説明

タイヤ加硫用ブラダー

【課題】近年、車両の高速化に伴い操縦安定性の良い偏平率の小さなタイヤが増加しているが、これらのタイヤでは、加硫時のブラダーとの間のエアーの抜け方が変化し、従来の方法ではエアー残留による加硫故障が増加するようになった。
【解決手段】加硫ブラダー表面に設けるエアー抜き用の溝深さを、トレッドセンターからビード部へ向かうにつれ徐々に浅くする。即ち、直線的に、或いは緩やかな曲線を描いて浅くする。または、トレッド部、ショルダー部、サイドウォール部、ビード部などと部位別に段階的に浅くする。ブラダー表面の溝構成は、トレッドセンターに対して互いに交差する主溝と、主溝により区分される陸部に、細幅の溝からなるマイクログルーブまたはペブル模様により副溝を設け、ビード部の溝深さをトレッド部の溝深さの10%〜80%の範囲とする。但し、ビード部の溝深さは少なくとも0.1mm以上とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤを金型で加硫する際に未加硫タイヤの内側で膨張して未加硫タイヤを金型面に押し付けて加硫するタイヤ加硫用ブラダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤの加硫工程では、未加硫タイヤとタイヤ加硫用ブラダーの間にエアーが残留すると外観不良などの加硫故障が発生する。その為、未加硫タイヤの内面に接触するブラダーの外周面にエアー抜き用の溝を設けてエアーを排出するようにしている。
【0003】
通常、エアー抜き用溝は一定の溝幅と一定の溝深さで、ブラダーの外周面方向に所定の間隔で配置される。
特開2009−143169(特許文献1)は、加硫直後のタイヤとブラダーの離型性を改良することを目的に、互いに交差する溝を設けるもので、マイクログルーブとペブル模様の溝構成例が記載されている。特開2002−137227(特許文献2)は、インナーライナー用の非常に薄いシート部材を用いた未加硫タイヤを加硫する場合に、その薄いシートゲージを確保できるように傾斜溝とランダムな網目状溝(ペブル模様)を配置するとしたもので、また、これらの溝深さを部位によって適宜変更するとしたものである。特開2009−126019(特許文献3)は、ブラダーの溝の幅と深さを徐々に変更するもので、トレッド部当接部位よりビード部当接部位の溝深さを深くするものである。特開2005−246862(特許文献4)は、トレッド部当接部位のブラダーの溝については溝幅を溝深さより広くし、ビード部当接部位では溝幅を溝深さ以下に狭くするものである。特開2007−083656(特許文献5)は、タイヤ径方向のブラダー溝をビード部付近に当接する部位では横断面積を他の部位よりも大きくするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−143169
【特許文献2】特開2002−137227
【特許文献3】特開2009−126019
【特許文献4】特開2005−246862
【特許文献5】特開2007−083656
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の、未加硫タイヤとタイヤ加硫用ブラダー間のエアー残留に対するブラダー表面溝の改良方法は前述のようなものであったが、近年は、車両の高速化につれ、操縦安定性に優れた偏平比率の小さなタイヤが増加し、これらのタイヤでは、加硫時のエアー残留の状況が変わってきている。即ち、近年増加している偏平比率の小さなタイヤでは、従来タイヤに比べて、タイヤ断面高さH(ビード部からトレッドまでの距離)が小さくなる一方でタイヤ断面幅W(タイヤ断面の最大幅)が大きくなる。その結果、加硫時に未加硫タイヤと加硫ブラダーが接触する面積は、ビード部やサイドウォール当接部は減少する方向であるのに対しトレッド当接部では大きくなる。その為、従来は比較的エアー残留の問題が少なかったトレッド当接部での故障が増加するようになった。
【0006】
加硫時、加硫ブラダーを膨張させると、加硫ブラダーは初めにトレッドセンター部とビード部に接触し、最後にショルダー部と接触するが、未加硫タイヤと加硫ブラダー間のエアーは、最終的にはビード部から排気する。ブラダーに設けられた溝部には未加硫タイヤのゴムが流れ込み、タイヤ内表面に凸状の突起を残して加硫が終了するが、加硫ブラダーのビード部は内圧が高い為ビード部の溝は潰れやすい。従って、加硫が終了するまでの間に、ショルダー部などに集積したエアーをビード部から抜き去る為には、ビード部の溝を深くしたり、溝部の断面積を大きくする方法が効果的であった。
しかし、偏平率が50%以下のタイヤでは、前述のようにタイヤ断面高さが小さくなった為、エアーがビード部を通って抜ける距離が短くなったのに対し、トレッド部は、加硫ブラダーとの当接面積が増加し、しかもタイヤ幅方向に対して平面に近い分、従来よりもエアー残留の問題が生じ易くなった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
未加硫タイヤに対する加硫ブラダーのショルダー部〜ビード部当接部においては、未加硫タイヤと加硫ブラダー間のエアーがビード部を通って排気される距離が短くなった分、これらの部位では従来よりも加硫ブラダーの溝深さを浅くしても問題が生じ難くなる一方で、トレッド当接部は接触面積が増加すると共に、その接触状況がタイヤ幅方向に対して平面に近いので問題が生じ易くなり、トレッド当接部位の溝深さは相対的に深くしてエアーを排気し易くする。但し、ビード部の溝深さは非伸張状態で0.1mmは必要である。
【0008】
前述の内容を実現する為には、エアー抜き用のブラダー外周面の溝の深さを、タイヤのトレッド部当接部位からビード部当接部位にかけて徐々に或いは段階的に浅くする。即ち、トレッドセンター部からビード部までの溝深さを直線的に浅くしたり、或いは指数関数的に浅くする。また、トレッド部、ショルダー部、サイドウォール部、ビード部と部位を区分して、段階的に浅くする。例えば、トレッド部を1.0mm、ショルダー部を0.7mm、サイドウォール部を0.5mm、ビード部を0.3mmとしたり、トレッド部を1.0mmのまま、その他の部位を0.5mmとするなど、段階的に浅くなればその組み合わせは任意である。
【0009】
本発明の溝構成として、タイヤのトレッドセンターに対して互いに交差する主溝を設ける。主溝は略直線状または緩やかな曲線に湾曲させたものを用いられる。また、主溝の角度はトレッドセンターに対して20°以上80°以下が望ましい。80°を超えるとブラダー本体とタイヤの貼り付きを防止する効果が減少し、20°未満ではエアーをビード部まで排気する距離が長くなる。尚、互いに交差する主溝はトレッドセンターに対し対称でも非対称でも良い。また、主溝の深さは大気圧状態のブラダー上若しくはブラダー金型上(非伸張状態)で0.2mm〜1.0mmである。主溝の深さが0.2mm未満であるとエアーを排気する効率が悪くなり、1.0mmを超えるとタイヤのインナーライナー部が流れ込む量が多くなり過ぎてインナーライナーのゲージが変わり、特にショルダー部などではゲージが薄くなる傾向があり、タイヤの空気透過性を変化させてしまう場合がある。
【0010】
副溝は、主溝が交差して形成する四辺形の中に設け、主溝と連通するように形成する。複数に分岐する細溝(マイクログルーブ)の場合、細溝の幅は主溝の10%〜50%とするのが望ましい。10%未満ではエアーの排気性が充分ではなく、50%を超えるとタイヤのインナーライナー部材が副溝に流れ込む量が多くなり、インナーライナーのゲージを均一にする上で好ましくない。また、副溝の深さは0.1mm〜0.3mmが良い。0.1mm未満ではエアーの排気性が充分ではなく、0.3mmを超えるとインナーライナー部材が副溝に流れ込む量が多くなり、インナーライナーのゲージを均一にする上で好ましくない。
【0011】
ペブル模様の場合は、深さを0.1mm〜0.3mmとする。0.1mm未満ではエアーの排気性が充分ではなく、0.3mmを超えるとタイヤのインナーライナー部材が副溝に流れ込む量が多くなり、インナーライナーのゲージを均一にする上で好ましくない。
これら主溝、副溝の幅や深さの寸法は、内圧が大気圧状態のブラダーまたはブラダー金型上で、非伸張状態にて、ノギス或いは光学顕微鏡や赤外線等を利用して測定する。
【0012】
内圧が大気圧状態のブラダーまたはブラダー金型上で測定した、トレッド当接部の主溝と副溝の深さに対して、同様に非伸張状態で測定したビード部の主溝及び/または副溝の深さを10%〜80%の範囲とする。10%未満では主溝を深くした場合、ショルダー当接部の溝が深くなり、インナーライナー部が溝へ流れ込む量が多くなり特にゲージ変動が大きいショルダー部でのインナーライナーのゲージが不均一になり易い。80%を超えるとビード部の溝深さが小さくなって、エアーを充分に排気できなくなるケースがある。
【発明の効果】
【0013】
本発明を用いることにより、此れまでの加硫ブラダーよりも未加硫タイヤとの間のエアー抜き性を改良でき、加硫用ブラダーの寿命も改良することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1はタイヤ加硫用ブラダーの側面図である。
【図2】図2は未加硫タイヤの形状に加硫ブラダーを膨張させた側面図である。
【図3】図3は本発明のブラダーの外周面の溝構成例(マイクログルーブ)である。
【図4】図4は本発明のブラダーの外周面の溝構成例(ペブル)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1(a)は、タイヤ加硫用ブラダーの側面図である。加硫金型へのクランプ部2と3、トレッド当接部4、サイドウォール当接部5、ビード当接部6を示す。図1(b)は、加硫用ブラダーのセンター部Xaからビード部Xbの部分を図示したもので、センター部の溝深さAは深いのに対して、ビード部の溝深さBが浅くなることを示す。
図2は未加硫タイヤ8の形状に加硫ブラダー1を膨張させた側面図である。ショルダー当接部は4と5の範囲で示される。トレッドセンター位置をCLで示す。
【0016】
本発明の第1の実施形態は、トレッドセンターCLからビード部6にかけて加硫ブラダーの溝深さを前述のように徐々にまたは段階的に浅くする。偏平比率の小さなタイヤでは、ショルダー部〜ビード部当接部においては、未加硫タイヤと加硫ブラダー間のエアーがビード部を通って排気される距離が短くなった分、これらの部位では従来よりも加硫ブラダーの溝深さを浅くしても問題が生じ難く、トレッド当接部は接触面積が増加すると共に、その接触状況がタイヤ幅方向に対して平面に近いので問題が生じ易くなった為、トレッド当接部位の溝深さを相対的に深くしてエアーを排気し易くする。但し、ビード部の溝深さは非伸張状態で0.1mmは必要である。
【0017】
実際の方法としては、トレッドセンター部からビード部までの溝深さを直線的に浅くしたり、或いは指数関数的に浅くする。また、トレッド部、ショルダー部、サイドウォール部、ビード部と部位を区分して、段階的に浅くする。例えば、トレッド部を1.0mm、ショルダー部を0.7mm、サイドウォール部を0.5mm、ビード部を0.3mmとしたり、トレッド部を1.0mmのまま、その他の部位を0.5mmとするなど、段階的に浅くなればその組み合わせは任意である。
【0018】
本発明の第2の実施形態は、トレッドセンターに対して互いに交差する主溝と、この主溝によって区分された陸部の副溝から構成される。図3は、副溝としてマイクログルーブを用いた例を示したものである。図3にて、交差する主溝は11と12、副溝は13、副溝で区分された副陸部は14、主溝で囲まれた副溝領域を15で示す。
【0019】
主溝は、タイヤのトレッドセンターに対して互いに交差して設ける。主溝は略直線状または緩やかな曲線に湾曲させたものが用いられる。また、主溝の角度はトレッドセンターに対して20°〜80°が望ましい。80°を超えるとブラダー本体とタイヤの貼り付きを防止する効果が減少し、20°未満ではエアーをビード部まで排気する距離が長くなる。尚、互いに交差する主溝はトレッドセンターに対し対称でも非対称でも良い。また、主溝の深さは大気圧状態のブラダー上若しくはブラダー金型上(非伸張状態)で0.2mm〜1.0mmである。主溝の深さが0.2mm未満であるとエアーを排気する効率が悪くなり、1.0mmを超えるとタイヤのインナーライナー部が流れ込む量が多くなり過ぎてインナーライナーのゲージが変わり、特にショルダー部などではゲージが薄くなる傾向があり、タイヤの空気透過性を変化させてしまう場合がある。
【0020】
副溝は、主溝が交差して形成する四辺形の中に設け、主溝と連通するように形成する。複数に分岐する細溝(マイクログルーブ)の場合、細溝の幅は主溝の10%〜50%とするのが望ましい。10%未満ではエアーの排気性が充分ではなく、50%を超えるとタイヤのインナーライナー部材が副溝に流れ込む量が多くなり、インナーライナーのゲージを均一にする上で好ましくない。また、副溝の深さは0.1mm〜0.3mmが良い。0.1mm未満ではエアーの排気性が充分ではなく、0.3mmを超えるとインナーライナー部材が副溝に流れ込む量が多くなり、インナーライナーのゲージを均一にする上で好ましくない。
【0021】
副溝にペブルを用いる場合を図4に示す。図4にて、交差する主溝は21と22、ペブルによる副溝は23、島状の副陸部は24、主溝で囲まれた副溝領域を25で示す。ペブル模様の場合は、深さを0.1mm〜0.3mmとする。0.1mm未満ではエアーの排気性が充分ではなく、0.3mmを超えるとタイヤのインナーライナー部材が副溝に流れ込む量が多くなり、インナーライナーのゲージを均一にする上で好ましくない。
【0022】
前述のように溝を構成した上で、内圧が大気圧状態のブラダーまたはブラダー金型上で測定した、トレッド当接部の主溝と副溝の深さに対して、同様に非伸張状態で測定したビード部の主溝及び/または副溝の深さを10%〜80%の範囲とする。10%未満では主溝を深くした場合、ショルダー当接部の溝が深くなり、インナーライナー部が溝へ流れ込む量が多くなり特にゲージ変動が大きいショルダー部でのインナーライナーのゲージが不均一になり易い。80%を超えるとビード部の溝深さが小さくなってエアーを充分に排気できなくなるケースがある。
【0023】
加硫ブラダーを製造するには、通常、外部形状を与える上下の金型と内部形状を与える中子を使用する。下金型および上金型の内表面には、前述の溝をブラダーに対して反転した凹凸として形成する。こうした金型でブラダーを加圧成形することで、ブラダーの外表面に前述の溝を反転模様として刻印することができる。本発明の溝は、先ず、タイヤのトレッド部当接部位からビード部当接部位にかけて徐々に或いは段階的に浅くする。次に、ブラダー表面に存在する溝を、直線または緩やかな曲線状の主溝に、複数の分岐と曲がりを有する細溝(マイクログルーブ)またはペブル模様からなる副溝を組み合わせる。そして、溝の深さは、タイヤのトレッド部当接部位にて、直線または緩やかな曲線状の主溝を内圧が大気圧状態のブラダーまたはブラダー金型上で深さ0.2mm〜1.0mmの範囲とし、複数の分岐と曲がりを有する細溝(マイクログルーブ)またはペブル模様の深さを同様の状態で測定して0.1mm〜0.3mmの範囲とする。さらに、ビード部当接部位のブラダーの主溝及び/または副溝の深さをトレッド部相当部位の深さの10%〜80%の範囲とするものである。
【0024】
本発明の加硫用ブラダーは、射出成型などの方法で製造することができる。そして、未加硫タイヤを加硫成型する工程で、未加硫タイヤを加硫用金型に収容し、これに用いる加硫用ブラダーを前述の形状に加工して、このブラダー本体を未加硫タイヤの内側に配置し、加硫ブラダーを膨張させて未加硫タイヤを加硫用金型の内表面に押し付けることにより未加硫タイヤを加硫成型する。
【実施例】
【0025】
表1に実施例を示す。タイヤサイズは、215/45R17 87Wを用いた。
表1にて、比較例と実施例1は、図3の溝構成を用い、実施例2は図4の溝構成を用いた。実施例1は、ビード部の主溝の深さを比較例の60%の浅溝としたものであり、実施例2は、更に、副溝の深さを50%の浅溝とした。これにより、トレッド部におけるインナーライナースプライス部でのエアー残留による加硫故障が減少し、加硫用ブラダーの寿命(ブラダー1本当たりのタイヤ加硫本数)が増加した。
【0026】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、タイヤ加硫用ブラダーの外周面のエアー抜き用溝の構成に用いることができ、エアー残留による加硫故障と加硫用ブラダーの寿命の改良に寄与する。
【符号の説明】
【0028】
1・・・加硫用ブラダー、2・・・上部クランプ部、
3・・・下部クランプ部、4・・・トレッド当接部、
5・・・サイドウォール当接部、6・・・ビード当接部、
7・・・未加硫タイヤと加硫ブラダー、8・・・未加硫タイヤ、
10・・・溝構成(マイクログルーブ)、11・・・互いに交差する主溝、
12・・・互いに交差する主溝、13・・・副溝、14・・・副陸部、
15・・・主溝に囲まれた副溝と副陸部、20・・・溝構成(ペブル)、
21・・・主溝、22・・・主溝、23・・・副溝、
24・・・副陸部、25・・・主溝に囲まれた副溝と副陸部、
Xa・・・加硫ブラダーのビード位置、Xc・・・加硫ブラダーのセンター位置、
A・・・加硫ブラダーのセンター部の溝の深さ、
B・・・加硫ブラダーのビード部の溝の深さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ加硫時に膨張して未加硫タイヤを内側から支持する弾性材料からなるタイヤ加硫用ブラダーにおいて、未加硫タイヤとタイヤ加硫用ブラダーにおける間隙エアー抜きの溝の深さを、タイヤのトレッド部当接部位からビード部当接部位にかけて徐々に或いは段階的に浅くしたことを特徴とするタイヤ加硫用ブラダー。
【請求項2】
ブラダー表面に存在する溝を、直線または緩やかな曲線状の主溝に、複数の分岐と曲がりを有する細溝(マイクログルーブ)またはペブル模様からなる副溝を組み合わせたことを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ加硫用ブラダー。
【請求項3】
タイヤのトレッド部当接部位において、内圧が大気圧状態のブラダーまたはブラダー金型上で、直線または緩やかな曲線状の主溝を深さ0.2mm〜1.0mmの範囲とし、複数の分岐と曲がりを有する細溝(マイクログルーブ)またはペブル模様の深さを0.1mm〜0.3mmの範囲としたことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ加硫用ブラダー。
【請求項4】
ビード部当接部位のブラダーの主溝及び/または副溝の深さをトレッド部相当部位における深さの10%〜80%の範囲としたことを特徴とする請求項3に記載のタイヤ加硫用ブラダー。
【請求項5】
未加硫タイヤを加硫用金型に収容する工程、加硫ブラダーを前記未加硫タイヤの内側に配置する工程、前記加硫ブラダーを膨張させて前記未加硫タイヤを前記加硫用金型の内表面に押し付けることにより加硫タイヤを加硫成型する工程を含む空気入りタイヤの製造方法であって、前記加硫用ブラダーは、タイヤ加硫時に膨張して未加硫タイヤを内側から支持する弾性材料からなり、未加硫タイヤとタイヤ加硫用ブラダーの間隙におけるエアー抜き用の溝の深さを、タイヤのトレッド部当接部位からビード部当接部位にかけて徐々に或いは段階的に浅くしたことを特徴とする、空気入りタイヤの製造方法。
【請求項6】
ブラダー表面に存在する溝を、直線または緩やかな曲線状の主溝に、複数の分岐と曲がりを有する細溝(マイクログルーブ)またはペブル模様からなる副溝を組み合わせたことを特徴とする請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項7】
タイヤのトレッド部当接部位において、内圧が大気圧状態のブラダーまたはブラダー金型上で、直線または緩やかな曲線状の主溝を深さ0.2mm〜1.0mmの範囲とし、複数の分岐と曲がりを有する細溝(マイクログルーブ)またはペブル模様の深さを0.1mm〜0.3mmの範囲としたことを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項8】
ビード部当接部位のブラダーの主溝及び/または副溝の深さをトレッド部相当部位における深さの10%〜80%の範囲としたことを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項9】
タイヤ加硫時に膨張して未加硫タイヤを内側から支持する弾性材料からなり、未加硫タイヤとタイヤ加硫用ブラダーの間隙におけるエアー抜きの為の溝の深さを、タイヤのトレッド部当接部位からビード部当接部位にかけて徐々に或いは段階的に浅くしたタイヤ加硫用ブラダーを用いて製造した乗用車用空気入りタイヤ。
【請求項10】
前記ブラダー表面に存在する溝は、直線または緩やかな曲線状の主溝に、複数の分岐と曲がりを有する細溝(マイクログルーブ)またはペブル模様からなる副溝を組み合わせた溝であることを特徴とする請求項9に記載の乗用車用空気入りタイヤ。
【請求項11】
前記ブラダー表面に存在する溝は、タイヤのトレッド部当接部位において、内圧が大気圧状態のブラダーまたはブラダー金型上で、直線または緩やかな曲線状の主溝の深さが0.2mm〜1.0mmの範囲であり、複数の分岐と曲がりを有する細溝(マイクログルーブ)またはペブル模様の深さが0.1mm〜0.3mmの範囲であることを特徴とする請求項9に記載の乗用車用空気入りタイヤ。
【請求項12】
前記加硫用ブラダーは、ビード部当接部位のブラダーの主溝及び/または副溝の深さがトレッド部相当部位における深さの10%〜80%の範囲であることを特徴とする請求項9に記載の乗用車用空気入りタイヤ。
【請求項13】
タイヤの偏平率が50%以下であることを特徴とする請求項9〜12に記載の乗用車用空気入りタイヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−255597(P2011−255597A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132515(P2010−132515)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】