説明

タイヤ用蛍光マーク

【課題】側面からの視認性、装飾性の向上のために、二輪車や乗用車、トラックなどの車輪(ホイール・スポーク)へ反射板や光源を取り付ける方法が用いられているが、反射板だと側面からの光がないと光らず、また、普通の点光源だと、複雑な形状で発光させようとすると光源の数を増やす必要があり、非常に高価になってしまう問題がある。
【解決手段】蛍光塗料によってタイヤ上に模様を表示し、そこへ蛍光塗料が吸収する波長を含む光源で照射すれば、夜間に光る複雑な模様を安価でかつ自由自在に描くことができるので側面の装飾性が格段に向上し、反射板のように側面から光が当たらなくても、そのマークを視認することが可能となる。また、自家発電による発光も可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に夜間用の、二輪車や乗用車、トラックなどの車輪(ホイール・スポーク)、タイヤへのアクセサリーに関する。
【背景技術】
【0002】
特に夜間、安全のための視認性向上や、装飾性向上を目的として、二輪車や乗用車、トラックなどの車輪(ホイール・スポーク)へ光源や反射板を取り付ける技術が開発されている。
【0003】
これらの技術によって、前方や後方だけでなく、側面からの視認性が向上し、自転車などの場合は、安全性の向上が図られると共に、特に乗用車やトラックなどの場合は、夜間の装飾性を向上させる効果が意図されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、側面からの視認性、装飾性の向上のために、二輪車や乗用車、トラックなどの車輪へ反射板を取り付ける場合には、あくまでも、側面から光があたらないと、反射板を視認できないという問題がある。
【0005】
また、二輪車や乗用車、トラックなどの車輪へ光源を取り付ける場合には、それが、白熱電球であれ、発光ダイオードであれ、その点光源がもつ、基本的に丸い光でしか、視認できないという問題があり、特に装飾性の面で劣っている。
【0006】
光源の数を増やして、何らかの模様を形成するということも考えられるが、その場合には、光源の数だけ白熱電球や発光ダイオードを準備しなければならず、非常に高価になってしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を克服するため、本発明は、側面からの視認性、装飾性向上のために、タイヤへの蛍光塗料による表示と、それを光らせるための光源との組み合わせからなっている。
【0008】
タイヤへの表示を、蛍光塗料を用いて模様を描けば、自由自在な模様を形成することができ、また、その蛍光塗料を発光させるための光源も1個だけで済むので、非常に安価に装飾性を向上させることが可能になる。
【0009】
また、蛍光塗料を発光させるための光源を持つので、反射板のように、側面から光が当たらなくても、蛍光マークの視認が可能となる。
【発明の効果】
【0010】
このように、蛍光塗料とそれを光らせるための光源との組み合わせによって、タイヤ上に蛍光マークを表示すれば、マークの模様を安価でかつ自由自在に描くことができるので、装飾性が格段に向上し、また、反射板のように側面から光が当たらなくても、夜間に、そのマークを視認することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態例の構造図を図1に示す。図1からわかるように、本発明は、タイヤ1とタイヤ1上に表示された蛍光塗料マーク2と、蛍光塗料マーク2の位置を照射する光源3からなっている。図1の実施例では乗用車のタイヤを例として挙げているが、タイヤは二輪車用でも、またトラック用であってもよい。
【0012】
蛍光塗料マーク2の位置を照射する光源3の発光波長には、ちょうど蛍光塗料が吸収可能な波長が含まれており、タイヤ1の回転に従い、蛍光塗料マーク2が光源3によって照射されると、その光は蛍光塗料に吸収され、その結果、蛍光塗料マーク2は、その模様通りの形状で蛍光を発する。その光る形状は、タイヤ1が回転中は、光る輪のような形状となり、タイヤの回転が停止すると、タイヤ1上に蛍光塗料マーク2の模様が浮き上がるように現れてくる。蛍光塗料マーク2の発光時間を少しでも長く持続するために、蛍光塗料自身がもつ蛍光のライフタイムは、長ければ長いほどよい。
【0013】
光源3は、基本的に発光する光の中に、ちょうど蛍光塗料が吸収可能な波長を含んでいればどのような光源でも良いが、光源3の寿命を考えると、半永久的な寿命を持つ、発光ダイオード、もしくはレーザーダイオードであればなお良い。
【0014】
光源3用の電源として、自動車や自動二輪車の場合は、エンジンの起動に同期した自家発電源を用いれば、エンジン起動時にのみ、また自転車の場合は、車輪の回転に同期した自家発電源を用いれば、自転車運転時にのみ、光源3は光を発し、特にバッテリーを搭載する必要はなくなる。これは、光源3を回転体ではなく、固定物に設置できるので、自家発電源の使用が非常に容易になる結果でもある。
【0015】
また、昼間光源3は発光する必要はないため、受光により反応するフォトダイオードやフォトトランジスタを搭載した回路により、昼間は発光しないような制御回路を設けておけば、節電にもつながることになる。自転車の場合は、昼間は自家発電源を停止しておくだけでよい。
【0016】
また、蛍光塗料マーク2は、タイヤに直接印刷するような方法を用いてもよいが、裏面に粘着材が塗布されたワッペン上に印刷しておき、そのワッペンをタイヤにシール状に貼付するような方法を用いてもよい。
【0017】
基本的に蛍光塗料マーク2は、夜間に光源3に照射されて、その模様通りに蛍光を発するが、蛍光塗料マーク2の下地に、昼間の白色光下で視認可能な模様を表示しておけば、昼間にはその下地の模様が現れ、昼間用のタイヤの装飾も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例の構造図
【符号の説明】
1・・・タイヤ
2・・・蛍光塗料マーク
3・・・光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤとタイヤにマーキングされた蛍光塗料とその蛍光塗料の吸収波長を発光する光源からなり、タイヤに蛍光塗料がマーキングされた位置を、夜間その光源が照射することで、タイヤが回転中は、蛍光による光の輪が発生し、停車中は蛍光塗料によって描かれたマーク(模様)が発光して浮き出るように表示されることを特徴とするタイヤ用の蛍光マーク。
【請求項2】
請求項1に記載のタイヤ用蛍光マークにおいて、タイヤにマーキングされた蛍光塗料が、蓄熱蛍光塗料であることを特徴とするタイヤ用の蛍光マーク。
【請求項3】
請求項1に記載のタイヤ用蛍光マークにおいて、タイヤにマーキングされた蛍光塗料を照射する光源が、発光ダイオードまたは、レーザーダイオードであることを特徴とするタイヤ用の蛍光マーク。
【請求項4】
請求項1に記載のタイヤ用蛍光マークにおいて、タイヤにマーキングされた蛍光塗料を照射する光源の電源を、自動車、トラック、自動二輪車、自転車等の自家発電によって得ることができるタイヤ用の蛍光マーク。
【請求項5】
請求項1に記載のタイヤ用蛍光マークにおいて、タイヤにマーキングされた蛍光塗料を照射する光源が、停車中は自動的に消灯することを特徴とするタイヤ用の蛍光マーク。
【請求項6】
請求項1に記載のタイヤ用蛍光マークにおいて、タイヤにマーキングされた蛍光塗料を照射する光源が、昼間は自動的に消灯することを特徴とするタイヤ用の蛍光マーク。
【請求項7】
請求項1に記載のタイヤ用蛍光マークにおいて、タイヤにマーキングされた蛍光塗料が、タイヤに直接印刷されていることを特徴とするタイヤ用の蛍光マーク。
【請求項8】
請求項1に記載のタイヤ用蛍光マークにおいて、タイヤにマーキングされた蛍光塗料が、粘着剤が塗布されたワッペン上に描かれてシール状にタイヤに貼付されていることを特徴とするタイヤ用の蛍光マーク。
【請求項9】
請求項1に記載のタイヤ用蛍光マークにおいて、タイヤにマーキングされた蛍光塗料の下地に白色光下で視認できる模様が描かれ、昼間は、蛍光の効果ではなく、下地の模様によってタイヤ上にマークが現れるタイヤ用の蛍光マーク。
【請求項10】
請求項1に記載のタイヤ用蛍光マークにおいて、模様が、乗用車やトラックなどの自動車用のタイヤにマーキングされていることを特徴とするタイヤ用の蛍光マーク。
【請求項11】
請求項1に記載のタイヤ用蛍光マークにおいて、模様が、自動二輪車または、自転車用のタイヤにマーキングされていることを特徴とするタイヤ用の蛍光マーク。

【図1】
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【公開番号】特開2007−238063(P2007−238063A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102440(P2006−102440)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(506112133)
【Fターム(参考)】