説明

タクティールスイッチ

【課題】防水性を有するタクティールスイッチを提供することを目的とする。
【解決手段】互いに離間した一対の固定電極2,3が設けられる回路基板1と、前記固定電極2,3に対向するように設けられた導電性薄膜6を有する弾性を有するカバーシート5と、前記導電性薄膜6を囲むように前記回路基板1と前記カバーシート5との間に密着状態で介装されて、前記一対の固定電極2,3と前記導電性薄膜6とを離間させるように前記カバーシート5を支持するシート状のスペーサシート4とを有し、前記カバーシート5が押圧操作されたときに前記導電性薄膜6が前記一対の固定電極2,3に押し付けられて導通することで、前記一対の固定電極2,3間が導通されることを特徴とするタクティールスイッチ10により上記目的が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水性に優れたタクティールスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より様々な小型のタクティールスイッチが提案されている(例えば特許文献1参照)。
従来のタクティールスイッチ100の断面図を図8に示す。従来のタクティールスイッチ100は、外側固定電極101a、内側固定電極101bと、これら内側固定電極101bと外側固定電極101aを支持する基体102と、外側固定電極101aに導通するように外側固定電極101aの上面に設けられる導電性のドーム状クリックバネ103と、クリックバネ103の上方に設けられるカバー104とを有する。この従来のタクティールスイッチ100は、カバー104の上からクリックバネ103の頂部が押圧操作され、クリックバネ103の頂部を凹ませるように変形させることで、導電性のクリックバネ103を介して外側固定電極101aと内側固定電極101bとが導通し、スイッチとして機能する。
【0003】
なお、基体102と外側電極101a及び内側電極101bは一体的にインサート成型される。このとき外側固定電極101aと内側固定電極101bとを金型内に位置決めした状態で金型内に樹脂が射出されるので、樹脂の硬化後に金型を開いて基体102を取り外すと、外側固定電極101a及び内側固定電極101bを支持した跡が孔105として残ってしまう。そのため、この孔105を通じて外部から固定電極101a,101bが収容される収容空間に水が侵入する虞があった。
【0004】
さらに、図9に示す従来のタクティールスイッチ200も知られている。このタクティールスイッチ200も、上述のタクティールスイッチ100と同様に、カバー204の上から導電性のドーム状クリックバネ203の頂部が押圧操作され、クリックバネ203の頂部を凹ませるように変形させることで、クリックバネ203を介して外側固定電極201aと内側固定電極201bとが導通し、スイッチとして機能する。
【0005】
このタクティールスイッチ200においても、クリックバネ203の変形時に収納空間の内圧が上昇することを防止し、クリックバネ203の十分な押圧ストロークを確保するために、収容空間と外部とが連通する連通孔205が基体202及びカバー204に設けられている。したがって、この連通孔205を通じて外部から水が収容空間に侵入する虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−266700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のタクティールスイッチ100,200では、孔105や連通孔205を通じて収容空間に水が侵入する虞があり、水が侵入した場合には外側固定電極101a,201aと内側固定電極101b,201bとが意図せず導通する虞があった。したがって、これまでは、タクティールスイッチ100,200を用いた外部機器になんらかの防水構造を設けるなどしてタクティールスイッチ100,200の防水性を確保していた。
【0008】
しかしながら、近年の装置の小型化の要請に伴い、外部機器に防水構造を持たせることが難しくなったり、外部機器の設計の自由度を損ねてしまうことから、タクティールスイッチ自身に防水機能を持たせることが求められている。そこで、本発明は防水性を有するタクティールスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明によれば、
互いに離間した一対の固定電極が設けられる回路基板と、
前記固定電極に対向するように設けられた導電性薄膜を有する弾性を有するカバーシートと、
前記導電性薄膜を囲むように前記回路基板と前記カバーシートとの間に密着状態で介装されて、前記一対の固定電極と前記導電性薄膜とを離間させるように前記カバーシートを支持するスペーサシートとを有し、
前記カバーシートが押圧操作されたときに前記導電性薄膜が前記一対の固定電極に押し付けられて導通することで、前記一対の固定電極間が導通されることを特徴とするタクティールスイッチが提供される。
【0010】
また、本発明によれば、上記のタクティールスイッチにおいて、
前記スペーサシートは接着層を介して前記カバーシート及び前記回路基板に密着されてもよい。
また、本発明によれば、上記のタクティールスイッチにおいて、
前記回路基板は前記固定電極を外部端子へ導通させる引き出し電極用の貫通孔を有し、
前記貫通孔は、前記回路基板の端部から離れ、かつ、前記スペーサシートに覆われる位置に設けられ、前記接着層により封止されてもよい。
また、本発明によれば、上記のタクティールスイッチにおいて、
前記カバーシートは、はんだ融点温度以上の軟化点を有する樹脂を基材とすることができる。
また、本発明によれば、上記のタクティールスイッチにおいて、
前記基材はポリイミドで構成してもよい。
また、本発明によれば、上記のタクティールスイッチにおいて、
前記カバーシートの前記導電性薄膜とは反対側にドーム状クリックバネを設けてもよい。
【0011】
また、本発明によれば、
タクティールスイッチを取付基板に実装する実装方法であって、前記タクティールスイッチは、
互いに離間した一対の固定電極が設けられる回路基板と、
前記固定電極に対向するように設けられた導電性薄膜を有する弾性を有するカバーシートと、
前記導電性薄膜を囲むように前記回路基板と前記カバーシートとの間に密着状態で介装されて、前記一対の固定電極と前記導電性薄膜とを離間させるように前記カバーシートを支持するシート状のスペーサシートとを有し、
前記カバーシートが押圧操作されたときに前記導電性薄膜が前記一対の固定電極に導通することで、前記一対の固定電極間が導通されるタクティールスイッチであって、
前記回路基板と前記カバーシートと前記スペーサシートとは、はんだ溶融温度以上の溶融点を有する樹脂を基材とし、
前記実装方法は、前記タクティールスイッチ全体を加熱してはんだリフロー法で外部機器へはんだ付けする工程を有することを特徴とする実装方法が提供される。
【0012】
さらに、本発明によれば、上記実装方法において、
前記スペーサシートが熱硬化性樹脂またははんだ溶融温度以上の溶融点を有する樹脂で形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、固定電極と導通する導電性薄膜が薄いので導電性薄膜が設けられるカバーシートは容易に変形することができ、かつ、カバーシートは弾性を有するので容易に元の形状に戻ることができる。このため、従来のようなドーム状クリックバネを不要とできるので、シート状の薄いスペーサシートを用いて固定電極と導電性薄膜とを離間させ、これらを収容する収容空間を小さくすることができる。収容空間が充分小さいのでこの収容空間に連通する連通孔を不要とすることができ、防水性を有するタクティールスイッチを提供することができる。
【0014】
また、以上のように構成されるタクティールスイッチにおいて、弾性が必要とされるカバーシートの基材をはんだ溶融点以上の軟化点を有する樹脂で構成し、さらにスペーサシートの基材を熱硬化性樹脂で構成することで、タクティールスイッチをはんだリフロー法で取り付け基板等の外部機器に取り付けることができる。したがって他の電子機器と一緒にタクティールスイッチを外部機器へ表面実装することができ、タクティールスイッチを用いた外部機器を安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るタクティールスイッチの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るタクティールスイッチの斜視図である。
【図3】図2に示したタクティールスイッチの上面図である。
【図4】図2に示したタクティールスイッチの側面図である。
【図5】図2に示したタクティールスイッチの裏面図である。
【図6】図1に示したタクティールスイッチの組立状態におけるVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】本発明の変形例に係るタクティールスイッチの断面図である。
【図8】従来のタクティールスイッチの断面図である。
【図9】従来のタクティールスイッチの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0017】
図1〜6を参照して本発明の一実施形態に係るタクティールスイッチ10について詳細に説明する。図1はタクティールスイッチ10の分解斜視図であり、図2〜5はそれぞれタクティールスイッチ10の斜視図、上面図、側面図、裏面図である。図6はタクティールスイッチ10の組立状態における図1のVI−VI線に沿った断面図である。
【0018】
図1に示すように、タクティールスイッチ10は、略矩形状の回路基板1と、回路基板1の上面に印刷配線された第1電極2と第2電極3(一対の固定電極)と、回路基板1の上面に配置された略矩形のスペーサシート4と、スペーサシート4の上面に配置されたカバーシート5と、カバーシート5に印刷配線された導電性薄膜6とを有する。
【0019】
<基板>
回路基板1はポリイミド等のはんだ溶融温度より大きな軟化点を有する樹脂等を基材とするFPC(Flexible Printed Circuit)であり、その表面に銅メッキ等で一対の第1電極2及び第2電極3が形成されている。第1電極2及び第2電極3はそれぞれ、回路基板1の上面(導電性薄膜6と対向する面)に設けられ、互いに微少隙間を有して対向する複数(図1の例では3つずつ)の櫛歯状延出部2a,3aを有する。また、第1電極2及び第2電極3は図1に示したように回路基板1の外形よりも内側に設けられている。
【0020】
カバーシート5が押圧操作された時に導電性薄膜6が延出部2a,3aの微少隙間を橋渡しするように、導電性薄膜6が第1電極2及び第2電極3に接触することで、タクティールスイッチ10が導通される。このため、延出部2a,3aの櫛歯の本数を多くすると、微少隙間の占める面積が大きくなるので導電性薄膜6による導通を得られやすくなるので好ましい。
【0021】
さらに、第1電極2及び第3電極3はそれぞれ延出部2a,3aと反対側の面に設けられた引き出し部(引き出し電極)2b,3bとを有する(図5参照)。引き出し部2b,3bは、図6に示すように貫通孔9の内周面に設けられた導電層によって、延出部2a,3aと電気的に接続されている。この引き出し部2b,3bは外部機器(例えばタクティールスイッチ10の取り付け基板)とはんだ付け等によって接続可能である。また、この貫通孔9は矩形状の回路基板1の四隅であってスペーサシート4に覆われる位置に設けられている。
【0022】
<カバーシート>
カバーシート5は、ポリイミド等のはんだ溶融温度より大きな軟化点を有する樹脂を基材するシート状の部材であって回路基板1と同等の大きさを有する。また、カバーシート5は押圧操作されて撓んでも元の形状に戻ることのできる弾性を有する部材である。さらに、カバーシート5の下面には、導電性薄膜6を囲むように、その周囲には接着層8が設けられ、スペーサシート4と密着されている。
【0023】
カバーシート5の下面(回路基板1に対向する表面)の略中央には、導電性ペーストの印刷やめっきにより形成される薄い導電性薄膜6が設けられる。導電性薄膜6は、カバーシート5の撓み変形に容易に追従することができるように、例えば約5〜50μmの厚みに形成される。また、この導電性薄膜6の面積は、上述の第1電極2及び第2電極3の延出部2a,3aの微少隙間より大きく、好ましくは延出部2a,3a全体を覆う大きさがよい。
【0024】
<スペーサシート>
スペーサシート4はポリイミド等のはんだ溶融温度より大きな軟化点を有する樹脂を基材とし、中央部が切り抜かれた窓部4aを有する略矩形のシート状部材である。また、スペーサシート4の大きさは回路基板1の大きさと略同等に形成されている。上述の第1電極2と第2電極3の延出部2a,3aは、スペーサシート4の窓部4aを通じて導電性薄膜6と離間して対向する。また、スペーサシート4の下面(回路基板1と対向する面)には、熱硬化性の接着剤等からなる接着層7が設けられ、スペーサシート4と回路基板1とが密着されている。
【0025】
このスペーサシート4は、導電性薄膜6を囲むように回路基板1とカバーシート5との間に密着状態で介装されることで、第1電極2及び第2電極3の延出部2a,3aと導電性薄膜6とを収容する収容空間を密閉している。また、このスペーサシート4は、第1電極2及び第2電極3の延出部2a,3aと導電性薄膜6とを離間させた状態でカバーシート5を支持し、押圧操作されない通常時のタクティールスイッチ10をオフの状態に維持している。
なお、本実施形態ではスペーサシート4は樹脂製の基材と接着層7とから構成される例を説明したが、基材を設けず、接着剤を硬化させたものをスペーサシート4としてもよい。
【0026】
このスペーサシート4の厚みは導電性薄膜6と延出部2a,3aとの距離を規定するので、カバーシート5が押圧操作された時に導電性薄膜6が延出部2a,3aに容易に接触できるように、スペーサシート4は、例えば約30〜80μm程度の厚みに形成される。
【0027】
以上のように構成されるタクティールスイッチ10において、導電性薄膜6の厚みが薄いのでカバーシート6は容易に変形することができる。また、カバーシート6は弾性を有するので変形後、容易に元の形状に戻ることができる。このため、カバーシート6の押圧ストロークを短くすることができるので、第1電極2及び第2電極3の延出部2a,3aと導電性薄膜6との離間距離を規定するスペーサシート4をシート状にしてその厚みを小さくすることができる。したがって、第1電極2及び第2電極3の延出部2a,3aと導電性薄膜6とが収容される収容空間が小さくなるので、この収容空間と外部とを接続する連通孔を設けなくとも、導電性薄膜6を延出部2a,3aと導通させるようにカバーシート5を変形させることができる。よって防水性を有するタクティールスイッチを提供することができる。
【0028】
また、本実施形態においては、スペーサシート4の回路基板1側の表面とカバーシート5側の表面がそれぞれ、接着剤等の接着層7,8によって、回路基板1及びカバーシート5に密着されて収容空間の密閉性が向上されている。上述の説明では接着層7はスペーサシート4の下面、接着層8はカバーシート5の下面に設けられる構成を示したが、この構成に限られず、接着層7を回路基板1の上面に、接着層8をスペーサシート4の上面に設ける等、適宜変更しても良いことは明らかである。
【0029】
なお、回路基板1に設けられた貫通孔9を伝って外部から水が侵入する虞があるが、貫通孔9を熱硬化性の封止樹脂で封止し、更にその上部をスペーサシート4および接着層7で覆うことにより、収容空間の密閉性を更に高めることができる。
【0030】
また、本実施形態においては、第1電極2及び第2電極3が回路基板1の外形の内側に設けられているので密閉性が更に向上されている。すなわち、第1電極2及び第2電極3が回路基板1の外縁まで形成されていると、スペーサシート4を形成する接着剤が第1電極2及び第2電極3と回路基板1との間に形成された微少隙間を埋めることができない虞があり、この微少隙間から水がタクティールスイッチ10の内部に侵入する虞がある。ところが、本実施形態によれば、第1電極2及び第2電極3が回路基板1の外形の内側に設けられているので、上記微少隙間が形成されず、密閉性を更に高めることができる。
【0031】
<動作>
以上のように構成されるタクティールスイッチ10は、以下のように動作する。
まず、図6の如く平常状態ではスペーサシート4が、カバーシート5の導電性薄膜6と第1電極2及び第2電極3の延出部2a,3aとを離間させているので、第1電極2及び第2電極3とが導通されず、タクティールスイッチ10はオフの状態である。
【0032】
次に、カバーシート5の上面が回路基板1に向かって押圧操作されると、カバーシート5が下側に凸となるように導電性薄膜6に押し付けられ、導電性薄膜6が第1電極2及び第2電極3の延出部2a,3aの両方に接触して、第1電極2及び第2電極3が導電性薄膜6を介して導通し、タクティールスイッチ10はオンの状態となる。
【0033】
なお、カバーシート5の押圧操作が解除されると、カバーシート5はその弾性復元力によって元の形状に戻り、導電性薄膜6は第1電極2及び第2電極3の延出部2a,3aから離間され、再びタクティールスイッチ10はオフの状態に戻る。
【0034】
上述の如く構成されるタクティールスイッチ10は、回路基板1とスペーサシート4とカバーシート5のいずれもが、はんだ溶融温度よりも高い溶融点を有する耐熱性の樹脂を基材としている。このため、タクティールスイッチ10全体をはんだ溶融温度付近まで加熱しても樹脂製の各部材が溶けることがない。したがって、タクティールスイッチ10を取付基板等の外部機器に実装する際には、引き出し部2b,3bを含むタクティールスイッチ10全体と外部機器とを一緒にリフロー炉で加熱するはんだリフロー法を用いることができる。このように、タクティールスイッチ10を他の電子部品と同様にはんだリフロー法によって外部機器に一緒に取り付けることができるので、タクティールスイッチ10を用いた外部機器の製造コストを低減することができる。
【0035】
なお、スペーサシート4を熱硬化性樹脂の接着剤のみから形成した場合でも、回路基板1とカバーシート5のいずれもが、はんだ溶融温度よりも高い溶融点を有する耐熱性の樹脂を基材としている。このため、タクティールスイッチ10全体をはんだ溶融温度付近まで加熱しても樹脂製の各部材が溶けることがない。
【0036】
<変形例>
図7は本発明の変形例に係るタクティールスイッチ10Aの断面図である。変形例に係るタクティールスイッチ10Aは、カバーシート5の上にドーム状クリックバネ11が設けられ、さらに保護シート12がこのクリックバネ11を覆っている。保護シート12はその中央にクリックバネ11を収容する凹部が設けられ、クリックバネ11の中心が延出部2a,3aの略中心と一致するようにクリックバネ11を位置決めしている。クリックバネ11を設けることによって、タクティールスイッチ10Aを押圧操作した時のクリック感を得やすい。この他の態様は上述の実施形態と同様なので、同一の部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0037】
なお、上述の実施形態では矩形状のタクティールスイッチ10を例に挙げて説明したが、本発明はその形状に限られることはない。例えば円形や6角形等のタクティールスイッチにも適用できる。また、第1電極2及び第2電極3の延出部2a,3aは櫛歯状のものとして説明したが、この形状に限られることはない。
【符号の説明】
【0038】
1 回路基板
2 第1電極
3 第2電極
4 スペーサシート
5 カバーシート
6 導電性薄膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離間した一対の固定電極が設けられる回路基板と、
前記固定電極に対向するように設けられた導電性薄膜を有する弾性を有するカバーシートと、
前記導電性薄膜を囲むように前記回路基板と前記カバーシートとの間に密着状態で介装されて、前記一対の固定電極と前記導電性薄膜とを離間させるように前記カバーシートを支持するシート状のスペーサシートとを有し、
前記カバーシートが押圧操作されたときに前記導電性薄膜が前記一対の固定電極に押し付けられて導通することで、前記一対の固定電極間が導通されることを特徴とするタクティールスイッチ。
【請求項2】
前記スペーサシートは接着層を介して前記カバーシート及び前記回路基板に密着されていることを特徴とする請求項1に記載のタクティールスイッチ。
【請求項3】
前記回路基板は前記固定電極を外部端子へ導通させる引き出し電極用の貫通孔を有し、
前記貫通孔は、前記回路基板の端部から離れ、かつ、前記スペーサシートに覆われる位置に設けられ、前記接着層により封止されていることを特徴とする請求項2に記載のタクティールスイッチ。
【請求項4】
前記カバーシートは、はんだ融点温度以上の軟化点を有する樹脂を基材とすることを特徴とする請求項1に記載のタクティールスイッチ。
【請求項5】
前記基材はポリイミドからなることを特徴とする請求項4に記載のタクティールスイッチ。
【請求項6】
前記カバーシートの前記導電性薄膜とは反対側にドーム状クリックバネが設けられることを特徴とする請求項1に記載のタクティールスイッチ。
【請求項7】
タクティールスイッチを取付基板に実装する実装方法であって、前記タクティールスイッチは、
互いに離間した一対の固定電極が設けられる回路基板と、
前記固定電極に対向するように設けられた導電性薄膜を有する弾性を有するカバーシートと、
前記導電性薄膜を囲むように前記回路基板と前記カバーシートとの間に密着状態で介装されて、前記一対の固定電極と前記導電性薄膜とを離間させるように前記カバーシートを支持するシート状のスペーサシートとを有し、
前記カバーシートが押圧操作されたときに前記導電性薄膜が前記一対の固定電極に導通することで、前記一対の固定電極間が導通されるタクティールスイッチであって、
前記回路基板と前記カバーシートとは、はんだ溶融温度以上の溶融点を有する樹脂を基材とし、
前記実装方法は、前記タクティールスイッチ全体を加熱してはんだリフロー法で外部機器へはんだ付けする工程を有することを特徴とする実装方法。
【請求項8】
前記スペーサシートが熱硬化性樹脂またははんだ溶融温度以上の溶融点を有する樹脂で形成されていることを特徴とする請求項7記載の実装方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−233383(P2011−233383A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103121(P2010−103121)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】