説明

タッチパネル用保護シート及びタッチパネル用導電性積層体

【課題】カールや表面硬度の低下を招くことなく、クッション性を向上させることのできるタッチパネル用保護シート、及びこの保護シートを用いたタッチパネル用導電性積層体を提供する。
【解決手段】第1基材11及び該第1基材11の表側の面に設けられた第1ハードコート層12を有する表面フィルム10と、
第2基材21、該第2基材21の表側の面に設けられた第2ハードコート層22及び該第2基材の裏側の面に設けられた第3ハードコート層23を有する裏面フィルム20と、
表面フィルム10の裏側の面と裏面フィルム20の表側の面との間に設けられ、両フィルムを貼着する第1粘着剤層31を備え、第1基材11の厚みが、第2基材21の厚みより大きいことを特徴とするタッチパネル用保護シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル用保護シート及びタッチパネル用導電性積層体に関する。さらに詳しくは、抵抗膜式のタッチパネルの表面保護に適した保護シート、及びこの保護シートを備えたタッチパネル用導電性積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、液晶パネルのような表示装置と位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、携帯電話や携帯ゲーム機等で幅広く利用されている。
タッチパネルでは、画面表示に基づき手や入力ペンで圧力を加えると、圧力を加えられた部分の位置情報を感知し、その位置情報に基づいて、操作者が望む適切な動作を行なわせることができる。
【0003】
圧力を加えられた部分の位置の検出方法には種々の原理に基づく方法があるが、中でも抵抗膜式の検出方法が広く普及している。
抵抗膜式の検出方法は、対向する2枚の透明導電膜間の電圧により位置を検知する方法である。2枚のうち1枚に対して電圧をかけておくと、操作した位置に応じた電圧が他方の透明導電膜に発生する。この電圧を検知する事によりアナログ量として操作した場所を検知することができるものである。
【0004】
抵抗膜式の検出方法を利用したタッチパネルでは、フィルム基材に透明導電膜が設けられた導電性シートが使用される。特許文献1、2では、この導電性シートの透明導電膜と反対側の面に、保護シートを貼着した導電性積層体が開示されている。
両特許文献では、保護シートがハードコートフィルムで構成されており、操作面の耐擦傷性向上が図られている。また、保護シートを貼着するための粘着剤層のクッション効果により、透明導電膜の損傷防止と、位置検知特性の向上が図られている。
なお、特許文献1の保護シートは、基材の表側(操作面側)の面のみにハードコート層が設けられているが、特許文献2の保護シートは、カール防止のため、基材の両面にハードコート層が設けられている。
基材の両面にハードコート層が設けられている市販品としては、例えば、基材の表側面に防汚ハードコート層、裏面側に帯電防止ハードコート層を施した住友化学社製防汚性コーティング高機能シートスミエレックCW06(非特許文献1)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−129808号公報
【特許文献2】特開平8−148036号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】住友化学株式会社、カタログ「防汚性コーティング高機能シート」、2009年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、タッチパネルの位置検出方法の多様化、ペン入力や屋外使用における耐久性の要求等の点から、さらなる透明導電膜の損傷防止と位置検知特性の向上が求められている。そのため、より一層のクッション効果を得ることを目的として、複数枚の保護シートを導電性シートに貼着することが考えられる。
しかし、徒に保護シートの積層数を増やすことは、表示面全体の膜厚を増大させ、装置全体の薄型化や軽量化の要請に反する。また、ハードコートフィルムはコストが高いので、コスト面からも、保護シートの積層数増加には限度がある。
【0008】
そこで、本発明者らは、特許文献2に記載の保護シートの基材を厚み方向で半分に分割し、間に粘着剤層を挿入すれば、1枚の保護シートの貼着で、従来以上のクッション効果が得られるのではないかと考えた。
しかし、検討の結果、半分に分割すると基材が薄くなるため、カールを招くことがわかった。また、操作面側のハードコート層を支える基材が薄いと、操作面の表面硬度が低下する問題を招くことも分かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、カールや表面硬度の低下を招くことなく、クッション性を向上させることのできるタッチパネル用保護シート、及びこの保護シートを用いたタッチパネル用導電性積層体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
【0010】
[1]第1基材及び該第1基材の表側の面に設けられた第1ハードコート層を有する表面フィルムと、第2基材、該第2基材の表側の面に設けられた第2ハードコート層及び該第2基材の裏側の面に設けられた第3ハードコート層を有する裏面フィルムと、表面フィルムの裏側の面と裏面フィルムの表側の面との間に設けられ、両フィルムを貼着する第1粘着剤層を備え、第1基材の厚みが、第2基材の厚みより大きいことを特徴とするタッチパネル用保護シート。
[2]第1ハードコート層の厚みが、第3ハードコート層の厚みより大きい[1]に記載のタッチパネル用保護シート。
[3]第2ハードコート層の厚みと第3ハードコート層の厚みが略同等である[1]又は[2]に記載のタッチパネル用保護シート。
[4]第3ハードコート層の裏側の面に印刷層を備え[1]〜[3]の何れかに記載のタッチパネル用保護シート。
[5][1]〜[4]の何れかに記載のタッチパネル用保護シートと、第3基材及び該第3基材の裏側の面に設けられた透明導電膜を有する導電性シートと、タッチパネル用保護シートの裏側の面と導電性シートの表側の面との間に設けられ、両シートを貼着する第2粘着剤層を備えることを特徴とするタッチパネル用導電性積層体。
なお、本発明において、表側とは、使用時に操作者が操作する面側のことを意味し、裏側とは、使用時に操作者が操作する面と反対側(タッチパネル装置内部側)を意味する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のタッチパネル用保護シートによれば、カールや表面硬度低下の問題を招くことなく、タッチパネル用導電性積層体に優れたクッション性を付与することができる。
本発明のタッチパネル用導電性積層体によれば、タッチパネルの透明導電膜の損傷を高度に防止し、位置検知特性を向上させることができる
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るタッチパネル用保護シートの断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るタッチパネル用導電性積層体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[保護シート]
本発明の一実施形態に係るタッチパネル用保護シート1は、図1に示すように、表面フィルム10と裏面フィルム20が、粘着剤層31を介して貼着されて構成されている。
表面フィルム10は、第1基材11と、第1基材10の表側の面に設けられた第1ハードコート層12を有している。
裏面フィルム20は、第2基材21と、第2基材21の表側の面に設けられた第2ハードコート層22と、第2基材21の裏側の面に設けられた第3ハードコート層23を有している。
裏面フィルム20の第3ハードコート層23の裏側には、印刷層41、42が形成されている。
【0014】
第1基材11及び第2基材21としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム等が挙げられる。
特に、透明性、耐候性、耐溶剤性、剛度、コストの観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。
【0015】
第1基材11及び第2基材21には、各々、各種添加剤が含まれてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機粒子、無機粒子、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、カップリング剤等が挙げられる。
第1基材11の裏面は、接着剤層31との密着性を向上させるために、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、サンドブラスト処理や溶剤処理等の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等の表面酸化処理などが挙げられる。
【0016】
第1ハードコート層12、第2ハードコート層22、第3ハードコート層23(以下これらを総称して、単に「ハードコート層」という。)は、表面硬度を付与するための硬質成分を含有する。
硬質成分は、アクリル系重合体を主成分とする。硬質成分には、反応性無機酸化物粒子および/または反応性有機粒子を含有してもよい。特に第1ハードコート層12に反応性無機酸化物粒子および/または反応性有機粒子を含有させると、防汚性、指紋付着防止性、帯電防止性などを付与できるので好ましい。
【0017】
アクリル系重合体は、重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーの重合体である。
重合性不飽和基を有する有機化合物のモノマーまたはオリゴマーとしては、多官能(メタ)アクリレートであることが好ましく、例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(質量平均分子量600)ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(質量平均分子量400)ジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの多官能アクリレートは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
得られるハードコート層の鉛筆硬度を3H以上にするためには、4官能以上の(メタ)アクリレートを選択することがより好ましい。
重合性不飽和基を有する有機化合物のモノマーまたはオリゴマーは、熱硬化性であってもよいし、活性エネルギー線硬化性であってもよい。
【0018】
ハードコート層には、柔軟性成分が含まれてもよい。柔軟性成分が含まれていると、ゲル分率が高い状態で打ち抜いた際のクラックの発生をより防止できる。
柔軟性成分としては、分子内に1個以上の重合性不飽和基を有する重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレート類である。該(メタ)アクリレート類としては、例えば、トリシクロデカンメチロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチルプロパンのプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチルプロパンのエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。特に、3官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートを選択することがより好ましい。
これらの(メタ)アクリレート類は、1種を単独で使用することも、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0019】
反応性無機酸化物粒子は、カップリング剤により処理した無機酸化物粒子であり、反応性有機粒子は、カップリング剤により処理した有機粒子である。無機酸化物粒子または有機粒子をカップリング剤により処理することにより、アクリル系重合体との間の結合力を高めることができる。その結果、表面硬度や耐擦傷性を向上させることができ、さらに無機酸化物粒子および有機粒子の分散性を向上させることができる。
ここで、無機酸化物粒子としては、硬度が高いものが好ましく、例えば、二酸化ケイ素粒子、二酸チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子などを用いることができる。
有機粒子としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリシロキサン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリアミドなどの樹脂粒子などを用いることができる。
カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシアルミニウム等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カップリング剤の処理量は、無機酸化物粒子または有機粒子100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
【0020】
粘着剤層31を構成する粘着剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが使用される。また、溶剤系、エマルジョン系、水系のいずれであってもよい。なかでも光学系用途に使用する場合は透明度、耐候性、耐久性、コスト等の観点からアクリル溶剤系の粘着剤が特に好ましい。
粘着剤には、必要に応じて他の助剤が添加されてもよい。他の助剤としては、増粘剤、pH調整剤、タッキファイヤ、バインダ、架橋剤、粘着性微粒子、消泡剤、防腐防黴剤、顔料、無機充填剤、安定剤、濡れ剤、湿潤剤などが挙げられる。
【0021】
印刷層41、42は、着色剤(顔料、染料)とバインダ(ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッド樹脂)とを含む着色インキを印刷することによって形成される層である。金属発色させる場合には、アルミニウム、チタン、ブロンズ等の金属の粒子、マイカに酸化チタンをコーティングしたパール顔料を用いることができる。
印刷層41、42は、例えば、内部回路の隠蔽や装飾等のために施される。
【0022】
本実施形態において、第1基材11の厚みは、第2基材21の厚みより大きい。第1基材11の厚みを大きくすることにより、表面フィルム10が、カールしてしまうことを防止できる。表面フィルム10はハードコート層が片面のみであるが、第1基材11自体の厚みが確保されていることにより一定の強度が得られるため、カールが防止できる。
また、第1ハードコート層12を充分に支えることができるので、第1ハードコート層12表面の硬度を確保しやすい。
一方、第2基材21の厚みは小さいが、裏面フィルム20はハードコート層を両面に有している。そのため、裏面フィルム20全体の強度が確保でき、また、両面の強度が均衡するため、カールが防止できる。
また、第3ハードコート層23表面の硬度についての要求は高くないので、第3ハードコート層23を支える第2基材21の厚みが小さくても支障がない。
【0023】
第1基材11の厚みは、その材質が有する強度にもよるが、25〜250μmであることが好ましく、75〜125μmであることがより好ましい。第2基材21の厚みは、その材質が有する強度にもよるが、25〜200μmであることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましい。
第1基材11と第2基材21厚みの比は、各々の材質が等しい場合、10:1〜1.25:1が好ましく、5:1〜1.25:1がより好ましい。第1基材11と第2基材21の厚みの合計は、各々の材質が有する強度にもよるが、60〜450μmであることが好ましく、100〜225μmであることがより好ましい。
第1基材11と第2基材21の厚みの合計は、第1ハードコート層12と第3ハードコート層23との間を1層の基材で構成する場合に当該1層の基材に要求される厚みとほぼ同等とすることができる。
【0024】
本実施形態において、第1ハードコート層12の厚みは、第3ハードコート層23の厚みよりも大きい。また、第2ハードコート層22の厚みと第3ハードコート層23の厚みは略同等である。したがって、第1ハードコート層12の厚みは、第2ハードコート層22の厚みよりも大きい。
第1ハードコート層12の厚みを大きくするのは、第1ハードコート層12表面は操作面となるため、高い表面硬度が要求されるからである。
一方、第3ハードコート層23の厚みは小さいが、そのハードコート層表面の硬度についての要求は高くないので、厚みが小さくても支障がない。ただし、第3ハードコート層23の厚みが極端に小さいと、裏面フィルム20がカールしやすくなる。また、表面フィルム10と裏面フィルム20を貼り合わせた際、タッチパネル用保護シート1全体の両面の強度の均衡が崩れ、カールしやすくなる。
【0025】
第2ハードコート層22の厚みと第3ハードコート層23の厚みを略同等とすると、裏面フィルム20両面の強度が均衡し、裏面フィルム20のカールが防止できるので好ましい。第2ハードコート層22表面の硬度についての要求は、第3ハードコート層23以上に高くない。そのため、第2ハードコート層22の厚みは第3ハードコート層23の厚みより小さくてもよい。ただし、第2ハードコート層22の厚みが極端に小さいと、裏面フィルム20がカールしやすくなる。
【0026】
第1ハードコート層12の厚みは、その材質が有する強度にもよるが、0.5〜20μmであることが好ましく、3〜15μmであることがより好ましい。0.5μm以上であれば、表面硬度を充分に確保でき、20μm以下であれば、加工性が高くなる上に、コストアップを抑えることができる。
第2ハードコート層22の厚み及び第3ハードコート層23の厚みは、その材質が有する強度にもよるが、各々0.5〜10μmであることが好ましく、2〜7μmであることがより好ましい。
第1ハードコート層12と第3ハードコート層23の厚みの比は、各々の材質が等しい場合、40:1〜1.2:1が好ましく、10:1〜1.5:1がより好ましい。第2ハードコート層22と第3ハードコート層23の厚みの比は、各々の材質が等しい場合、1.5:1〜0.6:1が好ましく、1.2:1〜0.8:1がより好ましい。
【0027】
粘着剤層31の厚みは、10〜100μmであることが好ましく、20〜50μmであることがより好ましい。10μm以上であれば、表面フィルム10と裏面フィルム20を充分に貼着できる。粘着剤層31の厚みが大きい程、クッション性向上の効果は大きい。また、粘着剤層31の厚みが100μm以下であれば、位置検知特性が損なわれる虞がない。
印刷層41、42の厚みは、5〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
【0028】
本発明の保護シートは、印刷層41、42を有していないものでもよい。また、裏面フィルム20の裏側に他の層を有していてもよい。他の層としては、粘着剤層や、当該粘着剤層を保護する剥離シートが挙げられる。
また、他の層として、他の保護シートを有していてもよい。他の保護シートとしては、本発明の保護シートの他に、特許文献1、2に記載された保護シートが挙げられる。
【0029】
[保護シートの製造方法]
タッチパネル用保護シート1は、例えば、以下のようにして製造することができる。
(1)第1基材形成工程
第1基材10の片面に第1ハードコート層12を形成して表面フィルム10を得る。
(2)第2基材形成工程
第2基材21の一方の面にハードコート層22を、第2基材21の他方の面に第3ハードコート層23を形成して裏面フィルム20を形成する。
(3)貼着工程
表面フィルム10と裏面フィルム20を、粘着剤層31を介して貼着する。
(4)印刷工程
裏面フィルム20の裏側に印刷層41、42を形成する。
(5)打ち抜き工程
所望の形態に打ち抜く。
【0030】
上記「(1)第1基材形成工程」、「(2)第2基材形成工程」において、ハードコート層の形成は、以下のように行うことができる。
まず、硬質成分を含むハードコート層形成用塗工液を各基材に塗工して未硬化塗膜を形成する。
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、n−ヘキサン、n−ブチルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンなどが使用される。これらは1種以上を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。塗工ムラを軽減するためには、蒸発速度の異なる溶剤を使用することが好ましい。例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルを混合して使用することが好ましい。
また、ハードコート層形成用塗工液は、硬化を促進させるために、公知の光重合開始剤を含有することが好ましい。また、熱硬化性の硬質成分を用いる場合には、イソシアネート化合物やエポキシ化合物等の架橋剤を含有することが好ましい。
【0031】
ハードコート層形成用塗工液の塗工方法としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター、印刷機等を用いた方法が挙げられる。
【0032】
次いで、未硬化塗膜を硬化させる。未硬化塗膜が、熱硬化性の成分を含有する場合には、加熱炉や赤外線ランプ等を用いた加熱より硬化させる。未硬化塗膜が、活性エネルギー線硬化性の成分を含有する場合には、活性エネルギー線の照射によって硬化させる。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線が挙げられ、中でも、汎用性の点から、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク、無電極紫外線ランプ等を使用できる。
電子線としては、例えば、コックロフトワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線を使用できる。
活性エネルギー線の照射による硬化は、窒素等の不活性ガス存在下で行うことが好ましい。
硬化させる工程は、予備硬化工程と本硬化工程の2段階に分けて行ってもよい。
【0033】
上記「(3)貼着工程」において、表面フィルム10と裏面フィルム20の貼着は、以下の何れかの方法によって行うことができる。
(a)表面フィルム10における第1基材11の裏側に、粘着剤塗工液を塗布乾燥して粘着剤層31を形成し、その後裏面フィルム20を貼着する。
(b)裏面フィルム20における第2ハードコート層22の表側に、粘着剤塗工液を塗布乾燥して粘着剤層31を形成し、その後表面フィルム10を貼着する。
(c)表面フィルム10における第1基材11の裏側に、両面テープを用いて粘着剤層31を形成し、その後裏面フィルム20を貼着する。
(d)裏面フィルム20における第2ハードコート層22の表側に、両面テープを用いて粘着剤層31を形成し、その後表面フィルム10を貼着する。
【0034】
上記(a)、(b)における粘着剤塗工液は、粘着剤と溶剤及び必要に応じて助剤を含むものである。溶剤としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソロブ等)などが挙げられる。
接着層形成用塗工液を塗工するコーターとしては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター、印刷機等が挙げられる。
乾燥は、加熱乾燥機や真空乾燥機などにより行う。
【0035】
上記(c)、(d)における両面テープは、一対の剥離シートの間に粘着剤層が設けられたものである。剥離シートとしては公知のものが採用できる。剥離シートの材質としては、紙、フィルムなどが挙げられる。剥離シートは、片面に剥離層を有する片面剥離シートであることが好ましい。
また、一方の剥離シートの粘着剤層に対する剥離力と他方の剥離シートの粘着剤層に対する剥離力とは、異なることが好ましい。これにより、一方の剥離シートだけを先に剥離することが容易となる。
両面テープを用いる場合、一方の剥離シートだけを先に剥離して粘着剤層を露出させ、表面フィルム10又は裏面フィルム20の一方に貼着する。次いで、他方の剥離シートを剥離して、裏面フィルム20又は表面フィルム10の他方と貼り合わせる。
【0036】
上記「(4)印刷工程」において、印刷層41、42の形成方法(印刷方法)としては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などが適用され、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が好ましい。
「(4)印刷工程」は、「(3)貼着工程」前に行ってもよい。すなわち、表面フィルム10と貼着する前の裏面フィルム20に印刷してもよい。また、「(4)印刷工程」は、「(5)打ち抜き工程」後に行ってもよい。
上記「(5)打ち抜き工程」において、打ち抜きは、表面フィルム10と裏面フィルム20を貼り合わせた積層体に、打ち抜き刃を差し込むことによって行う。打ち抜き刃は、回転するものであってもよいし、積層体に対して当接・離間するように往復動するものであってもよい。
【0037】
[導電性積層体]
本発明の一実施形態に係る導電性積層体は、図2に示すように、導電性シート50の表側の面に、タッチパネル用保護シート1が、粘着剤層32を介して貼着されて構成されている。なお、図2において、図1と同一の構成部材については、同一の番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0038】
導電性シート50は、第3基材51と第3基材51の裏側の面に設けられた透明導電膜52を有する。
第3基材51は、第1基材11、第2基材21と同様のものが使用できる。第3基材51の厚みは、25〜200μmであることが好ましい。
透明導電膜52は、透明な導電性の膜である。例えば、金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、錫、これらの合金等からなる金属、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化カドミウム、これらの混合物等からなる金属酸化物、ヨウ化銅等からなる他の金属化合物、並びに導電性樹脂などの膜が挙げられる。中でも、インジウム錫酸化物(ITO)および導電性樹脂が好ましい。
透明導電膜52は、タッチパネル用の電極板とするため、表面抵抗を103Ω/□以下としたものが好ましく、109Ω/□以下の表面抵抗としたものがより好ましい。かかる表面抵抗は、通例、金属系の場合で30〜600Å、金属酸化物系の場合で80〜5000Åの厚さとすることで達成することができる。
粘着剤層32は、粘着剤層31と同様のものが使用できる。粘着剤層32の好ましい厚みも、粘着剤層31と同様である。
【0039】
導電性シート50は、第3基材51の上に、更に他の層を有していてもよい。他の層としては、粘着剤層や、当該粘着剤層を保護する剥離シートが挙げられる。
また、他の層として、他の保護シートを有していてもよい。他の保護シートとしては、本発明の保護シートの他に、特許文献1、2に記載された保護シートが挙げられる。
【0040】
[導電性積層体の製造方法]
図2の導電性シート50は、第3基材51の片面に透明導電膜52を設けることにより得られる。透明導電膜52の形成は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、スプレー熱分解法、化学メッキ法、電気メッキ法、塗布法、あるいはこれらの組合せ法などの適宜な薄膜形成法によりフィルム上に透明導電膜形成材からなる膜を付設することにより行うことができる。膜の形成速度や大面積膜の形成性、生産性などの点よりは、真空蒸着法やスパッタリング法が好ましい。
なお透明導電膜52の形成に先立ち、第3基材51の表面にコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、アンダーコート処理等の適宜な前処理を施して、透明導電膜52の密着性を高めることもできる。
【0041】
図2の導電性積層体は、導電性シート50の表側の面に、タッチパネル用保護シート1を、粘着剤層32を介して貼着することにより製造できる。
導電性シート50への保護シート1の貼着は、以下の何れかの方法によって行うことができる。
(a’)保護シート1の裏側に、粘着剤塗工液を塗布乾燥して粘着剤層32を形成し、その後導電性シート50に貼着する。
(b’)導電性シート50の表側に、粘着剤塗工液を塗布乾燥して粘着剤層32を形成し、その後保護シート1を貼着する。
(c’)保護シート1の裏側に、両面テープを用いて粘着剤層32を形成し、その後導電性シート50に貼着する。
(d’)導電性シート50の表側に、両面テープを用いて粘着剤層32を形成し、その後保護シート1を貼着する。
上記(a’)、(b’)における粘着剤塗工液は、前記(a)、(b)における粘着剤塗工液と同様である。
上記(c’)、(d’)における両面テープとその使用方法は、前記上記(c)、(d)における両面テープとその使用方法と同様である。
【0042】
[タッチパネル]
本発明の導電性積層体を用いて、対向する2枚の透明導電膜間の電圧により位置を検知する抵抗膜式のタッチパネルを構成できる。当該タッチパネルにおいて、本発明の導電性積層体の透明導電膜が、対向する2枚の透明導電膜の内、表側に配置される導電膜となる。
本発明の導電性積層体を用いたタッチパネルは、透明導電膜が損傷しにくく、位置検知特性に優れている。
【実施例】
【0043】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではない。なお、例中の「%」は、特に断わらない限り質量%を示す。
【0044】
[実施例1]
(フィルムAの作成)
第1基材として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET:商品名「A4300」、東洋紡績株式会社製、厚さ100μm)を用いた。第1基材の表側面にハードコート剤(商品名「アイカトロンZ711」、アイカ工業株式会社製 固形分濃度40%)を、乾燥厚み7μmになるようにマイヤーバーで塗工し乾燥後、300mJ/cm2の紫外線を照射してハードコート層(HC層)を形成し、実施例1のフィルムAを得た。
【0045】
(フィルムBの作成)
第2基材として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET:商品名「A4300」、東洋紡績株式会社製、厚さ50μm)を用いた。第2基材の裏側面にハードコート剤(商品名「アイカトロンZ742」、アイカ工業株式会社製 固形分濃度25%)を乾燥厚み3μmになるようにマイヤーバーで塗工乾燥後、300mJ/cm2の紫外線を照射して裏側のHC層を形成した。
次いで、第2基材の表側面に、裏側面と同一のハードコート剤を同じ厚みとなるように塗工乾燥し、同様に紫外線を照射して表側のHC層を形成し、両面にHC層を有する実施例1のフィルムBを得た。
【0046】
(保護シートの作成)
アクリル系粘着剤(商品名「オリバインBPS5977」、東洋インキ製造株式会社製)を乾燥厚みで25μmとなるようにマイヤーバーで上記フィルムAの非ハードコート面(裏側面)に塗工し、100℃で3分間乾燥させた後、上記フィルムBの表側面と貼り合わせて実施例1の保護シートを得た。
【0047】
[比較例1]
(フィルムAの作成)
第1基材として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET:商品名「A4300」、東洋紡績株式会社製、厚さ75μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1のフィルムAを得た。
(フィルムBの作成)
第2基材として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET:商品名「A4300」、東洋紡績株式会社製、厚さ75μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1のフィルムBを得た。
(保護シートの作成)
実施例1と同様にしてフィルムAとフィルムBを貼り合わせて、比較例1の保護シートを得た。
【0048】
[比較例2]
(フィルムAの作成)
第1基材として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET:商品名「A4300」、東洋紡績株式会社製、厚さ50μm)の表側面にハードコート剤(商品名「アイカトロンZ711」、アイカ工業株式会社製 固形分濃度40%)を乾燥厚み7μmになるようにマイヤーバーで塗工し乾燥後、300mJ/cm2の紫外線を照射してHC層を形成した。同様に裏側面に、表側面と同一のハードコート剤を同じ厚みとなるように塗工乾燥し、同様に紫外線を照射して裏側のHC層を形成し、両面にHC層を有する比較例2のフィルムAを得た。
【0049】
(フィルムBの作成)
第2基材として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET:商品名「A4300」、東洋紡績株式会社製、厚さ100μm)を用い、裏側面のみに、ハードコート剤(商品名「アイカトロンZ742」、アイカ工業株式会社製 固形分濃度25%)を乾燥厚み3μmになるようにマイヤーバーで塗工した後、300mJ/cm2の紫外線を照射してHC層を形成し、裏側のみにHC層を有する比較例2のフィルムBを得た。
【0050】
(保護シートの作成)
アクリル系粘着剤(商品名「オリバインBPS5977」、東洋インキ製造株式会社製)を乾燥厚みで25μmとなるようにマイヤーバーで上記フィルムAの裏側面に塗工し、100℃で3分間乾燥させた後、上記フィルムBの非ハードコート面(表側面)と貼り合わせて、比較例2の保護シートを得た。
【0051】
[評価項目]
実施例、比較例で得られた保護シートの性能を、下記の方法に従って評価した。結果を表1に示す。
(鉛筆硬度)
フィルムAの表側面を鉛筆引掻塗膜硬さ試験機[(株)コーティングスター工業]を用いて、JIS K 5600−5−4に準拠して測定した。
【0052】
(カール)
保護シートを10cm四方角に切断し試験片を作製し、23℃50%RH環境下に24時間静置した。その後、試験片を水平な板上に試験片を凹となるように(凹んだ部分が上側となるように)置き、4つの角の浮き上がり(板面から各々の角までの距離)を定規にて測定し、その4隅の平均値を求めた。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
表1に示すように、実施例1では、充分な鉛筆硬度が得られた。また、フィルムAのHC層が片面のみであるにもかかわらず、カールも僅かであった。これにより、本発明によれば、全体の厚みを大きくすることなく、また、HC層の数を最小限に抑えて、カール防止と鉛筆硬度を確保しつつ、クッション製を高められることが確認できた。
これに対して、第1基材と第2基材の厚みを等しくした比較例1では、両基材の合計厚みが実施例1と同一であるにもかかわらず、大幅なカールが見られた。これは、第1基材が薄いため、HC層が片面のみであるフィルムAがカールしてしまい、結果として、保護シート全体がカールしてしまったものである。
また、比較例1では、第1基材表側のHC層の厚みが実施例1と同じであるにもかかわらず、鉛筆硬度が実施例1より劣っていた。これにより、充分な鉛筆硬度を得るためには、第1基材の厚みを確保すべきことが確認できた。
また、第1基材を第2基材より薄くした比較例1では、カールは生じなかった。これは、薄い第1基材を用いたフィルムAを、両面にHC層を有するものとし、HC層が片面のみであるフィルムBの第2基材を充分な厚みとしたためである。
しかし、比較例2では、第1基材表側のHC層の厚みが実施例1と同じであるにもかかわらず、鉛筆硬度が不充分であった。これにより、カール防止と鉛筆硬度の確保を両立させるためには、第1基材の厚み確保が必要であることが確認できた。
【符号の説明】
【0055】
1…保護シート、10…表面フィルム、11…第1基材、
12…第1ハードコート層、20…裏面フィルム、21…第2基材、
22…第2ハードコート層、23…第3ハードコート層、31…粘着剤層、
41,42…印刷層、32…粘着剤層、50…導電性シート、51…第3基材、
52…透明導電膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基材及び該第1基材の表側の面に設けられた第1ハードコート層を有する表面フィルムと、
第2基材、該第2基材の表側の面に設けられた第2ハードコート層及び該第2基材の裏側の面に設けられた第3ハードコート層を有する裏面フィルムと、
表面フィルムの裏側の面と裏面フィルムの表側の面との間に設けられ、両フィルムを貼着する第1粘着剤層を備え、
第1基材の厚みが、第2基材の厚みより大きいことを特徴とするタッチパネル用保護シート。
【請求項2】
第1ハードコート層の厚みが、第3ハードコート層の厚みより大きい請求項1に記載のタッチパネル用保護シート。
【請求項3】
第2ハードコート層の厚みと第3ハードコート層の厚みが略同等である請求項1又は2に記載のタッチパネル用保護シート。
【請求項4】
第3ハードコート層の裏側の面に印刷層を備える請求項1〜3の何れかに記載のタッチパネル用保護シート。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載のタッチパネル用保護シートと、
第3基材及び該第3基材の裏側の面に設けられた透明導電膜を有する導電性シートと、
タッチパネル用保護シートの裏側の面と導電性シートの表側の面との間に設けられ、両シートを貼着する第2粘着剤層を備えることを特徴とするタッチパネル用導電性積層体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−39823(P2011−39823A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187205(P2009−187205)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】