説明

センシングデバイス

【課題】センシングデバイスの高機能化と高信頼性化とに対応するために、書換可能PROM回路を複数設け、それらの出力から適切なものを選択する多数決回路を設けることは、製品コスト、半導体チップ面積の両面で大きな負担となる。高機能化と高信頼性化とを図りながら、製品コスト、半導体チップ面積の増大を抑制できるようにする。
【解決手段】エミュレーションモードでテストデータが更新書き込み可能な書換可能PROM回路4Aと、エミュレーションモードで確定された最適解データをライトモードで1回限り書き込み可能で、リードモードにおいて最適解データの読み出しが可能な、書き換え不可のワンタイムPROM回路4Bと、書換可能PROM回路4AとワンタイムPROM回路4Bとを制御するPROM制御回路5と、エミュレーションモードで書換可能PROM回路4Aの出力を選択し、リードモードではワンタイムPROM回路4Bの出力を選択し、センサ回路1に送出するPROM出力選択スイッチ6を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の調整すべき特性項目をもつ高機能な温度センサ、加速度センサ、磁気センサなど各種のセンシングデバイスにかかわり、特にはその高信頼性化、低コスト化に対応するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
温度センサ、加速度センサ、磁気センサなどのセンシングデバイスについて、厳しい自然環境下で使用されるものは特に高い信頼性が要求されるケースが多い。近年、センサの温度特性などについての個体ばらつきを高精度に調整しなければならない需要が増えている。例えば水晶発振器には、個々の水晶振動子の周波数の温度特性のばらつきがある。この特性ばらつきに対処するために開発されたのが温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)である。
【0003】
図6は従来のセンシングデバイスの構成を示すブロック図である。図6において、1はセンサ回路、2はセンサ回路1の駆動を制御するセンサ制御回路、3はセンサ制御回路2での制御量(パラメータ)を調整する制御調整回路、41は制御調整回路3に対してセンサ回路1に適合した制御量を供給するために制御量に対応した最適解データを格納するPROM回路、5はPROM回路41に対してデータの書き込み・読み出しを制御するPROM制御回路である。また、T0はPROM回路41に対して最適解データの書き込み動作を指令するための書き込み指令端子、DATAはPROM制御回路5に最適解データをシリアルに入力するデータ入力端子、CLKはPROM制御回路5にクロックを入力するクロック入力端子、OUTはセンサ回路1からのセンサ出力端子、VCC1は電源端子、VCC2はPROM制御回路5への電源端子、GNDはグランド端子である。なお、センシングデバイスがTCXOモジュールの場合、センサ回路1は水晶振動子を含む発振回路であり、センサ制御回路2は水晶振動子の周波数特性を調整する3次制御回路となる。
【0004】
センシングデバイスの生産過程の最終段階において、まずエミュレーションモードが設定され、センサ回路1の動作クロックの周波数の調整量を計算予測し、周波数が所定値になるように最適解データ(調整ビット)を確定する。次いでライトモードが設定され、エミュレーションモードで確定した最適解データをデータ入力端子DATAから入力しPROM制御回路5を介してPROM回路41に書き込む。リードモードでは、PROM回路41から最適解データが読み出され、制御調整回路3とセンサ制御回路2を介して最適解データがセンサ回路1に送られる。これによりセンサ回路1は周波数の温度特性のばらつきが補償され、最適解データの下で動作するので、周辺温度の変動にかかわらず、常に最適な周波数特性の下での安定した動作となる。
【0005】
高機能なセンシングデバイスには調整すべき特性項目が複数あって、その特性項目の調整は1つの工程では対応し切れない。PROM回路41としてデータ書き込みが1回限り可能で書き換えが不可であるワンタイムPROM回路を利用する場合には、複数項目の調整に対応し切れなくなる。すなわち、各調整工程で求めた調整値を次の工程に反映し、さらに必要に応じて前工程で決めた調整値を微調整しなければならない。しかし、複数の項目についてのトータルな最適解データを得るのに何段階にもわたってエミュレーションを繰り返すという調整の作業形態があり、しかもデータ書き込みが1回限り可能で書き換えが不可であるワンタイムPROM回路の場合は、個々の調整工程での最適解データを一時的に格納しておくというわけにはいかないので、外部の補償調整制御装置においてデバイス毎、調整工程毎に更新テストデータ(ビットグルーブ)を1対1で突き合わせる形で運用しなければならず、調整項目が多くなるほど管理すべきデータ量が膨大なものになる。
【0006】
そこで、PROM回路41として書換可能PROM回路(EEPROM)を用いることが考えられ、各工程において、書換可能PROM回路にテストデータを書き込み、さらに読み出してセンサ回路1に与え、センサ回路1を駆動し、センサ回路1の出力値を測定し、次に書換可能PROM回路に書き込むべきテストデータとして最適値に近づくデータを求め、その更新したテストデータを書換可能PROM回路に書き込む。このような書換可能PROM回路へのテストデータの書き込み、読み出し、センサ回路出力測定を繰り返し、最適解データを確定する。このようにPROM回路41として書換可能PROM回路を用いることにより、更新テストデータをセンシングデバイスに載せた状態で工程に流すことが可能となる。最終的に確定された最適解データは書換可能PROM回路に保持され、通常動作時のリードモードでは書換可能PROM回路から最適解データが読み出され、制御調整回路3とセンサ制御回路2を介して最適解データがセンサ回路1に与えられる。
【0007】
しかし、PROM回路41として書換可能PROM回路(EEPROM)を用いる場合には、書換可能PROM回路が高温に弱いという別の課題がある。すなわち、書換可能PROM回路の場合、高温のためにフローティングゲートに電荷の抜けが発生し、信号反転を招くおそれがある。特に100℃を超える高温状態では信頼性に不安がある。これは、厳しい自然環境化で使用されるセンシングデバイスの高信頼性化にとって好ましいことではない。
【0008】
そこで、複数の調整すべき特性項目をもつ高機能なセンシングデバイスについて、高信頼性化を図るため、図7に示すセンシングデバイスの構成が考えられた。図7において、41a,41b,41cはそれぞれセンサ回路1に適合した制御量を格納する書換可能PROM回路(EEPROM)、8は3つの書換可能PROM回路41a,41b,41cの出力を入力し、3つの入力について多数決処理を行う多数決回路である。この多数決回路8は、入力した3ビットのうち2ビットがビット反転を起こせば出力が反転することで多数決処理を行う。書き込み指令端子T0およびPROM制御回路5の出力はそれぞれ、3つの書換可能PROM回路41a,41b,41cに共通となっている。その他の構成については、図6の場合と同様である。図8は多数決回路8の詳しい回路構成を示し、3つのアンドゲートと1つのORゲートから構成されている。
【0009】
図7のセンシングデバイスの場合、3つの書換可能PROM回路41a,41b,41cを設けるとともに、それらの出力の多数決をとる多数決回路8を設けてあるので、温度条件が悪化して最適解データがビット反転を起こすようなことがあっても、3つの出力の多数決で、3つのうちビット反転が2つであれば出力を反転するが、ビット反転が1つであればビット反転しない方のデータを採用するものであり、この多数決処理により高信頼性のマージンを増やすことができる。図7の構成によれば、センシングデバイスの高機能化と高信頼性化との双方に対応することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平7−297291号公報
【特許文献2】特開昭63−219045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、センシングデバイスの高機能化と高信頼性化との双方に対応するために、図7、図8に示すように、書換可能PROM回路を複数設けること、および複数の書換可能PROM回路の出力から適切なものを選択するために多数決回路を設けることは、製品コスト、半導体チップ面積の両面で大きな負担となり、好ましいものではない。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みて創作したものであり、高機能化と高信頼性化とを図りながら、製品コスト、半導体チップ面積の増大を抑制できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題に鑑み、本発明は、センシングデバイスの高機能化、高信頼性化に対応するために次のような手段を講じる。すなわち、機能・性状を異にする2種類のPROM回路と、これら2種類のPROM回路を切り換えるためのPROM制御回路を設ける。PROM回路の1つは、繰り返してデータ書き込み可能なPROM回路(書換可能PROM回路:代表例はEEPROM)であり、もう1つはデータ書き込みが1回限り可能で書き換えが不可であるワンタイムPROM回路である。PROM制御回路は、書換可能PROM回路とワンタイムPROM回路に対して、エミュレーションモード、ライトモード、リードモードの各モードに応じたデータの書き込み・読み出しを制御するものとして構成されている。書換可能PROM回路は、外部の補償調整制御装置によってエミュレーションモードが設定された状態ではテストデータが更新書き込みされ、ライトモードおよびリードモードが設定された状態では原則として不動作状態となるように構成されている。ワンタイムPROM回路は、エミュレーションモードが設定された状態では不動作状態となり、ライトモードが設定された状態では先のエミュレーションモードで確定された最適解データを1回限り書き込み可能で、それ以降は書き換えが不可となり、リードモードが設定された状態では最適解データの読み出しが可能となるように構成されている。さらに、書換可能PROM回路の出力とワンタイムPROM回路の出力とを選択するPROM出力選択手段が設けられている。
【0014】
センシングデバイスの生産において、エミュレーションモードが設定されると、書換可能PROM回路がアクティブにされ、PROM出力選択手段によって書換可能PROM回路の出力が選択される。このエミュレーションモードでは、ワンタイムPROM回路はインアクティブであり、その出力は選択されない。エミュレーションモードでは、書換可能PROM回路を利用して、センサのばらつきを調整する上で最適のデータを求める。すなわち、書換可能PROM回路には初期には適当なテストデータを書き込み、それを読み出してPROM出力選択手段を介してセンサ回路に与え、センサ回路を駆動する。センサ回路の出力値を測定し、次に書換可能PROM回路に書き込むべきデータとして最適値に近づくテストデータを求め、その更新したテストデータを書換可能PROM回路に書き込む。このような書換可能PROM回路へのテストデータの書き込み、読み出し、センサ回路出力測定を繰り返し、最適解データを確定する。
【0015】
すなわち、センシングデバイスの特性項目ごとの調整工程にセンシングデバイスを順次に流し、各調整工程で調整値を求め、求めた調整値を次の工程に反映し、さらに複数の調整工程間で特性に相関がある場合には必要に応じて前工程で決めた調整値を微調整するといった作業を繰り返す。その調整工程ごとの最適解データを書換可能PROM回路に一時的に格納して、センシングデバイスとともに最適解データを持ち運ぶ。したがって、従来のように外部の補償調整制御装置においてデバイス毎、調整工程毎に更新テストデータ(ビットグルーブ)を1対1で突き合わせる形で運用する必要性が解消される。
【0016】
上記のようにして最適解データが確定されると、エミュレーションモードからライトモードに切り換えられ、ワンタイムPROM回路がアクティブにされる。書換可能PROM回路は原則としてインアクティブとされる。ライトモードになると、先のエミュレーションモードで確定された最適解データがワンタイムPROM回路に書き込まれる。この書き込みが終了すると、実使用のためのリードモードに切り換えられ、ワンタイムPROM回路から最適解データの読み出しが可能になるとともに、PROM出力選択手段によってワンタイムPROM回路の出力が選択され、最適解データがセンサ回路に送られる。なお、リードモードでは、書換可能PROM回路は原則インアクティブにし、動作するのはワンタイムPROM回路のみとなるが、他の処理に用いるのであれば書換可能PROM回路をアクティブにしてもよい。
【0017】
(1)以上を要するに、本発明のセンシングデバイスは、
エミュレーションモードにおいてテストデータが更新書き込み可能な書換可能PROM回路と、
前記エミュレーションモードでは不動作状態であり、ライトモードにおいて前記エミュレーションモードで確定された前記最適解データを1回限り書き込み可能で、リードモードにおいて前記最適解データの読み出しが可能な、書き換え不可のワンタイムPROM回路と、
前記書換可能PROM回路と前記ワンタイムPROM回路に対してデータの書き込み・読み出しを制御するPROM制御回路と、
前記エミュレーションモードでは前記書換可能PROM回路の出力を選択し、前記リードモードでは前記ワンタイムPROM回路の出力を選択し、センサ回路に送出するPROM出力選択手段とを備えたものである。
【0018】
この構成は、信頼性に不安があるとされている書換可能PROM回路から信頼性が安定しているワンタイムPROM回路に切り換えるものとなっている。すなわち、書換可能PROM回路をアクティブにすれば、高機能化に対応する複数の調整工程での各テストデータを繰り返し更新することができる。この繰り返しのテストデータ更新の機能(高機能化対応)は、ワンタイムPROM回路には期待できない。ワンタイムPROM回路のみでは、外部の補償調整制御装置においてデバイス毎、調整工程毎に更新テストデータ(ビットグルーブ)を1対1で突き合わせる形で運用しなければならず、高機能化のために調整項目が多くなるほど管理すべきデータ量が膨大なものになる。一方、書換可能PROM回路の場合には、高温のためにフローティングゲートに電荷の抜けが発生し、信号反転を招くおそれがあり、信頼性に不安がある。これに対して、ワンタイムPROM回路の場合には、温度変化に対する耐性が大きく、データ保持の性能が安定しているので、信頼性が高いものとなる。保持するのはテストデータの更新を経た最適解データであるので、高機能化に対応したものとなっている。
【0019】
このように、本発明の上記構成によれば、書換可能PROM回路の特徴とワンタイムPROM回路の特徴をともに活かすことにより、近年要求が強くなっている高機能化と同時に高信頼性化にも対応することが可能となる。
【0020】
さらに、書換可能PROM回路とワンタイムPROM回路とPROM出力選択手段の組み合わせは、従来技術のように複数の書換可能PROM回路とそれらの出力を多数決処理する回路構成が複雑な多数決回路との組み合わせの場合に比べて、また、書換可能PROM回路の代わりにランダムアクセスメモリを用いる場合に比べて、製品コスト、半導体チップ面積を削減することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明によれば、エミュレーションモードでテストデータを更新書き込み可能な書換可能PROM回路と、エミュレーションモードで確定された最適解データをライトモードで書き込み、リードモードで読み出しが可能なワンタイムPROM回路と、これら書換可能PROM回路の出力とワンタイムPROM回路の出力とを選択可能なPROM出力選択手段とを備えることにより、高機能化に対応する複数の調整工程での各テストデータの繰り返し更新を通じて最適解データを容易に求めることが可能になるとともに、その確定した最適解データをワンタイムPROM回路に保持させることで温度変化等使用環境の変化にかかわらず安定した動作をもたらす高信頼性の確保も可能となり、高機能化と高信頼性化とを図りながら、製品コスト、半導体チップ面積の増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1におけるセンシングデバイスの構成を示すブロック回路図
【図2】本発明の実施例1におけるセンシングデバイスの主要部の詳しい構成を示すブロック回路図
【図3】本発明の実施例2におけるセンシングデバイスの構成を示すブロック回路図
【図4】本発明の実施例2におけるセンシングデバイスの主要部の詳しい構成を示すブロック回路図
【図5】本発明の実施例3におけるセンシングデバイスの構成を示すブロック回路図
【図6】従来のセンシングデバイスの構成を示すブロック図
【図7】従来において高信頼性化を図るために考えられたセンシングデバイスの構成を示すブロック図
【図8】図7のセンシングデバイスにおける多数決回路の詳しい構成を示す回路図
【発明を実施するための形態】
【0023】
上記した(1)の構成の本発明のセンシングデバイスは、次のような実施の形態においてさらに有利に展開することが可能である。
【0024】
(2)上記(1)の構成のセンシングデバイスにおいて、前記書換可能PROM回路はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)であり、前記書換不可のワンタイムPROM回路はポリシリコンヒューズを使用したPROMであるという態様がある。ポリシリコンヒューズは、ポリシリコンに電気的エネルギーを印加することにより、ポリシリコンの抵抗値を変化させ、その前後の抵抗値変化を検出し、PROM信号とするものである。ポリシリコンをヒューズのように切断させる方式のPROMでは、かなりの高温でも(100℃を超えても)ポリシリコンの状態に変化はなく、PROMの出力信号を安定して得ることができる。また、電気的に消去可能なPROMであるEEPROMは、ランダムアクセスメモリに比べてコスト面、面積面で非常に有利であり、また、ポリシリコンヒューズを使用したPROMはツェナーダイオードを使用したPROMに比べて印加する電流も電圧も小さくてすむとともに、構成がより簡単で低コストである。
【0025】
(3)上記(1),(2)の構成のセンシングデバイスにおいて、前記PROM出力選択手段と前記センサ回路とは、前記書換可能PROM回路のテストデータまたは前記ワンタイムPROM回路の最適解データを入力して所定の制御量を生成する制御調整回路と、前記制御調整回路からの前記制御量を前記センサ回路に与えて前記センサ回路の駆動を制御するセンサ制御回路とを介して接続されているという態様がある。この場合、制御調整回路は、ワンタイムPROM回路からの最適解データを入力し、入力した最適解データに基づいて、当該のセンシングデバイスのセンサ回路の特性に見合った制御量を演算やテーブル参照等によって求めるものである。例えば、温度補償型水晶発振器(TCXO)であれば、水晶振動子の発振周波数を制御するために、可変容量ダイオード(バラクタダイオード)への印加電圧を調整する。
【0026】
(4)上記(1)〜(3)の構成のセンシングデバイスにおいて、前記PROM出力選択手段は、切換制御信号の“H”,“L”の切り換えにより前記書換可能PROM回路の出力と前記ワンタイムPROM回路の出力を選択するPROM出力選択スイッチとして構成されているという態様がある。この場合、書換可能PROM回路の出力を選択するのが、切換制御信号が“H”のときでもよいし、逆に“L”のときでもよい。
【0027】
(5)上記(4)の構成のセンシングデバイスにおいて、前記ワンタイムPROM回路は、前記PROM出力選択スイッチに与えられる前記切換制御信号について、前記PROM制御回路を介して入力した信号を前記PROM出力選択スイッチに与えるように構成されているという態様がある。この場合、PROM制御回路とワンタイムPROM回路とを介して切換制御信号を取り込むので、特別に専用の入力端子を設けないですむ。
【0028】
(6)また上記(4)の構成のセンシングデバイスにおいて、前記PROM出力選択スイッチに与えられる前記切換制御信号について、当該切換制御信号を入力する専用入力端子を備えているという態様がある。この場合、専用入力端子から切換制御信号を入力できるので、モードのいかんにかかわらず、書換可能PROM回路の状態やワンタイムPROM回路の状態を簡単に確認することが可能となる。例えば、書換可能PROM回路の書き込みデータとワンタイムPROM回路の書き込みデータとが同じで特性が変わらないかということの確認が可能となる。
【0029】
(7)上記(1)〜(6)の構成のセンシングデバイスにおいて、前記書換可能PROM回路は、当該の書換可能PROM回路に対してテストデータの書き込み動作を指令するための第1の書き込み指令端子に接続され、前記ワンタイムPROM回路は、当該のワンタイムPROM回路に対して最終の最適解データの書き込み動作を指令するための第2の書き込み指令端子に接続されているという態様がある。これは、書換可能PROM回路に対する書き込み指令の端子とワンタイムPROM回路に対する書き込み指令の端子とが別個であるということである。
【0030】
(8)また上記(1)〜(6)の構成のセンシングデバイスにおいて、前記書換可能PROM回路と前記ワンタイムPROM回路は、共通の書き込み指令端子に対して書き込み選択スイッチを介して接続され、前記書き込み選択スイッチは、前記書換可能PROM回路に対してテストデータの書き込み動作を指令する状態と、前記ワンタイムPROM回路に対して最終の最適解データの書き込み動作を指令する状態とに切り換え可能に構成されているという態様がある。この場合、書き込み指令端子が共用タイプの単一構成であるので、半導体チップの回路構成が簡素化される。なお、書き込み選択スイッチに対する切換制御信号はPROM制御回路を通じて送るようにすればよい。
【0031】
以下、本発明にかかわるセンシングデバイスの実施例を図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施例はあくまで一例であり、様々な改変を行うことが可能である。
【実施例1】
【0032】
図1は本発明の実施例1におけるセンシングデバイスの構成を示すブロック回路図、図2は図1のセンシングデバイスの主要部の詳しい構成を示すブロック回路図である。図1、図2において、1はセンサ回路、2はセンサ回路1の駆動を制御するセンサ制御回路、3はセンサ制御回路2での制御量を調整する制御調整回路、4は制御調整回路3に対してセンサ回路1に適合した制御量(パラメータ)を供給するために対応する最適解データを格納するPROM回路で、本実施例の場合、このPROM回路4は、繰り返してデータ書き込み可能なPROM回路である書換可能PROM回路4Aと、データ書き込みが1回限り可能で書き換えが不可であるワンタイムPROM回路4Bとの組み合わせで構成されている。5は書換可能PROM回路4AとワンタイムPROM回路4Bに対して、エミュレーションモード、ライトモード、リードモードの各モードに応じたデータの書き込み・読み出しを制御するPROM制御回路、6は書換可能PROM回路4Aの出力とワンタイムPROM回路4Bの出力とを選択するPROM出力選択スイッチ(PROM出力選択手段の一例)である。また、T1は書換可能PROM回路4Aに対してテストデータの書き込み動作を指令するための第1の書き込み指令端子、T2はワンタイムPROM回路4Bに対して最終の最適解データの書き込み動作を指令するための第2の書き込み指令端子、DATAはPROM制御回路5にデータをシリアルに入力するデータ入力端子、CLKはPROM制御回路5にクロックを入力するクロック入力端子、OUTはセンサ回路1からのセンサ出力端子、VCC1は電源端子、VCC2はPROM制御回路5への電源端子、GNDはグランド端子である。
【0033】
上記の構成において、さらに、書換可能PROM回路4Aは、エミュレーションモードの設定状態で初期のテストデータの書き込み・読み出し、更新されたテストデータの書き込み・読み出しが可能で、かつ、ライトモードおよびリードモードの設定状態で原則として不動作状態となるように構成されている。また、ワンタイムPROM回路4Bは、エミュレーションモードの設定状態で不動作状態となり、ライトモードの設定状態で先のエミュレーションモードで確定された最適解データを1回限り書き込み可能で、それ以降は書き換えが不可となり、さらにリードモードの設定状態で最適解データの読み出しが可能となるように構成されている。PROM出力選択スイッチ6は、エミュレーションモードの設定状態で書換可能PROM回路4Aの出力を選択し、リードモードの設定状態でワンタイムPROM回路4Bの出力を選択するように構成されている。
【0034】
以下、センシングデバイスのエミュレーションモードにかかわる主要部の一例を示す図2で説明する。
【0035】
PROM制御回路5にはシリアルデータの入力端子DATAとクロック入力端子CLKとnビットのテストデータのパラレル出力端子を備えている。PROM制御回路5は書換可能PROM回路4Aとnビットのバスで接続され、またワンタイムPROM回路4Bと(n+1)ビットのバスで接続されている。ワンタイムPROM回路4Bとの(n+1)ビットのうちの(n+1)番目の1ビットはPROM出力選択スイッチ6を制御するためのビットである(これが後述の切換制御信号Schになる)。nビットは例えば50ビットである。
【0036】
PROM出力選択スイッチ6は、書換可能PROM回路4Aからのnビットとこれに対応するワンタイムPROM回路4Bからのnビットとを1ビット単位で選択するためのn個の切換スイッチ素子を有している。このn個の切換スイッチ素子はワンタイムPROM回路4Bから出力される1ビットの切換制御信号Schによって一挙に切り換えられ、切換制御信号Schがビット“0”のときは書換可能PROM回路4Aからのnビットが選択され、切換制御信号Schがビット“1”のときはワンタイムPROM回路4Bからのnビットが選択されるように構成されている。PROM出力選択スイッチ6によって選択されたいずれか一方のnビットのパラレルデータは制御調整回路3に入力されるように構成されている。なお、図2では、nビットのバスライン、n個の切換スイッチ素子のうちそれぞれ5つ分だけが図示され、それ以外は図示が省略されている。なお、nビットについての50ビットは一例であり、このビット数nは任意である。
【0037】
次に、上記のように構成されたセンシングデバイスの動作を説明する。
【0038】
センシングデバイスの生産過程の最終段階において、出荷前の温度補償調整を行う。これは、センサ回路1の温度特性のばらつきを解消するためにエミュレーションによって書換可能PROM回路4Aを利用して最適解データを求め、求めた最適解データをワンタイムPROM回路4Bに書き込み設定するものである。
【0039】
外部の補償調整制御装置の制御によって、電源端子VCC1,VCC2から電源電圧が供給され、センサ回路1、センサ制御回路2、制御調整回路3、書換可能PROM回路4A、ワンタイムPROM回路4B、PROM制御回路5およびPROM出力選択スイッチ6がアクティブにされる。
【0040】
補償調整制御装置によってエミュレーションモードが設定される。これにより、補償調整制御装置から発信されたクロック信号がクロック入力端子CLKよりPROM制御回路5に入力されるとともに、第1の書き込み指令端子T1が“1”に設定されて書換可能PROM回路4Aがアクティブにされ、かつ第2の書き込み指令端子T2が“0”に設定されてワンタイムPROM回路4Bがインアクティブにされる。ワンタイムPROM回路4Bがインアクティブのとき、ワンタイムPROM回路4Bからの切換制御信号Schは“0”であり、PROM出力選択スイッチ6は書換可能PROM回路4Aの出力を選択する状態に切り換えられる。
【0041】
さらに、補償調整制御装置からシリアルに送出された初期のテストデータがデータ入力端子DATAよりPROM制御回路5に入力される。PROM制御回路5は入力したテストデータをシリアル/パラレル変換して、nビットのパラレルのテストデータを書換可能PROM回路4Aに送りこみ、書換可能PROM回路4Aはそのテストデータを書き込む。書換可能PROM回路4Aに書き込まれた初期のテストデータはPROM出力選択スイッチ6を介して制御調整回路3に送られる。制御調整回路3は、入力した初期のテストデータから制御量を調整し、調整した制御量をセンサ制御回路2を介してセンサ回路1に与える。センサ回路1は与えられた制御量の下で動作し、センサ出力端子OUTよりセンサ出力信号を出力する。このセンサ出力信号は外部の補償調整制御装置にフィードバックされる。このときのセンサ出力信号は、そのセンシングデバイスに固有の製品ばらつきの影響の下にあり、一般的には理想とする値からは外れたものとなっている。
【0042】
センサ出力信号を受け取った補償調整制御装置は、そのセンサ出力信号が示す測定値を期待値と比較し、期待値との差分を算出し、差分がゼロに最接近するようにテストデータを更新し、更新したテストデータをシリアルデータのかたちでPROM制御回路5のデータ入力端子DATAに送り込む。送り込まれた更新テストデータはパラレルデータのかたちで書換可能PROM回路4Aに転送され格納される。その更新テストデータはPROM出力選択スイッチ6を介して制御調整回路3に送られ、以降は前述同様のプロセスを経て、測定値と期待値との差分算出、テストデータ更新・再書き込みが何度か繰り返され、最適解データが求められ確定される。
【0043】
すなわち、センシングデバイスの複数の特性項目につき、特性項目ごとの調整工程がある。その一連の調整工程にセンシングデバイスを順次に流す。具体的には次のとおりである。
【0044】
第1の工程で、第1の特性項目についてテストデータを設定し、テストの結果としてより好ましい更新テストデータを求め、この第1の工程での更新テストデータを書換可能PROM回路4Aに格納し、第2の工程に移る。
【0045】
第2の工程で、第2の特性項目についてテストデータを設定し、テストの結果としてより好ましい更新テストデータを求める。このとき、先行する第1の工程で求めた更新テストデータの反映と必要に応じた微調整とが含まれる。この第2の工程での更新テストデータを書換可能PROM回路4Aに格納し、第3の工程に移る。
【0046】
第3の工程で、第3の特性項目についてテストデータを設定し、テストの結果としてより好ましい更新テストデータを求める。このとき、先行する第1の工程および第2の工程で求めた更新テストデータの反映と必要に応じた微調整とが含まれる。この第3の工程での更新テストデータを書換可能PROM回路4Aに格納し、第4の工程に移る。
【0047】
以下、同様の処理を最終の工程まで繰り返し実行する。
【0048】
以上のように、書換可能PROM回路4Aに一時的なテストデータを更新的に書き込むことが可能であり、各工程での更新テストデータをセンシングデバイスとともに持ち運ぶことができることから、従来のように外部の補償調整制御装置においてデバイス毎、調整工程毎に更新テストデータ(ビットグルーブ)を1対1で突き合わせる形で運用しなければならないという制限が解消される。
【0049】
上記のようにして最終工程が終了し外部の補償調整制御装置において最適解データが確定すると、補償調整制御装置によってエミュレーションモードからライトモードに切り換えられ、書換可能PROM回路4AとワンタイムPROM回路4Bのアクティブ・インアクティブが交代される。すなわち、第1の書き込み指令端子T1が“0”に設定されて書換可能PROM回路4Aがインアクティブにされ、かつ第2の書き込み指令端子T2が“1”に設定されてワンタイムPROM回路4Bがインアクティブにされる。そして、補償調整制御装置は確定した最適解データをシリアルデータのかたちでPROM制御回路5のデータ入力端子DATAに送り込む。送り込まれた最適解データはパラレルデータのかたちで今度はワンタイムPROM回路4Bに転送され格納される。
【0050】
最適解データのワンタイムPROM回路4Bへの書き込みが終了すると、補償調整制御装置によってリードモードに切り換えられ、ワンタイムPROM回路4Bから最適解データの読み出しが可能となる。さらに、ワンタイムPROM回路4Bからの切換制御信号Schが“1”となり、PROM出力選択スイッチ6はワンタイムPROM回路4Bの出力を選択する状態に切り換えられる。その結果、ワンタイムPROM回路4Bから読み出された最適解データが制御調整回路3とセンサ制御回路2を介してセンサ回路1に送られる。センサ回路1は最適解データの下で動作するので、最適な特性の下での動作となる。
【0051】
なお、リードモードでは、書換可能PROM回路4Aは原則インアクティブにし、動作するのはワンタイムPROM回路4Bのみとなるが、他の処理に用いるのであれば書換可能PROM回路4Aをアクティブにしてもよい。
【0052】
上記において、複数の調整工程で書換可能PROM回路4Aを用いて更新テストデータの繰り返し書き込みを行うように構成してあるので、従来技術のように、外部の補償調整制御装置においてデバイス毎、調整工程毎に更新テストデータ(ビットグルーブ)を1対1で突き合わせるといった煩雑さや管理すべきデータ量が膨大なものになるといった不都合は解消されている。加えて、最終的に確定した最適解データの保存に、温度変化に対する耐性が大きく、データ保持の性能が安定しているワンタイムPROM回路4Bを用いているので、高温のためにフローティングゲートに電荷の抜けが発生して信号反転を招くといった信頼性不安の問題も解消されている。
【0053】
このように、本実施例によれば、書換可能PROM回路4A、ワンタイムPROM回路4Bそれぞれの特徴をともに活かすことにより、高機能化と高信頼性化とを同時に達成することが可能となっている。
【0054】
さらに、構成要素について図7、図8の従来技術の場合と比較すると、従来技術の場合は回路構成が複雑な多数決回路を必要とし、書換可能PROM回路は多数決ゆえに少なくとも3つは必要で、全体として回路構成が複雑化し、コストアップを招くことになっていたが、本実施例では書換可能PROM回路は1つでよく、もう一つのPROMは簡単な構成のワンタイムPROM回路ですみ、切り換えはこれも簡単な構成のPROM出力選択手段ですむ。したがって、3つ以上の書換可能PROM回路と回路構成が複雑な多数決回路との組み合わせの場合に比べて、また、書換可能PROM回路の代わりにランダムアクセスメモリを用いる場合に比べて、製品コスト、半導体チップ面積を削減することが可能となる。
【実施例2】
【0055】
図3は本発明の実施例2におけるセンシングデバイスの構成を示すブロック回路図、図4は図3のセンシングデバイスの主要部の詳しい構成を示すブロック回路図である。図3、図4において、実施例1の図1、図2におけるのと同じ符号は同一構成要素を指しているので、詳しい説明は省略する。
【0056】
実施例1においてはPROM出力選択スイッチ6を制御するための切換制御信号Schの信号ラインがPROM制御回路5から引き出され、ワンタイムPROM回路4Bを経てPROM出力選択スイッチ6へと引き回されているが、本実施例の場合には、切換制御信号Schを入力するための専用の端子T3が設けられている。これに伴って、PROM制御回路5の出力のビット数が2nビットとなり、ワンタイムPROM回路4Bの出力のビット数がnビットとなっている。
【0057】
本実施例の場合、切換制御信号Schの信号ラインのための端子T3を専用入力端子としているので、PROM制御回路5とワンタイムPROM回路4Bとを経ての入力という複雑な経路は必要でなく、外部から簡単にPROM出力選択スイッチ6を切り換えることができる。したがって、いずれのモードにおいても、端子T3での電圧設定によりきわめて簡単に、書換可能PROM回路4Aの状態やワンタイムPROM回路4Bの状態を確認することができる。
【0058】
例えば、端子T3の状態をオープンにすると書換可能PROM回路4Aからの出力が選択され、端子T3の状態をGNDにするとワンタイムPROM回路4Bからの出力が選択されるようにする。そして、端子T3の電圧設定切り換えにより、書換可能PROM回路4Aの書き込みデータとワンタイムPROM回路4Bの書き込みデータとが同じで特性が変わらないかということの確認が可能となる。
【実施例3】
【0059】
図5は本発明の実施例3におけるセンシングデバイスの構成を示すブロック回路図である。図5において、実施例2の図3におけるのと同じ符号は同一構成要素を指しているので、詳しい説明は省略する。本実施例においては、書き込み選択スイッチ7が追加されている。この書き込み選択スイッチ7は、書換可能PROM回路4Aがテストデータの書き込み動作の指令を受けるため端子とワンタイムPROM回路4Bが最適解データの書き込み動作の指令を受けるため端子とを書き込み指令端子T4に対して切り換え可能に接続するものである。
【0060】
実施例1,2の場合には第1の書き込み指令端子T1と第2の書き込み指令端子T2との2つの端子が必要であったのに対して、本実施例では、書き込み選択スイッチ7の追加をもって、書き込み指令端子T4の1つのみの端子に集約している。この書き込み選択スイッチ7は、PROM制御回路5からの制御によって動作するようになっている。書き込み選択スイッチ7が書換可能PROM回路4Aを選択するときは、書換可能PROM回路4Aに対してPROM制御回路5を介してのテストデータの書き込みが許可され、PROM出力選択スイッチ6がワンタイムPROM回路4Bを選択するときは、ワンタイムPROM回路4Bに対してPROM制御回路5を介しての最適解データの書き込みが許可される。書き込み指令端子T4が共用タイプの単一構成となっているので、半導体チップの回路構成が簡素化される。
【0061】
なお、切換制御信号Schの入力端子については、実施例1と同様に構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明のセンシングデバイスは、書換可能PROM回路とワンタイムPROM回路とこれら両PROM回路の出力を選択するPROM出力選択手段とを備え、複数の調整工程でのテストデータの更新を通じた最適解データの探索、確定した最適解データの環境変化に影響されない安定した保持を可能とし、厳しい環境下で使用されるセンシングデバイスの高機能化と高信頼性化に加えて製品コスト、半導体チップ面積の軽減を図るための技術として有用である。
【符号の説明】
【0063】
1 センサ回路
2 センサ制御回路
3 制御調整回路
4 PROM回路
4A 書換可能PROM回路(EEPROM)
4B ワンタイムPROM回路(ポリシリコンヒューズを使用したPROM)
5 PROM制御回路
6 PROM出力選択スイッチ(PROM出力選択手段)
7 書き込み選択スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エミュレーションモードにおいてテストデータが更新書き込み可能な書換可能PROM回路と、
前記エミュレーションモードでは不動作状態であり、ライトモードにおいて前記エミュレーションモードで確定された前記最適解データを1回限り書き込み可能で、リードモードにおいて前記最適解データの読み出しが可能な、書き換え不可のワンタイムPROM回路と、
前記書換可能PROM回路と前記ワンタイムPROM回路に対してデータの書き込み・読み出しを制御するPROM制御回路と、
前記エミュレーションモードでは前記書換可能PROM回路の出力を選択し、前記リードモードでは前記ワンタイムPROM回路の出力を選択し、センサ回路に送出するPROM出力選択手段とを備えたセンシングデバイス。
【請求項2】
前記書換可能PROM回路はEEPROMであり、前記書換不可のワンタイムPROM回路はポリシリコンヒューズを使用したPROMである請求項1に記載のセンシングデバイス。
【請求項3】
前記PROM出力選択手段と前記センサ回路とは、前記書換可能PROM回路のテストデータまたは前記ワンタイムPROM回路の最適解データを入力して所定の制御量を生成する制御調整回路と、前記制御調整回路からの前記制御量を前記センサ回路に与えて前記センサ回路の駆動を制御するセンサ制御回路とを介して接続されている請求項1または請求項2に記載のセンシングデバイス。
【請求項4】
前記PROM出力選択手段は、切換制御信号の“H”,“L”の切り換えにより前記書換可能PROM回路の出力と前記ワンタイムPROM回路の出力を選択するPROM出力選択スイッチとして構成されている請求項1から請求項3までのいずれかに記載のセンシングデバイス。
【請求項5】
前記ワンタイムPROM回路は、前記PROM出力選択スイッチに与えられる前記切換制御信号について、前記PROM制御回路を介して入力した信号を前記PROM出力選択スイッチに与えるように構成されている請求項4に記載のセンシングデバイス。
【請求項6】
前記PROM出力選択スイッチに与えられる前記切換制御信号について、当該切換制御信号を入力する専用入力端子を備えている請求項4に記載のセンシングデバイス。
【請求項7】
前記書換可能PROM回路は、当該の書換可能PROM回路に対してテストデータの書き込み動作を指令するための第1の書き込み指令端子に接続され、前記ワンタイムPROM回路は、当該のワンタイムPROM回路に対して最終の最適解データの書き込み動作を指令するための第2の書き込み指令端子に接続されている請求項1から請求項6までのいずれかに記載のセンシングデバイス。
【請求項8】
前記書換可能PROM回路と前記ワンタイムPROM回路は、共通の書き込み指令端子に対して書き込み選択スイッチを介して接続され、前記書き込み選択スイッチは、前記書換可能PROM回路に対してテストデータの書き込み動作を指令する状態と、前記ワンタイムPROM回路に対して最終の最適解データの書き込み動作を指令する状態とに切り換え可能に構成されている請求項1から請求項6までのいずれかに記載のセンシングデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−75526(P2011−75526A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230331(P2009−230331)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】