説明

テープ装置のデータ移行方法およびテープ管理システム

【課題】新たな装置を導入せずに、かつ、データ移行手順に伴う上位装置からのテープ装置へのアクセスを停止せずに、無停止状態でのデータ移行ができるデータ移行方法を提供する。
【解決手段】ホスト計算機100で、移行元/移行先テープ装置の情報(例えば、磁気テープライブラリ管理簿、仮想テープ管理簿)あるいはデータ移行状態をジャーナル122で管理し、その情報を使ってテープボリュームへのアクセス要求を制御する技術を提供する。これによって、データ移行中のテープボリュームに対する他からのアクセス要求が発生しても、業務を停止することなく対象テープボリュームへのアクセスが可能となり、無停止でデータ移行を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無停止状態でのデータ移行ができるテープ装置のデータ移行技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に計算機システムにおいては、データの保存に磁気ディスク、あるいは磁気テープの記憶媒体が用いられる。磁気ディスクは、磁気円盤上の任意位置に記録されたデータに対して直接アクセスできる、いわゆるランダムアクセスが可能なデバイスであるため、頻繁に使うデータを記録するのに用いられる。一方、磁気テープは、テープの先頭から順にデータが読み書きされる、いわゆるシーケンシャルアクセスのみが可能な記憶媒体であることから、磁気ディスク上に記録されたデータのバックアップや、古いデータを長期保存しておくアーカイブなどの用途に用いられる使用形態が主である。このように磁気テープをバックアップ・アーカイブ用途に用いるのは、磁気テープのビットコストが磁気ディスクよりも安く、大量のデータを保管する際に低コストで済むというのが主な理由である。
【0003】
ところが、近年、磁気テープは、性能や記憶容量の面から衰退しつつあり、生産中止となっている装置もある。そこで、代替するテープ装置として、磁気ディスクを用いてテープ装置をエミュレートする仮想テープ装置(特許文献1参照)や、大容量で高速なLTO(Linear Tape Open)装置があり、システムを移し替える傾向がある。このとき、移行元テープボリュームから移行先テープボリュームへのデータ移行が必要となっている。
【0004】
磁気ディスクにおいては、ホストで実行している業務への影響を避けるため、無停止で磁気ディスクのデータを他の磁気ディスクへ移行する技術が開示されている(特許文献2参照)。
【0005】
磁気テープ装置においては、データ移行完了後に移行元のデータを消去するデータ移行技術が開示されている(特許文献3参照)。この方法によれば、業務を停止することなく、データ移行が可能である。しかし、ホスト、移行元である第1ストレージ装置、移行先である第2ストレージ装置のほかに、第1ストレージ装置から第2ストレージ装置とデータを移行するための新たなデータ移行装置を備えたストレージシステムを構築する必要がある。
【特許文献1】特開2005−99971号公報
【特許文献2】特開平11−184641号公報
【特許文献3】特開2008−27335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3においては新たにデータ移行装置を設けているが、磁気テープ装置でのデータ移行に際して、新たな装置を用意することは好ましくない。なぜなら、データ移行は、ストレージ装置を導入する限られた場合にしか使用されないからである。また、特許文献3に開示されている技術では、データ移行に関して、ファイルの管理情報などは更新しないため、データ移行完了後に、ファイル位置情報を移行先ボリュームに更新するなどの作業が必要となる。
【0007】
一方、新たな装置を導入せず、従来の方法でデータ移行を行うためには、一旦、ホストで実行している業務を停止しなければならない。しかし、磁気テープ装置が、主にバックアップ用途で使用されるとはいえ、一時のアクセス停止であってもそれは顧客業務の停止であり、移行作業による影響は大きい。特に、24時間のオンライン業務が必要な顧客ではこれが許されず、システムの移行が行えないという技術的課題がある。
【0008】
本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、新たな装置を導入せずに、かつ、データ移行手順に伴う上位装置からのテープ装置へのアクセスを停止せずに、無停止状態でのデータ移行ができるテープ装置のデータ移行方法およびテープ管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、ホスト計算機において、移行するテープボリュームと移行元テープ装置や移行先テープ装置の情報を管理し、あるいはデータ移行状態の情報を管理し、その管理にかかる情報を使ってテープボリュームへのアクセス要求を制御する。これによって、データ移行中のテープボリュームに対する他からのアクセス要求が発生しても、業務を停止することなく対象テープボリュームへのアクセスが可能となり、無停止でデータ移行を実現できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、業務を停止することなく、無停止状態でのテープボリューム間のデータ移行ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という。)を説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるテープ管理システムを示す構成図である。図1に示すシステム構成では、ホスト計算機100に磁気テープライブラリ装置130、磁気ディスク装置140、入出力端末160が接続されている。本発明の実施形態としては、ネットワークなどにより、1つ以上のホスト計算機100と、1つ以上の磁気テープライブラリ装置130や仮想テープ装置(磁気ディスク装置140に仮想的に構築されるもの)などのテープ装置が、通信可能に接続されたシステム構成を要する。更に、ホスト計算機100にテープ装置へのデータ移行処理やテープボリュームへのアクセス要求処理を指示するための、入出力端末160が通信可能に接続されたシステム構成を要する。
【0012】
ホスト計算機100は、ユーザが使用する情報処理装置であり、CPU(Central Processing Unit)(処理部)110、メモリ(記憶部)120およびこれら各部を接続するバスやスイッチなどの接続部を備える。CPU110は、メモリ120に格納される各種プログラムを実行する。メモリ120は、ホスト計算機100が処理を実行する各種プログラムおよび一時的なデータを保持する。磁気テープライブラリ装置130、磁気ディスク装置140は、ホスト計算機100が処理を実行するための各種データを保存する。
【0013】
メモリ120には、テープボリューム使用プログラム111、データ移行プログラム112、各種外部記憶装置へのアクセス要求を制御する入出力制御プログラム113、テープボリュームを使用するテープ装置に割り当てるなど使用媒体を制御する装置割り当て制御プログラム117が格納されている。
【0014】
また、メモリ120には、テープ装置として磁気テープライブラリ装置130を使用する場合は、磁気テープライブラリ管理簿150(図4参照)を操作するなど磁気テープライブラリ装置130を制御する磁気テープライブラリ制御プログラム118が格納されている。また、メモリ120には、テープ装置として仮想テープ装置を使用する場合は、仮想テープ管理簿152(図4参照)を操作するなど仮想テープ装置を制御する仮想テープ制御プログラム116が格納されている。
【0015】
テープボリューム使用プログラム111は、ホスト計算機100に接続されているテープ装置を用いて、テープボリュームを使用するユーザの業務プログラムである。
【0016】
データ移行プログラム112は、ホスト計算機100に接続されているテープ装置を用いて、テープボリューム間のデータを移行するための各種制御を行う部位であり、データ移行制御部114、管理情報制御部115、テープ装置変換テーブル121(図2参照)、ジャーナル122(図3参照)を備える。
【0017】
データ移行制御部114は、テープボリューム間でのデータ移行処理を行う。このとき、データ移行の状態(テープボリューム名やデータ移行中のファイル順序番号など)をジャーナル122に記録する。例えば、ユーザにより入出力端末160からデータ移行の実行が指示されれば、指定された移行元テープ装置(本実施形態では131)を用いて、テープボリューム(本実施形態では132)を接続して入力処理を実行し、入力データを指定された移行先テープ装置(本実施形態では仮想テープ装置)を用いて、接続したテープボリューム(本実施形態では142)に対して出力処理を実行する。データ移行中に対象テープボリュームへのアクセス要求が発生した場合、データ移行を中断し、他からのアクセス要求を優先させる。対象ボリュームへのアクセス要求が完了した後に、データ移行を再開する。
【0018】
また、データ移行制御部114は、あらかじめユーザの指示を受理すると、データ移行を開始する前にテープ装置変換テーブル121を作成する。あるいは、データ移行制御部114は、データ移行処理実行時に、テープ装置変換テーブル121を作成する。
【0019】
テープ装置変換テーブル121には、データ移行対象となっているテープボリューム名と移行元/移行先のテープ装置名が格納される。テープ装置変換テーブル121は、データ移行中に対象テープボリュームへのアクセス要求が発生した場合に、ジャーナル122の情報も使用して、移行元と移行先のテープボリュームへのアクセス要求を切り替えるために使用される。
【0020】
管理情報制御部115は、データ移行処理が開始された時に、移行元テープボリューム、あるいは移行先テープボリュームに対するアクセス要求を制御するために、磁気テープライブラリ管理簿150(図4参照)、仮想テープ管理簿152(図4参照)、ファイル登録簿151などの各種管理情報を操作し、データ移行を支援する処理を行う。アクセス要求先は、ユーザがデータ移行を指示する際に選択でき、移行元と移行先で装置台数の少ないテープ装置へのアクセス要求が発生しないようにするなどの対応が可能となる。
【0021】
例えば、磁気テープ装置131の台数が仮想テープ装置の台数よりも少ない場合などには、移行元の磁気テープボリューム132へのアクセス要求が発生しないように、磁気テープライブラリ制御プログラム118によって、磁気テープライブラリ管理簿150で管理するボリューム情報を使用不可の状態に変更させ、また、移行先の仮想テープボリューム142へのアクセス要求を受け付けるように、仮想テープ制御プログラム116によって、仮想テープ管理簿152で管理するボリューム情報を使用可の状態に変更させる。これによって、データ移行中のテープボリュームへのアクセス要求が、全て移行先の仮想テープボリューム142へのアクセス要求に変更され、入出力制御プログラム113によってアクセス要求先を制御する方式とし、データ移行による業務の停止を防ぐことができる。
【0022】
逆に、仮想テープ装置の装置台数が磁気テープ装置131の台数よりも少ない場合などには、移行先の仮想テープボリューム142へのアクセス要求が発生しないように、仮想テープ制御プログラム116によって、仮想テープ管理簿152で管理するボリューム情報を使用不可の状態に変更させ、また、移行元の磁気テープボリューム132へのアクセス要求を受け付けるように、磁気テープライブラリ制御プログラム118によって、磁気テープライブラリ管理簿150で管理するボリューム情報を使用可の状態に変更させる。これによって、データ移行中のテープボリュームへのアクセス要求が、移行元の磁気テープボリューム132へのアクセス要求に変更され、入出力制御プログラム113によってアクセス要求先を制御する方式とすることもできる。
【0023】
また、管理情報制御部115は、データ移行完了後に、移行先テープボリュームのファイルにアクセスするように、ファイル登録簿151の情報を更新し、データ移行を支援する処理を行う。ファイル登録簿151には、ファイルの名称とファイルの所在についての情報、記憶装置の属性などを対応付けて記憶してある。ファイル登録簿151によって、システムが自動的にファイルの存在場所を認識するので、ユーザはファイルの所在についての管理や、ジョブ制御文を指定しないで済む。そのため、データ移行が完了した後には、移行したファイルの情報を、移行元テープボリュームから移行先テープボリュームに補正する必要があり、管理情報制御部115がファイルの情報を管理する。
【0024】
入出力制御プログラム113は、一般的なOS(Operating System)の機能の一部であり、ホスト計算機100に接続されている装置への入出力処理を行う。
【0025】
装置割り当て制御プログラム117は、一般的なOSの機能の一部であり、入出力処理時に指定するファイルを使用するために、ファイルが格納されている媒体を割り当てる。テープボリューム使用プログラム111が実行されたときに、装置割り当て制御プログラム117が、処理対象となる装置やテープボリュームを、テープ装置変換テーブル121やジャーナル122の情報を参照して選択し、装置を割り当てた後、入出力制御プログラム113が、入出力処理を行う。
【0026】
例えば、処理対象のテープボリュームが、テープ装置変換テーブル121(図2参照)に登録されている移行元テープ装置に接続して使用される場合に、接続先を移行先テープ装置に変換して割り当て、処理対象のテープボリュームを使用する。更に、ジャーナル122(図3参照)の情報から、移行元/移行先テープボリュームを切り替えながら入出力処理を実行する。
【0027】
磁気テープライブラリ制御プログラム118は、ホスト計算機100に接続された磁気テープライブラリ装置130に対する制御を行う。磁気テープライブラリ装置130は、磁気テープライブラリ制御装置133の制御によって、内蔵されたロボットを操作し、アクセス要求の発生した磁気テープボリューム132を指定した磁気テープ装置131に自動的にマウントする装置である。磁気テープライブラリ装置130内の磁気テープボリューム132は、磁気ディスク装置140内の磁気ディスク制御装置143に接続された磁気ディスクボリューム141b(141)上の磁気テープライブラリ管理簿150によって管理される。磁気テープライブラリ管理簿150には、テープボリューム名などの媒体情報が格納されている。この磁気テープライブラリ管理簿150は、磁気テープライブラリ制御プログラム118が操作する。
【0028】
仮想テープ制御プログラム116は、ホスト計算機100に仮想的に接続される仮想テープ装置に関わる制御を行い、入出力制御プログラム113の要求によって、テープ装置をエミュレートし、仮想テープ装置を用いて、仮想テープボリューム142への入出力処理を制御する。実際のデータは、磁気ディスク装置140内の磁気ディスク制御装置143に接続された磁気ディスクボリューム141a(141)上に格納される。また、仮想テープボリューム142は、磁気ディスクボリューム141b上の仮想テープ管理簿152によって管理される。仮想テープ管理簿152には、仮想テープボリューム名などの媒体情報が格納されている。この仮想テープ管理簿152は、仮想テープ制御プログラム116が操作する。
【0029】
入出力端末160は、ホスト計算機100にテープ装置へのデータ移行処理やテープボリュームへのアクセス要求処理を指示することができる。
【0030】
本発明の第1の実施形態で示す、磁気テープライブラリ装置130や仮想テープ装置は、一例を示すものであり、テープ装置として、テープボリュームを管理する管理簿を有する構成を示している。
【0031】
図2は、テープ装置変換テーブルの一例を示す説明図である。テープ装置変換テーブル121には、データ移行対象としたテープボリュームのテープボリューム名200、移行元テープ装置名201、移行先テープ装置名202の情報が登録される。例えば、行210の登録情報には、磁気テープ装置131の移行元テープ装置名TAPE1で使用される、テープボリューム名VOL001の磁気テープボリューム132を、仮想テープ装置名VTAPE1で使用される、テープボリューム名がVOL001の仮想テープボリューム142にデータ移行する場合を示す。
【0032】
図3は、ジャーナルの一例を示す説明図である。ジャーナル122には、データ移行の処理状態(移行状態)を示す情報を1ブロック単位で記録する。情報として、テープボリューム名300、移行元テープ装置名301、状態302、移行開始日時303、最終更新日時304、ファイル順序番号305、ブロック番号306を格納する。ジャーナル122では、データ移行を実行中であれば「コピー中」、データ移行が中断されていれば「コピー中断」、などの状態302を管理する。ファイル順序番号305には、データ移行が完了しているファイルの順序番号が格納されている。同様にブロック番号306には、データ移行が完了しているブロックの番号が格納されている。例えば、行310から、移行元テープ装置名TAPE1のテープボリューム名VOL001は、「コピー中」であり、ファイル順序番号1のブロック番号14まで、データ移行が完了していることがわかる。
【0033】
図4は、磁気テープライブラリ管理簿と仮想テープ管理簿の一例を示す説明図である。磁気テープライブラリ管理簿150には、磁気テープライブラリ装置130内の磁気テープボリューム132を管理するための情報が格納される。具体的には、管理される磁気テープボリューム名400、磁気テープボリューム132が使用可/使用不可を示す状態401などの情報が登録される。
【0034】
同様に、仮想テープ管理簿152には、仮想テープ装置内の仮想テープボリューム142を管理するための情報が格納される。具体的には、管理される仮想テープボリューム名410、仮想テープボリューム142が使用可/使用不可を示す状態411などの情報が登録される。
【0035】
図5は、データ移行中断状態のテープボリュームの内容例を示す説明図である。データ移行中に対象テープボリュームへのアクセス要求が発生すると、データ移行を中断し、アクセス要求を優先させる。そのため、移行先テープボリュームでは、ブロック単位で中断された状態になる場合がある。例えば、テープボリューム名がVOL001の磁気テープボリューム132上には、複数のファイル501(例えば、ファイル順序番号1(ファイル1)のファイル501a、ファイル順序番号2(ファイル2)のファイル501b)が格納され、ファイル501が複数のブロック502(例えば、ブロック502a,502b)から構成されている。このときに、磁気テープボリューム(VOL001)132上のデータ「ファイル順序番号2、ブロック番号14」(図3の310で示す状態)を移行している最中に、対象テープボリュームへのアクセス要求が発生すると、対象ブロックのデータ移行処理が完了した後、状態302を「コピー中」から「コピー中断」に変更してデータ移行処理が中断される。そのときの移行先の仮想テープボリューム142の状態は、ファイル511がファイル順序番号2、ブロック512がブロック番号14まで格納された状態になる。
【0036】
第1の実施形態の特徴は、入出力端末160の指示により、対象テープボリュームへのアクセス要求が発生した場合に、(1)ホスト計算機100のデータ移行プログラム112によってデータ移行中に、ブロック単位にデータ移行が中断できる。(2)ホスト計算機100の入出力制御プログラム113によって、テープ装置変換テーブル121やジャーナル122の情報に基づいて、使用するテープ装置やテープボリュームを切り替えながら入出力処理を実行できる。これによって、業務を停止することなく、また、テープボリュームにアクセスする際に、ユーザが移行先/移行元のテープボリュームを意識することなくデータ移行を実施できる。
【0037】
以下、磁気テープライブラリ装置130内の磁気テープボリューム132から、仮想テープ装置内の仮想テープボリューム142にデータ移行を行う処理を説明する。
【0038】
図6は、データ移行要求時のデータ移行処理を示すフローチャートである。図6を用いて(適宜図1参照)、CPU110が行うデータ移行処理について説明する。
【0039】
入出力端末160の指示により、ホスト計算機100でデータ移行の実行が指示されると、ホスト計算機100のCPU110は、各種プログラムを実行する。ここでは対象のプログラムおよび処理部として説明する。データ移行プログラム112が、データ移行処理を開始する。データ移行処理は、対象のテープボリュームに対して、初めてデータ移行が実行される場合と、I/O(Input/Output)エラーなどの発生によりデータ移行が中断されていたテープボリュームに対して、途中からデータ移行が実行される場合がある。
【0040】
まず、データ移行制御部114が、ジャーナル122に処理対象の磁気テープボリューム132の情報を登録する(ステップS600)。初めてデータ移行が実行される場合は、「コピー中」状態として新規に情報を登録し、「コピー中断」状態の磁気テープボリューム132に対するデータ移行が実行される場合は、「コピー中」状態として既存の情報を更新する。
【0041】
次に、管理情報制御部115が、テープボリュームの管理情報(管理簿)を更新する(ステップS601)。磁気テープライブラリ制御プログラム118が、移行元の磁気テープライブラリ管理簿150を更新し、仮想テープ制御プログラム116が、移行先の仮想テープ管理簿152を更新する。ここでは、ユーザが、データ移行中のテープボリュームへのアクセス要求を全て移行先の仮想テープボリューム142へのアクセス要求に切り替える方式を選択し、データ移行の実行時に指示したとする。そのため、移行元の磁気テープライブラリ管理簿150で管理されている移行元の磁気テープボリューム132を使用不可の状態に更新する。また、移行先の仮想テープ管理簿152で管理されている移行先の仮想テープボリューム142を使用可の状態に更新する。管理簿を更新する際に、既にテープボリュームの状態が意図する通りの状態になっていた場合は、管理簿の更新は行わない。
【0042】
そして、データ移行制御部114が、テープ装置変換テーブル121に、対象とする磁気テープボリューム132に関する情報が登録(作成)されているか確認する(ステップS602)。登録されていなければ(ステップS602,No)、データ移行制御部114が新たに情報を、テープ装置変換テーブル121に登録する(ステップS603)。登録されていれば(ステップS602,Yes)、ステップS603の処理をスキップする。
【0043】
次に、データ移行制御部114が、データコピー処理を実行する。データコピーは、他からのアクセス要求を受け付けられるように、1ブロックずつ行う(ステップS604)。データ移行制御部114は、I/Oエラーが発生しているか確認する(ステップS605)。I/Oエラーが発生せず正常にデータコピーができた場合(ステップS605,No)、その都度、ジャーナル122の情報を更新する(ステップS607)。ジャーナル122には、1ブロック単位で最終更新日時とコピー済みのブロック番号を更新し、ファイル単位でコピー済みのファイル順序番号を更新していく。データ移行制御部114は、データの終わりか否かを検出する(ステップS608)。データの終わりでなければ(ステップS608,No)、データ移行制御部114は、他からのアクセス要求の発生があるか否かを確認する(ステップS612)、アクセス要求が発生していない場合(ステップS612、No)、ステップS604に戻る。
【0044】
データコピー時にI/Oエラーが発生した場合(ステップS605,Yes)、データ移行制御部114は、ジャーナル122の情報を、「コピー中」状態から「コピー中断」状態に更新して(ステップS606)、データ移行処理を終了する。
【0045】
データコピー中にデータの終わりを検出したら(ステップS608,Yes)、データコピーは終了となるため、管理情報制御部115が、ファイル位置を管理するファイル登録簿151を更新し(ステップS609)、データ移行制御部114が、対象とする磁気テープボリューム132に関するジャーナル122の情報(該当する1レコード)を削除し(ステップS610)、データ移行制御部114が、対象テープボリュームに関するテープ装置変換テーブル121の情報(該当する1レコード)を削除する(ステップS611)。ここで更新するファイル登録簿151の情報は、データ移行したファイルの情報を、移行元の磁気テープボリューム132から移行先の仮想テープボリューム142に補正する。
【0046】
データコピー中に、入出力制御プログラム113から処理対象のファイルに対するオープン要求が出されるなど、データ移行制御部114が他からのアクセス要求を検知したら(ステップS612,Yes)、そのアクセス要求を優先させるため、データ移行制御部114が、対象とする磁気テープボリューム132に関するジャーナル122の情報を、「コピー中」状態から「コピー中断」状態に更新する(ステップS613)。
【0047】
そして、データコピー処理を一時中断し、入出力制御プログラム113が、テープボリュームアクセス処理(図7参照)を実行する(ステップS614)。入出力制御プログラム113から処理対象のファイルに対するクローズ要求が出されるなどで、ボリュームアクセス処理が終了すると、データ移行制御部114が、対象とする磁気テープボリューム132に関するジャーナル122の情報を、「コピー中断」状態から「コピー中」状態に更新し(ステップS615)、データコピー処理を再開する(ステップS604に戻る)。
【0048】
以上の処理によって、データ移行の状態を管理しながら、他からのアクセス要求時にデータ移行を中断できる仕組みを持った、データ移行処理が実行される。
【0049】
図7は、データ移行中にテープボリュームアクセス要求が発生時のテープボリュームアクセス処理を示すフローチャートである。以下、図7を用いて(適宜図1参照)、CPU110が行うテープボリュームアクセス処理について説明する。
【0050】
入出力端末160の指示により、ホスト計算機100でテープボリューム使用プログラム111が実行されるとき、ホスト計算機100のCPU110で実行される入出力制御プログラム113によって、テープボリュームアクセス処理を開始する。
【0051】
まず、装置割り当て制御プログラム117が、アクセス要求のテープボリュームをテープ装置に割り当てる(ステップS700)。このとき、対象テープボリュームに関する情報がテープ装置変換テーブル121に登録されていれば、その定義に基づいて移行元テープ装置から移行先テープ装置に割り当て先を変更して割り当てる。
【0052】
次に、入出力制御プログラム113が、処理対象のファイルへのアクセス要求が入力系か出力系かを判定する(ステップS701)。アクセス要求が、入力系の要求であれば(ステップS701,Yes)、移行済みファイルへの要求であるか否かを判定する(ステップS702)。そして、以下の処理では、移行元テープボリュームと移行先テープボリュームのどちらにアクセスするかを、処理対象のファイルのファイル順序番号と、ジャーナル122に格納されたデータ移行済みのファイル順序番号を使って判断する。
【0053】
移行済みファイルへのアクセス要求であれば(ステップS702,Yes)、移行先テープボリュームに格納されたデータへのアクセスを行うために、装置割り当て制御プログラム117が、そのとき割り当てられているテープボリュームが移行先テープボリュームか判断し、移行元テープボリュームに割り当てられていれば、テープ装置変換テーブル121の定義に従って、移行先テープボリュームに割り当てを変更する(ステップS703)。そして、入出力制御プログラム113が、移行先テープボリュームに格納されたデータへのアクセスを行う(ステップS704)。そして、ステップS711へ進む。
【0054】
移行していないファイルへのアクセス要求であれば(ステップS702,No)、移行元テープボリュームに格納されたデータへのアクセスを行うために、装置割り当て制御プログラム117が、そのとき割り当てられているテープボリュームが移行元テープボリュームか判断し、移行先テープボリュームに割り当てられていれば、テープ装置変換テーブル121に格納された対象テープボリュームに関する情報に基づいて、移行元テープボリュームに割り当てを変更して割り当てる(ステップS705)、そして、入出力制御プログラム113が、移行元テープボリュームに格納されたデータへのアクセスを行う(ステップS706)。そして、ステップS711へ進む。
【0055】
例えば、図5に示す状態でデータ移行が中断されている場合、磁気テープボリューム132上のデータ「ファイル順序番号2、ブロック番号15」への入力系の要求時には、移行が完了していないファイル501bへのアクセス要求であるため、磁気テープボリューム132に格納されたデータへのアクセスを行う。また、磁気テープボリューム132上のデータ「ファイル順序番号1、ブロック番号2」への入力系の要求時には、移行が完了しているファイル501aへのアクセス要求であるため、仮想テープボリューム142に格納されたデータへのアクセスを行う。
【0056】
アクセス要求が、出力系の要求であれば(ステップS701,No)、ジャーナル122の対象テープボリュームに関する情報で、移行済みのファイル順序番号とブロック番号をクリア(変更)し(ステップS707)、移行先テープボリュームから移行済みのデータを削除する(ステップS708)。
【0057】
そして、移行元テープボリュームに対してアクセスを行うために、装置割り当て制御プログラム117が、そのとき割り当てられているテープボリュームが移行元テープボリュームか判断し、移行先テープボリュームに割り当てられていれば、テープ装置変換テーブル121に格納された対象テープボリュームに関する情報に基づいて、移行元テープボリュームに割り当てを変更して割り当て(ステップS709)、入出力制御プログラム113が、移行元テープボリュームへのアクセスを行う(ステップS710)。
【0058】
出力系のアクセス要求時に移行先テープボリュームのデータを削除するのは、テープボリュームが、シーケンシャルアクセスで、一度出力が行われるとそれ以降のデータは無効扱いとする必要があり、移行元/移行先テープボリュームの両方にデータが存在する場合、どこまでが有効なデータであるか判断できないためである。そのため、データ移行中のテープボリュームに対して出力系のアクセス要求が発生した場合は、データ移行処理を初めから再実行する必要がある。
【0059】
例えば、図5に示す状態でデータ移行が中断されている場合、磁気テープボリューム132のデータ「ファイル順序番号2、ブロック番号15」への出力系の要求時には、ジャーナル122の情報のファイル順序番号とブロック番号をクリアし、移行済みの仮想テープボリューム142のデータを削除し、磁気テープボリューム132へのアクセスを行う。また、磁気テープボリューム132のデータ「ファイル順序番号1、ブロック番号2」への出力系の要求時も、同様に、ジャーナル122の情報のファイル順序番号とブロック番号をクリアし、移行済みの仮想テープボリューム142のデータを削除し、磁気テープボリューム132へのアクセスを行う。
【0060】
対象ファイルへのアクセス要求が終了すると、装置割り当て制御プログラム117が、テープ装置の割り当てを解放する(ステップS711)。以上の処理によって、データ移行中のテープボリュームに対するアクセス要求処理が実行される。
【0061】
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態におけるテープ管理システムを示す構成図である。図1との構成の違いは、ホスト計算機100に接続されたテープ装置が、磁気テープライブラリ装置130ではなく、磁気テープ装置131a,131bとなっている点である。通常、磁気テープライブラリ装置130(図1参照)や、仮想テープ装置などは、使用するテープボリュームを、システムが自動的にマウントして使うため、テープボリュームを管理する必要があり、管理簿を有している(例えば、磁気テープライブラリ管理簿150)。一方、磁気テープ装置(カートリッジ形磁気テープボリューム使用)などは、使用するテープボリュームはユーザが手動でマウントして使うため、管理簿を用いず、テープボリュームの管理は、ユーザが管理している。このようなときにおいても、本発明のテープ装置のデータ移行方法を適用することができる。ここでは、テープ装置間でのデータ移行として、磁気テープボリューム132aから磁気テープボリューム132bへのデータ移行について説明する。
【0062】
なお、本発明の第2の実施形態で示す、磁気テープ装置131a,131bは、一例を示すものであり、少なくとも一つのテープ装置は、テープボリュームを管理する管理簿を有さない構成を示している。そのため、テープボリュームを管理する管理簿を用いない磁気テープ装置131aと、管理簿を有する磁気テープライブラリ装置や仮想テープ装置などの装置との構成も含むことができる。
【0063】
図8に示すように、第2の実施形態は、第1の実施形態の磁気テープライブラリ装置130および仮想テープ装置を使用しない構成である。これに伴い、図8に示すシステム構成は、図1に示すシステム構成と比較して、ホスト計算機100のメモリ120上には、磁気テープライブラリ制御プログラム118、仮想テープ制御プログラム116を用いていない。また、磁気ディスク装置140の磁気ディスクボリューム141には、磁気テープライブラリ管理簿150、仮想テープ管理簿152を用いていない。なお、磁気テープ装置131a,131bには、それぞれ磁気テープボリューム132a、132bがある。図1に記載の同一構成品については、同一符号を付しており、説明を省略する。
【0064】
図9は、第2の実施形態におけるデータ移行要求時のデータ移行処理を示すフローチャートである。図9に示すように、第2の実施形態は、第1の実施形態(図6のフローチャート)と比較して、ステップS601を有さない。すなわち、管理情報制御部115が行う、テープボリュームの管理簿を操作する処理がない。
【0065】
入出力端末160の指示により、ホスト計算機100のCPU110で実行されるデータ移行プログラム112がデータ移行処理をする。データ移行制御部114が、テープ装置変換テーブル121に、対象とする磁気テープボリューム132に関する情報が登録(作成)されているか確認する(ステップS602)。登録されていなければ(ステップS602,No)、データ移行制御部114が新たに情報を、テープ装置変換テーブル121A(図10参照)に登録する(ステップS603)。登録されていれば(ステップS602,Yes)、ステップS603の処理をスキップする。
【0066】
図10は、第2の実施形態におけるテープ装置変換テーブルの一例を示す説明図である。テープ装置変換テーブル121Aには、データ移行対象としたテープボリュームのテープボリューム名200、移行元テープ装置名201、移行先テープ装置名202の情報が登録される。例えば、行210Aの登録情報には、磁気テープ装置131aの移行元テープ装置名TAPE1で使用される、テープボリューム名VOL001の磁気テープボリューム132aを、テープ装置名TAPE2で使用される、テープボリューム名がVOL001の磁気テープボリューム132bにデータ移行する場合を示す。
【0067】
図9に戻り、ステップS604の処理に進む。なお、図6に記載の処理と同一処理については、同一符号を付しており、説明を省略する。データ移行が完了した後には、管理情報制御部115によって、ファイル位置が格納されたファイル登録簿151の情報を更新する。
【0068】
また、データ移行中にテープボリュームアクセス要求が発生した時のテープボリュームアクセス処理は、第1の実施形態(図7の処理フロー)と同じである。入出力端末160の指示により、ホスト計算機100の入出力制御プログラム113を使用して、テープ装置変換テーブル121やジャーナル122を用いて、対象テープボリュームが管理簿で管理されていなくても、テープボリュームに対するアクセス要求を制御することができる。
【0069】
以上の処理により、磁気テープ装置131aに接続された、低速で小容量の古いタイプの磁気テープボリューム132aから、磁気テープ装置131bに接続された、高速で大容量の新しいタイプの磁気テープボリューム132bへのデータ移行も実施できる。更に、業務を停止することなく、また、テープボリュームにアクセスする際に、ユーザが移行先/移行元のテープボリュームを意識することなくデータ移行を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1の実施形態におけるテープ管理システムを示す構成図である。
【図2】テープ装置変換テーブルの一例を示す説明図である。
【図3】ジャーナルの一例を示す説明図である。
【図4】磁気テープライブラリ管理簿と仮想テープ管理簿の一例を示す説明図である。
【図5】データ移行中断状態のテープボリュームの内容例を示す説明図である。
【図6】データ移行要求時のデータ移行処理を示すフローチャートである。
【図7】データ移行中にテープボリュームアクセス要求が発生時のテープボリュームアクセス処理を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態におけるテープ管理システムを示す構成図である。
【図9】第2の実施形態におけるデータ移行要求時のデータ移行処理を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態におけるテープ装置変換テーブルの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0071】
100 ホスト計算機
110 CPU
111 テープボリューム使用プログラム
112 データ移行プログラム
113 入出力制御プログラム
114 データ移行制御部
115 管理情報制御部
116 仮想テープ制御プログラム
117 装置割り当て制御プログラム
118 磁気テープライブラリ制御プログラム
120 メモリ
121 テープ装置変換テーブル
122 ジャーナル
130 磁気テープライブラリ装置
131 磁気テープ装置
132 磁気テープボリューム
133 磁気テープライブラリ制御装置
140 磁気ディスク装置
141 磁気ディスクボリューム
142 仮想テープボリューム
143 磁気ディスク制御装置
150 磁気テープライブラリ管理簿
151 ファイル登録簿
152 仮想テープ管理簿
160 入出力端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストと、テープ装置と、前記テープ装置の仮想テープボリュームを備えるディスク装置とを有するシステムにおいて、前記テープ装置から前記ディスク装置へデータ移行を行うテープ装置のデータ移行方法であって、
前記ホストは、
入出力端末からデータ移行指令を受理すると、
移行の対象となるテープのボリュームごとに、移行元のテープ装置のボリュームと移行先のディスク装置のボリュームとを関連付けるテープ装置変換情報を記憶部に登録し、
データ移行中に、前記移行の対象となるテープのボリュームごとの移行状態を、前記記憶部のジャーナルに登録し、
データ移行中に、前記テープ装置へのアクセス要求を受理すると、前記テープ装置変換情報の登録内容と前記ジャーナルの登録内容とに基づいて、前記アクセス要求を前記テープ装置で処理するか前記ディスク装置で処理するかを決定し、当該決定に従って前記アクセス要求を処理する
ことを特徴とするテープ装置のデータ移行方法。
【請求項2】
ホストと、複数のテープ装置と、ディスク装置とを有するシステムにおいて、前記複数のテープ装置間のデータ移行を行うテープ装置のデータ移行方法であって、
前記ホストは、
入出力端末からデータ移行指令を受理すると、
移行の対象となるテープのボリュームごとに、移行元のテープ装置のボリュームと移行先のテープ装置のボリュームとを関連付けるテープ装置変換情報を記憶部に登録し、
データ移行中に、前記移行の対象となるテープのボリュームごとの移行状態を、前記記憶部のジャーナルに登録し、
データ移行中に、前記テープ装置へのアクセス要求を受理すると、前記テープ装置変換情報の登録内容と前記ジャーナルの登録内容とに基づいて、前記アクセス要求を前記移行元のテープ装置で処理するか前記移行先のテープ装置で処理するかを決定し、当該決定に従って前記アクセス要求を処理する
ことを特徴とするテープ装置のデータ移行方法。
【請求項3】
前記アクセス要求が前記テープ装置からの読込み要求である場合、
前記ホストは、
前記ジャーナルに基づいて、移行済みのファイルへの要求であるか否かを判定し、
移行済みのファイルへの要求であるとき、移行先のボリュームに対して、アクセス要求の処理をし、
移行済みのファイルへの要求でないとき、移行元のボリュームに対して、アクセス要求の処理をする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテープ装置のデータ移行方法。
【請求項4】
前記アクセス要求が前記テープ装置への書き込み要求である場合、
前記ホストは、
前記ジャーナルに記録されているファイル情報およびブロック情報を消去し、
移行先のボリュームから移行済みのデータを削除し、
移行元のボリュームに対して、アクセス要求の処理をする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテープ装置のデータ移行方法。
【請求項5】
前記ディスク装置は、ファイル位置を登録管理するファイル登録情報を有し、
前記ホストは、
前記データ移行においてデータの終了を検知すると、前記ファイル登録情報を更新し、
データ移行後のアクセス要求に対して、移行先のボリュームに対して前記アクセス要求の処理をする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテープ装置のデータ移行方法。
【請求項6】
前記ディスク装置は、前記テープ装置のボリュームの使用可/使用不可を管理する第1の管理情報と、前記ディスク装置のボリュームの使用可/使用不可を管理する第2の管理情報を有し、
前記ホストは、
データ移行中のテープのボリュームへのアクセス要求に対して、前記テープ装置のボリュームまたは前記ディスク装置のボリュームを指定する指定指令を受理すると、
前記指定指令に基づいて前記第1の管理情報と前記第2の管理情報とを更新し、
前記テープ装置へのアクセス要求を受理すると、前記第1の管理情報と前記第2の管理情報とに基づいて、前記アクセス要求の処理をする
ことを特徴とする請求項1に記載のテープ装置のデータ移行方法。
【請求項7】
テープ装置と、前記テープ装置の仮想テープボリュームを備えるディスク装置と、前記テープ装置から前記ディスク装置へデータ移行を行うホストと、を有するテープ管理システムであって、
前記ホストは、
入出力端末からデータ移行指令を受理すると、
移行の対象となるテープのボリュームごとに、移行元のテープ装置のボリュームと移行先のディスク装置のボリュームとを関連付けるテープ装置変換情報を記憶部に登録し、
データ移行中に、前記移行の対象となるテープのボリュームごとの移行状態を、前記記憶部のジャーナルに登録し、
データ移行中に、前記テープ装置へのアクセス要求を受理すると、前記テープ装置変換情報の登録内容と前記ジャーナルの登録内容とに基づいて、前記アクセス要求を前記テープ装置で処理するか前記ディスク装置で処理するかを決定し、当該決定に従って前記アクセス要求を処理する
ことを特徴とするテープ管理システム。
【請求項8】
複数のテープ装置と、ディスク装置と、前記複数のテープ装置間のデータ移行を行うホストと、を有するテープ管理システムであって、
前記ホストは、
入出力端末からデータ移行指令を受理すると、
移行の対象となるテープのボリュームごとに、移行元のテープ装置のボリュームと移行先のテープ装置のボリュームとを関連付けるテープ装置変換情報を記憶部に登録し、
データ移行中に、前記移行の対象となるテープのボリュームごとの移行状態を、前記記憶部のジャーナルに登録し、
データ移行中に、前記テープ装置へのアクセス要求を受理すると、前記テープ装置変換情報の登録内容と前記ジャーナルの登録内容とに基づいて、前記アクセス要求を前記移行元のテープ装置で処理するか前記移行先のテープ装置で処理するかを決定し、当該決定に従って前記アクセス要求を処理する
ことを特徴とするテープ管理システム。
【請求項9】
前記アクセス要求が前記テープ装置からの読込み要求である場合、
前記ホストは、
前記ジャーナルに基づいて、移行済みのファイルへの要求であるか否かを判定し、
移行済みのファイルへの要求であるとき、移行先のボリュームに対して、アクセス要求の処理をし、
移行済みのファイルへの要求でないとき、移行元のボリュームに対して、アクセス要求の処理をする
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のテープ管理システム。
【請求項10】
前記アクセス要求が前記テープ装置への書き込み要求である場合、
前記ホストは、
前記ジャーナルに記録されているファイル情報およびブロック情報を消去し、
移行先のボリュームから移行済みのデータを削除し、
移行元のボリュームに対して、アクセス要求の処理をする
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のテープ管理システム。
【請求項11】
前記ディスク装置は、ファイル位置を登録管理するファイル登録情報を有し、
前記ホストは、
前記データ移行においてデータの終了を検知すると、前記ファイル登録情報を更新し、
データ移行後のアクセス要求に対して、移行先のボリュームに対して前記アクセス要求の処理をする
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のテープ管理システム。
【請求項12】
前記ディスク装置は、前記テープ装置のボリュームの使用可/使用不可を管理する第1の管理情報と、前記ディスク装置のボリュームの使用可/使用不可を管理する第2の管理情報を有し、
前記ホストは、
データ移行中のテープのボリュームへのアクセス要求に対して、前記テープ装置のボリュームまたは前記ディスク装置のボリュームを指定する指定指令を受理すると、
前記指定指令に基づいて前記第1の管理情報と前記第2の管理情報とを更新し、
前記テープ装置へのアクセス要求を受理すると、前記第1の管理情報と前記第2の管理情報とに基づいて、前記アクセス要求の処理をする
ことを特徴とする請求項7に記載のテープ管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−230239(P2009−230239A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72041(P2008−72041)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】