説明

ディスクブレーキ装置

【課題】駆動側カム板を良好に回動させ、パーキングブレーキ操作時の良好なストロークフィーリングを確保しながら、部品点数の減少と、キャリパボディのシリンダ軸方向の長さの短縮を図ることができるとともに、加工工数を減少させて、コストの削減と組み付け性の向上を図る。
【解決手段】駆動側カム板21aの推力伝達板14bと対向するシリンダ孔開口側端面21bに、駆動側カム板21aの回動を許容するフッ素樹脂剤等のコーティングを施し、駆動側カム板21aのシリンダ開口側端面21bと、推力伝達板14bのシリンダ孔底部側端面14dとを当接させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液圧によって摩擦パッドを押圧するピストンと、摩擦パッドとディスクロータとの間隙を自動調整するためのアジャスタと、ボールランプ型の推力変換機構により前記アジャスタを介してピストンを押圧するパーキングブレーキとを備えたディスクブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
四輪自動車等に用いられるディスクブレーキ装置として、ブレーキペダルによる液圧式作動機構と、レバーやペダルによって牽引操作される機械式作動機構とを備えたパーキングブレーキ付きのディスクブレーキ装置がある。このパーキングブレーキ付きのディスクブレーキ装置は、一般に、キャリパボディに設けたシリンダ孔の先端開口側に液圧式作動機構を構成するピストンを配置し、このピストンの後面側にアジャストナット及びアジャストボルトを有するアジャスタを配置するとともに、シリンダ孔の底部側に機械式作動機構を構成する推力変換機構を配置している。
【0003】
推力変換機構としては、従来からボールランプ型が広く知られている。このボールランプ型の推力変換機構は、カムベアリングを収容するランプ溝をそれぞれ形成した固定側カム板と駆動側カム板とを対向配置し、パーキングブレーキ操作によって駆動側カム板を回動させることにより、ランプ溝とカムベアリングとのカム作用で、ピストンをディスクロータ側に移動させる推力を発生させ、この推力によりアジャスタを介してピストンをディスクロータ方向に押動し、摩擦パッドをディスクロータに圧接して制動力を得るようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第2739879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなボールランプ型の推力変換機構では、駆動側カム板が回動しながら推力伝達板をシリンダ孔開口側へ押動させることから、駆動側カム板が良好に回動できるように、駆動側カム板と推力伝達板の対向面との間にニードルベアリング等の軸受が介装されていた。さらに、軸受の中心決めを行うために、駆動側カム板と軸受の中心部には凹凸加工がなされていた。このため、キャリパボディのシリンダ軸方向の長さが長くなると共に、部品点数や加工数が多くなり、コストが嵩み、また組み付けにも手間が掛かっていた。
【0005】
そこで本発明は、駆動側カム板を良好に回動させ、パーキングブレーキ操作時の良好なストロークフィーリングを確保しながら、部品点数の減少と、キャリパボディのシリンダ軸方向の長さの短縮を図ることができるとともに、加工工数を減少させて、コストの削減と組み付け性の向上を図ることのできるディスクブレーキ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため本発明は、キャリパボディに形成されるシリンダ孔の先端開口側に収納されたピストンと、シリンダ孔の底部側に配設された推力変換機構と、該推力変換機構と前記ピストンとの間に設けられたアジャストナット及びアジャストボルトを有するアジャスタとを備え、前記推力変換機構からアジャスタを介して前記ピストンを押動するパーキングブレーキを備えたディスクブレーキ装置であって、前記推力変換機構は、前記シリンダ孔の底壁に取り付けられる固定側カム板と、前記シリンダ孔底壁と固定側カム板とに対して回動可能且つシリンダ軸方向に移動可能に貫通したカムシャフトと、該カムシャフトのシリンダ孔開口側に設けられた駆動側カム板と、該駆動側カム板及び前記固定側カム板の対向位置にそれぞれ形成されるランプ溝及び該ランプ溝に収容されるカムベアリングとを備え、前記アジャスタは、アジャストナットとアジャストボルトのいずれか一方の前記駆動側カム板に対向するシリンダ孔底部側端部に推力伝達板を備え、前記固定側カム板と、前記駆動側カム板と、前記推力伝達板と、該推力伝達板を前記駆動側カム板の方向に付勢するカムスプリングとを、略円筒状のハウジング内に収容したディスクブレーキ装置において、前記駆動側カム板と前記推力伝達板の対向面の少なくともいずれか一方に前記駆動側カム板の回動を許容する低摩擦性のコーティングを施したことを特徴とし、また、前記駆動側カム板の前記推力伝達板との対向面を、凹凸嵌合する部分のない平滑面とすると好適である。
【発明の効果】
【0007】
上述のように、駆動側カム板と推力伝達板の対向面の少なくともいずれか一方に、駆動側カム板の回動を許容する低摩擦係数のコーティングを施したことにより、簡単な構造で、駆動側カム板の良好な回動を確保することができる。また、従来のように、駆動側カム板と推力伝達板との間に、ニードルベアリング等の軸受を介装する必要がないので、キャリパボディのシリンダ軸方向の長さを短縮させることができ、コストの削減を図ることができる。
【0008】
また、軸受を省略できることから、駆動側カム板の推力伝達板との対向面を凹凸嵌合する部分のない平滑面とすることができ、加工工数の減少と組み付け性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一形態例を図面に基づいて詳しく説明する。図1乃至図4は本発明の一形態例を示すもので、図1はディスクブレーキ装置の要部拡大断面図、図2は図1のII-II断面図、図3は推力変換機構とアジャストナットとハウジングの分解斜視図、図4はディスクブレーキ装置の断面正面図である。
【0010】
このディスクブレーキ装置1は、キャリパボディ2に図示しないブレーキペダルにて操作される液圧式作動機構3と、図示しないレバーやペダルにて操作されるパーキングブレーキ用の機械式作動機構4とを併設したパーキングブレーキ付きのディスクブレーキ装置であって、キャリパボディ2は、ディスクロータ5の一側部で車体に固設されるキャリパブラケット6に、図示しない一対の摺動ピンを介してディスク軸方向へ移動可能に支持されている。
【0011】
前記キャリパボディ2は、ディスクロータ5の両側に対向配置される作用部2a及び反作用部2bと、ディスクロータ5の外側を跨いでこれらを連結するブリッジ部2cとを有しており、作用部2aと反作用部2bとの間には、一対の摩擦パッド7,7がディスクロータ5を挟んで配置されている。
【0012】
作用部2aには、ディスクロータ側に開口するシリンダ孔8が形成されている。シリンダ孔8は、先端開口側に大径部8a、シリンダ孔底部側に小径部8bがそれぞれ形成され、大径部8aにはシリンダ孔開口側にシール溝8cとブーツ溝8dがそれぞれ周設される。小径部8bにはシリンダ軸方向に3本の軸方向溝8eが周方向に等間隔に設けられ、シリンダ孔底部側には各軸方向溝8eに交叉するシリンダ周方向の周方向溝8fが設けられている。
【0013】
シリンダ孔8の大径部8aには、液圧式作動機構3を構成する有底円筒状のピストン9が収容され、小径部8bには、機械式作動機構4を構成するボールランプ型の推力変換機構10が収容されるとともに、ピストン9と推力変換機構10との間には、ディスクロータ5と摩擦パッド7との制動間隙を自動的に調節するためのアジャスタ11が配設されている。また、シリンダ孔底壁8gには、固定側カム板12が配設されている。
【0014】
アジャスタ11は、アジャストボルト13とアジャストナット14とで構成され、アジャストボルト13の頭部には、小径ピストン13aとクラッチ板13bとが設けられている。アジャストナット14は、内部にアジャストボルト13と螺合する多条ねじ14aが形成され、シリンダ孔底部側の端部に推力伝達板14bが設けられている。また、推力伝達板14bの外周には、3つの係合用突部14cが等間隔で設けられている。さらに、アジャストナット14の外周側には、カムスプリング15と推力伝達板14bとを収容する円筒状のハウジング16が配設される。
【0015】
前記ピストン9は、底壁9aをディスクロータ側に向けてシリンダ孔8の大径部8aに収容されており、ピストン9の内部中心軸上に、前記アジャストナット14とアジャストボルト13とが設けられている。ピストン9の底壁内面には、嵌合孔9bが設けられ、該嵌合孔9bに、前記小径ピストン13aがシール材を介して嵌合し、クラッチ板13bは、嵌合孔9bの開口部から拡開する円錐面9cにアジャストスプリング17の作用で圧接している。該アジャストスプリング17は、一端がベアリング受け18に、他端がアジャストナット14の外周部分に設けられた止め輪19にそれぞれ保持され、ベアリング受け18及びベアリング20を介してアジャストボルト13を底壁9a側に回動可能な状態で付勢している。
【0016】
前記推力変換機構10は、シリンダ孔底壁8gと固定側カム板12とに対して回動可能且つシリンダ軸方向に移動可能に貫通したカムシャフト21と、該カムシャフト21のシリンダ孔開口側端部に設けられた駆動側カム板21aと、該駆動側カム板21a及び前記固定側カム板12の対向位置にそれぞれ形成される3つのランプ溝22及び該ランプ溝22に収容される3つのカムベアリング23とを備えている。
【0017】
駆動側カム板21aのシリンダ孔開口側端面21bは、推力伝達板14bと凹凸嵌合する部分のない円形の平滑面に形成され、低摩擦性の表面が得られるコーティング剤、例えば、ポリアミドイミド樹脂+ポリテトラフルオロエチレン樹脂,フェノール樹脂+フッ素樹脂から成るコーティング剤がコーティングされ、前記推力伝達板14bのシリンダ孔底部側端面14dに当接させている。
【0018】
固定側カム板12は、円盤状に形成され、中央にはカムシャフト21を挿通させる挿通孔12aが設けられ、該挿通孔12aの周囲の底面に、シリンダ孔底壁8gに設けたリブ収容溝8hに挿入されるリブ12bが突設されている。また、固定側カム板12の外周面には、シリンダ孔8の各軸方向溝8eにそれぞれ係合する3つの回止用突片12cが周方向に等間隔で突設され、各回止用突片12cの一側方の底面外周部には、該回止用突片12cから周方向に等距離離間させて係止溝12dがそれぞれ設けられている。
【0019】
ハウジング16は、シリンダ孔8の小径部8bの径よりもやや小径に形成される大径筒部16aと、アジャストナット14に形成した推力伝達板14bの外径よりも大きな内径に形成される小径筒部16bとを一体に備えたもので、小径筒部16bのシリンダ孔底部側には、前記推力伝達板14bの各係合用突部14cが軸方向にのみ移動可能に係合する3つの係合孔16cが穿設されている。また、小径筒部16bのシリンダ孔開口側端部にはカムスプリング15の支持片16dが内周側に突設されている。大径筒部16aのシリンダ孔底部側端部には、シリンダ孔8の各軸方向溝8eに挿入可能で周方向溝8fにそれぞれ係合する係合リブ16eが周方向に等間隔で突設され、各係合リブ16eの周方向一側方に、該係合リブ16eから周方向に等距離離間させて係止片16fがそれぞれ形成されている。
【0020】
このように形成した本形態例のディスクブレーキ装置1の組み立ては、ハウジング16のシリンダ孔底部側の開口から、カムスプリング15を挿入し、その一端を支持片16dに当接させ、カムスプリング15の内周にアジャストナット14を挿通する。該アジャストナット14に設けた推力伝達板14bのシリンダ孔開口側端部に、カムスプリング15の他端を当接させ、アジャストナット14の係合突部14dをハウジング16の係合孔16cに係合させる。次に、推力伝達板14bのシリンダ孔底部側端面14dと駆動側カム板21aのシリンダ孔開口側端面21bとを当接させる。各カムベアリング23を各ランプ溝22に収容するように、固定側カム板12の挿通孔12aにカムシャフト21を通して、固定側カム板12を駆動側カム板21aのシリンダ孔底部側に配設し、ハウジング16の係止片16fを折り曲げて、固定側カム板12の係止溝12dを除く底面に係止させる。これにより、固定側カム板12がハウジング16のシリンダ孔底部側に仮組みされ、推力変換機構10と、アジャストナット14と、カムスプリング15とがハウジング16内に組み付けられユニット化させることができる。
【0021】
このように組み付けられたユニットは、ハウジング16と固定側カム板12とを回転させることによって、ハウジング16の係合リブ16eと固定側カム板12の回止用突片12cの周方向の位置を合わせ、固定側カム板12をシリンダ孔底壁8g側に向けて回止用突片12cと係合リブ16eとをシリンダ孔の軸方向溝8eに挿入し、シリンダ孔8内に挿入される。ハウジング16を回転させて、ハウジング16の係合リブ16eをシリンダ孔8の周方向溝8fに係合させるとともに、ハウジング16の各係合片16fを固定側カム板12の各係止溝12dに嵌め込ませる。これによってこのユニットがシリンダ孔8内に固定される。
【0022】
一方、ピストン9の内部には、アジャストボルト13,ベアリング20,ベアリング受け18,アジャストスプリング17,止め輪19を順に装着し、こちらも一つのユニットとする。次に、アジャストボルト13をアジャストナット14に螺合させながら、ピストン9をシリンダ孔8に押し込む。最後に、カムシャフト21の突出端に操作レバー24を取り付け、これにより、キャリパボディ2に液圧式作動機構3,機械式作動機構4及びアジャスタ11が組み付けられる。なお、各シール材は適宜な段階で装着する。また、カムシャフト21の回り止めは、カムシャフト21を回動させる操作レバー24と、キャリパボディ2の外面に設けた突部(図示せず)とを当接させることによって行う。
【0023】
このディスクブレーキ装置1は、液圧式作動機構3を用いたブレーキ操作では、シリンダ孔8内に導入された作動液の圧力によってピストン9がディスクロータ方向に押動され、作用部2aの摩擦パッド7をディスクロータ5の一側面に押圧するとともに、その反力によってキャリパボディ2が作用部2a方向に移動し、反作用部2bが反作用部2b側の摩擦パッド7をディスクロータ5の他側面に押圧し、制動作用が行われる。
【0024】
このとき、摩擦パッド7とディスクロータ5との制動間隙が所定範囲内にある場合は、ピストン9の移動量がアジャストボルト13とアジャストナット14とのバックラッシ分を移動するのみでアジャスト作用は行われない。摩擦パッド7の摩耗によってディスクロータ5との制動間隙が所定値を超えると、ピストン9が前記バックラッシ分を超えてディスクロータ側に大きく移動するので、クラッチ板13bとピストン9の円錐面9cとが離間した状態となる。この状態で、アジャストボルト13は、アジャストスプリング17の付勢力によってアジャストナット14から繰り出され、クラッチ板13bと円錐面9cとが当接する。この状態でブレーキ操作を解除すると、ピストン9及びアジャストボルト13がバックラッシ分を後退することにより、摩擦パッド7とディスクロータ5との制動間隙が所定範囲に自動的に調節されることになる。
【0025】
また、機械式作動機構4によるパーキングブレーキ操作では、図示しないレバーやペダルによって操作レバー24が回動操作されると、カムシャフト21とともに駆動側カム板21aが回動し、駆動側カム板21aの各ランプ溝22と非回動状態の固定側カム板12の各ランプ溝22との位相がずれることにより、各カムベアリング23がランプ溝22の浅い部分にそれぞれ移動し、固定側カム板12から駆動側カム板21aが離反するようにしてディスクロータ側に移動する。駆動側カム板21aのシリンダ孔開口側端面21bが回転しながら推力伝達板14bのシリンダ孔底部側端面14dを押動し、これに伴うアジャストナット14の移動は、アジャストボルト13を介してピストン9に伝達され、該ピストン9をディスクロータ側に押動する推力となり、前記液圧式作動機構3による制動作用と同じようにして制動作用が行われる。
【0026】
このように、機械式作動機構4によるパーキングブレーキ操作が行われる際に、固定側カム板12は、回止用突片12cがシリンダ孔8の軸方向溝8eに挿入されることにより回り止めされ、ハウジング16は、回り止めされた状態の固定側カム板12の各係止溝12に各係止片16fがそれぞれ嵌め込まれることにより回り止めされるとともに、係合リブ16eがシリンダ孔8の周方向溝8fに挿入されることにより、シリンダ軸方向の移動が規制されている。また、推力伝達板14bは、係合用突部14cがハウジング16の係合孔16cに係合していることから、軸方向に移動可能な状態で回り止めされている。さらに、駆動側カム板21aのシリンダ孔開口側端面21bは、推力伝達板14bと凹凸嵌合する部分のない円形の平滑面に形成されるとともにフッ素樹脂剤等がコーティングされていることから、従来のように、駆動側カム板21aと推力伝達板14bとの間にニードルベアリング等の軸受を介装しなくても、駆動側カム板21aを良好に回動させ、推力伝達板14bを軸方向に移動させることができる。
【0027】
これにより、パーキングブレーキ操作時の良好なストロークフィーリングを確保しながら、部品点数の減少と、作用部2aのシリンダ軸方向の長さの短縮とを図ることができ、また、アジャスタ11を確実に作動させて、摩擦パッド7とディスクロータ5との制動間隙を常に良好に保つことができる。さらに、駆動側カム板21aのシリンダ孔開口側端面21bは、推力伝達板14bと凹凸嵌合する部分のない円形の平滑面に形成されていることから、加工工数が減少するとともに、組み付けが容易になる。また、固定側カム板12と推力変換機構10と推力伝達板14bとカムスプリング15とを収容したハウジング16のシリンダ孔内への組み付け作業が容易になり、ディスクブレーキ装置1の組み立ての作業性を向上させることができる。
【0028】
なお、上述の形態例のように、アジャストナットに推力伝達板を形成し、アジャストナットをハウジングに収容したものに限らず、アジャストボルトに推力伝達板を形成し、アジャストボルトをハウジングに収容するものでも良い。また、推力伝達板の駆動側カム板との対向面に該駆動側カム板の回動を許容するコーティングを施してもよく、さらに、推力伝達板と駆動側カム板の双方の対向面にコーティングを施してもよい。また、本発明のコーティング剤は、フッ素樹脂剤に限らず、低摩擦性の表面が得られるものであれば、どのようなものでも差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一形態例を示すディスクブレーキ装置の要部拡大断面図である。
【図2】図1のII-II断面図である。
【図3】推力変換機構とアジャストナットとハウジングの分解斜視図である。
【図4】ディスクブレーキ装置の断面正面図である。
【符号の説明】
【0030】
1…ディスクブレーキ装置、2…キャリパボディ、2a…作用部、3…液圧式作動機構、4…機械式作動機構、5…ディスクロータ、6…キャリパブラケット、7…摩擦パッド、8…シリンダ孔、8a…大径部、8b…小径部、8e…軸方向溝、 8f…周方向溝、8g…シリンダ孔底壁、8h…リブ収容溝、9…ピストン、10…推力変換機構、11…アジャスタ、12…固定側カム板、12a…挿通孔、12b…リブ、12c…回止用突片、12d…係止溝、13…アジャストボルト、13a…小径ピストン、13b…クラッチ板、14…アジャストナット、14a…多条ねじ、14b…推力伝達板、14c…係合用突部、14d…シリンダ孔底部側端面、15…カムスプリング、16…ハウジング、16a…大径筒部、16b…小径筒部、16c…係合孔、16e…係合リブ、16f…係止片、17…アジャストスプリング、18…ベアリング受け、19…止め輪、20…ベアリング、21…カムシャフト、21a…駆動側カム板、21b…円筒部、21c…突部、22…ランプ溝、23…カムベアリング、24…操作レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリパボディに形成されるシリンダ孔の先端開口側に収納されたピストンと、シリンダ孔の底部側に配設された推力変換機構と、該推力変換機構と前記ピストンとの間に設けられたアジャストナット及びアジャストボルトを有するアジャスタとを備え、前記推力変換機構からアジャスタを介して前記ピストンを押動するパーキングブレーキを備えたディスクブレーキ装置であって、前記推力変換機構は、前記シリンダ孔の底壁に取り付けられる固定側カム板と、前記シリンダ孔底壁と固定側カム板とに対して回動可能且つシリンダ軸方向に移動可能に貫通したカムシャフトと、該カムシャフトのシリンダ孔開口側に設けられた駆動側カム板と、該駆動側カム板及び前記固定側カム板の対向位置にそれぞれ形成されるランプ溝及び該ランプ溝に収容されるカムベアリングとを備え、前記アジャスタは、アジャストナットとアジャストボルトのいずれか一方の前記駆動側カム板に対向するシリンダ孔底部側端部に推力伝達板を備え、前記固定側カム板と、前記駆動側カム板と、前記推力伝達板と、該推力伝達板を前記駆動側カム板の方向に付勢するカムスプリングとを、略円筒状のハウジング内に収容したディスクブレーキ装置において、前記駆動側カム板と前記推力伝達板の対向面の少なくともいずれか一方に前記駆動側カム板の回動を許容する低摩擦性のコーティングを施したことを特徴とするディスクブレーキ装置。
【請求項2】
前記駆動側カム板の前記推力伝達板との対向面は、凹凸嵌合する部分のない平滑面であることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−146957(P2007−146957A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341903(P2005−341903)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000226677)日信工業株式会社 (840)
【Fターム(参考)】