説明

テトラヒドロクルクミンを含むパーソナルケア組成物を使用した哺乳類ケラチン組織の調整

テトラヒドロクルクミンだけを含有する、又はテトラヒドロデメトキシクルクミン(tetrahydromethoxycurcumin)及び/又はテトラヒドロビスデメトキシクルクミンと組み合わせたパーソナルケア組成物を提供する。又、局所にパーソナルケア組成物を塗布することにより哺乳類ケラチン組織の状態を調整する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラヒドロクルクミン等のスキンケア及びヘアケア活性物質を含むパーソナルケア組成物に関する。前記組成物は、そのような処置を必要とする哺乳類ケラチン組織の状態、特に美白を調整するのに有用である。
【背景技術】
【0002】
最近では、皮膚、毛髪、及び爪のようなケラチン組織の健康及び物理的外観を改善することを目的とする、消費者が入手できる多数のパーソナルケア製品がある。これらの製品の大部分は、典型的に皮膚の老化又は人間の皮膚に対する環境被害に関連付けられる皮膚のしわ及び組織構造の変化を遅らせ、最少化し、又は更に取り除くことを目的とする。しかしながら、又、美白又は色素沈着減少化粧品として作用することによって一様でない皮膚色合いを予防、抑制及び/又は処置するための化粧品に対する要求がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
哺乳類ケラチン組織、特に人間の皮膚と毛髪は、外部要因及び内部要因の両方によりさまざまな損傷を受ける。このような外部要因としては、紫外線、環境汚染、風、熱、赤外線、低湿度、強力な界面活性剤、研磨剤などが挙げられる。一方、内部要因としては、経年的老化及び皮膚内部からの他の生化学的変化が挙げられる。外部にせよ内部にせよ、これらの要因が、目に見える皮膚損傷の徴候をもたらす。典型的な皮膚の損傷には、加齢にしたがって自然に生じる皮膚の薄化が含まれる。このような薄化により、皮膚をつくる細胞及び血管の縮小、並びに真皮−表皮接合点の平坦化が起こり、この接合点の力学抵抗を弱める結果となる。例えば、オイカリネン(Oikarinen)の「皮膚の老化:経年的老化対光老化(The Aging of Skin:Chronoaging Versus Photoaging)」、光皮膚科学・光免疫学・光医学(Photodermatol.Photoimmunol.Photomed.)、第7巻、3〜4頁、1990年を参照のこと。老化又は損傷した皮膚で見られる他の損傷又は変化としては、小じわ、しわ、過度の色素沈着、血色の悪さ、たるみ、目の下のクマ、腫れぼったい目、毛穴の広がり、代謝回転の速度の低下、及び異常な落屑若しくは剥離が挙げられる。外部要因及び内部要因の両方に起因して生じる他の損傷には、可視の死んだ皮膚(即ち、粉状の剥がれ、鱗屑、乾燥、荒れ)が挙げられる。毛髪の場合、これらの外部要因及び内部要因は、とりわけ毛髪漂白、割れ末端部、脆さ、荒れ、脱毛、育毛速度の減少等の一因となるおそれがある。従って、これらケラチン組織の状態の改善措置を図る製品及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
出願者等は、特定の活性物質を含有する局所適用組成物が、ケラチン組織状態、特に美白のための予防的並びに治療的処置を提供するため使用されてよいことを発見した。
【0005】
1つの好ましい実施形態によれば、テトラヒドロクルクミンと、糖アミン、ビタミンB3、レチノイド、ヒドロキノン、ペプチド、フィトステロール、ジアルカノイルヒドロキシプロリン、ヘキサミジン、サリチル酸、n−アシルアミノ酸化合物、日焼け止活性物質、水溶性ビタミン、油溶性ビタミン、ヘスペリジン、からし抽出液、グリチルリチン酸、グリシレチン酸、カルノシン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、アントラニル酸メチル、セチルピリジニウムクロリド、エルゴチオネイン、バニリン又はその誘導体類、ジエチルヘキシルシリニリデンマロネート、メラノスタチン、ステロールエステル、デヒドロ酢酸、イデベノン、酵母抽出液、β−グルカン、α−グルカン、それらの塩、それらの誘導体、それらの前駆体、及び/又はそれらの組み合わせとから成る群から選択される安全且つ有効な量の少なくとも1つの追加のスキンケア及び/又はヘアケア活性物質と、皮膚科学的に許容できるキャリアとを備えるパーソナルケア組成物が今や提供されている。
【0006】
他の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの酸化防止剤化合物、少なくとも1つのチロシナーゼ抑制性化合物、少なくとも1つのトリプシン抑制化合物、少なくとも1つの抗炎症化合物、及び少なくとも1つの酸化窒素捕捉化合物を含むパーソナルケア組成物が今や提供されている。
【0007】
更に他の好ましい実施形態によれば、少なくとも一つのパーソナルケア組成物、前記パーソナルケア組成物のための包装、並びに前記パーソナルケア組成物の局所適用で人間の皮膚の色合い又は人間の皮膚の色が改善できることを伝達する表示及び/又は画像を含む前記パーソナルケア組成物に関連する宣伝材料を備える、パーソナルケア組成物の商品が今や提供されている。パーソナルケア組成物は、テトラヒドロクルクミンと少なくとも1つの日焼け止め活性種を含む。
【0008】
本発明は、更に哺乳類ケラチン組織の状態を調整する方法に関し、各方法は、本発明による安全且つ有効な量のパーソナルケア組成物をそのような処置が必要な哺乳類のケラチン組織に局所的に適用する工程を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書で使用する百分率及び比率は全て総組成物の重量によるものであり、測定は全て、特に指示がない限り、25℃で行われる。
【0010】
本発明の組成物は、本明細書に記載の必須構成成分並びに任意成分を含み、それらから本質的に構成され、又はそれらから構成されることができる。本明細書で使用するとき、「から本質的に成る」とは、組成物又は成分が追加成分を包含してよいが、それら追加成分が特許請求される組成物又は方法の基本的及び新規な特徴を大きく変化させない場合に限ることを意味する。
【0011】
本明細書で使用する時、用語「ケラチン組織」は、皮膚、毛髪、足指の爪、手指の爪、表皮、蹄などが挙げられるがこれらに限定されない、哺乳類の最も外側の保護被覆として配置されるケラチン含有層のことを指す。
【0012】
本明細書で使用する時、用語「局所適用」は、本発明の組成物をケラチン組織の表面に適用又は塗布することを意味する。
【0013】
本明細書で使用する時、用語「皮膚科学的に許容可能な」は、記載される組成物又は構成成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応などがなく、ヒトのケラチン組織と接触して使用するのに好適であることを意味する。
【0014】
本明細書で使用する時、用語「安全且つ有効な量」は、望ましい効果、好ましくは、本明細書に開示される効果を独立に又は組み合わせて包含するケラチン組織の外観又は感触に対する望ましい効果を、明らかにもたらすのには十分に多いが、深刻な副作用を防ぐ(即ち、当事者の正常な判断の範囲内で適当な効果対リスク比を提供する)には十分に少ない、化合物又は組成物の量を意味する。
【0015】
本明細書で使用する時、用語「炎症後過度の色素沈着」は、炎症現象(例えば、にきび、かき傷、昆虫の刺傷又はかみ傷、日焼け等)に対する反応としての特に浅黒い皮膚患者のメラニン含有量の変化を指す。
【0016】
本明細書で使用する時、用語「過度の色素沈着」は、色素沈着が、皮膚の隣接領域のそれより大きい皮膚の領域を指す(例えば、色素しみ、加齢しみ等)。
【0017】
本明細書で使用する時、用語「落屑、剥離及び/又は代謝回転」は、角質層(角層を含む)の上部層の除去を意味する。
【0018】
本明細書で使用する時、用語「脂ぎる及び/又はてかてかする外観」は、それぞれの原腺からの油、皮脂及び/又は汗の排出と同時に表れる傾向があるつややかに見える哺乳類の皮膚を意味する。
【0019】
本明細書で使用する時、用語「たるむ」は、皮膚エラスチンの衰え、損傷、変質及び/又は異常の結果として生じる皮膚の締まりのない、たるんだ等の状態を意味する。
【0020】
本明細書で使用する時、用語「平滑化」及び「柔軟化」は、触知できる感触が改善されるようにケラチン組織の表面を変えることを意味する。
【0021】
本明細書で使用する時、用語「血色の悪さ」は、典型的に皮膚の加齢にともなうタンパク質グリケーション及びリポフスチンの蓄積又は末梢血流の減少等の方法により変色するような(例えば、色が黄色い)皮膚構成成分の衰え、損傷、変質及び/又は異常の結果として生じる皮膚の青白い色、黄色い色等の状態を意味する。
【0022】
本発明の組成物は、局所適用及びケラチン組織の状態を調整するのに有用である。身体への内部及び/又は外部要因によって誘発される若しくは引き起こされることのある状態が原因で、ケラチン組織の状態、特にヒトの皮膚の状態の調整を必要とすることが頻繁にある。例えば、「調整皮膚状態」としては、予防的調整及び/又は治療的調整皮膚状態が挙げられ、並びに1以上の以下の効果、即ち萎縮(例えば、皮膚の)を減らすための肥厚(即ち、脂肪と筋肉等の皮膚及び/若しくは皮下層の表皮並びに/又は真皮層をつくり、爪と毛幹のケラチン層に適用できる)、真皮表皮へりの回旋の増加、目の周りの下等の非メラニン皮膚変色、しみ(例えば酒さによる、例えば、一様でない赤い彩色)(以下「赤いしみ」と呼ぶ)及び血色の悪さ(青白い又は黄色い色)の減少、末梢血管拡張又はクモ状血管に起因する変色の減少、皮膚内(例えば、脂肪褐色素、グリケーションにより生ずるもの等のタンパク質架橋等)のメラニン(例えば、生体色素斑点、加齢斑点、一様でない色素形成)及びその他の発色団による変色の減少が包含されてよい。本明細書で使用する時、皮膚状態の予防的調整には、可視及び/又は触知できる皮膚の不連続性(例えば、視覚的又は感触によって検出できる、皮膚のきめの凹凸、小じわ、しわ、たるみ、妊娠線、セルライト、腫れぼったい目など)を遅らせ、最小限に抑え、及び/又は予防することが含まれる。本明細書で使用する時、治療的調整皮膚状態は、皮膚の回復による中断(例えば、減少する、最少にする及び/又は消滅する)を含む。皮膚の状態の調整は、皮膚の外観及び/又は感触を改善するものである。
【0023】
本明細書で使用する時、用語「皮膚状態の調整」は、本来のメカニズムに関係なく前記徴候の調整を含むことが意図される。
【0024】
本明細書で使用する時、用語「表示」は、テキスト及び/又は図形を含む記号を識別することを意味する。
【0025】
本明細書で使用する時、用語「画像」は、哺乳類又は対象物の写真、挿し絵及び/又はその他の絵入りの描写を意味する。
【0026】
本明細書で使用する時、用語「包装」は、製品が一般に紹介される際、パーソナルケア組成物に又は周りに少なくとも部分的に配置される構造体又は材料を意味する。「一次包装」は、閉包、ポンプ、キャップ、又はその他の周辺機器品目を含む全ての容器を意味し、組成物が直接接触する。「二次包装」は、少なくとも部分的に一次包装を取り囲み、包含し又は接触する、例えば箱若しくはポリマースリーブのような容器等の一次包装に関連付けられる全ての追加の材料を意味する。
【0027】
本明細書で使用する時、用語「宣伝教材」は、有形の表現媒体を意味し、それ自身で又は周辺機器の助力によって、関連するパーソナルケア組成物の存在を周知させ、又は品質若しくは利点を宣伝する。
【0028】
本発明の必須及び任意の構成成分を含む組成物を、以下で詳細に記載する。
構成成分
テトラヒドロクルクミン
本発明は、安全且つ有効な量のテトラヒドロクルクミン(THC)、エステル又はエーテル等のその誘導体、及びそれらの組み合わせを含む。好ましくは、組成物は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.25重量%〜約3重量%のテトラヒドロクルクミン化合物を含有する。
【0029】
UV及び刺激剤に対する曝露等の多くの刺激に対応して、酸素ラジカルが、皮膚内に生産される。又、前記ラジカルは、通常細胞又は組織代謝の副生成物として生産される。酸素ラジカルは、色素細胞(メラノサイト)を刺激し、メラニンの生産を増加できる。クルクミノイド(THC等)は、酸化防止剤の性能を有し、従って、メラノサイトを刺激する前に酸素ラジカルを捕捉できる。
【0030】
タンパク質チロシナーゼは、DOPA(ジヒドロキシフェニルアラニン)へのアミノ酸チロシンの転化に包含される酵素で、そしてそれは、次に、更に他の中間体に転化され、皮膚色素メラニンに重合される。チロシナーゼの部分的又は完全な抑制が、メラニンの形成を各々遅延又は停止し、より美白な皮膚色(例えば、過度の色素沈着斑点黒ずみの減少)にする。クルクミノイド(THC等)は、チロシナーゼも抑制する。
【0031】
本発明に有用なその他のクルクミノイドとしては、クルクミン、テトラヒドロデメトキシクルクミン、テトラヒドロビスデメトキシクルクミン、エステル及びエーテル等のそれらの誘導体類、及びそれらの組み合わせが挙げられる。クルクミノイド(THC等)は、天然又は合成起源であってよい。好ましくは、本発明において、テトラヒドロクルクミンは、単独で又はテトラヒドロデメトキシクルクミンとの組み合わせで及び/若しくはテトラヒドロビスデメトキシクルクミンと組み合わせ使用される。好ましい誘導体類としては、エステル、特にテトラヒドロクルクミンの二酢酸エステル及び/又はテトラヒドロクルクミンとのその組み合わせ及び/又はテトラヒドロデメトキシクルクミンとのその組み合わせ及び/又はテトラヒドロビスデメトキシクルクミンとのその組み合わせ及び/又はエステルとのその組み合わせ、特にテトラヒドロデメトキシクルクミンの二酢酸エステル及び/又はテトラヒドロビスデメトキシクルクミンの二酢酸エステルが挙げられる。
【0032】
追加のスキンケア及び/又はヘアケア活性物質
本発明は、安全且つ有効な量の少なくとも1つの追加のスキンケア及び/又はヘアケア活性物質を含む。これらのスキンケア及び/又はヘアケア活性物質は、糖アミン、ビタミンB3、レチノイド、ヒドロキノン、ペプチド、フィトステロール、ジアルカノイルヒドロキシプロリン、ヘキサミジン、サリチル酸、n−アシルアミノ酸化合物、日焼け止活性物質、水溶性ビタミン、油溶性ビタミン、ヘスペリジン、からし抽出液、グリチルリチン酸、グリシレチン酸、カルノシン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、アントラニル酸メチル、セチルピリジニウムクロリド、エルゴチオネイン、バニリン又はその誘導体類、ジエチルヘキシルシリニリデンマロネート、メラノスタチン、ステロールエステル、イデベノン、デヒドロ酢酸、酵母抽出液(例えば、ピテラ(Pitera)(登録商標)、β−グルカン、α−グルカン、それらの塩、それらの誘導体、それらの前駆体、及び/又はそれらの組み合わせから成る群から選択される。これらの追加活性物質の幾つかの更なる記載が、以下に提供される。
【0033】
本発明のスキンケア及び/又はヘアケア活性物質は、美白に有用であってよい。美白は、酸化防止メカニズム、トリプシン抑制メカニズム、抗炎症メカニズム、酸化窒素捕捉、チロシナーゼ抑制等を含む多数ののメカニズムにより生じてよい。従って、これらのメカニズムを有する化合物は、美白に対する可能性を有している。
【0034】
1.糖アミン(アミノ糖)
本発明の組成物は、任意に、安全且つ有効な量の、アミノ糖としても知られる糖アミンを包含する。本発明に有用な糖アミン化合物が、PCT国際公開特許WO02/076423及び米国特許第6,159,485号に記載されている。
【0035】
好ましくは、組成物は、当該組成物の約0.01重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の糖アミンを含有する。
【0036】
糖アミンは、合成又は天然由来であることができ、純粋化合物又は化合物の混合物(例えば、自然源からの抽出物又は合成物質の混合物)として用いることができる。グルコサミンは、一般に多くの甲殻類に見られ、真菌源からも誘導することができる。本明細書で使用する時、「糖アミン」には、その異性体及び互変異性体、ならびにその塩(例えば、HCl塩)が含まれ、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Co.)から市販されている。
【0037】
本明細書で有用な糖アミンの例としては、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、グルコサミンサルフェート、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン、ガラクトサミン、N−アセチルガラクトサミン、それらの異性体類(例えば、立体異性体類)、及びそれらの塩(例えば、HCl塩)が挙げられる。本明細書で使用するのに好ましいのは、グルコサミン、特にD−グルコサミン及びN−アセチルグルコサミン、特にN−アセチル−D−グルコサミンである。
【0038】
2.ビタミンB3
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のビタミンB3化合物を包含してもよい。ビタミンB3化合物は、米国特許第5,939,082号に記載されるように、皮膚状態を調整するのに特に有用である。好ましくは、組成物は、当該組成物の約0.01重量%〜約50重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、更に好ましくは約1重量%〜約7重量%、更により好ましくは約2重量%〜約5重量%のビタミンB3化合物を含有する。
【0039】
本明細書で使用する時、「ビタミンB3化合物」は、次式を有する化合物を意味する。
【0040】
【化1】

式中、Rは、−CONH2(即ち、ナイアシンアミド)、−COOH(即ち、ニコチン酸)、又は−CH2OH(即ち、ニコチニルアルコール);これらの誘導体;及びこれらのうちいずれかの塩である。
【0041】
上述のビタミンB3化合物の代表的な誘導体としては、ニコチン酸の非血管拡張性エステル(例えば、トコフェリルニコチネート、ミリスチルニコチネート)を包含するニコチン酸エステルが挙げられる。
【0042】
好適なビタミンB3化合物の例は、当該技術分野において周知であり、多数の供給源(例えば、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company)、ICNバイオメディカルズ社(ICN Biomedicals,Inc.)及びアルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company))より市販されている。本発明に有用な好ましいビタミンB3化合物は、ナイアシンアミドである。
【0043】
3.レチノイド
本発明の組成物は、得られる組成物が、ケラチン組織の状態の調整、好ましくは目に見える及び/又は触知できる皮膚の不連続性の調整、より好ましくは皮膚老化の徴候の調整に安全且つ有効であるように、安全且つ有効量のレチノイドを含有してもよい。組成物は、好ましくは、当該組成物の約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.005重量%〜約2重量%、更に好ましくは約0.01重量%〜約1重量%、更により好ましくは約0.01重量%〜約0.5重量%のレチノイドを含有する。レチノイドの効力は、非常に広範にわたるので、組成物で使用される最適な濃度は、選択される具体的なレチノイドによって異なる。
【0044】
本発明で使用する時、「レチノイド」は、皮膚内でビタミンAの生物学的活性を有するビタミンA又はレチノール様化合物のすべての天然及び/又は合成類縁体、並びにこれらの化合物の幾何異性体及び立体異性体を含む。レチノイドは、好ましくは、レチノール、レチノールエステル(例えば、レチニルパルミテート、レチニルアセテート、レチニルプロピオネートを含む、レチノールのC2〜C22アルキルエステル)、レチナール、及び/若しくはレチノイン酸(すべてのトランスレチノイン酸及び/若しくは13−シス−レチノイン酸を含む)、又はこれらの混合物から選択される。より好ましくは、レチノイドは、レチノイン酸以外のレチノイドである。好ましいレチノイドは、レチノール、パルミチン酸レチニル、レチニルアセテート、プロピオン酸レチニル、レチナール及びそれらの組み合わせである。更に好ましいのはプロピオン酸レチニルであり、更により好ましくは約0.1%〜約0.3%使用される。
【0045】
4.ペプチド
本発明の組成物は、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、及びヘキサ−ペプチド並びにそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない安全且つ有効な量のペプチドを含有してもよい。組成物は、好ましくは、当該組成物の約1×10-6重量%〜約20重量%、より好ましくは約1×10-6重量%〜約10重量%、更に好ましくは約1×10-5重量%〜約5重量%を含有する。
【0046】
本明細書で使用する時、「ペプチド」は10以下のアミノ酸を含有するペプチド及びその誘導体、異性体、並びに金属イオン(例えば、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウムなど)のような他の種との錯体を指す。本明細書で使用する時、ペプチドは、天然に生ずるペプチド及び合成ペプチドの両方を指す。又、本明細書で有用なのは、ペプチドが含まれている天然由来の組成物及び市販されている組成物である。より好ましいペプチドは、ジペプチドカルノシン(β−ala−his)、トリペプチドgly−his−lys、ペンタペプチドlys−thr−thr−lys−ser、ペプチドの親油性誘導体、及び前述の金属錯体、例えばトリペプチドhis−gly−glyの銅錯体(イアミン(Iamin)としても既知)である。好ましいジペプチド誘導体は、パルミトイル−lys−thrである。好ましい市販のトリペプチド誘導体含有組成物は、100ppmのパルミトイル−gly−his−lysを含有するバイオペプチド(Biopeptide)CL(登録商標)であり、セダーマ(Sederma)から市販されている。好ましい市販のペンタペプチド誘導体含有組成物は、100ppmのパルミトイル−lys−thr−thr−lys−serを含有するマトリキシル(Matrixyl)(登録商標)でありセダーマ(Sederma)から市販されている。
【0047】
5.フィトステロール
本発明の局所適用組成物は、β−シトステロール、カンペステロール、ブラジカステロール、Δ5−アベナステロール、ルペノール、α−スピナステロール、スチグマステロール、それらの誘導体、類縁体、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、1つ以上の安全且つ有効な量のフィトステロールを含んでもよい。より好ましくは、フィトステロールは、β−シトステロール、カンペステロール、ブラジカステロール、スチグマステロール、それらの誘導体、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。更に好ましくは、フィトステロールはスチグマステロールである。
【0048】
フィトステロールは、合成由来又は天然由来であることができ、本質的に純粋な化合物又は化合物の混合物(例えば、天然源からの抽出物)として使用することができる。フィトステロールは通常、植物油及び植物性脂肪の不けん化部に見出され、遊離ステロール、アセチル化誘導体、ステロールエステル、エトキシル化又はグリコシド誘導体として入手可能である。更に好ましくは、フィトステロールは遊離ステロールである。本明細書で使用する時、「フィトステロール」にはその異性体及び互変異性体が含まれ、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company)、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company)、及びコグニス(Cognis)から市販されている。
【0049】
本発明の組成物には、好ましくは、当該組成物の約0.0001重量%〜約25重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約10重量%、更に好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.2重量%〜約2重量%のフィトステロールが含まれる。
【0050】
6.ヘキサミジン
本発明で有用なヘキサミジン化合物は、次の化学構造のものに相当する:
【0051】
【化2】

式中、R1及びR2は、有機酸(例えば、スルホン酸など)を含む。
【0052】
本発明の組成物には、好ましくは、当該組成物の約0.0001〜約25重量%、より好ましくは約0.001〜約10重量%、更に好ましくは約0.01〜約5重量%、更により好ましくは約0.02〜約2.5重量%のヘキサミジンが含まれる。
【0053】
本発明の局所適用組成物は、任意に、1つ以上のヘキサミジン化合物、その塩、及びその誘導体を安全且つ有効な量で包含する。本明細書で使用する時、ヘキサミジン誘導体には、有機酸及び鉱酸(例えば、スルホン酸、カルボン酸など)を包含するがこれらに限定されないヘキサミジン化合物のいずれかの異性体及び互変異性体が含まれる。好ましくは、ヘキサミジン化合物は、ラボラトワール・セロバイオロジーク(Laboratoires Serobiologiques)からエレアスタブ(Eleastab)(登録商標)HP100として市販されている、ヘキサミジンジイセチオネートを包含する。
【0054】
7.ジアルカノイルヒドロキシプロリン化合物
本発明のジアルカノイルヒドロキシプロリン化合物は、次の化学構造のものに相当する:
【0055】
【化3】

式中、R1は、H、X、C1〜C20直鎖状又は分枝状アルキルを含み、
Xは、金属(Na、K、Li、Mg、Ca)又はアミン(DEA、TEA)を含み、
2は、C1〜C20直鎖状又は分枝状アルキルを含み、
3は、C1〜C20直鎖状又は分枝状アルキルを含む。
【0056】
本発明の局所適用組成物は、1つ以上のジアルカノイルヒドロキシプロリン化合物及びそれらの塩並びに誘導体を、安全且つ有効な量で含んでもよい。本発明の組成物において、ジアルカノイルヒドロキシプロリン化合物は、好ましくは組成物の約0.01重量%〜10重量%、より好ましくは約0.1〜5重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜2重量%を含む。
【0057】
好適な誘導体としては、これらに限定するものではないが、エステルが挙げられ、例えば、トリパルミトイルヒドロキシプロリン及びジパルミチルアセチルヒドロキシプロリンを含むがこれらに限定されない脂肪酸エステルが挙げられる。特に有用な化合物は、ジパルミトイルヒドロキシプロリンである。本明細書で使用する時、ジパルミトイルヒドロキシプロリンには、その異性体及び互変異性体が含まれ、セピック社(Seppic,Inc)からセピリフト(Sepilift)DPHP(登録商標)の商品名で市販されている。ジパルミトイルヒドロキシプロリンについては、PCT国際公開特許WO93/23028で更に論じられている。好ましくは、ジパルミトイルヒドロキシプロリンは、ジパルミトイルヒドロキシプロリンのトリエタノールアミン塩である。
【0058】
8.サリチル酸化合物
本発明の局所適用組成物は、安全且つ有効な量のサリチル酸化合物、そのエステル、その塩、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。本発明の組成物において、サリチル酸化合物は、好ましくは当該組成物の約0.0001重量%〜約25重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約10重量%、更に好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.2重量%〜約2重量%のサリチル酸を含む。
【0059】
9.N−アシルアミノ酸化合物
本発明の局所適用組成物は、安全且つ有効な量の1つ以上のN−アシルアミノ酸化合物を含んでもよい。アミノ酸は、当該技術分野において既知のいかなるアミノ酸の1つでもあることができる。本発明のN−アシルアミノ酸化合物は、次式に相当する:
【0060】
【化4】

式中、Rは水素、アルキル(置換又は非置換、分枝状又は直鎖状)、又はアルキル基及び芳香族基の組み合わせであることができる。当該技術分野において既知のアミノ酸の考えられる側鎖の一覧は、ストライヤー(Stryer)による「生化学(Biochemistry)」(1981年、W.H.フリーマン・アンド・カンパニー(W.H.Freeman and Comany)発行)に記載されている。R1は、C1〜C30、飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状、置換又は非置換のアルキル;置換又は非置換の芳香族基;又はそれらの混合物であることができる。
【0061】
好ましくは、N−アシルアミノ酸化合物は、N−アシルフェニルアラニン、N−アシルチロシン、それらの異性体、それらの塩、及びそれらの誘導体から成る群から選択される。アミノ酸は、D異性体又はL異性体、あるいはそれらの混合物であることができる。N−アシルフェニルアラニンは、次式に相当する:
【0062】
【化5】

式中、R1は、C1〜C30、飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状、置換又は非置換のアルキル;置換又は非置換の芳香族基;又はそれらの混合物であることができる。
【0063】
N−アシルチロシンは、次式に相当する:
【0064】
【化6】

式中、R1は、C1〜C30、飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状、置換又は非置換のアルキル;置換又は非置換の芳香族基;又はそれらの混合物であることができる。
【0065】
局所用の皮膚の色合いを均一にする(美白又は色素沈着の減少)化粧品として特に有用なのは、N−ウンデシレノイル−L−フェニルアラニンである。この剤は、広い分類のN−アシルフェニルアラニン誘導体に属し、そのアシル基はC11モノ不飽和脂肪酸部分、及びアミノ酸はフェニルアラニンのL異性体である。N−ウンデシレノイル−L−フェニルアラニンは、次式に相当する:
【0066】
【化7】

【0067】
本明細書で使用する時、N−ウンデシレノイル−L−フェニルアラニンは、セピック(SEPPIC)からセピホワイト(Sepiwhite)(登録商標)の名称で市販されているものである。
【0068】
本発明の組成物において、N−アシルアミノ酸は、好ましくは当該組成物の約0.0001〜25重量%、より好ましくは約0.001〜10重量%、更に好ましくは約0.01〜5重量%、更により好ましくは約0.02〜2.5重量%を含む。
【0069】
10.日焼け止め活性種
本発明の組成物は、任意に日焼け止め活性種を含有してもよい。本明細書で使用する時、「日焼け止め活性物質」とは、日焼け止め剤及び物理的日焼け防止剤の両方を包含する。好適な日焼け止め活性物質は、有機又は無機であってよい。
【0070】
多種多様な従来の日焼け止め活性物質が、本明細書で使用するのに適している。サガリン(Sagarin)等の化粧品の科学と技術(Cosmetics Science and Technology)(1972年)、第VIII章、189頁以下は、多数の適した活性物質を開示している。特に好適な日焼け止め剤は、2−エチルヘキシル−p−メトキシケイ皮酸エステル(パーソル(PARSOL)MCXとして市販)、4,4’−t−ブチルメトキシジベンゾイル−メタン(パーソル(PARSOL)1789として市販)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチル−p−アミノ安息香酸、ジガロイルトリオレエート、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、エチル−4−(ビス(ヒドロキシ−プロピル)アミノ安息香酸エステル、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エステル、2−エチルヘキシル−サリチル酸エステル、グリセリル−p−アミノ安息香酸エステル、3,3,5−トリ−メチルシクロヘキシルサリチル酸エステル、アントラニル酸メチル、p−ジメチル−アミノ安息香酸又はアミノ安息香酸エステル、2−エチルヘキシル−p−ジメチル−アミノ−安息香酸エステル、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−5−スルホンベンゾオキサゾイン酸、オクトクリレン、酸化亜鉛、二酸化チタン、及びこれら化合物の混合物である。
【0071】
本発明の組成物において好ましい有機日焼け止め活性物質は、2−エチルヘキシル−p−メトキシケイ皮酸、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、オクチルジメチル−p−アミノ安息香酸、オクトクリレン、酸化亜鉛、二酸化チタン、及びそれらの混合物である。特に好ましい日焼け止め活性物質としては、4,4’−t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2−エチルヘキシル−p−メトキシケイ皮酸エステル、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、オクトクリレン、酸化亜鉛、及び二酸化チタン、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0072】
日焼け止め活性種は、好ましくは、組成物の約1重量%〜約20重量%、より好ましくは約2重量%〜約10重量%を含む。的確な量は、選択した日焼け止め剤及び所望の太陽光線保護指数(SPF)に応じて変化する。
【0073】
11.水溶性ビタミン
本発明の組成物は、1つ以上の安全且つ有効な量の水溶性ビタミンを含有してよい。水溶性ビタミンの例としては、ビタミンBの水溶性型(ビタミンB5及びビタミンB6(例えば、ピリドキシン)等)、ビタミンB誘導体類、ビタミンC(アスコルビルグルコシド等)、ビタミンC誘導体類(リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム及びパルミチン酸アスコルビル等)、ビタミンK、ビタミンK誘導体類、パンテノール及びこれらの混合物等のそれらのプロビタミンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物中にビタミン化合物が存在する場合、組成物は、好ましくは当該組成物の約0.0001重量%〜約50重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約10重量%、更に好ましくは約0.01重量%〜約8重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約5重量%のビタミン化合物を含有する。
【0074】
12.油溶性ビタミン
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の1以上の油溶性ビタミンを含有してよい。油溶性ビタミンの例としては、ビタミンDの油溶性型、ビタミンD誘導体類、ビタミンE(ビタミンEアセテート等)、ビタミンE誘導体類、それらのプロビタミン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。油溶性ビタミン化合物が、本発明の組成物中に存在する場合、組成物は、好ましくは組成物の約0.0001重量%〜約50重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約10重量%、更により好ましくは約0.01重量%〜約8重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約5重量%の油溶性ビタミン化合物を含有する。
【0075】
13.ヘスペリジン(Hesperedin)
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のヘスペリジンを含んでよい。前記組成物のヘスペリジン(hesperdin)は、好ましくはその誘導体グルコシルヘスペリジン(hesperdin)である。好ましくは、前記組成物は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約3重量%のヘスペリジン(hesperedin)化合物を含有する。
【0076】
ヘスペリジン(Hesperidin)及びグルコシルヘスペリジン(hesperedin)は、フラボノイドである。UV及び刺激剤に対する曝露等の多くの刺激に反応して、酸素ラジカルが、皮膚内に生産される。又、前記ラジカルは、通常細胞又は組織代謝の副生成物として生産される。酸素ラジカルは、色素細胞(メラノサイト)を刺激し、メラニンの生産を増加できる。ヘスペリジン(Hesperidin)及びグルコシルヘスペリジン(hesperedin)は、酸化防止剤性能を有し、従って、メラノサイトを刺激する前に酸素ラジカルを捕捉できる。
【0077】
タンパク質チロシナーゼは、DOPA(ジヒドロキシフェニルアラニン)へのアミノ酸チロシンの転化に包含される酵素で、そしてそれは、次に、更に他の中間体に転化され、皮膚色素メラニンに重合される。チロシナーゼの部分的又は完全な抑制が、メラニンの形成を各々遅延又は停止し、より美白な皮膚色(例えば、過度の色素沈着斑点黒ずみの減少)にする。ヘスペリジン(Hesperidin)及びグルコシルヘスペリジン(hesperidin)は、チロシナーゼも抑制する。
【0078】
14.グリチルリチン酸
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のグリチルリチン酸及び/又はその塩を含んでよい。好ましくは、前記組成物は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約3重量%のグリチルリチン酸化合物を含有する。グリチルリチン酸は、カンゾウ抽出物の構成成分である。
【0079】
グリチルリチン酸は、抗炎症剤である。炎症媒介物質又はサイトカインは、色素細胞(メラノサイト)を刺激し、メラニンを生産できる。従って、UV損傷、にきび、内に伸びた毛髪、昆虫のかみ傷、かき傷等の炎症状態は、いわゆる炎症後の過度の色素沈着を刺激する。UVは、全ての皮膚の種類の一次色素沈着誘導物質であるが、他の炎症性刺激(にきび等)からの色素は、特により黒い皮膚の個々人(例えば、ラテンアメリカ人、アジア人)の皮膚色素沈着に寄与する。抗炎症剤による炎症の抑制で色素沈着は減ることになっている。
【0080】
又、グリチルリチン酸は、酸化窒素の捕捉剤であると思われる。酸化窒素(NO)は、色素形成の刺激物である。酸化窒素捕捉剤(酸化窒素と反応し色素細胞を刺激するのを防止する物質)の使用で、色素沈着は、減少することになる。
【0081】
又、グリチルリチン酸は、グリチルリチン、グリチルリチン酸、又はグリシレチン酸グリコシドとして既知である。
【0082】
15.グリシレチン酸
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のグリシレチン酸及び/又はその塩を含んでよい。好ましくは、組成物は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約3重量%のグリシレチン酸化合物を含有する。グリシレチン酸は、カンゾウ抽出物の構成成分である。
【0083】
又、グリシレチン酸は、グリチルリチン酸の項で上記した抗炎症剤である。構造的に、グリシレチン酸は、グリシレチン酸が結合糖残基(グリコシド)を有さない点でグリチルリチン酸と異なる。又、グリシレチン酸は、エノキソロン(enoxolone)、グリチルレチン酸、又はウラレン酸(uralenic acid)として既知である。
【0084】
16.カルノシン
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のカルノシンを含んでよい。好ましくは、組成物は、組成物の約0.01重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、更により好ましくは約1重量%〜約10重量%のカルノシン化合物を含有する。
【0085】
カルノシンは、ジペプチドで、酸化防止剤として作用する。酸化防止メカニズムは、ヘスペリジン(hesperidin)の項で上記したものと同じである。カルノシンは、元来人間の体内で見出されている。カルノシンは、より長く生存した組織内では高レベルで存在し、問題のある組織内では低レベルで存在するので抗加齢ペプチドと呼ばれている(例えば、白内障)。カルノシンと構造的に及び力学的にに類似である物質としては、カルシニン(carcinine)、アンサリン(anserrine)、ホモカルノシン及びオフィジン(ophidine)が挙げられる。
【0086】
17.塩化セチルピリジニウム
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の塩化セチルピリジニウムを含んでよい。塩化セチルピリジニウムの別の形態としては、四級窒素上の置換基のうちの1つ又は2つが炭素原子約8〜約20個、典型的には約10〜約18個の炭素鎖長(典型的にはアルキル基)を有する一方、残りの置換基(典型的にはアルキル基又はベンジル基)は、炭素原子約1〜約7個のような、より少ない炭素原子数、典型的にはメチル基又はエチル基を有するものが挙げられる。臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルピリジニウム、臭化ドミフェン、N−テトラデシル−4−塩化エチルピリジニウム、臭化ドデシルジメチル(2−フェノキシエチル)アンモニウム、塩化ベンジルジメチルステアリル塩化アンモニウム、四級化された5−アミノ−1,3−ビス(2−エチルヘキシル)−5−メチルヘキサヒドロピリミジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム及び塩化メチルベンゼトニウムは、典型的な第四アンモニウム試剤の好例である。その他の化合物は、米国特許第4,206,215号に開示されたようなビス−4−(R−アミノ)−1−ピリジニウムアルカンである。
【0087】
塩化セチルピリジニウムは、組成物の約0.005重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%の量で存在してよい。塩化セチルピリジニウムは、チロシナーゼの阻害物質で、メカニズムは上記した。
【0088】
18.エルゴチオネイン
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のエルゴチオネインを含んでよい。エルゴチオネインは、組成物の約0.01重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、更により好ましくは約1重量%〜約10重量%の量で存在してよい。好ましいエルゴチオネインは、チオタイン(Thiotaine)(登録商標)で、バーネットプロダクツ(Barnet Products)から市販の化学薬品エルゴチオネインの市販溶液である。エルゴチオネインは、酸化防止性能を示し、メカニズムは上記した。
【0089】
19.ジエチルヘキシルシリニリデンマロネート
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のジエチルヘキシルシリニリデンマロネートを含んでよい。ジエチルヘキシルシリニリデンマロネートは、組成物の約0.01重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約10重量%の量で存在してよい。
【0090】
好ましいジエチルヘキシルシリニリデンマロネートは、オキシネックス(Oxynex)(登録商標)で、酸化防止性能を示す。それは、ロナ/メルク(Rona/Merck)から入手できる。
【0091】
20.メラノスタチン
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のメラノスタチンを含んでよい。メラノスタチンは、組成物の約0.01重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約10重量%の量で存在してよい。メラノスタチンは、ペプチドの市販溶液(この市販溶液中に約50ppmのペプチド)のため、5%メラノスタチンを含有する製品中のペプチドの実際のレベルは、事実上約2.5ppmのペプチドを含有する。
【0092】
好ましいメラノスタチンは、バンサンス(Vincience)(仏)から入手できる。メラノスタチンは、ヘキサペプチドで、それは、α−MSH(メラニン刺激ホルモン)がその細胞受容体に結合するのを抑制することにより力学的に作用する、従って、色素沈着の開始を抑制する。
【0093】
21.ステロールエステル
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のステロールエステルを含んでよい。ステロールエステルは、組成物の約0.01重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約10重量%の量で存在してよい。
【0094】
ステロールエステルが本発明に使用される場合、組成物の形成は、エステルの加水分解が生じないように行われるべきである。従って、ステロールエステルを含む組成物の理想的なpH範囲は、約3〜約8、好ましくは約4〜約7である。
【0095】
本発明に有用なステロールエステルは、ステロール又はステロールの混合物(特に、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラジカステロール及び追加のステロール)を含んでよく、8〜30個の炭素原子(好ましくは、16〜22個の炭素原子)を有する脂肪酸又は脂肪酸類(直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和)の混合物でエステル化される。ステロールエステルは、P&Gケミカルズ(P&G Chemicals)から入手できる。
【0096】
22.イデベノン
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のイデベノンを含んでよい。好ましくは、前記組成物は、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.005重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.01重量%〜約1重量%のイデベノン化合物を含有する。あるいは、前記組成物は、組成物の約0.1重量%〜約0.5重量のイデベノン化合物を含んでよい。
【0097】
本明細書において、「イデベノン」は、以下の化合物、そのエステル及び他の誘導体類、塩、異性体類、互変異性体類、及びそれらの組み合わせを意味する。
【0098】
【化8】

【0099】
本発明のイデベノンの1つの技術名は、6−(10−ヒドロキシデシル)−2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノンである。
【0100】
23.デヒドロ酢酸
本発明の組成物は、構造式
【0101】
【化9】

を有するデヒドロ酢酸、又は薬剤として許容できる塩、誘導体類若しくはそれらの互変異性体類を含んでよい。本明細書で使用する時、「製薬上許容可能な」は、デヒドロ酢酸の塩が、過度の毒性、不適応性、不安定性、刺激性、アレルギー反応などがなく、それが暴露される哺乳類の組織に接触させて使用するのに好適であることを意味する。デヒドロ酢酸の技術的名称は、3−アセチル−6−メチル−2H−ピラン−2,4(3H)−ジオンであり、ロンザ(Lonza)から商業的に購入することができる。
【0102】
製薬上許容可能な塩としては、ナトリウム及びカリウムのようなアルカリ金属塩;カルシウム及びマグネシウムのようなアルカリ土類金属塩;非毒性の重金属塩;アンモニウム塩;並びにトリメチルアンモニウム及びトリエチルアンモニウムのようなトリアルキルアンモニウム塩が挙げられる。デヒドロ酢酸のナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩が好ましい。特に好ましいのは、トリK(Tri-K)よりトリスタット(Tristat)SDHAとして購入できるデヒドロ酢酸ナトリウムである。デヒドロ酢酸の誘導体は、CH3基が個別に又は組み合わせてアミド、エステル、アミノ基、アルキル、及びアルコールエステルによって置換されているいかなる化合物も包含するがこれらに限定されない。デヒドロ酢酸の互変異性体類は、互いにきわめて容易に変化でき、そのため通常は平衡状態で存在するデヒドロ酢酸の異性体類である。それ故、デヒドロ酢酸の互変異性体類は、化学式C884を有し及び一般的に上記の構造を有するように記述できる。
【0103】
1つの実施形態において、本発明の組成物は、組成物の約0.001重量%〜約25重量%、好ましくは約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、及び更により好ましくは約0.1重量%〜約1重量%のデヒドロ酢酸、又は薬剤として許容できる塩、誘導体類若しくはそれらの互変異性体類を含んでよい。
【0104】
24.その他の活性物質
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の1以上の以下、即ち脂肪酸(特に、多不飽和脂肪酸)、グルコサミン、ジンクピリチオン(ZPT),抗真菌剤,チオール化合物(例えば、N−アセチルシステイン、グルタチオン、チオグリコール酸塩)、他のビタミン(ビタミンB12)、β−カロチン、ユビキノン、及びアミノ酸等のその他の活性物質又は成分を含有してよい。
【0105】
皮膚科学的に許容可能なキャリア
又、本発明の局所適用組成物は、活性物質のための皮膚科学的に許容可能なキャリアを含む。本明細書で使用する時、「皮膚科学的に許容可能なキャリア」という語句は、当該キャリアがケラチン組織への局所適用に好適であり、良好な審美特性を有し、本発明の活性物質及びその他の構成成分と適合性があり、安全性又は毒性についていかなる問題も起こさないことを意味する。キャリアの安全且つ有効な量とは、当該組成物の約50%〜約99.99%、好ましくは約60%〜約99.9%、より好ましくは約70%〜約98%、更に好ましくは約80%〜約95%である。
【0106】
キャリアは、多種多様な形態をとることができる。例えば、水中油型、油中水型、水中シリコーン型、シリコーン中水型、水中油中水型及びシリコーン中水中油型エマルションが挙げられ、これらに限定されないエマルションキャリアは、本明細書で有用である。
【0107】
好ましいキャリアは、水中油型エマルション及び油中水型エマルションのようなエマルション、例えば、水中シリコーン型又はシリコーン中水型エマルションを含む。当業者には理解されるように、所与の構成成分は、組成物中の構成成分の水溶解度/非必須性に応じて、主として水相又は油相のいずれかに分配される。水中油型エマルションが特に好ましい。
【0108】
本発明に基づいたエマルションは一般に、前述の溶液及び脂質又は油を含有する。脂質及び油は、動物、植物、又は石油に由来してもよく、天然又は合成(即ち、人工)でもよい。好ましいエマルションは、グリセリンなどの湿潤剤も含有する。エマルションは、好ましくは更に、当該組成物の約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約5重量%の乳化剤を含有する。乳化剤は、非イオン性、アニオン性、又はカチオン性であってよい。好適な乳化剤は、例えば、米国特許第3,755,560号、同第4,421,769号、及びマカッチャン(McCutcheon)の「洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers)」(北米版、317〜324頁、1986年)に開示されている。
【0109】
好適なエマルションは、所望の製品形態に応じて、幅広い粘度を有してもよい。好ましい代表的な低粘度エマルションは、約5E−5m2/s(50センチストークス)もしくはそれ以下、より好ましくは約1E−52/s(10センチストークス)もしくはそれ以下、更により好ましくは約5E−6m2/s(5センチストークス)もしくはそれ以下の粘度を有する。
【0110】
又、本発明の組成物は、その他の皮膚科学的に許容可能な局所キャリア、及び経口のキャリアを含んでよい。例えば、他の局所キャリアは、界面活性剤含有洗剤(例えば、バー、シャンプー、フォーム洗剤、液体洗剤、ボディーウォッシュ、及びクレンジング布等)であってよい。前記キャリアにおいて、界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、双性イオン性、非イオン性又はそれらの混合物であってよい。他の局所キャリアの例は、着色化粧品(口紅、ほお紅、アイライナー、マスカラ、ファウンデーション、及びネールポリッシュ等)である。経口のキャリアは、飲料、食料品、丸薬、カプセル、粒子、及びカプレット等であってよい。
【0111】
任意構成成分
本発明の組成物は、所与の製品の種類に従来用いられる他の様々な成分を、それらが本発明の効果を容認し難いほど変更しないという条件で含有してもよい。
【0112】
組成物中に組み込まれる場合、任意の構成成分は、正常な判断の範囲内で、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応などを示すことなく、ヒトのケラチン組織に接触させて用いるのに好適でなければならない。「CTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA Cosmetic Ingredient Handbook)」、第2版(1992年)には、スキンケアに関連する業界で一般に使用される様々な非限定的な化粧品及び医薬品の成分が記載されており、それらは本発明の組成物への使用に好適である。それらの成分の部類としては:研磨剤;吸着剤;芳香剤、顔料、色素/着色剤、精油、皮膚感覚剤、収れん剤などの審美的構成成分(例えば、丁子油、メントール、カンファー、ユーカリ油、オイゲノール、メンチルラクテート、ウィッチヘーゼル留出物);抗ニキビ剤;固化防止剤;消泡剤;抗菌剤(例えば、ヨードプロピルブチルカーバメート);酸化防止剤;結合剤;生物学的添加物;緩衝剤;充填剤;キレート化剤;化学添加物;着色剤;化粧用収れん剤;化粧用殺生剤;変性剤;薬用収れん剤;外用鎮痛剤;例えば、組成物の被膜形成特性及び実体性を補助するためのポリマーなどの被膜形成剤又は物質(例えば、エイコセンのコポリマー及びビニルピロリドン);不透明化剤;pH調整剤;推進剤;還元剤;封鎖剤;皮膚漂白及び美白剤;皮膚コンディショニング剤;皮膚鎮静剤及び/又は皮膚回復剤及び誘導体;皮膚処置剤;増粘剤;ビタミン;及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0113】
本発明に有用なその他の任意成分としては、サリチル酸及び双極性界面活性剤等の落屑活性物質、レゾルシノール、イオウ、エリスロマイシン、亜鉛、デヒドロ酢酸等の抗ニキビ活性物質、抗しわ剤/抗皮膚萎縮剤、トコフェロール等の酸化防止剤/ラジカル捕捉剤、フリルジオキシム及びその誘導体等のキレート剤、フラボノイド、抗炎症剤、抗セルライト剤、ジヒドロキシアセトン等のなめし活性物質、美白剤、抗菌及び抗真菌活性物質、日焼け止活性物質、グリセリン、尿素、ワセリン、ショ糖ポリエステル及びそれらの組み合わせ等のコンディショニング剤、カルボン酸ポリマー、架橋ポリアクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、多糖、ガム等の粘稠化剤、水溶性ビタミン、並びに微粒子物質を含む米国特許出願第2004−0175347A1に記載されたものが挙げられる。
【0114】
組成物の形態
これらに限定するものではないが、ローション、ミルク、ムース、セラム、スプレー、エアゾール、フォーム、スティック、ペンシル、ゲル、クリーム、及び軟膏を含めた本発明の局所適用組成物は、皮膚科学的に許容可能な皮膚軟化剤を含んでよい。このような組成物は、好ましくは約2%〜約50%の皮膚軟化剤を含有する。本明細書で使用する時、「皮膚軟化剤」とは、乾燥の予防又は緩和並びに皮膚の保護に有用な物質を指す。多種多様の好適な皮膚軟化剤が既知であり、本明細書で使用されてもよい。サガリン(Sagarin)、化粧品科学と技術(Cosmetics, Science and Technology)第2版、第1巻、32〜43頁(1972年)には、皮膚軟化剤として好適な多数の物質例が包含されている。好ましい皮膚軟化剤は、グリセリンである。グリセリンは、好ましくは組成物の約0.001重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約15重量%、更に好ましくは約0.1重量%〜約10重量%の量で使用される。
【0115】
洗浄に有用な本発明の組成物(「洗浄剤」)は、好適なキャリア(例えば、前述のもの、及び組成物の約1重量%〜約90重量%の皮膚科学的に許容可能な界面活性剤)と配合される。
【0116】
洗浄組成物の物理的形態は、さほど重要ではない。組成物は、例えば、化粧石鹸、液体、シャンプー、浴用ジェル、ヘアコンディショナー、ヘアトニック、ペースト、又はムースとして配合することができる。化粧石鹸は、皮膚を洗うのに最も一般的に使用される洗浄剤の形態であるため、これが好ましい。シャンプーのようなリンスオフ洗浄組成物は、皮膚及び頭皮に活性物質を十分な濃度で付着させるのに適したデリバリーシステムを必要とする。好ましいデリバリーシステムは、不溶性錯体を使用するものである。そのようなデリバリーシステムの更に全体的な開示については、米国特許第4,835,148号を参照されたい。
【0117】
本発明の組成物は又、化粧品の形態であってもよい。好適な化粧品形態としては、ファンデーション、リップスティック、ルージュ、マスカラなどが挙げられるが、これらに限定されない。そのような化粧品製品には、油、着色剤、顔料、皮膚軟化剤、芳香剤、ワックス、安定剤などのような従来成分を含めてよい。本明細書で使用するのに好適な代表的なキャリア並びにそのような他の成分は、例えば、米国特許第6,060,547号に記載されている。
【0118】
又、本発明の組成物は、例えば、ジェル、フォーム、ローション及びクリームを含むひげそり予備製品の形態であってよく、エアゾールと非エアゾールタイプの両方が挙げられてよい。
【0119】
組成物の調製
本発明の組成物は、一般に、局所適用組成物を製造する技術分野において知られているような従来の方法によって調製される。このような方法は、通常、加熱、冷却、真空の適用などを用いて又は用いずに、成分を1つ以上の工程で混合して比較的均一な状態にするものである。組成物は、好ましくは、安定性(物理的安定性、化学的安定性、光安定性)、及び/又は活性物質の放出を最適化するように調製される。この最適化には、適切なpH(例えば、7未満)、活性剤と錯体になり、ひいては安定性又は分配にマイナスの影響を与え得る物質の排除(例えば、汚染鉄の排除)、錯体形成を防止する手法(例えば、適切な分散剤又は二重区画包装)の使用、適切な光安定性の手法(例えば、日焼け止め剤/日焼け防止剤の組み込み、不透明包装の使用)の使用などが含まれてもよい。
【0120】
ケラチン組織状態の調整方法
本発明の組成物は、多数の哺乳類のケラチン組織の状態を調整するのに有用である。ケラチン組織状態のそのような調整には、予防的及び処治療的な調整が包含される。より具体的には、前記調整法は、ケラチン組織の肥厚(即ち、皮膚の表皮及び/又は真皮及び/又は皮下層をつくり、爪と毛幹のケラチン層に適用できる)、美白又は色素沈着減少化粧剤として作用することにより一様でない皮膚の色合いの防止、遅延及び/又は処置、哺乳類皮膚萎縮の防止、遅延及び/又は処置、哺乳類の唇、毛髪及び爪の軟化及び/又は平滑、哺乳類皮膚かゆみの防止、遅延及び/又は処置、目の下のクマ及び/又は腫れぼったい目の外観の防止、遅延及び/又は処置、哺乳類皮膚血色の悪さの防止、遅延及び/又は処置、哺乳類皮膚たるみ(即ち、グリケーション)の防止、遅延及び/又は処置、哺乳類皮膚なめしの防止、遅延及び/又は処置、哺乳類皮膚回転率の落屑、剥離及び/又は増加、哺乳類皮膚毛穴大きさの減少、哺乳類皮膚の油性/光沢の調整、炎症後過度の色素沈着等の過度の色素沈着の防止、遅延及び/又は処置、哺乳類皮膚クモ状血管及び/又は赤いしみ外観の防止、遅延及び/又は処置、哺乳類皮膚小じわとしわの防止、遅延及び/又は処置、皮膚乾燥(即ち、荒れ、鱗屑、粉状の剥がれ)の防止、遅延及び/又は処置、並びに哺乳類皮膚セルライト外観の防止、遅延及び/又は処置を目的とするが、これらに限定されない。又、本発明の組成物は、育毛抑制、剃毛回数減少、剃毛容易さ改善、ヒゲ剃り回数減少、毛髪をより柔らかく及び/又はよりきめ細かくし、毛髪を目立たなくし、毛髪再生の遅延、皮膚の紅斑及び/又は炎症の減少、皮膚をより平滑及び/又はより絹のように滑らかにし、並びに毛髪取り除き方法を改善するのに有用であってよい。
【0121】
ケラチン組織状態の調整には、安全且つ有効な量の本発明の組成物をケラチン組織に局所適用することを伴う。適用される組成物の量、適用頻度及び使用期間は、スキンケア及び/又はヘアケア活性物質及び/又は所定の組成物のその他の構成成分並びに所望の調整レベルにより大きく変わるであろう。
【0122】
好ましい実施形態では、組成物は皮膚に長期間適用される。「長期の局所適用」とは、被験者の生存中長期間にわたって、好ましくは少なくとも約1週間、より好ましくは少なくとも約1か月間、更により好ましくは少なくとも約3か月間、更により一層好ましくは少なくとも約6か月間、なおより好ましくは少なくとも約1年間にわたって、組成物を連続的に局所に適用することを意味する。効果は、様々な最大使用期間(例えば、5年、10年、又は20年)の後に得ることができるが、被験体の生涯を通じて長期的に適用を継続することが好ましい。典型的には、適用はこのような長期間にわたって1日当たり約1回程度であり得るが、適用の度合いは1週間当たり約1回から1日当たり約3回又はそれ以上まで変動させることができる。
【0123】
本発明の組成物は、皮膚の外観及び/又は感触に関する効果を提供するために広範囲の量を使用することができる。1回の適用当たりに通常適用される本組成物の量は、皮膚1cm2当たりの組成物(mg)で表すと、約0.1mg/cm2〜約20mg/cm2である。特に有用な適用量は、約0.5mg/cm2〜約10mg/cm2である。
【0124】
ケラチン組織状態の調整は、好ましくは、何らかの審美的、予防的、治療的又は他の効果を、皮膚又は他のケラチン組織上に残すことを意図する、スキンローション、クリアローション、ミルキーローション、クリーム、ゲル、フォーム、軟膏、ペースト、エマルション、スプレー、コンディショナー、トニック、化粧品、リップスティック、ファンデーション、マニキュア液、アフターシェーブなどの形態の組成物(即ち、「残留型」組成物)を適用することによって実施される。組成物は、ケラチン組織(例えば、皮膚)に適用された後、少なくとも約15分間、より好ましくは少なくとも約30分間、更に好ましくは少なくとも約1時間、更により好ましくは少なくとも数時間、例えば約12時間まで、残留することが好ましい。顔、毛髪、及び/又は爪の外部のいずれかの部分、例えば、顔、口唇、目の下の領域、まぶた、頭皮、首、胴体、腕、手、脚、手指の爪、足指の爪、頭毛、睫、眉毛などを処置することができる。本組成物の塗布は、例えば、手及び/又は指のたなごころ、例えば、木綿玉、綿棒、綿、拭き取り用の布及びパッド等の用具を使用して行ってよい。
【0125】
少なくとも最少レベルのスキンケア及び/又はヘアケア活性物質に対してケラチン組織を連続的に暴露するのを確実にするための他のアプローチは、例えば顔に塗布される貼付剤の使用による化合物の塗布である。そのような手法は、より集中的な処置を必要とする問題のある皮膚領域(例えば、顔の目尻のしわの領域、額の線、目の下の領域など)に特に有用である。貼付剤は、閉塞的、半閉塞的、又は非閉塞的なものにすることができる。組成物は貼付剤内に含有されるか、又は貼付剤の適用前に皮膚に塗布されることができる。貼付剤は又、PCT国際公開特許WO9701313に記載されているもののような、発熱反応のための化学的開始剤などの追加の活性物質を包含することができる。又、貼付剤は、電気エネルギー(例えば、電池)源を包含し、例えば、スキンケア及び/又はヘアケア活性物質並びにその他の活性剤(例えば、イオン導入)の供給を増加させてよい。貼付剤は、好ましくは、少なくとも約5分間、より好ましくは少なくとも約15分間、より好ましくは少なくとも約30分間、更に好ましくは少なくとも約1時間、更により好ましくは夜間治療の形態で夜間に、ケラチン組織に残留する。
【0126】
活性物質の効果を向上する他のアプローチは、2、3、4又はそれ以上の製品のキット又はレジメン及び/又は処置手順(例えば、剥離、その後の本発明の1以上の活性物質を用いた局所処置、脱毛、その後の本発明の1以上の活性物質を用いた局所処置等)の使用である。レジメンの種々の構成成分は、短期間(例えば、1時間以内)に使用され、又は1日内(例えば、朝と夕方)のより長い時間枠にわたり、又は更により長い期間(例えば、レジメンの1つの工程が毎週若しくは毎月行われ、レジメンの他の工程がより定期的な基準、例えば毎日行われる)にわたって塗布されてよい。又、キット又はレジメンは、上記したキャリア及び/又は製品形態の組み合わせ、例えば、2つ又はそれ以上の洗剤、局所残留型処置及び経口の補助剤で構成されてよい。
【0127】
又、本発明は、機器を介して、局所適用組成物の塗布と同時に及び/又は逐次にケラチン組織へのエネルギーの供給を意図している。エネルギー供給機器は、光、熱、音(超音波を含む)の形態のエネルギー、磁気エネルギー、電磁エネルギー(高周波及びマイクロ波を含む)及びそれらの組み合わせを含むさまざまな形態でエネルギーを供給してよいが、これらに限定されない。エネルギーの供給は、連続的、パルス化され、調節され、非調節で及びそれらの組み合わせであってよい。1つの実施形態において、エネルギー供給機器は、携帯式である。あるいは、エネルギー供給機器は、コード不要である。
【0128】
エネルギーは、機器をケラチン組織の単一領域内に保持し、続いてその機器を組織の他の領域に移動し加えられてよい(又は、「押印」)。あるいは、エネルギーは、機器が組織の表面全体にわたって連続的に移動、又は走査する時に加えられてよい。機器は、レーザー装置によるように、ケラチン組織の表面と実質的に連続的に接触して保持され、又はストロボランプによるように、エネルギーが表面に向けられた状態でケラチン組織から近い距離で保持されてよい。
【0129】
温度変化が、ケラチン組織に、又は別の方法としては組織の表面に塗られた化合物に同時に誘起されてよい。こ温度変化は、供給エネルギー自身により誘起される任意の温度変化だけではない。例えば、ケラチン組織は、エネルギー供給前にわずかに暖められてよく、又は、別の方法としては、ケラチン組織は、エネルギー供給後冷やされてよい。
【0130】
紫外線源に由来するエネルギーの場合、波長は、一般に約315−400ナノメートルのUV−A範囲に入ることになる、ここで「ナノメートル」は、1×10-9メートルを意味する。可視光線源に由来するエネルギーの場合、波長は、一般に約400ナノメートル〜約700ナノメートルの範囲になる。赤外線(IR)光源に由来するエネルギーの場合、波長は、一般に約700ナノメートル〜約3,000ナノメートルの範囲になる。放出されるエネルギー量、又は「出力流束量」は、約1J/cm2〜約100J/cm2の範囲であってよい、ここで「J」はジュールを意味する。パルス光源の場合、パルス幅は、約0.001秒〜約3秒の範囲にわたり、約0.001秒〜約1秒の平均パルス持続時間を有する。カバーされるケラチン組織の表面積は、アプリケーションにより変わることになる。エネルギー供給に関連するこれらの及びその他のパラメーターは、処置の種類及び処置される組織の種類により決まり、当業者により適切に選択されるであろう。
【0131】
商品
又、本発明は、パーソナルケア組成物と、少なくとも一つのパーソナルケア組成物のための包装並びに前記パーソナルケア組成物の局所適用で人間の皮膚の色合い又は人間の皮膚の色が改善できることを伝達する宣伝材料に関連する表示(及び/又は画像)、とを含む商品を提供する。
【0132】
1つの実施形態において、パーソナルケア組成物の包装は、表示及び/又は画像を含む。包装は、一次包装、二次包装及び/又は追加の包装であってよい。本発明に関連する包装の種類は、無限である。包装は、いろいろな材料から作製され、多くの形状に作製され、当事者に周知の全ての製造技術で作製されてよい。代表的な包装実施形態としては、箱、バッグ、小袋、板紙缶、びん、トトル(tottles)、つぼ、熱成形膨れ、クラムシェル及びそれらの組み合わせが挙げられる。他の包装実施形態も同等に好適である。
【0133】
他の代表的な実施形態において、パーソナルケア組成物に関係する宣伝教材及び/又は機器は、表示及び/又は画像を含む。代表的な宣伝教材及び/又は機器としては、販売時点機器及び/又は材料、見本及び関連情報、クーポン券、メーラー、定期刊行宣伝書、製品小冊子、製品差し込み、製品展示、書架話し手、掲示板、広告びら、バス、野外座席、及び将来の購買者が利用できる全てのその他の宣伝媒体が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、宣伝教材/機器は、包装に貼附され(恒久的に若しくは取り外し可能に)、又は、包装内に含められてよい。
【実施例】
【0134】
以下は、本発明の組成物の非限定的な実施例である。これらの実施例は単に説明のために示すものであり、本発明を限定するものと解釈するべきでなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の多くの改変が可能であり、当業者には、これらのことは理解されよう。実施例においては、すべての濃度が重量%として列挙されており、特に指定のない限り、希釈剤、充填剤などの微量物質は除外されてもよい。そのため、以下に列挙した配合には、列挙した構成成分及び該構成成分に関連するいかなる微量物質も含まれている。当業者にとって明白なように、このような微量成分の選択は、本明細書に記載したように本発明をなすために選択した特定成分の物理的及び化学的特質によって変わることになる。
【0135】
【表1】

【0136】
【表2】

【0137】
【表3】

【0138】
【表4】

【0139】
本発明の特定の実施形態を説明し記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変形及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0140】
「背景技術」、「発明の概要」、及び「発明の詳細な説明」で引用されるすべての文献は、その関連部分において、本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関して先行技術であるという容認として解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア組成物であって、
a)テトラヒドロクルクミンと、
b)糖アミン、ビタミンB3、レチノイド、ヒドロキノン、ペプチド、フィトステロール、ジアルカノイルヒドロキシプロリン、ヘキサミジン、サリチル酸、n−アシルアミノ酸化合物、日焼け止活性物質、水溶性ビタミン、油溶性ビタミン、ヘスペリジン、からし抽出液、グリチルリチン酸、グリシレチン酸、カルノシン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、アントラニル酸メチル、セチルピリジニウムクロリド、エルゴチオネイン、バニリン又はその誘導体類、ジエチルヘキシルシリニリデンマロネート、メラノスタチン、ステロールエステル、イデベノン、デヒドロ酢酸、酵母抽出液、β−グルカン、α−グルカン、それらの塩、それらの誘導体、それらの前駆体、及び/又はそれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つの追加のスキンケア及び/又はヘアケア活性物質と、
c)皮膚科学的に許容できるキャリアとを備えるパーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記テトラヒドロクルクミンが、テトラヒドロデメトキシクルクミン及び/又はテトラヒドロビスデメトキシクルクミンと組み合わせて使用される、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つの追加のスキンケア及び/又はヘアケア活性物質が、ビタミンB3である、請求項1又は2に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つの追加のスキンケア及び/又はヘアケア活性物質が、ナイアシンアミド、パンテノール及びビタミンEアセテートを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つの追加のスキンケア及び/又はヘアケア活性物質が、酵母抽出液及びアスコルビルグルコシドを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
更に、落屑活性物質類、抗ニキビ活性物質、しわ手入れ活性物質、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、キレート化剤、フラボノイド、抗炎症剤、抗セルライト剤、美白剤、抗菌活性物質、抗真菌活性物質、コンディショニング剤、粘稠化剤、水溶性ビタミン、油溶性ビタミン、微粒子物質、局部麻酔剤、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される追加の構成成分0.001重量%〜10重量%を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
パーソナルケア組成物は、少なくとも1つの酸化防止剤化合物、少なくとも1つのチロシナーゼ抑制化合物、少なくとも1つのトリプシン抑制化合物、少なくとも1つの抗炎症化合物、及び少なくとも1つの酸化窒素捕捉化合物を含む。
【請求項8】
商品であって、
a)テトラヒドロクルクミン及び少なくとも1つの日焼け止め活性種を含むパーソナルケア組成物と、
b)少なくとも一つの前記パーソナルケア組成物、前記パーソナルケア組成物のための包装、並びに前記パーソナルケア組成物の局所適用で人間の皮膚の色合い又は人間の皮膚の色が改善できることを伝達する表示及び/又は画像を含む前記パーソナルケア組成物に関連する宣伝材料を備える商品。
【請求項9】
哺乳類ケラチン組織の状態を調整する方法であって、請求項1〜7のいずれか一項の組成物をそのような処置が必要な哺乳類の皮膚に局所的に適用する工程を含む方法。
【請求項10】
皮膚の色合い又は皮膚の色を改善する方法であって、請求項1〜7のいずれか一項の組成物をそのような処置が必要な哺乳類の皮膚に局所的に適用する工程を含む方法。
【請求項11】
美白の方法であって、請求項1〜7のいずれか一項の組成物をそのような処置が必要な哺乳類の皮膚に局所的に適用する工程を含む方法。
【請求項12】
育毛を抑制する方法であって、請求項1〜7のいずれか一項の組成物をそのような処置が必要な哺乳類の皮膚に局所的に適用する工程を含む方法。

【公表番号】特表2008−540580(P2008−540580A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511480(P2008−511480)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/019066
【国際公開番号】WO2006/124989
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】