ダブルおよびトリプルパターニングリソグラフィのためのスピンコーティング用スペーサー材料
新規のダブルおよびトリプルパターニング方法が提供される。上記方法は、パターニングされたテンプレート構造(例えば、ラインを有する構造)に収縮性組成物を塗布することと、上記組成物を加熱することと、を含む。上記収縮性組成物は、加熱の間収縮する特性を有するように選択される。その結果、上記収縮性組成物は、パターニングされたテンプレート構造を覆うようにコンフォーマル層を形成する。その後、上記層は、プレスペーサー構造を残すようにエッチングされる。プレスペーサー構造は、隆起物と、隆起物の側壁に隣接した収縮性組成物の残部とを有する。上記隆起物は除去され、2倍になったパターンが残る。別の態様では、テンプレート構造上に隆起物を形成する前に、追加のエッチング工程が行われ、その結果、パターンは2倍ではなく3倍になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く、スペーサー構造を形成するために収縮性組成物を利用した、新規な多重パターニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
193nm液浸技術の次世代の開発や、極端紫外線露光装置(EUVL)の開発が遅れていることで、現時点で利用可能なツールを用いたダブルパターニングが、32nmや22nmハーフピッチノードに向けて2008年から2012年の間に利用が想定されている唯一のリソグラフィ技術である。自己整合型スペーサー技術は、広く研究されているダブルパターニング技術の一つである。スペーサーによるアプローチは、露光が一回で足りるという利点があり、連続する露光間のオーバーレイに関する深刻な問題を回避することができる。スペーサーは、予め形成したパターンに皮膜を形成し、その後、水平表面上の皮膜を除去するためにエッチングすることで、スペーサー皮膜層が側壁にのみ並んだ状態で残って得られる。その後、スペーサーのみ残して、最初のパターンは除去される。各ラインに二つのスペーサーが形成されるので、ラインの密度は二倍になる。結果として、32nmやさらに微細で高密度のラインが作製される。
【0003】
CVD(化学蒸着)プロセスを用いて形成される皮膜をベースとしたスペーサー技術による試みが以前からなされている。上記プロセスは、フォトリソグラフィ前に、フォトレジストの下の層を調製するためのいくつかのCVD工程を含む。フォトリソグラフィの後、テンプレート(型板)を作製するために、下層を取り除くいくつかのエッチング工程が用いられる。テンプレートを作製した後、コンフォーマルコーティングを塗布するためにCVDが用いられる。さらに、コンフォーマルコーティングは、スペーサーを形成するためにエッチングされる。かなり多くの工程を必要とするため、コストが高く、効率の悪いプロセスとなる。さらに、積層するとCD(限界寸法)を制御することができなくなる。
【0004】
材料および化学的収縮による高分解能化リソグラフィ(RELACS)と呼ばれるプロセスを用いて、微小なパターンの周期やピッチを倍にするための別の試みがなされている。RELACSプロセスは、レジストから拡散する酸によって誘発される架橋反応に基づくものであり、四つのステップ(スピンコーティング、全面露光、ベーキング、現像)を含む。該技術は主にコンタクトホールの縮小に応用されている。ここで、コンタクトホールの縮小はレジストによって誘発される化学的相互作用に依存する。このアプローチは微細なラインの形成には有用ではなく、KrF RELACSのプロセスが比較的穏やかな条件(<120℃)で行われるため、KrF(248nm)技術によって作製された大きなライン(>100nm)の周期を倍にするのに応用できる程度である。一方、32nmのラインの作製は、ArF(193nm)技術をベースとしたものである。ArFレジストにおける酸の運動性は極めて低い。そして、ArF RELACSのプロセスはベーキングに高温を必要とするが(>120℃)、これはレジストの元のラインを変形させるものである。このように、該プロセスは実用性に乏しい。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、マイクロ電子構造体を形成する方法を提供することによって、上記従来技術の問題に対処するものである。該方法は、パターニングされた表面を有する前駆体構造体の提供を含む。パターニングされた表面は、側壁と上表面を有する隆起物を少なくとも一つ含む。該隆起物の側壁と上表面を覆うために、収縮性組成物がパターニングされた表面に塗布される。パターニングされた表面と隆起物の上に収縮性組成物のコンフォーマル層を形成するため、該組成物は加熱される。隆起物と隆起物の側壁に接触するコンフォーマル層の残部を含むプレスペーサー構造体を形成するために、コンフォーマル層の少なくとも一部は除去される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明のダブルパターニングの工程を表した図である。
【図2】本発明のトリプルパターニングの工程を表した模式図である。
【図3】実施例1で調製されたコンフォーマルコーティングの走査型電子顕微鏡(SEM)像である。
【図4】実施例2で調製されたコンフォーマルコーティングを表すSEM像である。
【図5】実施例3で調製されたコンフォーマルコーティングのSEM像である。
【図6】実施例4で調製されたコンフォーマルコーティングを表すSEM像である。
【図7】(a)は、実施例5で用いられたテンプレート積層体の模式図である。(b)は、実施例5で調製されたコンフォーマルコーティングのSEM像である。(c)は、実施例5で構造体をエッチングした後に形成された側壁のSEM像である。(d)は、実施例5の構造体のフォトレジストを除去するためにさらにエッチングした後に生じた崩壊を表すSEM像である。
【図8】(a)は、パターンの崩壊を回避するために実施例5で用いられた別のテンプレート積層体の模式図である。(b)は、実施例5で調製された皮膜のSEM像である。(c)は、実施例5で別の構造体をエッチングした後に形成された側壁のSEM像である。(d)は、フォトレジストを除去するためにさらにエッチングした後の、実施例5の別の構造体を表すSEM像である。(e)は、ハードマスク層にパターンを転写するためにさらにエッチングした後の、実施例5の別の構造体を表すSEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<新規な方法>
本発明は、皮膜の収縮に基づく新規の二段階のアプローチを提供するものである。
図1は、本発明の一つの実施態様を図示したものである。ここで、図1(a)はパターニングされた前駆体構造体10を表したものである。構造体10は第一の層12を有し、該層は上表面12aと下表面12bを有する。当然ではあるが、図1に表される態様は、特定のマイクロ電子工学プロセスにおけるある瞬間の模式図である。すなわち、図1に表される各工程は、模式図が作製中の積層体の第一の層を表すように工程の最初にあたるものであってもよく、または、作製される積層体の途中のものであってもよく、または、模式図が形成される積層体を含む最終工程のいくつかを示すように工程における最終段階にあたるものであってもよい。下表面12bは複数の層に接していてもよく、基板13に接していてもよい。該基板としては、例えば、ケイ素、SiGe、SiO2、Si3N4、アルミニウム、タングステン、ケイ化タングステン、ガリウムヒ素、ゲルマニウム、タンタル、窒化タンタル、サンゴ、黒ダイヤ、リンやホウ素をドープしたガラス、およびそれらの混合物、からなる群より選択される通常のマイクロ電子工学基板が挙げられる。
【0008】
第一の層12は好ましくはスピンオンカーボン層(SOC)またはアモルファスカーボン層であり、従来技術のいかなるプロセスによっても付着・形成させることができるが、通常スピンコーティングが用いられる。スピンオンカーボン層は、組成物中における全固形分中に存在する原子の総数を100%としたときに、好ましくは80%以上の炭素原子を含み、より好ましくは約80%から約95%の炭素原子を含む。当業者であれば、組成物に含まれる固形分の化学構造をもとに上記パーセンテージを容易に計算することができる。第一層12の厚みは、通常、約50nm〜約1,000nmであり、好ましくは、約100nm〜約300nmである。
【0009】
構造体10は、さらに、上表面12aに隣接する第二の層14を有する。第二の層14は、上表面14aを有し、既知のいかなる塗布法でも塗布することができ、既知の条件で処理することができる。第二の層14は、好ましくはハードマスク層であるが、有機底面反射防止皮膜であってもよい。第二の層14を形成する組成物は既知のいかなる塗布法で塗布することもできるが、組成物を約1,000rpm〜4,000rpm(好ましくは約1,500rpm〜2,500rpm)のスピードで約10秒〜60秒(好ましくは約20秒〜60秒)スピンコーティングにより塗布する方法が好ましい。その後、該組成物は熱架橋させるためにベークされる。ベーキングの温度は、好ましくは約100℃以上であり、より好ましくは120℃〜約250℃であり、さらに好ましくは160℃〜200℃である。ベーキングの時間は、約20秒〜約60秒である。架橋後の第二の層14の厚みは、通常、約20nm〜約150nmであり、好ましくは約30nm〜100nmである。
【0010】
第二の層14のn値は、好ましくは約1.4〜約2であり、より好ましくは約1.6〜約2である。第二の層14のk値は、使用する波長(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm、13.5nm)において、好ましくは約0〜約0.6である。
好都合にも、硬化後の第二の層14は十分に架橋しているので、通常の有機溶媒(例えば、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル(PnP)、シクロヘキサノン、アセトン、γ−ブチルラクトン(GBL)、またはそれらの混合物)には実質的に不溶である。硬化後の第二の層14について剥離試験を行った場合、剥離の割合は約5%よりも少なく、好ましくは約1%よりも少なく、さらに好ましくは約0%である。剥離試験では、まず、硬化させた第二の層14の五つの異なる場所で厚みを測定し、平均することで厚みを決める。これがフィルムの初期の厚みの平均値である。次に、硬化させたフィルムを溶媒(例えば、乳酸エチル)に約20秒間浸し、その後溶媒を除去するために、2000〜3500rpmで約20〜30秒間回転して乾燥させる。偏光解析法により、ウェハー上の異なる五つの点で厚みを測定し、これら測定値の平均を決定する。これがフィルムの最終的な厚みの平均値である。
【0011】
剥離の量は、フィルムの初期の厚みと最終的な厚みとの差である。剥離の割合は以下の式で求めることができる。
剥離の割合(%)=(剥離の量/フィルムの初期の厚み)×100
【0012】
好ましい態様では、その後、イメージング層(図示なし)を形成するために、感光性組成物を、硬化した第二の層14に塗布する。続いて、パターン16を形成するために、イメージング、露光、現像を行う。既知の方法でこれを行うことができるが、可能なプロセスの一つを以下に記載する。このプロセスでは、感光性組成物を好ましくはスピン塗布し、その後、塗布後ベーク(PAB)を約80℃以上(好ましくは約80℃〜約130℃、より好ましくは約100℃〜約120℃)で行う。ベークの時間は約60秒〜約120秒である。好適な感光性組成物には、市販のフォトレジストやその他の感光性組成物が含まれる。ベーク後のイメージング層の厚みは、通常、約50nm〜約1,000nmであり、好ましくは約60nm〜約400nmである。
【0013】
その後、イメージング層は、イメージング層の表面上に位置したフォトマスク(図示なし)を通して、露光される。放射がマスクを通って、イメージング層の表面に接触するように、マスクには穴のあいた部分が設計されている。マスクの残部部分は、放射がイメージング層の特定の領域の表面に接触しないようにデザインされている。当業者は、イメージング層、究極的にはイメージング層の下の層、に形成される希望のパターンに基づいて、穴が開いている部分と開いていない部分の調整が設計されることを容易に理解する。本発明のプロセスでは、500nm未満のほとんどの波長の放射を用いることができるが、365nm、248nm、193nm、157nmおよび13.5nmからなる群より選択される波長が好ましい。
【0014】
露光において、イメージング層の放射に曝された部分は、フォトレジスト現像液に溶解するようになる。露光後、イメージング層について露光後ベーク(PEB)を約80℃〜約180℃で行うことが好ましく、約100℃〜約180℃がより好ましい。時間は約60秒〜約120秒である。イメージング層の露光された部分は、上記プロセスによって可溶になり、その後、露光された部分を除去するためにフォトレジスト現像液に接触され、図1で示されるパターニングされた層16を形成する。
【0015】
パターニングされた層16は隆起物18(例えば、ライン)を含む。図1は、単に、二つの隆起物18を示したものであるが、当該技術分野における通常の知識によれば、隆起物がいくつ形成されていても構わないことが理解できる。各隆起物18はそれぞれ第一の側壁20aと第二の側壁20bを含む。該側壁は上表面14aと上表面22に対して実質的に垂直である。上表面22は上表面14aと実質的に並行である。さらに、パターン18の幅Wは、約20nm〜約100nmであることが好ましく、約22nm〜約80nmであることがより好ましく、約32nmであることがさらに好ましい。
【0016】
上記プロセスは感光性組成物から隆起物18を形成するプロセスを表したものである。しかし、隆起物18は、当然、他の複数の組成物から形成することもできる。例えば、隆起物18は、反射防止層、ハードマスク層、非晶質カーボン層、シリコン層および酸化物(例えば、金属酸化物)層からなる群より選択される層中に形成することもできる。どのようなタイプの層に対しても、隆起物18は既知のプロセスによって形成することができる。例えば、ある層を第二の層14の上に形成し、その後、該層の上にイメージング層を形成することができる。その後、イメージング層は上述したようにパターン化され、そのパターンは隆起物18を形成するために別の層に転写される。隆起物18が形成される材料に関わらず、隆起物18を含むパターニングされた構造体10が提供される点が重要である。さらに、隆起物18のピッチ(W:D)は、約1:2〜約1:4であることが好ましく、約1:3(図1(b)参照)であることがより好ましい。特に好ましい態様は、Wが32nm、Dが96nmである。
【0017】
パターニングされた構造体10が、上述のプロセスまたは当該分野で既知の他のプロセスによって形成された後、収縮性組成物24が、第二の層14の上表面14aならびに隆起物18の側壁20a、20bおよび上表面22に塗布される。収縮性組成物24は、既知のいかなる方法でも塗布することができるが、スピン塗布またはスピンコートが好ましい。
【0018】
その後、収縮性組成物24は加熱され、加熱により多くの小分子が除去されることで著しく収縮し、図1(c)に示すコンフォーマルコーティング26が形成される。収縮性組成物を加熱する温度は、隆起物18を形成する材料に依存する。例えば、隆起物18がフォトレジスト組成物から形成される場合、収縮性組成物24を加熱する温度は約120℃よりも低く、好ましくは約110℃よりも低く、より好ましくは約80℃〜約100℃である。隆起物18はフォトレジスト組成物以外の材料で形成される場合、収縮性組成物24を加熱する温度は約300℃よりも低く、好ましくは約250℃より低く、より好ましくは約100℃〜約210℃である。
【0019】
好都合なことに、コンフォーマルコーティング26と隆起物18の側壁20a、20b、上表面22との間に化学的な相互作用はない。したがって、上記プロセスは、どのようなタイプの隆起物18にも用いることができる。さらに、上記加熱温度により、隆起物18を歪ませない穏やかな条件でのプロセスとなる。
【0020】
好ましくはAとBが等しく(図1(c)参照)、より好ましくはBがAよりも小さい。これにより極めて少しのエッチングでプレスペーサーが形成される。Aは、隆起物18の上のコンフォーマルコーティング26の厚みであり、最も厚い点の厚みを表す。一方、Bは、隆起物18と隆起物18の間の厚みが最も薄い点におけるコンフォーマルコーティング26の厚みを表す(すなわち、パターンの間の谷の最も低い点)。Aの位置とBの位置を基準としたとき、収縮性組成物24は、加熱工程で、少なくとも約25%縮み、好ましくは少なくとも約35%縮み、より好ましくは少なくとも約50%縮み、さらに好ましくは約55%〜約90%縮む。
【0021】
次に、図1(d)を参照する。プレスペーサー28を形成するために、コンフォーマルコーティング26にエッチング処理を施す。好ましいエッチング剤としては、例えば、Cl2、CF4、CH3FおよびCHF3からなる群より選択されるものがある。通常のエッチングレートは約1オングストローム/秒〜約10オングストローム/秒であり、好ましくは約3オングストローム/秒〜約8オングストローム/秒である。加えて、エッチングは、通常のウェットエッチングプロセスで行うことができる。それぞれのプレスペーサー28は隆起物18と収縮性組成物の残部30を含む。図1(d)に表すように側壁20a、20bに対して残部30が存在する。
【0022】
その後、隆起物18は各プレスペーサー28から除去され(例えば、O2エッチングによって)、残部30が残る(図1(e))。残部30は非常に小さい隆起物を形成するし、スペーサーとして働く(例えば、約70nmよりも小さいライン、好ましくは約50nmよりも小さいライン、より好ましくは約32nmよりも小さいライン)。すなわち、構造体10にエッチング処理を施し、残部30によって作られたパターンを第二の層14に転写し、第二の層14にライン34を形成する。エッチングプロセスは残部30と、第二の層14のうち残部30で保護されていない部分を除去する。好ましいエッチング剤としては、例えば、Cl2、CF4、CH3FおよびCHF3からなる群より選択されるものが挙げられ、通常のエッチングレートは約1オングストローム/秒〜約10オングストローム/秒であり、好ましくは約3オングストローム/秒〜約8オングストローム/秒である。必要に応じて、パターンはさらに第一の層12および基板13に通常の技術を用いて転写される。
【0023】
上記プロセスは本発明によるダブルパターニングを表したものである。好都合なことに、ダブルパターニングプロセスは追加のエッチング工程を加えることでトリプルパターニングプロセスに改変することができる。このプロセスは図2に示される。ここで、同種の材料を指定するのに同じ数字を用いる。また、特に断りがない限り、図1で示したプロセス条件と同じ条件(例えば、回転速度、温度、エッチング、時間、等)が用いられる。
【0024】
図2(a)を見ると、パターニングされた構造体10が上述したのと同じように表されていることが分かる。隆起物18は上述したように幅Wを通常有する。その後、該隆起物18は、それぞれの幅が少なくとも半分にカットされるようにトリミングされる(図2(b))。トリミング後の隆起物18´の幅W´は好ましくは約50nm〜約90nmであり、より好ましくは約60nm〜約80nmであり、さらに好ましくは約70nmである。該トリミングは、既知のいかなる方法によっても行うことができるが、好適な方法の一つとしてプラズマエッチングが挙げられる。
【0025】
その後、図2(c)に示されるように、アーチ型の隆起物18´´と部分的にエッチングされた第二の層14´になるように、隆起物18´と第二の層14に部分エッチングが施される。部分エッチングされた第二の層14´は、低い隆起物または突起36を有する。部分エッチング工程に好適なエッチング剤としては、例えば、Cl2、CF4、CH3FおよびCHF3からなる群より選択されるものが挙げられ、エッチングレートは通常約1オングストローム/秒〜約10オングストローム/秒であり、好ましくは約3オングストローム/秒〜約7オングストローム/秒である。
【0026】
その後、アーチ型の隆起物18´´は除去され(例えば、エッチングによって)、図2(d)に示すように、パターニングされた構造38が残る。感光性層40(図2(e))が、上述したような既知のプロセスを用いて、上表面14a´と突起36に塗布される。その後、図2(f)に示すように、感光性層40は、隆起物42になるようにパターン化される(露光および現像)。それぞれの隆起物42は、第一の側壁44aと第二の側壁44bを有する。44aおよび44bは上表面14a´に対して実質垂直であり、上表面14a´と実質並行である上表面46に対して実質垂直である。
【0027】
次に、収縮性組成物24は、上述したように、また図2(g)に示すように、第二の層14aの上表面14a´ならびに隆起物42の側壁44a、44bおよび上表面46に塗布される。その後、組成物24に対して上述したように収縮プロセスを行い(図2(h))、コンフォーマルコーティング26が形成される。残りの工程である図2(i)〜(k)は図1(d)〜(f)で述べたものと同様である。しかし、図2では、パターンが2倍ではなく、3倍になっていることが特徴である(すなわち、図2の態様では、結果的に、図の態様よりもライン34が50%多い。)。また、好都合なことに、ライン34は、極めて小さく、幅は70nmよりも小さく、好ましくは約50nmよりも小さく、より好ましくは約16nm〜約32nmである。
【0028】
最後に、図2(l)は、第一の層12にパターンを転写する追加のステップを示す。上述した態様の場合と同様に、必要に応じて、このパターンを基板13に転写することができる。
【0029】
上記プロセスはフォトレジストとは独立したものであり、上記皮膜と基板の間に相互作用は全く発生しないことが分かる。結果として、上記プロセスはいかなる基板にも応用することができ、元のラインの破壊を抑制できる穏和な条件(<120℃)下で塗布することができる。このように、上記新規なアプローチは、従来技術のアプローチとは異なるメカニズムに基づくものであり、従来技術のアプローチを超える有利な効果を与えるものである。上記プロセスは高密度ラインの頻度を2倍にするのにも用いることができるし、3倍にするのにも用いることができる。ここで、高密度とは、表面の少なくとも約50%以上がパターン18で満たされた領域を指す。
【0030】
<収縮性組成物24として用いる組成物>
収縮性組成物24として用いる組成物は、好ましくは有機または有機金属の組成物であり、本願に適した特性を発現するものである。例えば、該組成物は、上述した加熱工程において高い収縮性を発現することが必要である。これは、隆起物18がフォトレジストからなる場合、収縮性組成物24は、隆起物18が破壊されることなく該組成物が収縮するように、約120℃よりも低い温度で分解しなければならず、約110℃よりも低い温度で分解することが好ましく、約80℃〜約100℃で分解することがより好ましい、ということである。隆起物18がフォトレジスト以外の材料からなる場合、収縮性組成物24は、隆起物18が破壊されることなく該組成物が収縮するように、約300℃よりも低い温度で分解しなければならず、約250℃よりも低い温度で分解することが好ましく、約100℃〜約210℃で分解することがより好ましい。
【0031】
収縮性組成物24は組成物中の固形分を溶解または分散させるのに使われる有機溶媒を含んでいることが好ましい。溶媒系は、フォトレジストパターンを変形しないように選択することが好ましい。具体的には、メシチレン、メチルイソブチルカルビノール、d−リモネン、およびそれらの混合物からなる群より選択される溶媒が好ましい。隆起物18がフォトレジスト組成物からなる場合、通常他の基板よりも脆くなるので、そのような態様において有機溶媒を含んでいることは特に有効である。隆起物18がフォトレジストからなるものではない態様では、溶媒系は、上記溶媒系および/または乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートおよびプロピレングリコール−n−プロピルエーテルからなる群より選択される溶媒を含む。
【0032】
収縮性組成物は隆起物18よりもゆっくりエッチングすることが極めて望ましい。隆起物18のエッチング選択比に対する収縮性組成物のエッチング選択比は、好ましくは約0.30よりも小さく、より好ましくは約0.25よりも小さく、さらに好ましくは約0.001〜約0.10である。隆起物18がフォトレジスト組成物からなる場合、これらの数値はエッチング剤として酸素を用いることで達成される。隆起物18がフォトレジスト以外の材料からなる場合、これらの数値はエッチング剤としてCl2、CF4、CH3FまたはCHF3を用いることで達成される。
【0033】
好適な収縮性組成物としては、溶媒系に分散または溶解する橋かけ剤または架橋剤が挙げられる。架橋剤は、自己縮合によりネットワークを形成し、大幅に収縮するため、好ましい。本発明で用いられる好適な架橋剤のうち代表的なものとしては、メチル化ポリ(メラミン−co−ホルムアルデヒド)(Cytec IndustriesよりCymel(登録商標)303の商品名で販売されている)のようなアミノプラストが挙げられる。その他の好適な架橋剤としては、例えば、ポリ(メラミン−co−ホルムアルデヒド)ブチレート/イソブチレート、ヘキサメチルメラミン(HMM)、グリコールウリル(例えば、Cytec IndustriesよりPowderlink(登録商標)の商品名で販売されている)、1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ビス(メトキシ)−エチレンウレア(BMNU)、1,3−ビス(メトキシメチル)ウレア(BMU)、および次の誘導体からなる群より選択されるものが挙げられる。
【0034】
【化1】
【0035】
収縮の度合いは、放出されるアルコールの分子量およびベーキング温度に依存する。放出されるアルコールとしてブタノールのような大きなモル質量のアルコールを結合し、高温でベークすることで、大きく収縮させることができる。必要に応じて、エッチング選択性を改善するために、橋かけ剤にポリシロキサンのような耐エッチング性ポリマーを混合することができる。
【0036】
この種の組成物にとって、好適な溶媒系としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、メシチレン、メチルイソブチルカルビトール、d−リモネンおよびそれらの混合物からなる群より選択される一種以上の溶媒が挙げられる。さらに、この態様の組成物の固形分の量は、組成物の総質量を100%としたとき、質量で、約1%〜約15%であることが好ましく、約3%〜約10%であることがより好ましい。架橋剤は、組成物中の固形分の総質量を100%としたとき、質量で、約80%〜約99%のレベルで存在することが好ましく、約90%〜約95%のレベルで存在することがより好ましい。
【0037】
また、収縮性組成物は酸を含み、酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸からなる群より選択される酸が挙げられる。酸の量は、組成物中の架橋剤の全質量を100%としたとき、質量で、約1%〜約20%のレベルで存在することが好ましく、約5%〜約10%のレベルで存在することがより好ましい。
【0038】
隆起物18がフォトレジスト組成物から形成されていない態様では、橋かけ剤を含む組成物がより好ましい。なぜなら、この種の組成物は、高いベーク温度で良好な収縮を実現するからである。
【0039】
その他の好適な組成物としては、例えば、連鎖重合により合成した、酸に不安定な側鎖を有するポリマーであって、溶媒系に分散または溶解しているもの、が挙げられる。上述したようにスピンコーティングで厚膜を調製し、該膜をベークしたとき、酸に不安定な側鎖が酸により解裂し、揮発性物質が放出する。側鎖が放出されると、フィルムは著しく収縮する。収縮の度合いは、側鎖の大きさと組成物で決まる。側鎖は、酸によって低い温度(例えば120℃よりも低い温度)で開裂するものを選択することができる。そうすることで、この種の組成物は隆起物18がフォトレジストからなる場合でも、隆起物18がフォトレジスト以外の材料からなる場合でも、好適なものとなる。
【0040】
これらのポリマーに用いられるモノマーとしては、例えば、スチレン、メチルアクリレートおよびアクリレート誘導体からなる群より選択されるモノマーが挙げられる。好適なスチレン系モノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0041】
【化2】
【0042】
酸に不安定な側鎖を有する好適なアクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0043】
【化3】
【0044】
酸に不安定な側鎖としては、例えば、t−ブチル、アセチル類、アダマンチル類およびラクトン類からなる群より選択されるものが挙げられる。必要に応じて、好ましいエッチング耐性を有する共重合体を調製するために、耐エッチング性成分を用いることができる。
【0045】
この種の組成物において、好ましい溶媒系としては、例えば、メシチレン、メチルイソブチルカルビトール、d−リモネンおよびそれらの混合物からなる群より選択される一種以上の溶媒が挙げられる。さらに、この態様の組成物の固形分量は、組成物の総質量を100%としたとき、質量で、約2%〜約15%であることが好ましく、約3%〜約10%であることがより好ましい。ポリマーは、組成物中の固形分の総質量を100%としたとき、質量で、約85%〜約99%のレベルで存在することが好ましく、約90%〜約95%のレベルで存在することがより好ましい。
【0046】
また、この態様の収縮性組成物は酸を含み、酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸からなる群より選択される酸が挙げられる。収縮性組成物に含まれる酸の量は、組成物中のポリマーの全質量を100%としたとき、質量で、約1%〜約10%のレベルで存在することが好ましく、約3%〜約7%のレベルで存在することがより好ましい。
【0047】
重質溶媒および耐エッチング性ポリマーの混合物は、さらに、好適な収縮性組成物24のもう一つの例である。耐エッチング性ポリマーは、上述した隆起物18と比較してエッチング選択性を有するどのようなポリマーであってもよい。このような耐エッチング性ポリマーとして好適なものは、シリコン含有ポリマーである。
【0048】
重質溶媒は、単一皮膜を形成するためにスピンコートした後、耐エッチング性ポリマーと一緒に残る。その後、重質溶媒はベーキングの間に完全に蒸発し(ベーキングの温度は約120℃未満であることが好ましい。これにより、フォトレジストの隆起物18に対してもフォトレジストでない隆起物18に対しても、蒸発が適当なものとなる。)、耐エッチング性ポリマーのみがコンフォーマルコーティングを形成するために残る。重質溶媒とは、耐エッチング性ポリマーと相溶し、スピンコーティングの後には残るが、上記収縮時の温度では蒸発するような沸点を有する溶媒、を意味する。重質溶媒の典型例としては、例えば、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−メチル−アダマンチルアクリレート、1−ドデカンおよびそれらの混合物からなる群より選択されるものが挙げられる。
【0049】
この種の組成物において、固形分量は、組成物の総質量を100%としたとき、質量で、約2%〜約15%であることが好ましく、約3%から約10%であることがより好ましい。ポリマーは、組成物中の固形分の総質量を100%としたとき、質量で、約20%〜約80%のレベルで存在することが好ましく、約40%〜約60%のレベルで存在することがより好ましい。
【0050】
さらに、収縮性組成物24として好適な材料の種類としては、例えば、溶媒系に分散または溶解する有機金属化合物が挙げられる。好ましい有機金属化合物は、上記収縮温度で配位子を放出し、金属酸化物を形成するものである。配位子の脱離によりコンフォーマルコーティング26が形成される。配位子は低い温度で放出されるため(例えば、約120℃未満)、この種類の組成物は、隆起物18がフォトレジストからなる場合でも、隆起物18がフォトレジスト以外の材料からなる場合でも、好適なものとなる。
【0051】
典型例としては、例えば、チタニウム(IV)ビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド、チタニウム(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド、チタニウム(IV)ジイソプロポキシド(ビス−2,3−ペンタンジオネート)、アルミニウムジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、バナジウム(IV)オキシドビス(2,4−ペンタン−ジオネート)、ジルコニウムジブトキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、アルミニウムペンタンジオネートビス(エチルアセト−アセテート)、ハフニウムジブトキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、バナジウム(III)(2,4−ペンタンジオネート)およびポリ(ジブチルチタネート)からなる群より選択されるものが挙げられる。
【0052】
以下は、有機金属化合物としてチタニウム(IV)ビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシドを用いたときに起きる、配位子の脱離を示したものである。
【0053】
【化4】
【0054】
この種類の組成物において、好適な溶媒系としては、例えば、メチルカルビノールイソブチル、メシチレン、1−ドデセンおよびそれらの混合物からなる群より選択される一種以上の溶媒が挙げられる。さらに、組成物の固形分量は、組成物の総質量を100%としたとき、質量で、約2%〜約15%であることが好ましく、約3%〜約10%であることがより好ましい。有機金属化合物は、組成物中の固形分の総質量を100%としたとき、質量で、約40%〜約90%のレベルで存在することが好ましく、約40%〜約80%のレベルで存在することがより好ましい。
【実施例】
【0055】
以下の実施例で本発明の好適な方法を説明するが、これらの実施例は本発明を説明するためのものであり、発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
【0056】
<実施例1> 架橋剤/極性溶媒
Cymel(登録商標)303(Cytec Industries,West Paterson,NJより入手した架橋剤)10gを極性溶媒であるPGME(General Chemical West LLC,Hollister,CAより入手)90gに溶解することで溶液を調製した。得られた溶液の架橋剤の濃度は0.25wt%であった。次に、p−トルエンスルホン酸(Sigma−Aldrich,St.Louis,MOより入手したp−TSA)0.025gを触媒として加えた。該混合物を10分間撹拌し、その後、0.1μmのフィルターでろ過した。ろ液を平らなシリコンウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜または塗膜の厚みを測定した。その後、ウェハーを205℃で60秒間ベークした。該ベークは反応スキームAを伴うものである。収縮量を調べるために、皮膜の厚みを再度測定した。ベークによって厚みは35%減少していた。
【0057】
また、ろ液を、シリコンラインを有するウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、205℃で60秒間ベークした。図3は、シリコンライン上の、得られたコンフォーマルコーティングを示したものである。
【0058】
【化5】
【0059】
<実施例2> 架橋剤/無極性溶媒
10gのCymel(登録商標)303を無極性溶媒であるメシチレン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MOより入手)90gに溶解することで溶液を調製した。次に、ジノニルナフタレンスルホン酸溶液(DNNSA、Sigma−Aldrich,St.Louis,MOより入手)0.05gを加え、架橋剤の濃度が0.5wt%の溶液を得た。該混合物を10分間撹拌し、その後、0.1μmのフィルターでろ過した。
【0060】
ろ液を平らなシリコンウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜の厚みを測定した。その後、ウェハーを205℃で60秒間ベークした。収縮量を調べるために、皮膜の厚みを再度測定した。ベークによって皮膜の厚みは35%減少していた。
【0061】
また、ろ液を、シリコンラインを有するウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、205℃で60秒間ベークした。図4は、シリコンラインウェハー上の、該ろ液から得られたコンフォーマルコーティングを示したものである。
【0062】
<実施例3> ポリ(アダマンテート EA)
アダマンテート EA(2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、Idemitsu Kosan Co.,Ltd.,Chiba,Japanより入手)10g(40wt%)およびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、Sigma−Aldrich,St.Louis,MOより入手した開始剤)0.1g(アダマンテート EAに対して1wt%)をメシチレン15gに溶解した。重合を100℃で24時間行い、その後、溶液をメシチレンで7.5wt%に希釈した。次に、DNNSA(ポリマーに対して0.5wt%)0.05gをポリマー溶液に加えた。該混合物を10分間撹拌し、0.1μmのフィルターでろ過した。ろ液を平らなシリコンウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜の厚みを測定した。その後、ウェハーを110℃で60秒間ベークし、収縮量のデータを得るために再度皮膜の厚みを測定した。ベークによって皮膜の厚みは70%減少していた。スキームBは、ベーク中の揮発性物質の放出を表したものである。
【0063】
また、ろ液を、フォトレジストのパターンを描いたウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、90℃で60秒間ベークした。図5は、フォトレジストのラインの上表面上の、得られたコンフォーマルコーティングを示したものである。
【0064】
【化6】
【0065】
<実施例4> ポリ(アダマンテート EA−シリコーン)
8g(32wt%)のアダマンテート EAおよび2g(8wt%)のシリコーンメタクリレートモノマー(3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシリルオキシ)−シラン、TCI America,Portland,ORより入手)をメシチレン15gに溶解することで溶液を調製した。重合を100℃で24時間行った。溶液を108.3gのメシチレンで7.5wt%に希釈し、その後、0.05gのDNNSA(ポリマーに対して0.5wt%)を溶液に加えた。該混合物を10分間撹拌し、0.1μmのフィルターでろ過した。平らなシリコンウェハー上に1500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜の厚みを測定した。その後、ウェハーを110℃で60秒間ベークし、収縮量のデータを得るために再度皮膜の厚みを測定した。ベークによって、皮膜の厚みは55%減少していた。
【0066】
また、ろ液を、フォトレジストをパターニングしたウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、90℃で60秒間ベークした。図6は、フォトレジストのラインの上表面上のコンフォーマルコーティングを示したものである。
【0067】
種々ガスにおける皮膜のエッチングレートを、Oxford Plasmalab RIEを用いて、以下の条件で測定した。
出力 : 100W
圧力 : 50mTorr
バックサイドヘリウム : 3mTorr
ガス : 50sccm
市販のフォトレジスト(AR1682J、JSR Micro,Sunnyvale,CAより入手)、およびエッチング30秒後の熱酸化物層、に対する皮膜のエッチング選択比を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
<実施例5> ポリ(アダマンテート EA−シリコーン)
8g(32wt%)のアダマンテート EAおよび2g(8wt%)のシリコーンメタクリレートモノマー(MCR−M07、モノメタクリレート末端ポリジメチルシロキサン、分子量600〜800g/mol、Gelest Inc,Morrisville,PAより入手)をメシチレン15gに溶解することで溶液を調製した。溶液を108.3gのメチルイソブチルカルビトール(Sigma−Aldrich,St.Louis,MOより入手)で7.5wt%に希釈し、その後、溶液に0.05gのDNNSA(ポリマーに対して0.5wt%)を加えた。該混合物を10分間撹拌し、その後、0.1μmのフィルターでろ過した。平らなシリコンウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜の厚みを測定した。その後、皮膜を110℃で60秒間ベークし、収縮量のデータを得るために皮膜の厚みを再度測定した。ベークによって皮膜の厚みは55%減少していた。
【0070】
種々ガスにおける皮膜のエッチングレートを、Oxford Plasmalab RIEを用いて、以下の条件で測定した。
出力 : 100W
圧力 : 50mTorr
バックサイドヘリウム : 3mTorr
ガス : 50sccm
市販のフォトレジスト(AR1682J)、およびエッチング30秒後の熱酸化物層、に対する皮膜のエッチング選択比を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】
レジストをパターニングしたウェハーをテンプレートとして用いた。図7(a)に模式図を示す。有機底面反射防止皮膜(ARC(登録商標)29A、Brewer Science Inc,Rolla,MOより入手)を、パターニングしたフォトレジストと基板との間の層として用いた。上記ろ液を、フォトレジストをパターニングしたウェハー上に1,000rpmで60秒間スピンコートし、その後、90℃で60秒間ベークした。図7(b)はフォトレジストのラインの上表面上の得られたコンフォーマルコーティングを示したものである。
【0073】
その後、被覆したウェハーを、塩素ガスを用いてエッチングした(塩素:50sccm、アルゴン:20sccm、出力:200W、圧力:50mTorr)。図7(c)は側壁の形成を示したものである。さらに酸素を用いてエッチングし(酸素:50sccm、出力:100W、圧力:100mTorr)、レジストを除去した。しかし、底面層に有機底面反射防止皮膜を用いたことで、該反射防止皮膜が酸素によりスペーサーよりも非常に速くエッチングされ、スペーサーが崩壊した(図7(d))。
【0074】
崩壊の問題に対処するため、図8(a)に示すような積層の新しいテンプレートを用意した。具体的には、OptiStack SOC 110(スピンオンカーボンまたはSOC、Brewer Science Brewer Science Inc,Rolla,MOより入手)の底面層をシリコンウェハーに貼り付けた。次に、シリコン含有底面反射防止皮膜OPTISTACK(登録商標)HM710(ハードマスクまたはHM、Brewer Science Inc,Rolla,MOより入手)をスピンオンカーボンの上表面に塗布した。フォトレジスト層(Pi6001、TOK,Japanより入手)をハードマスクの上表面に形成し、続いて、パターニングでラインを形成した。
【0075】
上記ろ液を、フォトレジストをパターニングしたウェハー上に2,000rpmで60秒間スピンコートし、続いて、90℃で60秒間ベークした(図8(b)参照)。被覆されたウェハーを塩素ガスによりエッチングした(塩素:50sccm、アルゴン:20sccm、出力:200W、圧力:50mTorr)。図8(c)は側壁の形成を示したものである。
【0076】
さらに酸素を用いてエッチングし、レジストを除去した(酸素:50sccm、出力:100W、圧力:100mTorr)。図8(d)は、レジストを除去した後の、立った状態のスペーサーを示したものである。CF4エッチングを用いてパターンを底面のハードマスク層に転写した(図8(e))。
【0077】
<実施例6> アダマンテート EMおよび有機シリコーン共重合体の混合物
9g(36wt%)のシリコーンメタクリレートモノマー(3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシリルオキシ)−シラン、TCI America,Portland,ORより入手)、1g(溶液に対して4wt%)のグリシジルメタクリレートおよび0.1g(モノマーに対して1wt%)のAIBNを15gのメシチレンに溶解することで、溶液を調製した。重合を100℃で24時間行い、溶液はさらに精製することなく用いた。
メシチレンと上記ポリマーの溶液(6wt%)および23.3g(14wt%)の2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート(Idemitsu Kosan Co.,Ltd.,Chiba,Japanよりアダマンテート EMの商品名で販売されている)を用意した。該混合物を10分間撹拌し、0.1μmのフィルターでろ過した。該混合物を、平らなシリコンウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜の厚みを測定した。その後、皮膜を110℃で60秒間ベークし、収縮量のデータを得るために再度皮膜の厚みを測定した。ベークにより皮膜の厚みは70%減少していた。
【0078】
<実施例7> 有機金属化合物
チタニウム(IV)ビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド(0.5g、Sigma−Aldrich,St.Louis,MOより入手)を9.5gのメチルイソブチルカルビトールに溶解した。該混合物を平らなシリコンウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜の厚みを測定した。その後、皮膜を110℃で60秒間ベークし、収縮量のデータを得るために再度皮膜の厚みを測定した。ベークにより皮膜の厚みは80%減少していた。
【図1−1】
【図1−2】
【図2−1】
【図2−2】
【図2−3】
【図2−4】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く、スペーサー構造を形成するために収縮性組成物を利用した、新規な多重パターニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
193nm液浸技術の次世代の開発や、極端紫外線露光装置(EUVL)の開発が遅れていることで、現時点で利用可能なツールを用いたダブルパターニングが、32nmや22nmハーフピッチノードに向けて2008年から2012年の間に利用が想定されている唯一のリソグラフィ技術である。自己整合型スペーサー技術は、広く研究されているダブルパターニング技術の一つである。スペーサーによるアプローチは、露光が一回で足りるという利点があり、連続する露光間のオーバーレイに関する深刻な問題を回避することができる。スペーサーは、予め形成したパターンに皮膜を形成し、その後、水平表面上の皮膜を除去するためにエッチングすることで、スペーサー皮膜層が側壁にのみ並んだ状態で残って得られる。その後、スペーサーのみ残して、最初のパターンは除去される。各ラインに二つのスペーサーが形成されるので、ラインの密度は二倍になる。結果として、32nmやさらに微細で高密度のラインが作製される。
【0003】
CVD(化学蒸着)プロセスを用いて形成される皮膜をベースとしたスペーサー技術による試みが以前からなされている。上記プロセスは、フォトリソグラフィ前に、フォトレジストの下の層を調製するためのいくつかのCVD工程を含む。フォトリソグラフィの後、テンプレート(型板)を作製するために、下層を取り除くいくつかのエッチング工程が用いられる。テンプレートを作製した後、コンフォーマルコーティングを塗布するためにCVDが用いられる。さらに、コンフォーマルコーティングは、スペーサーを形成するためにエッチングされる。かなり多くの工程を必要とするため、コストが高く、効率の悪いプロセスとなる。さらに、積層するとCD(限界寸法)を制御することができなくなる。
【0004】
材料および化学的収縮による高分解能化リソグラフィ(RELACS)と呼ばれるプロセスを用いて、微小なパターンの周期やピッチを倍にするための別の試みがなされている。RELACSプロセスは、レジストから拡散する酸によって誘発される架橋反応に基づくものであり、四つのステップ(スピンコーティング、全面露光、ベーキング、現像)を含む。該技術は主にコンタクトホールの縮小に応用されている。ここで、コンタクトホールの縮小はレジストによって誘発される化学的相互作用に依存する。このアプローチは微細なラインの形成には有用ではなく、KrF RELACSのプロセスが比較的穏やかな条件(<120℃)で行われるため、KrF(248nm)技術によって作製された大きなライン(>100nm)の周期を倍にするのに応用できる程度である。一方、32nmのラインの作製は、ArF(193nm)技術をベースとしたものである。ArFレジストにおける酸の運動性は極めて低い。そして、ArF RELACSのプロセスはベーキングに高温を必要とするが(>120℃)、これはレジストの元のラインを変形させるものである。このように、該プロセスは実用性に乏しい。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、マイクロ電子構造体を形成する方法を提供することによって、上記従来技術の問題に対処するものである。該方法は、パターニングされた表面を有する前駆体構造体の提供を含む。パターニングされた表面は、側壁と上表面を有する隆起物を少なくとも一つ含む。該隆起物の側壁と上表面を覆うために、収縮性組成物がパターニングされた表面に塗布される。パターニングされた表面と隆起物の上に収縮性組成物のコンフォーマル層を形成するため、該組成物は加熱される。隆起物と隆起物の側壁に接触するコンフォーマル層の残部を含むプレスペーサー構造体を形成するために、コンフォーマル層の少なくとも一部は除去される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明のダブルパターニングの工程を表した図である。
【図2】本発明のトリプルパターニングの工程を表した模式図である。
【図3】実施例1で調製されたコンフォーマルコーティングの走査型電子顕微鏡(SEM)像である。
【図4】実施例2で調製されたコンフォーマルコーティングを表すSEM像である。
【図5】実施例3で調製されたコンフォーマルコーティングのSEM像である。
【図6】実施例4で調製されたコンフォーマルコーティングを表すSEM像である。
【図7】(a)は、実施例5で用いられたテンプレート積層体の模式図である。(b)は、実施例5で調製されたコンフォーマルコーティングのSEM像である。(c)は、実施例5で構造体をエッチングした後に形成された側壁のSEM像である。(d)は、実施例5の構造体のフォトレジストを除去するためにさらにエッチングした後に生じた崩壊を表すSEM像である。
【図8】(a)は、パターンの崩壊を回避するために実施例5で用いられた別のテンプレート積層体の模式図である。(b)は、実施例5で調製された皮膜のSEM像である。(c)は、実施例5で別の構造体をエッチングした後に形成された側壁のSEM像である。(d)は、フォトレジストを除去するためにさらにエッチングした後の、実施例5の別の構造体を表すSEM像である。(e)は、ハードマスク層にパターンを転写するためにさらにエッチングした後の、実施例5の別の構造体を表すSEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<新規な方法>
本発明は、皮膜の収縮に基づく新規の二段階のアプローチを提供するものである。
図1は、本発明の一つの実施態様を図示したものである。ここで、図1(a)はパターニングされた前駆体構造体10を表したものである。構造体10は第一の層12を有し、該層は上表面12aと下表面12bを有する。当然ではあるが、図1に表される態様は、特定のマイクロ電子工学プロセスにおけるある瞬間の模式図である。すなわち、図1に表される各工程は、模式図が作製中の積層体の第一の層を表すように工程の最初にあたるものであってもよく、または、作製される積層体の途中のものであってもよく、または、模式図が形成される積層体を含む最終工程のいくつかを示すように工程における最終段階にあたるものであってもよい。下表面12bは複数の層に接していてもよく、基板13に接していてもよい。該基板としては、例えば、ケイ素、SiGe、SiO2、Si3N4、アルミニウム、タングステン、ケイ化タングステン、ガリウムヒ素、ゲルマニウム、タンタル、窒化タンタル、サンゴ、黒ダイヤ、リンやホウ素をドープしたガラス、およびそれらの混合物、からなる群より選択される通常のマイクロ電子工学基板が挙げられる。
【0008】
第一の層12は好ましくはスピンオンカーボン層(SOC)またはアモルファスカーボン層であり、従来技術のいかなるプロセスによっても付着・形成させることができるが、通常スピンコーティングが用いられる。スピンオンカーボン層は、組成物中における全固形分中に存在する原子の総数を100%としたときに、好ましくは80%以上の炭素原子を含み、より好ましくは約80%から約95%の炭素原子を含む。当業者であれば、組成物に含まれる固形分の化学構造をもとに上記パーセンテージを容易に計算することができる。第一層12の厚みは、通常、約50nm〜約1,000nmであり、好ましくは、約100nm〜約300nmである。
【0009】
構造体10は、さらに、上表面12aに隣接する第二の層14を有する。第二の層14は、上表面14aを有し、既知のいかなる塗布法でも塗布することができ、既知の条件で処理することができる。第二の層14は、好ましくはハードマスク層であるが、有機底面反射防止皮膜であってもよい。第二の層14を形成する組成物は既知のいかなる塗布法で塗布することもできるが、組成物を約1,000rpm〜4,000rpm(好ましくは約1,500rpm〜2,500rpm)のスピードで約10秒〜60秒(好ましくは約20秒〜60秒)スピンコーティングにより塗布する方法が好ましい。その後、該組成物は熱架橋させるためにベークされる。ベーキングの温度は、好ましくは約100℃以上であり、より好ましくは120℃〜約250℃であり、さらに好ましくは160℃〜200℃である。ベーキングの時間は、約20秒〜約60秒である。架橋後の第二の層14の厚みは、通常、約20nm〜約150nmであり、好ましくは約30nm〜100nmである。
【0010】
第二の層14のn値は、好ましくは約1.4〜約2であり、より好ましくは約1.6〜約2である。第二の層14のk値は、使用する波長(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm、13.5nm)において、好ましくは約0〜約0.6である。
好都合にも、硬化後の第二の層14は十分に架橋しているので、通常の有機溶媒(例えば、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル(PnP)、シクロヘキサノン、アセトン、γ−ブチルラクトン(GBL)、またはそれらの混合物)には実質的に不溶である。硬化後の第二の層14について剥離試験を行った場合、剥離の割合は約5%よりも少なく、好ましくは約1%よりも少なく、さらに好ましくは約0%である。剥離試験では、まず、硬化させた第二の層14の五つの異なる場所で厚みを測定し、平均することで厚みを決める。これがフィルムの初期の厚みの平均値である。次に、硬化させたフィルムを溶媒(例えば、乳酸エチル)に約20秒間浸し、その後溶媒を除去するために、2000〜3500rpmで約20〜30秒間回転して乾燥させる。偏光解析法により、ウェハー上の異なる五つの点で厚みを測定し、これら測定値の平均を決定する。これがフィルムの最終的な厚みの平均値である。
【0011】
剥離の量は、フィルムの初期の厚みと最終的な厚みとの差である。剥離の割合は以下の式で求めることができる。
剥離の割合(%)=(剥離の量/フィルムの初期の厚み)×100
【0012】
好ましい態様では、その後、イメージング層(図示なし)を形成するために、感光性組成物を、硬化した第二の層14に塗布する。続いて、パターン16を形成するために、イメージング、露光、現像を行う。既知の方法でこれを行うことができるが、可能なプロセスの一つを以下に記載する。このプロセスでは、感光性組成物を好ましくはスピン塗布し、その後、塗布後ベーク(PAB)を約80℃以上(好ましくは約80℃〜約130℃、より好ましくは約100℃〜約120℃)で行う。ベークの時間は約60秒〜約120秒である。好適な感光性組成物には、市販のフォトレジストやその他の感光性組成物が含まれる。ベーク後のイメージング層の厚みは、通常、約50nm〜約1,000nmであり、好ましくは約60nm〜約400nmである。
【0013】
その後、イメージング層は、イメージング層の表面上に位置したフォトマスク(図示なし)を通して、露光される。放射がマスクを通って、イメージング層の表面に接触するように、マスクには穴のあいた部分が設計されている。マスクの残部部分は、放射がイメージング層の特定の領域の表面に接触しないようにデザインされている。当業者は、イメージング層、究極的にはイメージング層の下の層、に形成される希望のパターンに基づいて、穴が開いている部分と開いていない部分の調整が設計されることを容易に理解する。本発明のプロセスでは、500nm未満のほとんどの波長の放射を用いることができるが、365nm、248nm、193nm、157nmおよび13.5nmからなる群より選択される波長が好ましい。
【0014】
露光において、イメージング層の放射に曝された部分は、フォトレジスト現像液に溶解するようになる。露光後、イメージング層について露光後ベーク(PEB)を約80℃〜約180℃で行うことが好ましく、約100℃〜約180℃がより好ましい。時間は約60秒〜約120秒である。イメージング層の露光された部分は、上記プロセスによって可溶になり、その後、露光された部分を除去するためにフォトレジスト現像液に接触され、図1で示されるパターニングされた層16を形成する。
【0015】
パターニングされた層16は隆起物18(例えば、ライン)を含む。図1は、単に、二つの隆起物18を示したものであるが、当該技術分野における通常の知識によれば、隆起物がいくつ形成されていても構わないことが理解できる。各隆起物18はそれぞれ第一の側壁20aと第二の側壁20bを含む。該側壁は上表面14aと上表面22に対して実質的に垂直である。上表面22は上表面14aと実質的に並行である。さらに、パターン18の幅Wは、約20nm〜約100nmであることが好ましく、約22nm〜約80nmであることがより好ましく、約32nmであることがさらに好ましい。
【0016】
上記プロセスは感光性組成物から隆起物18を形成するプロセスを表したものである。しかし、隆起物18は、当然、他の複数の組成物から形成することもできる。例えば、隆起物18は、反射防止層、ハードマスク層、非晶質カーボン層、シリコン層および酸化物(例えば、金属酸化物)層からなる群より選択される層中に形成することもできる。どのようなタイプの層に対しても、隆起物18は既知のプロセスによって形成することができる。例えば、ある層を第二の層14の上に形成し、その後、該層の上にイメージング層を形成することができる。その後、イメージング層は上述したようにパターン化され、そのパターンは隆起物18を形成するために別の層に転写される。隆起物18が形成される材料に関わらず、隆起物18を含むパターニングされた構造体10が提供される点が重要である。さらに、隆起物18のピッチ(W:D)は、約1:2〜約1:4であることが好ましく、約1:3(図1(b)参照)であることがより好ましい。特に好ましい態様は、Wが32nm、Dが96nmである。
【0017】
パターニングされた構造体10が、上述のプロセスまたは当該分野で既知の他のプロセスによって形成された後、収縮性組成物24が、第二の層14の上表面14aならびに隆起物18の側壁20a、20bおよび上表面22に塗布される。収縮性組成物24は、既知のいかなる方法でも塗布することができるが、スピン塗布またはスピンコートが好ましい。
【0018】
その後、収縮性組成物24は加熱され、加熱により多くの小分子が除去されることで著しく収縮し、図1(c)に示すコンフォーマルコーティング26が形成される。収縮性組成物を加熱する温度は、隆起物18を形成する材料に依存する。例えば、隆起物18がフォトレジスト組成物から形成される場合、収縮性組成物24を加熱する温度は約120℃よりも低く、好ましくは約110℃よりも低く、より好ましくは約80℃〜約100℃である。隆起物18はフォトレジスト組成物以外の材料で形成される場合、収縮性組成物24を加熱する温度は約300℃よりも低く、好ましくは約250℃より低く、より好ましくは約100℃〜約210℃である。
【0019】
好都合なことに、コンフォーマルコーティング26と隆起物18の側壁20a、20b、上表面22との間に化学的な相互作用はない。したがって、上記プロセスは、どのようなタイプの隆起物18にも用いることができる。さらに、上記加熱温度により、隆起物18を歪ませない穏やかな条件でのプロセスとなる。
【0020】
好ましくはAとBが等しく(図1(c)参照)、より好ましくはBがAよりも小さい。これにより極めて少しのエッチングでプレスペーサーが形成される。Aは、隆起物18の上のコンフォーマルコーティング26の厚みであり、最も厚い点の厚みを表す。一方、Bは、隆起物18と隆起物18の間の厚みが最も薄い点におけるコンフォーマルコーティング26の厚みを表す(すなわち、パターンの間の谷の最も低い点)。Aの位置とBの位置を基準としたとき、収縮性組成物24は、加熱工程で、少なくとも約25%縮み、好ましくは少なくとも約35%縮み、より好ましくは少なくとも約50%縮み、さらに好ましくは約55%〜約90%縮む。
【0021】
次に、図1(d)を参照する。プレスペーサー28を形成するために、コンフォーマルコーティング26にエッチング処理を施す。好ましいエッチング剤としては、例えば、Cl2、CF4、CH3FおよびCHF3からなる群より選択されるものがある。通常のエッチングレートは約1オングストローム/秒〜約10オングストローム/秒であり、好ましくは約3オングストローム/秒〜約8オングストローム/秒である。加えて、エッチングは、通常のウェットエッチングプロセスで行うことができる。それぞれのプレスペーサー28は隆起物18と収縮性組成物の残部30を含む。図1(d)に表すように側壁20a、20bに対して残部30が存在する。
【0022】
その後、隆起物18は各プレスペーサー28から除去され(例えば、O2エッチングによって)、残部30が残る(図1(e))。残部30は非常に小さい隆起物を形成するし、スペーサーとして働く(例えば、約70nmよりも小さいライン、好ましくは約50nmよりも小さいライン、より好ましくは約32nmよりも小さいライン)。すなわち、構造体10にエッチング処理を施し、残部30によって作られたパターンを第二の層14に転写し、第二の層14にライン34を形成する。エッチングプロセスは残部30と、第二の層14のうち残部30で保護されていない部分を除去する。好ましいエッチング剤としては、例えば、Cl2、CF4、CH3FおよびCHF3からなる群より選択されるものが挙げられ、通常のエッチングレートは約1オングストローム/秒〜約10オングストローム/秒であり、好ましくは約3オングストローム/秒〜約8オングストローム/秒である。必要に応じて、パターンはさらに第一の層12および基板13に通常の技術を用いて転写される。
【0023】
上記プロセスは本発明によるダブルパターニングを表したものである。好都合なことに、ダブルパターニングプロセスは追加のエッチング工程を加えることでトリプルパターニングプロセスに改変することができる。このプロセスは図2に示される。ここで、同種の材料を指定するのに同じ数字を用いる。また、特に断りがない限り、図1で示したプロセス条件と同じ条件(例えば、回転速度、温度、エッチング、時間、等)が用いられる。
【0024】
図2(a)を見ると、パターニングされた構造体10が上述したのと同じように表されていることが分かる。隆起物18は上述したように幅Wを通常有する。その後、該隆起物18は、それぞれの幅が少なくとも半分にカットされるようにトリミングされる(図2(b))。トリミング後の隆起物18´の幅W´は好ましくは約50nm〜約90nmであり、より好ましくは約60nm〜約80nmであり、さらに好ましくは約70nmである。該トリミングは、既知のいかなる方法によっても行うことができるが、好適な方法の一つとしてプラズマエッチングが挙げられる。
【0025】
その後、図2(c)に示されるように、アーチ型の隆起物18´´と部分的にエッチングされた第二の層14´になるように、隆起物18´と第二の層14に部分エッチングが施される。部分エッチングされた第二の層14´は、低い隆起物または突起36を有する。部分エッチング工程に好適なエッチング剤としては、例えば、Cl2、CF4、CH3FおよびCHF3からなる群より選択されるものが挙げられ、エッチングレートは通常約1オングストローム/秒〜約10オングストローム/秒であり、好ましくは約3オングストローム/秒〜約7オングストローム/秒である。
【0026】
その後、アーチ型の隆起物18´´は除去され(例えば、エッチングによって)、図2(d)に示すように、パターニングされた構造38が残る。感光性層40(図2(e))が、上述したような既知のプロセスを用いて、上表面14a´と突起36に塗布される。その後、図2(f)に示すように、感光性層40は、隆起物42になるようにパターン化される(露光および現像)。それぞれの隆起物42は、第一の側壁44aと第二の側壁44bを有する。44aおよび44bは上表面14a´に対して実質垂直であり、上表面14a´と実質並行である上表面46に対して実質垂直である。
【0027】
次に、収縮性組成物24は、上述したように、また図2(g)に示すように、第二の層14aの上表面14a´ならびに隆起物42の側壁44a、44bおよび上表面46に塗布される。その後、組成物24に対して上述したように収縮プロセスを行い(図2(h))、コンフォーマルコーティング26が形成される。残りの工程である図2(i)〜(k)は図1(d)〜(f)で述べたものと同様である。しかし、図2では、パターンが2倍ではなく、3倍になっていることが特徴である(すなわち、図2の態様では、結果的に、図の態様よりもライン34が50%多い。)。また、好都合なことに、ライン34は、極めて小さく、幅は70nmよりも小さく、好ましくは約50nmよりも小さく、より好ましくは約16nm〜約32nmである。
【0028】
最後に、図2(l)は、第一の層12にパターンを転写する追加のステップを示す。上述した態様の場合と同様に、必要に応じて、このパターンを基板13に転写することができる。
【0029】
上記プロセスはフォトレジストとは独立したものであり、上記皮膜と基板の間に相互作用は全く発生しないことが分かる。結果として、上記プロセスはいかなる基板にも応用することができ、元のラインの破壊を抑制できる穏和な条件(<120℃)下で塗布することができる。このように、上記新規なアプローチは、従来技術のアプローチとは異なるメカニズムに基づくものであり、従来技術のアプローチを超える有利な効果を与えるものである。上記プロセスは高密度ラインの頻度を2倍にするのにも用いることができるし、3倍にするのにも用いることができる。ここで、高密度とは、表面の少なくとも約50%以上がパターン18で満たされた領域を指す。
【0030】
<収縮性組成物24として用いる組成物>
収縮性組成物24として用いる組成物は、好ましくは有機または有機金属の組成物であり、本願に適した特性を発現するものである。例えば、該組成物は、上述した加熱工程において高い収縮性を発現することが必要である。これは、隆起物18がフォトレジストからなる場合、収縮性組成物24は、隆起物18が破壊されることなく該組成物が収縮するように、約120℃よりも低い温度で分解しなければならず、約110℃よりも低い温度で分解することが好ましく、約80℃〜約100℃で分解することがより好ましい、ということである。隆起物18がフォトレジスト以外の材料からなる場合、収縮性組成物24は、隆起物18が破壊されることなく該組成物が収縮するように、約300℃よりも低い温度で分解しなければならず、約250℃よりも低い温度で分解することが好ましく、約100℃〜約210℃で分解することがより好ましい。
【0031】
収縮性組成物24は組成物中の固形分を溶解または分散させるのに使われる有機溶媒を含んでいることが好ましい。溶媒系は、フォトレジストパターンを変形しないように選択することが好ましい。具体的には、メシチレン、メチルイソブチルカルビノール、d−リモネン、およびそれらの混合物からなる群より選択される溶媒が好ましい。隆起物18がフォトレジスト組成物からなる場合、通常他の基板よりも脆くなるので、そのような態様において有機溶媒を含んでいることは特に有効である。隆起物18がフォトレジストからなるものではない態様では、溶媒系は、上記溶媒系および/または乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートおよびプロピレングリコール−n−プロピルエーテルからなる群より選択される溶媒を含む。
【0032】
収縮性組成物は隆起物18よりもゆっくりエッチングすることが極めて望ましい。隆起物18のエッチング選択比に対する収縮性組成物のエッチング選択比は、好ましくは約0.30よりも小さく、より好ましくは約0.25よりも小さく、さらに好ましくは約0.001〜約0.10である。隆起物18がフォトレジスト組成物からなる場合、これらの数値はエッチング剤として酸素を用いることで達成される。隆起物18がフォトレジスト以外の材料からなる場合、これらの数値はエッチング剤としてCl2、CF4、CH3FまたはCHF3を用いることで達成される。
【0033】
好適な収縮性組成物としては、溶媒系に分散または溶解する橋かけ剤または架橋剤が挙げられる。架橋剤は、自己縮合によりネットワークを形成し、大幅に収縮するため、好ましい。本発明で用いられる好適な架橋剤のうち代表的なものとしては、メチル化ポリ(メラミン−co−ホルムアルデヒド)(Cytec IndustriesよりCymel(登録商標)303の商品名で販売されている)のようなアミノプラストが挙げられる。その他の好適な架橋剤としては、例えば、ポリ(メラミン−co−ホルムアルデヒド)ブチレート/イソブチレート、ヘキサメチルメラミン(HMM)、グリコールウリル(例えば、Cytec IndustriesよりPowderlink(登録商標)の商品名で販売されている)、1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ビス(メトキシ)−エチレンウレア(BMNU)、1,3−ビス(メトキシメチル)ウレア(BMU)、および次の誘導体からなる群より選択されるものが挙げられる。
【0034】
【化1】
【0035】
収縮の度合いは、放出されるアルコールの分子量およびベーキング温度に依存する。放出されるアルコールとしてブタノールのような大きなモル質量のアルコールを結合し、高温でベークすることで、大きく収縮させることができる。必要に応じて、エッチング選択性を改善するために、橋かけ剤にポリシロキサンのような耐エッチング性ポリマーを混合することができる。
【0036】
この種の組成物にとって、好適な溶媒系としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、メシチレン、メチルイソブチルカルビトール、d−リモネンおよびそれらの混合物からなる群より選択される一種以上の溶媒が挙げられる。さらに、この態様の組成物の固形分の量は、組成物の総質量を100%としたとき、質量で、約1%〜約15%であることが好ましく、約3%〜約10%であることがより好ましい。架橋剤は、組成物中の固形分の総質量を100%としたとき、質量で、約80%〜約99%のレベルで存在することが好ましく、約90%〜約95%のレベルで存在することがより好ましい。
【0037】
また、収縮性組成物は酸を含み、酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸からなる群より選択される酸が挙げられる。酸の量は、組成物中の架橋剤の全質量を100%としたとき、質量で、約1%〜約20%のレベルで存在することが好ましく、約5%〜約10%のレベルで存在することがより好ましい。
【0038】
隆起物18がフォトレジスト組成物から形成されていない態様では、橋かけ剤を含む組成物がより好ましい。なぜなら、この種の組成物は、高いベーク温度で良好な収縮を実現するからである。
【0039】
その他の好適な組成物としては、例えば、連鎖重合により合成した、酸に不安定な側鎖を有するポリマーであって、溶媒系に分散または溶解しているもの、が挙げられる。上述したようにスピンコーティングで厚膜を調製し、該膜をベークしたとき、酸に不安定な側鎖が酸により解裂し、揮発性物質が放出する。側鎖が放出されると、フィルムは著しく収縮する。収縮の度合いは、側鎖の大きさと組成物で決まる。側鎖は、酸によって低い温度(例えば120℃よりも低い温度)で開裂するものを選択することができる。そうすることで、この種の組成物は隆起物18がフォトレジストからなる場合でも、隆起物18がフォトレジスト以外の材料からなる場合でも、好適なものとなる。
【0040】
これらのポリマーに用いられるモノマーとしては、例えば、スチレン、メチルアクリレートおよびアクリレート誘導体からなる群より選択されるモノマーが挙げられる。好適なスチレン系モノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0041】
【化2】
【0042】
酸に不安定な側鎖を有する好適なアクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0043】
【化3】
【0044】
酸に不安定な側鎖としては、例えば、t−ブチル、アセチル類、アダマンチル類およびラクトン類からなる群より選択されるものが挙げられる。必要に応じて、好ましいエッチング耐性を有する共重合体を調製するために、耐エッチング性成分を用いることができる。
【0045】
この種の組成物において、好ましい溶媒系としては、例えば、メシチレン、メチルイソブチルカルビトール、d−リモネンおよびそれらの混合物からなる群より選択される一種以上の溶媒が挙げられる。さらに、この態様の組成物の固形分量は、組成物の総質量を100%としたとき、質量で、約2%〜約15%であることが好ましく、約3%〜約10%であることがより好ましい。ポリマーは、組成物中の固形分の総質量を100%としたとき、質量で、約85%〜約99%のレベルで存在することが好ましく、約90%〜約95%のレベルで存在することがより好ましい。
【0046】
また、この態様の収縮性組成物は酸を含み、酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸からなる群より選択される酸が挙げられる。収縮性組成物に含まれる酸の量は、組成物中のポリマーの全質量を100%としたとき、質量で、約1%〜約10%のレベルで存在することが好ましく、約3%〜約7%のレベルで存在することがより好ましい。
【0047】
重質溶媒および耐エッチング性ポリマーの混合物は、さらに、好適な収縮性組成物24のもう一つの例である。耐エッチング性ポリマーは、上述した隆起物18と比較してエッチング選択性を有するどのようなポリマーであってもよい。このような耐エッチング性ポリマーとして好適なものは、シリコン含有ポリマーである。
【0048】
重質溶媒は、単一皮膜を形成するためにスピンコートした後、耐エッチング性ポリマーと一緒に残る。その後、重質溶媒はベーキングの間に完全に蒸発し(ベーキングの温度は約120℃未満であることが好ましい。これにより、フォトレジストの隆起物18に対してもフォトレジストでない隆起物18に対しても、蒸発が適当なものとなる。)、耐エッチング性ポリマーのみがコンフォーマルコーティングを形成するために残る。重質溶媒とは、耐エッチング性ポリマーと相溶し、スピンコーティングの後には残るが、上記収縮時の温度では蒸発するような沸点を有する溶媒、を意味する。重質溶媒の典型例としては、例えば、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−メチル−アダマンチルアクリレート、1−ドデカンおよびそれらの混合物からなる群より選択されるものが挙げられる。
【0049】
この種の組成物において、固形分量は、組成物の総質量を100%としたとき、質量で、約2%〜約15%であることが好ましく、約3%から約10%であることがより好ましい。ポリマーは、組成物中の固形分の総質量を100%としたとき、質量で、約20%〜約80%のレベルで存在することが好ましく、約40%〜約60%のレベルで存在することがより好ましい。
【0050】
さらに、収縮性組成物24として好適な材料の種類としては、例えば、溶媒系に分散または溶解する有機金属化合物が挙げられる。好ましい有機金属化合物は、上記収縮温度で配位子を放出し、金属酸化物を形成するものである。配位子の脱離によりコンフォーマルコーティング26が形成される。配位子は低い温度で放出されるため(例えば、約120℃未満)、この種類の組成物は、隆起物18がフォトレジストからなる場合でも、隆起物18がフォトレジスト以外の材料からなる場合でも、好適なものとなる。
【0051】
典型例としては、例えば、チタニウム(IV)ビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド、チタニウム(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド、チタニウム(IV)ジイソプロポキシド(ビス−2,3−ペンタンジオネート)、アルミニウムジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、バナジウム(IV)オキシドビス(2,4−ペンタン−ジオネート)、ジルコニウムジブトキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、アルミニウムペンタンジオネートビス(エチルアセト−アセテート)、ハフニウムジブトキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、バナジウム(III)(2,4−ペンタンジオネート)およびポリ(ジブチルチタネート)からなる群より選択されるものが挙げられる。
【0052】
以下は、有機金属化合物としてチタニウム(IV)ビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシドを用いたときに起きる、配位子の脱離を示したものである。
【0053】
【化4】
【0054】
この種類の組成物において、好適な溶媒系としては、例えば、メチルカルビノールイソブチル、メシチレン、1−ドデセンおよびそれらの混合物からなる群より選択される一種以上の溶媒が挙げられる。さらに、組成物の固形分量は、組成物の総質量を100%としたとき、質量で、約2%〜約15%であることが好ましく、約3%〜約10%であることがより好ましい。有機金属化合物は、組成物中の固形分の総質量を100%としたとき、質量で、約40%〜約90%のレベルで存在することが好ましく、約40%〜約80%のレベルで存在することがより好ましい。
【実施例】
【0055】
以下の実施例で本発明の好適な方法を説明するが、これらの実施例は本発明を説明するためのものであり、発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
【0056】
<実施例1> 架橋剤/極性溶媒
Cymel(登録商標)303(Cytec Industries,West Paterson,NJより入手した架橋剤)10gを極性溶媒であるPGME(General Chemical West LLC,Hollister,CAより入手)90gに溶解することで溶液を調製した。得られた溶液の架橋剤の濃度は0.25wt%であった。次に、p−トルエンスルホン酸(Sigma−Aldrich,St.Louis,MOより入手したp−TSA)0.025gを触媒として加えた。該混合物を10分間撹拌し、その後、0.1μmのフィルターでろ過した。ろ液を平らなシリコンウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜または塗膜の厚みを測定した。その後、ウェハーを205℃で60秒間ベークした。該ベークは反応スキームAを伴うものである。収縮量を調べるために、皮膜の厚みを再度測定した。ベークによって厚みは35%減少していた。
【0057】
また、ろ液を、シリコンラインを有するウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、205℃で60秒間ベークした。図3は、シリコンライン上の、得られたコンフォーマルコーティングを示したものである。
【0058】
【化5】
【0059】
<実施例2> 架橋剤/無極性溶媒
10gのCymel(登録商標)303を無極性溶媒であるメシチレン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MOより入手)90gに溶解することで溶液を調製した。次に、ジノニルナフタレンスルホン酸溶液(DNNSA、Sigma−Aldrich,St.Louis,MOより入手)0.05gを加え、架橋剤の濃度が0.5wt%の溶液を得た。該混合物を10分間撹拌し、その後、0.1μmのフィルターでろ過した。
【0060】
ろ液を平らなシリコンウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜の厚みを測定した。その後、ウェハーを205℃で60秒間ベークした。収縮量を調べるために、皮膜の厚みを再度測定した。ベークによって皮膜の厚みは35%減少していた。
【0061】
また、ろ液を、シリコンラインを有するウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、205℃で60秒間ベークした。図4は、シリコンラインウェハー上の、該ろ液から得られたコンフォーマルコーティングを示したものである。
【0062】
<実施例3> ポリ(アダマンテート EA)
アダマンテート EA(2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、Idemitsu Kosan Co.,Ltd.,Chiba,Japanより入手)10g(40wt%)およびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、Sigma−Aldrich,St.Louis,MOより入手した開始剤)0.1g(アダマンテート EAに対して1wt%)をメシチレン15gに溶解した。重合を100℃で24時間行い、その後、溶液をメシチレンで7.5wt%に希釈した。次に、DNNSA(ポリマーに対して0.5wt%)0.05gをポリマー溶液に加えた。該混合物を10分間撹拌し、0.1μmのフィルターでろ過した。ろ液を平らなシリコンウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜の厚みを測定した。その後、ウェハーを110℃で60秒間ベークし、収縮量のデータを得るために再度皮膜の厚みを測定した。ベークによって皮膜の厚みは70%減少していた。スキームBは、ベーク中の揮発性物質の放出を表したものである。
【0063】
また、ろ液を、フォトレジストのパターンを描いたウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、90℃で60秒間ベークした。図5は、フォトレジストのラインの上表面上の、得られたコンフォーマルコーティングを示したものである。
【0064】
【化6】
【0065】
<実施例4> ポリ(アダマンテート EA−シリコーン)
8g(32wt%)のアダマンテート EAおよび2g(8wt%)のシリコーンメタクリレートモノマー(3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシリルオキシ)−シラン、TCI America,Portland,ORより入手)をメシチレン15gに溶解することで溶液を調製した。重合を100℃で24時間行った。溶液を108.3gのメシチレンで7.5wt%に希釈し、その後、0.05gのDNNSA(ポリマーに対して0.5wt%)を溶液に加えた。該混合物を10分間撹拌し、0.1μmのフィルターでろ過した。平らなシリコンウェハー上に1500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜の厚みを測定した。その後、ウェハーを110℃で60秒間ベークし、収縮量のデータを得るために再度皮膜の厚みを測定した。ベークによって、皮膜の厚みは55%減少していた。
【0066】
また、ろ液を、フォトレジストをパターニングしたウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、90℃で60秒間ベークした。図6は、フォトレジストのラインの上表面上のコンフォーマルコーティングを示したものである。
【0067】
種々ガスにおける皮膜のエッチングレートを、Oxford Plasmalab RIEを用いて、以下の条件で測定した。
出力 : 100W
圧力 : 50mTorr
バックサイドヘリウム : 3mTorr
ガス : 50sccm
市販のフォトレジスト(AR1682J、JSR Micro,Sunnyvale,CAより入手)、およびエッチング30秒後の熱酸化物層、に対する皮膜のエッチング選択比を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
<実施例5> ポリ(アダマンテート EA−シリコーン)
8g(32wt%)のアダマンテート EAおよび2g(8wt%)のシリコーンメタクリレートモノマー(MCR−M07、モノメタクリレート末端ポリジメチルシロキサン、分子量600〜800g/mol、Gelest Inc,Morrisville,PAより入手)をメシチレン15gに溶解することで溶液を調製した。溶液を108.3gのメチルイソブチルカルビトール(Sigma−Aldrich,St.Louis,MOより入手)で7.5wt%に希釈し、その後、溶液に0.05gのDNNSA(ポリマーに対して0.5wt%)を加えた。該混合物を10分間撹拌し、その後、0.1μmのフィルターでろ過した。平らなシリコンウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜の厚みを測定した。その後、皮膜を110℃で60秒間ベークし、収縮量のデータを得るために皮膜の厚みを再度測定した。ベークによって皮膜の厚みは55%減少していた。
【0070】
種々ガスにおける皮膜のエッチングレートを、Oxford Plasmalab RIEを用いて、以下の条件で測定した。
出力 : 100W
圧力 : 50mTorr
バックサイドヘリウム : 3mTorr
ガス : 50sccm
市販のフォトレジスト(AR1682J)、およびエッチング30秒後の熱酸化物層、に対する皮膜のエッチング選択比を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】
レジストをパターニングしたウェハーをテンプレートとして用いた。図7(a)に模式図を示す。有機底面反射防止皮膜(ARC(登録商標)29A、Brewer Science Inc,Rolla,MOより入手)を、パターニングしたフォトレジストと基板との間の層として用いた。上記ろ液を、フォトレジストをパターニングしたウェハー上に1,000rpmで60秒間スピンコートし、その後、90℃で60秒間ベークした。図7(b)はフォトレジストのラインの上表面上の得られたコンフォーマルコーティングを示したものである。
【0073】
その後、被覆したウェハーを、塩素ガスを用いてエッチングした(塩素:50sccm、アルゴン:20sccm、出力:200W、圧力:50mTorr)。図7(c)は側壁の形成を示したものである。さらに酸素を用いてエッチングし(酸素:50sccm、出力:100W、圧力:100mTorr)、レジストを除去した。しかし、底面層に有機底面反射防止皮膜を用いたことで、該反射防止皮膜が酸素によりスペーサーよりも非常に速くエッチングされ、スペーサーが崩壊した(図7(d))。
【0074】
崩壊の問題に対処するため、図8(a)に示すような積層の新しいテンプレートを用意した。具体的には、OptiStack SOC 110(スピンオンカーボンまたはSOC、Brewer Science Brewer Science Inc,Rolla,MOより入手)の底面層をシリコンウェハーに貼り付けた。次に、シリコン含有底面反射防止皮膜OPTISTACK(登録商標)HM710(ハードマスクまたはHM、Brewer Science Inc,Rolla,MOより入手)をスピンオンカーボンの上表面に塗布した。フォトレジスト層(Pi6001、TOK,Japanより入手)をハードマスクの上表面に形成し、続いて、パターニングでラインを形成した。
【0075】
上記ろ液を、フォトレジストをパターニングしたウェハー上に2,000rpmで60秒間スピンコートし、続いて、90℃で60秒間ベークした(図8(b)参照)。被覆されたウェハーを塩素ガスによりエッチングした(塩素:50sccm、アルゴン:20sccm、出力:200W、圧力:50mTorr)。図8(c)は側壁の形成を示したものである。
【0076】
さらに酸素を用いてエッチングし、レジストを除去した(酸素:50sccm、出力:100W、圧力:100mTorr)。図8(d)は、レジストを除去した後の、立った状態のスペーサーを示したものである。CF4エッチングを用いてパターンを底面のハードマスク層に転写した(図8(e))。
【0077】
<実施例6> アダマンテート EMおよび有機シリコーン共重合体の混合物
9g(36wt%)のシリコーンメタクリレートモノマー(3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシリルオキシ)−シラン、TCI America,Portland,ORより入手)、1g(溶液に対して4wt%)のグリシジルメタクリレートおよび0.1g(モノマーに対して1wt%)のAIBNを15gのメシチレンに溶解することで、溶液を調製した。重合を100℃で24時間行い、溶液はさらに精製することなく用いた。
メシチレンと上記ポリマーの溶液(6wt%)および23.3g(14wt%)の2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート(Idemitsu Kosan Co.,Ltd.,Chiba,Japanよりアダマンテート EMの商品名で販売されている)を用意した。該混合物を10分間撹拌し、0.1μmのフィルターでろ過した。該混合物を、平らなシリコンウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜の厚みを測定した。その後、皮膜を110℃で60秒間ベークし、収縮量のデータを得るために再度皮膜の厚みを測定した。ベークにより皮膜の厚みは70%減少していた。
【0078】
<実施例7> 有機金属化合物
チタニウム(IV)ビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド(0.5g、Sigma−Aldrich,St.Louis,MOより入手)を9.5gのメチルイソブチルカルビトールに溶解した。該混合物を平らなシリコンウェハー上に1,500rpmで60秒間スピンコートし、皮膜の厚みを測定した。その後、皮膜を110℃で60秒間ベークし、収縮量のデータを得るために再度皮膜の厚みを測定した。ベークにより皮膜の厚みは80%減少していた。
【図1−1】
【図1−2】
【図2−1】
【図2−2】
【図2−3】
【図2−4】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ電子構造体の製造方法であって、
第一の側壁、第二の側壁および上表面を有する隆起物を1以上含むパターニングされた表面を備える前駆体構造体を提供すること、
収縮性組成物が前記隆起物の側壁および上表面を覆うように、前記収縮性組成物を前記パターニングされた表面上に塗布すること、
前記パターニングされた表面上および前記隆起物上に前記収縮性組成物のコンフォーマル層が形成されるように、前記収縮性組成物を加熱すること、および
前記コンフォーマル層の少なくとも一部を除去し、前記隆起物、および、前記隆起物の側壁に接触する前記コンフォーマル層の残部を含むプレスペーサー構造体を得ること、を含むマイクロ電子構造体の製造方法。
【請求項2】
前記塗布後かつ前記加熱前の前記収縮性組成物の厚みを最初の厚みとし、前記加熱後かつ前記除去前の前記コンフォーマル層の厚みを最後の厚みとしたとき、
前記最後の厚みが前記最初の厚みと比較して約25%以上小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターニングされた表面上に前記残部を残すように、前記プレスペーサー構造体から前記隆起物を除去すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パターニングされた表面が前記塗布前に有するパターンを第一のパターンとし、前記パターニングされた表面が前記隆起物の除去後に有するパターンを第二のパターンとしたとき、
前記第二のパターンが、前記第一のパターンの2倍ある、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記パターニングされた表面の下に1以上の層があり、
前記残部によって形成されたパターンを、前記パターニングされた表面の下の前記層に転写することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記パターニングされた表面が、互いに近接した2以上の隆起物を有し、
前記加熱後において、各隆起物の上表面上の前記コンフォーマル層の最大厚みをAとし、前記二つの隆起物の間における前記パターニングされた表面上の前記コンフォーマル層の最小厚みをBとしたとき、BがAと同じであるか、またはAよりも小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記前駆体構造体が、上表面を有する第一の層と、前記第一の層の上表面と隣接し、上表面を有する第二の層と、前記第二の層の上表面と隣接する前記パターニングされた表面とを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第一の層が、スピンオンカーボン層を有し、
前記第二の層が、ハードマスク層を有し、
前記パターニングされた表面が、光感光性層を有する、請求項7に記載の方法
【請求項9】
前記パターニングされた表面が約1:2〜約1:4のピッチで複数の前記隆起物を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記パターニングされた表面が、前記1以上の隆起物の下にさらに第二の隆起物を有し、
前記第二の隆起物が、第一の側壁、第二の側壁および上表面を有し、
前記1以上の隆起物が、前記第二の隆起物の側壁および上表面と接触し、
前記第二の隆起物と前記1以上の隆起物が異なる材料から成る、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記パターニングされた表面上に前記残部と前記第二の隆起物が残るように、前記プレスペーサー構造体から前記1以上の隆起物を除去することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記パターニングされた表面が前記塗布前に有するパターンを第一のパターンとし、前記パターニングされた表面が前記隆起物の除去後に有するパターンを第二のパターンとしたとき、
前記第二のパターンが前記第一のパターンの3倍である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記収縮性組成物が次の(a)〜(d)からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
(a) 溶媒系に分散または溶解した架橋剤、を含有する組成物
(b) 溶媒系に分散または溶解したポリマー、を含有し、前記ポリマーが酸に不安定な側鎖を有する、組成物
(c) 重質溶媒を含有する溶媒系に分散または溶解した耐エッチング性ポリマー、を含有する組成物
(d) 溶媒系に溶解または分散した有機金属化合物、を含有する組成物
【請求項14】
前記収縮性組成物が(a)であり、
前記架橋剤が、メチル化ポリ(メラミン−ホルムアルデヒド共重合体)、ブチル化ポリ(メラミン−ホルムアルデヒド共重合体)、イソブチル化ポリ(メラミン−ホルムアルデヒド共重合体)、ヘキサメチルメラミン、グリコールウリル、1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ビス(メトキシ)−エチレンウレア、1,3−ビス(メトキシメチル)ウレアおよび以下の誘導体からなる群より選択されるものである、請求項13に記載の方法。
【化1】
【請求項15】
前記収縮性組成物が(b)であり、
前記ポリマーが、スチレン、メチルアクリレートおよびアクリレートからなる群より選択されるモノマーを含有し、
前記酸に不安定な側鎖が、t−ブチル、アセチル、アダマンチルおよびラクトンからなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記収縮性組成物が(c)であり、
エッチング剤としてO2を用いた場合に、前記1以上の隆起物に対する前記ポリマーのエッチング選択比が、約0.30よりも小さく、
前記重質溶媒が、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−メチル−アダマンチルアクリレート、l−ドデセンおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記収縮性組成物が(d)であり、
前記有機金属化合物が、チタニウム(IV)ビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド、チタニウム(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド、チタニウム(IV)ジイソプロポキシド(ビス−2,3−ペンタンジオネート)、アルミニウムジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、バナジウム(IV)オキシドビス(2,4−ペンタン−ジオネート)、ジルコニウムジブトキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、アルミニウムペンタンジオネートビス(エチルアセトアセテート)、ハフニウムジブトキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、バナジウム(III)(2,4−ペンタンジオネート)およびポリ(ジブチルチタネート)からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記加熱が、約300℃よりも低い温度での加熱を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記加熱が、約120℃よりも低い温度での加熱を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記パターニングされた表面が、感光性層を含有し、
前記収縮性組成物が、メシチレン、メチルイソブチルカルビトール、d−リモネンおよびそれらの混合物からなる群より選択される溶媒を含有する、請求項19に記載の方法。
【請求項1】
マイクロ電子構造体の製造方法であって、
第一の側壁、第二の側壁および上表面を有する隆起物を1以上含むパターニングされた表面を備える前駆体構造体を提供すること、
収縮性組成物が前記隆起物の側壁および上表面を覆うように、前記収縮性組成物を前記パターニングされた表面上に塗布すること、
前記パターニングされた表面上および前記隆起物上に前記収縮性組成物のコンフォーマル層が形成されるように、前記収縮性組成物を加熱すること、および
前記コンフォーマル層の少なくとも一部を除去し、前記隆起物、および、前記隆起物の側壁に接触する前記コンフォーマル層の残部を含むプレスペーサー構造体を得ること、を含むマイクロ電子構造体の製造方法。
【請求項2】
前記塗布後かつ前記加熱前の前記収縮性組成物の厚みを最初の厚みとし、前記加熱後かつ前記除去前の前記コンフォーマル層の厚みを最後の厚みとしたとき、
前記最後の厚みが前記最初の厚みと比較して約25%以上小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターニングされた表面上に前記残部を残すように、前記プレスペーサー構造体から前記隆起物を除去すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パターニングされた表面が前記塗布前に有するパターンを第一のパターンとし、前記パターニングされた表面が前記隆起物の除去後に有するパターンを第二のパターンとしたとき、
前記第二のパターンが、前記第一のパターンの2倍ある、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記パターニングされた表面の下に1以上の層があり、
前記残部によって形成されたパターンを、前記パターニングされた表面の下の前記層に転写することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記パターニングされた表面が、互いに近接した2以上の隆起物を有し、
前記加熱後において、各隆起物の上表面上の前記コンフォーマル層の最大厚みをAとし、前記二つの隆起物の間における前記パターニングされた表面上の前記コンフォーマル層の最小厚みをBとしたとき、BがAと同じであるか、またはAよりも小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記前駆体構造体が、上表面を有する第一の層と、前記第一の層の上表面と隣接し、上表面を有する第二の層と、前記第二の層の上表面と隣接する前記パターニングされた表面とを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第一の層が、スピンオンカーボン層を有し、
前記第二の層が、ハードマスク層を有し、
前記パターニングされた表面が、光感光性層を有する、請求項7に記載の方法
【請求項9】
前記パターニングされた表面が約1:2〜約1:4のピッチで複数の前記隆起物を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記パターニングされた表面が、前記1以上の隆起物の下にさらに第二の隆起物を有し、
前記第二の隆起物が、第一の側壁、第二の側壁および上表面を有し、
前記1以上の隆起物が、前記第二の隆起物の側壁および上表面と接触し、
前記第二の隆起物と前記1以上の隆起物が異なる材料から成る、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記パターニングされた表面上に前記残部と前記第二の隆起物が残るように、前記プレスペーサー構造体から前記1以上の隆起物を除去することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記パターニングされた表面が前記塗布前に有するパターンを第一のパターンとし、前記パターニングされた表面が前記隆起物の除去後に有するパターンを第二のパターンとしたとき、
前記第二のパターンが前記第一のパターンの3倍である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記収縮性組成物が次の(a)〜(d)からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
(a) 溶媒系に分散または溶解した架橋剤、を含有する組成物
(b) 溶媒系に分散または溶解したポリマー、を含有し、前記ポリマーが酸に不安定な側鎖を有する、組成物
(c) 重質溶媒を含有する溶媒系に分散または溶解した耐エッチング性ポリマー、を含有する組成物
(d) 溶媒系に溶解または分散した有機金属化合物、を含有する組成物
【請求項14】
前記収縮性組成物が(a)であり、
前記架橋剤が、メチル化ポリ(メラミン−ホルムアルデヒド共重合体)、ブチル化ポリ(メラミン−ホルムアルデヒド共重合体)、イソブチル化ポリ(メラミン−ホルムアルデヒド共重合体)、ヘキサメチルメラミン、グリコールウリル、1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ビス(メトキシ)−エチレンウレア、1,3−ビス(メトキシメチル)ウレアおよび以下の誘導体からなる群より選択されるものである、請求項13に記載の方法。
【化1】
【請求項15】
前記収縮性組成物が(b)であり、
前記ポリマーが、スチレン、メチルアクリレートおよびアクリレートからなる群より選択されるモノマーを含有し、
前記酸に不安定な側鎖が、t−ブチル、アセチル、アダマンチルおよびラクトンからなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記収縮性組成物が(c)であり、
エッチング剤としてO2を用いた場合に、前記1以上の隆起物に対する前記ポリマーのエッチング選択比が、約0.30よりも小さく、
前記重質溶媒が、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−メチル−アダマンチルアクリレート、l−ドデセンおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記収縮性組成物が(d)であり、
前記有機金属化合物が、チタニウム(IV)ビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド、チタニウム(IV)ビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド、チタニウム(IV)ジイソプロポキシド(ビス−2,3−ペンタンジオネート)、アルミニウムジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、バナジウム(IV)オキシドビス(2,4−ペンタン−ジオネート)、ジルコニウムジブトキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、アルミニウムペンタンジオネートビス(エチルアセトアセテート)、ハフニウムジブトキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、バナジウム(III)(2,4−ペンタンジオネート)およびポリ(ジブチルチタネート)からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記加熱が、約300℃よりも低い温度での加熱を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記加熱が、約120℃よりも低い温度での加熱を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記パターニングされた表面が、感光性層を含有し、
前記収縮性組成物が、メシチレン、メチルイソブチルカルビトール、d−リモネンおよびそれらの混合物からなる群より選択される溶媒を含有する、請求項19に記載の方法。
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図8e】
【図7d】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図8e】
【図7d】
【公表番号】特表2012−514762(P2012−514762A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544671(P2011−544671)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/020199
【国際公開番号】WO2010/080789
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(500499508)ブルーワー サイエンス アイ エヌ シー. (45)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/020199
【国際公開番号】WO2010/080789
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(500499508)ブルーワー サイエンス アイ エヌ シー. (45)
【Fターム(参考)】
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