説明

テープ印字装置

【課題】高温環境下において長時間保管又は長時間使用しても、テープの印字品質の劣化防止を長期間に渡って維持することができるテープ印字装置を提供する。
【解決手段】背面カバー3の内側面に設けられる突起部62が仕切り部材30の係合孔36内に進入し、プラテンホルダ35の側面部と位置固定部37のとの間に介在するようになるため、プラテンホルダ35は、サーマルヘッド33側に回動すると共に、捩りバネ45の付勢力により突起部62の内側面に当接する位置で固定される。また、サーマルヘッド取付部34がプラテンローラ23の押圧力によって内側方向に撓んでも、このサーマルヘッド取付部34の上端縁部に形成される当接部34Aが規制片61に当接して支持され、サーマルヘッド取付部34の内側方向への変位が規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープがサーマルヘッドに押圧されて印字され、外部に排出されるように構成されるテープ印字装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、カセット収納部を覆うカバーの着脱又は開閉に連動して動作位置と待機位置との間を移動するプラテン機構によりテープが搬送されると共に、このテープがサーマルヘッドに押圧されて印字され、外部に排出されるように構成されるテープ印字装置が種々提案されている。
例えば、少なくとも印字用のテープを格納したカセットの収納部のフレームに、印字用のテープの搬送手段と、該テープに印字するためのサーマルヘッドと、該サーマルヘッドの発熱素子に対して接離するプラテンとを備えてなるテープ印字装置では、このプラテンが備えられたプラテンホルダを回動可能に支持するためのホルダ軸を立設した基板に、サーマルヘッドが備えられたヘッド支持部材を予め位置調節して取付けし、この基板をフレームにねじ締着固定するように構成している(例えば、特許文献1参照)。
また、カセット収納部を覆う背面カバーの着脱に連動して動作位置と待機位置との間を移動するプラテン機構を備えたテープ印字装置では、背面カバーを取り付けた状態において、この背面カバーの内側面に立設される係合部がプラテンホルダと位置固定部材との間に介在することによって、このプラテンホルダをテープカセット側に回動させ、テープカセットのテープの一部がサーマルヘッドに押しつけられる位置まで、プラテンホルダがテープカセット側に回動されて固定されるように構成しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平8−25753号公報(第3頁〜第4頁、図2、図4〜図8)
【特許文献2】特開平10−100494号公報(第3頁、図5〜図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したホルダ軸を立設した基板に、サーマルヘッドが備えられたヘッド支持部材を予め位置調節して取付ける構成においては、このヘッド支持部材は、アルミダイカスト製等の金属製であり、これを金属板で形成される基板にネジ止めする必要があるため、作業工数が多くなり製造コストが増加するという問題がある。
また、背面カバーの内側面に立設される係合部がプラテンホルダと位置固定部材との間に介在することによって、このプラテンホルダをテープカセット側に回動させ、テープカセットのテープをサーマルヘッドに押しつける構成では、テープ装着部に設けられるサーマルヘッドを支持する支持板は樹脂製であるため、一括樹脂成形により形成でき、製造コストの削減化を図ることができるが、高温下で長時間使用した場合には、この支持板がプラテンホルダーの押圧方向にクリープ変形し、印字品質が劣化するという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、サーマルヘッドが取り付けられるサーマルヘッド取付部をカセット収容部と共に一括樹脂成形により形成でき、製造コストの削減化を図ることができると共に、高温環境下において長時間保管又は長時間使用しても、サーマルヘッド取付部のクリープ変形を防止することが可能となり、テープの印字品質の劣化防止を長期間に渡って維持することができるテープ印字装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係るテープ印字装置は、装置本体内に形成されてテープカセットが収納されるカセット収納部と、前記カセット収納部を覆うカバーと、前記テープカセットに収納される長尺状のテープに印字するためのサーマルヘッドと、前記カセット収納部の底面から前記カバーの内側面に対向するように立設された薄板状部材であって側面に前記サーマルヘッドが取り付けられるサーマルヘッド取付部と、前記テープに印字する動作時に前記サーマルヘッドに該テープを挟んで当接するプラテンローラを有するプラテン機構とを備えたテープ印字装置において、前記プラテン機構は、前記プラテンローラを前記サーマルヘッドに向けて付勢する付勢手段と、前記付勢手段とプラテンローラとを支持して回動可能に設けられるプラテンホルダと、前記プラテンホルダを前記プラテンローラがテープに当接する動作位置から該プラテンローラがテープに当接しない待機位置に回動させる回動手段とを有し、前記サーマルヘッド取付部は、前記カバーの内側面に対向する端縁部に外側方向に所定長さ延出される当接部を有し、前記カバーは、内側面に立設された規制部材と、内側面に立設された突起部とを有し、該カバーが前記カセット収納部を覆った場合には、前記突起部は、前記回動手段に抗して前記プラテンホルダを待機位置から動作位置に変位させるように該プラテンホルダの外側面を押圧するように設けられて、前記プラテンローラをテープに当接させて前記サーマルヘッドに向けて付勢し、前記規制部材は、前記当接部の前記プラテン機構に対して反対側の面と対向するように設けられて、該プラテンローラの押圧力によってサーマルヘッド取付部が内側方向に撓んだ際に、該当接部に当接して支持することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係るテープ印字装置は、請求項1に記載のテープ印字装置において、前記カバーは、前記規制部材の両側面部から延出されて内側面に立設される一対の第1リブ部と、前記突起部の両側面部から延出されて内側面に立設される一対の第2リブ部とを有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係るテープ印字装置は、請求項2に記載のテープ印字装置において、前記各第1リブ部と第2リブ部とは、前記規制部材と前記突起部との間で接合されて、水平断面略長四角形状のリブ部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係るテープ印字装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のテープ印字装置において、前記当接部は、前記プラテンホルダが動作位置にある場合に、前記プラテンローラの回転軸に対向するように前記サーマルヘッド取付部の前記カバー側端縁部に形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係るテープ印字装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のテープ印字装置において、前記当接部は、前記プラテンホルダと反対側に向けて凸状の水平断面略半円形状又は水平断面略円形状に形成され、前記規制部材は、前記当接部材が進入可能な水平断面略半円弧状に形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項6に係るテープ印字装置は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のテープ印字装置において、前記カセット収納部及びサーマルヘッド取付部は、樹脂製であることを特徴とする。
【0011】
更に、請求項7に係るテープ印字装置は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のテープ印字装置において、前記カバーは、樹脂製であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係るテープ印字装置では、カバーがカセット収納部を覆った場合には、カバーの内側面に立設される突起部が、プラテンホルダの外側面を押圧して、回動手段に抗して該プラテンホルダを待機位置から動作位置に変位させ、プラテンローラをテープに当接させてサーマルヘッドに向けて付勢する。また、カセット収納部の底面に立設される薄板状部材のサーマルヘッド取付部は、このサーマルヘッド取付部の側面に取り付けられるサーマルヘッドを介してプラテンローラにより押圧されるが、このサーマルヘッド取付部がプラテンローラの押圧方向に撓んでも該サーマルヘッド取付部のカバー側端縁部に外側方向に所定長さ延出される当接部が、この当接部のプラテンホルダに対して反対側の面に対向するようにカバーの内側面に立設される規制部材に当接して支持されるため、該サーマルヘッド取付部は撓み方向の両端部が支持される。
【0013】
これにより、サーマルヘッド取付部のプラテン機構のプラテンローラの押圧力による撓み変形を防止することができ、テープへの印字品質を安定させることができる。特に、カバーを装置本体に取り付けた場合に、該サーマルヘッド取付部はプラテン機構のプラテンローラの押圧力に対して撓み方向の両端部が支持されるため、高温環境下において長時間保管又は長時間使用しても、サーマルヘッド取付部のクリープ変形を防止することが可能となり、テープの印字品質の劣化防止を長期間に渡って維持することができる。
また、カバーを装置本体に取り付けることによって、このカバーの内側面に立設される突起部がプラテンホルダの外側面を押圧して、プラテンホルダをプラテンローラがテープに当接する動作位置から該プラテンローラがテープに当接しない待機位置に回動させる回動手段に抗して、該プラテンホルダを待機位置から動作位置に変位させることができるため、簡易な構成でプラテンホルダを動作位置に変位させることができ、装置本体の小型化及び製造コストの削減化を容易に行うことができる。
【0014】
また、サーマルヘッド取付部に対するプラテンホルダの動作位置は、規制部材と突起部との距離によって常に一定の位置に固定されるため、プラテンローラによるテープのサーマルヘッドへの押圧力を常に一定にすることができ、テープへの印字品質を安定させることができる。
更に、プラテンホルダは、カバーがカセット収納部を覆った場合には、該カバーがカセット収納部を覆う動作に連動して、カバーの内側面に立設される突起部によって待機位置から動作位置へ移動してプラテンローラをサーマルヘッドに向けて付勢するため、テープカセットをカセット収納部に収納し、カバーを取り付けた場合には、自動的にテープをサーマルヘッドに押圧することができると共に、このカバーを取り外すことによりプラテンホルダが待機位置に移動するため、テープを傷めることなくテープカセットをカセット収納部から取り出すことができる。
【0015】
また、請求項2に係るテープ印字装置では、規制部材は、この規制部材の両側面部から延出される一対の第1リブ部により機械強度が向上するため、この規制部材の当接部を支持する反力による撓み変形を防止でき、テープへの印字品質をより安定させることができる。特に、カバーを装置本体に取り付けた場合に、この規制部材は一対の第1リブ部により当接部を支持する際の反力方向への機械強度が向上するため、高温環境下において長時間保管又は長時間使用しても、規制部材のクリープ変形を防止することが可能となり、テープの印字品質の劣化防止を長期間に渡ってより確実に維持することができる。
また、突起部は、この突起部の両側面部から延出される一対の第2リブ部により機械強度が向上するため、この突起部のプラテンホルダを押圧する反力による撓み変形を防止でき、テープへの印字品質をより安定させることができる。特に、カバーを装置本体に取り付けた場合に、この突起部は一対の第2リブ部によりプラテンホルダを押圧する反力方向への機械強度が向上するため、高温環境下において長時間保管又は長時間使用しても、突起部のクリープ変形を防止することが可能となり、テープの印字品質の劣化防止を長期間に渡ってより確実に維持することができる。
【0016】
また、請求項3に係るテープ印字装置では、各第1リブ部と第2リブ部とは、規制部材と突起部との間で接合されて、水平断面略長四角形状のリブ部が形成されるため、この規制部材と突起部の機械強度を更に向上させることができると共に、各第1リブ部と第2リブ部の小型化を図ることが可能となり、引いては装置本体の小型化を容易に行うことが可能となる。
【0017】
また、請求項4に係るテープ印字装置では、当接部は、プラテンホルダが動作位置にある場合に、該プラテンホルダに支持されるプラテンローラの回転軸に対向するようにサーマルヘッド取付部のカバー側端縁部に形成されているため、付勢手段によってサーマルヘッドに向けて付勢されるプラテンローラとこの当接部とが対向するため、該プラテンローラによる押圧力が懸かるサーマルヘッド取付部の両端部が確実に支持される。これにより、プラテンローラの押圧力によるサーマルヘッド取付部の撓み変形をより確実に防止することができ、この当接部の小型化を図ることが可能となり、引いては装置本体の小型化を容易に行うことが可能となる。
【0018】
また、請求項5に係るテープ印字装置では、カバーを装置本体に取り付けた場合に、プラテンローラの押圧力によってサーマルヘッド取付部が撓んでも、水平断面円形状又は水平断面略円形状に形成される当接部は、該当接部が進入可能な水平断面略半円弧状に形成される規制部材に当接するため、当接部はこの規制部材の内側面でプラテンローラの押圧方向に関わらず該押圧方向に対して支持され、該サーマルヘッド取付部の撓み方向の両端部を確実に支持することができる。
【0019】
また、請求項6に係るテープ印字装置では、カセット収納部及びサーマルヘッド取付部は、樹脂製であるため、樹脂成形によって同時成形が可能となり製造コストの大幅な削減化を図ることができる。また、樹脂製サーマルヘッド取付部のプラテンローラの押圧力による撓み変形は、カバーの規制部材によって極力抑えることが可能となるため、樹脂製サーマルヘッド取付部の高温クリープ等による変形が防止され、テープへの印字品質を安定させると共に、テープの印字品質の劣化防止を長期間に渡って維持することができる。
【0020】
更に、請求項7に係るテープ印字装置では、カバーは、樹脂製であるため、樹脂成形が可能となり製造コストの大幅な削減化を図ることができる。また、このカバーの内側面に設けられる樹脂製規制部材と樹脂製突起部とは、第1リブ部及び第2リブ部により機械強度が向上されるため、樹脂製規制部材と樹脂製突起部の高温クリープ等による変形が防止され、テープへの印字品質を安定させると共に、テープの印字品質の劣化防止を長期間に渡って維持することができる。更に、各第1リブ部と第2リブ部とが、規制部材と突起部との間で接合されて、水平断面略長四角形状のリブ部を形成する場合には、樹脂成形におけるこの規制部材と突起部との距離寸法の寸法精度を高精度化することが容易となり、プラテンローラによるテープの押圧力をほぼ一定荷重にすることができ、テープへの印字品質をより安定させると共に、テープの印字品質の劣化防止を長期間に渡って確実に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係るテープ印字装置について具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0022】
先ず、本実施形態に係るテープ印字装置の概略構成について図1乃至図4に基づき説明する。
図1乃至図4に示すように、テープ印字装置1は、合成樹脂製の本体2と、この本体2の背面部(テープ印字装置1を使用する際に使用者と対向する面と反対側の面)全体を覆うように着脱可能に取り付けられる合成樹脂製の背面カバー3とから構成されている。また、本体2の長手方向のほぼ上半分側の部分は、水平視やや丸く形成され、この上側表面の略中央部には左右方向に横長の窓部5が穿設され、この窓部5の下側には液晶表示装置6が配設されている。また、本体2の液晶表示装置6の左側側面部には、カットレバー7が設けられ、このカットレバー7を親指などで内側に押すことにより印字されて上端部に形成されるテープ排出口8から排出された感熱テープ9(図5参照)を後述のカッター10(図5参照)にて切断することができる。
【0023】
また、本体2の長手方向のほぼ下半分側の部分の左右幅寸法は、その上側部分の左右幅寸法よりも少し狭く形成されると共に、左右側面の角部も丸く形成され、把持部11を構成している。また、背面カバー3の把持部11に対応する部分の左右側面の角部も丸く形成されている。また、本体2に取り付けられる背面カバー3は、テープカセット26に対向する部分から把持部11にかけてテープ印字装置1の厚さ寸法がなだらかに小さくなるように形成され、把持部11の厚さ寸法は、テープカセット26が収納されている部分の厚さ寸法よりも小さくなるように形成され、操作者の手に持ちやすいように把持部11が構成されている。
【0024】
また、把持部11の表面には、軟質ゴム製等で形成され、文書データからなるテキストを作成するための文字入力キー12、スペースを入力するスペースキー13、アルファベットの大文字と小文字とを押下する毎に切り替える切り替えキー14、テキストの印字を指令する印字キー15、及び、文字等のキャラクタを表示する液晶表示装置6上でカーソルを左右に移動させるカーソルキー16、電源をオン・オフする電源ボタン17、文字選択等を指令するリターンキー18等が配置されている。
また、各文字入力キー12は、複数の英数字を押下する毎に切り替えて入力できるように構成されている。例えば、文字入力キー12の上面部に「a、b、c、2」の文字が印刷されている場合には、この文字入力キー12を押下する毎に液晶表示装置6上のカーソル位置に「a]、「b」、「c]、「2」の文字が順次表示され、リターンキー18を押下することによって入力文字が確定される。また、切り替えキー14を押下する毎に液晶表示装置6上のカーソル位置に表示される英小文字「a」と英大文字「A」、英小文字「b」と英大文字「B」、英小文字「c」と英大文字「C」が切り替えて表示され、リターンキー18を押下することによって確定される。
【0025】
また、図4に示すように、本体2の把持部11の裏面部には、各文字入力キー12、スペースキー13、切り替えキー14、印字キー15、カーソルキー16、電源ボタン17、リターンキー18等が上面部に配置される基板20が設けられている。また、本体2の把持部11と液晶表示装置6との間の裏面部には、制御回路部が構成される制御基板21が配設されている。そして、この制御基板21の後述のサーマルヘッド33(図6参照)に対して反対側で本体2の長手方向上側には、不図示のギヤー列を介してプラテンローラ23を回転駆動する駆動モータ25が本体2の裏面部に配設されている(図6参照)。
また、本体2の各基板20、21、液晶表示装置6、及び駆動モータ25等の背面側の開口部には、後述のようにテープカセット26が収納されるカセット収納部27(図5、図6参照)や複数個(本実施形態では4本)の乾電池28が2本ずつ直列に収納される電池収納部29(図5、図6参照)が背面部に形成される合成樹脂製の仕切り部材30が各ネジ31によってネジ止めされている(図5、図6参照)。
【0026】
次に、この仕切り部材30等の構成について図5及び図6に基づいて説明する。
図6に示すように、仕切り部材30の長手方向上半分側の部分には、テープカセット26の外形とほぼ同じ水平断面略四角形状で、ほぼテープカセット26の厚さ寸法にほぼ等しい深さ寸法裏側に膨出するように形成されるカセット収納部27が設けられている。また、このカセット収納部27のカットレバー7側の端縁部近傍の底面部には、サーマルヘッド33が取り付けられる薄板状のサーマルヘッド取付部34が、本体2の長手方向に沿うように直角外側方向に立設されている。また、サーマルヘッド33に対向するカセット収納部27の側面部は切り欠かれると共に、この切欠部に対向する仕切り部材30の裏面部にプラテンホルダ35が後述のように下端部を中心に回動可能に設けられている(図7参照)。また、背面カバー3を取り外した状態では、プラテンホルダ35は捩りバネ45(図7参照)で外側方向に付勢され、この仕切り部材30に穿設される略四角形の係合孔36の外側端縁部から裏側方向に立設される位置固定部37に当接する位置で固定されている(以下、かかる位置を「待機位置」という。)。
【0027】
ここで、プラテンホルダ35等の構成について図7及び図8に基づいて説明する。
図7及び図8に示すように、プラテンホルダ35は、長手方向下端部に形成される円形の貫通孔42が仕切り部材30の裏面に立設されるボス43に挿通され回転可能に支持されると共に、捩りバネ45により外側方向(図7中、矢印46方向)に付勢されている。また、プラテンホルダ35の長手方向に垂直な断面は、略コの字形に形成されており、このプラテンホルダ35の長手方向上端部の上下端面部には、この長手方向に対して略垂直な方向に沿った水平視横長四角形の各貫通孔47が穿設されている。
そして、この各貫通孔47にはプラテンローラ23の回転軸23Aが回転可能に挿通されている。また、この一方(図8中、下側)の回転軸23Aは、仕切り部材30の裏側方向に延出されて端縁部にプラテンギヤー23Bが設けられている。また、この回転軸23Aは、プラテンホルダ35の長手方向下端部外側面に支持される略横長コの字状に形成された押圧バネ49によって内側方向(図7中、矢印50方向)に付勢されている。従って、プラテンホルダ35が待機位置に固定されている場合には、プラテンホルダ23の回転軸23は、押圧バネ49の付勢力によって各貫通孔47のサーマルヘッド33側の内側端面部に押し当てられている。
【0028】
また、サーマルヘッド取付部34の外側端縁部には、プラテンローラ23がサーマルヘッド33に押圧される状態になった場合に、このプラテンローラ23に対向する位置に、外側方向に所定長さ延出される水平断面略円形状の当接部34Aが形成されている。
【0029】
また、図5及び図6に示すように、外側方向に回動するように不図示のバネで付勢されるカットレバー7の不図示の回動支持部には、カッター10がスライド可能に支持され、このカットレバー7を水平内側方向へ押下することにより、カッター10はテープカセット26に向かって移動し、感熱テープ9を切断するように構成されている。
【0030】
また、図5及び図6に示すように、カセット収納部27の本体2の長手方向の上端中央部には指を入れることが可能な大きさの第1隙間部39が本体2の長手方向上側に形成されている。
そして、仕切り部材30の把持部11に配置される部分の幅方向の中心線に対してサーマルヘッド33と反対側の部分、即ち、駆動モータ25の本体2の長手方向下側には、4本の乾電池(本実施形態では、単三型乾電池である。)28が2本ずつ直列に並べて収納される水平視縦長四角形の電池収納部29が、カセット収納部27の底面部よりも裏面側(図4中、左側)に乾電池28の直径寸法よりもやや大きい深さ寸法膨出するように形成されている。また、この電池収納部29の本体2の長手方向上側の部分は、カセット収納部27側に所定長さ入り込むように形成されている。また、カセット収納部27の電池収納部29に対向する部分は切り欠かれて、電池収納部29の装着される乾電池28の上側に指を入れることが可能な第2隙間部40が形成されている。
また、この電池収納部29の把持部11におけるサーマルヘッド側端縁部(図6中、右側端縁部)には、指を入れることができる水平視半円形の凹部29Aが形成されている。
【0031】
これにより、図5及び図6に示すように、背面カバー3を取り外した状態では、プラテンホルダ35が待機位置に回動するため、第1隙間部39と第2隙間部40とに指を入れてテープカセット26をカセット収納部27から上方に取り出すことができる。また、テープカセット26をカセット収納部27から上方に取り出した状態で、凹部29Aに指を入れて各乾電池28を順次取り出して、交換することが可能となっている。その後、カセット収納部27にテープカセット26を収納し、背面カバー3を本体2の背面部に取り付けることによって、後述のようにプラテンホルダ35はサーマルヘッド33側に回動され、テープ印字装置1の操作が可能となる(図10参照)。
【0032】
次に、背面カバー3を本体2の背面部に取り付けた場合における、プラテンホルダ35をサーマルヘッド33側に回動させてに固定する構成について図9及び図10に基づいて説明する。
先ず、背面カバー3の概略構成について図9に基づいて説明する。図9に示すように、背面カバー3の長手方向の内側面上下端縁部の幅方向中央部には、外側方向(図9中、紙面に垂直上側方向)に垂設される各弾性係止片55、56が設けられている。また、各弾性係止片55、56の上端の幅方向両端縁部には、各係止突起55A、56Aが形成されている。この各係止突起55A、56Aは、本体2の背面部に取り付けられる仕切り部材30の長手方向上下端縁部に弾性的に係合され、背面カバー3が本体2の背面部に装着される。
そして、長手方向上側の弾性係止片55の基端部から外側方向に突設される押さえ部57を内側方向(図9中、下側方向)に押さえることにより、弾性係止片55の各係止突起55Aが仕切り部材30から離間し、背面カバー3を本体2の背面部から取り外すことができるように構成されている。
【0033】
また、背面カバー3の長手方向上側の弾性係止片55の横側には、テープ排出口8が形成されている。
また、このテープ排出口8の長手方向下側には、後述のように背面カバー3を本体2の背面部に取り付けた場合に、サーマルヘッド取付部34の上端縁部に形成される当接部34の幅方向外側面に対向する位置に垂設される水平断面半円弧状の規制片61と、仕切り部材30の係合孔36に対向する位置に垂設される水平断面略コの字形の突起部62が設けられている。また、規制片61の背面カバー3の内側面からの高さ寸法は、図10(B)に示すように、背面カバー3を本体2の背面部に取り付けた場合に、サーマルヘッド取付部34の上端縁部に形成される当接部34の幅方向外側面に対向するように形成されている。また、突起部62の背面カバー3の内側面からの高さ寸法は、図10(B)に示すように、背面カバー3を本体2の背面部に取り付けた場合に、プラテンホルダ35の側面部と位置固定部37のとの間に介在するように形成されている。
【0034】
また、規制片61の両側面部から幅方向外側に延出される各第1リブ61Aと、突起部62の両側面部から幅方向内側に延出される各第2リブ62Aとは、この規制片61と突起部62との間のほぼ中央部で接合されて、水平断面略長四角形状の同一高さ寸法のリブ部を形成している。また、突起部62の先端は、図10(B)に示すように外側方向に傾斜しているため、プラテンホルダ35と位置固定部37との間に容易に介在させることができる。
【0035】
また、この規制片61の幅方向中心線に対して反対側の位置には、背面カバー3を本体2の背面部に取り付けた場合に、テープカセット26の上面部にほぼ達する高さ寸法に形成されたカセット押さえリブ63が立設されている。
また、把持部11を構成する部分の長手方向上端部及び略中央部の全幅部分には一対の各電池押さえリブ64が長手方向に対してほぼ垂直方向に平行に立設されている。この各電池押さえリブ64は、背面カバー3を本体2の背面部に取り付けた場合に、内側面の仕切り部材30の上面部にほぼ達する高さ寸法に形成され、各電池28を押さえるように構成されている。
【0036】
続いて、プラテンホルダ35をサーマルヘッド33側に回動させて固定する構成について図10に基づいて説明する。
図10に示すように、背面カバー3を本体2の背面部に取り付けた場合には、背面カバー3の内側面に設けられる突起部62が仕切り部材30の係合孔36内に進入し、プラテンホルダ35の側面部と位置固定部37のとの間に介在するようになるため、プラテンホルダ35は、サーマルヘッド33側に回動すると共に、捩りバネ45の付勢力により突起部62の内側面に当接する位置で固定される(以下、かかる位置を「動作位置」という。)。また、プラテンホルダ35が動作位置に回動した場合には、プラテンローラ23は、サーマルヘッド33に押し当てられるため、各貫通孔47に沿って押圧バネ49を押し曲げつつ外側方向に移動する。これにより、プラテンローラ23は、この押圧バネ49の撓み量に相当する押圧力でサーマルヘッド33に感熱テープ9を押し当てることができる。
また、背面カバー3の内側面に設けられる規制片61は、サーマルヘッド取付部34の上端縁部に突設される当接部34Aのプラテンホルダ35と反対側の面と対向する位置に配置される(本実施形態では、規制片61と当接部34との間には、約0.1〜0.3mm程度の隙間が形成されている。)。
【0037】
これにより、図10(B)に示すように、サーマルヘッド取付部34がプラテンローラ23の押圧力によって内側方向に撓んでも、このサーマルヘッド取付部34の上端縁部に形成される当接部34Aが規制片61に当接して支持され、サーマルヘッド取付部34の内側方向への変位が規制され、クリープによる変形を防止できる。また、サーマルヘッド取付部34に対するプラテンホルダ35の動作位置は、規制片61と突起部62との距離L1によって常に一定の位置に固定され、プラテンローラ23による感熱テープ9のサーマルヘッド33への押圧力は常に一定になる。
【0038】
また、プラテンホルダ35が動作位置に固定された場合には、プラテンローラ23の裏側方向の一端部に設けられたプラテンギヤー23Bが、駆動モータ25によって回転駆動される不図示のギヤ列に歯合してプラテンローラ23が回転駆動され、サーマルヘッド33を介して印字された感熱テープ9が搬送される。
【0039】
尚、テープカセット26に収納される感熱テープ9は、サーマルヘッド33の発熱作用により発色するように構成されているため、感熱式インクリボンを介してテープに印字する場合よりも、サーマルヘッド33の各発熱素子の必要な発熱エネルギーを低く抑えることができ、該サーマルヘッド33の発熱温度を低くすることができる。従って、サーマルヘッド取付部34のサーマルヘッド33の発熱によるクリープ変形をより少なくすることができる。また、感熱テープ9は、裏面に予め粘着剤が塗布され、この粘着剤層に離型テープを仮接着したものであってもよい。
【0040】
ここで、背面カバー3は、カバーとして機能する。また、感熱テープ9は、テープとして機能する。また、プラテンローラ23、プラテンホルダ35、捩りバネ45、押圧バネ49、及びプラテンギヤー23Bは、プラテン機構を構成する。また、規制片61は、規制部材を構成する。また、押圧バネ49は、付勢手段として機能する。また、各第1リブ61Aは、第1リブ部として機能する。また、各第2リブ62Aは、第2リブ部として機能する。また、捩りバネ45は、回動手段として機能する。
【0041】
次に、テープ印字装置1の操作について図11に基づいて説明する。
図11に示すように、操作者は、液晶表示装置6に印字データを表示させながらテープ印字装置1の把持部11を持った左手の親指で各文字入力キー12、スペースキー13、切り替えキー14、カーソルキー16、リターンキー18等を押下して所望の印字データを容易に作成し、印字キー15を左手の親指で押下すると感熱テープ9に印字される。その後、テープ印字装置1を持つ左手の親指でカットレバー7を内側方向へ押下することにより所望の印字データが印字された感熱テープ9が切断されてテープ排出口8から排出され、操作者はテープ印字装置1の把持部11を持つ左手の操作だけで任意の印字データが印字されたテープを得ることができる。
【0042】
従って、背面カバー3を本体2に取り付けた場合に、プラテンホルダ35が動作位置に移動してプラテンローラ23によりサーマルヘッド33が押圧されて、このサーマルヘッド23が側面に取り付けられる薄板状部材のサーマルヘッド取付部34がプラテンローラ23の押圧方向に撓んでも該サーマルヘッド取付部34の外側端縁部に設けられる当接部34Aが、この当接部34Aのプラテンホルダ35に対して反対側の面の近傍位置に配置される背面カバー3の内側面に立設される規制片61に当接するため、該サーマルヘッド取付部34は撓み方向の両端部が支持される。これにより、サーマルヘッド取付部34のプラテンローラ23の押圧力による撓み変形を防止することができ、感熱テープ9への印字品質を安定させることができる。特に、背面カバー3を本体2に取り付けた場合に、該サーマルヘッド取付部34はプラテンローラ23の押圧力に対して撓み方向の両端部が支持されるため、高温環境下において長時間保管又は長時間使用しても、サーマルヘッド取付部34のクリープ変形を防止することが可能となり、テープの印字品質の劣化防止を長期間に渡って維持することができる。
【0043】
また、当接部34Aは、プラテンホルダ35が動作位置にある場合に、プラテンローラ23の回転軸23Aに対向するようにサーマルヘッド取付部34の外側端縁部に形成されているため、背面カバー3を本体2に取り付けた場合に、この当接部34Aとプラテンローラ23とが対向するため、該サーマルヘッド取付部34のプラテンローラ23による押圧力が懸かる両端部が確実に支持される。これにより、プラテンローラ23の押圧力によるサーマルヘッド取付部34の撓み変形をより確実に防止することができ、この当接部34Aの小型化を図ることが可能となり、引いては装置本体の小型化を容易に行うことが可能となる。
また、背面カバー3を本体2に取り付けた場合に、プラテンローラ23の押圧力によってサーマルヘッド取付部34が撓んでも、水平断面略円形状に形成される当接部34Aは、該当接部34Aが進入可能な水平断面略半円弧状に形成される規制片61に当接するため、当接部34Aはこの規制片61の内側面でプラテンローラ23の押圧方向に関わらず該押圧方向に対して支持され、該サーマルヘッド取付部34の撓み方向の両端部を確実に支持することができる。
【0044】
また、背面カバー3を本体2に取り付けることによって、この背面カバーの内側面に立設される突起部62がプラテンホルダ35の外側面を押圧して、プラテンホルダ35を動作位置から待機位置に回動させる捩りバネ45に抗して該プラテンホルダ35を待機位置から動作位置に変位させることができるため、簡易な構成でプラテンホルダ35を自動的に動作位置に変位させることができると共に、テープ印字装置1の小型化及び製造コストの削減化を容易に行うことができる。
【0045】
また、カセット収納部27及びサーマルヘッド取付部34は、合成樹脂製であるため、樹脂成形によって同時成形が可能となり製造コストの大幅な削減化を図ることができる。また、樹脂製サーマルヘッド取付部34のプラテンローラ23の押圧力による撓み変形は、背面カバー3の規制片61によって極力抑えることが可能となるため、樹脂製サーマルヘッド取付部34の高温クリープ等による変形が防止され、テープへの印字品質を安定させると共に、感熱テープ9の印字品質の劣化防止を長期間に渡って維持することができる。
更に、背面カバー3は、合成樹脂製であるため、樹脂成形が可能となり製造コストの大幅な削減化を図ることができる。また、この背面カバー3の内側面に設けられる樹脂製規制片61と樹脂製突起部62とは、第1リブ61A及び第2リブ62Aにより機械強度が向上されるため、樹脂製規制片61と樹脂製突起部62の高温クリープ等による変形が防止され、感熱テープ9への印字品質を安定させると共に、感熱テープ9の印字品質の劣化防止を長期間に渡って維持することができる。また、各第1リブ61Aと第2リブ62Aとが、規制片61と突起部62との間で接合されて、水平断面略長四角形状のリブ部を形成するため、樹脂成形におけるこの規制片61と突起部62との距離寸法L1の寸法精度を高精度化することが容易となり、プラテンローラ23の押圧力を一定荷重に保つことができ、感熱テープ9への印字品質をより安定させると共に、感熱テープ9の印字品質の劣化防止を長期間に渡って確実に維持することができる。
【0046】
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
(A)前記実施形態では、当接部34Aは水平断面略円形状に形成されているが、プラテンホルダ35と反対側に向けて凸状の水平断面略半円形状に形成してもよい。これにより、当接部34Aを規制片61の内面全体に当接させることが可能となり、当接部34Aの支持を効率的に行うことができると共に、当接部34Aの断面積を大きくでき機械的強度が向上する。
(B)前記実施形態では、仕切り部材30にカセット収納部27、サーマルヘッド取付部34、電池収納部29を形成したが、この仕切り部材30を把持部11の長手方向上端縁部の位置で長手方向に2分割し、カセット収納部27及びサーマルヘッド取付部34を耐熱樹脂で形成する構成にしてもよい。これにより、サーマルヘッド取付部34の高温によるクリープ変形をより確実に防止することができ、テープの印字品質の劣化防止を長期間に渡って確実に維持することができる。
(C)前記実施形態では、サーマルヘッド取付部34のプラテンローラ23に対向する外側端縁部に当接部34を設けたが、このサーマルヘッド取付部34の背面カバー3側の端縁部の長手方向の複数箇所に当接部34を設け、それに対応して規制片61を複数設けてもよい。これにより、サーマルヘッド取付部34の高温によるねじれ変形なども防止することができ、テープの印字品質の劣化防止を長期間に渡って確実に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本実施形態に係るテープ印字装置の概略外観斜視図である。
【図2】本実施形態に係るテープ印字装置の概略平面図である。
【図3】本実施形態に係るテープ印字装置の概略底面図である。
【図4】本実施形態に係るテープ印字装置の概略断面図である。
【図5】本実施形態に係るテープ印字装置に装着される背面カバーを外してテープカセットを装着した状態を示す概略底面図である。
【図6】本実施形態に係るテープ印字装置に装着される背面カバーを外してテープカセットを取り外した状態を示す概略底面図である。
【図7】本実施形態に係るテープ印字装置のプラテンホルダーがサーマルヘッドに押し当てられた状態を模式的に示す背面側から見た平面図である。
【図8】本実施形態に係るテープ印字装置のプラテンホルダーの側面図である。
【図9】本実施形態に係るテープ印字装置の背面カバーの内側面を示す概略平面図である。
【図10】本実施形態に係るテープ印字装置の背面カバーを本体の背面部に取り付けた状態のサーマルヘッド周辺部を模式的に示す図で、(A)は要部拡大平面図、(B)は(A)のZ−Z線矢視断面図である。
【図11】本実施形態に係るテープ印字装置を左手に持って操作している状態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1 テープ印字装置
2 本体
3 背面カバー
8 テープ排出口
9 感熱テープ
11 把持部
12 文字入力キー
23 プラテンローラ
25 駆動モータ
26 テープカセット
30 仕切り部材
33 サーマルヘッド
34 サーマルヘッド取付部
34A 当接部
35 プラテンホルダ
36 係合孔
37 位置固定部
45 捩りバネ
49 押圧バネ
61 規制片
61A 第1リブ
62 突起部
62A 第2リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体内に形成されてテープカセットが収納されるカセット収納部と、前記カセット収納部を覆うカバーと、前記テープカセットに収納される長尺状のテープに印字するためのサーマルヘッドと、前記カセット収納部の底面から前記カバーの内側面に対向するように立設された薄板状部材であって側面に前記サーマルヘッドが取り付けられるサーマルヘッド取付部と、前記テープに印字する動作時に前記サーマルヘッドに該テープを挟んで当接するプラテンローラを有するプラテン機構とを備えたテープ印字装置において、
前記プラテン機構は、
前記プラテンローラを前記サーマルヘッドに向けて付勢する付勢手段と、
前記付勢手段とプラテンローラとを支持して回動可能に設けられるプラテンホルダと、
前記プラテンホルダを前記プラテンローラがテープに当接する動作位置から該プラテンローラがテープに当接しない待機位置に回動させる回動手段と
を有し、
前記サーマルヘッド取付部は、
前記カバーの内側面に対向する端縁部に外側方向に所定長さ延出される当接部
を有し、
前記カバーは、
内側面に立設された規制部材と、
内側面に立設された突起部と
を有し、
該カバーが前記カセット収納部を覆った場合には、
前記突起部は、前記回動手段に抗して前記プラテンホルダを待機位置から動作位置に変位させるように該プラテンホルダの外側面を押圧するように設けられて、前記プラテンローラをテープに当接させて前記サーマルヘッドに向けて付勢し、
前記規制部材は、前記当接部の前記プラテンホルダに対して反対側の面と対向するように設けられて、該プラテンローラの押圧力によってサーマルヘッド取付部が内側方向に撓んだ際に、該当接部に当接して支持することを特徴とするテープ印字装置。
【請求項2】
前記カバーは、
前記規制部材の両側面部から延出されて内側面に立設される一対の第1リブ部と、
前記突起部の両側面部から延出されて内側面に立設される一対の第2リブ部と
を有することを特徴とする請求項1に記載のテープ印字装置。
【請求項3】
前記各第1リブ部と第2リブ部とは、前記規制部材と前記突起部との間で接合されて、水平断面略長四角形状のリブ部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のテープ印字装置。
【請求項4】
前記当接部は、前記プラテンホルダが動作位置にある場合に、前記プラテンローラの回転軸に対向するように前記サーマルヘッド取付部の前記カバー側端縁部に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のテープ印字装置。
【請求項5】
前記当接部は、前記プラテンホルダと反対側に向けて凸状の水平断面略半円形状又は水平断面略円形状に形成され、
前記規制部材は、前記当接部材が進入可能な水平断面略半円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のテープ印字装置。
【請求項6】
前記カセット収納部及びサーマルヘッド取付部は、樹脂製であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のテープ印字装置。
【請求項7】
前記カバーは、樹脂製であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のテープ印字装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−264338(P2006−264338A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108332(P2006−108332)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【分割の表示】特願2002−369504(P2002−369504)の分割
【原出願日】平成14年12月20日(2002.12.20)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】