説明

ダクトファン

【課題】複数の遠心送風機を内蔵したダクトファンにおいて、メンテナンス用開口部から遠心送風機の点検を行う場合、メンテナンス性が良く、コンパクトで、入力を低減できるダクトファンを提供すること。
【解決手段】機体3内に機体吸込口1側と機体吹出口2側とを区画する仕切り板19を設け、2個の遠心送風機10は、メンテナンス用開口部18に向かって前後になるように配置すると共に、メンテナンス用開口部18から遠い側の遠心送風機10は、メンテナンス用開口部18からその羽根車が覗けるように、メンテナンス用開口部18から近い側の遠心送風機10よりも機体吸込口1側に配置したことにより、メンテナンス用開口部18から複数の遠心送風機10を簡単に個別にメンテナンスでき、メンテナンス性を良くでき、コンパクトにでき、入力を低減できるダクトファンを提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の天井裏等の空間に設置され、遠心送風機を複数個内蔵して配置し、ダクトを介し室内の空気を換気するダクトファンの構造に関する。
【0002】
また、遠心送風機の風路の圧力損失を抑え入力を低減したダクトファンの構造に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、この種のダクトファンとしては、遠心送風機を位置規制部材により保持し並列に配置したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、そのダクトファンについて、図7を参照しながら説明する。
【0005】
図7に示すように、機体101は互いに相対する二対の側面板102および上面板と下面板で構成し、側面板102の一方には吸込側ダクト103を連結する機体吸込口104を設け、他方には吹出側ダクト105を連結する機体吹出口106を備えている。そして、機体101の機体吸込口104側の側面板102と機体吹出口106側の側面板102との間を開口部107を有する仕切り板108で区画し、仕切り板108と、この仕切り板108の機体吸込口104側の側面板102の側に設けた位置規制部材109との間に、仕切り板108の開口部107にその吐出口110を合わせて位置を定めた2個の遠心送風機111を挟持して並列に固定している。この遠心送風機111は、機体101の一方の側面板102側に設けたメンテナンス用開口部112を介し、位置規制部材109を取り外すことにより、手前から順次遠心送風機111を取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−127335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来のダクトファンでは、遠心送風機111は、機体101の一方の側面板102側に設けたメンテナンス用開口部112を介し、位置規制部材109を取り外すことにより、手前から順次遠心送風機111を取り外すことができるが、仕切り板108と位置規制部材109との間に2個の遠心送風機111を並列に配置した構造になっているため、メンテナンス用開口部112から遠い2個目の遠心送風機111だけの部品点検を行う必要が生じた場合においても、手前から順次遠心送風機111全体を取り外す必要があり、遠心送風機111を2個とも取り外さなければならず、作業工数および手間がかかるという課題がある。
【0008】
また、機体101は、奥の遠心送風機111を取り出す際のメンテナンス作業が困難なためコンパクト化が要望され、かつ風路の圧力損失を抑え入力を低減することが要望されている。また、室内の騒音を下げるため、騒音を低減することが要望されている。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、メンテナンス用開口部から複数の送風機を簡単に個別にメンテナンスでき、メンテナンス性を良くでき、コンパクトにでき、入力を低減できるダクトファンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のダクトファンは、上記目的を達成するために、機体吸込口と機体吹出口を対向して設けた箱状の機体と、前記箱状の機体の内部に、渦巻状のスクロールケーシングを有した2個の遠心送風機を備えたダクトファンにおいて、前記機体吸込口と前記機体吹出口を有する面以外の前記機体の一面にメンテナンス用開口部を設け、前記機体内に前記機体吸込口側と前記機体吹出口側とを区画する仕切り板を設け、前記2個の遠心送風機は、前記メンテナンス用開口部に向かって前後になるように配置すると共に、前記仕切り板に開口部を設けて前記遠心送風機の吐出口を接続し、記メンテナンス用開口部から遠い側の前記遠心送風機は、前記メンテナンス用開口部からその羽根車が覗けるように、前記メンテナンス用開口部から近い側の前記遠心送風機よりも前記機体吸込口側に配置したものである。
【0011】
また、他の手段は、遠心送風機の駆動軸をメンテナンス用開口部に向けた構成としたものである。
【0012】
また、他の手段は、前記遠心送風機のモーターを前記メンテナンス用開口部に対向して配置し、少なくとも前記メンテナンス用開口部から遠い側の前記遠心送風機の吐出口の面を前記機体吹出口の面に対し傾けて配置した構成としたものである。
【0013】
また、他の手段は、前記遠心送風機は、両吸込型羽根車を備えた両吸込型遠心送風機とし、反モーター側ケーシング吸込口を機体吸込口側に傾けて配置した構成としたものである。
【発明の効果】
【0014】

本発明によれば、機体吸込口と機体吹出口を対向して設けた箱状の機体と、前記箱状の機体の内部に、渦巻状のスクロールケーシングを有した2個の遠心送風機を備えたダクトファンにおいて、前記機体吸込口と前記機体吹出口を有する面以外の前記機体の一面にメンテナンス用開口部を設け、前記機体内に前記機体吸込口側と前記機体吹出口側とを区画する仕切り板を設け、前記2個の遠心送風機は、前記メンテナンス用開口部に向かって前後になるように配置すると共に、前記仕切り板に開口部を設けて前記遠心送風機の吐出口を接続し、記メンテナンス用開口部から遠い側の前記遠心送風機は、前記メンテナンス用開口部からその羽根車が覗けるように、前記メンテナンス用開口部から近い側の前記遠心送風機よりも前記機体吸込口側に配置したことにより、メンテナンス用開口部から2個の遠心送風機を簡単に個別にメンテナンスでき、メンテナンス性を良くできながら、薄型コンパクトにできるという効果のあるダクトファンを提供することができる。
【0015】
また、遠心送風機の駆動軸をメンテナンス用開口部に向けた構成としたものであり、メンテナンス性を良くできるという効果のあるダクトファンを提供することができる。
【0016】
また、前記遠心送風機のモーターを前記メンテナンス用開口部に対向して配置し、少なくとも前記メンテナンス用開口部から遠い側の前記遠心送風機の吐出口の面を前記機体吹出口の面に対し傾けて配置したことにより、モーターのメンテナンス性が良く、機体を機体気流方向に短くコンパクトにでき、入力を低減できるという効果のあるダクトファンを提供することができる。
【0017】
また、前記遠心送風機は、両吸込型羽根車を備えた両吸込型遠心送風機とし、反モーター側ケーシング吸込口を機体吸込口側に傾けて配置したことにより、モーターのメンテナンス性が良く、機体を機体気流方向に短くコンパクトにでき、入力を低減できるという効果のあるダクトファンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1のダクトファンの平面構成図
【図2】同ダクトファンの設置状態を示す側面構成図
【図3】本発明の実施の形態2のダクトファンの平面構成図
【図4】本発明の実施の形態3のダクトファンの平面構成図
【図5】本発明の実施の形態4のダクトファンの平面構成図
【図6】本発明の実施の形態5のダクトファンの平面構成図
【図7】従来のダクトファンの平面構成図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の請求項1記載のダクトファンは、機体吸込口と機体吹出口を対向して設けた箱状の機体と、前記箱状の機体の内部に、渦巻状のスクロールケーシングを有した2個の遠心送風機を備えたダクトファンにおいて、前記機体吸込口と前記機体吹出口を有する面以外の前記機体の一面にメンテナンス用開口部を設け、前記機体内に前記機体吸込口側と前記機体吹出口側とを区画する仕切り板を設け、前記2個の遠心送風機は、前記メンテナンス用開口部に向かって前後になるように配置すると共に、前記仕切り板に開口部を設けて前記遠心送風機の吐出口を接続し、記メンテナンス用開口部から遠い側の前記遠心送風機は、前記メンテナンス用開口部からその羽根車が覗けるように、前記メンテナンス用開口部から近い側の前記遠心送風機よりも前記機体吸込口側に配置したものであり、メンテナンス用開口部から遠い側の遠心送風機の羽根車とメンテナンス用開口部から近い側の遠心送風機の羽根車の両方をメンテナンス用開口部から同時に臨むことができる。また、複数の遠心送風機を機体に収めることで、遠心送風機1個に対し遠心送風機の個数分の風量を合計として発生することができ、遠心送風機自体を大きくする必要がなく、機体の高さは遠心送風機の1個分に近似した薄型コンパクトな高さにできるという作用を有する。
【0020】
また、遠心送風機の駆動軸をメンテナンス用開口部に向けた構成としたものであり、メンテナンス用開口部から複数の遠心送風機を目視できるという作用を有する。
【0021】
また、前記遠心送風機のモーターを前記メンテナンス用開口部に対向して配置し、少なくとも前記メンテナンス用開口部から遠い側の前記遠心送風機の吐出口の面を前記機体吹出口の面に対し傾けて配置したものであり、メンテナンス用開口部からモーターを臨むことができ、遠心送風機を傾けて配置した分、遠心送風機を機体気流方向に短く配置することができ、機体吸込口からの機体気流は遠心送風機のスクロールケーシングの角部にてスムーズに分流し、気流衝突での圧力損失を抑えることができるという作用を有する。
【0022】
また、前記遠心送風機は、両吸込型羽根車を備えた両吸込型遠心送風機とし、反モーター側ケーシング吸込口を機体吸込口側に傾けて配置したものであり、モーター側ケーシング吸込口より通過風量の多い反モーター側ケーシング吸込口の吸込口側風路の圧力損失を抑えることができるという作用を有する。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1に示すように、機体吸込口1と機体吹出口2を箱状の機体3の対向する側面に設け、機体3には、機体吸込口1に吸込側ダクト4を接続する吸込アダプター5、および機体吹出口2には、吹出側ダクト6を接続する吹出アダプター7を配している。機体3の内部には、機体吸込口1から機体吹出口2に至る機体気流8が流れる風路9を有し、風路9に遠心送風機10を2個を配している。遠心送風機10には、モーター11に駆動軸12を介して固定した羽根車13と、機体吹出口2に対向する吐出口14と、渦巻状のスクロー
ルケーシング15とを有している。スクロールケーシング15の側面には、モーター側ケーシング吸込口16を開口したモーター側オリフィス17を配している。
【0025】
機体吸込口1と機体吹出口2を有する面以外の機体3の一面には、メンテナンス用開口部18を設け、機体3内に機体吸込口1側と機体吹出口2側とを区画する仕切り板19を設け、2個の遠心送風機10はメンテナンス用開口部18に向かって前後になるように配置すると共に、仕切り板19に開口部20を設けて遠心送風機10の吐出口14を接続する。この2個の遠心送風機10の駆動軸12は、メンテナンス用開口部18に向かうよう配置し、メンテナンス用開口部18には着脱自在のメンテナンスパネル21を固定している。
【0026】
メンテナンス用開口部18から遠い側の遠心送風機10の吐出口14から機体吹出口2に向かう吐出空間距離22は、メンテナンス用開口部18から近い側の遠心送風機10の吐出口14から機体吹出口2に向かう吐出空間距離23に対し、羽根車13の外径寸法以上長くして、遠心送風機10を2個配置する。さらに、メンテナンス用開口部18から遠い側の遠心送風機10の機体吹出口2側のスクロールケーシング吐出端部24を、メンテナンス用開口部18から近い側の遠心送風機10の機体吸込口1側のスクロールケーシング吸込端部25に対し、機体気流8方向に重ねて遠心送風機10は2個配置した構成とする。
【0027】
また、図2に示すように、実使用状態では、天井裏26において機体吸込口1に吸込側ダクト4、機体吹出口2に吹出側ダクト6を接続して機体3は施工され、遠心送風機10を運転すると、室内27の空気が吸込側ダクト4、遠心送風機10を介して吹出側ダクト6を通過し、室外28に排気して使用する。天井裏26と室内27は天井材29で仕切られ、天井材29の機体3の下部に天井点検口30を備えている。
【0028】
上記構成により、メンテナンスの際は、機体3のメンテナンスパネル21を取り外し、メンテナンス用開口部18から遠い側の遠心送風機10の羽根車13とメンテナンス用開口部18から近い側の遠心送風機10の羽根車13の両方をメンテナンス用開口部18から同時に臨むことができ、羽根車13の汚れや動作状態などを2個の遠心送風機10それぞれに目視できる。2つの遠心送風機10の吐出空間距離22と吐出空間距離23との差が羽根車13の外径寸法以上とすることによって、2つの遠心送風機10両方の全面が臨めることになり、遠心送風機10の交換などのメンテナンス作業がしやすくなる。
【0029】
また、メンテナンス用開口部18から遠い側の遠心送風機10のスクロールケーシング吐出端部24を、メンテナンス用開口部18から近い側の遠心送風機10のスクロールケーシング吸込端部25に対し、機体気流8方向に重ねた分、メンテナンス用開口部18から遠い側の遠心送風機10の吐出空間距離22を小さくすることができる。
【0030】
また、複数の遠心送風機10を機体3に収めることで、遠心送風機1個に対し遠心送風機10の個数分の風量を合計として発生することができ、遠心送風機10自体を大きくする必要がなく、機体3の高さは遠心送風機10の1個分に近似した高さとなる。
【0031】
なお近年、室内27の居住空間を広くするために天井裏26を狭くする傾向があり、狭いためメンテナンス作業が行いづらい天井裏26では、より簡単にメンテナンスできるダクトファンが求められている。
【0032】
このように本発明の実施の形態1のダクトファンによれば、メンテナンス用開口部から2個の遠心送風機を簡単に個別にメンテナンスでき、メンテナンス性を良くできながら、薄型コンパクトにでき、また機体を機体気流方向に短くコンパクトにできることとなる。
【0033】
なお、メンテナンス用開口部18から遠い側の遠心送風機10の吐出空間距離22と、近い側の遠心送風機10の吐出空間距離23については、メンテナンス用開口部18から2つの遠心送風機10両方の略全面が臨める距離関係であればよく、吐出空間距離22と吐出空間距離23との差が羽根車13の外径寸法以上でなくてもよい。
【0034】
(実施の形態2)
図3に示すように、遠心送風機10のモーター11をメンテナンス用開口部18に対向して配置し、2個または1個の遠心送風機10の吐出口14の面を機体吹出口2の面に対し傾けて遠心送風機10を配置する。すなわち、遠心送風機10の駆動軸が機体吐出口2を有する面に対して所定の角度を有するように傾ける。さらに、遠心送風機10を両吸込型羽根車31を備えた両吸込型遠心送風機とした場合には、反モーター側ケーシング吸込口32を機体吸込口1側に傾けて遠心送風機10を配置した構成とする。
【0035】
上記構成により、メンテナンス用開口部18からモーター11を臨むことができ、遠心送風機10を傾けて配置した分、遠心送風機10を機体気流8方向に短く配置することができることで機体3を短くでき、機体吸込口1からの機体気流8は遠心送風機10のスクロールケーシング15の角部が機体吸込口1に向かった凸状となることからスムーズに分流し、気流衝突での圧力損失を抑えることができる。
【0036】
また、反モーター側ケーシング吸込口32が機体吸込口1側に傾いているので、モーター11への気流衝突による吸込抵抗の影響があるモーター側ケーシング吸込口16より、モーター11が無く通過風量の多い反モーター側ケーシング吸込口32への吸込口側風路の圧力損失を抑えることができる。
【0037】
なお、2個の遠心送風機10のうち1個だけを傾けて配置した場合であっても同様の作用を得られることは言うまでもない。
【0038】
このように本発明の実施の形態2のダクトファンによれば、モーター11のメンテナンス性が良く、機体3を機体気流8方向に短くコンパクトにでき、入力を低減できることとなる。
【0039】
(実施の形態3)
図4に示すように、両吸込型羽根車31を備えた遠心送風機10の機体吸込口1に対向した側面に、吸音材33を固定した吸音材固定プレート34を着脱自在に設けた構成とする。
【0040】
上記構成により、吸込口側風路の気流騒音を吸音でき、メンテナンス時にはメンテナンス用開口部18に近い側の遠心送風機10の吸音材固定プレート34を取り外して吸音材33を取り外すことで、メンテナンス用開口部18から機体3内部を仰いだ際、メンテナンス用開口部18に近い側の遠心送風機10は言うまでもなく、メンテナンス用開口部18から遠い側の遠心送風機10をも臨みやすくでき、かつ吸音材33を取り外した空間の分、メンテナンス作業スペースを拡大できる。
【0041】
このように本発明の実施の形態3のダクトファンによれば、機体吸込口側の騒音を低減でき、メンテナンス性を良くできることとなる。
【0042】
(実施の形態4)
図5に示すように、吸音材固定プレート34に固定した吸音材33を略三角形状とする構成とする。
【0043】
上記構成により、機体気流8は吸音材33の三角状凸部にて分流され、吸音材33への機体気流8の衝突による乱流が少なく、吸込口側風路の圧力損失を抑えることができる。
【0044】
このように本発明の実施の形態4のダクトファンによれば、機体吸込口側の騒音を低減でき、入力を低減できることとなる。
【0045】
(実施の形態5)
図6に示すように、機体吸込口1と機体吹出口2を有する面以外の機体3の一面にメンテナンス用開口部18を設け、機体3内に機体吸込口1側と機体吹出口2側とを区画する仕切り板19を設け、3個の遠心送風機10はメンテナンス用開口部18に向かって前後になるように配置すると共に、仕切り板19に開口部20を設けて遠心送風機10の吐出口14を接続し、メンテナンス用開口部18には着脱自在のメンテナンスパネル21を固定している。
【0046】
メンテナンス用開口部18から2番目に遠い側の遠心送風機10の吐出口14から機体吹出口2に向かう吐出空間距離22は、メンテナンス用開口部18から最も近い側の遠心送風機10の吐出口14から機体吹出口2に向かう吐出空間距離23に対し、羽根車13の外径寸法以上長くし、メンテナンス用開口部18から最も遠い側の遠心送風機10の吐出口14から機体吹出口2に向かう吐出空間距離35は、メンテナンス用開口部18から2番目に遠い側の遠心送風機10の吐出口14から機体吹出口2に向かう吐出空間距離22に対し、羽根車13の外径寸法以上長くし、遠心送風機10を3個配置する。
【0047】
また、遠心送風機10のモーター11をメンテナンス用開口部18に対向して配置し、遠心送風機10の吐出口14の面を機体吹出口2の面に対し傾けて遠心送風機10を配置し、遠心送風機10を両吸込型羽根車31を備えた両吸込型遠心送風機とし、反モーター側ケーシング吸込口32を機体吸込口1側に傾けて遠心送風機10を3個配置した構成とする。
【0048】
上記構成により、メンテナンスの際は、機体3のメンテナンスパネル21を取り外し、メンテナンス用開口部18からすべての遠心送風機10の羽根車13をメンテナンス用開口部18から同時に臨むことができ、羽根車13の汚れや動作状態などを3個の遠心送風機10をそれぞれに目視できる。
【0049】
また、メンテナンス用開口部18からモーター11を臨むことができ、遠心送風機10を傾けて配置した分、遠心送風機10を機体気流8方向に短く配置することができることで機体3を短くでき、機体吸込口1からの機体気流8は遠心送風機10のスクロールケーシング15の角部が機体吸込口1に向かった凸状となることからスムーズに分流し、気流衝突での圧力損失を抑えることができる。
【0050】
また、反モーター側ケーシング吸込口32が機体吸込口1側に傾いているので、モーター11への気流衝突による吸込抵抗の影響があるモーター側ケーシング吸込口16より、モーター11が無く通過風量の多い反モーター側ケーシング吸込口32への吸込口側風路の圧力損失を抑えることができる。
【0051】
また、複数の遠心送風機10を機体3に収めることで、遠心送風機1個に対し遠心送風機10の個数分の風量を合計として発生することができ、遠心送風機10自体を大きくする必要がなく、機体3の高さは遠心送風機10の1個分に近似した高さとなる。
【0052】
なお、3個以上の遠心送風機を配置した場合であっても同様の作用を得られ、また複数
の遠心送風機10のうち全数を傾けて配置しない場合であっても同様の作用を得られることは言うまでもない。
【0053】
このように本発明の実施の形態5のダクトファンによれば、メンテナンス用開口部18から複数の遠心送風機10を簡単に個別にメンテナンスでき、メンテナンス性を良くできながら薄型コンパクトにでき、また機体3を機体気流8方向に短くコンパクトにできることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
換気送風機器、空気調和機、除湿機、加湿器、空気清浄機などの空気搬送目的以外に、機体吹出口からの送風を用いて設備機器の冷却ができ、圧力損失を少なくし風量を確保することで冷却効果が高く、コンパクトに設置できる設備機器の送風の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0055】
1 ・・機体吸込口
2 ・・機体吹出口
3 ・・機体
8 ・・機体気流
10・・遠心送風機
11・・モーター
13・・羽根車
14・・吐出口
15・・スクロールケーシング
18・・メンテナンス用開口部
19・・仕切り板
20・・開口部
22・・吐出空間距離
23・・吐出空間距離
24・・スクロールケーシング吐出端部
25・・スクロールケーシング吸込端部
32・・反モーター側ケーシング吸込口
33・・吸音材
34・・吸音材固定プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体吸込口と機体吹出口を対向して設けた箱状の機体と、
前記箱状の機体の内部に、渦巻状のスクロールケーシングを有した2個の遠心送風機を備えたダクトファンにおいて、
前記機体吸込口と前記機体吹出口を有する面以外の前記機体の一面にメンテナンス用開口部を設け、
前記機体内に前記機体吸込口側と前記機体吹出口側とを区画する仕切り板を設け、
前記2個の遠心送風機は、前記メンテナンス用開口部に向かって前後になるように配置すると共に、前記仕切り板に開口部を設けて前記遠心送風機の吐出口を接続し
記メンテナンス用開口部から遠い側の前記遠心送風機は、前記メンテナンス用開口部からその羽根車が覗けるように、前記メンテナンス用開口部から近い側の前記遠心送風機よりも前記機体吸込口側に配置したダクトファン。
【請求項2】
前記遠心送風機の駆動軸を前記メンテナンス用開口部に向けた構成としたことを特徴とする請求項1記載のダクトファン。
【請求項3】
前記遠心送風機のモーターを前記メンテナンス用開口部に対向して配置し、
少なくとも前記メンテナンス用開口部から遠い側の前記遠心送風機の吐出口の面を前記機体吹出口の面に対し傾けて配置した請求項1または2に記載のダクトファン。
【請求項4】
前記遠心送風機は、両吸込型羽根車を備えた両吸込型遠心送風機とし、
反モーター側ケーシング吸込口を機体吸込口側に傾けて配置した請求項3記載のダクトファン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−207908(P2012−207908A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−124093(P2012−124093)
【出願日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【分割の表示】特願2007−173684(P2007−173684)の分割
【原出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】