説明

ターボ機械の床側取付け装置と方法

【課題】
床面と平行な衝撃及び振動又はそれらのいずれか一方の場合さえ、簡単な方法でターボ機械のしっかりな固定を保証するターボ機械の床側取付け装置を提供すること。
【解決手段】
特に船或いは沿岸技術施設にターボ機械を床側取付けする方法と装置は、ターボ機械を収容する少なくとも一つの収容フレームを有する。フレームは、収容フレームが取付け状態に支持されている少なくとも一つの床面と、床側接触面に収容フレームを取付けるために床面の領域に配置された取付け手段とを有する。床面が粗面化されて床面と接触面の間に付着摩擦を増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に船或いは沿岸技術施設にターボ機械の床側取付け装置に関する。取付具はターボ機械を収容する少なくとも一つの収容フレームを有する。フレームは収容フレームが取付け状態に支持されている少なくとも一つの床面を有する。床側接触面に収容フレームを取付けるために床面の領域に配置された取付け手段がある。ターボ機械の床側取付け方法はまたこの発明の目的である。
【背景技術】
【0002】
通常には、ターボ機械のフレームはこの目的のために設けられた基礎にねじ込まれている。これは基礎平面の方向における加速が吸収される必要ない固定基礎の場合に問題がない。しかしながら、可動土台、例えば船に、或いは一般に振動及び衝撃又はそれらのいずれか一方に晒された沿岸技術施設にターボ機械を据え付ける場合には、非常に大きな横力が基礎平面或いは甲板平面に吸収されるべきであり、基礎或いは甲板に対するターボ機械の変位を回避する。それで、重いターボ機械の場合には、標準化ねじ接続が頻繁に具備され得ない。その代わりに、取付は非常に多くの数の取付けねじによって行われなければならない。この代用として、溶接接続によってターボ機械の取付けを形成することが知られている。しかしながら、この措置は実際に具備され得ない。
【特許文献1】英国特許第678809号明細書
【特許文献2】特開2000−55116号公報
【特許文献3】特開2000−28085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それ故に、この発明の目的は、床面と平行な衝撃及び振動又はそれらのいずれか一方の場合さえ、簡単な方法でターボ機械のしっかりな固定を保証するターボ機械の床側取付け装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、この発明によると、少なくとも一つの床面が粗面化されて床面と接触面の間に付着摩擦を増加させることで達成される。この発明は、床面と接触面の間に接触圧力を増加させることによってではなく、しかし、その代わりに付着摩擦係数μを増加させることによって
公式
【0005】
【数1】

【0006】
により計算される最高に吸収できる横力Qmax を増加させる。
【0007】
収容フレームは幾つかの支持脚を有し得て、支持脚の下面が床面を表わす。取付け手段は支持脚の孔を通過するねじとして構成され得る。
【0008】
この発明は、また、特に船に或いは沿岸技術施設に位置される接触面に少なくとも一つの床面を有するターボ機械の収容フレームを床側取付けする方法から成る。取付けは床面に設けられた取付け手段により行われる。発明によると、床面及び接触面又はそれらのいずれか一方が粗面化されてこれら面間の付着摩擦を増加させる。0.5までの付着摩擦係数μは床面及び接触面又はそれらのいずれか一方をサンドブラスト加工することによって達成され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明の他の目的と特徴は、添付図面と関連して考察された次の詳細な記載から明らかになる。しかしながら、図面は例示のみとして設計され、この発明の限界の定義として用いられてはない。図面では、同じ参照文字が幾つかの図に渡って同じ要素を示す。
【実施例】
【0010】
詳細に図面を参照すると、図1はモータとコアユニットなしに示されるターボ機械1の床側取付け装置を示す。装置はターボ機械1を船或いは沿岸技術構造に取付ける。装置はターボ機械1を収容する幾つかの収容フレーム3を有し、各フレームは収容フレーム3が取付け状態に支持されている二つの床面2を有する。図2と3は、床面2の領域に設けれている船或いは沿岸技術施設の床側接触面5に収容フレーム3を取付ける取付け手段4を示す。取付け手段4はねじであるか、或いはボルト、リベット、クランプなどのような任意の他の適切な取付け手段である。床面2と関連した接触面5はサンドブラスト加工によって粗面化され、床面2と接触面5の間に付着摩擦を増加させる。収容フレーム3は二つの支持脚6を有し、各瞬間に、その支持脚下面が床面2を表わす。図2は取付け手段4が支持脚6の孔7を通過するねじとして構成される。
【0011】
図3は、実際には支持脚6の領域にある力を示す。床面2を表わす支持脚6の下面が力Fにより接触面5に対して押圧され、力量はねじ4の付勢力と同様に、フレーム3とターボ機械1の重量に依存する。最高に吸収できる横力Qmax は力Fと、実際に床面2と接触面5の間である付着摩擦係数μとに比例的に依存する。この発明によると、最高に吸収できる横力Qmax の増加は、接触圧力Fの増加の代わりに付着摩擦係数μの増加によって達成される。
【0012】
したがって、この発明のほんの二三の実施例のみが示され且つ記載されているけれども、多くの変更と修正がこの発明の精神と範囲から逸脱することなしに行われ得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ターボ機械を収容する幾つかのフレームの三次元側面図を示す。
【図2】図1の詳細拡大図を示す。
【図3】図2に示された細部の領域における実際の力の表現を示す。
【符号の説明】
【0014】
1.....ターボ機械
2.....床面
3.....収容フレーム
4.....取付け手段
5.....接触面
6.....支持脚
μ.....付着摩擦係係数
max ...最高に吸収できる横力
F.....力


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械の床側取付け装置において、ターボ機械を収容して収容フレームが取付け状態に支持されている少なくとも一つの床面を有する少なくとも一つの収容フレームと、床側接触面に収容フレームを取付けるために前記少なくとも一つの床面の領域に配置された取付け手段とから成り、しかして前記少なくとも一つの床面の少なくとも一つが粗面化されて前記少なくとも一つの床面と前記接触面の間に付着摩擦を増加させることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの床面がサンドブラスト加工されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
収容フレームは幾つかの支持脚を有し、その支持脚の下面が前記床面を形成することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
取付け手段は支持脚の孔を通過するねじとして構成されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
接触面に少なくとも一つの床面を有するターボ機械の収容フレームを床側取付けする方法において、前記少なくとも一つの床面と接触面の少なくとも一方を粗面化させ;そして床面の領域に設けられた取付け手段を介して前記接触面に前記フレームを取付ける工程から成ることを特徴とする方法。
【請求項6】
少なくとも一つの床面と接触面の少なくとも一方がサンドブラスト加工されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
取付け手段がねじであることを特徴とする請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−89179(P2008−89179A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−237761(P2007−237761)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(599100431)アトラス・コプコ・エネルガス・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング (11)
【Fターム(参考)】