説明

タイヤコードの製造方法

【課題】接着剤組成物の配合処方を変更することなく、アンダーコート層の表面エネルギーを向上させ、アンダーコート層と接着剤層との密着力を向上するタイヤコードの製造方法を提供する。
【解決手段】撚りコードにアンダーコート組成物と活性エネルギー線架橋型接着剤組成物とを塗布するタイヤコードの製造方法であって、該撚りコードに該アンダーコート組成物を塗布する工程[1]と、該撚りコードに塗布した該アンダーコート組成物を硬化する工程[2]と、硬化した該アンダーコート組成物にプラズマ照射する工程[3]と、プラズマ照射後の該撚りコードに該接着剤組成物を塗布する工程[4]と、該接着剤組成物を硬化する工程[5]とを含むことを特徴とするタイヤコードの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撚りコードにアンダーコート組成物及び接着剤組成物を塗布してなるタイヤコードの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タイヤの補強材として主に有機繊維からなる撚りコードが用いられている。この撚りコードのゴム補強性が十分に発揮されるには、撚りコードとゴムとの接着性が重要である。このため、撚りコードの表面には、ゴム用接着剤が塗布されている。
【0003】
上述の撚りコードには、複雑な表面、例えば、コードフィラメントの撚りによる凹凸等が存在する。このため、従来の接着剤塗布技術には、低粘度の接着剤が使用されている。接着剤の粘度を調整するためには、水や有機溶媒等の希釈剤の使用が必要である。このように希釈された接着剤〔例えば、レゾルシンホルマリンラテックス(RFL)処理液、以下、単に「RFL処理液」と称する。〕は、ディップ手法でコードに塗布される。余分な量のRFL処理液は、絞りロールやバキュームで付着量を調整し、除去される。その後、希釈剤を蒸発させ、接着剤は熱又は光架橋される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
低粘度の接着剤の場合、撚りコードのディップ塗布やコード内部の含浸は問題にならないが、溶媒等の希釈剤の蒸発に伴い接着剤に含まれる有害物質が発煙するという問題がある。また、接着剤中の希釈剤を除くために、乾燥等の時間やエネルギーが必要である。かかる視点からは、希釈剤を除くのが好ましい。
【0005】
これに対し、特許文献2及び3においては、活性エネルギー線架橋型接着剤を用いることが提案されている。この活性エネルギー線架橋型接着剤を高粘度で塗布処理すれば、希釈剤量を削減できる。
しかし、撚りコードと接着剤のより高い密着力を確保するためには、接着剤層の下にアンダーコートを施す必要がある。さらにアンダーコート層と接着剤層の密着力向上のためにはアンダーコート層の表面エネルギーを向上させる必要がある。通常は接着剤の配合により濡れ性をコントロールする方法がとられているが、接着剤の諸特性を低下させる恐れもあり、限界がある。
【0006】
【特許文献1】特開2001−164468号公報
【特許文献2】国際公開第WO02/094962号パンフレット
【特許文献3】特開2005−68572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の課題は、活性エネルギー線架橋型接着剤組成物の配合処方を変更することなく、アンダーコート層の表面エネルギーを向上させ、アンダーコート層と接着剤層との密着力を向上するタイヤコードの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、アンダーコート層の表面エネルギーを向上させる方法を種々検討した結果、プラズマ照射処理に着目し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)撚りコードにアンダーコート組成物と活性エネルギー線架橋型接着剤組成物とを塗布するタイヤコードの製造方法であって、該撚りコードに該アンダーコート組成物を塗布する工程[1]と、該撚りコードに塗布した該アンダーコート組成物を硬化する工程[2]と、硬化した該アンダーコート組成物にプラズマ照射する工程[3]と、プラズマ照射後の該撚りコードに該接着剤組成物を塗布する工程[4]と、該接着剤組成物を硬化する工程[5]とを含むことを特徴とするタイヤコードの製造方法、
【0009】
(2)前記アンダーコート組成物が、(α)ビスフェノール骨格を有する化合物100質量部に対して、(β)分子内に3個以上のアクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有する化合物を5〜200質量部含むことを特徴とする上記(1)に記載のタイヤコードの製造方法、
(3)前記接着剤組成物が、(A)重量平均分子量500〜100,000の共役ジエン系重合体及び(B)電子対供与性の塩基性化合物を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のタイヤコードの製造方法、
【0010】
(4)前記接着剤組成物が、前記電子対供与性の塩基性化合物(B)を、前記共役ジエン系重合体(A)100質量部に対して、0.2〜80質量部含有することを特徴とする上記(3)に記載のタイヤコードの製造方法、
(5)前記接着剤組成物が、(C)紫外線又は放射線照射により架橋可能な官能基を1分子中に3個以上有する化合物及び/又は(D)紫外線又は放射線照射によりラジカル重合が可能な官能基を1又は2個有する化合物を更に含有することを特徴とする上記(3)又は(4)に記載のタイヤコードの製造方法、
(6)前記共役ジエン系重合体(A)の末端基が、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基又はアリル基であることを特徴とする上記(3)〜(5)のいずれかに記載のタイヤコードの製造方法、
【0011】
(7)前記共役ジエン系重合体(A)の末端基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする上記(6)に記載のタイヤコードの製造方法、
(8)前記電子対供与性の塩基性化合物(B)が、不対電子を有する窒素原子を含む化合物、又は不対電子を有する構造を含む化合物を熱分解により生成する化合物であることを特徴とする上記(4)に記載のタイヤコードの製造方法、
(9)前記不対電子を有する窒素原子を含む化合物が、アミン化合物であることを特徴とする上記(8)に記載のタイヤコードの製造方法、及び
(10)前記撚りコードがポリエステル繊維からなる上記(1)〜(9)のいずれかに記載のタイヤコードの製造方法
である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、活性エネルギー線架橋型接着剤組成物の配合処方を変更することなく、アンダーコート層の表面エネルギーを向上させ、アンダーコート層と接着剤層との密着力を向上するタイヤコードの製造方法を提供することができる。この製造方法により、撚りコードとタイヤのゴム部材との接着性を大幅に高めることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のタイヤコードの製造方法は、撚りコードにアンダーコート組成物と活性エネルギー線架橋型接着剤組成物(以下、単に「接着剤組成物」ということがある。)とを塗布するタイヤコードの製造方法であって、該撚りコードに該アンダーコート組成物を塗布する工程[1]と、該撚りコードに塗布した該アンダーコート組成物を硬化する工程[2]と、硬化した該アンダーコート組成物にプラズマ照射する工程[3]と、プラズマ照射後の該撚りコードに該接着剤組成物を塗布する工程[4]と、該接着剤組成物を硬化する工程[5]とを含むことを特徴とする。
【0014】
以下、本発明の製造方法を工程毎に説明する。
工程[1]
工程[1]は、撚りコードにアンダーコート組成物を塗布する工程である。塗布する手段としては、何ら制限されず、種々の方法が用いられる。例えば、撚りコードをアンダーコート組成物に浸漬する方法(特許文献2)、撚りコードにアンダーコート組成物を噴霧するに浸漬する方法(特許文献3)、はけ塗り、流延、ロール塗布、ナイフ塗布等の方法が用いられる。
【0015】
工程[2]
工程[2]は、前記撚りコードに塗布したアンダーコート組成物を硬化する工程である。アンダーコート組成物の硬化方法は、熱硬化、紫外線又は放射線等の照射による硬化等が挙げられるが、紫外線又は放射線照射による硬化が好ましい。放射線には、電子線やガンマ線等が含まれ、公知の方法で照射される。一般に、紫外線照射の場合、照射量は100〜3000mJ/cm2であり、照射時間は通常1〜60秒、好ましくは1〜30秒である。電子線照射の場合、照射量は2〜50MRadであり、照射時間は通常0.5〜60秒、好ましくは0.5〜30秒である。この照射によるラジカル反応でアンダーコート組成物はある程度硬化される。紫外線照射の場合は光開始剤を配合する必要があるが、電子線やガンマ線等の放射線等の照射の場合は光開始剤を配合する必要がない。硬化後のアンダーコート組成物の厚みは0.2〜50μmが好ましく、0.5〜10μmが特に好ましい。
【0016】
工程[3]
工程[3]は、硬化したアンダーコート組成物にプラズマ照射する工程である。このプラズマ照射処理は、本来であれば、1torr以下の減圧雰囲気下、高周波13.56MHz、電界100Wで1〜10分間、電界300Wで0.2〜5分間のプラズマ照射する方法(グロー放電処理)が好ましく、さらに好ましくは導入ガスを酸素にする方法である。この理由は、酸素雰囲気のプラズマ処理であると、繊維に付着する油剤が酸化されるとともにエッチング処理されるためである。
しかし、上記の方法は真空設備を必要とするため、タイヤコード処理に適用するには技術的難易度が高いことに加えて、コスト的に不利である。
そこで、簡便で且つ効率的なプラズマ照射処理として、プラズマトリート社のプラズマ処理装置、例えば、プラズマノズル RD1004を用いるようなコロナ放電によるプラズマ照射処理が特に好ましい。
【0017】
図1は、本発明のタイヤコードの製造方法に用いられるプラズマ表面処理装置(プラズマノズル RD1004)10を示す模式図である。このプラズマ表面処理装置10において、プラズマの発生と照射が行われる。ジェネレーター(図示しない)で発生した高電圧のショートデューティーサイクルの高周波パルスの供給を受け、電極とローターの間に高電圧をかけることによってプラズマをプラズマ表面処理装置10内部で発生させ、ワーキングガスによりノズル先端部分へと導き、ノズル口11から硬化したアンダーコート組成物で被覆された撚りコード1にプラズマ12を照射し、硬化したアンダーコート組成物にプラズマ照射処理を行う。
アンダーコート組成物にプラズマ照射することにより、アンダーコート層の表面エネルギーを向上させ、アンダーコート層と活性エネルギー線架橋型接着剤組成物との密着力(濡れ性)を向上することとなる。
【0018】
工程[4]
工程[4]は、プラズマ照射後の撚りコードに活性エネルギー線架橋型接着剤組成物を塗布する工程である。
撚りコードに活性エネルギー線架橋型接着剤組成物を塗布する方法は、上述のアンダーコート組成物を塗布する方法と同様である。
【0019】
工程[5]
工程[4]は、撚りコードに塗布した活性エネルギー線架橋型接着剤組成物を硬化する工程である。
活性エネルギー線架橋型接着剤組成物を硬化する方法は、熱硬化、紫外線又は放射線等の照射による硬化等が挙げられるが、紫外線又は放射線照射による硬化が好ましい。放射線には、電子線やガンマ線等が含まれ、公知の方法で照射される。紫外線照射の条件、又は電子線照射の条件は、上記のアンダーコート組成物と同様である。紫外線照射の場合は光開始剤を配合する必要があるが、電子線やガンマ線等の放射線等の照射の場合は光開始剤を配合する必要がない。硬化後の活性エネルギー線架橋型接着剤組成物層の厚みは0.2〜50μmが好ましく、0.5〜20μmがさらに好ましく、1〜10μmが特に好ましい。
【0020】
本発明の製造方法に用いられる撚りコードは種々の有機繊維からなる。好ましくは、タイヤに用いる撚りコードは、特に制限されないが、ポリエチレンテレフタレート(以下、単に「PET」ということがある。)等のポリエステル繊維、アラミド等の芳香族系繊維、ナイロン等の各種有機繊維から形成される。
本発明の製造方法は、アンダーコート組成物を用いるので、ナイロン等より接着しにくい、PET等のポリエステル繊維、アラミド等の芳香族系繊維の接着に有用であり、タイヤ用として汎用に用いられているPET等のポリエステル繊維の接着に特に有用である。
【0021】
本発明の製造方法に用いられるアンダーコート組成物は、50〜3000mPa・sの粘度を有することが好ましい。アンダーコート組成物は環境等を考慮すれば、無溶媒であることが好ましく、その場合は粘度が80〜3000mPa・s程度と比較的高くなる。
【0022】
本発明に係るアンダーコート組成物としては、被着体の材質に応じて適宜公知の接着処理剤を使用することができる。アンダーコート組成物は特に限定されるものではないが、(α)下記一般式(I):
【0023】
【化1】

(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、好ましくは水素原子又はメチル基を表す。mは1〜3の整数である。)で表されるビスフェノール骨格を有する化合物100質量部に対して、(β)分子内に3個以上のアクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有する化合物を5〜200質量部含む組成物が好ましい。
前記(α)成分は、一般式(I)で表されるビスフェノール骨格に加えて、式(II):
【0024】
【化2】

(R3は炭素数2〜5のアルキレン基、好ましくはエチレン基を示す。nは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。)で表される末端基を有する化合物が好ましい。
前記(α)成分は市販品として入手可能であり、例えば、式(III):
【0025】
【化3】

(式中、p+q=4)で表されるエトキシ化ビスフェノールFジアクリレート(日本化薬(株)製、商標「KAYARAD R−712」)、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(同社製、商標「KAYARAD R−551」)、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(SARTOMER社製、商標「SR−348」、商標「SR−480」、商標「SR9036」)、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(荒川化学工業(株)製、商標「ビームセット750」)等が挙げられる。
【0026】
また、前記(β)成分としては、紫外線又は放射線照射により架橋可能な官能基を1分子中に3個以上、通常3〜8個、有する化合物である。前記官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、及び式(IV):
【0027】
【化4】

(R4は炭素数2〜5のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基を示し、R5は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、好ましくは水素原子又はメチル基を示す。rは0〜5、好ましくは1〜3の整数である。)で表される官能基が好ましく、式(IV)で表される官能基が特に好ましい。アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を3個以上有する化合物としては、例えば、3価以上の多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステルが挙げられる。多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が好ましく用いられる。
【0028】
式(IV)で表される官能基を3個以上有する化合物は、市販品として入手可能なものとして、例えば、ペンタエリスリトールポリエトキシアクリレート(日本化薬(株)製の商標「KAYARAD THE−330」)、ペンタエリスリトールポリプロポキシアクリレート(同社製、商標「KAYARAD TPA−320」;同社製,商標「KAYARAD TPA−330」)や、ジペンタエリスリトールポリアクリレート(荒川化学工業(株)製、商標「ビームセット700」)、ペンタエリスリトールポリアクリレート(同社製、商標「ビームセット710」)等が挙げられる。
【0029】
さらに、アンダーコート組成物には、塗膜の強度向上のために、エポキシ化合物及び/又は共役ジエン系重合体を(α)成分及び(β)成分の合計100質量部に対して、0.5〜200質量部混合することもでき、所望により、前記粘度調整剤や光開始剤を(α)成分及び(β)成分の合計100質量部に対して、それぞれ、5〜100質量部、0.1〜10質量部添加することもできる。また、ラジカル反応の促進剤としてスチレンモノマーを(α)成分及び(β)成分の合計100質量部に対して、1〜50質量部加えることもできる。さらに、上記の成分に加えて、無機フィラー,高分子フィラー及び塩基性化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの添加剤を(α)成分及び(β)成分の合計100質量部に対して、合計で5〜20質量部加えることができる。
【0030】
アンダーコート組成物に好ましく配合される前記エポキシ化合物としては、加熱により架橋し、接着剤組成物に延性と強靱性とを付与することができ、例えば、フェノール類とホルムアルデヒドの縮合物をエポキシ化したノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とホルムアルデヒドの縮合物にエポキシ基あるいは(メタ)アクリル基を導入したノボラック型フェノール類樹脂等が挙げられる。これらの市販品としては、香川ケミカル(有)製のエポキシノボラックアクリレート(商標「ENA」)、エポキシ基とカルボキシ基を含むノボラックアクリレート(商標「ENC」)等がある。
【0031】
アンダーコート組成物に好ましく配合される前記共役ジエン系重合体としては、重量平均分子量500〜100,000の共役ジエン系重合体が好ましく、共役ジエン単独重合体、共役ジエン共重合体、及びこれらの変性重合体を含む。共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、中でも1,3−ブタジエンが好ましい。共役ジエン共重合体としては、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体が好ましい。芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン,α−メチルスチレン等が挙げられ、中でもスチレンが好ましい。また、これら共役ジエン系重合体の主鎖は、硫黄と架橋反応の架橋部位となりやすい、アリル位に水素原子を有する炭素−炭素二重結合を、分子鎖内の単位として含むことが好ましい。本発明における上記共役ジエン系重合体としては、ポリイソプレン,ポリブタジエン,スチレン−ブタジエン共重合体,イソプレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。また、上記共役ジエン系重合体は、アンダーコート組成物を配合する温度において液状、特に0℃以下でも液状であると作業性及びアンダーコート組成物の混合工程が容易で好ましく、また50℃以上の温度でも液状でかつ蒸気圧が小さいことが好ましい。アンダーコート組成物を配合する温度において液状でなくても、アンダーコート組成物において上記共役ジエン系重合体が液状になれば特に制限されない。
【0032】
さらに、共役ジエン系重合体の末端にラジカル重合性の不飽和二重結合を有する官能基を導入した変性重合体も用いることができる。このような官能基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アリル基等が挙げられる。変性重合体としては、ブタジエン重合体の末端に、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を導入したものが特に好ましい。このような変性重合体は市販品あるいは試供品として入手可能である。
例えばアクリロイル基(CH2=CHCO−)をブタジエン重合体の末端に導入したアクリル化ポリブタジエンとして、大阪有機化学工業(株)製の商標「BAC45」(ポリブタジエン部位のMw=2800、粘度=3.4 Pa・s、ケン化価=約49)等が挙げられ、メタクリル化ポリブタジエンとして、Ricon Resins INC.製の商標「RIACRYL3100」(Mw=5100,メタクリロイル(オキシ)基の個数=2/分子鎖);同社製の商標「RIACRYL3500」(Mw=6800,メタクリロイル基の個数=9/分子鎖);同社製の商標「RIACRYL3801」(Mw=3200,メタクリロイル(オキシ)基の個数=8/分子鎖)等が挙げられる。
【0033】
アンダーコート組成物に好ましく配合される前記無機フィラーと前記高分子フィラーは、アンダーコート組成物のコスト低減のために好ましいが、同時に延性と強靱性を付与する効果も有する。無機フィラーとしては、クレー、シリカ、タルク、カーボンブラック等が挙げられる。クレーとしては、NANOCOR INC.社製のモンモリロナイトクレー(商標;「Nanomer PGW」、「Nanomer PGA」、「Nanomer PGV」、「Nanomer PGN」等)が市販されている。また高分子フィラーとしては、例えば、イソブチレンと無水マレイン酸との共重合物、変性ポリブタジエン、変性アクリロニトリルブタジエンコポリマー等が挙げられ、市販品としては、(株)クラレ製のイソブチレンと無水マレイン酸の共重合物(商標:「イソバン10」、「イソバン04」、「イソバン110」)や、宇部興産(株)製のアミン基変性アクリロニトリルブタジエンコポリマー(商標:「HYCAR ATBN 1300x16」)、カルボキシル基変性アクリロニトリルブタジエンコポリマー(商標:「HYCAR CTBN 1300x8」)等がある。
【0034】
アンダーコート組成物を紫外線照射により架橋硬化する場合は、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン(例えば日本化薬(株)製;商標「KAYACURE DETX−S」)や、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル(同社製;商標「KAYACURE DMBI」等の光開始剤を配合するのが好ましい。
さらに、硫黄(例えば軽井沢製作所製の粉末硫黄)、加硫促進剤(例えばメルカプトベンゾチアゾール(Flexys社製、商標「Perkacit MBT PDR−D」;ジサルファイド(AKZO社製、商標「Lucidol S−50」、又はパーオキシド等を適宜配合してもよい。
【0035】
さらに、アンダーコート組成物に、粘度調整剤(γ)として、紫外線又は放射線照射によりラジカル重合が可能な官能基を1又は2個有する化合物を必要に応じ配合することが好ましい。粘度調整剤(γ)は単官能又は2官能性の液状化合物が好ましい。このような化合物としては、(δ)分子内に1個又は2個のアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する化合物、特に、ポリオキシアルキレン誘導体が好ましい。単官能の化合物としては、例えば、フェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート(新中村化学工業(株)製;商標「AMP−60G」,商標「APG−400」),テトラヒドロフルフリルモノアクリレート(SARTOMER社製,商標「SR−285」),イソオクチルモノアクリレート(SARTOMER社製,商標「SR−440」)等が挙げられる。また、2官能の低分子化合物としては例えば、ポリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製,商標「APG−400」),ポリプロピレングリコールジメタクリレート(同社製,商標「9PG」)等が挙げられる。
【0036】
本発明の製造方法に用いられる活性エネルギー線架橋型接着剤組成物は、(A)重量平均分子量500〜100,000の共役ジエン系重合体及び(B)電子対供与性の塩基性化合物を含有する接着剤組成物であることが好ましい。共役ジエン系重合体(A)の重量平均分子量が500以上であると架橋硬化後接着剤組成物の硬度が高過ぎないので好ましく、100,000以下であれば接着強度が高くなり好ましい。
【0037】
(A)成分としての共役ジエン系重合体は、前記アンダーコート組成物において用いられる共役ジエン系重合体と同様のものが好適に用いられる。
さらに、共役ジエン系重合体(A)の末端又は主鎖にラジカル重合性の不飽和二重結合を有する官能基を導入した変性重合体も前記アンダーコート組成物と同様に用いることができる。
【0038】
(B)成分の、電子対供与性の塩基性化合物は、不対電子を有する窒素原子を含む化合物、又は不対電子を有する構造を含む化合物を熱分解により生成する化合物であることが好ましい。不対電子を有する窒素原子を含む化合物の例としては、(a)芳香族アミン、(b)アルデヒドアミン、(c)グアニジン類、(d)チオ尿素酸類、(e)複素環系アミン、(f)脂肪族アミン残基又は複素環系アミン残基を含みかつ炭素−炭素二重結合を有する重合性モノマー等のアミン化合物を挙げることができる。
【0039】
芳香族アミン(a)としては、アニリン、m−フェニレンジアミン又は2,4−トルイレンジアミン等のアミノ基含有芳香族化合物が挙げられる。アルデヒドアミン(b)としては、n−ブチルアルデヒドアニリン等が挙げられる。グアニジン類(c)としては、ジフェニルグアニジン又はジオルトトリルグアニジン等が挙げられる。チオ尿酸類(d)としては、チオカルバニリド、ジエチルチオ尿素又はテトラメチルチオ尿素等が挙げられる。複素環系アミン(e)としては、ピリジン又は2−メチルイミダゾール等の窒素含有複素環を有する化合物が挙げられる。
【0040】
重合性モノマー(f)としては、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、m−(N,N−ジメチルアミノ)スチレン、p−(N,N−ジメチルアミノ)スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−n−オクチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、1−ビニルイミダゾール、アリルアミン、2,5−ジスチリルピリジン、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニル−2H−インダゾール、4−ジイソプロピルアミノ−1−ブテン、トランス−2−ブテン−1,4−ジアミン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4−メチル−5−ビニルチアゾール、N−ビニルホルムアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン及びN,N−ジエチルアクリルアミド等からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
【0041】
上記の化合物に加えて、(g)脂肪族アミン、及び(h)上記(a)〜(g)以外のアミン化合物も不対電子を有する窒素原子を含む化合物として用いることができる。脂肪族アミン(g)としては、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;エチレンジアミン等のジアミン類;又はポリエチレンポリアミン等の高分子アミン等が挙げられる。上記アミン化合物(h)としては、一級又は二級アミノ基をアクリル化、メタクリル化等により置換した置換アミン化合物が挙げられる。
【0042】
不対電子を有する構造を含む化合物を熱分解により生成する化合物としては、公知の加硫促進剤が好ましい。例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド等のジスルフィド化合物が挙げられる。なお、不対電子を有する構造を含む化合物を熱分解により生成する化合物は、接着のための加硫処理時に、加硫温度である130〜180℃で分解するのが好ましい。
【0043】
電子対供与性の塩基性化合物(B)の配合量は塩基の電子対供与性により異なるが、共役ジエン系重合体(A)100質量部あたり、0.2〜80質量部含有することが好ましい。
【0044】
前記接着剤組成物は、更に(C)紫外線又は放射線照射により架橋可能な官能基を1分子中に3個以上有する化合物及び/又は(D)紫外線又は放射線照射によりラジカル重合が可能な官能基を1又は2個有する化合物を含有していることが好ましい。(A)成分100質量部に対して(C)成分は5〜80質量部含有することが好ましく、(D)成分は2〜60質量部含有することが好ましい。
【0045】
接着剤組成物を紫外線照射により架橋硬化する場合は、アンダーコート組成物に用いられる上述の光開始剤を、(A)成分100質量部に対して、0.1〜10質量部配合するのが好ましい。
さらに、硫黄(例えば軽井沢製作所製の粉末硫黄)、加硫促進剤(例えばメルカプトベンゾチアゾール(Flexys社製、商標「Perkacit MBT PDR−D」;ジサルファイド(AKZO社製、商標「Lucidol S−50」、又はパーオキシド等を、(A)成分100質量部に対して、それぞれ0.1〜5質量部配合しても良い。
【0046】
(C)成分は、紫外線又は放射線照射により架橋可能な官能基を1分子中に3個以上、通常3〜8個有する化合物である。かかる化合物としては、上記(β)成分、即ち、化合物分子中に3個以上のアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、及び/又は前記式(IV)で表される官能基を有する化合物が好ましい。
また、化合物(C)として、アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基で変性されたノボラック型フェノール樹脂を用いることができる。
【0047】
(D)成分としては、前記粘度調整剤(γ)が好適に用いられる。(D)成分として、(δ)分子内に1個又は2個のアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましく、これらの内、ポリオキシアルキレン誘導体が特に好ましい。
【0048】
接着剤組成物は、更に加工の必要に応じて、ラジカル反応性を有する低粘度液体を適宜混合することができる。
また、前記接着剤組成物は、エポキシ化合物、無機フィラー及び高分子フィラーからなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤を、(A)成分100質量部に対して、合計で5〜40質量部含有することができる。
無機フィラー、高分子フィラーとしては、上述のフィラーが好適に用いられる。
【実施例】
【0049】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、硬化後の接着剤組成物の表面エネルギー、接着剤組成物硬化後の撚りコードをゴム組成物に埋設し加硫した後の撚りコード−ゴム複合体のコード引張試験は以下の方法で評価した。
<表面エネルギー (mJ/m2)>
表面エネルギー判定試薬(アルコテスト社製テストインク)により測定した。
<撚りコード−ゴム複合体のコード引張試験>
ポリエステル撚りコード−ゴム複合体から撚りコードを掘り起こし、30mm/分の速度でコードを複合体から剥離させ、剥離後のコード表面積に対する被覆ゴムの面積率を測定し、下記の基準に従いゴム付着のランク付けを行った。
ゴム付のランク ゴム付着率 剥離後のコードの状態
A+ − コードが切れている
A 100−80% コードが切れていない
B 80未満−60% コードが切れていない
C 60未満−40% コードが切れていない
D 40未満−20% コードが切れていない
E 20未満−0% コードが切れていない
【0050】
製造例1(電子対供与性の塩基性化合物{(メタ)アクリレート系重合性モノマー}の合成)
コンデンサーを付した500mlの丸底フラスコに溶媒としてトルエン250gを入れ、4−ヒドロキシメチルピリジン(東京化成工業社製)0.005gを溶解させた。続いて2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製、商品名:カレンズAOI)142.3gを加えた。スターラー付ウオーターバス中で加熱撹拌(65℃にて1.5hr)を行った。冷却後、減圧蒸留によりトルエンを除去することで、目的の電子対供与性の塩基性化合物を239.7g得た。
【0051】
製造例2(アンダーコート組成物の調製)
表1に示す配合処方により、アンダーコート組成物を調製した。表1中には、商標名を記載した。
【0052】
【表1】

(注)
*1:エポキシノボラックアクリレート
*2:イソボルニルアクリレート
*3:フェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート
*4:ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート
*5:EO変性ビスフェノールFジアクリレート
*6:ペンタエリスリトールポリエトキシアクリレート
*7:2,4−ジエチルチオキサントン
【0053】
製造例3(活性エネルギー線架橋型接着剤組成物の調製)
表2に示す配合処方により、活性エネルギー線架橋型接着剤組成物を調製した。表2中には、商標名を記載した。
【0054】
【表2】

(注)
*1:ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート
*2:ペンタエリスリトールポリエトキシアクリレート
*3:2,4−ジエチルチオキサントン
【0055】
製造例4(撚りコード−ゴム複合体用ゴム組成物の調製)
表3に示す配合処方により、撚りコード−ゴム複合体の調製に用いるゴム組成物を調製した。
【0056】
【表3】

(注)
*1:N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン
*2:N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
*3:ジフェニルグアニジン
【0057】
実施例1
撚り構造が1500d/2, 下撚り数が39回/10cm、上撚り数が39回/10cmのポリエチレンテレフタレート製タイヤ用撚りコードを調製した。
この撚りコードを表1に示す組成のアンダーコート組成物に浸漬し、スクイーズロールを通過させて過剰のアンダーコート組成物を除いた。続いて、連続工程により、8m/分のコード速度で紫外線照射装置の光硬化ゾーンを通過させアンダーコート層を紫外線照射(1000mJ/cm2)した。
アンダーコート層の塗布及び硬化の後、図1に示すプラズマ表面処理装置10によりアンダーコート層のプラズマ表面処理を行った。
次に、表2に示す組成の活性エネルギー線架橋型接着剤組成物に浸漬し、スクイーズロールを通過させて過剰の接着剤組成物を除いた。次いで、8m/分のコード速度で紫外線照射装置の光硬化ゾーンを通過させ接着剤組成物層を紫外線照射(1000mJ/cm2)した。
このようにして得られた接着剤処理ポリエステル撚りコードの表面エネルギーを測定すると共に、接着剤処理ポリエステル撚りコードを表3に示した配合組成の厚さ2.3mmの未加硫ゴム組成物に埋め込み、圧力2MPa、温度160℃で20分間加硫し、ポリエステル撚りコード−ゴム複合体を得た。この撚りコード−ゴム複合体をコード引張試験して、ゴム付着のランク付けを行った。結果を表4に示す。
【0058】
比較例1
アンダーコート層のプラズマ表面処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして接着剤処理ポリエステル撚りコードを得た。このようにして得られた接着剤処理ポリエステル撚りコードの表面エネルギーを測定すると共に、実施例1と同様にしてポリエステル撚りコード−ゴム複合体を得た。この撚りコード−ゴム複合体をコード引張試験して、ゴム付着のランク付けを行った。結果を表4に示す。
【0059】
【表4】

【0060】
表4から明らかなように、本発明の製造方法により得られた実施例1の撚りコードは、比較例1の撚りコードと比較して、プラズマ処理により表面エネルギーが増加し、その結果濡れ性が向上し、塗布状態が良好となった。両者の接着剤塗布状態を観察した所、比較例1の撚りコードの表面は接着剤塗布層がまばらであったのに対し、実施例1の撚りコードの表面は接着剤塗布層が均一に良好に形成されていた。
また、これにより、比較例1の撚りコード−ゴム複合体と比較して、実施例1の撚りコード−ゴム複合体のゴム付着性が良好となり、撚りコード−ゴム接着性が大幅に向上した。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明のタイヤコードの製造方法は、撚りコードとタイヤのゴム部材との接着性を大幅に高めることができるので、タイヤ用撚りコードの製造方法としてタイヤ産業において好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は本発明のタイヤコードの製造方法に用いられるプラズマ表面処理装置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0063】
1 硬化したアンダーコート組成物で被覆された撚りコード
10 プラズマ表面処理装置
11 ノズル口
12 プラズマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撚りコードにアンダーコート組成物と活性エネルギー線架橋型接着剤組成物とを塗布するタイヤコードの製造方法であって、該撚りコードに該アンダーコート組成物を塗布する工程[1]と、該撚りコードに塗布した該アンダーコート組成物を硬化する工程[2]と、硬化した該アンダーコート組成物にプラズマ照射する工程[3]と、プラズマ照射後の該撚りコードに該接着剤組成物を塗布する工程[4]と、該接着剤組成物を硬化する工程[5]とを含むことを特徴とするタイヤコードの製造方法。
【請求項2】
前記アンダーコート組成物が、(α)ビスフェノール骨格を有する化合物100質量部に対して、(β)分子内に3個以上のアクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有する化合物を5〜200質量部含むことを特徴とする請求項1に記載のタイヤコードの製造方法。
【請求項3】
前記接着剤組成物が、(A)重量平均分子量500〜100,000の共役ジエン系重合体及び(B)電子対供与性の塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤコードの製造方法。
【請求項4】
前記接着剤組成物が、前記電子対供与性の塩基性化合物(B)を、前記共役ジエン系重合体(A)100質量部に対して、0.2〜80質量部含有することを特徴とする請求項3に記載のタイヤコードの製造方法。
【請求項5】
前記接着剤組成物が、(C)紫外線又は放射線照射により架橋可能な官能基を1分子中に3個以上有する化合物及び/又は(D)紫外線又は放射線照射によりラジカル重合が可能な官能基を1又は2個有する化合物を更に含有することを特徴とする請求項3又は4に記載のタイヤコードの製造方法。
【請求項6】
前記共役ジエン系重合体(A)の末端基が、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基又はアリル基であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のタイヤコードの製造方法。
【請求項7】
前記共役ジエン系重合体(A)の末端基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項6に記載のタイヤコードの製造方法。
【請求項8】
前記電子対供与性の塩基性化合物(B)が、不対電子を有する窒素原子を含む化合物、又は不対電子を有する構造を含む化合物を熱分解により生成する化合物であることを特徴とする請求項4に記載のタイヤコードの製造方法。
【請求項9】
前記不対電子を有する窒素原子を含む化合物が、アミン化合物であることを特徴とする請求項8に記載のタイヤコードの製造方法。
【請求項10】
前記撚りコードがポリエステル繊維からなる請求項1〜9のいずれかに記載のタイヤコードの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−191395(P2009−191395A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32206(P2008−32206)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】