説明

タッチセンサおよびダイナミックタッチセンサシステム

本発明は、等電位空間と、等電位空間がマッピングされる直交座標空間との間の改良された位相同型を伴う、タッチセンサ(105)についてのものである。タッチセンサ(105)は、タッチ領域(130)を有する基板(125)、およびタッチ領域(130)と電気的に結合された1組の電極(135)を含んでいる。タッチセンサは、さらにタッチ領域(130)を縁どる複数の抵抗バンド部分(140)を含んでいる。電極(135)は、抵抗バンド部分(140)の間に位置している。各抵抗バンド部分は、電極の抵抗率とタッチ領域の抵抗率との間の中間の抵抗率を有しており、その結果、低抵抗電極と高抵抗タッチ領域との間の変遷を提供し、タッチ領域のコーナー内部の位相同型を改良する。少なくとも1つのバンド部分は、位相同型へのさらなる改良を提供する不均一線形抵抗を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、タッチセンサ技術、特に、抵抗および容量タッチセンサ技術に関連している。
【背景技術】
【0002】
タッチセンサは、コンピュータおよび他の電子システムのための、透明または不透明な入力装置である。その名前が示す通り、タッチセンサは、ユーザの指、またはスタイラス、または何らかの他の装置による接触で作動する。一般に、透明なタッチセンサ、特にタッチスクリーンは、タッチディスプレイシステムを作成するよう、陰極線管(CRT)モニターや液晶ディスプレイなどのディスプレイ装置上に配置される。これらのシステムは、レストランオーダーエントリーシステム、産業用プロセス制御アプリケーション、双方向博物館展示、広報キオスク、ポケットベル、携帯電話、携帯情報端末、およびテレビゲームなどの、商用アプリケーションでますます使用されてきている。
【0003】
現在使われている主要なタッチ技術は、抵抗技術、容量技術、赤外線技術、および音声技術である。これらの技術を取り入れたタッチスクリーンは、競争価格で高水準の性能を実現してきている。全ては、接触位置の座標をホストコンピュータに伝えることにより、接触に応答する透明な装置である。タッチスクリーンの性能の重要な一面は、タッチセンサ上に位置する接触感知領域(すなわち、タッチ領域)内の全ての位置で、真の接触位置と測定された接触位置とが密接に一致することである。
【0004】
図1aおよび図1bは、タッチスクリーン上に位置する電極の部分集合を電気的に励振させることにより、電圧勾配が、xおよびy方向に、タッチスクリーンの表面へ連続して印加される、典型的な抵抗タッチスクリーン20を示している。このタイプの抵抗タッチスクリーンは、通常、(x勾配およびy勾配が異なる層に適用される4‐ワイヤのタッチスクリーンに対して)5‐ワイヤのタッチスクリーンとして知られている。抵抗タッチスクリーンが触られると、接触位置のx座標およびy座標は、測定された電圧の電位に基づいて決定可能である。図1aおよび図1bに示すように、タッチスクリーンに印加される電圧勾配は、等電位線(すなわち、電圧が一定の線)として表すことができる。これらの等電位線(破線として示す)は、一般に、接触位置のx座標を決定する手段を提供するためにタッチスクリーンの上側と下側との間に延びており(図1a)、さらに一般に、接触位置のy座標を決定する手段を提供するためにタッチスクリーンの左側と右側との間に延びている(図1b)。また、図1aおよび図1bは、タッチスクリーン内の電位を空間的に変化させた結果としての、関連電流の流れの方向(実線)を示している。
【0005】
抵抗タッチスクリーンデータは、タッチスクリーン上の測定された電位の関係が、単純でよく理解された方法で直交座標に関連していると、処理が最も簡単となる。数学的に最も簡単な場合、x方向およびy方向での測定された電位は、接触した点で、この座標へ線形に関連している。この方法で、電圧勾配により定義された空間は、直交空間へ直接マッピング可能である。図1aおよび図1bに示したように、理想的な線形タッチスクリーン性能のために、等電位線(すなわち、電圧が一定である線)は、完全にまっすぐな線でなければならない。多くの案が提案されたが、抵抗タッチスクリーンの商業的実現は、一般に、測定電位と空間座標との間の線形関係を用いている。例えば、エロタッチシステムズ(Elo TouchSystems)のAccuTouchTMの製品に見られるような、および特許文献1に開示されているような、周辺の複雑な離散的電極パターンを利用するタッチスクリーンは、こうした直線性の一般的な提供に(少なくとも、周辺の電極パターンから予め決定された距離で)使用可能であろう。
【0006】
より簡単なタッチスクリーン設計では、x方向およびy方向の測定電位は、線形には関連していない、すなわち、等電位線がまっすぐではない場合もある。最も簡単な設計の1つは、図2aおよび図2bのコンピュータシミュレートされたタッチスクリーン10に示されている。この構成は、長方形の一様に伝導するタッチスクリーン10のコーナーに位置する、四半円の形状の4つの電極12から成っている。図2aは、左右の電極対間のx方向へ単位電位差が印加されると、結果的に、概してy方向へ走る等電位線14をもたらす、等電位線14を示している。図2bは、電位差が上下電極対間のy方向に維持されると、結果的に、概してx方向へ走る等電位線14をもたらす、等電位線14を示している。「概して」という用語は、一様な電界または等電位が、x軸またはy軸と平行に走るのを、必ずしも必要としないことを強調するために使われている。電極12は一様な電界を生成するように設計されていないので、歪み(すなわち、等電位は均等に区切られておらず、x軸およびy軸に平行でもない)が存在している。
【0007】
図2aおよび図2bに示す等電位線14は非線形であるが、多くの場合、等電位線により定義される空間は直交空間へマッピング可能である。この様に、そのタッチスクリーンの表面上の全ての点は、その点の電位の対に対する一意的な値を有していなければならない。トポロジーでは、この一意的性を「位相同型」という用語で表現している。2つの表面があり、一方の表面上の全ての点を、他方の表面上の一意的な点へマッピングすることが可能なら、それらの表面は位相同型である。
【0008】
電圧勾配がx方向に印加されると、いかなる所与の接触位置(x,y)での電位も、2D関数v(x,y)により表わされる。同様に、電圧勾配がy方向に印加されると、2D電位関数はw(x,y)により表わされる。一般に、電位関数v(x,y)およびw(x,y)の両方とも、xとy双方の関数であることに留意されたい。xとy双方の電位のこの相互依存に起因して、単一の電位測定ではxまたはyのいずれかを一意的に特定することはできない。その結果、yから独立したx、およびxから独立したyを測定するのは不可能である。しかしながら、電位[v(x,y),w(x,y)]の対は、ある条件の下で、この直交空間の点P(x,y)に一意的に変換される。したがって、この一意性により、[v(x,y),w(x,y)]対を、直交空間内の一意の点P(x,y)へマッピングする操作を見出すことができる。
【0009】
図2aおよび図2bに示す電極構成は、位相的マッピング概念の基で使用されるなら、一見、満足なものに思えるだろう。非線形のタッチスクリーンは、線形のタッチスクリーンと比べて、製造がより経済的であり、活性化パワーをそれほど必要としないだろう。測定された電位を直交面へ一意的にマッピングするために、プロセッサへの計算要求が増加することもあるが、非線形の解決法は、電子プロセッサの費用および性能が高まるにつれて、ますます魅力的なものになっている。
【0010】
等電位面と直交面との間に位相同型がある限り、非線形アーキテクチャの使用は実行可能な解決策でありつづけている。図2aおよび図2bでは、等電位の対が、抵抗面のほとんど全表面にわたって直交座標へ一意的に変換可能なことが示されている。しかしながら、電極12の近傍では、一意性の問題が残っている。円形電極がx方向に分極されるなら、この円付近の等電位は本質的に円形であり、また、y方向に分極されるなら、これらの等電位も本質的に円形である。したがって、2つの等電位は実質的に共線(すなわち、互いに平行)となる。接触位置を一意的に決定するのは、単一点でのこれらの2つの等電位の交差なので、電極12付近のこの小さな領域内の特定の点に生成した等電位の各対は、実際には、直交座標へ一意的に変換されない。これは、電極の周りの領域はタッチ領域として適当でないという、今日の非常に激しいタッチスクリーン競争市場においては望ましくない結果をもたらす。これは、「弱い交差(poor−crossing)」問題と呼ばれており、さらに、これが起こる領域は「弱い交差」領域と呼ばれている。
【0011】
この弱い交差問題は、電圧電位の測定における雑音または不確実性により悪化させられ、それにより、弱い交差領域内では、一意的位置が決定されない形で、等電位線の交差点をぼかしてしまう傾向がある。したがって、弱い交差問題は、たとえ等電位の対が浅い角度で交差していても、存在することになる。例えば、図3は、交互に2つの方向にバイアスしたタッチスクリーンで形成された、2つの等電位v、wの交差を示している。縮尺が拡大されているので、等電位は示した領域にわたってほぼ線形である。また、雑音と電圧測定の不確実性に起因する、等電位の変化δv、δwも示されている。したがって、見かけの接触位置は、この領域内の真の接触位置から位置ずれしていることになる。vがv±δvとして測定され、wがw±δwとして測定された場合、その後、接触位置の可能な誤差は、v‐w交差からの4つの半径ベクトルにより与えられる。等電位の方向づけ、および電圧誤差の符号に応じた半径誤差のために、2つの一意的な大きさが存在している。半径誤差は、数1として計算可能であり、ここで、水平および垂直方向のバイアスに対する(負の)電場は、それぞれxおよびy方向の単位ベクトルとしての外1および外2を伴う数2および数3として書かれている。最大半径誤差は、固定されたδvおよびδwに対する分子に従って、選択可能である。
【数1】

[外1]

[外2]

【数2】

【数3】


これは、相関誤差Eに一致している。誤差電圧δv、δwが一貫して関連しているとき、半径誤差は、(公式によって与えられるように)簡単な長方形のタッチスクリーンの2つの対角四分円内で大きく、他の2つの四分円内で、より小さくなることに留意されたい。タッチスクリーン上の任意の点における相対的相関誤差は、δv=δw=ΔVとし、結果を最大にするよう分子の符号が常に選択されるE/ΔVを決定することにより評価可能である。上の式は、2つの等電位が浅い角度で交差するなら、または電位勾配が小さいなら、誤差が大きいことを明確に示しており、これは図2aおよび図2bの弱い交差領域の場合にあてはまる。同様の計算は、誤差電圧δv、δwが非相関な、または部分的に相関しているところでも実行可能である。一般に、こうした場合は、弱い交差領域に同じ一意性の問題が示される傾向がある。
【0012】
これらの弱い交差領域のサイズを減少させるために、L構成などの、円形でない様々な電極構成を思い描くことができるが、問題はまだ存在している。ある程度まで成功している1つの解決策は、低抵抗率電極自体の間に中間的抵抗率のバンドを配置し(すなわち、フレームを形成し)、高抵抗率タッチ領域を囲むことである。この様に、タッチスクリーンの4つのコーナーとタッチ領域に位置する、完全に伝導性の電極からの変遷のための効果的な方法が達成される。
【0013】
例えば、図1aおよび図1bに示すタッチスクリーン20は、タッチ領域24を形成する抵抗基板22、基板22のそれぞれのコーナーに配置された4つの電極26、およびタッチ領域24と電極26との間に形成された中間抵抗バンド28(すなわち、フレーム)を含んでいる。タッチスクリーン24の抵抗が、抵抗バンド28の抵抗と比べて非常に大きい場合、等電位は図示のように直線である。対照的に、タッチスクリーン24の抵抗が、抵抗バンド28の抵抗と比べてさほど大きくない場合、等電位は非直線である。タッチスクリーン20を設計するとき、基板抵抗を超えるフレーム抵抗の比率(本願明細書では抵抗比βとして参照される)は、2つの相殺要素―低消費電力と直線性―の間でバランスされなければならない。この抵抗比βは、以下の考察における重要な役割を果たす。先へ行く前に、これを慎重に定義しておく。まず、βは、βまたはβのいずれかのための簡便な表記であり、それぞれx励起およびy励起に対する抵抗比を示している。Rleft、Rright、Rtop、Rbottomは、それぞれ、バンド部分28a、28b、28c、28dの抵抗である。これらは、バンド部分28a、28b、28c、28dが、タッチ領域24、および互いから電気的に絶縁されているという仮想的仮定の下での、電極26間のバンド部分の抵抗である。ここで、x方向における帯抵抗をr=Rtop||Rbottom=Rtop*Rbottom/(Rtop+Rbottom)、y方向における帯抵抗をr=Rleft||Rright=Rleft*Rright/(Rleft+Rright)と定義する。x方向における仮想的に孤立したタッチ領域24の抵抗をR、y方向における仮想的に孤立したタッチ領域24の抵抗をRとする。例えば、タッチ領域24が一様な抵抗率ρ、幅W、高さHを有しているなら、R=ρ*W/H、R=ρ*H/Wである。x方向およびy方向の抵抗比は、β=r/R、β=r/Rである。これらの抵抗比βは、パワー効率の質的基準、および等電位線の非線形性の程度を同時に提供する。
【0014】
特に、抵抗比βが非常に小さい(β<<l)なら、タッチスクリーン上にほとんど完全な等電位が―事実上、いかなる位相的または非線形マッピングも必要ないほど良好に―印加される。しかしながら、小さなβの限界では、βはバンド部分で消費されるパワーに対する、タッチスクリーンのパワー効率、すなわち、タッチ領域内の電流により消費されるパワーの一部であることも数学的に証明されている。基板抵抗率が非常に大きい(数千オーム/平方より大きい)場合を除いて、こうした低β設計は、あまりに多くのパワーを消費する、数オーム未満の抵抗のタッチスクリーンをもたらす。タッチスクリーンが、携帯情報端末(PDA)などの携帯用のバッテリー駆動の装置に配置するものであるなら、これは特に重要である。一般に、いかなる所与の基板抵抗率に対しても、抵抗比βが増加するに従い、電力消費は減少する。しかしながら、位相的マッピングが採用されているなら、等電位線は歪ませられることになり、その結果、電力消費が抑えられる。しかしながら、抵抗比βが非常に大きく(β>>l)なるなら、タッチスクリーンのパワー効率が100%に近づく間、等電位は、図2aおよび図2bに示すように、励起の両方向に対して電極の周りで円を描く傾向があり、その結果、電極付近に弱い交差領域が形成される。
【特許文献1】米国特許第5,045,644号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
入念な位相的マッピング方法論があっても、電極付近の座標は一意的な決定が困難である。この問題は、単に周囲領域のタッチ領域にマスクをかけて、タッチスクリーンの有効境界幅を増加させることにより、解決することが可能である。しかしながら、過度の境界幅は、コンパクトさの観点からも全く望ましくない。さらに、グラフィカルユーザーインターフェースを備えた、若干の最新のソフトウェアアプリケーションは、タッチ領域のエッジとコーナーに沿うタッチスクリーン性能に、10年または20年前に実際となっていたよりも、遥かに高度なもの要求している。これらのコーナー領域での精度改善は、タッチスクリーン上での最大誤差を抑え、その応答をより一様にするために非常に望ましい。
【0016】
このように、抵抗タッチスクリーンの電極付近で、等電位空間と外部座標システムとの間の位相同型を改善する必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、抵抗タッチ領域を有する基板を含むタッチセンサについてのものである。基板は、例えば、タッチセンサがタッチスクリーンである場合には透明、または、例えば、表示能力が必要でない場合には不透明のいずれであってもよい。タッチセンサは、さらにタッチ領域へ電気結合された1組の電極を含んでいる。電極は、直接基板に取り付けられていてもよいし、タッチ領域と電気的に接することになるカバーシートなど、別の構造に取り付けられていてもよい。1つの好適な実施例では、タッチセンサは、電極がタッチ領域全体に非線形電圧勾配を生成する形で構成されている。また、タッチセンサは、容量性構造であってもよく、その場合、誘電体コーティングは抵抗タッチ領域上の基板に適用可能である。
【0018】
タッチセンサは、さらにタッチ領域を縁どる抵抗バンドを含んでいる。この抵抗バンドは、電極の抵抗率とタッチ領域の抵抗率との間の抵抗率を有する中間抵抗バンドである。抵抗バンドは、その長さの少なくとも一部、好ましくはバンドの全長に沿って連続し、または疑似連続している。この様に、機能するタッチ領域の外側の縁は、バンドへ向かってずっと、または非常に近傍まで延びており、その結果、有効タッチ領域を最大にしている。
【0019】
本発明の第1態様によると、タッチセンサはバンド部分を含んでおり、少なくともそのうちの1つは、その長さに沿って変化する線形抵抗を有している。例えば、各バンド部分は、バンド部分の中央領域で最小となり、バンド部分の端部に向かってバンド部分の長さに沿って増加する線形抵抗を有していてもよい。コンピュータシミュレーションでは、コーナーでの電界強度が増加され、それにより、これらのコーナーにおける誤差が抑制されることを示した。
【0020】
本発明の別の第2態様によると、ダイナミックタッチセンサシステムが提供される。このタッチセンサシステムは、接触に応じて接触情報を生成するタッチセンサを含んでいる。また、このタッチセンサは、タッチセンサに与えられた電気特性を示す、測定可能な情報を生成する。このタッチセンサは、実質的に非一様線形抵抗を有する中間抵抗バンドを備えている。バンドの線形抵抗は、上述のように、バンド部分内部の線形抵抗を変更することを含む、様々な方法のいずれによっても変更可能である。
【0021】
タッチセンサシステムは、タッチセンサから接触情報および測定可能情報を受けるために、電極へ結合した制御電子機器をさらに含んでいる。この制御電子機器は、接触情報に基づいてタッチ領域内の接触位置の座標を決定するアルゴリズム(例えば、マッピングアルゴリズムなど)を使用し、さらに測定可能情報に基づきアルゴリズムを変更する。
【0022】
本発明は、その最も広い態様で限定されるべきでないが、適切な中間抵抗バンドの使用は、特にそれが非一様線形抵抗を備えた少なくとも1つのバンド部分を有しているなら、コーナー領域内部で位相同型を改善することになり、それにより、アルゴリズム変更処理をより簡単にする。
【0023】
本発明の別の第3態様によると、少なくとも1つのバンド部分は、連続した抵抗の背景材料、および、少なくとも、背景材料上のバンド部分の長い部分に沿って配置された電気導体素子のアレイを含んでいる。導体素子は、背景材料の抵抗率より低い抵抗率を有している。本発明はその最も広い態様で限定されるべきでないが、導体素子の追加により、バンドの線形抵抗は、より容易に制御可能、かつ製造可能となる。
【0024】
1つの好適な実施例では、導体素子は概して互いに平行に配置され、それぞれは長いバンド部分に対して垂直に延びている。背景材料は、抵抗部分へ位相的に分割可能である。この場合、各電気導体素子は、長い部分に沿って一致する抵抗部分の寸法、および長いバンド部分に沿う導体素子の寸法の合計にわたって、それぞれの長い部分に沿う導体素子の寸法により定義される部分幅を有している。線形抵抗のより良好な制御を提供するために、電気導体素子の部分幅は、1より実質的に少なく、好ましくは0.9未満であり、より好ましくは、背景材料の抵抗率および所望の抵抗比βに応じて、0.2〜0.8の範囲内である。電気導体素子の部分幅は、一様(その場合、バンドの線形抵抗は概して変化しない)、または、電気導体素子間で変化可能(その場合、バンドの線形抵抗はその長さに沿って変化する)のいずれであってもよい。加えて、線形抵抗は、長い部分に対して垂直なバンドの幅を変えることにより、制御可能である。バンドの疑似連続性を維持するために、導体素子間のスペーシングは、長いバンド部分と比べると、長いバンド部分の2パーセント未満だけ小さいのが好ましく、1パーセント未満だけ小さいのが好ましい。
【0025】
1つの好適な実施例では、タッチ領域は、背景材料により形成されており、製造プロセスを簡素化している。しかしながら、抵抗比□が相対的に低い場合、電気導体素子の部分幅を1未満に良好に維持できるよう、背景材料は、電極の抵抗率とタッチ領域の抵抗率との間の抵抗率を有することが可能である。
【0026】
本発明の別の第4態様によると、抵抗タッチ領域は、非長方形の形状を有している。非長方形の形状は、例えば、三角形、五角形、または六角形であってもよい。非長方形の形状は、平面または非平面状のいずれであってもよい。1組の電極は、タッチ領域上で非線形の電圧勾配を生成するよう、タッチ領域と電気的に結合される。特に、非長方形の形状を有する多くのタッチ領域は、長方形の形状を有するタッチ領域におけるものより悪い位相同型を有する。このように、中間抵抗バンドの使用は、この位相同型を増加させることができる。バンドは、製造能力の容易さのために、実質的に一様な線形抵抗を有していてもよく、または、位相同型においてより大きな改善が所望されているなら、バンドは、実質的に非一様な抵抗を有していてもよい。長方形センサなら、抵抗比は、パワー効率の必要性と、位相的マッピングの容易さとをバランスさせるように選択可能である。
【0027】
図面は、本発明の好適な実施例の設計および実用性を示しており、同様の要素は共通の参照数字で示されている。本発明の利点および目的をより良く理解するには、好適な実施例を示す添付図面を参照すべきである。図面は、本発明の実施例のみを示しており、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。この警告により、好適な実施例は、添付図面の使用を通す、追加的特異性および詳細を伴って描写され、かつ説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図4を参照すると、本発明の好適な実施例に従って構成された、抵抗タッチスクリーンシステム100が記載されている。タッチスクリーンシステム100は、概して、タッチスクリーン105(すなわち、透明基板を有するタッチセンサ)、コントローラ電子機器110、およびディスプレイ(図示せず)を含んでいる。タッチスクリーンシステム100は、通常、ホストコンピュータ115へ結合されている。概してコントローラ電子機器110は、励起信号をタッチスクリーン105へ送り、タッチスクリーン105からの接触情報を担持するアナログ信号を受信する。特にコントローラ電子機器110は、タッチスクリーン105全体に電圧勾配を確立する。接触点での電圧は、接触位置を表わしている。コントローラ電子機器110は、これらの電圧をデジタル化し、これらのデジタル化された信号、またはこれらのデジタル化された信号に基づくデジタル形式の接触情報を、処理のためホストコンピュータ115へ送信する。
【0029】
ここで図5を参照すると、タッチスクリーン105は、一様な抵抗層を基板125の片面へ永久的に適用することにより形成された、タッチ領域130を有する基板125を含んでいる。概して、直交電圧勾配は、電極135を通してタッチスクリーン105のタッチ領域130上に交互に印加される。図示の実施例では、タッチスクリーンシステム100は、5-ワイヤアーキテクチャを使用するので、リード(図示せず)は、4つのコーナー電極135の各々をコントローラ電子機器110へ接続し、さらに第5リード(図示せず)は、カバーシートをコントローラ電子機器110へ接続することができる。
【0030】
図5に示したように、タッチスクリーン105は、任意にカバーシートを含んでいてもよい。このカバーシート(図示せず)は、基板の電極とタッチ領域上に位置決めされる。カバーシートは、基板上の電極およびタッチ領域に向かい合い、かつ近傍にある、一面に内部伝導コーティングを有するフレキシブルな絶縁シート(例えば、ポリエステル)を含んでいる。参照により本願明細書に組み込まれる米国特許第3,911,215号明細書に記載されているように、カバーシートの内部伝導コーティングと基板の間には、小さくて透明な絶縁スペーサーを挿入するのが好ましい。カバーシートは、伝導コーティングを有する反対側面上に、外部硬質耐久コーティングを含んでいてもよい。図5に示す5-ワイヤアーキテクチャを含み、タッチスクリーン105が伝導カバーシートを備える抵抗タッチスクリーンである場合は、パワーは直流(DC)として電極に供給されてもよい。
【0031】
タッチスクリーン105は、さらに、タッチ領域130を縁どるために、抵抗基板125の周囲上に配置された抵抗材料のバンド140を含んでいる。抵抗バンド140は、電極135に隣接する弱い交差領域による悪影響を抑えられるよう、低抵抗率電極135と高抵抗率タッチ領域130との間の中間的抵抗率を有している。帯140のための抵抗材料の選択は、以下に説明する他の抵抗バンドと同様に、0.1〜10の抵抗比βをもたらすのが好ましい。
【0032】
抵抗バンド140は、タッチ領域130の周囲に沿って連続的に延びるのが好ましい。電極135は、抵抗バンド140のコーナーで、基板125へ電気的に適切に結合される。この様に、抵抗バンド140は、電極135により、機能上4つのバンド部分145a〜d(左、右、上部、および下部)へ分割され、そのそれぞれが連続し、長方形のタッチ領域130の一面を縁取っている。中間抵抗率の導体バンドの使用に関するさらなる詳細は、米国特許出願第09/262,909号(参照により、明確に本願明細書に組み込まれる)で説明されている。以下でさらに詳細に説明されるように、抵抗バンド140は、弱い交差問題をさらに減少させるよう作動する、追加的な優れた品質を有している。
【0033】
典型的な5-ワイヤアーキテクチャでは、x励起およびy励起は、電極135を通してタッチスクリーン基板125に交互に印加される。特に、x励起は、右のバンド部分145bで注入され、左のバンド部分145aで集められるタッチ領域130に電流を通すことにより生成される。その結果、概して電圧勾配は、x軸(図2aに示したものと同様)に沿って生成される。y励起は、上部バンド部分145cで注入され、下部バンド部分145dで集められるタッチ領域130に電流を通すことにより生成される。結果として、概して、電圧勾配は、y軸(図2bに示したものと同様)に沿って生成される。コントローラ電子機器110は、上述の電圧励起を通して、5‐ワイヤ抵抗タッチスクリーンから接触情報を取得可能であるが、また、同様の結果を伴う電流の注入も使用可能である。5‐ワイヤ抵抗タッチスクリーンに関するさらなる詳細は、米国特許第4,220,815号、第4,661,655号、第4,731,508号、第4,822,957号、第5,045,644号、および第5,220,136号明細書に説明されている。代替的に、タッチスクリーンシステム100は、9‐ワイヤ、または容量性のアーキテクチャを使用していてもよい。これらおよび他の技術は、米国特許出願第09/705,383号(参照により、明確に本願明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0034】
コントローラ電子機器110は、様々な方法のいずれか1つにより、非線形等電位空間を直交空間へマッピング可能である。例えば、2つの多項式は、等電位の交差を正確に一意的な座標へマッピングするよう構成可能である。すでに説明したように測定された2つの電位(v、w)が与えられている場合、電位の対[v(x,y),w(x,y)]を直交座標x、yへ変換するために、以下のマッピング多項式が使用可能である:数4、ここで合計は、係数A、Bを伴う多項式の全ての項kに引き継がれる。
【数4】

特定の精度に対する多項式の次数は、等電位分布の一様性に依存している。代替的に、[v(x,y),w(x,y)]内の点の電界に一致する、予め定義された点x、yの大きなアレイを格納するルックアップテーブル(LUT)を使用してもよい。さらに代替的に、補間マッピングが使用可能である。これらおよび他のマッピング技術に関する詳細は、米国特許出願第09/262,909号に開示されている。
【0035】
どのマッピングタイプを使用しても、概して、タッチ領域のコーナーでの(すなわち、電極に隣接した)等電位線のクロスオーバーを改良するが、その長さに沿って一様な線形抵抗を有する抵抗バンドが、これらのコーナー領域において浅い角度で不利に交差する等電位線をもたらすことが発見されている。すでに説明したように、等電位の浅いクロスオーバーは、この領域内の座標分解能に悪影響を与える。
【0036】
弱い交差問題は、バンド部分145のうちの少なくとも1つに沿って変化する線形抵抗を有するバンドを提供することにより、改善可能であることが発見された。図5に示す実施例では、各バンド部分145は、その長さに沿って(すなわち、同じ平面寸法だが、それぞれのバンド部分の長さに垂直に)変化する幅を有している。特に、各バンド部分145は、一様な幅を有する中央領域150、および中央領域150の縁からタッチ領域130のコーナーへ向かって減少する幅を持つ、反対の先細領域155を有するよう、先細になっている。これにより、一様な幅の抵抗バンドを備えたタッチスクリーンと比べて、コーナー領域内の等電位線の分解能が改良される。
【0037】
例えば、図6aおよび図6bは、コーナー電極での電圧の印加により、水平(図6a)および垂直(図6b)に交互にバイアスした、(一様な抵抗バンド部分を有する)タッチスクリーン内部の等電位分布を示している。図7aおよび図7bは、コーナー電極への電圧の印加により、水平(図7a)および垂直(図7b)に交互にバイアスする、(先細抵抗バンド部分を有する)タッチスクリーン内部の等電位分布を示している。図6および図7に示す等電位分布は、指定された境界状態のためのラプラスの方程式を解くプログラムを伴うコンピュータシミュレーションを使って生成された。図6および図7に示す双方の場合にも、タッチスクリーンの外部寸法は2.7×3.6インチで、タッチ領域は1000オーム/平方の抵抗率を有している。図6のシミュレートされたタッチスクリーンは、各バンド部分に沿う線形抵抗が一様であるので、一様であると考えることができるが、図7のシミュレートされたタッチスクリーンは、各バンド部分に沿った線形抵抗が一様でないので、非一様であると考えることができる。
【0038】
比較のために、一様なタッチスクリーン、および非一様なタッチスクリーンのそれぞれのバンドの寸法は、同じ平均電力消費を有するよう、寸法付けられ、抵抗率を与えられた。特に、一様なタッチスクリーンの抵抗バンドは、幅0.2インチであり、214オーム/平方の抵抗率を有している。非一様なタッチスクリーンの抵抗バンドは、139オーム/平方の抵抗率を有している。非一様なタッチスクリーン内の各バンド部分に対して、中央領域は幅0.2インチであり、先細領域の最小幅は0.1インチである。左右のバンド部分に対する各先細領域の長さは1.714インチであり、上下バンド部分に対する各先細領域の長さは1.286インチである。
【0039】
一様なタッチスクリーン、および非一様なタッチスクリーンは、0.1パーセント以内の同じ平均電力を消費するが、図8および図9に示すプロットからわかるように、コーナー領域の相対誤差E/ΔVは改善されている。(図8および図9に示すように、相対的E/ΔVは、完全に線形な等電位線を備えたタッチスクリーンのための相関誤差に対する相関誤差である。)すなわち、図6の一様なタッチスクリーンは、2.62の最大相対誤差を有しているが、図7の非一様なタッチスクリーンでは、2.1減少した最大相対誤差を有している。
【0040】
表1は、完全に線形な等電位線を備えたタッチスクリーンに対する相関誤差に対する、一様なタッチスクリーンおよび非一様なタッチスクリーンのための相関誤差について詳述している。また、表1は、そうでなければ、誤差なしのタッチスクリーンに対して、5項および9項のマッピング多項式を用いて、インチでのフィッティング誤差について詳述している。より小さなフィッティング誤差は、等電位がベターフィットであり、さらに、タッチスクリーンの少なくとも若干の領域で非線形性が少なくなることを示している。それぞれのタッチスクリーンの外部抵抗は、したがって電力消費は、同じであるが、最大相関誤差は20パーセント向上した。加えて、5項および9項の多項式マッピングに対する最大およびRMSのフィッティング誤差は、かなり向上した。
【0041】
表1:図6および図7における、一様なタッチスクリーンおよび非一様なタッチスクリーンの特性についての計算。

【表1】

【0042】
タッチスクリーンの各バンド部分の線形抵抗は、バンド部分の長さに沿って幅を変化させること以外の方法で変えることができる。例えば、各バンド部分は一様な幅を有していてもよいが、バンド部分の反対側の両端、すなわち、タッチ領域のコーナーの近傍に向かって伝導率が下がるよう先細になり、中央において大きな伝導率を有していてもよい。これは、例えば、その長さに沿うバンド部分の厚さ(すなわち、タッチスクリーン基板125の平面に垂直な寸法)を調整することにより達成可能である。
【0043】
代替的に、各バンド部分の長い部分に沿う線形抵抗は、バンド部分上に高導体素子のアレイを配置し、さらに所望のコンダクタンス変化を提供するよう、その導体素子のサイズとスペーシングを調整することにより、変化させることもできる。例えば、図10は、タッチ領域315を伴う抵抗基板310、およびタッチ領域315を縁どるよう抵抗基板310の周囲に配列された抵抗バンド320を有するタッチスクリーン305を示している。タッチスクリーン305は、さらに、抵抗基板310の境界の周りで、抵抗バンド320を機能上4つのバンド部分330a〜dに分割する電極325を含んでいる。各部分330は、導体素子335に対する抵抗背景を形成する部分330の抵抗材料を伴う、高導体素子335のアレイを含んでいる。この場合、基板310をコーティングする抵抗材料(例えば、インジウム‐ズズ酸化物(ITO))は、抵抗バンド320の伝導経路の一部を提供する。導体素子335の幅、長さ、厚さ、および/または間隔を変えることにより、各バンド部分330の線形抵抗を制御可能である。代替的に、バンド部分内部の線形抵抗を変えるよりむしろ、導体素子は、バンド部分間で異なる一様な線形抵抗を提供するために使用可能である。
【0044】
抵抗バンド320の線形抵抗を制御するための、導体素子335の使用は、製造および製造制御を簡素化する。これは、基板材料またはバンド材料のいずれかの、正確な抵抗率を制御する必要性が大いに減少したからである。タッチ領域内、および導体素子335間の基板抵抗コーティング内の、抵抗率の共通の変化は、タッチスクリーン305の抵抗内の総合的変化を引き起こすが、等電位線の形状を変更しない。原則要件は、(例えば、リトグラフィによる)タッチスクリーン上の高伝導材料のデポジションが、接触位置に対する予測電界を提供するよう、正確に制御されなければならない。
【0045】
抵抗バンド320の所望される抵抗を提供するために、導体素子の選択されたサイズおよび間隔が与えられる場合、基板コーティング材料の抵抗率と同様に、抵抗バンド320の電気的挙動が知られていなければならない。特に、抵抗バンド320は、導体素子335の長さに対して垂線な有効伝導率は適度であるが、導体素子335の長さに沿った有効伝導率が高いので、異方性の電気的挙動を示している。
【0046】
この点を示すために図11を参照すると、これは、抵抗背景350上に電気導体素子335のアレイを有する抵抗バンド340の典型的長さを示している。この場合、導体素子335は、簡便さの目的のために、一様に区切られたものとして示されている。それぞれの導体素子335は、x方向に沿って延びる寸法d(導体素子の幅を表す)、およびy方向に沿って延びる寸法d(導体素子の長さを表す)を有している。抵抗背景350は、機能的に分割して抵抗部分355にすることが可能であり、そのそれぞれは、x方向に沿って延びる寸法d(それぞれの部分355の幅を表す)を有している。導体素子335が、その分離と比べて、長いと仮定するなら、各方向でのユニット長あたりのバンドの抵抗は、ρ=fρc+(1−f)ρ;ρ=1/(f/ρc+(1−f)/ρ)により近似され、ここで、fは導体素子335の部分幅(すなわち、隣接する抵抗部分355の寸法dと導体素子335の寸法dの合計により除算された導体素子335の寸法d)であり、ρは導体素子335の抵抗率であり、ρは抵抗背景350の抵抗率である。(所望されるρxの値がρよりはるかに小さくなる場合のように)fの値が1に非常に近く、かつ、寸法dおよび寸法dの合計が疑似連続媒体に近似して十分に小さく保たれている場合、抵抗部分355の幅は非常に小さくなり、大きな割合の製造変化を被りやすくなる。重要なのは、導体素子335の部分幅fの適正値により、抵抗バンド340に沿う抵抗の制御をより簡単にする。したがって、部分幅fは、例えば、0.95未満、さらに、好適には0.1〜0.9の範囲内など、1をはるかに下回って維持されるのが好ましい。図11に示す抵抗バンド340では、部分幅fは、およそ0.35である。
【0047】
特に、抵抗背景350の有効な抵抗率は、導体素子335が低い抵抗を有しているなら、ファクター1−fにより減少する。抵抗背景350は、タッチ領域315の抵抗材料と同一の広がりを持つと仮定すれば、タッチスクリーン幅対バンド部分幅の比が0.1、および、βが0.5〜2、および、部分幅fが0.9〜0.6まで低下する。抵抗背景350がタッチ領域315を形成する抵抗材料より小さな抵抗率を有しているなら、好適な部分幅fは、以下にさらに詳細に説明されるようにさらに小さくなる。
【0048】
タッチスクリーンに適用されると、タッチスクリーンの上の等電位は、同じ部分幅fを維持しながら、導体素子335の数が増加する場合、連続体限界で計算可能である。この場合、抵抗バンド340は、異方性であるが、事実上均質になる。この異方性にもかかわらず、標準の有限要素差分法を等電位の計算に使用可能である。(役立つコンピュータトリックは、異方性の抵抗バンド340の寸法を、同等な等方性の場合に変換することであり、同等なバンド幅はファクター√(ρ/ρx)により減少され、さらに、V(py/px)、同等な等方性抵抗バンドの有効な伝導率は√(ρρx)となる。
【0049】
導体素子335が技術的に離散的な要素ではあるが、導体素子335間の間隔は、バンド部分330の長さと比較すると相対的に小さく、その結果、電気的に疑似連続した抵抗バンドをもたらすことに留意すべきである。この明細書の目的のために、その部分の内部の抵抗部分355の幅(すなわち、隣接する導体素子335間の間隔)が対応するバンド部分330の長さの2%未満であるなら、抵抗バンド部分330の部分は疑似連続している。好適な実施例では、抵抗部分355の幅は対応するバンド部分330の長さの1%未満である。
【0050】
タッチスクリーン内に疑似連続したバンドを有する重要性は、実行可能なタッチ領域の縁は、抵抗バンドから、導体素子間周期的間隔(d+d)、または、おそらく1mmとおよそ等しい、非常にわずかな距離で区切られることになり、それにより、離散的な周辺抵抗を備えた、寸法的には同等であるタッチスクリーンに比べて、より大きな実行可能タッチ領域を提供する。もちろん、連続抵抗バンドの使用により、米国特許出願第09/262,909号に説明されているタッチスクリーンと同様に、すでに説明したタッチスクリーン105、205による抵抗バンドのように、抵抗バンドまで延びている実行可能なタッチ領域を備えて、最大限のタッチ領域を提供するタッチスクリーンをもたらすことになる。
【0051】
抵抗バンドが、図10に示した抵抗バンド320などのように、非一様な線形抵抗を有することになると、電気導体素子335の部分幅fは、図11に示した抵抗バンドと対称的に一様にならないであろう。代替的に、導体素子335の部分幅fは、抵抗バンド320のローカルの有効な抵抗率、および異方性を制御するよう、抵抗バンド320の長さに沿って変化することになる。したがって、この変化は、抵抗バンド320に沿った抵抗を計算するとき、考慮に入れなければならない。
【0052】
一様な線形抵抗を有する抵抗バンドに対して、所望されたタッチスクリーンの直線性(低効比βにより測定される)を達成するのに必要な部分幅fは、ρ>>ρと仮定すれば、抵抗背景の抵抗率ρにより決定される。低パワー(高抵抗)タッチスクリーンに対しては、導体素子は、比較的高い抵抗率ρを有する抵抗基板に直接適用可能である。抵抗比βが比較的高い限り、部分幅fは、比較的小さな値に維持可能であり、それにより、抵抗バンドの抵抗がより正確に制御可能となる。
【0053】
例えば、図12はコンピュータシミュレートされたタッチスクリーン上で、水平および垂直にバイアスする等電位分布を示している。これらの等電位分布は、指定された境界状態のためのラプラスの方程式を解くプログラムによるコンピュータシミュレーションを用いて生成された。タッチスクリーンは、2.7インチ×3.6インチであり、さらに、抵抗基板は、1000Ω/平方の抵抗率を有しており、抵抗比βは2.8である。抵抗バンドは0.2インチの幅を有しており、さらに、抵抗基板の周囲に沿って配列された、一様に区切られた、平行な導体素子で構成されている。導体素子の部分幅fは0.8であり、同等な連続した等方性抵抗バンドを用いて、588Ω×858Ωのタッチスクリーン抵抗を与える。
【0054】
非常に狭い境界が所望されるタッチスクリーンに対して、導体素子の部分幅fが1に近づくので、その結果、抵抗の正確な制御を難しくし、小さな抵抗比βを、抵抗基板を構成する材料上に導体素子を適用することにより達成するのは困難であることに留意すべきである。この場合、抵抗バンドは、米国特許出願第09/262,909号に説明されている抵抗バンドと同様に、タッチスクリーン105内に示された抵抗バンド140と同様の、電極の抵抗率とタッチ領域の抵抗率との間の中間的抵抗率を有する連続材料により、さらに構成可能である。基礎をなす中間的抵抗材料の準備は、結果的に、例えば、0.2〜0.8の範囲内の値に対して、導体素子の部分幅fを小さくすることを可能とする。
【0055】
また、導体素子は必ずしもそれ自身連続して(すなわち、直線に形成されて)いなければならないというわけではないことを、留意するべきである。代替的に、導体素子は、一連のドット、ダッシュ、またはバンドの長さに沿う伝導率と比べて、バンドの幅に沿ってより大きな伝導率を提供するいかなる他の形でもよい。また、各バンド部分330は、その全長に沿って疑似連続するものとして示されているが、バンド部分330の全て以下が、疑似連続していてもよく(例えば、丁度上下のバンド部分330c、330d)、または、バンド部分330の全長以下が疑似連続していてもよい。
【0056】
中間的抵抗率材料の抵抗バンドの使用は、それ自体、非長方形の形状を有するタッチスクリーンに役立つ。特に、直交空間で開発された現行の抵抗タッチスクリーン技術を、形状が容易に直交空間へ配置出来ない任意の形状を有する表面へ標準化するのは困難である。例えば、一様な電圧勾配(すなわち、線形等電位線)の印加は、長方形のタッチスクリーンに限定されており、この場合、非長方形のタッチスクリーンの設計は、必ず非線形のアーキテクチャをもたらす。その変わった形状のため、多くの場合、これらの非長方形のタッチスクリーンは、長方形のタッチスクリーンのものより多く非線形性問題を蒙ることになる。非長方形の形状では、抵抗比βをそれぞれの側面、または、その側面の抵抗と等しいバンド部分、またはタッチ領域の抵抗率(オーム/平方)により分割されたバンド部分に対するものと定義する。
【0057】
図13は、三角形の形状をしたタッチスクリーン405を示している。タッチスクリーン405は、等辺三角形の周囲ならびにタッチ領域415を伴う抵抗基板410、およびタッチ領域415を縁どるよう、基板410の周囲に配列された抵抗バンド420を含んでいる。タッチスクリーン405は、さらに、タッチ領域415と電気通信する基板410の3つの角にそれぞれ位置している3つの電極425a〜cを含んでいる。抵抗バンド420は、3つの電極425a〜cにより、3つのバンド部分430a〜cに分割されている。すでに説明された抵抗バンドのように、抵抗バンド420は、低抵抗率電極425a〜cと高抵抗率タッチ領域415との間の中間的抵抗率を有している。
【0058】
電圧を各電極425内の1つに印加し、残る2つの電極425をアースすることにより、3つの電圧励起がタッチスクリーン405に印加される。特に、第1電圧勾配は、電極425bおよび425cをアースし、電圧を電極425aに印加することにより、生成可能である。第2電圧勾配は、電極425aおよび425cをアースし、電圧を電極425bに印加することにより、生成可能である。第3電圧勾配は、電極425aおよび425bをアースし、電圧を電極425cに印加することにより、生成可能である。上でタッチスクリーン105に関して説明したのと同様の方法で、マッピング処理の精度を改善する冗長性を提供する、等電位線の第3交差を伴う、2つの等電位線の交差は、その後、一意的な座標にマッピングすることが可能である。
【0059】
代替的に、電圧を電極425内の1つに印加し、残る2つの電極425をアースし、さらにその後、電圧を電極425のうちの別の1つに印加して、残りの2つの電極をアースすることにより、2つの電圧励起だけがタッチスクリーン405に印加される。さらに代替的に、3つの電圧励起はタッチスクリーン405に印加可能であるが、3つの電圧勾配のうち2つだけが使用されることになり、その選択はどのコーナー領域がマッピングされるかによることになる。すなわち、コーナー領域で最良の精度を提供する2つの電圧勾配は、そのコーナー領域をマッピングするよう選択された電圧勾配となる。他の2つのコーナー領域の各々に対して、2つの電圧勾配を選択可能であり、その1つは、第1コーナー領域をマッピングするのに使用された電圧勾配でなくてもよい。もちろん、選択していない残りの電圧勾配は、マッピング処理の精度を改善する冗長性を提供するのに使用可能である。
【0060】
図14は、六角形の形状を伴うタッチスクリーン505を示している。タッチスクリーン505は、等辺六角形の周囲とタッチ領域515を備えた抵抗基板510、およびタッチ領域515を縁どるために基板510の周囲に配列された抵抗バンド520を含んでいる。さらに、タッチスクリーン505は、タッチ領域515と電気通信する基板510の6つのコーナーにそれぞれ位置する、6つの電極525a〜fを含んでいる。抵抗バンド520は、6つの電極525a〜fにより、6つのバンド部分530a〜fに分割される。抵抗バンド520は、低抵抗率電極525と高抵抗率タッチ領域515との間の中間的抵抗率を有している。
【0061】
電圧を3つの選択した電極の対のうちの1つに印加し、選択した電極の対の反対側の電極の対をアースし、残りの電極の対をフロートすることにより、3つの電圧励起がタッチスクリーン505へ印加可能である。例えば、第1電圧勾配は、電圧を電極525a、525bに印加し、電極525d、525eをアースし、電極525c、525fをフロートすることにより生成可能である。第2電圧勾配は、電圧を電極525a、525fに印加し、電極525c、525dをアースし、電極525b、525eをフロートすることにより生成可能である。第3電圧勾配は、電圧を電極525e、525fに印加し、一方、電極525b、525cをアースし、電極525a、525dをフロートすることにより生成可能である。その後、マッピング処理精度の改善に用いる第3交差等電位線により、2つの等電位線の交差が一意的な座標へマッピング可能である。
【0062】
三角形のタッチスクリーン405と同様に、2つの電圧励起だけがタッチスクリーン505に印加されてもよく、または、3つの電圧励起がタッチスクリーン505に適用されてもよいが、どのコーナー領域がマッピングされるかに応じて2つだけが選択されることになる。もちろん、マッピング処理にさらに多くの冗長性を提供するために、3つ以上の電圧勾配を生成してもよい。
【0063】
図15は、歪んだ五角形の形状のタッチスクリーン605を示している。タッチスクリーン605は、曲がった五角形の周囲とタッチ領域615を備えた抵抗基板610、およびタッチ領域615を縁どるために基板610の周囲に配列された抵抗バンド620を含んでいる。さらに、タッチスクリーン605は、タッチ領域615と電気通信する基板610の5つのコーナーにそれぞれ位置する、5つの電極625a〜eを含んでいる。抵抗バンド620は、5つの電極625a〜fにより、5つの曲がったバンド部分630a〜eに分割される。抵抗バンド620は、低抵抗率電極625と高抵抗率タッチ領域615との間の中間的抵抗率を有している。
【0064】
バンド部分625a〜eの曲がった形状が、さらに非線形な等電位線をもたらすことが理解されよう。抵抗バンド620は、低抵抗率電極625と高抵抗率タッチ領域615との間の中間的抵抗率を有している。
【0065】
多くの可能な電圧励起をタッチスクリーン605に印加可能である。例えば、各電極は、電圧、アース、またはフロートしたままにされることにより励起され、その結果、N個の電極に対して3の組み合わせが与えられる。通常、実際には、これらの組み合せのうち、いくらかの部分集合だけが使用される。例えば、第1電圧勾配は、電圧を電極625a、625eに印加し、電極625b、625cをアースし、電極625dをフロートすることにより生成可能である。第2電圧勾配は、電圧を電極625a、625bに印加し、一方、電極625d、625eをアースし、電極625cをフロートすることにより生成可能である。第3電圧勾配は、電圧を電極625a、625bに印加し、一方、電極625c、625dをアースし、電極625eをフロートすることにより生成可能である。その後、マッピング処理精度の改善に用いる第3等電位線により、2つの等電位線の交差が一意的な座標へマッピング可能である。
【0066】
三角形のタッチスクリーン405と同様に、2つの電圧励起だけがタッチスクリーン605に印加されてもよく、または、3つの電圧励起がタッチスクリーン605に印加されてもよいが、どのコーナー領域がマッピングされるかに応じて2つだけが選択される。再び、マッピング処理にさらに多くの冗長性を提供するために、3つより多い電圧勾配を生成してもよい。
【0067】
図16は、それぞれが非平面状の三角形の形状を有する8つの同じセンサ705でタイル張りされた球700を示している。球705は、球700が触れられると、接触位置が計算されるのを必要とするロボットの一部、または、いかなる他の装置でもよい。各タッチセンサ705は、非平面状表面内に、および特に球面内に配列される三角形の周囲を備えた抵抗基板710を含んでいる。また、抵抗基板710はタッチ領域715を含んでいる。図示した実施例では、球700は、いかなるグラフィックスも表示しておらず、したがって、タッチ領域715は不透明であってもよい。すでに説明した平面三角形のタッチスクリーン405と同様に、各タッチセンサ705は、タッチ領域715を縁どるよう、基板710の周囲に配列された抵抗バンド720をさらに含んでいる。各タッチセンサ705は、タッチ領域715と電気通信する基板710の3つのコーナーにそれぞれ位置する、3つの電極725a〜cをさらに含んでいる。抵抗バンド720は、3つの電極725a〜cにより3つのバンド部分730a〜cへ分割される。
【0068】
すでに説明された非長方形のタッチスクリーン内の抵抗バンドの使用が、それぞれのタッチスクリーンのコーナー内の位相同型を改善するのが理解されよう。さらなる改善は、非一様な線形抵抗を抵抗バンドに提供することにより、例えば、各バンド部分を、(タッチスクリーン105、305と同様に)その長さに沿って変化する線形抵抗を持つように設計することにより達成可能である。
【0069】
タッチスクリーンおよびタッチセンサ内での抵抗バンド、および、特に非一様な線形抵抗を備えたそれの使用は、等電位空間と直交空間(または、他の座標系)との間の位相的同等物の改善以外の利益を提供してもよい。例えば、マッピング多項式を使用するとき、使用される項数は、例えば、9から5まで精度の過度の損失なく減少させることができる。または、LUTが等電位線のマッピングに使用される場合、LUTに格納される点の数を減少させることができる。したがって、この様にLUTの処理量および/またはサイズを減少させることができる。
【0070】
また、これは、顧客が使用する間に、材料を修正し、タッチスクリーンの特性における変化および変更を製造するために使用される、ダイナミックな修正技術を簡素化するという副次的便益を有している。変化を受ける材料特性および製造の詳細の例には、平均的タッチスクリーン伝導率、タッチスクリーン伝導率における勾配、抵抗バンド伝導率、抵抗バンド幅などがある。これらは、タッチスクリーン精度に対する関心事であり、製造費の結果的な増加により、厳格に制御可能である。しかしながら、低コストのタッチスクリーンが生産可能であり、さらに、タッチスクリーンの精度が、経年効果にもかかわらず長期間維持可能となるよう、これらの変化を自動的に修正することが望ましい。
【0071】
コンピュータシミュレーションは、普通のタイプの材料および製造変化が定義可能であり、マッピングパラメータが、現行のタッチスクリーンの特性へカスタマイズ可能なことを示した。測定は、名目上のタッチスクリーン性能から、変化の性質および範囲についての情報を提供するために、手動で、または自動的に実行可能である。例えば、コントローラ電子機器を使用して、電極へ様々な電圧を印加することにより、これらの電極への電流の流れ、またはバイアスしていない電極上で測定される電位の測定が可能である。加えて、既知位置での接触も情報を提供することができる。その後、これらの測定は、名目上のマッピングアルゴリズムに対して修正を施すために使用可能である。非一様な抵抗バンドの使用は、多項式マッピングの場合に項数を減少させるか、または、それがマッピング能力を提供するのに使用されるなら、LUT内の点の数を減少させることにより、この修正処理を著しく簡素化することができる。ダイナミックな修正技術に関するさらなる詳細は、米国特許出願第10/246,059号(参照により明確に本願明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0072】
本発明の特定の実施例が示され、かつ説明されてきたが、上述の議論が本発明をこれらの実施例に限定することを意図していないことを理解すべきである。当業者であれば、様々な変更と修正が本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく実行可能であることを理解するだろう。したがって、本発明は、特許請求の範囲に定義されているように、本発明の趣旨および範囲内に含まれる、代替手段、変更、および同等物をカバーすることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1a】x方向に電圧勾配を提供するよう動作する、従来技術のタッチスクリーンの平面図である。
【図1b】y方向に電圧勾配を提供するよう動作する、従来技術のタッチスクリーンの平面図である。
【図2a】概してy方向に走り、さらに、歪んだx座標測定を提供する等電位線を提供するようバイアスした、従来技術のタッチスクリーンのコンピュータシミュレーションを示す図である。
【図2b】概してx方向に走り、さらに、歪んだy座標測定を提供する等電位線を提供するようバイアスした、従来技術のタッチスクリーンのコンピュータシミュレーションを示す図である。
【図3】測定誤差を考慮した、2つの等電位線の交差の図である。
【図4】本発明の1つの実施例に従って構成されたタッチスクリーンシステムのブロック図である。
【図5】図4のタッチスクリーンシステムで使用されるタッチスクリーンの平面図である。
【図6a】概してy方向に走る等電位線を提供するようバイアスした、従来技術タッチスクリーンのコンピュータシミュレーションを示す図である。
【図6b】概してx方向に走る等電位線を提供するようバイアスした、従来技術タッチスクリーンのコンピュータシミュレーションを示す図である。
【図7a】概してy方向に走る等電位線を提供するようバイアスした、図5のタッチスクリーンのコンピュータシミュレーションを示す図である。
【図7b】概してx方向に走る等電位線を提供するようバイアスした、図5のタッチスクリーンのコンピュータシミュレーションを示す図である。
【図8】図6aおよび図6bのタッチスクリーンをコンピュータシミュレーションされたx−y座標の関数としてのマッピング誤差を示す三次元プロットを示す図である。
【図9】図7aおよび図7bのタッチスクリーンをコンピュータシミュレーションされたx‐y座標の関数としてのマッピング誤差を示す三次元プロットを示す図である。
【図10】図4のタッチスクリーンシステムで使用可能な、さらに他のタッチスクリーンの平面図である。
【図11】典型的抵抗率バンドの一部分の平面図である。
【図12】概して、x方向、y方向に走る等電位線を提供するよう、水平および垂直にバイアスした、図10のタッチスクリーンのコンピュータシミュレーションを示す図である。
【図13】図4のタッチスクリーンシステムで使用可能な、さらに他のタッチスクリーンの平面図である。
【図14】図4のタッチスクリーンシステムで使用可能な、さらに他のタッチスクリーンの平面図である。
【図15】図4のタッチスクリーンシステムで使用可能な、さらに他のタッチスクリーンの平面図である。
【図16】多数のタッチセンサ内部にタイル張りされた球の斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
100 タッチスクリーンシステム、105 タッチスクリーン、110 コントローラ電子機器、115 ホストコンピュータ、125 タッチスクリーン基板、130 タッチ領域、135 コーナー電極、140 抵抗バンド、145 バンド部分、150 中央領域、155 先細領域。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗タッチ領域を有する基板と、
タッチ領域と電気的に結合した1組の電極と、
電極の上および近傍に位置決めされた、タッチ領域に対面する伝導層を含むカバーシートと、
タッチ領域を縁どり、さらに、電極の抵抗率とタッチ領域の抵抗率との間の中間抵抗率を有する複数のバンド部分であって、ここで、電極はバンド部分の間に配置され、さらに、少なくとも1つのバンド部分はその長さに沿って変化する線形抵抗を有し、各バンド部分は、その長さの少なくとも一部分に沿って連続し、または疑似連続しているものと、
直流電源に接続された電極とを含むタッチセンサ。
【請求項2】
タッチ領域の抵抗上のバンド部分の合成抵抗により定義される抵抗比が0.05より大きい、請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項3】
少なくとも1つのバンド部分が、その長さに沿って変化する厚み、または幅を有している、請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項4】
抵抗タッチ領域を有する基板と、
タッチ領域と電気的に結合した1組の電極と、
タッチ領域を縁どり、さらに、電極の抵抗率とタッチ領域の抵抗率との間の中間抵抗率を有する複数のバンド部分であって、ここで、電極はバンド部分の間に配置され、さらに、少なくとも1つのバンド部分は、その長さに沿って変化する線形抵抗を有し、さらに、電気導体素子のアレイを含み、電気導体素子は、少なくとも1つのバンド部分の長さに沿って変化する間隔またはサイズを有し、さらに、各バンド部分は、その長さの少なくとも一部分に沿って連続し、または疑似連続しているものとを含むタッチセンサ。
【請求項5】
タッチ領域の抵抗上のバンド部分の合成抵抗により定義される抵抗比が0.05より大きい、請求項4に記載のタッチセンサ。
【請求項6】
少なくとも1つのバンド部分が、その長さに沿って変化する幅または厚みを有している、請求項4に記載のタッチセンサ。
【請求項7】
接触に応答して接触情報を生成し、さらに、タッチセンサ内の所与の電気特性を示す測定可能な情報を生成するタッチセンサであって、抵抗タッチ領域を有する基板、タッチ領域へ電気的に結合した1組の電極、および、タッチ領域を縁どり、さらに電極の抵抗率とタッチ領域の抵抗率との間の中間抵抗率を有するバンドを含んでおり、ここで、帯は、実質的に非一様な線形抵抗を有し、この帯は、その長さの少なくとも一部分に沿って連続し、または疑似連続しているタッチセンサと、
タッチセンサからの接触情報と測定可能情報を受け取るための、電極へ結合された制御電子機器であって、ここで、接触情報に基づき、タッチ領域内の接触位置の座標を決定するアルゴリズムを使用し、さらに、測定可能な情報に基づき、そのアルゴリズムを変更する制御電子機器とを含むダイナミックタッチセンサシステム。
【請求項8】
アルゴリズムがマッピングアルゴリズムである、請求項7に記載のタッチセンサシステム。
【請求項9】
タッチ領域の抵抗上のバンドの抵抗により定義される抵抗比が0.05より大きい、請求項7に記載のタッチセンサシステム。
【請求項10】
バンドが、その長さに沿って変化する幅または厚みを有している、請求項7に記載のタッチセンサシステム。
【請求項11】
バンドが、基板上に配置された電気導体素子のアレイ、バンドの長さに沿って変化する間隔またはサイズを有する導体素子を含む、請求項7に記載のタッチセンサシステム。
【請求項12】
バンドが複数のバンド部分を含み、ここで、電極がバンド部分の間に配置され、バンド部分の少なくとも1つがその長さに沿って変化する線形抵抗を有している、請求項7に記載のタッチセンサシステム。
【請求項13】
抵抗タッチ領域を有する基板と、
タッチ領域と電気的に結合した1組の電極と、
タッチ領域を縁どり、さらに電極の抵抗率とタッチ領域の抵抗率との間の中間抵抗率を有する複数のバンド部分であって、ここで、電極はバンド部分の間に配置され、さらに、少なくとも1つのバンド部分は、連続した抵抗の背景材料、および背景材料と接触した、少なくとも1つのバンド部分の長いバンド部分に沿って、実質的に垂直に配置された電気導体素子のアレイを含み、電気導体素子は、背景材料の抵抗率より低い抵抗率を有しており、長いバンド部分は、その長さに沿って疑似連続しているものとを含むタッチセンサ。
【請求項14】
抵抗タッチ領域が背景材料から形成されている、請求項13に記載のタッチセンサ。
【請求項15】
背景材料がタッチ領域の抵抗率と異なる抵抗率を有している、請求項13に記載のタッチセンサ。
【請求項16】
電気導体素子が長いバンド部分に対して垂直に延びている、請求項13に記載のタッチセンサ。
【請求項17】
電気導体素子が、概して互いに平行に配置されている、請求項13に記載のタッチセンサ。
【請求項18】
電気導体素子が線形のラインを含んでいる、請求項13に記載のタッチセンサ。
【請求項19】
背景材料が、導体素子の間に一連の抵抗部分を交互に含んでいる、請求項13に記載のタッチセンサ。
【請求項20】
各電気導体素子が、長いバンド部分に沿って一致する抵抗部分の寸法、および長いバンド部分に沿う電気導体素子の寸法の合計上の、長いバンド部分に沿う電気導体素子の寸法により定義される部分幅を有している、請求項19に記載のタッチセンサ。
【請求項21】
電気導体素子のうちで部分幅が変化する、請求項20に記載のタッチセンサ。
【請求項22】
電気導体素子のうちで部分幅が一様である、請求項20に記載のタッチセンサ。
【請求項23】
長いバンド部分に沿った、それぞれの抵抗部分の寸法が、少なくとも1つのバンド部分の長さの1パーセント未満である、請求項20に記載のタッチセンサ。
【請求項24】
少なくとも1つのバンド部分が複数のバンド部分を含んでいる、請求項20に記載のタッチセンサ。
【請求項25】
非長方形の形状を持つ抵抗タッチ領域を有する基板と、
タッチ領域上で非線形の電圧勾配を生成するよう、タッチ領域と電気的に結合した1組の電極と、
タッチ領域を縁どり、さらに、電極の抵抗率とタッチ領域の抵抗率との中間抵抗率を有し、その長さの少なくとも一部分に沿って連続し、または疑似連続している抵抗バンドとを含むタッチセンサ。
【請求項26】
非長方形の形状が非平面状である、請求項25に記載のタッチセンサ。
【請求項27】
バンドが複数のバンド部分を含んでおり、電極はバンド部分の間に配置され、バンド部分の少なくとも1つは、その長さに沿って変化する線形抵抗を有している、請求項25に記載のタッチセンサ。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2007−531082(P2007−531082A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520188(P2006−520188)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020581
【国際公開番号】WO2005/010804
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(399034633)エロ・タッチシステムズ・インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】Elo TouchSystems,Inc.
【Fターム(参考)】