説明

セラミック材料の高周波誘導加熱装置及びこれを利用する非加圧焼結方法

【課題】本発明の目的は、セラミック材料を予熱によって自体発熱させるとともに、前記セラミック材料の温度が高くなるように誘導加熱する高周波誘導加熱装置を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、予熱機能を利用する高周波誘導加熱装置を利用してセラミック材料の焼結体を製造する方法において、非加圧の焼結方法を提供する。
【解決手段】本発明による高周波誘導加熱装置は、チャンバー内に配置されてセラミック材料を予熱する予熱ハウジングと、前記予熱ハウジングが発熱するように誘導電流を供給する誘導コイルと、前記誘導コイルに高周波電流を供給する高周波電流発生器とを包含して構成される。
前記のような構成のセラミック材料の高周波誘導加熱装置及びこれを利用するセラミック材料の焼結方法において、非加圧焼結方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック材料の高周波誘導加熱装置及びこれを利用する非加圧焼結方法に関する。より詳細には、常温下で誘導電流が発生しない不導体セラミック材料が予熱ハウジング内で急速加熱されるようにするセラミック材料の高周波誘導加熱装置及びこれを利用する非加圧焼結方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、金属材料に比べて溶融点が高く、化学的安定性と、多様な物理化学的特性のあるセラミック材料は、焼結工程を通じて耐高温材、構造材、機能性材料として幅広く利用されている。
前記セラミック材料の焼結工程は、原料粉末を出発物質にして圧縮成形することによって成形体(green pellet)を作製する段階、前記作製された成形体を溶融温度の約2/3程度の温度まで加熱した後、この状態を維持する段階によって構成される。
【0003】
前記成形体を作製する段階においては、焼結体の特性を向上させるために異種粉末、または潤滑剤を添加混合する場合もあり、成形前段階において原料粉末の成形特性を向上させるために予備成形の段階を追加する場合もある。
作製された成形体を加熱するための装置としては電気炉が広く使用されている。電気炉は、その内部の発熱体を発熱させて電気炉の内部にある成形体を均一に加熱する。このときの前記電気炉は、約2,000℃以下で前記成形体を炉の内部に備えている発熱体を利用して間接加熱する加熱装置である。
【0004】
ここで、前記電気炉は、その内部の発熱体を利用して前記成形体を間接加熱する装置であるため、発熱体の特性によって成形体に対する加熱速度、または加熱温度が決められる。例えば、通常の発熱体は、1,800℃以上の高温に至るまで加熱することが難しく、1,800℃以上の高温にまで加熱するためには、タングステンなどの金属発熱体、または黒鉛発熱体を使用する必要があり、このような発熱体は、酸化が起るので不活性雰囲気下で使用しなければならない問題がある。
【0005】
また、発熱体の熱衝撃による損傷を考慮しなければならず、間接加熱に伴う特性上、加熱部位が大きいことから成形体に対する加熱速度に制限がある問題もある。
【0006】
また、電気炉の断熱のために所要される多量の耐火物などを必要とするので、電気炉自体の価格が高価になることも問題である。
【0007】
このような問題のため、電気炉以外の他の熱源を利用してセラミック材料を製造するか、加熱する工程に対する技術開発が要求されている。特に、材料自体から熱が発生する自体発熱特性を利用して焼結体を作製する場合、加熱速度を増大させることによって工程時間を短縮することのできるメリットがあるので、これらに対する研究が注目されている。
【0008】
このように、自体発熱特性を利用する加熱装置としては、マイクロ波焼結装置、放電プラズマ焼結装置(Spark plasma sintering)、高周波誘導加熱装置などがある。
【0009】
これらの中、高周波誘導加熱装置は、銅などで構成された誘導コイル内に成形体を位置させて加熱させる方法である。すなわち、誘導コイルに高周波交流電流を流す場合、誘導コイル内に極性が変わる電磁気場が形成され、この電磁気場によってコイルの中心に位置する成形体の表面に誘導電流が発生する。このとき、成形体の有する電気抵抗によって抵抗熱が発生して成形体が加熱される。このとき、成形体の表面に誘導電流を発生させるためには、成形体が伝導性物質であるか、磁性体でなければならないので、常温において不導体の酸化物系セラミック材料は高周波誘導によって加熱されないのである。
【0010】
したがって、いままで高周波誘導炉を利用する成形体の加熱は、金属または半導体、あるいは金属が含有された複合材料などにその応用が制限されているとともに、酸化物系セラミック材料の加熱が可能な高周波誘導加熱装置は未だ知られていない。また、酸化物系セラミック材料を加熱するために、黒鉛ダイなどを利用する間接加熱方式が使用されることもあるが、このような間接加熱方式もセラミック材料の温度を発熱体によって発生する温度以上の温度に効果的に加熱することができない問題が依然として存在する。
【0011】
すなわち、間接加熱方式を利用する場合は、セラミック材料の温度を発熱体以上の温度に高めることができない。したがって、高い密度の焼結体を作製するためには加圧などの方法をさらに利用しなければならない複雑性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記のような問題を解決するために、本発明の目的は、セラミック材料を予熱によって自体発熱させるとともに、前記セラミック材料の温度が高くなるように誘導加熱する高周波誘導加熱装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、予熱機能を利用する高周波誘導加熱装置を利用してセラミック材料の焼結体を製造する方法において、非加圧の焼結方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による高周波誘導加熱装置は、チャンバー内に配置されてセラミック材料を予熱する予熱ハウジングと、前記予熱ハウジングが発熱するように誘導電流を供給する誘導コイルと、前記誘導コイルに高周波電流を供給する高周波電流発生器とを包含することができる。
【0014】
また、本発明による高周波誘導加熱装置の前記予熱ハウジングは、前記誘導コイルの内側に配設することが好ましい。
【0015】
また、本発明による高周波誘導加熱装置の前記予熱ハウジングは、常温において誘導電流による電気抵抗熱の発生が可能であるため、急激な温度変化による熱衝撃を受容することのできる材料によって作製することが好ましい。
【0016】
また、本発明による高周波誘導加熱装置の前記予熱ハウジングは、熱が外部に放出されないようにする断熱材によって作製することが好ましい。
また、本発明による高周波誘導加熱装置の前記予熱ハウジングは、金属粒子を含有する多孔性セラミックまたは黒鉛材によってなることが好ましい。
【0017】
また、本発明による高周波誘導加熱装置には、前記セラミック材料の温度を測定する温度測定センサーをさらに包含し、前記温度測定センサーで測定した温度によって前記高周波電流発生器の出力を制御するようにする。
【0018】
また、本発明による高周波誘導加熱装置において、前記セラミック材料は、アルミナでなるるつぼに取り入れて前記予熱ハウジングの内部に装入することができる。
【0019】
前記のような、本発明による高周波誘導加熱装置を利用して実施する非加圧の焼結方法は、不導体セラミック粉末を包含する原料粉末を成形する段階と、前記原料粉末を成形した成形体をるつぼに入れて予熱ハウジングの内部に装入する段階と、前記予熱ハウジングを囲む誘導コイルに誘導電流を印加して予熱ハウジングを予熱する段階とを包含することができる。
【0020】
また、本発明による高周波誘導加熱装置を利用する非加圧焼結方法によってなる前記成形体は、予熱を通じて直接誘導電流が発生して自体発熱し、自体発熱を通じて所望の温度に到達することができる。
【0021】
また、本発明による高周波誘導加熱装置を利用する非加圧焼結方法によってなる前記成形体は、予熱を通じて自体発熱が起り、成形体の温度が予熱ハウジングの温度以上になる時点から、常に予熱ハウジングの温度以上の状態であることができる。
【0022】
本発明による高周波誘導加熱装置を利用する非加圧焼結方法によってなる前記成形体は、1種以上の不導体セラミック粉末を包含することができる。
【発明の効果】
【0023】
前記のような構成のセラミック材料の高周波誘導加熱装置及びこれを利用する非加圧の焼結方法によると、常温では誘導電流が発生されないことによって誘導加熱ができない不導体セラミック材料を誘導加熱させることができるようにして、セラミック材料の自体発熱によって急速加熱が可能になる。
【0024】
また、前記のような構成のセラミック材料の高周波誘導加熱装置及びこれを利用する非加圧焼結方法によると、セラミック材料に誘導される電流によってなる自体発熱の特性を活用するので、追加的な加圧装置なしにも数分以内という短時間内で高い密度を有するセラミック焼結体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明はこの実施形態に制限されない。また、本発明の要旨を理解する当業者は、本発明の思想範囲内において多様な修正や変更が可能であるとともに、これも本願発明の思想範囲内に包含されるものと解されるべきである。
【0026】
図1は、本発明の1実施形態によるセラミック材料の高周波誘導加熱装置を図示した概略模式図である。
【0027】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による高周波誘導加熱装置10は、チャンバー20内に配置されてセラミック材料80が予熱されるようにする予熱ハウジング50、前記予熱ハウジング50が発熱するように誘導電流を供給する誘導コイル40及び前記誘導コイル40に高周波電流を提供する高周波電流発生器30を包含して構成される。
【0028】
チャンバー20内の予熱ハウジング50は、誘導コイル40の内側に配設され、前記誘導コイル40から誘導された誘導電流によって発熱する。前記誘導コイル40は、予熱ハウジング50を囲んで配設される。
【0029】
セラミック材料80は、るつぼ60に取り入れたまま、予熱ハウジング50の中に装入して予熱ハウジング50を囲んで配設された誘導コイル40に電流を印加して加熱される。このときセラミック材料80(以下、材料と略記することもある)は、常温において電気抵抗が大きいので、電気不導体または高周波誘導によって材料の表面に誘導電流が発生しないため、高周波誘導による加熱ができない。しかし、セラミック材料80の温度が高くなると、帯電粒子の濃度と移動度の増加によって電気伝導性が増加して高周波誘導加熱が可能になる。
【0030】
このときのチャンバー20は、真空ポンプの作動によって空気を除去して真空状態で作動することができ、他の気体を充填することができる。
【0031】
また、前記予熱ハウジング50は、常温において誘導電流による電気抵抗熱が発生するため急激な温度変化による熱衝撃を吸収・受容する材料によって作製することが好ましく、かつ、熱が外部に放出されないように断熱材によって作製することが好ましい。
【0032】
このような条件を具備する予熱ハウジングは、例えば、金属粒子を含有する多孔性セラミックまたは黒鉛材で作製することが好ましい。
【0033】
前記高周波電流発生器30は、高い出力の高周波電流を発生させて誘導コイル40に誘導電流を供給する。このときの出力は1〜100kW、周波数は100MHz以下で作動するようにする。なお、前記の出力は可変であり、プログラミングされた制御部90の制御によって出力を調節する。
【0034】
前記の出力を制御する方法は、予熱ハウジング50内のセラミック材料80の温度を測定して、材料の温度が所望の温度になるまで出力を調節する。
【0035】
これのために、高周波誘導加熱装置10には、前記セラミック材料80の温度を測定する温度測定センサー70をさらに配設し、前記温度測定センサー70によって測定した温度に従って前記高周波電流発生器30の出力を制御する。
【0036】
このとき、前記温度測定センサー70は、図1で示すように非接触赤外線温度計(IR pyrometer)であって、チャンバー20の外側に配設される。また、セラミック材料80の温度を測定するためにチャンバー20、予熱ハウジング50、るつぼ60にはそれぞれ温度測定センサー70の観測窓22、52、62が直線上の位置に配置される。
【0037】
また、温度測定センサー70は、熱電対温度計を利用することができ、誘導コイル40の内側に配設することができる。このとき、正確な測定を期するために誘導電流による温度測定の誤差を考慮しなければならない。
【0038】
このような高周波誘導加熱装置10によってセラミック材料を別の加圧工程なしに焼結する方法を以下にその順序を追って整理する。まず、不導体セラミック粉末を包含する原料粉末を成形してセラミック材料の成形体を作製する。次いで、前記成形体をるつぼ60の中に入れて予熱ハウジング50内に装入する。その後、前記予熱ハウジング50を取り囲む誘導コイル40に誘導電流を印加して予熱ハウジング50を予熱する。
【0039】
前記セラミック材料の成形体(以下、前記のセラミック材料80は成形体80と略記することもある)は、1種以上の不導体セラミック粉末を利用して成形される。
【0040】
次いで、高周波発生器30の出力を高めると誘導コイル40に電流が流れる。この電流によって予熱ハウジング50に誘導電流が発生し、電気抵抗によって予熱ハウジング50が加熱される。
【0041】
前記予熱ハウジング50が加熱されるとき、その内部に装入されている成形体80が自体発熱し、この自体発熱を通じて直接誘導電流が発生して所望の温度まで急速に到達する。
【0042】
この成形体80は、不導体セラミック粉末で作製されているので、常温では誘導加熱が発生されない。しかし、温度が高くなると、電気抵抗が減少して誘導電流が発生することができる。誘導電流が発生して抵抗熱が生じる場合、自体発熱によって電気抵抗がさらに低くなるとともに、さらに大きな誘導電流が発生して自体発熱量が増加されるようになる。
【0043】
このような相乗作用が非常に短い時間の間、急激に発生して成形体80の温度を急速に上昇させることによって、成形体80を短時間で焼結することができるようになる。
【0044】
また、前記成形体80は、予熱を通じて自体発熱が起るので、成形体の温度が予熱ハウジング50の温度以上になった時点から、常に予熱ハウジングの温度以上の状態で存在することになる。
【0045】
次に、前記のようなセラミック材料成形体の高周波誘導加熱装置及び非加圧焼結方法を実験例によって説明するとともに、セラミック材料成形体に対する高周波誘導加熱及びその非加圧焼結における信頼性を次の実験例を通じて立証する。
【0046】
図2は、本発明によるセラミック材料の高周波誘導加熱装置によって、セラミック材料が自体発熱する特性を図示したグラフである。
【0047】
図2の結果を示すための実験(以下、「実験1」とする)は、図1に示す高周波誘導加熱装置10において、アルミナるつぼ60の中に常温において不導体のアルミナ(Al)粉末20gを取り入れて、高周波誘導加熱する時のアルミナ粉末の温度変化を測定した。このときの高周波電流発生器の出力は、0.8kW/minの速度で8kWまで上げた後、この状態を10分間維持させた後さらに減少させた。また、予熱ハウジング50は、常温において誘導電流の発生が可能な黒鉛を主成分とする多孔性黒鉛複合材料によって作製した。前記の黒鉛構造物の酸化を防止するためにチャンバー20内には、水素とアルゴンの混合ガスを持続的に流しながら、出力が変化される間、るつぼ60に収容されているアルミナ粉末の表面温度の変化を(赤外線)温度測定センサー70を利用して測定した。
【0048】
また、前記のセラミック材料としては、アルミナ粉末の他にジルコニア(ZrO)、2酸化ウラン(UO)の粉末を代替して実験した。また、比較を容易にするために、空るつぼに対しても同一の方法によって誘導加熱して温度変化を測定した。
【0049】
「実験1」の高周波誘導加熱装置10を使用してセラミック材料に対して誘導加熱することによって、図2で示すように誘導加熱する時間(Time)と高周波電流発生器の出力(Input)とによる温度変化の結果を得た。
【0050】
すなわち、図2の温度変化曲線において、空るつぼの温度より実験粉末が収容されているるつぼの方の温度が高いことを示している。これは、予熱ハウジング50において発生する熱の他に、常温において誘導電流が発生しない不導体セラミック材料においても誘導電流が発生するとともに追加的な自体発熱が発生していることを立証する結果を示すものである。
【0051】
これに対する反対実験として、図1に示す予熱ハウジング50を常温においても誘導加熱が発生する黒鉛の代わりに、アルミナを主成分とする断熱材を利用して前記「実験1」と同様の過程によって誘導加熱の実験を実施した(以下、「反対実験1」とする)。
【0052】
この「反対実験1」の場合、1,000℃〜3,000℃の温度を感知することのできる赤外線温度測定センサーによって温度を測定することができなかった。
【0053】
これは、アルミナを主成分とする予熱ハウジング50が予熱されていないことによって、その内部に収容されているアルミナなどのセラミック材料の温度上昇がなされていないので、セラミック材料における自体加熱がなかったと解される結果を示している。
【0054】
図3は、本発明によるセラミック材料の高周波誘導加熱装置によって、UO成形体の昇温速度を変化させて焼結する場合におけるUO焼結体の温度変化を図示したグラフであり、表1は図3に示すUO焼結体の密度及び結晶粒のサイズを示す表である。
【0055】
【表1】

【0056】
図3の結果を得た実験(以下、「実験2」とする)は、図1に示す高周波誘導加熱装置10によってセラミック試片を急速加熱して焼結する実験である。ADU−UO粉末を加圧成形して直径10mm、高さ2.25mmのディスク状の成形体を作製し、この成形体を図1のアルミナるつぼ60に取り入れた後、高周波電流発生器の最大出力を7kWに固定した後、出力を一定の速度で増加させて試片(成形体)を加熱した。試片の温度が1,700℃に到達したとき、直ぐ出力電源を切って試片を冷却して焼結体を作製した。作製した焼結体は、アルキメデス法を利用して密度を測定し、密度を測定した後、焼結体の断面を鏡面研磨して気孔組織を観察し、熱エッチングを通じて結晶粒の組織を観察した。なお、そのサイズは直線交差法によって測定した。
【0057】
「実験2」の結果を示すグラフを調べてみると、出力の変化に従って、出力を最も急増加させた(平均昇温速度442K/min−表1の実施例2−1試片)試片は、1,000℃から1,700℃に加熱するまで最少100秒程度以内において到達するほど急速に加熱されることを確認することができた。
【0058】
一方、平均昇温速度で実施した実施例2−2〜実施例2−6の試片の密度と結晶粒のサイズを、表1に図示している。つまり、セラミック材料が1,700℃まで上昇した場合は、全ての実施例において殆ど均等な密度と結晶粒のサイズを得ることができた。
【0059】
殊に、総工程時間10分以内における実験試片の中、実施例2−1〜実施例2−4の場合は、理論密度の96%以上の高い密度の焼結体を得ることができたことを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態によるセラミック材料の高周波誘導加熱装置を図示した概略模式図である。
【図2】本発明の一実施形態によるセラミック材料の高周波誘導加熱装置を利用してセラミック材料が自体発熱する特性を図示したグラフである。
【図3】本発明の一実施形態によるセラミック材料の高周波誘導加熱装置を利用してセラミック材料に対する昇温速度を変化させて焼結する場合におけるUO焼結体の時間別温度変化を図示したグラフである。
【0061】
表1は、図3に示すUO焼結体の密度及び結晶粒のサイズを示す表である。
【符号の説明】
【0062】
10:セラミック材料の高周波誘導加熱装置
20:チャンバー
30:高周波電流発生器
40:誘導コイル
50:予熱ハウジング
60:るつぼ
70:(赤外線)温度測定センサー
80:セラミック材料(セラミック材料の成形体)
90:制御部
22、52、62:温度測定用観測窓


【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバー内に配置されてセラミック材料を予熱する予熱ハウジングと、
前記予熱ハウジングが発熱するように誘導電流を供給する誘導コイルと、
前記誘導コイルに高周波電流を供給する高周波電流発生器とを包含してなる高周波誘導加熱装置。
【請求項2】
前記予熱ハウジングは、前記誘導コイルの内側に配設されることを特徴とする請求項1に記載の高周波誘導加熱装置。
【請求項3】
前記予熱ハウジングは、常温において誘導電流による電気抵抗熱の発生が可能であるため、急激な温度変化による熱衝撃を受容することのできる材料によって作製されることを特徴とする請求項1に記載の高周波誘導加熱装置。
【請求項4】
前記予熱ハウジングは、熱が外部に放出されないようにする断熱材の機能も有することを特徴とする請求項1に記載の高周波誘導加熱装置。
【請求項5】
前記予熱ハウジングは、金属粒子を含有する多孔性セラミックまたは黒鉛材によってなることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の高周波誘導加熱装置。
【請求項6】
前記セラミック材料の温度を測定する温度測定センサーをさらに包含し、
前記温度測定センサーで測定した温度によって前記高周波電流発生器の出力を制御することを特徴とする請求項1に記載の高周波誘導加熱装置。
【請求項7】
前記セラミック材料は、るつぼに取り入れて前記予熱ハウジングの内部に装入することを特徴とする請求項1に記載の高周波誘導加熱装置。
【請求項8】
不導体セラミック粉末を包含する原料粉末を成形する段階と、
前記原料粉末を成形した成形体をるつぼに取り入れて予熱ハウジングの内部に装入する段階と、
前記予熱ハウジングを囲む誘導コイルに誘導電流を印加して予熱ハウジングを予熱する段階とを包含する非加圧焼結方法。
【請求項9】
前記成形体は、予熱を通じて直接誘導電流が発生して自体発熱し、自体発熱を通じて所望の温度に到達することを特徴とする請求項8に記載の非加圧焼結方法。
【請求項10】
前記成形体は、予熱を通じて自体発熱が起り、成形体の温度が予熱ハウジングの温度以上になる時点から、常に予熱ハウジングの温度以上の状態であることを特徴とする請求項8に記載の非加圧焼結方法。
【請求項11】
前記成形体は、1種以上の不導体セラミック粉末を包含することを特徴とする請求項8に記載の非加圧焼結方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−56064(P2010−56064A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57363(P2009−57363)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(508363409)韓国原子力研究院 (2)
【出願人】(501305501)韓国水力原子力株式会社 (6)
【Fターム(参考)】