説明

タンデム連続紙電子写真式印刷装置

【課題】 オペレータが用紙の第2印刷装置にセットされた用紙の裏面を手で裏返して見て確認してむやみに用紙にダメージを与えず、かつ、無理な体勢で見て確認することによるオペレータの負担を低減することが出来るタンデム連続紙電子写真式印刷装置を提供する。
【解決手段】 第2印刷装置内に第1印刷装置で印刷された印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)を確認できるように鏡を実装し、それに加えて照明装置を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続紙電子写真式印刷装置をタンデム接続し、両面印刷を行なうタンデム連続紙電子写真式印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンデム連続紙電子写真式印刷装置では、第1印刷装置と第2印刷装置間の装置間隔をページ数で確認する為、オペレータは第2印刷装置間の決められた位置で用紙を捲って用紙裏の第1印刷装置が印刷した印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)を確認してページ番号を上位の制御装置に報告する操作をすることによりに、上位の制御装置は第1印刷装置が印刷した印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)の総ページ数と比較し、第1印刷装置と第2印刷装置間の装置間隔をページ数で確認する。その結果、実際の印刷で上位の制御装置は、第1印刷装置が印刷したページの裏面に実際に印刷すべき内容を第2印刷装置で印刷することが可能となっているタンデム連続紙電子写真式印刷装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−237336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術によると、第1印刷装置で用紙に印刷された印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)は、第2印刷装置にセットされる時に用紙反転装置により、第2印刷装置の印刷面とは反対になる為、オペレータが第1印刷装置で用紙に印刷された印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)確認しようとする場合、図6に示すように第2印刷装置にセットされた用紙の裏面を手で裏返して見て確認したり、無理な体勢で見て確認する必要があった。
【0005】
特にコンパクト設計の印刷装置で、幅広で連量の大きい用紙を使用されると用紙の裏面に印刷されている印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)は、オペレータが用紙を裏返し難く、また、視覚域が暗くなるため確認し難い場合があった。
【0006】
本発明は、前記問題を解決する為になされるものであり、その目的は、オペレータが用紙の第2印刷装置にセットされた用紙の裏面を手で裏返して見て確認してむやみに用紙にダメージを与えず、かつ、無理な体勢で見て確認することによるオペレータの負担を低減することが出来るタンデム連続紙電子写真式印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため本発明は、第2印刷装置の用紙セット部に用紙上に第1印刷装置が印刷した印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)を映すことが出来る鏡を組み合わせて実装し、またはそれに加え、用紙上に印刷された印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)を照らす為の照明手段を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
以上に説明した様に本発明によれば、オペレータが容易に印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)の確認ができるタンデム連続紙電子写真式印刷装置を提供する事が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を、図1ないし5を用いて説明する。
【0010】
図1はタンデム連続紙電子写真式印刷装置を示す図、図2は第2印刷装置101内の構成図である。
【0011】
高圧電源115により高圧電圧を印加されたチャージャコロトロン114は、モータ109により回転動作している感光体ドラム108上を帯電する。
【0012】
その後、CPU121がドライバ113によりレーザダイオード112を制御し感光体ドラム108上に潜像を形成し、現像ローラ105からのトナー107をその潜像に静電付着させ、高圧電源111により高圧電圧が印加された転写コロトロン110によりトナー107をトラクタ103に掛けられた用紙102を、モータ104を回転動作させ、感光ドラム108−転写コロトロン110間、定着ローラ117部へと、用紙102の用紙サイズを認識しながら紙送りしている用紙102上に転写させる。
【0013】
そして、その用紙102上に転写されたトナー107の印刷像が、装填されている用紙102に適した定着設定温度になるように、温度センサ120で定着ローラ117の温度を検知しながらヒータランプ116をドライバ119で点灯制御及び消灯制御される定着ローラ117で熱定着する電子写真式印刷装置101を2台使用して用紙102の両面を印刷するタンデム連続紙電子写真式印刷装置200がある。
【0014】
その1台目の第1印刷装置101aと第2印刷装置101bとの間隔を確認する為、第1印刷装置101aで印刷確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122を印刷された用紙102は、用紙反転装置201で反転され、2台目の第2印刷装置101bにオペレータ130を介して第2印刷装置101bに装填される。
【0015】
次に図3ないし5を用いて、用紙102の裏面にある印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122を確認する方法を説明する。用紙102の裏面にある印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122は、トラクタ103の下方に実装された反射鏡123に反転して映り、その後、オペレータ130が実際に確認に使用する反射鏡124に反転して映り、結果的に用紙102の裏面に印刷された印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122を正転した状態で確認することが可能になる。
【0016】
図7は、用紙102の裏面にある印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122を確認する他の実施例を示す図である。オペレータ130により第2印刷装置101bに装填された用紙102の裏面にある印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122は、トラクタ103の下方に実装された反射鏡123に反転して映る。
【0017】
その後、オペレータ130が実際に確認する凸面鏡型の反射鏡124に反転及び拡大して映り、結果的に用紙102の裏面に印刷された印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122を正転した状態で且つ拡大されて見易い状態で確認することが可能になる。
【0018】
図8および図9は、用紙102の裏面にある印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122を確認する他の実施例を示す図である。オペレータ130により第2印刷装置101bに装填された用紙102の裏面にある印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122は、トラクタ103の下方に実装された反射鏡123に反転して映る。
【0019】
その後、オペレータ130が実際に確認する反射面の角度調整が可能な反射鏡124に反転して映り、結果的に用紙102の裏面に印刷された印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122を正転した状態で且つオペレータ130が見易い反射位置で確認することが可能になる。
【0020】
図10は、用紙102の裏面にある印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122を確認する他の実施例を示す図である。オペレータ130により第2印刷装置101bに装填された用紙102の裏面にある印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122は、トラクタ103の下方に実装された反射鏡123に反転して映る。
【0021】
その後、オペレータ130が実際に確認する反射鏡124に反転して映り、結果的に用紙102の裏面に印刷された印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122を正転した状態で確認する時、第2印刷装置101bに装填されている用紙102の用紙幅が広く、また、連量が大きい(用紙厚が厚い)場合、用紙102の裏面に印刷されている印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122の周辺が暗くなる為、オペレータ130が第2印刷装置101bに設けられたパネルスイッチ125を押下する事により、ドライバ126が照明装置127を点灯させ、用紙102の裏面に印刷されている印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122の周辺を照らすことにより、オペレータ130が反射鏡124で明確に印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)122を確認することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
レーザビームプリンタなどの電子写真式印刷装置をタンデム接続し、両面印刷を行なうタンデム連続紙電子写真式印刷装置において、用紙上に印刷された印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)を確認するのに有効である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例に係るタンデム連続紙電子写真式印刷装置を示す図である。
【図2】そのタンデム連続紙電子写真式印刷装置の第2印刷装置の概略構成図である。
【図3】本発明の印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)を確認するための説明図である。
【図4】本発明の印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)を確認するための説明図である。
【図5】本発明の印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)を確認するための説明図である。
【図6】従来の印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)を確認するための説明図である。
【図7】本発明の印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)を確認するための他の説明図である。
【図8】本発明の印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)を確認するための他の説明図である。
【図9】本発明の印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)を確認するための他の説明図である。
【図10】本発明の印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)を確認するための他の説明図である。
【符号の説明】
【0024】
101は電子写真式印刷装置、102は用紙、103はトラクタ、104はモータ、105は現像ローラ、106はモータ、107はトナー、108は感光ドラム、109はモータ、110は転写コロトロン、111は高圧電源、112はレーザダイオード、113はドライバ、114は帯電器、115は高圧電源、116はヒータランプ、117は定着ローラ、118はモータ、119はドライバ、121はCPU、122は印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号(デルタページ)、123,124は反射鏡、125はパネルスイッチ、126はドライバ、127は照明装置、130はオペレータ、101aは第1印刷装置、101b第2印刷装置、200はタンデム連続紙電子写真式印刷装置、201は用紙反転装置、202は用紙搬送力補助装置、203はターンバー、204はローラ、120は温度センサである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体上に形成された潜像を用紙背面から転写コロトロンに高圧電源により高圧電圧を印加し用紙上に転写して熱定着させる電子写真式の第1印刷装置ならびに第2印刷装置と用紙反転装置を使用して両面印刷の出来るタンデム連続紙電子写真式印刷装置において、
前記第1印刷装置により用紙に印刷した印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号を前記第2印刷装置内で目視できるように鏡を実装することを特徴とするタンデム連続紙電子写真式印刷装置。
【請求項2】
前記鏡を凸面鏡にして、反射された印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号を拡大して確認出来るようにしたことを特徴とする請求項1記載のタンデム連続紙電子写真式印刷装置。
【請求項3】
前記鏡は反射方向が調整可能になっていることを特徴とする請求項1記載のタンデム連続紙電子写真式印刷装置。
【請求項4】
感光体上に形成された潜像を用紙背面から転写コロトロンに高圧電源により高圧電圧を印加し用紙上に転写して熱定着させる電子写真式の第1印刷装置ならびに第2印刷装置と用紙反転装置を使用して両面印刷の出来るタンデム連続紙電子写真式印刷装置において、
前記第1印刷装置により用紙に印刷した印刷装置間隔確認マーク及びそのページ番号を前記第2印刷装置内で目視できるように鏡及び照明を実装することを特徴とするタンデム連続紙電子写真式印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−128547(P2009−128547A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−302362(P2007−302362)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】