説明

ターンレバー装置

【課題】小型化することができるターンレバー装置を提供する。
【解決手段】実施の形態に係るターンレバー装置1は、主に、操作レバー10に設けられ、なされた操作に基づいて車両の右ウインカ及び左ウインカを点灯させる操作信号を出力するモーメンタリスイッチ14を備えている。このモーメンタリスイッチ14は、例えば、第1のノブ141及び第2のノブ142が一体とされたノブターン140と、操作されたノブターン140を初期位置(中立位置)に戻す節度部15と、導電性を有してノブターン140に設けられたコンタクト146と、ノブターン140の操作に基づいてコンタクト146を介して導通する複数の端子が形成された基板20と、を備えて概略構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターンレバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、ターンレバーと、ターンレバーになされた操作に基づいてオン及びオフするターンシグナルスイッチを有するターンレバーアッセンブリと、を備えたコラムスイッチ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このコラムスイッチ装置は、ターンレバーを操作すると、ターンレバーアッセンブリ内のターンシグナルスイッチがオンとなり、操作方向のターンシグナルランプ(方向指示器)を点灯させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−297166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のコラムスイッチ装置は、ターンレバーの外側にターンレバーアッセンブリが設けられるので、コラムスイッチ装置の小型化が困難となる問題がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、小型化することができるターンレバー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、操作レバーに設けられ、なされた操作に基づいて車両の右側方向指示器及び左側方向指示器を点灯させる操作信号を出力するスイッチを備えたターンレバー装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1(a)は、実施の形態に係るターンレバー装置が搭載された車両内部の概略図であり、(b)は、ターンレバー装置の概略図である。
【図2】図2(a)は、実施の形態に係るターンレバー装置の図1(b)のII(a)-II(a)線で切断した断面を矢印の方向から見た断面図であり、(b)は、回転スイッチ側から見たターンレバー装置の概略図であり、(c)は、図2(b)のII(c)-II(c)線で切断した断面を矢印の方向から見た断面図である。
【図3】図3(a)は、実施の形態に係るターンレバー装置に関するブロック図であり、(b)は、右折時の操作を説明するための概略図であり、(c)は、左折時の操作を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係るターンレバー装置は、操作レバーに設けられ、なされた操作に基づいて車両の右側方向指示器及び左側方向指示器を点灯させる操作信号を出力するスイッチを備える。
【0011】
[実施の形態]
(ターンレバー装置1の構成)
図1(a)は、実施の形態に係るターンレバー装置が搭載された車両内部の概略図であり、(b)は、ターンレバー装置の概略図である。図2(a)及び(c)は、実施の形態に係るターンレバー装置の断面図であり、(b)は、回転スイッチ側から見たターンレバー装置の概略図である。なお、実施の形態に係る各図において、部品と部品との比率は、実際の比率とは異なる場合がある。
【0012】
実施の形態に係るターンレバー装置1は、例えば、図1(a)に示すように、車両3のステアリングコラムカバー30に取り付けられている。このステアリングコラムカバー30は、車両3のステアリングコラムを内包するものであり、ターンレバー装置1の取付部13を取り付けることができるように構成されている。なお、本実施の形態に係るターンレバー装置1の操作レバー10は、車両3に対して傾倒しないように車両3に取り付けられる。つまり、ターンレバー装置1がステアリングコラムカバー30に取り付けられた状態において、操作レバー10に操作がなされたとき、取付部13から操作方向に傾倒しない、言い換えるなら、取付部13に固定されている。なお、ターンレバー装置1は、上記の例に限定されず、一例として、ステアリングコラムに取り付けることが可能である。
【0013】
このターンレバー装置1は、主に、操作レバー10に設けられ、なされた操作に基づいて車両3の右側方向指示器としての右ウインカ301及び左側方向指示器としての左ウインカ302を点灯させる操作信号を出力するスイッチとしてのモーメンタリスイッチ14を備えている。言い換えるなら、ターンレバー装置1は、スイッチの接点が操作レバー10の外にあるのではなく、操作レバー10内に存在している。
【0014】
また、ターンレバー装置1は、例えば、図1(b)に示すように、操作レバー10の一方端部に取付部13が設けられ、他方端部に回転スイッチ16が設けられている。さらに、ターンレバー装置1は、例えば、図2(a)及び(b)に示すように、ディマパススイッチ18を備えている。このディマパススイッチ18は、例えば、プッシュ操作によりパッシングを行い、長押しにより、ヘッドライトの光軸を変更することが可能となる。なお、以下において、各スイッチの操作部を操作レバー10側に押し込む操作をプッシュ操作と記載する。
【0015】
・操作レバー10の構成
操作レバー10は、例えば、図1(b)、図2(a)〜(c)に示すように、取付部13が設けられた一方端部から、回転スイッチ16が設けられた他方端部に向って徐々に太さが増す、円筒形状を有している。
【0016】
この操作レバー10は、例えば、ポリスチレン系、ポリエチレン系、ポリアミド系、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)等の合成樹脂材料を用いて形成されている。また、操作レバー10は、一例として、図2(a)に示すように、第1の筐体11と第2の筐体12を張り合わせて一体とされたものである。
【0017】
操作レバー10は、例えば、車両3に取り付けられた状態で、車両3のほぼ上下方向となる側面に、開口100及び開口101が設けられている。そして、後述する図3(a)に示す右ウインカ301を点灯させるために操作される右操作部としての第1のノブ141が、開口100を介して操作レバー10の外に突出し、左ウインカ302を点灯させるために操作される左操作部としての第2のノブ142が、開口101を介して外に突出している。
【0018】
・モーメンタリスイッチ14の構成
モーメンタリスイッチ14は、例えば、第1のノブ141及び第2のノブ142が一体となるように形成された操作部としてのノブターン140と、操作されたノブターン140を初期位置(中立位置)に戻す節度部15と、導電性を有してノブターン140に設けられたコンタクト146と、ノブターン140の操作に基づいてコンタクト146を介して導通する複数の端子が形成された基板20と、を備えて概略構成されている。
【0019】
つまり、このモーメンタリスイッチ14は、ノブターン140が操作された後、ノブターン140が初期位置に戻るように構成されている。そのためモーメンタリスイッチ14は、例えば、図2(a)に示すように、節度部15と、ピン145を節度部15に押し付けるための弾性力を発生する弾性部材144と、ノブターン140の凹部143に弾性部材144を介して挿入されたピン145と、を備えている。
【0020】
ノブターン140は、例えば、ポリスチレン系、ポリエチレン系、ポリアミド系、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)等の合成樹脂材料を用いて形成されている。ノブターン140は、例えば、第1のノブ141と第2のノブ142が一体となるように形成された部品である。なお、ノブターン140は、例えば、第1のノブ141と第2のノブ142が、例えば、ねじ及び接着剤等を用いて一体とされていても良い。
【0021】
ノブターン140は、第1のノブ141と第2のノブ142の中央に円形状となる凹部143を有している。この凹部143は、例えば、ノブターン140の移動方向とは直角となる方向に開いている。この凹部143の中には、弾性部材144を介してピン145が挿入されている。
【0022】
第1のノブ141は、例えば、図2(c)に示すように、操作者側から見た側面が台形形状となり、その上底部分が開口100を介して外に突出している。同様に、第2のノブ142は、例えば、図2(c)に示すように、操作者側から見た側面が台形形状となり、その上底部分が開口101を介して外に突出している。ノブターン140は、この第1のノブ141及び第2のノブ142が、凹部143を介して連結されたような形状を有している。
【0023】
弾性部材144は、例えば、鋼等の金属材料をらせん状に巻いたコイルばねが用いられる。なお、弾性部材144は、これに限定されず、ピン145を節度部15に押し付ける弾性力を発生するものであれば良い。
【0024】
ピン145は、例えば、ポリスチレン系、ポリエチレン系、ポリアミド系、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)等の合成樹脂材料、又はアルミニウム、鉄等の金属材料、それらを含有する合金材料、或いはステンレス等の合金材料を用いて形成される。ピン145は、例えば、先端が丸い円柱形状となっている。この先端が節度部15と接触する。
【0025】
節度部15は、例えば、ポリスチレン系、ポリエチレン系、ポリアミド系、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)等の合成樹脂材料、又はアルミニウム、鉄等の金属材料、それらを含有する合金材料、或いはステンレス等の合金材料を用いて形成される。この節度部15は、例えば、第1の筐体11の内壁110に取り付けられている。
【0026】
節度部15は、例えば、図2(a)に示すように、湾曲した板形状を有し、ピン145が中央150に位置するとき、ノブターン140が中立位置となるように構成されている。節度部15は、この中央150を境に、ノブターン140が矢印A方向に操作されることでピン145が接触する第1の斜面151、及び矢印B方向に操作されることでピン145が接触する第2の斜面152、が形成されている。ノブターン140は、ピン145が、この第1の斜面151及び第2の斜面152上で止まることなく、中央150に向って移動するので、プッシュ操作後に中立位置に戻ることが可能となる。
【0027】
凹部143の裏側には、例えば、図2(a)に示すように、コンタクト146が設けられている。このコンタクト146は、例えば、導電性を有する銅、アルミニウム等の金属材料、及びこれらを含有する合金材料等を用いて形成される。このコンタクト146は、操作がなされたノブターン140と共に基板20に接触しながら移動する。コンタクト146は、例えば、板形状を有し、一方端がノブターン140に取り付けられ、他方端が凸形状となるように加工され、中立位置において、この加工された先端部146aが端子21〜端子23と接触するように構成されている。この先端部146aの凸形状は、例えば、コンタクト146の幅方向に渡って形成されている。コンタクト146は、矢印A方向に操作されたとき、基板20に形成された電気的に絶縁された端子21と端子22を電気的に接続し、矢印B方向に操作されたとき、電気的に絶縁された端子21と端子23を電気的に接続するように構成されている。
【0028】
基板20は、例えば、電子部品が搭載されたプリント基板である。この基板20のコンタクト146が接触する面には、例えば、図2(c)の紙面上下方向に渡って細長く形成された端子21と、端子21のほぼ半分の大きさを有し、端子21に隣り合った基板20の下側に形成された端子22と、端子21のほぼ半分の大きさを有し、端子21に隣り合った基板20の上側に形成された端子23と、を備えて概略構成されている。この端子21、端子22及び端子23は、互いに電気的に絶縁されている。
【0029】
ノブターン140が中立位置にあるとき、コンタクト146は端子21には接触しているが、端子22及び端子23の間に位置し、端子22及び端子23とは接触しない。また、右折のため、ノブターン140が矢印A方向に操作されたとき、コンタクト146は、端子21及び端子22と接触する。また、左折のため、ノブターン140が矢印B方向に操作されたとき、コンタクト146は、端子21及び端子23と接触する。
【0030】
端子21〜端子23が形成された面と反対の面には、後述する端子24及び端子25が形成されている。
【0031】
端子21〜端子25は、例えば、銅、アルミニウム等の導電性を有する金属材料を用いて形成される。
【0032】
・回転スイッチ16の構成
回転スイッチ16は、回転ノブ160と、回転を検出するスイッチ162と、スイッチ162が設けられた基板161と、を備えて概略構成されている。
【0033】
回転ノブ160は、例えば、略円錐形状を有し、その内部に基板161及びスイッチ162が配置されている。回転ノブ160は、例えば、ポリスチレン系、ポリエチレン系、ポリアミド系、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)等の合成樹脂材料を用いて形成されている。
【0034】
基板161は、例えば、電子部品が搭載されたプリント基板である。
【0035】
スイッチ162は、回転可能な先端が回転ノブ160の開口に挿入されて取り付けられて回転ノブ160と共に回転し、この回転に基づいて回転操作信号を出力するように構成されている。
【0036】
この回転スイッチ16は、例えば、図1(b)に示す操作レバー10に描かれた4つのマークに、回転ノブ160のマークを合わせることで、4つのモードを切り替えることが可能となっている。なお、図1(b)は、回転スイッチ16が後述する消灯モードとなっている様子を示している。この4つのモードとは、例えば、消灯モード(OFFのマーク)、第1の点灯モード(丸のマーク)、第2の点灯モード(ライトの絵のマーク)及びオートモード(AUTOのマーク)である。
【0037】
消灯モードは、例えば、ランプ類を消灯するモードである。第1の点灯モードは、例えば、車幅灯、尾灯、番号灯及び各スイッチ照明を点灯するモードである。第2の点灯モードは、例えば、第1の点灯モードの点灯に加えてヘッドライトを点灯するモードである。オートモードは、例えば、車両3の周囲の明るさに応じてヘッドライト等を点灯させるモードである。
【0038】
・ディマパススイッチ18の構成
ディマパススイッチ18は、例えば、第2の筐体12に形成された開口120から突出する操作部であるプッシュノブ180と、プッシュノブ180と接触するコンタクトラバー182と、基板20に設けられ、プッシュノブ180が操作されるとコンタクトラバー182と接触する端子24と、コンタクトラバー182と導通する端子25と、を備えて概略構成されている。
【0039】
このディマパススイッチ18は、プッシュ操作がプッシュノブ180になされると、コンタクトラバー182が端子24と接触することにより、コンタクトラバー182を介して端子24と端子25が導通し、ディマパススイッチ18がオンするように構成されている。また、操作者がプッシュノブ180から手を離すと、コンタクトラバー182と端子24の接触が、コンタクトラバー182の元の形に戻ろうとする力(復元力)により解除され、ディマパススイッチ18がオフするように構成されている。
【0040】
プッシュノブ180は、例えば、図2(a)に示すように、側面からの形状が台形状を有している。プッシュノブ180の上底は、開口120から外に突出している。また、下底の縁は、外側に向けて突き出しており、第2の筐体12の内壁に形成された凹部121に応じた形状となっている。
【0041】
プッシュノブ180は、例えば、ポリスチレン系、ポリエチレン系、ポリアミド系、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)等の合成樹脂材料を用いて形成されている。
【0042】
コンタクトラバー182は、例えば、ゴムにカーボンを含有させた導電性ゴムを用いて形成される。この導電性ゴムは、例えば、シリコーンゴムである。
【0043】
コンタクトラバー182は、例えば、上部が平坦なドーム形状を有している。このドームの中には、円錐形状のコンタクトがあり、当該コンタクトが基板20に形成された端子24と対向している。当該コンタクトは、プッシュノブ180に対してプッシュ操作がなされると、端子24と接触する。コンタクトラバー182の側面の下面は、端子24を囲むように円形に形成された端子25と接触している。当該コンタクトと端子24が接触することにより、コンタクトラバー182を介して端子24と端子25が導通する構成となっている。
【0044】
・車両ECU300の構成
図3(a)は、実施の形態に係るターンレバー装置に関するブロック図であり、(b)は、右折時の操作を説明するための概略図であり、(c)は、左折時の操作を説明するための概略図である。
【0045】
ターンレバー装置1は、例えば、図3(a)に示すように、車両3に搭載された車両ECU(Electric Control Unit)300に電気的に接続されている。具体的には、車両ECU300には、例えば、モーメンタリスイッチ14から操作信号が入力し、回転スイッチ16から回転操作信号が入力し、ディマパススイッチ18からプッシュ操作信号が入力する。また、車両ECU300は、例えば、操舵角センサ303から操舵角信号が入力する。
【0046】
車両ECU300は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等から構成されるマイクロコンピュータである。
【0047】
車両ECU300は、例えば、操作信号に基づいて右ウインカ301を点灯するか、左ウインカ302を点灯するかを判定する。
【0048】
車両ECU300は、例えば、右ウインカ301を点灯させると判定した場合、第1の点灯信号を生成して右ウインカ301に出力する。右ウインカ301は、この第1の点灯信号に基づいた周期で点灯を行う。
【0049】
また、車両ECU300は、例えば、左ウインカ302を点灯させると判定した場合、第2の点灯信号を生成して左ウインカ302に出力する。左ウインカ302は、この第2の点灯信号に基づいた周期で点灯を行う。
【0050】
前述の右ウインカ301及び左ウインカ302の点灯解除(消灯)の判断は、例えば、ステアリング31の操舵角を検出する操舵角センサ303から出力される操舵角信号に基づいて行われる。すなわち、車両ECU300は、例えば、右ウインカ301又は左ウインカ302が点灯を開始した後、右折又は左折のために操作されたステアリング31の操舵角に基づいて点灯解除を判定する。
【0051】
また、車両ECU300は、例えば、回転スイッチ16から取得した回転操作信号に基づいてヘッドライト等の点灯の判定を行い、第3の点灯信号を生成して、ヘッドライト等に出力する。
【0052】
以下に、本実施の形態に係るターンレバー装置1の動作について、各図を参照しながら説明する。
【0053】
(動作)
・右折時の動作について
右折の際、操作者は、図3(b)に示すように、モーメンタリスイッチ14の第1のノブ141にプッシュ操作を行う。このプッシュ操作により、第1のノブ141は、操作レバー10に押し込まれる方向に移動し、第2のノブ142は、操作レバー10から突出する方向に移動する。
【0054】
また、このプッシュ操作により、ノブターン140が、図2(a)の紙面下に移動すると、ピン145が、弾性部材144を圧縮させながら節度部15の第1の斜面151に沿って移動すると共に、コンタクト146が移動する。この移動により、コンタクト146が端子21及び端子22と接触するので、端子21及び端子22は、コンタクト146を介して導通する。この導通により、モーメンタリスイッチ14は、端子21及び端子22が導通したことを示す操作信号を車両ECU300に出力する。
【0055】
ここで、ピン145は、弾性部材144から付加されている弾性力により、常に節度部15に押し付けられている。プッシュ操作が終了した後、この押し付けにより、第1の斜面151上に位置するピン145には、第1の斜面151に沿って中央150に向って移動させる力が働くので、ノブターン140が中央150に向って移動する。そして、ピン145が中央150に位置すると、ピン145が第2の斜面152に沿って移動することなく中央150に留まり、ノブターン140の移動が停止し、ノブターン140は中立位置に停止する。
【0056】
車両ECU300は、端子21及び端子22が導通したことを示す操作信号を取得すると、この操作信号に基づいて右ウインカ301の点灯が指示されたと判定し、第1の点灯信号を生成して右ウインカ301に出力する。右ウインカ301は、第1の点灯信号に基づいた周期で点灯する。
【0057】
また、車両ECU300は、予め定められた周期で操舵角センサ303から操舵角信号を取得し、右折動作が終了したと判定すると、右ウインカ301の点灯を停止させる。
【0058】
・左折時の動作について
左折の際、操作者は、図3(c)に示すように、モーメンタリスイッチ14の第2のノブ142にプッシュ操作を行う。このプッシュ操作により、第2のノブ142は、操作レバー10に押し込まれる方向に移動し、第1のノブ141は、操作レバー10から突出する方向に移動する。
【0059】
また、このプッシュ操作により、ノブターン140が、図2(a)の紙面上に移動すると、ピン145が、弾性部材144を圧縮させながら節度部15の第2の斜面152に沿って移動すると共に、コンタクト146が移動する。この移動により、コンタクト146が端子21及び端子23と接触するので、端子21及び端子23は、コンタクト146を介して導通する。この導通により、モーメンタリスイッチ14は、端子21及び端子23が導通したことを示す操作信号を車両ECU300に出力する。
【0060】
プッシュ操作が終了した後、第2の斜面152上に位置するピン145には、第2の斜面152に沿って中央150に向って移動させる力が働くので、ノブターン140が中央150に向って移動する。そして、ピン145が中央150に位置すると、ピン145が第1の斜面151に沿って移動することなく中央150に留まり、ノブターン140の移動が停止し、ノブターン140は中立位置に停止する。
【0061】
車両ECU300は、端子21及び端子23が導通したことを示す操作信号を取得すると、この操作信号に基づいて左ウインカ302の点灯が指示されたと判定し、第2の点灯信号を生成して左ウインカ302に出力する。左ウインカ302は、第2の点灯信号に基づいた周期で点灯する。
【0062】
また、車両ECU300は、予め定められた周期で操舵角センサ303から操舵角信号を取得し、左折動作が終了したと判定すると、左ウインカ302の点灯を停止させる。
【0063】
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係るターンレバー装置1は、右ウインカ301及び左ウインカ302を点灯させるモーメンタリスイッチ14を操作レバー10内に配置したので、スイッチが操作レバーの外に設けられた場合と比べて、小型化することができる。従来、ウインカを点灯させるためのスイッチ機構は、操作レバーの外に配置され、スイッチ機構内のスイッチをオン、オフさせる構造、及び傾倒した操作レバーを保持し、その保持を解除する機構等が複雑であり、体格が大きいものだった。しかし、本実施の形態に係るターンレバー装置1は、モーメンタリスイッチ14を操作レバー10内に配置した、つまり、接点が操作レバー10内にあるので、スイッチをオン、オフする機構が簡単であり、その体格も操作レバー10に収納されるほど小さいものとすることができる。
【0064】
また、ターンレバー装置1は、右ウインカ301及び左ウインカ302を点灯させるスイッチがモーメンタリスイッチであり、ステアリング31の操舵角に基づいて消灯させることができるので、傾倒操作された操作レバーを保持する機構、及びステアリングシャフトの回転を利用して点灯等をキャンセルする機構を有するものと比べて、構造が簡単で、小型化し易い。
【0065】
上記のようにターンレバー装置1が小型となることにより、ステアリングコラムカバー30にキーシリンダ等の部品を配置するスペースが生じ、部品のレイアウトの自由度が向上する。
【0066】
本実施の形態の変形例として、操作レバー10は、操作に応じて、取付部13に対して傾倒する構成であっても良い。つまり、例えば、右折時の操作の際、第1のノブ141になされるプッシュ操作の方向(矢印A方向)に操作レバー10が傾倒する構成としても良い。ターンレバー装置1が、この構成を備えることにより、従来の操作感と同様の操作感で、ターンレバー装置1を操作することができる。
【0067】
また、他の変形例として、ターンレバー装置1は、操舵角センサ303から出力される操舵角信号に基づいて右ウインカ301及び左ウインカ302を消灯させる制御部を備える構成としても良い。
【0068】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1…ターンレバー装置、3…車両、10…操作レバー、11…第1の筐体、12…第2の筐体、13…取付部、14…モーメンタリスイッチ、15…節度部、16…回転スイッチ、18…ディマパススイッチ、20…基板、21〜25…端子、30…ステアリングコラムカバー、31…ステアリング、100…開口、101…開口、110…内壁、120…開口、121…凹部、140…ノブターン、141…第1のノブ、142…第2のノブ、143…凹部、144…弾性部材、145…ピン、146…コンタクト、146a…先端部、150…中央、151…第1の斜面、152…第2の斜面、160…回転ノブ、161…基板、162…スイッチ、180…プッシュノブ、182…コンタクトラバー、301…右ウインカ、302…左ウインカ、303…操舵角センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作レバーに設けられ、なされた操作に基づいて車両の右側方向指示器及び左側方向指示器を点灯させる操作信号を出力するスイッチを備えたターンレバー装置。
【請求項2】
前記スイッチは、モーメンタリスイッチである請求項1に記載のターンレバー装置。
【請求項3】
前記スイッチは、前記右側方向指示器を点灯させるために操作される右操作部、及び前記左側方向指示器を点灯させるために操作される左操作部が、一体となるように形成された部品である請求項2に記載のターンレバー装置。
【請求項4】
前記操作レバーは、前記車両に対して傾倒しないように前記車両に取り付けられる請求項3に記載のターンレバー装置。
【請求項5】
前記スイッチが、前記右操作部及び前記左操作部が一体とされた操作部と、操作された前記操作部を初期位置に戻す節度部と、導電性を有して前記操作部に設けられたコンタクトと、前記操作部の操作に基づいて前記コンタクトを介して導通する複数の端子が形成された基板と、を備えた請求項4に記載のターンレバー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−37509(P2013−37509A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172675(P2011−172675)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】