説明

タンパク質系およびそれを含む食品

【課題】水分源を含有する食品用のタンパク質系であって、混合時間および/またはせん断要件を低減し、食品の加工および貯蔵中に堅くなるのを低減して、貯蔵寿命を増大させるタンパク質系、ならびに、その作製方法を提供する。
【解決手段】未処理タンパク質、カゼイン、ならびに部分加水分解乳タンパク質および部分加水分解マメタンパク質の組合せを含むタンパク質系であり、これにより低減された堅さは、食品を苦くすることなく、特有のバランスの部分加水分解タンパク質および未処理タンパク質、ならびにカゼインを送達するタンパク質ブレンドが実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された食品用タンパク質系、およびこのようなタンパク質系を組み込む食品バーなどの食品に関する。
【背景技術】
【0002】
高タンパク質スナックバーは、炭水化物シロップ、糖アルコールなどの1つまたは複数を含む結合剤で一緒にまとめられたタンパク質粉末成分で作製されている。三重層構成では、これらの高タンパク質バーは、高密度低気孔率タンパク質粉末コア、カラメル層、およびそれらにコーティングを施すコンパウンドコーティングを含んでいる。栄養素、ビタミン、および鉱物のブレンドも、これらのバーに調製されることが多い。貯蔵期間中、これらの従来の高タンパク質スナックバーのタンパク質コア部分は硬化する傾向があり、堅くなり、もはや望み通りの柔らかく、しっとりとした、噛み応えのあるものでなくなる。この硬化によって、バーの質感および風味が損なわれ、製品の有用な貯蔵期間が短くなる。食品バーの配合にゼラチンを含めると、問題が軽減されると考えられる。しかし、ゼラチンは、一般に高品質タンパク質源と見なされない。タンパク質の品質は、通常は2つの主要な因子で評価される:タンパク質がアミノ酸要件をどれだけよく満たしているか、およびタンパク質の消化性。高品質タンパク質は、適切な量の必須アミノ酸を含有し、消化性であり、身体によって吸収される。これらの2つの基準を、タンパク質の評価システムとして食品産業で使用されるタンパク質消化吸収率補正アミノ酸スコア(PD−CAAS)で組み合わせる。他のタンパク質の品質測定ツールには、生物価およびタンパク効率が含まれる。バーコアの硬化問題に対する代替の改善された解決策が望まれる。
【0003】
加水分解された乳タンパク質および植物性タンパク質は、乳児用調製粉乳および他の低アレルギー性食品配合物、ならびにフィットネス用配合、医学的用途など向けの特殊タンパク質サプリメントで使用されている。タンパク質加水分解物とも呼ばれるこれらの加水分解タンパク質は、通常は、タンパク質の酸または酵素加水分解によって調製される。タンパク質鎖が、一般に加水分解によってペプチドおよびアミノ酸を含むより小さいセグメントに分解される。以前に食品配合物で使用されているタンパク質加水分解物は、消費者受諾を得ることを大いに妨げるものとなる恐れがある苦味の発生と関連付けられていることが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その感覚受容性および貯蔵寿命を改善するためには、タンパク質硬化に対してより耐性がある食品バーが必要とされている。下記の説明から明らかになるように、本発明は、この必要性に取り組み、他の利点および利益を得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、貯蔵寿命が改善され、より柔らかくよりしっとりした質感を経時的に維持する食品用タンパク質系を提供する。タンパク質系は、水分源を含む食品で使用される。このタンパク質系は、加工および貯蔵寿命中に堅くなることを低減するのに有効な全量にて未処理のタンパク質、カゼイン、ならびに部分加水分解乳タンパク質および部分加水分解マメタンパク質の組合せを含む。このような堅さの低減は、食品を苦くすることなく実現される。乾燥タンパク質ブレンドで食品を作製する方法も具体化する。
【0006】
本発明の実施形態の食品では、部分加水分解された乳タンパク質およびマメタンパク質と、未処理の形のこれらのそれぞれのタンパク質、ならびにカゼインとを組み合わせて含む乾燥タンパク質ブレンドを、製品の質感、貯蔵寿命、および加工を改善するのに有効な食品に組み込む。部分加水分解された乳タンパク質およびマメタンパク質は、特に同様な条件下での未処理のタンパク質に比べて有意に硬化することなく、食品加工および貯蔵寿命中、水和するように、結合剤など、食品中の水分源から水分を獲得する。この硬化の低減は、食品に不快な苦味または異臭を付与せずまたは引き起こさず、あるいは混合物を緩くしすぎて、貯蔵中しっとりして噛み応えのあるままである自己支持型マトリックス構造に形成することができる生地を形成できなくならないレベルのそれぞれ部分加水分解された乳タンパク質およびマメタンパク質を添加することで実現できることが発見された。水分含有結合剤系および粉末化タンパク質成分を含む食品または成分では、約1から約4重量%の部分加水分解された乳タンパク質およびマメタンパク質を含有するタンパク質ブレンドを食品配合物に添加すると、このように改善されたバランスの製品特性がもたらされることが観察された。食品で望まれまたは指定されているタンパク質内容物の残部を、未処理のタンパク質源から構成することができる。タンパク質を含有する食品または食品成分材料の実質的に均一な混合物を提供するのに必要とされた混合時間および/または混合せん断は、加水分解タンパク質内容物の代わりに類似の量の未処理のタンパク質を使用する配合物に比べて、本明細書に記載の比率で加水分解タンパク質が存在することによって低減されることも発見された。これによって、食品材料の組合せから均一な混合物を得るのに必要とされたせん断力の量が低減される。また、これによって、より長い混合時間および/またはより激しい混合条件を適用する場合に、通常なら起こり得る混合物中のタンパク質含有量の硬化が低減され、またはなくなる。さらに、本明細書に記載するタンパク質ブレンド配合物で例示されているようなものなど、乳タンパク質含有量によって望ましい製品風味全体を維持しながら、マメタンパク質含有量によってコストを削減するようにマメおよび乳由来のタンパク質の比率のバランスをとることができる。したがって、食品バーまたは他の食品調製物で使用される場合の本発明のタンパク質ブレンドで、優れたバランスの改善された貯蔵寿命、風味、および加工の利点がもたらされる。
【0007】
本発明の一実施形態のタンパク質ブレンドは、約5重量%から約30重量%の部分加水分解乳タンパク質、約5重量%から約15重量%の部分加水分解マメタンパク質、約20重量%から約30重量%の未処理の乳タンパク質、約5重量%から約15重量%の未処理のマメタンパク質、および約26重量%から約36重量%の酸カゼインまたはその食用塩を含む。一実施形態では、部分加水分解乳タンパク質および部分加水分解マメタンパク質はそれぞれ、加水分解度が約4から約15%、具体的には約6%から約10%、さらに具体的には約7から約8%である加水分解生成物を含むことができる。別の実施形態では、タンパク質ブレンドは、部分加水分解された全乳タンパク質および加水分解されていない未処理の全乳タンパク質をそれぞれ約22から約28、具体的には約23から約27、さらに具体的には約24から約26の比で含有し、部分加水分解された全マメタンパク質および加水分解されていない未処理の全マメタンパク質をそれぞれ約22から約28、さらに具体的には約23から約27、さらに具体的には約24から約26の比で含有する。タンパク質ブレンドを、米国篩メッシュ#100で最大マイナス10%のサイズの粉末の形で使用することができる。タンパク質ブレンドを様々なスナック、菓子、および風味の良好な食品で使用することができる。
【0008】
特定の一実施形態では、コーティングを施されたタンパク質ブレンド含有コアを含む食品バーが提供される。コアは、約1重量%から約9重量%の部分加水分解乳タンパク質、約0.5重量%から約8.5重量%の部分加水分解マメタンパク質、約0.5重量%から約8.5重量%の未処理の乳タンパク質、約55重量%から約85重量%の未処理のマメタンパク質、約20重量%から約30重量%の酸カゼインまたはその食用塩、および約20重量%から約40重量%の結合剤材料を含むタンパク質含有成分を含むことができる。結合剤材料は、炭水化物結合剤の単独または他のタイプの結合剤材料との組合せとすることができる。コンパウンドコーティングなどのチョコレート含有コーティングで、コアにコーティングを施すことができる。食品バーは、タンパク質含有成分と接触しているカラメル成分をさらに含むことができ、これもチョコレート含有組成物でコーティングが施される。別の実施形態では、タンパク質ブレンド内容物は、その主要部分を含むコア成分、カラメル成分、ならびに/またはコアおよびカラメル成分にコーティングを施すコンパウンドコーティングに分布されている。また、コンパウンドコーティングは、その水和を遅延する脂肪バリアとしてタンパク質を被覆すると考えられるので、さらに貯蔵寿命を向上させ、風味を改善させるために、場合によってはコンパウンドコーティングの小部分を、混合する前にコア成分に含むことができる(例えば、1〜25%)。食品バーは、10から70gの別々の形状を有することができる。これらのタンパク質および結合剤系で調製された食品バーは、少なくとも約9か月など多数月の間、標準的なパッケージングで良好な質感特性を保持する。
【0009】
本発明の食品およびタンパク質ブレンドで用いられるように、部分加水分解乳タンパク質は、部分加水分解ホエータンパク質および/または部分加水分解ミルクタンパク質を含むことができる。部分加水分解マメタンパク質は、部分加水分解大豆タンパク質を含むことができる。部分加水分解されて、加水分解生成物を形成する出発乳タンパク質、さらにはタンパク質ブレンドの未処理の乳タンパク質成分、すなわち非加水分解乳タンパク質材料は、ホエータンパク質濃縮物、ミルクタンパク質濃縮物、ホエータンパク質単離物、およびミルクタンパク質単離物からなる群から選択することができる。部分加水分解されて、加水分解生成物を形成する出発マメタンパク質、さらにはタンパク質ブレンドの未処理のマメタンパク質、すなわち非加水分解マメタンパク質材料は、大豆タンパク質濃縮物および大豆タンパク質単離物からなる群から選択することができる。
【0010】
食品バーを作製する方法において、(a)タンパク質含有コア成分を形成するステップであって、(i)少なくとも結合剤、部分加水分解乳タンパク質、および部分加水分解マメタンパク質を含めて、材料を混合して、生地を形成し、その際、部分加水分解乳タンパク質および部分加水分解マメタンパク質の代わりにそれらを未処理の形で使用する以外は同一の食品と比較し、タンパク質含有コア成分の材料を実質的に均一な混合物にブレンドするのに必要とされた混合時間またはせん断を低減するのに有効な全量にて部分加水分解乳タンパク質および部分加水分解マメタンパク質を添加すること、(ii)生地をシートにすること、(iii)シート状の生地を冷却して、タンパク質含有コア成分を得ることを含むステップと、(b)タンパク質含有コア成分をチョコレート含有コーティング組成物で被覆し、例えばコーティングを施し、カプセル化し、または振りかけて、食品バーを得るステップを含む方法も提供される。別の実施形態では、方法は、タンパク質含有コア成分を、例えばカラメル成分層、クリーム状乳層、果物層、ピーナッツバター層、チョコレート層、フロスティング層、蜂蜜層、ヨーグルト層、および/またはゼラチン層など多様な補助コア成分と組み合わせて、中間食品構造体をもたらし、次いで中間食品構造体をチョコレート含有コーティング組成物で被覆するステップも含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1を参照して、スナック食品バー100を本発明の一実施形態に従って示す。タンパク質含有コア成分101にコンパウンドコーティング103でコーティングを施す。コア成分101は、単位マトリックス110としてタンパク質ブレンド111および結合剤系112を含有する。マトリックス110は高密度非多孔質構造であり、エアギャップまたは間隙を最小限にしかまたは全く含まない。コア成分101では、タンパク質ブレンド構成要素が、結合剤系によってマトリックス全体に実質的に均一に分散されている。この例示では、食品バー100内に少なくとも1つの内部水分源が存在する。例えば、結合剤系112は、水分内容物を含むことができる。この水分内容物は、結合剤系から、食品バーのタンパク質含有コア成分または他の成分中に共存しているタンパク質粒子に移動する傾向がある。
【0012】
図2を参照して、スナック食品バー200を本発明の別の実施形態に従って示す。タンパク質含有コア成分201は、カラメル成分202(または果物層やクリーム層など他の多様な成分)に隣接して積み重ねられ、得られた組合せにコンパウンドコーティング203でコーティングを施す。コア成分201は、単位マトリックス210としてタンパク質ブレンド211および結合剤系212を含有する。マトリックス210は高密度非多孔質構造であり、エアギャップまたは間隙を最小限にしかまたは全く含まない。コア成分201では、タンパク質ブレンド構成要素が、結合剤系によってマトリックス全体に実質的に均一に分散されている。食品バー200は、結合剤系212など少なくとも1つの内部水分源を含み、この内部水分源は、結合剤系から、食品バーのコア成分または他の成分に存在するタンパク質粒子に移動する傾向がある。
【0013】
図1および2に、スラブの形の水平積層構築物として例示されているが、上記の3つの成分を組み込む本発明の概念を広範囲の積層配向ならびに幾何学的形状および形態で実施できることも理解されたい。便宜上、食品バーを包装、取扱い、および把握に好都合な任意の形に造形することができる。食品は、ダイニング用品を必要とすることなく手でパッケージから取り出して食べることができる。バーの形状および形態は必ずしも限定されず、これには例えばスラブ、円柱、球体などが含まれる。例えば、図1および2に例示されるように、コア成分101または201はシート構築物に限定されず、バー100または200も略長方形のスラブ構築物に限定されない。例えば、コア成分を、円柱または他の非平面直線幾何学的形状300で(図3)、または一般に球体様形状400として(図4)形成することもでき、そのコア成分として使用し、場合によってはカラメルコーティングで被包し、得られた中間構造物にコンパウンドコーティングでコーティングを施す。これに関して、図3の成分301から303、310から312、および図4の成分401から403、410から412はそれぞれ、図2の成分201から203、210から212に対応する。図1〜4に示す成分のサイズおよび形状、ならびに特徴は、例示にすぎず、必ずしも正確な規模、形状、または幾何形状に記載されているものではないことを理解されたい。例えば、結合剤系は、図で示すように、コーティング、または別々の粒子の代わりに、タンパク質粒子と他のコア材料を相互連結させる網状構造を主に含むことができる。
【0014】
本明細書では、「硬質」および「堅さ」は同義に使用され、外力による変形に抵抗する食品質感を指す。食品または成分の「堅さ」の量を、例えばTA−XT2質感アナライザー(Stable Micro System Company,Godalming,Surrey UK)などの市販の質感アナライザーによって定量的に決定することができる。用語「未処理のタンパク質」は、その元の状態および無変性状態のタンパク質を指す。「加水分解タンパク質」は、ペプチドおよびアミノ酸を含めてより小さいセグメントにタンパク質鎖を分解する酸または酵素加水分解によって処理されたタンパク質を指す。加水分解タンパク質は、少なくとも部分加水分解タンパク質であり、完全加水分解タンパク質、またはその組合せもしくは混合物を含むことができる。「タンパク質濃縮物」は、一般に約80から約90%までのタンパク質を含有するタンパク質材料を指す。「タンパク質単離物」のタンパク質含有量は約90%以上である。
【0015】
タンパク質ブレンド
部分加水分解された乳タンパク質およびマメタンパク質と、未処理の乳タンパク質およびマメタンパク質、ならびにカゼインとを組み合わせて組み込み、改善されたバランスの製品の質感および風味、貯蔵寿命の延長、プロセスの向上、ならびにコスト節約を食品バーなどの食品においてもたらす乾燥タンパク質ブレンドが提供される。
【0016】
実施形態によるタンパク質栄養バーは、バー50グラム当たり全タンパク質を約15グラムも含有することができる。一実施形態では、食品バーは、食品バー1グラム当たり全タンパク質最高約0.3グラムを含有することができ、具体的には食品バー1グラム当たり全タンパク質約0.01から約0.3グラムを含有することができ、さらに具体的には食品バー1グラム当たり全タンパク質約0.1から約0.3グラムを含有することができる。本研究者らは、高タンパク質バーが、内部水分移動の問題のため経時的に硬化する傾向があることを観察した。例えば、水分は、結合剤シロップ系など、または他の水分源からタンパク質に移動し、硬質タンパク質マトリックスを形成する傾向がある。食品のタンパク質/結合剤マトリックスにおいて、加水分解されたマメタンパク質および乳タンパク質は、その未処理の形より水和時に硬化されず、したがって貯蔵寿命中、好ましい柔らかく、しっとりとした、噛み応えのある質感が得られることが発見された。この堅さの低減は、本発明に従って調製されたタンパク質ブレンドを使用して、タンパク質含有成分を苦くすることなく実現される。
【0017】
水分含有結合剤系(または他の類似の水分源)および粉末化タンパク質成分を含む食品または成分では、約4から約16重量%、具体的には約4から約13重量%、さらに具体的には約6から約10重量%の部分加水分解された乳タンパク質およびマメタンパク質を含むタンパク質ブレンドを食品または成分の配合物に添加すると、この改善されたバランスの製品特性がもたらされることが観察された。この比率の部分加水分解タンパク質内容物によって、一般に不当な苦味または他の異臭を付与することなく、改善された製品の質感および混合加工がもたらされる。食品で望まれまたは指定されているタンパク質内容物の残部を、未処理のタンパク質源から構成することができる。さらに、本明細書に記載するタンパク質ブレンド配合物で例示されている通りなど、マメおよび乳由来のタンパク質の比率のバランスをとって、マメタンパク質含有量によってコストを削減し、乳タンパク質含有量によって望ましい製品風味全体を維持することができる。
【0018】
特定の実施形態では、タンパク質ブレンドは、約18重量%から約28重量%の部分加水分解乳タンパク質、約5重量%から約15重量%の部分加水分解マメタンパク質、約20重量%から約30重量%の未処理の乳タンパク質、約5重量%から約15重量%の未処理のマメタンパク質、および約26重量%から約36重量%の酸カゼインまたはその食用塩を含む。さらに具体的な実施形態では、タンパク質ブレンドは、約21重量%から約25重量%の部分加水分解乳タンパク質、約8重量%から約12重量%の部分加水分解マメタンパク質、約23重量%から約27重量%の未処理の乳タンパク質、約8重量%から約12重量%の未処理のマメタンパク質、および約29重量%から約33重量%の酸カゼインまたはその食用塩を含む。別の実施形態では、タンパク質ブレンドは、部分加水分解された全乳タンパク質および加水分解されていない未処理の全乳タンパク質をそれぞれ約22から約28、具体的には約23から約27、さらに具体的には約24から約26の比で含有し、部分加水分解された全マメタンパク質および加水分解されていない未処理の全マメタンパク質をそれぞれ約22から約28、さらに具体的には約23から約27、さらに具体的には約24から約26の比で含有する。一実施形態では、タンパク質ブレンドを、米国篩メッシュ#100で最大マイナス10%のサイズの粉末の形で使用することができる。特定の実施形態では、タンパク質ブレンドは、ROTAP篩振盪機で決定して、粒径分布が以下の通りである(米国標準メッシュに基づく):(+)80メッシュ:12〜16%、+100メッシュ:11〜15%、+140メッシュ:45〜51%、+200メッシュ:14〜18%、(マイナス)200メッシュまで:7〜9%。
【0019】
本発明の食品およびタンパク質ブレンドで用いられるように、部分加水分解乳タンパク質は、部分加水分解ホエータンパク質、部分加水分解ミルクタンパク質、およびその組合せを含むことができる。部分加水分解マメタンパク質は、部分加水分解大豆タンパク質を含むことができる。小麦、コメなど他の供給源からの部分加水分解タンパク質も使用することができる。部分加水分解タンパク質は、加水分解度が好ましくは約2%から約20%、具体的には約4%から約10%、さらに具体的には約7%から約8%である。
【0020】
部分加水分解された乳タンパク質およびマメタンパク質は、商業的に入手することができ、または従来の技法を使用して合成することができる。未処理の無変性ホエータンパク質の加水分解は、例えばトリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン、およびこれらの混合物など、この目的に使用するタンパク質分解酵素を用いる従来技法を使用して行うことができる。例えば、該当する場合は乳タンパク質または大豆タンパク質を加水分解する際のその有効性のために、および部分消化タンパク質を使用して最終目的製品にもたらされた風味プロファイルのために選択された有効量のプロテアーゼ酵素を使用して、加水分解ステップを実施する。大豆タンパク質または乳タンパク質を、部分消化タンパク質材料において有害な風味特性を発生させることなくタンパク質を部分消化するのに有効な時間および温度で加水分解する。一実施形態では、部分加水分解乳タンパク質および部分加水分解マメタンパク質の加水分解度はそれぞれ、約4から約15%、具体的には約6%から約10%、さらに具体的には約7から約8%である。部分加水分解タンパク質の加水分解度を決定するために、水酸化ナトリウムを用いた滴定でペプチド結合の加水分解中の遊離アミノ基の増加を推定することができる米国薬局方(USP)公式滴定方法を使用することができる。次いで、部分消化タンパク質を、プロテアーゼ酵素を不活性化するのに十分な温度に加熱する。このステップを利用して、タンパク質消化物混合物の任意の細菌もしくは他の微生物汚染物を不活性化し、または死滅させることもできる(例えば、低温殺菌ステップ)。
【0021】
ホエータンパク質を含有するホエー出発材料は、チーズ製造からのホエー、具体的にはレンネットによるカゼインの凝固に由来するものなどのスイートホエー、酸によるカゼインの凝固による酸性ホエー、すなわち酸形成性発酵体、さらには酸およびレンネットによる凝固に由来する混合ホエーとして得ることができる。ホエータンパク質濃縮物は、通常はミルクの液体ホエー画分を限外濾過して、ラクトース、鉱物灰、および水分をなくし、濃縮水中のホエータンパク質を濃縮することによって得られる。ホエータンパク質単離物は、当技術分野で公知のクロスフロー精密濾過またはイオン交換濾過方法で得ることができる。ホエータンパク質の濃縮物および単離物は、一般に粉末の形で入手可能である。大豆材料を大豆加水分解物に加水分解する場合、プロテアーゼ酵素を従来の方式で利用することができる。このようなプロテアーゼもタンパク質分解酵素である。プロテアーゼは、例えば真菌プロテアーゼや細菌プロテアーゼなど微生物起源のプロテアーゼとすることができる。大豆タンパク質濃縮物は、一般に脱脂大豆ミールから油、および可溶性糖の大部分を除去することによって生成され、通常は約80〜90%のタンパク質に大豆ビタミン、鉱物、および微細粉末化食物繊維の大部分を加えたものを含む白色粉末の形でもたらされる。単離大豆タンパク質とも呼ばれる大豆タンパク質単離物は、本質的に大豆タンパク質濃縮物からその食物繊維をほとんどすべて差し引いたものである。この非常に風味のない白色粉末は、少なくとも90%のタンパク質を含有する。公知の方式で濃縮物または単離物に質感を与えることによって作製された質感のある大豆タンパク質製品を使用することもできる。
【0022】
未処理の乳タンパク質は、ホエータンパク質濃縮物、ミルクタンパク質濃縮物、ホエータンパク質単離物、およびミルクタンパク質単離物からなる群から選択することができる。ミルクタンパク質濃縮物には、一般にカゼインおよびホエータンパク質、一部の脂肪、鉱物、ビタミン、ならびに脱脂粉乳より少ないラクトースを含むスキムミルクから生成された材料が含まれる。ミルクタンパク質単離物は、カゼインおよびホエータンパク質の共沈殿物であり、通常は全タンパク質含有量が約90〜95%、またはそれ以上である。未処理のマメタンパク質は、大豆タンパク質濃縮物および大豆タンパク質単離物からなる群から選択することができる。未処理のまたは部分加水分解された形のマメタンパク質は、ピーナッツ、グリーンピース、ヒヨコマメ、インゲンマメ、ルピナスなど、およびその組合せなど、様々な他のマメ類供給源に由来するものとすることもできる。部分加水分解タンパク質および未処理のタンパク質の供給源は、好ましくは1グラム当たり少なくとも80%のタンパク質を含有する濃縮物または単離物である。未処理の大豆タンパク質および部分加水分解大豆タンパク質の商業的供給源は、例えばCargill、Solae、およびADMから得ることができる。未処理の乳タンパク質および部分加水分解乳タンパク質の商業的供給源は、例えばDavisco、Glanbia、Fonterra、およびEuroproから得ることができる。
【0023】
酸カゼインおよび/またはカゼイン塩は、タンパク質を送達し、コア構造を構築するのに十分な量でタンパク質ブレンドに含まれる。酸カゼイン材料は、商業的に入手することができ、または従来の方法で作製することができる。酸カゼインは、酸または微生物培養物をスキムミルクに添加し、pHを4.6に下げ、したがってカゼインがホエーから沈殿することによって得ることができる。知られているように、酸カゼインは、アルカリまたはアルカリ塩を添加することによって可溶性にし、カゼインナトリウム、カゼインカルシウムなどのカゼイン塩を形成することができ、必要とされる特性に応じて使用することもできる。乳酸カゼインおよびレンネットカゼインも使用することができる。乳酸カゼインは、微生物培養物をミルクに添加し、ラクトースを乳酸に変換し、したがってpHが下がって得られる。レンネットカゼインは、レンネットを使用して、カゼインを沈殿させることによって作製され、高カルシウムタンパク質画分が得られる。
【0024】
食品バーなどの食品に使用するためのタンパク質ブレンドの特有の非限定的な例示としては、下記が挙げられる:約9.5〜11.5%の大豆タンパク質単離物、約9.5〜11.5%の部分加水分解大豆タンパク質単離物、約22.5〜24.5%の部分加水分解ミルクタンパク質単離物、約24.2〜25.3%のホエータンパク質単離物、および約30.5〜31.5%の酸カゼイン。食品バーに使用するための特有のタンパク質系/ブレンドの他の非限定的な例としては、下記が挙げられる:系1:26%の部分加水分解大豆タンパク質単離物、34%のホエータンパク質単離物、40%の酸カゼイン;システム2:22%の部分加水分解大豆タンパク質単離物、20%の部分加水分解ホエータンパク質単離物、15%のカゼインカルシウム、18%のホエータンパク質単離物、25%の酸カゼイン;システム3:20%の部分加水分解大豆タンパク質単離物、22%の部分加水分解ホエータンパク質単離物、28%のホエータンパク質単離物、および30%の酸カゼイン。
【0025】
これらのタンパク質ブレンドは、図1〜3で例示されているようなものなど、例えば食品バーのコア、カラメル、および/またはチョコレートコーティングを含めて、食品バーの1つまたは複数の異なる層において使用することができる。これらのタンパク質ブレンドは、質感をもたらし、非加水分解系に比べて堅くなることおよび乾固することに抵抗する。これらのタンパク質および結合剤系で構築した食品バーは、少なくとも約9か月など多数月の間、標準的なパッケージングで良好な質感特性を保持する。これらの改変食品は、貯蔵寿命の官能評価中、テイスターによって加水分解タンパク質を含まない製品より優れていると評価された。タンパク質ブレンドを様々なスナック、菓子、および風味の良好な食品で使用することができる。
【0026】
一実施形態では、タンパク質系は、乾燥ブレンドであり、結合剤系と組み合わせて、生地を得る。コア生地マトリックスは、一般に0.40から0.60の範囲の水分活性(Aw)を得るようにバランスをとる。生地は、従来のバー作製装置を使用してシートにすることができ、あるいは任意の適切な方式で押し出し、またはその他の方法で加工することができる。加工中、液体との混合は最小限に抑えることが好ましい。先に示唆したように、苦味を最小限に抑えながら、質感を改善し、貯蔵寿命を延長する効果を高めるために、ブレンドは約5%から約15%の部分加水分解された全タンパク質を含有すべきである。
【0027】
糖シロップ(または他の炭水化物結合剤)およびタンパク質を含有する食品または食品成分材料の実質的に均一な混合物を提供するのに必要とされた混合時間および/または混合せん断は、部分加水分解タンパク質含有量の代わりに類似の量の未処理のタンパク質を使用する配合物に比べて、本明細書に記載の比率の部分加水分解タンパク質が存在することによって低減されることも発見された。部分加水分解タンパク質を有効量で使用する場合、コア生地が急速に水和され、混合時間の約50%以上の低減など、より短い混合時間の使用が可能になる。これによって、食品材料の組合せから均一な混合物を得るのに必要とされたせん断力の量が低減される。また、これによって、より長い混合時間および/またはより激しい混合条件を適用する場合に、通常なら起こり得る混合物中のタンパク質含有量の硬化が低減され、またはなくなる。例えば、三層バー用の場合、本発明のタンパク質ブレンドを使用して、結合剤/タンパク質ブレンドコア配合物のための混合時間を約4〜5分から約2分に低減することができる。配合物が急速に混合しすぎて、生地マトリックスの形成に適していない緩いスープのような稠性物になる程度に、不当な量の部分加水分解タンパク質を食品成分配合物に積み込みすぎないように注意を払うべきである。
【0028】
結合剤系
本明細書の実施形態によるタンパク質ブレンドを含有する食品成分を統合するために使用する結合剤系は、結合剤材料のみからなることができ、または非結合材料と組み合わせた結合剤とすることができる。本明細書で無条件に使用する場合、用語「結合剤」は、一般に加熱によって好都合に流動性にすることができ、冷却時に非流動性状態に戻り、乾燥物を組み合わせるための「のり」として本質的に働く食用結合組成物を指す。
【0029】
タンパク質粉末および任意の他の乾燥物を、結合剤によって単位構造として相互連結し、結合することができるように、十分な結合剤を使用すべきである。結合剤系は、好ましくは炭水化物系結合剤を含む。炭水化物系結合剤は、例えばトウモロコシシロップ、高果糖コーンシロップ、コメシロップ、液体ショ糖、糖蜜、蜂蜜、その組合せなどの1つまたは複数など炭水化物シロップ組成物を含むことができる。糖シロップが特に有用である。一実施形態では、バーのコア成分の全重量の約16重量%から約36重量%を、主なまたは本質的に単一の結合剤材料として炭水化物系シロップで構成することができる。結合剤系は、植物油など、この目的に適した脂肪および/または油も含むことができる。他の結合材料には、糖アルコール、ゼラチン、加水分解コラーゲン、繊維(例えば、ポリデキストロース)、卵固形物など、およびその組合せが含まれ得る。乾燥デンプン粉末などのデンプン質粉末は、少なくとも一部は結合剤材料として使用することもできる。乾燥デンプン粉末などのデンプン質粉末は、少なくとも一部は結合剤材料として使用することもできる。シロップ組成物は、ゼラチン、水、脂肪、シロップ、および砂糖からなるゼラチンマトリックスとすることもできる。大豆製品など他の材料と混合する場合、結合剤はタンパク質の供給源でもあり得る。多価アルコール、すなわち糖アルコールも、結合剤系に含めることができる。糖アルコールには、例えばグリセリン、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、およびキシリトールなど、ならびにその組合せ)が含まれる。糖アルコールを、無糖甘味料および/または保湿剤として使用することもできる。シロップ組成物は、ゼラチン、水、脂肪、シロップ、および砂糖からなるゼラチンマトリックスとすることもできる。大豆製品など他の材料と混合する場合、結合剤はタンパク質の供給源とすることもできる。
【0030】
結合剤系を流動性にするために、好ましくはタンパク質ブレンドまたは系と組み合わせる前に結合剤を流動性にするのに適切な温度に前加熱することができる。結合剤をタンパク質系と組み合わせた後、組合せを一緒にブレンドして、結合剤、ならびに乾燥物および他の材料を分散させて、実質的に均一な混合物を形成する。次いで、得られた混合物を続いて所望の形状に形成または造形し、かつ/または他のバー成分と組み合わせる。
【0031】
結合剤は、好ましくはタンパク質粉末または他の乾燥物と混じり合い、容易にそれを被覆するように十分に低い粘度を有する。結合剤の含水率は、一般に約1%から約60%、具体的には約5%から40%、さらに具体的には約10%から20%である。
【0032】
結合剤を、混合物用の媒体として、高繊維カラメル組成物やそれに付加された任意のコンパウンドコーティングなどのコア成分マトリックス全体に添加剤を分散させるための担体として、ならびにビタミン、鉱物と多量要素、風味料、および着色料など、液体可溶性または液体分散性の食品バー添加剤として使用することもできる。
【0033】
コンパウンドコーティング
コンパウンドコーティングは、通常は脂肪源を含む。特定の実施形態では、コンパウンドコーティングは、チョコレートまたはミルクチョコレートを含む。要求されていないが、ピーナッツバター、バニラ、ミルク、およびチョコレート風味料など、およびその組合せなど、1つまたは複数の風味料も、通常はコンパウンドコーティングに含まれる。コア構造に完全にまたは部分的にコーティングを施し、それを被包し、被覆することなどに有用な方式で、タンパク質含有コア成分単独またはそれを組み込む多層アセンブリとすることができるコア構造の曝露面にコンパウンドコーティングを施す。多層コアアセンブリは、例えばタンパク質含有コア成分、およびカラメル層、クリーム状乳層、果物層など1つまたは複数の多様な補助コア成分の積重ねアセンブリを含むことができる。コンパウンドコーティングは、熱を加えることにより流動性になって、室温または冷温で固化するコーティング組成物を得ることができるチョコレート含有組成物とすることができる。タンパク質含有コアを含むコア構造を加熱されたコンパウンドコーティング浴に浸漬し、次いで被覆構造を、コア構造の適切な位置にコンパウンドコーティングを固化させるのに十分な程度に冷却することによってコンパウンドコーティングを施すことができる。
【0034】
さらに貯蔵寿命を向上し、風味を改善するために、場合によってはコンパウンドコーティングの一部分を、混合する前にタンパク質含有コア成分に含めることができる(例えば、1〜25%)。コンパウンドコーティングは、その水和を遅延させる疎水性脂肪バリアとしてタンパク質を被覆すると思われる脂肪源を含有する。コンパウンドコーティングは、タンパク質ブレンドの一部分および/または他のタンパク質源を含有することもできる。例えば、コンパウンドコーティングは、約16から約24重量%の本明細書に記載するタンパク質ブレンドを含むことができる。本明細書では、用語「脂肪源」は、用語「脂質」と同義である。脂肪源の適切な供給源には、植物、乳、動物、および/または海産脂肪源が含まれる。本明細書では、食品、具体的には糖菓で通常使用される油脂が有用である。本明細書では、油や固形脂肪などの脂肪酸トリグリセリド、およびそのブレンドを使用することができる。特に有用な油には、例えばパーム核油、パーム油、カノーラ油、トウモロコシ油、サフラワー油、大豆油、ヤシ油、綿実油などの非水素化油および/または部分水素化油、分別パーム核油などの分別油が含まれる。室温を超える融点を有する油は、一般に加工するのにより好都合である。しかし、室温でのバター、ショートニング、または他の固形脂肪を使用することもできるが、通常は加工中に流動性および分散性にするのに十分な加熱が必要である。乳脂肪源として、無水乳脂肪、乳濃縮物、または粉乳を使用することができる。脂肪源には、チョコレート、カカオバター、およびココナッツなど、ならびにその組合せなどの風味料成分も含まれる。動物(例えば、ラード、牛脂)および海産(例えば、魚油)脂肪源は一般にあまり望ましくないが、使用してもよい。部分消化性および非消化性合成トリグリセリド、また天然脂質も場合によっては使用してよい。コンパウンドコーティングは、一般に約25から約38重量%、具体的には約28から約34重量%の全脂肪源内容物を含有する。
【0035】
コンパウンドコーティングは、本明細書で先に記載するものなどの結合剤、風味料材料(チョコレート、ココアパウダー、バニラなど)、安定剤(例えば、レシチン)、甘味料(例えば、天然および/または人工砂糖)、他の添加物なども含むことができる。糖菓コンパウンドコーティングで一般的に使用される他の添加剤および加工助剤も使用することができる。
【0036】
オプションの成分および添加剤
先に示唆したように、タンパク質含有コア成分に加えて、場合によっては多様な補助コア成分を食品バーまたは他の食品に含むことができる。多様な補助成分は、カラメル層、果物層、クリーム状乳層、ピーナッツバター層、チョコレート層、フロスティング層、蜂蜜層、ヨーグルト層、および/またはゼラチン層の1つまたは複数を含むことができる。これは、単一または多重の質感付きとすることができる。補助コア層は、任意のタイプの添加剤、他の添加物などを含めて、任意の他の適切な食品または食品の組合せで作製することもできる。例えば、カラメル層または成分が含まれる場合は、これらは従来のカラメルまたは同様な糖菓材料を含むことができる。例えば、カラメルは、炭水化物と脂肪源のカラメル化プレミックスから主になる。カラメルは、少なくとも1つの脂肪源と少なくとも1つの炭水化物源を混合して、カラメルプレミックスを生成することによって作製することができる。特定のカラメルプレミックス組成物は、カラメルプレミックス中に約5重量%から約15重量%の植物性脂肪、より好ましくは約7重量%から約14重量%、最も好ましくは約10重量%から約13重量%の植物性脂肪を含む。カラメルプレミックス用の好ましい炭水化物は、トウモロコシシロップである。カラメルプレミックス中のトウモロコシシロップは、カラメルプレミックス中に好ましくは約25重量%から約60重量%、より好ましくは約35重量%から約50重量%、最も好ましくは約40重量%から約48重量%の範囲のトウモロコシシロップが存在する。このような用途向けに使用するカラメルは、具体的にはトウモロコシシロップ、スキムミルク、砂糖、部分水素化された綿実油およびパーム油、バター、ミルクタンパク質、塩、ならびに乳化剤から作製することができる。
【0037】
一実施形態では、次いで任意の適切な手段、例えば表面かき取り式熱交換器またはジャケット付き混合ケトルを使用して、カラメル混合物を調理して、粘度約700,000から約1,600,000cps、含水率約7重量%から約15重量%、さらに具体的には約10重量%から約13重量%、最も具体的には約11重量%から約12重量%、水分活性約0.45から約0.65、さらに具体的には約0.5から約0.6、最も具体的には約0.51から約0.58のカラメル組成物を形成する。従来のカラメル調製と同様に、用いる実調理時間は、カラメルの風味、色、および質感に影響を与え、したがって必要に応じてそれを監視し、調整する。カラメル組成物を約65℃未満の温度などに冷却する。カラメル成分を調製する際、カラメル組成物をシートまたは層に形成する。コーティングを施す組成物など、シートまたは層にされないカラメル組成物の他の部分を、食品バーのタンパク質含有コア成分の材料、および/または他の材料もしくは他の層として場合によっては直接使用することができる。
【0038】
同様に、コーティングを施す組成物など、カラメル層に加えてまたはその代わりに使用するためにクリーム状乳層、果物層、および/または他の補助コア層を形成する際に使用する組成物の一部分を、食品バーのタンパク質含有コア成分の別の材料および/または他の層として場合によっては使用することができる。
【0039】
コア成分、コンパウンドコーティング、および任意のカラメル層、ならびに/または他の補助コア成分もしくは層は独立に、糖菓技術分野で一般的に使用される他の添加剤も含むことができる。例えば、例えば塩、スパイス、ハーブ、バニラ、ココア、チョコレート、シナモン、チーズ固形物、果物顆粒、ナッツ、種、キャンディー、ココナッツなどの食品風味料添加物を食品バーの1つまたは複数の成分層に添加することができる。安定剤、防腐剤、食物繊維源、甘味料、栄養素、酸化防止剤、賦形剤など、他の添加剤も食品バーの成分の1つまたは複数に含めることができる。不快な風味をもたらさず、あるいはバーの質感もしくは水分活性特性、または加工性に悪影響を与えない程度に、このような添加剤を含めることができる。一般に、このような添加剤をシリアルバーマトリックスの約5パーセント未満のレベルで添加する。
【0040】
例えば、貯蔵寿命を向上させるために、少量の乳固形物を含めることができる。無脂肪ドライミルクなどの乳固形物をシリアルマトリックスの配合に約0.1から約3重量%の量で含めることができる。シリアルマトリックスの質感および稠性を調整するために、大豆レシチンを含むことができる。炭酸カルシウムなどの賦形剤を使用することができる。ソルバート、ベンゾアートなどの防腐剤を含むことができる。天然および/または人工甘味料を添加することができる。
【0041】
本明細書では、用語「風味」または「風味料」は、乳濁液、濃縮物、水性もしくは油溶性の液体、または乾燥粉末、ならびに加工の任意の時間に混合物に添加することができる任意のタイプの1つまたは複数の塊片の形の感覚受容性物質を指す。風味料には、ナッツ、ナッツ断片、新鮮果物、乾燥果物、果物製品、種、キャンディー、マシュマロ、チョコレート、およびチョコレート製品などが含まれる。ナッツ風味料には、ピーナッツ風味料が含まれる。風味料には、さらにベリー風味、リンゴ、チェリー、プラム、レーズン、バナナ、梨、桃、イチジク、デーツなど、任意の果物風味が含まれる。風味料には、脂肪、塩、蜂蜜、チーズ、フロスティング、粉末化食品、砂糖、砂糖代替物、ゼラチン、およびスパイスも含まれ得る。風味料には、着色料、ならびにチョコレート、バニラ、ピーナッツバター、カラメル、バタースコッチ、レモン、麦芽、シナモン、グラハム、ココナッツ風味、ミントなど、任意のナッツ風味料および任意のスイート風味料も含まれ得る。風味料には、さらにすべての乳、スモーク、ペパー、スパイシー、および野菜風味など、任意の良好な風味が含まれる。
【0042】
着色剤には、色効果のため天然源からの天然色素もしくは認証されていない色素、または認証されている色素が含まれる。一実施形態では、色素には、染料、認証されているアルミニウムレーキ、または天然源由来の色素が含まれる。着色剤は、水系もしくは油系、または乾燥したものとすることもできる。着色剤は、原色素、色素のブレンド、またはコンフェティなど、別々の色素混合物とすることができる。
【0043】
食品バーの様々な成分および層は、食品バーのために設定されたカロリーターゲットまたは制限と一致するのを妨げる量で存在しない程度に天然または人工甘味料を含むことができる。甘味料は、1つまたは複数の砂糖とすることができる。本明細書では、用語「砂糖」は、グルコースやフルクトースなど任意の単糖類、ラクトース、スクロース、またはマルトースなどの二糖類、デンプンなどの多糖、オリゴ糖、糖アルコール、あるいはデンプン系、植物系、または海草系であるガムなど他の炭水化物の形を含めて、実質的にすべての糖および糖代替物を指す。本明細書では、用語「甘味料」は、本明細書に定義するように「炭水化物」系である本質的にすべての甘味料を指し、さらに上記の「添加剤」で上記に定義するように「非栄養性」である甘味料を包含する。人工甘味料は、例えばアスパルテーム、サッカリン、スクラロース、アセスルファムKなど、およびその組合せから選択することができる。
【0044】
食物繊維源を、本発明の食品の1つまたは複数の成分に含めることができる。これらの食物繊維は、例えばオリゴ糖、サイリウム、βグルカン、オートブラン、オートグロート、ペクチン、カラゲナン、グアー、イナゴマメガム、アラビアゴム、およびキサンタンガムなど、またはその組合せの1つまたは複数から選択された水溶性食物繊維を含むことができる。本発明の別の特徴として、本発明の生地配合物中で低レベルの不溶性繊維(大豆および/またはオート)を使用して、生地質感を調整することができる。
【0045】
他の食用添加剤には、強化成分などが含まれる。ビタミン、鉱物、酸化防止剤、アミノ酸、精油、ハーバル、およびポリフェノールは、強化成分の非限定的な例である。好ましいビタミンは、例えばビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、およびその誘導体、ならびに/またはプロビタミンである。好ましいビタミンには、例えばビオチン、葉酸、ナイアシン、ナイアシンアミド、パントテナート、塩酸ピリドキシン、リボフラビン、塩酸チアミンなど、ビタミンB類も含まれる。鉱物には、臭素、カルシウム、クロム、銅、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、ホスファート、リン、カリウム、セレン、ナトリウム、硫黄、および亜鉛が含まれ得るが、これらに限定されない。アミノ酸には、例えばアルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、セリン、チロシン、クレアチンなどが含まれる。さらに、植物化学品、ステロール、リコピン;人参、ガラナ、イエルバマテなどのハーバルサプリメントを含めることができる。
【0046】
他の添加物を調製して、パリパリした食感を得ることができる。他の添加物は、少なくとも1つの生理機能成分を有し、例えば脂肪系の他の添加物、炭水化物系の他の添加物、タンパク質系の他の添加物などとすることができる。脂肪系の他の添加物は、連続相として脂肪を有することを特徴とする。脂肪系の他の添加物の非限定的な例としては、チョコレート、ピーナッツバター、脂肪代用物などが挙げられる。好ましい脂肪系の他の添加物は、チョコレートチップ、ピーナッツバターチップ、およびその組合せである。非限定的な例としては、ホエータンパク質、大豆タンパク質、ミルクタンパク質、卵タンパク質、ピーナッツ粉、堅果の仁、植物タンパク質、カゼイン、およびその組合せが挙げられる。炭水化物の他の添加物の例としては、デンプン、砂糖、ゲル、およびその組合せが挙げられる。さらに、炭水化物系の他の添加物は、好ましくはパニングした他の添加物、押出ゲル断片、脆い炭水化物断片、砂糖ビット、押出穀物粉断片、およびその組合せである。他の添加物は、例えばアグロメレート、カプセル、材料の集成、チャンク、ビット、ドロップ、ストランド、ストリングなどとすることができる。これらは、他の添加物の平均粒径が約1mmから約13mmである限り、様々な形状を取ることができる。好ましい平均粒径は約1mmから約6mmである。さらに、本発明の他の添加物は相互に異なってもよいことが考えられる。すなわち、必ずしも他の添加物は同じでない。例えば、食品バーは、場合によっては脂肪系の他の添加物である他の添加物、および炭水化物系の他の添加物である他の添加物を含有することができる。
【0047】
食品バー
本発明の食品バーは、28gのサービング当たり、少なくとも約5gのタンパク質、具体的には少なくとも約7gのタンパク質を送達するように調製することができる。別の特定の実施形態では、食品バーは、28gのサービング当たり、食品バーの全飽和脂肪含有量が約3gを超えない、具体的には約2.5gを超えないように調製することができる。具体的には、所与の成分および全体としてのバー中に全糖アルコール内容物を約20重量%未満、具体的には約15重量%未満しか含有しないように食品バーを調製する。完成した食品バーは、食品バーの全重量に対して例えば約75重量%から約95重量%、具体的には約85重量%から約92重量%の固形分レベルを有するように調製することができる。完成した食品バー全体にわたる水分含有量および分布は、通常は室温で生産した後数日以内に実質的に平衡になる。
【0048】
方法および装置
図5を参照して、本発明の実施形態による食品バーを作製するための例示的非限定的な方法500を示す。
【0049】
多数の方法および装置を使用して、タンパク質含有コア成分、カラメル成分、およびコンパウンドコーティングを構築するために使用する様々な成分および中間体を混合または組み合わせることができる。一般に、高せん断を回避し、最小限の熱エネルギーしか付与しない混合装置が満足に混合物を形成することができる限り、ミキサーを使用することができる。このような混合装置のサンプリングには、例えば混合ケトルおよび容器が含まれるが、これらに限定されず、押出機、パドルミキサー、リボンブレンダー、混合パン、プロセッサー、Zブレード型ミキサー、生地ミキサー、遊星形ミキサーなどをすべて使用することができる。
【0050】
様々なスナックバーのアセンブリ方法および装置を使用して、食品バーを形成することができる。例えば、その材料の混合物を調製し、次いでシートに形成することによってコア成分を形成することができる。特定の実施形態では、シートを圧縮形成する。圧縮は、プレミックスした成分コア材料を、平らにした表面に延展し、上から圧縮を加えることによって適用することができる。この点に関して、任意の好都合で適切な圧縮手段は、型、圧力盤、圧縮ロールもしくはローラー、またはコンベヤーベルトなどによって使用することができる。圧縮処理によって、コア成分の密度が先に示唆した範囲の値などに上がる。シーティングは、その大豆断片成分を著しく押し砕くことなしに、コア成分混合物を実質的に均一な厚さの層に変形させるのに有効なニップ圧力を生成するように操作される圧縮ローラーを使用して形成することができる。この点に関して、Sollichバー作製装置など、市販のバー作製装置を使用することができる。成形操作を用いることによって、個別のコア成分断片も作製することができる。成形用ロールを使用して、別々のコア成分断片を生成することもできる。押出機を使用して、コア成分を造形ダイに通して押し出すこともできる。コア成分シートを冷却する。コア成分シーティングおよび別のカラメルシーティングを冷却して、その形状を固化し、または次の単位操作用の成分を調製することができる。通常は、冷却トンネルなどの密閉チャンバにおいて冷却を行う。
【0051】
カラメルコーティングを別のミキサーで調製する。一実施形態では、シート形成もする。これは、チルドローラー、またはカラメル層を形成するのに糖菓技術分野で使用されている他の設備を用いて単独の操作で行うことができる。次いで、コア成分をカラメル成分で構築し、すなわち積み重ね、得られたアセンブリをバー形状に裁断する。例えばスリッター、裁断機、ワイヤカッター、成形用ロール、押出機、スタンパー、成形機など、裁断装置を使用して、コア成分/カラメル成分の多重シーティングアセンブリを別々の断片に裁断するのに使用することができる一方法を使用することができる。
【0052】
次いで、コア成分/カラメル成分アセンブリの裁断された別々の断片は、コーティングを施され、またはその他の方法でコンパウンドコーティングを受け、その表面部分上で完全なまたは部分的な被覆をし、続いてさらに冷却する。これらの一連の加工ステップは、一般に従来の糖菓加工技法および装置を採用することにより実施することができる。コンパウンドコーティングの適用は、コーティングの実施、ドリズリング、パニング、押出、噴霧、析出など任意の好都合な方式で行うことができ、流動性のコンパウンドコーティング材料を塗布するために任意の他の適切な技法を使用することができる。
【0053】
場合によっては、追加の加工ステップを組み込むことができる。例えば、固形成分をロースティングステップにかけて、風味ノートを発現させ、または付与することができる。これは、グラノーラ、穀物、ナッツ、またはクリスプを配合物で使用する場合に特に真である。ロースティングは、対流式オーブン、強制空気衝突オーブン、誘電式オーブン、マイクロ波オーブン、輻射式オーブンなどのオーブンで行う。オーブン中の温度および時間は、処理する成分に大いに依存する。また、図1は長方形状食品バーを示すが、本明細書に記載する結合タンパク質ブレンドをコア成分または他の層に含む、別々の星形、円形、正方形などの形状のウエハなど他の幾何学的形状も、所望の形状を被覆シーティングから打ち抜く、あるいは所望の断面形状で形成された押出物を横断スライシングするなどによって作製することができる。
【0054】
包装
食品バーを任意の適切な方式で包装することができる。一実施形態では、バーは当技術分野で知られている従来の金属化軟質フィルムや箔などで個別にラップし、この一般的な目的のために使用する。個別にラップした食品バーを第2の容器で包装することができ、あるいは複数のラップしたバーを共通の第2の容器またはカートンもしくは袋で包装することができる。
【0055】
下記の実施例は、本発明による実施形態をさらに説明するものであって、限定するものではない。本明細書で使用し記載する百分率、比、部、および量はすべて、別段の指示のない限り重量による。
【0056】
(実施例)
【実施例1】
【0057】
三重層構成タンパク質バーを調製した。材料とその比率を表1に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
コア層材料を混合する前に、部分加水分解大豆タンパク質単離物、部分加水分解大豆タンパク質、部分加水分解ホエータンパク質単離物、ホエータンパク質単離物、酸カゼイン、およびカゼインカルシウムを組み合わせることによって、タンパク質ブレンドを調製した。
【0060】
上記の材料を使用して、タンパク質バーを下記の方式で調製した。タンパク質ブレンド、ピーナッツ粉、およびビタミン/鉱物を含む粉末をHobart型ミキサーでドライブレンドした。トウモロコシシロップ、グリセロール、マルチトール、油、および風味料をブレンドすることによって、液体結合剤を調製した。液体結合剤を粉末に添加し、熱なしに5クォート(4.75リットル)のHobart型ミキサー、Model N−52で、約60rpmで約2分間ブレンドした。混合物によって、温度70〜80°F(21〜27℃)の生地が得られた。生地をシート状にして、厚さ約15mmの均一な層を形成した。カラメルを120°F(49℃)に加熱し、ピーナッツとブレンドし、タンパク質層に塗布して、2層カラメルコーティング−タンパク質コア中間体構造が得られた。中間体構造を幅約30mm、長さ約87mmの別々のバーに裁断した。チョコレートコーティングを含むコンパウンドコーティングでバーにコーティングを施し、次いで冷却し、包装した。対照の三層バーも調製した。これは、加水分解タンパク質を含有せず、代わりに類似の量の未処理のタンパク質を使用した点以外は同様に調製した。
【0061】
24週間にわたって貯蔵中4週間毎に、無作為抽出した本発明および対照の包装食品バーの包装を解き、食品バーを、訓練を受けた専門家の一団によって質感および風味について評価した。8週間貯蔵し、その後、比較を行ったすべての場合において、本発明のバーは、対照バーよりしっとりして柔らかい質感、および良い風味を有すると官能試験員全員によって定性的に判断された。
【0062】
同じ一般的な方式で、追加の三重層構成食品バーを表2〜5に記載するように下記の様々な配合物を用いて調製した。これらの食品バーも、包装後少なくとも20週間まで柔らかいコアおよび新鮮な風味を有した。
【0063】
【表2】

【0064】
【表3】

【0065】
【表4】

【0066】
【表5】

【0067】
特定の方法および製品の実施形態に具体的に関連して本発明を具体的に記載したが、様々な変更、修正、および適応は、本開示に基づいているものとすることができ、下記の特許請求の範囲に定義するように本発明の趣旨および範囲内であるものとすることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態による食品バーの部分断面斜視図である。
【図2】本発明の別の実施形態による食品バーの部分断面斜視図である。
【図3】本発明の別の実施形態による食品バーの部分断面斜視図である。
【図4】本発明の別の実施形態によるスナック製品の断面図である。
【図5】本発明の実施形態による食品バーの作製方法の概略フロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分源、部分加水分解乳タンパク質、部分加水分解マメタンパク質、未処理乳タンパク質、および未処理マメタンパク質を含む食品であって、食品を苦くすることなく、部分加水分解乳タンパク質および部分加水分解マメタンパク質の代わりにそれらを未処理の形で使用する以外は同一の食品と比較し貯蔵寿命中に食品が堅くなることを低減するのに有効な全量の部分加水分解乳タンパク質および部分加水分解マメタンパク質が存在することを特徴とする食品。
【請求項2】
部分加水分解乳タンパク質が、部分加水分解ホエータンパク質および部分加水分解ミルクタンパク質の少なくとも一方を含み、部分加水分解マメタンパク質が、部分加水分解大豆タンパク質を含むことを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項3】
未処理乳タンパク質が、ホエータンパク質濃縮物、ミルクタンパク質濃縮物、ホエータンパク質単離物、およびミルクタンパク質単離物からなる群から選択され、未処理マメタンパク質が、大豆タンパク質濃縮物および大豆タンパク質単離物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項4】
部分加水分解タンパク質および未処理タンパク質が、米国篩メッシュ#100で最大マイナス10%のサイズの粉末の形であることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項5】
水分源が、食用結合剤系を含むことを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項6】
部分加水分解乳タンパク質および部分加水分解マメタンパク質の全量が、タンパク質含有成分の約1から約40重量%を構成することを特徴とする請求項5に記載の食品。
【請求項7】
水分源、部分加水分解マメタンパク質、部分加水分解乳タンパク質、未処理乳タンパク質、および未処理マメタンパク質を含有するコア成分;ならびにコア成分の少なくとも一部分を被覆するコンパウンドコーティングを含むことを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項8】
部分加水分解乳タンパク質および部分加水分解マメタンパク質が、それぞれ、約6%から約10%の加水分解度を有することを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項9】
全部分加水分解乳タンパク質および加水分解されていない全未処理乳タンパク質をそれぞれ約22から約28の比で含有し、全部分加水分解マメタンパク質および加水分解されていない全未処理マメタンパク質をそれぞれ約22から約28の比で含有することを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項10】
食品バーを含むことを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項11】
単位マトリックスとして、約1.0重量%から約8.5重量%の部分加水分解乳タンパク質、約0.5重量%から約8.5重量%の部分加水分解マメタンパク質、約55重量%から約85重量%の未処理乳タンパク質、約15重量%から約25重量%の未処理マメタンパク質、約20重量%から約30重量%の酸カゼインまたはその食用塩、および約20重量%から約40重量%の水分含有結合剤材料を含むタンパク質含有成分を含むことを特徴とする食品バー。
【請求項12】
タンパク質含有成分と接触しているカラメル成分;ならびにタンパク質含有成分およびカラメル成分の少なくとも一部分に適用されたチョコレート含有組成物をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の食品バー。
【請求項13】
部分加水分解乳タンパク質が、部分加水分解ホエータンパク質および/または部分加水分解ミルクタンパク質を含み、部分加水分解マメタンパク質が、部分加水分解大豆タンパク質を含むことを特徴とする請求項11に記載の食品バー。
【請求項14】
未処理乳タンパク質が、ホエータンパク質濃縮物、ミルクタンパク質濃縮物、ホエータンパク質単離物、およびミルクタンパク質単離物からなる群から選択され、未処理マメタンパク質が、大豆タンパク質濃縮物および大豆タンパク質単離物からなる群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の食品バー。
【請求項15】
部分加水分解タンパク質および未処理タンパク質が、米国篩メッシュ#100で最大マイナス10%のサイズの粉末の形であることを特徴とする請求項11に記載の食品バー。
【請求項16】
結合剤材料が炭水化物シロップを含むことを特徴とする請求項11に記載の食品バー。
【請求項17】
10から70gの別々の形状を含むことを特徴とする請求項11に記載の食品バー。
【請求項18】
約18重量%から約28重量%の部分加水分解乳タンパク質、
約5重量%から約15重量%の部分加水分解マメタンパク質、
約20重量%から約30重量%の未処理乳タンパク質、
約5重量%から約15重量%の未処理マメタンパク質、および
約26重量%から約36重量%の酸カゼインまたはその食用塩
を含むことを特徴とするタンパク質ブレンド。
【請求項19】
部分加水分解乳タンパク質が、部分加水分解ホエータンパク質および/または部分加水分解ミルクタンパク質を含み、部分加水分解マメタンパク質が、部分加水分解大豆タンパク質を含むことを特徴とする請求項18に記載のタンパク質ブレンド。
【請求項20】
未処理乳タンパク質が、ホエータンパク質濃縮物、ミルクタンパク質濃縮物、ホエータンパク質単離物、およびミルクタンパク質単離物からなる群から選択され、未処理マメタンパク質が、大豆タンパク質濃縮物および大豆タンパク質単離物からなる群から選択されることを特徴とする請求項18に記載のタンパク質ブレンド。
【請求項21】
部分加水分解タンパク質および未処理タンパク質が、米国篩メッシュ#100で最大マイナス10%のサイズの粉末の形であることを特徴とする請求項18に記載のタンパク質ブレンド。
【請求項22】
部分加水分解乳タンパク質および部分加水分解マメタンパク質が、それぞれ、約6%から約10%の加水分解度を有することを特徴とする請求項18に記載のタンパク質ブレンド。
【請求項23】
全部分加水分解乳タンパク質および加水分解されていない全未処理乳タンパク質をそれぞれ約22から約28の比で含有し、全部分加水分解マメタンパク質および加水分解されていない全未処理マメタンパク質をそれぞれ約22から約28の比で含有することを特徴とする請求項18に記載のタンパク質ブレンド。
【請求項24】
食品バーの作製方法であって、
(a)タンパク質含有コア成分を形成するステップであって、
(i)少なくとも結合剤、部分加水分解乳タンパク質、および部分加水分解マメタンパク質を含む材料を混合して、生地を形成し、ただし、部分加水分解乳タンパク質および部分加水分解マメタンパク質の代わりにそれらを未処理の形で使用する以外は同一のタンパク質含有成分と比較して、タンパク質含有コア成分の材料を実質的に均一な混合物にブレンドするのに必要とされる混合時間またはせん断を低減するのに有効な全量にて部分加水分解乳タンパク質および部分加水分解マメタンパク質を添加すること、
(ii)生地をシートにすること、
(iii)シート状の生地を冷却して、タンパク質含有コア成分を得ること
を含むステップと、
(b)タンパク質含有コア成分をチョコレート含有コーティング組成物で被覆して、食品バーを得るステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
カラメル層、果物層、クリーム層、ピーナッツバター層、チョコレート層、フロスティング層、蜂蜜層、ヨーグルト層、およびゼラチン層からなる群の少なくとも1つから選択された第2のコア成分を提供するステップと、タンパク質含有コア成分および第2のコア成分を組み合わせて、中間食品構造体を提供するステップと、中間食品構造体をチョコレート含有コーティング組成物で被覆するステップとをさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−267737(P2007−267737A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−82338(P2007−82338)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(501360131)クラフト・フーヅ・ホールディングス・インコーポレイテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS HOLDINGS, INC.
【住所又は居所原語表記】Three Lakes Drive, Northfield, Illinois 60093 United States of America
【Fターム(参考)】