説明

セーフティバルブを有する乗員保護装置

本発明はとりわけ、点火式なガス発生器を有する乗員保護装置に関する。本発明に依れば、温度感応式な方法で作動し、外部に連通するセーフティバルブ(200)が前記ガス発生器に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点火式ガス発生器を有する乗員保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願の意味する範囲の乗員保護システムは、車両乗員保護用の拘束システムの構成部材によって、即ち例えばベルトリトラクターの構成部材、ベルトテンショナーの構成部材、またはエアバッグ装置の構成部材によって形成され、あるいは拘束システムそのものによって、即ち例えばベルトリトラクター、ベルトテンショナー、またはエアバッグ装置そのものによって形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、特に高度な安全性を提供する点火式ガス発生器を有する乗員保護装置を形成することを課題とする。
【0004】
当該課題は、本発明に基づき、請求項1の特徴を有する乗員保護装置によって解決される。本発明に基づく乗員保護装置の有利な実施例は従属項に記載される。

【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に依れば、点火式ガス発生器を有する乗員保護装置が用いられ、さらに、温度感応式に作動し、外部に連通するセーフティバルブが当該ガス発生器に連結されている。
【0006】
本発明に基づく乗員保護装置の本質的な利点は、当該乗員保護装置が、車両火災の際に、車両内に滞まる乗員に高レベルの安全性を供することにある。火災の際、車両内は高温となり、その高温のため、ガス発生器は自動的に、即ち、意図的に外部から点火されなくても起動をトリガーされ、車両乗員に対して怪我を回避することが可能である。即ち、温度感応式に作動し外部に連通するセイフティバルブは、セーフティバルブが適時に開くこと、および、ガス発生器によって生じるガスがセイフティバルブを経て外部に押し出されることを保証することが可能である。この点、温度感応式な方法で作動するセーフティバルブによって、ガス発生器からのガスが所定の耐熱温度を超過すると外部に放出されることが保証されてもよい。
【0007】
本発明に基づく乗員保護装置の更なる本質的な利点は、火災、したがって、乗員保護装置全体の破裂という本来的な危険による圧力超過につき、セーフティバルブが存在することにより考慮する必要がなく、当該乗員保護装置は、通常に作動する温度範囲内での正常圧力に対して構成されればよいということである。
【0008】
火災の際の特にハイレベルの作動安全性を保証するため、シーリング要素の素材温度が耐熱温度を超えない限り、ガス発生器のガスを受けた際でも、セーフティバルブを気密状にシールするシール要素をセーフティバルブが有することが有利であると考えられる。シーリング要素の素材のシーリング能力は、耐熱温度を超過した際に低減されることが好ましく、その結果、遅くともガス発生器によるガスを受けた際にセーフティバルブが開かれる。素材の耐熱温度はガス発生器の自発的点火温度より低く、ガス発生器の正常作動温度範囲の最高温度より高いことが好ましい。ガス発生器が正常に作動する最高温度は、一般に約100℃である。
【0009】
温度感応式に作動するセーフティバルブは、例えばパイプにおける開口部または孔、またはガス誘導性キャリアにおける開口部または孔によって形成されてもよく、ストッパーによってシールされる。このようなストッパーの素材や構造は、例えば105℃以上である所定の作動温度以上で、強度や形体を失うよう構成されることが好ましい。このようなストッパーは、例えば、開口部に溶着されたり、クリップ留めや接着されたり、鋲留めされたりする樹脂製のストッパーによって形成されてもよい。樹脂製のストッパーの代わりに、異なる素材(例えば融点が100℃と130℃の間の金属)から成るストッパーが用いられてもよい。また、例えば、可融性の充填物を有するストッパーが用いられてもよい。例えば、合金、はんだ合金が充填物として用いられてもよい。開口部または孔の温度感応性シーリングに対して、収縮、融合または燃焼する接着性フィルムを用いることも可能である。
【0010】
開口部または孔をシールするべく、燃焼可能な素材が用いられてもよく、当該燃焼可能な素材は、裸火や熱の存在で燃焼し、結果的に開口部または孔を開口する。
【0011】
セーフティバルブは、例えば、ガス誘導パイプに対して直接用いられてもよい。あるいは、セーフティバルブを、ガス発生器に直接または間接的に連結されるキャリアの領域に取り付けることも可能である。例えば、スレッドストッパー(threaded stopper)が、はんだによってシールされた孔と共に利用されることもある。即ち、はんだが融解すると、スレッドストッパーの孔が開き、セーフティバルブが開口する。
【0012】
既に述べたように、温度感応式に作動するセーフティバルブに対する複数の変更例が考えられる。しかしながら、セーフティバルブが、供給要素の壁孔と、外側から孔に挿通されるシーリング要素とを有し、シーリング要素が、壁にスナップ留めされ壁の内側面に押圧する少なくとも2つのスナップ要素を有するならば、特に有利である。
【0013】
特に好ましいことに、このようなシーリング要素は、ロッキング要素が外側から挿通される凹部を有する。このような挿通されるロッキング要素は、シーリング要素の少なくとも2つのスナップ要素が放射方向に外側に押し付けられることになり、よってスナップ要素は孔の孔壁に対して側方に押圧される。スナップ要素を孔壁に対してこのような方法で放射方向に押圧することにより、セーフティバルブを開口させる耐熱温度または開口温度に達していない場合に超過圧力によりシーリング要素が孔から押し出されバルブが開くことが、特に平易な方法で防止される。言い換えれば、シーリング要素により、セーフティバルブが専ら温度感応式に作動し、圧力感応式な方法では追加的に作動しないことが特に平易な方法で保証される。シーリング要素は全体として、あるいは単にロッキング要素として、耐熱温度を超過すると、融解、変形または燃焼によりシーリング能力を失う素材から構成されることが好ましい。シーリング要素は全体として、あるいは単にロッキング要素として、例えば、樹脂、金属または融点が110℃と130℃の間である合金から構成されてもよい。
【0014】
放射方向外側へのスナップ要素の回動(ピボッティング)を平易にするためには、シーリング要素の凹部が、ロッキング要素によりシールされるスルーホール(貫通孔)によって形成されていることが有利であると考えられる。この実施例では、孔の領域にあるスナップ要素は互いに完全に分離していてよく、ロッキング要素による供給要素に対するシーリング要素の堅固な連結が保証されるよう、特に平易にピボットされてもよい。この実施例ではさらに、ロッキング要素が耐熱温度および/または作動温度を超えるとシール能力を失う素材から構成されていれば十分である。即ち、シーリング要素のシーリング要素以外の部分がより耐熱性の素材から形成されていてもよい。
【0015】
さらに好ましい実施例では、セーフティバルブが、ピンヘッドを備えたピンによって形成されるシーリング要素を有するよう構成されている。ピンは、ピンヘッドが壁の内面を受けるように、例えば供給パイプである供給要素の壁孔に内側から挿通される。続いて、孔を通って外側に突出したピン端部は、孔の断面積より断面積の大きいシール部を形成するよう塑性変形される。したがってこの場合、温度感応式方法で作動するセーフティバルブは、供給要素の壁孔に挿通しピンヘッドを備えた塑性変形されたピンによって形成される。ピンは、耐熱温度を超えると、例えば融解、変形または燃焼によりそのシール能力を失うような素材から形成されることが好ましい。耐熱温度は、110℃から130℃の間の温度範囲であることが好ましい。
【0016】
あるいは追加的に、セーフティバルブは、外側から供給要素の壁孔に挿通され、壁に鋲付されるブラインドリベット型のシーリング要素であってもよい。このような鋲付けは、対応する鋲付け道具によって行われることが好ましい。ブラインドリベットは、例えば110℃から130℃の間の耐熱温度を超えると、例えば融解、変形または燃焼によりそのシール能力を失う素材から形成されることが好ましい。
【0017】
更なる好ましい実施例によれば、セーフティバルブが、供給要素の壁孔の外側または内側から与えられて孔をシールするフィルム形状のシーリング要素を有するよう構成されている。この実施例では、一枚のフィルムが供給要素の孔の領域に取り付けられればよいため、特に平易な取り付けが可能である。フィルムは、例えば110℃から130℃の間の耐熱温度を超えると、例えば融解、変形または燃焼によりそのシール能力を失う素材から形成されることが好ましい。
【0018】
乗員保護装置は、テンショナードライブを備えたベルトリトラクターであることが好ましく、当該装置は、ガス発生器、ベルトリトラクターのベルトスピンドルに連結された駆動装置、およびガス発生器と駆動装置を連結する特に供給パイプの形状の供給要素を有する。複数のスラスト要素が供給要素に存在することが好ましく、当該スラスト要素はガス発生器がトリガーされた後に動作が促進され、セーフティベルトを巻き込むための駆動装置を間接的または直接的に駆動する。セーフティバルブは供給要素に孔を有することが好ましく、当該孔はガス発生器と第一スラスト要素との間の部分に配置されていることが特に好ましい。
【0019】
さらに、本発明は点火式ガス発生器を有する乗員保護装置の製造方法に関する。これに関して、本発明に基づき、供給要素にて外部に導通する孔が、温度感応式方法で作動するシーリング要素によってシールされるよう構成されている。

【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は、以下の実施例を参照して詳細に記述される。
【0021】
【図1】ベルトリトラクターによって形成される本発明に基づく乗員保護装置の実施例を示す。
【図2】図1に基づくベルトリトラクターの供給パイプに対する、図1に基づくガス発生器の連結領域を詳細に示す。
【図3】組立中である、図1に基づくベルトリトラクター用の温度感応式に作動するセーフティバルブを示す。
【図4】完全に組立が完了後の、図3に基づくセーフティバルブを示す。
【図5】図3および図4に基づくセーフティバルブのロッキング要素の平面図を示す。
【図6】図1に基づくベルトリトラクター用の、温度感応式に作動するセーフティバルブの更なる実施例を示す。
【図7】変形されたピン端部を備えたピン型の、温度感応式に作動するセーフティバルブの第三実施例を示す。
【図8】変形後の、図7に基づくピンを示す。
【図9】ブラインドリベットによって形成されるセーフティバルブの製造方法、ブラインドリベットの製造方法を示す。
【図10】ブラインドリベットによって形成されるセーフティバルブの製造方法、ブラインドリベットの製造方法を示す。
【図11】ブラインドリベットによって形成されるセーフティバルブの製造方法、ブラインドリベットの製造方法を示す。
【図12】図1に基づくベルトリトラクター用のセーフティバルブの更なる実施例を示す。この実施例では、セーフティバルブはフィルムを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図において、同じ参照番号は常に同一、または同等の構成部材に用いられる。
【0023】
図1では、ベルトリトラクター10によって形成される乗員保護装置の実施例が、概略的な分解図によって示されている。ベルトリトラクター10は、ベルトスピンドル20、テンショナードライブ30、およびテンショナードライブ30とベルトスピンドル20に連結する質量慣性カップリング35を有する。
【0024】
テンショナードライブ30は、例えばマイクロガス発生器の形状の点火式ガス発生器40、ドライブホイール50、ガス発生器40とドライブホイール50を連結する湾曲した供給パイプ60、ならびに複数の質量要素および/またはスラスト要素70aから70nを有する。スラスト要素70は、例えば球状である。
【0025】
ドライブホイール50は、保持キャップ51と保持プレート52との間に回転可能状に保持され、ドライブホイールを駆動するべく、スラスト要素70が係合するレシービングシェル100を有する。このため、スラスト要素70はドライブホイール50と接触状に係合し、さらにレシービングシェル100と係合することにより前記ドライブホイール50を接触状に通過し、下流に配置された容器110に最終的に到達する。
【0026】
図2では、ガス発生器40と供給パイプ60との間の連結部が詳細に図示されている。第一スラスト要素70aとガス発生器40との間に、温度感応式に作動し外部に連通するセーフティバルブ200が供給パイプ60に構成されている。
【0027】
セーフティバルブ200の実施例を、一連の図3から図12にて、より詳細に説明する。
【0028】
図3では、供給パイプ60の孔210および孔210に挿通されているシーリング要素220によって形成されるセイフティバルブ200が示されている。シーリング要素220は、矢印Pの方向に孔210を通して押し込まれ、その結果、シーリング要素220の2つのスナップ要素230、240は、供給パイプ60の壁250にスナップ接続することができる。このスナップ動作により、2つのスナップ要素230、240の内側端部260、270は、壁250の内側面280に押圧する。
【0029】
2つのスナップ要素230、240のスナップ動作によってさらに、シーリング要素220の外側端部290は、壁250の外側面300に押しつけられる。さらに、2つのスナップ要素230、240の側壁310、320は、孔210の孔壁330に押圧する。
【0030】
例えば、供給パイプ60の過度の圧力により、シーリング要素220が孔210から不意に抜け落ちることを防ぐため、ロッキング要素350は、シーリング要素220のスルーホール360の形状の凹部に挿入されている。スルーホール360の長軸方向およびロッキング要素350の長軸方向は、
−2つのスナップ要素230および240の内側端部260、270に対して垂直方向、または少なくとも概ね垂直方向に延在すること、および/または、
−シーリング要素の外側端部290に対して、垂直または少なくとも概ね垂直に延在すること、および/または
−孔210の孔壁330に対し、平行または少なくとも概ね平行に延在すること、および/または、
−2つのスナップ要素230、240の側壁310および320に対し、平行または少なくとも概ね平行に延在することが好ましい。
【0031】
ロッキング要素350の目的は、2つのスナップ要素230および240の内側面370を放射方向、即ち、矢印Rの方向である外向きに押圧することであり、その結果、側壁310および320は、孔壁330に対してより強く押圧される。言い換えれば、ロッキング要素350の本質的な機能は、シーリング要素220が所定の耐熱温度に達する、および/または耐熱温度を超過することがない限り、シーリング要素220が脱落しないことを保証することである。
【0032】
しかし、温度が、シーリング要素220の材質によって定められた耐熱温度を超過した場合、シーリング要素220は、(例えば軟化または融解によって)作動能力および/またはシーリング能力を失い、供給パイプ60内の超過圧力によって孔210から押し出され、その結果、図1に基づくガス発生器40のガスは、供給パイプ60の孔210を通って外方向に漏出する。
【0033】
図3に基づく実施例は、様々な変更例が考えられる。即ち、
1. シーリング要素220は全体として、温度感応式素材から形成される。
2. シーリング要素220の全パーツは、ロッキング要素350を除いて、温度感応式素材から形成される。
3. ロッキング要素のみが温度感応式素材から形成され、シーリング要素220のロッキング要素以外の構成部材は、ロッキング要素に比べて耐熱性の素材から形成される。
【0034】
図3に基づく実施例では、ロッキング要素350は、例えば融解温度の低い樹脂、金属または特にはんだ材から形成されてよく、ロッキング要素以外の構成部材は、融解温度がより高い異なる素材から構成されてもよい。
【0035】
図4は、例として、ロッキング要素350をスルーホール360に挿入し、孔210にシーリング要素220を取り付けた後のシーリング要素220を示す。
【0036】
図5は、例として、図3および4に基づくシーリング要素220の平面図を示す。シーリング要素350は、例えば、断面が円形であるように形成されてもよいことを示す。
【0037】
図6では、図1に基づき温度感応式に作動するセーフティバルブ200に関する更なる実施例が示されている。その形状および構造から図3に基づくシーリング要素220に対応する、シーリング要素220が示されている。図3に基づく実施例と比べた相違は単に、凹部および/またはスルーホール360が無いこと、ならびに、図3に見られるロッキング要素350の挿入の余地が無いことである。図6に基づくシーリング要素220は専ら、スナップ要素230、240によってロックされ、内側端部260、270によって壁250の内側面280に対してスナップ接続し、側面310および320によって供給パイプ60の孔210の孔壁330を押圧する。シーリング要素220は、更に、シーリング要素220の取り付けを保証するべく、壁の外面300を受ける外側端部290を有する。
【0038】
図7では、図1に基づくベルトリトラクター用のセーフティバルブ200が例示され、当該セーフティバルブはピン400を有する。ピン400はピンヘッド410およびピン端部420を有する。取り付けのため、ピン端部420は、供給パイプ60の内側からピンヘッド410が供給パイプ60の壁250の内側面280に当たるまで、孔210に挿通される。次いで、壁250の外側面300に位置するピン端部420は塑性変形され、その結果ピン端部の断面積が孔210の断面積より大きくなる(図8参照)。したがって、塑性変形することによりピン400は孔210に堅固に連結され、気密状に孔210をシールする。ピンの温度がピンの耐熱温度をを下回るとすぐに、たとえガス発生器40が高いガス圧を発生していていも、ピン400はガイドチューブ60をシールする。しかし、ピン400の耐熱温度を超過している場合、(例えば軟化または溶融により)シーリング要素素材のシーリング能力は低減し、その結果、遅くともガス発生器によるガスを受けると、ピン400は孔210を開き、ガス発生器からのガスが供給パイプ60から外に流出可能となる。
【0039】
一連の図9から図11は、例として、温度感応式方法で作動するセーフティバルブが、ブラインドリベット500によって形成される方法を説明する。図9は、ブラインドリベットツール510を示し、当該ツールを用い、ブラインドリベットブランク520は供給パイプ60の壁250の孔210を通って押し込まれる。
【0040】
ブラインドリベットブランク520に挿通した後、ブラインドリベットツール510が働き、ブラインドリベットブランク520は変形する。図10は、例としてこの様子を示す。
【0041】
ブラインドリベットブランク520の変形が終わるとすぐ、ブラインドリベット500が形成され、ブラインドリベットツール510はブラインドリベット500から分離される。温度感応式に作動するセーフティバルブの形成は完了する。セーフティバルブは、ブラインドリベット500、および供給パイプ60の壁250の孔210によって形成される。ブラインドリベット500の温度がブラインドリベットの耐熱温度を超過しない限り、ブラインドリベット500は孔210を気密状にシールする。しかし、ブラインドリベットの温度が耐熱温度以上になると、当該ブラインドリベットは、全体的にまたは部分的に(例えば軟化や融解により)シール能力を失い、遅くともガス発生器40による過度の圧力がかかると、孔210を開き、孔210から押し出される。ブラインドリベット500は、孔210と協働して温度感応式に作動するセーフティバルブを形成し、図1に基づくベルトリトラクターに用いられてもよい。
【0042】
図12は、図1に基づくベルトリトラクター用セーフティバルブの更なる変更例を示す。供給パイプ60が見られ、当該パイプの壁250に孔210が、例えば穿孔により形成されている。孔210は孔210の外側または内側に付与されるフィルム600によりシールされ、孔210を気密状にシールする。
【0043】
フィルム600の温度がフィルム600の耐熱温度未満の場合は、フィルム600は孔210を気密状にシールすることができる。しかし、フィルム600の温度が耐熱温度を超過する場合、遅くとも図1に基づくガス発生器40のガスを受けると、(軟化または融解により)フィルムはシール能力を失い、孔210を開く。フィルム600は、孔210と協働して、温度感応式に作動するセーフティバルブを形成すると共に、図1に基づくベルトリトラクターに利用可能である。

【符号の説明】
【0044】
10 ベルトリトラクター
20 ベルトスピンドル
30 テンショナードライブ
35 質量慣性カップリング
40 ガス発生器
50 ドライブホイール
51 保持キャップ
52 保持プレート
60 供給パイプ
70 スラスト要素
70a 第一スラスト要素
100 レシービングシェル
110 容器
200 セーフティバルブ
210 孔
220 シーリング要素
230 スナップ要素
240 スナップ要素
250 壁
260 端部
270 端部
280 内側面
290 端部
300 外側面
310 側壁
320 側壁
330 孔壁
350 ロッキング要素
360 スルーホール
370 内側面
400 ピン
410 ピンヘッド
420 ピン端部
500 ブラインドリベット
510 ブラインドリベットツール
520 ブラインドリベットブランク
600 フィルム
P 矢印
R 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点火式のガス発生器(40)を有する乗員保護装置であって、
温度感応式に構成されるとともに、外部に連通するセーフティバルブが前記ガス発生器に接続されていることを特徴とする乗員保護装置。
【請求項2】
請求項1に記載の乗員保護装置であって、
前記セーフティバルブは、供給要素(60)の壁(250)に設けられた孔(210)と、外部から前記孔へと挿通されたシーリング要素(220)を有し、
前記シーリング要素は、前記壁にスナップ接続されるとともに、前記壁の内面(280)を受ける少なくとも二つのスナップ要素(230、240)を有することを特徴とする乗員保護装置。
【請求項3】
請求項2に記載の乗員保護装置であって、
前記シーリング要素は、ロッキング要素(350)が外部から挿通される凹部を有し、挿通された前記ロッキング要素は前記少なくとも二つのスナップ要素を外部に押圧し、これにより、前記スナップ要素は、前記孔の孔壁(330)に対して横方向に押圧されることを特徴とする乗員保護装置。
【請求項4】
請求項3に記載の乗員保護装置であって、
前記シーリング要素の前記凹部は、前記ロッキング要素によってシールされる貫通孔(360)によって形成されることを特徴とする乗員保護装置。
【請求項5】
請求項1に記載の乗員保護装置であって、
前記セーフティバルブのシーリング要素は、前記供給要素の壁の孔へと内部から挿通されたピンヘッド(410)を有するピンによって形成され、これにより、前記ピンヘッドは、前記壁の内面を受け、
前記孔から外部に突出するピン端(420)が、塑性変形することによって、前記孔の断面積よりも大きな断面積とされたシーリング部分を形成するように構成されていることを特徴とする乗員保護装置。
【請求項6】
請求項1に記載の乗員保護装置であって、
前記セーフティバルブのシーリング要素は、外部から前記供給要素の壁の孔に挿通され、前記壁に鋲付けされるブラインドリベット(500)を有することを特徴とする乗員保護装置。
【請求項7】
請求項1に記載の乗員保護装置であって、
前記セーフティバルブのシーリング要素は、前記供給要素の壁の孔に外部または内部から配置され、前記孔をシールするフィルム(600)によって形成されることを特徴とする乗員保護装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載の乗員保護装置であって、
当該乗員保護装置はテンショナードライブを備えたベルトリトラクター(10)によって構成され、当該テンショナードライブは、前記ガス発生器(40)と、ベルトリトラクターのベルトスピンドル(20)に接続された駆動装置と、特に供給パイプ(60)として構成されて前記ガス発生器と前記駆動装置を接続する供給要素を有し、
複数のスラスト要素(70)は、前記供給要素内に設けられ、前記ガス発生器の点火後に促進され、前記安全ベルトを巻くために前記駆動装置を間接的にまたは直接的に駆動し、
前記セーフティバルブは、前記供給要素にて孔(210)を有し、前記孔は前記ガス発生器(40)と第1スラスト要素(70a)の間の位置に設けられることを特徴とする乗員保護装置。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれかに記載の乗員保護装置であって、
前記セーフティバルブは、前記シーリング要素の素材温度が耐熱温度を下回る範囲においては、当該セーフティバルブを気密状にシールするシーリング要素を有し、
遅くとも前記ガス発生器によるガスが作用する際に、前記シーリング要素のシーリング能力は、当該シーリング要素の耐熱温度を超えた場合に低下し、前記セーフティバルブが開放し、
前記耐熱温度は、前記ガス発生器の自然点火温度よりも低く、前記ガス発生器の作動温度範囲の最大温度よりも高く設定されていることを特徴とする乗員保護装置。
【請求項10】
点火式のガス発生器を有する乗員保護装置の製造方法であって、
供給要素において外部に連通する孔が温度感応式シーリング要素によってシールされていることを特徴とする乗員保護装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−503770(P2013−503770A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527204(P2012−527204)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【国際出願番号】PCT/DE2010/001039
【国際公開番号】WO2011/026474
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(594101503)タカタ・ペトリ アーゲー (146)
【Fターム(参考)】