説明

チャタリング除去装置

【課題】 簡単な構成で製造コストを抑制することができるチャタリング除去装置を提供する。
【解決手段】 テンポラリレジスタR2に記憶している前回のシフトレジスタ値のMSBが1であるか否かを判定する。前回のシフトレジスタ値のMSBが1の場合は(S13;Yes)、カウンタC1を1だけインクリメントする(S14)。カウンタC2を1だけインクリメントし(S16)、テンポラリレジスタR2のシフトレジスタ値を1ビット左シフトする(S17)。カウンタC1のカウント値がチャタリング除去閾値N(例えば4)、つまり、最新のシフトレジスタ値における「1」の連続数が4であるか否かを判定する。カウンタC1のカウント値が4である場合は(S18;Yes)、タッチセンサ75がONしたと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物への接触の有無を検出するセンサ手段の検出信号からチャタリングを除去するチャタリング除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、数値制御(所謂、NC制御)可能な工作機械は、ワークと工具とをXYZ直交座標系における各軸方向へ独立に相対移動させることによって、ワークに所望の機械加工(例えば、「フライス削り」、「穴空け」、「切削」等)を施すことができる。機械加工後、工作機械は主軸にタッチセンサを装着し、ワークの表面にタッチセンサを接触させて表面形状を測定することができるようになっている。
【0003】
このような工作機械は、タッチセンサのワークの表面への接触の有無を示す検出信号を受け取るI/Oユニットと、X,Y,Z軸サーボ機構を介してタッチセンサのX,Y,Z軸座標値を検出するX,Y,Z軸サーボアンプと、X,Y,Z軸サーボ機構を制御する制御部などを備えている。
【0004】
X,Y軸サーボ機構によりワークを固定したテーブルをX軸方向とY軸方向に移動させながら、Z軸サーボ機構により主軸ヘッドとタッチセンサをZ軸方向に昇降駆動させて、ワークの表面形状の測定を行う。タッチセンサがワークに接触した位置・ワークから離れた位置からワークの形状を測定するが、機械式接点を持つタッチセンサの場合、接点でチャタリングが発生することがある。
【0005】
この場合、タッチセンサがワークに接触した位置・離れた位置を誤検出してしまう可能性がある。その結果、ワークの表面形状データの測定誤差が大きくなるので、タッチセンサの検出信号からチャタリングを除去する必要がある。
【0006】
これと同様に、最新の切削加工に使用した工具に接触させて工具の折損検出を行う工具折損検出装置のタッチセンサにおいても、タッチセンサ接点部でチャタリングが発生する場合がある。
【0007】
工具折損検出装置は自動工具交換時にタッチセンサを旋回させ、タッチセンサが工具に当接するか否かによって工具の折損を検出するようになっている。工具が折損していない場合に、タッチセンサが工具に当接したとき、タッチセンサの検出信号に基づく検出値が「H」になる。しかし、タッチセンサの検出信号にチャタリングが発生した場合タッチセンサが誤検出し、工具が折損しているときにも検出値が「H」になる可能性がある。その結果、工具の折損検出精度が低下するという問題がある。この場合にも、タッチセンサの検出信号からチャタリングを除去する必要がある。
【0008】
例えば、特許文献1には、内部クロックの立ち上がり時にキー入力信号をサンプリングして予め定めた回数だけ連続して同じ値が入力されたときにその値を出力するチャタリング除去ブロックと、チャタリング除去ブロックに入力するリセット信号を遅らせるシフトレジスタ等を備えたチャタリング除去回路を開示してある。チャタリング除去回路をテレビドアホン用画像処理LSIに設けることで、このLSIに入力される機械スイッチ入力信号のチャタリング除去を実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3168089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載のチャタリング除去回路においては、チャタリング除去ブロックの詳細な構成については何ら開示していないが、製造コストの観点から簡単な構成で実現できるのが望ましい。
【0011】
本発明の目的は、簡単な構成で製造コストを抑制することができるチャタリング除去装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1のチャタリング除去装置は、対象物への接触の有無を検出するセンサ手段の検出信号からチャタリングを除去するチャタリング除去装置において、前記センサ手段が検出した検出信号に基づく検出値を受信して時系列的に記憶するシフトレジスタを有するI/Oユニットと、前記I/Oユニットと通信可能に接続された制御部と、前記I/Oユニットと前記制御部とが通信する通信周期毎に、前記シフトレジスタから最新の検出値を読み出す読出し手段と、前記読出し手段が読み出した検出値に基づいて、前記センサ手段のチャタリング除去に関する判定を行う判定手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
このチャタリング除去装置では、センサ手段が検出した検出信号に基づく検出値を、I/Oユニットのシフトレジスタが受信して時系列的に記憶する。I/Oユニットと制御部とが通信する通信周期毎に、読出し手段がシフトレジスタから最新の検出値を読み出す。
次に、読出し手段が読み出した検出値に基づいて、判定手段がセンサ手段のチャタリング除去に関する判定を行う。
【0014】
具体的には、センサ手段として、ワークにおける表面形状測定用のタッチセンサや工具折損検出装置のタッチセンサ等に適用することが可能である。表面形状測定用のタッチセンサに適用した場合、判定手段がタッチセンサのチャタリング除去に関する判定を行うことでタッチセンサの誤検出を低減することができる。折損検出装置のタッチセンサに適用した場合、前記の同様にタッチセンサの誤検出を低減することができる。
【0015】
請求項2のチャタリング除去装置は、請求項1の発明において、前記センサ手段は、ワークの表面に接触させて表面形状を測定可能なタッチセンサで構成され、前記制御部は、前記シフトレジスタから読み出された検出値を累積的に記憶する検出値記憶手段を有し、前記判定手段は、前記検出値記憶手段に記憶している前回の通信周期に前記読出し手段が読み出した検出値と、前記最新の検出値とに基づいて、前記タッチセンサがワークの表面に接触したことを示す検出値が所定回数連続する場合、前記タッチセンサがワークの表面に接触したものと判定することを特徴としている。
【0016】
請求項3のチャタリング除去装置は、請求項1の発明において、前記センサ手段は、最新の切削加工に使用した工具に接触させて工具の折損検出を行う工具折損検出装置のタッチセンサで構成され、前記判定手段は、前記読出し手段が読み出した最新の検出値に基づいて、前記タッチセンサが工具に接触したことを示す検出値が前記シフトレジスタの所定ビット内にある場合、前記タッチセンサが正常に検出しているものと判定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、シフトレジスタを有するI/Oユニットと、I/Oユニットと通信可能に接続された制御部と、I/Oユニットと制御部とが通信する通信周期毎に、シフトレジスタから最新の検出値を読み出す読出し手段と、検出値に基づいてセンサ手段のチャタリング除去に関する判定を行う判定手段とを備えたので、センサ手段の検出信号に発生したチャタリングを除去することができる。
【0018】
I/Oユニットと制御部については、工作機械が備えるものを使用することができるので、シフトレジスタと読出し手段と判定手段を新たに設けるだけでチャタリング除去装置を実現することができる。これにより、チャタリング除去装置を簡単な構成で実現できるので、製造コストを抑制することができる。
【0019】
請求項2の発明によれば、センサ手段は、ワークの表面に接触させて表面形状を測定可能なタッチセンサで構成され、制御部は検出値記憶手段を有し、判定手段は、検出値記憶手段に記憶している前回の検出値と、最新の検出値とに基づいて、タッチセンサがワークの表面に接触したことを示す検出値が所定回数連続する場合、タッチセンサがワークの表面に接触したものと判定するので、ワークの表面にタッチセンサを接触させて表面形状を測定する際に、タッチセンサの誤検出を低減できる。これにより、ワークの表面形状データの測定精度を向上させることができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、センサ手段は、工具折損検出装置のタッチセンサで構成され、判定手段は、読出し手段が読み出した最新の検出値に基づいて、タッチセンサが工具に接触したことを示す検出値がシフトレジスタの所定ビット内にある場合、タッチセンサが正常に検出しているものと判定するので、工具折損検出装置のタッチセンサを最新の切削加工に使用した工具に接触させて工具の折損検出を行う際に、タッチセンサの誤検出を低減することができる。これにより、工具の折損検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例に係る工作機械の機械本体の全体斜視図である。
【図2】主軸ヘッド及び自動工具交換装置などの側面図である。
【図3】工作機械の制御系を示すブロック図である。
【図4】ワークの表面形状測定のタイミングチャートである。
【図5】(a)は前回のシフトレジスタ値を示す説明図、(b)は最新のシフトレジスタ値を示す説明図である。
【図6】位置特定制御プログラムのフローチャートである。
【図7】チャタリング除去制御プログラムのフローチャートの一部である。
【図8】チャタリング除去制御プログラムのフローチャートの残部である。
【図9】実施例2における工作機械の制御系を示すブロック図である。
【図10】(a)は工具マガジンの正面図、(b)は工具マガジンの側面図である。
【図11】実施例2の工作機械が備える工具折損検出装置の斜視図である。
【図12】(a)は工具折損検出装置の分解斜視図、(b)はケースを取外した状態の工具折損検出装置の正面図である。
【図13】正常時と異常時におけるタッチセンサがONするタイミングを示すタイミングチャートである。
【図14】実施例2におけるチャタリング除去制御プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施する為の最良の形態について説明する。
【実施例1】
【0023】
本実施例は、ワークの表面に接触させて表面形状を測定可能なタッチセンサ75を有する工作機械Mに、本発明を適用した場合の一例である。
図1〜図3に基づいて工作機械Mの構成について説明する。
工作機械Mは、ワークと工具6とをXYZ直交座標系における各軸方向へ独立に相対移動させることによって、ワークに所望の機械加工(例えば、「フライス削り」、「穴空け」、「切削」等)を施すことができる。
【0024】
図1に示すように、工作機械Mは、鋳鉄製の基台であるベース1と、ベース1の上部に設けて、ワークの切削加工を行う機械本体2と、ベース1の上部に固定した、機械本体2とベース1の上部を覆う箱状の図示しないスプラッシュカバーとを主体に構成してある。
ベース1はY軸方向(図1において右下が工作機械Mの前方であり、Y軸方向は、工作機械Mの前後方向である)に長い略直方体状の鋳造品である。
【0025】
次に、機械本体2について説明する。
機械本体2は、ベース1の後部上のコラム座部3に固定され且つ鉛直上方に延びるコラム4と、このコラム4の前面に沿って昇降可能な主軸ヘッド5と、この主軸ヘッド5の内部に回転可能に支持された主軸5Aと、主軸ヘッド5の右側に設け且つ主軸5Aの先端に工具6の工具ホルダを取り付けて交換する自動工具交換装置(ATC)7と、ベース1の上部に設け且つワークを着脱可能に固定するテーブル8とを主体に構成してある。コラム4の背面側には、箱状の制御ボックス9を設け、この制御ボックス9の内側には、工作機械の動作を制御する制御部20(図3参照)を設けてある。
【0026】
次に、テーブル8をX軸方向とY軸方向に移動させる移動機構について説明する。
図1、図3に示すように、サーボモータからなるX軸モータ71及びY軸モータ72は、X軸方向(図1の機械本体2の左右方向)及びY軸方向(機械本体2の奥行き方向)にテーブル8を移動する。この移動機構は以下の構成からなる。まず、テーブル8の下側には直方体状の支持台10を設けてある。その支持台10にはX軸方向に沿って延びる1対のX軸送りガイドを設け、1対のX軸送りガイド上にテーブル8を移動可能に支持している。
【0027】
ベース1の上側に支持台10を配置し、そのベース1の長手方向に沿って延びる1対のY軸送りガイド上に支持台10を移動可能に支持している。支持台10上に設けたX軸モータ71がX軸送りガイドに沿ってX軸方向にテーブル8を移動駆動し、ベース1上に設けたY軸モータ72がY軸送りガイドに沿ってY軸方向に支持台10を移動駆動する。
【0028】
X軸送りガイドには、テレスコピック式に収縮するテレスコピックカバー11,12がテーブル8の左右両側に設けてある。Y軸送りガイドには、テレスコピックカバー13とY軸後カバーとが、支持台10の前後に夫々設けてある。これら複数のカバーによって、テーブル8がX軸方向とY軸方向の何れの方向に移動した場合でも、テレスコピックカバー11,12,13とY軸後カバーが、常にX軸送りガイドとY軸送りガイドを覆っている。テレスコピックカバー11,12,13とY軸後カバーは、加工領域から飛散する切粉や、クーラント液が各レール上に落下するのを防止する。
【0029】
次に、主軸ヘッド5の昇降機構について説明する。
図1〜図3に示すように、コラム4の前面側で上下方向に延びるガイドレールには、リニアガイドを介して主軸ヘッド5を昇降自在に支持している。サーボモータからなるZ軸モータ73は、Z軸方向(図1の機械本体2の上下方向)に主軸ヘッド5を昇降駆動する。
【0030】
図1,図2に示すように、自動工具交換装置7は、工具6を支持する工具ホルダを複数格納する工具マガジン14と、前記主軸5Aに取付けた工具ホルダと他の工具ホルダとを把持して搬送するための工具交換アーム15等を有する。
【0031】
次に、工作機械Mの制御系の電気的構成について説明する。
図3に示すように、制御部20は、マイクロコンピュータを含んで構成してあり、表示インタフェース(I/F)24と、通信インタフェース(I/F)25,27と、サーボインタフェース(I/F)26と、CPU21と、ROM22と、RAM(検出値記憶手段)23等を有する。表示I/F24に液晶ディスプレイ18を接続し、通信I/F25に操作パネル19を接続している。サーボI/F26にサーボアンプ30,40,50,60を夫々接続し、通信I/F27にI/Oユニット80を接続している。
【0032】
主軸サーボアンプ60は、主軸モータ74と主軸エンコーダ74aに夫々接続している。X軸サーボアンプ30は、X軸モータ71とX軸エンコーダ71aに夫々接続している。Y軸サーボアンプ40は、Y軸モータ72とY軸エンコーダ72aに夫々接続している。Z軸サーボアンプ50は、Z軸モータ73とZ軸エンコーダ73aに夫々接続している。I/Oユニット80は、主軸5Aに取付けたタッチセンサ75に接続している。
【0033】
X軸モータ71、Y軸モータ72は、夫々、テーブル8をX軸方向、Y軸方向に移動させるものである。Z軸モータ73は、主軸ヘッド5をZ軸方向に昇降駆動させるものである。主軸モータ74は、前記主軸5Aを回転させる為のものである。
【0034】
サーボアンプ30,40,50,60は、マイクロコンピュータを含んで構成してあり、サーボインタフェース(I/F)34,44,54,64と、モータインタフェース(I/F)35,45,55,65と、エンコーダインタフェース(I/F)36,46,56,66と、CPU31,41,51,61と、ROM32,42,52,62と、RAM33,43,53,63等を有する。
【0035】
サーボアンプ30,40,50は、X,Y,Z軸モータ71,72,73とX,Y,Z軸エンコーダ71a,72a,73aとを夫々有するX,Y,Z軸サーボ機構を介して、タッチセンサ75のX,Y,Z軸座標値を検出する。RAM33,43,53は、X,Y,Z軸に対応つけて検出した座標値を夫々記憶する。
【0036】
制御部20は、制御部20のCPU21の負荷を減らすため、I/Oユニット80とサーボアンプ30,40,50,60に対して夫々異なる通信周期で通信可能に接続している。具体的には、優先的に制御する必要のあるサーボアンプ30,40,50,60と制御部20との通信周期(サーボアンプ通信周期)を短く設定し、サーボアンプ30,40,50,60ほど優先的に制御する必要にないI/Oユニット80と制御部20との通信周期(I/Oユニット通信周期)を長く設定してある。
【0037】
ROM22は、工作機械Mの加工プログラムを機能させるメインの制御プログラム、ワークの表面形状測定の制御プログラム、図6のフローチャートに示す位置特定の制御プログラム、図7、図8のフローチャートに示すチャタリング除去の制御プログラム等を記憶している。
【0038】
RAM23は、サーボアンプ30,40,50が検出した座標値をサーボアンプ通信周期毎に時系列的に記憶する。さらに、RAM23は、後述のシフトレジスタ81から読み出された検出値をIOユニット通信周期毎に累積的に記憶する。
制御部20は、I/Oユニット通信周期毎にシフトレジスタ81から最新のシフトレジスタ値を読み出し、読み出したシフトレジスタ値に基づいて、タッチセンサ75がワークの表面に接触した時刻に最も近い通信周期時刻を決定する。制御部20は、決定した通信周期時刻とRAM23に記憶していた座標値とに基づいて、通信周期時刻における座標値をワークの表面形状データとして決定する。
【0039】
I/Oユニット80は、通信インタフェース(I/F)82と、4ビットシフトレジスタ81等を有する。I/Oユニット80は、タッチセンサ75のワークの表面への接触の有無を示す検出信号に基づく検出値をタッチセンサ75から受信し、タッチセンサ75から受信した検出値をシフトレジスタ81が時系列的に記憶する。シフトレジスタ81に検出値を記憶する周期は、I/Oユニット通信周期よりも短く設定してある。尚、チャタリング除去装置70は、タッチセンサ75とI/Oユニット80と制御部20とで構成してある。
【0040】
次に、ワークの表面形状測定について、図4に基づいて説明する。
図4は、制御部20が実行するワークの表面形状測定のタイミングチャートである。
X軸モータ71及びY軸モータ72の駆動によりテーブル8をX軸及びY軸方向に移動させながら、Z軸モータ73の駆動により主軸ヘッド5をZ軸方向に移動させてワークの表面形状測定を開始する。タッチセンサ75がワークの表面に接触したとき、タッチセンサ75からの検出信号が「H」レベルになり、I/Oユニット80がこの検出信号を受信する。
【0041】
次のシフトレジスタクロックの立ち上がりエッジCK1でこの検出信号に基づく検出値を取り込んでシフトレジスタ値が「0001」となる。この検出信号が「H」レベルのままであるので、シフトレジスタクロックの立ち上がりエッジCK2でこの検出値を取り込んでシフトレジスタ値が「0011」となる。
【0042】
次に、I/Oユニット通信クロックの立ち下がりエッジで、制御部20がI/Oユニット80との通信を開始する。ここで、制御部20が、シフトレジスタ値「0011」をシフトレジスタ81から通信I/F82を介して読み出してRAM23に記憶させる。
【0043】
シフトレジスタクロックの立ち上がりエッジCK3,CK4で夫々「H」レベルの検出信号に基づく検出値を取り込んでシフトレジスタ値が「0111」、「1111」となる。これと同様にして、シフトレジスタクロックの立ち上がりエッジCK5,CK6で夫々「H」レベルの検出信号に基づく検出値を取り込んでシフトレジスタ値が「1111」を維持する。このとき、シフトレジスタ81は、RAM23が記憶する前回のシフトレジスタ値「0011」の後に、取り込んだ検出値をシフトレジスタ値として記憶している。
【0044】
次に、I/Oユニット通信クロックの立ち下がりエッジで、制御部20がI/Oユニット80との通信を開始する。ここで、制御部20が、シフトレジスタ値「1111」をシフトレジスタ81から通信I/F82を介して読み出してRAM23に累積的に記憶させる。
【0045】
このとき、制御部20は、図5(a)に示すRAM23に記憶している前回の通信周期に読み出したシフトレジスタ値「0011」と、図5(b)に示す最新のシフトレジスタ値「1111」とに基づいて、タッチセンサがワークの表面に接触したか否かを判定することで、タッチセンサの検出信号からチャタリングを除去する。詳細については次に説明する。
【0046】
次に、制御部20が実行する位置特定制御について、図6〜図8のフローチャートに基づいて説明する。尚、図中Si(i=1,2・・・)は各ステップを示す。この位置特定制御は、ワークの表面形状測定時に制御部20が継続的に実行するものである。
制御部20が位置特定制御を開始すると、最初にチャタリング除去処理を実行する(S1)。
【0047】
チャタリング除去処理を開始すると、テンポラリレジスタR1,R2のレジスタ値を0にリセットし、カウンタC1,C2,C3のカウンタ値を0にリセットする(S10)。
制御部20とI/Oユニット80との通信タイミングの場合、具体的には、I/Oユニット通信クロックの立ち下がりエッジで(S11;Yes)、最新のシフトレジスタ値をテンポラリレジスタR1に記憶する。このとき、前回の通信時に取得したシフトレジスタ値(以降、前回のシフトレジスタ値とする)がテンポラリレジスタR1に記憶されている場合は、先に、前回のシフトレジスタ値をテンポラリレジスタR2に記憶してから、最新のシフトレジスタ値をテンポラリレジスタR1に記憶する。
【0048】
次に、テンポラリレジスタR2に記憶している前回のシフトレジスタ値のMSB(最上位ビット)が1であるか否かを判定する。前回のシフトレジスタ値のMSBが0の場合(S13;No)、カウンタC1を0にリセットし(S15)、S16へ移行する。前回のシフトレジスタ値のMSBが1の場合は(S13;Yes)、カウンタC1を1だけインクリメントする(S14)。
【0049】
カウンタC2を1だけインクリメントし(S16)、テンポラリレジスタR2のシフトレジスタ値を1ビット左シフトする(S17)。尚、カウンタC1は、シフトレジスタ値のMSBにおける「1」の連続数をカウントするカウンタであり、カウンタC2は、前回のシフトレジスタ値における検索したビット数をカウントするカウンタである。
【0050】
カウンタC1のカウント値がチャタリング除去閾値N(本実施例では4)、つまり、最新のシフトレジスタ値における「1」の連続数が4であるか否かを判定する。カウンタC1のカウント値が4である場合は(S18;Yes)、タッチセンサ75がONしたと判定し、S2へ移行する。一方、カウンタC1のカウント値が4でない場合(S18;No)、カウンタC2のカウンタ値がシフトレジスタ長L(本実施例では4)になったか否か、つまり、前回のシフトレジスタ値に対して検索を終了したか否かを判定する。カウンタC2のカウンタ値が4でない場合(S20;No)、S13に戻る。
【0051】
カウンタC2のカウンタ値が4である場合は、前回のシフトレジスタ値に対して検索を終了したので、カウンタC2のカウンタ値を0にリセットし(S21)、次に最新のシフトレジスタ値について検索を行う。次に、テンポラリレジスタR1に記憶している最新のシフトレジスタ値のMSBが1であるか否かを判定する。最新のシフトレジスタ値のMSBが0の場合(S22;No)、カウンタC1を0にリセットし(S24)、S25へ移行する。最新のシフトレジスタ値のMSBが1の場合は(S22;Yes)、カウンタC1を1だけインクリメントする(S23)。
【0052】
カウンタC3のカウンタ値を1だけインクリメントし(S25)、テンポラリレジスタR1のシフトレジスタ値を1ビット左シフトする(S26)。尚、カウンタC3は、最新のシフトレジスタ値における検索したビット数をカウントするカウンタである。カウンタC1のカウンタ値が4であるか否か、つまり、最新のシフトレジスタ値及び前回のシフトレジスタ値における「1」の連続数が4であるか否かを判定する。カウンタC1のカウント値が4でない場合(S27;No)、カウンタC3のカウンタ値が4であるか否かを判定する。カウンタC3のカウンタ値が4でない場合(S28;No)、S22へ移行する。
【0053】
カウンタC3のカウンタ値が4である場合は(S28;Yes)、最新のシフトレジスタ値に対して検索を終了したので、カウンタC1,C3のカウンタ値を0にリセットし(S29)、S11に戻る。一方、カウンタC1のカウント値が4の場合(S27;Yes)は、シフトレジスタ値において「1」が4回連続するのでタッチセンサ75がONしたと判定し(S19)、S2へ移行する。
【0054】
次にS2において、カウンタC3が0であるか否かを判定する。カウンタC3が0の場合(S2;Yes)、つまり、前回のシフトレジスタ値において「1」が4回連続している場合、タッチセンサ75がONした時間TをT=((L−C2)+N+L)tより求める(S3)。ここで、tはシフトレジスタクロック周期である。
【0055】
一方、カウンタC3が0でない場合(S2;No)、つまり、最新のシフトレジスタ値又は前回のシフトレジスタ値と最新のシフトレジスタ値に亙って「1」が4回連続している場合は、タッチセンサ75がONした時間TをT=((L−C3)+N)tより求める(S4)。
【0056】
S3又はS4で求めた時間Tに基づいて、T時間前の座標値をタッチ位置としてディスプレイ18に出力した後(S5)、スタートにリターンする。ここで、図4に示すように、座標値P4をディスプレイ18に表示させる。尚、図7に示すフローチャートのS12を実行するCPU21が読出し手段に相当し、図7に示すフローチャートのS18,S19及び図8に示すフローチャートのS27を実行するCPU21が判定手段に相当する。
【0057】
次に、以上説明したチャタリング除去装置70の作用、効果について説明する。
このチャタリング除去装置70では、ワークの表面形状測定時にタッチセンサ75がワークの表面に接触すると、I/Oユニット80においてシフトレジスタ81がタッチセンサ75から検出信号を受信して時系列的に記憶する。その間、サーボアンプ30,40,50がX,Y,Z軸サーボ機構を介してタッチセンサ75のX,Y,Z軸座標値を検出し、サーボアンプ通信周期毎に、制御部20においてRAM23がタッチセンサ75のX,Y,Z軸座標値を時系列的に記憶する。
【0058】
I/Oユニット80と制御部20とが通信するI/Oユニット通信周期毎に、シフトレジスタ81から最新の検出値を読み出してRAM23が累積的に記憶する。RAM23に記憶している前回の検出値と、シフトレジスタ81から読み出した最新の検出値とに基づいて、タッチセンサ75がワークの表面に接触したことを示す検出値が所定回数連続する場合、タッチセンサ75がワークの表面に接触したものと判定する。これにより、タッチセンサ75の検出信号からチャタリングを除去することができるので、タッチセンサ75の誤検出を低減できる。それ故、ワークの表面形状データの測定精度を向上させることができる。
【0059】
I/Oユニット80と制御部20については、工作機械Mが備えるものを使用することができるので、シフトレジスタ81を新たに設けるだけでチャタリング除去装置70を実現することができる。これにより、チャタリング除去装置70を簡単な構成で実現できるので、製造コストを抑制することができる。
【実施例2】
【0060】
次に、本発明の実施例2について、図9〜図14に基づいて説明する。但し、前記実施例と同一の構成には同一の符号を付し、異なる構成についてのみ説明する。
この実施例2においては、最新の切削加工に使用した工具6に接触させて工具6の折損検出を行う工具折損検出装置97を有する工作機械Mに、本発明を適用したものである。
【0061】
図9に示すように、I/Oユニット80は、通信インタフェース(I/F)82と、25ビットシフトレジスタ81A等を有する。I/Oユニット80は、工具6の折損検出時におけるタッチセンサ108の工具6への接触の有無を示す検出信号に基づく検出値をタッチセンサ108から受信する。タッチセンサ108から受信した検出値をシフトレジスタ81Aが時系列的に記憶する。制御部20Aは、前記制御部20の構成に加えて軸制御部110を有する。この軸制御部110にマガジンモータ76、直線駆動モータ99、ニードル旋回モータ107を夫々接続している。尚、チャタリング除去装置70は、タッチセンサ108とI/Oユニット80と制御部20Aとで構成してある。
【0062】
自動工具交換装置7の工具マガジン14に配設された工具折損検出装置97について説明する。先ず、工具マガジン14の構造について説明する。
図10(a)に示すように、工具マガジン14は、複数の工具ポット83を備え、この工具ポット83は、マガジンベース84の内側に配設された移送機構85に装着してある。
【0063】
移送機構85は、マガジンベース84の内側に回転可能に配設された一対のスプロケット86,87と、このスプロケット86,87の間に掛け渡された無端状のチェーン88と、チェーン88の外周側に固着されたブラケット89などを備えている。複数の工具ポット83は、夫々ブラケット89に取付けてあり、一方のスプロケット86がマガジンモータ76によって回転駆動されると、チェーン88と共に循環する経路を移送するようになっている。
【0064】
また、複数の工具ポット83は、何れもブラケット89に対して回動可能に取付けてあるが、工具ポット83の移送経路において大部分の範囲では、マガジンベース84の外周部の内壁面84aが工具ポット83に接触する状態にある。そのため、この内壁面84aが工具ポット83の回動を規制する状態となり、工具ポット83は、図10(b)に示すように工具6を正面に向けた状態(以下、格納状態という)を維持する。
【0065】
一方、マガジンベース84の下端側には割出口84bを形成してあり、この割出口84bが形成された位置(以下、割出位置という)に限り、工具ポット83が、格納状態から工具6を下方に向けた状態(図示2点鎖線で示す状態;以下、交換可能状態という)まで回動可能となっている。この割出位置には、工具ポット83を格納状態または交換可能状態へと回動させる図示しない傾倒機構が配設してある。
【0066】
また、マガジンベース84の上部には、アクチュエータケース90が設けてあり、このアクチュエータケース90の内部に、スプロケット86を駆動するためのマガジンモータ76などを収納してある。このマガジンモータ76は軸制御部110により制御される。
【0067】
図11、図12(a)、図12(b)に示すように、工具折損検出装置97においてケース98L,98Rの内部には、直線駆動モータ99を内蔵するモータカバー100を設けてある。この直線駆動モータ99は軸制御部110により制御される。直線駆動モータ99の回転軸にはピニオン101が取付けられており、そのピニオン101は、接触センサ部102を直線的に変位させるためのラック103と噛み合うようになっている。
【0068】
ラック103の側面には、下方に延びるホルダ104が取付けてあり、そのホルダ104の先端には、接触センサ部102が取付けてある。ケース98L,98Rの基端側には、工具折損検出装置97を工具マガジン14に取付けるためのガイドステー105を組み込んである。ここで、直線駆動モータ99、ピニオン101、ラック103が、リニアアクチュエータ106を構成している。
【0069】
即ち、直線駆動モータ99がピニオン101を回転させると、ラック103と共に接触センサ部102は、工具折損検出装置97の長手方向、つまり、工具ポット83に保持され、格納状態にある工具6の長さ方向に沿って直線的に移動する。接触センサ部102は、ニードル旋回モータ107を内蔵しており、そのニードル旋回モータ107の回転軸に取付けられているセンサ手段としての検出用ニードル(タッチセンサ)108を旋回させ、工具6に当接するか否かによって工具6の折損を検出するようになっている。このニードル旋回モータ107は軸制御部110により制御される。
【0070】
例えば、タッチセンサ108が初期位置である水平から旋回する場合、そのタッチセンサ108が途中で工具6(のドリル6aなど)に接触することで旋回が途中で停止すると、タッチセンサ108がONする。一方、工具6が折損したことでタッチセンサ108の旋回が停止することなく最終位置まで旋回すると、タッチセンサ108がONすることなく工具6の折損を検出する。
【0071】
図13は、正常時と異常時におけるタッチセンサ108がONするタイミングを示すタイミングチャートである。工具6の折損検出時において、タッチセンサ108が初期位置にある時間を0、工具6が折損していた場合にタッチセンサ108が最終位置まで旋回する時間をt25とする。工具6が折損していない場合に、タッチセンサ108が工具6に当接したとき、タッチセンサ108の検出信号に基づく検出値が「H」になる。しかし、タッチセンサ108の検出信号にチャタリングが発生した場合はタッチセンサ108が誤検出し、工具6が折損しているときにも検出値が「H」になる可能性がある。
【0072】
そこで、本実施例においては、t9〜t15の間(図13の斜線で示す領域)にタッチセンサ108がONした場合、タッチセンサ108が正常に作動しているものとする。
それ以外の時間にタッチセンサ108がONしたときは、タッチセンサ108が誤検出しているものとする。特に、t0〜t9までの間にタッチセンサ108がONした場合を「異常1」とし、t15〜t25までの間にタッチセンサ108がONした場合を「異常2」とする。
【0073】
シフトレジスタ81Aは、t1,t2,・・・のタイミングでタッチセンサ108から検出値を受信して時系列的に記憶する。t25の時点で、t1,t2,・・・,t25において受信した検出値がシフトレジスタ81Aの各ビットに記憶してある。次のI/Oユニット通信クロックの立ち下がりエッジで、シフトレジスタ81Aが記憶する検出値を制御部20Aが読み出す。
【0074】
次に、制御部20Aが実行するチャタリング除去制御について、図13のフローチャートに基づいて説明する。尚、図中Si(i=30,31・・・)は各ステップを示す。
このチャタリング除去制御は、工具6の折損検出時において、タッチセンサ108の旋回が終了したときに制御部20Aが実行するものである。
【0075】
制御部20Aがチャタリング除去制御を開始すると、カウンタD,Eのカウンタ値を0にリセットする(S30)。制御部20AとI/Oユニット80との通信タイミングの場合(S31;Yes)、シフトレジスタ値を読み出す(S32)。読み出したシフトレジスタ値のMSBが0、つまり、タッチセンサ108がONしていない場合は(S33;Yes)、カウンタEのカウント値を1だけインクリメントした後(S35)、カウンタDのカウント値を1だけインクリメントし(S34)、S36へ移行する。
【0076】
読み出したシフトレジスタ値のMSBが1、つまり、タッチセンサ108がONした場合(S33;Yes)、カウンタDのカウンタ値を1だけインクリメントする(S34)。次に、カウンタDのカウンタ値がシフトレジスタ値のレジスタ長M(本実施例では25)であるか否かを判定する。カウンタDのカウンタ値が25でない場合、つまり、読み出したシフトレジスタ値に対する検索が終了していない場合は(S36;No)、シフトレジスタ値を1ビット左シフトした後(S37)、S33に戻る。尚、カウンタDは、検索したシフトレジスタ値のビット数をカウントするカウンタであり、カウンタEは、シフトレジスタ値のMSBにおける「0」の連続数をカウントするカウンタである。
【0077】
一方、カウンタDのカウンタ値が25の場合は(S36;Yes)、シフトレジスタ値に対する検索を終了したので、カウンタEのカウント値が下限閾値P(本実施例では10)よりも大きいか否かを判定する。カウンタEのカウント値が10以下の場合(S38;No)、「異常1」のメッセージをディスプレイ18に表示させて(S39)、この処理を終了する。
【0078】
カウンタEのカウント値が10よりも大きい場合は(S38;Yes)、次に、カウンタEのカウント値が上限閾値Q(本実施例では15)よりも大きいか否かを判定する。
カウンタEのカウント値が15よりも大きい場合(S40;Yes)、「異常2」のメッセージをディスプレイ18に表示させて(S41)、この処理を終了する。カウンタEのカウント値が15以下の場合(S40;No)、「正常」のメッセージをディスプレイ18に表示させて(S42)、この処理を終了する。尚、図14に示すフローチャートのS32を実行するCPU21が読出し手段に相当し、図14に示すフローチャートのS38〜S42を実行するCPU21が判定手段に相当する。
【0079】
このように、制御部20Aが読み出したシフトレジスタ値に基づいて、タッチセンサ108が工具6に接触したことを示す検出値がシフトレジスタ81Aの所定ビット内にある場合、タッチセンサ108が正常に検出しているものと判定する。それ故、工具6の折損検出を行う際にタッチセンサ108の誤検出を低減することができ、工具6の折損検出精度を向上させることができる。
【0080】
次に、前記実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1]前記実施例1において、4ビットシフトレジスタ81以外に8ビットシフトレジスタ等のビット数の異なるシフトレジスタであってもよい。また、8ビットシフトレジスタを適用した場合においてチャタリング除去閾値Nが4のとき、前回のシフトレジスタ値と最新のシフトレジスタ値とを8ビットシフトレジスタが記憶している。それ故、I/Oユニット通信周期毎に、制御部20Aが8ビットシフトレジスタからシフトレジスタ値を読み出す際に、RAM23に記憶させる必要がなくなる。
【符号の説明】
【0081】
20,20A 制御部
21 CPU
23 RAM
70 チャタリング除去装置
75,108 タッチセンサ
80 I/Oユニット
81,81A シフトレジスタ
97 工具折損検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物への接触の有無を検出するセンサ手段の検出信号からチャタリングを除去するチャタリング除去装置において、
前記センサ手段が検出した検出信号に基づく検出値を受信して時系列的に記憶するシフトレジスタを有するI/Oユニットと、
前記I/Oユニットと通信可能に接続された制御部と、
前記I/Oユニットと前記制御部とが通信する通信周期毎に、前記シフトレジスタから最新の検出値を読み出す読出し手段と、
前記読出し手段が読み出した検出値に基づいて、前記センサ手段のチャタリング除去に関する判定を行う判定手段とを備えたことを特徴とするチャタリング除去装置。
【請求項2】
前記センサ手段は、ワークの表面に接触させて表面形状を測定可能なタッチセンサで構成され、
前記制御部は、前記シフトレジスタから読み出された検出値を累積的に記憶する検出値記憶手段を有し、
前記判定手段は、前記検出値記憶手段に記憶している前回の通信周期に前記読出し手段が読み出した検出値と、前記最新の検出値とに基づいて、前記タッチセンサがワークの表面に接触したことを示す検出値が所定回数連続する場合、前記タッチセンサがワークの表面に接触したものと判定することを特徴とする請求項1に記載のチャタリング除去装置。
【請求項3】
前記センサ手段は、最新の切削加工に使用した工具に接触させて工具の折損検出を行う工具折損検出装置のタッチセンサで構成され、
前記判定手段は、前記読出し手段が読み出した検出値に基づいて、前記タッチセンサが工具に接触したことを示す検出値が前記シフトレジスタの所定ビット内にある場合、前記タッチセンサが正常に検出しているものと判定することを特徴とする請求項1に記載のチャタリング除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−157975(P2010−157975A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−355(P2009−355)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】