説明

タンクアセンブリ

液体還元剤(74)を蓄積するためのタンクアセンブリ(70)は、チャンバ(82)を定義するタンク(78)、開口(102)を有するとともに前記開口(102)から前記チャンバ(82)までの充填通路(98)の少なくとも一部分を定義するフィラー管(94)、及びベントシステム(130)を含む。前記ベントシステム(130)は、前記チャンバ(82)と前記充填通路(98)との間の流体連通を提供する再循環ライン(150)を含む。前記再循環ライン(150)におけるフロートバルブ(174)は、前記再循環ライン(150)による液体(74)の流通を阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2009年6月30日付けで出願された米国仮特許出願シリアル番号61/221,766に対する優先権が主張されており、その全てが参照されて組み込まれる。
【0002】
本発明は、選択還元触媒システムにおける、尿素を主成分とする溶液等の液体還元剤を蓄積するためのタンクに関する。
【背景技術】
【0003】
選択還元触媒(SCR)システムは、排気流で窒素酸化物を低減する圧縮着火機関で時々使用される。SCRシステムは、無水アンモニア、アンモニア水のような還元剤あるいは排気流の尿素を主成分とする溶液の使用を必要とする。若干のシステムにおいて、ディーゼル燃料は、アンモニアを生成するために化学的に改質される。したがって、還元剤がエンジンの主燃料から生じないとき、排気流中へ還元剤を注入する前に還元剤を蓄積するために別個のタンクが使用される。
【発明の概要】
【0004】
液体還元剤を蓄積するためのタンクアセンブリは、チャンバを定義するタンク、開口を有するとともに開口からチャンバまでの第1通路の少なくとも一部を定義するフィラー管、及びベントシステムを含む。ベントシステムは、フロートバルブを含み、第2及び第3通路を定義する。第2通路は、チャンバからフロートバルブへの流体連通を提供する。第3通路は、フロートバルブから第1通路への流体連通を提供する。
【0005】
フロートバルブは、第2及び第3通路間の流体連通が許容される開位置とフロートメンバが第2及び第3通路間の流体連通を阻止する閉位置との間を選択的に移動可能なフロートメンバを有する。
【0006】
他の態様において、エンジンアセンブリは、複数個のシリンダを定義するエンジン、複数個のシリンダに対して選択的に流体連通される排気ガス通路を定義する排気システム、排気ガス通路に流体連通される触媒を含む選択還元触媒システム、及び排気ガス通路に対して選択的に流体連通されるチャンバを定義するタンク、を含む。フィラー管は、開口を有するとともに開口からチャンバまでの第1通路を少なくとも部分的に定義する。ベントシステムは、フロートバルブを有するとともに第2及び第3通路を定義する。第2通路は、チャンバからフロートバルブへの流体連通を提供する。第3通路は、フロートバルブから第1通路への流体連通を提供する。フロートバルブは、第2及び第3通路間の流体連通が許容される開位置と、第2及び第3通路の間の流体連通が阻止される閉位置との間を選択的に移動可能なフロートメンバを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の上述した特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付された図面に関連して説明される以下の本発明を実施するためのベストモードの詳細な説明から容易に明らかにされる。
【図1】図1は、エンジンとタンクアセンブリを有する選択還元触媒システムを含む車両パワートレインの概要図である。
【図2】図2は、図1のタンクアセンブリを断面で示す側面視の概要図である。
【図3】図3は、液体還元剤で満たされた図1のタンクアセンブリを断面で示す側面視の概要図である。
【図4】図4は、第1形状における図1−図3のタンクアセンブリのバルブアセンブリを断面で示す側面視の概要図である。
【図5】図5は、第2形状における図4のバルブアセンブリを断面で示す側面視の概要図である。
【図6】図6は、第3形状における図4のバルブアセンブリを断面で示す側面視の概要図である。
【図7】図7は、第4形状における図4のバルブアセンブリを断面で示す側面視の概要図である。
【図8】図8は、クレームされた発明に関連する他のタンクアセンブリ形状を断面で示す側面視の概要図である。
【図9】図9は、モジュラー構成メンバを有する図2のタンクアセンブリとともに用いられる他のタンクを断面で示す側面視の概要図である。
【図10】図10は、図9の他のタンクで使用可能なモジュールを断面で示す側面視の概要図である。
【図11】図11は、図9の他のタンクで使用可能な別のモジュールを断面で示す側面視の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照すると、車両パワートレイン10は、圧縮着火エンジン14を含む。エンジン14は、複数個のシリンダ22を定義するシリンダブロック18を含む。また、エンジン14は、複数個のピストン26を含み、当業者によって理解されるように、各ピストン26は、各シリンダ22に内部を平行移動可能に配置される。エアインテークマニホールド30は、管路34によってシリンダ22へ空気を供給する。エンジン14は、複数個のインテークバルブ(図示されていない)を含む。当業者によって理解されるように、各インテークバルブは、各シリンダ22と各管路34との間の流体連通をコントロールする。
【0009】
また、エンジン14は、シリンダ22から大気42まで排気ガス40を送る排気システム38を含む。より詳細には、排気システム38は、ピストン26が排気行程の間、シリンダ22から排気ガスを受け取るために、管路50を経由してシリンダ22と選択的に流体連通される排気マニホールド46を含む。エンジン14は、複数個の排気バルブ(図示されていない)を含む。当業者によって理解されるように、各排気バルブは、各シリンダ22と各管路50と間の流体連通を制御する。
【0010】
排気システム38は、排気ガス40を処理するための選択還元触媒(SCR)システム54を含む。SCRシステム54は、排気ガス40を受け取るために排気マニホールド46に流体連通される触媒58を含む。より詳細には、図解された実施形態において、排気システム38は、排気マニホールド46から触媒58まで排気ガス40を導く排気通路66を定義する導管62を含む。
【0011】
また、SCRシステム54は、液体還元剤74を蓄積するためのアセンブリ70を含む。より詳細には、タンクアセンブリ70は、液体還元剤74を蓄積するように形成されたチャンバ82を定義するタンク78を含む。タンク78からの液体還元剤74が排気マニホールド46と触媒58との間の排気ガス40の流れの中へ注入することができるように、導管86は、チャンバ82と通路66との間に流体連通を提供する通路90を定義する。例えば、ポンプ(図示されていない)は、チャンバ82から還元剤74を引き出すとともに、触媒58の上流の導管62の中へ注入するために通路90における還元剤を加圧する。図解された実施形態において、還元剤74は、アンモニアあるいは尿素である。
【0012】
図2を参照すると、図1と同様の部品には同じ符号が付与されており、タンクアセンブリ70は、タンク78に対して作用可能に接続されるフィラー管94を含む。フィラー管94は、フィラー管94の一端に開口102を有する第1通路98を定義する。通路98は、開口102とチャンバ82との間の流体連通を提供する。図3を参照すると、図1及び図2と同様の部品には同じ符号が付与されており、オフロード補給ポンプアセンブリ110のノズル106は、開口102によって通路98中に挿入可能である。オフロード補給ポンプアセンブリ110は、ノズル106によって液体還元剤74が注入されるように形成されるポンプ(図示されていない)を含む。ノズル106が開口102を通して挿入されるとともにオフロード補給ポンプアセンブリ110がノズル106によって通路98の中へ還元剤が注入されるとき、フィラー管94は、ノズル106からチャンバ82へ液体還元剤74を送る。メカニカルシールシステム114は、通路98の中に配置されるとともにノズル106に対してシール結合されるように構成されて、それによって、通路98と開口102を経由するフィラー管94の外面との間の流体連通が阻止される。
【0013】
図2及び図3を参照すると、インラインの、一方向チェックバルブ118は、通路98とタンク78のチャンバ82との間に配置される。チェックバルブ118は、通路98からチャンバ82への流体流れを許容するとともに、チャンバ82から通路98への流体流れを阻止するように配置される。図解された実施形態において、チェックバルブ118は、図2に示される閉位置と図3に示される開位置との間を選択的に回転可能なドア122を含む。ドア122が閉位置にあるとき、ドア122は、シール面126と組み合わされて通路98とチャンバ82との間のインターフェースで通路98を閉塞させる。望ましくは、チェックバルブ118は、閉位置へ向けてドア122を付勢するばね(図示されていない)を含む。ドア122が開位置にあるとき、ドア122は通路98を閉塞しないので、通路98からチャンバ82の中への流体流れが許容される。通路98の中の流体圧は、ばねの付勢力に抗してドア122を開位置へ移動させる。通路98の中へのチャンバ82からの流体流れは、ドア122を該閉位置へ移動させる。他のチェックバルブ形状は、クレームされた発明の目的の範疇で使用することができる。
【0014】
当業者によって理解されるように、チャンバ82は、通常の使用中、ガス134を含む。ガス134は、還元剤74からの蒸気を含む。タンクアセンブリ70は、ガス134が通路98からチャンバ82へ導入される液体還元剤74に置き換えられるとき、チャンバ82中のガス134がチャンバ82から排出されることを選択的に許容するベントシステム130を含む。より詳細には、液体還元剤74が通路98からチャンバ82へ入るとき、液体還元剤74は、ベントシステム130によって押し込まれるガス134に置き換えられる。
【0015】
図2、図3で図解された実施形態において、ベントシステム130は、第2通路、すなわち、ベント通路142を定義するディップ管138を含む。ベント通路142は、管138の一端でインレット146によって特徴づけられる。インレット146がチャンバ82の中に位置されるように、ディップ管138はチャンバ82内へ延びる。さらに、ベントシステムは130は、第3通路、すなわち、再循環通路154を定義する再循環管150、及び、第4通路、すなわち、ダンプ通路162を定義するダンプ管158を含む。
【0016】
ベントシステム130は、バルブアセンブリ166を含む。通路142は、インレット146とバルブアセンブリ166との間の流体連通を提供する。通路154は、フィラー管94の通路98とバルブアセンブリ166との間の流体連通を提供する。通路162は、バルブアセンブリ166とアウトレット170との間の流体連通を提供する。図4を参照すると、図1−図3と同様の部品には同じ符号が付与されており、バルブアセンブリ166は、2つのバルブ、すなわち、インラインフロートバルブ174及び共通のバルブボディ182に統合される圧力リリーフバルブ178を含む。
【0017】
バルブボディ182は、第1チャンバ186、第2チャンバ190、及び第3チャンバ194を定義する。ボディ182は、第1チャンバ186と第2チャンバ190との間の流体連通を提供する第1ポートの198を定義する。また、ボディ182は、第2チャンバ190と第3チャンバ194と間の流体連通を提供する第2ポート202を定義する。
【0018】
通路142が第1チャンバ186に流体連通されるように、ボディ182は、ディップ管138に作用可能に接続される。そして、タンク78のチャンバ82は、バルブボディ182の第1チャンバ186に流体連通される。再循環通路154が第2チャンバ190に流体連通されるように、ボディ182は、再循環管150に作用可能に接続される。そして、第2チャンバ190は、フィラー管94に流体連通される。また、第3チャンバ194がアウトレット170に流体連通されるように、ボディ182は、ダンプ管158に作用可能に接続される。
【0019】
フロートバルブ174は、第1チャンバ186の中に配置されるフロートメンバ206を含む。したがって、フロートバルブ174は、通路142及び通路154によって、チャンバ82と充填通路98とに各々流体連通される。圧力リリーフバルブ178は、第3チャンバ194の中に配置されるバルブメンバ210を含む。したがって、圧力リリーフバルブ178は、通路162及び通路154によって、アウトレット170と充填通路98とに各々流体連通される。バルブアセンブリ166は、フロートバルブ174が開弁されるとともに圧力リリーフバルブ178が閉弁されたデフォルト状態で図4に示される。
【0020】
より詳細には、図解された実施形態において、フロートメンバ206によってポート198が閉塞されない、このような、第1及び第2チャンバ186、190が相互に流体連通される開位置に、重力によってフロートメンバ206が保持されるように、バルブアセンブリ166は方向づけられる。圧力リリーフバルブ178は、バルブメンバ210がポートの202を閉塞する、このような、第2及び第3チャンバ190、194間の流体連通が阻止される閉位置に、バルブメンバ210を付勢するばね214を含む。他の望ましい圧力リリーフバルブ形状は、クレームされた発明の目的の範疇で使用することができる。
【0021】
バルブアセンブリ166は、様々の異なった充填状況に有効なベントを提供する。図3及び図5を参照すると、第1充填状況において、ポンプ110は、通路98によってチャンバ82の中へ液体還元剤74を送る。タンクの中の液体還元剤74の量がレベルLに満たないとき、ガス134は、インレット146を通して置き換えられて、通路142を通ってフロートバルブ174へ移動する。フロートメンバ206は、ガス134の中で浮力を示さず、このように、図5に示されるように、フロートメンバ206は、その開位置のままである。整流板216は、ガス134からの圧力によって、フロートメンバ206が閉位置の上方へ移動するのを阻止するために、通路142からのガス134の流路で、第1チャンバ186中に配置される。
【0022】
したがって、充填通路98は、インレット146、通路142、チャンバ186、及び通路が154に流体連通されて、ガス134は、チャンバ82から充填通路98の中へ流れる。
【0023】
開位置におけるフロートメンバ206において、バルブメンバ210は、ポート202、チャンバ190、ポート198、チャンバ186、通路142、及びインレット146によって、チャンバ82に流体連通される。ポンプ110によって提供されるチャンバ82の中の圧力は、ばね214の付勢力に打ち勝つのに十分であり、このように、バルブメンバ210は、ポート202が閉塞されないその開位置へ移動される。したがって、ガス134は、通路162及びアウトレット170によってチャンバ82から排出される。
【0024】
ポンプ110は、チャンバ82から充填通路98へのガス134及び蒸気の流れが停止したとき、自動的に遮断される。通常運転状態下で、チャンバ82における液体還元剤74がレベルL、すなわち、インレット146のレベルに到達するとき、液体還元剤74は、インレット146を経由してベントシステム130へガス134が流入されるのを阻止する。チャンバ82の中で発生する圧力によって、液体還元剤74をインレット146を通して第1チャンバ186の中へ押し込む。フロートメンバ206は、液体還元剤74の中で浮力を示すとともに、図6に示されるように、ポート198を閉塞させることによって第2チャンバ190に対して第1チャンバ186をシールするために上昇する。フロートメンバ206によってポート198が閉塞されることで、ダンプ管158によるガス134の通気及び再循環管による通路98の中へのガス134の再循環流れが停止すると、図7に示されるように、ポンプ110の自動停止が引き起こされるとともに圧力リリーフバルブ210の閉弁が許容される。
【0025】
ポンプ110の特徴である自動遮断が故障してポンプ110が遮断されない結果、ポンプ110からの圧力は、液体還元剤74を、再循環管150の通路154を経由して通路98からバルブアセンブリ166へ押し込む。図6に示されるように、フロートメンバ206によってポート198が閉塞されて、これによって、通路154からチャンバ82への液体還元剤74の流れが阻止される。バルブメンバ210は、ポートの202、チャンバ190、及び通路154によって充填通路98に流体連通される。その結果、故障中のポンプ110からの流体圧力は、ばね214の付勢力を打ち負かすとともにその開位置でバルブメンバ210を保持するために作動して、それによって、ダンプ管158のアウトレット170からの過剰な液体還元剤を許容する。そして、圧力リリーフバルブ178は、第1通路98の圧力が予め決定された値を下回るとき、第1及び第4通路98、162間の流体連通を阻止するとともに、第1通路98の圧力が予め決定された値を超えるとき、第1及び第4通路98、162間の流体連通を許容するように構成される。
【0026】
タンク78が重力送りのタンクあるいは自動遮断を備えていないポンプである場合、バルブアセンブリ166は類似の方法で作動する。図7は、閉位置(チャンバ186の中の液体還元剤による)のフロートメンバ206を伴うバルブアセンブリ166及び閉位置のバルブメンバ210を図解する。
【0027】
再び図2及び図3を参照すると、図解された充填状況で、メカニカルシール114は、蒸気及び液体の還元剤が車両操作者に隣接する開口102に排出されるのを阻止する。ベントシステム130は、望ましい充填レベルに到達するまで、ノズル106の自動遮断を阻止するため、充填ヘッド217で通路98に対して蒸気流れを提供するように構成される。また、ベントシステム130は、過剰な蒸気及び液体の還元剤をアウトレット170で車両操作者から遠ざける。
【0028】
図解された実施形態において、タンク78は、充填ヘッド217にシール結合されるコンテナ(図示されていない)によって充填可能である。典型的な実施形態において、充填ヘッド217は、例えば、自動車の調査のためのアメリカ合衆国自動車研究評議会(US CAR)充填ヘッドインターフェースあるいは国際標準化機構22241−5で定められるインターフェース等、シール結合のためのコンテナねじのねじ山を含む。組成ガスがコンテナに再度入ることができないとき、すなわち、チャンバ82における液面レベルがレベルLに到達するとき、コンテナからの流れは失速する。バルブアセンブリ166は、コンテナがバルブ178を開弁させるのに十分な流体圧力を供給しないので、図4に示される配置となる。
【0029】
また、タンクアセンブリ70は、圧力/真空ベント220を含む。ベント220は、タンク78に設けられるとともにチャンバ82からタンク78の外部まで通路221を定義するために組み合わされる。ベント220は、通路221を完全に閉塞させる膜222を含む。膜222は、蒸気が膜222を通過することを許容するが、液体がそれを通過することを阻止する材料で構成される。膜222が液体にさらされた場合、液体は、膜222を通過する蒸気の流速を遅らせることが可能である。したがって、液体還元剤74が膜222上で飛散するのを阻止するために、偏向板(図示されていない)を含むことが望ましい。ベント220は、例えば、圧力上昇に伴いタンク内の温度が増加するときに、蒸気がチャンバ82から排出されることを許容する。同様に、温度が減少するとき、あるいは液体還元剤74がタンクから除去されて排気システムへ注入されるとき、エアがベント220を通してチャンバ82の中へ入ることが可能である。他の圧力/真空ベント形状は、クレームされた発明の目的の範疇で使用することが可能である。
【0030】
図8を参照すると、図1−図7と同様の部品には同じ符号が付与されており、エンジン(図1における符号14)に使用される他のタンクアセンブリ70Aが概略的に図解される。タンクアセンブリ70Aは、ベントシステム130Aを除き、図2及び図3において符号70で示されるタンクアセンブリと実質的に同一である。ベントシステム130Aにおいて、ディップ管138Aは通路142Aを定義する。管224は通路228を定義する。通路228が通路142Aに流体連通されるように、ディップ管138Aは、管224に作用可能に接続される。したがって、通路228は、通路142A及びインレット146Aによってタンクチャンバ82に流体連通される。
【0031】
過剰圧力リリーフバルブ178Aは、通路228、通路142A、及びインレット146Aによってチャンバ82に流体連通される。バルブ178Aは、通路228の圧力が予め決定された値を超えるまで、閉弁されたままである。また、通路228は、インラインフロートバルブ174Aに、管150の通路154を経由する充填通路98との流体連通をもたらす流体連通を提供する。フロートバルブ174Aは、通路228から通路154までのガスの流れを許容するが、通路228から通路154までの液体還元剤の流れを許容しない。
【0032】
ベントシステム130Aは、図2及び図3において符号130で示されるベントシステムのように、あふれた過剰な蒸気あるいは還元剤がアウトレット170へ向けて導かれる間、タンクチャンバ82からのガスが充填通路98へ入ることを許容する。より詳細には、例えば、ポンプが故障して遮断しないときのような、チャンバ82の中の圧力が予め決定された値を超えるとき、バルブ178Aは開弁されて、それによって、アウトレット70を通して、タンクチャンバ82からの流体流れが引き起こされる。
【0033】
図9を参照すると、図1−図8と同様の部品には同じ符号が付与されており、エンジン(図1における符号14)に使用される別の他のタンクアセンブリ70Bが概略的に図解される。タンクアセンブリ70Bは、タンク78Aを含む。タンク78Aは、そのアッパウォールにおける円形穴300を定義する。予め組み立てられたモジュール304は、図に示されるように、円形穴300でタンク78Aに取付け可能である。モジュール304は、時々当業者によって「フランジ」と呼ばれる円形のディスクメンバ308を含む。ディスクメンバ308は、メンバ308が穴300を閉塞することができるようにタンク78Aに取り付けられる。一実施形態において、フランジ308は、Oリング(図示されていない)によってタンク78Aに対してシールされるとともにロックリング(図示されていない)によって固定される。同じ実施形態において、タンク78Aの壁は、フランジ308と比べて約2倍の厚さを有するとともに、Oリング及びフランジ308を支持するために下方へ下がってフランジ308より小さい内径を有するリップを備える。モジュール304は、それに対して各々に取り付けられるベントシステム130の一部分を含む。図9で図解される実施形態において、ディップ管138Bは、モジュール304の一部分であるとともに、モジュール304が作用可能にタンク78Aに接続されるとき、ディップ管138Bがタンクチャンバ82の中へ延びるように、メンバ308に取り付けられる。管138Bは、メンバ308の穴316を通過して延びるとともに、バルブアセンブリ(図2−図7において符号166で示される)と通路142B及びディップ管138Bのインレットとの間の流体連通を提供するコネクタ312に作用可能に接続される。
【0034】
モジュール304は、メンバ308に取り付けらてチャンバ82の中に配置される種々の電子部品320を含む。本実施形態において図解された部品320は、チャンバ82の中の液体還元剤のレベル、ヒータ328、及びポンプ332を監視するように構成される充填レベルセンサ324を含む。ポンプ332は、排気システム(図1において符号38で示される)へ注入するために、チャンバ82から通路90へ液体還元剤74を送り込むように構成される。モジュール304は、ポート336を含む。通路90を定義する管86は、図に示されるように、タンクの最終組立中にポート336に取付け可能である。ポート336は、メンバ308に取り付けられて、ポンプ332と通路90との間を流体連通させる。
【0035】
コネクタ340は、メンバ308に取り付けられる。電気コネクタ340は、それらに対して電力を供給するとともに信号を受け取るために、ポンプ332、ヒータ328、及びセンサ324を電気的に接続する複数個の電気接点あるいはターミナル344を含む。
【0036】
図10を参照すると、図1−図9と同様の部品には同じ符号が付与されており、予め組み立てられたモジュール304Aは、穴316及び348を定義するディスクメンバ308Aを含む。コネクタ312Aは、穴316を通過して延びて、通路142Bと図2−図7において符号166で示されるバルブアセンブリとの間を流体連通させるためのディップ管138Bに接続される。また、モジュール304Aは、穴348を通過して延びる充填管94Aを含む。充填管94Aは、タンクチャンバに液体還元剤を充填可能とする通路98Aを定義する。充填管94Aは、図2−図3において符号94で示される充填管と実質的に同一であり、通路98Aからタンクチャンバの中への流体流れを許容するが、チャンバから通路98Aへの流体流れを制限するドア122Aを有するチェックバルブ118Aを含む。ディスクメンバ308Aは、ディスクメンバ308Aが穴300及びインレット146を閉塞するとともにチェックバルブ118Aがチャンバ82の内側に配置されるように、タンク(図9において符号78Aで示される)に取付け可能である。
【0037】
図11を参照すると、図1−図10と同様の部品には同じ符号が付与されており、予め組み立てられたモジュール304Bは、ディスクメンバ308B、充填管94B、ディップ管138C、及びバルブアセンブリ166を含む。バルブアセンブリ166は、コネクタ352を経由してディップ管138Cの通路142Cに流体連通させるためにディスクメンバ308Bに取り付けられる。バルブアセンブリ166のチャンバ190は、管360を経由して管94Bの通路98Bに流体連通される。チャンバ186は、ディップ管通路142Cに流体連通される。チャンバ194は、ディップ管158の通路162に流体連通される。充填管94Bは、図2−図3において符号94で示される充填管に実質的に同一であるとともに、通路98Bからタンクチャンバの中への流体流れを許容するがチャンバから通路98Bへの流体流れを制限するドア122Aを有するチェックバルブ118Aを含む。ディスクメンバ308Bは、ディスクメンバ308Bによって穴300及びインレット146が閉塞されるとともにチェックバルブ118Aがチャンバ82の内側に配置されるように、タンク(図9において符号78Aで示される)に取り付けられる。
【0038】
図9−図11の予め組み立てられたモジュールは、部品の数量を削減する、タンクの穴の数量を削減する等によって、タンクの最終組立を容易にする。他のモジュール(図示されていない)は、モジュール304、304A、304Bの部品の種々の組み合わせを含む。例えば、一実施形態(図示されていない)において、モジュールは、電子部品320、充填管94B、バルブアセンブリ166、及び穴300に適合可能なフランジに取り付けられるディップ管138Aを含む。
【0039】
本発明を実行するためのベストモードが詳細に記述されているが、添付されたクレームの目的において発明を実施するために、この発明が関連する当業者は、種々の他のデザイン及び実施形態を想到するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体還元剤(74)を蓄積するためのタンクアセンブリ(70)であって、
前記タンクアセンブリ(70)は、
チャンバ(82)を定義するタンク(78)と、
開口(102)を有するとともに前記開口(102)からチャンバ(82)までの第1通路(98)の少なくとも一部分を定義するフィラー管(94)と、
フロートバルブ(174)を有するとともに第2、第3、及び第4通路(142、154、162)を定義するベントシステム(130)と、
前記チャンバ(82)から前記フロートバルブ(174)への流体連通を提供する前記第2通路(142)と、
前記フロートバルブ(174)から前記第1通路(98)への流体連通を提供する前記第3通路(154)と、
前記第2及び第3通路(142、154)の間の流体連通を阻止しない開位置と、前記第2及び第3通路(142、154)の間の流体連通を阻止する閉位置との間を選択的に移動可能なフロートメンバ(206)を有する前記フロートバルブ(174)と、
前記第1通路(98)に流体連通される圧力リリーフバルブ(178)と、
を含み、
前記リリーフバルブ(178)は、前記第1通路(98)における圧力が予め決定された値を下回るときに前記第1及び第4通路(98、162)間の流体連通を阻止するとともに、前記第1通路(98)における圧力が予め決定された値を超えるときに、前記第1及び第4通路(98、162)間の流体連通を許容するように構成されることを特徴とするタンクアセンブリ(70)。
【請求項2】
ノズル(106)は、前記開口(102)を経由して前記第1通路(98)の中に挿入可能であり、
前記タンクアセンブリ(70)は、前記ノズル(106)が前記第1通路(98)の中へ挿入されるときに、前記ノズル(106)にシール結合されるように構成される前記第1通路(98)の内側のシールシステム(114)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のタンクアセンブリ(70)。
【請求項3】
前記第1通路(98)から前記チャンバ(82)への流体流れを許容するとともに前記チャンバ(82)から前記第1通路(98)への流体流れを阻止する一方向チェックバルブ(118)をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のタンクアセンブリ(70)。
【請求項4】
ベント(220)を経由して前記チャンバ(82)に対して流入出される前記液体流れ(74)が阻止されている間の、前記ベント(220)を経由して前記チャンバ(82)に対して流入出される前記ガス流れ(134)を許容するように構成されるベント(220)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のタンクアセンブリ(70)。
【請求項5】
前記ベント(220)を経由して前記チャンバ(82)に対して流入出される前記液体流れ(74)が阻止されている間の、前記ベント(220)を経由して前記チャンバ(82)に対して流入出される前記ガス流れ(134)を許容するように構成される膜(222)を含むことを特徴とする請求項4に記載のタンクアセンブリ(70)。
【請求項6】
タンク(78A)は穴(300)を定義して、
タンクアセンブリ(70B)は、予め組み立てられたモジュール(304、304A、304B)をさらに含み、
前記予め組み立てられたモジュール(304、304A、304B)は、前記穴(300)を閉塞させるために前記タンク(78A)に関連して取り付けられるフランジ(308、308A、308B)と、前記フランジ(308、308A、308B)に関連して取り付けられる前記ベントシステム(130)の少なくとも一部分とを含むことを特徴とする請求項1に記載のタンクアセンブリ(70B)。
【請求項7】
前記予め組み立てられたモジュール(304A、304B)は、フィラー管(94A、94B)をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のタンクアセンブリ(70B)。
【請求項8】
前記圧力リリーフバルブ(178)及び前記フロートバルブ(174)は、共通のバルブボディ統合されることを特徴とする請求項1に記載のタンクアセンブリ(70)。
【請求項9】
複数個のシリンダ(22)を定義するエンジン(14)と、
前記複数個のシリンダ(22)に選択的に流体連通される排気通路(66)を定義する排気装置(38)と、
前記排気通路(66)に流体連通される触媒(58)を含む選択還元触媒システム(54)と、
前記排気通路(66)に選択的に流体連通されるチャンバ(82)を定義するタンク(78)と、
開口(102)を有するとともに前記開口(102)から前記チャンバ(82)までの第1通路(98)の少なくとも一部分を定義するフィラー管(94)と、
フロートバルブ(174)を有するとともに第2、第3、及び第4通路(142、154、162)を定義するベントシステム(130)と、
前記チャンバ(82)から前記フロートバルブ(174)への流体連通を提供する前記第2通路(142)と、
前記フロートバルブ(174)から前記第1通路(98)への流体連通を提供する前記第3通路(154)と、
前記第2及び第3通路(142、154)間の流体連通を阻止しない開位置とフロートメンバ(206)が前記第2及び第3通路(142、154)間の流体連通を阻止する閉位置との間を選択的に移動可能な前記フロートメンバ(206)を有する前記フロートバルブ(174)と、
前記第1通路(98)に流体連通される圧力リリーフバルブ(178)と、
を含み、
前記リリーフバルブ(178)は、前記第1通路(98)における圧力が予め決定された値を下回るときに前記第1及び第4通路(98、162)間の流体連通を阻止するとともに、前記第1通路(98)における圧力が予め決定された値を超えるときに、前記第1及び第4通路(98、162)間の流体連通を許容するように構成されることを特徴とするパワートレイン(10)。
【請求項10】
ノズル(106)は、前記開口(102)を経由して前記第1通路(98)の中に挿入可能であり、
前記タンクアセンブリ(70)は、前記ノズル(106)が前記第1通路(98)の中へ挿入されるときに、前記ノズル(106)にシール結合されるように構成される前記第1通路(98)の内側のシールシステム(114)をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のパワートレイン(10)。
【請求項11】
前記第1通路(98)から前記チャンバ(82)への流体流れを許容するとともに前記チャンバ(82)から前記第1通路(98)への流体流れを阻止する一方向チェックバルブ(118)をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のパワートレイン(10)。
【請求項12】
ベント(220)を経由して前記チャンバ(82)に対して流入出される前記液体流れ(74)が阻止されている間の、前記ベント(220)を経由して前記チャンバ(82)に対して流入出される前記ガス流れ(134)を許容するように構成されるベント(220)をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のパワートレイン(10)。
【請求項13】
タンク(78A)は穴(300)を定義して、
タンクアセンブリ(70B)は、予め組み立てられたモジュール(304、304A、304B)をさらに含み、
前記予め組み立てられたモジュール(304、304A、304B)は、前記穴(300)を閉塞させるために前記タンク(78A)に関連して取り付けられるフランジ(308、308A、308B)と、前記フランジ(308、308A、308B)に関連して取り付けられる前記ベントシステム(130)の少なくとも一部分とを含むことを特徴とする請求項9に記載のパワートレイン(10)。
【請求項14】
前記予め組み立てられたモジュール(304A、304B)は、フィラー管(94A、94B)をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のパワートレイン(10)。
【請求項15】
液体還元剤(74)を蓄積するためのタンクアセンブリ(70A)であって、
前記タンクアセンブリ(70A)は、
チャンバ(82)を定義するタンク(78)と、
開口(102)を有するとともに前記開口(102)からチャンバ(82)までの第1通路(98)の少なくとも一部分を定義するフィラー管(94)と、
フロートバルブ(174A)を有するとともに第2、第3、及び第4通路(142A、154、162)を定義するベントシステム(130A)と、
前記チャンバ(82)から前記フロートバルブ(174A)への流体連通を提供する前記第2通路(142A)と、
前記フロートバルブ(174A)から前記第1通路(98)への流体連通を提供する前記第3通路(154)と、
前記第2及び第3通路(142A、154)の間の流体連通を阻止しない開位置と、前記第2及び第3通路(142A、154)の間の流体連通を阻止する閉位置との間を選択的に移動可能なフロートメンバ(206)を有する前記フロートバルブ(174A)と、
前記第1通路(98)に流体連通される圧力リリーフバルブ(178A)と、
を含み、
前記リリーフバルブ(178A)は、前記第1通路(98)における圧力が予め決定された値を下回るときに前記第1及び第4通路(98、162)間の流体連通を阻止するとともに、前記第1通路(98)における圧力が予め決定された値を超えるときに、前記第1及び第4通路(98、162)間の流体連通を許容するように構成されることを特徴とするタンクアセンブリ(70A)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−532281(P2012−532281A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519073(P2012−519073)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/IB2010/001587
【国際公開番号】WO2011/001256
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(390033020)イートン コーポレーション (290)
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
【Fターム(参考)】