説明

ヂ及びトリフルオロ−トリアゾロ−ピリヂン抗炎症化合物

本発明は式Iの新規トリアゾロ−ピリヂン{式中、R1はフルオロである;sは2〜3の整数である;R2はハロ、(C1−C4)アルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ及び(C1−C6)アルキル−(C=O)−O−から成る群から独立に選ばれる1又は2の基により場合により置換される(C3−C6)シクロアルキルである;又はR2はハロ、(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ及び(C1−C6)アルキル−(C=O)−O−から成る群から独立に選ばれる1又は2の基により場合により置換される(C1−C6)アルキルである。}に、それらの調製のための中間体に、それらを含む医薬組成物に、及びそれらの医薬的使用に関する。但し、当該式Iの化合物は、6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;又は6−[4−(3,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂンではない。本発明に係る化合物はMAPキナーゼ、好ましくはp38キナーゼの強い阻害剤である。それらは炎症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、癌、卒中又は心臓発作における再灌流又は虚血、自己免疫疾患及び他の障害の治療において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規トリアゾロ−ピリヂンに、それらの製造のための中間体に、それらを含む医薬組成物に及びそれらの医薬的使用に関する。本発明に係る化合物はMAPキナーゼ、好ましくはp38キナーゼの強い阻害剤である。それらは炎症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、癌、卒中若しくは心臓発作における再灌流又は虚血、自己免疫疾患及び他の障害の治療において有用である。
【背景技術】
【0002】
細胞内シグナル伝達は、細胞が細胞外刺激に応答する方法である。細胞表面受容体の性質(例えば、タンパク質チロシンキナーゼ又は7回膜貫通型G−タンパク質共役)に関わらず、タンパク質キナーゼ及びフォスファターゼはフォスフォリパーゼと共に、上記シグナルが細胞内でさらに伝達される重要な機構である[Marshall, J. C. Cell, 80, 179−278(1995)]。タンパク質キナーゼは5のクラスに分類されうる、及び2の主なクラスは、上記酵素が特異的なチロシン(単数又は複数)残基上でその基質(単数又は複数)をリン酸化するか又はセリン/スレオニン(単数又は複数)残基上でその基質(単数又は複数)をリン酸化するかにより、チロシンキナーゼ及びセリン/スレオニンキナーゼである[Hunter, T. Methods in Enzymology (Protein Kinase Classification) p. 3, Hunter, T.; Sefton, B. M.; eds. vol. 200, Academic Press; San Diego, 1991]。
【0003】
ほとんどの生物学的応答について、複数の細胞内キナーゼが関与し、及び個々のキナーゼは1超のシグナル経路に関連しうる。これらのキナーゼはしばしば細胞質ゾルのものであり、及びそれらがそれぞれ転写及び翻訳事件に影響しうる核又はリボソームに局在化しうる。転写制御におけるキナーゼの関与は、MAP/ERKキナーゼを含む成長因子誘導シグナル伝達についての研究により例示されるように、それらの翻訳に対する効果より現在のところよく理解されている[Marshall, C. J. Cell, 80, 179(1995);Herskowitz, I. Cell, 80, 187(1995); Hunter, T. Cell, 80, 225(1995);Seger, R., and Krebs, E. G. FASEB J., 726−735(1995)]。
【0004】
多くのシグナル経路は正常な細胞ホメオスタシスの部分であるが、多くのサイトカイン(例えば、IL−1及びTNF)及びいくつかの他の炎症仲介物質(例えば、COX−2、及びiNOS)は細菌リポポリサッカライド(LPS)の如きストレスシグナルへの応答としてのみ生成される。LPS−誘導サイトカイン生合成を引き起こすシグナル伝達経路はタンパク質キナーゼを含むということを示唆する初期の証拠はWelnsteinの研究に由来するが[Welnstein, et al., J. Immunol, 151, 3829(1993)]、含まれる特異的タンパク質キナーゼは同定されていなかった。同様の観点から取り組んで、Han[Han, et al., Science 265, 808(1994)]はマウスp38をLPSに応答してチロシンリン酸化されるキナーゼとして同定した。前炎症性サイトカイン生合成の開始を引き起こすLPS−刺激されたシグナル伝達経路におけるp38キナーゼの関与のさらなる証拠はLee[Lee, et al., Nature, 372, 739(1994)]による新規クラスの抗炎症剤のための分子標的としてのp38キナーゼ(MAPK14、CSBP1及び2)の発見により提供された。したがって、p38を阻害する化合物はヒト単球においてIL−1及びTNF合成を阻害するであろう。上記結果は[Lee, et al., Int. J. Immunopharmac., 10(7), 835(1988)]及び[Lee, et al., Annals N. Y. Acad. Sci., 696, 149(1993)]により報告されている。
【0005】
CSBP/p38は、類似のマイトジェン−活性化タンパク質キナーゼ(MAP)キナーゼカスケードに並行する及び主としてそれとは独立したストレス−応答シグナル伝達経路に関連するいくつかのキナーゼの1であるということが現在受け入れられている。LPS、前炎症性サイトカイン、オキシダント、紫外線及び浸透圧ストレスを含む、ストレスシグナルはCSBP/p38の上流のキナーゼを活性化し、そのキナーゼはスレオニン180及びチロシン182でCSBP/p38をリン酸化し、CSBP/p38活性化をもたらす。MAPKAPキナーゼ−2及びMAPKAPキナーゼ−3はCSBP/p38の下流の基質として同定されており、それらは熱ショックタンパク質Hsp27をリン酸化する。MAPKAP−2はLPS誘導TNFα生合成に重要であることが今般知られている[Kotlyarov et al. Nature Cell Biol., , 94(1994)、またCohen, P. Trends Cell Biol., 353−361(1997)を参照のこと]。
【0006】
IL−1及びTNFを阻害することに加えて、CSBP/p38キナーゼ阻害剤はまたIL−6、IL−8、GM−CSF及びCOX−2を含む広くさまざまな前炎症性タンパク質の合成をも減少させる。CSBP/p38キナーゼの阻害剤はまた内皮細胞上のVCAM−1のTNF−誘導発現、細胞質PLA2のTNF−誘導リン酸化及び活性化並びにコラーゲナーゼ及びストロメリシンのIL−1刺激合成を抑制することも示されている。これらの及び追加のデータは、CSBP/p38はサイトカイン合成に関与するのみでなく、サイトカイン伝達にも関与することを示す[Cohen, P. Trends Cell Biol., 353−361(1997)中に概略されるCSBP/p38キナーゼ]。
【0007】
インターロイキン−1(IL−1)及び腫瘍壊死因子(TNF)は単球又はマクロファージの如き、さまざまな細胞により生成される生物学的物質である。IL−1は免疫制御及び炎症の如き他の生理学的状態に重要であると考えられるさまざまな生物学的活性を仲介することが示されている[例えば、Dinarello et al., Rev. Infect. Disease, 6, 51(1984)を参照のこと]。IL−1の無数の既知の生物学的活性はTヘルパー細胞の活性化、熱の誘導、プロスタグランヂン又はコラーゲナーゼ生成の刺激、好中球走化性、急性期タンパク質の誘導及び血漿鉄分値の抑制を含む。
【0008】
過剰の又は制御されないIL−1生成が疾患を悪化させる及び/又は引き起こすことに関係している多くの疾患状態がある。これらは慢性関節リウマチ、変形性関節症、内毒素血症及び/又はトキシックショック症候群、内毒素により誘導される炎症性反応又は炎症性腸疾患の如き他の急性又は慢性炎症性疾患状態、結核、アテローム性動脈硬化症、筋肉退化、悪液質、乾癬性関節炎、ライター症候群、慢性関節リウマチ、痛風、外傷性関節炎、風疹関節炎、及び急性滑膜炎を含む。他の研究はまたIL−1活性を糖尿病及び膵臓β細胞に関連付ける、Dinarello, J. Clinical Immunology, 5(5),287−297(1985)。
【0009】
過剰の又は制御されないTNF生成は慢性関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風関節炎及び他の関節炎状態;敗血症、敗血症性卒中、内毒素卒中、グラム陰性菌敗血症、トキシックショック症候群、成人呼吸促進症候群、大脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺性サルコイドーシス、骨吸収疾患、再灌流損傷、移植片対宿主反応、同種移植片拒絶、インフルエンザの如き感染のための熱及び筋痛、感染又は悪性疾患に二次的な悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)に二次的な悪液質、AIDS、ARC(AIDS関連複合体)、ケロイド形成、瘢痕組織形成、クローン病、潰瘍性大腸炎又は胸焼けを含むいくつかの疾患を仲介する又は悪化させることに関係している。
【0010】
インターロイキン−8(IL−8)は単核細胞、線維芽細胞、内皮細胞、及びケラチノサイトを含むいくつかの細胞型により生成される走化性因子である。内皮細胞からのその生成はIL−1、TNF又はリポポリサッカライド(LPS)により誘導される。IL−8はin vitroでいくつかの機能を刺激する。それは好中球、T−リンパ球、及び好塩基球にとって化学誘引特性を有することが示されている。さらに、それは正常な及びアトピー性個体両方からの好塩基球からのヒスタミン放出、並びに好中球からのリソソーム酵素放出及び呼吸バーストをも誘導する。IL−8はまたde novoタンパク質合成なしに好中球上のMac−1(CD11b/CD18)の表面発現を増大させることも示されており、このことは血管内皮細胞への好中球の増大した接着に寄与しうる。多くの疾患は大量の好中球浸潤により特徴付けられる。(炎症部位への好中球の走化性の原因である)IL−8生成における増大に関連する状態はIL−8生成に抑制性である化合物により恩恵を受けるであろう。
【0011】
ヒトインターロイキン−18(IL−18)は最近同定されたインターロイキンファミリーのもうひとつのメンバーである。IL−18は生物学的に不活性な193アミノ酸前駆体タンパク質として合成されるサイトカインである(Ushio et al., J. Immunol. 15 6:4274, 1996)。例えば、カスパーゼ−1又はカスパーゼ−4による上記前駆体タンパク質の切断は156アミノ酸成熟タンパク質を遊離させ(Gu et al., Science 275:206, 1997;Ghayur et al., Nature 386:619, 1997)、それはT細胞増殖の共刺激、NK細胞の細胞毒性の上昇、T細胞及びNK細胞によるIFN−γ生成の誘導、並びにTヘルパーI型(ThI)分化の増強を含む生物学的活性を示す(Okamura et al., Nature 378:88, 1995; Ushio et al., J. Immunol. 156:4274, 1996; Micallef et al., Eur. J. Immunol. 26:1647, 1996;Kohno et al., J. Immunol. 158:1541, 1997; Zhang et al., Infect. Immunol. 65:3594, 1997; Robinson et al., Immunol 7:571, 1997)。さらに、IL−18はIL−8、腫瘍壊死因子−α、及びプロスタグランヂンE2(PGE2)を含む、ヒト単球前炎症性仲介物質の効果的な誘導物質である(Ushio, S. et al., J. Immunol. 156:4274−4279, 1996;Puren, A. J. et al., J. Clin. Invest. 10:711−721, 1997)。
【0012】
IL−1及びTNFは広くさまざまな細胞及び組織に影響し、及びこれらのサイトカイン及び他の白血球由来サイトカインは広くさまざまな疾患状態及び状態の重要な及び決定的な炎症仲介物質である。これらのサイトカインの阻害はこれらの疾患状態の多くを制御する、減少させる及び緩和することにおいて有益である。
【0013】
上記に示されるIL−1、TNF及びIL−8に加えてまたいくつかの追加の前炎症性タンパク質(すなわち、IL−6、GM−CSF、COX−2、コラーゲナーゼ及びストロメリシン)の合成及び/又は活性に必要とされる、CSBP/p38を介したシグナル伝達の阻害は免疫系の過剰な及び破壊的な活性化を制御するための高く有効な機構であると予想される。この予想はCSBP/p38キナーゼ阻害剤について示される強い及び多様な抗炎症活性により支持される[Badger, et al., J. Pharm. Exp. Thera., 279(3);1453−1461.(1996); Griswold et al., Pharmacol. Comm., 7, 323−229(1996)]。
【0014】
サイトカイン抑制性抗炎症薬である化合物、すなわち、MAPK14/CSBP/p38/RKキナーゼを阻害することができる化合物について、この分野において、治療のための必要性が残っている。
【0015】
本発明に係る化合物により特異的に影響される他のキナーゼは:細胞外シグナル制御キナーゼ−1(ERK1又はMAPK3)、細胞外シグナル制御キナーゼ−2(ERK2又はMAPK2)、細胞外シグナル制御キナーゼ−3(ERK3又はMAPK6)、細胞外シグナル制御キナーゼ−5(ERK5又はMAPK7)、細胞外シグナル制御キナーゼ−6(ERK6又はMAPK12)、MAPK1、MAPK4、MAPK8、MAPK9、MAPK10、MAPK11、及びMAPK13を含む。
【0016】
MAPK14/CSBP/p38/RKキナーゼ阻害剤は当業者に周知である。それぞれ、2001年3月9日、2001年3月9日、及び2001年4月4日出願の、及びそれぞれ、“Novel Antiinflammatory Compounds”、 “Novel Triazolopyridine Antiinflammatory Compounds”及び“Novel Benzotriazole Antiinflammatory Compounds”と題された米国仮出願第60/274791号、第60/274840号及び第60/281331号はMAPキナーゼ、好ましくはp38キナーゼのある阻害剤について言及する。2000年7月13日公開の国際特許公開公報WO 00/40243はピリヂン置換ピリヂン化合物及びこれらの化合物がp38阻害剤である状態について言及する。2000年10月26日公開の国際特許公開公報WO 00/63204は置換アゾール化合物及びこれらの化合物がp38阻害剤である状態について言及する。2000年6月2日公開の国際特許公開公報WO 00/31065はあるヘテロ環状化合物及びこれらの化合物がp38阻害剤である状態について言及する。2000年2月10日公開の国際特許公開公報WO 00/06563は置換イミダゾール化合物及びこれらの化合物がp38阻害剤である状態について言及する。2000年7月20日公開の国際特許公開公報WO 00/41698はあるω−カルボキシアリール置換ヂフェニルウレア化合物及びこれらの化合物がp38阻害剤である状態について言及する。米国特許第6,288,062号はある置換オキサゾール化合物及びこれらの化合物がp38阻害剤である状態について言及する。米国特許第5,716,955号はある置換イミダゾール化合物及びこれらの化合物がp38阻害剤である状態について言及する。米国特許第5,716,972号はあるピリヂニル置換イミダゾール化合物及びこれらの化合物がp38阻害剤である状態について言及する。米国特許第5,756,499号はある置換イミダゾール化合物及びこれらの化合物がp38阻害剤である状態について言及する。
【発明の開示】
【0017】
発明の要約
本発明は、以下の式:
【化1】

{式中、R1はフルオロである;
sは2〜3の整数である;
2はハロ、(C1−C4)アルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、及び(C1−C6)アルキル−(C=O)−O−から成る群から独立に選ばれる1又は2の基により場合により置換される(C3−C6)シクロアルキルである;
又はR2はハロ、(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、及び(C1−C6)アルキル−(C=O)−O−から成る群から独立に選ばれる1又は2の基により場合により置換される(C1−C6)アルキルである。}で表される化合物又はその医薬として許容される塩及びプロドラッグに関する。
但し、前記式Iの化合物は、
6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;又は
6−[4−(3,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
ではない。
【0018】
本発明はまた式Iの化合物の医薬として許容される酸付加(添加)塩にも関する。本発明に係る上記に挙げられる基礎化合物の医薬として許容される酸添加塩を調製するために使用される酸は非毒性酸添加塩、すなわち、塩化、臭化、ヨー化、硝酸、硫酸、重硫酸、リン酸、酸リン酸、酢酸、乳酸、クエン酸、酸クエン酸、酒石酸、重酒石酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、糖酸、ベンゾエート、メタンスルフォン酸、エタンスルフォン酸、ベンゼンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸及びパモエート[すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)]塩の如き、薬理学的に許容される陰イオンを含む塩を形成するものである。
【0019】
本発明はまた式Iの塩基添加塩にも関する。天然において酸性であるそれらの式Iの化合物の医薬として許容される塩基性塩を調製するための試薬として使用されうる化学塩基は上記化合物と非毒性塩基性塩を形成するものである。上記非毒性塩基性塩は、非限定的に、アルカリ金属陽イオン(例えば、カリウム及びナトリウム)及びアルカリ土壌金属陽イオン(例えば、カルシウム及びマグネシウム)の如き薬理学的に許容される陽イオンに由来するもの、アンモニウム又はN−メチルグルカミン−(メグルミン)の如き水溶性アミン添加塩、及び低級アルカノールアンモニウム及び医薬として許容される有機アミンの他の塩基性塩を含む。
【0020】
本発明に係る化合物は全ての立体異性体(例えば、シス及びトランス異性体)及び幾何異性体及びその混合物及び式Iの化合物の全ての光学異性体(例えば、R及びSエナンチオマー)並びに上記異性体のラセミ、ヂアステレオマー及び他の混合物をも含む。
【0021】
本発明に係る化合物及びプロドラッグはエノール及びエナミン形、並びにケト及びイミン形を含む、いくつかの互変異性形で存在しうる。全ての上記互変異性形は本発明の範囲内に含まれる。互変異性体は溶液中の互変異性体の混合物として存在する。固体形では、通常1の互変異性体が優位を占める。1の互変異性体が示されうるが、本発明は本発明の化合物の全ての互変異性体を含む。
【0022】
本発明はまた本発明に係るアトロプ異性体をも含む。アトロプ異性体は、回転が制限された異性体に分離されうる式Iの化合物をいう。
【0023】
本発明に係る化合物はオレフィン様二重結合を含みうる。上記結合が存在するとき、本発明に係る化合物はシス及びトランス配置として並びにそれらの混合物として存在する。
本明細書中で使用されるとき、上記用語「アルキル」、及び本明細書中で言及される他の基(例えば、アルコキシ)のアルキル基は、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C1−C6)アルコキシ、(C6−C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ヂフルオロメトキシ又は(C1−C6)アルキルの如き上記に定義される1〜3の好適な置換基により場合により置換される;(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、第二−ブチル、第三−ブチルの如き)直鎖又は有枝鎖でありうる。上記句「前記アルキルのそれぞれ」は、本明細書中で使用されるとき、アルコキシ、アルケニル又はアルキルアミノの如き基内の前記アルキル基のいずれかをいう。好ましいアルキルは(C1−C4)アルキル、最も好ましくはメチルを含む。
【0024】
本明細書中で使用されるとき、上記用語「シクロアルキル」は、1〜2の二重結合を場合により含む及びフルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、(C1−C6)アルコキシ、(C6−C10)アリールオキシ、トリフルオロメトキシ、ヂフルオロメトキシ又は(C1−C6)アルキルの如き上記に定義される1〜3の好適な置換基により場合により置換される;モノ又はバイ環状炭素環状環(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、バイシクロ[2.2.1]ヘプタニル、バイシクロ[3.2.1]オクタニル及びバイシクロ[5.2.0]ノナニル等)をいう。好ましいシクロアルキルは(C3−C6)シクロアルキルシクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。
【0025】
本明細書中で使用されるとき、上記用語「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモ若しくはヨード又はフッ化物、塩化物、臭化物若しくはヨー化物を含む。
【0026】
本明細書中で使用されるとき、(アルキルカルボニル、アルキル−(C=O)−又はアルコキシカルボニルの如き句において使用される)上記用語「カルボニル」又は「(C=O)」はアルキル又はアミノ基(すなわち、アミド基)の如き第二の基への>C=O基の結合をいう。アルコキシカルボニルアミノ(すなわち、アルコキシ(C=O)−NH−)はアルキルカルバメート基をいう。上記カルボニル基はまた(C=O)として本明細書中で同等に定義される。アルキルカルボニルアミノはアセトアミドの如き基をいう。
【0027】
より特には、本発明はまた、R2が場合により置換される(C3−C6)シクロアルキルである式Iの化合物にも関する。より特には、本発明はまた、R2が1〜2の二重結合を場合により含む;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルである式Iの化合物にも関する。
【0028】
本発明の他の態様は、上記化合物が、以下の式:
【化2】

{式中、R2は場合により置換される(C3−C6)シクロアルキルである}
を有する、それらの式Iの化合物である。
【0029】
本発明の他の態様は、上記化合物が、以下の式:
【化3】

{式中、R2は場合により置換される(C3−C6)シクロアルキルである}
を有する、それらの式Iの化合物である。
【0030】
本発明の他の態様は、上記化合物が、以下の式:
【化4】

{式中、R2は場合により置換される(C3−C6)シクロアルキルである}
を有する、それらの式Iの化合物である。
【0031】
本発明の他の態様は、R2が(C3−C6)シクロアルキルである、それらの式Iの化合物である。
本発明の他の態様は、R2が1又は2の置換基で置換される(C3−C6)アルキルであり、ここで、前記置換基の少なくとも1はハロである、それらの式Iの化合物(又はIa、Ib若しくはIc)である。
【0032】
本発明の他の態様は、R2が1又は2の置換基で置換される(C3−C6)アルキルであり、ここで、前記置換基の少なくとも1はヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ及び(C1−C6)アルキル−(C=O)−O−である、それらの式Iの化合物(又はIa、Ib若しくはIc)である。
【0033】
本発明の他の態様は、R2が1又は2の(C1−C3)アルキル、より特には1又は2のメチル、エチル又はプロピル基;より好ましくは1又は2のメチル基で置換される(C3−C6)シクロアルキルである、それらの式Iの化合物である。
【0034】
特に好ましい式Iのヂフルオロ化合物の例は以下の:
3−シクロブチル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−(1−メチル−シクロプロピル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−(1−メチル−シクロプロピル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−シクロプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;及び
3−シクロプロピル−6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
である。
【0035】
特に好ましい式Iのトリフルオロ化合物の例は以下の:
3−シクロプロピル−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;及び
3−(1−メチル−シクロプロピル)−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
である。
【0036】
式Iのヂフルオロ−トリアゾロピリヂン化合物の他の特定の態様は以下の:
3−シクロペンチル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−シクロヘキシル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−シクロペンチル−6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−シクロヘキシル−6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−シクロペンチル−6−[4−(2,3−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−シクロヘキシル−6−[4−(2,3−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−シクロブチル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−(1−ヒドロキシ−シクロプロピル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−(1−メトキシ−シクロプロピル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−(1−ブチル−シクロプロピル)−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;及び
3−(−フルオロ−シクロプロピル−6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
を含む。
【0037】
式Iのトリフルオロ−トリアゾロピリヂン化合物の他の特定の態様は以下の:
3−シクロプロピル−6−[4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−(1−メチル−シクロプロピル)−6−[4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−シクロプロピル−6−[4−(2,3,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−(1−メチル−シクロプロピル)−6−[4−(2,3,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−シクロペンチル−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;及び
3−(シクロヘキシル)−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
を含む。
【0038】
本発明の他の態様は、R2が場合により置換される(C1−C6)アルキルである、それらの式Iの化合物である。
本発明の他の態様は、R2がハロ、ヒドロキシ、及び(C1−C6)アルコキシから独立に選ばれる1又は2の基で場合により置換される(C1−C6)アルキルである;より好ましくは、R2が場合により置換されるエチル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル又は第二−ブチルである、それらの式Iの化合物である。
【0039】
本発明の他の態様は、上記化合物が、以下の式:
【化5】

{式中、R2は場合により置換される(C1−C6)アルキルである}
を有する、それらの式Iの化合物である。
【0040】
本発明の他の態様は、上記化合物が、以下の式:
【化6】

{式中、R2は場合により置換される(C1−C6)アルキルである}
を有する、それらの式Iの化合物である。
【0041】
本発明の他の態様は、上記化合物が、以下の式:
【化7】

{式中、R2は場合により置換される(C1−C6)アルキルである}
を有する、それらの式Iの化合物である。
【0042】
本発明の他の態様は、R2がハロ又はヒドロキシで場合により置換される、(C1−C6)アルキル(より好ましくはエチル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル又は第二−ブチル)である、それらの式Iの化合物である。最も好ましくは、R2は(C1−C4)アルキルである。
【0043】
特に好ましい式Iのヂフルオロ化合物の例は以下の:
6−[4−(2,6−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−第三−ブチル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;及び
3−第三−ブチル−6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
である。
【0044】
特に好ましい式Iのトリフルオロ化合物の例は以下の:
3−イソプロピル−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−イソプロピル−6−[4−(2,3,4−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−イソプロピル−6−[4−(2,3,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−イソプロピル−6−[4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−イソプロピル−6−[4−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;及び
3−第三−ブチル−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
である。
【0045】
式Iのヂフルオロ−トリアゾロピリヂン化合物の他の特定の態様は以下の:
6−[4−(2,6−ヂフルオロ−フェニル)−5−イル]−3−イソブチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソブチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
2−{6−[4−(2,4−ヂフルオロフェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン−3−イル}−プロパン−2−オール;
2−{6−[4−(2,5−ヂフルオロフェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン−3−イル}−プロパン−2−オール;
3−イソペンチル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;及び
3−イソペンチル−6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
を含む。
【0046】
式Iのトリフルオロ化合物の他の特定の態様は以下の:
3−エチル−6−[4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−イソプロピル−6−[4−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
2−{6−[4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン−3−イル}−プロパン−2−オール;
3−イソプロピル−6−[4−(2,3,4−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−第三−ブチル−6−[4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−メチル−6−[4−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;及び
3−第三−ブチル−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
である。
【0047】
本発明はまた、式I中に再引用されるものと同一であるが、1以上の原子が天然に通常見られる原子量又は原子数とは異なる原子量又は原子数を有する原子により置換される点で異なる、同位体標識化合物をも含む。本発明に係る化合物に導入されうる同位体の例は、それぞれ、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び38Clの如き、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体を含む。上記に挙げられる同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含む本発明に係る化合物、そのプロドラッグ、及び前記化合物の又は前記プロドラッグの医薬として許容される塩は本発明の範囲内にある。本発明に係るある同位体標識化合物、例えば、3H及び14Cの如き放射活性同位体が導入されるものは薬物及び/又は基質組織分布分析において有用である。トリチウム化、すなわち、3H、及び炭素−14、すなわち、14C同位体はそれらの調製及び検出の容易さのために特に好ましい。さらに、重水素、すなわち、2Hの如きより重い同位体での置換はより大きな代謝安定性から生ずるある治療的利点、例えば、増大したin vivo半減期又は減少した投与量必要性を提供しうる、及び、それゆえ、いくつかの状況において好まれうる。本発明に係る式Iの同位体標識化合物及びそのプロドラッグは一般的にスキーム中及び/又は以下の実施例及び調製中に開示される手順を行うことにより、非同位体標識試薬について容易に入手可能な同位体標識試薬を置換することにより、調製されうる。
【0048】
式Iの化合物又はその医薬として許容される塩は、ヒト又は他の哺乳類における、非限定的に単球及び/又はマクロファージの如き上記哺乳類の細胞による過剰な又は制御されないサイトカイン生成により悪化される又は引き起こされる疾患状態の予防的又は治療的処置のための医薬の製造において使用されうる。
【0049】
式Iの化合物はIL−1、IL−6、IL−8、IL−18及びTNFの如き、前炎症性サイトカインを阻害することができ、及びそれゆえ治療において有用である。IL−1、IL−6、IL−8、IL−18及びTNFは広くさまざまな細胞及び組織に影響し、及びこれらのサイトカイン及び他の白血球由来サイトカインは広くさまざまな疾患状態及び状態の重要な及び決定的な炎症仲介物質である。これらの前炎症性サイトカインの阻害はこれらの疾患状態の多くを制御する、減少させる及び緩和することにおいて有益である。
【0050】
したがって、本発明は有効なサイトカインを妨害する量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を投与することを含む、サイトカイン仲介疾患の治療方法を提供する。
【0051】
ある式Iの化合物は、またプロスタグランヂンエンドペルオキシド合成酵素−2(PGHS−2)の如き多くの他の名称によっても呼ばれる、COX−2の如き、誘導性前炎症性タンパク質を阻害することができ、及びそれゆえ、治療において有用である。シクロオキシゲナーゼ(COX)経路のこれらの前炎症性脂質仲介物質は誘導性COX−2酵素により生成される。それゆえ、プロスタグランヂンの如きアラキドン酸由来のこれらの生成物の原因であるCOX−2の制御は広くさまざまな細胞及び組織に影響する。COX−1の発現は式Iの化合物により影響されない。このCOX−2選択的阻害は、それにより細胞保護効果に重要なプロスタグランヂンを阻害するCOX−1の阻害に関連する潰瘍発生傾向を緩和する又は控えることとして受け入れられる。したがって、これらの前炎症性仲介物質の阻害はこれらの疾患状態の多くを制御する、減少させる及び緩和することにおいて有益である。最も注目すべきことに、これらの炎症性仲介物質、特にプロスタグランヂンは、痛み受容体の感作におけるような痛み又は浮腫に関係している。この痛み管理の局面は、それゆえ、神経筋の痛み、頭痛、癌の痛み、及び関節炎の痛みの処置を含む。式Iの化合物又はその医薬として許容される塩は、COX−2酵素の合成阻害により、ヒト又は他の哺乳類における治療において有用である。
【0052】
したがって、本発明は有効な量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を投与することを含む、COX−2の合成の阻害方法を提供する。本発明はまた、COX−2酵素の合成の阻害による、ヒト又は他の哺乳類における治療方法をも提供する。
【0053】
特に、式Iの化合物又はその医薬として許容される塩は、ヒト又は他の哺乳類における、非限定的に、単球及び/又はマクロファージの如き上記哺乳類の細胞による過剰な又は制御されないIL−1、IL−8、IL−18又はTNF生成により悪化される又は引き起こされる疾患状態の治療において有用である。
【0054】
したがって、他の局面において、本発明は、前記哺乳類に有効な量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を投与することを含む、その必要のある哺乳類におけるIL−1生成の阻害方法に関する。
【0055】
過剰な又は制御されないIL−1生成が疾患を悪化させる及び/又は引き起こすことに関連する多くの疾患状態がある。これらは慢性関節リウマチ、変形性関節症、髄膜炎、虚血性及び出血性卒中、神経外傷/閉鎖頭部損傷、卒中、内毒素血症及び/又はトキシックショック症候群、内毒素により誘発される炎症性反応又は炎症性腸疾患の如き他の急性又は慢性炎症性疾患状態、結核、アテローム性動脈硬化症、筋肉退化、多発性硬化症、悪液質、骨吸収、乾癬性関節炎、ライター症候群、慢性関節リウマチ、痛風、外傷性関節炎、風疹関節炎及び急性滑膜炎を含む。最近の証拠はまたIL−1活性を糖尿病、膵臓β細胞疾患、及びアルツハイマー病にも関連付ける。
【0056】
p38仲介疾患状態の治療のためのp38阻害剤の使用は、非限定的に、アルツハイマー病、パーキンソン病及び多発性硬化症等の如き、神経変性疾患を含みうる。さらなる局面においては、本発明は、前記哺乳類に有効な量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を投与することを含む、その必要のある哺乳類におけるTNF生成の阻害方法に関する。
【0057】
過剰な又は制御されないTNF生成は慢性関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風関節炎及び他の関節炎状態、敗血症、敗血症性卒中、内毒素卒中、グラム陰性菌敗血症、トキシックショック症候群、成人呼吸促進症候群、卒中、大脳マラリア、慢性閉塞性肺疾患、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺性サルコイドーシス、骨粗しょう症の如き骨吸収疾患、心臓の、脳の及び腎臓の再灌流損傷、移植片対宿主反応、同種移植片拒絶、(HIV−誘導形を含む)インフルエンザの如き感染のための熱及び筋痛、大脳マラリア、髄膜炎、虚血性及び出血性卒中、感染又は悪性疾患に二次的な悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)に二次的な悪液質、AIDS、ARC(AIDS関連複合体)、ケロイド形成、瘢痕組織形成、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎又は胸焼けを含むいくつかの疾患を仲介する又は悪化させることに関係している。
【0058】
式Iの化合物はまたウイルスがTNFによるアップレギュレーションに感受性である又はin vivoTNF生成を誘発するであろう、ウイルス感染の治療においても有用である。本明細書中の治療のために企図されるウイルスは感染の結果としてTNFを生成するもの又はTNFを阻害する式Iの化合物による、直接的な若しくは間接的な、減少された複製によるような、阻害に感受性であるものである。上記ウイルスは、非限定的に、HIV−1、HIV−2及びHIV−3、サイトメガロウイルス(CMV)、インフルエンザ、アデノウイルス及び、非限定的に、帯状ヘルペス及び単純ヘルペスの如きヘルペス群のウイルスを含む。したがって、さらなる局面において、本発明は、上記哺乳類に有効なTNF阻害量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を投与することを含む、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を患う哺乳類の治療方法に関する。
【0059】
式Iの化合物はまたTNF生成の阻害の必要のある、ヒト以外の哺乳類の獣医学的処置に関連しても使用されうる。動物における処置についてのTNF仲介疾患は上記に示されるものの如き疾患状態、しかし特にウイルス感染を含む。上記ウイルスの例は、非限定的に、ウマ感染性貧血ウイルス、ヤギ関節炎ウイルス、ヴィスナウイルス若しくはマエディウイルスの如きレンチウイルス感染又は非限定的に、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ウシ免疫不全ウイルス若しくはイヌ免疫不全ウイルス又は他のレトロウイルス感染の如きレトロウイルス感染を含む。
【0060】
式Iの化合物はまた、炎症を起こした関節、湿疹、接触性皮膚炎、乾癬及び日焼けの如き他の炎症性皮膚状態;結膜炎を含む炎症性の眼の状態;胸焼け、痛み及び炎症に関連する他の状態の如き、それぞれ、IL−1、IL−18又はTNFによるような、過剰なサイトカイン生成により仲介される又は悪化される局所的疾患状態の治療において局所的にも使用されうる。歯周疾患はまた、局所的に及び体系的に、サイトカイン生成に関係している。したがって、歯肉炎及び歯周炎の如き経口疾患におけるサイトカイン生成に関連する炎症を制御するための式Iの化合物の使用は本発明の他の局面である。
【0061】
式Iの化合物はまたIL−8(インターロイキン−8、NAP)の生成を阻害することも示されている。したがって、さらなる局面において、本発明は、前記哺乳類に有効な量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を投与することを含む、その必要のある哺乳類におけるIL−8生成の阻害方法に関する。
【0062】
過剰な又は制御されないIL−8生成が疾患を悪化させる及び/又は引き起こすことに関係する多くの疾患状態がある。これらの疾患は乾癬、炎症性腸疾患、喘息、心臓の及び腎臓の再灌流損傷、成人呼吸促進症候群、血栓症及び糸球体腎炎の如き大量の好中球浸潤により特徴付けられる。全てのこれらの疾患は炎症部位への好中球の走化性の原因である増大したIL−8生成に関連する。他の炎症性サイトカイン(IL−1、TNF、及びIL−6)とは対照的に、IL−8は好中球走化性及び活性化を促進する独特な特性を有する。それゆえ、IL−8生成の阻害は好中球浸潤における直接的な減少を引き起こすであろう。
【0063】
式Iの化合物は、疾患状態を緩和する又は予防するために、サイトカイン生成が正常値まで又はいくつかの場合サブ正常値まで制御されるように、サイトカイン、特にIL−1、IL−6、IL−8、IL−18又はTNF生成を阻害するのに十分な量で投与される。例えば、本発明の関係における、IL−1、IL−6、IL−8、IL−18又はTNFの異常な値は(i)1ml当たり1ピコグラム以上の遊離(細胞に結合していない)IL−1、IL−6、IL−8、IL−18又はTNFの値;(ii)細胞に関連したIL−1、IL−6、IL−8、IL−18又はTNF;又は(iii)それぞれ、IL−1、IL−6、IL−8、IL−18又はTNFが生成される細胞又は組織における基礎値超のIL−1、IL−6、IL−8、IL−18又はTNFmRNAの存在を構成する。
【0064】
式Iの化合物はサイトカイン、特にIL−1、IL−6、IL−8、IL−18及びTNFの阻害剤であるという発見は、本明細書中に示される又は当業者に周知であるin vitro分析におけるIL−1、IL−8及びTNFの生成に対する式Iの化合物の効果に基づく。
【0065】
本明細書中で使用されるとき、上記用語「IL−1(IL−6、IL−8、IL−18又はTNF)の生成を阻害する」は:
a)非限定的に、単球又はマクロファージを含む全ての細胞によるサイトカインのin vivo放出の阻害による正常又はサブ−正常値への、ヒトにおけるサイトカイン(IL−1、IL−6、IL−8、IL−18又はTNF)の過剰のin vivo値の減少;
b)正常又はサブ−正常値への、ヒトにおけるサイトカイン(IL−1、IL−6、IL−8、IL−18又はTNF)の過剰のin vivo値の、ゲノムレベルでのダウンレギュレーション;
【0066】
c)正常又はサブ−正常値への、サイトカイン(IL−1、IL−6、IL−8、IL−18又はTNF)の直接的な合成の阻害による又は翻訳後事件としてのダウンレギュレーション;又は
d)正常又はサブ−正常値への、ヒトにおけるサイトカイン(IL−1、IL−6、IL−8、IL−18又はTNF)の過剰のin vivo値の、翻訳レベルでのダウンレギュレーション
をいう。
【0067】
本明細書中で使用されるとき、上記用語「TNF仲介疾患又は疾患状態」は、TNFそれ自体の生成により又はTNFが非限定的に、IL−1、IL−6、IL−8又はIL−18の如き他のモノカインの放出を引き起こすことにより、TNFが役割を果たすいずれかの及び全ての疾患状態をいう。例えば、IL−1が主な成分である、及びその生成又は活性がTNFに応答して悪化される又は分泌される疾患状態は、それゆえ、TNFにより仲介される疾患状態と考えられるであろう。
【0068】
本明細書中で使用されるとき、上記用語「サイトカイン」は細胞の機能に影響する及び免疫、炎症又は造血応答において細胞間の相互作用を調節する分子である分泌されるポリペプチドをいう。サイトカインは、非限定的に、どの細胞がそれらを生成するかに関わらず、モノカイン及びリンフォカインを含む。例えば、モノカインはマクロファージ及び/又は単球の如き単核細胞により生成される及び分泌されるものといわれる。しかしながら、ナチュラルキラー細胞、線維芽細胞、好塩基球、好中球、内皮細胞、脳の星状細胞、骨髄間質細胞、表皮ケラチノサイト及びB−リンパ球の如き多くの他の細胞もまたモノカインを生成する。リンフォカインは一般的にリンパ球細胞により生成されるものといわれる。サイトカインの例は、非限定的に、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−8(IL−8)、インターロイキン−18(IL−18)、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)及び腫瘍壊死因子ベータ(TNF−β)を含む。
【0069】
本明細書中で使用されるとき、上記用語「サイトカインを妨害する」又は「サイトカイン抑制量」は、過剰な又は制御されないサイトカイン生成により悪化される又は引き起こされる疾患状態の治療のために患者に与えられるとき、正常又はサブ−正常値までのサイトカインのin vivo値における減少を引き起こすであろう有効な量の式Iの化合物をいう。
【0070】
本明細書中で使用されるとき、句「HIVに感染したヒトの治療における使用のためのサイトカインの阻害」において引用されるサイトカインは(a)T細胞活性化の開始及び/又は維持及び/又は活性化T細胞仲介HIV遺伝子発現及び/又は複製及び/又は(b)悪液質又は筋肉退化の如きサイトカイン仲介疾患関連問題に関連するサイトカインである。
【0071】
(リンフォトキシンとしても知られる)TNF−βは(カケクチンとしても知られる)TNF−αと近い構造ホモロジーを有するので、及びそれぞれは同様の生物学的応答を誘発し、及び同じ細胞受容体に結合するので、TNF−α及びTNF−βの両方は本発明に係る化合物により阻害され、及びしたがって本明細書中で特に別段の定めなき限り「TNF」として集合的に呼ばれる。
【0072】
MAPK14、CSBP、p38又はRKとも呼ばれる、MAPキナーゼファミリーの比較的新しいメンバーはいくつかの研究室により同定されている[Lee et al., Nature, Vol. 300, n(72), 739−746(1994)を参照のこと]。二重リン酸化を介したこのタンパク質キナーゼの活性化は、物理化学的ストレス並びにリポポリサッカライド又はインターロイキン−1及び腫瘍壊死因子の如き前炎症性サイトカインでの処置の如き、広い範囲の刺激による刺激に際して種々の細胞系において観察されている。本発明に係るサイトカイン生合成阻害剤、式Iの化合物はCSBP/p38/RKキナーゼ活性の強い及び選択的な阻害剤であることが決定されている。これらの阻害剤は炎症応答におけるシグナル経路関与を決定することにおいて助けとなる。特に、完成したシグナル伝達経路がマクロファージでのサイトカイン生成におけるリポポリサッカライドの活性について指定されうる。本明細書中に既に示されたそれらの疾患に加えて、卒中、神経外傷/CNS頭部損傷、心臓の、脳の及び腎臓の再灌流損傷、血栓症、糸球体腎炎、糖尿病及び膵臓β細胞、多発性硬化症、筋肉退化、湿疹、乾癬、日焼け、及び結膜炎の治療もまた含まれる。
【0073】
上記サイトカイン阻害剤はその後抗炎症活性についていくつかの動物モデルにおいて試験された。サイトカイン抑制剤の独特の活性を明らかにするためにシクロオキシゲナーゼ阻害剤について比較的鈍感なモデル系が選ばれた。上記阻害剤は多くの上記in vivo研究において顕著な活性を示した。さらに、本発明に係るサイトカイン阻害剤はコラーゲン誘発関節炎モデル及び内毒素卒中モデルにおけるTNF生成の阻害において有効である。後者の研究において、TNFの血漿値における減少は生存及び内毒素卒中関連死亡率からの保護と相互関係があった。また重要なのはラット胎児長骨器官培養系において骨吸収を阻害することにおける化合物の有効性である。Griswold et al., (1988) Arthritis Rheum. 31:1406−1412; Badger et al., (1989) Circ. Shock 2751−61, Votta et al., (1994) in vitro. Bone 15, 533−538; Lee et al., (1993). B Ann. N. Y. Acad. Sci. 696, 149−170。
【0074】
IL−6及びIL−8の両方はライノウイルス(HRV)感染の間に生成され、及びHRV感染に関連する普通感冒の病因及び喘息の悪化に寄与することもまた認識されている(Turner et al., (1998), Clin. Infec. Dis., Vol. 26, p. 840; Teren et al.(1997), Am. J. Respir. Crit. Care Med., Vol. 155, p. 1362; Grunberg et al. (1997), Am. J. Respir. Crit. Care Med., Vol. 156, p. 609及びZhu et al., J. Clin. Invest. (1996), Vol. 97, p 421)。HRVでの肺の上皮細胞の感染はIL−6及びIL−8の生成をもたらすこともまたin vitroで示されている(Subauste et al., J. Clin. Invest. (1995), Vol. 96, p.549)。上皮細胞はHRV感染の初期部位を示す。それゆえ、本発明の他の局面は、必ずしもウイルスそれ自体の直接的な効果ではなく、ライノウイルス感染に関連する炎症を減少させるための処置方法である。
【0075】
本発明の他の局面は、過剰な又は不適切な新脈管形成により引き起こされる、慢性炎症性又は増殖性又は新脈管形成性疾患の治療のためのこれらのp38/サイトカイン阻害剤の新規使用を含む。
【0076】
不適切な新脈管形成成分を有する慢性疾患は、糖尿病性網膜症及び黄斑変性の如き、さまざまな眼の新生血管形成である。脈管構造の過剰な又は増大した増殖を有する他の慢性疾患は腫瘍成長及び転移、アテローム性動脈硬化症及びいくつかの関節炎状態である。それゆえ、サイトカイン阻害剤はこれらの疾患状態の新脈管形成成分の防御において利用性を有するであろう。
【0077】
上記用語「脈管構造の過剰な又は増大した増殖、不適切な新脈管形成」は本明細書中で使用されるとき、非限定的に、血管腫及び眼の疾患により特徴付けられる疾患を含む。
上記用語「不適切な新脈管形成」は、本明細書中で使用されるとき、非限定的に、癌、転移、関節炎及びアテローム性動脈硬化症において起こるような、付随の組織増殖を伴う小胞増殖により特徴付けられる疾患を含む。
【0078】
本発明はまた、前記哺乳類に有効な量の式Iの化合物を投与することを含む、哺乳類、好ましくはヒトにおけるMAPの阻害により治療され又は予防されうる障害の治療又は予防方法をも含む。
したがって、本発明は、前記哺乳類に有効な量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を投与することを含む、その必要のある哺乳類、好ましくはヒトにおけるp38キナーゼ仲介疾患の治療方法を提供する。
【0079】
処置に好ましいp38仲介疾患は、非限定的に、乾癬性関節炎、ライター症候群、慢性関節リウマチ、痛風、外傷性関節炎、風疹関節炎及び急性滑膜炎、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風関節炎及び他の関節炎状態、敗血症、敗血症性卒中、内毒素卒中、グラム陰性菌敗血症、トキシックショック症候群、アルツハイマー病、卒中、虚血性及び出血性卒中、神経外傷/閉鎖頭部損傷、喘息、成人呼吸促進症候群、慢性閉塞性肺疾患、大脳マラリア、髄膜炎、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺性サルコイドーシス、骨吸収疾患、骨粗しょう症、再狭窄、心臓再灌流損傷、脳の及び腎臓の再灌流損傷、慢性腎不全、血栓症、糸球体腎炎、糖尿病、糖尿病性網膜症、黄斑変性、移植片対宿主反応、同種移植片拒絶、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、神経変性疾患、多発性硬化症、筋肉退化、糖尿病性網膜症、黄斑変性、腫瘍成長及び転移、新脈管形成疾患、ライノウイルス感染、歯肉炎及び歯周炎の如き経口疾患、湿疹、接触性皮膚炎、乾癬、日焼け、及び結膜炎を含む。
【0080】
上記用語「治療する」は、本明細書中で使用されるとき、上記用語が適用する障害若しくは状態又は上記障害若しくは状態の1以上の症状を逆転させる、緩和する、その進行を阻害する又は予防することをいう。上記用語「治療」は、本明細書中で使用されるとき、「治療する」が上記に定義されるとおりの、治療する行為をいう。
【0081】
本発明はまた、上記治療において有効な量の式Iの化合物及び医薬として許容される担体を含む、ヒトを含む哺乳類における関節炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、痛風、外傷性関節炎、風疹関節炎及び急性滑膜炎、慢性関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風関節炎及び他の関節炎状態、敗血症、敗血症性卒中、内毒素卒中、グラム陰性菌敗血症、トキシックショック症候群、アルツハイマー病、卒中、神経外傷、喘息、成人呼吸促進症候群、大脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺のサルコイドーシス、骨吸収疾患、骨粗しょう症、再狭窄、心臓の及び腎臓の再灌流損傷、血栓症、糸球体腎炎、糖尿病、移植片対宿主反応、同種移植片拒絶、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、筋肉退化、湿疹、接触性皮膚炎、乾癬、日焼け又は結膜炎卒中から成る群から選ばれる状態の治療のための医薬組成物をも含む。
【0082】
本発明はまた、上記治療において有効な量の請求項1に記載の化合物及び医薬として許容される担体を含む、ヒトを含む哺乳類におけるMAPキナーゼの阻害により治療されうる状態の治療のための医薬組成物をも含む。
【0083】
本発明はまた、上記治療において有効な量の請求項1に記載の化合物及び医薬として許容される担体を含む、ヒトを含む哺乳類におけるp38キナーゼの阻害により治療されうる状態の治療のための医薬組成物をも含む。
【0084】
本発明はまた式Iの化合物のプロドラッグを含む医薬組成物をも含む。遊離アミノ、アミド、ヒドロキシ又はカルボン酸基を有する式Iの化合物はプロドラッグに変換されうる。プロドラッグは、アミノ酸残基又は2以上(例えば、2、3又は4)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖が式Iの化合物の遊離アミノ、ヒドロキシ又はカルボン酸基にペプチド結合をとおして共有結合される化合物を含む。上記アミノ酸残基は通常3文字シンボルにより示される20の天然アミノ酸を含み、及びまた4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチヂン、ノルヴァリン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノブチル酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン及びメチオニンスルフォンをも含む。プロドラッグはまたカーボネート、カルバメート、アミド及びアルキルエステルがカルボニル炭素プロドラッグ側鎖をとおして上記式Iの置換基に共有結合される、化合物をも含む。
【0085】
本発明はまた持続性放出組成物をも含む。
【0086】
当業者は、本発明に係る化合物は多様な配列の疾患の治療において有用であることを理解するであろう。当業者はまた特定の疾患の治療において本発明に係る化合物を用いるとき、本発明に係る化合物はその疾患のために使用されるさまざまな現存の治療用剤と混合されうることをも理解するであろう。
【0087】
慢性関節リウマチの治療のために、本発明に係る化合物は(Remicade, CDP−870及びD27の如き)抗−TNFモノクローナル抗体及び(Enbrel(商標)の如き)TNF受容体免疫グロブリン分子の如きTNF−α阻害剤、IL−1阻害剤、受容体アンタゴニスト又は可溶性IL−1ra(例えば、Kineret又はICE阻害剤)、(セレコキシブ、ロフェコキシブ、ヴァルデコキシブ及びエトリコキシブの如き)COX−2阻害剤、メタロプロテアーゼ阻害剤(好ましくはMMP−13選択的阻害剤)、p2X7阻害剤、α2δ阻害剤、低用量メトトレキセート、レフルノミデ、ヒドロキシクロロキン、d−ペニシルラミン、アウラノフィン又は非経口の若しくは経口の金の如き剤と混合されうる。
【0088】
本発明に係る化合物はまた変形性関節症の治療のための現存の治療用剤と共にも使用されうる。共に使用されるのに好適な剤はピロキシカム;ヂクロフェナック;ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン及びイブプロフェンの如きプロピオン酸;メフェナム酸の如きフェナメート;インドメタシン;サリンダック;アパゾン;フェニルブタゾンの如きピラゾロン;アスピリンの如きサリチル酸塩;セレコキシブ、ヴァルデコキシブ、ロフェコキシブ及びエトリコキシブの如きCOX−2阻害剤;鎮痛薬の如き、標準の非ステロイド抗炎症剤(本明細書中後にNSAID’s)並びにコルチコステロイド及びヒアルガン及びシンヴィスクの如きヒアルロン酸の如き関節内治療を含む。
【0089】
本発明に係る化合物はまたエンドスタチン及びアンジオスタチンの如き抗癌剤又はアドリアマイシン、ダウノマイシン、シス−プラチナ、エトポシド、タキソール、タキソテレ及びヴィンクリスチンの如きアルカロイドの如き細胞毒性薬、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、VegF阻害剤、及びメトトレキセートの如き抗代謝薬と共にも使用されうる。
本発明に係る化合物はまたViracept、AZT、アシクロヴィル及びファムシクロヴィルの如き抗ウイルス剤、及びValantの如き抗敗血症化合物と共にも使用されうる。
【0090】
本発明に係る化合物はまたカルシウムチャネルブロッカーの如き心血管剤、スタチン、フィブレートの如き脂質低下剤、ベータ−ブロッカー、Ace阻害剤、アンギオテンシン−2受容体アンタゴニスト及び血小板凝集阻害剤と共にも使用されうる。
本発明に係る化合物はまた(セルトラリンの如き)抗うつ剤、(デプレニル、L−ドーパ、Requip、Mirapex、セレジン及びラサジリンの如きMAOB阻害剤、Tasmarの如きcomP阻害剤、A−2阻害剤、ドーパミン再取り込み阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドーパミンアゴニスト及び神経型一酸化窒素合成酵素の阻害剤の如き)抗−パーキンソン病薬、及びドネペジル、タクリン、α2δ阻害剤、COX−2阻害剤、プロペントフィルリン又はメトリフォネートの如き抗アルツハイマー病薬の如きCNS剤と共にも使用されうる。
【0091】
本発明に係る化合物はまたロロキシフェン、ドロロキシフェン、ラソフォキシフェン又はフォソマックスの如き骨粗しょう症薬及びFK−506及びラパマイシンの如き免疫抑制剤と共にも使用されうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0092】
発明の詳細な説明
式Iの化合物は以下の反応スキーム及び議論にしたがって調製されうる。別段の定めなき限り、以下の反応スキーム及び議論中のs、R1及びR2並びに構造式I(及びIa、Ib及びIc)は上記に定義されるとおりである。
【化8】

【0093】
【化9】

【0094】
【化10】

【0095】
【化11】

【0096】
【化12】

【0097】
【化13】

【0098】
スキーム1は式IIIの化合物からの2段階での式Iの化合物の調製を示す。スキーム1を参照して、Lがフルオロ、ブロモ、クロロ又はメシル(MeSO2)、好ましくはブロモ又はクロロの如き好適な脱離基である、式IIIの化合物はヒドラジンとの反応により式IIの対応する化合物に変換され、ヒドラジノ−ピリヂンを形成し、続いてアシル化試薬との反応にかけられる。ヒドラジンとの式IIIの化合物の反応はピリヂン、エタノール又は第三−ブタノールの如き極性溶媒中で又はストレートのヒドラジン中で、好ましくはストレートのヒドラジン中で行われる。上記ヒドラジン反応は約40℃〜約80℃、好ましくは約70℃の温度で約10分間〜約60分間、好ましくは約15分間行われる。式IIの化合物を与えるための生ずるヒドラジノ−ピリヂンのアシル化は約0℃〜約22℃の温度で、好ましくは約0℃で、約10分間〜約120分間、好ましくは約30分間、ヂクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ヂメチルフォルムアミド、好ましくはヂクロロメタンの如き溶媒中でトリエチルアミンの如き塩基の存在下で塩化酸で行われる。あるいは、上記ヒドラジノ−ピリヂンは当業者に周知の様式でアミドカップリング剤を用いて、カルボン酸でアシル化され、式IIの化合物を与えうる。
【0099】
式IIの化合物は好適な脱水剤を用いて又はシクロ−脱水を促進する条件下で式Iの化合物に変換されうる。式IIの化合物の式Iの化合物への変換に好適な脱水剤は酸塩化リン及びヂクロロトリフェニルフォスフォラン、好ましくは酸塩化リンを含む。酸塩化リンを用いる反応は約2時間〜約16時間、約60℃〜約110℃の温度でストレートの酸塩化リン中で行われる。ヂクロロトリフェニルフォスフォランを用いる反応は約1時間〜約8時間、約60℃〜還流の温度で、アセトニトリルの如き極性溶媒中で、トリエチルアミンの如き塩基の存在下で行われる。
【0100】
式IIIの化合物はスキーム2の方法にしたがって作出されうる。
スキーム2は、スキーム1において式Iの化合物の調製において有用な中間体である、式IIIの化合物の調製を示す。スキーム2を参照して、式IIIの化合物はフォルムアミドと共に熱することにより式IVの化合物から調製されうる。前記反応は約100℃〜約160℃の温度で、約1時間〜約12時間、好ましくは約160℃で約3時間行われうる。
【0101】
式IVの化合物は、0℃〜30℃の温度で、好ましくは22℃で、15分間〜約3時間、好ましくは30分間、メタノール、エタノール、イソプロパノール、好ましくはメタノールの如きアルコール溶媒中で、ナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシド又はナトリウム第三−ブトキシド、好ましくはナトリウムメトキシドとの反応により式Vの化合物から調製される。前記反応は続いて水性酸ワークアップにかけられる。
【0102】
式Vの化合物は極性溶媒中でのBr2との反応により式VIの化合物から調製される。好適な溶媒は酢酸、クロロフォルム又は塩化メチレン、好ましくは酢酸を含む。前記反応は約0℃〜約30℃の温度で、好ましくは約22℃(室温)で、約10分間〜約4時間、好ましくは約30分間行われる。
【0103】
式IVの化合物はまたスキーム4の方法にしたがっても調製されうる。式VIの化合物はスキーム5の方法にしたがって調製される。式VIに関連する化合物の合成についての追加の経路は文献中に示される:Davies, I. W.; Marcoux, J.−F.; Corley, E. G.; Journet, M.; Cai, D.−W.; Palucki, M.; Wu, J.; Larsen, R. D.; Rossen, K.; Pye, P. J.; DiMichele, L.; Dormer, P.; Reider, P. J.; J. Org. Chem., Vol. 65, pp.8415−8420(2000)。
【0104】
スキーム3はスキーム1における中間体である、式IIIの化合物の代替の調製を示す。スキーム3を参照して、式IIIの化合物は塩基の存在下で以下の式:
【化14】

のイソシアニドとの反応により式VIIIの化合物から調製されうる。好適な塩基は炭酸カリウム、トリエチルアミン、2,6−ルチヂン及びピペラジン、好ましくは2,6−ルチヂンを含む。好適な溶媒はテトラヒドロフラン、アセトニトリル又はN,N−ヂメチルフォルムアミド、好ましくはアセトニトリル又はテトラヒドロフランの如き極性溶媒を含む。前記反応は約22℃〜約70℃の温度で、好ましくは約22℃で約2時間〜約4時間、続いて約70℃の温度で約6時間〜約10時間行われうる。
【0105】
式VIIIの化合物は文献中で知られる(Lがクロロであるとき:Corey, E. J.; Loh, T−P.; Achyutha Rao, S.; Daley, D. C.; Sarshar, S. J. Org. Chem., 1993, 58,5600−5602を参照のこと)又は当業者に周知の様式で調製されうる。
【0106】
以下の式:
【化15】

の化合物は以下の式:
【化16】

の化合物をPOCl3の如き脱水剤、及び2,6−ルチヂン又は2,4,6−トリメチルピリヂンの如き弱い妨げられた塩基と反応させることにより調製されうる。好ましくは、上記反応はテトラヒドロフラン、ヂメチルエーテル又は塩化メチレンの如き溶媒の存在下で行われる。前記反応は約−20℃〜約50℃の温度で、好ましくは約0℃〜およそ室温で約2時間〜約48時間、好ましくは約24時間行われうる。
【0107】
スキーム4は、式Iの化合物の調製において有用な、スキーム2における中間体である、式IVの化合物の代替の調製を示す。
【0108】
式IVの化合物は、Mが臭化又は塩化マグネシウムの如き活性化基である、式(R15−フェニル−Mの好適に置換されたGrignard試薬との反応により式IXの化合物から調製されうる(例えば:Jackson, W. R.; Jacobs, H. A.; Jayatilake, G. S.; Matthews, B. R.; Watson, K. G. Aust. J. Chem. 1990, 43, 2045−2062を参照のこと)。式(R15−フェニル−Mの試薬は商業的に入手可能である又は当業者により調製されうる。
【0109】
式Xの化合物の調製及び式IXのトリメチルシリルシアノヒドリンへの変換は、例えば、Pirrung, M.; Shuey, S. W.; J. Org. Chem. 1994, 59, 3890−3897の如き、当業者に知られる方法により行われうる。
【0110】
スキーム5は、スキーム2における式IIIの化合物の調製のための中間体である、式VIの化合物の調製を示す。スキーム5を参照して、式VIの化合物は溶媒中での、Mが臭化マグネシウム又は塩化マグネシウムの如き活性化基である式(R15−フェニル−MのGrignard試薬との反応により式XIの化合物から調製される。好適な溶媒はテトラヒドロフラン、ヂオキサン、ヂメチルエチルエーテル又はヂエチルエーテル、好ましくはテトラヒドロフランを含む。前記反応は約−78℃〜0℃の温度で約10分間〜約24時間、好ましくは約2時間行われる。式(R15−フェニル−Mの試薬は商業的に入手可能である又は当業者により調製されうる。
【0111】
式XIの化合物は、P2及びP3は独立に(C1−C6)アルキル、好ましくはメチルである、以下の式:
【化17】

のヒドロキシルアミン、及び活性化剤との反応により式XIIの化合物から調製される。好適な活性化剤はカルボニルヂイミダゾール又は塩化オキサリル、好ましくはカルボニルヂイミダゾールを含む。好適な溶媒は塩化メチレン又はヂクロロエタンを含む。
【0112】
式XIIの化合物は、約100℃〜約120℃、好ましくは約110℃の温度で約1時間〜約6時間、好ましくは約4時間、硫酸/水(好ましくは1:1)との反応によるように、酸加水分解により式XIVの化合物から調製される。あるいは、式XIIの化合物は約23℃〜約100℃の温度で、好ましくは約80℃の温度で約4〜10時間、水中での水酸化リチウムとの反応によるように、塩基加水分解により調製される。
【0113】
スキーム6は式Iの化合物の代替の調製を示す。スキーム6を参照して、式Iの化合物は以下の式:
【化18】

のホウ酸エステル、触媒、及び塩基との反応により式XVの化合物から調製されうる。好適な触媒は銅又は(酢酸パラヂウム(Pd(OAc)2)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラヂウム(0)又はPd(dppf)Cl2の如き)パラヂウム、好ましくはテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラヂウム(0)を含む。好適な塩基はトリエチルアミン又はピリヂンの如き第三アミン塩基、Na2CO3、ナトリウムエトキシド、及びK3PO4、好ましくはトリエチルアミンを含む。好適な溶媒はメタノール、エタノール及びブタノールの如きアルコール、塩化メチレン、ヂメチルスルフォキシド(DMSO)又はテトラヒドロフラン(THF)、好ましくはエタノールを含む。前記反応は約10℃〜85℃、好ましくは約70℃の温度で約6〜72時間窒素ガス気体下で典型的に行われる。パラヂウム触媒ホウ酸カップリングはMiyaura, N., Yanagi, T., Suzuki, A. Syn. Comm. 1981, 11, 7, p.513中に示される。
【0114】
式XVの化合物は三臭化フェニルトリメチルアンモニウム、N−ブロモスクシンイミド、臭化ピリヂニウム、ペルブロマイド、Br2又はBr2−Ph3P、好ましくはN−ブロモスクシンイミドの如き、好適な臭素化試薬との反応により式XVIIの化合物から調製される。上記臭素化はN,N−ヂメチルフォルムアミド、ヂエチルエーテル又はテトラヒドロフラン、好ましくはヂメチルフォルムアミドの如き反応不活性溶媒中で行われうる。前記反応は約−78℃〜約40℃、好ましくは約−78℃〜約0℃の温度で約1時間〜約16時間行われる。好ましくは、上記反応はリチウムビス(トリメチルシリル(アミド))の如き塩基の存在下で行われる。
【0115】
式XVIIの化合物は溶媒中での塩基の存在下でのトシルメチルイソシアニドとの反応により式XVIIIの化合物から調製される。好適な塩基は炭酸アルカリ金属又は水酸化塩基、好ましくは炭酸カリウムを含む。前記反応に好適な溶媒はヘキサン、塩化メチレン、アルコール、N,N−ヂメチルフォルムアミド(DMF)、N,N−ヂメチルアセトアミド又はN−メチルピローリヂノン(NMP)、好ましくはメタノールを含む。前記反応は約30℃〜180℃、好ましくは約65℃の温度で約30分間〜24時間、好ましくは約2時間行われうる。
【0116】
あるいは、式Iの化合物は、式VIIIの化合物の式IIIの化合物への変換についてスキーム3中に以前に示されるように、式XVIIIのアルデヒドから調製されうる。
式XVIIIの化合物はフォルミル化反応により、L’がブロモ又はヨードである式XIXの化合物から調製される。フォルミル化に好適な条件は約0℃の温度で約30分間のテトラヒドロフランの如き溶媒中での塩化イソプロピルマグネシウムとの金属ハロゲン交換、続いて約0℃の温度でのN,N−ヂメチルフォルムアミドの添加、続いて約50℃の温度での約2.5時間を含む。
【0117】
式XIXの化合物は文献(Moran, D. B.; Morton, G. O.; Albright, J. D., J. Heterocycl. Chem., Vol. 23, pp. 1071−1077(1986))中に示されるように又は式IIIの化合物の式Iの化合物への変換についてスキーム1中に示されるように、式XXの化合物から調製される。式XXの化合物は商業的に入手可能である。
【0118】
天然で塩基性である式Iの化合物はさまざまな無機及び有機酸と共に広くさまざまな異なる塩を形成することができる。上記塩は動物への投与のために医薬として許容されるものでなければならないが、医薬として許容されない塩として反応混合物から式Iの化合物をはじめに単離し、及びその後アルカリ試薬での処理により後者を遊離塩基化合物に単純に戻し、及び続いて上記遊離塩基を医薬として許容される酸添加塩に変換することは実際にしばしば所望される。本発明に係る塩基性化合物の酸付加(添加)塩は水性溶媒媒体中で又はメタノール若しくはエタノールの如き好適な有機溶媒中で上記塩基性化合物を実質的に当量の選択された鉱物又は有機酸で処理することにより容易に調製される。上記溶媒の慎重な蒸発に際して、上記所望の固体塩が得られる。
【0119】
本発明に係る塩基性化合物の医薬として許容される酸添加塩を調製するために使用される酸は非毒性酸添加塩、すなわち、塩酸、臭化水素酸、ヨー化水素酸、硝酸、硫酸若しくは重硫酸、リン酸若しくは酸リン酸、酢酸、乳酸、クエン酸若しくは酸クエン酸、酒石酸若しくは重酒石酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、糖酸、ベンゾエート、メタンスルフォン酸及びパモエート[すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)]塩の如き、薬理学的に許容される陰イオンを含む塩を形成するものである。
【0120】
また天然で酸性でもあるそれらの式Iの化合物はさまざまな薬理学的に許容される陽イオンと塩基性塩を形成することができる。上記塩の例はアルカリ金属又はアルカリ土壌金属塩、及び特に、ナトリウム及びカリウム塩を含む。これらの塩は慣用の技術により全て調製される。本発明に係る医薬として許容される塩基性塩を調製するために試薬として使用される化学塩基は本明細書中に示される式Iの酸性化合物と非毒性塩基性塩を形成するものである。これらの非毒性塩基性塩はナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウム等の如き薬理学的に許容される陽イオンに由来するものを含む。これらの塩は対応する酸性化合物を所望の薬理学的に許容される陽イオンを含む水溶液で処理し、及びその後生ずる溶液を、好ましくは減圧下で、乾燥するまで蒸発させることにより容易に調製されうる。あるいは、それらはまた酸性化合物の低級アルカノール酸溶液及び所望のアルカリ金属アルコキシドを共に混合し、及びその後生ずる溶液を以前と同様の様式で乾燥するまで蒸発させることによっても調製されうる。いずれの場合でも、反応の完了及び最大生成物収率を確実にするために化学量論量の試薬が好ましく使用される。
【0121】
上記に示されるさまざまな障害のための本発明に係る化合物の活性は1以上の以下の分析にしたがって決定されうる。試験された本発明に係る全ての化合物はTNFα及びMAPKAP in vitro分析において10μM未満のIC50及びin vivoTNFα分析において50mg/kg未満のED50を有した。
【0122】
本発明に係る化合物はまた1以上のp38キナーゼ(すなわち、α、β、γ、及びδ)又は他のMAPキナーゼについても特異な活性を有する(すなわち、それらについて選択的である)。いくつかの化合物はp38β、γ、及びδにまさってp38αについて選択的であり、他の化合物はp38α、γ、及びδにまさってp38βについて選択的であり、他の化合物はp38γ及びδにまさってp38α及びβについて選択的である。選択性はそれぞれの分析において阻害のIC50の割合として標準の分析において計測される。
【0123】
ヒトLPS−処理単球によるTNF−アルファ生成の阻害
単核細胞をAccuspin System−Histopaque−1077管(Sigma A−7054)を用いてヘパリン化血液(1.5mlの注入用1000ユニット/mlヘパリン、Elkins−Sinn, Inc.それぞれ50mlサンプルに添加された)から単離する。35ミリリットルの全血をそれぞれの管に添加し、及び上記管をBeckman GS−6KR遠心分離機内で室温でブレーキなしで2100rpmで20分間遠心分離する。界面に集まる単核細胞を除去し、最終容積50mlを達成するようにMacrophage血清フリー培地(Gibco−BRL)(Medium)で希釈し、及び10分間の遠心分離により集める。上記上清を捨て、及び上記細胞ペレットを50mlのMediumで2回洗浄する。カウントのために2回目の洗浄前に懸濁された細胞のサンプルを取る。このカウントに基づいて、上記洗浄された細胞を1%FBSを含むMediumで希釈して2.7×106細胞/mlの最終濃度にし、及び75μlの細胞懸濁物を96ウェルプレートのそれぞれのウェルに添加する。
【0124】
化合物調製
化合物を2μM〜0.16μMの最終濃度で機械的に試験するが、活性に因り、他の濃度で試験しうる。試験剤をDMSOで希釈して2mMの最終濃度にする。このストック溶液から、化合物をはじめに1:25(5μlの2mMストック+400ng/ml LPS及び1%FBSを含む120μl Medium)に希釈し、その後40μlのこの希釈液をLPSを含む360μlのMediumで希釈する。連続希釈(1/5)を、20μlのこの希釈液をLPS及び0.4%DMSOを含む80μlのMediumに移すことにより達成し、8μM、1.6μM、0.32μM及び0.064μMの試験剤を含む溶液をもたらす。
【0125】
分析
分析を、25μlの希釈された化合物を単核細胞懸濁物に添加し、及び上記細胞を37℃及び5%CO2で4時間インキュベートすることにより開始する。
96ウェルプレートをその後Beckman GS−6KR遠心分離機内で4℃で2000rpmで10分間遠心分離し、細胞及び細胞くずを除去する。90μl等分のそれぞれの上清を除去し、及び96ウェル丸底プレートに移し、及びこのプレートを、全ての細胞くずが除去されることを確実にするために再び遠心分離する。80μlの上清を除去し、及び新しい丸底プレートに移す。
【0126】
上清をR&D ELISAを用いてTNF−α内容量について分析する。25μlのそれぞれのサンプルを25μlの分析希釈液RD1F及び75μlの分析希釈液RD5を含むELISAウェルに添加する。上記分析を、100μlの結合物及び基質溶液を使用することを除いては、キットの説明書にしたがって行う。
【0127】
解釈
サンプル中のTNF−α免疫反応性の量は以下のように計算される:
%Control=(X−B)/(TOT−B)×100
ここで、X=試験化合物ウェルのOD450nm
B=ELISA上の試薬ブランクウェルのOD450
Total=0.1%DMSOのみで処理された細胞のOD450
【0128】
MAPKAPキナーゼ−2分析
単球調製
単核細胞を上記に詳述されるようにヘパリン化ヒト血液から集める。洗浄された細胞を(2mlのMedium中)1×107細胞/ウェルの濃度で6−ウェルクラスタープレートにまく。上記プレートを5%CO2環境で37℃で2時間インキュベートし、単球の接着を許容し、その後非接着細胞を含む培地上清を吸引により除去し、及び2mlの新しい培地をそれぞれのウェルに添加する。プレートを5%CO2環境で37℃で一晩インキュベートする。
【0129】
細胞活性化
培地を吸引により除去する。接着した細胞を新しい培地で2回すすぎ、その後10%熱不活性化FBSを含む2mlのD−MEM培地をそれぞれのウェルに添加する。試験化合物をDMSO中に30mMストック溶液として調製し、及び1%DMSO及び10%FBSを含むD−MEM中に1250、250、50、10、2、及び0.4μMに希釈する。単球培養物の個々のウェルに、20μlのこれらの試験剤希釈物を添加し、12.5、2.5、0.5、0.1、0.02及び0.004μMの最終試験剤濃度をもたらす。10分間のプレインキュベーション時間の後、20μlの10μg/ml LPS溶液をそれぞれのウェルに添加し、及び上記プレートを37℃で30分間インキュベートする。培地を続いて吸引により除去し、接着した単球をリン酸緩衝塩水で2回すすぎ、その後1% Triton X−100を含む1mlのリン酸緩衝塩水(Lysis−Buffer;また10mlの緩衝液当たり1 Complete(商標)タブレット[Boehringer #1697498]を含む)をそれぞれのウェルに添加する。上記プレートを氷上で10分間インキュベートし、その後上記溶解物を回収し、及び遠心分離管に移す。全てのサンプルを回収した後、それらを遠心分離(45,000rpm、20分間)により不純物除去し、及び上記上清を回復させる。
【0130】
MAPKAPキナーゼ−2免疫沈降
5μlの抗−MAPKAPキナーゼ−2抗血清(Upstate Biotechnology #06−534)をPBS中1mlのProtein G−Sepharose(Sigma #P3296)の5%懸濁物を含むマイクロ遠心分離管(上記細胞溶解物のそれぞれについて1管)に添加する。これらの混合物を4℃で1時間インキュベートし(揺すりながら)、その後結合したIgGを含むビーズを遠心分離により回復させ、及び繰り返される遠心分離により1mlの50mM Tris、pH7.5、1mM EDTA、1mM EGTA、0.5mM オルトヴァナヂウム酸塩、0.1% 2−メルカプトエタノール、1% Triton X−100、5mM ピロリン酸ナトリウム、10mM β−グリセロリン酸ナトリウム、0.1mM フッ化フェニルメチルスルフォニル、1μg/ml ロイペプチン、1μg/ml ペプスタチン、及び50mM フッ化ナトリウム(緩衝液A)で2回洗浄する。個々の単球細胞抽出物(上記で調製された)をその後IgGでコーティングしたProtein G−Sepharoseのペレットを含むそれぞれの管に移し、及びこれらの混合物を4℃で2時間インキュベートする(揺すりながら)。上記ビーズを続いて遠心分離により回収し、及び生ずるビーズペレットを0.5M NaClを含む0.5mlの緩衝液Aで1回、0.5mlの緩衝液Aで1回、及び20mM MOPS、pH7.2、25mM β−グリセロリン酸ナトリウム、5mM EGTA、1mM オルトヴァナヂウム酸塩、及び1mM ヂチオスレイトールから成る0.1mlの緩衝液(緩衝液B)で1回洗浄する。
【0131】
MAPKAPキナーゼ−2活性評価
キナーゼ反応混合物ストックを以下のように調製する:2.2μlの10mCi/ml γ[32P]ATP、88μlのMAPKAPキナーゼ−2基質ペプチド(Upstate Biotechnology #12−240)の1.3μg/ml溶液、11μlの10mM ATP、8.8μlの1M MgCl2、及び770μlの緩衝液B。免疫複合体−Protein G−ペレットのそれぞれに、40μlのキナーゼ反応混合物を添加し、及び上記管を30℃で30分間インキュベートする。上記管をその後遠心分離により不純物除去し、及び25μlのそれぞれの上清をP81フィルターペーパーディスク(Whatman #3698−023)上にスポットする。全ての流動体が上記フィルター内に浸された後、それぞれのディスクを6−ウェルクラスタープレートの個々のウェル内に置き、及び上記フィルターを2mlの0.75%リン酸(3洗浄/それぞれ15分間)で及びアセトン(10分間)で1回連続して洗浄する。上記フィルターをその後風乾させ、及び5mlのシンチレーション流体を含む液体シンチレーションバイアルに移す。放射活性を液体シンチレーションカウンター内で決定する。それぞれの試験剤濃度での上記フィルターに結合した放射活性の量を試験剤の不存在下でLPSで刺激した細胞から観察されたもののパーセントとして表す。
【0132】
TNFαのin vivo阻害
ラットを体重計測し、及び媒体(0.5%メチルセルロース、Sigma)又は薬物を投与した。1時間後、動物にLPS(50μg/ラット、Sigma L−4130)をi.p.注入した。90分後、動物をCO2での窒息により殺し、及び心臓穿刺により出血させた。血液をVaccutainer管中に集め、及び3000rpmで20分間スピンさせた。血清をELISA(R&D Systems)を用いてTNFα値について分析した。
【0133】
本発明はまた式Iの化合物のプロドラッグを含む医薬組成物及びそれを投与することを含む治療又は予防方法をも含む。遊離アミノ、アミド、ヒドロキシ又はカルボン酸基を有する式Iの化合物はプロドラッグに変換されうる。プロドラッグはアミノ酸残基又は2以上の(例えば、2、3又は4)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖が式Iの化合物の遊離のアミノ、ヒドロキシ又はカルボン酸基にペプチド結合をとおして共有結合される、化合物を含む。上記アミノ酸残基は通常3文字シンボルにより示される20の天然アミノ酸を含み、及びまた4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチヂン、ノルヴァリン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノブチル酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン及びメチオニンスルフォンをも含む。プロドラッグはまたカーボネート、カルバメート、アミド及びアルキルエステルがカルボニル炭素プロドラッグ側鎖をとおして上記式Iの置換基に共有結合される、化合物をも含む。
【0134】
本発明に係る組成物は1以上の医薬として許容される担体を用いて慣用の様式で調合されうる。したがって、本発明に係る活性化合物は経口の、頬の、鼻内の、非経口の(例えば、静脈内の、筋内の又は皮下の)若しくは直腸の投与のために又は吸入若しくは粉吹きによる投与に好適な形態で調合されうる。
【0135】
経口投与のために、上記医薬組成物は、結合剤(例えば、前ゼラチン化トウモロコシデンプン、ポリヴィニルピローリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微晶質セルロース又はリン酸カルシウム);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク又はシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン又はグリコール酸ナトリウムデンプン);又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)の如き医薬として許容される賦形剤と共に、例えば、慣用の方法により調製される錠剤又はカプセルの形態を取りうる。上記錠剤は本分野において周知の方法によりコーティングされうる。経口投与のための液体調製物は、例えば、溶液、シロップ又は懸濁物の形態を取りうる又はそれらは使用前の水又は他の好適な媒体との構成のための乾燥製品として提示されうる。上記液体調製物は懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース又は水素化食用油);乳化剤(例えば、レシチン又はアカシア);非水性媒体(例えば、アーモンド油、油性エステル又はエチルアルコール);及び保存剤(例えば、メチル又はプロピルp−ヒドロキシベンゾエート又はソルビン酸)の如き医薬として許容される添加物と共に慣用の方法により調製されうる。
【0136】
頬の投与のために、上記組成物は慣用の様式で調合される錠剤又は舐剤の形態をとりうる。
式Iの化合物はまた当業者に周知の方法にしたがって維持されたデリバリーのためにも調合されうる。上記調剤の例は、それらを全体として本明細書中に援用する、米国特許第3,538,214号、第4,060,598号、第4,173,626号、第3,119,742号、及び第3,492,397号中に見られうる。
【0137】
本発明に係る活性化合物は、慣用のカテーテル法技術又は融合を用いることを含む、注入による非経口投与のために調合されうる。注入のための調剤は添加された保存剤と共に、単位投与形態中、例えば、アンプル中又は複数用量容器中に提示されうる。上記組成物は油性又は水性媒体中の懸濁物、溶液又はエマルジョンの如き形態をとりうる、及び懸濁物、安定化剤及び/又は分散剤の如き調合剤を含みうる。あるいは、上記活性成分は使用前の、好適な媒体、例えば、滅菌ピローゲンフリー水との再構成のための粉末形態でありうる。
【0138】
本発明に係る活性化合物はまた、例えば、ココアバター又は他のグリセリドの如き慣用の坐剤基礎を含む、坐剤又は保持浣腸の如き直腸組成物でも調合されうる。
鼻内投与又は吸入による投与のために、本発明に係る活性化合物は患者により圧搾される又は汲み出されるポンプスプレイ容器からの溶液又は懸濁物の形態で又は好適な駆出剤、例えば、ヂクロロヂフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ヂクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の好適な気体の使用を伴う、加圧容器又は噴霧器からのエーロゾルスプレイ提示として便利にデリバリーされる。加圧エーロゾルの場合には、投与単位は計測された量をデリバリーするための弁を提供することにより決定されうる。上記加圧容器又は噴霧器は上記活性化合物の溶液又は懸濁物を含みうる。吸入器又は粉吹き器における使用のためのカプセル及びカートリッヂ(例えば、ゼラチンから作られる)は本発明に係る化合物及びラクトース又はデンプンの如き好適な粉末基礎の粉末混合物を含んで調合されうる。
【0139】
上記に示される状態(例えば、炎症)の治療のための平均的な成人ヒトへの経口の、非経口の又は頬の投与のための本発明に係る活性化合物の提案される用量は単位用量当たり0.1〜200mgの活性成分であり、それは、例えば、1日1〜4回投与されうる。
平均的な成人ヒトにおける上記に示される状態(例えば、成人呼吸促進症候群)の治療のためのエーロゾル調剤は、エーロゾルのそれぞれの計測された用量又は「パフ」が20μg〜1000μgの本発明に係る化合物を含むよう、好ましく配置される。エーロゾルでの日全体の用量は100μg〜10mgの範囲内であろう。投与は、例えば、それぞれの時に1、2又は3用量を与えて、毎日数回、例えば、2、3、4又は8回でありうる。
平均的な成人ヒトにおける上記に示される状態の治療のためのエーロゾル組み合わせ調剤は、エーロゾルのそれぞれの計測された用量又は「パフ」が約0.01mg〜約100mgの本発明に係る活性化合物、好ましくは約1mg〜約10mgの上記化合物を含むよう、好ましく配置される。投与は、例えば、それぞれの時に1、2又は3用量を与えて、毎日数回、例えば、2、3、4又は8回でありうる。
【0140】
平均的な成人ヒトにおける上記に示される状態の治療のためのエーロゾル調剤は、エーロゾルのそれぞれの計測された用量又は「パフ」が約0.01mg〜約2000mgのMAPキナーゼ阻害剤、好ましくは約1mg〜約200mgのp38キナーゼ阻害剤を含むよう、好ましく配置される。投与は、例えば、それぞれの時に1、2又は3用量を与えて、毎日数回、例えば、2、3、4又は8回でありうる。
【0141】
以下の実施例は本発明に係る化合物の調製を例示する。融点は補正されていない。NMRデータは100万当たりの部分(δ)で報告され、及びサンプル溶媒(別段の定めなき限り、重水素クロロフォルム)からの重水素ロックシグナルに引用される。マススペクトルデータはGilson勾配ハイパフォーマンス液体クロマトグラフで装備したMicromass ZMD APCI Mass Spectrometerを用いて得られた。以下の溶媒及び勾配は分析のために使用された。溶媒A;98%水/2%アセトニトリル/0.01%蟻酸及び溶媒B;0.005%蟻酸を含むアセトニトリル。典型的に、勾配は95%溶媒Aで開始し、及び100%溶媒Bで終了して、約4分間にわたり行われた。主な溶離成分のマススペクトルはその後165amu〜1100amuの分子量範囲をスキャニングするポジティブ又はネガティブイオンモードにおいて得られた。特定の回転はナトリウムDライン(589nm)を用いて室温で計測された。市販の試薬はさらなる精製なしに利用された。THFはテトラヒドロフランをいう。DMFはN,N−ヂメチルフォルムアミドをいう。クロマトグラフィーは32〜63mmシリカゲルを用いて行われる及び窒素圧(フラッシュクロマトグラフィー)条件下で実行されるカラムクロマトグラフィーをいう。室温又は環境温度は20〜25℃をいう。全ての非水性反応は便利のために及び収率を最大にするために窒素気体下で行われた。減圧下での濃縮は、ロータリーエヴァポレーターが使用されたことを意味する。
【0142】
当業者は、いくつかの場合、保護基が調製の間に必要とされうることを理解するであろう。標的分子が調製された後、上記保護基はGreene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis,(2ndEd., John Wiley & Sons, 1991)中に示されるように、当業者に周知の方法により除去されうる。
【0143】
調製1
5−ブロモ−ピリヂン−2−イル−ヒドラヂン
【化19】

窒素バブラー及びサーモメーターと上部でつなげた、機械的スターラー及びコンデンサーで装備した、12Lの3首丸底フラスコを2,5−ヂブロモピリヂン(442g、1.87moles)、ヒドラジン水和物(55wt%、1057ml、18.7moles)、ポリ(エチレングリコール)(平均Mn約300、1.87L)、2−ブタノール(373ml)及び水(1.87L)でチャージした。上記混合物を還流で29時間熱した。上記熱源を除去し、及び上記混合物をさらなる20時間攪拌した。生ずるスラリーに、冷水(2.2L)を添加した。上記スラリーをさらなる30分間攪拌し、及びろ過した。上記ケークを冷水(3×200ml)で洗浄し、及び吸引−オーブン(40℃)内で48時間乾燥させた。上記表題の化合物をオフホワイトのフレーク(305g、収率87%)として得た。
【化20】

【0144】
調製2
塩酸6−ブロモ−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリヂン
ステップ2
【化21】

【0145】
窒素バブラー及びサーモメーターに上部でつなげた、機械的スターラー及びコンデンサーで装備した、500mlの3首丸底フラスコを5−ブロモ−ピリヂン−2−イル−ヒドラジン(43.4g、0.231moles)及び塩化イソブチリル(218ml、2.08moles)でチャージした。上記混合物を穏やかに3時間還流させた。上記熱源をその後氷水浴槽で置き換え、及び上記スラリーを室温まで冷却させた。ヘキサン(220ml)を添加し、及び上記スラリーを室温で15分間攪拌し、及びろ過した。上記ケークをヘキサン(3×70ml)で洗浄し、及びその後吸引−オーブン(35℃)内で48時間乾燥させた。上記表題の化合物をオフホワイトの粉末(58.96g、収率92.3%)として得た。
【0146】
調製3
6−ブロモ−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリヂン
【化22】

機械的スターラー及びサーモメーターで装備した、5Lの3首丸底フラスコを塩酸6−ブロモ−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリヂン(587.0g、2.12moles)、水(1.2L)及びヂクロロメタン(1.8L)でチャージした。上記二相混合物を氷水浴槽を用いて5〜10℃まで冷却した。水酸化ナトリウム(1N水溶液)(2.15L)を10分間にわたり添加した。上記混合物を浴槽中で15分間攪拌した。上記有機層をその後単離し、及び上記水層をヂクロロメタン(600mL)で抽出した。上記混合した有機抽出物を1:1塩水−水(2L)で洗浄し、及び乾燥させる(MgSO4)。ほとんどのヂクロロメタンをロータリーエヴァポレーターにより除去した。酢酸エチル(800ml)をその後添加した。約400mlの溶媒を除去した後、ヘキサン(3.2L)を添加した。上記スラリーを氷水浴槽中で2時間攪拌し、及びその後ろ過した。上記ケークを9:1ヘキサン−酢酸エチル(3×150ml)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30〜35℃)内で18時間乾燥させた。上記表題の化合物(471.6g、収率92.5%)を黄褐色の砂状の粉末として得た。
【化23】

【0147】
調製4
3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)−6−ピリヂンカルボサルデヒド
ステップ3
【化24】

【0148】
機械的スターラー、追加の漏斗及びサーモメーターで装備した、12Lの3首丸底フラスコを6−ブロモ−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリヂン(200.0g、0.833moles)及びテトラヒドロフラン(J. T. Baker、低級水2.0L)でチャージした。上記溶液をアセトン/ドライアイス浴槽を用いて−8℃まで冷却した。テトラヒドロフラン中の塩化イソプロピルマグネシウム溶液(2.0M、500ml、1.0mole)を55分間にわたり追加の漏斗を介して添加した。生ずる茶色がかったスラリーを−4〜0℃の間で30分間攪拌した。ヂメチルフォルムアミド(Aldrich、無水物、155ml、2.0moles)を追加の漏斗を介して5分間にわたり添加した。上記冷却浴槽を加熱マントルで置き換え、及び上記追加の漏斗をコンデンサーで置き換えた。上記スラリーを55℃まで熱し、及びこの温度で2時間攪拌した。上記反応混合物を15℃まで冷却し、及びヂクロロメタン(3L)を添加した。上記スラリーを攪拌した及び氷水で冷却した(15℃)クエン酸(3kg)の10重量%水溶液にゆっくり5分間にわたり注いだ。上記二相混合物を17〜20℃で30分間攪拌した。上記有機層をその後単離し、及び上記水層をヂクロロメタン(5×1L)で抽出した。上記混合した有機抽出物を1:1 v/v塩水−水(2L)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、及び濃縮させた。茶色がかった残留の固体に酢酸エチル(800ml)を添加した。上記スラリーを室温で10分間攪拌し、そのときヘキサン(800ml)を添加した。上記スラリーを室温でさらに2時間攪拌し、及びろ過した。上記ケークを1:1 v/vヘキサン−酢酸エチル(3×150ml)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30〜35℃)内で18時間乾燥させた。上記表題の化合物を黄色がかった砂状の粉末(126.6g、収率80%)として得た。
【化25】

【0149】
調製5
p−トルエンスルフィン酸
【化26】

機械的スターラー及びサーモメーターで装備した、5Lの3首丸底フラスコをp−トルエンスルフィン酸,ナトリウム塩水和物(Aldrich、CH364SO2Na.xH2O、392.0g)、水道水(2L)及びメチルt−ブチルエーテル(2L)でチャージした。上記混合物を室温で10分間攪拌し、そのとき塩酸(水中37wt%、142ml、1.2moles)を5分間にわたり添加した。上記二相混合物を室温で30分間攪拌した。上記有機層をその後単離し、及び上記水層をメチルt−ブチルエーテル(500mL)で抽出した。上記混合した有機抽出物を残留の白色半固体になるまで濃縮させ、それをトルエン(700ml)で希釈した。ほとんどの溶媒を除去し、及びヘキサン(1.8L)をその後添加した。上記スラリーを室温で30分間攪拌し、及びろ過した。上記ケークをヘキサン(2×300ml)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30〜35℃)内で3時間乾燥させた。上記生成物、p−トルエンスルフィン酸(240.0g)を白色粉末として得た。
【0150】
調製6
N−[(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−(トルエン−4−スルフォニル)−メチル]−フォルムアミド
【化27】

機械的スターラー、コンデンサー及びサーモメーターで装備した、5Lの3首丸底フラスコを2,5−ヂフルオロベンズアルデヒド(142.11g、1mole)でチャージした。トルエン(500ml)、アセトニトリル(500ml)、フォルムアミド(99.3ml、2.5moles)及びクロロトリメチルシラン(139.6ml、1.1moles)をそれぞれ添加した。上記濁った混合物を50℃まで熱し、及びこの温度で7時間攪拌した。p−トルエンスルフィン酸(218.68g、1.4moles)を添加した。上記混合物を50℃で6時間、及びその後室温で13時間攪拌した。メチルt−ブチルエーテル(1.8L)及び水(1.7L)をその後添加した。上記混合物を室温で15分間攪拌し、そのとき上記有機層を分離した。上記水層をメチルt−ブチルエーテル(500ml)で抽出した。ほとんどの溶媒を上記混合した有機抽出物から除去した。上記残留の白色半固体に、ヘキサン(1L)及び水(1L)を添加した。上記スラリーを室温で30分間攪拌し、及びろ過した。上記ケークをヘキサン(2×200ml)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30℃)内で18時間乾燥させた。上記生成物、N−[(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−(トルエン−4−スルフォニル)−メチル]−フォルムアミド(258.3g、収率79%)を白色粉末として得た。
【0151】
調製7
[α−(p−トルエンスルフォニル)−2,5−ヂフルオロベンジル]イソニトリル
【化28】

機械的スターラー、追加の漏斗及びサーモメーターで装備した、5Lの3首丸底フラスコをN−[(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−(トルエン−4−スルフォニル)−メチル]−フォルムアミド(207.0g、0.636moles)及びテトラヒドロフラン(J. T. Baker、低級水、1.5L)でチャージした。酸塩化リン(118.6ml、1.27moles)を上記反応混合物中にすばやく(5分未満)注いだ。上記混合物を室温で10分間攪拌し、及びその後氷/水浴槽を用いて4℃まで冷却させた。2,6−ルチヂン(445ml、3.82moles)を追加の漏斗を介して30分間にわたり添加した。上記冷却槽をその後除去し、及び上記混合物を室温で18時間攪拌した。上記反応混合物を1.5kgの氷及び1.1Lの飽和水性重炭酸ナトリウム(NaHCO3)の攪拌された及び氷水で冷却された溶液に注いだ。上記混合物をその後酢酸エチル(2L+1.5L)で抽出した。上記混合した有機抽出物を1N水性塩酸(3L)、飽和水性NaHCO3(3L)及び塩水(3L)で洗浄し;及びその後乾燥させた(MgSO4)。全ての溶媒を除去した後、イソプロパノール(1.8L)を残留の茶色がかった固体に添加した。生ずるスラリーを室温で2時間攪拌した。水(0.9L)を添加し、及び上記スラリーをさらなる30分間室温で攪拌し、及びその後ろ過した。上記ケークを2:1イソプロパノール−水(2×500ml)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30℃)内で48時間乾燥させた。上記生成物、[α−(p−トルエンスルフォニル)−2,5−ヂフルオロベンジル]イソニトリル(133.4g、収率68%)を茶色がかった粉末として得た。
【化29】

【0152】
調製8
[α−(p−トルエンスルフォニル)−2,5−ヂフルオロベンジル]イソニトリル
【化30】

クリーンな、乾燥した、窒素パージした、アセトンを煮て除いた100ガロンガラス裏打ち反応器に、7.9KgのN−[(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−(トルエン−4−スルフォニル)−メチル]−フォルムアミド(24moles)、16ガロンのテトラヒドロフラン及び7.8Kgの酸塩化リン(51moles)をチャージした。上記バッチを20℃で30分間攪拌させ、及びその後3.5℃まで冷却した。上記バッチに15.8Kgの2,6−ルチヂン(146moles)を15分間にわたり添加した。上記反応混合物を23℃まで温め、及び23℃で17時間攪拌した。上記反応をHPLCにより完了を判断し、及び22℃の10%重炭酸ナトリウムの40ガロン溶液にチャージし、及び上記内容物を30分間攪拌させた。上記バッチにその後25ガロンの酢酸エチルを添加し、及び上記層を分離した。上記水層を9ガロンの酢酸エチルで再び洗い、及び上記生成物リッチ酢酸エチルを上記最初の洗浄物と混合した。上記生成物リッチ酢酸層を10%クエン酸溶液(20ガロン)に添加し、及びその後攪拌した。上記有機層を2,6ルチヂンについてHPLCによりチェックし、及びその後分離した。上記有機層を10ガロンの飽和NaClで洗浄し、及び7.9Kgの硫酸マグネシウム上で乾燥させた。上記乾燥剤をろ過により除去し、及び上記ケークを4ガロンの酢酸エチルで洗浄した。上記酢酸エチル層を24℃の内部温度で吸引下で7ガロンまで濃縮させた。上記バッチをその後21℃で11ガロンのIPOに添加し、及び4℃で12時間粒状化させた。上記生成物をろ過を介して単離し、及び4ガロンの5℃IPOで洗浄した。上記生成物をその後窒素流を伴って34℃で22時間乾燥させ、5.0Kgの上記表題の化合物(66%収率)を回復させた。
【0153】
調製9
6−[オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化31】

機械的スターラー、窒素バブラー、加熱マントル、温度コントローラー、及びコンデンサーで装備した、クリーンな乾燥した5リットル丸底フラスコに3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)−6−ピリヂンカルボキサルデヒド(140.9グラム、0.745moles)、炭酸カリウム(133.8グラム、0.968moles)、トシルメチルイソシアニド(146.9グラム、0.745moles)、及びメタノール(2114ml)をチャージした。この混合物を還流で熱し、及び1.5〜2.0時間65〜70℃で攪拌した。HPLCによる分析は上記反応が完了したことを示した。上記ポットを元の容積の約1/3まで大気中で濃縮した。水(1409ml)を添加し、及び上記ポットをさらに65〜66℃のポット温度まで濃縮させて残りのメタノールを除去した。冷却後、所望の生成物を塩化メチレン(1409ml)で抽出した。上記抽出を塩化メチレン(2回、705ml)で2回繰り返した。上記混合した抽出物を大気中で濃縮させ、及びイソプロピルアルコール(420ml)で置換した。濃いスラリーが形成された。ヘキサン(1690ml)を添加し、及び上記スラリーを20〜25℃で12〜16時間粒状化させた。上記固体を吸引ろ過により集め、ヘキサンで洗浄し、及び乾燥させ、111.45グラム、97.8%純度(HPLC)、理論の65.5%を得た。
【化32】

【0154】
調製10
6−[4−ブロモ−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化33】

機械的スターラー、温度プローブで装備した、及び窒素でパージした、クリーンな、乾燥した、1リットル4首丸底フラスコを6−[オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン(45.2グラム、0.198moles)及びヂメチルフォルムアミド(271ml)でチャージした。上記ポットを氷/アセトン浴槽で−60℃未満に冷却した。テトラヒドロフラン中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド、1モーラー溶液(198ml、0.198moles)を、温度を−60℃未満に保ちながら添加した。上記添加が完了した後、上記ポットをさらに−70℃未満に冷却し、及び1時間攪拌した。攪拌しながら、N−ブロモスクシンイミド(35.24g、0.198moles)及びヂメチルフォルムアミド(105ml)の溶液を窒素下で別の500ml丸底フラスコ中で攪拌した。−70℃での1時間の攪拌の後、N−ブロモスクシンイミド及びヂメチルフォルムアミドの溶液を、温度を−70℃未満に保ちながら上記陰イオンにゆっくりと添加した。上記添加後、上記反応を−70℃未満で1時間続けた。上記バッチをその後室温まで温め、及び塩化メチレン(452ml)及び1N水酸化ナトリウム(452ml)中へ注いで停止させた。上記有機層をその後分離した。上記水層を塩化メチレン(135ml)で再び抽出した。上記混合した有機相を1N水酸化ナトリウム(452ml)及び飽和塩水溶液(452ml)で洗浄した。上記有機相をその後硫酸マグネシウム(50グラム)上で乾燥させ、及び42℃の温度まで濃縮させ/イソプロピルエーテル(226ml)で置換した。濃いスラリーが冷却に際して形成された。上記固体を20〜25℃で2時間粒状化し、ろ過し、イソプロピルエーテル(50ml)で洗浄し、乾燥させ、53.0グラムの薄黄色固体、96.4%純度(HPLC)、理論の87%を得た。
【化34】

【0155】
実施例1
6−[4−(2,6−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化35】

【0156】
A)5−ブロモ−ピリヂン−2−イル−ヒドラヂン
窒素下の2,5−ヂブロモピリヂン(44.2g、0.187moles)、ヒドラジン水和物(55重量%、105.7mL、1.87mol)、ポリ(エチレングリコール)(187.0mL)、2−ブタノール(37.3mL)及び水(187.0mL)の混合物を穏やかに29時間還流する。上記混合物をその後冷却し、及び20時間攪拌する。生ずるスラリーに、冷水(220mL)を添加する。上記スラリーをさらなる30分間攪拌し、及びろ過する。上記ケークを冷水(3×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(40〜45℃)内で48時間乾燥する。上記表題の化合物(30.5g、87%)をオフホワイトのフレークとして得る。
【0157】
B)6−ブロモ−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
5−ブロモ−ピリヂン−2−イル−ヒドラジン(4.34g、23.1mmol)及び塩化イソブチリル(21.8mL、0.208mol)の混合物を穏やかに3時間還流する。上記混合物をその後室温まで冷却する。ヘキサン(22.0mL)を添加し、及び生ずるスラリーを室温で15分間攪拌し、及びろ過する。上記ろ過ケークをヘキサン(3×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30〜35℃)内で48時間乾燥させる。上記生成物(5.90g、収率92.3%)をオフホワイトの粉末として得うる。上記生成物(5.87g、21.2mmol)、水(12.0mL)及びヂクロロメタン(18.0mL)の二相混合物を5〜10℃まで冷却する。NaOHの1N水溶液(21.5mL)を10分間にわたり添加する。上記混合物をバッチ内で15分間攪拌する。上記有機層を単離し、及び上記水層をヂクロロメタン(2×)で抽出する。上記混合した有機抽出物を1:1塩水−水で洗浄し、及び乾燥させる(MgSO4)。ほとんどのヂクロロメタンをin vacuoで除去する。酢酸エチル(8.0mL)を添加する。上記溶媒の約半分を除去した後、ヘキサン(32.0mL)を添加する。上記スラリーを氷−水浴槽中で2時間攪拌し、及びろ過する。上記ケークを9:1ヘキサン−酢酸エチル(3×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30〜35℃)内で18時間乾燥させる。上記表題の化合物を砂状の黄褐色の粉末(4.72g、92.5%)として得うる。
【0158】
C)3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)−6−ピリヂンカルボキサルデヒド
6−ブロモ−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリヂン(2.0g、8.33mmol)及びテトラヒドロフラン(THF)(20.0mL)の冷却した(−8℃)溶液にTHF中の塩化イソプロピルマグネシウムの溶液(2.0M、5.0mL、10.0mmol)を、温度を−8〜0℃の間で維持しながら、55分間にわたり添加する。生ずる茶色がかったスラリーを−4〜0℃で30分間攪拌する。N,N−ヂメチルフォルムアミド(DMF)(1.55mL、20.0mmol)をその後5分間にわたり添加し、及び上記スラリーを55℃まで2時間熱する。上記反応混合物を15℃まで冷却し、及びヂクロロメタン(30.0mL)を添加する。上記スラリーを攪拌中の、冷却されたクエン酸(30.0g)の10重量%水溶液にゆっくりと5分間にわたり注ぐ。上記二相混合物を17〜20℃で30分間攪拌する。上記有機層を分離し、及び上記水層をヂクロロメタン(5×)で抽出する。上記混合した有機抽出物を1:1 v/v塩水−水(20.0mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、及び茶色がかった残留固体になるまで濃縮させる。酢酸エチル(8.0mL)を添加し、上記スラリーを室温で10分間攪拌し、及びその後ヘキサン(8.0mL)を添加する。上記スラリーを室温で2時間攪拌し、及びろ過する。上記ケークを1:1 v/v ヘキサン−酢酸エチル(3×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30〜35℃)内で18時間乾燥させる。上記表題の化合物を黄色がかった砂状の粉末(1.27g、80%)として得うる。
【0159】
D)p−トルエンスルフィン酸
p−トルエンスルフィン酸,ナトリウム塩水和物(39.2g)、水(200.0mL)及びメチルt−ブチルエーテル(MTBE、200.0mL)の混合物を室温で10時間攪拌し、その後塩酸(水中37wt%、14.7mL、0.12mol)を5分間にわたり注ぐ。上記二相混合物を室温で30分間攪拌する。上記層を分離し、及び上記水層をメチル−t−ブチル−エーテル(MTBE)(50.0mL)で抽出する。上記混合した有機抽出物をin vacuo(35℃未満の浴槽温度)で濃縮させ、白色半固体にする。トルエン(70.0mL)を残留固体に添加する。ほとんどの溶媒を除去し、及びヘキサン(180.0mL)を添加する。上記スラリーを室温で30分間攪拌し、及びろ過する。上記ケークをヘキサン(2×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30〜35℃)内で3時間乾燥させる。上記生成物、p−トルエンスルフィン酸を白色粉末(24.0g)として得うる。
【0160】
E)N−[(2,6−ヂフルオロ−フェニル)−(トルエン−4−スルフォニル)−メチル]−フォルムアミド
2,6−ヂフルオロベンズアルデヒド(1.42g、10.0mmol)にトルエン(5.0mL)、アセトニトリル(5.0mL)、フォルムアミド(0.993mL、25.0mmol)及びクロロトリメチルシラン(1.40mL、11.0mmol)を順に添加する。上記濁った混合物を50℃まで熱し、及びこの温度で7時間攪拌する。p−トルエンスルフィン酸(2.19g、14.0mmol)を添加し、及び上記混合物を50℃で6時間、その後室温で3時間攪拌する。MTBE(18.0mL)及び水(17.0mL)を添加し、及び上記混合物を室温で15分間攪拌する。上記層を分離し、及び上記水層をMTBE(5.0mL)で抽出する。ほとんどの溶媒を上記混合した有機抽出物から除去し、白色半固体を残す。上記残留物にヘキサン(10.0mL)及び水(10.0mL)を添加し、及び生ずるスラリーを室温で30分間攪拌し、その後ろ過する。上記ケークをヘキサン(2×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30℃)内で18時間乾燥させる。上記表題の化合物を白色粉末(2.58g、79%)として得うる。
【0161】
F)[α−(p−トルエンスルフォニル)−2,6−ヂフルオロベンジル]イソニトリル
N−[(2,6−ヂフルオロ−フェニル)−(トルエン−4−スルフォニル)−メチル]−フォルムアミド(2.07g、6.36mmol)及びTHF(15mL)の混合物に酸塩化リン(POCl3)(1.19mL、12.7mmol)を5分間にわたり添加し、及び生ずる混合物を室温で10分間攪拌する。上記反応をその後氷/水浴槽を用いて4℃まで冷却し、及び2,6−ルチヂン(4.45mL、38.2mmol)を、温度を12℃未満に保ちながら、30分間にわたり添加する。上記冷却槽を除去し、及び上記混合物を室温で18時間攪拌する。上記反応混合物を氷及び飽和水性重炭酸ナトリウム(NaHCO3)の攪拌された、氷水で冷却された溶液に注ぐ。上記混合物を酢酸エチル(2×)で抽出する。上記混合した有機抽出物を1N水性塩酸(30.0mL)、飽和水性重炭酸ナトリウム(NaHCO3)(30.0mL)、塩水(30.0mL)で洗浄し、及び乾燥させる(MgSO4)。上記溶媒をin vacuoで除去し、及びイソプロパノール(18.0mL)を残留の茶色がかった固体に添加する。生ずるスラリーを室温で2時間攪拌し、その後水を添加し、及び上記スラリーをさらなる30分間室温で攪拌する。上記スラリーをろ過し、上記ケークを2:1イソプロパノール−水(2×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30℃)内で48時間乾燥させる。上記表題の化合物を黄褐色の固体(1.33g、68%)として得うる。
【0162】
G)6−[4−(2,6−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
[α−(p−トルエンスルフォニル)−2,6−ヂフルオロベンジル]イソニトリル(1.79g、5.84mmol)、3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)−6−ピリヂンカルボキサルデヒド(1.10g、5.84mmol)、炭酸カリウム(1.05g、7.59mmol)及びアセトニトリル(17.5mL)の混合物を22時間還流した。上記反応混合物を室温まで冷却し、及び氷水の攪拌された溶液に注いだ。生ずるスラリーを室温で2時間攪拌し、及びその後ろ過した。上記フィルターケークを水(2×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30℃)内で48時間乾燥させ、粗い化合物を茶色がかった粉末(1.8g、91%)として得た。上記粗い化合物(1.65g)をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。上記表題の化合物を黄色固体(1.1g、61%)として得た。
【化36】

【0163】
実施例2
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化37】

本化合物を段階Eにおいて2,5−ヂフルオロベンズアルデヒドで出発して、実施例1と類似の様式で調製した。
【化38】

【0164】
実施例3
3−第三−ブチル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化39】

本化合物を段階Bにおいて塩化トリメチルアセチル及び段階Eにおいて2,5−ヂフルオロベンズアルデヒドで出発して、実施例1と類似の様式で調製した。LCMS(m/z)355(M+1)。
【0165】
実施例4
3−第三−ブチル−6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化40】

本化合物を段階Bにおいて塩化トリメチルアセチル及び段階Eにおいて2,4−ヂフルオロベンズアルデヒドで出発して、実施例1と類似の様式で調製した。LCMS(m/z)355(M+1)。
【0166】
実施例5
3−シクロプロピル−6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化41】

【0167】
A)5−ブロモ−ピリヂン−2−イル−ヒドラジン
窒素下の2,5−ヂブロモピリヂン(44.2g、0.187moles)、ヒドラジン水和物(55重量%、105.7mL、1.87mol)、ポリ(エチレングリコール)(187.0mL)、2−ブタノール(37.3mL)及び水(187.0mL)の混合物を穏やかに29時間還流する。上記混合物を冷却し、20時間攪拌する。生ずるスラリーに、冷水(220.0mL)を添加する。上記スラリーをさらなる30分間攪拌し、及びろ過する。上記ケークを冷水(3×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(40〜45℃)内で48時間乾燥させる。上記表題の化合物(30.5g、87%)をオフホワイトのフレークとして得うる。
【0168】
B)6−ブロモ−3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリヂン
5−ブロモ−ピリヂン−2−イル−ヒドラジン(15.0g、79.8mmol)及び塩化シクロプロパンカルボニル(65.0mL、71.8mmol)の混合物を90℃で18時間熱する。上記茶色の混合物を室温まで冷却させ、ろ過し、及びトルエンで洗浄して、薄茶色固体を得る。この固体をクロロフォルム(CHCl3)中に取り、及び飽和NaHCO3で洗浄する。上記有機層を単離し、及び上記水層をクロロフォルム(CHCl3)で2回抽出する。上記混合した有機物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、及びin vacuoで濃縮させ、上記表題の化合物を黄褐色固体(18.2g、96%)として得る。
【0169】
C)3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)−6−ピリヂンカルボキサルデヒド
6−ブロモ−3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリヂン(4.8g、20.0mmol)及びTHF(48.0mL)の冷却した(−10℃)溶液にTHF中の塩化イソプロピルマグネシウムの溶液(2.0M、12.0mL、24.0mmol)を、温度を−5℃未満に維持しながら、一滴ずつ添加する。生ずるスラリーを−4〜0℃の間で30分間攪拌する。DMF(3.9mL、50.0mmol)をその後5分間にわたり添加する。上記反応をその後50〜55℃で2時間熱し、その後室温まで冷却する。上記反応を10%クエン酸の冷却溶液に注ぐ。上記反応混合物をCHCl3(3×)で抽出する。上記混合した有機物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、及び茶色固体(5.2g)になるまでin vacuoで濃縮させる。シリカゲルクロマトグラフィー、続いて酢酸エチル粉砕は上記表題の化合物を黄色固体(1.8g、49%)として生成する。
【0170】
D)p−トルエンスルフィン酸
p−トルエンスルフィン酸,ナトリウム塩水和物(39.2g)、水(200.0mL)及びメチルt−ブチルエーテル(MTBE、200.0mL)の混合物を室温で10分間攪拌し、その後塩酸(水中の37wt%、14.2mL、0.12mol)を5分間にわたり注ぐ。上記二相混合物を室温で30分間攪拌する。上記層を分離し、及び上記水層をMTBE(50.0mL)で抽出する。上記混合した有機抽出物をin vacuo(35℃未満の浴槽温度)で濃縮させ、白色半固体にする。トルエン(70.0mL)を上記残留の固体に添加する。ほとんどの溶媒を除去し、及びヘキサン(180.0mL)を添加する。上記スラリーを室温で30分間攪拌し、及びろ過する。上記ケークをヘキサン(2×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30〜35℃)内で3時間乾燥させる。上記生成物、p−トルエンスルフィン酸を白色粉末(24.0g)として得うる。
【0171】
E)N−[(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−(トルエン−4−スルフォニル)−メチル]−フォルムアミド
2,4−ヂフルオロベンズアルデヒド(1.42g、10.0mmol)にトルエン(5.0mL)、アセトニトリル(5.0mL)、フォルムアミド(0.993mL、25.0mmol)及びクロロトリメチルシラン(1.40mL、11.0mmol)を順に添加する。上記濁った混合物を50℃まで熱し、及びこの温度で7時間攪拌する。p−トルエンスルフィン酸(2.19g、14.0mmol)を添加し、及び上記混合物を50℃で6時間、その後室温で3時間攪拌する。MTBE(18.0mL)及び水(17.0mL)を添加し、及び上記混合物を室温で15分間攪拌する。上記層を分離し、及び上記水層をMTBE(5.0mL)で抽出する。ほとんどの溶媒を混合した有機抽出物から除去し、白色半固体を残す。上記残留物にヘキサン(10.0mL)、及び水(10.0mL)を添加し、及び生ずるスラリーを室温で30分間攪拌し、その後ろ過する。上記ケークをヘキサン(2×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30℃)内で18時間乾燥させる。上記表題の化合物を白色粉末(2.58g、79%)として得うる。
【0172】
F)[α−(p−トルエンスルフォニル)−2,4−ヂフルオロベンジル]イソニトリル
N−[(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−(トルエン−4−スルフォニル)−メチル]−フォルムアミド(2.07g、6.36mmol)及びTHF(15mL)の混合物に酸塩化リン(POCl3)(1.19mL、12.7mmol)を5分間にわたり添加し、及び生ずる混合物を室温で10分間攪拌する。上記反応をその後氷/水浴槽を用いて4℃まで冷却し、及び2,6−ルチヂン(4.45mL、38.2mmol)を、温度を12℃未満に維持しながら、30分間にわたり添加する。上記冷却槽を除去し、及び上記混合物を室温で18時間攪拌する。上記反応混合物を氷及び飽和水性NaHCO3の攪拌された、氷水で冷却された溶液に注ぐ。上記混合物を酢酸エチル(2×)で抽出する。上記混合した有機抽出物を1N水性塩酸、飽和水性NaHCO3、塩水で洗浄し、及び乾燥させる(MgSO4)。上記溶媒をin vacuoで除去し、及びイソプロパノール(18.0mL)を上記残留の茶色がかった固体に添加する。生ずるスラリーを室温で2時間攪拌し、その後水(9.0mL)を添加し、及び上記スラリーをさらなる30分間室温で攪拌する。上記スラリーをろ過し、上記ケークを2:1イソプロパノール−水(2×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30℃)内で48時間乾燥させる。上記表題の化合物を黄褐色固体(1.33g、68%)として得うる。
【0173】
G)3−シクロプロピル−6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
[α−(p−トルエンスルフォニル)−2,4−ヂフルオロベンジル]イソニトリル(123.0mg、0.40mmol)、3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)−6−ピリヂンカルボキサルデヒド(75.0mg、0.40mmol)、炭酸カリウム(66.0mg、0.48mmol)及びアセトニトリル(2.0mL)の混合物を70℃で22時間熱した。上記反応混合物を室温まで冷却し、及び氷水及び塩水に注いだ。上記水層をCHCl3(3×)で抽出した。上記混合した有機物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、及び黄色固体になるまでin vacuoで濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィー、続いて再結晶化(酢酸エチル)は白色固体(24.0mg、18%)を生成した。
【化42】

【0174】
実施例6
3−シクロプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化43】

本化合物を段階Eにおいて2,5−ヂフルオロベンズアルデヒドで出発して、実施例5に類似の様式で調製した。LCMS(m/z)339(M+1)。
【0175】
実施例7
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−(1−メチル−シクロプロピル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化44】

本化合物を段階Bにおいて塩化1−メチルシクロプロパンカルボニル(市販の1−メチルシクロプロパンカルボン酸から合成される)及び段階Eにおいて2,5−ヂフルオロベンズアルデヒドで出発して、実施例5に類似の様式で調製した。LCMS(m/z)353(M+1)。
【0176】
実施例8
6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−(1−メチル−シクロプロピル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化45】

本化合物を段階Bにおいて塩化1−メチルシクロプロパンカルボニル(市販の1−メチルシクロプロパンカルボン酸から合成される)で出発して、実施例5に類似の様式で調製した。LCMS(m/z)353(M+1)。
【0177】
実施例9
3−シクロブチル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化46】

本化合物を段階Bにおいて塩化シクロブタンカルボニル及び段階Eにおいて2,5−ヂフルオロベンズアルデヒドで出発して、実施例5に類似の様式で調製した。LCMS(m/z)353(M+1)。
【0178】
実施例10
3−イソプロピル−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化47】

【0179】
A)5−ブロモ−ピリヂン−2−イル−ヒドラジン
窒素下の2,5−ヂブロモピリヂン(44.2g、0.187moles)、ヒドラヂン水和物(55重量%、105.7mL、1.87mol)、ポリ(エチレングリコール)(187.0mL)、2−ブタノール(37.3mL)及び水(187.0mL)の混合物を穏やかに29時間還流する。上記混合物を冷却し、及び20時間攪拌する。生ずるスラリーに、冷水(220.0mL)を添加する。上記スラリーをさらなる30分間攪拌し、及びろ過する。上記ケークを冷水(3×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(40〜45℃)内で48時間乾燥させる。上記表題の化合物(30.5g、87%)をオフホワイトのフレークとして得うる。
【0180】
B)6−ブロモ−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリヂン
5−ブロモ−ピリヂン−2−イル−ヒドラジン(4.34g、23.1mmol)及び塩化イソブチリル(21.8mL、0.208mol)の混合物を穏やかに3時間還流する。上記混合物を室温まで冷却する。ヘキサン(22.0mL)を添加し、及び上記スラリーを室温で15分間攪拌し、及びろ過する。上記ケークをヘキサン(3×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30〜35℃)内で48時間乾燥させる。上記生成物(5.90g、収率92.3%)をオフホワイトの粉末として得る。上記生成物(5.87g、21.2mmol)、水(12.0mL)及びヂクロロメタン(18.0mL)の二相混合物を5〜10℃まで冷却する。NaOHの1N水溶液(21.5mL)を10分間にわたり添加する。上記混合物を浴槽内で15分間攪拌する。上記有機層を単離し、及び上記水層をヂクロロメタン(2×)で抽出する。上記混合した有機抽出物を1:1塩水−水で洗浄し、及び乾燥させる(MgSO4)。ほとんどのヂクロロメタンはin vacuoで除去する。酢酸エチル(8.0mL)を添加する。上記溶媒の約半分を除去した後、ヘキサンを添加する。上記スラリーを氷−水浴槽中で2時間攪拌し、及びろ過する。上記ケークを9:1ヘキサン−酢酸エチル(3×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30〜35℃)内で18時間乾燥させる。上記表題の化合物を砂状の黄褐色粉末(4.72g、92.5%)として得うる。
【0181】
C)3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]−6−ピリヂンカルボキサルデヒド
6−ブロモ−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリヂン(2.0g、8.33mmol)及びTHF(20.0mL)の冷却した(−8℃)溶液にTHF中の塩化イソプロピルマグネシウムの溶液(2.0M、5.0mL、10.0mmol)を、温度を−8〜0℃の間に維持しながら、55分間にわたり添加する。生ずる茶色がかったスラリーを−4〜0℃の間で30分間攪拌する。DMF(1.55mL、20.0mmol)をその後5分間にわたり添加し、及び上記スラリーを55℃で2時間熱する。上記反応混合物を15℃まで冷却し、及びヂクロメタン(30.0mL)を添加する。上記スラリーをクエン酸(30.0g)の攪拌中の、冷却された10重量パーセント水溶液に5分間にわたりゆっくりと注ぐ。上記二相混合物を17〜20℃で30分間攪拌する。上記有機層を分離し、及び上記水層をヂクロロメタン(5×)で抽出する。上記混合した有機抽出物を1:1 容積/容積 塩水−水(20.0mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、及び茶色がかった残留固体になるまで濃縮させる。酢酸エチル(8.0mL)を添加し、上記スラリーを室温で10分間攪拌し、及びその後ヘキサン(8.0mL)を添加する。上記スラリーを室温で2時間攪拌し、及びろ過する。上記ケークを1:1 v/vヘキサン−酢酸エチル(3×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30〜35℃)内で18時間乾燥させる。上記表題の化合物を黄色がかった砂状の粉末(1.27g、80%)として得うる。
【0182】
D)p−トルエンスルフィン酸
p−トルエンスルフィン酸,ナトリウム塩水和物(39.2g)、水(200.0mL)及びメチルt−ブチルエーテル(MTBE、200.0mL)の混合物を室温で10分間攪拌し、その後塩酸(水中37重量%、14.2mL、0.12mol)を5分間にわたり注ぐ。上記二相混合物を室温で30分間攪拌する。上記層を分離し、及び上記水層をメチルt−ブチルエーテル(MTBE)(50.0mL)で抽出する。上記混合した有機抽出物をin vacuo(35℃未満の浴槽温度)で白色半固体になるまで濃縮させる。トルエン(70.0mL)を上記残留固体に添加する。ほとんどの溶媒を除去し、及びヘキサン(180.0mL)を添加する。上記スラリーを室温で30分間攪拌し、及びろ過する。上記ケークをヘキサン(2×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30〜35℃)内で3時間乾燥させる。上記生成物、p−トルエンスルフィン酸を白色粉末(24.0g)として得うる。
【0183】
E)N−[(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−(トルエン−4−スルフォニル)−メチル]−フォルムアミド
2,4,5−トリフルオロベンズアルデヒド(10.0g、62.4mmol)にトルエン(60.0mL)、アセトニトリル(60.0mL)、フォルムアミド(6.2mL、156.2mmol)及びクロロトリメチルシラン(8.8mL、68.8mmol)を順に添加する。上記混合物を環境温度で1時間攪拌し、その後p−トルエンスルフィン酸(14.6g、93.6mmol)を添加し、及び上記混合物を55℃で18時間攪拌する。上記反応を環境温度まで冷却し、その後ろ過する。上記ろ過物を黄色油になるまでin vacuoで濃縮させる。シリカゲルクロマトグラフィーは上記表題の化合物を白色固体(13.77g、64%)として生成する。
【0184】
F)[α−(p−トルエンスルフォニル)−2,4,5−トリフルオロベンジル]イソニトリル
N−[(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−(トルエン−4−スルフォニル)−メチル]−フォルムアミド(13.7g、39.9mmol)及びTHF(140.0mL)の混合物にPOCl3(7.5mL、79.8mmol)を5分間にわたり添加し、及び生ずる混合物を室温で1時間攪拌する。上記反応をその後0℃まで冷却し、及び2,6−ルチヂン(28.0mL、239.4mmol)を、温度を12℃未満に維持しながら、30分間にわたり添加する。上記冷却槽を除去し、及び上記混合物を室温で18時間攪拌する。上記反応混合物を10%水性NaHCO3の攪拌された、氷水で冷却された溶液に注ぐ。上記混合物を酢酸エチル(3×)で抽出する。上記混合した有機抽出物を1N水性塩酸、飽和水性NaHCO3、塩水で洗浄し、及び乾燥させる(Na2SO4)。シリカゲルクロマトグラフィー、続いて酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化は上記表題の化合物を橙色固体(3.37g、26%)として生成する。
【0185】
G)6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
[α−(p−トルエンスルフォニル)−2,4,5−トリフルオロベンジル]イソニトリル(172.0mg、0.528mmol)、3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)−6−ピリヂンカルボキサルデヒド(100.0mg、0.528mmol)、炭酸カリウム(95.0mg、0.686mmol)及びアセトニトリル(2.0mL)の混合物を70℃で22時間熱した。上記反応混合物を室温まで冷却し、及び水中に注いだ。上記水層をCHCl3(3×)で抽出した。上記抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、及び上記ろ過物をin vacuoで濃い色の固体になるまで濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィーは上記表題の化合物を黄褐色固体(90.0mg、48%)として与えた。
【化48】

【0186】
実施例11
3−イソプロピル−6−[4−(2,3,4−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化49】

本化合物を段階Eにおいて2,3,4−トリフルオロベンズアルデヒドで出発して、実施例10に類似の様式で調製した。
【化50】

【0187】
実施例12
3−イソプロピル−6−[4−(2,3,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化51】

本化合物を段階Eにおいて2,3,5−トリフルオロベンズアルデヒドで出発して、実施例10に類似の様式で調製した。LCMS(m/z)359(M+1)。
【0188】
実施例13
3−イソプロピル−6−[4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化52】

本化合物を段階Eにおいて2,4,6−トリフルオロベンズアルデヒドで出発して、実施例10に類似の様式で調製した。LCMS(m/z)359(M+1)。
【0189】
実施例14
3−イソプロピル−6−[4−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化53】

本化合物を段階Eにおいて3,4,5−トリフルオロベンズアルデヒドで出発して、実施例10に類似の様式で調製した。LCMS(m/z)359(M+1)。
【0190】
実施例15
3−第三−ブチル−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化54】

本化合物を段階Bにおいて塩化トリメチルアセチルで出発して、実施例10に類似の様式で調製した。LCMS(m/z)373(M+1)。
【0191】
実施例16
3−シクロプロピル−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化55】

A)5−ブロモ−ピリヂン−2−イル−ヒドラジン
窒素下の2,5−ヂブロモピリヂン(44.2g、0.187mol)、ヒドラジン水和物(55重量%、105.7mL、1.87mol)、ポリ(エチレングリコール)(187.0mL)、2−ブタノール(37.3mL)及び水(187.0mL)の混合物を穏やかに29時間還流させた。上記混合物を冷却し、及び20時間攪拌した。生ずるスラリーに、冷水(220.0mL)を添加した。上記スラリーをさらなる30分間攪拌し、及びろ過した。上記ケークを冷水(3×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(40〜45℃)内で48時間乾燥させた。上記表題の化合物(30.5g、87%)をオフホワイトのフレークとして得た。
【0192】
B)6−ブロモ−3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリヂン
5−ブロモ−ピリヂン−2−イル−ヒドラジン(15.0g、79.8mmol)及び塩化シクロプロパンカルボニル(65mL、71.8mmol)の混合物を90℃で18時間熱した。上記茶色混合物を室温まで冷却させ、ろ過し、及びトルエンで洗浄して薄茶色固体を得た。この固体をCHCl3中に取り、及び飽和水性NaHCO3で洗浄した。上記有機層を単離し、及び上記水層をCHCl3(2×)で抽出した。上記混合した有機物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、及びin vacuoで濃縮させ、上記表題の化合物を黄褐色固体(18.2g、96%)として得た。
【0193】
C)3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)−6−ピリヂンカルボキサルデヒド
6−ブロモ−3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリヂン(4.8g、20.0mmol)及びTHF(48.0mL)の冷却した(−10℃)溶液にTHF中の塩化イソプロピルマグネシウムの溶液(2.0M、12.0mL、24.0mmol)を、温度を−5℃未満に維持しながら、一滴ずつ添加した。生ずるスラリーを−4〜0℃の間で30分間攪拌した。DMF(3.9mL、50.0mmol)をその後5分間にわたり添加した。上記反応をその後50〜55℃で2時間熱し、その後室温まで冷却した。上記反応を10%クエン酸の冷却溶液に注いだ。上記反応混合物をCHCl3(3×)で抽出した。上記混合した有機物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、及びin vacuoで茶色がかった固体(5.2g)になるまで濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィー、続いて酢酸エチル粉砕は上記表題の化合物を黄色固体(1.8g、49%)として生成した。
【0194】
D)p−トルエンスルフィン酸
p−トルエンスルフィン酸,ナトリウム塩水和物(39.2g)、水(200.0mL)及びメチルt−ブチルエーテル(MTBE、200.0mL)の混合物を室温で10分間攪拌し、その後塩酸(水中の37wt%、14.2mL、0.12mol)を5分間にわたり注いだ。上記二相混合物を室温で30分間攪拌した。上記層を分離し、及び上記水層をMTBE(50.0mL)で抽出した。上記混合した有機抽出物をin vacuo(35℃未満の浴槽温度)で白色半固体になるまで濃縮させた。トルエン(70.0mL)を上記残留固体に添加した。ほとんどの溶媒を除去し、及びヘキサン(180.0mL)を添加した。上記スラリーを室温で30分間攪拌し、及びろ過した。上記ケークをヘキサン(2×)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30〜35℃)内で3時間乾燥させた。上記生成物、p−トルエンスルフィン酸を白色粉末(24.0g)として得た。
【0195】
E)N−[(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−(トルエン−4−スルフォニル)−メチル]−フォルムアミド
2,4,5−トリフルオロベンズアルデヒド(10.0g、62.4mmol)にトルエン(60.0mL)、アセトニトリル(60.0mL)、フォルムアミド(6.2mL、156.2mmol)及びクロロトリメチルシラン(8.8mL、68.8mmol)を順に添加した。上記混合物を環境温度で1時間攪拌し、その後p−トルエンスルフィン酸(14.6g、93.6mmol)を添加し、及び上記混合物を50℃で18時間攪拌した。上記反応を環境温度まで冷却し、その後ろ過した。上記ろ過物をin vacuoで黄色油になるまで濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィーは上記表題の化合物を白色固体(13.77g、64%)として生成した。
【0196】
F)[α−(p−トルエンスルフォニル)−2,4,5−トリフルオロベンジル]イソニトリル
N−[(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−(トルエン−4−スルフォニル)−メチル]−フォルムアミド(13.7g、39.9mmol)及びTHF(140.0mL)の混合物にPOCl3(7.5mL、79.8mmol)を5分間にわたり添加し、及び生ずる混合物を室温で1時間攪拌した。上記反応をその後0℃まで冷却し、及び2,6−ルチヂン(28.0mL、239.4mmol)を、温度を12℃未満に維持しながら、30分間にわたり添加した。上記冷却槽を除去し、及び上記混合物を室温で18時間攪拌した。上記反応混合物を10%水性NaHCO3の攪拌された、氷水で冷却された溶液に注いだ。上記混合物を酢酸エチル(3×)で抽出した。上記混合した有機抽出物を1N水性塩酸、飽和水性NaHCO3、塩水で洗浄し、及び乾燥させた(Na2SO4)。シリカゲルクロマトグラフィー、続いて酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化は上記表題の化合物を橙色固体(3.37g、26%)として生成した。
【0197】
G)3−シクロプロピル−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリヂン
[α−(p−トルエンスルフォニル)−2,4,5−トリフルオロベンジル]イソニトリル(130.0mg、0.40mmol)、3−シクロプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)−6−ピリヂンカルボキサルデヒド(75.0mg、0.40mmol)、炭酸カリウム(66.0mg、0.48mmol)及びアセトニトリル(3.0mL)の混合物を70℃で22時間熱した。上記反応混合物を室温まで冷却し、及び氷水中へ注いだ。上記反応混合物をCHCl3(3×)で抽出した。上記混合した有機物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、及びin vacuoで濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィー、続いて再結晶化(酢酸エチル/ヘキサン)は上記表題の化合物を白色固体(26.0mg、18%)として生成した。
【化56】

【0198】
実施例17
3−(1−メチル−シクロプロピル)−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
【化57】

本化合物を段階Bにおいて塩化1−メチルシクロプロパンカルボニル(市販の1−メチルシクロプロパンカルボン酸から合成される)で出発して、実施例16に類似の様式で調製した。LCMS(m/z)371(M+1)。
【0199】
実施例18
3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
A)3−イソプロピル−6−[オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
機械的スターラー、窒素、加熱マントル、温度コントローラー、及びコンデンサーで装備したクリーンな、乾燥した5リットル丸底フラスコを3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)−6−ピリヂンカルボキサルデヒド(140.9gr、0.745moles)、炭酸カリウム(133.8gr、0.968moles)、トシルメチルイソシアニド(146.9gr、0.745moles)、及びメタノール(2114ml)でチャージした。上記混合物を還流まで熱し、及び1.5〜2.0時間65〜70℃で攪拌した。HPLCによる分析は上記反応が完了したことを示した。上記ポットを元の容積の約1/3になるまで大気中で濃縮させた。水(1409ml)を添加し、及び上記ポットを65〜66℃のポット温度までさらに濃縮させ、残留のメタノールを除去した。冷却後、所望の生成物を塩化メチレン(1409ml)で抽出した。上記水層は分析され、及び生成物を示した。抽出を塩化メチレン(2X’s 705ml)で2回繰り返した。上記混合した抽出物を大気中で濃縮させ、及びイソプロピルアルコール(420ml)で置換した。濃いスラリーが形成された。ヘキサン(1690ml)を添加し、及び上記スラリーを20〜25℃で12〜16時間粒状化させた。上記固体を吸引ろ過により集め、ヘキサンで洗浄し、及び乾燥させて、111.45gr、97.8%純度(HPLC)、理論の65.5%を得た。
【化58】

【0200】
B)3−イソプロピル−6−[4−ブロモ−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
機械的スラーラー、窒素、温度プローブ、及びドライアイス/アセトン浴槽で装備したクリーンな、乾燥した1リットル4首丸底フラスコを段階Aからの生成物(45.2gr、0.198moles)及びN,N−ヂメチルフォルムアミド(271ml)でチャージした。上記ポットを−60℃未満に冷却し、及びその後テトラヒドロフラン中のリチウムヘキサメチルヂシリザン、1モーラー(198ml、0.198moles)を、温度を−60℃未満に保ちながら、添加した。上記添加が完了した後、上記ポットをさらに−70℃未満まで冷却し、及び1時間攪拌した。攪拌しながら、N−ブロモスクシンイミド(35.24g、0.198moles)及びN,N−ヂメチルフォルムアミド(105ml)の溶液を別の500ml丸底フラスコ中で窒素下で攪拌した。−70℃での1時間の攪拌の後、N−ブロモスクシンイミド及びN,N−ヂメチルフォルムアミドの溶液を、温度を−70℃未満に保ちながら、上記陰イオンにゆっくりと添加した。この温度は適切な選択性を確実にするために重要であった。上記添加が完了した後、上記ポットを−70℃未満で1時間攪拌した。上記バッチを室温まで温め、及び塩化メチレン(452ml)及び1N水酸化ナトリウム(452ml)中に注いで停止させた。抽出を第二の等分の塩化メチレン(135ml)で繰り返し、及び上記混合した有機層を第二の1N水酸化ナトリウム(452ml)洗浄で洗浄した。上記有機層を飽和塩水溶液(452ml)で洗浄し、及び硫酸マグネシウム(50gr)上で乾燥させた。上記硫酸マグネシウムをろ過で除去し、塩化メチレン(135ml)で洗浄し、及び上記ろ過物及び洗浄物を濃縮のために混合した。上記塩化メチレンを42℃の温度まで濃縮させ/イソプロピルエーテル(226ml)で置換した。濃いスラリーが冷却に際して形成された。上記固体を20〜25℃で2時間粒状化し、ろ過し、イソプロピルエーテル(50ml)で洗浄し、及び乾燥させて、53.0grの薄黄色固体、96.4%純度(HPLC)、理論の87%を得た。
【化59】

【0201】
C)3−イソプロピル−6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
段階Bからの生成物(33.0gr、0.107moles)、ヂフルオロフェニルホウ酸(25.34gr、0.1605moles)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラヂウム(0)(12.36gr、0.0107moles)、トリエチルアミン(22.37ml、0.1605moles)、2Bエタノール(495ml)及び水(33ml)を、機械的スターラー、窒素、加熱マントル、温度コントローラー、及びコンデンサーで装備した2リットル4首丸底フラスコに添加した。上記バッチを65〜70℃まで熱しながら攪拌し、及びその後70℃で一晩攪拌したままにした。明朝、上記反応サンプルはHPLCによりいくらかの出発物質が残っていることを示した。ヂフルオロフェニルホウ酸(8.5gr、0.054moles)、及びトリエチルアミン(7.53ml、0.054moles)を添加し、及び上記反応を70℃で一晩進めた。明朝、上記反応サンプルはHPLCによりまだいくらかの出発物質が残っていることを示した。ヂフルオロフェニルホウ酸(8.5gr、0.054moles)、及びトリエチルアミン(7.53ml、0.054moles)を添加し、及び上記反応を70℃で再び一晩進めた。明朝、上記反応サンプルはHPLCによりまだ出発物質が残っていることを示した。トルエン(30ml)を添加し、及び上記反応を70℃で再び一晩進めた。明朝、上記反応サンプルはHPLCによりもはや出発物質を示さなかった。水(495ml)を上記バッチに添加し、及び上記ポットを20〜25℃で4時間粒状化させた。上記固体を吸引ろ過により集め、2Bエタノール/水50:50(それぞれ25ml)で洗浄し、及び吸引オーブン内で45℃で4時間最大吸引下で乾燥させ、14.4grの粗い生成物(40.6%収率、HPLCによる93.4%純度)を得た。
【0202】
粗い生成物(5.0gr)、Darco(商標)G−60炭素(500mg)、及びイソプロピルアルコール(30ml)を単首100ml丸底フラスコ中で80℃まで熱した。上記溶液を60℃まで冷却し、及びFilter−aid(商標)上でろ過し、上記炭素を除去した。上記ケークをイソプロピルアルコール(30ml)で洗浄し、その後20〜25℃までさらに冷却し、及び一晩粒状化させた。上記固体を吸引ろ過により集め、イソプロピルアルコール(10ml)で洗浄し、及び乾燥させて、4.2grの上記表題の化合物、98.8%純度(HPLC)、84%収率を得た。
【0203】
生成物(3.4gr)、及びアセトン(41ml)を、透明な金色の溶液が達成されるまで50〜55℃に熱した。上記熱を除去し、及び冷却させ、及び20〜25℃で一晩粒状化させた。上記固体を吸引ろ過により集め、アセトン(7ml)で洗浄し、及び乾燥させ、Bからの2.38grの結晶、99.6%純度(HPLC)、70%収率を得た。(1分間当たり5℃の加熱速度で融点174〜175℃)。
【0204】
実施例19
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリヂン
【化60】

機械的スターラー、コンデンサー及びサーモメーターで装備した5L3首丸底フラスコを[α−(p−トルエンスルフォニル)−2,5−ヂフルオロベンジル]イソニトリル(179.4g、0.584moles)、3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)−6−ピリヂンカルボキサルデヒド(110.46g、0.584moles)、炭酸カリウム(Aldrich、<325目、104.88g、0.759moles)及びアセトニトリル(1.75L)でチャージした。上記混合物を還流で熱し、及び22時間攪拌した。上記反応混合物をその後室温まで冷却し、及び2kgの氷及び5kgの水の攪拌された溶液に注いだ。生ずるスラリーを室温で2時間攪拌し、及びろ過した。上記茶色がかった固体を水(2×500ml)で洗浄し、及び吸引−オーブン(30℃)内で48時間乾燥させた。上記粗い生成物(180g)をシリカゲルカラム(1.1kg)上で精製し、及び1:1酢酸エチル−ヘキサン(より極性でない不純物を除去するため)、酢酸エチル及び最終的に20:1酢酸エチル−メタノールで溶離した。主に上記生成物を含む画分を混合し、及び小容積(約600ml)まで濃縮させた。生ずるスラリーをろ過した。上記ケークを酢酸エチルで洗浄し、及び吸引−オーブン(30℃)内で18時間乾燥させた。上記薄茶色がかった粉末(142g)をイソプロパノール(800ml)からの再結晶化によりさらに精製した。6−[4−(2,6−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂンを薄黄褐色粉末(142.1g、収率61%)として得た。
融点175.7〜176.2℃。エレメンタル分析、発見:C 63.54%、H 4.08%、N 16.56;C 63.52%、H 4.15%、N 16.46%について分析計算された。
【化61】

【0205】
実施例20
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン塩化水素
粗い6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン(5.0g)をイソプロパノール(40ml)中に溶解した。イソプロパノール(4.4g)中の塩酸(13.3重量%)を添加した。生ずるスラリーを室温で30分間攪拌し、及びろ過した。上記ケークをイソプロパノールで洗浄し、及び吸引オーブン(80℃)内で2時間乾燥させた。6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン塩化水素をオフホワイトの固体(2.8g、収率50%)として得た。
【化62】

【0206】
実施例21
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリヂンメタンスルフォネート
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン(5.10g、15mmol)をイソプロパノール(25ml)中に溶解した。イソプロパノール(15ml)中のメタンスルフォン酸(1.44g、15mmol)の溶液を添加した。生ずるスラリーを室温で3時間攪拌し、及びろ過した。上記ケークをイソプロパノールで洗浄し、及び吸引オーブン(80℃)内で4時間乾燥させた。6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂンメタンスルフォネートをオフホワイトの粉末(6.03g、収率92%)として得た。
【化63】

【0207】
実施例22
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリヂンp−トルエンスルフォネート
アセトン(50ml)中にスラリー化した6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン(5.0g、15mmol)にp−トルエンスルフォン酸(2.7g、15mmol)を添加した。生ずるスラリーを50℃まで熱し、溶液を形成させ、及びその後冷却し、及び室温で12時間攪拌し、及びろ過した。6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂンp−トルエンスルフォネートを得た。
【0208】
実施例23
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリヂン硫酸塩
アセトン(50ml)中にスラリー化した6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン(5.0g、15mmol)に硫酸(850μl)を添加した。生ずるスラリーを還流まで熱し、溶液を形成させ、及びその後冷却し、及び室温で12時間攪拌し、及びろ過して、4.2グラムの6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂンp−トルエンスルフォネートを得た。
【0209】
実施例24
3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリヂン
【化64】

6−[4−ブロモ−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン(33.0グラム、0.107moles)、ヂフルオロフェニルホウ酸(25.34グラム、0.1605moles)、Pd(PPh34(12.36グラム、0.0107moles)、トリエチルアミン(22.37ml、0.1605moles)、2Bエタノール(495ml)及び水(33ml)を(機械的スターラー、窒素、加熱マントル、温度コントローラー、及びコンデンサーで装備した)2リットル4首丸底フラスコに添加した。上記バッチを65〜70℃まで熱する間攪拌した。上記反応を約70℃で一晩攪拌した。追加のヂフルオロフェニルホウ酸(8.5グラム、0.054moles)及びトリエチルアミン(7.53ml、0.054moles)を添加し、及び上記反応を70℃で一晩進めた。さらなるヂフルオロフェニルホウ酸(8.5グラム、0.054moles)及びトリエチルアミン(7.53ml、0.054moles)を添加し、及び上記反応を70℃で再び一晩進めた。トルエン(30ml)を添加し、及び上記反応を70℃で再び一晩進めた。上記反応サンプルはHPLCによりもはや出発物質を示さなかった。水(495ml)を上記バッチに添加し、及び上記ポットを20〜25℃で4時間粒状化させた。上記固体を吸引ろ過により集め、2Bエタノール/水50:50(それぞれ25ml)で洗浄し、吸引オーブン内で45℃で4時間最大吸引下で乾燥させ、14.4グラムの上記表題の化合物(40.6%収率、HPLCによる93.4%純度)を得た。
【0210】
実施例25
3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリヂン
【化65】

粗い3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン(5.0グラム)、Darco G−60炭素(500mg)、及びイソプロピルアルコール(30ml)を単首100ml丸底フラスコ中で80℃まで熱した。上記溶液を60℃まで冷却し、及びFilter−aid(商標)上でろ過して炭素を除いた。上記ケークをイソプロピルアルコール(30ml)で洗浄し、その後20〜25℃までさらに冷却し、及び一晩粒状化させた。上記固体を吸引ろ過により集め、イソプロピルアルコール(10ml)で洗浄し、及び乾燥させて、4.2グラムの上記表題の化合物、98.8%純度(HPLC)、84%収率を得た。
【0211】
実施例26
3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリヂンA形
【化66】

3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン(37.0グラム)を20〜23℃で1:1 酢酸エチル/ヘキサン(300ml)中で粉砕した。上記懸濁物をろ過し、及び上記ケークを1:1 酢酸エチル/ヘキサンで洗浄し、及び吸引オーブン内で40℃で48時間乾燥させ、37.0グラムの結晶A形を得た。
【0212】
【表1】

【0213】
【表2】

【0214】
【表3】

【0215】
実施例27
3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリヂンB形
【化67】

純粋な3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン(3.4グラム)、及びアセトン(41ml)を、透明な金色の溶液が達成されるまで50〜55℃に熱した。上記熱を除去し、及び上記溶液を冷却させ(約35〜40℃)、及び20〜25℃で一晩粒状化させた。上記固体を吸引ろ過により集め、アセトン(7ml)で洗浄し、及び乾燥させて、2.38グラムの結晶B形、99.6%純度(HPLC)、70%収率を得た。
【0216】
【表4】

【0217】
【表5】

【0218】
下線を引いたピークは、4%未満の低い強度しか有しないから又は±0.2°2シータ内で分解不可能であるから、実験パターン中に挙げられなかった。
【0219】
【表6】

【0220】
【表7】

【0221】
実施例28
3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリヂンC形
【化68】

実施例8の生成物を吸引オーブン内で100℃で4時間さらに乾燥させ、結晶C形を生成した。
C形はまた純粋C形として又は酢酸エチル及びIPA中の速い及び遅い蒸発両方からの混合したパターンとして生成され、速い蒸発はトルエン中で、及び遅い蒸発はクロロフォルム、ヂクロロメタン、IPA、MEK、及び95:5(v/v)IPA/水中であった。
【0222】
【表8】

【0223】
【表9】

【0224】
実施例29
3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリヂンD形
【化69】

3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン(300mg)を10mlの0.1%メチルセルロース中に20〜25℃で12時間懸濁した。上記固体を吸引ろ過により集め、及び4時間風乾させ、300mgの結晶D形を得た。
D形はまた環境温度及び60℃の水、1:1(v/v)メタノール/水、及び9:1(v/v)アセトニトリル/水中のスラリー又はメチルセルロース懸濁物として得られた。それは粉末サンプルによる不安定な水和物、二水和物(〜10重量%水)及び単結晶データによる三水和物(14.7重量%水)である。脱水は30〜70℃で起こるので、環境条件での乾燥又は放置は部分的な分解を引き起こしうる。
【0225】
【表10】

【0226】
【表11】

【0227】
下線を引いたピークは、1%未満の低い強度しか有しないから又は±0.2°2シータ内で分解不可能であるから、実験パターン中に挙げられなかった。
【表12】

【0228】
実施例30
3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリヂンE形
【化70】

3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン(39グラム)、及びエタノール(3.2ml)を、透明な金色の溶液が達成されるまで20〜23℃で超音波処理した。上記溶液を、0.2ミクロンフィルターをとおしてろ過した。乾燥するまでの遅い蒸発(6日間)の後、結晶E形(39mg)が生成された。
E形は95:5(v/v)IPA/水の遅い冷却及び速い蒸発、IPA/水の遅い冷却のXRPD分析から及びエタノールの遅い蒸発から同定されている。それは75〜100℃の間で脱水し、及び脱水に際してB形に変換する一水和物である。
【0229】
【表13】

【0230】
実施例31
3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリヂン
【0231】
【表14】

【0232】
3−イソプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン、ラクトース、及びトウモロコシデンプン(混合用)を均一になるまで配合する。トウモロコシデンプン(ペースト用)を200mLの水中に懸濁し、及びペーストを形成させるために攪拌しながら熱する。上記ペーストを上記混合した粉末を粒状化するために使用する。上記湿性粒状物をNo.8ハンドスクリーンにとおし、及び80℃で乾燥させる。上記乾燥粒状物を1%ステアリン酸マグネシウムで潤滑化し、及び圧縮して錠剤にする。上記錠剤は軟骨損傷の阻害又は変形性関節症の治療のために1日当たり1〜4回ヒトに投与されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

{式中、R1はフルオロである;
sは2〜3の整数である;
2はハロ、(C1−C4)アルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、及び(C1−C6)アルキル−(C=O)−O−から成る群から独立に選ばれる1又は2の基により場合により置換される(C3−C6)シクロアルキルである;
又はR2はハロ、(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ及び(C1−C6)アルキル−(C=O)−O−から成る群から独立に選ばれる1又は2の基により場合により置換される(C1−C6)アルキルである。}により表される化合物又はその医薬として許容される塩。
但し、前記式Iの化合物は
6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;又は
6−[4−(3,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
ではない。
【請求項2】
2はハロ、ヒドロキシ、及び(C1−C6)アルコキシから独立に選ばれる1又は2の基で場合により置換される(C1−C6)アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2は場合により置換されるエチル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル又は第二−ブチルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記化合物は、以下の式:
【化2】

により表される、請求項1、2及び3に記載の化合物。
【請求項5】
前記化合物は、以下の式:
【化3】

により表される、請求項1、2及び3に記載の化合物。
【請求項6】
前記化合物は、以下の式:
【化4】

により表される、請求項1、2及び3に記載の化合物。
【請求項7】
2はハロ又はヒドロキシで場合により置換される(C1−C6)アルキルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物は、
3−第三−ブチル−6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−第三−ブチル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−第三−ブチル−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−イソプロピル−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−イソプロピル−6−[4−(2,3,4−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−イソプロピル−6−[4−(2,3,4−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−イソプロピル−6−[4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;及び
3−イソプロピル−6−[4−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−シクロブチル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−(1−メチル−シクロプロピル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−3−(1−メチル−シクロプロピル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−シクロプロピル−6−[4−(2,5−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;及び
3−シクロプロピル−6−[4−(2,4−ヂフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;
3−シクロプロピル−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン;又は
3−(1−メチル−シクロプロピル)−6−[4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−オキサゾル−5−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリヂン
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
ヒトを含む哺乳類における、関節炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、慢性関節リウマチ、痛風、外傷性関節炎、風疹関節炎及び急性滑膜炎、慢性関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風関節炎及び他の関節炎状態、敗血症、敗血症性卒中、内毒素卒中、グラム陰性菌敗血症、トキシックショック症候群、アルツハイマー病、卒中、神経外傷、喘息、成人呼吸促進症候群、大脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺性サルコイドーシス、骨吸収疾患、骨粗しょう症、再狭窄、心臓の及び腎臓の再灌流損傷、血栓症、糸球体腎炎、糖尿病、移植片対宿主反応、同種移植片拒絶、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、筋肉退化、湿疹、接触性皮膚炎、乾癬、日焼け、及び結膜炎卒中から成る群から選ばれる症状の治療方法であって、前記哺乳類に当該症状の治療において有効な量の請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む前記治療方法。
【請求項10】
ヒトを含む哺乳類における、関節炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、慢性関節リウマチ、痛風、外傷性関節炎、風疹関節炎及び急性滑膜炎、慢性関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、痛風関節炎及び他の関節炎状態、敗血症、敗血症性卒中、内毒素卒中、グラム陰性菌敗血症、トキシックショック症候群、アルツハイマー病、卒中、神経外傷、喘息、成人呼吸促進症候群、大脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺性サルコイドーシス、骨吸収疾患、骨粗しょう症、再狭窄、心臓の及び腎臓の再灌流損傷、血栓症、糸球体腎炎、糖尿病、移植片対宿主反応、同種移植片拒絶、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、筋肉退化、湿疹、接触性皮膚炎、乾癬、日焼け、及び結膜炎卒中から成る群から選ばれる症状の治療用医薬組成物であって、当該治療において有効な量の請求項1に記載の化合物及び医薬として許容される担体を含む前記医薬組成物。

【公表番号】特表2006−504680(P2006−504680A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−532622(P2004−532622)
【出願日】平成15年8月19日(2003.8.19)
【国際出願番号】PCT/IB2003/003847
【国際公開番号】WO2004/020440
【国際公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】