説明

セルスポットの検出

セルスポットを通って移動している移動体デバイス(102)を使用して、セルラ無線通信ネットワーク(100)内で第1の基地局(1502)のセルスポットを検出する方法であって、
第2の基地局(1500)から第1の基地局に対する移動体デバイスの第1のハンドオーバを実行するステップと、
第1の値を決定するステップ(302)であって、第1の値が移動体デバイスと第1の基地局との間の距離を示している、決定するステップ(302)と、
第1の値が第1のしきい値を超えるかどうかを決定するステップ(302)と、
第1の基地局から移動体デバイスの第2のハンドオーバを実行するステップ(1000)と、
第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間の時間に基づいて、第2の値を決定するステップ(308)と、
第2の値が第2のしきい値未満であるかどうかを決定するステップ(308)と、
第1の値が第1のしきい値を超え、かつ第2の値が第2のしきい値未満である場合、セルスポットを示している情報を格納するステップ(312)と、
前記情報が格納されている場合、第2の基地局から第1の基地局に対するハンドオーバを実行するための後続のハンドオーバ要求を拒絶するステップとを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルラ無線通信ネットワーク内で基地局のセルスポットを検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ無線通信ネットワークでは、セルラ無線通信ネットワークの基地局に接続されている移動体デバイスによって実行される測定に基づいて、セルラ無線通信ネットワークの1つのセルから別のセルに対してハンドオーバが実行される。
【0003】
ターゲット基地局に対する接続がソース基地局に対する接続よりも良好なとき、ターゲット基地局に対するハンドオーバが実行される。通常、ターゲット基地局は、ソース基地局の近接基地局である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、セルラ無線通信ネットワーク内でセルスポットを検出するための方法、コンピュータプログラム製品、ネットワーク要素、および基地局装置を提供する。本発明の実施形態は、従属クレームにおいて提示される。
【0005】
本明細書において、セルスポットは、少なくとも1つのセルによって囲まれたセルラネットワーク内のセルのローブ型の領域と理解される。セルスポットの基地局は、少なくとも1つの近接するセルの基地局よりも遠い距離内に位置づけられる。好ましくは、セルスポット内の移動体デバイスとセルスポットの基地局との間の距離は、セルスポット内の移動体デバイスと少なくとも1つの近接するセルの基地局との間の距離の2倍である。通常、セルスポットは、そのセルスポットから離れて位置づけられているセルラ無線通信ネットワークの共通セルにサービス提供している基地局に属する。
【0006】
「基地局」という用語は、本明細書において使用される場合、移動体デバイスおよび別の基地局とデータを交換することが可能な任意のタイプの固定されたネットワーク要素を指す。「移動体デバイス」という用語は、本明細書において使用される場合、無線通信リンク上で無線通信ネットワークとデータを交換することが可能な任意のタイプの移動体通信端末を指す。したがって、移動体デバイスは、とりわけ、無線通信インターフェースを備えた電話、ラップトップコンピュータ、または携帯情報端末(PDA)であってよい。
【0007】
「ターゲットセル」という用語は、本明細書において、他の定義が提示されてない場合、セルスポットから共通セルに対する第2のハンドオーバ手順のターゲットセルを意味する。
【0008】
本発明の実施形態によれば、セルスポットが検出されて、後続のハンドオーバが回避される。したがって、セルラ無線通信ネットワーク内で第1の基地局のセルスポットを検出する方法は、セルスポットを通って移動している移動体デバイスを使用する。第2の基地局から第1の基地局に対する移動体デバイスの第1のハンドオーバが実行される。
【0009】
移動体デバイスと第1の基地局との間の距離を示す第1の値が決定される。例えば、第1の値は、移動体デバイスと第1の基地局との間の通信信号のタイミングアドバンス(timing advance)である。タイミングアドバンスは、信号伝播遅延を示している値である。したがって、タイミングアドバンスから、移動体デバイスと第1の基地局との間の距離を決定することが可能である。
【0010】
第1の基地局から移動体デバイスの第2のハンドオーバが実行される。第2のハンドオーバは、第2の基地局または第3の基地局に対して実行可能である。第2の値は、第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間の時間に基づいて決定される。例えば、第2の値は、第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間の時間である。もう1つの可能性は、第2の値が第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間の距離であることである。
【0011】
第2の値を決定した後で、第2の値が第2のしきい値未満であるかどうかが決定される。第1の値が第1のしきい値を超え、かつ第2の値が第2のしきい値未満である場合、セルスポットを示す情報が格納される。その情報が格納されている場合、第2の基地局から第1の基地局に対するハンドオーバを実行するための後続のハンドオーバ要求は拒絶される。
【0012】
第1の値は、移動体デバイスと第1の基地局との間の距離を示す。したがって、第1の値が第1のしきい値を超える場合、これは、移動体デバイスと第1の基地局との間の距離が所定の最大値よりも大きいことを意味する。第2の値は、第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間の時間に基づく。したがって、第2の値が第2のしきい値未満である場合、これは、第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間の時間が最小値よりも短いことを意味する。これらの2つの条件は、セルスポットを検出するための基準である。セルスポットにサービス提供している基地局が所定の値よりも大きな距離内に位置づけられ、そのセルスポットが第2の所定の値よりも小さいとき、セルスポットが検出される。
【0013】
したがって、本発明の実施形態によれば、後続のハンドオーバに関してセルスポットが識別されて、回避される。セルスポットに対する第1のハンドオーバが実行されるとき、移動体デバイスはハンドオーバを非常に迅速に順次実行するため、これは有利である。結果として、セルスポット内へのハンドオーバは無駄に実行されることが多く、システムリソースが無駄にされる。このため、例えば、近接関係表内へのエントリーを用いて、それらのセルスポットを横断するハンドオーバを識別して、除外しなければならない。
【0014】
本発明の実施形態によれば、セルスポットに対するハンドオーバが拒絶された後で、ハンドオーバのために他の基地局が準備される。
【0015】
本発明の実施形態によれば、移動体デバイスがセルスポットに近づいたとき、そのセルスポットにサービス提供する第1の基地局に対するハンドオーバを遅らせるために、移動体デバイスのハンドオーバパラメータが修正される。所望される限り、第1の基地局との接続が回避され、完全に回避可能であるため、これは有利である。例えば、すべての他の基地局に対する接続の品質があるしきい値未満であるために、第1の基地局に対するハンドオーバを回避することができない場合、ソース基地局はセルスポットに対するハンドオーバが実行されたことを知っているにもかかわらず、第1の基地局に対するハンドオーバが実行される。
【0016】
本発明の実施形態によれば、第1の値は、移動体デバイスと第1の基地局との間の通信信号のタイミングアドバンスである。タイミングアドバンスは、移動体デバイスと第1の基地局との間の距離を示している値である。したがって、タイミングアドバンスが最大値を超えるとき、これは、第1の基地局と移動体デバイスとの間の距離が所定の最大距離よりも大きいことを意味する。これはセルスポットを識別するための第1の基準である。
【0017】
本発明の実施形態によれば、第2の値は、第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間の時間である。したがって、第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間の時間が所定の最小値よりも短いとき、セルスポットに関する第2の基準は満たされる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、第2の値は、第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間で移動体デバイスが移動した距離である。したがって、基地局は、移動体デバイスのアップリンク受信タイミングからタイミングアドバンスを定期的に決定する。上で説明されたように、タイミングアドバンスは、移動体デバイスと基地局との間の距離を示す。さらに、基地局は、移動体デバイスとの通信の方向を決定する。第1のハンドオーバのときの通信の方向と、第2のハンドオーバのときの通信の方向とを決定した後で、これらの2つの方向同士の間の角度が決定される。これにより、基地局は、第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間で移動体デバイスが基地局に向かって移動した距離または基地局から離れた距離、および第1のハンドオーバの信号方向と第2のハンドオーバの信号方向との間の角度を知る。
【0019】
これらの2つの値から、a=b+c−2bccos(α)によって、その移動体デバイスが移動した総距離が計算され、bは、第1のハンドオーバのときの移動体デバイスと第1の基地局との間の距離であり、cは、第2のハンドオーバのときの移動体デバイスと第1の基地局との間の距離であり、αは、2つの信号方向同士の間の角度である。本発明の実施形態によれば、計算された距離は、ハンドオーバ手順の間に、セルスポットの基地局からターゲット基地局に送信される。
【0020】
言い換えれば、本発明の実施形態によれば、2つの基準が満たされたとき、セルスポットが検出される。第1の基準は、そのセルスポットにサービス提供している基地局に対する移動体デバイスの距離である。第2の基準は、第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間のタイミングアドバンスに基づく値によって決定されるセルスポットのサイズである。
【0021】
本発明の実施形態によれば、検出されたセルスポットに関する統計値が第2の基地局内に格納される。これにより、十分な数の移動体デバイスがそのセルスポットを検出した場合、そのセルスポットの第1の基地局に対する後続のハンドオーバだけが回避される。セルスポットの1つの誤った検出は、結果として、複数の後続のハンドオーバの回避をもたらさないため、これは有利である。
【0022】
本発明の実施形態によれば、その情報は近接関係表内に格納される。例えば、その情報が格納される近接関係表は、第1の基地局内、もしくは第2の基地局内、または第3の基地局内に位置づけられる。その情報は、セルスポットを識別する。例えば、セルスポットは、別のセル内に位置づけられる。これは、そのセルスポットが1つのセルだけに囲まれていることを意味する。これにより、そのセルスポットを囲んでいるセルからそのセルスポットに対する第1のハンドオーバが実行される。そのセルスポットからその囲んでいるセルに対する第2のハンドオーバが実行される。本発明の実施形態によれば、セルスポットを示している情報は、その囲んでいるセルにサービス提供している基地局の近接関係表内に格納される。これは、近接関係表内で、そのセルスポットのセル識別はセルスポットであるとしてマーキングされ、そのセルスポットに対するハンドオーバが拒絶されることを意味する。
【0023】
本発明の実施形態によれば、その情報は、別のセルによって囲まれているセルスポットにサービス提供している第1の基地局内に格納される。例えば、その囲んでいるセルからのハンドオーバがそのセルスポットに対して実行されるべきである場合、そのセルスポットの基地局は、ハンドオーバ要求を拒絶する。
【0024】
本発明の実施形態によれば、その情報は、第2の基地局内に格納される。好ましくは、その情報は、第2の基地局の近接関係表内に格納される。この場合、そのセルスポットに対する後続のハンドオーバは実行されない。
【0025】
本発明の実施形態によれば、その情報は、第3の基地局内に格納される。好ましくは、その情報は、第3の基地局の近接関係表内に格納される。例えば、セルスポットは、第2の基地局のセルが第3の基地局のセルと重複する領域内に位置づけられる。セルスポットは、第1の基地局によってサービス提供され、第1のセルは、第2の基地局によってサービス提供され、第2のセルは、第3の基地局によってサービス提供される。移動体デバイスが第1のセル内に位置づけられて、そのセルスポットと重複している第2のセルとに向けて移動するとき、そのセルスポットから第2のセルに対する第2のハンドオーバが実行される前に、第1のセルからそのセルスポットに対する第1のハンドオーバが実行される。これにより、例えば、セルスポット内の移動体デバイスの横断距離を知ることによって、第3の基地局はそのセルスポットを検出する。
【0026】
本発明の実施形態によれば、第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間の時間は、基地局から別の基地局または中央ネットワーク要素への信号によって、その基地局またはその中央ネットワーク要素に送信される。例えば、最後に訪問したセルの履歴情報がハンドオーバ要求メッセージ内に含まれる。この履歴情報は、グローバルセルID、セルタイプ、およびその移動体デバイスがセル内に滞在した時間を含む、最後に訪問した情報を含めて、最後に訪問したセルのリストを含む。
【0027】
本発明の実施形態によれば、その情報は、ネットワーク要素内に格納される。好ましくは、セルスポットの基地局は、セルスポット情報、例えば、タイミングアドバンス、および第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間の時間またはそのセルスポットをセルスポットとして識別する情報を含む信号をセットアップして、適切な措置を開始するために、その信号を中央ネットワーク要素に送信する。適切な措置は、例えば、そのセルスポット内へのハンドオーバを回避することであり得る。
【0028】
この信号は、時々、周期的に、または要求に応じて送信可能である。時々の送信は、そのセルスポットが検出されたとき、そのセルスポットの基地局が中央ネットワーク要素に知らせることを意味する。周期的な送信は、基地局がセルスポットに関する情報を中央ネットワーク要素に周期的に送信することを意味する。要求に応じた送信は、中央ネットワーク要素が、そのセルスポットにサービス提供している基地局から、検出されたセルスポットに関する情報を要求することを意味する。
【0029】
もう1つの態様では、本発明は、以下のステップを実行するための機械実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。すなわち、第2の基地局から第1の基地局に対する移動体デバイスの第1のハンドオーバを実行するステップと、第1の値を決定するステップであって、第1の値が移動体デバイスと第1の基地局との間の距離を示している、決定するステップと、第1の値が第1のしきい値を超えるかどうかを決定するステップと、第1の基地局から移動体デバイスの第2のハンドオーバを実行するステップと、第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間の時間に基づいて、第2の値を決定するステップと、第2の値が第2のしきい値未満であるかどうかを決定するステップと、第1の値が第1のしきい値を超え、かつ第2の値が第2のしきい値未満である場合、セルスポットを示している情報を格納するステップと、その情報が格納されている場合、第2の基地局から第1の基地局に対するハンドオーバを実行するための後続のハンドオーバ要求を拒絶するステップとである。
【0030】
本発明の実施形態によれば、セルスポットに対するハンドオーバが拒絶された後で、ハンドオーバのために他の基地局が準備される。
【0031】
もう1つの態様では、本発明は、以下のステップを実行するように動作可能であるネットワーク要素に関する。すなわち、第2の基地局から第1の基地局に対する移動体デバイスの第1のハンドオーバを実行するステップと、第1の値を決定するステップであって、第1の値が移動体デバイスと第1の基地局との間の距離を示している、決定するステップと、第1の値が第1のしきい値を超えるかどうかを決定するステップと、第1の基地局から移動体デバイスの第2のハンドオーバを実行するステップと、第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間の時間に基づいて、第2の値を決定するステップと、第2の値が第2のしきい値未満であるかどうかを決定するステップと、第1の値が第1のしきい値を超え、かつ第2の値が第2のしきい値未満である場合、セルスポットを示している情報を格納するステップと、その情報が格納されている場合、第2の基地局から第1の基地局に対するハンドオーバを実行するための後続のハンドオーバ要求を拒絶するステップとである。
【0032】
本発明の実施形態によれば、セルスポットに対するハンドオーバが拒絶された後で、ハンドオーバのために他の基地局が準備される。
【0033】
もう1つの態様では、本発明は、以下のステップを実行するように動作可能である基地局装置に関する。すなわち、第2の基地局から第1の基地局に対する移動体デバイスの第1のハンドオーバを実行するステップと、第1の値を決定するステップであって、第1の値が移動体デバイスと第1の基地局との間の距離を示している、決定するステップと、第1の値が第1のしきい値を超えるかどうかを決定するステップと、第1の基地局から移動体デバイスの第2のハンドオーバを実行するステップと、第1のハンドオーバと第2のハンドオーバとの間の時間に基づいて、第2の値を決定するステップと、第2の値が第2のしきい値未満であるかどうかを決定するステップと、第1の値が第1のしきい値を超え、かつ第2の値が第2のしきい値未満である場合、セルスポットを示している情報を格納するステップと、その情報が格納されている場合、第2の基地局から第1の基地局に対するハンドオーバを実行するための後続のハンドオーバ要求を拒絶するステップとである。
【0034】
本発明の実施形態によれば、セルスポットに対するハンドオーバが拒絶された後で、ハンドオーバのために他の基地局が準備される。
【0035】
当業者は、様々な上述の方法のステップはプログラムされたコンピュータによって実行可能である点を容易に理解されよう。本明細書において、いくつかの実施形態は、機械可読またはコンピュータ可読であり、かつ命令の機械実行可能プログラムまたはコンピュータ実行可能プログラムを符号化するプログラム記憶デバイス、例えば、デジタルデータ記憶媒体を網羅することも意図され、前記命令は、前記上述の方法のステップのうちのいくつかまたはすべてを実行する。このプログラム記憶デバイスは、例えば、デジタルメモリ、磁気ディスクおよび磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ、または光学可読デジタルデータ記憶媒体であってよい。これらの実施形態は、上述の方法の前記ステップを実行するようにプログラムされたコンピュータを網羅することも意図される。
【0036】
この説明およびこれらの図面は、本発明の原理を単に例示する。したがって、当業者は、本明細書に明示的に説明または示されないが、本発明の原理を実現し、その趣旨内および範囲内に含まれる様々な構成を考案することが可能である点を理解されよう。さらに、本明細書に列挙されるすべての例は、主に、読者が当技術を進めるために本発明者らが貢献する本発明の原理およびそれらの概念を理解するのを助けるための教育だけを目的とし、そのように明記された例および条件に対して限定せずに解釈されるべきであることが明示的に意図される。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態を列挙する、本明細書のすべての記述、ならびにそれらの特定の例は、それらの均等物を包含することが意図される。
【0037】
次に、本発明の実施形態による方法および装置のいくつかの実施形態が、添付の図面を参照して、例としてだけ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】セルスポットを含むセルラ無線通信ネットワークの概略図である。
【図2】セルスポットを含むセルラ無線通信ネットワーク内のセルの概略図である。
【図3】セルスポットの基地局内のセルスポット識別の流れ図である。
【図4】セルスポットの基地局内のセルスポット識別の流れ図である。
【図5】セルスポットと中央ネットワーク要素とを含むセルラ無線ネットワークの一部の概略図である。
【図6】セルスポットと中央ネットワーク要素とを含むセルラ無線通信ネットワークの一部の概略図である。
【図7】ターゲット基地局内の第2のハンドオーバのセルスポット識別の流れ図である。
【図8】ターゲット基地局内の第2のハンドオーバのセルスポット識別の流れ図である。
【図9】ターゲット基地局内の第2のハンドオーバのセルスポット識別の流れ図である。
【図10】ターゲット基地局内の第2のハンドオーバのセルスポット識別の流れ図である。
【図11】セルスポットと中央ネットワーク要素とを含むセルラ無線通信ネットワークの一部の概略図である。
【図12】セルスポットを囲んでいるセルと中央ネットワーク要素とを含むセルラ無線通信ネットワークの一部を示す図である。
【図13】2つの基地局および1つの移動体デバイスのブロック図である。
【図14】基地局、中央ネットワーク要素、および移動体デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、4つのセル1〜4と、セル1および2の重複領域内の第5番目のセルのセルスポットとを含むセルラ無線通信ネットワーク100の一部の概略図を示す。移動体デバイス102は、セル1からセル44およびセル2のセルスポットに向けて移動する。
【0040】
移動体デバイスがセル44のセルスポットに達したとき、セル1からセル44に対するハンドオーバが実行される。次いで、非常に短い滞在時間の後で、セル44からセル2に対する第2のハンドオーバが実行される。それぞれのハンドオーバ要求メッセージと共に、移動体デバイスの履歴情報が、第2のハンドオーバのターゲットセル、すなわち、この場合、セル2であるターゲットセルに送信される。この履歴情報は、セル識別と、セルタイプと、その移動体デバイスがそのセル内に滞在した時間と、最後に訪問したセル情報とを含めて、最後に訪問したセルリストを含む。したがって、セル44からセル2に対する第2のハンドオーバに関するハンドオーバ要求メッセージ内で、移動体デバイス102の履歴情報は、移動体デバイス102がセル44内に滞在した時間を含む。それによって、セル2の基地局は、セル44のセルスポット内の移動体デバイス102の滞在時間を知る。
【0041】
図2は、セル1内にセル44のセルスポットと、セル1とセル44とを含むセルラ無線通信ネットワークの一部の概略図を示す。移動体デバイス102は、セル1内でセル44のセルスポットに向かって移動し、その後、移動体デバイス102は、再びセル1に向かってセル44のセルスポットを去る。
【0042】
移動体デバイスがセル44のセルスポットに達したとき、セル1からセル44に対する第1のハンドオーバが実行される。次いで、非常に短い滞在時間の後で、セル44からセル1に対する第2のハンドオーバが実行される。上で説明されるように、第2のハンドオーバ手順の間に、セル1にサービス提供している基地局に履歴情報が送信される。
【0043】
タイミングアドバンスは、セル44にサービス提供している基地局によってアップリンク受信タイミングから測定されて、移動体デバイスに送信される。移動体デバイスは、伝播遅延に関して補償する目的で、基地局に対してその送信インスタンスを進めるかまたは遅らせるためにタイミングアドバンスを使用する。
【0044】
図3は、セルスポットの基地局内のセルスポット識別の流れ図を示す。ステップ300において、移動体デバイスはセルスポットに到着する。移動体デバイスは、ユーザ装置を意味するUEとして示される。セルスポットの基地局であるサービス提供基地局は、ステップ302において、タイミングアドバンスを確認する。タイミングアドバンスが所定の最大値TAmaxを超える場合、ステップ304が実行される。ステップ304において、セルスポットの基地局は、この移動体デバイスに関する有効領域外にあると識別される。基地局は、進化型ノードB、すなわち、UMTSネットワーク内の基地局を意味するeNBとして示される。原則として、セルラ無線通信ネットワーク内の任意の種類の基地局が説明される形で動作可能である。タイミングアドバンスがしきい値TAmaxを超えない場合、この手順はステップ306で停止する。
【0045】
ステップ308において、基地局は、移動体デバイスがそのセル内に滞在した時間を最小しきい値Tminと比較する。移動体デバイスがそのセル内に滞在した時間は、ステップ310から分かり、セルスポットの基地局から別の基地局に対するハンドオーバ準備メッセージを送信する。ハンドオーバ準備メッセージ内で、移動体デバイスの履歴情報が基地局に送信される。移動体デバイスの履歴情報は、移動体デバイスがそのセル内に滞在した時間を含む。
【0046】
移動体デバイスがそのセル内に滞在した時間がしきい値Tmin未満である場合、ステップ312において、セルスポットが検出される。移動体デバイスがそのセル内に滞在した時間がしきい値Tminを超える場合、この手順はステップ314で停止する。
【0047】
図4は、セルスポットの基地局内のセルスポット識別の流れ図を示す。これは、セルスポットを識別する代替様式である。ステップ300において、移動体デバイスはセルスポットに到着する。移動体デバイスは、ユーザ装置を意味するUEとして示される。ステップ302において、図3で説明されたように、タイミングアドバンスがしきい値TAmaxと比較される。タイミングアドバンスがしきい値TAmaxを超える場合、サービス提供基地局は有効領域外にあるとして定義される。基地局は、進化型ノードBを意味するeNBとして示される。タイミングアドバンスがしきい値TAmaxを超えない場合、この手順はステップ306で停止する。
【0048】
移動体デバイスがセルスポット内で移動した距離Dは、上で説明されたように、ステップ310において、ハンドオーバ準備手順から基地局に知らされる。ハンドオーバ準備手順の間、距離Dはセルスポットの基地局からターゲット基地局に送信される。距離Dは、タイミングアドバンスの測定値と信号方向の角度とに基づいて、上で説明されたように、セルスポットの基地局によって決定される。
【0049】
ステップ404において、距離Dは、最小しきい値Dminと比較される。距離Dがしきい値Dmin未満である場合、ステップ312において、セルスポットが検出される。これは、セルスポットを示す情報を、例えば、近接関係表内に格納させる。この距離がしきい値Dminを超える場合、この手順は、ステップ314で停止する。
【0050】
図5は、3つのセル1、2、および44と、移動体デバイス102とを含むセルラ無線通信ネットワーク100の一部の概略図を示す。さらに、このネットワークは、中央SONサーバとして示される中央ネットワーク要素500を含む。セル44は、セル1および2の重複領域内にセルスポットを含む。
【0051】
図5は、セルスポットを含むセルの基地局によって検出されたセルスポット情報を提供するための2つの可能性を示す。第1の可能性は、例えば、その情報をその近接関係表内に格納するセル1の基地局に知らせることである。セルスポットに関する情報は、例えば、X2インターフェースを経由して、セル44の基地局からセル1の基地局に送信可能である。セル44のセルスポットに関する情報がセル1の基地局内に格納されるとき、セル1からセル44に対する後続のハンドオーバ手順はセル1の基地局によって回避される。
【0052】
第2の可能性は、セル44の基地局がセルスポットに関して中央ネットワーク要素500に知らせ、中央ネットワーク要素500がその情報を格納して、セル1からセル44に対する後続のハンドオーバ手順を回避することである。
【0053】
中央ネットワーク要素またはセル1の基地局に対するメッセージは、時々、周期的に、または要求に応じて送信可能である。
【0054】
さらに、セル44の基地局は、新しいターゲットセル2が前のソースセル1と異なるかどうかを識別する。これは、例えば、その移動体デバイスが前に接続されていたセルを含めて、その移動体デバイスの履歴情報によって行うことが可能である。
【0055】
セル44の基地局からセル1の基地局または中央ネットワーク要素500に送信されたセルスポット情報は、例えば、セル44のセルスポットが検出されたことであり得る。もう1つの可能性は、タイミングアドバンスと、横断距離または移動体デバイスがそのセルスポット内で費やした時間と、新しいターゲットセルとを送信することである。
【0056】
図6は、セル1およびセル44と、移動体デバイス102と、中央ネットワーク要素500とを含むセルラ無線通信ネットワーク100の一部を示す。セル44のセルスポットはセル1によって囲まれている。図5において上で説明されたように、基地局は、新しいターゲットセル1が前のソースセル1と同一かどうかを識別する。セルスポットに関する情報は、セル1の基地局または中央ネットワーク要素500に送信され得る。図5において上で説明されたように、セルスポット情報は、セルスポットが検出されたことであってよく、またはセルスポット情報は、タイミングアドバンスと、セルスポット内の移動体デバイスの横断距離または移動体デバイスがそのセルスポット内で費やした時間と、前のソースセル1と同一である新しいターゲットセル1とを含むことが可能である。この情報は、近接関係表内に格納可能である。
【0057】
移動体デバイスがそのセルスポット内に滞在した時間は、ハンドオーバ要求メッセージの移動体デバイスの履歴情報内で既に送信されているため、セル44のセルスポットの基地局は、残留セルスポット情報、例えば、タイミングアドバンスおよび/またはセルスポット内の移動体デバイスの横断距離をハンドオーバ要求メッセージ内に含めて、適切な措置を講じるために、それを新しいターゲット基地局と同一である前のソース基地局に送信する。
【0058】
中央ネットワーク要素またはセル1の基地局に対するメッセージは、時々、周期的に、または要求に応じて送信可能である。
【0059】
図7は、タイミングアドバンスの自律的報告によるターゲット基地局内のセルスポット識別の流れ図を示す。ステップ300において、移動体デバイスはセルスポットに到着する。移動体デバイスがセルスポットに到着するとすぐに、移動体デバイスは、ステップ302において、タイミングアドバンスが所定の最大値TAmaxを超えるかどうかを確認する。所定の最大値TAmaxを超える場合、ステップ304において、基地局は、この移動体デバイスに関する有効領域外にあると識別される。移動体デバイスは、タイミングアドバンス情報を格納する。タイミングアドバンス情報がしきい値TAmaxを超えない場合、この手順はステップ306で停止する。
【0060】
ステップ304において、基地局が有効領域外にあることを決定した後で、移動体デバイスは、セルスポットからターゲットセル内にハンドオーバする。移動体デバイスがターゲット基地局にハンドオーバされるとすぐに、移動体デバイスは、ステップ700において、セルスポットのタイミングアドバンスを自律的に基地局に報告する。
【0061】
次いで、ステップ702において、基地局は、前に訪問したセルが有効領域外であったことを知る。ターゲット基地局は、セルスポットの基地局から受信されたハンドオーバ要求メッセージから移動体デバイスがそのセル内に滞在した時間を導出して、ステップ308において、移動体デバイスがそのセル内に滞在した時間が所定の最小値Tmin未満であるかどうかを確認する。最小値Tmin未満である場合、ターゲット基地局は、ステップ312において、セルスポットを識別して、セルスポットに関する情報は、例えば、近接関係表内に格納される。最小値Tmin未満でない場合、この手順は、ステップ314で停止する。
【0062】
図8は、タイミングアドバンスの自律的な報告によるターゲット基地局内のセルスポット識別の流れ図を示す。セルスポットは、図8において、セルスポット内で横断した経路長に従って識別される。ステップ300において、上で説明されたように、移動体デバイスはセルスポットに到着する。ステップ302において、タイミングアドバンスが最大値TAmaxと比較される。タイミングアドバンスがTAmax未満である場合、この手順はステップ306で停止し、タイミングアドバンスがそのしきい値を超える場合、ステップ304において、サービス提供基地局は有効範囲外にあると検出される。ステップ700において、ターゲットセルに対するハンドオーバの後で、セルスポットのタイミングアドバンスがターゲット基地局に報告される。次いで、ステップ702において、ターゲット基地局は、前の基地局が有効範囲外にあることを知る。
【0063】
ステップ800において、移動体デバイスの履歴情報がターゲット基地局によって受信される。この場合、移動体デバイスの横断距離Dは、セルスポット基地局からターゲット基地局に対するハンドオーバの準備の間に、ハンドオーバ要求メッセージの移動体デバイスの履歴情報内に含まれなければならない。移動体デバイスが前のセル内に滞在した時間は、常に移動体デバイスの履歴情報内に含まれる。これにより、ターゲット基地局は、移動体デバイスがそのセル内に滞在した時間と、移動体デバイスの横断時間とを知る。
【0064】
ステップ404において、距離Dが最小しきい値Dminと比較される。その距離がしきい値よりも短い場合、基地局は、ステップ312において、セルスポットを識別して、それぞれの情報を格納する。その距離が最小距離Dminよりも長い場合、この手順はステップ3214で停止する。
【0065】
図9は、要求後のタイミングアドバンスの報告によるターゲット基地局内のセルスポット識別の流れ図を示す。ステップ300において、移動体デバイスはセルスポットに到着する。ステップ302において、タイミングアドバンスが最大しきい値TAmaxと比較される。タイミングアドバンスがしきい値未満である場合、この手順は、ステップ306で停止する。タイミングアドバンスがしきい値TAmaxを超える場合、ステップ304において、サービス提供基地局は、有効範囲外にあるとして識別される。
【0066】
ステップ1000において、移動体デバイスは、ターゲットセルにハンドオーバする。ハンドオーバ手順の間に移動体デバイスが前のセル内に滞在した時間を含めて、移動体デバイスの履歴情報がターゲット基地局に送信される。ステップ308において、移動体デバイスが前のセル内に滞在した時間が最小しきい値Tminと比較される。その時間がしきい値Tminを超える場合、この手順は、ステップ314で停止する。移動体デバイスがそのセル内に滞在した時間がしきい値Tmin未満である場合、前のセルは一時的なセルスポット1002として検出される。
【0067】
次いで、ステップ1004において、タイミングアドバンスを報告するための要求が移動体デバイスに送信される。この要求時に、移動体デバイスは、ステップ1006において、前のセルとの接続からのタイミングアドバイスをターゲットセルの基地局に送信する。ステップ1008において、セルスポットを識別するために、タイミングアドバンスが使用される。ステップ312において、そのセルスポットはセルスポットとして検出され、そのセルスポットに関する情報は格納される。
【0068】
図10は、要求後のタイミングアドバンスの報告によるターゲット基地局内のセルスポット識別の概略図を示す。ステップ300において、移動体デバイスはセルスポットに到着する。ステップ302において、タイミングアドバンスが最大値TAmaxと比較される。タイミングアドバンスがしきい値を超える場合、ステップ304において、サービス提供基地局は有効範囲外にある。タイミングアドバンスがしきい値未満である場合、この手順はステップ306で停止する。
【0069】
ステップ1100において、移動体デバイスはターゲットセルにハンドオーバする。ハンドオーバ手順の間に移動体デバイスの履歴情報が新しいターゲット基地局に送信される。この履歴情報は、前のセル内の横断距離Dを含む。
【0070】
ステップ404において、計算された距離が最小値Dminと比較される。その距離がしきい値Dminを超える場合、この手順はステップ314で停止する。その距離がしきい値Dmin未満である場合、ステップ1002において、前のセルは一時的なセルスポットとして識別される。ステップ1004において、前の基地局に対する接続のタイミングアドバンスを報告するための移動体デバイスに対する要求が移動体デバイスに送信される。ステップ1006において、タイミングアドバンスが移動体デバイスからサービス提供ターゲット基地局に送信される。ステップ1008において、移動体デバイスからのタイミングアドバンス入力を用いて、一時的なセルスポットが識別される。ステップ312において、そのセルスポットはセルスポットとして識別され、その情報は格納される。
【0071】
図11は、3つのセル1、2、および44と、移動体デバイス102と、中央ネットワーク要素500とを含むセルラ無線通信ネットワーク100の一部の概略図を示す。セル44は、セル1および2の重複領域内に位置づけられているセルスポットを含む。
【0072】
セルスポットは、セル2の基地局、すなわち、ターゲット基地局によって検出される。セル2の基地局は、ターゲットセル2が前のソースセル1と異なるかどうかを識別する。セルスポット情報は、中央ネットワーク要素500またはセル1の基地局に送信可能である。この情報は、X2インターフェースを経由して送信可能であり、セルスポット情報、例えば、タイミングアドバンスと、横断距離とを含む信号がX2インターフェースを経由して送信されている。前のソース基地局は、移動体デバイスの履歴情報によって識別可能である。この信号は、時々、周期的に、または要求に応じて送信可能である。
【0073】
図12は、2つのセル1および4と、移動体デバイス102と、中央ネットワーク要素500とを含むセルラ無線通信ネットワーク100の一部の概略図を示す。セル44は、セル1の領域内にセルスポットを含む。
【0074】
セル1の基地局は、ターゲットセル1が前のソースセル1と同一であることを識別する。セルスポット情報は、セル1の基地局内に格納可能であり、またはセルスポット情報は、中央ネットワーク要素500に送信可能である。中央ネットワーク要素500に送信されている信号は、タイミングアドバンスと、セルスポット内の滞在時間または横断時間とを含むことが可能である。この信号は、時々、周期的に、または要求に応じて送信可能である。
【0075】
図13は、2つの基地局1500および1502、ならびに移動体デバイス1504のブロック図を示す。それぞれの基地局は、プログラム1508を実行するように適合されたプロセッサ1506と、近接関係表1512が格納された記憶装置1510と、他の基地局ならびに移動体デバイス1504と通信するための2つのインターフェース1514および1516とを含む。移動体デバイスは、プロセッサ1518と、基地局と通信するためのインターフェース1520とを含む。
【0076】
基地局1500および1502は、同じ手順を実行することが可能である点に留意されたい。動作中、移動体デバイス1504は、インターフェース1514および1520を経由して第1の基地局1500に接続される。移動体デバイス1504が第2の基地局1502のセルのセルスポットに向けて移動するとき、ハンドオーバ手順が開始される。移動体デバイス1504がインターフェース1520および1514を経由して基地局1502に接続されるとき、基地局1502は、タイミングアドバンスを測定する。非常に短い時間の後で、移動体デバイス1504は、基地局1502のセルスポットを通って移動しており、もとの基地局1500に対するハンドオーバが開始される。
【0077】
第2のハンドオーバ手順の間に移動体デバイスの履歴情報が基地局1500に送信されていることにより、基地局1500は、基地局1502のセルスポット内の移動体デバイスの滞在時間と、オプションで、セルスポット内の移動体デバイス1504の横断距離とを知る。基地局1502によって測定されたタイミングアドバンスは、やはり移動体デバイス1504を経由して基地局1500に送信されるか、またはインターフェース1516を経由して基地局1502から直接的に基地局1500に送信される。基地局1500のプロセッサ1506は、上で説明された方法ステップを実行するプログラム1508を実行する。このプログラムと、タイミングアドバンスと、移動体デバイス1504の滞在時間と、オプションで、移動体デバイス1504の横断距離とに基づいて、基地局1500は、基地局1502のセルスポットを検出する。このセルスポットに関する情報は、基地局1500の記憶装置1510内に格納されるか、または基地局1502もしくは図示されない別の基地局に送信されることも可能である。好ましくは、この情報は、近接関係表1512内に格納される。
【0078】
図14は、中央ネットワーク要素500、移動体デバイス1504、ならびに2つの基地局1502および1600のブロック図を示す。基地局1502は、プログラム1508を実行するように適合されたプロセッサ1506と、近接関係表1512が格納された記憶装置1510と、中央ネットワーク要素500、基地局1600、ならびに移動体デバイス1504と通信するための2つのインターフェース1514および1516とを含む。移動体デバイスは、プロセッサ1518と、基地局1502および1600、ならびに中央ネットワーク要素500と通信するためのインターフェース1520とを含む。基地局1600は、基地局1502、中央ネットワーク要素500、ならびに移動体デバイス1504と通信するための2つのインターフェース1514および1602を含む。さらに、基地局1600は、プロセッサ1506と記憶装置1510とを含む。
【0079】
動作中、移動体デバイス1504は、インターフェース1514および1520を経由して基地局1502に接続される。移動体デバイス1504が基地局1600のセルスポットに向けて移動するとき、ハンドオーバ手順が開始される。移動体デバイス1504がインターフェース1520および1514を経由してセルスポットの基地局1600に接続されるとき、セルスポットの基地局1600は、タイミングアドバンスを測定する。非常に短い時間の後で、移動体デバイス1504は、セルスポットを通って移動しており、もとの基地局1500に対するハンドオーバが開始される。
【0080】
第2のハンドオーバ手順の間に移動体デバイスの履歴情報が基地局1502に送信されていることにより、基地局1502は、基地局1600のセルスポット内の移動体デバイスの滞在時間と、オプションで、セルスポット内の移動体デバイス1504の横断距離とを知る。基地局1600によって測定されたタイミングアドバンスは、やはり移動体デバイス1504を経由して、基地局1500に送信されるか、またはインターフェース1516を経由して基地局1600から直接的に基地局1502に送信される。タイミングアドバンスと、滞在時間と、オプションで、移動体デバイス1504の横断距離とを含めて、セルスポットに関するすべての情報は、基地局1502から中央ネットワーク要素500に送信される。
【0081】
中央ネットワーク要素500のプロセッサ1506は、上で説明された方法ステップを実行するプログラム1508を実行する。このプログラムと、タイミングアドバンスと、移動体デバイスおよびセルスポットの滞在時間と、オプションで、移動体デバイスの横断距離とに基づいて、中央ネットワーク要素500は、基地局1600のセルスポットを検出する。このセルスポットに関する情報は、例えば、基地局1502の記憶装置1510内に格納されるか、または基地局1600もしくは図示されない別の基地局に送信されることも可能である。好ましくは、この情報は近接関係表1512内に格納される。
【符号の説明】
【0082】
1 セル
2 セル
3 セル
4 セル
44 セル
100 セルラ無線通信ネットワーク
102 移動体デバイス
300 移動体デバイスはセルスポットに到着する
302 タイミングアドバンスはしきい値を超える
304 サービス提供基地局は有効範囲外にある
306 停止
308 時間はしきい値未満である
310 ハンドオーバ準備
312 検出されたセルスポット
314 停止
404 距離はしきい値未満である
500 中央ネットワーク要素
700 ターゲットセルに対するハンドオーバの後でセルスポットタイミングアドバンスを報告する
702 前の基地局は有効領域外にある
800 ハンドオーバ履歴情報を受信する
1000 移動体デバイスは新しいターゲットセルにハンドオーバする
1002 一時的なセルスポットを検出する
1004 タイミングアドバンスを報告するための要求を移動体デバイスに送信する
1006 移動体デバイスからタイミングアドバンスを受信する
1008 移動体デバイスからの入力を用いてセルスポットを識別する
1100 移動体デバイスおよび送信速度のハンドオーバ
1500 基地局
1502 基地局
1504 移動体デバイス
1506 プロセッサ
1508 プログラム
1510 記憶装置
1512 近接関係表
1514 インターフェース
1516 インターフェース
1518 プロセッサ
1520 インターフェース
1600 基地局
1602 インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルスポットを通って移動している移動体デバイス(102)を使用して、セルラ無線通信ネットワーク(100)内で第1の基地局(1502)の前記セルスポットを検出する方法であって、
第2の基地局(1500)から前記第1の基地局に対する前記移動体デバイスの第1のハンドオーバを実行するステップと、
第1の値を決定するステップ(302)であって、前記第1の値が前記移動体デバイスと前記第1の基地局との間の距離を示している、決定するステップ(302)と、
前記第1の値が第1のしきい値を超えるかどうかを決定するステップ(302)と、
前記第1の基地局から前記移動体デバイスの第2のハンドオーバを実行するステップ(1000)と、
前記第1のハンドオーバと前記第2のハンドオーバとの間の時間に基づいて、第2の値を決定するステップ(308)と、
前記第2の値が第2のしきい値未満であるかどうかを決定するステップ(308)と、
前記第1の値が前記第1のしきい値を超え、かつ前記第2の値が前記第2のしきい値未満である場合、前記セルスポットを示している情報を格納するステップ(312)と、
前記情報が格納されている場合、前記第2の基地局から前記第1の基地局に対するハンドオーバを実行するための後続のハンドオーバ要求を拒絶するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記第1の基地局に対する前記ハンドオーバが拒絶された後で、ハンドオーバのために少なくとも1つの第3の基地局が準備される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記情報が格納されている場合、前記移動体デバイスの前記ハンドオーバパラメータが修正される、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の値が、前記移動体デバイスと前記第1の基地局との間の通信信号のタイミングアドバンスである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の値が、前記第1のハンドオーバと前記第2のハンドオーバとの間の時間である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の値が、前記第1のハンドオーバと前記第2のハンドオーバとの間で前記移動体デバイスが移動した距離である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
検出されたセルスポットに関する統計値が、前記第2の基地局内、第3の基地局内、または中央ネットワーク要素内に格納される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記情報が近接関係表(1512)内に格納される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記情報が前記第1の基地局内に格納される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記情報が前記第2の基地局内に格納される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記情報が第3の基地局内に格納される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記情報がネットワーク要素(500)内に格納される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
第2の基地局から第1の基地局に対する移動体デバイスの第1のハンドオーバを実行するステップと、
第1の値を決定するステップであって、前記第1の値が前記移動体デバイスと前記第1の基地局との間の距離を示している、決定するステップと、
前記第1の値が第1のしきい値を超えるかどうかを決定するステップと、
前記第1の基地局から前記移動体デバイスの第2のハンドオーバを実行するステップと、
前記第1のハンドオーバと前記第2のハンドオーバとの間の時間に基づいて、第2の値を決定するステップと、
前記第2の値が第2のしきい値未満であるかどうかを決定するステップと、
前記第1の値が前記第1のしきい値を超え、かつ前記第2の値が前記第2のしきい値未満である場合、前記セルスポットを示している情報を格納するステップと、
前記情報が格納されている場合、前記第2の基地局から前記第1の基地局に対するハンドオーバを実行するための後続のハンドオーバ要求を拒絶するステップと
を実行するための機械実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
第2の基地局から第1の基地局に対する前記移動体デバイスの第1のハンドオーバを実行するステップと、
第1の値を決定するステップであって、前記第1の値が前記移動体デバイスと前記第1の基地局との間の距離を示している、決定するステップと、
前記第1の値が第1のしきい値を超えるかどうかを決定するステップと、
前記第1の基地局から前記移動体デバイスの第2のハンドオーバを実行するステップと、
前記第1のハンドオーバと前記第2のハンドオーバとの間の時間に基づいて、第2の値を決定するステップと、
前記第2の値が第2のしきい値未満であるかどうかを決定するステップと、
前記第1の値が前記第1のしきい値を超え、かつ前記第2の値が前記第2のしきい値未満である場合、前記セルスポットを示している情報を格納するステップと、
前記情報が格納されている場合、前記第2の基地局から前記第1の基地局に対するハンドオーバを実行するための後続のハンドオーバ要求を拒絶するステップと
を実行するように動作可能であるネットワーク要素。
【請求項15】
第2の基地局から第1の基地局に対する前記移動体デバイスの第1のハンドオーバを実行するステップと、
第1の値を決定するステップであって、前記第1の値が前記移動体デバイスと前記第1の基地局との間の距離を示している、決定するステップと、
前記第1の値が第1のしきい値を超えるかどうかを決定するステップと、
前記第1の基地局から前記移動体デバイスの第2のハンドオーバを実行するステップと、
前記第1のハンドオーバと前記第2のハンドオーバとの間の時間に基づいて、第2の値を決定するステップと、
前記第2の値が第2のしきい値未満であるかどうかを決定するステップと、
前記第1の値が前記第1のしきい値を超え、かつ前記第2の値が前記第2のしきい値未満である場合、前記セルスポットを示している情報を格納するステップと、
前記情報が格納されている場合、前記第2の基地局から前記第1の基地局に対するハンドオーバを実行するための後続のハンドオーバ要求を拒絶するステップと
を実行するように動作可能である基地局装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−502792(P2013−502792A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525146(P2012−525146)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061807
【国際公開番号】WO2011/020782
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】