説明

ソフトカプセル

【課題】 保存中にケーキングや粒の変形が生じにくく、しかも咀嚼可能な程度に軟質なソフトカプセル皮膜基材を提供する。
【解決手段】 耐熱性卵白を被膜基材として配合してなるソフトカプセル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性卵白を被膜基材として配合することにより、保存中ケーキングや変形を生じにくく、しかも咀嚼可能な程度に軟質に調製されたソフトカプセルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ソフトカプセルは医薬品の剤形として一般的に用いられる他、近年サプリメントとして食品にも広く用いられるようになった。ソフトカプセルの被膜は、主に水和膨潤させたゼラチンと可塑剤とを混和し乾燥させることにより、透明感のあるゼラチンソフトカプセルが容易に製造できる。しかし温度や湿度条件によっては、ソフトカプセルの粒同士が付着するケーキングや、粒の変形が生じ易い。そこでソフトカプセル被膜剤の水分やグリセリンの配合量を低下させ、被膜を厚くする等の処置によりケーキングや変形を防止してきた。また、特許文献1(特開平10−310519)には乳清タンパクを添加することにより、特許文献2(特開平7−145082)にはカラギーナンを加えることでケーキングや付着を防止する技術が開示されている。
【0003】
一方、ソフトカプセルが食品に利用されるようになり、咀嚼できるという機能が要望されるようになり、咀嚼可能な程度に軟質なソフトカプセル基材が求められている。そこで特許文献3(特開2000−136127)、特許文献4(特開2004−10546)には被膜水分を増加させ、またはアルファー化でんぷんを配合させることにより軟質で溶解性に優れたソフトカプセル基材が開示されている。
しかし、これらはケーキングや変形が防止でき、しかも咀嚼可能なほど軟質である、という2つの異なる条件を備えているものではない。
【0004】
【特許文献1】特開平10−310519
【特許文献2】特開平7−145082
【特許文献3】特開2000−136127
【特許文献4】特開2004−10546
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明の目的は、保存中にケーキングや粒の変形が生じにくく、しかも咀嚼可能な程度に軟質なソフトカプセル皮膜基材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記目的を達成すべく、ソフトカプセルの被膜基材について鋭意研究を重ねた結果、耐熱性卵白を被膜基材に配合させるならば意外にもケーキングや変形を防止しつつソフトカプセルを咀嚼可能な程度に軟質に調製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)耐熱性卵白を被膜基材として配合してなるソフトカプセル。
(2)(1)記載の耐熱性卵白が、前記卵白水溶液の蛋白質濃度5W/V%、塩濃度1W/V%において、100℃、20分間の加熱処理を行った際、凝固することない耐熱性を有する卵白である、ソフトカプセル。
(3)アルカリ加熱処理により得られる、(1)乃至(2)いずれか記載の耐熱性卵白を被膜基材として配合してなるソフトカプセル。
(4)卵白及び前記卵白の1〜3倍の質量を含む卵白水溶液を、pHが9.5〜11.5にて75〜98℃で加熱することにより得られる、(1)乃至(3)記載いずれかの耐熱性卵白を被膜基材として配合してなるソフトカプセル。
(5)(1)乃至(4)いずれか記載の耐熱性卵白における、non-SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたオボアルブミン1のバンドのピーク面積が、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られた同じタンパク質濃度の生卵白希釈溶液中のオボアルブミン1のバンドのピーク面積の20%以下であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたオボトランスフェリンのバンドのピーク面積が、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られた同じタンパク質濃度の生卵白希釈溶液中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20%以下である耐熱性卵白を、被膜基材として配合してなるソフトカプセル。
(6)(1)乃至(5)いずれかにおいて、アレルギー発現性が低減された耐熱性卵白を、被膜基材として配合してなるソフトカプセル。
(7)(6)において、固形分あたりの未変性のオボアルブミンの質量が5mg/g以下である耐熱性卵白を、被膜基材として配合してなるソフトカプセル。
(8)(1)乃至(7)いずれか記載の、咀嚼可能なソフトカプセル、である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のソフトカプセルは、耐熱性卵白を被膜基材に配合できることから、保存中のケーキングを防止しつつ、軟質であるため咀嚼することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明を説明する。なお、本発明において特記のない場合は、「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
【0009】
本発明に用いる卵白としては、例えば、生卵白、冷凍卵白、乾燥卵白、特定の卵白タンパク質(例えばリゾチームなど)を除去した卵白等が挙げられる。生卵白は、鶏卵等を割卵し、卵黄を分離して得られるものである。
また卵白とは、通常固形分濃度が約12%のものをいうことから、例えば乾燥卵白を用いる場合、固形分濃度が約12%となるように乾燥卵白に水を添加して得られるものが、本発明の卵白に相当する。
【0010】
卵白は例えば、酵母、細菌や酵素により脱糖処理を施されたものであってもよい。卵白に脱糖処理を施すことにより、褐変を防止することができる。これにより、脱糖処理を予め施した卵白を用いた本発明の耐熱性卵白を使用してソフトカプセルを製造することにより、色調に優れた製品を得ることができる。
【0011】
卵白は通常60〜65℃の加熱で熱凝固がはじまり、70℃以上で硬いゲルを形成する。従って本発明において耐熱性卵白とはこの程度の加熱によっても熱凝固を生じないように調製された卵白を意味する。具体的には蛋白質濃度5W/V%、塩濃度1W/V%となるよう調製した卵白水溶液において、100℃、20分間の加熱処理を行った際、凝固することない耐熱性を有する卵白であることが好ましい。
【0012】
耐熱性卵白の調製方法としては、例えば特許文献(特公昭57−54114)には卵白に水3〜5倍量を加え、攪拌して熱凝固に関与するタンパク質を選択的に凝集させ、この凝集物を分離除去することによって調製する方法が開示されている。本発明では特に卵白をアルカリ処理によることにより耐熱性を付与する方法が好ましい。
【0013】
本発明においてアルカリ加熱処理とは、卵白水溶液をアルカリ性に調整し加熱する処理をいう。具体的には、卵白および前記卵白の1〜3倍の質量の水を含む卵白水溶液を調製し、pHが9.5〜11.5にて75〜98℃で加熱する方法が、好ましい例として挙げられる。またはこれを噴霧乾燥や凍結乾燥等、乾燥処理し、乾燥卵白を調製することもできる。
【0014】
ここで、本発明のアルカリ加熱処理に用いられる水が卵白の1倍未満の質量である場合、加熱時に卵白が凝固することがあり、一方、卵白の3倍を超える質量である場合、卵白濃度が低過ぎて得られる効果が小さくなり、加熱後に卵白を乾燥させる場合、作業コストが大きくなり望ましくない。
【0015】

加熱温度が75℃未満である場合、卵白が十分に変性しないことがあり、一方、加熱温度が98℃を超えると、得られる耐熱性卵白が褐変することがある。
【0016】
また、pHが9.5未満であると、卵白が凝集することがあり、一方、pHが11.5を超えると、得られる耐熱性卵白が褐変することがある。
【0017】

本発明において、pHの調整は、塩基性化合物を用いて行なうことができる。卵白を水に溶解させて得られる卵白水溶液のpHは通常中性〜弱塩基性である。この卵白水溶液のpHを高くする(例えば、pH9.5〜11.5)にするために、塩基性化合物を該卵白水溶液に添加する。卵白水溶液の急激なpH変化を防ぐため、酸性化合物または塩基性化合物を水で希釈して水溶液とし、この水溶液を卵白水溶液に添加することが望ましい。
【0018】
塩基性化合物としては、特に限定されないが、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸三ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができる。これらは1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0019】
本発明の耐熱性卵白は、non-SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたオボアルブミン1(OVA1)のバンドのピーク面積が、同じタンパク質濃度の生卵白希釈溶液中のオボアルブミン1のバンドのピーク面積の20%以下(好ましくは10%以下)であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたオボトランスフェリンのバンドのピーク面積が、同じタンパク質濃度の生卵白希釈溶液中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20%以下であることが好ましく、15%以下であることがさらに好ましい。ここで、各バンドのピーク面積は、各バンドのピクセル強度分布を積分することにより得られる。
【0020】
オボアルブミンおよびオボトランスフェリンは、上述したように、通常の生卵白中に含まれる主要な卵白タンパク質である。ポリアクリルアミドゲル電気泳動は、アクリルアミドを重合させたゲル中で行われる電気泳動であり、non-SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動は、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を使用しないポリアクリルアミドゲル電気泳動である。
【0021】
デジタルゲルイメージャーを用いることにより、ゲルのバンドをデジタルカメラで撮影して得られた画像を解析して、バンドの濃淡を数値化することにより、バンドの位置(Pixel
Position)に対するピクセル強度(Pixel Intensity)を得ることができる。
【0022】
例えば、デジタルゲルイメージャーを用いて、ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターン中のオボアルブミンおよびオボトランスフェリンのバンドから、オボアルブミンおよびオボトランスフェリンの量を相対的に比較することができる。
【0023】
一般に、ソフトカプセルの被膜基材にアレルゲンが存在していると、これを摂取した場合、アレルギー症状を引き起こす可能性がある。
【0024】
本発明の耐熱性卵白は、固形分あたりの未変性のオボアルブミンの質量が5mg/g以下であることにより、アレルゲン性を有するオボアルブミンの含有量が低減されているため、アレルギーの発症を防止することができる。このため、安全性の高いソフトカプセルを得ることができる。
【0025】
オボアルブミンの濃度の測定方法は特に限定されないが、例えば、厚生労働省通知「アレルギー物質を含む食品の検査方法」(食発第1106001号)にしたがってELISA法により測定することができる。オボアルブミンの測定キットとしては特に限定されないが、例えば、(株)森永生科学研究所製アレルゲン測定キット「卵測定キット(卵白アルブミン)」(OAキット)を用いることができる。本発明の紙塗工組成物用材料の製造方法においては、さらに、前記卵白水溶液を用いる卵白を予め脱糖する工程をさらに含むことができる。これにより、得られる紙塗工組成物用材料の褐変を防止することができる。
【0026】
本発明において咀嚼可能とは、咀嚼能力の未発達な乳幼児や、咀嚼能力の低下した高齢者等を除く、通常の咀嚼能力を有する人が難なく咀嚼できる程度をいう。例えば、ソフトカプセルに荷重を加えた場合のカプセル短径の減少率にて咀嚼できる程度を表すことができる。具体的には、木屋式硬度計((株)藤原製作所製)を用い、カプセルに対し100Nの力を加えた場合の短径(カプセル側面の長さ)をノギスにて測定する場合、短径の減少率は30%以上であることが好ましく、50%であることが更に好ましい。
【0027】
次に、本発明を実施例、比較例及び試験例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】

鶏卵を割卵し得られた卵白1重量部に対し、1〜3重量部の水を加え、これに水酸化ナトリウム等の塩基性化合物を加え、pH9.5〜11.5とする。この卵白水溶液を75〜98℃で加熱し、達温後冷却する。この卵白水溶液を凍結乾燥や噴霧乾燥等の方法で乾燥し、耐熱性卵白の粉末を得る。
【0029】
ゼラチン100部、グリセリン30〜40部、水100〜200部に、上記製法で得られた耐熱性卵白粉末3〜30部、好ましくは5〜15部を混合、溶解し、これを75〜90℃に加熱し、帯状のシートを成形し、ソフトカプセル用被膜基材を得る。
【0030】
次に、本発明を実施例、比較例及び試験例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0031】
本実施例においては、温度およびpHを異にする加熱条件にて製した耐熱性卵白を各割合にて配合した、ソフトカプセル被膜基材について説明する。
【0032】
[実験例1]
凍結卵白(キユーピー(株)製)300gを解凍してステンレス製カップに入れ、これに清水450gを加え、マリンプロペラタイプ攪拌機(東京理化器械(株)製)にて攪拌しながら、20%(w/w)リン酸三ナトリウム水溶液を添加することにより、この卵白水溶液のpHを10.5に調整した。次いで、この卵白水溶液を恒温水槽に移し、マリンプロペラタイプ攪拌機にて攪拌しながら品温を85℃に到達させ、85℃で10分間保持させた後氷冷する。この卵白水溶液を凍結乾燥し、実験例1の耐熱性卵白を得た。得られた耐熱性卵白は白色の粉末で、前述の試験法にて耐熱性を有すること、オボアルブミン1のバンドのピーク面積が対照の20%以下であること、未変性のオボアルブミンの質量が5mg/g以下とアレルギー発現性が低減されていることが確認できた。
【0033】
[実験例2、3]
実験例1において、添加する20%(w/w)リン酸三ナトリウム水溶液の量を変えて、卵白水溶液のpHをそれぞれ9.5、11.5に調整する以外は、実験例1と同様の条件にて同様の操作を行なうことにより、実験例2、3の耐熱性卵白を得た。得られた耐熱性卵白は白色の粉末で、前述の試験法にて耐熱性を有すること、オボアルブミン1のバンドのピーク面積が対照の20%以下であること、未変性のオボアルブミンの質量が5mg/g以下とアレルギー発現性が低減されていることが確認できた。
【0034】
[比較例1、2]
実験例1において、添加する20%(w/w)リン酸三ナトリウム水溶液の量を変えて、卵白水溶液のpHをそれぞれ9.0,12.0に調整し(ただし、pHを12.0に調整する際、pHが11.0に到達した以降はリン酸三ナトリウムの結晶を添加した)、このpH9.0,12.0の卵白水溶液を加熱する以外は、実験例1と同様の条件にて同様の操作を行なうことにより、比較例1、2の卵白を得た。比較例2の色調は褐変した。
【0035】
[実験例4、5]
実験例1において、加熱時の卵白水溶液の温度を75、98℃にした以外は、実験例1と同様の条件にて同様の操作を行なうことにより、実験例4、5の耐熱性卵白を得た。
得られた耐熱性卵白は白色の粉末で、前述の試験法にて耐熱性を有すること、オボアルブミン1のバンドのピーク面積が対照の20%以下であること、未変性のオボアルブミンの質量が5mg/g以下とアレルギー発現性が低減されていることが確認できた。
【0036】
[比較例3、4]
実験例4において、加熱時の卵白水溶液の温度をそれぞれ70℃,100℃にした以外は、実験例4と同様の条件にて同様の操作を行なうことにより、比較例3、4の卵白を得た。比較例4の色調は褐変した。
【0037】
[試験例1]
表1に示す処方例に従い、上記実験例1〜5の耐熱性卵白、比較例1〜4の卵白の凍結乾燥品を配合し、80℃達温となるよう加熱することにより、シート状に成形した。これを被膜基材をとし、OVAL型ソフトカプセルを調製した。尚、内容物として菜種油を200±20mg充填した。
【0038】
【表1】

【0039】
本実施例で得られた各処方のソフトカプセルについて、外観、付着性、咀嚼性、荷重を加えた際のカプセル短径の減少率を調べた。その結果を表2に示す。
尚、外観については色調、透明性について評価した。両方共良好な場合を○、少なくともいずれか一方が製品として不適な場合を×と表記した。
付着性についてはソフトカプセル15個を所定のガラス瓶(50mL容:日電理化硝子(株)製、SV50)に入れ、封をしないで恒温恒湿器(40℃、75%RH)中で静置した。5時間後、恒温恒湿器から取り出し、デシケーター中で30分間放冷後、ケーキング形成の有無を目視にて観察した。保存前と同様の状態を○、カプセルが複数結合し、ケーキングが発生した状態を×と表記した。
咀嚼性については20〜50歳代から選ばれた10名のパネラーにより官能試験を行い、普通に噛める場合を1点、噛みにくい場合を0点、噛めない場合を−1点とし、その合計点を表記した。
荷重を加えた際のカプセル短径の減少率については、木屋式硬度計((株)藤原製作所製)を用い、カプセルの短径(カプセル側面の短径)と同方向に100Nの力を加えた場合の短径をノギスにて測定し、もとの短径に対して減少した割合を減少率とした。
【0040】
上記処方例における評価結果を表2に示す。
【表2】

【0041】
処方例1において、実験例1〜5により得られた卵白粉末を配合した例は表2に示す結果より、透明性に優れ、ケーキングを起こすことなく、咀嚼性に優れていることが分かる。
一方、対照は付着性が高く、ケーキングを起こし、咀嚼には適さない硬さであった。また、処方例1において比較例2および4を配合した例は、卵白粉末が茶褐色であるため色調が不良であった。比較例1および3を配合した例は、シートを調製する際、加熱時に凝固し、成形不能となった。これは卵白の耐熱性が不十分であるため、熱凝固したものと思われる。
【0042】
[試験例2]
試験例1と同様に、処方例2、3によりソフトカプセルを調製し、試験例1と同様の実験を行った。その結果を表3に記す。尚、卵白粉末には実験例1で得られた卵白凍結乾燥品を用いる。
【表3】

【0043】
処方例2、3とも透明性に優れ、ケーキングを起こすことなく、咀嚼性に優れてたソフトカプセルを得ることができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐熱性卵白を被膜基材として配合してなるソフトカプセル。
【請求項2】
請求項1記載の耐熱性卵白が、前記卵白水溶液の蛋白質濃度5W/V%、塩濃度1W/V%において、100℃、20分間の加熱処理を行った際、凝固することない耐熱性を有する卵白である、ソフトカプセル。
【請求項3】
アルカリ加熱処理により得られる、請求項1乃至2いずれか記載の耐熱性卵白を被膜基材として配合してなるソフトカプセル。
【請求項4】
卵白及び前記卵白の1〜3倍の質量を含む卵白水溶液を、pHが9.5〜11.5にて75〜98℃で加熱することにより得られる、請求項1乃至3記載いずれかの耐熱性卵白を被膜基材として配合してなるソフトカプセル。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれか記載の耐熱性卵白における、non-SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたオボアルブミン1のバンドのピーク面積が、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られた同じタンパク質濃度の生卵白希釈溶液中のオボアルブミン1のバンドのピーク面積の20%以下であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたオボトランスフェリンのバンドのピーク面積が、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られた同じタンパク質濃度の生卵白希釈溶液中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20%以下である耐熱性卵白を、被膜基材として配合してなるソフトカプセル。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかにおいて、アレルギー発現性が低減された耐熱性卵白を、被膜基材として配合してなるソフトカプセル。
【請求項7】
請求項6において、固形分あたりの未変性のオボアルブミンの質量が5mg/g以下である耐熱性卵白を、被膜基材として配合してなるソフトカプセル。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれか記載の、咀嚼可能なソフトカプセル。

【公開番号】特開2007−124918(P2007−124918A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−318461(P2005−318461)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(000001421)キユーピー株式会社 (657)
【Fターム(参考)】