説明

タッチ検出機能付き表示装置および電子機器

【課題】表示動作の影響を抑えつつタッチ検出を行うことができるタッチ検出機能付き表示装置を得る。
【解決手段】表示のための画素信号Vpixを伝える複数の画素信号線と、画素信号線に画素信号を印加する画素信号線駆動部と、画素信号に基づいて表示を行う表示素子と、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号(タッチ検出信号Vdet)を出力するタッチ検出電極と、表示素子が表示動作を行う表示期間Pdとは異なるタッチ検出期間Ptにおいて、検出信号に基づいてタッチを検出するタッチ検出部とを備える。上記画素信号線駆動部は、タッチ検出期間において、画素信号線の電圧(画素信号Vpix)を一定レベルに維持するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ検出機能を有する表示装置に係り、特に外部近接物体による静電容量の変化に基づいてタッチを検出するタッチ検出機能付き表示装置、およびそのようなタッチ検出機能付き表示装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるタッチパネルと呼ばれる接触検出装置を液晶表示装置等の表示装置上に装着し、あるいはタッチパネルと表示装置とを一体化し、その表示装置に各種のボタン画像等を表示させることにより、通常の機械式ボタンの代わりとして情報入力を可能とした表示装置が注目されている。このようなタッチパネルを有する表示装置は、キーボードやマウス、キーパッドのような入力装置を必要としないため、コンピュータのほか、携帯電話のような携帯情報端末などでも、使用が拡大する傾向にある。
【0003】
タッチ検出装置の方式としては、光学式や抵抗式などいくつかの方式が存在するが、比較的単純な構造をもち、かつ低消費電力が実現できる、静電容量式のタッチ検出装置が期待されている。例えば、特許文献1には、表示装置にもともと備えられている表示用の共通電極を、一対のタッチセンサ用電極のうちの一方として兼用し、他方の電極(タッチ検出電極)をこの共通電極と交差するように配置した表示装置が提案されている。この共通電極とタッチ検出電極との間には静電容量が形成され、外部近接物体に応じてその静電容量が変化する。この表示装置は、これを利用して、共通電極に駆動信号を印加したときにタッチ検出電極に現れるタッチ検出信号を解析することにより、外部近接物体を検出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−244958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、タッチ検出装置は、表示装置の表示動作の影響を受けることがある。具体的には、例えば、表示装置内の信号がタッチ検出装置内のタッチ検出信号に寄生容量などを介して伝わることがある。この場合には、タッチ検出信号のS/N比が劣化し、タッチ位置精度などが劣化するおそれがある。特許文献1には、タッチ検出に対する表示動作の影響については一切記載がない。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、表示動作の影響を抑えつつタッチ検出を行うことができるタッチ検出機能付き表示装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のタッチ検出機能付き表示装置は、複数の画素信号線と、画素信号線駆動部と、表示素子と、タッチ検出電極と、タッチ検出部とを備えている。複数の画素信号線は、表示のための画素信号を伝えるものである。画素信号線駆動部は、画素信号線に画素信号を印加するものである。表示素子は、画素信号に基づいて表示を行うものである。タッチ検出電極は、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号を出力するものである。タッチ検出部は、表示素子が表示動作を行う表示期間とは異なるタッチ検出期間において、検出信号に基づいてタッチを検出するものである。画素信号線駆動部は、タッチ検出期間において、画素信号線の電圧を一定レベルに維持するものである。
【0008】
本発明の電子機器は、上記タッチ検出機能付き表示装置を備えたものであり、例えば、テレビジョン装置、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、ビデオカメラあるいは携帯電話等の携帯端末装置などが該当する。
【0009】
本発明のタッチ検出機能付き表示装置および電子機器では、表示期間において画素信号線に画素信号が印加され表示が行われるとともに、タッチ検出期間においてタッチ検出電極からの検出信号に基づいてタッチ検出が行われる。その際、タッチ検出期間では、画素信号線の電圧が一定レベルを維持するように動作が行われる。
【0010】
本発明のタッチ検出機能付き表示装置では、例えば、画素信号線駆動部は、タッチ検出期間において、画素信号線に対して一定レベルの電圧を印加し、もしくは、画素信号線をフローティング状態にするのが望ましい。
【0011】
例えば、複数の画素信号線は並設され、画素信号線駆動部は、表示期間において、互いに隣接する画素信号線に、中心電圧レベルを基準とした互いに同極性の画素信号を印加するとともに、表示期間ごとに、印加する画素信号の極性を反転するようにしてもよい。この場合、タッチ検出電極の電圧は、タッチ検出期間の前において所定の電圧になるのが望ましい。
【0012】
例えば、タッチ検出部は、検出信号を伝える検出スイッチを有するのが望ましい。検出スイッチは、例えば、タッチ検出期間、および表示期間のうちのタッチ検出期間に先立つ所定期間においてオン状態になるとともに、表示期間のうちの所定期間以外の期間においてオフ状態になるのが望ましい。また、例えば、表示期間とタッチ検出期間とは交互に配置され、画素信号線駆動部は、異なるタッチ検出期間において、画素信号線の電圧を所定レベルに設定するようにしてもよい。この場合、検出スイッチは、例えば、タッチ検出期間においてオン状態になるとともに、表示期間においてオフ状態になってもよい。タッチ検出部は、例えば、タッチ検出期間において、検出スイッチを介して供給された検出信号を積分する積分回路を有していてもよい。
【0013】
例えば、複数の画素信号線は並設され、画素信号線駆動部は、表示期間において、互いに隣接する画素信号線に、中心電圧レベルを基準とした互いに逆極性の画素信号を印加するとともに、表示期間ごとに、印加する画素信号の極性を反転するようにしてもよい。この場合、画素信号線駆動部は、例えば、表示期間において、画素信号線に対して中心電圧レベルの電圧を印加し、その後に画素信号を印加するのが望ましい。タッチ検出部は、例えば、検出信号を伝える検出スイッチと、タッチ検出期間において、検出スイッチを介して供給された検出信号を積分する積分回路とを有していてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のタッチ検出機能付き表示装置および電子機器によれば、タッチ検出期間において、画素信号線の電圧を一定レベルに維持するようにしたので、表示動作の影響を抑えつつタッチ検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接していない状態を表す図である。
【図2】本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接した状態を表す図である。
【図3】本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、駆動信号およびタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態に係る選択スイッチ部の一構成例を表すブロック図である。
【図6】実施の形態に係る積分回路の一構成例を表す回路図である。
【図7】実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
【図8】実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの画素配列を表す回路図である。
【図9】実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの駆動電極およびタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。
【図10】実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一動作例を表す模式図である。
【図11】第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図12】第1の実施の形態に係る積分回路の一動作例を表す回路図である。
【図13】第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの寄生容量を説明するための模式図である。
【図14】比較例に係る積分回路の一構成例を表す回路図である。
【図15】比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図16】比較例に係る積分回路の一動作例を表す回路図である。
【図17】比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置の一動作例を表す他のタイミング波形図である。
【図18】第2の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図19】第3の実施の形態に係る選択スイッチ部の一構成例を表すブロック図である。
【図20】第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一動作例を表す模式図である。
【図21】第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図22】第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の他の動作例を表すタイミング波形図である。
【図23】比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図24】実施の形態を適用したタッチ検出機能付き表示装置のうち、適用例1の外観構成を表す斜視図である。
【図25】適用例2の外観構成を表す斜視図である。
【図26】適用例3の外観構成を表す斜視図である。
【図27】適用例4の外観構成を表す斜視図である。
【図28】適用例5の外観構成を表す正面図、側面図、上面図および下面図である。
【図29】各実施の形態等の変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.静電容量式タッチ検出の基本原理
2.第1の実施の形態
3.第2の実施の形態
4.第3の実施の形態
5.適用例
【0017】
<1.静電容量式タッチ検出の基本原理>
まず最初に、図1〜図3を参照して、本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出の基本原理について説明する。このタッチ検出方式は、静電容量式のタッチセンサとして具現化されるものであり、例えば図1(A)に示したように、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極(駆動電極E1およびタッチ検出電極E2)を用い、容量素子を構成する。この構造は、図1(B)に示した等価回路として表される。駆動電極E1、タッチ検出電極E2および誘電体Dによって、容量素子C1が構成される。容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端Pは抵抗器Rを介して接地されると共に、電圧検出器(タッチ検出回路)DETに接続される。交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数十kHz程度)の交流矩形波Sg(図3(B))を印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端P)に、図3(A)に示したような出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述する交流駆動信号VcomAC(タッチ検出駆動信号Vcomt)に相当するものである。
【0018】
指が接触(または近接)していない状態では、図1に示したように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V0のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。
【0019】
一方、指が接触(または近接)した状態では、図2に示したように、指によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加された形となる。この状態では、容量素子C1、C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1、I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V1のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1、C2を流れる電流I1、I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも小さい値となる。電圧検出器DETは、検出した電圧を所定のしきい値電圧Vthと比較し、このしきい値電圧以上であれば非接触状態と判断する一方、しきい値電圧未満であれば接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出が可能となる。
【0020】
<2.第1の実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すものである。このタッチ検出機能付き表示装置は、表示素子として液晶表示素子を用いており、その液晶表示素子により構成される液晶表示デバイスと静電容量型のタッチ検出デバイスとを一体化した、いわゆるインセルタイプの装置である。
【0021】
このタッチ検出機能付き表示装置1は、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、選択スイッチ部14と、駆動信号生成部15と、駆動電極ドライバ16と、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、タッチ検出部40とを備えている。
【0022】
制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動信号生成部15、駆動電極ドライバ16、およびタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する回路である。
【0023】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。具体的には、ゲートドライバ12は、走査信号Vscanを、走査信号線GCLを介して、画素PixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20にマトリックス状に形成されている画素Pixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択するようになっている。
【0024】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される映像信号および制御信号に基づいて、画素信号Vsigを生成し出力するものである。具体的には、ソースドライバ13は、後述するように、1水平ライン分の映像信号から、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20の複数(この例では6つ)のサブ画素SPixの画素信号Vpixを時分割多重した画素信号Vsigを生成し、選択スイッチ部14に供給するようになっている。また、ソースドライバ13は、画素信号Vsigに多重化された画素信号Vpixを分離するために必要なスイッチ制御信号Vsel(VselR1,VselG1,VselB1,VselR2,VselG2,VselB2)を生成し、画素信号Vsigとともに選択スイッチ部14に供給する。なお、この多重化は、ソースドライバ13と選択スイッチ部14との間の配線数を少なくするために行われるものである。
【0025】
選択スイッチ部14は、ソースドライバ13から供給された画素信号Vsigおよびスイッチ制御信号Vselに基づいて、画素信号Vsigに時分割多重された画素信号Vpixを分離し、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20に供給するものである。
【0026】
図5は、選択スイッチ部14の一構成例を表すものである。選択スイッチ部14は、複数のスイッチグループ17を有する。各スイッチグループ17は、この例では、6つのスイッチSR1,SG1,SB1,SR2,SG2,SB2からなり、それぞれの一端は互いに接続されソースドライバ13から画素信号Vsigが供給され、他端はタッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20の画素信号線SGLを介して、2つの画素Pixに係る6つのサブ画素SPix(赤(R1,R2)、緑(G1,G2)、青(B1,B2))にそれぞれ接続されている。この6つのスイッチSR1,SG1,SB1,SR2,SG2,SB2は、ソースドライバ13から供給されたスイッチ制御信号Vsel(VselR1,VselG1,VselB1,VselR2,VselG2,VselB2)によってそれぞれオンオフ制御されるようになっている。この構成により、選択スイッチ部14は、スイッチ制御信号Vselに応じてこの6つのスイッチを時分割的に順次切り替えてオン状態にすることにより、多重化された画素信号Vsigから画素信号Vpix(VpixR1,VpixG1,VpixB1,VpixR2,VpixG2,VpixB2)を分離するように機能する。そして、選択スイッチ部14は、これらの画素信号Vpixを、6つのサブ画素SPix(R1,G1,B1,R2,G2,B2)にそれぞれ供給するようになっている。
【0027】
駆動信号生成部15は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、駆動信号Vcomを生成するものである。具体的には、駆動信号生成部15は、交流駆動信号VcomAC、および直流駆動信号VcomDCを生成し、駆動電極ドライバ16に供給するものである。交流駆動信号VcomACは、交流矩形波形を有する信号である。また、直流駆動信号VcomDCは、交流駆動信号VcomACの時間平均値と同等の電圧を有する直流信号である。
【0028】
駆動電極ドライバ16は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の駆動電極COML(後述)に駆動信号Vcomを供給する回路である。具体的には、駆動電極ドライバ16は、後述するように、表示動作の際には、その表示動作に係る1水平ラインに対応する駆動電極COMLに対して、交流駆動信号VcomACを表示駆動信号Vcomdとして印加する。すなわち、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20は、ライン反転駆動されるものである。そして、駆動電極ドライバ16は、タッチ検出動作の際には、そのタッチ検出動作に係る複数の駆動電極COMLに対して、交流駆動信号VcomACをタッチ検出駆動信号Vcomtとして印加する。また、駆動電極ドライバ16は、交流駆動信号VcomACが印加されていない駆動電極COMLに対しては、直流駆動信号VcomDCを印加するようになっている。
【0029】
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、タッチ検出機能を内蔵した表示デバイスである。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、液晶表示デバイス20と、タッチ検出デバイス30とを有する。液晶表示デバイス20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行うデバイスである。タッチ検出デバイス30は、上述した静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出信号Vdetを出力するものである。このタッチ検出デバイス30は、後述するように、駆動電極ドライバ16から供給されるタッチ検出駆動信号Vcomtに従って順次走査してタッチ検出を行うようになっている。
【0030】
タッチ検出部40は、制御部11から供給される制御信号と、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス30から供給されたタッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出し、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標などを求める回路である。このタッチ検出部40は、積分部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とを有している。積分部42は、タッチ検出デバイス3から供給されるタッチ検出信号Vdetを積分してそれぞれ出力するものであり、複数の積分回路50(後述)から構成されている。積分部42の入力端子のそれぞれと接地との間には、直流電位(0V)を与えるための抵抗Rが接続されている。A/D変換部43は、タッチ検出駆動信号Vcomtに同期したタイミングで、積分部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する回路である。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチ検出がなされたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。検出タイミング制御部46は、これらの回路が同期して動作するように制御するようになっている。
【0031】
図6は、積分部42を構成する積分回路50の一構成例を表すものである。積分回路50は、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス20から出力されたタッチ検出信号Vdetを積分し、積分出力信号Vintegとして出力するものである。なお、一般に積分回路は、特開2010−3060号公報に記載されているように、タッチパネルの検出回路にしばしば用いられる。
【0032】
積分回路50は、演算増幅器OPAと、容量素子Ciと、リセットスイッチSWRと、読込スイッチSWSとを有している。演算増幅器OPAは、正入力端子(+)および負入力端子(−)に入力された電圧の差を増幅して出力する回路である。演算増幅器OPAの正入力端子(+)は、この例では接地されている。容量素子Ciは、演算増幅器OPAの負入力端子(−)と出力端子との間に挿入されている。リセットスイッチSWRは、演算増幅器OPAの負入力端子(−)と出力端子との間に挿入されており、検出タイミング制御部46から供給されたリセット信号Virによってオンオフ制御されるようになっている。読込スイッチSWSは、その一端にタッチ検出電極TDLが接続されてタッチ検出信号Vdetが供給され、他端は演算増幅器OPAの負入力端子(−)に接続されており、検出タイミング制御部46から供給された読込信号Visによってオンオフ制御されるようになっている。
【0033】
この構成により、積分回路50は、読込スイッチSWSがオン状態であるとともに、リセットスイッチSWRがオフ状態の場合、入力されたタッチ検出信号Vdetを積分して、その積分結果を出力信号Vintegとして出力する。また、積分回路50は、読込スイッチSWSがオフ状態の場合、タッチ検出電極TDLを演算増幅器OPAと切り離す。また、積分回路50は、リセットスイッチSWRがオン状態の場合、容量素子Ciに蓄積された電荷をリセットスイッチSWRを介して放電することにより、積分回路50をリセットする。
【0034】
(タッチ検出機能付き表示デバイス10)
次に、タッチ検出機能付き表示デバイス10の構成例を詳細に説明する。
【0035】
図7は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の要部断面構造の例を表すものである。このタッチ検出機能付き表示デバイス10は、画素基板2と、この画素基板2に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。
【0036】
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、このTFT基板21上にマトリックス状に配設された複数の画素電極22とを有する。TFT基板21には、図示していないものの、各画素の薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)や、各画素電極22に画像信号Vpixを供給する画素信号線SGL、各TFTを駆動する走査信号線GCL等の配線が形成されている。
【0037】
対向基板3は、ガラス基板31と、このガラス基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32と、このカラーフィルタ32の上に形成された複数の駆動電極COMLとを有する。カラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ層を周期的に配列して構成したもので、各表示画素にR、G、Bの3色が1組として対応付けられている。駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20の共通駆動電極として機能するとともに、タッチ検出デバイス30の駆動電極としても機能するものであり、この例では、一つの駆動電極COMLが一つの画素電極22(一行を構成する画素電極22)に対応するように配置されている。駆動電極COMLは、例えばITO(Indium Tin Oxide)により構成されるものである。駆動電極COMLは、図示しないコンタクト導電柱によってTFT基板21と連結され、このコンタクト導電柱を介して、TFT基板21から駆動電極COMLに駆動信号Vcomが印加されるようになっている。ガラス基板31の他方の面には、タッチ検出デバイス30の検出電極であるタッチ検出電極TDLが形成されている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLと同様に、例えばITOにより構成されるものである。さらに、このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。
【0038】
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、TN(ツイステッドネマティック)、VA(垂直配向)、ECB(電界制御複屈折)等の各種モードの液晶が用いられる。
【0039】
なお、液晶層6と画素基板2との間、および液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設され、また、画素基板2の下面側には入射側偏光板が配置されるが、ここでは図示を省略している。
【0040】
図8は、液晶表示デバイス20における画素構造の構成例を表すものである。液晶表示デバイス20は、マトリックス状に配列した複数の画素Pixを有している。各画素Pixは、3つのサブ画素SPixにより構成される。この3つのサブ画素SPixは、図7に示したカラーフィルタ32の3色(RGB)にそれぞれ対応するように配置されている。サブ画素SPixは、TFT素子Trおよび液晶素子LCを有している。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソースは画素信号線SGLに接続され、ゲートは走査信号線GCLに接続され、ドレインは液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
【0041】
サブ画素SPixは、走査信号線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。走査信号線GCLは、ゲートドライバ12と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、サブ画素SPixは、画素信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。画素信号線SGLは、選択スイッチ部14と接続され、選択スイッチ部14より画素信号Vpixが供給される。
【0042】
さらに、サブ画素SPixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ16と接続され、駆動電極ドライバ16より駆動信号Vcomが供給される。
【0043】
この構成により、液晶表示デバイス20では、ゲートドライバ12が走査信号線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択され、その1水平ラインに属する画素Pixに対して、ソースドライバ13および選択スイッチ部14が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われるようになっている。
【0044】
図9は、タッチ検出デバイス30の一構成例を斜視的に表すものである。タッチ検出デバイス30は、対向基板3に設けられた、駆動電極COMLおよびタッチ検出電極TDLにより構成されている。駆動電極COMLは、図の左右方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。タッチ検出動作を行う際は、各電極パターンには、駆動電極ドライバ16によって交流駆動信号VcomAC(タッチ検出駆動信号Vcomt)が順次供給され、後述するように時分割的に順次走査駆動が行われるようになっている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と直交する方向に延びるストライプ状の電極パターンから構成されている。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出部40の積分部42の入力にそれぞれ接続されている。駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を形成している。
【0045】
この構成により、タッチ検出デバイス30では、駆動電極ドライバ16が駆動電極COMLに対して駆動信号VcomAC(タッチ検出駆動信号Vcomt)を印加することにより、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出が行われるようになっている。つまり、駆動電極COMLは、図1〜図3に示したタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応するものであり、タッチ検出デバイス30はこの基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。図9に示したように、互いに交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、タッチ検出デバイス30のタッチ検出面全体にわたって走査することにより、外部近接物体の接触または近接が生じた位置の検出も可能となっている。
【0046】
図10は、タッチ検出走査を模式的に表すものである。図10に示したように、駆動電極ドライバ16は、タッチ検出動作において、複数の駆動電極COMLに対して、交流駆動信号VcomACをタッチ検出駆動信号Vcomtとして印加し、交流駆動信号VcomACを印加していない駆動電極COMLに対しては、直流駆動信号VcomDCを印加する。そして、駆動電極ドライバ16は、交流駆動信号VcomACを印加する駆動電極COMLをシフトすることにより、タッチ検出走査を行うようになっている。そして、この交流駆動信号VcomACは、静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetとして出力されるようになっている。
【0047】
ここで、ソースドライバ13および選択スイッチ部14は、本発明における「画素信号線駆動部」の一具体例に対応する。液晶素子LCは、本発明における「表示素子」の一具体例に対応する。読込スイッチSWSは、本発明における「検出スイッチ」の一具体例に対応する。
【0048】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置1の動作および作用について説明する。
【0049】
(全体動作概要)
まず、図4を参照して、タッチ検出機能付き表示装置1の全体動作概要を説明する。制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動信号生成部15、駆動電極ドライバ16、およびタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する。ゲートドライバ12は、液晶表示デバイス20に走査信号Vscanを供給し、表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する。ソースドライバ13は、画素信号Vpixが多重化された画素信号Vsigと、それに対応したスイッチ制御信号Vselを生成し、選択スイッチ部14に供給する。選択スイッチ部14は、画素信号Vsigおよびスイッチ制御信号Vselに基づいて画素信号Vpixを分離生成し、その画素信号Vpixを、1水平ラインを構成する各画素Pixに供給する。駆動信号生成部15は、交流駆動信号VcomACおよび直流駆動信号VcomDCを生成する。駆動電極ドライバ16は、表示動作では、表示駆動の対象となる1水平ラインに係る駆動電極COMLに対して、交流駆動信号VcomACを表示駆動信号Vcomdとして順次印加し、タッチ検出動作では、タッチ検出動作に係る複数の駆動電極COMLに対して、交流駆動信号VcomACをタッチ検出駆動信号Vcomtとして順次印加する。また、駆動電極ドライバ16は、交流駆動信号VcomACを印加していない駆動電極COMLに対しては直流駆動信号VcomDCを印加する。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示動作を行うとともに、駆動電極ドライバ16により供給されたタッチ検出駆動信号Vcomtに基づいてタッチ検出動作を行い、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力する。積分部42は、タッチ検出期間において、タッチ検出信号Vdetを積分して出力する。A/D変換部43は、積分部42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10に対するタッチの有無を検出する。座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチ検出がなされたときに、そのタッチパネル座標を求める。検出タイミング制御部46は、積分部42、A/D変換部43、信号処理部44、座標抽出部45が同期して動作するように制御する。
【0050】
(詳細動作)
次に、タッチ検出機能付き表示装置1の詳細動作を説明する。
【0051】
図11は、タッチ検出機能付き表示装置1のタイミング波形例を表すものであり、(A)は交流駆動信号VcomACの波形を示し、(B)は走査信号Vscanの波形を示し、(C)は画素信号Vsigの波形を示し、(D)は画素信号Vpixの波形を示し、(E)は読込信号Visの波形を示し、(F)はリセット信号Virの波形を示し、(G)は直流駆動信号VcomDCの波形を示し、(H)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0052】
タッチ検出機能付き表示装置1では、各1水平期間(1H)のうち、表示期間Pdにおいて表示動作が行われ、タッチ検出期間Ptにおいてタッチ検出動作が行われる。表示動作においては、ゲートドライバ12が、走査信号線GCLに対して走査信号Vscanを順次印加し、駆動電極ドライバ16が、その走査信号線GCLに対応する駆動電極COMLに対して交流駆動信号VcomAC(表示駆動信号Vcomd)を順次印加することにより表示走査を行う。タッチ検出動作においては、駆動電極ドライバ16が、複数の駆動電極COMLに対して交流駆動信号VcomAC(タッチ検出駆動信号Vcomt)を順次印加することによりタッチ検出走査を行い、タッチ検出部40が、タッチ検出電極TDLから出力されるタッチ検出信号Vdetに基づいてタッチを検出する。以下にその詳細を説明する。
【0053】
まず、タイミングt1において、駆動電極ドライバ16が、表示動作およびタッチ検出動作に係る駆動電極COMLに対して交流駆動信号VcomACを印加する。具体的には、駆動信号生成部15が、交流駆動信号VcomACの電圧を低レベルから高レベルに変化させ(図11(A))、駆動電極ドライバ16が、この交流駆動信号VcomACを表示動作に係る駆動電極COMLに対して、表示駆動信号Vcomdとして印加し、1水平期間が開始する。同時に、駆動電極ドライバ16は、この交流駆動信号VcomACをタッチ検出動作に係る複数の駆動電極COMLに対して、タッチ検出駆動信号Vcomtとして印加する。このタッチ検出駆動信号Vcomtは、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化する(図11(H))。
【0054】
次に、ゲートドライバ12がn行目の走査信号線GCL(n)に対して走査信号Vscan(n)を印加し、走査信号Vscan(n)が低レベルから高レベルに変化する(図11(B))。
【0055】
次に、タイミングt2において、検出タイミング制御部46が、読込信号Visを高レベルから低レベルに変化させる同時に、リセット信号Virを低レベルから高レベルに変化させる(図11(E),(F))。これにより、タッチ検出部40の積分部42では、積分回路50の読込スイッチSWSがオフ状態になるとともに、リセットスイッチSWRがオン状態になる。すなわち、積分回路50はリセット動作状態になる。
【0056】
図12(A)は、積分回路50のリセット動作状態を表すものである。図12(A)に示したように、このリセット動作状態では、演算増幅回路OPAがタッチ検出電極TDLから切り離されるとともに、容量素子Ciの両端が短絡される。これにより、積分回路50の積分結果はリセットされる。なお、抵抗Rtdlは、タッチ検出電極TDLの抵抗成分である。
【0057】
次に、ソースドライバ13および選択スイッチ部14が、画素信号線SGLに対して画素信号Vpixを順次印加し(図11(D))、1水平ラインに対する表示を行う。具体的には、まず、ソースドライバ13が、画素信号Vsig(図11(C))およびスイッチ制御信号Vsel(図示せず)を生成して、選択スイッチ部14に供給する。選択スイッチ部14は、供給された画素信号Vsigおよびスイッチ制御信号Vselに基づいて、画素信号Vsigに時分割多重された画素信号Vpix(VpixR1,VpixG1,VpixB1,VpixR2,VpixG2,VpixB2)を分離して、液晶表示デバイス20の画素信号線SGLを介して各サブ画素SPixに供給し(図11(D))、1水平ラインに対する表示を行う。
【0058】
このとき、画素信号Vpixは、後述するように、画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとの間の直接的および間接的なカップリングによりタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetにノイズとして現れる(図11(G)の波形W2)。図11(G)において、実線は、例えば黒表示を指示するための画素信号Vpixを画素信号線SGLに印加した場合のタッチ検出信号Vdetの波形を示し、破線は、例えば白表示を指示するための画素信号Vpixを画素信号線SGLに印加した場合のタッチ検出信号Vdetの波形を示している。このように、タッチ検出信号Vdetは、表示期間Pdにおいて、表示内容によって、その電圧レベルが異なる電圧方向にずれている。このタッチ検出信号Vdetの電圧シフトは、後述するように、タイミングt3〜t11の期間において修正されることとなる。
【0059】
次に、ゲートドライバ12は、n行目の走査信号線GCL(n)の走査信号Vscan(n)を高レベルから低レベルに変化させる(図11(B))。
【0060】
次に、タイミングt3において、検出タイミング制御部46が、読込信号Visを低レベルから高レベルに変化させる(図11(E))。これにより、タッチ検出部40の積分部42では、積分回路50の読込スイッチSWSがオン状態になり、演算増幅回路OPAがタッチ検出電極TDLに接続され、演算増幅回路OPAの負入力端子の仮想短絡電圧(0V)が、タッチ検出電極TDLに印加される(図11(H))。すなわち、上述したタッチ検出信号Vdetの電圧シフトが修正される。
【0061】
次に、タイミングt11において、駆動電極ドライバ16が、表示動作およびタッチ検出動作に係る駆動電極COMLに対して、交流駆動信号VcomACを印加する。具体的には、駆動信号生成部15が、交流駆動信号VcomACの電圧を高レベルから低レベルに変化させ(図11(A))、駆動電極ドライバ16が、この交流駆動信号VcomACを表示動作に係る駆動電極COMLに対して、表示駆動信号Vcomdとして印加し、次の1水平期間が開始する。同時に、駆動電極ドライバ16は、この交流駆動信号VcomACをタッチ検出動作に係る複数の駆動電極COMLに対して、タッチ検出駆動信号Vcomtとして印加する。このタッチ検出駆動信号Vcomtは、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化し、その後0Vに収束する(図11(H))。
【0062】
このタイミングt11において、検出タイミング制御部46が、リセット信号Virを高レベルから低レベルに変化させる(図11(F))。これにより、タッチ検出部40の積分部42では、積分回路50のリセットスイッチSWRがオフ状態になる。すなわち、積分回路50は積分動作状態になり、タッチ検出期間Ptが開始する。
【0063】
図12(B)は、積分回路50の積分動作状態を表すものである。図12(B)に示したように、この積分動作状態では、演算増幅回路OPAがタッチ検出電極TDLに接続されるとともに、容量素子Ciの両端間の接続は切り離される。これにより、積分回路50はタッチ検出信号Vdetの積分を行う。
【0064】
このタイミングt11からタイミングt12の期間(タッチ検出期間Pt)において、ソースドライバ13および選択スイッチ部14は、画素信号線SGLの電圧(画素信号Vsig,Vpix)を維持するように動作する。そして、積分回路50は、このタッチ検出期間Ptにおいて、タッチ検出信号Vdetの積分を行う。そして、A/D変換部43は、この積分結果をA/D変換する。これにより、タッチ検出駆動信号Vcomtが印加された駆動電極COMLに対応する領域におけるタッチ検出が行われる。
【0065】
これ以降、上述した動作を繰り返すことにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、表示面全面にわたる走査により表示動作を行うとともに、タッチ検出面全面にわたる走査によりタッチ検出動作を行う。
【0066】
(画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとの間のカップリング)
図11(H)に示したように、表示期間Pdにおいて、タッチ検出信号Vdetには、画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとの間のカップリングに起因したノイズが現れる。以下に、このカップリングについて詳細に説明する。
【0067】
図13は、画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとの間のカップリングを模式的に表すものであり、(A)は間接的なカップリングを示し、(B)は直接的なカップリングを示す。
【0068】
図13(A)に示したように、画素信号線SGLは駆動電極COMLとの間に寄生容量Cpd1を有し、駆動電極COMLはタッチ検出電極TDLとの間に寄生容量Cpd2を有する。すなわち、画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとは、駆動電極COMLを介して間接的にカップリングしている。
【0069】
各駆動電極COMLは、図13(A)に示したように、複数の画素信号線SGLとの間にこの寄生容量Cpd1を有する。よって、複数の画素信号線SGLに印加された複数の画素信号Vpixは、まず、寄生容量Cpd1を介して各駆動電極COMLに伝わる。この時、駆動電極COMLは抵抗成分を有するため、例えば図11(G)に示したように、例えば直流駆動信号VcomDCが印加されていても画素信号Vpixがノイズとして現れてしまう(波形W1)。このノイズは、寄生容量Cpd2を介してタッチ検出電極TDLに伝わる。このようにして、6つの画素信号Vpix(図11(D))に起因するノイズがタッチ検出信号Vdet(図11(H)の波形W2)に現れる。
【0070】
また、図13(B)に示したように、画素信号線SGLは、並設された駆動電極COMLの隙間を介して、タッチ検出電極TDLとの間に寄生容量Cpiを有する。すなわち、画素信号線SGLおよびタッチ検出電極TDLは、上述したように間接的にカップリングするだけでなく、直接的にもカップリングしている。この直接的カップリングでは、画素信号線SGLに印加された画素信号Vpixは、寄生容量Cpiを介してタッチ検出電極TDLに伝わる。これにより、図11(H)に示したように、表示期間Pdにおいて、例えば黒表示(実線)と白表示(破線)とで、タッチ検出信号Vdetが異なる電圧方向にずれてしまう。
【0071】
タッチ検出機能付き表示装置1では、このように画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとの間のカップリングに起因してタッチ検出信号Vdetに現れるノイズがタッチ検出動作に影響しないように、読込スイッチSWSを制御している。次に、比較例と対比して、本実施の形態の作用を説明する。
【0072】
(比較例)
以下に、比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置1Rを説明する。タッチ検出機能付き表示装置1Rは、読込スイッチSWSを持たない積分回路を用いて構成したものである。その他の構成は、本実施の形態(図4)と同様である。
【0073】
図14は、比較例に係る積分回路50Rの一構成例を表すものである。比較例に係る積分回路50Rは、本実施の形態に係る積分回路50(図6)から、読込スイッチSWSを省いたものである。すなわち、積分回路50Rは、常にタッチ検出電極TDLと接続され、タッチ検出信号Vdetが供給されている。
【0074】
以下に、この積分回路50Rを適用したタッチ検出機能付き表示装置1Rの動作を説明する。ここでは、説明の便宜上、画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとの間に、間接的なカップリングのみがある場合と、直接的なカップリングのみがある場合に分けて説明することとする。
【0075】
図15は、間接的なカップリングのみがある場合のタッチ検出機能付き表示装置1Rのタイミング波形例を表すものであり、(A)は交流駆動信号VcomACの波形を示し、(B)は画素信号Vsigの波形を示し、(C)は画素信号Vpixの波形を示し、(D)はリセット信号Virの波形を示し、(E)は直流駆動信号VcomDCの波形を示し、(F)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0076】
図16は、積分回路50Rの状態を表すものであり、(A)は表示期間Pdにおける状態(リセット動作状態)を表すものであり、(B)はタッチ検出期間Ptにおける状態(積分動作状態)を表すものである。表示期間Pdでは、図15(D)に示したように、リセット信号Virが高レベルになり、これに対応してリセットスイッチSWRはオン状態となり(図16(A))、積分回路50Rはリセット動作状態になる。また、タッチ検出期間Ptでは、リセット信号Virが低レベルとなり、これに対応してリセットスイッチSWRがオフ状態になり(図16(B))、積分回路50Rは積分動作状態になる。
【0077】
タッチ検出機能付き表示装置1Rでは、図15(F)に示したように、本実施の形態の場合と同様に、表示期間Pdにおいて、画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとの間の間接的なカップリングに起因したノイズがタッチ検出信号Vdetに現れる。すなわち、まず、画素信号Vpixが、寄生容量Cpd1(図13(A))を介して駆動電極COMLに伝わり、例えばその駆動電極COMLに印加された直流駆駆動信号VcomDCにノイズとして現れる(図15(E)の波形W3)。そしてこのノイズが、寄生容量Cpd2(図13(A))を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetにノイズとして現れる(図15(F)の波形W4)。つまり、間接的なカップリングによるタッチ検出信号Vdetのノイズは、複数の画素信号Vpixが変化することに起因するものであり、各表示期間Pdにおいて、複数の画素信号Vpix(VpixR1,VpixG1,VpixB1,VpixR2,VpixG2,VpixB2など)の変化に応じてそれぞれ生じるものである。
【0078】
このとき、タッチ検出信号Vdetに現れるノイズ(波形W4)は、駆動電極COMLの直流駆動信号VcomDCのノイズ(波形W3)と似た波形になる。すなわち、タッチ検出信号Vdetに現れるノイズ電圧は、画素信号Vpixの変化に基づいて変化し、その後なだらかに変化していく。その際、積分回路50Rでは、演算増幅器OPAが、正入力と負入力の仮想短絡を行うように動作する。すなわち、演算増幅器OPAは、タッチ検出電極TDLが接続された演算増幅器OPAの負入力端子の電圧を0Vにするように、タッチ検出電極TDLに対して電流IRを供給する(図16(A))。これにより、タッチ検出信号Vdetに現れるノイズ電圧は、図15(F)の波形W4に示したように、画素信号Vpixの変化に基づいて変化したあとに、この電流IRにより0Vに向かって変化し、0Vを通り過ぎ、反対極性の電圧となる。黒表示(実線)の場合と白表示(破線)の場合では、タッチ検出信号Vdetのノイズ電圧は互いに逆極性である。よって、表示期間Pdの最後において、タッチ検出信号Vdetの電圧レベルは、例えば黒表示(実線)と白表示(破線)とで異なってしまう。
【0079】
表示期間Pdが終了すると、タイミングt31において、交流駆動信号VcomACの遷移に基づいてタッチ検出信号Vdetが変化する。このとき、表示期間Pdの最後においてタッチ検出信号Vdetの電圧レベルが表示内容により異なることに起因して、タッチ検出信号Vdetの波形もまた、表示内容により異なったものとなる。よって、タッチ検出期間Ptにおいてタッチ検出信号Vdetを積分した結果も、表示内容により異なったものとなってしまう。
【0080】
図17は、直接的なカップリングのみがある場合のタッチ検出機能付き表示装置1Rのタイミング波形例を表すものであり、(A)は交流駆動信号VcomACの波形を示し、(B)は画素信号Vsigの波形を示し、(C)は画素信号Vpixの波形を示し、(D)はリセット信号Virの波形を示し、(E)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。この例は、画素信号VpixR1が、直接的なカップリングにより、タッチ検出信号Vdetにノイズとして現れる場合を示している。
【0081】
タッチ検出機能付き表示装置1Rでは、図17(E)に示したように、本実施の形態の場合と同様に、表示期間Pdにおいて、画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとの間の直接的なカップリングに起因したノイズがタッチ検出信号Vdetに現れる。すなわち、この例では画素信号VpixR1が、寄生容量Cpi(図13(B))を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetにノイズとして現れる(図17(E)の波形W5)。つまり、直接的なカップリングによるタッチ検出信号Vdetのノイズは、この例では、ある画素信号VpixR1が1水平期間ごとに変化することに起因するものであり、各表示期間Pdにおいて、1つ程度の画素信号Vpix(この例では画素信号VpixR1)の変化に応じて生じるものである。
【0082】
この場合でも、表示期間Pdの最後において、タッチ検出信号Vdetの電圧レベルは、例えば黒表示(実線)と白表示(破線)とで異なってしまう。よって、表示期間Pdに続くタッチ検出期間Ptにおいてタッチ検出信号Vdetを積分した結果は、表示内容により異なったものとなってしまう。
【0083】
このように、本比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置1Rでは、画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとの間の直接的および間接的なカップリングのうちのどちらを考慮した場合でも、タッチ検出期間Ptの直前において、タッチ検出信号Vdetの電圧レベルが、表示内容によって異なってしまう。このため、タッチ検出期間Ptにおいてタッチ検出信号Vdetを積分した結果も表示内容により異なったものになってしまう。言い換えれば、表示に起因してタッチ検出信号VdetのS/N比が劣化してしまう。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1Rでは、例えば、タッチ位置精度などが劣化するおそれがある。
【0084】
一方、本実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1では、直接的および間接的なカップリングのうちのどちらを考慮した場合でも、タッチ検出期間Ptの直前において、タッチ検出信号Vdetの電圧レベルは、表示に依らず一定となる。すなわち、タッチ検出機能付き表示装置1では、タッチ検出期間Ptの直前において、読込スイッチSWSをオン状態にすることにより、演算増幅回路OPAの負入力端子の仮想短絡電圧(0V)がタッチ検出電極TDLに印加されるため、タッチ検出信号Vdetの電圧は表示に依らず0Vとなる(図11(H))。これにより、タッチ検出期間Ptにおいてタッチ検出信号Vdetを積分した結果は、表示内容により影響を受けないようになる。
【0085】
[効果]
以上のように本実施の形態では、タッチ検出期間において画素信号線SGLの電圧が変化しないようにしたので、画素信号の変化に起因するタッチ検出信号の変化を抑えることができ、タッチ検出に対する表示動作の影響を抑えることができる。
【0086】
本実施の形態では、読込スイッチを設け、タッチ検出期間の前においてこの読込スイッチをオン状態にするようにしたので、タッチ検出信号Vdetの電圧を表示内容に依らず0Vに設定でき、タッチ検出に対する表示動作の影響を抑えることができる。
【0087】
[変形例1]
上記実施の形態では、ソースドライバ13が、選択スイッチ部14を介して画素信号線SGLに対して画素信号Vpixを印加したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、ソースドライバ13が直接画素信号Vpixを生成して画素信号線SGLに対して印加してもよい。言い換えれば、上記実施の形態では、画素信号線SGLをフローティング状態にすることにより、タッチ検出期間において画素信号線SGLの電圧を維持するようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば画素信号線SGLに直接電圧を印加することにより、タッチ検出期間において画素信号線SGLの電圧を維持するようにしてもよい。
【0088】
<3.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置7について説明する。本実施の形態は、タッチ検出期間Pdにおいて、画素信号線SGLに所定の電圧を印加するようにしたものである。なお、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0089】
タッチ検出機能付き表示装置7は、図4に示したように、ソースドライバ13Aと、検出タイミング制御部46Aとを備えている。
【0090】
ソースドライバ13Aは、所定の電圧Vp(後述)を含む画素信号Vsigを生成するとともに、画素信号Vsigに多重化された画素信号Vpixおよびこの所定電圧Vpを分離するために必要なスイッチ制御信号Vselを生成し、画素信号Vsigとともに選択スイッチ部14に供給するものである。この所定の電圧Vpは、全てのタッチ検出期間Ptおよびその前後の期間において、全ての画素信号線SGLに印加されるものである。
【0091】
検出タイミング制御部46Aは、上記第1の実施の形態に係る検出タイミング制御部46において、読込信号Visに代えて読込信号Vis2(後述)を生成し積分部42に供給するものである。
【0092】
図18は、タッチ検出機能付き表示装置7のタイミング波形例を表すものであり、(A)は交流駆動信号VcomACの波形を示し、(B)は走査信号Vscanの波形を示し、(C)は画素信号Vsigの波形を示し、(D)は画素信号Vpixの波形を示し、(E)は読込信号Visの波形を示し、(F)はリセット信号Virの波形を示し、(G)は直流駆動信号VcomDCの波形を示し、(H)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0093】
タッチ検出機能付き表示装置7では、タイミングt63において、ソースドライバ13Aが、所定の電圧Vpを画素信号Vsigとして出力し(図18(C))、選択スイッチ部14が、スイッチグループ17の全てのスイッチSR1,SG1,SB1,SR2,SG2,SB2を同時にオン状態にすることにより、その所定の電圧Vpを全ての画素信号線SGLに印加する(図18(D))。そして、タイミング71において、検出タイミング制御部46Aが生成する読み込み信号Vis2およびリセット信号Virに基づいて、積分回路50が積分動作状態になり、タッチ検出信号Vdetを積分する。
【0094】
その際、タッチ検出機能付き表示装置7では、上記第1の実施の形態の場合(図11)と同様に、表示期間Pdにおいて、タッチ検出信号Vdetにノイズが現れる(図18(H)の波形W8)。このノイズは、画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとの間の直接的なカップリングおよび間接的なカップリングの両方に起因するものである。タイミングt63において、画素信号線SGLの電圧がこの所定の電圧Vpに設定されると、画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとの間の直接的なカップリングに起因するタッチ検出信号Vdetの電圧シフトを元に戻すことができる。これにより、タッチ検出信号Vdetは、表示内容に依らずにある電圧(0V)に向かって収束する。
【0095】
以上のように本実施の形態では、タッチ検出期間において、画素信号線SGLに所定の電圧Vpを印加するようにしたので、画素信号線とタッチ検出電極との間の直接的なカップリングの影響を低減することができ、タッチ検出に対する表示の影響を抑えることができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0096】
<4.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置8について説明する。本実施の形態は、ドット反転駆動により表示動作を行うとともに、画素信号を2回に分けて供給するようにしたものである。なお、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0097】
タッチ検出機能付き表示装置8は、図4に示したように、ソースドライバ13Bと、選択スイッチ部14Bと、駆動電極ドライバ16Bとを備えている。
【0098】
ソースドライバ13Bは、後述するように、画素信号線SGLに対して2回に分けて画素信号Vpixを印加するための画素信号Vsigを生成するとともに、画素信号Vsigに多重化された画素信号Vpixを分離するために必要なスイッチ制御信号Vsel(VselR,VselG,VselB)を生成し、画素信号Vsigとともに選択スイッチ部14Bに供給するものである。
【0099】
選択スイッチ部14Bは、ソースドライバ13Bから供給された画素信号Vsigおよびスイッチ制御信号Vselに基づいて、画素信号Vsigに時分割多重された画素信号Vpixを分離し、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20に供給するものである。
【0100】
図19は、選択スイッチ部14Bの一構成例を表すものである。選択スイッチ部14Bは、複数のスイッチグループ17Bを有する。各スイッチグループ17Bは、3つのスイッチSR,SG,SBからなり、それぞれの一端は互いに接続されソースドライバ13Bから画素信号Vsigが供給され、他端はタッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20の画素信号線SGLを介して、3つのサブ画素SPixにそれぞれ接続されている。この3つのスイッチSR,SG,SBは、ソースドライバ13Bから供給されたスイッチ制御信号Vsel(VselR,VselG,VselB)によってそれぞれオンオフ制御されるようになっている。
【0101】
図19に示したように、画素信号VpixR1,VpixG1,VpixB1は、選択スイッチ部14Bが、ある画素Pixに対して供給する画素信号であり、画素信号VpixR2,VpixG2,VpixB2は、同じ行においてその画素Pixに隣接する画素Pixに対して供給する画素信号である。
【0102】
駆動電極ドライバ16Bは、タッチ検出動作の際には、そのタッチ検出動作に係る複数の駆動電極COMLに対して、交流駆動信号VcomACをタッチ検出駆動信号Vcomtとして印加する。そして、駆動電極ドライバ16Bは、交流駆動信号VcomACが印加されていない駆動電極COMLに対しては、直流駆動信号VcomDCを印加する。すなわち、駆動電極ドライバ16Bは、表示動作に係る駆動電極COMLに対しては、直流駆動信号VcomDCを印加する。
【0103】
図20は、ドット反転駆動を模式的に表すものであり、(A)はあるフレームにおけるサブ画素SPixに対する画素信号Vpixの極性を示し、(B)は次のフレームにおける画素信号Vpixの極性を示す。図20に示したように、ドット反転駆動では、あるフレームにおいて、隣接するサブ画素SPixの画素信号Vpixの極性が互いに異なるように駆動される。さらに、あるフレームにおける全てのサブ画素SPixの画素信号Vpixの極性は、フレーム毎にそれぞれ反転するようになっている。このドット反転駆動を行う際、ソースドライバ13Bおよび選択スイッチ部14Bは、隣り合う画素信号線SGLに対して、互いに逆極性の画素信号Vpixを印加する。
【0104】
図21は、タッチ検出機能付き表示装置8のタイミング波形例を表すものであり、(A)は交流駆動信号VcomACの波形を示し、(B)は走査信号Vscanの波形を示し、(C)は画素信号Vsigの波形を示し、(D)は画素信号Vpixの波形を示し、(E)は読込信号Visの波形を示し、(F)はリセット信号Virの波形を示し、(G)は直流駆動信号VcomDCの波形を示し、(H)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。ここで、図21(D)では、画素信号Vpixは、ある画素Pixの画素信号Vpix(VpixR1,VpixG1,VpixB1)と、それに隣接する画素Pixの画素信号Vpix(VpixR2,VpixG2,VpixB2)を示している。
【0105】
まず、タイミングt81において、駆動電極ドライバ16Bが、タッチ検出動作に係る駆動電極COMLに対して、交流駆動信号VcomACをタッチ検出駆動信号Vcomtとして印加する。このタッチ検出駆動信号Vcomtは、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化する(図21(H))。
【0106】
次に、ゲートドライバ12がn行目の走査信号線GCL(n)に対して走査信号Vscan(n)を印加し、走査信号Vscan(n)が低レベルから高レベルに変化する(図21(B))。
【0107】
次に、タイミングt82において、検出タイミング制御部46が、読込信号Visを高レベルから低レベルに変化させる同時に、リセット信号Virを低レベルから高レベルに変化させ(図21(E),(F))、積分回路50がリセット動作状態になる。
【0108】
次に、タイミングt83において、ソースドライバ13Bおよび選択スイッチ部14Bは、画素信号線SGLに対して0Vを印加する。具体的には、ソースドライバ13Bが、0Vの電圧を画素信号Vsigとして出力するとともに(図21(C))、スイッチグループ17Bの3つのスイッチSR,SG,SBを同時にオン状態にするスイッチ制御信号Vsel(VselR,VselG,VselB)を選択スイッチ部14Bに供給する。そして、選択スイッチ部14Bは、この画素信号Vsigおよびスイッチ制御信号Vselに基づいて、全ての画素信号線SGLに対して0Vの電圧を画素信号Vpixとして印加する(図21(D))。その後、ソースドライバ13Bおよび選択スイッチ部14Bは、画素信号線SGLに対して画素信号Vpixを順次印加し(図21(D))、1水平ラインに対する表示を行う。
【0109】
このとき、画素信号Vpixは、画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとの間の直接的および間接的なカップリングによりタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetにノイズとして現れる(図21(H)の波形W10)。しかしながら、ドット反転駆動では、このうち特に間接的なカップリングに起因するノイズを大幅に低減することができる。すなわち、一般に、隣接した同色に係るサブ画素SPix(例えば図19におけるR1とR2など)はほぼ同じ輝度であることが多く、ドット反転駆動(図20)では、これらの隣接した同色に係るサブ画素SPixには逆極性の画素信号Vpixが印加される。具体的には、例えば、画素信号VpixR1と画素信号VpixR2とは互いに逆極性の信号になることが多く(図21(D))、この画素信号VpixR1,VpixR2が寄生容量Cpd1(図13(A))を介して同じ駆動電極COMLに伝わったとき、これらは互いに打ち消し合い、駆動電極COMLの直流駆動信号VcomDCには殆どノイズが現れず(図21(G))、よって、タッチ検出電極TDLのタッチ検出信号Vdetにも殆どノイズは現れないこととなる(図21(H))。
【0110】
次に、タイミングt84において、検出タイミング制御部46が、読込信号Visを低レベルから高レベルに変化させ(図21(E))、演算増幅回路OPAの負入力端子の仮想短絡電圧(0V)が、タッチ検出電極TDLに印加される(図21(H))。
【0111】
次に、タイミングt91において、駆動電極ドライバ16Bが、タッチ検出動作に係る駆動電極COMLに対して、交流駆動信号VcomACをタッチ検出駆動信号Vcomtとして印加する。このタッチ検出駆動信号Vcomtは、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化する(図21(H))。そして、積分回路50は、タイミングt91からタイミングt92の期間(タッチ検出期間Pt)において、タッチ検出信号Vdetの積分を行い、タッチ検出が行われる。
【0112】
これ以降、上述した動作を繰り返すことにより、タッチ検出機能付き表示装置8は、表示面全面にわたる走査により表示動作を行うとともに、タッチ検出面全面にわたる走査によりタッチ検出動作を行う。
【0113】
タッチ検出機能付き表示装置8では、ドット反転駆動により表示動作を行うようにしたので、画素信号線SGLとタッチ検出電極TDLとの間のカップリングに起因するタッチ検出信号Vdetのノイズを低減することができる。つまり、表示に起因するタッチ検出信号VdetのS/N比劣化を抑えることができる。
【0114】
図21に示したように、ソースドライバ13Bおよび選択スイッチ部14Bは、タイミングt83において、画素信号線SGLに一旦0Vを印加した後、所望の画素信号Vpixを印加するようにしている。すなわち、タッチ検出機能付き表示装置8では、2回に分けて画素信号Vpixを印加している。以下に、1回で画素信号Vpixを印加する場合と比較することにより、その効果について説明する。
【0115】
図22は、タッチ検出機能付き表示装置8の他のタイミング波形例を表すものであり、(A)は交流駆動信号VcomACの波形を示し、(B)は画素信号Vsigの波形を示し、(C)は画素信号Vpixの波形を示し、(D)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。この波形例は、ドット反転駆動において、表示に起因するノイズがタッチ検出信号に最も現れる、最悪のケースを想定したものである。
【0116】
図23は、1回で画素信号Vpixを印加する場合のタイミング波形例を表すものであり、(A)は交流駆動信号VcomACの波形を示し、(B)は画素信号Vsigの波形を示し、(C)は画素信号Vpixの波形を示し、(D)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0117】
本実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置8では、図22(C)に示したように、この例では、隣接した同色に係るサブ画素SPixのうちの一方に大きな画素信号Vpixが印加されるとともに、他方には0Vが印加されている。具体的には、例えば、図22(C)の画素信号VpixR1,VpixR2に示したように、赤のサブ画素SPix(R1)に対しては電圧VR1が印加されるに対し、そのサブ画素SPixに隣接するサブ画素SPix(R2)に対しては0Vの電圧VR2が印加される。よって、この画素信号VpixR1,VpixR2が寄生容量Cpd1(図13(A))を介して同じ駆動電極COMLに伝わったときには、図21の場合とは異なり、これらは互いに打ち消し合うことはできず、最終的にタッチ検出電極TDLのタッチ検出信号Vdetにノイズが現れてしまう。
【0118】
しかしながら、タッチ検出機能付き表示装置8では、画素信号Vpixを2回に分けて印加しているため、それぞれの画素信号Vpixの変化分を小さくすることができる。例えば、画素信号VpixR1は、図22に示したように、タイミングt103において0Vとなったあと、タイミングt104において電圧VR1に変化するので、タイミングt114のみで電圧VR1に変化する場合(図23)に比べて、その画素信号VpixR1の変化分が少なくて済む。これにより、タッチ検出機能付き表示装置8では、図22に示したように、タッチ検出信号Vdetに現れるノイズ(波形W11)を小さくすることができる。なお、タッチ検出機能付き表示装置8では、図22に示したように、画素信号Vpixを2回に分けて印加しているため、タッチ検出信号Vdetには、タイミングt103にもノイズが現れてしまうが、タッチ検出期間Ptが開始されるタイミングt107まで十分な時間があるため、タッチ検出期間Ptにおける積分動作への影響が小さくて済み、タッチ検出に対する影響を抑えることができる。
【0119】
以上のように本実施の形態では、ドット反転駆動において、画素信号を2回に分けて印加するようにしたので、タッチ検出に対する表示の影響を抑えることができる。その他の効果は、上記第1および第2の実施の形態の場合と同様である。
【0120】
<5.適用例>
次に、図24〜図28を参照して、上記実施の形態および変形例で説明したタッチ検出機能付き表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0121】
(適用例1)
図24は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0122】
(適用例2)
図25は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表すものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0123】
(適用例3)
図26は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表すものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531、文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有しており、その表示部533は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0124】
(適用例4)
図27は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部541、この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542、撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有している。そして、その表示部544は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0125】
(適用例5)
図28は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用される携帯電話機の外観を表すものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740、サブディスプレイ750、ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0126】
以上、いくつかの実施の形態および変形例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0127】
例えば、上記の各実施の形態等では、TNやVA、ECB等の各種モードの液晶を用いた液晶表示デバイス20とタッチ検出デバイス30とを一体化してタッチ検出機能付き表示デバイス10を構成したが、これに代えて、FFS(フリンジフィールドスイッチング)やIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスとタッチ検出デバイスとを一体化しても良い。例えば、横電界モードの液晶を用いた場合には、タッチ検出機能付き表示デバイス60を、図29に示したように構成可能である。この図は、タッチ検出機能付き表示デバイス60の要部断面構造の一例を表すものであり、画素基板2Bと対向基板3Bとの間に液晶層6Bを挟持された状態を示している。その他の各部の名称や機能等は図7の場合と同様なので、説明を省略する。この例では、図7の場合とは異なり、表示用とタッチ検出用の双方に兼用される駆動電極COMLは、TFT基板21の直ぐ上に形成され、画素基板2Bの一部を構成する。駆動電極COMLの上方には、絶縁層23を介して画素電極22が配置される。この場合、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の、液晶層6Bをも含むすべての誘電体が容量C1の形成に寄与する。
【0128】
例えば、上記各実施の形態では、液晶表示デバイスとタッチ検出デバイスとを一体化したいわゆるインセルタイプとしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば液晶表示デバイスにタッチ検出デバイスを装着したものあってもよい。この場合でも、上述したような構成にすることにより、液晶表示デバイスから伝わるノイズの影響を抑えつつタッチ検出を行うことができる。
【符号の説明】
【0129】
1,7,8…タッチ検出機能付き表示装置、2…画素基板、3…対向基板、6…液晶層、10…タッチ検出機能付き表示デバイス、11…制御部、12…ゲートドライバ、13,13A,13B…ソースドライバ、14,14B…選択スイッチ部、15…駆動信号生成部、16,16B…駆動電極ドライバ、17,17B…スイッチグループ、20…液晶表示デバイス、21…TFT基板、22…画素電極、30…タッチ検出デバイス、31…ガラス基板、32…カラーフィルタ、35…偏光板、40…タッチ検出部、42…積分部、43…A/D変換部、44…信号処理部、45…座標抽出部、46,46A…検出タイミング制御部、50…積分回路、Ci…容量素子、COML…駆動電極、OPA…演算増幅器、Out…出力信号、Pd…表示期間、Pix…画素、Pt…タッチ検出期間、SGL…画素信号線、SPix…サブ画素、SR,SG,SB,SR1,SG1,SB1,SR2,SG2,SB2…スイッチ、SWR…リセットスイッチ、SWS…読込スイッチ、TDL…タッチ検出電極、Vcom…駆動信号、VcomAC…交流駆動信号、VcomDC…直流駆動信号、Vdet…タッチ検出信号、Vdisp…映像信号、Vpix,VpixR1,VpixG1,VpixB1,VpixR2,VpixG2,VpixB2…画素信号、Vscan…走査信号、Vir…リセット信号、Vis…読込信号、Vsel,VselR,VselG,VselB,VselR1,VselG1,VselB1,VselR2,VselG2,VselB2…スイッチ制御信号、Vsig…画素信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示のための画素信号を伝える複数の画素信号線と、
前記画素信号線に前記画素信号を印加する画素信号線駆動部と、
前記画素信号に基づいて表示を行う表示素子と、
外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号を出力するタッチ検出電極と、
前記表示素子が表示動作を行う表示期間とは異なるタッチ検出期間において、前記検出信号に基づいてタッチを検出するタッチ検出部と
を備え、
前記画素信号線駆動部は、前記タッチ検出期間において、前記画素信号線の電圧を一定レベルに維持する
タッチ検出機能付き表示装置。
【請求項2】
前記画素信号線駆動部は、前記タッチ検出期間において、前記画素信号線に対して前記一定レベルの電圧を印加し、もしくは、前記画素信号線をフローティング状態にする
請求項1に記載のタッチ検出機能付き装置。
【請求項3】
前記複数の画素信号線は並設され、
前記画素信号線駆動部は、前記表示期間において、互いに隣接する前記画素信号線に、中心電圧レベルを基準とした互いに同極性の前記画素信号を印加するとともに、前記表示期間ごとに、印加する前記画素信号の極性を反転する
請求項2に記載のタッチ検出機能付き装置。
【請求項4】
前記タッチ検出電極の電圧は、前記タッチ検出期間の前において所定の電圧になる
請求項3に記載のタッチ検出機能付き装置。
【請求項5】
前記タッチ検出部は、前記検出信号を伝える検出スイッチを有する
請求項4に記載のタッチ検出機能付き装置。
【請求項6】
前記検出スイッチは、前記タッチ検出期間、および前記表示期間のうちの前記タッチ検出期間に先立つ所定期間においてオン状態になるとともに、前記表示期間のうちの前記所定期間以外の期間においてオフ状態になる
請求項5に記載のタッチ検出機能付き装置。
【請求項7】
前記表示期間と前記タッチ検出期間とは交互に配置され、
前記画素信号線駆動部は、異なる前記タッチ検出期間において、前記画素信号線の電圧を所定レベルに設定する
請求項5に記載のタッチ検出機能付き装置。
【請求項8】
前記検出スイッチは、前記タッチ検出期間においてオン状態になるとともに、前記表示期間においてオフ状態になる
請求項7に記載のタッチ検出機能付き装置。
【請求項9】
前記タッチ検出部は、前記タッチ検出期間において、前記検出スイッチを介して供給された前記検出信号を積分する積分回路を有する
請求項5から請求項8のいずれか1項に記載のタッチ検出機能付き装置。
【請求項10】
前記複数の画素信号線は並設され、
前記画素信号線駆動部は、前記表示期間において、互いに隣接する前記画素信号線に、中心電圧レベルを基準とした互いに逆極性の前記画素信号を印加するとともに、前記表示期間ごとに、印加する前記画素信号の極性を反転する
請求項2に記載のタッチ検出機能付き装置。
【請求項11】
前記画素信号線駆動部は、前記表示期間において、前記画素信号線に対して前記中心電圧レベルの電圧を印加し、その後に前記画素信号を印加する
請求項10に記載のタッチ検出機能付き装置。
【請求項12】
前記タッチ検出部は、
前記検出信号を伝える検出スイッチと
前記タッチ検出期間において、前記検出スイッチを介して供給された前記検出信号を積分する積分回路と
を有する
請求項10または請求項11に記載のタッチ検出機能付き装置。
【請求項13】
タッチ検出機能付き表示装置と、
前記タッチ検出機能付き表示装置を利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
前記タッチ検出機能付き表示装置は、
表示のための画素信号を伝える複数の画素信号線と、
前記画素信号線に前記画素信号を印加する画素信号線駆動部と、
前記画素信号に基づいて表示を行う表示素子と、
外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号を出力するタッチ検出電極と、
前記表示素子が表示動作を行う表示期間とは異なるタッチ検出期間において、前記検出信号に基づいてタッチを検出するタッチ検出部と
を有し、
前記画素信号線駆動部は、前記タッチ検出期間において、前記画素信号線の電圧を一定レベルに維持する
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−73465(P2012−73465A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218732(P2010−218732)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】