説明

タンディッシュからの流れを制御する配置

鋼の連続鋳造において、タンディッシュ(10)における湯出し口(11)からの流れが、溶鋼に渦運動を与えるために回転可能である湯止棒で制御される。この回転は、湯出し口及び吐き出し管(12)における湯あかのリスクを減少させる。湯止棒(16)の周囲のスリーブは、スラグ層(18)を通して溶鋼(17)内へ伸びる。保護ガスが、空気がギャップを通して溶鋼の内部に引かれることを阻止するために、湯止棒(16)とスリーブ(30)の間のギャップに提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯出し口からの流れを制御するための軸方向に可動な湯止棒、及び湯止棒を回転させるためのデバイスを含む、溶融金属用の、通常鋼の連続鋳造用の湯出し口を有する、タンディッシュからの流れを制御するための配置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビレット、スラブ又はブルームを鋳造するための鋼の連続鋳造において、溶鋼は、取鍋からタンディッシュへ、そしてタンディッシュから、冷却された鋳型へ注がれ、ここで金属が固化し始め、そして連続的に鋳型から取り出される。湯出し口はセラミックノズルから成り、そして鋼鉄はセラミックノズルから、鋳型中の溶鋼内に伸びる吐出管を通って流動する。吐出管はその流れを一緒に維持し、そして空気中の酸素からそれを保護する。ノズルを通しての出口流が、通常、垂直に可動する湯止棒によって制御される。特許文献1は、湯止棒を回転させるための手段を有するそのような湯止棒の配置を開示する。湯止棒の回転は、溶鋼を回転させ、そして結果として、酸化物、窒化物などの不純物が出口流の中央部に集まり、吐出管の管壁には接触しないことになる。この方法において、鋳型の壁上に付着物が付くリスクは、オリフィス詰りのリスクと同様に減少する。鋳型に到達する窒化物及び酸化物は、溶融金属の上面のスラグ層として浮遊することになるか、又は溶融金属中に引き込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】SE第528543号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、タンディッシュから鋳型内へ進入する不純物の量を減少させることである。これは、スラグ層を通して、そして溶融金属の下部へ伸びるように配置された湯止棒の周囲のスリーブで、及び湯止棒とスリーブ間の環状ギャップに対して保護ガスを供給する手段で達成される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明に基づく、タンディッシュ及び鋳型及び湯止棒の配置を概略示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図はノズル11及び吐出管12の形状のその底部で湯出し口を備えたタンディッシュ10を示す。吐出管は、冷却した連続鋳造型13内へ伸びる。タンディッシュ上の架台14は、湯止棒16を備えた構成部15を運ぶ。配置は湯止棒の垂直位置を制御するために、架台14における動力源により垂直に可動し、それにより、ノズルからの流れを制御し、そしてノズルを完全に閉鎖することができる。湯止棒の配置を動かすためのデバイスは示されていない。
【0007】
タンディッシュは、溶融金属、通常鋼を、タンディッシュにおける溶融金属17のレベルが比較的一定になるように取鍋の制御された出口から図示されていない管を通して連続して充填される。湯止棒構成部15は、タンディッシュから溶融金属の流れを制御するために、そして鋳型内の溶融金属のレベル19を比較的一定に維持するために連続的に制御される。スラグの薄層は溶融金属の上面に浮遊する。このスラグ24の層は、空気が溶融金属に到達することを防ぎ、そして鋼鉄の再酸化を防ぐ。
【0008】
湯止棒16はセラミックであり、そしてそれはセラミックの上に伸びる中央鋼管20を有する。この管20は回転可能に取り付けられ、そしてその配置は、伝動装置22を経由して湯止棒を回転させるためのモータ21を有する。湯止棒は、ノズルと係合し、そしてノズルを閉鎖状態に維持するとき回転できない。出口流に渦運動を生じさせるためにノズルとの係合から引き上げられると直ちに、それは回転を始めなければならない。モータ21は、全体配置の位置を感知することにより間接的に湯止棒の位置を感知する位置センサにより制御できる。あるいは、伝動装置は、湯止棒がノズルをシールするとき、それを回転させるために摺動クラッチを有することができる。湯止棒は、溶鋼の渦運動を増大させるためにその下端において突起32を有してもよい。
【0009】
湯止棒の配置は、湯止棒の周囲にスリーブ30を有し、それはスラグ層を通して溶鋼の上部の空間から、溶鋼の下部へ広がり、そしてそれはスラグを溶鋼の中へ引き下ろされることを防ぐ。スリーブは非回転であり、あるいは、それはタンディッシュにより直接運ばれる。保護ガス用の導管31は、保護ガス流が空気を湯止棒の周囲のギャップ内に引き込まれることを阻止するように環状ギャップに導く。そのような空気は溶鋼の再酸化を引き起こすかもしれない。
【0010】
導管23は、スイベルを経由して湯止棒の中央管20に保護ガスを供給するために連結してもよく、そして湯止棒の下位部分は、ガス用の側面出口を有することができる。そのようなガス供給は、渦運動を増大させ、そしてガスが溶鋼からスラグ層に動くとき、ガスは溶鋼を酸素から保護するためのスラグ層の能力を増大させるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯出し口からの流れを制御するための軸方向に可動の湯止棒(16)、及び湯止棒を回転させるためのデバイス(21、22)を含んでなる、溶融金属のための、通常は鋼の連続鋳造のための湯出し口(11)を有するタンディッシュ(10)からの流れを制御するための配置であって、
スラグ層(24)を通して溶融金属(17)内に下に伸びるように配置された湯止棒(16)の周囲のスリーブ(30)、及び湯止棒(16)とスリーブ(30)の間の環状ギャップに保護ガスを供給するための手段(31)を特徴とする、上記配置。

【図1】
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【公表番号】特表2013−512782(P2013−512782A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543044(P2012−543044)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【国際出願番号】PCT/SE2010/000282
【国際公開番号】WO2011/071431
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(512149581)スウェレア・メフオス・アクチエボラーグ (1)
【Fターム(参考)】