説明

チアジアゾリン誘導体

一般式(I)


(式中、Zは硫黄原子などを表し、Rは置換もしくは非置換の低級アルキニルなどを表し、Rは水素原子などを表し、Rは置換もしくは非置換の低級アルキルなどを表し、Rは置換もしくは非置換のアリールなどを表す)で表されるチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤など提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、チアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する細胞増殖が関わる疾患、例えば腫瘍、再狭窄、心肥大、免疫疾患などの治療および/または予防剤などに関する。
【背景技術】
臨床上重要な抗癌剤であるビンカアルカロイド類やタキサン類などの薬剤は微小管と結合し、微小管を構造ユニットとする紡錘体の機能を阻害する作用を有している。紡錘体機能は細胞分裂時(細胞周期M期)における中心体の局在や染色体の正確な分離に必須であり、その機能の阻害は、正常な細胞分裂を阻害し癌細胞に細胞死を誘導することが知られている[バイオケミカル・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochem.Biophys.Res.Commun.)、263巻、p.398(1999年)]。
微小管はM期紡錘体の構成分子としてだけでなく、細胞形態の維持や細胞内物質輸送および神経線維の軸索輸送にも関わっているため、微小管作用性の抗癌剤は癌細胞に作用するだけでなく正常細胞に対しても副作用を及ぼす。例えば、微小管作用薬に特徴的な副作用として、神経線維の軸索輸送の阻害による末梢神経障害が臨床上問題となっている。したがって、微小管以外の、細胞周期M期における紡錘体機能制御に重要な分子に作用し、既存の微小管作用性抗癌剤と同様に紡錘体機能を阻害する薬剤は、既存抗癌剤に見られる微小管作用に由来する上記副作用を回避した新しい抗癌剤になると期待される。
M期キネシンはM期紡錘体制御に関わる蛋白質であり、細胞周期のM期進行において必須の役割を担っている。これら蛋白質は、ATP加水分解により生じたエネルギーを利用して、微小管に沿って蛋白質を移動させる機能を有しており、一般に「分子モーター」と呼ばれる機能蛋白質の一群である。M期においては、紡錘体の伸長と維持および紡錘体極と呼ばれる構造体形成に深く関わっており、さらに紡錘体微小管に沿った染色体の移動を通して、正しい細胞分裂の進行を制御している。
M期キネシンイージーファイブ(Eg5)は、進化上保存されたサブファミリーを形成するM期キネシンの一つである。Eg5はホモ四量体の双極性分子であって、2本の同じ向きの微小管を架橋して+(プラス)端方向へ移動させ、逆平行に並んだ2本の微小管の間でスライディングを起こし、微小管の−(マイナス)端同士を遠ざけることで、紡錘体極を分離し、双極性の紡錘体構造の形成に関与することが知られている。このようなEg5の機能については、抗体導入実験や特異的阻害剤を用いたヒト細胞の解析から明らかにされている[セル(Cell)、83巻、p.1159(1995年)、ジャーナル・オブ・セル・バイオロジー(J.Cell Biol.)、150巻、p.975(2000年)、実験医学、17巻、p.439(1999年)]。
ヒトEg5の遺伝子は1995年にクローニングされ、昆虫細胞を用いた全長のヒトEg5組換え蛋白質の発現とそれを利用した機能解析が報告されている[セル(Cell)、83巻、p.1159(1995年)]。遺伝子はGenBank accession number:X85137,NM004523,U37426として公的データベースに登録されている。ヒトEg5と相同性が高いアフリカツメガエル由来のEg5を用いた解析[プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ユーエスエー(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、96巻、p.9106(1999年)、バイオケミストリー(Biochemistry)、35巻、p.2365(1996年)]と同様の手法を用い、大腸菌にて発現したヒトEg5のN末端部分を利用し、Eg5に関する生化学的解析および結晶構造解析が報告されている[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biological Chemistry)、276巻、p.25496(2001年)、ケミストリー・バイオロジー(Chemistry&Biology)、9巻、p.989(2002年)]。
ヒト正常組織におけるEg5の発現は、精巣や胸腺などに限定されることが知られており、また、癌患者組織を解析した結果より、ヒトEg5は非癌部に比べ癌部において高い発現を示すことが報告されている[プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ユーエスエー(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、99巻、p.4465(2002年)、US6414121B1]。
以上のように、M期キネシンEg5は新規M期作用薬の標的分子として重要であり、その阻害剤は細胞増殖が関わる疾患(例えば、腫瘍、再狭窄、心肥大、関節炎、免疫疾患など)の治療剤として有望であると考えられる[国際公開第01/98278号、国際公開第02/56880号、国際公開第02/57244号、トレンズ・イン・セル・バイオロジー(Trends in Cell Biology)、12巻、p.585(2002年)]。
ヒトEg5酵素阻害活性を示す化合物としては、モナスタロール(Monastrol)[サイエンス(Science)、286巻、p.971(1999年)]、キナゾリン誘導体(国際公開第01/98278号)、フェナチアジン誘導体(国際公開第02/057244号)、トリフェニルメタン誘導体(国際公開第02/056880号)、ジヒドロピリミジン誘導体(国際公開第02/079149号、国際公開第02/079169号)などが報告されている。
チアジアゾリン誘導体としては、転写因子スタット6(STAT6)活性化阻害活性やインテグリンのアンタゴニスト作用を有するものが知られている(特開2000−229959号、国際公開第01/56994号)。また抗菌活性、ACE阻害活性などを有するもの(国際公開第93/22311号、特開昭62−53976号、ジャーナル・オブ・バングラディシュ・ケミカル・ソサエティ(J.Bangladesh Chem.Soc.)、5巻、p.127(1992年))、および抗腫瘍活性を有するもの(国際公開第03/051854号、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、44巻、p.4416(2001年))が知られている。
また、2位にアルキニル基または芳香族複素環基を有するチアジアゾリン誘導体(国際公開第01/56994号)および2位にアリール基を有するチアジアゾリン誘導体(特開2000−159756号)が知られている。さらに、2位にベンジル基を有するチアジアゾリン誘導体も知られている(ケミストリー・オブ・ヘテロサイクリック・コンパウンズ(Chemistry of Heterocyclic Compounds)、35巻、p.87(1999年))。
【発明の開示】
本発明の目的は、チアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する細胞増殖が関わる疾患、例えば腫瘍、再狭窄、心肥大、免疫疾患などの治療および/または予防剤を提供することにある。また別の目的は、上記の細胞増殖が関わる疾患の治療に有用なチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(56)に関する。
(1) 一般式(I)

<式中、Zは硫黄原子、または−S(=O)−を表し、Rは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、また−C(=W)R{式中、Wは酸素原子または硫黄原子を表し、Rは水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、
−YR(式中、Yは酸素原子または硫黄原子を表し、Rは水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)、または
−NR[式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、−OR(式中、Rは前記Rと同義である)または−NR1011(式中、R10およびR11は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表すか、またはR10とR11が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)を表すか、またはRとRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する]を表す}を表し、
は、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、または
−C(=W)R12[式中、Wは酸素原子または硫黄原子を表し、R12は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、−Y13(式中、Yは酸素原子または硫黄原子を表し、R13は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)、または−NR1415(式中、R14およびR15は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表すか、またはR14とR15が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)を表す]を表し、
は、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
は、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表すか、またはRとRが一緒になって
−(CR16A16Bm1−Q−(CR16C16Dm2−{式中、Qは単結合、置換もしくは非置換のフェニレンまたはシクロアルキレンを表し、m1およびm2は同一または異なって0〜4の整数を表すが、m1とm2は同時に0とはならず、R16A、R16B、R16CおよびR16Dは同一または異なって、水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルキル、−OR17[式中、R17は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、−CONR1819(式中、R18およびR19は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表すか、またはR18とR19が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)、
−SONR2021(式中、R20およびR21はそれぞれ前記のR18およびR19と同義である)または−COR22(式中、R22は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を表す]、−NR2324[式中、R23およびR24は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、−COR25(式中、R25は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、アミノ、置換もしくは非置換の低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換のジ低級アルキルアミノまたは置換もしくは非置換のアリールアミノを表す)または−SO26(式中、R26は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を表すか、またはR23とR24が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する]または−CO27(式中、R27は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を表すか、またはR16AとR16BもしくはR16CとR16Dが一緒になって酸素原子を表し、m1またはm2が2以上の整数であるとき、それぞれのR16A、R16B、R16CおよびR16Dは同一でも異なっていてもよく、隣接する二つの炭素原子に結合するR16A、R16B、R16CおよびR16Dはそれぞれ一緒になって結合を形成してもよい}を表す>で表されるチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
(2) Rが置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基である(1)記載の抗腫瘍剤。
(3) Rが置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニルまたは−C(=W)R(式中、WおよびRは前記と同義である)である(1)記載の抗腫瘍剤。
(4) Rが置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基である(1)記載の抗腫瘍剤。
(5) Rが置換もしくは非置換のアリールである(1)記載の抗腫瘍剤。
(6) Rが置換もしくは非置換の低級アルキニルである(1)記載の抗腫瘍剤。
(7) Rが置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換の低級アルケニルである(1)記載の抗腫瘍剤。
(8) Rが水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは
−C(=W)R12(式中、WおよびR12はそれぞれ前記と同義である)である(1)〜(7)のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
(9) Rが−C(=W)R12(式中、WおよびR12はそれぞれ前記と同義である)である(1)〜(7)のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
(10) R12が置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルである(8)または(9)記載の抗腫瘍剤。
(11) R12が置換もしくは非置換の低級アルキルである(8)または(9)記載の抗腫瘍剤。
(12) R12が低級アルキルである(8)または(9)記載の抗腫瘍剤。
(13) Wが酸素原子である(8)〜(12)のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
(14) Rが置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基である(1)〜(13)のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
(15) Rが置換もしくは非置換の低級アルキルである(1)〜(13)のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
(16) Rが置換低級アルキルである(1)〜(13)のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
(17) Rが置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基である(1)〜(16)のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
(18) Rが置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基である(1)〜(16)のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
(19) Rが置換もしくは非置換のフェニルまたは置換もしくは非置換のチエニルである(1)〜(16)のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
(20) RとRが一緒になって
−(CR16A16Bm1−Q−(CR16C16Dm2−(式中、Q、R16A、R16B、R16C、R16D、m1およびm2はそれぞれ前記と同義である)を表す(1)〜(13)のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
(21) RとRが一緒になって−(CHm1−Q−(CHm2−(式中、Q、m1およびm2はそれぞれ前記と同義である)を表す(1)〜(13)のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
(22) Qが置換もしくは非置換のフェニレンである(20)または(21)記載の抗腫瘍剤。
(23) (1)〜(22)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するM期キネシンEg5阻害剤。
(24) 一般式(IA)

{式中、Zは前記と同義であり、
は、前記と同義であり、
(A)Rが置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニルまたは−C(=W)R(式中、WおよびRはそれぞれ前記と同義である)であるとき、R2A、R3AおよびR4Aはそれぞれ前記R、RおよびRと同義であり(ただし、Zが硫黄原子であり、かつRがベンジルであり、かつR2Aがアセチルであり、かつR3AまたはR4Aの一方がメチルであり、他方が2−オキソプロピルとはならない)、
(B)Rが置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基であるとき、R2AおよびR3Aはそれぞれ前記RおよびRと同義であり、R4Aは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
(C)Rが置換もしくは非置換のアリールであるとき、R2Aは−C(=W)R12(式中、WおよびR12はそれぞれ前記と同義である)を表し、R3Aは−(CHNHSO3B[式中、kは1〜6の整数を表し、R3Bは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、−NR7B8B(式中、R7BおよびR8Bはそれぞれ前記RおよびRと同義である)を表す]、−(CHNR7C8C(式中、kは前記と同義であり、R7CおよびR8Cはそれぞれ前記のRおよびRと同義である)または−(CHNHC(=O)R7D(式中、kは前記と同義であり、R7Dは前記Rと同義である)を表し、R4Aは前記Rと同義である}で表されるチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(25) Zが硫黄原子である(24)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(26) Rが置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基である(24)または(25)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(27) Rが置換もしくは非置換のアリールである(24)または(25)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(28) Rが置換もしくは非置換のフェニルである(24)または(25)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(29) Rが置換もしくは非置換の低級アルキニルである(24)または(25)項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(30) Rが置換低級アルキルである(24)または(25)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(31) Rが−C(=W)R(式中、WおよびRはそれぞれ前記と同義である)である(24)または(25)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(32) Wが酸素原子である(31)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(33) Rが−NR(式中、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)である(31)または(32)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(34) R2Aが−C(=O)R12(式中、R12は前記と同義である)である(24)〜(33)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(35) R12が低級アルキルである(34)記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(36) R3Aが置換もしくは非置換の低級アルキルである(24)〜(35)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(37) R3Aが−(CHNHSO3B(式中、kおよびR3Bはそれぞれ前記と同義である)、−(CHNR7C8C(式中、k、R7CおよびR8Cはそれぞれ前記と同義である)または−(CHNHC(=O)R7D(式中、kおよびR7Dはそれぞれ前記と同義である)である(24)〜(35)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(38) R3Aが−(CHNHSO3B(式中、kおよびR3Bはそれぞれ前記と同義である)である(24)〜(35)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(39) R4Aが置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基である(24)〜(38)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(40) R4Aが置換もしくは非置換のアリールである(24)〜(38)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(41) R4Aが置換もしくは非置換のフェニルまたは置換もしくは非置換のチエニルである(24)〜(38)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(42) R4Aがフェニルである(24)〜(38)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
(43) (24)〜(42)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
(44) (24)〜(42)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するM期キネシンEg5阻害剤。
(45) (24)〜(42)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する細胞増殖が関わる疾患の治療剤。
(46) (24)〜(42)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
(47) (1)〜(22)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする悪性腫瘍の治療および/または予防方法。
(48) (1)〜(22)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とするM期キネシンEg5の阻害方法。
(49) 抗腫瘍剤の製造のための(1)〜(22)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(50) M期キネシンEg5阻害剤の製造のための(1)〜(22)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(51) (24)〜(42)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とするM期キネシンEg5の阻害方法。
(52) (24)〜(42)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする細胞増殖が関わる疾患の治療および/または予防方法。
(53) (24)〜(42)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする悪性腫瘍の治療および/または予防方法。
(54) M期キネシンEg5阻害剤の製造のための(24)〜(42)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(55) 細胞増殖が関わる疾患の治療剤の製造のための(24)〜(42)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(56) 抗腫瘍剤の製造のための(24)〜(42)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、一般式(I)で表される化合物および一般式(IA)で表される化合物をそれぞれ化合物(I)および化合物(IA)という。他の式番号の化合物についても同様である。
一般式(I)および一般式(IA)の各基の定義において、
(i)低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノの低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜10のアルキル、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどがあげられる。ジ低級アルキルアミノの2つの低級アルキル部分は、同一でも異なっていてもよい。
(ii)低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜10のアルケニル、具体的にはビニル、アリル、1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルなどがあげられる。
(iii)低級アルキニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜10のアルキニル、具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニルなどがあげられる。
(iv)シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキル、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあげられる。
(v)アリール、アリールオキシおよびアリールアミノのアリール部分としては、例えばフェニル、ナフチルなどがあげられる。
(vi)芳香族複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基などがあげられ、具体的にはフリル、チエニル、ベンゾチエニル、ピロリル、ピリジル、ピラジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ピラニルなどがあげられる。
(vii)複素環基としては、例えば脂肪族複素環基、上記で示した芳香族複素環基などがあげられる。脂肪族複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂肪族複素環基、4〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂肪族複素環基などがあげられ、具体的にはピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジノ、モルホリノ、オキサゾリニル、ジオキソラニル、テトラヒドロピラニルなどがあげられる。
(viii)隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基としては、例えば少なくとも1個の窒素原子を含む脂肪族複素環基などがあげられる。該少なくとも1個の窒素原子を含む脂肪族複素環基は、酸素原子、硫黄原子または他の窒素原子を含んでもいてよく、例えばピロリジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピラゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アジリジニル、アゼチジニル、アゾリジニル、ペルヒドロアゼピニル、ペルヒドロアゾシニル、スクシンイミド、フタルイミド、ピロリドニル、グルタルイミド、ピペリドニルなどがあげられる。
(ix)シクロアルキレンとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキレン、具体的にはシクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロオクチレンなどがあげられ、フェニレンとしては、1,2−フェニレン、1,3−フェニレンおよび1,4−フェニレンがあげられる。
(x)ハロゲンはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素の各原子を意味する。
(xi)置換低級アルキル、置換低級アルコキシ、置換低級アルケニル、置換低級アルキニル、置換シクロアルキル、置換低級アルキルアミノおよび置換ジ低級アルキルアミノにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜置換可能な数の、好ましくは1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、アジド、シアノ、
置換もしくは非置換のシクロアルキル[該置換シクロアルキルにおける置換基(b)としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基
(a)としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、アリール、複素環基
などがあげられる)、
低級アルカノイルオキシ、
置換もしくは非置換の低級アルキルチオ(該置換低級アルキルチオにおける置換基は、前記の置換低級アルコキシにおける置換基(a)と同義である)、
アリール、アリールオキシ、複素環基、アミノ、
置換もしくは非置換の低級アルキルアミノ(該置換低級アルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルコキシにおける置換基(a)と同義である)、
置換もしくは非置換のジ低級アルキルアミノ(該置換低級アルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルコキシにおける置換基(a)と同義である)
などがあげられる]、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、後記の置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)、
−CONR2829<式中、R28およびR29は同一または異なって、
水素原子、ヒドロキシ、
置換もしくは非置換の低級アルキル{該置換低級アルキルにおける置換基(c)としては、同一または異なって例えば置換数1〜置換可能な数の、好ましくは1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は、前記置換シクロアルキルにおける置換基(b)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキルチオ(該置換低級アルキルチオにおける置換基は、前記置換シクロアルキルにおける置換基(b)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニル(該置換低級アルキルスルホニルにおける置換基は、前記置換シクロアルキルにおける置換基(b)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、後記の置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリールオキシ(該置換低級アリールオキシにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、
−NR3031[式中、R30およびR31は同一または異なって、
水素原子、
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は、前記の置換シクロアルキルにおける置換基(b)と同義である)、置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は、前記の置換シクロアルキルにおける置換基(b)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は、前記の置換シクロアルキルにおける置換基(b)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキニルにおける置換基は、前記の置換シクロアルキルにおける置換基(b)と同義である)、
置換もしくは非置換の置換アリール(該置換アリールにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、後記の置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)、または置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニル(該置換低級アルキルスルホニルにおける置換基は、前記の置換シクロアルキルにおける置換基(b)と同義である)を表すか、または
30とR31が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基(該隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基は、後記の隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)を形成する]
などがあげられる}、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は、前記の置換シクロアルキルにおける置換基(b)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は、前記の置換シクロアルキルにおける置換基(b)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は、前記の置換シクロアルキルにおける置換基(b)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、または
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、後記の置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)を表すか、または
28とR29が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基(該隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基は、後記の隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)を形成する>、
−CO32[式中、R32
水素原子、
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、または
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、後記の置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)
を表す]、
−COR33(式中、R33は前記のR32と同義である)、
−NR3435<式中、R34およびR35は同一または異なって、
水素原子、
置換もしくは非置換の低級アルキル{該置換低級アルキルにおける置換基(d)としては、同一または異なって例えば置換数1〜置換可能な数の、好ましくは1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は、前記の置換アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキルチオ(該置換低級アルキルチオにおける置換基は、前記の置換アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、後記の置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリールオキシ(該置換アリールオキシにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、
−O(CHCHO)36(式中、nは1〜15の整数を表し、R36は低級アルキルを表す)、
−SO37[式中、R37
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は、前記の置換アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
低級アルケニル、低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、後記の置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)、アミノ、低級アルキルアミノまたはジ低級アルキルアミノ
を表す]、
−NR3839(式中、R38およびR39はそれぞれ前記のR30およびR31と同義である)
などがあげられる}、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換低級シクロアルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、後記の置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)、
−COR40{式中、R40
水素原子、
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、後記置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)、
−NR4142(式中、R41およびR42はそれぞれ前記のR30およびR31と同義である)、または
−OR43[式中、R43
水素原子、
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、または
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、後記置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)
を表す]
を表す}、または
−SO44(式中、R44は前記のR40と同義である)
を表すか、またはR34とR35が隣接する窒素原子と一緒になって複素環基もしくは置換複素環基(該隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基は、後記の隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)を形成する>、
−N+R454647(式中、R45およびR46は同一または異なって、低級アルキルを表すか、またはR45とR46が隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成し、R47は低級アルキルを表し、Xは塩素、臭素またはヨウ素の各原子を表す)、
−OR48[式中、R48
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(d)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、または
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、後記の置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)
を表す]、
−SR49(式中、R49前記のR48と同義である)、
−SO50[式中、R50
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(d)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリール(該置換アリールにおける置換基は、後記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、後記の置換複素環基における置換基(xiii)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(c)と同義である)、または
−NR5152(式中、R51およびR52はそれぞれ前記のR30およびR31と同義である)
を表す]、
−OSO53(式中、R53は前記のR50と同義である)
などがあげられる。
ここで示した低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノおよび低級アルカノイルオキシの低級アルキル部分、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、アリールおよびアリールオキシのアリール部分、複素環基、隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基ならびにハロゲンは、それぞれ前記の低級アルキル(i)、低級アルケニル(ii)、低級アルキニル(iii)、シクロアルキル(iv)、アリール(v)、複素環基(vii)、隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基(viii)およびハロゲン(x)と同義であり、ジ低級アルキルアミノの2つの低級アルキル部分は同一でも異なっていてもよい。
(xii)置換アリール、置換アリールオキシ、置換アリールアミノおよび置換フェニレンにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、ホルミル、ニトロ、シアノ、メチレンジオキシ、
置換もしくは非置換の低級アルキル[該置換低級アルキルにおける置換基(e)としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基(f)としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、アリール、複素環基
などがあげられる)、
アミノ、
置換もしくは非置換の低級アルキルアミノ(該置換低級アルキルアミノにおける置換基は、前記の置換低級アルコキシにおける置換基(f)と同義である)、
置換もしくは非置換のジ低級アルキルアミノ(該置換ジ低級アルキルアミノにおける置換基は、前記の置換低級アルコキシにおける置換基(f)と同義である)、
アリール、
複素環基
などがあげられる]、
置換もしくは非置換の低級アルケニル(該置換低級アルケニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(e)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキニル(該置換低級アルキニルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(e)と同義である)、
置換もしくは非置換のシクロアルキル(該置換シクロアルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(e)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(e)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルキルチオ(該置換低級アルキルチオにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(e)と同義である)、
アミノ、
置換もしくは非置換の低級アルキルアミノ(該置換低級アルキルアミノにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(e)と同義である)、
置換もしくは非置換のジ低級アルキルアミノ(該置換ジ低級アルキルアミノにおける置換基は、前記の置換低級アルキルにおける置換基(e)と同義である)
置換もしくは非置換のアリール[該置換アリールにおける置換基(g)としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、
置換もしくは非置換の低級アルキル(該置換低級アルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルコキシにおける置換基(f)と同義である)、
置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコキシにおける置換基は、前記の置換低級アルコキシにおける置換基(f)と同義である)、
アミノ、
置換もしくは非置換の低級アルキルアミノ(該置換低級アルキルアミノにおける置換基は、前記の置換低級アルコキシにおける置換基(f)と同義である)、
置換もしくは非置換のジ低級アルキルアミノ(該置換ジ低級アルキルアミノにおける置換基は、前記の置換低級アルコキシにおける置換基(f)と同義である)
などがあげられる]、
置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、前記の置換アリールにおける置換基(g)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリールオキシ(該置換アリールオキシにおける置換基は、前記の置換アリールにおける置換基(g)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリールアミノ(該置換アリールアミノにおける置換基は、前記の置換アリールにおける置換基(g)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリールチオ(該置換アリールチオにおける置換基は、前記の置換アリールにおける置換基(g)と同義である)、
置換もしくは非置換のアリールスルホニル(該置換アリールスルホニルにおける置換基は、前記の置換アリールにおける置換基(g)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環オキシ(該置換複素環オキシにおける置換基は、前記の置換アリールにおける置換基(g)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環アミノ(該置換複素環アミノにおける置換基は、前記の置換アリールにおける置換基(g)と同義である)、
置換もしくは非置換の複素環チオ(該置換複素環チオにおける置換基は、前記の置換アリールにおける置換基(g)と同義である)
などがあげられる。
ここで示した低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノの低級アルキル部分は前記の低級アルキル(i)と同義であり、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキルおよびハロゲンはそれぞれ前記の低級アルケニル(ii)、低級アルキニル(iii)、シクロアルキル(iv)およびハロゲン(x)と同義であり、ジ低級アルキルアミノの2つの低級アルキル部分は同一でも異なっていてもよい。さらにここで示したアリール、アリールオキシ、アリールチオ、アリールアミノおよびアリールスルホニルのアリール部分は前記のアリール(v)と同義であり、複素環基、複素環アミノ、複素環オキシおよび複素環チオの複素環基部分は前記の複素環基(vii)と同義である。
(xiii)置換芳香族複素環基および置換複素環基のうちの置換芳香族複素環基における置換基は、前記の置換アリールにおける置換基(xii)と同義であり、置換複素環基のうちの置換脂肪族複素環基および隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基としては、前記の置換アリールにおける置換基(xii)の例示であげた基に加え、オキソなどがあげられる。
化合物(I)の薬理学的に許容される塩は、例えば薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩などを包含する。化合物(I)の薬理学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩などがあげられ、薬理学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などがあげられ、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウムなどの塩があげられ、薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジンなどの付加塩があげられ、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばリジン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの付加塩があげられる。
次に化合物(I)の製造法について説明する。
なお、以下に示す製造法において、定義した基が製造方法の条件下で変化するかまたは方法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される保護基の導入および除去方法[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、グリーン(T.W.Greenes)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley&Sons Inc.)(1981年)]などを用いることにより、目的化合物を製造することができる。また、必要に応じて置換基導入などの反応工程の順序を変えることもできる。
化合物(I)は、以下の工程に従い製造することができる。
製造法1
化合物(I)のうち、Zが硫黄原子であり、RがRの定義のうちの置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基である化合物(Ia)は、国際公開第03/051854号記載の方法でまたはそれに準じて得られる化合物(II)から、以下の工程に従い製造することができる。

[式中、Xは塩素、臭素またはヨウ素の各原子を表し、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義であり、R1BはRの定義のうちの置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表す]
工程1−1
化合物(III)はジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティー・ケミカル・コミュニケーションズ(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)、8巻、p.873(1998年)などに記載の方法でまたはそれらに準じて製造することができる。
すなわち、化合物(III)は、化合物(II)を無溶媒でまたは適当な溶媒中、1〜30当量の例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸tert−ブチルなどの亜硝酸化合物と、必要に応じて0.1〜50当量の適当な酸の存在下、−50℃〜100℃の間の温度で、5分間〜48時間反応させることにより対応するジアゾニウム塩を調製し、次いで適当な溶媒中1〜30当量の例えばハロゲン化銅、ヨウ素などと、必要に応じてヨウ化カリウムを1〜30当量添加して、−50℃〜200℃の間の温度で、5分間〜48時間反応させることにより製造することができる。
各反応で用いられる適当な溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、水などがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などがあげられる。ハロゲン化銅としては、例えば塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅などがあげられる。これらハロゲン化銅は、例えば硫酸銅水溶液に塩化ナトリウム、臭化ナトリウムなどを加えた後、亜硝酸ナトリウムで還元することにより調製することができ、単離することなくそのまま本工程に使用することもできる。
さらに、ジアゾニウム塩を単離することなく、ワンポットでハロゲン化銅と反応させ、化合物(III)を製造することもできる。すなわち、化合物(II)、1〜30当量の上記で例示した亜硝酸化合物および1〜30当量の上記で例示したハロゲン化銅、ヨウ素、ヨウ化カリウムなどの混合物を、上記で例示した適当な溶媒中、−50℃〜200℃の間の温度で、5分間〜48時間反応させることにより化合物(III)を製造することもできる。
工程1−2
化合物(Ia)は、上記の工程1−1で得られる化合物(III)と1〜30当量の(R1B(R(式中、R1Bは前記と同義であり、Mはスズ、亜鉛、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、銅または水銀の各原子を表し、Rはヒドロキシ、前記と同義のハロゲン、前記と同義の低級アルキル、前記と同義の低級アルコキシ、前記と同義のアリールまたは前記と同義のアリールオキシを表し、pおよびqは同一または異なって1または2を表し、rは0〜3の整数を表す)とを、適当な溶媒中、0.001〜1当量の遷移金属触媒の存在下、−50℃〜200℃の間の温度で、5分間〜80時間反応させることにより製造することができる。このとき、0.01〜30当量の適当な添加物を加え、反応を促進させることもできる。
適当な溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、THF、1,4−ジオキサン、DMF、NMP、水などがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。遷移金属触媒としては、例えば酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムなどのパラジウム触媒、塩化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、臭化ニッケルなどのニッケル触媒などがあげられる。適当な添加物としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、酸化銀、ヨウ化銅、塩化リチウム、フッ化セシウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフロリドなどがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。
製造法2
化合物(Ia)のうち、Rが−C≡C−R1C[式中、R1Cは置換もしくは非置換の低級アルキル(該低級アルキルは前記と同義であり、該置換低級アルキルにおける置換基は、前記置換低級アルキルにおける置換基(xi)と同義である)を表す]である化合物(Ib)は、以下の工程に従い製造することもできる。

(式中、X、R1C、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)
工程2
化合物(Ib)は、製造法1の工程1−1で得られる化合物(III)と1〜50当量のHC≡C−R1C(式中、R1Cは前記と同義である)とを、0.01〜1当量のパラジウム触媒存在下、無溶媒でまたは適当な溶媒中、−50℃〜200℃の間の温度で、5分間から80時間反応させることにより製造することができる。このとき、0.01〜20当量の適当な添加剤を加え、反応を促進させることもできる。
適当な溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、THF、1,4−ジオキサン、DMF、NMP、水などがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。パラジウム触媒としては、例えば酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウムなどがあげられる。適当な添加剤としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ヨウ化銅、酸化銀、塩化リチウム、フッ化セシウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。
製造法3
化合物(I)のうち、Zが硫黄原子であり、Rが水素原子であり、RがRの定義のうちの置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基である化合物(Ic)は、特開2000−159756号などに記載の方法でまたはそれらに準じて製造することもできる。
製造法4
化合物(I)のうち、Zが硫黄原子であり、RがRの定義のうちの置換もしくは非置換の低級アルキルまたは−C(=O)R12(式中、R12は前記と同義である)である化合物(Id)は、化合物(I)のうちRが水素原子である製造法1〜3または後記の製造法5〜14で得られる化合物(Ie)より、以下の工程に従い製造することができる。

[式中、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義であり、R2BはRの定義のうちの置換もしくは非置換の低級アルキルまたは−C(=O)R12(式中、R12は前記と同義である)を表す]
工程4
化合物(Id)は、化合物(Ie)と1〜30当量のR2B(式中、R2Bは前記と同義であり、Xは塩素、臭素またはヨウ素の各原子を表す)または
(R12CO)O(式中、R12は前記と同義である)とを、無溶媒でまたは適当な溶媒中、0.01〜50当量の適当な塩基の存在下または非存在下、−50℃〜用いる溶媒の沸点の間の温度で、5分間〜48時間反応させることにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、THF、1,4−ジオキサン、DMF、NMPなどがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水酸化リチウム、フッ化セシウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、4−ジメチルアミノピリジンなどがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。
製造法5
化合物(I)のうち、Zが硫黄原子であり、Rが−C(=W)R(式中、WおよびRはそれぞれ前記と同義である)である化合物(If)および(Ig)は、製造法1で得られる化合物(Ia−a)より以下の工程に従い製造することができる。

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)
工程5−1
化合物(If)は、化合物(Ia−a)を、無溶媒でまたは適当な溶媒中、1〜100当量の適当な酸化剤で、−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜72時間処理することにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばメタノール、ジクロロメタン、アセトン、トルエン、酢酸エチル、DMF、水などがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な酸化剤としては、例えばクロム酸、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、二酸化セレン、ピリジニウムクロロクロメート(PCC)、過酸化水素などがあげられる。
工程5−2
化合物(Ig)は、上記の工程5−1で得られる化合物(If)を、適当な溶媒中、1〜100当量の適当な硫黄化合物で、−30℃〜用いる溶媒の沸点の間の温度で、5分間〜72時間処理することにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばメタノール、ジクロロメタン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、THF、DMF、水などがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な硫黄化合物としては、例えば硫化ナトリウム、水硫化ナトリウム、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(Lawesson’s試薬)、硫黄などがあげられる。
化合物(Ig)はまた、化合物(If)より、例えば新実験化学講座、14巻、p.1699(1978年)、丸善株式会社、もしくはWO03/051854号に記載の方法で、またはそれらに準じて製造することもできる。
製造法6
化合物(I)のうち、Zが硫黄原子であり、Rが−C(OR)=CR[式中、RおよびRは同一または異なって水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル(該低級アルキルは前記と同義であり、該置換低級アルキルにおける置換基は前記置換低級アルキルにおける置換基(xi)と同義である)、置換もしくは非置換の低級アルケニル(該低級アルケニルは前記と同義であり、該置換低級アルケニルにおける置換基は前記置換低級アルケニルにおける置換基(xi)と同義である)、置換もしくは非置換の低級アルキニル(該低級アルキニルは前記と同義であり、該置換低級アルキニルにおける置換基は前記置換低級アルキニルにおける置換基(xi)と同義である)、置換もしくは非置換のシクロアルキル(該シクロアルキルは前記と同義であり、該置換シクロアルキルにおける置換基は前記置換シクロアルキルにおける置換基(xi)と同義である)、置換もしくは非置換のアリール(該アリールは前記と同義であり、該置換アリールにおける置換基は前記置換アリールにおける置換基(xii)と同義である)または置換もしくは非置換の芳香族複素環基(該芳香族複素環基は前記と同義であり、該置換芳香族複素環基における置換基は前記置換芳香族複素環基における置換基(xiii)と同義である)を表し、Rは前記と同義の低級アルキルを表す]である化合物(Ih)、およびZが硫黄原子であり、Rが−COCHR(式中、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)である化合物(Ii)は、製造法1の工程1−1で得られる化合物(III)より、以下の工程によっても製造することができる。

(式中、X、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)
工程6−1
化合物(Ih)は、化合物(III)より、製造法1の工程1−2と同様にして製造することができる。
工程6−2
化合物(Ii)は、上記の工程6−1で得られる化合物(Ih)を無溶媒でまたは適当な溶媒中、0.1〜500当量の酸で、一30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜72時間処理することにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、THF、1,4−ジオキサン、DMF、NMP、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水などがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。酸としては、例えば塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸などがあげられる。
製造法7
化合物(I)のうち、Zが硫黄原子であり、R
−CRHCRNR3435[式中、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキル(該低級アルキルは前記と同義であり、該置換低級アルキルにおける置換基は、前記置換低級アルキルにおける置換基(xi)と同義である)を表し、R34およびR35はそれぞれ前記と同義である]である化合物(Ik)は、以下の工程によっても製造することができる。

(式中、R、R、R、R、R、R、R34およびR35はそれぞれ前記と同義である)
工程7
化合物(Ik)は、製造法1で得られる化合物(Ij)を無溶媒でまたは適当な溶媒中、必要に応じ0.1〜100当量の適当な塩基の存在下、1〜300当量のHNR3435(式中、R34およびR35はそれぞれ前記と同義である)と−30℃〜200℃の間の温度で、5分間〜100時間反応させることにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエン、キシレン、酢酸エチル、THF、1,4−ジオキサン、DMF、NMP、DMSO、水などがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムメトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、4−ジメチルアミノピリジンなどがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。
製造法8
化合物(I)のうち、Zが硫黄原子であり、Rが−CRHCRSR49(式中、R、R、RおよびR49はそれぞれ前記と同義である)である化合物(Im)は、以下の工程によっても製造することができる。

(式中、R、R、R、R、R、RおよびR49はそれぞれ前記と同義である)
工程8
化合物(Im)は、製造法1で得られる化合物(Ij)を、無溶媒でまたは適当な溶媒中、必要に応じ0.1〜100当量の適当な塩基の存在下、1〜200当量のHSR49(式中、R49は前記と同義である)と−30℃〜200℃の間の温度で、5分間〜100時間反応させることにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエン、キシレン、酢酸エチル、THF、1,4−ジオキサン、DMF、NMP、DMSO、水などがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、4−ジメチルアミノピリジンなどがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。
製造法9
化合物(I)のうち、Rがカルボキシル基である化合物(In)は以下の工程によって製造することができる。

(式中、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)
工程9
化合物(In)は、製造法1で得られる化合物(Ij)を、適当な溶媒中、必要に応じ0.1〜10当量の相間移動触媒および/または0.1〜50当量の塩基の存在下、0.1〜50当量の過マンガン酸カリウムなどで、−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜72時間処理することにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばジクロロメタン、酢酸エチル、トルエン、DMF、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ピリジン、酢酸、水などがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。相間移動触媒としては、例えば18−クラウン−6、16−クラウン−5などのクラウンエーテル、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミドなどのアンモニウム塩などがあげられる。塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどがあげられる。
製造法10
化合物(I)のうち、Rが−COYR6a(式中、Yは前記と同義であり、RはRの定義のうち、水素原子を除く基を表す)である化合物(Io)は以下の工程に従い製造することができる。

(式中、R、R、R、R6aおよびYはそれぞれ前記と同義である)
工程10
化合物(Io)は、製造法9または後記の製造法13などで得られる化合物(In)を、無溶媒でまたは適当な溶媒中、1〜50当量の適当な塩素化剤の存在下、1〜200当量のR6aYH(式中、R6aおよびYはそれぞれ前記と同義である)と、−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエン、キシレン、酢酸エチル、THF、1,4−ジオキサン、DMF、NMPなどがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な塩素化剤としては、例えば塩化チオニル、オキシ塩化リン、塩化シアヌルなどがあげられる。
また、別法として、化合物(Io)は、化合物(In)を無溶媒でまたは適当な溶媒中、1〜200当量の適当な塩素化剤で、−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜72時間処理した後、次いで無溶媒でまたは適当な溶媒中、必要に応じ適当な塩基の存在下、1〜300当量のR6aYH(式中、R6aおよびYはそれぞれ前記と同義である)と−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることによっても製造することができる。
各反応で用いられる適当な溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエン、キシレン、酢酸エチル、THF、1,4−ジオキサン、DMF、NMPなどがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な塩素化剤としては、例えば塩化チオニル、オキシ塩化リン、塩化シアヌルなどがあげられる。適当な塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、4−ジメチルアミノピリジンなどがあげられる。
さらに別法として、化合物(Io)は、化合物(In)を無溶媒でまたは適当な溶媒中、1〜30当量の適当な縮合剤の存在下、必要に応じ0.1〜30当量の添加剤の存在下、1〜300当量のR6aYH(式中、R6aおよびYはそれぞれ前記と同義である)と−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることによっても製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエン、キシレン、酢酸エチル、THF、1,4−ジオキサン、DMF、NMPなどがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な縮合剤としては、例えば1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)などがあげられる。添加剤としては、例えばN−ヒドロキシコハク酸イミド、4−ジメチルアミノピリジン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(HOBt・HO)などがあげられる。
製造法11
化合物(I)のうち、Rが−CONR(式中、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)である化合物(Ip)は以下の工程に従い製造することができる。

(式中、R、R、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)
工程11
化合物(Ip)は、製造法9または後記の製造法13などで得られる化合物(In)を、無溶媒でまたは適当な溶媒中、1〜200当量の適当な塩素化剤で−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜72時間処理した後、次いで無溶媒でまたは適当な溶媒中、必要に応じ適当な塩基の存在下、1〜300当量のHNR(式中、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)と−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることによって製造することができる。
各反応で用いられる適当な溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエン、キシレン、酢酸エチル、THF、1,4−ジオキサン、DMF、NMP、ピリジンなどがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な塩素化剤としては、例えば塩化チオニル、オキシ塩化リン、塩化シアヌルなどがあげられる。適当な塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、4−ジメチルアミノピリジンなどがあげられる。
また別法として、化合物(Ip)は、化合物(In)を無溶媒でまたは適当な溶媒中、1〜20当量の適当な縮合剤の存在下、必要に応じ0.1〜30当量の添加剤の存在下、1〜200当量のHNR(式中、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)と−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることによっても製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエン、キシレン、酢酸エチル、THF、1,4−ジオキサン、DMF、NMP、水などがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な縮合剤としては、例えばEDC、EDC・HCl、DCC、CDIなどがあげられる。添加剤としては、例えばN−ヒドロキシコハク酸イミド、4−ジメチルアミノピリジン、HOBt、HOBt・HOなどがあげられる。
製造法12
化合物(I)のうち、RがCOOCHである化合物(Iq)は、以下の工程によっても製造することもできる。

(式中、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)
工程12
化合物(Iq)は、製造法9または後記の製造法13などで得られる化合物(In)を、適当な溶媒中、1当量〜100当量のジアゾメタン、(トリメチルシリル)ジアゾメタンなどと、−30℃〜100℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることによっても製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、THF、1,4−ジオキサン、トルエン、酢酸エチル、ヘキサン、DMFなどがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。
また別法として、化合物(Iq)は、化合物(In)を、DMF、THF、ジクロロメタンなどの溶媒中、1〜30当量の炭酸カリウムまたは水素化ナトリウムの存在下、1〜30当量のヨウ化メチルと−30℃〜100℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることによっても製造することができる。
製造法13
化合物(I)のうち、Rが−COOHである化合物(In)はまた、以下の工程によっても製造することもできる。

(式中、R、R、RおよびR6aはそれぞれ前記と同義である)
化合物(In)は、製造法5、10または12で得られる化合物(Ir)を、水または水を含む適当な溶媒中、1〜100当量の適当な塩基で、−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜72時間処理することにより製造することができる。
水を含む適当な溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン、THF、1,4−ジオキサン、DMF、NMPなどと水との混合溶媒があげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア水、DBUなどがあげられる。
製造法14
化合物(I)のうち、Zが硫黄原子である化合物(Is)は、ケミストリー・オブ・ヘテロサイクリック・コンパウンズ(Chemistry of Heterocyclic Compounds)、35巻、p.87(1999年)などに記載の方法またはそれらに準じて製造することもできる
製造法15
化合物(I)のうち、Zが−S(=O)−である化合物(It)は、製造法1〜14で得られる化合物(Ia)〜(Is)より、以下の工程に従い製造することができる。

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)
工程15
化合物(It)は、化合物(Ia)〜(Is)より、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティ・ケミカル・コミュニケーションズ(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.)、16巻、p.901(1982年)に記載の方法またはそれに準じて製造することができる。
すなわち、化合物(It)は、製造法1〜14で得られる化合物(Ia)〜(Is)を、適当な溶媒中、1〜100当量の適当な酸化剤で、−30℃〜150℃の間の温度で、5分間〜100時間処理することにより製造することができる。
適当な溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、ピリジン、酢酸、水などがあげられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。適当な酸化剤としては、例えばm−クロロ過安息香酸、過酸化水素、過マンガン酸カリウムなどがあげられる。
化合物(I)におけるR、R、RまたはRに含まれる官能基の変換は、上記工程以外にも公知の他の方法[例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(Comprehensive Organic Transformations)、R.C.ラロック(Larock)著(1989年)などに記載の方法]でまたはそれらに準じて行うこともできる。
また、上記の方法を適宜組み合わせて実施することにより、所望の位置に所望の官能基を有する化合物(I)を得ることができる
上記各製造法における中間体および目的化合物は、有機合成化学で常用される分離精製法、例えば、ろ過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィーなどに付して単離精製することができる。また、中間体においては特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
化合物(I)の中には、位置異性体、幾何異性体、光学異性体、互変異性体などの立体異性体が存在し得るものもあるが、本発明の抗腫瘍剤などには、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を使用することができる。
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、化合物(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えることにより塩を形成させて単離、精製すればよい。
また、化合物(I)およびその薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明の抗腫瘍剤などに使用することができる。
本発明に使用される、または本発明によって得られる化合物(I)および(IA)の具体例を第1表および第2表に示す。ただし、本発明に使用される、または本発明の化合物はこれらに限定されるものではない。







次に、代表的な化合物(I)の薬理活性について試験例で説明する。
試験例1:ヒト大腸癌細胞HCT 116に対する増殖阻害活性
HCT 116細胞(ATCC番号:CCL−247)を1x10個/ウェルの割合で96ウェルマイクロタイタープレート(ヌンク社製、167008)に分注した。該プレートを5%炭酸ガスインキュベーター内で37℃、24時間培養した後、これに段階的に希釈した試験化合物を加えて合計100μL/ウェルとし、さらに5%炭酸ガスインキュベーター内で37℃、72時間培養した。この培養培地中に、XTT{3’−[1−(フェニルアミノカルボニル)−3,4−テトラゾリウム]−ビス(4−メトキシ−6−ニトロ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム水和物(Sodium 3’−[1−(phenylaminocarbonyl)−3,4−tetrazolium]−bis(4−methoxy−6−nitro)benzenesulfonic acid hydrate)}標識混合液(ロシュ・ダイアグノスティックス社製、1465015)を50μL/ウェルずつ分注した後、5%炭酸ガスインキュベーター内で37℃、1時間培養し、マイクロプレート分光光度計(バイオラッド社製、Mode1550)を用い、490nmと655nmでの吸光度を測定した。細胞増殖抑制活性は50%増殖阻害濃度GI50で示した。
GI50の算出方法:各ウェルの490nmでの吸光度から655nmでの吸光度を減じた値(差吸光度)を算出した。試験化合物未処理の細胞で得られた差吸光度を100%とし、既知濃度の化合物で処理した細胞で得られた差吸光度と比較することにより、細胞の増殖を50%阻害する化合物の濃度を算出し、それをGI50とした。
結果を第3表に示す。

試験例2:Eg5酵素に対する阻害試験(1)
組換え型全長ヒトEg5蛋白質の調製は文献[セル(Cell)、83巻、p.1159(1995年)]を参考にして実施する。HisタグをN末端に融合した全長ヒトEg5を発現するバキュロウイルスをSpodoptera frugiperda(スポドプテラ フルギペルダ)(Sf)9昆虫細胞に感染させ、培養後、培養液を遠心して細胞沈殿物を回収する。細胞沈殿物をバッファーに懸濁し、遠心により上清を回収する。上清をニッケルアガロースカラムに通塔し、HisタグをN末端に融合したEg5をアフィニティー精製して部分精製標品を取得する。
Eg5のATPase活性の測定は文献[エンボ・ジャーナル(The EMBO Journal)、13巻、p.751(1994年)、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、89巻、p.4884(1992年)]を参考にして実施する。25mmol/L ピペラジンN,N’−ビス(エタンスルホン酸)(PIPES)/KOH(pH 6.8)、1mmol/L エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)四酢酸(EGTA)、2mmol/L MgCl、1mmol/L ジチオトレイトール(DTT)、100μg/mL ウシ血清アルブミン(BSA)、5μmol/L パクリタキセル(Paclitaxel)、25μg/L チューブリン(Tubulin)(サイトスケルトン社、カタログ番号TL238)、および200μmol/L MESG substrate(2−アミノ−6−メルカプト−7−メチルプリンリボサイド)(モレキュラープローブズ社、カタログ番号E−6646)、1U/mL プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(Purine nucleoside phosphorylase)(モレキュラープローブズ社、カタログ番号E−6646)にEg5部分精製標品を加えた反応溶液を調製する。段階的に希釈した試験化合物を含む反応溶液を96−ウェルプレートに分注する。酵素反応は30℃で30分間実施する。ATPase活性の指標となる360nmでの吸光度をプレートリーダー(モレキュラーデバイス社、SpectraMax 340PC384)で測定する。Eg5存在下試験化合物非存在下での吸光度を100%、Eg5非存在下試験化合物非存在下での吸光度を0%として相対活性を計算し、IC50値を算出する。
上記の試験により、化合物(I)のEg5酵素に対する阻害作用が確認できる。
試験例3:Eg5酵素に対する阻害試験(2)
組換え型ヒトEg5モータードメイン蛋白質の調製は文献[バイオケミストリー(Biochemistry)、35巻、2365ページ(1996年)]を参考にして実施した。ヒトEg5モータードメインを発現するプラスミドを構築し、大腸菌BL21(DE3)へ形質転換した。形質転換体を25℃で培養し、OD600が0.74になった時点で、終濃度0.5mmol/Lになるようにイソプロピル−β−D−チオガラクシドを添加した。さらに、4時間培養後、培養液を遠心して菌体を回収した。菌体をバッファーに懸濁し、超音波破砕後、遠心により上清を回収した。上清を陽イオン交換カラムクロマトグラフィーにより精製し、部分精製標品を取得した。さらに、部分精製標品をゲルろ過カラムクロマトグラフィーにより精製し、最終精製標品を取得した。
Eg5のATPase活性の測定は文献[エンボ・ジャーナル(EMBO Journal)、13巻、751ページ(1994年)、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、89巻、4884ページ(1992年)]を参考にして実施した。次の2種類の溶液を用意した。25mmol/LピペラジンN,N’−ビス(エタンスルホン酸)(PIPES)/KOH(pH6.8)、1mmol/Lエチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)四酢酸(EGTA)、2mmol/L MgCl、1mmol/Lジチオトレイトール(DTT)、5μmol/Lパクリタキセル(Paclitaxel)、167μg/mLウシ血清アルブミン(BSA)、41.7μg/mLチューブリン(Tubulin)(サイトスケルトン社、カタログ番号TL238)、333μmol/L MESG substrate(2−アミノ−6−メルカプト−7−メチルプリンリボサイド)(モレキュラープローブズ社、カタログ番号E−6646)、1.67U/mLプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(Purine nucleoside phosphorylase)(モレキュラープローブズ社、カタログ番号E−6646)および1.33μg/mL ヒトEg5モータードメイン精製標品から構成される溶液Aを調製した。25mmol/LピペラジンN,N’−ビス(エタンスルホン酸)(PIPES)/KOH(pH6.8)、1mmol/Lエチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)四酢酸(EGTA)、2mmol/L MgCl、1mmol/Lジチオトレイトール(DTT)、5μmol/Lパクリタキセル(Paclitaxel)および2.5mmol/L ATPから構成される溶液Bを調製した。溶液Aを96−ウェルプレートに各ウェル45μLずつ分注した。溶液Bを用いて、試験化合物を段階的に希釈した。希釈された試験化合物溶液各30μLを、先の96−ウェルプレート内に分注された溶液Aと混合し、酵素反応を開始した。酵素反応は30℃で30分間実施した。ATPase活性の指標となる360nmでの吸光度をプレートリーダー(モレキュラーデバイス社、SpectraMax 340PC384)で測定した。Eg5存在下、試験化合物非存在下での吸光度を100%、Eg5非存在下、試験化合物非存在下の吸光度を0%として相対活性を計算し、IC50値を算出した。
化合物1、5、10、20、22、24、44、49、55、61、62および68は濃度依存的にEg5のATPase活性を阻害し、それらのIC50値は10μmol/L以下であった。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤として提供するのが望ましい。また、それら医薬製剤は、動物または人に使用されるものである。
本発明に係わる医薬製剤は、活性成分として化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を単独で、あるいは任意の他の治療のための有効成分との混合物として含有することができる。また、それら医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種またはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口または、例えば静脈内などの非経口をあげることができる。
投与形態としては、例えば錠剤、注射剤などがあげられる。
経口投与に適当な、例えば錠剤などは、乳糖、マンニットなどの賦形剤、澱粉などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを用いて製造できる。
非経口投与に適当な製剤は、好ましくは受容者の血液と等張である活性化合物を含む滅菌水性剤からなる。例えば、注射剤の場合は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩水とブドウ糖溶液の混合物からなる担体などを用いて注射用の溶液を調製する。
また、これら非経口剤においても、経口剤で例示した賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤および希釈剤、防腐剤、フレーバー類などから選択される1種もしくはそれ以上の補助成分を添加することもできる。
化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、上記の目的で用いる場合、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度などにより異なるが、通常経口の場合、成人1人あたり、1回につき0.01〜1000mg、好ましくは0.05〜500mgの範囲で、1日1回ないし数回投与する。静脈内投与などの非経口投与の場合、通常成人一人当り0.001〜1000mg、好ましくは0.01〜300mgを一日一回ないし数回投与するか、または1日1〜24時間の範囲で静脈内に持続投与する。しかしながら、これら投与量および投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。
【実施例】
以下に、実施例および製剤例により、本発明を詳細に説明する。
実施例で用いられるプロトン核磁気共鳴スペクトル(H NMR)は、270MHzまたは300MHzで測定されたものであり、化合物および測定条件によって交換性プロトンが明暸には観測されないことがある。なお、シグナルの多重度の表記としては通常用いられるものを用いるが、brとは見かけ上幅広いシグナルであることを表す。
[実施例1](化合物1)
参考例1で得られる化合物A(1.50g,5.01mmol)をトルエン(30mL)に溶解し、2−(トリブチルスタニル)フラン(2.37mL,7.52mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(289mg,0.251mmol)を加え、100℃で5時間攪拌した。反応液に10%フッ化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1→6/1、次いでクロロホルム/メタノール=500/1)で精製することにより、化合物1(1.14g,収率79%)を得た。
APCI−MS m/z:287[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.40(s,3H),2.46(s,3H),6.50(dd,J=1.8,3.5Hz,1H),6.76(d,J=3.6Hz,1H),7.31(m,3H),7.50(m,2H),7.51(dd,J=1.8,3.8Hz,1H).
[実施例2](化合物2)
実施例1に記載の方法に準じて、参考例1で得られる化合物A(80mg,0.27mmol)、および2−(トリブチルスタニル)ピラジン(148mg,0.401mmol)から化合物2(61mg,収率76%)を得た。
APCI−MS m/z:299[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.45(s,3H),2.49(s,3H),7.25−7.39(m,3H),7.50(m,2H),8.55(m,2H),9.29(s,1H).
[実施例3](化合物3)
実施例1に記載の方法に準じて、化合物A(70mg,0.23mmol)、および2−(トリブチルスタニル)チオフェン(0.11mL,0.35mmol)から化合物3(56mg,収率79%)を得た。
APCI−MS m/z:303[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.40(s,3H),2.47(s,3H),7.03(dd,J=3.8,5.1Hz,1H),7.17(dd,J=1.2,3.8Hz,1H),7.24−7.38(m,3H),7.42(dd,J=1.2,5.1Hz,1H),7.50(m,2H).
[実施例4](化合物4)
参考例4に記載の方法に準じて、参考例1で得られる化合物A(2.00g,6.68mmol)、および3−チエニルボラン酸(1.71g,13.4mmol)から化合物4(1.84g,収率91%)を得た。
APCI−MS m/z:303[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.40(s,3H),2.47(s,3H),7.27−7.38(m,4H),7.45−7.50(m,4H).
[実施例5](化合物5)
参考例4に記載の方法に準じて、参考例1で得られる化合物A(20mg,0.067mmol)、および1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロール−2−ボラン酸(28.2mg,0.134mmol)から化合物5(11mg,収率41%)を得た。
FAB−MS m/z:386[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.61(s,9H),2.33(s,3H),2.47(s,3H),6.20(dd,J=3.3,3.5Hz,1H),6.58(dd,J=1.6,3.4Hz,1H),7.26−7.38(m,4H),7.52(m,2H).
[実施例6](化合物6)
参考例4に記載の方法に準じて、参考例2で得られる化合物B(80mg,0.20mmol)、および3−フルオロフェニルボラン酸(57mg,0.41mmol)から化合物6(56mg,収率67%)を得た。
FAB−MS m/z:406[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.48(s,3H),2.95(s,3H),4.11(dd,J=6.4,14.0Hz,1H),4.70(dd,J=7.3,14.2Hz,1H),5.41(t,J=6.9Hz,1H),7.15(m,1H),7.29−7.52(m,8H).
[実施例7](化合物7)
参考例4に記載の方法に準じて、参考例3で得られる化合物C(40mg,0.092mmol)、および2−フルオロフェニルボラン酸(26mg,0.18mmol)から化合物7(4.9mg,収率12%)を得た。
APCI−MS m/z:450[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.42(s,9H),3.00(s,3H),4.12(dd,J=5.4,13.7Hz,1H),4.75(dd,J=8.2,13.5Hz,1H),4.97(dd,J=5.3,7.9Hz,1H),7.12−7.48(m,8H),7.75(ddd,J=1.7,7.6,7.6Hz,1H).
[実施例8](化合物8)
工程1
2−フルオロ安息香酸(5.00g,35.7mmol)をDMF(75mL)に溶解し、EDC・HCl(8.21g,42.8mmol)、カルバジン酸 tert−ブチル(5.66g,42.8mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(436mg,3.57mmol)を加え、0℃〜室温で24時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、tert−ブチル N’−(2−フルオロベンゾイル)カルバゼート(6.23g,収率69%)を得た。
APCI−MS m/z:253[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.50(s,9H),6.75(br s,1H),7.15(ddd,J=1.0,8.4,12.0Hz,1H),7.28(ddd,J=1.0,7.6,7.6Hz,1H),7.52(m,1H),8.11(ddd,J=1.8,7.7,7.7Hz,1H),8.37(br d,J=10.9Hz,1H).
工程2
上記工程1で得られるtert−ブチル N’−(2−フルオロベンゾイル)カルバゼート(8.29g,32.6mmol)をTHF(166mL)に溶解し、ローソン(Lawesson’s)試薬(13.5g,33.3mmol)を加え、45℃で3.2時間攪拌した。次いで減圧下溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1→3/1)で精製することにより、tert−ブチル N’−(2−フルオロチオベンゾイル)カルバゼート(8.13g,収率92%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.53(s,9H),7.12(ddd,J=1.0,8.3,12.5Hz,1H),7.25(m,1H),7.46(m,1H),8.29(ddd,J=1.8,8.1,8.1Hz,1H),9.21(br s,1H),10.44(br s,1H).
工程3
上記工程2で得られたtert−ブチル N’−(2−フルオロチオベンゾイル)カルバゼート(8.13g,30.1mmol)をジクロロメタン(180mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(50mL)を加え、室温で2時間攪拌した。次いで減圧下溶媒を留去し、(2−フルオロチオベンゾイル)ヒドラジン・トリフルオロ酢酸塩(7.86g,収率92%)を得た。
工程4
2−(メチルスルホニルアミノ)アセトフェノン(1.00g,4.69mmol)をエタノール(30mL)に溶解し、上記工程3で得られた(2−フルオロチオベンゾイル)ヒドラジン・トリフルオロ酢酸塩(1.47g,5.16mmol)を加え、還流下で8時間攪拌した。次いで減圧下溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/アセトン=30/1→15/1)で精製することにより、N−[5−(2−フルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イルメチル]メタンスルホンアミド(1.17g,収率68%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.91(s,3H),3.73(dd,J=5.6,13.8Hz,1H),3.86(dd,J=7.7,14.0Hz,1H),4.76(dd,J=5.6,7.6Hz,1H),6.74(s,1H),7.06−7.19(m,2H),7.31−7.45(m,4H),7.51(m,2H),7.76(ddd,J=1.6,7.6,7.6Hz,1H).工程5
上記工程4で得られたN−[5−(2−フルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イルメチル]メタンスルホンアミド(1.17g,3.19mmol)をTHF(35mL)に溶解し、4−ジメチルアミノピリジン(585mg,4.79mmol)および塩化アセチル(0.340mL,4.79mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=50/1)、次いで分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/アセトニトリル=9/1)で精製することにより、化合物8(762mg,収率59%)を得た。
ESI−MS m/z:408[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.50(s,3H),2.99(s,3H),4.10(dd,J=5.6,14.2Hz,1H),4.71(dd,J=8.1,14.0Hz,1H),5.20(m,1H),7.10−7.36(m,2H),7.39−7.46(m,6H),7.83(ddd,J=1.6,7.6,7.6Hz,1H).
[実施例9](化合物9)
工程1
二硫化炭素(2.7mL,45mmol)をTHF(30mL)に溶解し、3−トリルマグネシウムブロミド(1mol/L THF溶液,30mL,30mmol)を0℃で滴下した後、0℃〜室温で1時間攪拌した。反応液に水(5mL)を加えた後、減圧下溶媒を留去した。次に、残さに水(30mL)、クロロ酢酸(3.40g,36mmol)および炭酸水素ナトリウム(2.39g,28.5mmol)を加え、70℃で4.5時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで洗浄した。水層に20%硫酸水溶液を加えて酸性にした後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、S−[3−メチル(チオベンゾイル)]チオグリコール酸(5.77g,収率85%)を得た。
FAB−MS m/z:227[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.39(s,3H),4.27(s,2H),7.30(m,1H),7.38(m,1H),7.83(m,2H).
工程2
上記工程1で得られたS−[3−メチル(チオベンゾイル)]チオグリコール酸(2.55g,11.3mmol)に水(35mL)および水酸化ナトリウム(473mg,11.8mmol)を加え溶解した後、ヒドラジン一水和物(1.09mL,22.5mmol)を加え、0℃で2.5時間攪拌した。析出した固体をろ取し、水で洗浄した後、減圧下乾燥することで、[3−メチル(チオベンゾイル)]ヒドラジン(1.19g,収率64%)を得た。
APCI−MS m/z:165[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.35(s,3H),5.01(br s,2H),7.29(m,2H),7.46(m,1H),7.56(m,1H),8.75(br s,1H).
工程3および4
実施例8の工程4および5に記載の方法に準じて、上記工程2で得られた[3−メチル(チオベンゾイル)]ヒドラジン(59mg,0.36mmol)および2−(メチルスルホニルアミノ)アセトフェノン(84mg,0.40mmol)から化合物9(55mg,収率38%,2工程)を得た。
APCI−MS m/z:402[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.38(s,3H),2.49(s,3H),2.94(s,3H),4.11(dd,J=6.2,13.9Hz,1H),4.70(dd,J=7.3,13.9Hz,1H),5.43(m,1H),7.24−7.40(m,7H),7.44(m,2H).
[実施例10](化合物10)
工程1
S−(チオベンゾイル)チオグリコール酸(2.00g,9.42mmol)を水(20mL)に懸濁し、水酸化ナトリウム(396mg,9.89mmol)を加え溶解した。得られた溶液に、ヒドラジン一水和物(0.914mL,18.8mmol)を0℃で滴下し、さらに0℃で2時間攪拌した。析出した固体をろ取し、水で洗浄した後、減圧下乾燥することにより、チオベンゾイルヒドラジン(469mg,収率33%)を得た。
APCI−MS m/z:151[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):5.01(br s,2H),7.27−7.52(m,3H),7.71(m,1H),8.02(m,1H),8.72(br s,1H).
工程2および3
実施例8の工程4および5の方法に準じて、チオベンゾイルヒドラジン(26mg,0.17mmol)、2−(メチルスルホニルアミノ)アセトフェノン(73mg,0.34mmol)および塩化アセチル(0.0094mL,0.13mmol)から化合物10(20mg,収率31%,2工程)を得た。
ESI−MS m/z:390[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.50(s,3H),2.96(s,3H),4.12(dd,J=6.1,13.9Hz,1H),4.71(dd,J=7.4,14.0Hz,1H),5.34(dd,J=6.3,6.6Hz,1H),7.29−7.49(m,8H),7.65(m,2H).
[実施例11](化合物11)
実施例8の工程4および5に記載の方法に準じて、チオベンゾイルヒドラジン(44mg,0.29mmol)、2−(メチルスルホニルアミノ)アセトフェノン(124mg,0.582mmol)および塩化ピバロイル(0.0187mL,0.152mmol)から化合物11(19mg,収率15%,2工程)を得た。
APCI−MS m/z:432[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.43(s,9H),2.97(s,3H),4.14(dd,J=5.5,13.6Hz,1H),4.75(dd,J=8.1,13.7Hz,1H),5.01(dd,J=5.8,7.8Hz,1H),7.28−7.50(m,8H),7.65(m,2H).
[実施例12](化合物12)
参考例1で得られる化合物A(50mg,0.17mmol)をトルエン(1.5mL)に溶解し、フェニルアセチレン(0.092mL,0.84mmol)、トリエチルアミン(0.17mL,0.84mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(5.9mg,0.0084mmol)およびヨウ化銅(6.4mg,0.033mol)を加え、窒素雰囲気下、室温で2.8時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残さを分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製することにより、化合物12(39mg,収率72%)を得た。
APCI−MS m/z:321[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.37(s,3H),2.46(s,3H),7.26−7.42(m,6H),7.48−7.56(m,4H).
[実施例13](化合物13)
実施例12に記載の方法に準じて、参考例1で得られる化合物A(70mg,0.23mmol)、および1−ジメチルアミノ−2−プロピン(0.126mL,1.17mmol)から化合物13(50mg,収率70%)を得た。
APCI−MS m/z:302[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.32(s,3H),2.33(s,6H),2.41(s,3H),3.48(s,2H),7.24−7.38(m,3H),7.44(m,2H).
[実施例14](化合物14)
実施例12に記載の方法に準じて、参考例1で得られる化合物A(70mg,0.23mmol)、およびメチルプロパルギルエーテル(0.099mL,1.2mmol)から化合物14(51mg,収率75%)を得た。
APCI−MS m/z:289[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.40(s,3H),2.42(s,3H),3.42(s,3H),4.29(s,2H),7.27−7.38(m,3H),7.44(m,2H).
[実施例15](化合物15)
実施例12に記載の方法に準じて、参考例1で得られる化合物A(80mg,0.27mmol)、およびプロパルギルアルコール(0.078mL,1.3mmol)から化合物15(34mg,収率46%)を得た。
FAB−MS m/z:275[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.34(s,3H),2.42(s,3H),2.51(m,1H),4.36(d,J=5.6Hz,2H),7.26−7.39(m,3H),7.45(m,2H).
[実施例16](化合物16)
実施例12に記載の方法に準じて、参考例1で得られる化合物A(80mg,0.27mmol)、および3,3−ジメチル−1−ブチン(0.314mL,2.55mmol)から化合物16(65mg,収率81%)を得た。
FAB−MS m/z:301[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.30(s,9H),2.32(s,3H),2.40(s,3H),7.23−7.43(m,3H),7.46(m,2H).
[実施例17](化合物17)
実施例12に記載の方法に準じて、参考例1で得られる化合物A(80mg,0.27mmol)、および1−ヘキシン(0.307mL,2.67mmol)から化合物17(46mg,収率57%)を得た。
APCI−MS m/z:301[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.93(t,J=7.2Hz,3H),1.44(m,2H),1.56(m,2H),2.32(s,3H),2.40(s,3H),2.41(t,J=6.9Hz,2H),7.23−7.37(m,3H),7.44(m,2H).
[実施例18](化合物18)
実施例12に記載の方法に準じて、参考例1で得られる化合物A(80mg,0.27mmol)、および3−シクロペンチル−1−プロピン(0.349mL,2.67mmol)から化合物18(62mg,収率71%)を得た。
APCI−MS m/z:327[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.27(m,2H),1.59(m,4H),1.81(m,2H),2.11(m,1H),2.32(s,3H),2.40(s,3H),2.41(d,J=6.3Hz,2H),7.23−7.37(m,3H),7.44(m,2H).
[実施例19](化合物19)
実施例12に記載の方法に準じて、参考例1で得られる化合物A(80mg,0.27mmol)、および5−メチル−1−ヘキシン(0.348mL,2.67mmol)から化合物19(45mg,収率53%)を得た。
FAB−MS m/z:315[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):0.91(d,J=6.6Hz,6H),1.49(dd,J=7.2,14.5Hz,2H),1.69(m,1H),2.32(s,3H),2.40(s,3H),2.41(t,J=7.5Hz,2H),7.24−7.38(m,3H),7.44(m,2H).
[実施例20](化合物20)
実施例12に記載の方法に準じて、参考例2で得られる化合物B(40mg,0.10mmol)、および3,3−ジメチル−1−ブチン(0.126mL,1.02mmol)から化合物20(5.1mg,収率13%)を得た。
FAB−MS m/z:394[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.29(s,9H),2.40(s,3H),3.00(s,3H),4.02(dd,J=5.7,14.0Hz,1H),4.66(dd,J=7.9,13.9Hz,1H),5.11(t,J=6.3Hz,1H),7.26−7.42(m,5H).
[実施例21](化合物21)
実施例12に記載の方法に準じて、参考例3で得られる化合物C(40mg,0.092mmol)、および3,3−ジメチル−1−ブチン(0.113mL,0.920mmol)から化合物21(21mg,収率52%)を得た。
FAB−MS m/z:436[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.30(s,9H),1.34(s,9H),3.01(s,3H),4.02(dd,J=5.4,13.6Hz,1H),4.69(dd,J=8.3,13.6Hz,1H),4.92(m,1H),7.26−7.37(m,5H).
[実施例22](化合物35)
工程1
臭化銅(17.1g,76.5mmol)をアセトニトリル(225mL)に溶解し、0℃で亜硝酸 tert−ブチル(12.1mL,102mmol)を加えた。10分間攪拌した後、WO03/051854号に記載の方法に従って得られた3−アセチル−5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2−メチル−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(15.0g,63.8mmol)を加え、0℃〜室温で4.8時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=8/1→6/1)で精製することにより、3−アセチル−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−2−メチル−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(15.4g,収率81%)を得た。
FAB−MS m/z:299[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.29(s,3H),2.44(s,3H),7.32(m,3H),7.46(m,2H).
工程2
上記で得られた3−アセチル−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−2−メチル−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(2.00g,6.68mmol)をトルエン(40mL)に溶解し、トリブチル(ビニル)スズ(2.92mL,9.99mol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.384g,0.332mmol)を加え、100℃で7時間攪拌した。反応液に5%フッ化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=6/4、次いでn−ヘキサン/酢酸エチル=96/4)で精製することにより、化合物35(1.14g,収率69%)を得た。
APCI−MS m/z:247[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.33(s,3H),2.41(s,3H),5.45(d,J=17.5Hz,1H),5.65(d,J=10.7Hz,1H),6.63(dd,J=10.9,17.5Hz,1H),7.30(m,3H),7.44(m,2H).
[実施例23](化合物36)
上記実施例22の工程1で得られた、3−アセチル−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−2−メチル−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(100mg,0.334mmol)をトルエン(3mL)に溶解し、トリブチル(1−エトキシビニル)スズ(0.169mL,0.501mmol)および塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(12mg,0.017mmol)を加え、100℃で2時間攪拌した。反応液に5%フッ化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層に2mol/L塩酸(10mL)を加え、室温で80分間撹拌した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1、次いでクロロホルム/メタノール=300/1)で精製することにより、化合物36(74mg,収率84%)を得た。
FAB−MS m/z:263[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.39(s,3H),2.41(s,3H),2.55(s,3H),7.25−7.45(m,5H).
[実施例24](化合物37)
実施例22で得られた化合物35(53mg,0.21mmol)およびフタルイミド(31mg,0.21mmol)をDMSO(0.4mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(0.029mL,28%メタノール溶液)を加え、室温で18時間攪拌した。ナトリウムメトキシド(0.82mL,28%メタノール溶液)を加え、室温でさらに46時間攪拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、化合物37(23mg,収率27%)を得た。
ESI−MS m/z:394[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.09(s,3H),2.35(s,3H),2.88(m,2H),4.04(t,J=6.9Hz,2H),7.19−7.45(m,5H),7.69−7.82(m,2H),7.83−7.94(m,2H).
[実施例25](化合物38)
実施例24で得られた化合物37(15mg,0.038mmol)をエタノール(0.6mL)に溶解し、ヒドラジン一水和物(0.006mL,0.1mmol)を加え、60℃で2.5時間攪拌した。析出した沈殿をろ別した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=6/1)で精製することにより、化合物38(5.0mg,収率50%)を得た。
ESI−MS m/z:264[M+H]H−NMR(CDOD)δ(ppm):2.30(s,3H),2.37(s,3H),2.71(t,J=6.9Hz,2H),3.04(t,J=6.9Hz,2H),7.23−7.54(m,5H).
[実施例26](化合物39)
実施例22で得られた化合物35(30mg,0.12mmol)をTHF(0.4mL)に溶解し、70%エチルアミン水溶液(0.197mL)を加え、室温で18.5時間、次いで60℃で8.5時間攪拌した。反応液を減圧下で濃縮し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製することにより、化合物39(2.4mg,収率7%)を得た。
ESI−MS m/z:292[M+H]H−NMR(DMSO−d)δ(ppm):1.01(t,J=7.1Hz,3H),2.21(s,3H),2.29(s,3H),2.59(m,2H),2.64(t,J=7.6Hz,2H),2.79(t,J=7.1Hz,2H),7.19−7.45(m,5H).
[実施例27](化合物40)
実施例22で得られた化合物35(34mg,0.14mmol)およびメタンスルホンアミド(26mg,0.27mmol)をDMF(0.5mL)に溶解し、水素化ナトリウム(11mg,0.28mmol,60%油性)を加え、90℃で3.5時間攪拌した。反応液に水および1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製することにより、化合物40(15mg,収率31%)を得た。
ESI−MS m/z:340[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.31(s,3H),2.40(s,3H),2.74(t,J=6.3Hz,2H),2.96(s,3H),3.46(dt,J=6.3,6.3Hz,2H),4.83(brt,J=6.0Hz,1H),7.25−7.46(m,5H).
[実施例28](化合物41)
実施例22で得られた化合物35(823mg,3.34mmol)をピリジン(10mL)およびDMF(5mL)の混合溶媒に溶解し、攪拌下、0℃で水(16mL)に溶解した過マンガン酸カリウム(1.06g,6.71mmol)を10分かけて加えた。反応液にピリジン(50mL)を加え、0℃でさらに20分間攪拌した後、10%亜硫酸ナトリウム水溶液および20%硫酸を順次加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。次いで、残渣をジクロロメタン(20mL)およびメタノール(20mL)の混合溶媒に溶解し、(トリメチルシリル)ジアゾメタン(6.0mL,12mmol,2.0mol/Lのn−ヘキサン溶液)を加え、室温で40分間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=50/1)、次いで、分取薄層クロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、化合物41(75mg,収率8%)を得た。
ESI−MS m/z:279[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.39(s,3H),2.43(s,3H),3.92(s,3H),7.27−7.50(m,5H).
[実施例29](化合物42)
実施例28で得られた化合物41(63mg,0.23mmol)をメタノール(2mL)および水(1mL)の混合溶媒に溶解し、水酸化リチウム(54mg,2.3mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液に1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルでトリチュレーションすることにより、化合物42(23mg,収率38%)を得た。
ESI−MS m/z:263[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.40(s,3H),2.45(s,3H),6.92(br,1H),7.26−7.51(m,5H).
[実施例30](化合物43)
実施例29で得られた化合物42(6.0mg,0.023mmol)をDMF(0.5mL)に溶解し、0℃でEDC・HCl(5.2mg,0.028mmol)およびHOBt・HO(4.2mg,0.027mmol)を加え、0℃で20分間攪拌した。次いで、50%ジメチルアミン水溶液(0.004mL)を加え、室温で9時間攪拌した後、反応液を減圧下で濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製することにより、化合物43(3.0mg,収率45%)を得た。
APCI−MS m/z:292[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.31(s,3H),2.41(s,3H),3.10(s,3H),3.39(s,3H),7.24−7.48(m,5H).
[実施例31](化合物44)
実施例30に記載の方法に準じて、化合物42(33mg,0.13mmol)、EDC・HCl(29mg,0.15mmol)、HOBt・HO(23mg,0.15mmol)およびtert−ブチルアミン(0.020mL,0.19mmol)から、化合物44(19mg,収率48%)を得た。
ESI−MS m/z:320[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.44(s,9H),2.33(s,3H),2.41(s,3H),6.43(brs,1H),7.25−7.41(m,3H),7.46(d,J=7.3Hz,2H).
[実施例32](化合物45)
実施例30に記載の方法に準じて、化合物42(16mg,0.061mmol)、EDC・HCl(15mg,0.078mmol)、HOBt・HO(12mg,0.078mmol)およびピロリジン(0.008mL,0.1mmol)から、化合物45(11mg,収率59%)を得た。
APCI−MS m/z:318[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.93(m,2H),2.02(m,2H),2.32(s,3H),2.41(s,3H),3.62(t,J=6.8Hz,2H),3.89(t,J=6.8Hz,2H),7.23−7.50(m,5H).
[実施例33](化合物46)
工程1
N−tert−ブトキシカルボニルグリシン(10.0g,57.1mmol)をTHF(100mL)に溶解し、室温でCDI(14.3g,59.0mmol)を加え、30分間攪拌した。反応液にN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(6.2g,64.0mmol)を加え、室温でさらに12時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下、溶媒を留去し、[(メトキシメチルカルバモイル)メチル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(9.55g,収率77%)を得た。
APCI−MS m/z:218[M+H]
工程2
上記工程1で得られた[(メトキシメチルカルバモイル)メチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(9.55g,43.8mmol)をTHF(300mL)に溶解し、−12℃でイソプロピルマグネシウムクロリドの2.0mol/L THF溶液(18.4mL,36.8mmol)を加え15分間攪拌した。次に、−10℃でフェニルマグネシウムクロリドの2.0mol/L THF溶液(21.3mL,42.7mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応液に酢酸(5.6mL)を加え、減圧下、溶媒を留去した。残さに水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下、溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1→4/1)で精製し、(2−オキソ−2−フェニルエチル)カルバミン酸 tert−ブチルエステル(3.95g,収率39%)を得た。
APCI−MS m/z:235[M+H]
工程3
実施例8の工程4に記載の方法に準じて、上記工程2で得られた(2−オキソ−2−フェニルエチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(2.20g,9.36mmol)と実施例18の工程3で得られた(2−フルオロチオベンゾイル)ヒドラジン・トリフルオロ酢酸塩(4.21g,14.8mmol)から[5−(2−フルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.63g,収率45%)を得た。
APCI−MS m/z:388[M+H]
工程4
実施例8の工程5に記載の方法に準じて、上記工程3で得られた[5−(2−フルオロフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.36g,3.51mmol)から化合物46(0.43g,収率28%)を得た。
APCI−MS m/z430[M+H]H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):1.40(s,9H),2.51(s,3H),4.14(dd,J=6.1,14.8Hz,1H),4.68(dd,J=6.7,14.8Hz,1H),5.42(m,1H),7.07−7.45(m,8H),7.79(ddd,J=0.9,7.2,7.4Hz,1H).
[実施例34](化合物47)
実施例33で得られた化合物46(0.330g,0.768mmol)を4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(30mL)に溶解し、室温で30分間攪拌した。次に、減圧下、溶媒を留去し、残さをジイソプロピルエーテルでリスラリーすることにより、化合物47(0.28g,収率100%)を得た。
APCI−MS m/z:330[M+H]H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.53(s,3H),3.83(d,J=14.3Hz 1H),4.60(d,J=14.3Hz,1H),7.04−7.18(m,2H),7.28−7.45(m,6H),7.87(ddd,J=1.6,7.6,7.6Hz,1H),8.93(br s,2H).
[実施例35](化合物48)
実施例34で得られた化合物47(169mg,0.462mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、室温でトリエチルアミン(322mL,2.31mmol)および塩化2−クロロエチルスルホニル(0.097mL,0.924mmol)を加え、30分間攪拌した。反応液に水(5mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下、溶媒を留去した。残さを分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製し、化合物48(186mg,収率96%)を得た。
APCI−MS m/z:420[M+H]H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.50(s,3H),3.98(dd,J=5.5,13.9Hz,1H),4.58(dd,J=7.6,13.9Hz,1H),5.92(d,J=9.9Hz,1H),6.27(d,J=16.7Hz,1H),6.53(dd,J=9.9,16.7Hz,1H),7.09−7.49(m,8H),7.83(dd,J=1.8,7.8Hz,1H).
[実施例36](化合物49)
実施例35で得られた化合物48(120mg,0.286mmol)を7mol/Lアンモニア−メタノール溶液(2mL)に溶解し、室温で30分間攪拌した。減圧下、溶媒を留去し、残さを分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=6/1)で精製することにより、化合物49(89mg,収率72%)を得た。
APCI−MS m/z:437[M+H]
[実施例37](化合物50)
実施例35で得られた化合物48(78.3mg,0.187mmol)をアセトニトリル(3mL)に溶解し、室温でジメチルアミン・塩酸塩(76.0mg,0.933mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。減圧下、溶媒を留去し、残さを分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=6/1)で精製し、化合物50(79mg,収率91%)を得た。
APCI−MS m/z:465[M+H]H NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.21(s,6H),2.49(s,3H),2.77(m,2H),3.17(m,2H),4.14(d,J=13.7Hz,1H),4.65(d,J=13.7Hz,1H),7.08−7.47(m,8H),7.83(ddd,J=1.8,7.6,7.6Hz,1H).
[実施例38](化合物51)
実施例35で得られた化合物48(108mg,0.257mmol)をアセトニトリル(3mL)に溶解し、室温でシクロプロピルアミン(0.090mL,1.3mmol)を加え、室温で10時間攪拌した。減圧下、溶媒を留去し、残さを分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製し、化合物51(87mg,収率67%)を得た。APCI−MS m/z:477[M+H]
[実施例39](化合物52)
実施例38で得られた化合物51(87.4mg,0.183mmol)を1,2−ジクロロエタン(3mL)と酢酸(0.5mL)の混合溶媒に溶解し、アセトアルデヒド(0.030mL,0.55mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.194g,0.915mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。次に、反応液に水(5mL)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下、溶媒を留去した。残さを分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製することにより、化合物52(56mg,収率61%)を得た。
APCI−MS m/z:505[M+H]H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):0.45(m,4H),1.04(t,J=7.2Hz,3H),1.71(m,1H),2.50(s,3H),2.63(m,2H),3.10(m,2H),3.24(m,2H),4.11(dd,J=6.1,13.9Hz,1H),4.63(dd,J=7.2,13.9Hz,1H),5.59(t,J=7.2Hz,1H),7.08−7.47(m,8H),7.83(ddd,J=1.8,7.6,7.6Hz,1H).
[実施例40](化合物53)
実施例35で得られた化合物48(87.0mg,0.176mmol)をアセトニトリル(2mL)とメタノール(2mL)の混合溶媒に溶解し、2−アミノエタンチオール(200mg,1.76mmol)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2mL)を加え、室温で2時間攪拌した。次に、反応液に水(5mL)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下、溶媒を留去した。残さを分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=6/1)で精製することにより、化合物53(45mg,収率45%)を得た。
APCI−MS m/z:497[M+H]H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.50(s,3H),2.76−2.98(m,4H),3.26−3.45(m,4H),4.11(d,J=14.2Hz,1H),4.69(d,J=14.2Hz,1H),5.61(br s,1H),7.08−7.47(m,8H),7.83(ddd,J=1.8,7.7,7.7Hz,1H).
[実施例41](化合物54)
実施例34で得られた化合物47(149mg,0.409mmol)をDMF(5mL)に溶解し、N−tert−ブトキシカルボニルグリシン(208mg,1.19mmol)、EDC・HCl(171mg,1.10mmol)およびHOBt・HO(282mg,1.84mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。次に、反応液に水(5mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下、溶媒を留去した。残さを分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、化合物54(144mg,収率73%)を得た。
APCI−MS m/z:487[M+H]H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):1.39(s,9H),2.53(s,3H),3.70(d,J=5.8Hz,2H),4.23(dd,J=4.8,14.8Hz,1H),4.85(dd,J=7.1,14.8Hz,1H),4.97(m,1H),7.07−7.46(m,8H),7.79(ddd,J=1.6,7.7,7.7Hz,1H).
[実施例42](化合物55)
実施例41で得られた化合物54(109mg,0.224mmol)を4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(2mL)に溶解し、室温で30分間攪拌した。減圧下、溶媒を留去し、残さをジイソプロピルエーテルでリスラリーすることにより、化合物55(43mg,収率46%)を得た。
APCI−MS m/z:387[M+H]H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.27(s,3H),3.83(m,2H),4.20(dd,J=6.2,14.0Hz,1H),4.78(dd,J=5.6,14.0Hz,1H),4.97(m,1H),7.07−7.46(m,8H),7.79(ddd,J=1.6,7.7,7.7Hz,1H),8.43(m,2H).
[実施例43](化合物56)
実施例34で得られた化合物47(153mg,0.418mmol)をジクロロメタン(4mL)に溶解し、ピリジン(0.079mL,0.92mmol)およびp−ニトロフェニルクロロホルメート(101mg,0.502mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。次に、反応液に水(5mL)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下、溶媒を留去した。残さを分取薄層クロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、化合物56(205mg,収率100%)を得た。
APCI−MS m/z:495[M+H]
[実施例44](化合物57)
実施例43で得られた化合物56(96.0mg,0.194mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、N,N−ジメチルエチレンジアミン(107mg,0.971mmol)を加え、室温で7時間攪拌した。減圧下、溶媒を留去し、残さを分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製することにより、化合物57(12.2mg,収率14%)を得た。
APCI−MS m/z:444[M+H]H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.20(s,6H),2.39(t,J=5.8Hz,2H),2.53(s,3H),3.22(q,J=5.8Hz,2H),4.27(dd,J=5.4,15.1Hz,1H),4.74(dd,J=6.7,15.1Hz,1H),5.08(m,1H),7.06−7.45(m,8H),7.78(ddd,J=1.8,7.7,7.7Hz,1H).
[実施例45](化合物58)
実施例44に記載の方法に準じて、実施例43で得られた化合物56(100mg,0.202mmol)および4−アミノメチルピリジン(0.0103mL,1.01mmol)から化合物58(21.1mg,収率23%)を得た。
APCI−MS m/z:464[M+H]H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.49(s,3H),4.07−4.43(m,3H),4.78−4.95(m,2H),5.84(s,1H),7.06−7.45(m,10H),7.78(ddd,J=1.6,7.4,7.4Hz,1H),12.9(m,2H).
[実施例46](化合物59)
参考例6に記載の方法に準じて、化合物D(2.66g,6.21mmol)および2−フルオロフェニルボラン酸(1.74g,12.4mmol)から化合物59(2.09g,収率79%)を得た。
APCI−MS m/z:444[M+H]H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):1.43(s,9H),2.45(s,3H),2.64(m,1H),3.29(m,2H),3.74(m,1H),4.68(m,1H),7.08−7.46(m,8H),7.81(ddd,J=1.6,7.4,7.4Hz,1H).
[実施例47](化合物60)
実施例34に記載の方法に準じて、実施例46で得られた化合物59(2.09g,4.71mmol)から化合物60(1.65g,収率92%)を得た。
APCI−MS m/z:344[M+H]H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ(ppm):2.40(s,3H),2.86(m,2H),3.25(m,2H),7.28−7.45(m,7H),7.59(m,1H),7.87(ddd,J=1.5,8.1,8.1Hz,1H).
[実施例48](化合物61)
実施例41に記載の方法に準じて、実施例47で得られた化合物60(1.37g,3.61mmol)および4−(ジメチルアミノ)乳酸・塩酸塩(1.80g,10.8mmol)から化合物
61(1.07g,収率65%)を得た。
APCI−MS m/z:457[M+H]H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.22(s,6H),2.20−2.35(m,5H),2.72(m,1H),3.28(m,2H),3.91(m,2H),6.66(m,1H),7.08−7.47(m,8H).
[実施例49](化合物62)
参考例18で得られた化合物34(120mg,0.337mmol)を1,2−ジクロロエタン(4mL)と酢酸(0.67mL)の混合溶液に溶解し、N−メチルピペラジン(0.187mL,1.68mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.428g,2.02mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液に水(5mL)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下、溶媒を留去した。残さを分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製し、化合物62の遊離塩基(35mg)得た。得られた化合物62の遊離塩基を酢酸エチル(1mL)に溶解し、4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(1mL)加え、1時間撹拌した。次に、ジエチルエーテル(5mL)を加え、得られた固体をろ取し、減圧下乾燥することにより、化合物62(29mg,収率20%)を得た。
APCI−MS m/z:441[M+H]H NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.01(m,1H),2.28(s,3H),2.35(m,3H),2.43(s,3H),2.40−2.58(m,9H),3.14(m,1H),7.08−7.46(m,8H),7.81(ddd,J=1.6,7.4,7.4Hz,1H).
[実施例50](化合物63)
工程1
2−アミノアセトフェノン塩酸塩(2.93g,17.1mmol)をアセトニトリル(100mL)に溶解し、二炭酸−ジ−tert−ブチル(5.09g,22.9mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(2.21g,18.1mmol)を加え、室温で10時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1)で精製し、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン(865mg,21%)を得た。
工程2
上記工程1で得られた2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン(851mg,3.62mmol)をメタノール(20mL)に溶解し、チオセミカルバジド塩酸塩(1.03g,8.04mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン=チオセミカルバゾンを得た。
工程3
上記工程2で得られる2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン=チオセミカルバゾン(2.91g,9.44mmol)に無水酢酸(30mL)を加え、130℃で5分間、次いで70℃で1時間攪拌した。反応液を放冷後、ジイソプロピルエーテルとヘキサンの混合溶媒でトリチュレーションすることにより、3−アセチル−5−アセチルアミノ−2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(2.06g,56%)を得た。
APCI−MS m/z:393(M+H)
工程4
上記工程3で得られた3−アセチル−5−アセチルアミノ−2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(2.01g,5.12mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、ヒドラジン・1水和物(8.0mL,0.16mol)を加え、室温で6時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣を12連並列分取クロマトグラフィー(山善:Hi−FlashTM column、ヘキサン/酢酸エチル=2/3)で精製することにより、5−アミノ−3−アセチル−2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(1.42g,79%)を得た。
APCI−MS m/z:351(M+H)
工程5
上記工程4で得られる5−アミノ−3−アセチル−2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(4.30g,12.3mmol)、ヨウ化カリウム(2.45g,14.8mmol)およびヨウ化銅(2.81g,14.8mmol)をアセトニトリル(86mL)に懸濁し、ヨウ素(3.75g,14.8mmol)を加えた後、氷冷下で亜硝酸tert−ブチル(4.40mL,37.0mmol)を加え、50°Cで2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/6)で精製することにより、3−アセチル−2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−5−ヨード−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(4.04g,収率71%)を得た。
ESI−MS m/z:462[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.45(s,9H),2.40(s,3H),4.13(dd,J=6.6,14.9Hz,1H),4.61(dd,J=6.6,14.9Hz,1H),5.26(m,1H),7.27−7.41(m,5H).
工程6
上記工程5で得られた3−アセチル−2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−5−ヨード−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(1.93g,4.18mmol)をトルエン(57mL)に溶解し、トリブチルビニルシラン(1.83mL,6.26mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(242mg,0.209mmol)を加え、100°Cで3時間撹拌した。反応液に5%フッ化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘキサン=2/3)で精製することにより、化合物63(1.33g,収率88%)を得た。
ESI−MS m/z:362[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.42(s,9H),2.41(s,3H),4.13(dd,J=6.2,14.9Hz,1H),4.62(dd,J=6.6,14.9Hz,1H),5.35(m,1H),5.51(d,J=17.4Hz,1H),5.67(d,J=10.7Hz,1H),6.58(dd,J=10.7,17.4Hz,1H),7.26−7.39(m,5H).
[実施例51](化合物64)
実施例50で得られた化合物63(1.10g,3.04mmol)をアセトン(20mL)に溶解し、水(3.0mL)を加えた後、氷冷下で過マンガン酸カリウム(1.68g,10.6mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に亜硫酸水素ナトリウム(1.03g)、1mol/L塩酸(20mL)および酢酸エチル(20mL)を加え、室温で30分間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルおよびn−ヘキサンの混合溶媒から結晶化し、化合物64(965mg,収率81%)を得た。
ESI−MS m/z:380[M+H]H−NMR(DMSO−d)δ(ppm):1.39(s,3H),2.25(s,9H),4.03(dd,J=7.8,14.4Hz,1H),4.33(dd,J=4.7,14.4Hz,1H),7.30(m,1H),7.32−7.42(m,5H).
[実施例52](化合物65)
実施例51で得られた化合物64(116mg,0.306mmol)、HOBt・HO(48.0mg,0.313mmol)およびEDCI(66.0mg,0.344mmol)をDMF(1.2mL)に溶解し、室温で10分間撹拌した後、同温度でtert−ブチルアミン(0.163mL,1.55mmol)を加え、室温で20時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、1mol/L塩酸、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮することにより、化合物65(96.1mg,収率72%)を得た。
ESI−MS m/z:435[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.43(s,18H),2.38(s,3H),3.95(dd,J=5.5,14.7Hz,1H),4.71(dd,J=7.6,14.7Hz,1H),5.31(m,1H),6.38(br s,1H),7.25−7.39(m,5H).
[実施例53](化合物66)
実施例52で得られた化合物65(96.1mg,0.221mmol)を4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(2.0mL)に溶解し、室温で30分間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルおよびn−ヘキサンの混合溶媒から結晶化し、化合物66(80.4mg,収率98%)を得た。
ESI−MS m/z:335[M+H]H−NMR(DMSO−d)δ(ppm):1.34(s,9H),2.41(s,3H),4.16(d,J=13.8Hz,1H),4.25(d,J=13.8Hz,1H),7.31−7.46(m,5H),7.81(br s,1H),8.49(br s,3H).
[実施例54](化合物67)
実施例53で得られた化合物66(78.3mg,0.211mmol)のジクロロメタン溶液(2.0mL)に、トリエチルアミン(0.147mL,1.05mmol)および塩化2−クロロエチルスルホニル(0.033mL,0.32mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1mo1/L塩酸、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル=1/10)で精製することにより、化合物67(59.3mg,収率66%)を得た。
APCI−MS m/z:425[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.44(s,9H),2.38(s,3H),3.82(dd,J=5.3,13.8Hz,1H),4.58(dd,J=8.5,13.8Hz,1H),5.24(m,1H),5.96(d,J=9.9Hz,1H),6.29(d,J=16.5Hz,1H),6.40(br s,1H),6.55(dd,J=9.9,16.5Hz,1H),7.25−7.40(m,5H).
[実施例55](化合物68)
実施例54で得られた化合物67(58.3mg,0.137mmol)をアセトニトリル(1.2mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.134mL,0.961mmol)およびジメチルアミン塩酸塩(56.0mg,0.687mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル、n−ヘキサンおよびメタノールの混合溶媒から結晶化し、化合物68(42.5mg,収率66%)を得た。
ESI−MS m/z:470[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.43(s,9H),2.27(s,6H),2.38(s,3H),2.77−2.84(m,2H),3.14−3.20(m,2H),3.93(d,J=13.8Hz,1H),4.69(d,J=13.8Hz,1H),6.13(m,1H),6.39(br s,1H),7.27−7.42(m,5H).
[実施例56](化合物69)
実施例51で得られた化合物64(100mg,0.264mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド(1.0mL)に溶解し、氷冷下で塩化チオニル(0.039mL,0.54mmol)を加え、30分間撹拌した後、同温度でジイソプロピルアミン(0.370mL,2.64mmol)を加え、室温で20時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1mol/L塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1)で精製することにより、化合物69(122mg,収率100%)を得た。
ESI−MS m/z:463[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.16−1.32(m,6H),1.35−1.56(m,6H),1.42(s,9H),2.35(s,3H),3.55(m,1H),3.97(dd,J=5.4,14.8Hz,1H),4.54(m,1H),4.72(dd,J=7.7,14.8Hz,1H),5.43(m,1H),7.25−7.42(m,5H).
[実施例57](化合物70)
実施例53および実施例54に記載の方法に準じて、実施例56で得られた化合物69(122mg,0.264mmol)を4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(1.0mL)で処理し、次いで、トリエチルアミン(0.184mL,1.32mmol)の存在下、塩化2−クロロエチルスルホニル(0.055mL,0.53mmol)と反応させることにより、化合物70(75.1mg,収率62%)を得た。
ESI−MS m/z:453[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.22−1.35(m,6H),1.40−1.52(m,6H),2.37(s,3H),3.58(m,1H),3.84(dd,J=5.3,14.2Hz,1H),4.57(dd,J=8.3,14.2Hz,1H),4.69(m,1H),5.19(dd,J=5.3,8.3Hz,1H),5.97(d,J=9.7Hz,1H),6.29(d,J=16.5Hz,1H),6.56(dd,J=9.7,16.5Hz,1H),7.26−7.42(m,5H).
[実施例58](化合物71)
実施例55に記載の方法に準じて、実施例57で得られた化合物70(72.0mg,0.159mmol)をトリエチルアミン(0.155mL,1.11mmol)の存在下、ジメチルアミン塩酸塩(65.0mg,0.797mmol)と反応させた後、得られた生成物を酢酸エチル(3.0mL)に溶解し、4mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(0.30mL)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液にn−ヘキサンを加え、生じた結晶をろ取することにより、化合物71(66.0mg,収率72%)を得た。
ESI−MS m/z:498[M+H]H−NMR(DMSO−d)δ(ppm):1.21(d,J=6.6Hz,6H),1.34(d,J=6.6Hz,6H),2.22(s,3H),2.80(s,6H),3.35−3.50(m,3H),3.58−3.70(m,3H),3.92(dd,J=7.6,14.2Hz,1H),4.41(dd,J=5.6,14.2Hz,1H),4.64(m,1H),7.27−7.47(m,5H),8.09(br s,1H),10.18(br s,1H).
[実施例59](化合物72)
実施例51で得られた化合物64(100mg,0.264mmol)をDMF(1.0mL)に溶解し、室温でヨウ化メチル(0.040mL,0.64mmol)および炭酸カリウム(40.0mg,0.289mmol)を加え、2時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をメタノール(3.0mL)に溶解し、濃塩酸(0.30mL)を加え、50°Cで1時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮した後、残渣を実施例54に記載の方法に準じて、トリエチルアミン(0.368mL,2.64mmol)の存在下、塩化2−クロロエチルスルホニル(0.110mL,1.05mmol)と反応させることにより、化合物72(46.6mg,収率46%)を得た。
ESI−MS m/z:384[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.42(s,3H),3.89(dd,J=6.0,14.1Hz,1H),4.57(dd,J=7.8,14.1Hz,1H),5.37(dd,J=6.0,7.8Hz,1H),5.95(d,J=9.8Hz,1H),6.27(d,J=16.5Hz,1H),6.55(dd,J=9.8,16.5Hz,1H),7.25−7.42(m,5H).
[実施例60](化合物73)
実施例55に記載の方法に準じて、実施例59で得られた化合物72(46.0mg,0.120mmol)をトリエチルアミン(0.117mL,0.839mmol)の存在下、ジメチルアミン塩酸塩(48.9mg,0.600mmol)と反応させることにより、化合物73(29mg,収率56%)を得た。
APCI−MS m/z:442[M+H]H−NMR(CDOD)δ(ppm):2.22(s,3H),2.80(s,6H),3.35−3.50(m,2H),3.58−3.70(m,2H),3.92(dd,J=7.6,14.2Hz,1H),4.41(dd,J=5.6,14.2Hz,1H),4.64(m,1H),7.27−7.47(m,5H),8.09(br s,1H),10.18(brs,1H).
[実施例61](化合物74)
工程1
2−アミノアセトフェノン塩酸塩(2.93g,17.1mmol)をアセトニトリル(100mL)に溶解した。この溶液に二炭酸−ジ−tert−ブチル(5.09g,22.9mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(2.21g,18.1mmol)を順次加え、室温で10時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1)で精製することにより、2−(N−tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン(865mg,21%)を得た。
工程2
上記工程1で得られた2−(N−tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン(851mg,3.62mmol)をメタノール(20mL)に溶解した。得られた溶液にチオセミカルバジド塩酸塩(1.03g,8.04mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をジクロロメタン(50mL)に溶解し、ピリジン(1.75mL,21.7mmol)および塩化トリメチルアセチル(2.23mL,18.1mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温でさらに1時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1)で精製することにより、2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[(2,2−ジメチルプロピオニル)アミノ]−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(910mg,53%)を得た。
APCI−MS m/z477[M+H]
工程3
上記工程2で得られる2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[(2,2−ジメチルプロピオニル)アミノ]−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(3.72g,9.48mmol)をtert−ブタノール(150mL)と塩酸−酢酸ナトリウム水溶液(pH=3;50mL)の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に水素化ほう素ナトリウム(3.6g,94.8mmol)を室温で加え、50℃で1時間攪拌した。反応液に酢酸(5.4mL)を加え、室温で30分間攪拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をヘキサンでリスラリーすることにより、5−アミノ−2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(3.10g,99%)を得た。
APCI−MS m/z:393[M+H]
工程4
実施例50の工程1に記載の方法に準じて、上記工程3で得られた5−アミノ−2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(1.00g,2.55mmol)、ヨウ化カリウム(580mg,3.04mmol)、ヨウ化銅(510mg,3.07mmol)、ヨウ素(780mg,3.07mmol)および亜硝酸tert−ブチル(0.980mL,8.24mmol)より、2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−ヨード−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(986mg,収率77%)を得た。
工程5
上記工程4で得られた2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−ヨード−2−フェニル−1,3,4−チアジアゾール(500mg,0.993mmol)をTHF(10mL)に溶解し、トリエトキシビニルシラン(0.420mL,1.99mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(86mg,0.15mmol)およびテトラブチルアンモニウムフロリド(1.0mol/L THF溶液,2.00mL,2.00mmol)を加え、50°Cにて6時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/9)で精製することにより、化合物74(343mg,収率85%)を得た。
ESI−MS m/z:404[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.36(s,9H),1.41(s,9H),4.12(dd,J=5.9,14.8Hz,1H),4.64(dd,J=6.6,14.8Hz,1H),5.23(m,1H),5.49(d,J=17.4Hz,1H),5.66(d,J=10.7Hz,1H),6.62(dd,J=10.7,17.4Hz,1H),7.22−7.38(m,5H).
[実施例62](化合物75)
実施例61で得られる化合物74(314mg,0.778mmol)を用い、実施例51〜実施例54に記載の方法に準じて処理した後、得られた生成物を実施例58に記載の方法に準じて処理することにより化合物75(収率32%(5工程))を得た。
APCI−MS m/z:512[M+H]H−NMR(DMSO−d)δ(ppm):1.25(s,9H),1.36(s,9H),2.79(s,6H),3.35−3.53(m,2H),3.59−3.69(m,2H),4.05(dd,J=5.6,14.0Hz,1H),4.44(dd,J=8.2,14.0Hz,1H),7.04(br s,1H),7.26−7.41(m,5H),7.86(dd,J=5.6,8.2Hz,1H),10.38(br s,1H).
以下、参考例1〜5で得られる化合物A〜Eの構造を第4表に示す。

参考例1(化合物A)
工程1
チオセミカルバジド(12.0g,132mmol)をメタノール(200mL)に懸濁し、アセトフェノン(15.4mL,132mmol)および濃塩酸(1.2mL)を加え、還流下5.7時間攪拌した。次いで減圧下溶媒を留去し、ヘキサン−ジエチルエーテル(1/1)混合溶液(150mL)を加え、析出した固体をリスラリーした。得られた白色固体をろ取し、ヘキサン−ジエチルエーテルで洗浄した後、減圧下乾燥することによりアセトフェノン=チオセミカルバゾン(25.4g,収率96%)を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm):2.30(s,3H),7.37−7.40(m,3H),7.91−7.94(m,3H),8.27(br s,1H),10.21(br s,1H).
工程2
上記工程1で得られたアセトフェノン=チオセミカルバゾン(8.44g,43.7mmol)をアセトン(170mL)に懸濁し、ピリジン(7.1mL,87mmol)および無水酢酸(8.3mL,87mmol)を加え、室温で25時間攪拌した。反応液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1→1/2)で精製することにより1−(5−アミノ−2−メチル−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−3−イル)エタノン(7.67g,収率75%)を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm):2.12(s,3H),2.31(s,3H),6.49(br s,2H),7.21−7.41(m,5H).
工程3
臭化銅(17.1g,76.5mmol)をアセトニトリル(225mL)に溶解し、0℃で亜硝酸tert−ブチル(12.1mL,102mmol)を加えた。10分間攪拌した後、上記工程2で得られる1−(5−アミノ−2−メチル−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール3−イル)エタノン(15.0g,63.8mmol)を加え、0℃〜室温で4.8時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=8/1→6/1)で精製することにより、化合物A(15.4g,収率81%)を得た。
FAB−MS m/z:299[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.29(s,3H),2.44(s,3H),7.32(m,3H),7.46(m,2H).
参考例2(化合物B)
工程1
参考例1の工程1に記載の方法に準じて、2−(メチルスルホニルアミノ)アセトフェノン(14.1g,66.0mmol)およびチオセミカルバジド(6.00g,66.0mmol)から2−(メチルスルホニルアミノ)アセトフェノン=チオセミカルバゾン(14.5g,収率77%)を得た。
工程2
参考例1の工程2に記載の方法に準じて、上記工程1で得られた2−(メチルスルホニルアミノ)アセトフェノン=チオセミカルバゾン(1.00g,3.49mmol)からN−(4−アセチル−2−アミノ−5−フェニル−4,5−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−5−イルメチル)メタンスルホンアミド(302mg,収率26%)を得た。
APCI−MS m/z:329[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.29(s,3H),2.99(s,3H),4.04(d,J=14.0Hz,1H),4.55(d,J=14.0Hz,1H),7.30−7.41(m,5H).
工程3
参考例1の工程3に記載の方法に準じて、上記工程2で得られたN−(4−アセチル−2−アミノ−5−フェニル−4,5−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−5−イルメチル)メタンスルホンアミド(240mg,0.732mmol)から化合物B(176mg,収率61%)を得た。
FAB−MS m/z:392[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.38(s,3H),3.01(s,3H),4.07(dd,J=6.3,14.2Hz,1H),4.65(dd,J=7.4,14.3Hz,1H),5.15(t,J=6.9Hz,1H),7.26−7.44(m,5H).
参考例3(化合物C)
工程1
参考例2の工程1で得られた2−(メチルスルホニルアミノ)アセトフェノン=チオセミカルバゾン(300mg,1.05mmol)をTHF(18mL)に溶解し、攪拌下室温で4−ジメチルアミノピリジン(641mg,5.25mmol)および塩化ピバロイル(0.13mL,1.1mmol)を滴下した。塩化ピバロイル滴下終了後、1時間後および2時間後にそれぞれ塩化ピバロイル(0.065mL,0.53mmol)を加え、さらに1.6時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残さを分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製することによりN−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イルメチル]メタンスルホンアミド(88mg,収率22%)を得た。
APCI−MS m/z:371[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.34(s,9H),2.96(s,3H),4.06(dd,J=6.2,13.7Hz,1H),4.19(br s,2H),4.58(dd,J=7.0,13.7Hz,1H),5.20(t,J=6.4Hz,1H),7.27−7.55(m,5H).
工程2
参考例1の工程3に記載の方法に準じて、上記工程1で得られるN−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イルメチル]メタンスルホンアミド(180mg,0.486mmol)から化合物C(164mg,収率78%)を得た。
APCI−MS m/z:434[M+H]H−NMR(CDCl+CDOD)δ(ppm):1.32(s,9H),3.03(s,3H),4.08(d,J=14.0Hz,1H),4.63(d,J=14.0Hz,1H),7.32−7.42(m,5H).
参考例4(化合物D)
工程1
N−tert−ブトキシカルボニル−β−アラニン(10.0g,52.9mmol)をTHF(150mL)に溶解し、フェニルボラン酸(7.73g,63.4mmol)、無水ピバリン酸(16.1mL,79.3mmol)、酢酸パラジウム(593mg,2.64mmol)、トリフェニルホスフィン(1.39g,5.29mmol)および水(2.28mL)を加え、アルゴン雰囲気下、60℃で22.5時間攪拌した。反応液をセライトを通してろ過し、ろ液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1→2/1)で精製し、(3−オキソ−3−フェニルプロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(7.85g,収率60%)を得た。
APCI−MS m/z:250[M+H]
工程2
上記工程1で得られた(3−オキソ−3−フェニルプロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(7.80g,31.3mmol)をメタノール(240mL)と水(60mL)の混合溶媒に溶解し、チオセミカルバジド・塩酸塩(7.98g,62.6mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、ヘキサン−クロロホルム(10/1)溶液(200mL)を加え、固体生成物をリスラリーした。白色固体をろ取し、ヘキサンで洗浄後、減圧下乾燥することにょり、(3−オキソ−3−フェニルプロピル)カルバミン酸 tert−ブチルエステル=チオセミカルバゾン(9.23g,収率91%)を得た。
APCI−MS m/z:323[M+H]
工程3
上記工程2で得られた(3−オキソ−3−フェニルプロピル)カルバミン酸 tert−ブチルエステル=チオセミカルバゾン(4.07g,12.6mmol)をアセトン(100mL)に溶解し、ピリジン(5.4mL,63.1mmol)と無水酢酸(6.0mL,63.1mmol)を加え、室温で6時間攪拌した。次に、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え、室温で30分間攪拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、メタノール(20mL)およびヒドラジン一水和物(20mL)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、ヘキサン−ジエチルエーテル(10/1)溶液(100mL)を加え、固体生成物をリスラリーした。白色固体をろ取し、ヘキサンで洗浄した後、減圧下乾燥することにより、[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)エチル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(4.38g,収率91%)を得た。
APCI−MS m/z:365[M+H]
工程4
参考例1の工程3に記載の方法に準じて、上記工程3で得られた[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)エチル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(2.80g,7.67mmol)から化合物D(2.66g,収率81%)を得た。
APCI−MS m/z:429[M+H]
参考例5(化合物E)
工程1
参考例4の工程2に記載の方法に準じて、3−ベンゾイルプロピオン酸メチルエステル(5.70g,29.7mmol)およびチオセミカルバジド・塩酸塩(5.70g,44.5mmol)から3−ベンゾイルプロピオン酸メチルエステル=チオセミカルバゾン(5.79g,収率73%)を得た。
APCI−MS m/z:266[M+H]
工程2
参考例1の工程2に記載の方法に準じて、上記工程1で得られた3−ベンゾイルプロピオン酸メチルエステル=チオセミカルバゾン(5.00g,18.8mmol)から3−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)プロピオン酸メチルエステル(4.52g,収率78%)を得た。
APCI−MS m/z:307[M+H]
工程3
参考例1の工程3に記載の方法に準じて、上記工程2で得られた3−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)プロピオン酸メチルエステル(4.52g,14.7mmol)から化合物E(4.39g,収率80%)を得た。
APCI−MS m/z:372[M+H]
参考例6(化合物22)
化合物A(2.50g,8.36mmol)をトルエン(30mL)に溶解し、2−フルオロフェニルボラン酸(2.34g,16.7mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(773mg,0.669mmol)および4mol/Lフッ化セシウム水溶液(4.18mL)を加え、窒素雰囲気下、100℃で4.8時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=7/1→6/1、次いでクロロホルム/メタノール=500/1→300/1)で精製することにより、化合物22(2.42g,収率92%)を得た。
APCI−MS m/z:315[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.43(s,3H),2.47(s,3H),7.09−7.45(m,6H),7.49(m,2H),7.84(ddd,J=1.8,7.5,7.7Hz,1H).
参考例7(化合物23)
参考例6に記載の方法に準じて、化合物A(70mg,0.23mmol)、およびフェニルボラン酸(57mg,0.47mmol)から化合物23(11mg,収率15%)を得た。
FAB−MS m/z:297[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.44(s,3H),2.48(s,3H),7.26−7.52(m,8H),7.60(m,2H).
参考例8(化合物24)
参考例6に記載の方法に準じて、化合物A(2.00g,6.68mmol)、および3−フルオロフェニルボラン酸(1.87g,13.4mmol)から化合物24(1.76g,収率84%)を得た。
APCI−MS m/z:313[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.43(s,3H),2.48(s,3H),7.14(m,1H),7.28−7.51(m,8H).
参考例9(化合物25)
参考例6に記載の方法に準じて、化合物A(2.00g,6.68mmol)、および3−クロロフェニルボラン酸(2.09g,13.41mmol)から化合物25(1.92g,収率87%)を得た。
APCI−MS m/z:329[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.43(s,3H),2.48(s,3H),7.28−7.50(m,8H),7.69(dd,J=1.5,1.6Hz,1H).
参考例10(化合物26)
参考例6に記載の方法に準じて、化合物A(20mg,0.067mmol)、および3−ブロモフェニルボラン酸(26.8mg,0.134mmol)から化合物26(4.9mg,収率20%)を得た。
APCI−MS m/z:373[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.43(s,3H),2.48(s,3H),7.27−7.46(m,4H),7.49−7.58(m,4H),7.84(dd,J=1.6,1.6Hz,1H).
参考例11(化合物27)
参考例6に記載の方法に準じて、化合物A(2.00g,6.68mmol)、および3−メチルフェニルボラン酸(1.82g,13.4mmol)から化合物27(1.73g,収率84%)を得た。
APCI−MS m/z:311[M+H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.39(s,3H),2.44(s,3H),2.47(s,3H),7.24−7.38(m,6H),7.48(m,3H).
参考例12(化合物28)
参考例6に記載の方法に準じて、化合物A(20mg,0.067mmol)、および3−シアノフェニルボラン酸(19.6mg,0.134mmol)から化合物28(5.5mg,収率26%)を得た。
APCI−MS m/z:320[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.44(s,3H),2.49(s,3H),7.29−7.39(m,3H),7.48(m,2H),7.55(d,J=7.7Hz,1H),7.71(d,J=7.7Hz,1H),7.82(d,J=7.9Hz,1H),7.98(br s,1H).
参考例13(化合物29)
参考例6に記載の方法に準じて、化合物A(20mg,0.067mmol)、および3,4−ジフルオロフェニルボラン酸(21.1mg,0.134mmol)から化合物29(8.4mg,収率38%)を得た。
APCI−MS m/z:331[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.42(s,3H),2.48(s,3H),7.19(m,1H),7.28−7.39(m,4H),7.48(m,2H),7.56(m,1H).
参考例14(化合物30)
参考例6に記載の方法に準じて、化合物A(20mg,0.067mmol)、および3,5−ジフルオロフェニルボラン酸(21.1mg,0.134mmol)から化合物30(9.9mg,収率45%)を得た。
APCI−MS m/z:331[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.42(s,3H),2.48(s,3H),6.88(m,1H),7.18,(m,2H),7.28−7.39(m,3H),7.47(m,2H).
参考例15(化合物31)
参考例6に記載の方法に準じて、化合物A(20mg,0.067mmol)、および2,4−ジフルオロフェニルボラン酸(21.1mg,0.134mmol)から化合物31(9.1mg,収率41%)を得た。
APCI−MS m/z:331[M−H]H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.41(s,3H),2.46(s,3H),6.86(m,1H),6.95(m,1H),7.26−7.39(m,3H),7.48(m,2H),7.83(m,1H).
参考例16(化合物32)
参考例6に記載の方法に準じて、化合物E(2.88g,7.76mmol)および2−フルオロフェニルボラン酸(2.17g,15.5mmol)から化合物32(1.21g,収率72%)を得た。
APCI−MS m/z:387[M+H]H−NMR(270MHz,CDCl)δ(ppm):2.33(s,3H),2.47(m,1H),2.76(m,2H),3.47(m,1H),3.72(s,3H),7.08−7.46(m,8H),7.81(ddd,J=1.6,7.4,7.4Hz,1H).
参考例17(化合物33)
参考例16で得られた化合物32(1.02g,2.64mmol)をTHF(30mL)に溶解し、氷冷下、水素化リチウムアルミニウム(50.0mg,1.32mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。次に、反応液に硫酸ナトリウム・10水和物(0.5g)を加え、室温で3時間攪拌した。反応液をろ過した後、減圧下、溶媒を留去し、残さをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、化合物33(238mg,収率25%)を得た。
APCI−MS m/z:359[M+H]
参考例18(化合物34)
参考例17で得られた化合物33(238mg,0.664mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、デス・マーチン過ヨウ素酸(0.422g,0.996mmol)を加え、室温で45分間攪拌した。次に、反応液にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下、溶媒を留去した。残さを分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン//酢酸エチル=2/1)で精製することにより、化合物34(120mg,収率51%)を得た。
[実施例63](製剤例1)
錠剤(化合物1)
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。化合物1、40g、乳糖286.8gおよび馬鈴薯澱粉60gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120gを加える。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合し、径8mmの杵をもった打錠機(菊水社製RT−15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり活性成分20mgを含有する)を得る。
処方 化合物1 20 mg
乳糖 143.4 mg
馬鈴薯澱粉 30 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6 mg
200 mg
[実施例64](製剤例2)
錠剤(化合物22)
化合物22、40gを用い、実施例22に記載の方法に準じて、標記錠剤(1錠あたり活性成分20mgを含有する)を得る。
処方 化合物22 20 mg
乳糖 143.4 mg
馬鈴薯澱粉 30 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6 mg
200 mg
[実施例65](製剤例3)
注射剤(化合物24)
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。化合物24、1gおよびD−マンニトール5gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸および水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを6に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2mgを含有する)を得る。
処方 化合物24 2 mg
D−マンニトール 10 mg
塩酸 適量
水酸化ナトリウム水溶液 適量
注射用蒸留水 適量
2.00 mL
[実施例66](製剤例4)
錠剤(化合物35)
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。化合物35、40g、乳糖286.8gおよび馬鈴薯澱粉60gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120gを加える。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合し、径8mmの杵をもった打錠機(菊水社製RT−15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり活性成分20mgを含有する)を得る。
処方 化合物35 20 mg
乳糖 143.4 mg
馬鈴薯澱粉 30 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6 mg
200 mg
[実施例67](製剤例5)
錠剤(化合物37)
化合物37、40gを用い、製剤例1に記載の方法に準じて、標記錠剤(1錠あたり活性成分20mgを含有する)を得る。
処方 化合物37 20 mg
乳糖 143.4mg
馬鈴薯澱粉 30 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
200 mg
[実施例68](製剤例6)
注射剤(化合物39)
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。化合物39、1gおよびD−マンニトール5gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸および水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを6に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2mgを含有する)を得る。
処方 化合物39 2 mg
D−マンニトール 10 mg
塩酸 適量
水酸化ナトリウム水溶液 適量
注射用蒸留水 適量
2.00 mL
【産業上の利用可能性】
本発明により、チアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する細胞増殖が関わる疾患、例えば腫瘍、再狭窄、心肥大、免疫疾患などの治療および/または予防剤が提供される。また、上記の細胞増殖が関わる疾患の治療に有用なチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)

<式中、Zは硫黄原子、または−S(=O)−を表し、Rは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、または−C(=W)R{式中、Wは酸素原子または硫黄原子を表し、Rは水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、
−YR(式中、Yは酸素原子または硫黄原子を表し、Rは水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)、または
−NR[式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、−OR(式中、Rは前記Rと同義である)または−NR1011(式中、R10およびR11は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表すか、またはR10とR11が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)を表すか、またはRとRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する]を表す}を表し、
は、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、または
−C(=W)R12[式中、Wは酸素原子または硫黄原子を表し、R12は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、−Y13(式中、Yは酸素原子または硫黄原子を表し、R13は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)、または−NR1415(式中、R14およびR15は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表すか、またはR14とR15が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)を表す]を表し、
は、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
は、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表すか、またはRとRが一緒になって
−(CR16A16Bm1−Q−(CR16C16Dm2−{式中、Qは単結合、置換もしくは非置換のフェニレンまたはシクロアルキレンを表し、m1およびm2は同一または異なって0〜4の整数を表すが、m1とm2は同時に0とはならず、R16A、R16B、R16CおよびR16Dは同一または異なって、水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルキル、−OR17[式中、R17は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、−CONR1819(式中、R18およびR19は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表すか、またはR18とR19が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)、
−SONR2021(式中、R20およびR21はそれぞれ前記のR18およびR19と同義である)または−COR22(式中、R22は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を表す]、−NR2324[式中、R23およびR24は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、−COR25(式中、R25は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、アミノ、置換もしくは非置換の低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換のジ低級アルキルアミノまたは置換もしくは非置換のアリールアミノを表す)または−SO26(式中、R26は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を表すか、またはR23とR24が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する]または−CO27(式中、R27は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を表すか、またはR16AとR16BもしくはR16CとR16Dが一緒になって酸素原子を表し、m1またはm2が2以上の整数であるとき、それぞれのR16A、R16B、R16CおよびR16Dは同一でも異なっていてもよく、隣接する二つの炭素原子に結合するR16A、R16B、R16CおよびR16Dはそれぞれ一緒になって結合を形成してもよい}を表す>で表されるチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
【請求項2】
が置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基である請求の範囲第1項記載の抗腫瘍剤。
【請求項3】
が置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニルまたは−C(=W)R(式中、WおよびRは前記と同義である)である請求の範囲第1項記載の抗腫瘍剤。
【請求項4】
が置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基である請求の範囲第1項記載の抗腫瘍剤。
【請求項5】
が置換もしくは非置換のアリールである請求の範囲第1項記載の抗腫瘍剤。
【請求項6】
が置換もしくは非置換の低級アルキニルである請求の範囲第1項記載の抗腫瘍剤。
【請求項7】
が置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換の低級アルケニルである請求の範囲第1項記載の抗腫瘍剤。
【請求項8】
が水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは−C(=W)R12(式中、WおよびR12はそれぞれ前記と同義である)である請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
【請求項9】
が−C(=W)R12(式中、WおよびR12はそれぞれ前記と同義である)である請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
【請求項10】
12が置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルである請求の範囲第8または9項記載の抗腫瘍剤。
【請求項11】
12が置換もしくは非置換の低級アルキルである請求の範囲第8または9項記載の抗腫瘍剤。
【請求項12】
12が低級アルキルである請求の範囲第8または9項記載の抗腫瘍剤。
【請求項13】
が酸素原子である請求の範囲第8〜12項のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
【請求項14】
が置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基である請求の範囲第1〜13項のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
【請求項15】
が置換もしくは非置換の低級アルキルである請求の範囲第1〜13項のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
【請求項16】
が置換低級アルキルである請求の範囲第1〜13項のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
【請求項17】
が置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基である請求の範囲第1〜16項のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
【請求項18】
が置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基である請求の範囲第1〜16項のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
【請求項19】
が置換もしくは非置換のフェニルまたは置換もしくは非置換のチエニルである請求の範囲第1〜16項のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
【請求項20】
とRが一緒になって
−(CR16A16Bm1−Q−(CR16C16Dm2−(式中、Q、R16AR16B、R16C、R16D、m1およびm2はそれぞれ前記と同義である)を表す請求の範囲第1〜13項のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
【請求項21】
とRが一緒になって−(CHm1−Q−(CHm2−(式中、Q、m1およびm2はそれぞれ前記と同義である)を表す請求の範囲第1〜13項のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
【請求項22】
Qが置換もしくは非置換のフェニレンである請求の範囲第20または21項記載の抗腫瘍剤。
【請求項23】
請求の範囲第1〜22項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するM期キネシンイージー5(Eg5)阻害剤。
【請求項24】
一般式(IA)

{式中、Zは前記と同義であり、
は、前記と同義であり、
(A)Rが置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニルまたは−C(=W)R(式中、WおよびRはそれぞれ前記と同義である)であるとき、R2A、R3AおよびR4Aはそれぞれ前記R、RおよびRと同義であり(ただし、Zが硫黄原子であり、かつRがベンジルであり、かつR2Aがアセチルであり、かつR3AまたはR4Aの一方がメチルであり、他方が2−オキソプロピルとはならない)、
(B)Rが置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基であるとき、R2AおよびR3Aはそれぞれ前記RおよびRと同義であり、R4Aは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
(C)Rが置換もしくは非置換のアリールであるとき、R2Aは−C(=W)R12(式中、WおよびR12はそれぞれ前記と同義である)を表し、R3Aは−(CHNHSO3B[式中、kは1〜6の整数を表し、R3Bは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、−NR7B8B(式中、R7BおよびR8Bはそれぞれ前記RおよびRと同義である)を表す]、−(CHNR7C8C(式中、kは前記と同義であり、R7CおよびR8Cはそれぞれ前記のRおよびRと同義である)または−(CHNHC(=O)R7D(式中、kは前記と同義であり、R7Dは前記Rと同義である)を表し、R4Aは前記Rと同義である}で表されるチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項25】
Zが硫黄原子である請求の範囲第24項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項26】
が置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基である請求の範囲第24または25項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項27】
が置換もしくは非置換のアリールである請求の範囲第24または25項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項28】
が置換もしくは非置換のフェニルである請求の範囲第24または25項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項29】
が置換もしくは非置換の低級アルキニルである請求の範囲第24または25項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項30】
が置換低級アルキルである請求の範囲第24または25項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項31】
が−C(=W)R(式中、WおよびRはそれぞれ前記と同義である)である請求の範囲第24または25項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項32】
Wが酸素原子である請求の範囲第31項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項33】
が−NR(式中、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)である請求の範囲第31または32項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項34】
2Aが−C(=O)R12(式中、R12は前記と同義である)である請求の範囲第24〜33項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項35】
12が低級アルキルである請求の範囲第34項記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項36】
3Aが置換もしくは非置換の低級アルキルである請求の範囲第24〜35項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項37】
3Aが−(CHNHSO3B(式中、kおよびR3Bはそれぞれ前記と同義である)、−(CHNR7C8C(式中、k、R7CおよびR8Cはそれぞれ前記と同義である)または−(CHNHC(=O)R7D(式中、kおよびR7Dはそれぞれ前記と同義である)である請求の範囲第24〜35項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項38】
3Aが−(CHNHSO3B(式中、kおよびR3Bはそれぞれ前記と同義である)である請求の範囲第24〜35項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項39】
4Aが置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基である請求の範囲第24〜38項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項40】
4Aが置換もしくは非置換のアリールである請求の範囲第24〜38項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項41】
4Aが置換もしくは非置換のフェニルまたは置換もしくは非置換のチエニルである請求の範囲第24〜38項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項42】
4Aがフェニルである請求の範囲第24〜38項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項43】
請求の範囲第24〜42項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項44】
請求の範囲第24〜42項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するM期キネシンEg5阻害剤。
【請求項45】
請求の範囲第24〜42項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する細胞増殖が関わる疾患の治療剤。
【請求項46】
請求の範囲第24〜42項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
【請求項47】
請求の範囲第1〜22項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする悪性腫瘍の治療および/または予防方法。
【請求項48】
請求の範囲第1〜22項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とするM期キネシンEg5の阻害方法。
【請求項49】
抗腫瘍剤の製造のための請求の範囲第1〜22項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項50】
M期キネシンEg5阻害剤の製造のための請求の範囲第1〜22項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項51】
請求の範囲第24〜42項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とするM期キネシンEg5の阻害方法。
【請求項52】
請求の範囲第24〜42項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする細胞増殖が関わる疾患の治療および/または予防方法。
【請求項53】
請求の範囲第24〜42項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする悪性腫瘍の治療および/または予防方法。
【請求項54】
M期キネシンEg5阻害剤の製造のための請求の範囲第24〜42項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項55】
細胞増殖が関わる疾患の治療剤の製造のための請求の範囲第24〜42項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項56】
抗腫瘍剤の製造のための請求の範囲第24〜42項のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。

【国際公開番号】WO2005/035512
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【発行日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514662(P2005−514662)
【国際出願番号】PCT/JP2004/015293
【国際出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】