説明

チップソーティング装置およびチップソーティング方法

【課題】チップソーティング時間を短縮することができると共に、チップソーティング精度をも向上させる。
【解決手段】ウエハ切断後の多数の半導体チップとしてのLEDチップが搭載される供給テーブル3上から配列テーブル4上に搬送アーム2によりLEDチップを順次移し変えるチップソーティング装置1において、搬送アーム2の長さは、少なくとも、供給テーブル3の半径と配列テーブル4の長辺長さの半分との合計の半分の寸法を有し、供給テーブル3は、X−Y方向移動により被搬送LEDチップを選択し、0°〜360°回転のうちから所定角度(ここでは角度90°)を順次回転して被搬送LEDチップの選択エリアを設定する。このように、供給テーブル3および配列テーブル4に回転機構が加えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断されて粘着シート上に貼られた多数の半導体チップが搭載される供給テーブル上から配列テーブル上に半導体チップを順次移し変えるチップソーティング装置およびこれを用いたチップソーティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来のチップソーティング装置は、直交する2つの軸であるX軸とY軸が作るXY平面上で、移動可能なテーブル上に切断されたウエハを搭載し、架台に固定してあるCCDカメラにより半導体チップの良、不良を判別し、ロボットなどによりそのウエハを把持し、まず、架台に固定してある位置矯正テーブルに1度移載する。直交する2方向に基準の押付部を有し、架台に固定してある位置決めテーブルで、その2方向にチップを機械的に押し付けて位置決めを行った後に、改めて別のロボットなどの移載手段により半導体チップを把持して半導体チップを所定の場所に移載している。このことが、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−36203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のチップソーティング装置は、例えばLEDチップ化工程で使用する場合に、図16に示すように、切断されて粘着シート上に貼られた多数の半導体チップを、コンピュータ内の発光検査結果に基づく座標データから、例えば発光輝度の高いランクA、次に発光輝度が高いランクBなど使用用途に応じて配列テーブル101上のシート上に順次移し変えるに際して、搬送用アーム102の回転半径内に、ダイシング済みのエキスパンドされたウェハを粘着シートで貼り付けたリングを載せた供給テーブル103および配列シートを載せた配列テーブル101を配置する必要があった。理論上は、図17に示すように、供給テーブル103の直径+配列テーブル101の長辺サイズの合計の半分以上の搬送用アーム102の長さが必要である。つまり、理論上、搬送用アーム102の長さは180度回転した場合に、供給テーブル103の直径と配列側テーブル101の1辺長さの合計寸法をカバーすればよい。なお、LEDでは、LEDチップを粘着シートに貼り付けているが、その粘着シートはリングと呼ばれる金具で360°方向にテンションをかけることにより、シートにシワが入ることを防いでいる。
【0005】
ウェハサイズが大きくなり、対象のリングの供給テーブル103のサイズが大きくなるに従って、従来のチップソーティング装置の搬送用アーム102の長さが長くなり、供給テーブル103から配列テーブル101への移動距離が長くなって、ソーティングの時間が長くなるという問題があった。また、これと同様に、搬送用アーム102が長くなることにより、配列テーブル101への配列精度も低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、チップソーティング時間を短縮すると共に、チップソーティング精度をも向上させることができるチップソーティング装置およびこれを用いたチップソーティング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のチップソーティング装置は、ウエハ切断後の多数の半導体チップが搭載される供給テーブル上から配列テーブル上に搬送アームにより該半導体チップを順次移し変えるチップソーティング装置において、該搬送アームの長さは、少なくとも、該供給テーブルの半径と該配列テーブルの長辺長さの半分との合計の半分の寸法を有し、該供給テーブルは、X−Y方向移動により被搬送半導体チップを選択し、0°〜360°回転のうちから所定角度を順次回転して該被搬送半導体チップの選択エリアを順次設定するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0008】
また、好ましくは、本発明のチップソーティング装置における搬送アームは、配列された前記供給テーブルおよび前記配列テーブルの各中心位置に達する長さを有する。
【0009】
さらに、好ましくは、本発明のチップソーティング装置における0°〜360°回転のうちの前記所定角度の回転は、角度45°、60°、90°、120°および180°のうちのいずれかである。
【0010】
さらに、好ましくは、本発明のチップソーティング装置における供給側テーブルのX−Y方向移動と回転のいずれかに連動して、前記配列テーブルも該X−Y方向移動と該回転の同角度の回転とのいずれかを行う。
【0011】
さらに、好ましくは、本発明のチップソーティング装置における供給テーブルの回転と連動して、前記搬送アームの先端のコレットを該回転と同角度の回転を行い、該供給テーブルのX−Y方向移動と連動して、前記配列テーブルも該X−Y方向移動を行う。
【0012】
さらに、好ましくは、本発明のチップソーティング装置における供給側テーブルのX−Y方向移動の稼働範囲は、該供給側テーブル上に、前記多数の半導体チップが搭載された対象リングの直径の2分の1である。
【0013】
さらに、好ましくは、本発明のチップソーティング装置における供給テーブルの回転角度が0°の場合に、前記ウェハの4分の1の複数の半導体チップをソーティングし、回転角度を90°ずつ3回、90°、180°、270°と、該供給テーブルを順次回転することにより、残りの4分の3の複数の半導体チップをソーティングし、更に90°回転することにより最初の状態に戻るように構成されている。
【0014】
さらに、好ましくは、本発明のチップソーティング装置において、次のウェハを処理する場合に、前記回転角度が360°まで前記供給テーブルを回転した状態が回転角度0°の場合として、前記ウェハの4分の1の複数の半導体チップをソーティングし、該回転角度の回転方向とは反対方向に、回転角度を−90°ずつ3回、−90°、−180°、−270°と、該供給テーブルを順次回転することにより、残りの4分の3の複数の半導体チップをソーティングし、更に−90°回転することにより最初の状態に戻るように構成されている。
【0015】
さらに、好ましくは、本発明のチップソーティング装置における搬送アームは、回転軸を中心にして平面視両側に2本の搬送アームが設けられ、前記供給テーブルは、該搬送アームの回転軸を中心にして平面視点対称の位置に二つ設けられ、前記配列テーブルは、該搬送アームの回転軸を中心にして平面視点対称の位置に二つ設けられて、同時に2ウェハのソーティングを実施する。
【0016】
本発明のチップソーティング方法は、ウエハ切断後の多数の半導体チップが搭載される供給テーブル上から配列テーブル上に搬送アームにより該半導体チップを順次移し変えるチップソーティング方法において、該搬送アームの長さは、少なくとも該供給テーブルの半径と該配列テーブルの長辺長さの半分との合計の半分の寸法を有し、該供給テーブルは、X−Y方向移動により被搬送半導体チップを選択し、0°〜360°回転のうちから所定角度を回転して該被搬送半導体チップの選択エリアを設定するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0017】
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
【0018】
本発明においては、ウエハ切断後の多数の半導体チップが搭載される供給テーブル上から配列テーブル上に搬送アームにより半導体チップを順次移し変えるチップソーティング装置において、搬送アームの長さは、少なくとも、供給テーブルの半径と配列テーブルの長辺長さの半分との合計の半分の寸法を有し、供給テーブルは、X−Y方向移動により被搬送半導体チップを選択し、0°〜360°回転のうちから所定角度を順次回転して被搬送半導体チップの選択エリアを設定する。
【0019】
このように、供給テーブルを回転することにより、従来の約半分程度の長さの搬送アームのサイズでチップソーティングが可能となる。このため、チップソーティング時間を短縮することができると共に、チップソーティング精度をも向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
以上により、本発明によれば、供給テーブルを回転することにより、従来の約半分程度の長さの搬送アームのサイズでチップソーティングが可能となるため、チップソーティング時間を短縮することができると共に、チップソーティング精度をも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態1におけるチップソーティング装置の要部構成例を模式的に示す側面図である。
【図2】図1のチップソーティング装置の供給テーブルと配列テーブルに対する搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図3】図2の供給テーブルと配列テーブルに対する搬送アームの位置関係で搬送アームの長さが最短になる位置関係を模式的に示す平面面である。
【図4】0°回転の場合の図2の供給テーブルと配列テーブルに対する搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図5】90°回転の場合の図2の供給テーブルと配列テーブルに対する搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図6】180°回転の場合の図2の供給テーブルと配列テーブルに対する搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図7】270°回転の場合の図2の供給テーブルと配列テーブルに対する搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図8】図2の変形例において、0°回転の場合の供給テーブルと配列テーブルに対する搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図9】図2の変形例において、90°回転の場合の供給テーブルと配列テーブルに対する搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図10】図2の変形例において、180°回転の場合の供給テーブルと配列テーブルに対する搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図11】図2の変形例において、270°回転の場合の供給テーブルと配列テーブルに対する搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図12】本発明の実施形態2におけるチップソーティング装置の二つの供給テーブルと二つの配列テーブルに対する搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図13】図12において、90°回転の場合の二つの供給テーブルと二つの配列テーブルに対する2本の搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図14】図12において、180°回転の場合の二つの供給テーブルと二つの配列テーブルに対する2本の搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図15】図12において、270°回転の場合の二つの供給テーブルと二つの配列テーブルに対する2本の搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図16】従来のチップソーティング装置における供給テーブルと配列テーブルに対する搬送アームの位置関係を模式的に示す平面面である。
【図17】図17の供給テーブルと配列テーブルに対する搬送アームの位置関係で搬送アームの長さが最短になる位置関係を模式的に示す平面面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明のチップソーティング装置の実施形態1、2について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図における構成部材のそれぞれの厚みや長さなどは図面作成上の観点から、図示する構成に限定されるものではない。
【0023】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1におけるチップソーティング装置の要部構成例を模式的に示す側面図である。
【0024】
図1において、本実施形態1のチップソーティング装置1では、ウエハから切断されて粘着シート上に貼られた多数のLEDチップから一つのチップを吸引して保持可能とするコレット2aが先端部に設けられた搬送アーム2が回転自在で上下方向に移動自在に設けられている。搬送アーム2の上下方向の移動は、アームZ軸用モータ21の回転駆動によりラックとピニオンを介して行われる。また、搬送アーム2の回転動作は、アームθ回転用モータ22の回転駆動により歯車を介して行われる。
【0025】
また、チップソーティング装置1では、ウエハから切断されて粘着シート上に貼られた多数のLEDチップが搭載されるリングを載せた供給テーブル3が、X軸方向およびY軸方向に移動自在に構成されると共に、そのテーブル中心を回転中心として回転自在に構成されている。供給テーブル3のX軸方向の移動は、供給テーブルX軸用モータ31の回転駆動によって、供給テーブル3が搭載されたX軸用台座の移動と共に行われる。また、供給テーブル3のY軸方向の移動は、供給テーブルY軸用モータ32の回転駆動によって、供給テーブル3およびX軸用台座が搭載されたY軸用台座の移動と共に行われる。さらに、供給テーブル3の回転動作は、供給テーブルθ回転用モータ33の回転駆動により、供給テーブル3、X軸用台座およびY軸用台座が搭載されたθ回転用台座の回転と共に行われる。
【0026】
さらに、チップソーティング装置1では、供給テーブル3に搭載された多数のウエハチップを、搬送アーム2により、例えば発光輝度の高いランクA、次に発光輝度が高いランクBなど使用用途に応じて順次移し変える配列テーブル4がX軸方向およびY軸方向に移動自在に構成されると共に、そのテーブル中心を回転中心として回転自在に構成されている。配列テーブル4のX軸方向の移動は、配列テーブルX軸用モータ41の回転駆動によって、配列テーブル4が搭載されたX軸用台座のX軸方向の移動と共に行われる。また、配列テーブル4のY軸方向の移動は、配列テーブルY軸用モータ42の回転駆動によって、配列テーブル4およびそのX軸用台座が搭載されたY軸用台座のY軸方向の移動と共に行われる。さらに、配列テーブル4の回転動作は、配列テーブルθ回転用モータ43の回転駆動により、配列テーブル4、そのX軸用台座およびそのY軸用台座が搭載されたθ回転用台座の回転と共に行われる。
【0027】
ここで、本実施形態1のチップソーティング装置1の特徴構成について図2および図3を用いて説明する。
【0028】
図2は、図1のチップソーティング装置1の供給テーブル3と配列テーブル4に対する搬送アーム2の位置関係を模式的に示す平面面である。
【0029】
図2において、本実施形態1のチップソーティング装置1は、ソーティング対象の多数のLEDチップを乗せて、X−Y方向移動と例えば360°回転するステージを持つ供給テーブル3と、供給テーブル3のX−Y方向移動と回転に連動して、X−Y方向移動と共に同角度回転するステージを持つ配列テーブル4と、これらの供給テーブル3および配列テーブル4の中心位置までその先端部のコレット2aが届くサイズの搬送アーム2とを有している。
【0030】
要するに、チップソーティング装置1は、供給テーブル3上に載せるリング(ここに多数のLEDチップが搭載)のほぼ半径位置(中心位置)に届く長さを有する搬送アーム2と、そのリングをX−Y方向移動と0°〜360°回転させるための供給側テーブル3と、供給側テーブル3のX−Y方向移動と回転とに連動して、X−Y方向移動と0°〜360°回転する配列テーブル4とを有している。供給テーブル3は、X−Y方向移動により被搬送半導体チップを選択し、0°〜360°回転のうちから所定角度(ここでは90度)を順次回転して被搬送半導体チップの選択エリアを設定する。配列テーブル4は、供給テーブル3のX−Y方向移動と回転のいずれか毎に連動して、対応するX−Y方向移動とその回転と同角度のいずれかの駆動を行う。
【0031】
上記構成により、チップソーティング装置1をLEDチップ化工程で使用する場合、搬送アーム2を回動させて、供給テーブル3上の多数のLEDチップを粘着シートに貼りつけたリングから配列テーブル4上の配列シートに搬送アーム2の先端部のコレット2aでLEDチップを吸着させて順次移し変える。
【0032】
この場合に、供給テーブル3および配列テーブル4を、搬送アーム2の動作に合わせてX−Y方向移動と共に回転させることにより、従来の約半分程度の長さの搬送アーム2のサイズでチップソーティングを行うことが可能となる。このように、チップソーティング装置1の搬送アーム2を短くすることにより、チップソーティング時間を大幅に短縮することができる。
【0033】
搬送アーム2の長さは、例えば図3に示すように、最小では、供給テーブル3上の対象リングの半径+配列テーブル4の長辺の半分の合計サイズの半分でよく、供給テーブル3側のステージが、90°、180°、270°と、角度90°毎に順次回転することにより、その上に搭載されたリング内のウェハも、ウェハ中心から90°、180°、270°回転し、ウェハ全てのLEDチップを、中心までしか届かない短い搬送アーム2Aの先端部のコレット2aでピックアップして搬送することができる。要するに、搬送アーム2Aの長さは、少なくとも、供給テーブル3の半径と配列テーブル4の長辺長さの半分との合計の半分の寸法を有し、0°〜360°回転のうちから所定角度(ここでは90°)を順次回転して被搬送LEDチップの選択エリアを順次設定する。ここでは、搬送アーム2は、配列された供給テーブル3および配列テーブル4の各中心位置に達する長さを有している。供給テーブル3の中心位置は、前述したように供給テーブル3上の対象リングの中心位置である。配列テーブル4の中心位置は、平面視4角形の対角線の交点位置である。
【0034】
また、ピックアップしたLEDチップをソーティングするための配列テーブル4も、供給テーブル3の回転と連動して、同一角度の90°、180°、270°だけ回転することにより、ソーティング方向を同じにすることができる。
【0035】
上記構成により、以下に、本実施形態1のチップソーティング装置1の動作について詳細に説明する。
【0036】
図4は、図2において、0°回転の場合の供給テーブル3と配列テーブル4に対する搬送アーム2の位置関係を模式的に示す平面面である。
【0037】
図4に示すように、0°回転の場合に、供給テーブル3のX・Y座標の4象限領域(右下領域)を、複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。この右下領域の選択エリア内で供給テーブル3がX−Y方向移動して被搬送LEDチップを選択する。搬送アーム2が降下してその先端部のコレット2aでLEDチップを吸着させた後に所定位置まで上昇させ、搬送アーム2がLEDチップを吸着した状態で、配列テーブル4の所定位置に向けて所定角度回転し、さらに搬送アーム2をLEDチップと共に降下させて配列テーブル4上でLEDチップの吸着を解除して搬送が完了する。この場合、ピックアップしたLEDチップをソーティングするための配列テーブル4も、供給テーブル3の回転(ここでは0°回転)と連動して、同一角度だけ回転(ここでは0°回転)して、X・Y座標の3象限領域(左下領域)を、複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。さらに、配列テーブル4は、ピックアップしたLEDチップが順次整列して並ぶように、X−Y方向移動と必要に応じて回転角度調整が為されて、ソーティング方向を同じにして搬送LEDチップを順次載置する。供給テーブル3の選択エリア内の複数のLEDチップをX−Y方向移動により搬送アーム2が順次搬送して配列テーブル4の選択エリア内に複数のLEDチップをX−Y方向移動と回転角度調整により順次整列して載置する。これによって、供給テーブル3のX・Y座標の4象限領域(右下領域)の複数のLEDチップのうちの良品かまたは所定ランク品が全て配列テーブル4上の所定位置に搬送されることになる。
【0038】
図5は、図2において、90°回転の場合の供給テーブル3と配列テーブル4に対する搬送アーム2の位置関係を模式的に示す平面面である。
【0039】
図5に示すように、供給テーブル3が90°回転して、X・Y座標の4象限領域(右下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。配列テーブル4も、供給テーブル3の回転と連動して、同一角度だけ回転して、X・Y座標の3象限領域(左下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。供給テーブル3の選択エリア内の複数のLEDチップをX−Y方向移動により搬送アーム2が順次搬送して配列テーブル4の選択エリア内に複数の送LEDチップをX−Y方向移動と回転角度調整により順次整列して載置する。これによって、供給テーブル3のX・Y座標の4象限領域(右下領域)の複数のLEDチップが全て配列テーブル4上の所定位置に搬送されることになる。
【0040】
図6は、図2において、180°回転の場合の供給テーブル3と配列テーブル4に対する搬送アーム2の位置関係を模式的に示す平面面である。
【0041】
図6に示すように、180°回転の場合として、供給テーブル3が更に90°回転して、X・Y座標の4象限領域(右下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。配列テーブル4も、供給テーブル3の回転と連動して、同一角度だけ回転して、X・Y座標の3象限領域(左下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。供給テーブル3の選択エリア内の複数のLEDチップをX−Y方向移動により搬送アーム2が順次搬送して配列テーブル4の選択エリア内に複数の送LEDチップをX−Y方向移動と回転角度調整により順次整列して載置する。これによって、供給テーブル3のX・Y座標の4象限領域(右下領域)の複数のLEDチップが全て配列テーブル4上の所定位置に搬送されることになる。
【0042】
図7は、図2において、270°回転の場合の供給テーブル3と配列テーブル4に対する搬送アーム2の位置関係を模式的に示す平面面である。
【0043】
図7に示すように、270°回転の場合として、供給テーブル3が更に90°回転して、X・Y座標の4象限領域(右下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。配列テーブル4も、供給テーブル3の回転と連動して、同一角度だけ回転して、X・Y座標の3象限領域(左下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。供給テーブル3の選択エリア内の複数のLEDチップをX−Y方向移動により搬送アーム2が順次搬送して配列テーブル4の選択エリア内に複数の送LEDチップをX−Y方向移動と回転角度調整により順次整列して載置する。これによって、供給テーブル3のX・Y座標の4象限領域(右下領域)の複数のLEDチップが全て配列テーブル4上の所定位置に搬送されることになる。
【0044】
このように、θ方向が0°の状態で、ウェハの4分の1の選択エリア内の多数のLEDチップを供給テーブル3および配列テーブル4のX−Y方向移動によってソーティングし、順次、角度90°ずつ3回、90°、180°、270°、供給テーブル3および配列テーブル4を回転することにより、残りの4分の3のエリアの多数のLEDチップをソーティングし、更に90°(360°)回転することによって最初の状態に戻る。これによって、コンピュータ内の検査結果としての良・不良品のデータ(ここではアドレスデータ)や、ランク付けデータ(ここではアドレスデータ)に基づいて良品または同一ランク品のLEDチップが配列テーブル4上のシート上に整列して配列される。
【0045】
この後、供給テーブル3上に、ウエハから切断された次の多数のLEDチップを貼り付けたリングが再び搭載されるかまたは次のランク品の搬送が行われる。配列テーブル4上に配列された多数のLEDチップを載せた配列シートが取り除かれて次の搬送の準備が為される。
【0046】
以上により、本実施形態1によれば、ウエハ切断後の多数の半導体チップとしてのLEDチップが搭載される供給テーブル3上から配列テーブル4上に搬送アーム2によりLEDチップを順次移し変えるチップソーティング装置1において、搬送アーム2の長さは、少なくとも、供給テーブル3の半径と配列テーブル4の長辺長さの半分との合計の半分の寸法を有し、供給テーブル3は、X−Y方向移動により被搬送LEDチップを選択し、0°〜360°回転のうちから所定角度(ここでは角度90°)を順次回転して被搬送LEDチップの選択エリアを設定する。このように、供給テーブル3および配列テーブル4に回転機構が加えられている。
【0047】
このように、従来と同じウェハサイズのソーティングにおいて、供給テーブル3および配列テーブル4に回転機構を加えることにより、搬送アーム2の長さを短縮してその移動距離を短くすることができて、チップソーティング時間を大幅に短縮することができると共に、搬送アーム2の長さを短くすることにより配列テーブル4への搬送精度をも向上させることができる。この場合に、供給側テーブル3および配列テーブル4をX,Y軸方向に移動する機構の稼働範囲も2分の1(面積的には4分の1)にすることができる。
【0048】
なお、本実施形態1では、供給テーブル3の回転と連動して、配列テーブル4も0°〜360°回転する場合について説明したが、これに限らず、チップソーティング装置1Bとして、供給テーブル3の回転と連動して、搬送アーム2の先端のコレットを0°〜360°回転するように構成しても、上記実施形態1の効果と略同様の効果を得ることができる。
【0049】
図8は、図2の変形例のチップソーティング装置1Bにおいて、0°回転の場合の供給テーブル3と配列テーブル4に対する搬送アーム2Bの位置関係を模式的に示す平面面である。
【0050】
図8に示すように、0°回転の場合に、供給テーブル3のX・Y座標の4象限領域(右下領域)を、複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。この右下領域の選択エリア内で供給テーブル3がX−Y方向移動して被搬送LEDチップを選択する。搬送アーム2Bが降下してその先端部の回転自在なコレット2bでLEDチップを吸着させた後に所定位置まで上昇させ、搬送アーム2BがLEDチップを吸着した状態で、配列テーブル4の所定位置に向けて搬送アーム2Bが所定角度回転し、さらに搬送アーム2をLEDチップと共に降下させて配列テーブル4上でLEDチップの吸着を解除して搬送が完了する。この場合、ピックアップしたLEDチップをソーティングするための配列テーブル4は、上記実施形態1のように、供給テーブル3の回転(ここでは0°回転)と連動して、同一角度だけ回転する必要はなく、配列テーブル4は、X−Y方向移動によって被搬送LEDチップの搭載位置を設定する。さらに、搬送アーム2Bは、配列テーブル4上に、ピックアップしたLEDチップが順次整列して並ぶように、その先端のコレット2bを、LEDチップを吸着した状態で移動時に回転させて角度調整(ここでは0°回転)が為されて、ソーティング方向を同じにして搬送LEDチップを順次整列載置する。供給テーブル3の選択エリア内の複数のLEDチップをX−Y方向移動により搬送アーム2が順次搬送して配列テーブル4の選択エリア内に複数のLEDチップをX−Y方向移動とその搬送アーム2Bの先端のコレット2bの回転角度調整(ここでは0°回転)により順次整列して載置する。これによって、供給テーブル3のX・Y座標の4象限領域(右下領域)の複数のLEDチップのうちの良品かまたは所定ランク品が全て配列テーブル4上の所定位置に搬送されることになる。
【0051】
図9は、図2の変形例のチップソーティング装置1Bにおいて、90°回転の場合の供給テーブル3と配列テーブル4に対する搬送アーム2の位置関係を模式的に示す平面面である。
【0052】
図9に示すように、供給テーブル3が90°回転して、X・Y座標の4象限領域(右下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。搬送アーム2Bのコレット2bがLEDチップと共に、ピックアップしたLEDチップを同一方向にソーティングするために、供給テーブル3の回転と連動して、同一角度だけ回転して、配列テーブル4のX・Y座標の3象限領域(左下領域)の被搬送LEDチップの選択エリアに搬送して搭載する。供給テーブル3の選択エリア内の複数のLEDチップをX−Y方向移動により搬送アーム2が順次搬送して配列テーブル4の選択エリア内に複数のLEDチップを、X−Y方向移動と搬送アーム2Bのコレット2bの回転角度調整により順次整列して載置する。これによって、供給テーブル3のX・Y座標の4象限領域(右下領域)の複数のLEDチップのうちの良品かまたは所定ランク品が全て配列テーブル4上の所定位置に搬送されることになる。
【0053】
図10は、図2の変形例のチップソーティング装置1Bにおいて、180°回転の場合の供給テーブル3と配列テーブル4に対する搬送アーム2の位置関係を模式的に示す平面面である。
【0054】
図10に示すように、180°回転の場合として、供給テーブル3が更に90°回転して、X・Y座標の4象限領域(右下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。搬送アーム2Bのコレット2bがLEDチップと共に、ピックアップしたLEDチップを同一方向にソーティングするために、供給テーブル3の回転と連動して、同一角度だけ回転して、配列テーブル4のX・Y座標の3象限領域(左下領域)の被搬送LEDチップの選択エリアに搬送して搭載する。供給テーブル3の選択エリア内の複数のLEDチップをX−Y方向移動により搬送アーム2が順次搬送して配列テーブル4の選択エリア内に複数のLEDチップを、X−Y方向移動と搬送アーム2Bのコレット2bの回転角度調整により順次整列して載置する。これによって、供給テーブル3のX・Y座標の4象限領域(右下領域)の複数のLEDチップのうちの良品かまたは所定ランク品が全て配列テーブル4上の所定位置に搬送されることになる。
【0055】
図11は、図2の変形例のチップソーティング装置1において、270°回転の場合の供給テーブル3と配列テーブル4に対する搬送アーム2の位置関係を模式的に示す平面面である。
【0056】
図11に示すように、270°回転の場合として、供給テーブル3が更に90°回転して、X・Y座標の4象限領域(右下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。搬送アーム2Bのコレット2bがLEDチップと共に、ピックアップしたLEDチップを同一方向にソーティングするために、供給テーブル3の回転と連動して、同一角度だけ回転して、配列テーブル4のX・Y座標の3象限領域(左下領域)の被搬送LEDチップの選択エリアに搬送して搭載する。供給テーブル3の選択エリア内の複数のLEDチップをX−Y方向移動により搬送アーム2が順次搬送して配列テーブル4の選択エリア内に複数のLEDチップを、X−Y方向移動と搬送アーム2Bのコレット2bの回転角度調整により順次整列して載置する。これによって、供給テーブル3のX・Y座標の4象限領域(右下領域)の複数のLEDチップのうちの良品かまたは所定ランク品が全て配列テーブル4上の所定位置に搬送されることになる。
【0057】
このように、θ方向が0°の状態で、ウェハの4分の1の選択エリア内の多数のLEDチップを供給テーブル3および配列テーブル4のX−Y方向移動によってソーティングし、順次、90°ずつ3回、90°、180°、270°、供給テーブル3を回転することにより、残りの4分の3のエリアの多数のLEDチップをソーティングし、更に90°(360°)回転することによって最初の状態に戻る。これによって、コンピュータ内の検査結果としての良・不良品のデータ(ここではアドレスデータ)や、ランク付けデータ(ここではアドレスデータ)に基づいて良品または同一ランク品のウエハ上のアドレスに対応したLEDチップが配列テーブル4上のシート上に集められて整列して配列される。
【0058】
この後、供給テーブル3上に、ウエハから切断された次の多数のLEDチップが再び搭載されるかまたは次のランク品の搬送が行われる。配列テーブル4上に配列された多数のLEDチップが取り除かれて次の搬送の準備が為される。
【0059】
なお、上記実施形態1では、チップソーティング装置1において、供給テーブル3の回転角度が0°の場合に、ウェハの4分の1の複数の半導体チップとしてのLEDチップをソーティングし、回転角度を90°ずつ3回、90°、180°、270°と、供給テーブル3を順次回転することにより、残りの4分の3の複数のLEDチップをソーティングし、更に90°回転することにより最初の状態に戻るように構成したが、これに限らず、引き続いて次のウェハを処理する場合は、回転角度が360°まで供給テーブル3を回転した状態が最初の回転角度0°の場合として、ウェハの4分の1の複数の半導体チップとしてのLEDチップをソーティングし、供給テーブル3の回転角度の回転方向とは反対方向に、回転角度を−90°ずつ3回、−90°、−180°、−270°と、供給テーブル3を順次回転することにより、残りの4分の3の複数のLEDチップをソーティングし、更に−90°回転することにより最初の状態に戻るように構成してもよい。
【0060】
(実施形態2)
上記実施形態1では、1本の搬送アーム2、2Aまたは2Bにより、ウエハから切断された多数のLEDチップがリング上に搭載される一つの供給テーブル上から一つの配列テーブル上にLEDチップを順次移し変える場合について説明したが、本実施形態2では、1本の搬送アーム2、2Aまたは2Bが反対側にも1本設けられて合計2本の搬送アーム2Cにより、ウエハから切断された多数のLEDチップがリング上に搭載される一つの供給テーブル上から一つの配列テーブル上にLEDチップを順次移し変えると共に、これとは別のもう1セットとして、ウエハから切断された多数のLEDチップがリング上に搭載される一つの供給テーブル上から一つの配列テーブル上にLEDチップを順次移し変えることを同時に行う場合について説明する。
【0061】
図12は、本発明の実施形態2におけるチップソーティング装置1Cの二つの供給テーブル3,3Cと二つの配列テーブル4,4Cに対する搬送アーム2Cの位置関係を模式的に示す平面面である。
【0062】
図12において、本実施形態2のチップソーティング装置1Cにおいて、上記実施形態1の場合と異なるのは、搬送アーム1Cがその回転軸を中心にして反対側にも設けられて同時に2ウェハのソーティングを実施する点である。チップソーティング装置1Cは、回転軸を中心にして平面視両側に2本の搬送アーム1Cが設けられ、二つの供給テーブル3,3Cは、搬送アーム2Cの回転軸を中心にして平面視点対称の位置に二つ設けられており、二つの配列テーブル4,4Cは、搬送アーム2Cの回転軸を中心にして平面視点対称の位置に二つ設けられて、同時に2ウェハのソーティングを実施するものである。
【0063】
上記構成により、0°回転の場合に、図12に示すように、供給テーブル3のX・Y座標の4象限領域(右下領域)を、複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定すると共に、供給テーブル3CのX・Y座標の2象限領域(左上領域)を、複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。この右下領域の選択エリア内で供給テーブル3がX−Y方向移動して被搬送LEDチップを選択すると共に、この左上領域の選択エリア内で供給テーブル3CがX−Y方向移動して被搬送LEDチップを選択する。2本の搬送アーム2Cが降下してその先端部のコレット2aでLEDチップをそれぞれ吸着させた後に所定位置まで上昇させ、2本の搬送アーム2CがLEDチップをそれぞれ吸着した状態で、配列テーブル4、4Cの各所定位置に向けて所定角度回転し、さらに2本の搬送アーム2CをLEDチップと共に降下させて配列テーブル4、4C上でLEDチップの吸着をそれぞれ解除して二つのLEDチップの同時搬送が完了する。
【0064】
この場合、ピックアップした二つのLEDチップをソーティングするための配列テーブル4、4Cも、供給テーブル3、3Cの回転(ここでは0°回転)と連動して、同一角度だけ回転(ここでは0°回転)して、供給テーブル3においてX・Y座標の3象限領域(左下領域)を、複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定すると共に、供給テーブル3CにおいてX・Y座標の1象限領域(右上領域)を、複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。さらに、配列テーブル4、4Cはそれぞれ、ピックアップしたLEDチップが順次整列して並ぶように、X−Y方向移動と必要に応じて回転角度調整が為されて、ソーティング方向を同じにして搬送LEDチップを順次載置する。供給テーブル3、3Cの選択エリア内の複数のLEDチップをX−Y方向移動により2本の搬送アーム2Cが順次搬送して配列テーブル4、4Cの各選択エリア内に複数のLEDチップをX−Y方向移動と回転角度調整により順次整列して載置する。これによって、供給テーブル3、3CのX・Y座標の4、2象限領域(右下領域、左上領域)内の各複数のLEDチップのうちの良品かまたは所定ランク品が全て配列テーブル4、4C上の所定位置に搬送されることになる。
【0065】
図13は、図12において、90°回転の場合の二つの供給テーブル3、3Cと二つの配列テーブル4、4Cに対する2本の搬送アーム2Cの位置関係を模式的に示す平面面である。
【0066】
図13に示すように、供給テーブル3、3Cが共に90°回転して、供給テーブル3においてX・Y座標の4象限領域(右下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定すると共に、供給テーブル3CにおいてX・Y座標の2象限領域(左上領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。配列テーブル4、4Cも、供給テーブル3、3Cの回転と連動して、同一回転方向で同一角度だけ回転して、配列テーブル4においてX・Y座標の3象限領域(左下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定すると共に、配列テーブル4CにおいてX・Y座標の1象限領域(右上領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。供給テーブル3、3Cの各選択エリア内の複数のLEDチップを各X−Y方向移動により、2本の搬送アーム2Cが順次搬送して配列テーブル4、4Cの各選択エリア内に複数の送LEDチップを各X−Y方向移動と各回転角度調整により順次整列して同時に載置する。これによって、供給テーブル3、3CのX・Y座標の4、2象限領域(右下領域および左上領域)の各複数のLEDチップのうちの良品かまたは所定ランク品が全て配列テーブル4、4C上の各所定位置に搬送されることになる。
【0067】
図14は、図12において、180°回転の場合の二つの供給テーブル3、3Cと二つの配列テーブル4、4Cに対する2本の搬送アーム2Cの位置関係を模式的に示す平面面である。
【0068】
図14に示すように、180°回転の場合として、供給テーブル3、3Cが共に更に90°回転して、供給テーブル3においてX・Y座標の4象限領域(右下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定すると共に、供給テーブル3CにおいてX・Y座標の2象限領域(左上領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。配列テーブル4、4Cも、供給テーブル3、3Cの回転と連動して、同一回転方向で同一角度だけ回転して、配列テーブル4においてX・Y座標の3象限領域(左下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定すると共に、配列テーブル4CにおいてX・Y座標の1象限領域(右上領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。供給テーブル3、3Cの各選択エリア内の複数のLEDチップを各X−Y方向移動により、2本の搬送アーム2Cが順次搬送して配列テーブル4、4Cの各選択エリア内に複数の送LEDチップを、各X−Y方向移動と各回転角度調整により順次整列して同時に載置する。これによって、供給テーブル3、3CのX・Y座標の4、2象限領域(右下領域および左上領域)の各複数のLEDチップのうちの良品かまたは所定ランク品が全て配列テーブル4、4C上の各所定位置に搬送されることになる。
【0069】
図15は、図12において、270°回転の場合の二つの供給テーブル3、3Cと二つの配列テーブル4、4Cに対する2本の搬送アーム2Cの位置関係を模式的に示す平面面である。
【0070】
図15に示すように、270°回転の場合として、供給テーブル3、3Cが共に更に90°回転して、供給テーブル3においてX・Y座標の4象限領域(右下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定すると共に、供給テーブル3CにおいてX・Y座標の2象限領域(左上領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。配列テーブル4、4Cも、供給テーブル3、3Cの回転と連動して、同一回転方向で同一角度だけ回転して、配列テーブル4においてX・Y座標の3象限領域(左下領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定すると共に、配列テーブル4CにおいてX・Y座標の1象限領域(右上領域)を、次の複数の被搬送LEDチップの選択エリアとして設定する。供給テーブル3、3Cの各選択エリア内の複数のLEDチップを各X−Y方向移動により、2本の搬送アーム2Cが順次搬送して配列テーブル4、4Cの各選択エリア内に複数の送LEDチップを、各X−Y方向移動と各回転角度調整により順次整列して同時に載置する。これによって、供給テーブル3、3CのX・Y座標の4、2象限領域(右下領域および左上領域)の各複数のLEDチップのうちの良品かまたは所定ランク品が全て配列テーブル4、4C上の各所定位置に搬送されることになる。
【0071】
このように、θ方向が0°の状態で、各ウェハの4分の1の各選択エリア内の多数のLEDチップを供給テーブル3、3Cおよび配列テーブル4、4CのX−Y方向移動によってソーティングし、順次、角度90°ずつ3回、90°、180°、270°、供給テーブル3、3Cおよび配列テーブル4、4Cをそれぞれ回転することにより、残りの4分の3の各エリアの多数のLEDチップをそれぞれソーティングし、更に90°(360°)それぞれ回転することによって最初の状態に戻る。これによって、コンピュータ内の検査結果としての良・不良品のデータ(ここではアドレスデータ)や、ランク付けデータ(ここではアドレスデータ)に基づいて良品または同一ランク品の複数のLEDチップが配列テーブル4、4C上の各シート上に整列して配列される。
【0072】
この後、供給テーブル3、3C上に、ウエハから切断された次の多数のLEDチップが再びそれぞれ搭載されるかまたは次のランク品の同時搬送が行われる。配列テーブル4、4C上に配列された多数のLEDチップが取り除かれて次の搬送の準備が為される。
【0073】
以上により、本実施形態2によれば、従来と同じウェハサイズのソーティングにおいて、供給テーブル3、3Cおよび配列テーブル4、4Cに各回転機構を加えることにより、2本の搬送アーム2Cの長さをそれぞれ短縮してその移動距離を短くすることができて、各チップソーティング時間を大幅にそれぞれ短縮することができると共に、2本の搬送アーム2Cの長さを共に短くすることにより配列テーブル4、4Cへの搬送精度をも向上させることができる。この場合に、2本の搬送アーム2Cを設けて、供給テーブル3、3Cから配列テーブル4、4Cに同時にLEDチップを搬送することができて、LEDチップの搬送効率が大幅に向上する。
【0074】
なお、本実施形態2では、供給テーブル3、3Cの回転と連動して、配列テーブル4、4Cも0°〜360°回転する場合について説明したが、これに限らず、チップソーティング装置として、供給テーブル3、3Cの回転と連動して、搬送アーム2Cの先端の各コレット2bを0°〜360°回転するように構成しても、上記実施形態2の効果と略同様の効果を得ることができる。
【0075】
なお、本実施形態2では、チップソーティング装置1Cにおいて、供給テーブル3、3Cの回転角度が0°の場合に、ウェハの4分の1の複数の半導体チップとしてのLEDチップを2セット分のソーティングをし、回転角度を90°ずつ3回、90°、180°、270°と、供給テーブル3、3Cを順次回転することにより、残りの4分の3の複数のLEDチップを2セット分のソーティングをし、更に供給テーブル3、3Cをを90°回転することにより最初の状態に戻るように構成したが、これに限らず、引き続いて次のウェハを処理する場合は、回転角度が360°まで供給テーブル3、3Cを回転した状態が最初の回転角度0°の場合として、各ウェハの4分の1の複数の半導体チップとしてのLEDチップを2セット分のソーティングをし、供給テーブル3、3Cの回転角度の回転方向とは反対方向に、供給テーブル3、3Cの回転角度を−90°ずつ3回、−90°、−180°、−270°と、供給テーブル3、3Cを順次回転することにより、残りの4分の3の複数のLEDチップを2セット分のソーティングをし、更に供給テーブル3、3Cを−90°回転することにより最初の状態に戻るように構成してもよい。
【0076】
なお、上記実施形態1、2では、0°〜360°回転のうちから、供給テーブル3および配列テーブル4の所定角度を回転して被搬送LEDチップの選択エリアを順次設定する場合に、供給テーブル3および配列テーブル4の所定角度の回転は、角度90°毎に回転するように構成したが、これに限らず、供給テーブル3および配列テーブル4の所定角度の回転は、角度45°、60°、120°および180°のうちのいずれであっても、搬送アーム2を短縮することができて本発明の目的を達成することができる。
【0077】
なお、上記実施形態1、2では、特に説明しなかったが、LEDの場合に関しては、基本的に「LEDチップを貼り付けたリング」が供給テーブルに載っているが、広範囲に半導体デバイスとなると、リングを使用するとは限らず、半導体チップを供給テーブルから配列テーブルに転置する。
【0078】
以上のように、本発明の好ましい実施形態1、2を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1、2に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1、2の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、切断されて粘着シート上に貼られた多数のウエハチップが搭載される供給テーブル上から配列テーブル上にウエハチップを順次移し変えるチップソーティング装置およびこれを用いたチップソーティング方法の分野において、供給テーブルを回転することにより、従来の約半分程度の長さの搬送アームのサイズでチップソーティングが可能となるため、チップソーティング時間を短縮することができると共に、チップソーティング精度をも向上させることができる。
【符号の説明】
【0080】
1、1A〜1C チップソーティング装置
2、2A〜2C 搬送アーム
2a、2b コレット
21 アームZ軸用モータ
22 アームθ回転用モータ
3 供給テーブル
31 供給テーブルX軸用モータ
32 供給テーブルY軸用モータ
33 供給テーブルθ回転用モータ
4 配列テーブル
41 配列テーブルX軸用モータ
42 配列テーブルY軸用モータ
43 配列テーブルθ回転用モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ切断後の多数の半導体チップが搭載される供給テーブル上から配列テーブル上に搬送アームにより該半導体チップを順次移し変えるチップソーティング装置において、
該搬送アームの長さは、少なくとも、該供給テーブルの半径と該配列テーブルの長辺長さの半分との合計の半分の寸法を有し、該供給テーブルは、X−Y方向移動により被搬送半導体チップを選択し、0°〜360°回転のうちから所定角度を順次回転して該被搬送半導体チップの選択エリアを順次設定するチップソーティング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のチップソーティング装置において、
前記搬送アームは、配列された前記供給テーブルおよび前記配列テーブルの各中心位置に達する長さを有するチップソーティング装置。
【請求項3】
請求項1に記載のチップソーティング装置において、
前記0°〜360°回転のうちの前記所定角度の回転は、角度45°、60°、90°、120°および180°のうちのいずれかであるチップソーティング装置。
【請求項4】
請求項1に記載のチップソーティング装置において、
前記供給側テーブルのX−Y方向移動と回転のいずれかに連動して、前記配列テーブルも該X−Y方向移動と該回転の同角度の回転とのいずれかを行うチップソーティング装置。
【請求項5】
請求項1に記載のチップソーティング装置において、
前記供給テーブルの回転と連動して、前記搬送アームの先端のコレットを該回転と同角度の回転を行い、該供給テーブルのX−Y方向移動と連動して、前記配列テーブルも該X−Y方向移動を行うチップソーティング装置。
【請求項6】
請求項1に記載のチップソーティング装置において、
前記供給側テーブルのX−Y方向移動の稼働範囲は、該供給側テーブル上に、前記多数の半導体チップが搭載された対象リングの直径の2分の1であるチップソーティング装置。
【請求項7】
請求項1に記載のチップソーティング装置において、
前記供給テーブルの回転角度が0°の場合に、前記ウェハの4分の1の複数の半導体チップをソーティングし、回転角度を90°ずつ3回、90°、180°、270°と、該供給テーブルを順次回転することにより、残りの4分の3の複数の半導体チップをソーティングし、更に90°回転することにより最初の状態に戻るように構成されているチップソーティング装置。
【請求項8】
請求項7に記載のチップソーティング装置において、次のウェハを処理する場合に、前記回転角度が360°まで前記供給テーブルを回転した状態が回転角度0°の場合として、前記ウェハの4分の1の複数の半導体チップをソーティングし、該回転角度の回転方向とは反対方向に、回転角度を−90°ずつ3回、−90°、−180°、−270°と、該供給テーブルを順次回転することにより、残りの4分の3の複数の半導体チップをソーティングし、更に−90°回転することにより最初の状態に戻るように構成されているチップソーティング装置。
【請求項9】
請求項1に記載のチップソーティング装置において、
前記搬送アームは、回転軸を中心にして平面視両側に2本の搬送アームが設けられ、前記供給テーブルは、該搬送アームの回転軸を中心にして平面視点対称の位置に二つ設けられ、前記配列テーブルは、該搬送アームの回転軸を中心にして平面視点対称の位置に二つ設けられて、同時に2ウェハのソーティングを実施するチップソーティング装置。
【請求項10】
ウエハ切断後の多数の半導体チップが搭載される供給テーブル上から配列テーブル上に搬送アームにより該半導体チップを順次移し変えるチップソーティング方法において、
該搬送アームの長さは、少なくとも該供給テーブルの半径と該配列テーブルの長辺長さの半分との合計の半分の寸法を有し、該供給テーブルは、X−Y方向移動により被搬送半導体チップを選択し、0°〜360°回転のうちから所定角度を回転して該被搬送半導体チップの選択エリアを設定するチップソーティング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−243920(P2012−243920A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111919(P2011−111919)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】