説明

タービン動作をモデリングする方法及びシステム

【課題】タービン動作をモデリングする方法及びシステムを開示する。
【解決手段】一実施形態において、タービン動作をモデリングする方法200は、タービンの現在の性能パラメータを決定するステップ205と、タービンの現在又は未来の動作に関する、少なくとも1つの外部要因を与えるステップ210と、タービンの現在の性能パラメータと、少なくとも1つの外部要因とに少なくとも部分的に基づいて、タービンの少なくとも1つの動作特性を、予測モデルによりモデリングするステップ220と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、タービンのモデリング及び制御を行うシステムに関し、特に、タービン動作をモデリングする方法及びシステムの提供に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用及び発電用のタービンは、これらの動作を監視及び制御する制御システム(「制御装置」)を備える。これらの制御装置は、タービンの燃焼系及びタービンのその他の動作態様を制御する。本明細書では、例示目的においてガスタービンについて説明する。しかし、これらの実施形態は、他のタイプのタービンにも適用可能であり、ガスタービンのモデリング又は制御に限定されないことを理解されたい。制御装置で、タービンの動作を安全且つ効率的なものにするために、燃料流量、吸気ガイドベーン(「IGV」)、及び他の制御入力を調節するスケジューリングアルゴリズムを実行可能である。
【0003】
通常、タービンの出力(例えば、発電量)は、制御不可能な外部要因の変化によって著しく変動する可能性がある。制御不可能な外部要因とは、例えば、温度、湿度、圧力等のような周囲条件である。これらの要因は、動作効率を低下させる可能性があるが、これは、外部要因が変化すると、実際に挙動が変化する以前の所定の動作条件においてタービン性能を予測し制御することが困難になるためである。また、定量的に明らかでない機械劣化によっても、タービン性能を予測し制御することが難しくなる可能性がある。
【0004】
一例として、タービン動作の定期性能試験のみから収集した熱消費率曲線等の静的制御プロファイルを用いてタービンを比較的静的に制御すると、系統連系及び送電計画に悪影響が及ぶ可能性がある。これらの定期更新の間に、タービン性能が(例えば、劣化により)変化する可能性があり、これがスタートアップや負荷性能、動作特性に影響を及ぼす可能性がある。更に、1日のうちにこれらの外部要因に生じる変化がタービン制御プロファイルに計上されていない場合、これらの変化によってタービン動作の効率が低下する可能性がある。概して定量的に明らかでないこれらの変化を補償するために、タービン動作を非常に控えめに制御して、利用率、出力、ひいては動作効率がなるべく100%にならないようにすることが考えられる。
【0005】
従来型のスケジュールベースのタービン制御システムでは、短期的な効率低下及び/又は長期的な劣化が生じてもこれを特定しないので、定期的に再調整が必要であったり、部品劣化に先んじて対応するために動作限界を意図的に低く(又は一部の限界の必要に応じて高く)設定したり、過度の疲労や故障に繋がりかねない、動作限界を超えるリスクがあったりする。同様に、従来型のスケジュールベースのタービン制御システムでは、動作が最も効率的になるように調節するために、又は部品の動作限界を超えないようにするために、条件(例えば、ガス品質、周囲条件等)の変化に効果的に適応できないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7489990号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、タービン動作をモデリングする方法及びシステムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、上述の要求の一部又は全てに対応可能である。一実施形態により、タービン動作をモデリングする方法を提供する。本方法は、タービンの現在の性能パラメータを決定するステップと、タービンの現在又は未来の動作に関する、少なくとも1つの外部要因を与えるステップと、タービンの現在の性能パラメータと、少なくとも1つの外部要因とに少なくとも部分的に基づいて、タービンの少なくとも1つの動作特性を予測モデルによりモデリングするステップと、を含む。
【0009】
別の実施形態により、タービン動作をモデリングするシステムを提供する。本システムは、タービンと通信する少なくとも1つの制御装置を含む。この制御装置は、タービンの現在の性能パラメータを決定するステップと、タービンの現在又は未来の動作に関する、少なくとも1つの外部要因を与えるステップと、タービンのモデリングされた現在の性能パラメータと、少なくとも1つの外部要因とに少なくとも部分的に基づいて、タービンの少なくとも1つの動作特性を予測モデルによりモデリングするステップと、を実行するように構成される。
【0010】
本発明のまた別の実施形態により、タービンをモデリングする方法を提供する。本方法は、タービンの現在の動作に関連付けられた複数の動作パラメータを受信するステップと、それらの動作パラメータに少なくとも部分的に基づいて、タービンの現在の性能パラメータを主モデルによりモデリングするステップと、少なくとも1つの外部要因の決定を受信するステップと、タービンの現在の動作状態を反映する主モデルの1つ以上の出力と、少なくとも1つの外部要因とを、予測モデルへの入力として与えるステップと、タービンの現在の状態と少なくとも1つの外部要因とに少なくとも部分的に基づく、タービンの少なくとも1つの動作特性を、予測モデルによりモデリングするステップと、を含む。
【0011】
添付図面に関連する下記の記述から、本発明のその他の実施形態及び態様が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】一実施例による、タービンモデルを示すブロック図である。
【図1B】一実施例による、タービンモデルを示すブロック図である。
【図2】一実施例による、タービンをモデリングする方法を示すフローチャートである。
【図3】一実施例による、タービンをモデリングする方法を示すフローチャートである。
【図4】一実施例による、タービンをモデリング及び/又は制御する制御装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これより、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を更に詳説する。添付図面には、幾つかの実施形態を示しているが、全ての実施形態を示しているわけではない。勿論、本発明は、多数の様々に異なる形態で実施可能であり、ここに示す実施形態に限定されると解釈されるべきではない。これらの実施形態は、あくまでも本開示が法的要件を満たすように提示されたものである。全体を通して、同様の要素を同様の符号で示す。
【0014】
本発明の一実施例によると、物理学ベースのモデルを利用すること、又は(例えば、伝達関数等を)数学的にモデリングすること等により、タービン制御システムに、タービン動作挙動をモデリングするモデルの第1及び第2のインスタンスを含めることができる。第1のモデル(「主モデル」ともいう)は、タービンの挙動と、対応するタービンの動作パラメータを示すタービンの現在の性能パラメータを与える。本明細書で用いる「パラメータ」は、タービンの動作条件の定義に使用可能な項目を意味しており、例えば、タービン内の所定の場所の温度、圧力、ガス流量や、圧縮機、燃焼器、及びタービンの効率レベル等であるが、これらに限定されない。「モデル補正係数」とも称される性能パラメータは、第1又は第2のモデルを調整してタービン動作を反映させる際に用いる係数を意味する。第1のモデルへの入力を、検知又は測定によって、或いはオペレータによって行うことができる。制御システムは、現在の性能パラメータに加えて、タービンの現在の動作又はタービンの未来の動作に影響し得る外部要因に関する情報を受信、或いは取得できる。外部要因には、温度、大気圧、湿度等の周囲条件が含まれるが、これらに限定されない。そこで、これらの現在の性能パラメータ及び特定された1つ以上の外部要因を考慮に入れて、タービンの1つ以上の動作特性を特定又は予測するための第2のモデル(「二次モデル」又は「予測モデル」とも称する)を生成する。タービンの動作特性には、例えば、排気温度、タービン出力、圧縮機圧力比、熱消費率、排出量、燃料消費量、予想収益等の、実際のタービン挙動が含まれるが、これらに限定されない。したがって、この第2のモデル(予測モデル)を利用して、現在の動作とは異なる動作ポイント、目的、又は動作条件でのタービン挙動を表示又は予測できる。本明細書で用いる「モデリング」という用語は、大まかには、モデルの出力に基づいてモデリング、予測、又は表示する動作を意味する。本明細書では「第2のモデル」という用語を用いるが、場合によっては、第1のモデルと第2のモデルとの間で定式化の方法において違いがなく、「第2のモデル」が、第1のモデルを、調節されたパラメータ又は追加入力又は別の入力で動作させることを表す場合があることを理解されたい。
【0015】
したがって、外部要因又は異なる動作条件を考慮する第2のモデル(予測モデル)を利用してタービン動作挙動をモデリングすることにより、こうした様々に異なる動作条件の下で、又は考慮された外部要因を踏まえて、より効果的且つ効率的な動作が行われるように、タービン制御を調節できる。このように、本システムでは、モデリングされた挙動及び動作特性に基づく自動タービン制御が可能になる。更に、記述するモデリングシステムでは、オペレータ指定のシナリオ、入力、動作ポイント、動作目的、及び/又は動作条件を作成して、オペレータによって指定されるこれらの条件でのタービンの挙動及び動作特性を予測できる。このような仮定シナリオを予測することにより、オペレータは、より多くの情報を用いて、タービン制御及び動作決定(スケジューリング、加負荷、ターンダウン等)を行える。本明細書で用いる「動作ポイント」という用語は、大まかには、動作ポイント、条件、及び/又は目的を意味しており、限定的であることを意図していない。したがって、動作ポイントは、ベース負荷、ターンダウン点、ピーク燃焼等のような目的又はセットポイントを意味する場合もある。
【0016】
記述するタービンモデリングシステムの用例のひとつとして、最も効率的なレベルの動作を維持しながら系統連系要件を満たすようにタービン動作を調節することが含まれる。例えば、通常、発電所は周波数の混乱時も送電網を維持できなければならないという要件が、地域送電網の管轄官庁によって規定されている。混乱時に送電網を維持するためには、送電網の状態に応じて、或る条件下でタービン負荷を増やしたり減らしたりすることが必要である。例えば、混乱時に発電所に期待されるのは、発電量を(例えば2%)増やして、他の供給不足を補償することである。したがって、タービン動作では、典型的には、(予備マージンとも称される)余裕のある出力レベルでのタービン動作を行えるようにベース負荷ポイントを制約することにより、過燃焼に関連する保守要因を追加することなく必要に応じて負荷を増やせるようにする。一例として、予備マージンは通常、ベース負荷の98%であってよく、これによって、ベース負荷の100%を超えることなく負荷を増やして送電網要件に対応できる(例えば、2%増やす)。しかし、温度、湿度、又は圧力のような外部要因が、タービンの効率に悪影響を及ぼす可能性がある。日中の気温が上昇すると、タービンは、その必要とされる2%の予備を持てなくなる可能性があるが、これは、気温の上昇によってタービンの動作効率が低下して、当初計画された100%の負荷にタービンが到達できないためである。これを補償するために、従来の熱消費率曲線では、機械の効率低下の可能性(例えば、96%等)を踏まえて、終日にわたりタービンの動作効率を高める。一方、本明細書に記載のタービンモデリングシステムでは、現在の外部要因(例えば、温度、湿度、圧力等)に従ってタービン挙動を実時間でモデリングすることによって、現在の周囲条件に対して最も効率が良くなるようにタービン動作を制御できる。同様に、未来のタービン挙動を予測することもできる。例えば、日中の気温変動に対応するタービン挙動を予測して、最も効率的且つ最も経済的に実行可能な動作が得られるようにタービン動作の計画を立てることができる。
【0017】
別の例として、発電所は、典型的には、夜間にタービンを停止するか、単に出力レベルを下げるか(例えば、ターンダウンするか)の決定を行う。排出量、排気温度等のタービンの動作特性が、この決定に影響する。本明細書に記載のタービンモデリングシステムを利用すると、よりインテリジェントベースの決定を、事前に、実時間で、或いは近実時間で行える。例えば、外部要因及び/又は予想されるタービン動作ポイントを第2のモデルに与え、タービンの動作特性をどのようにするかを決定できる。そして、モデリングされた特性を利用し、これらの特性(例えば、効率、排出量、コスト等)を考慮して、タービンを停止するか、ターンダウンするかを決定できる。
【0018】
また別の例として、タービンモデリングシステムを利用して、所定の時刻にタービンの保守を実施する効果を評価できる。例えば、本タービンモデリングシステムを利用することにより、タービンの現在の性能パラメータに少なくとも部分的に基づいて、現在の能力におけるタービンの動作特性をモデリングできる。そして、保守を実施した場合のタービンの動作特性(例えば、性能パラメータ値の向上)をモデリングする、オペレータ指定のシナリオを生成できる。例えば、タービンが経時劣化すると、性能パラメータに機械の劣化が反映される。場合によっては、保守の実施によって、それらの性能パラメータ、ひいてはタービンの動作特性の改善が可能である。改善後の動作特性をモデリング又は予測することにより、保守の実施によって得られる(モデリングシステムによって予測される)効果をコストと比較した、費用対効果解析を行える。
【0019】
本明細書に記載のタービンモデリングシステムは、様々な状況に適用可能であること、並びに、上記の例及び技術的効果は例示を目的として提示されたにすぎず、限定を意図していないことを理解されたい。
【0020】
以下、図1〜4を参照しながら、実施例を説明する。
【0021】
図1Aは、一実施形態による、タービン動作挙動をモデリングするように動作可能な、例示的なシステム100を示す。本実施形態によると、本モデリングシステムによるモデリングの対象として、少なくとも1つのタービン105が与えられる。一実施形態において、タービン105は、圧縮機及び燃焼器を有するガスタービンである。圧縮機の吸気ダクトから、周囲空気及び場合によっては注入水が、圧縮機に供給される。吸気ダクトは、例えば、ダクト、フィルタ、スクリーン、及びサウンドアブゾーバを有するが、これらは、圧縮機の吸気ダクトから吸気ガイドベーンに流れる周囲空気の圧力を低下させる。タービン105の排気ダクトにより、燃焼ガスが、タービン105の出口から、例えば排出制御装置及びサウンドアブゾーバへと導かれる。吸気ダクト及び排気ダクトへの部品の追加や、例えば塵や汚れによる吸気ダクト及び排気ダクトの目詰まりによって、吸気口の圧力低下や背圧の程度が経時変化することがある。タービン105は、電力を生成する発電機を駆動させる。
【0022】
タービン105の動作は、タービン105の1つ以上の観測可能な条件、即ち動作パラメータ又は性能パラメータを検出する1つ以上のセンサにより、監視可能である。また、周囲環境等の外部要因を1つ以上のセンサで測定してもよい。多くの場合は、2つ又は3つの冗長化されたセンサで同じ測定対象条件を測定する。例えば、複数のグループの冗長化された温度センサで、タービン105を取り巻く周囲温度、圧縮機の吐出温度、タービンの排気ガス温度、及びその他のタービン105内の温度測定値を監視する。同様に、複数のグループの冗長化された圧力センサで、周囲圧力や、圧縮機の吸気口及び排気口、タービンの排気装置、並びにタービン内のその他の場所における静的及び動的な圧力レベルを監視してもよい。複数のグループの冗長化された湿度センサ(例えば、湿球及び乾球温度計)が、圧縮機の吸気ダクトにおける周囲湿度を測定する。また、複数のグループの冗長化されたセンサには、タービン105の動作に関係する様々なパラメータを検知する流量センサ、速度センサ、火炎検出センサ、バルブ位置センサ、ガイドベーン角度センサ等が含まれる。
【0023】
本明細書で用いる「パラメータ」(「性能パラメータ」や「動作パラメータ」等)は、タービンの動作条件を定義するために使用可能な項目を意味している。この項目としては、例えば、温度、圧力、圧縮機の圧力比、タービン内の指定場所でのガス流量、負荷セットポイント、燃焼温度、並びに、タービン又は圧縮機の劣化のレベル及び/又はタービン又は圧縮機の効率のレベルに対応する1つ以上の条件等があるが、これらに限定されない。測定されるパラメータ(検知可能であるか、直接認知可能なパラメータ)もあるが、タービンモデルにより推定され、間接的に認知されるパラメータもある。更に、仮定の又は未来の条件を表し得るパラメータや、オペレータによって与えられるパラメータもある。測定又は推定されたパラメータを用いて、所定のタービン動作状態を表すことができる。
【0024】
燃料制御システムでは、燃料供給装置から燃焼器への燃料の流れを調整できる。また、燃料制御システムでは、燃焼器用の燃料のタイプを選択できる。燃料制御システムは、独立したユニットであっても、主制御装置の一構成要素であってもよい。
【0025】
システム100は更に、1つ以上の制御装置120a、120bを含むが、これらは各々、プログラムを実行してタービンの動作を制御する1つ以上のプロセッサを有するコンピュータシステムであってよい。図1Aは、2つの制御装置120a、120bを示す。この制御装置を単一の制御装置120としてもよいが、図示のように複数の制御装置を用意して、(タービン挙動の冗長及び/又は分散モデリングを含む)冗長及び/又は分散処理を行えるようにしてもよいことを理解されたい。制御動作は、例えば、センサ入力又は人間のオペレータからの命令に依存する。制御装置120によって実行されるプログラムは、例えば、燃焼器への燃料の流れを調整したり、系統連系、ターンダウン等を管理したりするようなスケジューリングアルゴリズムを含む。制御装置120によって生成されるコマンドによって、タービン上のアクチュエータを作動させ、例えば、燃料供給装置と燃焼器との間にある、燃焼器を流れる燃料の流量、分配、及びタイプを調整する弁を、アクチュエータで調節したり、圧縮機上の吸気ガイドベーンをアクチュエータで調節したり、或いは、タービンに対するその他の制御設定をアクティブしたりできる。
【0026】
このように、第1の制御装置120a(第2の制御装置120bと同じ制御装置であっても別の制御装置であってもよい)は、タービンの現在の性能パラメータをモデリングすることを含めて、タービン105のモデリングを、第1のモデル(主モデル)110を用いて行うように動作可能である。第2の制御装置120bは、第2のモデル(予測モデル)115を用いて、様々に異なる条件下でのタービン動作特性をモデリングするように動作可能である。第1のモデル110及び第2のモデル115は、それぞれが、タービン挙動の1つ以上の数学的表現(例えば、性能パラメータや動作パラメータ等)の配列であってよい。これらの表現のそれぞれによって、入力値に応じて、モデリングされた動作パラメータ及び/又は動作特性の推定値を生成できる。場合によっては、これらの数学的表現で、測定されたパラメータ値を使用できない場合に使用可能な代理動作パラメータ値を生成できる。第1及び第2のモデル110、115は、物理学ベースの空気熱力学コンピュータモデル、回帰適合モデル、ニューラルネットモデル、遺伝的アルゴリズムモデル、又は他の任意の好適なガスタービンのコンピュータモデルに少なくとも部分的に基づく。そして、タービン105の現在の性能パラメータ及び他の任意の要因(外部要因、オペレータによって与えられるコマンド又は条件、及び/又は調節された動作状態等)に基づいてタービン動作特性を決定するための根拠及び/又は入力を、第1のモデル110を利用して第2のモデル115に与えることができる。上述のように、「第2のモデル115」は、単純に、第1のモデル110と同じモデルのインスタンスであってよいが、外部要因(例えば、温度、湿度、圧力等)のような、追加又は別の入力、別の動作ポイント、及び/又は、別の入力を踏まえて別の性能パラメータ又はタービン挙動を達成すること又はモデリングすることを考慮したインスタンスであってもよいことを理解されたい。
【0027】
別の実施形態では、タービン動作挙動をモデリングするように動作可能なシステム102に更に、オペレータによって与えられるコマンド及び入力を受け付けることと、モデリングされた挙動を提示することの両方を行うように動作可能なヒューマン・マシンインタフェース(「HMI」)125を含めることができる。HMI125は、入力を受け付けることと、オペレータに対して情報を表示、或いは(例えば、印刷、格納、再生等により)提示することと、を行うように動作可能な任意の既知のインタフェース(例えば、プロセッサベースのインタフェース)であってよい。
【0028】
図1Aを引き続き参照しながら、システムの構成要素間の相互関係について簡単に説明する。記載のように、第1のモデル(主モデル)110は、タービン105の現在の性能パラメータ130をモデリングする。これらの現在の性能パラメータ130としては、タービンの劣化のレベルに対応する条件、タービン効率のレベルに対応する条件(例えば、熱消費率や燃料対出力比)、吸気ガイドベーンの角度、燃料流量、タービンの回転速度、圧縮機の吸気口の圧力及び温度、圧縮機出口の圧力及び温度、タービンの排気温度、発電機の出力、圧縮機の空気流量、燃焼器の空燃比、燃焼温度(タービン吸気口)、燃焼器の火炎温度、燃料系の圧力比、音響特性等があるが、これらに限定されない。これらの性能パラメータ130には、タービン動作から直接測定又は検知可能なパラメータもあるが、その他の測定又は検知されたパラメータに基づいてモデリング可能なパラメータもある。性能パラメータを第1のモデル110によって与えること、且つ/又は、大まかな性能パラメータを(制御装置によって検知及び/又は測定される場合のように)制御装置によって与えることができる。
【0029】
第1のモデル110が生成されると、(このモデルによって与えられる任意のタービン挙動を参照するように意図された)性能パラメータ130が、第2のモデル(予測モデル)115を生成するために与えられる。更に、第2のモデル115の使用目的に応じて、他の変数140が第2のモデル115に与えられる。例えば、他の変数140は、温度、大気圧、湿度等のような、一般には制御不可能であって適応するしかない外部要因を含むのみであってもよい。更に、他の変数140には、制御装置によって指定されるシナリオ又は動作ポイント(例えば、制御装置120によって生成されるか、或いは与えられるタービン動作ポイント(第1のモデル110等に基づくタービン制御等))、及び測定入力(場合によっては、第1のモデル110によってモデリングされるように記載されたものと同じ測定入力の一部又は全てであってよい)が含まれる。以下で図1Bを参照して記載するように、オペレータによって与えられるシナリオ140(例えば、様々に異なるタービン動作ポイント又は条件を示す、オペレータによって与えられる1つ以上のコマンド)を、追加で、又はその代わりに、ヒューマン・マシンインタフェース125に与えられたオペレータ入力155から第2のモデル115に与えることができる。
【0030】
例えば、用法のひとつとして、外部要因や測定入力等の追加入力に基づいて現在のタービン挙動を実時間又は近実時間でモデリングしようとする場合に、他の変数140に、1つ以上の入力として第2のモデル115に与えられる、制御装置によって指定されるシナリオを含めることができる。それらの追加入力の1つ以上に加えて、制御装置によって指定される第1のモデルのシナリオを利用することにより、それらの1つ以上の追加入力を考慮に入れて、第2のモデル115から、タービン105の予想実時間挙動をモデリングできる。更に、これを利用して、タービン105を制御したり、第2のモデル115から第1のモデル110に与えられる制御プロファイル入力160で第1のモデル110を調節したりもできる。
【0031】
別の用法として、図1Bに示すように、現在の条件とは異なる条件下で未来のタービン挙動をモデリング又は予測しようとする場合に、オペレータ指定のシナリオ145を、1つ以上の入力として、HMI125から第2のモデル(予測モデル)115に与えることができる。例えば、別の動作ポイント(例えば、異なる負荷、異なる排出量、異なる効率等)でタービン105を運転するシナリオを生成するコマンドを、オペレータがHMI125に与えてもよい。具体例を挙げると、翌日(又はその他未来の時間枠)において予想される条件(周囲条件や需要要件等)を表す動作条件セットを、オペレータ指定のシナリオ145から準備して、これを第2のモデル115で用い、その後の日に予想されるタービン105の動作のタービン動作特性165を生成できる。オペレータが指定したシナリオの下で第2のモデル115が実行されると、モデリングされた動作特性165は、ベース負荷出力能力、ピーク出力能力、最小ターンダウン点、排出量レベル、熱消費率等であるが、これらに限定されないタービン挙動を表す。これらのモデリング又は予測された動作特性165は、翌日の需要プランを検討する場合のように、発電レベルを検討及び明示する場合に有用である。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態を実施可能な、例示的方法200を示す。タービンをモデリングするシステムの基本動作のフローチャートの一例が図示されているが、この動作は、図1A〜1Bを参照して説明したような1つ以上の制御装置によって実行される。
【0033】
方法200は、制御装置が、第1のモデル(主モデル)から、タービンの現在の動作に基づいてタービンの1つ以上の現在の性能パラメータをモデリングする、ブロック205から始まる。現在のタービン動作の第1のモデルを生成するにあたり、制御装置は、このモデルへの入力として、タービンの現在の動作を表す1つ以上の動作パラメータを受信する。上述のように、これらの動作パラメータは、検知又は測定が可能であり、且つ/又は、検知できない場合等には、モデリングすることが可能である。現在の性能パラメータには、上述のように、現在のタービン動作を表す任意のパラメータが含まれる。
【0034】
本明細書で開示される方法及びシステムは、動作パラメータが測定されるかモデリングされるか、ということには直接依存しないことを理解されたい。しかし、例示目的において、動作パラメータをモデリングする方法及びシステムについて、大まかに説明する。制御装置には、例えば、生成されたガスタービンのモデルを含めることができる。このモデルは、動作パラメータの1つ以上の機械的表現の配列であってよい。これらの表現のそれぞれは、入力値に応じたものであってよく、これらの表現から、モデリングされた動作パラメータの推定値を生成できる。これらの数学的表現からは、測定されたパラメータ値が使用できない場合に使用可能な、代理動作パラメータ値を生成できる。
【0035】
ブロック205に次いで、ブロック210では、制御装置が、現在及び/又は未来のタービン動作に影響を及ぼし得る1つ以上の外部要因を受信或いは決定する。上述のように、これらの外部要因は通常、(制御不可能でなくてもよいが)制御不可能なので、これらの外部要因の影響を第2のモデルに組み込むことは、所望のタービン制御プロファイル及び/又は動作挙動を生成する上で有用である。外部要因としては、タービン動作挙動に影響を及ぼし得る、タービンを取り巻く温度、湿度、又は大気圧、並びに、燃料の組成及び/又は供給圧等があるが、これらに限定されない。これらの外部要因は、測定又は検知が可能、且つ/又は、(オペレータが、仮定シナリオ又は未来の条件に基づいて挙動の予測を要求する場合等のように)オペレータの手動による推定又は条件付けが可能、且つ/又は、第三者的な情報源(例えば、気象情報サービス等)からの供給が可能である。
【0036】
ブロック210に次いで、ブロック215では、制御装置が、調節された動作ポイント及び/又は他の変数を受信して、現在のタービン条件とは異なる条件でのタービン挙動を予測する。調節された動作ポイントには、例えば、予備マージン(例えば、ベース負荷の98%)でタービンをモデリングする場合や、ピーク負荷時又はターンダウン中にタービンをモデリングする場合のように、所望の出力レベルの特定を含むが、これに限定されない。動作ポイントには更に、動作限界を含めることができる。動作限界には、例えば、高温部の耐久性(燃焼温度)、排気フレームの耐久性、NOx排出量、CO排出量、燃焼器の希薄吹消え、燃焼ダイナミクス、圧縮機のサージ、圧縮機の氷結、圧縮機の空気力学的制限、圧縮機のクリアランス、圧縮機の吐出温度等があるが、これらに限定されない。したがって、オペレータは、これらの調節された動作ポイント又は他の変数を与えることにより、タービンモデルで、タービンの動作特性を予測するための仮定シナリオを用意できる。上述のように、これは、タービンの未来の動作の制御、及び/又は未来の発電量の検討及び明示に有用である。
【0037】
ブロック215に次いで、ブロック220では、ブロック205で生成した第1のモデルに基づいて、任意で、ブロック215で用意した外部要因、及び/又は調節された動作ポイント又は他の変数に基づいて、タービンの第2のモデル(予測モデル)を生成する。したがって、この第2のモデル(予測モデル)では、これらの追加入力を踏まえて、タービンの動作挙動(例えば、性能パラメータ)を正確に表示又は予測できる。
【0038】
記載のように、ブロック225では、モデリングされた性能パラメータを利用して、現在のタービン動作の調節、未来のタービン動作の調節、及び/又はオペレータへの、モデリングされた挙動の表示を行う。したがって、現在のタービン動作を調節する場合には、タービン制御装置は、モデリングされた性能パラメータを入力として受信し、現在のタービン制御に利用される様々なセットポイント及び/又は基準を修正する等して、現在の制御モデル(例えば、第1のモデル)又は現在の制御プロファイルを変更する。この実時間又は近実時間のタービンの制御を行うのは、ブロック220で生成された第2のモデルへの入力が現在のタービン条件又は現在の外部要因を表している場合であると予想される。例えば、ブロック225での実時間又は近実時間の調節を行う可能性があるのは、第2のモデルによって表される性能特性が、現在の温度、圧力、又は湿度を考慮している場合、且つ/又は、タービンの劣化及び/又は効率をより正確に表す、タービンの動作パラメータ又は性能パラメータを考慮している場合である。図3は、任意で、オペレータ指定入力を受け付け、別の動作条件下で予測される挙動を生成できる一実施例を示す。
【0039】
ブロック220で生成されたモデルの出力の提示は、HMIを介してオペレータに対して表示又は提示することによっても可能である。例えば、ブロック215でオペレータが仮定動作シナリオを与える一実施形態では、予測されたタービン動作特性を表示して、解析を行ったり、未来の制御又は計画行動に可能性として含めることができる。この提示は、これらに限定されないが、HMI(又は他の任意のユーザインタフェース)において、グラフィックス、テキスト、及び/又は音で行える。
【0040】
このように、方法200は、ブロック225を経て、第1のモデルにより、タービンの現在の性能パラメータをモデリングし、同じタービンを、追加の外部要因、調節された動作ポイント、又は他の追加データを考慮してモデリングして、この追加データに基づいてタービン動作特性を予測した後、終了する。
【0041】
図3は、本発明の一実施形態を実施可能な、例示的な方法300を示す。タービンをモデリングするシステムの動作のフローチャートの一例が図示されているが、この動作は、図1A〜1Bを参照して説明したような1つ以上の制御装置によって実行可能である。この例によると、方法300では、システム100を使用して、オペレータが、任意で追加の変数を与えてモデリング機能を利用することにより、仮定シナリオ下でのタービン挙動を予測することができる。
【0042】
方法300は判定ブロック305から始まり、ここでは、現在のタービン動作パラメータ及び性能パラメータに従ってタービンをモデリングするかどうか、或いは、モデルを生成する際に、オペレータによって与えられるパラメータを考慮するかどうかを決定する。例えば、システム100を利用して仮定動作シナリオを予測する場合には、(モデルがタービンの基本的な動作及び挙動を既に反映しているとすれば)現在の性能パラメータは、モデルへの入力として必須でなくてもよい。したがって、判定ブロック305において、現在のパラメータを利用しないことが決定した場合、本動作はブロック310に進む。ブロック310において、オペレータは、別の動作ポイントにおける別の動作条件で(例えば、より劣化した状態、別の効率レベルで、等)タービンをモデリングできるように、様々な異なる性能パラメータを与える。一方、現在のパラメータを利用することが決定した場合は、図2のブロック205を参照して説明したように、現在の性能パラメータ及び/又は動作パラメータを利用することになり、本動作はブロック315に進む。
【0043】
ブロック315において、制御装置は、ブロック310からの、オペレータによって与えられる入力、又はタービンの現在の動作に従って、第1のモデル(主モデル)により、タービンの1つ以上の性能パラメータをモデリングする。例えば、ブロック310での、オペレータによって与えられるパラメータに少なくとも部分的に基づいてモデルが生成された場合、ブロック315で生成されたモデルは、それらの性能パラメータの下での予測タービン挙動を表す。
【0044】
ブロック315の後の判定ブロック320では、後続のモデリング(例えば、「第2のモデル」又は「予測モデル」)が現在の外部要因(現在の温度、圧力、又は湿度等)に基づくか、オペレータによって与えられる別の外部要因に基づくかを決定する。例えば、或るシナリオにおいて、制御装置で、1つ以上の現在の外部要因から成る追加データに基づいてタービン動作挙動をモデリングすることができ、これによって、現在の条件を踏まえた更なるタービン挙動予測が可能になる。一方、別のシナリオでは、制御装置を利用して、オペレータによって与えられる条件に従って、タービンを更にモデリングすることができ、これによって、様々な仮定シナリオの下でのタービン動作特性の予測が可能になる。したがって、ブロック320において、オペレータによって与えられる外部要因データをモデリング時に考慮することが決定された場合、本動作はブロック325に進む。一方、現在の外部要因を利用することが決定された場合は、本動作はブロック330に進み、現在の外部要因を利用する。
【0045】
ブロック330において、制御装置は、第2のモデル(予測モデル)の生成時に考慮する外部要因を、それらが現在の条件を表すものであれ、ブロック325でオペレータによって与えられた仮定要因を表すものであれ、受信する。ブロック330の後のブロック335〜345では、それぞれ、図2のブロック215〜225を参照して説明されたものと同じ又は同様の方法で、任意で、異なる動作ポイント又は他の変数の考慮が可能であり、受信データに基づいて予測モデルを生成し、予測挙動を表示できる。
【0046】
したがって、方法300は、ブロック345を経て、オペレータによって与えられたシナリオに任意に基づいてタービン動作挙動をモデリングした後、終了する。
【0047】
図4は、一実施例による、タービン動作のモデリングの実装に用いる、例示的な制御装置120のブロック図である。より具体的には、コンピュータ化された制御装置120の各要素を用いて、図1〜3を参照して説明したように、第1及び/又は第2のモデルを生成することが可能であり、更に、タービン制御を容易にすること、オペレータによる入力を(例えば、HMIを介して)受信すること、及び/又はモデリング出力(又は他の任意のシステム出力)を提示することが可能である。コンピュータ化された制御装置120には、プログラム化論理420(例えば、ソフトウェア)を格納するメモリ410を含めることができ、検知された動作パラメータ、モデリングされた動作パラメータ、動作限界及び動作目標、動作プロファイル等のデータ230を含めることができる。メモリ410には、オペレーティングシステム440も含めることができる。プロセッサ450で、オペレーティングシステム440を利用して、プログラム化論理420を実行し、更に、その実行時に、データ430を利用することが可能である。データバス460で、メモリ410とプロセッサ450との間の通信を行える。ユーザは、少なくとも1つのユーザインタフェース装置470、例えば、キーボード、マウス、コントロールパネル、又は他の任意の、制御装置120との間でデータをやりとりできる装置を介して、制御装置120とインタフェースすることが可能である。制御装置120は、I/Oインタフェース480を介して、動作時にオンラインのガスタービンと通信可能であり、非動作時にはオフラインのガスタービンと通信可能である。より具体的には、1つ以上の制御装置120でモデルベースの制御システムを実行できる。この実行は、例えば、動作パラメータ及び性能パラメータの検知、モデリング、及び/又は受信、現在のタービン動作を反映する第1のタービンモデルの生成、外部要因情報の検知、モデリング、及び/又は受信、追加のオペレータ入力及び変数の受信、与えられた追加データを踏まえた、タービン動作を反映する第2のタービンモデルの生成、現在又は未来のタービン動作の制御、且つ/又は、モデリングされた動作特性の提示等であるが、これらに限定されない。更に、他の外部装置又は複数の他のガスタービンがI/Oインタフェース480を介して制御装置120と通信可能であることを理解されたい。図示した実施形態では、制御装置120がガスタービンから離れて配置されているが、ガスタービンと同じ場所にあっても、ガスタービンと一体化されていてもよい。更に、制御装置120及び制御装置120によって実装されたプログラム化論理420は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。また、複数の制御装置120を用いて、本明細書に記載の別々の特徴を、1つ以上の別々の制御装置120で実行することも可能であることを理解されたい。
【0048】
したがって、本明細書に記載の実施形態により、現在の性能パラメータ及び特定された1つ以上の外部要因を考慮に入れてタービン挙動を予測することに加えて、タービンモデルを利用して、実際のタービンのタービン挙動及び対応する動作パラメータを示すことが可能になる。したがって、これらの実施形態は、現在のタービン動作とは異なる動作ポイント又は動作条件でのタービン挙動を示す又は予測する技術的効果をもたらす。更に、外部要因又は様々に異なる動作条件を考慮する第2のモデルを利用してタービン動作挙動をモデリングすることにより、それらの異なる動作条件の下で、又は考慮された外部要因を踏まえて、より効果的且つ効率的な動作が行われるようにタービン制御を調節する、更なる技術的効果が得られる。また更なる技術的効果として、モデリングされた挙動及び動作特性に少なくとも部分的に基づく自動タービン制御が可能になり、この自動タービン制御は、オペレータ指定のシナリオ、入力、動作ポイント、及び/又は動作条件を作成し、これらの、オペレータによって指定される条件でのタービン挙動及び動作特性を予測することを任意で含み得る。更に実現される技術的効果として、様々な仮定シナリオを予測できることにより、オペレータは、より多くの情報を得て、スケジューリング、加負荷、ターンダウン等の制御及び動作上の決定を下すことができる。
【0049】
本発明の実施例によるシステム、方法、装置、及びコンピュータプログラム製品の各ブロック図を参照した。これらのブロック図の各ブロック、及びこれらのブロック図におけるブロックの各組み合わせのうちの少なくとも幾つかは、それぞれ、コンピュータプログラム命令によって少なくとも部分的に実装可能であることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、専用ハードウェアベースのコンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置にロードしてマシンを形成することが可能であり、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置で実行される命令によって、上記の、ブロック図の各ブロック、又はブロック図におけるブロックの各組み合わせのうちの少なくとも幾つかの機能を実装する手段が形成されるようにマシンを形成することが可能である。
【0050】
また、これらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータ可読メモリに格納し、特定の方式で機能することをコンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置に命令することが可能である。これらのコンピュータ可読メモリに格納された各命令から、1つ以上のブロックで指定された機能を実施する命令手段を含む製品が製造される。また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置にロードすることにより、そのコンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置において実行されるべき一連の動作を生じ、コンピュータに実装された処理を実行することができる。この、コンピュータ又は他のプログラム可能装置において実行される各命令により、1つ以上のブロックで指定された機能を実施する動作が行われる。
【0051】
本明細書に記載のシステムの1つ以上の構成要素並びに同方法の1つ以上の要素を、コンピュータのオペレーティングシステム上で実行されるアプリケーションプログラムにより実施することが可能である。これらは、他のコンピュータシステム構成でも実施可能であり、例えば、ハンドヘルド装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースの(即ち、プログラム可能な)民生用電子機器、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ等でも実施可能である。
【0052】
本明細書に記載のシステム及び方法の構成要素であるアプリケーションプログラムは、特定の抽象データ型を実装し、特定のタスク又はアクションを実行するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造体等を含み得る。分散コンピューティング環境では、アプリケーションプログラムは、(全体として、又は部分的に)ローカルメモリ、又は他の記憶装置に配置可能である。これに加えて、又は代替として、アプリケーションプログラムは、通信ネットワークでリンクされたリモート処理装置でタスクが実行される状況を考慮して、(全体として、又は部分的に)リモートメモリ又は記憶装置に配置可能である。
【0053】
以上の説明及び関連図面に提示した教示内容の利点を備えた、本明細書で示した実施例の多くの改変形態及びその他の実施形態が、当業者には想到可能であろう。したがって、本発明は多くの形態で実施可能であり、上述の実施例に限定されるべきではないことが理解されよう。このように、開示した具体的な実施形態に本発明が限定されることはなく、その改変形態及びその他の実施形態も、添付の特許請求の範囲内に含まれることを意図している。本明細書では、具体的な用語を使用しているが、これらは包括的な意味において記述目的で用いられているにすぎず、限定目的で用いられているのではない。
【符号の説明】
【0054】
100 システム
102 システム
105 タービン
110 第1のモデル/主モデル
115 第2のモデル/予測モデル
120 制御装置
120a 制御装置
120b 制御装置
125 ヒューマン・マシンインタフェース
130 性能パラメータ
140 変数
145 オペレータ指定のシナリオ
155 オペレータ入力
160 制御プロファイル入力
165 動作特性
200 方法
205 ブロック
210 ブロック
215 ブロック
220 ブロック
225 ブロック
230 データ
300 方法
305 ブロック
310 ブロック
315 ブロック
320 ブロック
325 ブロック
330 ブロック
335 ブロック
340 ブロック
345 ブロック
410 メモリ
420 プログラム化論理
430 データ
440 オペレーティングシステム
450 プロセッサ
460 データバス
470 ユーザインタフェース装置
480 I/Oインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン動作をモデリングする方法であって、
タービン(105)の現在の性能パラメータ(130)を決定するステップ(205)と、
前記タービン(105)の現在又は未来の動作に関する、少なくとも1つの外部要因(140)を与えるステップ(210)と、
前記タービン(105)の前記現在の性能パラメータ(130)と、前記少なくとも1つの外部要因(140)とに少なくとも部分的に基づいて、前記タービン(105)の少なくとも1つの動作特性(165)を、予測モデル(115)によりモデリングするステップ(220)と、を含む方法。
【請求項2】
前記タービン(105)の前記現在の性能パラメータ(130)を決定する前記ステップは、前記タービン(105)の前記現在の性能パラメータ(130)を、主モデル(110)によりモデリングするステップ(205)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予測モデル(115)は、前記主モデル(110)からの少なくとも1つの出力に少なくとも部分的に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの外部要因(140)は、(a)周囲温度、(b)周囲圧力、(c)周囲湿度、又は(d)燃料組成のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記タービン(105)の前記現在の性能パラメータ(130)をモデリングする前記ステップ(205)は、(a)タービンの劣化に関連付けられた条件、又は(b)タービンの効率に関連付けられた条件のうちの少なくとも一方をモデリングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの動作特性をモデリングする前記ステップ(220)は、前記タービン(105)の前記モデリングされた性能パラメータ(130)と、前記少なくとも1つの外部要因(140)とに少なくとも部分的に基づいて、(a)タービン出力、(b)排気温度、(c)熱消費率、(d)燃料消費量、又は(e)与えられた動作ポイントにおける排出量データのうちの少なくとも1つをモデリングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
タービン動作をモデリングするシステム(100)であって、
タービン(105)と通信する少なくとも1つの制御装置(120)を備え、前記少なくとも1つの制御装置(120)は、
前記タービン(105)の現在の性能パラメータ(130)を決定するステップと、
前記タービン(105)の現在又は未来の動作に関する、少なくとも1つの外部要因(140)を与えるステップと、
前記タービン(105)の前記モデリングされた現在の性能パラメータ(130)と、前記少なくとも1つの外部要因(140)とに少なくとも部分的に基づいて、前記タービン(105)の少なくとも1つの動作特性を、予測モデル(115)によりモデリングするステップと、を実行するように構成された、システム(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの制御装置(120)は、前記タービン(105)の前記現在の性能パラメータ(130)を、主モデル(110)によりモデリングするように更に構成された、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記予測モデル(115)は、前記主モデル(110)によりモデリングされた少なくとも1つの性能パラメータ(130)に少なくとも部分的に基づく、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの制御装置(120)は、前記予測モデル(115)によりモデリングされた前記少なくとも1つの動作特性に基づいて前記タービン(105)の動作を調節するように更に構成された、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
ヒューマン・マシンインタフェース(125)を更に備え、前記少なくとも1つの制御装置(120)は、前記少なくとも1つの動作特性(165)を前記ヒューマン・マシンインタフェース(125)に渡すように更に構成された、請求項7に記載のシステム。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−62891(P2012−62891A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201245(P2011−201245)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】