説明

ソルダーレジスト組成物及びプリント配線板

【課題】白色顔料を含有しながら、露光に要する光量が抑制され、且つ高い光反射性を有するソルダーレジスト層が形成可能なソルダーレジスト組成物を提供する。
【解決手段】ソルダーレジスト組成物は、感光性樹脂、白色顔料、波長400nm以上の光で活性化する光重合開始剤、及び蛍光染料を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光反射性の高いソルダーレジスト層を形成し得るソルダーレジスト組成物及びこのソルダーレジスト組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えるプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、民生用及び産業用の各種プリント配線板におけるレジストパターン形成法としては、高配線密度化に対応するため、スクリーン印刷法に代わって、解像性及び寸法精度等に優れたドライフィルムや液状の現像可能なソルダーレジスト組成物を用いる方法が大きな位置を占めてきている。
【0003】
また、近年、携帯端末、パーソナルコンピュータ、テレビジョン等の液晶ディスプレイのバックライト、照明器具の光源などに用いられる発光ダイオード等の光学素子が、ソルダーレジスト層を備えるプリント配線板に直接実装されることが増えてきている。この場合、ソルダーレジスト層に酸化チタン等の白色顔料を含有させることで、ソルダーレジスト層の光反射性を向上し、機器からの発光光量を増大させることも、おこなわれている。このようなソルダーレジスト層は、例えば感光性樹脂及び酸化チタンを含有するソルダーレジスト組成物から形成される。このようなソルダーレジスト組成物がプリント配線板上に塗布された後、露光・現像されることで、光反射性を有するソルダーレジスト層が形成される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−322546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、酸化チタン等の白色顔料は、波長400nm以下の紫外域に大きな吸収を有する。このため、ソルダーレジスト組成物に酸化チタンが含有されていると、ソルダーレジスト組成物の紫外線露光時に酸化チタンが紫外線を吸収してしまい、ソルダーレジスト組成物の露光に要する照射光の積算光量が増大してしまう。一方、白色顔料による照射光の吸収を避けるために、波長400nm以上の光に反応する光重合開始剤をソルダーレジスト組成物に含有させると共に、ソルダーレジスト組成物の露光時に波長400nmの光を照射することも考えられる。しかし、白色顔料は波長400nm以上の光をよく反射するため、やはりソルダーレジスト組成物の露光に要する照射光の積算光量が増大してしまう。このため、ソルダーレジスト層を備えるプリント配線板等の生産性は悪いものであった。
【0006】
また、発光ダイオードを備える機器には、益々の発光光量の増大が求められており、このためソルダーレジスト層の光反射性の更なる向上が求められている。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、白色顔料を含有しながら、露光に要する光量が抑制され、且つ高い光反射性を有するソルダーレジスト層が形成可能なソルダーレジスト組成物及びこのソルダーレジスト組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えるプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るソルダーレジスト組成物は、感光性樹脂、白色顔料、波長400nm以上の光で活性化する光重合開始剤、及び蛍光染料を含有する。
【0009】
本発明に係るソルダーレジスト組成物は、前記光重合開始剤として、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有してもよい。
【0010】
本発明に係るソルダーレジスト組成物は、前記光重合開始剤として、更に、α−ヒドロキシアセトフェノンを含有してもよい。
【0011】
本発明に係るソルダーレジスト組成物においては、前記蛍光染料の含有量が、前記光重合開始剤の含有量に対して0.0001〜80質量%の範囲であってもよい。
【0012】
本発明に係るソルダーレジスト組成物は、前記感光性樹脂として、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むエチレン性不飽和化合物を重合させて得られる化合物に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させて得られる感光性樹脂を含有してもよい。
【0013】
本発明に係るソルダーレジスト組成物は、更に、一分子中に少なくとも二個のエポキシ基を有するエポキシ化合物を含有してもよい。
【0014】
本発明に係るソルダーレジスト組成物は、更に、光重合性を有するモノマー及びプレポリマーから選択される光重合性化合物を含有してもよい。
【0015】
本発明に係るソルダーレジスト組成物においては、ソルダーレジスト組成物中の樹脂成分全体に対する芳香環の割合が0.1〜50質量%の範囲であってもよい。
【0016】
本発明に係るプリント配線板は、前記ソルダーレジスト組成物から形成されたソルダーレジスト層を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、白色顔料を含有しながら、露光に要する光量が抑制され、且つ高い光反射性を有するソルダーレジスト層が形成可能なソルダーレジスト組成物が得られる。
【0018】
また、本発明によれば、白色顔料を含有しながら、露光に要する光量が抑制され、且つ高い光反射性を有するソルダーレジスト層を備えるプリント配線板が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ソルダーレジスト組成物は、感光性樹脂、白色顔料、波長400nm以上の光で活性化する光重合開始剤、及び蛍光染料を含有する。まず、ソルダーレジスト組成物が含有する各成分について説明する。
【0020】
〔感光性樹脂〕
感光性樹脂は、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する。この感光性樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、好ましい範囲は3000〜400000である。この範囲において、ソルダーレジスト組成物に特に優れた感光性と解像性とが付与される。
【0021】
感光性樹脂の酸価は25〜150mgKOH/gの範囲であることが好ましい。この酸価が25mgKOH/g以上であればソルダーレジスト組成物に良好な現像性が付与される。またこの酸価が150mgKOH/g以下であればソルダーレジスト組成物から形成されるソルダーレジスト層中のカルボキシル基の残留量が低減し、ソルダーレジスト層の良好な電気特性、耐電蝕性及び耐水性等が維持される。特に感光性樹脂の酸価が40〜100mgKOH/gである場合に最適な効果が得られる。
【0022】
ソルダーレジスト組成物中の感光性樹脂全量の割合は特に制限されないが、ソルダーレジスト組成物の成分全量(ソルダーレジスト組成物が有機溶剤を含有する場合にはこの有機溶剤を除く)に対して感光性樹脂全量の割合が10〜80質量%の範囲であることが望ましい。この場合、ソルダーレジスト組成物の良好な感度及び作業特性並びにソルダーレジスト層の良好な物性が充分に確保される。ソルダーレジスト組成物は、感光性樹脂を一種のみ含有してもよく、二種以上を含有してもよい。
【0023】
ソルダーレジスト組成物は、芳香環を有する感光性樹脂を含有してもよい。この場合、ソルダーレジスト組成物は芳香環を有する感光性樹脂のみを含んでもよく、芳香環を有する感光性樹脂と芳香環を有さない感光性樹脂とを含んでもよい。
【0024】
ソルダーレジスト組成物は、感光性樹脂として例えば下記の感光性樹脂(A1)及び感光性樹脂(A2)のうち少なくとも一方を含有してもよい。
【0025】
(感光性樹脂(A1))
感光性樹脂(A1)は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(b)と、飽和或いは不飽和の酸無水物(c)とが反応することで生成する。特に前記エポキシ化合物(a)、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(b)、及び酸無水物(c)のうち少なくとも一種が芳香環を有する化合物であれば、芳香環を有する感光性樹脂(A1)が生成する。この感光性樹脂(A1)は酸無水物(c)に由来するカルボキシル基を有するため、ソルダーレジスト組成物が感光性樹脂(A1)を含有すると、このソルダーレジスト組成物がアルカリ性溶液による現像性を発揮する。
【0026】
エポキシ化合物(a)が芳香環を有するエポキシ樹脂である場合、感光性樹脂(A1)はエポキシ化合物(a)に由来する芳香環を有する。芳香環を有するエポキシ樹脂としては、例えばノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。ノボラック型エポキシ樹脂は、各種フェノール類とホルムアルデヒドとが塩基性触媒の存在下で反応して生成する各種フェノールノボラック樹脂と、エピハロヒドリンとが反応することで生成する。フェノール類としては例えばフェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロムビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビフェノール系化合物、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。特に好ましいノボラック型エポキシ樹脂として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及びビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0027】
芳香環を有するエポキシ樹脂としては、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等も挙げられる。
【0028】
エポキシ化合物(a)は、芳香環を有さないエポキシ樹脂であってもよい。このようなエポキシ樹脂としては、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0029】
エポキシ化合物(a)は、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(d1)と、必要に応じて使用されるエチレン性不飽和化合物(d1)以外のエチレン性不飽和化合物(d2)とが重合することで生成するエポキシ化合物であってもよい。この場合、特にエチレン性不飽和化合物(d1)とエチレン性不飽和化合物(d2)の少なくとも一方が芳香環を有する化合物であれば、エポキシ化合物(a)が芳香環を有することになり、このエポキシ化合物(a)から、芳香環を有する感光性樹脂(A1)が得られる。
【0030】
また、エチレン性不飽和化合物(d1)とエチレン性不飽和化合物(d2)とが併用されると共に、そのうち一方のみ(例えばエチレン性不飽和化合物(d2)のみ)が芳香環を有する場合には、エチレン性不飽和化合物(d1)とエチレン性不飽和化合物(d2)との配合比が調整されることで、感光性樹脂(A1)の芳香環量が容易に調整され、ひいてはソルダーレジスト組成物中の樹脂成分の芳香環量が容易に調整される。
【0031】
エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(d1)としては、適宜のポリマー又はプレポリマーが挙げられる。このエチレン性不飽和化合物(d1)の具体例として、アクリル酸又はメタクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類;アクリレート又はメタクリレートの脂環エポキシ誘導体;β−メチルグリシジルアクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。特に、汎用されて入手が容易なグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0032】
エチレン性不飽和化合物(d2)は、前記エチレン性不飽和化合物(d1)と共重合可能なエチレン性不飽和単量体であればよい。特に芳香環を有するエチレン性不飽和化合物(d2)の具体例としては、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(n=2〜17)、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエート(メタ)アクリレート、EO変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO,PO変性フタル酸(メタ)アクリレート、ビニルカルバゾール、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、3−マレイミド安息香酸N−スクシンイミジル等が挙げられる。
【0033】
芳香環を有さないエチレン性不飽和化合物(d2)の具体例としては、直鎖又は分岐の脂肪族、或いは脂環族(但し、環中に一部不飽和結合を有してもよい)の(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート等;N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類等が挙げられる。これらの化合物と共に、必要に応じて、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の、1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物が併用されてもよい。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。これらの化合物はソルダーレジスト層の硬度及び油性の調節が容易である等の点で好ましい。
【0034】
上記エチレン性不飽和化合物(d1)と必要に応じて使用されるエチレン性不飽和化合物(d2)とは、公知の重合方法、例えば溶液重合、エマルション重合等により反応する。溶液重合の方法としては、上記エチレン性不飽和化合物(d1)とエチレン性不飽和化合物(d2)からなるエチレン性不飽和化合物の混合物を適当な有機溶剤中で、重合開始剤の存在下、窒素雰囲気下で加熱攪拌する方法や、共沸重合法等が挙げられる。
【0035】
前記有機溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、及びジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられる。これらは一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
【0036】
前記重合のための重合開始剤としては、例えばジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、イソブチリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシビバレート等のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物類が挙げられる。これらは一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。また、前記重合開始剤としてレドックス系の開始剤が使用されてもよい。
【0037】
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(b)としては、適宜のポリマー又はプレポリマーが挙げられる。このエチレン性不飽和化合物(b)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の、エチレン性不飽和基を1個のみ有する化合物が挙げられる。このエチレン性不飽和化合物(b)として、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のヒドロキシル基を有する多官能アクリレートや多官能メタクリレートに二塩基酸無水物を反応させて得られる化合物などといった、エチレン性不飽和基を複数有する化合物も挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。特にエチレン性不飽和化合物(b)がアクリル酸及びメタクリル酸のうちの少なくとも一方を含有することが好ましい。この場合、アクリル酸及びメタクリル酸により感光性樹脂(A1)に導入されるエチレン性不飽和基は特に光反応性に優れるため、感光性樹脂(A1)の光反応性が高くなる。
【0038】
感光性樹脂(A1)の合成時のエチレン性不飽和化合物(b)の使用量は、エポキシ化合物(a)のエポキシ基1モルに対してエチレン性不飽和化合物(b)のカルボキシル基が0.7〜1.2モルの範囲となる量であることが好ましく、特に前記カルボキシル基が0.9〜1.1モルの範囲となる量であることが好ましい。この場合、感光性樹脂(A1)中におけるエポキシ基の残存量を特に低減して、ソルダーレジスト組成物が予備乾燥程度の弱い熱乾燥条件下に置かれた場合での感光性樹脂(A1)の熱硬化反応が抑制され、ソルダーレジスト組成物の露光後の現像性の低下が抑制される。また、ソルダーレジスト組成物中における未反応のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(b)の残存が抑制される。
【0039】
飽和或いは不飽和の酸無水物(c)の具体例としては、芳香環を有する化合物として、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸無水物、及び無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の三塩基酸以上の酸無水物が挙げられる。また芳香環を有さない化合物として、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸等の二塩基酸無水物、及びメチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物等の三塩基酸以上の酸無水物が挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
【0040】
この酸無水物(c)は、感光性樹脂(A1)に酸価を与え、ソルダーレジスト組成物に希アルカリ水溶液による再分散、再溶解性を付与することを主たる目的として使用される。酸無水物(c)の使用量は、感光性樹脂(A1)の酸価が好ましくは25〜150mgKOH/gの範囲、特に好ましくは40〜100mgKOH/gの範囲となるようにする。
【0041】
エポキシ化合物(a)と、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(b)及び飽和又は不飽和の酸無水物(c)との付加反応を進行させるにあたっては、公知の方法が採用され得る。例えばエポキシ化合物(a)とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(b)との付加反応にあたっては、エポキシ化合物(a)の溶剤溶液にカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(b)を加え、更に必要に応じて熱重合禁止剤及び触媒を加えて撹拌混合し、常法により、好ましくは60〜150℃、特に好ましくは80〜120℃の反応温度で反応させることで、付加反応生成物を得ることができる。前記熱重合禁止剤としてはハイドロキノンもしくはハイドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられる。また、前記触媒としてベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、トリフェニルスチビンなどが挙げられる。
【0042】
また、前記付加反応生成物と飽和又は不飽和多塩基酸無水物(c)との付加反応を進行させるにあたっては、前記付加反応生成物の溶剤溶液に飽和又は不飽和多塩基酸無水物(c)を加え、更に必要に応じて熱重合禁止剤及び触媒を加えて撹拌混合し、常法により反応させることができる。反応条件は上記エポキシ化合物(a)とエチレン性不飽和化合物(b)との付加反応と同様とすることができ、また前記熱重合禁止剤及び触媒は、上記エポキシ化合物(a)とエチレン性不飽和化合物(b)との付加反応に使用した熱重合禁止剤及び触媒をそのまま使用することができる。
【0043】
(感光性樹脂(A2))
感光性樹脂(A2)は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(b)を含むエチレン性不飽和化合物(カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物(b)と、必要に応じて使用されるエチレン性不飽和化合物(d2))が重合することで得られる化合物に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(d1)が反応することで得られる。この場合、前記エチレン性不飽和化合物(b)、エチレン性不飽和化合物(d2)及びエチレン性不飽和化合物(d1)のうち少なくとも一種が芳香環を有する化合物であれば、芳香環を有する感光性樹脂(A2)が得られる。特にエチレン性不飽和化合物(b)とエチレン性不飽和化合物(d2)とが併用されると共に、そのうち一方のみ(例えばエチレン性不飽和化合物(d2)のみ)が芳香環を有する場合には、エチレン性不飽和化合物(b)とエチレン性不飽和化合物(d2)との配合比が調整されることで、感光性樹脂(A2)の芳香環量が容易に調整され、ひいてはソルダーレジスト組成物中の樹脂成分の芳香環量が容易に調整される。
【0044】
また、この感光性樹脂(A2)はエチレン性不飽和化合物(b)に由来する残留カルボキシル基を有するため、感光性樹脂(A2)がソルダーレジスト組成物に配合されると、このソルダーレジスト組成物にアルカリ性溶液による現像性が付与される。
【0045】
感光性樹脂(A2)の合成に使用される前記エチレン性不飽和化合物(b)、エチレン性不飽和化合物(d2)及びエチレン性不飽和化合物(d1)の具体例としては、前記感光性樹脂(A1)の合成に使用されるエチレン性不飽和化合物(b)、エチレン性不飽和化合物(d2)及びエチレン性不飽和化合物(d1)が挙げられる。
【0046】
エチレン性不飽和化合物(b)及び必要に応じて使用されるエチレン性不飽和化合物(d2)とは、公知の重合方法、例えば感光性樹脂(A1)の合成時に適用されるエチレン性不飽和化合物(d1)とエチレン性不飽和化合物(d2)との反応の場合と同様な方法で反応(重合反応)させることができる。
【0047】
また、この反応により得られた化合物とエチレン性不飽和化合物(d1)とは、公知の方法、例えば感光性樹脂(A1)の合成時に適用されるエチレン性不飽和化合物(b)や酸無水物(c)の付加反応と同様の方法により反応させることができる。
【0048】
エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物(d1)の使用量は、感光性樹脂(A2)に未反応のカルボキシル基を残存させて、感光性樹脂(A2)が充分な酸価を有するようになる量であることが好ましい。この場合、感光性樹脂(A2)の酸価が好ましくは25〜150mgKOH/gの範囲、特に好ましくは40〜100mgKOH/gの範囲となるようにする。
【0049】
〔白色顔料〕
ソルダーレジスト組成物が白色顔料を含有することで、ソルダーレジスト層が高い光反射性を発揮する。白色顔料としては、例えば酸化チタン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。酸化チタンは、ルチル型、アナターゼ型、ラムスデライト型のいずれの構造の酸化チタンであってもよい。ラムスデライト型酸化チタンは、ラムスデライト型Li0.5TiOに化学酸化によるリチウム脱離処理が施されることで得られる。ソルダーレジスト組成物は、白色顔料を一種のみ含有してもよく、二種以上を含有してもよい。
【0050】
ソルダーレジスト組成物中の白色顔料の割合は、ソルダーレジスト組成物中の成分全量(ソルダーレジスト組成物が有機溶剤を含有する場合にはこの有機溶剤を除く)に対して好ましくは5〜80質量%の範囲、より好ましくは15〜50質量%の範囲である。この割合が5質量%以上であればソルダーレジスト層が高い隠蔽性、白色性を発揮し、この割合が80質量%以下であればソルダーレジスト層の耐熱性、鉛筆硬度等のレジストに必要とされる物性が高い水準で維持されるようになる。
【0051】
〔光重合開始剤〕
光重合開始剤は、波長400nmより長波長領域の光を吸収して活性化される化合物であることが好ましい。この場合、波長400nmより長波長領域の光は酸化チタンなどの白色顔料によって吸収されにくいため、ソルダーレジスト組成物の露光効率が向上する。更に光重合開始剤は、紫外線や熱などによる変色が生じにくい化合物であることが好ましい。
【0052】
光重合開始剤は、特にアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤であることが好ましい。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(DAROCUR TPO)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−エチル−フェニル−フォスフィネート(SPEEDCURE TPO−L)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE 819)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(CGI 403)などが挙げられる。
【0053】
光重合開始剤として、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤と共に、α−ヒドロキシアセトフェノンが使用されてもよい。α−ヒドロキシアセトフェノンはアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤よりも酸素障害を受けにくく、且つ熱により変色しにくい。このため、α−ヒドロキシアセトフェノンが使用される場合には、ソルダーレジスト組成物の露光時における表層の硬化性が特に高くなる。α−ヒドロキシアセトフェノンの具体例としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE 184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(DAROCUR 1173)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE 2959)などが挙げられる。
【0054】
ソルダーレジスト組成物がアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤とα−ヒドロキシアセトフェノンとを含有する場合には、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は0.1〜20質量%の範囲、α−ヒドロキシアセトフェノンの含有量は0.1〜20質量%の範囲であることが好ましい。この場合、ソルダーレジスト組成物の光硬化性が充分に維持されると共に、ソルダーレジスト層の硬度が更に向上し、且つ、ソルダーレジスト層の耐現像液性が向上する。またこのため、特にソルダーレジスト層の耐無電解Niめっき性が向上する。
【0055】
ソルダーレジスト組成物中における光重合開始剤の配合量は、ソルダーレジスト組成物の光硬化性と、このソルダーレジスト組成物から形成されるソルダーレジスト層の物性とのバランスを考慮して適宜設定されることが好ましく、特にソルダーレジスト組成物の成分全量(ソルダーレジスト組成物が有機溶剤を含有する場合はこの有機溶剤を除く)中で0.1〜30質量%の範囲であることが望ましい。
【0056】
[蛍光染料]
蛍光染料(蛍光増白剤)は、波長200〜400nmの光を吸収し、波長400〜500nmの光を放出する。このような蛍光染料として、ナフタレンを置換基にもつベンゾキサゾイル誘導体、チオフェンを置換基としてもつベンゾキサゾイル誘導体、スチルベンを置換基としてもつベンゾキサゾイル誘導体、クマリン誘導体、スチレンビフェニル誘導体、ピラゾロン誘導体、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体、などが挙げられる。
【0057】
ソルダーレジスト組成物が、上記のような蛍光染料と、400nmより長波長領域に吸収をもつアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤とを含有すると、蛍光染料は光重合開始剤の増感剤として働く。本実施形態ではソルダーレジスト組成物が白色顔料を含有し、露光時に白色顔料が光を反射するため、蛍光染料の増感剤としての効果は大きい。
【0058】
また、蛍光染料は、紫外波長領域の光を吸収し、青色波長領域の光を発するため、ソルダーレジスト組成物が蛍光染料を含有すると、ソルダーレジスト層の青色波長領域の反射率が向上する。
【0059】
ソルダーレジスト組成物中の蛍光染料の量は、ソルダーレジスト組成物中の光重合性開始剤の量に対して、0.0001〜80質量%の範囲であることが好ましい。この蛍光染料の量は、特に光重合性開始剤の量に対して1〜30質量%の範囲であることが好ましく、またソルダーレジスト組成物全量に対しては0.04−2%の範囲であることが好ましい。
【0060】
〔エポキシ化合物〕
ソルダーレジスト組成物は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物を含有してもよい。このエポキシ化合物は、溶剤難溶性エポキシ化合物であってもよく、汎用の溶剤可溶性エポキシ化合物等であってもよい。エポキシ化合物の種類は特に限定されないが、特にトリグリシジルイソシアヌレート、YX4000(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−ノボラック型エポキシ樹脂等が望ましい。トリグリシジルイソシアヌレートとしては、特にS−トリアジン環骨格面に対し3個のエポキシ基が同一方向に結合した構造をもつβ体が好ましく、或いはこのβ体と、S−トリアジン環骨格面に対し1個のエポキシ基が他の2個のエポキシ基と異なる方向に結合した構造をもつα体との混合物が好ましい。
【0061】
ソルダーレジスト組成物中のエポキシ化合物の割合は特に制限されないが、ソルダーレジスト組成物の成分全量(ソルダーレジスト組成物が有機溶剤を含有する場合にはこの有機溶剤を除く)に対してエポキシ化合物全量の割合が0.1質量%以上であることが好ましく、この場合、ソルダーレジスト層の耐はんだ性、耐めっき性等が更に向上する。またこの割合が50重量%以下であれば、ソルダーレジスト組成物の現像性が更に向上する。
【0062】
〔光重合性化合物〕
ソルダーレジスト組成物は、上記感光性樹脂以外の光重合性化合物を含有してもよい。光重合性化合物は、光重合性を有するモノマー及びプレポリマーから選択される。この光重合性化合物は、例えばソルダーレジスト組成物を希釈して塗布し易い状態に調整したり、ソルダーレジスト組成物全体の酸価を調整したり、ソルダーレジスト組成物の光重合性を向上したりする目的で使用される。この光重合性化合物としては、光重合性を有する適宜のモノマー或いはプレポリマーが挙げられる。この光重合性化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の単官能アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。このような化合物は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
【0063】
光重合性化合物を使用する場合、ソルダーレジスト組成物中への光重合性化合物の配合量はソルダーレジスト組成物の成分全量(ソルダーレジスト組成物が有機溶剤を含有する場合にはこの有機溶剤を含む)中で0.05〜40質量%の範囲であることが好ましい。また、ソルダーレジスト組成物が有機溶剤を含有する場合には、前記配合量は特に有機溶剤を除外したソルダーレジスト組成物の成分全量中で50質量%以下であることが望ましい。この場合、ソルダーレジスト組成物から形成される乾燥膜の表面粘着性が抑制され、パターンが描画されたネガマスクと前記乾燥膜とが直接接触した状態で露光がされる場合のネガマスクの汚損等が抑制される。
【0064】
〔有機溶剤〕
ソルダーレジスト組成物は必要に応じて有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤によって樹脂成分が溶解され、或いはソルダーレジスト組成物が希釈されることで、ソルダーレジスト組成物が液状になると共にその粘度が調整され、これによりソルダーレジスト組成物の塗布性が向上する。有機溶剤は、ソルダーレジスト組成物の乾燥時の造膜性の向上のためにも使用される。
【0065】
有機溶剤の具体例としては、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分岐、2級或いは多価のアルコール類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等の酢酸エステル類;ジアルキルグリコールエーテル類などが挙げられる。これらの有機溶剤は一種単独で使用され、或いは複数種が併用される。
【0066】
ソルダーレジスト組成物中への有機溶剤の配合量は適宜設定される。この配合量は、ソルダーレジスト組成物から形成される塗膜の仮乾燥時に有機溶剤が速やかに揮散するように、すなわち有機溶剤が乾燥膜に残存しないように、調整されることが好ましい。この有機溶剤の配合量は、特にソルダーレジスト組成物の成分全量中で5〜99.5重量%の範囲であることが好ましく、この場合、ソルダーレジスト組成物の良好な塗布性が維持される。尚、有機溶剤の好適な配合量は塗布方法により異なるので、塗布方法に応じて配合量が適宜調節されることが好ましい。
【0067】
〔他の成分〕
ソルダーレジスト組成物は、上記各成分の他に、例えばカプロラクタム、オキシム、マロン酸エステル等でブロックされたトリレンジイソシアネート、モルホリンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系のブロックドイソシアネート、及びメラミン、n−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル化メラミン尿素共縮合樹脂、ベンゾグアナミン系共縮合樹脂等のアミノ樹脂等の熱硬化成分;紫外線硬化性エポキシ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、脂環型エポキシ樹脂等の(メタ)アクリル酸付加物;ジアリルフタレート樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の高分子化合物などを、適宜含有してもよい。
【0068】
またソルダーレジスト組成物は、必要に応じて、エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤;硬化促進剤;白色以外の着色剤;シリコーン、アクリレート等の共重合体;レベリング剤;シランカップリング剤等の密着性付与剤;チクソトロピー剤;重合禁止剤;ハレーション防止剤;難燃剤;消泡剤;酸化防止剤界面活性剤;高分子分散剤などを含有してもよい。
【0069】
〔ソルダーレジスト組成物の調製〕
上記のような原料成分が配合され、例えば三本ロール、ボールミル、サンドミル等が用いられる公知の混練方法によって混練されることで、ソルダーレジスト組成物が調製される。原料成分のうち一部、例えば光重合性化合物及び有機溶剤の一部及びエポキシ化合物が予め混合されると共に、残りの原料成分が予め混合され、使用時に両者が更に混合されることで、ソルダーレジスト組成物が調製されてもよい。
【0070】
ソルダーレジスト組成物中の、重合反応性の化合物(以下、樹脂成分という)全体に対する、この樹脂成分中の芳香環の割合は、0.1〜50質量%の範囲であること好ましい。樹脂成分としては、感光性樹脂、エポキシ化合物、及び光重合性化合物が挙げられる。特にこの割合が1〜35質量%の範囲であることが好ましい。この芳香環量は樹脂成分全体を基準とする値であり、樹脂成分中に芳香環を有する成分と芳香環を有しない成分とが混在していてもよい。「芳香環」は炭化水素から構成される芳香環をいい、特にベンゼン環(縮合環を構成するベンゼン環を含む)をいう。複素環は芳香環に含まない。
【0071】
この場合、芳香環を有する樹脂成分を含有することで、ソルダーレジスト組成物から形成されるソルダーレジスト層の良好な特性が維持され、且つ樹脂成分における芳香環の量が前記特定の範囲であることでソルダーレジスト層の光による劣化が抑制され、このソルダーレジスト層の黄変が抑制される。
【0072】
〔プリント配線板に対するソルダーレジスト層の形成〕
ソルダーレジスト組成物が塗布成膜されることで、ソルダーレジスト層が形成される。プリント配線板上にソルダーレジスト層が形成されると、ソルダーレジスト層を備えるプリント配線板が得られる。
【0073】
ソルダーレジスト層の形成方法は特に限定されない。ソルダーレジスト層の最も一般的な形成方法の一例を下記に示す。
【0074】
プリント配線板に対して、ソルダーレジスト組成物が浸漬法、スプレー、スピンコート、ロールコート、カーテンコート、スクリーン印刷等の適宜の手法により塗布された後、例えば60〜120℃で加熱されて予備乾燥され、ソルダーレジスト組成物中の有機溶剤が揮発する。これにより乾燥膜(予備乾燥皮膜)が形成される。
【0075】
パターンが描画されたネガマスクが、乾燥膜に接触するように配置され、或いは乾燥膜から間隔をあけて配置される。ネガマスクとしては、マスクフィルムや乾板等のフォトツールなどが挙げられる。このネガマスクを介して、紫外線が乾燥膜に向けて照射されることで、乾燥膜が露光される。紫外線は、例えばケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプ等の紫外線光源から照射される。
【0076】
尚、露光の手法は、上記のようなネガマスクが用いられる方法に限られず、適宜の手法が採用され、例えばレーザ露光等による直接描画法等が採用されてもよい。
【0077】
このようにソルダーレジスト組成物の乾燥膜が露光されると、露光された部分では感光性樹脂の硬化反応が進行して、この部分が硬化する。このとき、ソルダーレジスト組成物中の白色顔料は、波長400nm以下の紫外域を吸収するが、ソルダーレジスト組成物中の蛍光染料も紫外線を吸収するため、白色顔料による紫外線の吸収量が低減する。紫外線を吸収した蛍光塗料は波長400〜500nmの光を放出し、この光を光重合開始剤が吸収することで、光重合開始剤が活性化する。すなわち、蛍光染料が増感剤として作用する。これにより感光性樹脂の硬化反応が進行する。
【0078】
このように、ソルダーレジスト組成物の露光に紫外線が使用されても、ソルダーレジスト組成物中で蛍光染料が紫外線を吸収することで、白色顔料によって吸収される紫外線量が低減され、更に紫外線を吸収した蛍光染料による増感作用により、感光性樹脂の硬化反応が効率良く進行する。このため、露光効率が高くなる。
【0079】
露光後の乾燥膜に現像処理が施されることにより、乾燥膜の露光されていない部分が除去され、プリント配線板上に残存する、乾燥膜の露光されている部分が、ソルダーレジスト層となる。
【0080】
現像処理では、ソルダーレジスト組成物の組成に応じた適宜の現像液が使用される。現像液の具体例としては炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸水素アンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、水酸化リチウム水溶液などのアルカリ溶液が挙げられる。アルカリ溶液以外に、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミンが使用されてもよい。これらの現像液は一種単独で用いられ、或いは複数種が併用される。アルカリ溶液の溶媒は、水単独のみならず、例えば水と低級アルコール類等の親水性のある有機溶媒の混合物であってもよい。
【0081】
ソルダーレジスト組成物がエポキシ化合物を含有する場合、ソルダーレジスト層に、必要に応じて例えば120〜180℃で30〜90分程度の条件で加熱処理が施されてもよい。この場合、エポキシ化合物の熱硬化反応が進行し、ソルダーレジスト層の膜強度、硬度、耐薬品性等が向上する。
【0082】
このようにして形成されたソルダーレジスト層は、白色顔料を含有するため、光反射性が高い。このため、ソルダーレジスト層を備えるプリント配線板に発光ダイオード等の発光素子が実装されると、発光素子から放出される光をソルダーレジスト層が高効率で反射し、発光ダイオードを備える機器からの発光光量が増大する。更に、本実施形態ではソルダーレジスト層中に蛍光染料が含まれるため、ソルダーレジスト層は紫外線の照射を受けると可視光を放出する。このため、特に発光ダイオードから放出される光に紫外線が含まれている場合には、発光ダイオードを備える機器からの可視光の発光光量が大きく向上する。
【実施例】
【0083】
〔合成例1〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、メタクリル酸42質量部、メチルメタクリレート43質量部、スチレン35質量部、ベンジルアクリレート35質量部、カルビトールアセテート100質量部、ラウリルメルカプタン0.5質量部、アゾビスイソブチロニトリル4質量部を加えた。この四ツ口フラスコ内の液を窒素気流下で75℃で5時間加熱して重合反応を進行させ、濃度50質量%の共重合体溶液を得た。
【0084】
この共重合体溶液に、ハイドロキノン0.05質量部、グリシジルメタクリレート23質量部、ジメチルベンジルアミン2.0質量部を加え、80℃で24時間付加反応を行なった後、カルビトールアセテート35質量部を加えることで、濃度50質量%の感光性樹脂の溶液(感光性樹脂溶液A)を得た。
【0085】
〔合成例2〕
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、グリシジルメタクリレート120質量部、メチルメタクリレート25質量部、t−ブチルアクリレート20質量部、t−ブチルメタクリレート35質量部、カルビトールアセテート200質量部、アゾビスイソブチロニトリル18.4質量部を加えた。この四ツ口フラスコ内の液を窒素気流下で95℃で8時間加熱して重合反応を進行させ、濃度50質量%の共重合体溶液を得た。
【0086】
この共重合溶液に、ハイドロキノン0.2質量部、アクリル酸73.9質量部、及びジメチルベンジルアミン2.0質量部を加え、110℃で10時間加熱して付加反応を進行させ、続いてテトラヒドロ無水フタル酸60.8質量部、カルビトールアセテート16.5質量部を加えて、81℃で3時間加熱して反応を進行させることで、濃度60質量%の感光性樹脂の溶液(感光性樹脂溶液B)を得た。
【0087】
〔実施例1乃至10及び比較例1,2〕
上記各合成例で生成された感光性樹脂の溶液に、表1に示す各配合組成の配合成分を加え、これを3本ロールで混練し、ソルダーレジスト組成物を得た。
【0088】
実施例1〜10及び比較例1では樹脂成分全量に対する芳香環量は23.2質量%であり、比較例2では樹脂成分全量に対する芳香環量は0質量%である。
【0089】
表1中に示される原料成分の詳細は次の通りである。
・エポキシ化合物:トリグリシジルイソシアヌレート(S−トリアジン環骨格面に対し3個のエポキシ基が同一方向に結合した構造を有するβ体)。
・DPHA:ジペンタエリストールヘキサアクリレート。
・酸化チタン:石原産業株式会社製、品番CR−90。
・ルシリンTPO:BASF社製、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド。
・IRGACURE184:チバスペシャルティ・ケミカルズ社製、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
・メラミン樹脂:日産化学工業株式会社製、微粉メラミン。
・シリコーン:信越シリコーン株式会社製、品番KS−66。
・TINOPAL OB:チバ・ジャパン株式会社製、2,5−チオフェンジイルビス(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール。
・Hostalux KCB:クラリアントジャパン株式会社製、ナフタレンベンゾキサゾイル誘導体。
【0090】
〔評価試験〕
各ソルダーレジスト組成物を、厚み35μmの銅箔を備えるガラスエポキシ基材銅張積層板及びこれを予めエッチングしてパターンを形成しておいたプリント配線基板の全面にスクリーン印刷により塗布し、基板表面に湿潤塗膜を形成した。
【0091】
この湿潤塗膜を80℃で20分加熱して予備乾燥し、膜厚20μmの乾燥塗膜を得た。
【0092】
この乾燥塗膜の表面にネガマスクを直接当てがうとともに照射エネルギー密度350mJ/cmの条件で紫外線を照射し、基板表面上の乾燥塗膜を選択的に露光した。
【0093】
露光後の乾燥塗膜に炭酸ナトリウム水溶液で現像処理を施して、基板上に乾燥塗膜の露光硬化部分を残存させた
この乾燥塗膜の露光硬化部分を150℃で60分間加熱して熱硬化させることでソルダーレジスト層を形成し、ソルダーレジスト層を備えるテストピースを得た。
【0094】
(感度(ST))
テストピースの作製時に日立化成工業社製の露光用テストマスク「ステップタブレットPHOTEC21段」を予備乾燥塗膜に直接あてがうと共に減圧密着させた。オーク製作所製の減圧密着型両面露光機「ORC HMW680GW」を用い、露光用テストマスクを介して予備乾燥塗膜に照射エネルギー密度350mJ/cmの条件で紫外線を照射した。続いて現像液(濃度1質量%の炭酸ナトリウム水溶液)を用いて現像した。この場合の残存ステップ段を求めた。
【0095】
(ダム残り)
線幅/線間が0.2mm/0.3mm、厚みが40μmの銅の導体配線を備える配線基板に、ソルダーレジスト組成物をスクリーン印刷法により塗布することで、配線基板上に湿潤塗膜を形成した。
【0096】
この湿潤塗膜を80℃で、20分間加熱することで予備乾燥し、厚み20μmの乾燥塗膜を形成した。
【0097】
この乾燥塗膜に、幅25μm、50μm、75μm及び100μmのソルダーダムが形成されるようなマスクパターンをあてがうとともに照射エネルギー密度350mJ/cmの条件で紫外線を照射し、配線基板上の乾燥塗膜を選択的に露光した。
【0098】
露光後の乾燥塗膜に炭酸ナトリウム水溶液で現像処理を施して、配線基板上に乾燥塗膜の露光硬化部分を残存させた。
【0099】
この乾燥塗膜の露光硬化部分を150℃で60分間加熱して熱硬化させることで、配線基板上に厚み60μmのソルダーダムを含むソルダーレジスト層を形成した。
【0100】
この配線基板上のソルダーダムに対して、セロハン粘着テープ剥離試験を行い、剥離せずに残存するソルダーダムの幅で評価した。全てのソルダーダムが剥離してしまった場合は×と評価した。
【0101】
(露光光量評価)
前記ダム残りの試験において、乾燥塗膜の露光時の照射エネルギー密度を、200〜600mJ/cmの範囲で50mJ/cm刻みで変化させ、ダム残りの評価が75μmとなるために最低限必要とされる照射エネルギー密度を調査した。この試験においてダム残りの評価が75μmとならなかった場合は×と評価した。
【0102】
(タック性)
露光時においてネガマスクを取り外すときの乾燥塗膜の粘着の状態及び乾燥塗膜の指触粘着性を、下記の評価基準により評価した。
◎:ネガマスクを取り外した際に全く剥離抵抗を感じず、貼付痕もない。指触によっても全く粘着を感じない。
○:ネガマスクを取り外した際には粘着を感じないが、乾燥膜上にマスクのかすかな貼付痕が認められる。指触によってもかすかに粘着が感じられる。
△:ネガマスクを取り外す際にわずかに剥離抵抗が感じられると共に、乾燥膜上にマスクの貼付痕が認められる。指触によってもわずかな粘着が感じられる。
×:ネガマスクを取り外すことが困難で、無理に剥すとマスクパターンが毀損する。指触によっても顕著な粘着が感じられる。
【0103】
(耐酸性)
室温においてテストピースを1時間、濃度10質量%の塩酸に浸漬した後、ソルダーレジスト層の外観を観察して評価した。評価方法は次の通りである。
◎:異常を生じない。
○:極僅かに変化が見られる。
△:少し変化が見られる。
×:塗膜に剥がれ等の大きな変化が見られる。
【0104】
(耐アルカリ性・現像性)
露光工程において線幅及び線間が共に40μmの同心円状のソルダーレジスト層が形成されるようなネガマスクを用い、厚み20μmに形成されたソルダーレジスト層のパターン形状を観察し、次のように評価した。
◎:シャープな同心円状のパターンが形成される。
○:同心円状のパターンは形成されるが、線間、線幅の一定性にわずかにむらがある。
△:同心円状のパターンは形成されるが、その一部にわずかに樹脂残り又は欠落がある。
【0105】
(密着性)
JIS D0202の試験方法に従って、テストピースのソルダーレジスト層に碁盤目状にクロスカットを入れ、次いでセロハン粘着テープによるピーリング試験後の剥がれの状態を目視により次の基準に従い判定した。
◎:100個のクロスカット部分のうちの全てに全く変化が見られない。
○:100個のクロスカット部分のうち1箇所に僅かに浮きが認められる。
△:100個のクロスカット部分のうち2〜10箇所に剥離が認められる。
×:100個のクロスカット部分のうち11〜100箇所に剥離が認められる。
【0106】
(PCT特性)
テストピースを温度121℃の飽和水蒸気中に50時間放置した後、このテストピースソルダーレジスト層の外観を観察し、その結果を次の基準に従って判定した。
◎:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が全く見られない。
○:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が極僅かに見られる。
△:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が若干認められる。
×:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が認められる。
【0107】
(耐めっき性)
市販品の無電解ニッケルめっき浴及び無電解金めっき浴を用いて、テストピースのめっきを行い、めっきの状態を観察した。またソルダーレジスト層に対してセロハン粘着テープ剥離試験をおこなうことでめっき後のソルダーレジスト層の密着状態を観察した。評価方法は次の通りである。
◎:外観の変化、テープ剥離時の剥離、めっきの潜り込みのいずれも認められない。
○:外観変化は認められず、テープ剥離時のソルダーレジスト層の剥離は認められないが、レジストの末端部分において、極めてわずかながら、めっきの潜り込みが認められる。
△:外観変化は認められないが、テープ剥離時にソルダーレジスト層に一部剥離が認められる。
×:ソルダーレジスト層に浮きが認められ、テープ剥離時にソルダーレジスト層の剥離が認められる。
【0108】
(はんだ耐熱性)
フラックスとしてLONCO 3355−11(ロンドンケミカル社製の水溶性フラックス)を用い、まずテストピースにフラックスを塗布し、次いでこれを260℃の溶融はんだ浴に15秒間浸漬し、その後水洗した。このサイクルを3回おこなった後の表面白化の程度を観察した。
【0109】
表面白化の評価方法は次の通りである。
◎:異常が認められない。
○:僅かに白化が認められる。
△:白化が認められる。
×:著しい白化が認められる。
【0110】
(鉛筆硬度)
ソルダーレジスト層の鉛筆硬度を、三菱ハイユニ(三菱鉛筆社製)を用いて、JIS K5400に準拠して測定して評価した。
【0111】
(耐電飾性)
IPC B−25のくし型電極Bクーポンに対して、上記テストピースの場合と同じ条件でソルダーレジスト層を形成し、評価用のプリント配線板を得た。この作製評価用のプリント配線板のくし電極にDC100Vのバイアス電圧を印加しながら、40℃、90%R.H.の条件下に500時間曝露した。この試験後の評価用のプリント配線板におけるマイグレーションの有無を確認して評価した。
【0112】
耐電蝕性の評価方法は次の通りである。
◎:全くマイグレーションが確認されない。
○:極僅かにマイグレーションが確認される。
△:若干のマイグレーションが確認される。
×:マイグレーションが発生している。
【0113】
(耐熱黄変)
ソルダーレジスト用組成物を塗布した直後の基板と、これを150℃、100時間の条件で保存したものとを比較し、塗膜の黄変の程度を下記のように評価した。
◎:外観の変化無し。
○:殆ど外観の変化が無い。
△:若干の黄変が認められる。
×:著しい黄変が認められる。
【0114】
(反射率)
テストピースにおけるソルダーレジスト層の、波長450nmの光の反射率を、コニカミノルタセンシング株式会社製の分光測色計(型番CM−600d)により測定した。
【0115】
(試験結果)
以上の評価試験の結果を下記表1に示す。
【0116】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光性樹脂、白色顔料、波長400nm以上の光で活性化する光重合開始剤、及び蛍光染料を含有するソルダーレジスト組成物。
【請求項2】
前記光重合開始剤として、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する請求項1に記載のソルダーレジスト組成物。
【請求項3】
前記光重合開始剤として、更に、α−ヒドロキシアセトフェノンを含有する請求項2に記載のソルダーレジスト組成物。
【請求項4】
前記蛍光染料の含有量が、前記光重合開始剤の含有量に対して0.0001〜80質量%の範囲である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
【請求項5】
前記感光性樹脂として、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むエチレン性不飽和化合物を重合させて得られる化合物に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させて得られる感光性樹脂を含有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
【請求項6】
更に、一分子中に少なくとも二個のエポキシ基を有するエポキシ化合物を含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
【請求項7】
更に、光重合性を有するモノマー及びプレポリマーから選択される光重合性化合物を含有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
【請求項8】
樹脂成分全体に対する芳香環の割合が0.1〜50質量%の範囲である請求項1乃至7のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えるプリント配線板。

【公開番号】特開2011−227343(P2011−227343A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98016(P2010−98016)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000166683)互応化学工業株式会社 (57)
【Fターム(参考)】