説明

タックラベル、タックラベルの製造方法及び製造装置

ラベル用シートの所定間隔ごとに光粘着化性接着剤を部分印刷塗布して、接合シートで空気から密封して紫外線を照射して粘着性を持たせる。光粘着化性接着剤ならば粘着性を有していない状態でならば印刷塗布できるので、シート送り方向/長尺方向に所定間隔ごとに接着部分を一部形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、タックラベル、タックラベルの製造方法及び製造装置に関し、特にシート送り方向/長尺方向に所定間隔ごとに断続的に接着部分を一部形成する方法/装置/ラベル等の改良に関する。
発明の背景
従来、ラベル用シート全面またはシート送り方向/長尺方向に一本または複数本の連続した接着ラインを形成するものはあった。しかし、この従来の手法では、シート送り方向/長尺方向に所定間隔ごとに断続的に接着部分を一部形成することはできなかった。この理由は、接着ラインというものは、粘着性があるため、シート送り方向/長尺方向に断続的に接着剤を塗布すると、シートが弛んだり皺が寄ったり無理に引き延ばされたりして、良好なシート及びタックラベルを製造できなかったからである。
このため、本件出願人は、図9及び図10に示すように、予めラベル用シート(タックラベル/ラベル基材)32の下面に連続した接着層33を形成しておき、この接着層33に対して遮蔽層(非粘着性マスキング層/のり殺し)36を所定間隔毎に印刷塗布して、接着層33の接着機能を覆い隠すことをまず考えた。これらのラベル用シート(タックラベル/ラベル基材)32は、接合シート(剥離台紙)34の上に密着されている。この遮蔽層36は紫外線の照射などによって硬化するものなどがある。
しかし、これでは、形成した接着層33をわざわざ遮蔽層36で覆い隠していたため、遮蔽層36で覆い隠される接着層33が無駄となるし、遮蔽層36も必要となる。図9及び図10に示すように、接着層33のほとんどを遮蔽層36で覆い隠す場合には非常に無駄が多い。
課題を解決するための手段(発明のサマリー)
そこで、本発明では、光粘着化性接着剤を使用することにまず着目した。これならば接着剤が粘着性を有していない状態で印刷塗布でき、シート送り方向/長尺方向に所定間隔ごとに接着部分が一部形成されることができる。しかし、光粘着化性接着剤が空気中で光照射されると粘着力があまり出ない。そこで、さらに改良が進められ、接着剤が密封されて光照射されることになった。
本発明では、ラベルのパターンが所定間隔ごとに印刷塗布されるとともに、粘着性を有していない状態の光粘着化性接着剤が当該ラベルの大きさに応じた所定間隔毎に部分印刷塗布され、このラベル用シートの光粘着化性接着剤が印刷塗布された面に対して接合シートが密着されて、印刷塗布された光粘着化性接着剤が空気中の酸素から遮断され、この光粘着化性接着剤に対して光が照射されて粘着性が持たされ、上記印刷塗布されたラベルのパターンごとにラベル用シートまたは接合シートがカッティングされる。これにより、シートが弛んだりせず皺が寄ったりまたは無理に引き延ばされたりしない、良好なシート及びタックラベルが製造されることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タックラベル1の裏面側にインキ層16を印刷する場合の製造方法及び製造装置を示す。
【図2】タックラベル1の表面側にインキ層16を印刷する場合の製造方法及び製造装置を示す。
【図3】ラベル用シート2及び接合シート4が不透明の場合のタックラベル1の製造方法及び製造装置を示す。
【図4】図2の製法によるタックラベル1の断面構造を示す。
【図5】図1または図3の製法によるタックラベル1の断面構造を示す。
【図6】図1乃至図3の製法によるタックラベル1の平面構造を示す。
【図7】光粘着化性接着剤3を密封した場合と非密封の場合とにおける、紫外線照射量と粘着力との相関の実験結果を示す。
【図8】光粘着化性接着剤3を密封した場合における紫外線照射量と粘着力の時間経過変化との相関の実験結果を示す。
【図9】遮蔽層36を使ったタックラベルの例の断面構造を示す。
【図10】遮蔽層36を使ったタックラベルの例の平面構造を示す。
【符号の説明】
1…タックラベル(ラベル)
1a…本体部
1b…開封部
1c…開封連結部
2…ラベル用シート(ラベル基材)
3…光粘着化性接着剤(層)
3a…右下接着層
3b…左下接着層
3c…下縁接着層
3d…上部下縁接着層
3e…右上接着層
4…接合シート(剥離台紙)
5…予備接合シート(予備剥離台紙)
7…接着パターン印刷ローラ(接着剤印刷装置/フレキソ印刷装置)
8…紫外線ランプ(紫外線照射装置/UVランプ)
9…冷却ローラ(チルローラ)
10…ニップローラ(圧着ローラ/剥離ローラ)
11…ターンバー(反転装置)
12…ハーフカット型抜き装置(ダイカットローラ等)
13…カス上げ(カス上げ巻取り)
14…UVカット印刷ローラ(遮光剤塗布装置)
15…インキ印刷ローラ(インキ印刷装置/フレキソ印刷装置)
16…インキ層
16a…方形状インキ層
16b…矢印状のインキ層
17…紫外線遮光層
18a…中央切取線(ミシン目)
18b…上方斜め切取線(ミシン目)
19…カッティングライン
32…ラベル用シート(ラベル基材)
33…接着層
34…接合シート(剥離台紙)
36…遮蔽層(非粘着性マスキング層/のり殺し)
発明の実施の最良形態
(1)タックラベル1の製造方法及び製造装置(図1)
図1は、タックラベル1の製造方法及び製造装置の第1実施例を示す。本実施例ではラベル用シート2は不透明または透明であり、接合シート4も透明であり、光を透過させるものであり、ラベル用シート(ラベル基材)2の裏面にラベルのパターンのインキ層16、光粘着化性接着剤3、接合シート(剥離台紙)4の順番に積層される。
ラベル用シート(ラベル基材)2は単体かつ長尺状でロール状にローラに巻回され、順次引き出される。このラベル用シート2のローラは従動式であり、回転摩擦が少なく、ラベル用シート2が引き出されると、容易に回転する。このローラは従動ではなくモーターによる駆動式でもよい。このラベル用シート2は、光が透過しない不透明なフィルムまたは、光が透過する透明なフィルムである。この光は後述するように紫外線、可視光線、電子線を含む。
この引き出されたラベル用シート2の裏面には、複数の多色用のインキ印刷ローラ(インキ印刷装置/フレキソ印刷装置)15…で複数の色のパターンのインキが順次重ねて印刷塗布される。これにより、タックタベルのパターンが所定間隔毎に印刷形成される。このラベル印刷パターンは、ラベル用シート2の裏面に、図1において上側より印刷される。
カラーインク(白黒灰色を含む)が印刷塗布されたラベル用シート2は、接着パターン印刷ローラ(接着剤印刷装置/フレキソ印刷装置)7で、粘着性を有していない状態の光粘着化性接着剤3が、当該ラベルの大きさに応じた所定間隔毎に部分印刷塗布される。光粘着化性接着剤3は、紫外線(UV)、可視光線、電子線など光または光に準じる媒体の照射によって、粘着性を有する状態に変化する。この光粘着化性接着剤3は、ラベル用シート2の裏面に、図1において上側より印刷塗布される。この光粘着化性接着剤3の印刷塗布間隔と上記カラーインキの印刷塗布間隔は同じまたは互いに整数倍の関係にある。
接合シート(剥離台紙)4は長尺状でロール状にローラに巻回され、順次引き出される。この接合シート4のローラは従動式であり、回転摩擦が少なく、接合シート4が引き出されると、容易に回転する。このローラは従動ではなくモーターによる駆動式でもよい。この接合シート4は、光が透過する透明なフィルムである。この光は後述するように紫外線、可視光線、電子線を含む。
この引き出された接合シート4は、ニップローラ(圧着ローラ)10で上記ラベル用シート2の裏面に圧着/接合/積層されて密着され、光粘着化性接着剤3は空気または酸素から完全に遮断される。この接合シート4が密着されたラベル用シート2は、冷却ローラ(チルローラ)9上で紫外線ランプ(紫外線照射装置/UVランプ)8から光(上記紫外線等)が照射される。これにより、密封された光粘着化性接着剤3は粘着性を生じる。この光照射によって、当該接着剤3が重合反応及び架橋反応されて粘着化する。
この後、ラベル用シート2及び接合シート4は、ターンバー(反転装置)11で表裏反転され、ハーフカット型抜き装置(ダイカットローラ等)12で接合シート4及びタックラベル1部分だけ残してハーフカットされる、つまりラベル用シート2から光粘着化性接着剤3まで、またはさらにカラーインキ層までハーフカットされる。このハーフカットされたタックラベル1部分が接合したままの接合シート4は、タックラベル1のシートとしてローラに巻き取られる。また、残りのラベル用シート2等は、カス上げ13としてローラに巻き取られる。
これらカス上げ13及びタックラベル1のシートを巻き取るローラは、モーターによる駆動式である。ハーフカット型抜き装置12では、上記所定間隔毎であって、タックラベル1のパターンごとにカッティングされる。
上記印刷塗布されるラベルのパターンのインキには、場合によって紫外線遮光剤が混入されたり、このインキの上に紫外線遮光剤が印刷塗布されたり、紫外線遮光シートが接合される。また、上記ラベル用シート2または接合シート4にも、紫外線遮光シートがさらに接合され、またはこれらのシート2、4に紫外線遮光剤が印刷塗布または配合される。
これにより、タックラベル1のパターンの印刷インキ色とインキ皮膜層またはラベル用シート2自体若しくは接合シート4自体が、紫外線によって変退色または劣化/変質されるのが防止されて保護される。さらに、この透明のタックラベル1(ラベル用シート2)を貼った容器内の薬液等の物質が、紫外線によって劣化したり変質したりするのが防止され保護される。このような印刷/塗布/接合は、後述するUVカット印刷ローラ(遮光剤塗布装置)14の設置によって達成される。
なお、紫外線ランプ8は、接合シート(剥離台紙)4の上からではなく、ラベル用シート2の下から照射されてもよい。この場合光粘着化性接着剤3の印刷塗布部分と上記カラーインキの印刷塗布部分とは重ならないようにし、ラベル用シート2は透明となる。この場合、接合シート4は不透明であって光を透過させないものでもよい。この場合のラベル用シート2は、光を透過する透明なフィルムである。この光は上述するように紫外線、可視光線、電子線を含む。
上記各ローラの回転量(モーター回転角)及びラベル用シート2または/及び接合シート4の送り出し量は、光センサなどによって同期及び調和が取られ、回転量及び送り出し量の均一化がはかられ、弛み/皺/無理な引き延ばしが生じないようにされる。各ローラはタックラベル製造装置内に回転可能に支持されている。ターンバー11ではラベル用シート2及び接合シート4に対してローラが45度斜めに当てがわれ、これらのシート2、4が90度横方向に裏返しに反転されるか、2つのローラを介して上方へ折り返し反転される。
(2)タックラベル1の製造方法及び製造装置(図2)
図2は、タックラベル1の製造方法及び製造装置の第2実施例を示す。本実施例ではラベル用シート2は不透明または透明であり、接合シート4は透明であって、光を透過させるものであり、ラベル用シート(ラベル基材)2の表面にラベルのパターンのインキが積層され、ラベル用シート2の裏面に光粘着化性接着剤3、接合シート(剥離台紙)4の順番に積層される。
ラベル用シート(ラベル基材)2は単体かつ長尺状でロール状にローラに巻回され、順次引き出される。このラベル用シート2のローラは従動式であり、回転摩擦が少なく、ラベル用シート2が引き出されると、容易に回転する。このローラは従動ではなくモーターによる駆動式でもよい。このラベル用シート2は、光が透過しない不透明なフィルム、または光が透過する透明なフィルムである。この光は後述するように紫外線、可視光線、電子線を含む。
この引き出されたラベル用シート2は、接着パターン印刷ローラ(接着剤印刷装置/フレキソ印刷装置)7で、粘着性を有していない状態の光粘着化性接着剤3が、当該ラベルの大きさに応じた所定間隔毎に部分印刷塗布される。光粘着化性接着剤3は、紫外線(UV)、可視光線、電子線など光または光に準じる媒体の照射によって、粘着性を有する状態に変化する。この光粘着化性接着剤3は、ラベル用シート2の裏面に、図2において上側より印刷塗布される。
接合シート(剥離台紙)4は長尺状でロール状にローラに巻回され、順次引き出される。この接合シート4のローラは従動式であり、回転摩擦が少なく、接合シート4が引き出されると、容易に回転する。このローラは従動ではなくモーターによる駆動式でもよい。この接合シート4は、光が透過する透明フィルムである。
この引き出された接合シート4は、ニップローラ(圧着ローラ)10で上記ラベル用シート2の裏面に圧着/接合/積層されて密着され、光粘着化性接着剤3は空気または酸素から完全に遮断される。この接合シート4が密着されたラベル用シート2は、冷却ローラ(チルローラ)9上で紫外線ランプ(紫外線照射装置/UVランプ)8から光(上記紫外線等)が照射される。これにより、密封された光粘着化性接着剤3は粘着性を生じる。この光照射によって、当該接着剤3が重合反応及び架橋反応されて粘着化する。
この後、ターンバー(反転装置)11で表裏反転され、接合シート4が裏面に接合されたラベル用シート2の表面には、複数の多色用のインキ印刷ローラ(インキ印刷装置/フレキソ印刷装置)15…で複数の色のパターンのインキが順次重ねて印刷塗布される。これにより、タックタベルのパターンが所定間隔毎に印刷形成される。このラベル印刷パターンは、ラベル用シート2の表面に、図2において上側より印刷される。このカラーインキの印刷塗布間隔と上記光粘着化性接着剤3の印刷塗布間隔とは同じまたは互いに整数倍の関係にある。
カラーインク(白黒灰色を含む)が印刷塗布されたラベル用シート2及び接合シート4は、UVカット印刷ローラ(遮光剤塗布装置)14で、遮光剤が印刷塗布される。この遮光剤は、紫外線を遮断するものであり、これにより、タックラベル1のパターンの印刷インキ色とインキ皮膜層またはラベル用シート2自体若しくは接合シート4自体が、紫外線によって変退色または劣化/変質されるのが防止されて保護される。さらに、この透明のタックラベル1(ラベル用シート2)を貼った容器内の薬液等の物質が、紫外線によって劣化するのが防止され保護される。
この後、ハーフカット型抜き装置(ダイカットローラ等)12で接合シート4及びタックラベル1部分だけ残してハーフカットされる、つまりラベル用シート2から光粘着化性接着剤3まで、またはさらにカラーインキ層までハーフカットされる。このハーフカットされたタックラベル1部分が接合したままの接合シート4は、タックラベル1のシートとしてローラに巻き取られる。また、残りのラベル用シート2等は、カス上げ13としてローラに巻き取られる。
これらカス上げ13及びタックラベル1のシートを巻き取るローラは、モーターによる駆動式である。ハーフカット型抜き装置では、上記所定間隔毎であって、タックラベル1のパターンごとにカッティングされる。
なお、上記印刷塗布されるラベルのパターンのインキには、場合によって紫外線遮光剤が混入されたり、このインキの上に紫外線遮光剤が印刷塗布されたり、紫外線遮光シートが接合される。また、上記ラベル用シート2または接合シート4にも、紫外線遮光シートがさらに接合され、またはこれらのシート2、4に紫外線遮光剤が印刷塗布または配合される。
これにより、タックラベル1のパターンの印刷インキ色とインキ皮膜層またはラベル用シート2自体若しくは接合シート4自体が、紫外線によって変退色または劣化/変質されるのが防止されて保護される。さらに、この透明のタックラベル1(ラベル用シート2)を貼った容器内の薬液等の物質が、紫外線によって劣化したり変質したりするのが防止され保護される。このような印刷/塗布/接合も、上述したUVカット印刷ローラ(遮光剤塗布装置)14の設置によって達成される。
また、紫外線ランプ8は、接合シート4(剥離台紙)の上からではなく、ラベル用シート2の上から照射されてもよい。この場合、ラベル用シート2は透明となるし、この場合の紫外線ランプ8は、ターンバー11、インキ印刷ローラ15…またはUVカット印刷ローラ14の後に設けられても良い。そして、接合シート4は不透明であって光を透過させないものであってもよい。
上記各ローラの回転量(モーター回転角)及びラベル用シート2または/及び接合シート4の送り出し量は、光センサなどによって同期及び調和が取られ、回転量及び送り出し量の均一化がはかられ、弛みや皺や無理な引き延ばしが生じないようにされる。各ローラはタックラベル製造装置内に回転可能に支持されている。ターンバー11ではラベル用シート2及び接合シート4に対してローラが45度斜めに当てがわれ、これらのシート2、4が90度横方向に裏返しに反転されるか、2つのローラを介して上方へ折り返し反転される。
(3)タックラベル1の製造方法及び製造装置(図3)
図3は、タックラベル1の製造方法及び製造装置の第3実施例を示す。本実施例ではラベル用シート2及び接合シート4は不透明であって光を透過させないものであり、ラベル用シート(ラベル基材)2の表面にラベルのパターンのインキが積層され、ラベル用シート2の裏面に光粘着化性接着剤3、接合シート(剥離台紙)4の順番に積層される。
ラベル用シート(ラベル基材)2は単体かつ長尺状でロール状にローラに巻回され、順次引き出される。このラベル用シート2のローラは従動式であり、回転摩擦が少なく、ラベル用シート2が引き出されると、容易に回転する。このローラは従動ではなくモーターによる駆動式でもよい。このラベル用シート2は、光が透過しない不透明なフィルムである。
この引き出されたラベル用シート2は、複数の多色用のインキ印刷ローラ(インキ印刷装置/フレキソ印刷装置)15…で複数の色のパターンのインキが順次重ねて印刷塗布される。これにより、タックタベルのパターンが所定間隔毎に印刷形成される。このラベル印刷パターンは、ラベル用シート2の裏面に、図3において上側より印刷される。
カラーインク(白黒灰色を含む)が印刷塗布されたラベル用シート2は、ターンバー(反転装置)11で表裏反転され、接着パターン印刷ローラ(接着剤印刷装置/フレキソ印刷装置)7で、粘着性を有していない状態の光粘着化性接着剤3が、当該ラベルの大きさに応じた所定間隔毎に部分印刷塗布される。光粘着化性接着剤3は、紫外線(UV)、可視光線、電子線など光または光に準じる媒体の照射によって、粘着性を有する状態に変化する。この光粘着化性接着剤3は、ラベル用シート2の裏面に、図1において上側より印刷塗布される。この光粘着化性接着剤3の印刷塗布間隔と上記カラーインキの印刷塗布間隔は同じまたは互いに整数倍の関係にある。
予備接合シート(予備剥離台紙)5はエンドレス状で複数のローラに掛け渡され、順次エンドレスで循環する。この予備接合シート5のローラは従動式であり、回転摩擦が少なく、接合シート4が引き出されると、容易に回転する。このローラは従動ではなくモーターによる駆動式でもよい。この予備接合シート5は、剥離性があり、光を透過する透明なフィルムである。この光は後述するように紫外線、可視光線、電子線を含む。
この引き出された予備接合シート5は、ニップローラ(圧着ローラ)10で上記ラベル用シート2の裏面に圧着/接合/積層されて密着され、光粘着化性接着剤3は空気または酸素から完全に遮断される。こ予備接合シート5が密着されたラベル用シート2は、冷却ローラ(チルローラ)9上で紫外線ランプ(紫外線照射装置/UVランプ)8から光(上記紫外線等)が照射される。これにより、密封された光粘着化性接着剤3は粘着性を生じる。この光照射によって、当該接着剤3が重合反応及び架橋反応されて粘着化する。
この後、ニップローラ(剥離ローラ)10で上記ラベル用シート2から予備接合シート5が剥がされ、予備接合シート5はループ状に循環し、密着(密封)及び剥離が繰り返される。このエンドレスの予備接合シート5の長さは、上記光粘着化性接着剤3または上記カラーインキの印刷塗布間隔の正確に整数倍の長さである。これにより、粘着化した光粘着化性接着剤3がエンドレスの予備接合シート5の同じ箇所に絶えず接することとなり、粘着化した光粘着化性接着剤3がラベル用シート2の異なる位置に再転写されてしまうことがない。
接合シート(剥離台紙)4は長尺状でロール状にローラに巻回され、順次引き出される。この接合シート4のローラは従動式であり、回転摩擦が少なく、接合シート4が引き出されると、容易に回転する。このローラは従動ではなくモーターによる駆動式でもよい。この接合シート4は光が透過しない不透明なフィルムである。
この引き出された接合シート4は、ニップローラ(圧着ローラ)10で上記ラベル用シート2の裏面に圧着/接合/積層されて密着され、光粘着化性接着剤3は空気または酸素から完全に遮断される。この接合シート4が密着されたラベル用シート2は、ターンバー(反転装置)11で表裏反転され、ハーフカット型抜き装置(ダイカットローラ)12で接合シート4及びタックラベル1部分だけ残してハーフカットされる、つまりラベル用シート2から光粘着化性接着剤3まで、またはさらにカラーインキ層までハーフカットされる。このハーフカットされたタックラベル1部分が接合したままの接合シート4は、タックラベル1のシートとしてローラに巻き取られる。また、残りのラベル用シート2等は、カス上げ13としてローラに巻き取られる。
これらカス上げ13及びタックラベル1のシートを巻き取るローラは、モーターによる駆動式である。ハーフカット型抜き装置では、上記所定間隔毎であって、タックラベル1のパターンごとにカッティングされる。
上記印刷塗布されるラベルのパターンのインキには、場合によって紫外線遮光剤が混入されたり、このインキの上に紫外線遮光剤が印刷塗布されたり、紫外線遮光シートが接合される。また、上記ラベル用シート2または接合シート4にも、紫外線遮光シートがさらに接合され、またはこれらのシート2、4に紫外線遮光剤が印刷塗布または配合される。
これにより、タックラベル1のパターンの印刷インキ色とインキ皮膜層またはラベル用シート2自体若しくは接合シート4自体が、紫外線によって変退色または劣化/変質されるのが防止されて保護される。さらに、この不透明のタックラベル1(ラベル用シート2)を貼った容器内の薬液等の物質が、紫外線によって劣化したり変質したりするのが防止され保護される。このような印刷/塗布/接合は、上述したUVカット印刷ローラ(遮光剤塗布装置)14の設置によって達成される。
なお、予備接合シート5はエンドレスではなく、送り出しローラに長く巻かれ、この送り出しローラから送り出され、上記ニップローラ(圧着ローラ)10から剥離ローラ(ニップローラ)10までラベル用シート2に密着され、巻き取りローラに巻き取られてもよい。
上記各ローラの回転量(モーター回転角)及びラベル用シート2、接合シート4または/及び予備接合シート5の送り出し量は、光センサなどによって同期及び調和が取られ、回転量及び送り出し量の均一化がはかられ、弛みや皺や無理な引き延ばしが生じないようにされる。各ローラはタックラベル製造装置内に回転可能に支持されている。ターンバー11ではラベル用シート2及び接合シート4に対してローラが45度斜めに当てがわれ、これらのシート2、4が90度横方向に裏返しに反転されるか、2つのローラを介して上方へ折り返し反転される。
(4)タックラベル1の断面構造(図2の製法)
図4は、上述の図2の製造装置/製造方法によって製造されたタックラベル1の断面構造を示す。上記ラベル用シート(ラベル基材)2の下面(裏面)には、上記接着パターン印刷ローラ(接着剤印刷装置/フレキソ印刷装置)7によって上記光粘着化性接着剤(層)3が印刷塗布され、この光粘着化性接着剤(層)の下には、接合シート(剥離台紙)4が接合(接着)されている。
上記ラベル用シート2の上面(表面)には、上記インキ印刷ローラ(インキ印刷装置/フレキソ印刷装置)15によってインキ層16が印刷塗布されている。このインキ層16の上面には、上記UVカット印刷ローラ(遮光剤塗布装置)14によって印刷塗布された紫外線遮光層17が印刷塗布/接合されている。このようにタックラベル1のインキ層16つまりパターンの印刷塗布面と、上記光粘着化性接着剤3の印刷塗布面とは異なる面となる。
このようなインキ層16と光粘着化性接着剤(層)3とが表裏とで異なれば、容器に貼ったタックラベル1の印刷面を表側から見ることができる。
(5)タックラベル1の断面構造(図1または図3の製法)
図5は、上述の図1または図3の製造装置/製造方法によって製造されたタックラベル1の断面構造を示す。上記ラベル用シート(ラベル基材)2の上面(表面)または下面(裏面)には、上記インキ印刷ローラ(インキ印刷装置/フレキソ印刷装置)15によってインキ層16が印刷塗布されている。このインキ層16の下面またはラベル用シート2の下面(裏面)には、上記接着パターン印刷ローラ(接着剤印刷装置/フレキソ印刷装置)7によって上記光粘着化性接着剤(層)3が印刷塗布されている。
この光粘着化性接着剤(層)の下には、接合シート(剥離台紙)4が接合(接着)されている。上記ラベル用シート2の上面(表面)には、上記UVカット印刷ローラ(遮光剤塗布装置)14によって印刷塗布された紫外線遮光層17が印刷塗布/接合されている。このようにタックラベル1のインキ層16つまりパターンの印刷塗布面と、上記光粘着化性接着剤3の印刷塗布面とは同じ面または異なる面となる。
このようなインキ層16(ラベルのパターン)と光粘着化性接着剤(層)3とが同じ裏面であれば、透明の容器の表面に、このインキ層16及び光粘着化性接着剤(層)3の側が貼り付けられ、透明容器に貼ったタックラベル1の印刷面(ラベルのパターン)を透明の容器を透過して裏側から見ることができる。また、ラベル用シート2がインキ層16を保護するコーティング層の役目を果たしているので、表面に印刷したときのようにインキ層16を保護するコーティング層は不要となる。これは上述の図1の製造方法で製造されるタックラベル1でも同様である。
なお、図1乃至図3において、インキ印刷ローラ(インキ印刷装置/フレキソ印刷装置)15はラベル用シート2の裏面と表面との両方に対して設けることもできる。これにより、タックラベル1の表側からも裏側からも印刷面を見ることができる。
(6)タックラベル1の平面構造
図6は、上述の図1乃至図3の製造装置/製造方法によって製造されたタックラベル1の平面構造を示す。透明のラベル用シート2の表面または裏面には、上記インキ印刷ローラ(フレキソ印刷装置)15によって方形状及び矢印状のインキ層16が印刷塗布されている。
方形状のインキ層16aには製品名、製造会社、販売会社、効能、成分、内容量、注意書き等が印刷される。矢印状のインキ層16bは、ここをつまんで引くと後述する中央切取線(ミシン目)18a及び上方斜め切取線(ミシン目)18bに沿って、タックラベル1の上半分である開封部1b及び開封連結部1cが下半分である本体部1aから分離され引き剥がされるようになっている。
これらの中央切取線(ミシン目)18a及び上方斜め切取線(ミシン目)18bは、上記ハーフカット型抜き装置(ダイカットローラ等)12でハーフカットされるときに同時に形成されるし、タックラベル1の周縁のカッティングライン19このハーフカットによって形成される。
このタックラベル1の下半分である本体部1aの左右両端には、上記接着パターン印刷ローラ(接着剤印刷装置/フレキソ印刷装置)7によって上記光粘着化性接着剤(層)3が印刷塗布され、右下接着層3a及び左下接着層3bが形成されている。また、タックラベル1の本体部1aの下縁には、上記接着パターン印刷ローラ7によって上記光粘着化性接着剤(層)3が印刷塗布され、下縁接着層3cが形成されている。
また、タックラベル1の上半分である開封部1bの下縁には、上記接着パターン印刷ローラ7によって上記光粘着化性接着剤(層)3が印刷塗布され、上部下縁接着層3dが形成されている。タックラベル1の上半分の右の三角形部分である開封連結1cの右端には、上記接着パターン印刷ローラ7によって上記光粘着化性接着剤(層)3が印刷塗布され、右上接着層3eが形成されている。
これら右下接着層3a、左下接着層3b及び右上接着層3eは、下縁接着層3c及び上部下縁接着層3dに対して太く形成され、接着力も強くなっている。そして、上部下縁接着層3dの接着力に抗して、開封部1b及び開封連結部1cを容易に引き剥がすことができる。
また、容器に本タックラベル1を貼着したとき、左下接着層3bの上に重ねて右下接着層3aが接着されるので、下半分の本体部1aは容器に強く貼られる。これに対し、開封部1bの左端には接着層が形成されていないので、開封部1bは容器から容易に引き剥がすことができる。しかも、開封連結部1cの右端の右上接着層3eは開封部1bの左端の上に重ねて接着されているので、開封連結部1cは開封部1bとともに繋がって一体的に引き剥がされる。
このような本タックラベル1が貼り付けられる容器は、円柱若しくは角柱または円筒若しくは角筒の容器である。したがって、本タックラベル1は、円柱若しくは角柱の表面または円筒若しくは角筒の表面に貼り付けられる。
このようなタックラベル1の開封部1b及び開封連結部1cは、上記容器の蓋(キャップ)部分に巻き付けられて貼着され、タックラベル1の本体部1aは、当該容器の本体(胴)部分に巻き付けられて貼着される。これにより、開封部1b及び開封連結部1cの引き剥がし状態によって容器の未開封と開封とが判別される。
このようなタックラベル1は、上記ラベル用シート(ラベル基材)2及び接合シート(剥離台紙)4の幅方向にわたって上記所定間隔を置いて複数列形成され、さらに、ラベル用シート(ラベル基材)2及び接合シート(剥離台紙)4の送り方向/長手方向(図6の左右方向)に沿って上記所定間隔を置いて多数順次形成される。
したがって、これら右下接着層3a、左下接着層3b、右上接着層3e、下縁接着層3c及び上部下縁接着層3dは、シート2、4の送り方向/長手方向に沿って当該タックラベル1の大きさに応じた所定間隔毎に部分印刷塗布されている。また、インキ層16a及び16bも、シート2、4の送り方向/長手方向に沿って当該タックラベル1の大きさに応じた所定間隔毎に部分印刷塗布されている。なお、下縁接着層3c及び上部下縁接着層3dは、場合によって省略可能である。
特に、右下接着層3a、左下接着層3b、右上接着層3eのように、シート2、4のほぼ幅方向(シート2、4の送り方向/長手方向に対してほぼ直交方向)に伸びる接着層を印刷塗布形成する場合には、本発明のような手法は特に有効であり、シート2、4が弛んだり皺がよったり無理に引き延ばされたりしない。
また、シート2、4の送り方向/長手方向において、光粘着化性接着剤(層)3の形成されている部分の長さ/面積が、同光粘着化性接着剤(層)3の形成されていない部分の長さ/面積より短い/小さい場合にも、本発明のような手法は特に有効であり、シート2、4が弛んだり皺がよったり無理に引き延ばされたりしない。この場合、シート2、4の送り方向/長手方向に沿って各タックラベル1は揃っているが、これが少しずつずれていてもかまわない。
さらに、シート2、4のほぼ幅方向(シート2、4の送り方向/長手方向に対してほぼ直交方向)において、光粘着化性接着剤(層)3の形成されている部分の長さ/面積が、同光粘着化性接着剤(層)3の形成されていない部分の長さ/面積より長い/大きい場合にも、本発明のような手法は特に有効であり、シート2、4が弛んだり皺がよったり無理に引き延ばされたりしない。この場合、シート2、4の幅方向に沿って各タックラベル1は揃っているが、これが少しずつずれていてもかまわない。
なお、右下接着層3a、左下接着層3b、右上接着層3e、下縁接着層3cまたは/及び上部下縁接着層3dは、タックラベル1の周縁のカッティンされる境界つまりカッティングライン19に接して形成され、カッティングされる部分より内側の裏面にのみ、上記光粘着化性接着剤3が部分印刷塗布される。これにより、ハーフカット型抜き装置(ダイカットローラ等)12でハーフカットされた接合シート4及びタックラベル1部分から、カス上げされるラベル用シート2を容易に剥離できるし、貼り付けたタックラベル1が容器から容易に離脱しない。
また、右下接着層3a、左下接着層3b、右上接着層3e、下縁接着層3cまたは/及び上部下縁接着層3dは、タックラベル1の周縁のカッティンされる境界つまりカッティングライン19よりさらに内側に形成され、カッティングされる部分よりかなり内側の裏面にのみ、上記光粘着化性接着剤3が部分印刷塗布されてもよい。これにより、ハーフカット型抜き装置(ダイカットローラ等)12でハーフカットされた接合シート4及びタックラベル1部分から、カス上げされるラベル用シート2を容易に剥離できる。
さらに、右下接着層3a、左下接着層3b、右上接着層3e、下縁接着層3cまたは/及び上部下縁接着層3dは、ラベル用シート2のカッティングされる境界つまりカッティングライン19より外側にはみ出して形成されてもよく、カッティングされる部分より外側にはみ出して上記光粘着化性接着剤3が部分印刷塗布されてもよい。これにより、貼り付けられたタックラベル1が容器から容易に剥離しなくなる。
この右下接着層3a、左下接着層3b、右上接着層3e、下縁接着層3cまたは/及び上部下縁接着層3dは、線状または面状に印刷塗布形成されるが、点状、破線状、モザイク状、縞模様状、市松模様状、水玉模様状に印刷塗布形成されてもよい。
さらに、タックラベル1の周縁のカッティングライン19はミシン目または連続線(ハーフカット)とされ、このカッティングライン19の外縁に余分にラベル用シート2が残されてハーフカットされてもよい。言い換えれば、タックラベル1のカッティングライン19の内側に、さらにミシン目または連続線のカッティングのラインが形成されてもよいし、ラベル用シート2及び接合シート4タックラベル1より大きい形にカッティングされ、カッティングされる部分よりほぼ内側のラベル用シート2にのみ、上記光粘着化性接着剤3が部分印刷塗布される。これにより、タックラベル1の周縁が保護される。
また、上述のハーフカット(カッティング)では、ラベル用シート2だけが上記タックラベル1の形またはタックラベル1より大きい形にカッティングされるものであったが、オールカットでもよく、ラベル用シート2とともに接合シート4までも、タックラベル1の形またはタックラベル1より大きい形にカッティングされてもよい。
このようなタックラベル1は、接合シート(剥離台紙)4から剥がされて、上記容器の外面に貼り付けられる、
(7)タックラベル1の素材
上記ラベル用シート(ラベル基材)2及び接合シート4の素材は、プラスチックフィルム、合成紙、紙、箔、蒸着紙、蒸着されたプラスチックフィルムまたはこれらの混合または積層体などが用いられる。プラスチックフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、セロファンなどの単体層フィルム、またはこれらの多層フィルムまたは蒸着フィルムである。
ラベル用シート2または/及び接合シート4は、上述のとおり透明でも不透明でもよく、一軸または二軸延伸或いは無延伸フィルムの何れであってもよいが、好ましくは熱収縮延伸フィルム(特にポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルの熱収縮延伸フィルム)である。この場合、接合シート4とラベル用シート2の収縮率は同じであることが望ましい。
ラベル用シート(ラベル基材)2つまりタックラベル1が熱収縮延伸フィルムであり、しかも上記円柱形(角柱形、円筒形、角筒形)の表面の周回方向に延伸収縮方向を合致させれば、この周回方向に沿ってタックラベル1熱収縮が可能であり、熱を加えることによってタックラベル1が強固に容器に貼り付けられる。むろん、ラベル用シート2が二軸または多軸の熱収縮延伸性であれば、周回方向及び容器の蓋の開封方向のほか、これらの方向と直交する縦方向、斜め方向にも熱収縮することになる。
しかも光粘着化性接着剤3、すなわち右下接着層3a、左下接着層3b、右上接着層3eは、この延伸収縮方向に対して直交する方向に沿って、しかもタックラベル1の熱収縮方向の先頭と末尾に、言い換えれば容器に周回されるとき重なりあって同じ位置となる箇所だけに、線状または点状に印刷塗布形成されている。したがって、タックラベル1の熱収縮延伸によって、容器に貼り付けられたタックラベル1に弛みが生じたり皺がよったり無理に引き延ばされたりすることがない。
このラベル用シート(ラベル基材)2の厚みは、一般には15〜200μm(ミクロン)、望ましくは25〜100μm、より望ましくは35〜50μmであり、また200μm以上でもよく、タックラベル1として取扱い性、作業性等が損なわれないように選択される。
光粘着化性接着剤(層)3は、フレキソ印刷機のアニロックスロール(50〜55L)によって、UV粘着剤前駆体インキをフレキソ樹脂凸版に転移させ、一定の厚み(6〜8g/m2)に印刷塗布される。この印刷塗布された光粘着化性接着剤(層)3に、空気または酸素から完全に遮断されて紫外線が照射され、均一で安定した強い粘着性をもつ光粘着化性接着剤(層)が形成される。フレキソ樹脂凸版の代わりにグラビア版またはスクリーン版等が用いられてもよい。UV粘着剤前駆体インキは、アクリル系モノマーまたはオリゴマーに、炭化水素系樹脂、重合禁止剤、酸化防止剤、光重合開始剤などが添加混合される。
この光粘着化性接着剤(層)3の素材のアクリル系モノマーまたはオリゴマーは、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクルル酸アルキルエステルなどである。この光粘着化性接着剤(層)3の素材は、このような水溶性または非水溶性のアクリル系接着剤のほか、場合によって、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸アルキルエステルもさらに混合され、さらに、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマーなどが共重合される。光粘着化性接着剤(層)3の素材は、他に、ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤でもよい。
このような光粘着化性接着剤(層)3は、1平方メートル当たり4.5乃至16グラム、望ましくは5乃至12グラム、より望ましくは6乃至8グラム印刷塗布される。光粘着化性接着剤(層)3の厚みは、3〜100μm(ミクロン)、望ましくは7〜70μm、より望ましくは10〜40μmであり、また100μm以上でもよい。
この光粘着化性接着剤(層)3に照射される上記紫外線ランプ8からの紫外線の光照射量は1平方メートル当たり14〜60ミリジュール(mJ/m2)、望ましくは17〜45ミリジュール、より望ましくは20〜30ミリジュールである。空気または酸素を完全に遮断することにより、光粘着化性接着剤(層)3は光照射後に時間経過しても粘着力がほぼ変化せず、当該光粘着化性接着剤(層)3はほぼ完全に重合及び架橋される。
このように光粘着化性接着剤(層)3が重合及び架橋されると、粘着性を帯びた光粘着化性接着剤(層)3の粘着力は変化しないので、タックラベル1の容器への貼付を安定したものとすることができる。また、光粘着化性接着剤(層)3が完全に重合及び架橋されると、光粘着化性接着剤(層)3が化学的に安定する。これにより、光粘着化性接着剤(層)3が変質または劣化することもなくなる。
上記接合シート(剥離台紙)4または/及び予備接合シート(予備剥離台紙)5の素材は、プラスチックフィルム、合成紙、紙またはこれらの混合または積層体などが用いられる。酸素遮断性と紫外線透過性及び接着剤層に対する剥離性を有するフィルムであれば、一軸、二軸、無延伸またはこれらの複合であって、ラミネーションフィルムなどである。例えば、酸素遮断性の高いプラスチックフィルムとしては、EVOH(エバール)、PVDC(塩化ビニリデン共重合体)、PAN(アクリロニトリル共重合体)、ONY(ナイロン)などがる。紫外線透過性の高いプラスチックフィルムとしては、PVA(ポバール)、OPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、などがある。
これらの接合シート4、5には、必要により剥離性の表面処理(剥離剤のコーティング等)が施される。接合シート4、5の厚みは、一般には20〜80μm、望ましくは40〜80μmであり、タックラベル1として取扱い性、作業性等が損なわれないように選択される。
上記インキ層16(16a及び16b)を形成するインキの素材は、モノマー成分またはオリゴマー成分に、顔料、添加剤等が添加混合される。モノマー成分は、メタクリル酸2−ヒドロキシアチル、アクルル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸シクロヘキシル、ジシクロベンタジエンアクリレートなどである。オリゴマー成分は、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどである。添加剤は、光重合開始剤、光重合促進剤、安定剤、ワックス、ミスト防止剤、滑剤、潤滑剤などである。
(8)粘着力の実験結果
図7は、光粘着化性接着剤3を密封した場合と非密封の場合とにおける、紫外線照射量と粘着力との相関の実験結果を示す。数値は25mm2当たりの粘着力(N:ニュートン)を示す。光粘着化性接着剤3を密封した場合には、60mJ/cm2(ミリジュール/平方センチメートル)の照射量で9.5N/25mm2、39mJ/cm2の照射量で9.0N/25mm2、14mJ/cm2の照射量で8.0N/25mm2の粘着力が得られた。
これに対し、粘着化性接着剤3を密封せず空気中の酸素に触れさせて照射した場合には、60mJ/cm2の照射量で5.7N/25mm2、39mJ/cm2の照射量で4.5N/25mm2、14mJ/cm2の照射量で3.5N/25mm2の粘着力が得られた。これにより、光粘着化性接着剤3を密封した場合には、強い粘着力が得られる。
しかも、空気中の酸素に触れさせて照射した場合には、60〜14mJ/cm2の照射量で、5.7〜3.5N/25mm2の幅をもつが、密封して照射した場合には、60〜14mJ/cm2の照射量で、9.5〜8.0N/25mm2の幅しか持たず、粘着力も安定していて変化が少ないといえる。
図8は、光粘着化性接着剤3を密封した場合における紫外線照射量と粘着力の時間経過変化との相関の実験結果を示す。39mJ/cm2の照射量で、照射直後9.0N/25mm2、1日後7.7N/25mm2、1週間後8.6N/25mm2、2週間後9.0N/25mm2、4週間後8.9N/25mm2と、粘着力は変化した。
同じく14mJ/cm2の照射量で、照射直後8.0N/25mm2、1日後7.9N/25mm2、1週間後8.9N/25mm2、2週間後8.2N/25mm2、4週間後8.7N/25mm2と、粘着力は変化した。
また同じく8mJ/cm2の照射量で、照射直後4.4N/25mm2、1日後4.6N/25mm2、1週間後6.8N/25mm2、2週間後6.7N/25mm2、4週間後10.4N/25mm2と、粘着力は変化した。
8mJ/cm2の照射量でも、4週間後には10.4N/25mm2の粘着力が得られるので、このような漸次強くなる粘着力が要求される場合には、8mJ/cm2のような少ない照射量も可能である。しかし、このように粘着力が変化するとタックラベル1の貼り付け状態の安定性から見て好ましいことではない。
また、このように粘着力が大きく変化しているということは、光粘着化性接着剤3が完全には重合反応または架橋反応し切っておらず、光粘着化性接着剤3が化学的に安定せず、光粘着化性接着剤3が変質または劣化してしまうことになる。
これに対し、10mJ/cm2以上の照射量であれば、光粘着化性接着剤3が完全には重合反応または架橋反応し切っており、光粘着化性接着剤3が化学的に安定し、光粘着化性接着剤3が変質または劣化してしまうこともなくなる。
したがって、上記光照射量は1平方センチメートル当たり10mJ/cm2以上がよく、10〜50mJ/cm2、望ましくは14〜40mJ/cm2、より望ましくは20〜30mJ/cm2照射される。上記光粘着化性接着剤3は1平方センチメートル当たり4.5〜16グラム、望ましくは5〜8グラム、より望ましくは6〜7グラム印刷塗布される。
本発明は上記実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、タックラベル1が貼り付けられる容器としては、PETボトルなどのプラスチック製、ガラス製、金属製などでもよい。タックラベル1の形状や大きさはどのようなものでもよく、タックラベル1が貼り付けられる容器の面は、円柱(円筒、角柱、角筒)の面ほか、凹状に湾曲した面や、平面などでもよい。
上記ターンバー11は省略されてもよい。この場合、ターンバー11以降の各種装置、例えば図1のハーフカット型抜き装置12及びカス上げ13、図2のUVカット印刷ローラ14、インキ印刷ローラ15、ハーフカット型抜き装置12及びカス上げ13、図3の接着パターン印刷ローラ7、紫外線ランプ8、冷却ローラ9、ニップローラ10、接合シート4、予備接合シート5などは上下反転される。
上記図3の予備接合シート5、接合シート4及びラベル用シート2は、空気中の酸素やその他の粘着化有害成分を遮断できればどのような素材でもよい。
【産業上の利用可能性】
以上詳述したように、本発明では、ラベルのパターンが所定間隔ごとに印刷塗布されるとともに、粘着性を有していない状態の光粘着化性接着剤が当該ラベルの大きさに応じた所定間隔毎に部分印刷塗布され、このラベル用シートの光粘着化性接着剤が印刷塗布された面に対して接合シートが密着されて、印刷塗布された光粘着化性接着剤が空気中の酸素から遮断され、この光粘着化性接着剤に対して光が照射されて粘着性が持たされ、上記印刷塗布されたラベルのパターンごとにラベル用シートまたは接合シートがカッティングされる。
したがって、シートが弛んだりせず皺が寄ったりまたは無理に引き延ばされたりしない、良好なシート及びタックラベルが製造されることができる。また、形成した接着層をわざわざ遮蔽層等で覆い隠す必要もなくなり、遮蔽層等で覆い隠される接着層が無駄にならないで済むし、遮蔽層も不要となる。さらに、光粘着化性接着剤が空気中の酸素から遮断されて、光が照射され粘着性が持たされるので、強い粘着力を得ることができ、しかも長期間にわたって粘着力が変化せず、安定した粘着力を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルを作成するための長尺状のラベル用シートに、ラベルのパターンを所定間隔ごとに印刷塗布するとともに、粘着性を有していない状態の光粘着化性接着剤を当該ラベルの大きさに応じた所定間隔毎に部分印刷塗布する工程と、
このラベル用シートの光粘着化性接着剤が印刷塗布された面に対して接合シートを密着して、印刷塗布された光粘着化性接着剤を空気中の酸素から遮断する工程と、
この光粘着化性接着剤に対して光を照射して粘着性を持たせる工程と、
上記印刷塗布されたラベルのパターンごとにラベル用シートまたは接合シートをカッティングする工程とを備えたタックラベルの製造方法。
【請求項2】
ラベルを作成するための長尺状のラベル用シートに、ラベルのパターンを所定間隔ごとに印刷塗布するとともに、粘着性を有していない状態の光粘着化性接着剤を当該ラベルの大きさに応じた所定間隔毎に部分印刷塗布する機構と、
このラベル用シートの光粘着化性接着剤が印刷塗布された面に対して接合シートを密着して、印刷塗布された光粘着化性接着剤を空気中の酸素から遮断する機構と、
この光粘着化性接着剤に対して光を照射して粘着性を持たせる機構と、
上記印刷塗布されたラベルのパターンごとにラベル用シートまたは接合シートをカッティングする機構とを備えたタックラベルの製造装置。
【請求項3】
ラベル用シートの幅方向に上記光粘着化性接着剤が印刷塗布形成される、またはラベル用シートの送り方向/長手方向において、光粘着化性接着剤の形成されている部分の長さ/面積が、上記光粘着化性接着剤の形成されていない部分の長さ/面積より短い/小さい、 またはラベル用シートの幅方向において、光粘着化性接着剤の形成されている部分の長さ/面積が、同光粘着化性接着剤の形成されていない部分の長さ/面積より長い/大きい請求項1記載のタックラベルの製造方法。
【請求項4】
上記カッティングされる境界よりほぼ内側のラベル用シートにのみ、上記光粘着化性接着剤が部分印刷塗布される請求項1または3記載のラベルの製造装置/製造方法。
【請求項5】
上記光粘着化性接着剤は1平方センチメートル当たり4.5乃至16グラム、望ましくは5乃至8グラム、より望ましくは6乃至7グラム印刷塗布され、上記光照射量は10乃至50ミリジュール、望ましくは14乃至40ミリジュール、より望ましくは20乃至30ミリジュール照射され、上記光粘着化性接着剤は光照射後に時間経過しても粘着力がほぼ変化せず、当該光粘着化性接着剤はほぼ完全に架橋される請求項1、3または4記載のタックラベルの製造方法。
【請求項6】
上記ラベル用シート、接合シートまたは印刷塗布されるラベルのパターンには、紫外線遮光剤が混入、塗布または紫外線遮光シートが接合され、 当該ラベル用シートが貼り付けられる容器内には紫外線によって変質または劣化し易い物質が収納される請求項1、3、4または5記載のタックラベルの製造装置/製造方法。
【請求項7】
上記ラベルは円柱若しくは角柱の表面または円筒若しくは角筒の表面に貼り付けられ、円柱若しくは角柱の表面または円筒若しくは角筒の表面の周回方向に沿って上記ラベル用シートは一軸または多軸の延伸熱収縮性であり、延伸収縮方向と直角方向に沿って光粘着化性接着剤が線状または点状に印刷塗布される請求項1、3、4、5または6記載のタックラベルの製造方法。
【請求項8】
上記ラベル用シートの熱収縮方向の先頭と末尾に光粘着化性接着剤が印刷塗布され、 またはラベル用シートが容器に周回されるとき重なりあって同じ位置となる箇所に光粘着化性接着剤が印刷塗布される請求項1、3、4、5、6または7記載のタックラベルの製造方法。
【請求項9】
上記接合シートは光透過性の透明なフィルムであり、この接合シートを透過して上記光が照射され、上記光粘着化性接着剤に粘着性がもたらされる請求項1、3、4、5、6、7または8記載のタックラベルの製造方法。
【請求項10】
上記接合シートは光透過性の透明なフィルムであり、上記光粘着化性接着剤に粘着性をもたせる光照射の後、上記光透過性の接合シートはラベル用シートから剥離され、このラベル用シートに光を透過しない不透明の接合シートが密着される請求項1、3、4、5、6、7、8または9記載のタックラベルの製造方法。
【請求項11】
上記ラベル用シートに密着され、光照射後、剥離される接合シートは、エンドレス状で、繰り返し密着及び剥離が繰り返される請求項10記載のタックラベルの製造方法。
【請求項12】
上記ラベル用シートは光透過性の透明なフィルムであり、このラベル用シートを透過して上記光が照射され、上記光粘着化性接着剤に粘着性がもたらされる請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載のラベルの製造方法。
【請求項13】
上記光は紫外線であり、上記光粘着化性接着剤は紫外線が照射されることによって粘着性をもち、上記接合シートまたはラベル用シートは紫外線透過性で酸素非透過性のフィルムである請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載のタックラベルの製造方法。
【請求項14】
上記光は可視光線であり、上記光粘着化性接着剤は可視光線が照射されることによって粘着性をもち、上記接合シートまたはラベル用シートは可視光線透過性で酸素非透過性のフィルムである請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載のタックラベルの製造方法。
【請求項15】
上記光は電子線であり、上記光粘着化性接着剤は電子線が照射されることによって粘着性をもち、上記接合シートまたはラベル用シートは電子線透過性で酸素非透過性のフィルムである請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載のタックラベルの製造方法。
【請求項16】
上記ラベルのパターンの印刷塗布面と上記光粘着化性接着剤の印刷塗布面とは同じ面、または異なる面である請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15記載のタックラベルの製造方法。
【請求項17】
上記カッティングでは、ラベル用シートだけが上記ラベルの形にカッティングされる、またはラベル用シート及び接合シートともにラベルの形またはラベルより大きい形にカッティングされる請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16記載のタックラベルの製造方法。
【請求項18】
上記カッティングされるラインの内側に、さらにカッティングのラインが形成され、この内側のカッティングラインはミシン目または連続線である請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17記載のタックラベルの製造方法。
【請求項19】
円柱若しくは角柱の容器または円筒若しくは角筒の容器に上記ラベルは貼り付けられ、上記光粘着化性接着剤は上記光照射によってほぼ完全に架橋または重合され、光粘着化性接着剤が化学的に安定して変質または劣化しにくくなる請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18記載のタックラベルの製造方法。
【請求項20】
上記ラベルのパターンの印刷塗布面と上記光粘着化性接着剤の印刷塗布面とは同じ側であり、透明の容器の表面に、このラベルのパターンの印刷塗布面及び光粘着化性接着剤の印刷塗布面の側が貼り付けられ、当該透明容器を透過してラベルのパターンの印刷塗布面を見ることができ、またパターンの印刷塗布面はラベル自身によって保護される請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19記載のタックラベルの製造方法。
【請求項21】
上記請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20記載のラベルの製造方法によって製造されたタックラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【国際公開番号】WO2004/078467
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【発行日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569074(P2004−569074)
【国際出願番号】PCT/JP2003/002452
【国際出願日】平成15年3月3日(2003.3.3)
【出願人】(591037476)株式会社岩田レーベル (32)
【Fターム(参考)】