキュリティ機構を通じて視認でき、前記イメージの少なくとも一部は前記基板表面に対する第2の角度で見たときは視認できない反射型セキュリティ機構。
【請求項41】
請求項33の反射型セキュリティ機構において、前記デジタル印刷された反射型セキュリティ機構の少なくとも一部は可変情報を表示する反射型セキュリティ機構。
【請求項42】
請求項33の反射型セキュリティ機構において、前記デジタル印刷された反射型セキュリティ機構は、透明材料のシートと反射層とからなる基板上に配置され、前記透明材料は透明表面を有しており、この透明表面上に前記デジタル印刷された反射型セキュリティ機構が配置される反射型セキュリティ機構。
【請求項43】
請求項42の反射型セキュリティ機構において、前記反射型セキュリティ機構は、光学的干渉パターンを示す反射型セキュリティ機構。
【請求項44】
請求項33の反射型セキュリティ機構において、前記デジタル印刷された反射型セキュリティ機構は、少なくとも部分的に半透明な反射層を含む反射型セキュリティ機構。
【請求項45】
請求項44の反射型セキュリティ機構において、前記反射層は非連続的反射層を含み、この非連続的反射層は金属粒子を含む反射型セキュリティ機構。
【請求項46】
請求項45の反射型セキュリティ機構において、前記反射層は複数のマイクロイメージを含み、このマイクロイメージの少なくとも一つは選択的に可変情報を含む反射型セキュリティ機構。
【請求項47】
請求項46の反射型セキュリティ機構において、前記複数のマイクロイメージは、約0.5mm未満の平均最大寸法を有する反射型セキュリティ機構。
【請求項48】
請求項44の反射型セキュリティ機構において、前記反射層は連続的反射層を含み、この連続的反射層は金属粒子を含む反射型セキュリティ機構。
【請求項49】
請求項48の反射型セキュリティ機構において、前記連続的反射層は半透明である反射型セキュリティ機構。
【請求項50】
請求項48の反射型セキュリティ機構において、前記連続的反射層は不透明である反射型セキュリティ機構。
【請求項51】
請求項48の反射型セキュリティ機構において、前記連続的反射層は少なくとも部分的に基板表面上のイメージに重畳し、そのイメージは長手方向に変動するトポグラフィーを有する反射型セキュリティ機構。
【請求項52】
請求項51の反射型セキュリティ機構において、前記連続的反射層は前記重畳されたイメージの長手方向に変動するトポグラフィーの平行移動を示す反射型セキュリティ機構。
【請求項53】
請求項33の反射型セキュリティ機構を包含する紙幣。
【請求項54】
請求項33の反射型セキュリティ機構を包含するブランド認証タグ。
【請求項55】
請求項54のブランド認証タグを含む製品。
【請求項56】
請求項33の反射型セキュリティ機構を包含する納税印印紙。
【請求項57】
請求項56の納税印印紙を含むアルコールボトル。
【請求項58】
請求項56の納税印印紙を含む煙草製品容器。
【請求項59】
セキュリティ機構であって、
(a)表面を有する基板であり、その表面はイメージを有する基板と、
(b)前記表面の少なくとも一部に配置された金属粒子粒子を含んで前記イメージに少なくとも部分的に重畳する反射層とを備えるセキュリティ機構。
【請求項60】
請求項59のセキュリティ機構において、前記金属粒子が約5μm未満の平均粒子サイズを有するセキュリティ機構。
【請求項61】
請求項59のセキュリティ機構において、前記セキュリティ機構はナノ金属粒子を含むセキュリティ機構。
【請求項62】
請求項59のセキュリティ機構において、前記金属粒子が約1μm未満の平均粒子サイズを有するセキュリティ機構。
【請求項63】
請求項62のセキュリティ機構において、前記金属粒子が約500nm未満の平均粒子サイズを有するセキュリティ機構
【請求項64】
請求項63のセキュリティ機構において、前記金属粒子が約100nm未満の平均粒子サイズを有するセキュリティ機構。
【請求項65】
請求項59のセキュリティ機構において、前記金属粒子が約50nm乃至約100nmの平均粒子サイズを有するセキュリティ機構。
【請求項66】
請求項59のセキュリティ機構において、前記反射層は少なくとも部分的に半透明であるセキュリティ機構。
【請求項67】
請求項66のセキュリティ機構において、前記反射層は非連続的反射層を含むセキュリティ機構。
【請求項68】
請求項67のセキュリティ機構において、前記イメージの少なくとも一部は前記基板表面に対する第1の角度で見たときは前記反射層を通じて視認でき、前記イメージの少なくとも一部は前記基板表面に対する第2の角度で見たときは視認できないセキュリティ機構。
【請求項69】
請求項68のセキュリティ機構において、第2の角度は約180°から前記表面に対する光の入射角を引いたものであるセキュリティ機構。
【請求項70】
請求項68のセキュリティ機構において、前記反射層は複数の反射イメージを含むセキュリティ機構。
【請求項71】
請求項70のセキュリティ機構において、前記反射層は複数の反射マイクロイメージを含み、その複数の反射マイクロイメージは約0.5mm未満の平均最大寸法を有するセキュリティ機構。
【請求項72】
請求項71のセキュリティ機構において、少なくとも一つのマイクロイメージは可変データを含むセキュリティ機構。
【請求項73】
請求項59のセキュリティ機構において、前記イメージは、直接描画印刷、インタリオ印刷、グラビア印刷、リトグラフ印刷、及びフレキソ印刷処理からなるグループから選択された印刷処理で形成されているセキュリティ機構。
【請求項74】
請求項59のセキュリティ機構において、前記イメージは、ホログラム、白黒イメージ、カラーイメージ、透かし、UV蛍光イメージ、テキスト及びシリアルナンバーからなるグループから選択されたものであるセキュリティ機構。
【請求項75】
請求項59のセキュリティ機構において、前記金属粒子は、銀、金、亜鉛、錫、銅、プラチナ、及びパラジウム若しくはそれらの組み合わせを含むセキュリティ機構。
【請求項76】
請求項59のセキュリティ機構において、隣接する金属粒子の間の平均距離は約700nm未満であるセキュリティ機構。
【請求項77】
請求項76のセキュリティ機構において、前記金属粒子の大部分は少なくとも一つの隣接する金属粒子に連結しているセキュリティ機構。
【請求項78】
請求項59のセキュリティ機構において、前記反射層は連続反射層を含むセキュリティ機構。
【請求項79】
請求項79のセキュリティ機構において、前記イメージの少なくとも一部は前記基板表面に対する第1の角度で見たときは前記連続的反射層を通じて視認でき、前記イメージの少なくとも一部は前記基板表面に対する第2の角度で見たときは視認できないセキュリティ機構。
【請求項80】
請求項79のセキュリティ機構において、第2の角度は約180°から前記表面に対する光の入射角を引いたものであるセキュリティ機構。
【請求項81】
請求項78のセキュリティ機構において、前記連続的反射層は半透明であるセキュリティ機構。
【請求項82】
請求項78のセキュリティ機構において、前記連続的反射層は不透明であるセキュリティ機構。
【請求項83】
請求項78のセキュリティ機構において、前記イメージは長手方向に変動するトポグラフィーを有するセキュリティ機構。
【請求項84】
請求項83のセキュリティ機構において、前記連続的反射層は前記重畳されたイメージの長手方向に変動するトポグラフィーの平行移動を示す反射型セキュリティ機構。
【請求項85】
反射型セキュリティ機構を形成する方法であって、
(a)金属粒子を含むインクを与える段階と、
(b)前記インクを直接描画印刷して前記反射型セキュリティ機構を形成する段階とを含む方法。
【請求項86】
請求項85の方法において、前記反射型セキュリティ機構の少なくとも一部が可変情報を表示する方法。
【請求項87】
請求項86の方法において、前記可変情報は隠匿情報及び/又は顕在的情報を含む方法。
【請求項88】
請求項85の方法において、前記反射型セキュリティ機構は約15m/sよりも速い速度で形成される方法。
【請求項89】
請求項85の方法において、前記段階(b)は実質的に一定の温度で連続的になされる方法。
【請求項90】
請求項85の方法において、前記段階(b)は、インク貯蔵器からのインクを印刷ヘッドを通じて基板へインクジェット印刷することを含み、そのインク貯蔵器又はプリントヘッドは約30℃よりも高い方法。
【請求項91】
請求項85の方法において、前記方法は、
(c)前記印刷されたインクへ紫外線又は赤外線を照射する段階を更に含む方法。
【請求項92】
請求項85の方法において、前記インクが非UV硬化ビークルを含むと共に、前記方法は、
(c)前記印刷されたインクへ紫外線を照射する段階を更に含む方法。
【請求項93】
請求項85の方法において、前記反射型セキュリティ機構が少なくとも部分的に半透明である方法。
【請求項94】
請求項85の方法において、前記反射型セキュリティ機構が基板上に印刷され、この基板は、透明材料のシートと、反射層とからなり、その透明材料は透明表面を有し、この透明表面の上に前記反射型セキュリティ機構が配置される方法。
リティ機構。
【請求項95】
請求項94の方法において、前記反射型セキュリティ機構は、光学的干渉パターンを示す方法。
【請求項96】
請求項85の方法において、前記反射型セキュリティ機構は非連続反射層を含む方法。
【請求項97】
請求項96の方法において、前記反射型セキュリティ機構は複数の反射性マイクロイメージを含み、このマイクロイメージの少なくとも一つは選択的に可変情報を含む方法。
【請求項98】
請求項85の方法において、前記金属粒子は、銀、金、亜鉛、錫、銅、プラチナ、及びパラジウム若しくはそれらの組み合わせからなるグループから選択された金属を含む方法。
【請求項99】
請求項85の方法において、前記反射型セキュリティ機構は金属粒子を含み、その前記反射型セキュリティ機構において隣接する金属粒子の間の平均距離は約700nm未満である方法。
【請求項100】
請求項99の方法において、前記金属粒子の大部分は少なくとも一つの隣接するナノ粒子に連結している方法。
【請求項101】
請求項85の方法において、前記段階(b)はイメージを有する基板へ直接描画印刷して前記反射型セキュリティ機構を形成することを更に含む方法。
【請求項102】
請求項101の方法において、前記イメージは前記基板表面に対する第1の角度で見たときはセ前記キュリティ機構を通じて視認でき、前記イメージの少なくとも一部分は前記基板表面に対する第2の角度で見たときは視認できない方法。
【請求項103】
請求項102の方法において、第2の角度は約180°から前記表面に対する光の入射角を引いたものである方法。
【請求項104】
請求項101の方法において、前記イメージは、直接描画印刷、インタリオ印刷、グラビア印刷、リトグラフ印刷、及びフレキソ印刷処理からなるグループから選択された印刷処理で形成されている方法。
【請求項105】
請求項101の方法において、前記イメージは、ホログラム、白黒イメージ、カラーイメージ、透かし、UV蛍光イメージ、テキスト及びシリアルナンバーからなるグループから選択されたものである方法。
【請求項106】
請求項101の方法において、前記反射型セキュリティ機構は非連続的反射層を含む方法。
【請求項107】
請求項106の方法において、前記反射型セキュリティ機構は複数の反射性マイクロイメージを含み、このマイクロイメージの少なくとも一つは選択的に可変情報を含む方法。
【請求項108】
請求項101の方法において、前記反射型セキュリティ機構は連続的反射層を含む方法。
【請求項109】
請求項108の方法において、前記連続的反射層は半透明である方法。
【請求項110】
請求項108の方法において、前記連続的反射層は不透明である方法。
【請求項111】
請求項108の方法において、前記イメージは長手方向に変動するトポグラフィーを有する方法。
【請求項112】
請求項111の方法において、前記連続的反射層は、前記イメージに重畳した前記長手方向に変動するトポグラフィーの平行移動を示す有す方法。
【請求項113】
直接描画印刷処理によりセキュリティ機能を印刷する方法であって、その印刷には、基板上にインク滴を生成及び沈着させる直接描画ヘッドを有する直接描画プリンダーを用い、そのインクは金属粒子を含み、前記方法は、
前記直接描画ヘッドを5000s−1よりも早く操作することにより、生成されたインク滴の各々のが約5ピコリットル乃至約100ピコリットルのインクを含むようにすると共に、前記基板を1m/sよりも早い速度で移動させる方法。
【請求項114】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記インク及び/又は前記直接描画ヘッドを加熱する段階を更に含む方法。
【請求項115】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記インク又は前記直接描画ヘッドの温度を約30℃乃至約100℃pの温度に保持する方法。
【請求項116】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記方法は実質的に一定の温度で連続的になされる方法。
【請求項117】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記直接描画ヘッドは、約100μmを越えない径の一つ又は複数のオリフィスを有する方法。
【請求項118】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記セキュリティ機構は約200μm未満のサイズを有する方法。
【請求項119】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記セキュリティ機構は可変情報を更に含む方法。
【請求項120】
請求項119の直接描画印刷方法において、前記可変情報は隠匿情報及び/又は顕在的情報を含む方法。
【請求項121】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記基板が少なくとも一つの可変情報を含む方法。
【請求項122】
請求項121の直接描画印刷方法において、前記セキュリティ機構は連続的反射層を含む方法。
【請求項123】
請求項122の直接描画印刷方法において、前記連続的反射層は半透明である方法。
【請求項124】
請求項122の直接描画印刷方法において、前記連続的反射層は不透明である方法。
【請求項125】
請求項122の直接描画印刷方法において、前記イメージは長手方向に変動するトポグラフィーを有する方法。
【請求項126】
請求項125の直接描画印刷方法において、前記連続的反射層は、前記イメージに重畳した前記長手方向に変動するトポグラフィーの平行移動を示す有す方法。
【請求項127】
請求項121の直接描画印刷方法において、前記イメージは前記基板表面に対する第1の角度で見たときは前記セキュリティ機構を通じて視認でき、前記イメージの少なくとも一部は前記基板表面に対する第2の角度で見たときは視認できない方法。
【請求項128】
請求項127の直接描画印刷方法において、第2の角度は約180°から前記表面に対する光の入射角を引いたものである方法。
【請求項129】
請求項121の直接描画印刷方法において、前記イメージは、直接描画印刷、インタリオ印刷、グラビア印刷、リトグラフ印刷、及びフレキソ印刷処理からなるグループから選択された印刷処理で形成されている方法。
【請求項130】
請求項121の直接描画印刷方法において、前記イメージは、ホログラム、白黒イメージ、カラーイメージ、透かし、UV蛍光イメージ、テキスト及びシリアルナンバーからなるグループから選択されたものである方法。
【請求項131】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記セキュリティ機構は約15m/sよりも速い速度で形成される方法。
【請求項132】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記方法は、沈着したインク滴に紫外線又は赤外線を照射する段階を更に含む方法。
【請求項133】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記インクが非UV硬化ビークルを含むと共に、前記方法は、沈着したインク滴に紫外線を照射する段階を更に含む方法。
【請求項134】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記セキュリティ機構は少なくとも部分的に半透明である方法。
【請求項135】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記基板は、透明材料のシートと反射層とからなり、前記透明材料は透明表面を有しており、この透明表面上に前記反射型セキュリティ機構が印刷される方法。
【請求項136】
請求項135の直接描画印刷方法において、前記セキュリティ機構が光学的干渉パターンを示す方法。
【請求項137】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記セキュリティ機構が非連続反射層を含む方法。
【請求項138】
請求項137の直接描画印刷方法において、前記セキュリティ機構が複数の反射性マイクロイメージを含み、その少なくとも一つのマイクロイメージは可変データを選択的に含む方法。
【請求項139】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記金属粒子は、銀、金、亜鉛、錫、銅、プラチナ、及びパラジウム若しくはそれらの組み合わせからなるグループから選択された金属を含む方法。
【請求項140】
請求項113の直接描画印刷方法において、前記反射型セキュリティ機構における隣接する金属粒子の間の平均距離は約700nm未満である方法。
【請求項141】
請求項140の直接描画印刷方法において、前記セキュリティ機構における前記金属粒子の大部分は少なくとも一つの隣接するナノ粒子に連結している方法。
【請求項142】
反射型セキュリティ機構を形成する方法であって、
(a)金属粒子を含むインクを与える段階と、
(b)前記インクを基板上に当該基板の速度を基準として1m/sよりも早い速度で印刷して前記反射型セキュリティ機構を形成する段階とを含む方法。
【請求項143】
請求項142の方法において、段階(b)は前記インクを直接描画印刷して前記反射型セキュリティ機構を形成することを含む方法。
【請求項144】
請求項142の方法において、段階(b)は前記インクをインクジェット印刷して前記反射型セキュリティ機構を形成することを含む方法。
【請求項145】
請求項142の方法において、段階(b)は前記インクをデジタル印刷して前記反射型セキュリティ機構を形成することを含む方法。
【請求項146】
請求項142の方法において、前記速度は約5m/sよりも大きい方法。
【請求項147】
請求項142の方法において、前記速度は約10m/sよりも大きい方法。
【請求項148】
請求項142の方法において、前記速度は約15m/sよりも大きい方法。
【請求項149】
請求項142の方法において、前記速度は約20m/sよりも大きい方法。
【請求項150】
請求項142の方法において、前記セキュリティ機構の解像度は少なくとも部分的に、x及びy方向で約200dpiよりも高い方法。
【請求項151】
請求項142の方法において、前記セキュリティ機構の解像度は少なくとも部分的に、x及びy方向で約300dpiよりも高い方法。
【請求項152】
請求項142の方法において、前記セキュリティ機構の解像度は少なくとも部分的に、x及びy方向で約400dpiよりも高い方法。
【請求項153】
金属粒子を含むと共に、導電性認証特徴を示すセキュリティ構造。
【請求項154】
請求項153のセキュリティ構造において、前記セキュリティ構造が反射性であるセキュリティ構造。
【請求項155】
請求項153のセキュリティ構造において、前記金属粒子がバルク金属を含み、前記セキュリティ構造の少なくとも一部が前記バルク金属の抵抗率の約30倍を超えない抵抗率を有するセキュリティ構造。
【請求項156】
請求項153のセキュリティ構造において、前記金属粒子がバルク金属を含み、前記セキュリティ構造の少なくとも一部が前記バルク金属の抵抗率の約20倍を超えない抵抗率を有するセキュリティ構造。
【請求項157】
請求項153のセキュリティ構造において、前記セキュリティ構造又はその一部が磁気特性を更に含むセキュリティ構造。
【請求項158】
請求項153のセキュリティ構造において、前記セキュリティ構造は実質的に非導電性であるが、導電性部分を含むセキュリティ構造。
【請求項159】
請求項158のセキュリティ構造において、前記金属粒子がバルク金属を含み、前記導電性部分が前記バルク金属の抵抗率の約30倍未満の抵抗率を有するセキュリティ構造。
【請求項160】
請求項158のセキュリティ構造において、前記金属粒子がバルク金属を含み、前記導電性部分が前記バルク金属の抵抗率の約20倍未満の抵抗率を有するセキュリティ構造。
【請求項161】
請求項158のセキュリティ構造において、前記金属粒子がバルク金属を含み、前記セキュリティ構造が前記バルク金属の抵抗率の少なくとも30倍の抵抗率を有するセキュリティ構造。
【請求項162】
請求項158のセキュリティ構造において、前記金属粒子がバルク金属を含み、前記セキュリティ構造が前記バルク金属の抵抗率の少なくとも50倍の抵抗率を有するセキュリティ構造。
【請求項163】
UV硬化性セキュリティ構造であって、金属粒子を含み、且つUV硬化性有機組成を有さないセキュリティ構造。
【請求項164】
請求項163のUV硬化性セキュリティ構造であって、前記金属粒子が約5μ未満の平均粒子サイズを有するセキュリティ構造。
【請求項165】
請求項163のUV硬化性セキュリティ構造であって、前記UV硬化性セキュリティ構造が金属ナノ粒子を更に含むセキュリティ構造。
【請求項166】
請求項163のUV硬化性セキュリティ構造であって、前記金属粒子が約1μ未満の平均粒子サイズを有するセキュリティ構造。
【請求項167】
請求項163のUV硬化性セキュリティ構造であって、前記UV硬化性有機組成がUV硬化性ビークルであるセキュリティ構造。
【請求項168】
請求項163のUV硬化性セキュリティ構造であって、前記UV硬化性有機組成がUV硬化性モノマー又はポリマーであるセキュリティ構造。
【請求項169】
請求項163のUV硬化性セキュリティ構造であって、前記UV硬化性セキュリティ構造は、金属ナノ粒子の焼結ネットワークを形成するように硬化性であるセキュリティ構造。
【請求項170】
実質的に非導電性のUV硬化性セキュリティ構造であって、導電性部分若しくは部品金属粒子を含み、且つ前記セキュリティ構造はUV硬化組成を有さないセキュリティ構造。
【請求項171】
請求項170の実質的に非導電性のUV硬化性セキュリティ構造において、前記セキュリティ構造は反射性であるウセキュリティ構造。
【請求項172】
請求項170の実質的に非導電性のUV硬化性セキュリティ構造において、前記セキュリティ構造は磁気特性を更に含むセキュリティ構造。
【請求項173】
請求項170の実質的に非導電性のUV硬化性セキュリティ構造において、前記実質的に非導電性のUV硬化性セキュリティ構造は金属粒子を含み、この金属粒子はバルク金属を含み、前記導電性部分若しくは部品の抵抗率は前記バルク金属の抵抗率の約30倍よりも高くはないセキュリティ構造。
【請求項174】
請求項173の実質的に非導電性のUV硬化性セキュリティ構造において、前記導電性部分若しくは部品の抵抗率は前記バルク金属の抵抗率の約20倍よりも高くはないセキュリティ構造。
【請求項175】
請求項173の実質的に非導電性のUV硬化性セキュリティ構造において、前記実質的に非導電性のUV硬化性セキュリティ構造は、前記バルク金属の抵抗率の少なくとも50倍の抵抗率を有するセキュリティ構造。
【請求項176】
請求項170の実質的に非導電性のUV硬化性セキュリティ構造において、前記セキュリティ構造は、平均粒子サイズが約5μm未満の金属粒子を含むセキュリティ構造。
【請求項177】
請求項170の実質的に非導電性のUV硬化性セキュリティ構造において、前記セキュリティ構造は、平均粒子サイズが約1μm未満の金属粒子を含むセキュリティ構造。
【請求項178】
請求項170の実質的に非導電性のUV硬化性セキュリティ構造において、前記UV硬化性組成はUV硬化性ビークルであるセキュリティ構造。
【請求項179】
請求項170の実質的に非導電性のUV硬化性セキュリティ構造において、前記UV硬化性組成はUV硬化性モノマー又はポリマーであるセキュリティ構造。
【請求項180】
セキュリティ構造であって、
(a)第1の酸化金属を包含する第1の金属粒子を含む第1の層と、
(b)少なくとも部分的に第1の層上に配置され、第2の酸化金属を包含する第2の金属粒子を含む第2の層とを備えるセキュリティ構造。
【請求項181】
請求項180のセキュリティ構造において、
(c)少なくとも部分的に第2の層上に配置され、第1の酸化金属を包含する第3の金属粒子を含む第3の層を更に備えるセキュリティ構造。
【請求項182】
請求項181のセキュリティ構造において、第1の酸化金属は、シリカ、チタニア、及びマイカからなるグループから選択され、且つ第2の酸化金属は、シリカ、チタニア、及びマイカからなるグループから選択されると共に、第1の酸化金属は第2の酸化金属とは異なるセキュリティ構造。
【請求項183】
請求項181のセキュリティ構造において、第1の酸化金属はチタニアからなり、第2の酸化金属はマイカからなるセキュリティ構造。
【請求項184】
請求項181のセキュリティ構造において、前記セキュリティ構造は、それを傾けると色が変化するセキュリティ構造。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2008−526575(P2008−526575A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551413(P2007−551413)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/001304
【国際公開番号】WO2006/076616
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.バブルジェット
【出願人】(391010758)キャボット コーポレイション (164)
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
【Fターム(参考)】