説明

タイヤ空気圧監視装置

【課題】初期化スイッチの操作が必要な場合と比較して、初期化の実施におけるユーザの煩わしさを解消できるとともに、初期化スイッチと、初期化スイッチから受信機までの配線との車両への搭載を不要にできるタイヤ空気圧監視装置を提供する。
【解決手段】送信機から送信された検出信号に基づいてタイヤの空気圧を求め、求めたタイヤの空気圧が警報しきい値を下回った場合に、警報機を作動させる制御部を備えた受信機を有してなるタイヤ空気圧監視装置において、受信機の制御部は、警報しきい値として、任意の数値に設定可能な任意設定しきい値を用いるようになっており、ステップS11、S12で、停車時に前記タイヤの空気圧が上昇したと判定した場合に、タイヤの空気圧が上昇したときのタイヤの空気圧を基準として任意設定しきい値を算出し、算出した任意設定しきい値を記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ空気圧監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤ空気圧監視装置として、ダイレクト式のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このタイプのタイヤ空気圧監視装置では、タイヤが取り付けられた車輪側に、圧力センサ等のセンサが備えられた送信機が直接取り付けられている。また、車体側には、アンテナおよび受信機が備えられており、センサからの検出信号が送信機から送信されると、アンテナを介して受信機にその検出信号が受信され、タイヤ空気圧の検出が行われる。そして、検出したタイヤ空気圧が警報しきい値を下回った場合に、警報機が作動する。
【0003】
さらに、このようなタイヤ空気圧監視装置として、ユーザによって操作され、警報しきい値を初期化するための初期化スイッチ(リセットスイッチ)を備えるものが、現在、実際に車両に搭載されている。この初期化スイッチは、車室内に設置されており、配線によって受信機と接続されている。
【0004】
このタイヤ空気圧監視装置によれば、例えば、ユーザの好みによって、タイヤ空気圧が推奨圧よりも高めに調整される場合のように、タイヤ空気圧が推奨圧と異なる大きさに調整される場合に、調整後のタイヤ空気圧に応じて、警報しきい値を設定することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4175348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、初期化スイッチを備えるタイヤ空気圧監視装置は、任意設定しきい値の初期化のためには、ユーザによる初期化スイッチの操作が必要であるため、ユーザが煩わしいと感じてしまうという問題がある。
【0007】
また、初期化スイッチを備えるタイヤ空気圧監視装置は、初期化スイッチと、初期化スイッチから受信機までの配線とを、車両毎に設置する必要があり、タイヤ空気圧監視装置を構成する部品点数の増大や、タイヤ空気圧監視装置の車両への設置に手間がかかるという問題がある。
【0008】
本発明は上記点に鑑みて、初期化スイッチの操作が必要な場合と比較して、初期化の実施におけるユーザの煩わしさを解消できるとともに、初期化スイッチと、初期化スイッチから受信機までの配線との車両への搭載を不要にできるタイヤ空気圧監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
受信機(3)が備える第2制御部(32b)は、警報しきい値として、任意の数値に設定可能な任意設定しきい値を用いるようになっており、
送信機(2)もしくは受信機(3)は、停車時にタイヤの空気圧が上昇したか否かを判定する判定手段(S11、S12)を有し、
第2制御部(32b)は、判定手段(S11、S12)にて、停車時にタイヤの空気圧が上昇したと判定された場合に、タイヤの空気圧が上昇したときのタイヤの空気圧を基準として任意設定しきい値を算出し、算出した任意設定しきい値を記憶することを特徴としている。
【0010】
このように、本発明では、停車時にタイヤの空気圧が上昇したと判定した場合に、タイヤの空気圧が上昇したときのタイヤの空気圧を基準として算出した任意設定しきい値を記憶する、すなわち、初期化するようになっている。
【0011】
これにより、車両走行によるタイヤ温度上昇に伴うタイヤ空気圧上昇を、タイヤ空気圧の調整によるものと誤認識することを防ぎつつ、ユーザによるタイヤ空気圧の調整後に、任意設定しきい値の初期化をユーザの操作無しに自動的に行うことができる。
【0012】
よって、本発明によれば、初期化スイッチの操作が必要な場合と比較して、初期化の実施におけるユーザの煩わしさを解消できるとともに、初期化スイッチと、初期化スイッチから受信機までの配線との車両への搭載を不要にできる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、
停車時にタイヤの空気圧が上昇したか否かを判定する判定手段(S11、S12)を第1の判定手段とし、
送信機(2)もしくは受信機(3)は、タイヤの温度上昇の有無を判定する第2の判定手段(S13)を有し、
第2制御部(32b)は、第2の判定手段(S13)にて、タイヤの温度上昇が無いと判定された場合に、任意設定しきい値を算出し、算出した任意設定しきい値を記憶することを特徴としている。
【0014】
これによれば、外気温上昇によるタイヤの空気圧上昇を、タイヤ空気圧の調整によるものと誤認識することを防ぐことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明では、請求項1、2に記載の発明において、
第2制御部(32b)は、警報しきい値として、任意設定しきい値と固定値として予め記憶された標準しきい値との両方を用い、求めたタイヤの空気圧が任意設定しきい値と標準しきい値の少なくとも一方を下回った場合に、警報機(4)を作動させるようになっており、
第2制御部(32b)は、任意設定しきい値を算出したときに、算出した任意設定しきい値が、標準しきい値よりも高い場合に、算出した任意設定しきい値を記憶するようになっていることを特徴としている。
【0016】
本発明においては、タイヤの空気圧が標準しきい値を下回った場合に、警報機が作動することから、任意設定しきい値が標準しきい値よりも低い値として記憶することに実益が無い。したがって、本発明によれば、実益の無い任意設定しきい値の更新を防ぐことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明では、
受信機(3)が備える第2制御部(32b)は、警報しきい値として、任意の数値に設定可能な任意設定しきい値を用いるようになっており、
送信機(2)もしくは受信機(3)は、タイヤの空気圧の上昇率を算出する算出手段(S21)と、算出した上昇率が一定値以上か否かを判定する判定手段(S22)とを有し、
第2制御部(32b)は、判定手段(S22)にて、上昇率が一定値以上であると判定された場合に、上昇率が一定値以上に達したときのタイヤの空気圧を基準として任意設定しきい値を算出し、算出した任意設定しきい値を記憶することを特徴としている。
【0018】
このように、本発明では、タイヤの空気圧の上昇率が一定値以上であると判定された場合に、上昇率が一定値以上に達したときのタイヤの空気圧を基準として算出された任意設定しきい値を記憶する、すなわち、初期化するようになっている。
【0019】
このとき、一定値を、例えば、外気温上昇に伴うタイヤ空気圧上昇や、車両走行によるタイヤ温度上昇に伴うタイヤ空気圧上昇率よりも高い値に設定しておく。これにより、外気温上昇に伴うタイヤ空気圧上昇や、車両走行によるタイヤ温度上昇に伴うタイヤ空気圧上昇を、タイヤ空気圧の調整によるものと誤認識することを防ぎつつ、ユーザによるタイヤ空気圧の調整後に、任意設定しきい値の初期化をユーザの操作無しに自動的に行うことができる。
【0020】
よって、本発明によれば、初期化スイッチの操作が必要な場合と比較して、初期化の実施におけるユーザの煩わしさを解消できるとともに、初期化スイッチと、初期化スイッチから受信機までの配線との車両への搭載を不要にできる。
【0021】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態におけるタイヤ空気圧監視装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すタイヤ空気圧監視装置の送信機と受信機のブロック構成を示した図である。
【図3】図1に示すタイヤ空気圧監視装置の受信機の制御部が実行する任意設定しきい値の初期化実施の処理を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態におけるタイヤ空気圧監視装置の送信機の制御部が実行する初期化実施の可否決定処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態におけるタイヤ空気圧監視装置の全体構成を示すブロック図である。図1の紙面上方向が車両1の前方、紙面下方向が車両1の後方に一致する。
【0024】
図1に示されるように、タイヤ空気圧監視装置は、車両1に取り付けられるもので、送信機2、受信機3、表示器4およびトリガ機5を備えて構成されている。
【0025】
図1に示されるように、送信機2は、車両1における各車輪6a〜6dに取り付けられるもので、車輪6a〜6dに取り付けられたタイヤの空気圧を検出するとともに、その検出結果を示す検出信号のデータを送信フレーム内に格納して送信するものである。また、受信機3は、車両1における車体7側に取り付けられるもので、送信機2から送信される送信フレームを受信するとともに、その中に格納された検出信号に基づいて各種処理や演算等を行うことでタイヤ空気圧を求めるものである。図2(a)、(b)に、これら送信機2と受信機3のブロック構成を示す。
【0026】
送信機2は、図2(a)に示されるように、センシング部21、マイクロコンピュータ22、電池23、送信アンテナ24および受信アンテナ25を備えた構成となっている。
【0027】
センシング部21は、例えばダイアフラム式の圧力センサや温度センサを備えた構成とされ、タイヤ空気圧に応じた検出信号や温度に応じた検出信号を出力するようになっている。また、センシング部21は、加速度センサを備えており、車輪の回転によって発生する加速度(遠心力)に応じた検出信号も出力するようになっている。
【0028】
マイクロコンピュータ22は、制御部(第1制御部)22aやRF送信部22bおよびLF受信部22cなどを備えた周知のもので、制御部22a内のメモリ(図示せず)内に記憶されたプログラムに従って、所定の処理を実行する。
【0029】
制御部22aは、センシング部21からのタイヤ空気圧等に関する検出信号を受け取り、それを信号処理するとともに必要に応じて加工し、検出結果を示すデータ(以下、タイヤ空気圧等に関するデータという)として各送信機2のID情報とともに送信フレーム内に格納し、その後、送信フレームをRF送信部22bに送るものである。このRF送信部22bへ信号を送る処理は、上記プログラムに従って所定の周期毎に実行されるようになっている。
【0030】
また、制御部22aは、受信アンテナ25および受信部22cを通じてトリガ機5からのトリガ信号を受け取り、それを信号処理することでトリガ信号の受信強度を求めるとともに、必要に応じて加工し、トリガ信号の受信強度データをタイヤ空気圧に関するデータが格納された送信フレーム、もしくは、それとは別の送信フレームに格納し、その後、送信フレームを送信部22bに送るものである。この送信部22bへ信号を送る処理も、上記プログラムに従って行われる。
【0031】
なお、トリガ信号を受け取ってから何秒後に送信フレームを送るかという送信タイミングが、予め各送信機2毎に異なるもので設定されている。このため、各車輪6a〜6dの送信機2から、それぞれ異なったタイミングで送信フレームが送信されるようになっている。
【0032】
RF送信部22bは、送信アンテナ24を通じて、制御部22aから送られてきた送信フレームを受信機3に向けて、RF帯、例えば、315MHzの電波で送信する出力部としての機能を果たすものである。
【0033】
LF受信部22cは、受信アンテナ25を通じて、トリガ機5からLF帯、例えば、125kHzの電波で送信されるトリガ信号を受け取って制御部22aに送る入力部としての機能を果たすものである。
【0034】
電池23は、制御部22aなどに対して電力供給を行うものであり、この電池23からの電力供給を受けて、センシング部21でのタイヤ空気圧に関するデータの収集や制御部22aでの各種演算などが実行される。
【0035】
このように構成される送信機2は、例えば、各車輪6a〜6dのホイールにおけるエア注入バルブに取り付けられ、センシング部21がタイヤの内側に露出するように配置される。これにより、該当するタイヤ空気圧を検出し、各送信機2に備えられた送信アンテナ24を通じて、所定周期毎(例えば、1分毎)に送信フレームを送信するようになっている。
【0036】
また、図2(b)に示されるように、受信機3は、アンテナ31とマイクロコンピュータ32を備えた構成となっている。
【0037】
アンテナ31は、各送信機2から送られてくる送信フレームを総括的に受け取る1本もしくは2本の共通アンテナとなっており、車体7に固定されている。
【0038】
マイクロコンピュータ32は、受信部32aや制御部(第2制御部)32bなどを備えた周知のもので、制御部32b内のメモリ(図示せず)内に記憶されたプログラムに従って、所定の処理を実行する。
【0039】
受信部32aは、各アンテナ31によって受信された各送信機2からの送信フレームを入力し、その送信フレームを制御部32bに送る入力部としての機能を果たすものである。
【0040】
制御部32bは、トリガ機5に対してトリガ信号を出力させることを指令するトリガ指令信号を出力するとともに、受信部32aから送られてきた送信フレームを受け取り、送信フレームに格納された各送信機2でのトリガ信号の受信強度データに基づいて、送られてきた送信フレームが車輪6a〜6dのいずれに取り付けられた送信機2のものかを特定する車輪位置検出を行う。
【0041】
さらに、制御部32bでは、受け取った送信フレームに格納された検出結果を示すデータに基づいて各種信号処理および演算等を行うことによりタイヤ空気圧を求める。そして、制御部32bは、求めたタイヤ空気圧を警報しきい値と比較し、求めたタイヤ空気圧が警報しきい値よりも下回った場合に、その旨の信号を表示器4に出力する。これにより、車輪6a〜6dのいずれかのタイヤ空気圧が低下したことが表示器4に伝えられる。
【0042】
ここで、本実施形態では、警報しきい値として、任意の数値に設定可能な任意設定しきい値と、メーカが指定する標準しきい値との両方が用いられる。標準しきい値は、予め固定値として設定されているものである。一方、任意設定しきい値は、初期化の実施条件(後述するステップS11〜S14)を満たす場合に、すべての送信機2から送信される検出信号から求めたタイヤ空気圧を基準として設定されるものである。具体的には、測定したタイヤ空気圧に対して、20〜25%等の所定割合減少させたときの空気圧が算出され、この算出された空気圧が、任意設定しきい値として、制御部32bの記憶部(図示しないメモリ)に書き込まれ記憶される(任意設定しきい値の初期化)。このとき、すべての車輪6a〜6dのタイヤ空気圧の平均値を基準にして各車輪で共通の任意設定しきい値を設定したり、車輪6a〜6d毎に、それぞれのタイヤ空気圧を基準にして任意設定しきい値を設定したりしても良い。そして、求めたタイヤ空気圧が、任意設定しきい値と標準しきい値の両方と比較され、どちらかを下回った場合に、その旨の信号が表示器4に出力される。
【0043】
表示器4は、タイヤ空気圧が低下した場合に、ドライバにタイヤ空気圧の低下を警報する警報機である。表示器4は、図1に示されるように、ドライバが視認可能な場所に配置され、例えば車両1におけるインストルメントパネル内に設置される警報ランプによって構成される。この表示器4は、例えば受信機3における制御部32bからタイヤ空気圧が低下した旨を示す信号が送られてくると、その旨の表示を行う。
【0044】
トリガ機5は、受信機3の制御部32bから送られてくるトリガ指令信号が入力されると、所定の信号強度を有するトリガ信号を出力するものである。このトリガ機5は、4つの車輪6a〜6dすべてから異なる距離となる位置に配置され、本実施形態では左後輪6dの近傍に配置されている。このため、トリガ機5から各車輪6a〜6dまでの距離は、左後輪6d、右後輪6c、左前輪6b、右前輪6aの順番で順に長くなっている。
【0045】
以上のようにして、本実施形態におけるタイヤ空気圧監視装置が構成されている。続いて、上記のように構成されるタイヤ空気圧監視装置の作動について説明する。
【0046】
まず、図示しないイグニッションスイッチがオフからオンに切り替わると、車輪位置検出が行われる。すなわち、受信機3の制御部32bに対して電源投入が行われ、電源投入から所定時間経過後に、車輪位置検出のために受信機3の制御部32bからトリガ機5に向けてトリガ指令信号が出力される。このトリガ指令信号がトリガ機5に入力されると、トリガ機5は、各送信機2に向けて所定の信号強度を有するトリガ信号を発生させる。
【0047】
このトリガ信号が各送信機2の受信アンテナ25および受信部22cを通じて、制御部22aに入力されると、制御部22aがWake−up状態となって、受け取ったトリガ信号の受信強度を測定する。各送信機2は、トリガ信号の受信強度を求めると、それを各送信機2のID情報とともに送信フレームに格納し、その送信機2から出力される。
【0048】
そして、受信機3にて各送信機2から送られてきた送信フレームが受信されると、制御部32bにおいて、送信フレームに格納された各送信機2のID情報および受信強度データが読み出され、受信強度順にID情報が並べられる。
【0049】
ここで、トリガ信号の信号強度は距離に応じて減衰することが知られている。このため、トリガ機5からの距離は、左後輪6d、右後輪6c、左前輪6b、右前輪6aの順に長くなっていることから、各車輪6a〜6dに取り付けられた送信機2で受信されたときのトリガ信号の受信強度は、左後輪6d、右後輪6c、左前輪6b、右前輪6aの順に小さくなる。
【0050】
これにより、受信強度が最も高いものが左後輪6dに取り付けられた送信機2からの送信フレーム、2番目に高いものが右後輪6cに取り付けられた送信機2からの送信フレーム、3番目に高いものが左前輪6bに取り付けられた送信機2からの送信フレーム、最も低いものが右前輪6aに取り付けられた送信機2からの送信フレームと判別される。その後、受信機3の制御部32bは、各送信フレームに格納されたID情報を送信機2が取り付けられた車輪6a〜6dと対応付けて、メモリに記憶させる。
【0051】
次に、定期送信モードとなり、通常のタイヤ空気圧検出が行われる場合には、上述したように、各送信機2では、制御部22aに、センシング部21からのタイヤ空気圧やタイヤ内の温度を示す検出信号が入力される。そして、この検出信号が必要に応じて信号処理されることでタイヤ空気圧に関するデータとされ、各送信機2のID情報とともに送信フレームに格納されたのち、所定周期毎に送信部22bを通じて受信機3側に送信される。
【0052】
一方、送信機2から送信フレームが送信されると、それが受信機3のアンテナ31にて受信され、受信部32aを通じて制御部32bに入力される。そして、制御部32bにおいて、送信フレームからタイヤ空気圧を示すデータおよびタイヤ内の温度を示すデータが抽出され、温度を示すデータに基づいて必要に応じて温度補正がなされ、タイヤ空気圧が求められる。このとき、送信フレーム内にID情報が格納されているため、車輪位置検出の際に記憶されたID情報と照合され、その送信フレームが車輪6a〜6dのいずれに取り付けられた送信機2から送られてきたものかが判別される。
【0053】
そして、求められたタイヤ空気圧が、任意設定しきい値と標準しきい値の両方と比較され、どちらかを下回っていると判定されれば、制御部32bから表示器4にその旨を示す信号が出力され、タイヤ空気圧が低下したのが車輪6a〜6dのいずれであるかが特定できる形態で、表示器4に表示される。
【0054】
次に、制御部32bが実行する任意設定しきい値の初期化実施の処理について説明する。図3は、この任意設定しきい値の初期化実施の処理を表すフローチャートである。初期化実施の処理は、タイヤ空気圧検出の処理と同時期に実施され、所定の周期で繰り返し行われる。なお、図3中の各ステップS11〜S15が、制御部32bが有する各種の機能実現手段に相当する。特に、ステップS11、S12が特許請求の範囲に記載の「タイヤの空気圧が上昇したか否かを判定する判定手段(第1の判定手段)」に相当し、ステップS13が特許請求の範囲に記載の「第2の判定手段」に相当する。
【0055】
ステップS11では、タイヤ空気圧が上昇しているか否かが判定される。ここでは、タイヤ空気圧検出の処理と同様に、定期送信モードにて各送信機2から送信された送信フレームに格納されたタイヤ空気圧に関するデータに基づいて、複数個の車輪6a〜6dそれぞれのタイヤ空気圧が求められる。そして、すべてのタイヤについて、今回のタイヤ空気圧と前回のタイヤ空気圧とが比較されることで、タイヤ空気圧の上昇の有無が判定される。このように、タイヤ空気圧の変化ではなく、タイヤ空気圧の上昇の有無を判定するのは、タイヤ空気圧の調整によるタイヤ空気圧上昇を検知するためであり、タイヤの自然空気漏れを検知しないためである。なお、このステップにおいて、複数個の車輪6a〜6dそれぞれのタイヤ空気圧の上昇が異なる時期であるか否かを判定しても良い。通常、タイヤ空気圧の調整は1輪ずつ行われるので、4輪同時にタイヤ空気圧が上昇している場合は、タイヤ空気圧の調整によるタイヤ空気圧上昇ではないからである。
【0056】
ステップS11で否定判定されると、タイヤ空気圧の調整が行われておらず、初期化の実施条件を満たしていないとして、図3に示すフローが終了し、スタートに戻る。一方、ステップS11で肯定判定されると、ステップS12に進む。
【0057】
ステップS12では、停車状態であるか否かが判定される。ここでは、タイヤ空気圧に関するデータとともに、すべての送信機2から送信された送信フレームに格納された加速度に関するデータに基づいて、停車状態であるか判定される。具体的には、停車状態であれば、各車輪6a〜6dの回転によって発生する加速度は0であるので、加速度が0であるか否かが判定される。このように、停車状態であるか否かを判定するのは、通常、タイヤ空気圧の調整は停車状態で行われ、車両走行でのタイヤ温度上昇によるタイヤ空気圧上昇を、タイヤ空気圧の調整によるものと誤認識しないようにするためである。そして、車両が走行状態であれば、否定判定されて、図3に示すフローが終了し、スタートに戻る。一方、停車状態であれば、肯定判定されて、ステップS13に進む。
【0058】
なお、ここでは、すべての送信機2から送信された加速度に関するデータに基づいて、停車状態であるか判定したが、3個以下の送信機2での加速度に関するデータに基づいて、判定しても良い。
【0059】
ステップS13では、タイヤ温度の上昇が無いか否かが判定される。ここでは、タイヤ空気圧の算出に用いたタイヤ空気圧に関するデータのうちタイヤ内の温度を示すデータからすべての送信機2で測定したタイヤ温度が求められ、今回の温度と前回の温度とが比較されることで、タイヤ温度の上昇の有無が判定される。このように、タイヤ温度の上昇の有無を判定するのは、外気温の上昇によるタイヤ空気圧上昇を、タイヤ空気圧の調整によるものと誤認識しないようにするためである。
【0060】
なお、車両走行でのタイヤ温度上昇によるタイヤ空気圧上昇を、タイヤ空気圧の調整によるものと誤認識しないようにするためには、ステップS13でタイヤ温度の上昇の有無を判定すれば十分であり、ステップS12で停車状態であるか否かの判定をしなくても良いとの考え方もある。しかし、「車両走行開始→タイヤ温度上昇→タイヤ空気圧上昇→送信機のセンシング部が検出するタイヤ温度の上昇」というように、送信機が検出するタイヤ温度は、タイヤ空気圧上昇に遅れて上昇するので、単に、ステップS13を行うだけではなく、ステップS12を行うことが好ましい。
【0061】
また、ここでは、すべての送信機2から送信された温度に関するデータに基づいて、タイヤ温度の上昇の有無を判定したが、3個以下の送信機2での温度に関するデータに基づいて、判定しても良い。
【0062】
そして、タイヤ温度の上昇があれば、否定判定されて、図3に示すフローが終了し、スタートに戻る。一方、タイヤ温度の上昇が無ければ、肯定判定されて、ステップS14に進む。
【0063】
ステップS14では、仮に初期化したときのしきい値が、標準しきい値以下であるか否かが判定される。具体的には、測定したタイヤ空気圧に基づいて任意設定しきい値を後述のステップS15と同様に算出し、算出したしきい値が標準しきい値以下であるかが判定される。このように判定するのは、タイヤ空気圧の低下時における警報機作動の有無は、求められたタイヤ空気圧が、任意設定しきい値と標準しきい値の両方と比較され、どちらかを下回っているか否かによって決まるので、仮に初期化したときのしきい値が、標準しきい値以下であれば、任意設定しきい値を初期化する必要が無いからである。
【0064】
そして、仮に初期化したときのしきい値が、標準しきい値未満であれば、否定判定されて、図3に示すフローが終了し、スタートに戻る。一方、仮に初期化したときのしきい値が、標準しきい値未満であれば、肯定判定されて、ステップS15で初期化を実施する。これによって、実益の無い任意設定しきい値の更新を防ぎ、メモリ書込み回数を抑えることができる。
【0065】
ステップS15では、任意設定しきい値の初期化が実施される。具体的には、ステップS11で求められたタイヤ空気圧に対して、所定割合減少させたときのタイヤ空気圧が算出され、算出されたタイヤ空気圧が任意設定しきい値として、制御部32bの図示しないメモリに書き込まれ記憶される。
【0066】
このようにして、任意設定しきい値の初期化が実施される。
【0067】
最後に、イグニッションスイッチがオンからオフに切り替わると、再び受信機3の制御部32bからトリガ機5にトリガ指令信号が出力され、トリガ機5からトリガ信号が出力される。このトリガ信号が受信アンテナ25および受信部22cを通じて制御部22aに入力されると、送信機2がSleep状態に切り替わり、車輪位置検出、タイヤ空気圧検出および初期化実施の処理が終了になる。
【0068】
本実施形態によれば、受信機3の制御部32bが、ステップS11、S12のごとく、停車時にタイヤ空気圧が上昇したと判定した場合に、タイヤ空気圧の調整が行われたとして、受信機3の制御部32bが任意設定しきい値の初期化を実施するようにしている。
【0069】
これにより、車両走行によるタイヤ温度上昇に伴うタイヤ空気圧上昇を、タイヤ空気圧の調整によるものと誤認識することを防ぎつつ、タイヤ空気圧の調整後に任意設定しきい値の初期化を自動的に行うことができる。
【0070】
よって、本実施形態によれば、初期化スイッチの操作が必要な場合と比較して、初期化の実施におけるユーザの煩わしさを解消できるとともに、初期化スイッチと、初期化スイッチから受信機までの配線との車両への搭載を不要にできる。
【0071】
さらに、本実施形態では、停車時におけるタイヤ空気圧の上昇を検出したことに加えて、ステップS13のごとく、タイヤ温度の上昇が無いことを判定した場合に、受信機3の制御部32bが初期化を実施するようにしているので、外気温上昇によるタイヤ空気圧上昇を、タイヤ空気圧の調整によるものと誤認識することを防ぐことができる。
【0072】
また、本実施形態によれば、ECE−R64で規定されるTPMS法規要件でのテストプロシージャの実施の際においても、この試験中の警報しきい値(任意設定しきい値)の初期化(下記の試験手順の(3)、(10)参照)を自動的に行うことができる。なお、ECE−R64で規定されるテストプロシージャは、次の試験手順となっている。(1)推奨圧に調圧→(2)IG−ON/バルブチェック→(3)初期化→(4)20分走行→(5)空気圧測定→(6)(5)で測定された圧力値−20%となるように減圧→(7)10分走行(ランプ点灯確認)→(8)IG−OFF⇒ON(ランプ点灯継続確認)→(9)推奨圧に調圧→(10)初期化(ランプ消灯)
(第2実施形態)
第1実施形態は、受信機3の制御部32bが初期化実施の可否を決定したのに対して、本実施形態は、送信機2の制御部22aが初期化実施の可否を決定するものである。
【0073】
図4は、この初期化実施の可否決定処理を表すフローチャートである。この初期化実施の可否決定処理は、制御部22aがWake−up状態のときに、所定の周期で繰り返し行われる。なお、図4中の各ステップS21〜S23が、制御部22aが有する各種の機能実現手段に相当する。特に、ステップS21が特許請求の範囲に記載の「算出手段」に相当し、ステップS22が特許請求の範囲に記載の「上昇率が一定値以上か否かを判定する判定手段」に相当する。
【0074】
まず、ステップS21では、タイヤ空気圧の上昇率が算出される。ここでは、制御部22aに入力されたセンシング部21からのタイヤ空気圧やタイヤ内の温度を示す検出信号に基づいて、タイヤ空気圧が求められる。このタイヤ空気圧の算出は、受信機3の制御部32bによるタイヤ空気圧の検出処理と同様に行われる。そして、今回算出のタイヤ空気圧と、制御部22a内のメモリに記憶されている前回のタイヤ空気圧と、各送信機2からの送信フレームの送信周期とから上昇率が算出される。
【0075】
続いて、ステップS22では、算出した上昇率が一定値以上か否かが判定される。ここでは、タイヤ空気圧の上昇の有無が上昇率とともに判定される。一定値は、制御部22a内のメモリに予め記憶されているものであり、外気温上昇に伴うタイヤ空気圧上昇や、車両走行によるタイヤ温度上昇に伴うタイヤ空気圧上昇率よりも高い値(例えば、20kPa/15s)に設定される。したがって、算出した上昇率が一定値以上であれば、このときのタイヤ空気圧上昇は、外気温上昇や車両走行によるタイヤ温度上昇に伴うタイヤ空気圧上昇ではなく、調圧によるものであることがわかる。
【0076】
そして、算出した上昇率が一定値未満であれば、否定判定されて、図4に示すフローが終了し、スタートに戻る。一方、算出した上昇率が一定値以上であれば、肯定判定されて、ステップS23に進む。
【0077】
ステップS23では、初期化実施の指示信号が受信機3に向けて送信される。例えば、特定ビットを変化させた初期化ステータビットや、初期化メッセージが一定期間送信される。このとき、初期化実施の指示信号は、タイヤ空気圧に関するデータが格納された送信フレーム、もしくは、それとは別の送信フレームに格納されて送信される。
【0078】
そして、受信機3が初期化実施の指示信号を受信した場合、第1実施形態で説明した図3中のステップS15と同様に、任意設定しきい値の初期化が実施される。なお、この初期化実施の前に、第1実施形態と同様に、図3中のステップS14を実施しても良い。
【0079】
このように、本実施形態では、ステップS22のごとく、タイヤ空気上昇率が一定値以上であることを送信機2の制御部22aが判定した場合に、タイヤ空気圧の調整が行われたとして、受信機3の制御部32bが任意設定しきい値の初期化を実施するようにしている。
【0080】
ここで、一定値は、外気温上昇に伴うタイヤ空気圧上昇や、車両走行によるタイヤ温度上昇に伴うタイヤ空気圧上昇率よりも高い値に設定される。
【0081】
よって、本実施形態においても、外気温上昇に伴うタイヤ空気圧上昇や、車両走行によるタイヤ温度上昇に伴うタイヤ空気圧上昇を、タイヤ空気圧の調整によるものと誤認識することを防ぎつつ、タイヤ空気圧の調整後に任意設定しきい値の初期化を自動的に行うことができる。
【0082】
(他の実施形態)
(1)第1実施形態では、ステップS11〜S13での初期化実施条件を満たすか否かの各判定を、受信機3の制御部32bが行っていたが、この制御部32bとは別に受信機3が有する他の制御部(ハードウェア等)が行っても良く、送信機2の制御部22aが行っても良い。送信機2の制御部22aが行う場合、送信機2の制御部22aにおいて、センシング部21からのタイヤ空気圧やタイヤ内の温度を示す検出信号に基づいて、タイヤ空気圧およびタイヤ温度が求められる。また、センシング部21からのタイヤの加速度を示す検出信号に基づいて、車速が求められる。
【0083】
(2)第1実施形態では、停車状態か否かの判定を、センシング部21で検出した角速度に基づいて行ったが、受信機3の制御部32bがこの判定を行う場合では、車載LANを介して得た車速センサの検出結果に基づいて行ったり、車載LANを介して得たギア位置センサの検出結果に基づいて行ったりしても良い。車速が0もしくはギア位置がPレンジであれば、停車状態であると判定できる。
【0084】
(3)第2実施形態では、ステップS22での初期化実施条件を満たすか否かの判定を、送信機2の制御部22aが行っていたが、この制御部22aとは別に送信機2が有する他の制御部(ハードウェア等)が行っても良く、受信機3の制御部32bが行っても良い。
【符号の説明】
【0085】
1 車両
2 送信機
3 受信機
4 表示器(警報機)
5 トリガ機
6a 右前輪
6b 左前輪
6c 右後輪
6d 左後輪
7 車体
21 センシング部
22 マイクロコンピュータ
22a 制御部(第1制御部)
22b 送信部
22c 受信部
23 電池
24 送信アンテナ
25 受信アンテナ
31 アンテナ
32 マイクロコンピュータ
32a 受信部
32b 制御部(第2制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤを備えた複数個の車輪(6a〜6d)それぞれに備えられ、前記タイヤの空気圧に応じた検出信号を出力するセンシング部(21)と、前記センシング部(21)の検出信号を信号処理する第1制御部(22a)と、前記第1制御部(22a)で処理された前記検出信号を送信する送信部(22b)とを備えた送信機(2)と、
車体(7)側に備えられ、前記検出信号を受信する受信部(32a)と、該検出信号に基づいて前記タイヤの空気圧を求め、求めた前記タイヤの空気圧が警報しきい値を下回った場合に、警報機(4)を作動させる第2制御部(32b)とを備えた受信機(3)と、を有してなるタイヤ空気圧監視装置において、
前記第2制御部(32b)は、前記警報しきい値として、任意の数値に設定可能な任意設定しきい値を用いるようになっており、
前記送信機(2)もしくは前記受信機(3)は、停車時に前記タイヤの空気圧が上昇したか否かを判定する判定手段(S11、S12)を有し、
前記第2制御部(32b)は、前記判定手段(S11、S12)にて、停車時に前記タイヤの空気圧が上昇したと判定された場合に、前記タイヤの空気圧が上昇したときの前記タイヤの空気圧を基準として前記任意設定しきい値を算出し、算出した前記任意設定しきい値を記憶することを特徴とするタイヤ空気圧監視装置。
【請求項2】
停車時に前記タイヤの空気圧が上昇したか否かを判定する前記判定手段(S11、S12)を第1の判定手段とし、
前記送信機(2)もしくは前記受信機(3)は、前記タイヤの温度上昇の有無を判定する第2の判定手段(S13)を有し、
前記第2制御部(32b)は、前記第2の判定手段(S13)にて、前記タイヤの温度上昇が無いと判定された場合に、前記任意設定しきい値を算出し、算出した前記任意設定しきい値を記憶することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧監視装置。
【請求項3】
前記第2制御部(32b)は、前記警報しきい値として、前記任意設定しきい値と固定値として予め記憶された標準しきい値との両方を用い、求めた前記タイヤの空気圧が前記任意設定しきい値と前記標準しきい値の少なくとも一方を下回った場合に、前記警報機(4)を作動させるようになっており、
前記第2制御部(32b)は、前記任意設定しきい値を算出したときに、算出した前記任意設定しきい値が、前記標準しきい値よりも高い場合に、算出した前記任意設定しきい値を記憶するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ空気圧監視装置。
【請求項4】
タイヤを備えた複数個の車輪(6a〜6d)それぞれに備えられ、前記タイヤの空気圧に応じた検出信号を出力するセンシング部(21)と、前記センシング部(21)の検出信号を信号処理する第1制御部(22a)と、前記第1制御部(22a)で処理された前記検出信号を送信する送信部(22b)とを備えた送信機(2)と、
車体(6)側に備えられ、前記検出信号を受信する受信部(32a)と、該検出信号に基づいて前記タイヤの空気圧を求め、求めた前記タイヤの空気圧が警報しきい値を下回った場合に、警報機(4)を作動させる第2制御部(32b)とを備えた受信機(3)と、を有してなるタイヤ空気圧監視装置において、
前記第2制御部(32b)は、前記警報しきい値として、任意の数値に設定可能な任意設定しきい値を用いるようになっており、
前記送信機(2)もしくは前記受信機(3)は、前記タイヤの空気圧の上昇率を算出する算出手段(S21)と、算出した前記上昇率が一定値以上か否かを判定する判定手段(S22)とを有し、
前記第2制御部(32b)は、前記判定手段(S22)にて、前記上昇率が一定値以上であると判定された場合に、前記上昇率が一定値以上に達したときの前記タイヤの空気圧を基準として前記任意設定しきい値を算出し、算出した前記任意設定しきい値を記憶することを特徴とするタイヤ空気圧監視装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−140069(P2012−140069A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293332(P2010−293332)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】