タッチパネルの文字認識方法及び文字入力方法
【課題】ユーザによる入力が容易であり、ユーザによる誤操作が低減されるタッチパネルの文字認識方法及び文字入力方法を提供する。
【解決手段】タッチパネルに表示された画面1の任意の位置4がタッチ(T)されると、その位置4を含みタッチパネル画面1を横断する線L1,L2により分割された複数の画面領域A,B,C,D及びそれらに対応する第1、第2、第3、第4象限をそれぞれ設定し、次に、そのうちの一つの画面領域Cに属する任意の位置5がタッチ(T)されると、その象限(第3象限)に割り当てられた文字を認識する。さらに、その位置5でリリース(R)されると、その象限に割り当てられた文字を確定する。
【解決手段】タッチパネルに表示された画面1の任意の位置4がタッチ(T)されると、その位置4を含みタッチパネル画面1を横断する線L1,L2により分割された複数の画面領域A,B,C,D及びそれらに対応する第1、第2、第3、第4象限をそれぞれ設定し、次に、そのうちの一つの画面領域Cに属する任意の位置5がタッチ(T)されると、その象限(第3象限)に割り当てられた文字を認識する。さらに、その位置5でリリース(R)されると、その象限に割り当てられた文字を確定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルの文字認識方法及び文字入力方法に係り、特に、タッチパネルに表示された画面にタッチして文字を入力するタッチパネルの文字認識方法および文字入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、LCD等のディスプレイと組み合わされ、機器の入力操作を行う入力装置である。つまり、その機器のユーザが、画面上のある領域に表示されたボタンを選択する場合、その領域内にタッチパネルの上から触ることにより、あたかもボタンを押したかのような入力操作が可能となる入力装置である。このようなタッチパネルを用いた入力装置は、銀行のATM、OA機器、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、ゲーム機等、幅広く利用されている。
【0003】
タッチパネルには、一般的に、上下2枚の抵抗膜がスペーサを介して重ね合わされている。これらの抵抗膜は、それぞれ電極と一体となっているため、上部の抵抗膜は上部電極となり、下部の抵抗膜は下部電極となる。この構成により、タッチパネルは、2つの機能を有する。第1に、機器のユーザが、指などによりタッチパネルに接触すると、上部電極と下部電極とが接触し、それにより入力操作がON状態であると判断する機能を有する。第2に、上部電極は入力点のX軸の位置を検出し、下部電極は入力点のY座標を検出し、この2つのデータから入力点の座標を認識する機能を有する。すなわち、上部電極及び下部電極は、それぞれ入力点の電圧(アナログ)を検出し、この電圧をAD変換してデジタル値とし、それぞれ入力点のX軸座標値及びY軸座標値を認識する。そして、この入力点の座標値から、その座標位置に対応したボタンに割り当てられた入力操作を認識する。
【0004】
タッチパネルへの文字入力は、入力された座標を正確に検出するために、指の大きさから決まる一定の限度がある。従って、その機器に設けられた機能や操作を一定の画面内に同時に表示するために、各種の工夫がなされている。例えば、PDA(Personal Data Assistance)等の携帯情報端末では、アナログタッチパネルを使用し、指に代えてペン(スタイラス等)で画面上をなぞることにより文字の入力を行っている。
【0005】
一方、特許文献1には、液晶タッチパネルを用いた仮名入力方法が開示されている。この仮名入力方法は、タッチパネル画面に文字列「あかさたなはまやらわ」を横一列にスーパインポーズ表示し、タッチ入力により残りの文字列を縦一列にスーパインポーズする。そして、横一列中の1文字を含む縦1列に並んだ表示文字の中の1文字にタッチ入力することでその文字を入力する。
【0006】
また、特許文献2のデータ入力方法は、基準位置(第1の座標)を押圧指示したまま、参照位置(第2の座標)を指示した後、短時間の内に参照位置(第2の座標)の指示を解除する操作を行うものである。この操作により、第1の押圧座標に対する右クリックに対応したデータ処理動作が実行される。また、第1の座標をグラフの原点とし、X,Y軸に16分割された象限により異なるデータ処理を行う。
【0007】
【特許文献1】特開2002−222053号公報
【特許文献2】特開2000−47807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
その機器の文字入力操作について、タッチパネルの画面内に設定されたボタンを押す方法は、上述のようにそのボタンの領域には限度があるため、ユーザにとって操作性が悪く、押し方如何で誤操作が発生するという問題がある。特に、表示画面が小さな機器の場合にはボタンも小さくなり、ユーザに対して、操作にストレスを感じさせ、誤操作を誘引する。
【0009】
また、ペン(スタイラス)で画面上をなぞることにより文字入力を行う方法は、文字入力に時間がかかり、また、文字の間違い、曖昧な文字が認識されない等の誤操作が発生するという問題がある。
【0010】
本願の目的は、かかる課題を解決し、ユーザによる文字入力操作が容易であり、ユーザによる誤操作が低減されるタッチパネルの文字認識方法及び文字入力方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るタッチパネルの文字認識方法は、タッチパネルに表示された画面の任意の位置がタッチされると、その位置を含みタッチパネル画面を横断する線により分割された複数の画面領域と、各画面領域に対応し、タッチされた位置を中心とした画面領域の方向を規定する象限とを設定し、次に、そのうちの一つの画面領域に属する任意の位置がタッチされると、その象限に割り当てられた文字を認識することを特徴とする。
【0012】
また、タッチパネルの文字認識方法は、さらに、文字ごとに、それぞれタッチパネルにタッチする象限の変更履歴パターンを設定し、表示された画面の任意の位置がタッチされた後に、タッチされた象限の変更履歴パターンを記憶し、設定された象限の変更履歴パターンに基づき、その象限に割り当てられた文字を認識することが好ましい。
【0013】
また、タッチパネルの文字認識方法は、タッチパネルの画面が、起動されたタッチパネルの画面枠内の任意の位置がタッチされることが好ましい。
【0014】
また、タッチパネルの文字認識方法は、タッチパネル画面を横断する線が、タッチパネル画面を交差する斜線であることが好ましい。
【0015】
また、タッチパネルの文字認識方法は、タッチパネル画面を横断する線が、タッチパネル画面を縦方向に縦断する線と、横方向に横断する線と、であることが好ましい。
【0016】
また、タッチパネルの文字認識方法は、認識された文字が、そのタッチしている位置でリリースされることにより確定することが好ましい。
【0017】
また、タッチパネルの文字認識方法は、認識される文字が、仮名文字であることが好ましい。
【0018】
また、本発明に係るタッチパネルの文字入力方法は、タッチパネルに表示された画面の任意の位置をタッチすると、その位置を含みタッチパネル画面を横断する線により分割された、複数の画面領域及びそれらに対応する象限が設定され、次に、そのうちの一つの画面領域に属する任意の位置をタッチすると、その象限に割り当てられた文字が認識されることを特徴とする。
【0019】
また、タッチパネルの文字入力方法は、さらに、タッチパネルに表示された画面の任意の位置をタッチした後に、文字ごとに割り当てられた、タッチする象限の変更履歴パターンに従ってスライドし、その変更履歴パターン後のその象限に割り当てられた文字を認識させることが好ましい。
【0020】
また、タッチパネルの文字入力方法は、タッチパネルの画面は、起動されたタッチパネルの画面枠内の任意の位置をタッチすることで表示されることが好ましい。
【0021】
また、タッチパネルの文字入力方法は、認識された文字が、そのタッチしている位置でリリースすることにより確定されることが好ましい。
【0022】
また、タッチパネルの文字入力方法は、認識される文字が、仮名文字であることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
上記構成により、タッチパネルの文字認識方法は、ユーザにより、タッチパネルに表示された画面の任意の位置がタッチされる。また、ユーザにより、分割された画面領域及びそれらに対応する象限を選択させ、次にタッチされることで所望の文字を認識することができる。さらに、文字ごとに、タッチパネルにタッチする象限の変更履歴パターンが、予め設定してある。ユーザは、タッチする象限の変更履歴パターンに従い、指等のスライドの方向によってこの所望の文字を認識することができる。すなわち、最初のタッチにおいて、タッチパネルの画面全体のいずれの位置にタッチしても良い。また、ユーザは、次のタッチにおいても、分割された画面領域のいずれの位置にタッチしても良い。つまり、ユーザに対して、画面内のボタンを探索させる必要がなく、また、選択するボタンの領域内に確実にタッチさせる必要もない。すなわち、ユーザに、分割された画面領域のそれぞれに割り当てられた文字、及びスライドによる象限の変更の履歴により決まる文字さえ認識させれば、簡易な文字入力操作が可能となる。
【0024】
また、タッチパネルの文字認識方法は、ユーザにより最初にタッチされた位置を含み、タッチパネル画面を横断する線により分割された複数の画面領域及び象限を設定する。すなわち、ユーザは、最初にタッチした位置から、例えば、上、下、右、左といった平易な方向さえ認識していれば簡易な文字入力操作が可能となる。
【0025】
上記構成により、タッチパネルの文字入力方法は、ユーザは、タッチパネルに表示された画面の任意の位置に最初にタッチする。また、ユーザは、分割された画面領域を選択して次にタッチすることで所望の文字を選択させることができる。さらに、ユーザは、タッチパネル画面上をタッチしたままスライドし、そのスライドによる象限の変更の履歴により所望の文字を認識させることができる。すなわち、ユーザは、最初のタッチにおいて、タッチパネルの画面全体のいずれの位置にタッチしても良い。また、ユーザは、次のタッチにおいても、分割された画面領域のいずれの位置にタッチしても良い。つまり、ユーザは、画面内のボタンを探索する必要がなく、また、選択するボタンの領域内に確実にタッチする必要もない。すなわち、ユーザは、分割された画面領域のそれぞれに割り当てられた文字、及びスライドによる象限の変更の履歴により決まる文字さえ認識すれば、簡易な文字入力操作となる。
【0026】
また、タッチパネルの入力方法は、ユーザが最初にタッチされた位置を含み、タッチパネル画面を横断する線により分割された複数の画面領域及び象限が設定される。すなわち、ユーザは、最初にタッチした位置から、例えば、上、下、右、左といったアバウトな方向さえ認識していれば簡易な文字入力操作が可能となる。
【0027】
以上のように、本発明に係るタッチパネルの文字認識方法及び文字入力方法によれば、ユーザによる簡易な文字入力操作が可能となり、ユーザによる誤操作が低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。
【0029】
(基本構成)
図1に、本発明に係る文字認識方法及び文字入力方法の1つの実施形態の基本構成を示す。本実施形態では、図1(a)に示すように、タッチパネル画面1は、基本的に、タッチパネル画面1の斜線L01及びL02と、斜線L01とL02との交点3と、2本の斜線L01,L02により分割された4つの領域A0,B0,C0,D0と、から構成される。また、それぞれの領域に対応する第1象限乃至第4象限が設定される。本実施形態では、この斜線L01,L02は、タッチパネル画面1の角部2をそれぞれ結ぶ2つの対角線である。これは、ユーザが、タッチパネル画面1の輪郭から、斜線の角度、或いは斜線により分割された領域を認識し易いからである。但し、この斜線L01,L02は、この対角線に限らず、例えば、図1(b)に示すように、タッチパネル画面1の上下の辺に対して略45度の角度で交差する斜線L01,L02であっても良いし、他の角度を有する斜線L01、L02であっても良い。
【0030】
図1(c)に、タッチパネル画面を横断する線の他の実施例として、タッチパネル画面を横断する線が、タッチパネル画面を縦方向に縦断する線と、横方向に横断する線である場合を示す。この場合は、4つの領域A0,B0,C0,D0は、交点3を中心として、右上方向、右下方向、左上方向及び左下方向の領域となる。また、この場合にも各領域に対応した第1象限乃至第4象限が設定される。さらに、タッチパネル画面を横断する線は、上述した斜線と、縦方向に縦断する線と、横方向に横断する線と、から選択され組み合わされた複数の線であっても良い。また、これらのタッチパネル画面を横断する線は、本実施の形態では画面上に表示されるが、この線は、画面上に表示されていなくても良い。
【0031】
(基本動作)
図2に、本発明に係る文字認識方法及び文字入力方法の1つの実施形態の基本動作を示す。図2(a)に示すように、ユーザにより、タッチパネルに表示された「文字選択画面1」の任意の第1ポイント4がタッチされると、図2(a)に矢印Pで示すように、交点3は、その第1ポイント4に移動する。そして、その第1ポイント4を含み、2本の斜線L01,L02に略平行な新たな斜線L1,L2が設定され、2本の斜線L1,L2により分割された4つ領域A,B,C,Dが新たに設定される。また、各象限もまた、平行移動して新たに設定される。ここで、第1乃至第4象限は、タッチパネル画面1にタッチされた位置を中心とした画面領域の方向を規定する。従って、タッチされた位置が変化した場合、画面領域はそれにつれて変化するが、象限はタッチされた位置を中心として、その方向は変化しない。
【0032】
次に、図2(b)に示すように、ユーザは、第1ポイント4から、ユーザの指等を画面に接触させたまま、図中の下方にスライドさせ、選択したC領域(第3象限)の第2のポイント5をタッチする。ユーザの指等によるC領域でのタッチで、画面はC領域に割り当てられた文字「さ」が認識される。このとき、ユーザは、第2ポイント5において、指等を画面からリリースすると、この文字「さ」は確定したものと認識する。確定された文字「さ」は、文字表示板12に表示される。
【0033】
一方、ユーザは、第3象限である第2ポイント5において、指等を画面からリリースさせず、スライドによりさらに移動させる。指等を第3象限以外の第1,2及び第4象限であるA,B,及びD領域にスライドさせると、それぞれ新たな文字である「ま」、「す」、「し」が認識される。このとき、ユーザは、それぞれの領域で指等を画面からリリースすると、これらの文字は確定したものと認識する。
【0034】
(操作パターン)
図3に、本発明の実施形態における、ユーザによるタッチパネルの操作パターン、各操作パターンの記号、及びその処理動作を示す。この操作パターンのうち基本操作パターンは、タッチ(T)、ホールド(H)、スライド(S)、及びリリース(R)の4種類である。ここで、タッチ(T)とは、タッチパネルの画面にユーザの指等により触れることをいう。また、ホールド(H)とは、指等により画面にタッチした状態で、その指等をタッチされた位置に留めることをいう。このホールド(H)は、連続して同じ位置をタッチ(T)しているものと判断され、タッチ(T)と同様に処理される。また、スライド(S)とは、指等により画面にタッチした状態で、画面上を移動させることをいう。このスライド(S)は、連続して異なる位置をタッチ(T)しているものと判断され、タッチ(T)と同様に処理される。さらに、リリース(R)とは、タッチ、ホールド(同じ位置の連続したタッチ)、及びスライド(異なる位置の連続したタッチ)の状態から、指等を画面から離すことをいう。これらの基本操作は、ユーザの指だけではなく、ペンや他の器具により行われても良い。本明細書の関連する各図において、上記した基本操作パターンには、それぞれの記号を付す。なお、画面を短くつつくタップという基本操作パターンを設け、タッチ(T)と区別された操作パターンを定義しても良い。
【0035】
これらの基本操作パターンに対して、タッチパネルは、その2つの機能により認識する。すなわち、(1)入力操作がON状態又はOFF状態であると判断する機能、及び(2)入力点の座標値を認識する機能である。タッチ(T)に対しては、タッチパネルを構成する上部電極と下部電極とが接触することで、入力操作がON状態であると判断し、その象限に割り当てられた処理動作を行う。また、ホールド(H)に対しては、上部電極と下部電極との接触が維持され、その座標値のまま入力操作が連続してON状態であると判断し、タッチ(T)と同様の処理を行う。また、スライド(S)に対しては、上部電極と下部電極との接触が維持され、その接触した点の座標移動が認識され、その移動する座標値で入力操作が連続してON状態であると判断し、タッチ(T)と同様の処理を行う。さらに、リリース(R)に対しては、上部電極と下部電極との接触が切断されることで、入力操作がOFF状態であると判断し、その認識した文字を確定する。
【0036】
基本操作パターンの処理動作の設定は、上述したものに限らず、他の実施例としても良い。例えば、スライド(S)について、指等により画面にタッチした状態で、画面上を移動させている状態では、連続して異なる位置をタッチ(T)しているものと判断せずに、移動後にある位置で、一定の時間を越えてホールド(H)された場合に、タッチ(T)したものと判断しても良い。この場合には、タッチパネルは、その内部機能にタイマを有し時間の計測により判断し処理する。
【0037】
本発明は、これらの基本操作パターン及びそれらを組合せた応用操作パターンにより総ての入力操作がなされ、タッチパネルに入力された文字が認識される。タッチ(T)、ホールド(H)、スライド(S)、及びリリース(R)という4つの基本操作パターンが組み合わされた、応用操作パターンを図3に示す。基本的に、2度連続してタッチ(T)するダブルタッチという応用操作パターンは、確定された画面を取り消す操作パターンである。本実施形態では、ダブルタッチ+リリース(DT・R)により、その文字の1つ前の文字に戻し、確定させる指令がなされたと判断して処理する。この操作パターンは、2回の「タッチ(T)+リリース(R)」が、それぞれ、タッチパネルに表示された画面上の任意の位置で、一定の時間(例えば、0.5秒又は1.0秒)以内に行われた場合に検出される。1回の「タッチ(T)+リリース(R)」が行われた場合、基本操作パターンの設定により、そのタッチされた文字を確定する。従って、文字は変化しない。その後、一定時間内に第2のタッチ(T)+リリース(R)が繰り返されると、その文字は取り消され、前の文字が確定されて表示される。
【0038】
また、本実施形態では、ダブルタッチ+ホールド(DT・H)により、その文字の1つ前の別の選択メニューに文字を変更させるが、確定されない状態とする指令と判断する。この操作パターンは、1回目のタッチ(T)+リリース(R)及び2回目のタッチ(T)+ホールド(H)が、それぞれ、タッチパネルに表示された文字の任意の位置で、一定の時間(例えば、0.5秒又は1.0秒)以内に行われた場合に判断される。1回のタッチ(T)+リリース(R)が行われた場合、そのタッチされた文字が確定するため文字は変化しない。その後、一定時間内に第2のタッチ(T)+ホールド(R)が繰り返されると、その文字は取り消され、前の文字が確定されない状態で認識される。なお、ダブルタッチ(DT)は、ダブルタップとし、画面を短くつつく応用操作パターンとしても良い。
【0039】
従来、これらの指等によるダブルタッチ(DT)は、厳密に同一のポイントをタッチすることが難しいため、特許文献2に開示されている方法などが考案されている。しかし、本発明では、総ての入力操作において、タッチパネル画面1上にはボタンはなく、ある特定のポイントを2回押さえる必要がない。従って、ダブルタッチ(DT)に関しても、簡易な操作となり、ユーザによる誤作動は、ほとんど生じない。
【0040】
(象限の変更履歴と文字との対応)
図4(a)〜(e)に、本実施形態における、指等によるスライドにより象限が変更された場合に認識される仮名文字を示す。図4(a)に示すように、第1ポイント4からは、第1スライド(S1)により2重の枠で囲まれた基本文字である「あ」、「か」、「さ」、「た」が選択される。また、第1象限である「あ」からは、第2スライドにより「い」及び「う」が選択され、さらに、第3スライドにより「え」及び「お」が選択される。従って、第1ポイント4から第1象限を選択すると文字列「あ、い、う、え、お」が選択できる。同様に、第1ポイント4から第4象限を選択すると文字列「か、き、く、け、こ」が選択でき、第1ポイント4から第3象限を選択すると文字列「さ、し、す、せ、そ」が選択できる。第1ポイント4から第2象限を選択すると文字列「た、ち、つ、て、と」が選択できる。
【0041】
また、図4(b)に示すように、第1ポイント4から、第1スライド(S1)により「あ」を選択した後、第2スライド(S2)により第3象限を選択すると基本文字である「な」が選択できる。また、第3スライドにより「に」、「ぬ」が選択でき、さらに、第4スライドにより「ね」、「の」が選択できる。また、図4(c)に示すように、第1ポイント4から、第1スライド(S1)により「か」を選択した後、第2スライド(S2)により第2象限を選択すると基本文字である「は」が選択できる。また、図4(d)に示すように、第1ポイント4から、第1スライド(S1)により「さ」を選択した後、第2スライド(S2)により第1象限を選択すると基本文字である「ま」が選択できる。また、図4(e)に示すように、第1ポイント4から、第1スライド(S1)により「た」を選択した後、第2スライド(S2)により第4象限を選択すると基本文字である「ら」が選択できる。以上のように、スライドにより象限を変更することにより、総ての仮名文字を選択することが可能となる。この選択される文字は、仮名文字に限らず、カタカナであっても良い。また、後述するように、アルファベット、数字、特殊記号、その他の文字であっても良い。また、上述した、文字の選択方法は、例示であり、スライドによる象限の変更履歴の組合せについては、これに限らない。
【0042】
図5には、図4(a)〜(e)に示す各仮名文字に設定された、タッチする象限の変更履歴を示す。このように、一つの文字には、それに対応したスライド(S)によってタッチする象限の軌跡が対応付けられる。従って、ユーザは、タッチパネル画面1に表示されたこれらの軌跡を参照して入力することができる。
【0043】
(文字認識方法及び文字入力方法)
図6に、本発明に係る文字認識方法の基本的なフローを示し、また、図7に本発明に係る文字入力方法の基本的なフローを示す。図6のフローは、タッチパネル側から見た文字入力についての認識に関するフローである。また、図7のフローは、ユーザ側から見た文字入力についての操作に関するフローであり、図6のフローと実質的に同様な内容となる。従って、以下においては、図6のフロー図を用いて説明する。記号S1〜S13は、フロー図における各ステップを示す。
【0044】
図6に示すように、タッチパネルは、タッチパネルに電源が入った状態で、ユーザによりタッチパネル画面1内の任意の位置がタッチされると(S1)、文字選択画面を表示する(S2)。つまり。タッチパネルは、タッチパネル画面1内の任意の位置がタッチされることで、入力操作がOFFからONとなったことを認識し、文字選択画面を表示する。従って、本発明によると、従来のタッチパネルに用いられているスイッチ類は不要となり、画面へのタッチにより初期操作を行うことが可能となる。
【0045】
タッチパネルに表示された画面の任意の位置である第1ポイント4が、ユーザによりタッチされると(S3)、交点3は、その第1ポイント4に移動する。そして、その第1ポイント4を含み、2本の斜線L01,L02に略平行な新たな斜線L1,L2を設定し、2本の斜線L1,L2により分割された4つ領域A,B,C,Dを新たに設定する(S4)。また、各画面領域に対応した象限を設定する(S5)。図2(a)に示すように、本実施形態では、タッチパネル画面1には、文字選択列11が表示され、ユーザに対し各象限に割り当てられた文字が、その方向と共に表示される。本実施形態では、この文字選択列11は、図4(a)〜(e)に示す表示方法に限らず、例えば、図5に示すように、各文字の象限の変更履歴の表を、タッチパネル画面1の操作画面外にレイアウトしても良い。
【0046】
この4つの領域A,B,C、Dは、ユーザがタッチした第1のポイント4を中心として、上方向、下方向、右方向及び左方向の領域である。このことは、ユーザは、最初にタッチした指等を上下左右という、感覚的にも分かり易い方向に移動させれば良いことを意味する。従って、入力方法として極めて簡易であり、誤操作の生じる可能性は極めて低い。また、図1(c)に示すように、タッチパネル画面を横断する線が、タッチパネル画面を縦方向に縦断する線と、横方向に横断する線である場合は、ユーザは、タッチした第1ポイント4を中心として、斜めに右上、右下、左上及び左下の方向を認識すればよい。
【0047】
図8に、本発明に係る文字認識方法及び文字入力方法の1つの実施形態における文字の選択方法を図示する。まず、ユーザにより、第1ポイント4がタッチされた後、「さ」及び「す」という文字を選択する場合について説明する。ユーザにより、最初に画面にタッチ(T)された第1ポイント4から、指等を画面に接触させたまま、図中の下方にスライド(S)される(S6)。指等がC領域である第3象限に入ると、その象限を記憶(S7)し、第3象限に割り当てられた文字「さ」を認識する(S8)。つまり、予め文字ごとに設定された象限の変更履歴パターンに基づき、記憶された象限の変更履歴から、その象限に割り当てられた文字を認識する。次に、ユーザにより、第2ポイント5においてリリース(R)された場合(S9)、文字は認識された「さ」に確定する(S10)。従って、ユーザにより、リリース(R)をせずにホールド(H)又はスライド(S)が継続されると、画面は確定しない。また、ユーザにより、リリース(R)されずに、さらにスライドされた場合(S11)には、そのスライドによる象限の変化を判定し(S12)、前回のスライドと同方向であり、象限の変更がない場合には、更なるスライドを待つ。また、前回のスライドと異なる方向であり、象限の変更がある場合には、スライドされた象限を記憶しS7に戻る。図8では、第2ポイント5から、第2象限の方向にスライドさせ、第3ポイント6がタッチされたため象限が変更されたとして、「す」が認識される。ユーザは、第2ポイント5においてリリース(R)する(S7)と、文字は認識された「す」に確定する(S8)。
【0048】
すなわち、ユーザは、リリース(R)するまでは、スライド(S)することでその象限を変更させ、異なる文字を認識させることが可能である。タッチパネル画面1上に表示される文字選択列11は、その時点において、象限を変更した場合に認識される文字を各象限について表示する。このように、文字の選択が、2次元的な画面内での指等によるスライド(S)とリリース(R)により可能となる。
【0049】
(文字認識方法及び文字入力方法についての他の実施形態)
図9に、文字認識方法及び文字入力方法の他の実施形態の基本構成を示す。これは、第1ポイント4をタッチしたときの画面領域を斜線、縦線、及び横線により8分割した場合である。それらの画面領域には、第1乃至第8象限が対応する。そして、それぞれの象限へのタッチにより「あ」〜「ら」が認識される。これらの文字が認識された後のスライドによる象限の変更は、前述の4分割された象限が適用される。この実施形態によれば、「な」から「ら」の選択の際に、スライド数を1つ減少することができる。
【0050】
(文字認識方法及び文字入力方法についての他の実施形態)
上述した、操作パターンは、基本的に、タッチ(T)、ホールド(H)、スライド(S),及びリリース(R)の4つのパターンから構成される。従って、これらの指等により行われる操作パターンを音声入力により入力させることが可能である。例えば、タッチパネル画面1をタッチ(T)したまま、象限の選択においてスライド(S)させる代わりに、「上」、「下」、「右」、「左」等の音声により文字を選択することが可能である。
【0051】
(象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例)
図10(a)〜(e)に、象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例として、仮名文字以外に、カタカナ、アルファベット(大文字、小文字)、数字、記号を認識する方法及び入力する方法を示す。この方法では、図10(a)の各文字に対し、まず、入力切り替え操作により、文字を選択する。例えば、図10(b)に、その切り替えの象限を示す。そして、入力切り替え操作により、数字を選択した場合を、図10(c)に示す。また、大文字のアルファベットを選択した場合を、図10(d)に示す。さらに、記号を選択した場合を、図10(e)に示す。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る文字認識方法及び文字入力方法の1つの実施形態の基本構成を示す説明図である。
【図2】本発明に係る文字認識方法及び文字入力方法の1つの実施形態の基本動作を示す説明図である。
【図3】本実施形態における、ユーザによるタッチパネルの操作パターンの説明図である。
【図4(a)】本実施形態における、指等によるスライドにより象限が変更された場合に認識される仮名文字を示す説明図である。
【図4(b)】本実施形態における、指等によるスライドにより象限が変更された場合に認識される仮名文字を示す説明図である。
【図4(c)】本実施形態における、指等によるスライドにより象限が変更された場合に認識される仮名文字を示す説明図である。
【図4(d)】本実施形態における、指等によるスライドにより象限が変更された場合に認識される仮名文字を示す説明図である。
【図4(e)】本実施形態における、指等によるスライドにより象限が変更された場合に認識される仮名文字を示す説明図である。
【図5】本実施形態における、仮名文字に設定された、タッチする象限の変更履歴を示す表である。
【図6】文字認識方法のフロー図である。
【図7】文字入力方法のフロー図である。
【図8】文字認識方法及び文字入力方法の1つの実施形態における文字の選択方法の基本概念を示す概念図である。
【図9】文字認識方法及び文字入力方法の他の実施形態の基本動作を示す説明図である。
【図10(a)】象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例を示す説明図である。
【図10(b)】象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例を示す説明図である。
【図10(c)】象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例を示す説明図である。
【図10(d)】象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例を示す説明図である。
【図10(e)】象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1 タッチパネル画面、2 角部、3 交点、4 第1ポイント、5 第2ポイント、6 第3ポイント、11 文字選択列、12 文字表示板、A,B,C,D 領域、L 横断線、H ホールド、R リリース、T タッチ、S スライド。
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルの文字認識方法及び文字入力方法に係り、特に、タッチパネルに表示された画面にタッチして文字を入力するタッチパネルの文字認識方法および文字入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、LCD等のディスプレイと組み合わされ、機器の入力操作を行う入力装置である。つまり、その機器のユーザが、画面上のある領域に表示されたボタンを選択する場合、その領域内にタッチパネルの上から触ることにより、あたかもボタンを押したかのような入力操作が可能となる入力装置である。このようなタッチパネルを用いた入力装置は、銀行のATM、OA機器、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、ゲーム機等、幅広く利用されている。
【0003】
タッチパネルには、一般的に、上下2枚の抵抗膜がスペーサを介して重ね合わされている。これらの抵抗膜は、それぞれ電極と一体となっているため、上部の抵抗膜は上部電極となり、下部の抵抗膜は下部電極となる。この構成により、タッチパネルは、2つの機能を有する。第1に、機器のユーザが、指などによりタッチパネルに接触すると、上部電極と下部電極とが接触し、それにより入力操作がON状態であると判断する機能を有する。第2に、上部電極は入力点のX軸の位置を検出し、下部電極は入力点のY座標を検出し、この2つのデータから入力点の座標を認識する機能を有する。すなわち、上部電極及び下部電極は、それぞれ入力点の電圧(アナログ)を検出し、この電圧をAD変換してデジタル値とし、それぞれ入力点のX軸座標値及びY軸座標値を認識する。そして、この入力点の座標値から、その座標位置に対応したボタンに割り当てられた入力操作を認識する。
【0004】
タッチパネルへの文字入力は、入力された座標を正確に検出するために、指の大きさから決まる一定の限度がある。従って、その機器に設けられた機能や操作を一定の画面内に同時に表示するために、各種の工夫がなされている。例えば、PDA(Personal Data Assistance)等の携帯情報端末では、アナログタッチパネルを使用し、指に代えてペン(スタイラス等)で画面上をなぞることにより文字の入力を行っている。
【0005】
一方、特許文献1には、液晶タッチパネルを用いた仮名入力方法が開示されている。この仮名入力方法は、タッチパネル画面に文字列「あかさたなはまやらわ」を横一列にスーパインポーズ表示し、タッチ入力により残りの文字列を縦一列にスーパインポーズする。そして、横一列中の1文字を含む縦1列に並んだ表示文字の中の1文字にタッチ入力することでその文字を入力する。
【0006】
また、特許文献2のデータ入力方法は、基準位置(第1の座標)を押圧指示したまま、参照位置(第2の座標)を指示した後、短時間の内に参照位置(第2の座標)の指示を解除する操作を行うものである。この操作により、第1の押圧座標に対する右クリックに対応したデータ処理動作が実行される。また、第1の座標をグラフの原点とし、X,Y軸に16分割された象限により異なるデータ処理を行う。
【0007】
【特許文献1】特開2002−222053号公報
【特許文献2】特開2000−47807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
その機器の文字入力操作について、タッチパネルの画面内に設定されたボタンを押す方法は、上述のようにそのボタンの領域には限度があるため、ユーザにとって操作性が悪く、押し方如何で誤操作が発生するという問題がある。特に、表示画面が小さな機器の場合にはボタンも小さくなり、ユーザに対して、操作にストレスを感じさせ、誤操作を誘引する。
【0009】
また、ペン(スタイラス)で画面上をなぞることにより文字入力を行う方法は、文字入力に時間がかかり、また、文字の間違い、曖昧な文字が認識されない等の誤操作が発生するという問題がある。
【0010】
本願の目的は、かかる課題を解決し、ユーザによる文字入力操作が容易であり、ユーザによる誤操作が低減されるタッチパネルの文字認識方法及び文字入力方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るタッチパネルの文字認識方法は、タッチパネルに表示された画面の任意の位置がタッチされると、その位置を含みタッチパネル画面を横断する線により分割された複数の画面領域と、各画面領域に対応し、タッチされた位置を中心とした画面領域の方向を規定する象限とを設定し、次に、そのうちの一つの画面領域に属する任意の位置がタッチされると、その象限に割り当てられた文字を認識することを特徴とする。
【0012】
また、タッチパネルの文字認識方法は、さらに、文字ごとに、それぞれタッチパネルにタッチする象限の変更履歴パターンを設定し、表示された画面の任意の位置がタッチされた後に、タッチされた象限の変更履歴パターンを記憶し、設定された象限の変更履歴パターンに基づき、その象限に割り当てられた文字を認識することが好ましい。
【0013】
また、タッチパネルの文字認識方法は、タッチパネルの画面が、起動されたタッチパネルの画面枠内の任意の位置がタッチされることが好ましい。
【0014】
また、タッチパネルの文字認識方法は、タッチパネル画面を横断する線が、タッチパネル画面を交差する斜線であることが好ましい。
【0015】
また、タッチパネルの文字認識方法は、タッチパネル画面を横断する線が、タッチパネル画面を縦方向に縦断する線と、横方向に横断する線と、であることが好ましい。
【0016】
また、タッチパネルの文字認識方法は、認識された文字が、そのタッチしている位置でリリースされることにより確定することが好ましい。
【0017】
また、タッチパネルの文字認識方法は、認識される文字が、仮名文字であることが好ましい。
【0018】
また、本発明に係るタッチパネルの文字入力方法は、タッチパネルに表示された画面の任意の位置をタッチすると、その位置を含みタッチパネル画面を横断する線により分割された、複数の画面領域及びそれらに対応する象限が設定され、次に、そのうちの一つの画面領域に属する任意の位置をタッチすると、その象限に割り当てられた文字が認識されることを特徴とする。
【0019】
また、タッチパネルの文字入力方法は、さらに、タッチパネルに表示された画面の任意の位置をタッチした後に、文字ごとに割り当てられた、タッチする象限の変更履歴パターンに従ってスライドし、その変更履歴パターン後のその象限に割り当てられた文字を認識させることが好ましい。
【0020】
また、タッチパネルの文字入力方法は、タッチパネルの画面は、起動されたタッチパネルの画面枠内の任意の位置をタッチすることで表示されることが好ましい。
【0021】
また、タッチパネルの文字入力方法は、認識された文字が、そのタッチしている位置でリリースすることにより確定されることが好ましい。
【0022】
また、タッチパネルの文字入力方法は、認識される文字が、仮名文字であることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
上記構成により、タッチパネルの文字認識方法は、ユーザにより、タッチパネルに表示された画面の任意の位置がタッチされる。また、ユーザにより、分割された画面領域及びそれらに対応する象限を選択させ、次にタッチされることで所望の文字を認識することができる。さらに、文字ごとに、タッチパネルにタッチする象限の変更履歴パターンが、予め設定してある。ユーザは、タッチする象限の変更履歴パターンに従い、指等のスライドの方向によってこの所望の文字を認識することができる。すなわち、最初のタッチにおいて、タッチパネルの画面全体のいずれの位置にタッチしても良い。また、ユーザは、次のタッチにおいても、分割された画面領域のいずれの位置にタッチしても良い。つまり、ユーザに対して、画面内のボタンを探索させる必要がなく、また、選択するボタンの領域内に確実にタッチさせる必要もない。すなわち、ユーザに、分割された画面領域のそれぞれに割り当てられた文字、及びスライドによる象限の変更の履歴により決まる文字さえ認識させれば、簡易な文字入力操作が可能となる。
【0024】
また、タッチパネルの文字認識方法は、ユーザにより最初にタッチされた位置を含み、タッチパネル画面を横断する線により分割された複数の画面領域及び象限を設定する。すなわち、ユーザは、最初にタッチした位置から、例えば、上、下、右、左といった平易な方向さえ認識していれば簡易な文字入力操作が可能となる。
【0025】
上記構成により、タッチパネルの文字入力方法は、ユーザは、タッチパネルに表示された画面の任意の位置に最初にタッチする。また、ユーザは、分割された画面領域を選択して次にタッチすることで所望の文字を選択させることができる。さらに、ユーザは、タッチパネル画面上をタッチしたままスライドし、そのスライドによる象限の変更の履歴により所望の文字を認識させることができる。すなわち、ユーザは、最初のタッチにおいて、タッチパネルの画面全体のいずれの位置にタッチしても良い。また、ユーザは、次のタッチにおいても、分割された画面領域のいずれの位置にタッチしても良い。つまり、ユーザは、画面内のボタンを探索する必要がなく、また、選択するボタンの領域内に確実にタッチする必要もない。すなわち、ユーザは、分割された画面領域のそれぞれに割り当てられた文字、及びスライドによる象限の変更の履歴により決まる文字さえ認識すれば、簡易な文字入力操作となる。
【0026】
また、タッチパネルの入力方法は、ユーザが最初にタッチされた位置を含み、タッチパネル画面を横断する線により分割された複数の画面領域及び象限が設定される。すなわち、ユーザは、最初にタッチした位置から、例えば、上、下、右、左といったアバウトな方向さえ認識していれば簡易な文字入力操作が可能となる。
【0027】
以上のように、本発明に係るタッチパネルの文字認識方法及び文字入力方法によれば、ユーザによる簡易な文字入力操作が可能となり、ユーザによる誤操作が低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。
【0029】
(基本構成)
図1に、本発明に係る文字認識方法及び文字入力方法の1つの実施形態の基本構成を示す。本実施形態では、図1(a)に示すように、タッチパネル画面1は、基本的に、タッチパネル画面1の斜線L01及びL02と、斜線L01とL02との交点3と、2本の斜線L01,L02により分割された4つの領域A0,B0,C0,D0と、から構成される。また、それぞれの領域に対応する第1象限乃至第4象限が設定される。本実施形態では、この斜線L01,L02は、タッチパネル画面1の角部2をそれぞれ結ぶ2つの対角線である。これは、ユーザが、タッチパネル画面1の輪郭から、斜線の角度、或いは斜線により分割された領域を認識し易いからである。但し、この斜線L01,L02は、この対角線に限らず、例えば、図1(b)に示すように、タッチパネル画面1の上下の辺に対して略45度の角度で交差する斜線L01,L02であっても良いし、他の角度を有する斜線L01、L02であっても良い。
【0030】
図1(c)に、タッチパネル画面を横断する線の他の実施例として、タッチパネル画面を横断する線が、タッチパネル画面を縦方向に縦断する線と、横方向に横断する線である場合を示す。この場合は、4つの領域A0,B0,C0,D0は、交点3を中心として、右上方向、右下方向、左上方向及び左下方向の領域となる。また、この場合にも各領域に対応した第1象限乃至第4象限が設定される。さらに、タッチパネル画面を横断する線は、上述した斜線と、縦方向に縦断する線と、横方向に横断する線と、から選択され組み合わされた複数の線であっても良い。また、これらのタッチパネル画面を横断する線は、本実施の形態では画面上に表示されるが、この線は、画面上に表示されていなくても良い。
【0031】
(基本動作)
図2に、本発明に係る文字認識方法及び文字入力方法の1つの実施形態の基本動作を示す。図2(a)に示すように、ユーザにより、タッチパネルに表示された「文字選択画面1」の任意の第1ポイント4がタッチされると、図2(a)に矢印Pで示すように、交点3は、その第1ポイント4に移動する。そして、その第1ポイント4を含み、2本の斜線L01,L02に略平行な新たな斜線L1,L2が設定され、2本の斜線L1,L2により分割された4つ領域A,B,C,Dが新たに設定される。また、各象限もまた、平行移動して新たに設定される。ここで、第1乃至第4象限は、タッチパネル画面1にタッチされた位置を中心とした画面領域の方向を規定する。従って、タッチされた位置が変化した場合、画面領域はそれにつれて変化するが、象限はタッチされた位置を中心として、その方向は変化しない。
【0032】
次に、図2(b)に示すように、ユーザは、第1ポイント4から、ユーザの指等を画面に接触させたまま、図中の下方にスライドさせ、選択したC領域(第3象限)の第2のポイント5をタッチする。ユーザの指等によるC領域でのタッチで、画面はC領域に割り当てられた文字「さ」が認識される。このとき、ユーザは、第2ポイント5において、指等を画面からリリースすると、この文字「さ」は確定したものと認識する。確定された文字「さ」は、文字表示板12に表示される。
【0033】
一方、ユーザは、第3象限である第2ポイント5において、指等を画面からリリースさせず、スライドによりさらに移動させる。指等を第3象限以外の第1,2及び第4象限であるA,B,及びD領域にスライドさせると、それぞれ新たな文字である「ま」、「す」、「し」が認識される。このとき、ユーザは、それぞれの領域で指等を画面からリリースすると、これらの文字は確定したものと認識する。
【0034】
(操作パターン)
図3に、本発明の実施形態における、ユーザによるタッチパネルの操作パターン、各操作パターンの記号、及びその処理動作を示す。この操作パターンのうち基本操作パターンは、タッチ(T)、ホールド(H)、スライド(S)、及びリリース(R)の4種類である。ここで、タッチ(T)とは、タッチパネルの画面にユーザの指等により触れることをいう。また、ホールド(H)とは、指等により画面にタッチした状態で、その指等をタッチされた位置に留めることをいう。このホールド(H)は、連続して同じ位置をタッチ(T)しているものと判断され、タッチ(T)と同様に処理される。また、スライド(S)とは、指等により画面にタッチした状態で、画面上を移動させることをいう。このスライド(S)は、連続して異なる位置をタッチ(T)しているものと判断され、タッチ(T)と同様に処理される。さらに、リリース(R)とは、タッチ、ホールド(同じ位置の連続したタッチ)、及びスライド(異なる位置の連続したタッチ)の状態から、指等を画面から離すことをいう。これらの基本操作は、ユーザの指だけではなく、ペンや他の器具により行われても良い。本明細書の関連する各図において、上記した基本操作パターンには、それぞれの記号を付す。なお、画面を短くつつくタップという基本操作パターンを設け、タッチ(T)と区別された操作パターンを定義しても良い。
【0035】
これらの基本操作パターンに対して、タッチパネルは、その2つの機能により認識する。すなわち、(1)入力操作がON状態又はOFF状態であると判断する機能、及び(2)入力点の座標値を認識する機能である。タッチ(T)に対しては、タッチパネルを構成する上部電極と下部電極とが接触することで、入力操作がON状態であると判断し、その象限に割り当てられた処理動作を行う。また、ホールド(H)に対しては、上部電極と下部電極との接触が維持され、その座標値のまま入力操作が連続してON状態であると判断し、タッチ(T)と同様の処理を行う。また、スライド(S)に対しては、上部電極と下部電極との接触が維持され、その接触した点の座標移動が認識され、その移動する座標値で入力操作が連続してON状態であると判断し、タッチ(T)と同様の処理を行う。さらに、リリース(R)に対しては、上部電極と下部電極との接触が切断されることで、入力操作がOFF状態であると判断し、その認識した文字を確定する。
【0036】
基本操作パターンの処理動作の設定は、上述したものに限らず、他の実施例としても良い。例えば、スライド(S)について、指等により画面にタッチした状態で、画面上を移動させている状態では、連続して異なる位置をタッチ(T)しているものと判断せずに、移動後にある位置で、一定の時間を越えてホールド(H)された場合に、タッチ(T)したものと判断しても良い。この場合には、タッチパネルは、その内部機能にタイマを有し時間の計測により判断し処理する。
【0037】
本発明は、これらの基本操作パターン及びそれらを組合せた応用操作パターンにより総ての入力操作がなされ、タッチパネルに入力された文字が認識される。タッチ(T)、ホールド(H)、スライド(S)、及びリリース(R)という4つの基本操作パターンが組み合わされた、応用操作パターンを図3に示す。基本的に、2度連続してタッチ(T)するダブルタッチという応用操作パターンは、確定された画面を取り消す操作パターンである。本実施形態では、ダブルタッチ+リリース(DT・R)により、その文字の1つ前の文字に戻し、確定させる指令がなされたと判断して処理する。この操作パターンは、2回の「タッチ(T)+リリース(R)」が、それぞれ、タッチパネルに表示された画面上の任意の位置で、一定の時間(例えば、0.5秒又は1.0秒)以内に行われた場合に検出される。1回の「タッチ(T)+リリース(R)」が行われた場合、基本操作パターンの設定により、そのタッチされた文字を確定する。従って、文字は変化しない。その後、一定時間内に第2のタッチ(T)+リリース(R)が繰り返されると、その文字は取り消され、前の文字が確定されて表示される。
【0038】
また、本実施形態では、ダブルタッチ+ホールド(DT・H)により、その文字の1つ前の別の選択メニューに文字を変更させるが、確定されない状態とする指令と判断する。この操作パターンは、1回目のタッチ(T)+リリース(R)及び2回目のタッチ(T)+ホールド(H)が、それぞれ、タッチパネルに表示された文字の任意の位置で、一定の時間(例えば、0.5秒又は1.0秒)以内に行われた場合に判断される。1回のタッチ(T)+リリース(R)が行われた場合、そのタッチされた文字が確定するため文字は変化しない。その後、一定時間内に第2のタッチ(T)+ホールド(R)が繰り返されると、その文字は取り消され、前の文字が確定されない状態で認識される。なお、ダブルタッチ(DT)は、ダブルタップとし、画面を短くつつく応用操作パターンとしても良い。
【0039】
従来、これらの指等によるダブルタッチ(DT)は、厳密に同一のポイントをタッチすることが難しいため、特許文献2に開示されている方法などが考案されている。しかし、本発明では、総ての入力操作において、タッチパネル画面1上にはボタンはなく、ある特定のポイントを2回押さえる必要がない。従って、ダブルタッチ(DT)に関しても、簡易な操作となり、ユーザによる誤作動は、ほとんど生じない。
【0040】
(象限の変更履歴と文字との対応)
図4(a)〜(e)に、本実施形態における、指等によるスライドにより象限が変更された場合に認識される仮名文字を示す。図4(a)に示すように、第1ポイント4からは、第1スライド(S1)により2重の枠で囲まれた基本文字である「あ」、「か」、「さ」、「た」が選択される。また、第1象限である「あ」からは、第2スライドにより「い」及び「う」が選択され、さらに、第3スライドにより「え」及び「お」が選択される。従って、第1ポイント4から第1象限を選択すると文字列「あ、い、う、え、お」が選択できる。同様に、第1ポイント4から第4象限を選択すると文字列「か、き、く、け、こ」が選択でき、第1ポイント4から第3象限を選択すると文字列「さ、し、す、せ、そ」が選択できる。第1ポイント4から第2象限を選択すると文字列「た、ち、つ、て、と」が選択できる。
【0041】
また、図4(b)に示すように、第1ポイント4から、第1スライド(S1)により「あ」を選択した後、第2スライド(S2)により第3象限を選択すると基本文字である「な」が選択できる。また、第3スライドにより「に」、「ぬ」が選択でき、さらに、第4スライドにより「ね」、「の」が選択できる。また、図4(c)に示すように、第1ポイント4から、第1スライド(S1)により「か」を選択した後、第2スライド(S2)により第2象限を選択すると基本文字である「は」が選択できる。また、図4(d)に示すように、第1ポイント4から、第1スライド(S1)により「さ」を選択した後、第2スライド(S2)により第1象限を選択すると基本文字である「ま」が選択できる。また、図4(e)に示すように、第1ポイント4から、第1スライド(S1)により「た」を選択した後、第2スライド(S2)により第4象限を選択すると基本文字である「ら」が選択できる。以上のように、スライドにより象限を変更することにより、総ての仮名文字を選択することが可能となる。この選択される文字は、仮名文字に限らず、カタカナであっても良い。また、後述するように、アルファベット、数字、特殊記号、その他の文字であっても良い。また、上述した、文字の選択方法は、例示であり、スライドによる象限の変更履歴の組合せについては、これに限らない。
【0042】
図5には、図4(a)〜(e)に示す各仮名文字に設定された、タッチする象限の変更履歴を示す。このように、一つの文字には、それに対応したスライド(S)によってタッチする象限の軌跡が対応付けられる。従って、ユーザは、タッチパネル画面1に表示されたこれらの軌跡を参照して入力することができる。
【0043】
(文字認識方法及び文字入力方法)
図6に、本発明に係る文字認識方法の基本的なフローを示し、また、図7に本発明に係る文字入力方法の基本的なフローを示す。図6のフローは、タッチパネル側から見た文字入力についての認識に関するフローである。また、図7のフローは、ユーザ側から見た文字入力についての操作に関するフローであり、図6のフローと実質的に同様な内容となる。従って、以下においては、図6のフロー図を用いて説明する。記号S1〜S13は、フロー図における各ステップを示す。
【0044】
図6に示すように、タッチパネルは、タッチパネルに電源が入った状態で、ユーザによりタッチパネル画面1内の任意の位置がタッチされると(S1)、文字選択画面を表示する(S2)。つまり。タッチパネルは、タッチパネル画面1内の任意の位置がタッチされることで、入力操作がOFFからONとなったことを認識し、文字選択画面を表示する。従って、本発明によると、従来のタッチパネルに用いられているスイッチ類は不要となり、画面へのタッチにより初期操作を行うことが可能となる。
【0045】
タッチパネルに表示された画面の任意の位置である第1ポイント4が、ユーザによりタッチされると(S3)、交点3は、その第1ポイント4に移動する。そして、その第1ポイント4を含み、2本の斜線L01,L02に略平行な新たな斜線L1,L2を設定し、2本の斜線L1,L2により分割された4つ領域A,B,C,Dを新たに設定する(S4)。また、各画面領域に対応した象限を設定する(S5)。図2(a)に示すように、本実施形態では、タッチパネル画面1には、文字選択列11が表示され、ユーザに対し各象限に割り当てられた文字が、その方向と共に表示される。本実施形態では、この文字選択列11は、図4(a)〜(e)に示す表示方法に限らず、例えば、図5に示すように、各文字の象限の変更履歴の表を、タッチパネル画面1の操作画面外にレイアウトしても良い。
【0046】
この4つの領域A,B,C、Dは、ユーザがタッチした第1のポイント4を中心として、上方向、下方向、右方向及び左方向の領域である。このことは、ユーザは、最初にタッチした指等を上下左右という、感覚的にも分かり易い方向に移動させれば良いことを意味する。従って、入力方法として極めて簡易であり、誤操作の生じる可能性は極めて低い。また、図1(c)に示すように、タッチパネル画面を横断する線が、タッチパネル画面を縦方向に縦断する線と、横方向に横断する線である場合は、ユーザは、タッチした第1ポイント4を中心として、斜めに右上、右下、左上及び左下の方向を認識すればよい。
【0047】
図8に、本発明に係る文字認識方法及び文字入力方法の1つの実施形態における文字の選択方法を図示する。まず、ユーザにより、第1ポイント4がタッチされた後、「さ」及び「す」という文字を選択する場合について説明する。ユーザにより、最初に画面にタッチ(T)された第1ポイント4から、指等を画面に接触させたまま、図中の下方にスライド(S)される(S6)。指等がC領域である第3象限に入ると、その象限を記憶(S7)し、第3象限に割り当てられた文字「さ」を認識する(S8)。つまり、予め文字ごとに設定された象限の変更履歴パターンに基づき、記憶された象限の変更履歴から、その象限に割り当てられた文字を認識する。次に、ユーザにより、第2ポイント5においてリリース(R)された場合(S9)、文字は認識された「さ」に確定する(S10)。従って、ユーザにより、リリース(R)をせずにホールド(H)又はスライド(S)が継続されると、画面は確定しない。また、ユーザにより、リリース(R)されずに、さらにスライドされた場合(S11)には、そのスライドによる象限の変化を判定し(S12)、前回のスライドと同方向であり、象限の変更がない場合には、更なるスライドを待つ。また、前回のスライドと異なる方向であり、象限の変更がある場合には、スライドされた象限を記憶しS7に戻る。図8では、第2ポイント5から、第2象限の方向にスライドさせ、第3ポイント6がタッチされたため象限が変更されたとして、「す」が認識される。ユーザは、第2ポイント5においてリリース(R)する(S7)と、文字は認識された「す」に確定する(S8)。
【0048】
すなわち、ユーザは、リリース(R)するまでは、スライド(S)することでその象限を変更させ、異なる文字を認識させることが可能である。タッチパネル画面1上に表示される文字選択列11は、その時点において、象限を変更した場合に認識される文字を各象限について表示する。このように、文字の選択が、2次元的な画面内での指等によるスライド(S)とリリース(R)により可能となる。
【0049】
(文字認識方法及び文字入力方法についての他の実施形態)
図9に、文字認識方法及び文字入力方法の他の実施形態の基本構成を示す。これは、第1ポイント4をタッチしたときの画面領域を斜線、縦線、及び横線により8分割した場合である。それらの画面領域には、第1乃至第8象限が対応する。そして、それぞれの象限へのタッチにより「あ」〜「ら」が認識される。これらの文字が認識された後のスライドによる象限の変更は、前述の4分割された象限が適用される。この実施形態によれば、「な」から「ら」の選択の際に、スライド数を1つ減少することができる。
【0050】
(文字認識方法及び文字入力方法についての他の実施形態)
上述した、操作パターンは、基本的に、タッチ(T)、ホールド(H)、スライド(S),及びリリース(R)の4つのパターンから構成される。従って、これらの指等により行われる操作パターンを音声入力により入力させることが可能である。例えば、タッチパネル画面1をタッチ(T)したまま、象限の選択においてスライド(S)させる代わりに、「上」、「下」、「右」、「左」等の音声により文字を選択することが可能である。
【0051】
(象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例)
図10(a)〜(e)に、象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例として、仮名文字以外に、カタカナ、アルファベット(大文字、小文字)、数字、記号を認識する方法及び入力する方法を示す。この方法では、図10(a)の各文字に対し、まず、入力切り替え操作により、文字を選択する。例えば、図10(b)に、その切り替えの象限を示す。そして、入力切り替え操作により、数字を選択した場合を、図10(c)に示す。また、大文字のアルファベットを選択した場合を、図10(d)に示す。さらに、記号を選択した場合を、図10(e)に示す。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る文字認識方法及び文字入力方法の1つの実施形態の基本構成を示す説明図である。
【図2】本発明に係る文字認識方法及び文字入力方法の1つの実施形態の基本動作を示す説明図である。
【図3】本実施形態における、ユーザによるタッチパネルの操作パターンの説明図である。
【図4(a)】本実施形態における、指等によるスライドにより象限が変更された場合に認識される仮名文字を示す説明図である。
【図4(b)】本実施形態における、指等によるスライドにより象限が変更された場合に認識される仮名文字を示す説明図である。
【図4(c)】本実施形態における、指等によるスライドにより象限が変更された場合に認識される仮名文字を示す説明図である。
【図4(d)】本実施形態における、指等によるスライドにより象限が変更された場合に認識される仮名文字を示す説明図である。
【図4(e)】本実施形態における、指等によるスライドにより象限が変更された場合に認識される仮名文字を示す説明図である。
【図5】本実施形態における、仮名文字に設定された、タッチする象限の変更履歴を示す表である。
【図6】文字認識方法のフロー図である。
【図7】文字入力方法のフロー図である。
【図8】文字認識方法及び文字入力方法の1つの実施形態における文字の選択方法の基本概念を示す概念図である。
【図9】文字認識方法及び文字入力方法の他の実施形態の基本動作を示す説明図である。
【図10(a)】象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例を示す説明図である。
【図10(b)】象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例を示す説明図である。
【図10(c)】象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例を示す説明図である。
【図10(d)】象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例を示す説明図である。
【図10(e)】象限の変更履歴と文字との対応についての他の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1 タッチパネル画面、2 角部、3 交点、4 第1ポイント、5 第2ポイント、6 第3ポイント、11 文字選択列、12 文字表示板、A,B,C,D 領域、L 横断線、H ホールド、R リリース、T タッチ、S スライド。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルに表示された画面の任意の位置がタッチされると、その位置を含みタッチパネル画面を横断する線により分割された複数の画面領域と、各画面領域に対応し、タッチされた位置を中心とした画面領域の方向を規定する象限とを設定し、次に、そのうちの一つの画面領域に属する任意の位置がタッチされると、その象限に割り当てられた文字を認識することを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項2】
請求項1に記載のタッチパネルの文字認識方法において、文字ごとに、それぞれタッチパネルにタッチする象限の変更履歴パターンを設定し、表示された画面の任意の位置がタッチされた後に、タッチされた象限の変更履歴パターンを記憶し、設定された象限の変更履歴パターンに基づき、その象限に割り当てられた文字を認識することを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のタッチパネルの文字認識方法において、タッチパネルの画面は、起動されたタッチパネルの画面枠内の任意の位置がタッチされることで表示することを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1に記載のタッチパネルの文字認識方法において、タッチパネル画面を横断する線は、タッチパネル画面を交差する斜線であることを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1に記載のタッチパネルの文字認識方法において、タッチパネル画面を横断する線は、タッチパネル画面を縦方向に縦断する線と、横方向に横断する線と、であることを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1に記載のタッチパネルの文字認識方法において、認識された文字は、そのタッチしている位置でリリースされることにより確定することを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1に記載のタッチパネルの文字認識方法において、認識される文字は、仮名文字であることを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項8】
タッチパネルに表示された画面の任意の位置をタッチすると、その位置を含みタッチパネル画面を横断する線により分割された、複数の画面領域及びそれらに対応する象限が設定され、次に、そのうちの一つの画面領域に属する任意の位置をタッチすると、その象限に割り当てられた文字が認識されることを特徴とするタッチパネルの文字入力方法。
【請求項9】
請求項8に記載のタッチパネルの文字入力方法において、タッチパネルに表示された画面の任意の位置をタッチした後に、文字ごとに割り当てられた、タッチする象限の変更履歴パターンに従ってスライドし、その変更履歴パターン後のその象限に割り当てられた文字を認識させることを特徴とするタッチパネルの文字入力方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のタッチパネルの文字入力方法において、タッチパネルの画面は、起動されたタッチパネルの画面枠内の任意の位置をタッチすることで表示されることを特徴とするタッチパネルの文字入力方法。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれか1に記載のタッチパネルの文字入力方法において、認識された文字は、そのタッチしている位置でリリースすることにより確定されることを特徴とするタッチパネルの文字入力方法。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれか1に記載のタッチパネルの文字入力方法において、認識される文字は、仮名文字であることを特徴とするタッチパネルの文字入力方法。
【請求項1】
タッチパネルに表示された画面の任意の位置がタッチされると、その位置を含みタッチパネル画面を横断する線により分割された複数の画面領域と、各画面領域に対応し、タッチされた位置を中心とした画面領域の方向を規定する象限とを設定し、次に、そのうちの一つの画面領域に属する任意の位置がタッチされると、その象限に割り当てられた文字を認識することを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項2】
請求項1に記載のタッチパネルの文字認識方法において、文字ごとに、それぞれタッチパネルにタッチする象限の変更履歴パターンを設定し、表示された画面の任意の位置がタッチされた後に、タッチされた象限の変更履歴パターンを記憶し、設定された象限の変更履歴パターンに基づき、その象限に割り当てられた文字を認識することを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のタッチパネルの文字認識方法において、タッチパネルの画面は、起動されたタッチパネルの画面枠内の任意の位置がタッチされることで表示することを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1に記載のタッチパネルの文字認識方法において、タッチパネル画面を横断する線は、タッチパネル画面を交差する斜線であることを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1に記載のタッチパネルの文字認識方法において、タッチパネル画面を横断する線は、タッチパネル画面を縦方向に縦断する線と、横方向に横断する線と、であることを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1に記載のタッチパネルの文字認識方法において、認識された文字は、そのタッチしている位置でリリースされることにより確定することを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1に記載のタッチパネルの文字認識方法において、認識される文字は、仮名文字であることを特徴とするタッチパネルの文字認識方法。
【請求項8】
タッチパネルに表示された画面の任意の位置をタッチすると、その位置を含みタッチパネル画面を横断する線により分割された、複数の画面領域及びそれらに対応する象限が設定され、次に、そのうちの一つの画面領域に属する任意の位置をタッチすると、その象限に割り当てられた文字が認識されることを特徴とするタッチパネルの文字入力方法。
【請求項9】
請求項8に記載のタッチパネルの文字入力方法において、タッチパネルに表示された画面の任意の位置をタッチした後に、文字ごとに割り当てられた、タッチする象限の変更履歴パターンに従ってスライドし、その変更履歴パターン後のその象限に割り当てられた文字を認識させることを特徴とするタッチパネルの文字入力方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のタッチパネルの文字入力方法において、タッチパネルの画面は、起動されたタッチパネルの画面枠内の任意の位置をタッチすることで表示されることを特徴とするタッチパネルの文字入力方法。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれか1に記載のタッチパネルの文字入力方法において、認識された文字は、そのタッチしている位置でリリースすることにより確定されることを特徴とするタッチパネルの文字入力方法。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれか1に記載のタッチパネルの文字入力方法において、認識される文字は、仮名文字であることを特徴とするタッチパネルの文字入力方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図4(d)】
【図4(e)】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10(a)】
【図10(b)】
【図10(c)】
【図10(d)】
【図10(e)】
【図2】
【図3】
【図4(a)】
【図4(b)】
【図4(c)】
【図4(d)】
【図4(e)】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10(a)】
【図10(b)】
【図10(c)】
【図10(d)】
【図10(e)】
【公開番号】特開2008−9669(P2008−9669A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−178890(P2006−178890)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(500165153)株式会社シンソフィア (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(500165153)株式会社シンソフィア (5)
【Fターム(参考)】
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