説明

ソナー・システム

【課題】船舶の移動中の操作を容易にし、船舶上の動く歩道からの高解像度画像を提供する船舶搭載可能ソナー・システムを提供すること。
【解決手段】船舶搭載可能な一体化ソナー・システムが提供される。船舶搭載可能な一体化システムは、少なくとも1つの画像ソナー・データ収集装置と、少なくとも1つの画像ソナー・データ収集装置に電気的、かつ取り外し可能に接続された少なくとも1つの処理システムとを含む。ソナー・データ収集装置は、好ましくは、処理システムに音響データを提供し、音響データを利用してソナー画像を生成する。また、システムは、関心のある標的の場所を突き止めるべく、データの正確な地理的に参照のためのデジタルのチルト及びアジマス方向を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶に搭載可能なソナー・システム、特に、船舶の操作者が水中環境において各種の標的を突き止め、識別し、調査するために前記ソナー・システムを配備し、それらによって航行し、それらを利用することができるように、ホーミング及び/又は地理的参照(geo-referencing)機能を備えた船舶搭載可能の高解像度画像ソナー・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野では、多数の船舶搭載可能ソナー・システムが知られている。そのようなシステムの例に、測深器、単純な障害物回避ソナー、サイドスキャン・ソナー、機械的走査ソナー、及び手動ポール・マウントがある。これらの船舶搭載可能ソナー・システムの表示方法は、ソナー画像で航行を充分には容易にしない。また、これらのシステムは理解し難く、船舶が移動している間に操作するのは困難である。さらに、これら船舶搭載可能ソナー・システムには、船舶上の動く歩道からの高解像度画像を提供する機能がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7035166号明細書
【特許文献2】米国特許第7173879号明細書
【特許文献3】米国特許第7123546号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
米国特許第7035166号明細書は、少なくとも1つのソナー・エミッタと、該ソナー・エミッタにより発生された出力信号からの反響を受けて生データ信号を発生するように構成された一連のソナー・センサと、少なくとも1つのロール(roll)・チルト(tilt)・ヨー(yaw)・センサと、前記ソナー・エミッタの緯度及び経度の位置を判定するセンサからの入力装置と、生信号データを収集し、処理して画像データを提供するのに適した回路とを含むソナー・システムを開示する。前記画像は、各センサにより判定されたソナー・システムのロール、チルト及びヨーの方向に呼応して回転される。前記ロール・チルト・ヨー・センサ並びに画像処理によって、連続的な伝送からの複数の画像の連続表示が、同一基準系で地球に対して方向付けられることが可能となる。
【0005】
米国特許第7173879号明細書は、広いビームの送信機と、位相アレイ受信機と、非フーリエに基づくビーム・フォーマー及び相関関係に基づく処理技術を利用するプロセッサとを含むソナー・システムを開示し、求める標的数が適応標的個体数推定器処理法(Adaptive Target Population Estimator processing technique)から得られた数値に基づく、ビーム形成されたデータから有効な標的を抽出する。固有値と連続的固有値の勾配の数値は、ビーム・フォーマーによって求められる標的数の判定に用いられる。
【0006】
米国特許第7123546号明細書は、様々な視野を有する少なくとも2つの送信機と、該送信機により発生されたすべての視野を包含する視野を有する受信機と、送信機間の電子機器を切り替えるように設計された制御システムと、送信機に対応するように設定された処理パラメータとを含むソナー・システムを開示し、制御器は次の送信の前に単一のアクティブ・ソナー音の送信と受信とを可能にし、それぞれの送信は時間的にずれることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
船舶搭載可能の高解像度画像ソナー・システムは、ホーミング、位置確認、及び/又は地理的参照機能を備える。この船舶搭載可能システムは、小型で、携帯性、利便性、安全性のために分解して収容できる。このシステムは、簡単な操作者インターフェイスを備え、操作者が船舶が対象の標的に向かって迅速に航行することを可能にする。このシステムはまた、操作者が船上で方向感覚を容易に維持できるように、方向性のある画像表示配置を提供する。
【0008】
このシステムは、さらに、正確な位置確認及びデータの地理的参照のためのデジタルのチルト及び/又はアジマス(azimuth)方向フィードバックを、標的の位置確認及び/又は画像モザイク生成のために提供する。標的と画像との正確な位置確認及び地理的参照は、標的の追跡とアクティブ・ソナー音画像のオーバーレイとが、コヒーレント又はインコヒーレントな画像及び3次元(3D)モザイク生成を介して改良された画像解像度を生成することを可能にする。このシステムは、コンパスや全地球測位システム(GPS)のような航行用具を使用して、チルト及びアジマスにおいて、自動化されたソナーが標的位置に照準を合わせることを可能にするため、ソナーが連続的に標的の地理参照位置に照準を合わせるように、標的の位置は操作者がディスプレー上で選択することができる。このことは、船舶の配列及び位置とは無関係な適切なソナー配列を可能にする。さらに、この船舶搭載可能ソナー・システムは、制御及び画像表示装置のためのサンライト・リーダブル・タッチ・スクリーン・ディスプレーを提供し、操作者が船上で均衡を維持し、船酔いを最小限にすることを可能にする。
【0009】
一実施例において、船舶搭載可能ソナー・システムは、少なくとも1つの高解像度ソナー・データ取得・画像システムと、データ記憶表示機能を有する少なくとも1つの処理システムとを含む。多くの実施例では、船舶搭載可能ソナー・システムは、また、制御可能な位置決め装置も含む。この実施例では、位置決め装置は、パン・チルト(pan and tilt)機構を含んでもよく、ソナー・データ取得システムはクランプ機構により、位置決め装置に取り外し可能に接続してもよい。ソナー・データ取得システム及び位置決め装置又はパン・チルト・ソナー・モジュールは、柱、棒、シャフト、ポスト等に取り外し可能に接続して、搭載可能なパン・チルト・ソナー・モジュールを形成することができる。搭載可能なパン・チルト・ソナー・モジュールは、ソナー・システムと位置決め装置とを含み、電子的に、かつ、好ましくは取り外し可能に前記処理システムに接続可能である。前記処理システムも、また、一体化された又は独立した航行システム、あるいはコンパス、測深器、全地球測位システム(GPS)等のような又は航行システムの素子に電子的に接続されてもよい。
【0010】
本発明の方法及びシステムは、様々なタイプの画像を生成可能である多数の異なる型のソナー・データ取得・画像システムと共に使用されるか、又はそれらを内蔵することができる。多数の型のソナー・システムが当技術分野で知られており、本発明の諸システムに内蔵することができる。前記ソナー・データ取得画像システムは、複数の光束を利用する高鮮明度2次元(2D)又は3次元(3D)のソナー画像を提供することが好ましい。引用によりその全文が本明細書に組み込まれている、同時係属の米国特許出願公開第2005/0007882 A1号公報に記載の周波数で操作されるこの種のソナー・システムが、好ましくは、本発明の多くの方法やシステムに使用される。前記ソナー・システムは、例えば、同時係属の米国特許出願公開第2005/0007882 A1号公報に記載された型の2D又は3D前向きソナー・システムを含んでもよいし、対象物又は関心のある表面の視野を最適化すべく3D側部・下部走査を適用するための比較的薄い扇ビームを生成する2D測深ソナー・システムを含んでもよく、あるいは、他の多数の2D又は3Dソナー・システムを含んでもよい。一実施例において、ソナー・システムは少なくとも1個のチルト・ロール・センサを含む。前記少なくとも1つのチルト・ロール・センサは、前記処理システムに対してチルト・フィードバックを提供することができる。
【0011】
位置決め装置は、ソナー・データ取得システムを位置決めし、方向付け、好ましくは、前記処理システム及び/又は操作者によって、関心のある方向にあるソナー・データ取得システムを目標とするように制御可能であり、その一方、チルト及びロールの情報、ホーミング及び/又は地理参照フィードバック等の方向性の情報を前記処理システムに提供することができる。前記位置決め装置は、パン・チルト装置、パンのみの装置、チルトのみの装置、多軸位置決め装置、パンのための船舶方向に伴うチルト等であってもよい。前記位置決め装置は、1又は複数の軸線を介するソナー・データ取得システムの旋回運動を提供してもよく、1又は複数の軸線上の線に沿っての走査を提供してもよく、又は様々なアークによるソナー・データ取得システムの回転を提供してもよい。位置決め装置は、一実施例において、玉継手式位置決め装置であってもよい。
【0012】
前記処理システムは、データ格納表示機能を有し、取り付け可能なパン・チルト・ソナー・モジュールを制御する少なくとも1つの処理ユニットを含む。前記処理システムはまた、収集、記憶、計算、処理を行い、ソナー・データ、信号、ソナー画像、航行データ、及び処理も提供する。一実施例において、前記処理システムは、当技術では周知であり海洋環境で操作するように設計された型のパソコンである。別の実施例において、前記処理システムは取り付け可能なパン・チルト・ソナー・モジュールと一体化された処理システムである。前記処理システムは少なくとも1個の画像表示装置と複数の制御入力装置とを含むか、それらと連動する。
【0013】
画像表示装置は操作者にソナー画像を提示し、所定の又は選択された標的と位置決め情報とを操作者に表示する。いくつかの実施例において、画像表示装置は、指令入力機能を有してもよいし、入力機能を有するタッチ・スクリーンであってもよい。別の実施例において、画像表示装置は日光下で読むことができる。前記画像表示装置は、船舶の天井、操作卓、壁、又は操作者制御ステーションに設置され、ヘッドアップ画像表示装置システムを含むことができる。別の実施例において、前記画像表示装置は、操作者が着用又は保持するか、船上のどこか別の場所に取り付けられる携帯表示器を含んでもよく、また携帯表示器と連動させることができる。さらに別の実施例において、前記画像表示装置は、付加的な画像表示装置部品を有する、より大きい別の画像表示装置システム内に設置することができる。
【0014】
前記処理システムは、本発明のシステムに内蔵されるか、処理システムと連動する独立のシステムか部品群である航行システム、又は航行部品と連動し、該航行システム又は航行部品から入力を取得することが好ましい。多くの実施例において、例えば、コンパス及び/又は全地球測位システム(GPS)は前記処理システムと連動し、船舶や標的の様々な位置の位置座標を提供する。
【0015】
本発明は、下記の詳細な説明において、添付の図面を参照してより詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】船舶搭載可能ソナー・システムと各種の他のシステムとのインターフェースの実施例を示す。
【図2】船舶搭載可能ソナー位置決めパン・チルト・モジュールの一実施例の分解斜視図である。
【図3A】図2に示す船舶搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュールの平面図である。
【図3B】図2に示す搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュールの正面図である。
【図3C】図2に示す搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュールの側面図である。
【図3D】図2に示す搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュールの斜視図である。
【図4A】ソナー画像方向と、ソナー装置と、画像表示装置上に備えられた直感的標的表示装置におけるソナー画像方向とソナー装置及び位置決めモジュール間の関係を示す。
【図4B】画像表示装置に備えられた別の直感的標的表示器における、ソナー画像方向と、ソナー装置及び位置決めモジュール間の別の関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ホーミング、位置測定、及び/又は地理参照等の機能を有する船舶搭載可能高解像度画像ソナー・システムが提供される。船舶搭載可能の諸システムは、好ましくは小型で、携帯性、利便性、及び安全性のために分解して収容することができる。これらのシステムは単純なオペレータ・インターフェイスを提供し、操作者が迅速に関心のある標的を識別して、船舶をその標的に向かって航行することを可能にする。これらのシステムは、また、操作者がソナー画像上で選択した関心のある標的を追跡することも許し、方向性の画像表示配列を提供し、それによって、ソナー画像が、ソナー取得・位置決め装置の配向性に対応する、船舶に対するある角度で表示される。これにより、操作者にとってより直感的なインターフェイスが提供でき、操作者が船上で方向感覚を維持しつつ、容易に水中の標的を追跡し、その方向に舵を取ることを可能にする。
【0018】
これらのシステムは、さらに、ソナー・データ取得システムからデジタルのチルト及び/又はアジマス方向フィードバックを提供し、ソナー・システムの範囲内にある選択された標的の正確な地理参照のための航行器具と組み合わせるか整合させることにより、選択された標的の正確な地理的参照を可能にする。標的の正確な地理的参照は、前記システムが画像モザイクを生成して、標的及び/又は空間的座標を追跡するか、所定の又は選択された水中監視プログラムを実行することを可能にする。標的及び画像の正確な地理的参照は、また、マルチピング標的追跡やマルチピング画像オーバーレイが、コヒーレント又はインコヒーレント画像及び3Dモザイク発生を介して改善された画像解像度を生じさせることをも可能にする。
【0019】
これらのシステムは、また、コンパスや全地球測位システム(GPS)等の航行用具を使用して、チルト又はアジマスにおいて、標的位置に自動的に照準を合わせることをも可能にするため、標的位置は、操作者が標的座標又は画像表示装置上の空間位置を指し示して選択することができる。一旦1つ以上の水中標的が識別されるか地理的に参照されると、前記ソナー・システムは、前記標的の地理的に参照された位置を継続的に追跡し又は狙うよう指示されてもよい。これにより、適切なソナーの方向性配列を維持し、船舶の配列及び位置に無関係の1つ以上の標的位置に関するソナー画像を維持する。さらに、開示の船舶搭載可能システムは、制御装置及び画像表示装置のための陽光下で可読のタッチ・スクリーン表示器を提供することができる。
【0020】
図1は船舶搭載可能の一体化ソナー・システム10の一実施例を示す。船舶搭載可能の一体化ソナー・システム10は、少なくとも1つの高解像度画像ソナー・データ収集装置20と、少なくとも1つのコンピュータ制御可能な位置決め装置30と、少なくとも1つのコンピュータ・システム40と、データ記憶装置50と、ディスプレー60の部品とを含む。前記システムは、また、少なくとも1つの航行システム70又は1つ以上の航行部品若しくは用具とを内蔵するか、それらと連動することが好ましい。処理システム及びコンピュータ・システムという用語は、本明細書では交互に用いられ、これらの用語間の区別はない。前記処理又はコンピュータ・システムは、好ましくはデジタルで、データ処理機能を有する。データ記憶装置はコンピュータ・システムに内蔵されているか、補助データ記憶装置又はシステムに備えられている。前記ディスプレーも同様に前記コンピュータ・システムに内蔵されていてもよいし、前記コンピュータ・システムと連動される別個の表示装置として備えられてもよい。
【0021】
図2に示されるように、ソナー・データ収集装置20は、パン・チルト・ソナー・モジュール90を形成すべく、クランプ機構等により取り外し可能に位置決め装置30に接続されている。一実施例において、ソナー・データ収集装置20は、複数のブラケット80、120により、取り外し可能に位置決め装置30に接続されている。ブラケット120は、ソナー・データ収集装置20を、ねじ130により、ブラケット80に固定し、留めているが、他の型のファスナーを使用してもよい。集合的に、ブラケット120,ソナー・データ収集装置20、及びブラケット80は、ねじ140と回転子アーム150とにより、位置決め装置30に固定され、留められている。回転子アーム150は、位置決め装置30を自由に回転させるため、ねじ160により、ブラケット80と位置決め装置30とに回転可能に接続されている。パン・チルト・マウント170もまた、位置決め装置30が自由にパン・チルトすることを許すため、位置決め装置30に接続されている。
【0022】
図2は、パン・チルト・ソナー・モジュール90がプレート・マウント180、ねじ190、200により、ポール100に取り外し可能に接続され、搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュール110を形成していることを示すが、ロッド、シャフト、ポスト等を使用してもよい。一実施例において、搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュール110は、ポール100の先端の近傍に配置された簡易着脱取付機構210を介して船舶に取り外し可能に設置される。搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュール110は、例えば、船舶の船尾にあるスイム・ステップに、取り外せないようにボルトで留めてもよい。クランプ機構210は、完全に配置されるときは、ポール100を水中に強固に保持する。後寄りの位置において、搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュール110は、ポール100が水から引き揚げられるように緩めることもできる。別の後寄りの位置において、引き揚げられたポール100を船舶のスイム・ステップを横切るように置くべく、クランプ機構210は、搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュール110の上方で回転させることもできる。これら2つの後寄りの位置は、搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュール110を完全に取り外したり、しまい込む必要なしに、船舶が迅速に移動することを許す。必要があれば、ポール100はパン・チルト・ソナー・モジュール90から完全に取り外して安全な場所にしまい込むことができる。一実施例において、搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュール110は、少なくとも1つの取付ブラケットによって船舶の小部屋キャビンの内壁に設置される。別の実施例において、搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュール110は、船体又は船尾横材に固定される。
【0023】
搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュール110は、ソナー・データ収集装置20と位置決め装置30とを含み、コンピュータ・システム40に電子的に、かつ取り外し可能に接続されている。一実施例において、搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュール110のソナー・データ収集装置20は、搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュール110が、例えば、イーサネット(登録商標)接続によりコンピュータ・システムに接続される少なくとも1つのポートを含む。別の実施例においては、位置決め装置30は、コンピュータ・システム40に電子的に無線で接続される。当技術で周知の無線周波数プロトコル又は標準無線インターネット・プロトコルは、いずれも使用可能である。コンピュータ・システム40もまた、航行システム70に電子的に接続される。標的角度フィードバックは、位置決め装置30に配置された内部一センサから提供され、フィードバックは、コンピュータ・システム40にデジタルで送られる。
【0024】
ソナー・データ収集装置20は、好ましくは複数のビームを利用して音響データをコンピュータ・システム40に提供し、コンピュータ・システム40は、音響データを利用した高鮮明度の2次元(2D)又は3次元(3D)ソナー画像を生成する。前記ソナー画像は、例えば、マルチビーム2D画像、マルチビーム3D画像、機械的走査2D画像ソナー・システム、2D深浅測量等によって生成することができる。ソナー・データ収集装置20は、好ましくは少なくとも1つのチルト・ロール・センサ(図示せず)を含み、チルト・フィードバックをコンピュータ・システム40に提供することができる。一実施例において、ソナー・データ収集装置20は、米国特許出願公開第2005/007882 A1号公報に開示されているような周波数操縦音響アレイ・システムのいずれであってもよい。前記米国特許出願公開公報は、参照によりその全文が本書に組み込まれている。一例では、ソナー・データ収集装置20は、非周期的な間隔及び/又は位相整合を有する複数の音響トランスデューサ素子を内蔵する音響アレイを含み、周波数帯選択により調節可能な視野を有する周波数操縦音響ビームを送受することができる。他の例では、ソナー・データ収集装置20は、異なる方向に向けられた少なくとも2つの視野において、周波数操縦音響ビームを送受することができる音響アレイを含み、該アレイは、複数の音響トランスデューサ素子を含むが、各素子は、近傍の素子に対して位相シフトされ、また活動的な周波数操縦視野を選択するために、各素子は複数の素子の少なくとも一部分の極性、位相シフト、又は相互接続を切替えることができる制御器と電気的な通信を行う。
【0025】
さらに別の例では、ソナー・データ収集装置20は、複数の間隔をおいた音響トランスデューサ素子を有する音響アレイの組み合わせを含み、前記音響トランスデューサ素子は、少なくとも1つの付加的音響アレイに対してある角度で配置され、かつ前記付加的音響アレイと実質的に同一面に配置された周波数帯選択によって調節可能な視野を有する周波数操縦音響ビームを送受することができるため、前記アレイ組み合わせは単一の面において異なる視野で音響パルスを送受信することができる。さらに別の例では、ソナー・データ収集装置20は、複数の間隔をおいた音響トランスデュサ素子を有する音響アレイの組み合わせを含み、該音響トランスデューサ素子は、少なくとも1つの付加的音響アレイに対してある角度で配置され、かつ前記音響トランスデュサ素子と実質的に同一面に配置された周波数帯選択であって、少なくとも1つの付加的音響アレイの面に対してある角度で、かつ前記面にほぼ直交して配置された周波数帯選択によって調節可能な視野を有する周波数操縦音響ビームを送受することができる複数の音響トランスデューサ素子を有するため、前記アレイ組み合わせは、ほぼ相互に直交する2つの面における異なる視野で音響パルスを送受することができる。
【0026】
位置決め装置30は、コンピュータ・システム40に位置決め及び方向性フィードバックを提供することができる一方、ソナー・データ収集装置20を関心ある方向に向けて照準を合わせることができる。位置決め装置30は、パン・チルト装置、パン専用装置、チルト専用装置、多軸位置決め装置、パン用船舶方向付けを伴うチルト等であってもよい。一実施例において、船舶搭載可能ソナー・システム10は、船舶の進行方向を変更することによりパン機能を実行するためのチルト専用実装を利用することができる。あるいは、本システム10はまた、垂直視野が広範囲の深さ環境における底部又は水柱に音響効果を与えるに適する限り、パン・チルトを伴わない固定された画像ソナー・データ収集装置20を使用することもできる。
【0027】
コンピュータ・システム40は、搭載可能なパン・チルト・ソナー・モジュール110を制御する少なくとも1つの処理装置を含む。コンピュータ・システム40は、また、ソナー・データ及び信号、ソナー画像、及び航行データ及び処理過程を収集し、記憶し、計算し、処理し、提供する。コンピュータ・システム40は、少なくとも1つの記憶システム50及び/又は少なくとも1つの画像ディスプレー60と連動する。コンピュータ・システム40は、キーボードのようなユーザー・インターフェイスか、タッチ・スクリーンのような双方向性画像表示装置60、又はその他のユーザー・インターフェイスを備えることが好ましい。好ましくは、操作者は、前記インターフェイスから位置決め装置30を操縦することにより、ソナーの方向を制御し、前記インターフェイスから、画像表示装置60からの画像モード及びソナー画像を選択し、標的を選択して前記インターフェイスを使用し、その他ソナー標的の位置を突き止めたり、識別したり、表示したり、検査、追跡したりするためにソナー・システム10を操縦することができる。一実施例において、ジョイスティック制御器がインターフェイスとして備えられているが、ジョイスティック制御器はソナー・データ収集装置20と位置決め装置30の両方を制御することができる。
【0028】
コンピュータ・システム40は、搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュール110と一体であってもよいが、ソナー・データ収集装置20及び位置決め装置30と通信する別個の装置であることが好ましい。コンピュータ・システム40と位置決め装置30、及び/又はソナー・データ収集装置20間の伝達は、操作者が、位置決め装置30と、ソナー・データ収集装置20で収集したデータとを制御するコンピュータのユーザー・インターフェイスを通して指示を入力する事ができるように、双方向であることが好ましい。コンピュータ・システム40は、少なくとも1つの画像表示装置60と、複数の制御入力装置とを含むか、それらと連動可能である。画像表示装置60は、操作者に画像を提示し、一実施例においては、画像表示装置60は、入力機能を有し、入力機能を有するタッチ・スクリーンを含むことができる。別の実施例においては、画像表示装置60は、陽光で読めるスクリーンを含むことができる。画像表示装置60は、船舶の天井、コンソ−ル、壁、又は船舶の別の部分に設置してもよく、付属のスクリーン又は装置上にデータ及び/又は画像を表示するヘッドアップ画像表示装置システムであってもよい。他の実施例では、画像表示装置60又は付属画像表示装置60は、操作者が着用又は携行可能な携帯表示器を含むことができる。さらに他の実施例では、画像表示装置60は、別の、より大きい画像表示装置システム内に設置されている。
【0029】
データ記憶装置50は、例えば、収集された音響データ、ソナー画像、標的データ及び画像、ソナー装置方向性データ、及び航行データを保存するために、コンピュータ・システム40に接続するか、コンピュータ・システム40の一部を成す。このデータもまた、有線又は無線送信システム及び当技術で周知のプロトコルによって表示、処理、又はより長期又は付加的な記憶のために遠隔地に電子的に送信され、随意に無線で送信されることができる。
【0030】
本発明の処理又はコンピュータ・システム40は、コンパス及び/又は船舶航行システム70の一部を成す全地球測位システム(GPS)等、1又はそれ以上の航行用具を含むか連動することが好ましい。当技術で周知のコンパス及び全地球測位システムは、いずれも航行システム70に内蔵されて、配線で接続された、又は無線のプロトコルを使用した処理又はコンピュータ・システム40と連動されることができる。航行システム70はまた、詳細な緯度、経度、深度、航行上の危険及び救済情報、気象情報等を含む3次元海図の等の航行データをも内蔵するか、あるいは、そのような情報は、本発明のソナー装置の一部をなす前記処理・コンピュータ装置に個別に組み込むか、該処理・コンピュータ装置と連動してもよい。航行システム70又は部品は、好ましくは、船舶の位置に関する空間座標を備え、ソナー及び処理システムと連動することが好ましく、様々なソナー標的に関する空間座標を提供することもできる。航行データとインターフェースを有するときは、航行システム70は、様々な航行上の障害物、補助器具等の位置に関する空間座標を提供することもできる。
【0031】
操作者は、音響ソナー・データ、位置決め装置データ、航行データ等の未処理又は処理データを後日の検索や再検討のために記憶すべくコンピュータ・システム40とデータ記憶装置50とを使用することができ、又は各種のプログラムされた記憶プロトコルが操作者によって提供され、選択可能である。例えば、航行データは収集され、パン・チルト・ソナー・モジュール90によって提供されたソナー・データ収集装置20位置決め情報と組み合わされて、ソナー画像上に示された空間位置(すなわち、画素)を特定の地理的参照位置に対して明確に描くことができる。そのことは、正確に距離を測定し、地理的参照モザイクや収集データのオーバーレイ創造にとって重要である。
【0032】
操作にあたって、操作者は、搭載可能パン・チルト・ソナー・モジュール110を、コンピュータ・システム40の一部として備えられ、画像表示装置60上に表示されたたユーザー・インターフェイスから制御することが好ましい。操作者はこのようにしてソナー・データ収集装置20を所望の様々な水中領域又は標的に「向ける」ことができる。あるいは、様々な自動検査又は監視ルーティンが操作者によって選択可能であり、選択されたときは、船舶に関連する所定の水中領域を覆う所定又は選択可能なソナー検査ルーティンを実行する。位置決め装置30の方向性とソナー・モジュール方向性に関するリアルタイム・データは、コンピュータ・システム40に通信され、画像表示装置60上に表示可能であることが望ましい。例えば、相対ピッチ及びヨー情報は、ソナー・データ収集装置20と位置決め装置30に知られており、表示されてもよい。その上、ソナー・データ取得モジュール90は、船舶に対して固定されており、モジュール90の方向は知られているので、船舶のピッチ及びヨーの方向は、計算されて操作者に表示することができる。
【0033】
好ましい実施例において、ソナー・データ収集装置20及び/又は位置決め装置30が1つ以上のチルト・ロール・センサを内蔵し、絶対位置が参照され、ソナー・システム10と連動されているので、画像ディスプレー装置60に示された標的は、該標的に関連する真の緯度や経度を有するであろう。標的は、このように本発明のソナー・システム10を使用して正確に地理的に参照されることが可能で、一つの標的が追跡のため一旦選択されると、コンピュータ・システム40は、自動的にパン・チルト・ソナー・モジュール90が、船舶の位置及び方向とは無関係に、前記標的に照準を合わせ、指し示し続ける。たとえ該標的が範囲外に移動しても、パン・チルト・ソナー・モジュール90は前記標的に照準を合わせ、指し示し、操作者に前記標的の場所を突き止めるべく船舶をどこに操縦する必要があるかを示し、前記標的に対する所望の進行方向が操作者に提供され、表示される。一旦標的が画像表示装置60上で特定され、その位置が地理的に参照されると、前記システムはまた、ソナー・システムの視野と画像表示装置60に、ユーザーに対して選択された標的を維持し、適切な視野に前記選択された標的を維持するに適切な方向に自動的にソナー・データ収集装置20を位置決めし、それにより選択された標的の自動追跡を提供する。このようにして、本発明のソナー・システムは標的の継続的な維持と追跡とを提供することができる。
【0034】
さらに、操作者はそのままの位置で標的を検出し、該標的をソナー画像表示装置60上に印すことができる。関心のある標的及び前記船舶は、船舶搭載可能システム10を介して、例えば、現地の一貫した座標系に地理的に参照されるため、前記ソナー・データ収集装置20は常に前記標的を指し示し、照準を定められ、例えば、前記標的の最後に知られた位置の予期される画面位置に画面上のアイコンによって、何らかの表示が可能である。このように、本システム10は、操作者の注目がそれたり、標的がソナー・システムの範囲又は視野の外に移動したり、又は、プロペラによる風の逆流など音響的な障害による標的の閉塞で標的を見失っても、関心のある標的を常に監視し急速に再取得するという効果を有する。
【0035】
絶対位置及びソナー収集装置の角度データもまた、海図の上に重ねたり、画像表示装置60上にモザイク表示可能な大きい面積を提供するのにも利用され、標的の緯度、経度、深さの情報など標的の地理的参照情報を提供する。複数のピングによって本システムから取得したソナー・データは、より大きいモザイク画像として上述した海図上に、地理的に参照されて正確な空間位置決めされた特殊な次元をもって示すことができる。各モザイク画像は、特定の識別名を指定され、操作者は個別のモザイク画像を選択的にオン・オフしたり、複数のモザイク画像から選択する能力を有することができる。比較的大きいモザイク画像は、操作者の自由選択で、また複数のモザイク画像の操作によってコンパイルされたり創作されることができる。
【0036】
航行中の船舶の操舵は、関心のある標的に向かって自動操縦で進むために利用できる。この操作状態では、操作者は、ソナー・モジュールの方向を、関心のある標的に急速に接近するために調節することができる。この画像は船舶の操作者の視覚の範囲内にあるので、操作者は標的の画像を利用して、船舶が前記標的に向けられるまで船舶の進行方向を調節することができる。船舶が関心のある標的に近づくにつれて、パン・チルト・・ソナー・モジュール90は、所望の表示画像を維持すべく容易に再位置決めされ(例えば、最大範囲の設定)に調節されることができる。ソナー・システムを使用して視覚化された、選択された標的に誘導されることも、船舶の航行装置/操舵システムが前記システムに適合しているときは自動で行われてもよい。
【0037】
一実施例において、画像表示装置60上のソナー画像は、図4A、4Bに示すように、ソナー・データ収集装置20の回転角度と、パン・チルト・ソナー・モジュール90とに適合するように方向付けられるのが好ましい。パン・チルト・ソナー・モジュール90が、図4Aに示すように向けられるか、又は直接標的に「向けて」示される場合は、例えば、表示装置60上のソナー画像は標的に対して同じ方向を有し、標的は画像表示装置60上に頂部から底部まで現れる。図4Bに示すように、パン・チルトソナー・モジュール90が、船舶の中心線250に対して、又は船舶の中心線250の側に対してある角度を示すように回転するとき、ソナー画像もまた画像表示装置60上で、船舶の中心線250に対して同じ角度で回転される。この特徴のため、観察者は標的が観察者及び船舶の方向に対して向けられるのを観察でき、直感的な表示特徴を提供するため、操作者が画像表示装置60の情報を理解し動的に反応する能力を著しく向上させ、その結果、画像に基づいて船舶を楽に航行させることが可能になる。
【0038】
ソナー・システム10は、また、航行上の危険を回避するためにも使用できる。一実施例において、例えば、前記ソナー・システムは、独特の寸法又は形状又は特質を有する標的が前記システムの範囲内にあるか、あるいは前記システム及び船舶から特定の距離にあると判断されるとき、警報を発せよといったような指示をするようにプログラムされてもよい。操作者はこれによりソナー画像を検査するよう警告され、標的の位置、特徴等を確認すべく標的を調査することができる。
【0039】
他の実施例において、ソナー・システムは、航行上の危険位置を突き止め、確認する(デジタル式)海図のような航行システムと連動されているが、自動化された船舶操舵システムとも随意に連動させてもよい。一実施例では、例えば、海図又は別の航行援助具に示された航行上の危険の位置が、地理的に参照され、ソナー・データ収集装置及び画像表示装置を制御するコンピュータ・システムに入力される。船舶とソナー・データ収集装置が、確認され地理的に参照された航行上の危険物に接近すると、前記システムは、航行上の危険物がソナー・システムと船舶の範囲内にあることを示すため、警報を発せよというような通報を与えることができる。各種の警報の範囲は、前記コンピュータ・システムにプログラムされているか、プログラム可能である。統合されたシステムにおいては、船舶の操舵システムは、ソナー・システムと連動でき、一旦航行上の危険物がソナー・データ収集装置の範囲内に入ると、船舶を識別された航行上の危険物から遠ざかるように操舵するか、船舶と確認された航行上の危険物との間の所定の距離、又はプログラムされたかプログラム可能の距離を維持することが可能である。ソナー・システムは同様に、自動識別及び警報を提供するようにプログラムすることが可能である。
【0040】
ソナー収集装置は、概して前向き及び/又は下向きの方向で提供される。パン・チルト又は同様な機構を用いたソナー収集装置の方向の調節に制限がある場合、所望の視野を提供するため、パン・チルト・ソナー・モジュール90の視野が、必要に応じて回転されてもよい。ソナー・データ収集装置は、例えば、概して下向きの位置に位置決めされてもよいし、前向きの方向に再方向付けするため、ソナー・システムのハウジングの中心軸線の周りに90度回転されてもよい。これは、ソナー・データ収集装置20を位置決め装置30に対して保持し、ソナー・データ収集装置20を物理的に90度回転させるブラケット120を緩めることで実現できる。
【0041】
また、操作中にソナー・データ収集装置20が画像表示装置60(図4A、4B)上の回転された画像を介して方向指示器のような作用をしてもよい。その場合、ソナー・データ収集装置20は常に、ソナー画像上に表示された識別、又は選択された標的への最も近い接近地点に向けられ、照準を合わせられる。一実施例では、識別された関心のある標的の緯度及び経度のデータが知られており、船舶が前記関心のある標的に接近している場合、パン・チルト・ソナー・モジュール90が、船舶を前記標的に向けて操舵するように船舶の操作者への操舵ガイダンスを提供し自動的に前記標的に向けられる。一実施例では、前記船舶搭載可能ソナー・システムは、通知又は警報の特徴を内蔵することができ、それは、標的が船舶の位置に近いとき、又は、船舶がコースから逸れて標的に向かい始めた場合に稼働される。他の実施例では、関心のある領域全体を詳細に調査するため複数の地点(waypoints)が利用できる。
【0042】
前記したように、航行上及びリアルタイムの位置情報は、コンピュータ・システム40に入力されるか連動され、地理的に参照された位置にマップされるソナー画像を提供する。前記地理的に参照された位置及び航行データは、ユーザーが関心のある標的を指し示してクリックし、前記標的の実位置及び/又は深度を知ることを可能にする。あるいは、関心のある標的は、ソナー画像上で選択することができ、航行システム70は前記標的を狙ってドッキングし、船舶が標的に向かって操舵されるようにする。航行システム70はまた、自動的に、地理的に参照された位置及び航行データによって、動く標的を追跡することができる。
【0043】
他の実施例では、航行データ、対象物地理参照ルーティン・データ、ダイバーのような動く標的の位置は、コンピュータ・システムに一体化され、画像表示装置60上に表示される。自動化された追跡ルーティンを用いて、コンピュータ・システム40は、動く標的を自動的に追跡し、連続的な位置と、標的のベクトル・データを取得することができる。例えば、一実施例では、操作者は、位置決め装置30を操作するために、画像表示装置60上のソフトキーにタッチすることができる。これにより、操作者は、ソナー・データ収集装置20の照準を手動で関心のある標的に向けることが可能になる。この実施例では、船舶は静止位置付近にあって、システム10により、活動が依然として監視できる。例えば、船舶はドックに繋留されることができ、パン・チルト・ソナー・モジュール90は、ダイビング事業のために関心のある標的の方に指向されることができる。ダイバーは、それから水中に入り、視野の外で最良の画像又は範囲標的の追跡を提供すべくパン・チルト・ソナー・モジュール90を再位置決めする間、操作者はダイバーが標的に接近するのを見守ることができる。操作者はまた、前記システムの画像範囲内の複数の場面の間で、パン・チルト・ソナー・モジュール90を前後に動かすことができる。さらに、操作者は、船舶搭載可能システム10により、標的へのダイバーの進行を監視しつつ、音波通信又は他の技術によってダイバーに指示することができる。本発明の方法及び装置の様々な実施例についての前記記載は、発明とその多様な実施例との単なる例示に過ぎないことを理解されたい。本発明の方法及び装置の種々の態様を修正することは、当業者にとって容易であり、この開示と下記の請求項の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1つのソナー・データ収集装置と、
(b)追跡のための所望の標的を操作者が選択することを可能にする少なくとも1つのユーザー・インターフェイスと、
(c)前記少なくとも1つのソナー・データ収集装置と、前記少なくとも1つのユーザー・インターフェイスとに、電気的に、かつ取り外し可能に接続された少なくとも1つの処理システムとを含むソナー・システムであって、
前記ソナー・データ収集装置は、該ソナー・データ収集装置の位置に基づいて音響データと、方向及び/又は位置決めフィードバックとを前記処理装置に提供し、また、前記処理装置は前記ユーザー・インターフェイスから追跡のための所望の標的を取得し、前記少なくとも1つの画像ソナー・データ収集装置が前記ソナー・システムを搭載できる船舶の位置及び方向に関係なく前記所望の標的の方に照準を合わせて向けられるように維持する、ソナー・システム。
【請求項2】
前記処理装置は、前記所望の標的を自動的に追跡し、前記所望の標的に関する連続位置と、ベクトル・データとを取得する、請求項1に記載のソナー・システム。
【請求項3】
前記処理装置は、所望の動く標的を自動的に追跡し、前記所望の動く標的に関する連続位置と、ベクトル・データとを取得する自動追跡ルーティンを内蔵している、請求項1に記載のソナー・システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのソナー・データ収集装置は、操作中に前記ソナー・データ収集装置の絶対位置を基準とする少なくとも1つのチルト・ロール・センサを内蔵する、請求項1に記載のソナー・システム。
【請求項5】
前記処理システムは、追跡のための所望の標的を緯度及び経度と関連づける、請求項1に記載のソナー・システム。
【請求項6】
航行システムは、さらに、前記船舶搭載可能ソナー・システムと連動する、請求項1のソナー・システム。
【請求項7】
操舵システムは、さらに、前記船舶搭載可能ソナー・システムと連動する、請求項1に記載のソナー・システム。
【請求項8】
航行上の危険を識別するデジタル海図は、さらに、前記船舶搭載可能ソナー・システムと連動する、請求項1に記載のソナー・システム。
【請求項9】
(a)少なくとも1つのソナー・データ収集装置と、
(b)前記少なくとも1つのソナー・データ収集装置に電気的に、かつ取り外し可能に接続された少なくとも1つの処理システム
とを含むソナー・システムであって、
前記ソナー・データ収集装置は、前記ソナー収集装置の位置に基づく音響データと、方向及び/又は位置決めフィードバックとを、前記少なくとも1つの処理システムに提供し、該少なくとも1つの処理システムは、前記ソナー・システムを搭載できる船舶に関する所定の標的領域を含む所定又は選択可能なソナー検査ルーティンを実行することができる、ソナー・システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの処理システムは、前記操作者によって選択できる複数の自動監視ルーティンでプログラムされている、請求項9に記載のソナー・システム。
【請求項11】
搭載可能なパン・チルト・ソナー・モジュールと、操作者に所望の水中標的の選択を許すユーザー・インターフェイスと、前記ソナー・モジュール及びユーザー・インターフェイスと通信し、かつ収集したデータを処理するためのコンピュータ・システムとを内蔵するソナー・システムを使用した連続水中標的の維持及び追跡を提供する方法であって、
ソナー・データ収集装置の絶対位置を参照し、連動させること、
水中標的を選択すること、
前記選択された水中標的を地理的に参照すること、
前記ソナー・データ収集装置の方向に関するリアルタイム・データを取得すること、
前記船舶の位置及び方向とは無関係に、前記ソナー・モジュールが前記標的に照準を合わせた状態を自動的に維持することを含む、方法。
【請求項12】
(a)複数のビームを利用する少なくとも1つの画像ソナー・データ収集装置と、
(b)前記少なくとも1つの画像ソナー・データ収集装置に電気的、かつ取り外し可能に接続され、収集されたソナー・データに基づいて高鮮明度2次元(2D)又は3次元(3D)ソナー画像を提供する少なくとも1つの処理システムと、
(c)ソナー画像を表示する少なくとも1つの処理システムと連動するディスプレーとを含むソナー・システムであって、
前記ソナー収集装置は、音響データと、方向及び/又は、前記処理システムに対する前記ソナー収集装置の位置に基づく位置決めフィードバックとを提供し、前記処理システムは、選択された標的と、2D又は3Dソナー画像との正確な地理的参照を提供する、ソナー・システム。
【請求項13】
前記ソナー画像は、マルチビーム2D画像を使用して生成される、請求項12に記載のソナー・システム。
【請求項14】
前記ソナー画像は、マルチビーム3D画像を使用して生成される、請求項12に記載のソナー・システム。
【請求項15】
前記ソナー画像は、機械的走査2D画像ソナー・システムを使用して生成される、請求項12に記載のソナー・システム。
【請求項16】
前記ソナー画像は、2D深浅測量を使用して精製される、請求項12に記載のソナー・システム。
【請求項17】
前記ソナー・システムは、さらにマルチピング標的追跡機能を内蔵する、請求項12に記載のソナー・システム。
【請求項18】
前記ソナー画像は、マルチピング画像オーバーレイを使用して生成される、請求項12に記載のソナー・システム。
【請求項19】
(a)少なくとも1つの画像ソナー・データ収集装置と、
(b)少なくとも1つの内部位置センサを有する少なくとも1つの位置決め装置であって、前記ソナー・データ収集装置が取り外し可能に前記位置決め装置に接続された少なくとも1つの位置決め装置と、
(c)前記少なくとも1つの画像ソナー・データ収集装置に電気的、かつ取り外し可能に接続され、ソナー画像表示のためのディスプレーと連動可能であり、かつ少なくとも1つの航行用具と連動可能な、少なくとも1つの処理システムとを含むソナー・システムであって、
前記ソナー・データ収集装置は、音響データと、前記処理システムに対する前記ソナー収集装置の位置に基づく、方向及び/又は位置決めフィードバックとを提供し、前記処理システムは、船舶中心線に対する前記ソナー収集装置の角度方向に対応する船舶中心線に対する或る角度でソナー画像を表示する、ソナー・システム。
【請求項20】
前記ソナー・データ収集装置は、マルチビーム2D又はマルチビーム3D画像装置である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記ソナー・システムは、2D前向きソナー・システムである、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記ソナー・システムは、3D前向きソナー・システムである、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記ソナー・システムは、2D深淺測量ソナー・システムである、請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
前記処理システムは、船舶及び標的位置の位置座標を記憶する、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
操作者が選択した標的位置は、標的位置の位置座標を使用して地理的に参照され、操作者が選択した標的位置が確認され、前記ソナー・システムにより表示される、請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
選択された標的位置の空間位置は、ディスプレー上で地理的に参照された位置にマッピングされる、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記ソナー・システムは、船舶の配列及び位置とは無関係に、選択された、地理的に参照された標的の位置の自動追跡を提供する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記ソナー・データ収集装置は、前記ソナー画像上に表示された、選択された標的に最も近い接近地点に向けて照準を合わせるようプログラムされている、請求項19に記載のシステム。
【請求項29】
前記データ収集装置は、周波数で操作される音響アレイ・システムである、請求項19に記載のシステム。
【請求項30】
前記処理システムは、さらに、前記船舶に関する所定の水中領域を占める所定のソナー検査ルーティンを実行するため操作者により選択可能な自動化された検査ルーティンを組み込んでいる、請求項19に記載のシステム。
【請求項31】
前記ソナー・システムは、さらに、該ソナー・システムの範囲内にある選択された標的から遠ざかるように前記船舶を操舵する自動船舶操舵システムと連動される、請求項19に記載のシステム。
【請求項32】
前記ソナー・システムは、さらに、該ソナー・システムの範囲内にある、船舶と、確認された航行上の危険との間の所定又はプログラムされた距離を維持する自動船舶操舵システムと連動される、請求項19に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2012−529047(P2012−529047A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513915(P2012−513915)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/045871
【国際公開番号】WO2010/141011
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(506011434)テレダイン ブルービュー インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】