説明

タイヤトレッド面に硬質物質を入れる方法

本発明は、ゴム混合物がグラニュール形態で硬質物質粒子と混合されて硬質物質粒子を含むトレッド帯材に加工される、タイヤトレッド面を製造する方法を提供するものである。このトレッド帯材がタイヤ下部構造へ載置され、そのようにして得られたタイヤ半製品が加硫プレス機でプレスされ、その際に溝が刻まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の主要部に記載された硬質物質粒子を含んでいるタイヤトレッド面を製造する方法、および、このようなタイヤトレッド面を製造する装置、ならびに、特に自動車、航空機、およびたとえばフォークリフト等の産業用車両のための硬質物質粒子を含んでいるタイヤトレッド面を備えるタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用ゴムタイヤの通常の製造の要諦は、たとえば軟化剤、エージング防止剤、光安定剤のような種々の化学品、充填剤とカーボンブラック、ならびに異なるゴム種を含むことができるゴム混合物を、ベルト射出成形設備で押出成形してゴムベルトにすることにある。引き続いて、サイドウォール、トレッド面、またはゴムを備えるその他のタイヤ部分として利用するために、このベルトがさらに加工される。
【0003】
ゴムタイヤは、空気タイヤまたはソリッドタイヤとして利用される。この両方のタイヤ型式は、タイヤ構造の点で基本的に区別されてはいるものの、どちらのタイヤ型式も共通の特徴として、通常は溝が刻まれた同等のタイヤトレッド面を有している。タイヤトレッド面の耐久性は、通常、空気タイヤについてもソリッドタイヤについても、タイヤの耐用寿命を規定する。
【0004】
ソリッドタイヤの場合にも空気タイヤの場合にも、タイヤ下部構造へのタイヤトレッド面の被覆は、多くの場合、タイヤの製造時における最後から1つ前のステップである。その前に空気タイヤでは、ゴム被覆されたワイヤリングからなるビードの回りに巻かれた繊維下部構造、いわゆるカーカスに、ゴム引きされたスチールコードベルト層が被せられ、引き続いて、後にトレッド面となる部分がその上に装着される。次いで、溝が刻まれていないこのタイヤ半製品がタイヤプレス機において約175℃で加硫され、そのとき同時に溝が刻まれる。ソリッドタイヤの製造では、コアまたはタイヤベースの上に中間層が載置され、そしてその上にトレッド面が装着される。このタイヤ半製品も同じく熱圧プレス機で加硫され、そのときにやはり溝が刻まれる。
【0005】
タイヤトレッド面を装着するためのトレッド帯材は、一般に、押出成形法によって製作される。こうして得られたベルト材が、押出成形後にタイヤ下部構造へ装着されて、タイヤのすべての構成要素がしっかり押し合わされてタイヤ半製品となり、次いでこれが熱圧プレス機で加硫される。
【0006】
タイヤの耐用寿命を延ばすために、タイヤのトレッド面を更新する方法が開発されている。磨り減ったタイヤをリトレッドするときには、古いトレッド面が機械で粗面化され、または剥ぎとられ、新しいトレッド面が載置され、引き続いて通常の仕方で加硫される。トレッド面に耐磨耗性の粒子を入れることで、トレッド面の耐用寿命そのものを延ばすことが試みられている。
【0007】
この両方の方法の組み合わせが特許文献1に記載されている。その場合、押出成形されたゴムトレッド面のベルト材が予備処理されたタイヤ下部構造へ巻きつけられている間に、押出成形されたゴムトレッド面のベルト材の表面の一部に、硬質物質グラニュールが散布される。硬質物質グラニュールの供給装置は、押出機の出口部とタイヤ下部構造の間にあり、それにより、トレッド面が巻きつけられるのに伴なって硬質物質グラニュールがトレッド面へ巻き込まれ、引き続いて、タイヤの加硫の際にしっかり取り込まれるようになっている。
【0008】
この方法は、押出成形の前からすでに硬質物質粒子がゴム混合物に混合される旧来の手法に比べて、押出機での磨減が回避されるという利点を有しているものの、特許文献1に記載されている手法では、トレッド面における硬質物質グラニュールの均等な分散を実現するのが難しい。そのためには、ベルトの速度をグラニュール供給にきわめて厳密に合わせなくてはならないからである。この方法のさらに別の欠点は、比較的細いトレッド帯材へ硬質物質グラニュールを散布する際に、グラニュールが横へ落下することによって大きな収量損失が生じることにある。そのうえ、硬質物質グラニュールを散布するときに均一な分布を実現できるようにするためには、タイヤ下部構造へ薄いトレッド面帯材を巻きつける作業に比較的長い時間をかけざるをえず、このことは、ひいては方法そのものの低い生産性につながる。
【0009】
このように、タイヤの耐用寿命を簡単かつ効率的な仕方で延ばすための方法を求める需要が依然として存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0961696B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって本発明の課題は、従来技術の欠点を有しておらず、タイヤ製造時の生産性を落とすことなく、タイヤトレッド面における硬質物質粒子の均一な分布を実現することが可能となる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、請求項1の構成要件を備える方法によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0013】
本発明の方法を具体化することができる装置を提供することも、本発明の課題である。
【0014】
この課題は、請求項20の構成要件を備える装置によって解決される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】空気タイヤを示す断面図である。
【図2】トレッド帯材を示す平面図である。
【図3】トレッド面を製造する装置を示す模式図である。
【図4】ソリッドタイヤを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
タイヤトレッド面で硬質物質粒子を均一に分散させる方法を探究するにあたって、グラニュール形態のゴム混合物に硬質物質粒子を混合し、引き続いてこの混合物をプレスしてトレッド帯材にすることで、硬質物質粒子が的確に配分されたトレッド帯材を得ることができ、引き続き、このトレッド帯材をタイヤ下部構造に載置して熱圧プレス機でさらに処理することで、トレッド面に均一に分散された硬質物質粒子の入ったゴムタイヤに加工することができることが見出された。この方法は、スチールコードベルトで覆われたカーカスをタイヤ下部構造として備えている空気タイヤだけでなく、たとえばスチールケーブルで補強された硬質ゴムからなるコアを有するソリッドタイヤにも適用することができる。
【0017】
トレッド帯材の通常の製造方法との決定的な違いは、本発明では、強制ミキサを使用することなく、たとえば自由落下ミキサで比較的大きい硬質物質粒子とでも問題なく均一に混ぜることができる粉末の形態で、ゴム混合物がグラニュールとして用いられるのに対して、通常の粘弾性的なゴム混合物は混練機のなかで高い温度で加工され、引き続いて押出成形されるという点にある。硬質物質、特に平均粒度が0.05mmから3mmの比較的大粒の硬質物質を入れることは、従来式の方法では混練機および押出機での厖大な摩耗につながり、たとえば短時間のうちに特に押出機の押出ダイが損傷することになり、そのため、確実な生産のために必要な寸法安定性を確保することができなくなる。
【0018】
グラニュール製造そのものは、ゴム素材を破砕(粗研削)ないし粉砕(カッティングミル)し、引き続いて粉末状のグラニュールとして準備するという追加の作業ステップを必要とする。この作業のためにゴムの弾性が引き下げられ、ゴムのガラス転移温度の下側または近傍の温度範囲で作業が行われるのが好ましい。
【0019】
グラニュール製造をする別の方法の要諦は、ゴム素材を繊維の形態で押出成形し、引き続いて、回転式のカッティングミルを用いて粉砕することにある。この場合にも、素材を粉砕前に冷却するのが好都合である。
【0020】
こうして製作された粉末状のグラニュールにより、均一なゴム/硬質物質混合物を製作することが可能であり、その場合、これを押出機で連続的に押出成形してトレッド帯材することはもはやできず、たとえば静圧プレス機によって不連続的にさらに加工しなくてはならない。
【0021】
本発明の1つの好ましい実施形態では、たとえば相上下して層をなすようにプレスされた、硬質物質粒子とゴムグラニュールからなる異なる混合物が用いられる。1つまたは複数の混合物のプレスは、所望のトレッド帯材の寸法を有するプレス金型のなかで行われるのが好ましい。このときプレス金型は、ゴムグラニュールと硬質物質からなる組成の異なる複数の層で充填され、あるいは純粋なゴムグラニュールからなる中間層も含めて充填されるのが好ましく、引き続いてこれらの層がプレスされてトレッド帯材となる。この構成では、1つの層の内部で混合状態を変えて、たとえば、1つの層の内部で粒子サイズがトレッド面の外側領域から中心部へと変化するように、硬質物質粒子を分布させることも可能である。入っている粒子の量を1つの層の内部で変えることも同様に可能である。
【0022】
1つの好ましい実施形態ではゴムグラニュールの硬度が変えられ、それによってタイヤの特性を的確に調整することができる。たとえば硬質物質粒子と直接接するところに硬質のゴムを使用することで、圧縮応力、引張応力、およびせん断応力による機械的負荷を軟質のベースゴムの領域へほとんど移すことができ、それによって粒子の全体的な付着性が改善される。
【0023】
各層のプレスは室温から加硫温度以下までの温度領域で、真空のもとで行われるのが好ましい。
【0024】
しかしながらプレス金型に代えて、本発明の方法では、ゴムグラニュールと硬質物質粒子からなる混合物をローラによってトレッド帯材に加工することもでき、次いでこのトレッド帯材が本発明に基づいてタイヤ下部構造へ装着され、引き続いて熱圧プレス機で加硫される。この別案は生産性がいっそう向上するという利点を有しているが、このやり方では、トレッド面における硬質物質粒子の的確な異なる分布を、前述した実施形態と同じように実現することはできない。摩擦による摩耗からローラを保護するために、たとえばセラミックローラを用いるのが好ましい。ローラの間でプレスすることによるトレッド帯材の製造も、30(℃)から加硫温度(約120℃)の間の温度で実施するのが好ましい。ローラでのプレスによって製作されるトレッドベルトは、プレス工程の後に仕立てられて適当なトレッド帯材となる。
【0025】
本発明のさらに別の好ましい実施形態の要諦は、複数のトレッド帯材が相上下して、または小型のトレッド帯材を製造する場合には相並んで、もしくはオフセットして配置された状態で、タイヤ下部構造の上に載置されことにある。このようにしてトレッド面を構造化することができ、また、さらに別の変形例の可能性は、たとえば異なる粒子が入っているトレッド帯材、あるいはゴム硬度の異なっているトレッド帯材を使用することにある。
【0026】
硬質物質粒子として、本発明では酸化物、炭化物、窒化物、珪化物、および/または硼化物を使用することができる。好ましい実施形態は、コランダムまたはシリコンカーバイドを使用することを意図している。使用する硬質物質粒子の平均粒度は0.05mmから3mmの間であり、好ましくは0.5mmから2mmの間であり、モース硬度は少なくとも7であるのが好ましい。
【0027】
使用する硬質物質粒子は、トレッド面で使用したときに時間の経過とともに離れていく可能性のある摩擦物質なので、硬質物質粒子が実質的に円形の粒形状を有していると格別に好ましい。これに加えて、ゴムグラニュールと混合する前に硬質物質へ塗布される付着促進剤を使用することで、ゴム母材における硬質物質粒子の付着性をいっそう改善することができる。そのために、ゴム産業でこの目的のための関連で知られているあらゆる付着促進剤を使用することができる。
【0028】
ゴムグラニュールの平均粒度が硬質物質粒子の平均粒度の3倍よりも小さく、または最大で3倍であると、原料混合物における硬質物質粒子の均一な分布が格別に好都合になることが判明している。
【0029】
できるだけ均一で凝集のない硬質物質粒子の分布をゴム混合物で得るために、本発明の1つの好ましい実施形態は、ゴムグラニュールの平均の粒子サイズが硬質物質粒子の平均の粒子サイズの6分の1から最大1倍であることを意図している。この単純な方策を、さらに後で説明する容積比率と組み合わせることで、比較的重く反応性のない硬質物質粒子を離散した粒子として、後続するプレスと加硫でモノリシックな統一体を生じさせる比較的軽い反応性のゴム粒子と、強制することなく混ぜ合わせることができる。
【0030】
通常、混合物で使用されるゴムグラニュールは、充填物質、カーボンブラック、軟化剤、エージング防止剤、光安定剤、ならびにタイヤ製造のために有利なその他の化学品を追加的に含んでいる。混合物で使用する硬質物質の量は限られており、トレッド帯材の総容積を基準として3から50容量%、特に8から30容量%であるのが好ましい。プレス後にトレッド帯材の厚みが約1から20mm、好ましくは約10mmを有するように、混合物の量が製造のときに選択される。
【0031】
ゴムグラニュールと硬質物質粒子からなる混合物で充填された少なくとも1つの備蓄・装填容器で実質的に構成される、タイヤトレッド面を製造する装置も本発明の対象である。プレス金型が装填容器の出口部の下へ案内され、ゴムグラニュールと硬質物質粒子からなる混合物の少なくとも1つの層で充填される。混合物がプレス金型のなかで所要の充填高さに達するとただちに、プレス金型が押込プラグの下へ案内され、ゴムグラニュール・硬質物質混合物がプレスされてタイヤトレッド面となる。プレス機の1つの好ましい実施形態は、トレッド面のプレスが真空中で行われることを意図している。別の好ましい実施形態では、トレッド面は加硫温度を下回る温度で、すなわち30から120℃でプレスされる。
【0032】
次に、図面を参照しながら本発明の方法について詳しく説明する。
【0033】
図1には、ビード12の回りに位置し、タイヤ内部に向かって気密のゴム層6を有するカーカス5で構成された空気タイヤ1の断面図が示されている。カーカス5はスチールコードベルト4で覆われており、その上にトレッド面2が配置されている。トレッド面2の全体には、溝3を超えてサイドゴム7にまで、硬質物質粒子が添加されている。図1に示す実施形態では、タイヤ1の外側領域には粗い硬質物質粒子が入っており、それに対してトレッド面2の中心領域には細かい硬質物質粒子が設けられている。それにより、たとえば通常は強い摩耗をうけるトレッド面2の縁部領域を、そこに粗い粒子を入れることによって追加的に保護することができ、さらにこの粒子は、トレッド面の容積を基準としたときに、タイヤトレッド面の中央領域にある細かい粒子よりも高い割合を占めている。
【0034】
このように異なる大きさの粒子でタイヤトレッド面が覆われていることは、図2のタイヤトレッド面2の一部の平面図を見ると特に明らかにわかる。
【0035】
図3は、本発明によるトレッド面2を製造する装置の模式図を示している。この場合、プレス金型13が装填容器15の下方でスライド可能なように配置されている。装填容器15には異なる原料混合物16、17が充填されており、出口18を介してこれをプレス金型13へ層ごとに注ぐことができる。図3に示す実施形態では、プレス金型は、ベースゴム混合物17とゴム・硬質物質混合物16とで交互に充填されている。このとき両方の外側の層はベースゴム混合物によって形成されており、その後にそれぞれゴム・硬質物質混合物16が続いており、さらにこれがベースゴム混合物17を取り囲んでいる。充填が完了したプレス金型13は押込プラグ14の下へとスライドし、この押込プラグによってタイヤトレッド面2がプレスされる。プレスは真空で温度を高くして行われるのが好ましいが、この純粋に模式的な図面ではその様子を見ることはできない。
【0036】
図4は、スチールケーブルで補強された硬質ゴムからなるタイヤコア21と、軟質で弾性的なゴムからなる中間層20とで構成されたタイヤ下部構造が、比較的粗い硬質物質粒子を入れて溝の刻まれたトレッド面2で覆われているソリッドタイヤ1の断面図を示している。産業用タイヤの製造またはリトレッドのために硬質物質を含むトレッド面を使用することは、本発明の方法の好ましい適用分野の1つであり、本発明の方法はソリッドタイヤにも空気タイヤにも適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 タイヤ
2 トレッド面
3 溝
4 スチールコードベルト
5 繊維下部構造(カーカス)
6 気密のゴム層
7 サイドゴム
8 バルブ
9 リム
10 リムショルダ
11 リムフランジ
12 ビード
13 プレス金型
14 押込プラグ
15 装填容器
16 ゴム硬質物質混合物
17 ベースゴム混合物
18 出口
19 スチールケーブル
20 中間層
21 コア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質物質粒子を含んでいるタイヤトレッド面(2)、特にゴムタイヤ(1)のトレッド面(2)を製造する方法であって、
a)硬質物質粒子を含んでいるゴムベースのトレッド帯材を製作するステップと、
b)少なくとも1つの前記トレッド帯材をタイヤ下部構造の上に載置してタイヤ半製品を得るステップと、
c)前記タイヤ半製品を加硫プレス機で加硫するステップと、
を有し、
前記トレッド帯材を製作するためにゴム混合物がグラニュール形態で硬質物質粒子と混合され、このゴムグラニュール/硬質物質混合物(16)が引き続いてプレスされてトレッド帯材となることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ゴムタイヤ(1)は空気タイヤであり、前記タイヤ下部構造はスチールコードベルト(4)で覆われたカーカス(5)を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ゴムタイヤ(1)はソリッドタイヤであり、前記タイヤ下部構造はソリッドタイヤのコア(21)を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのゴムグラニュール/硬質物質混合物のプレスは所望のトレッド帯材の寸法を有するプレス金型(13)で行われることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記プレス金型(13)はゴムグラニュールと硬質物質および/または純粋なゴムグラニュールからなる異なる組成の複数の層で充填され、引き続いて前記層がプレスされてトレッド帯材となることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
硬質物質の分布、硬質物質のタイプ、硬質物質の粒子サイズ、および硬質物質の量はトレッド面層の内部で的確に調整されて変えられることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記プレスは真空のもとで行われることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記プレスはローラによって行われ、その際にトレッドベルト材が得られ、引き続いてこれが仕立てられて適当なトレッド帯材となることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記プレスは室温から加硫温度以下までの温度で行われることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
タイヤ半製品を製作するために複数のトレッド帯材が相上下して、および/または相並んでタイヤ下部構造の上に載置されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
硬質物質粒子として酸化物、炭化物、窒化物、珪化物、硼化物、特にコランダムとシリコンカーバイドが用いられることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
硬質物質粒子は0.05mmから3mmの間、好ましくは0.5mmから2mmの間の平均粒度を有していることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
硬質物質は少なくとも7モース硬度を有していることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
硬質物質粒子は実質的に円形の粒形状を有していることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
硬質物質粒子は付着促進剤で被覆されていることを特徴とする、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
ゴムグラニュールの平均の粒子サイズは硬質物質粒子の平均粒度よりも小さく、または最大で3倍の値を有しており、好ましくは硬質物質粒子の平均粒度を下回っていることを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
ゴム混合物は充填物質、カーボンブラック、軟化剤、エージング防止剤、光安定剤、ならびにタイヤ製造にとって好ましいその他の化学品を含んでいることを特徴とする、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
トレッド帯材は、トレッド帯材の総容積を基準として3から50%、好ましくは8から30%の硬質物質の容積割合を有していることを特徴とする、請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
トレッド帯材は1から20mm、好ましくは10mmの厚みを有していることを特徴とする、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
請求項1から7および9から19のいずれか1項に記載のタイヤトレッド面(2)を製造する装置であって、
プレス金型(13)が少なくとも1つの備蓄・装填容器(15)の出口(18)の下へ案内され、
そのときに少なくとも1つのゴムグラニュール/硬質物質混合物(16)で充填され、
引き続いてゴムグラニュールと硬質物質粒子からなる層がプレス機でプレスされてトレッド帯材となる装置。
【請求項21】
特に自動車、航空機、ならびにたとえばフォークリフト等の産業用車両のための、請求項1から19のいずれか1項に記載のタイヤトレッド面(2)を備えているタイヤ(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−501377(P2010−501377A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525972(P2009−525972)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007542
【国際公開番号】WO2008/025530
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(507414605)センター フォー アブレイシブズ アンド リフラクトリーズ リサーチ アンド ディベロップメント シー.エー.アール.アール.ディー. ゲーエムベーハー (6)
【氏名又は名称原語表記】CENTER FOR ABRASIVES AND REFRACTORIES RESEARCH & DEVELOPMENT C.A.R.R.D. GMBH
【住所又は居所原語表記】Seebacher Allee 64,A−9524 Villach (AT)
【Fターム(参考)】