説明

ディスプレイ装置および其の表示制御方法と表示制御プログラム

【課題】ディスプレイ装置単体で消費電力を節約することのできるディスプレイ装置および其の表示制御方法と表示制御プログラムを提供する。
【解決手段】上位装置2から1フレーム分ずつ送られてくるピクセル単位の色情報と1フレーム前の色情報との一致不一致をフレーム上の同一位置でピクセル単位で比較して予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルを検出し、このピクセルに対応する制御データを補正して上位装置2からの指令による輝度よりも低い輝度となるようにする。色情報の一致状態が継続しているピクセル、つまり、画像に変化がなくユーザが関心を持つ必要性の低い表示領域の輝度のみを適切に制限してディスプレイ装置1単体で消費電力を節約することができ、かつ、色情報の一致状態が逐次変化するピクセル、即ち、実際に関心を持つ必要性の高い表示領域の輝度を保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピクセル毎の輝度調整が可能なディスプレイ装置の改良、および、其の表示制御方法と表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と輝度情報とに基いて1フレーム分の表示色と輝度の制御データをピクセル単位で生成するデコーダと、データ伝送経路を介してデコーダからの制御データを受け、各ピクセル毎の表示色と輝度を調整して逐次1フレーム分の画像を表示する表示モジュールとを備えたディスプレイ装置が既に公知であり、ピクセル毎の輝度調整が可能な表示モジュールとしては、一般に、有機発光ダイオードモジュールが利用されている。
【0003】
この種のディスプレイ装置において消費電力を節約するための技術としては、ディスプレイ装置の表示面への接触やカーソル操作あるいは画面のスクロール操作,データの入力操作,ユーザの目の位置を追跡するトラッキング処理等によってユーザが関心を持っている画面上の表示領域を特定し、それ以外の領域、つまり、ユーザが関心を持っていないと推定される領域の照明エレメントを減光させるようにしたものが特許文献1として提案されている。
しかしながら、表示面への接触やカーソル操作あるいは画面のスクロール操作,データの入力操作,ユーザの目の位置を追跡するトラッキング処理等に基いて照明エレメントの輝度を調整するためには、これらの情報を上位装置からディスプレイ装置に伝達するための物理的な信号線が必要となり、既存の上位装置、つまり、専用の信号線を備えない上位装置ではディスプレイ装置を利用できないといった不都合があり、仮に、上位装置に対する専用の信号線の後付けが可能であったとしても、ディスプレイ装置の表示面への接触やカーソル操作あるいは画面のスクロール操作,データの入力操作,ユーザの目の位置を追跡するトラッキング処理等を実現するためには、上位装置が使用するオペレーションシステムやアプリケーションプログラムに様々な変更を加えなければならないといった問題が残る。
また、特許文献1にあっては、ディスプレイ装置の表示面への接触やカーソル操作あるいは画面のスクロール操作,データの入力操作,ユーザの目の位置を追跡するトラッキング処理等によってユーザが関心を持っている画面上の表示領域を特定するようにしているが、これらの操作によって必ずしもユーザが関心を持つべき表示領域が適切に特定されるとは限らない。たとえば、カーソル操作を利用して表示領域を特定する場合にあっては、表示画面上のカーソルの存在それ自体が邪魔になり、カーソルをデータ入力操作の領域から外側に移動させておくといったこともあり、このような操作を行なった場合には、本来ユーザが関心を持つべきデータ入力の表示領域ではなく、その外側の領域が関心を持つべき表示領域として判定されるといった不都合を生じる恐れがある。
【0004】
ディスプレイ装置の表示に関連して総合的なかたちで消費電力を節約するための技術としては、上位装置のマイクロプロセッサからの信号が一定時間以上に亘って途絶えた場合にVRAMからのデータのリードを中止したり、画面上のウインドウ表示を参照して特定のウインドウの表示に関しては高い階調たとえば8ビットの階調での表示を行う一方、それ以外の表示領域では低い階調たとえば8ビットのうちの上位7ビットでの表示を行うようにすること、あるいは、VRAMからデータをリードする周期を落としたり、フレームの書き換えに際して変化のあった画素のみを抽出して書き換えを行なうようにすることで消費電力を節約するようにしたものが特許文献2として提案されている。
しかし、このものは、VRAMへのアクセスを制限することによって消費電力を節約するもの、つまり、画像表示のための前処理に要するメモリアクセスの消費電力を節約するものであって、ディスプレイ装置の画像表示に要する消費電力それ自体を節約するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−193075号公報(段落0031,段落0033,段落0037)
【特許文献2】特開平9−198016号公報(段落0031,段落0037−0038,段落0044,段落0047)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、画像の表示に必須とされる色情報や輝度情報以外のデータを必要とせず、上位装置に格別な信号線やアプリケーションあるいはオペレーションシステムがなくても、ユーザが関心を持つべき表示領域の表示に悪影響を与えることなく、ディスプレイ装置単体で消費電力を節約することのできるディスプレイ装置および其の表示制御方法と表示制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のディスプレイ装置は、上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と輝度情報とに基いて1フレーム分の表示色と輝度の制御データをピクセル単位で生成するデコーダと、データ伝送経路を介して前記デコーダからの制御データを受け、各ピクセル毎の表示色と輝度を調整して逐次1フレーム分の画像を表示する表示モジュールとを備えたディスプレイ装置において、
上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と1フレーム前の色情報との一致不一致をフレーム上の同一位置でピクセル単位で比較することにより予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルを検出する比較検出器と、
前記データ伝送経路上で前記デコーダと前記表示モジュールとの間に配置され、前記デコーダからの制御データのうち、前記比較検出器により検出されたピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを、上位装置から送られた当該ピクセルの輝度情報に相当する輝度よりも低い輝度となるように補正して、当該ピクセルの表示色に関わる制御データ、および、他のピクセルの制御データと共に前記表示モジュールに引き渡す輝度補正器とを設けたことを特徴とする構成を有する。
【0008】
また、本発明の表示制御方法は、上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と輝度情報とに基いて1フレーム分の表示色と輝度の制御データをピクセル単位で生成し、この制御データに基いて各ピクセル毎の表示色と輝度を調整して逐次1フレーム分の画像を表示モジュールに表示するようにしたディスプレイ装置の表示制御方法において、
上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と1フレーム前の色情報との一致不一致をフレーム上の同一位置でピクセル単位で比較することにより予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルを検出し、
前記生成された制御データのうち、予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを、当該ピクセルに対応して上位装置から送られた輝度情報に相当する輝度よりも低い輝度となるように補正してから、当該ピクセルの表示色に関わる制御データ、および、他のピクセルの制御データと共に前記表示モジュールに引き渡すようにしたことを特徴とする構成を有する。
【0009】
そして、本発明のディスプレイ装置用表示制御プログラムは、上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と輝度情報とに基いて1フレーム分の表示色と輝度の制御データをピクセル単位で生成するデコーダと、データ伝送経路を介して前記デコーダからの制御データを受け、各ピクセル毎の表示色と輝度を調整して逐次1フレーム分の画像を表示する表示モジュールとを備えたディスプレイ装置に実装されたマイクロプロセッサを、
上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と1フレーム前の色情報との一致不一致をフレーム上の同一位置でピクセル単位で比較することにより予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルを検出する比較検出手段、および、
前記デコーダからの制御データのうち、前記比較検出手段により検出されたピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを、上位装置から送られた当該ピクセルの輝度情報に相当する輝度よりも低い輝度となるように補正して、当該ピクセルの表示色に関わる制御データ、および、他のピクセルの制御データと共に前記表示モジュールに引き渡す輝度補正手段として機能させることを特徴とした構成を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のディスプレイ装置および其の表示制御方法と表示制御プログラムは、上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と1フレーム前の色情報との一致不一致をフレーム上の同一位置でピクセル単位で比較することにより予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルを検出し、このピクセルに対応する制御データを補正して上位装置からの指令による輝度よりも低い輝度となるようにしたから、上位装置に格別な信号線やアプリケーションあるいはオペレーションシステムがなくても、色情報の一致状態が継続しているピクセル、つまり、画像に変化がなくユーザが関心を持つ必要性の低い表示領域の輝度のみを適切に制限してディスプレイ装置単体で消費電力を節約することができ、しかも、色情報の一致状態が逐次変化するピクセル、つまり、ユーザの入力操作や上位装置による応答情報の表示等によって画像が変化している表示領域、すなわち、実際にユーザが関心を持つ必要性の高い表示領域の輝度を適正に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を適用した一実施形態のディスプレイ装置の構成の概略について示したブロック図である。
【図2】同実施形態のディスプレイ装置に実装されたマイクロプロセッサを比較検出器および輝度補正器として機能させるためのディスプレイ装置用表示制御プログラムの構成の概略を示したフローチャートである。
【図3】ディスプレイ装置用表示制御プログラムの構成の概略を示したフローチャートの続きである。
【図4】ディスプレイ装置の表示モジュールにウインドウを表示し、ユーザがウインドウを上下方向にスクロールさせながらウインドウ内に表示された文字情報を確認する場合の表示例について示した概念図であり、図4(a)ではスクロール開始時点の表示状態について、図4(b)ではスクロール中の表示状態について示している。
【図5】色情報の一致状態の継続時間の長さに応じて輝度を補正する際に利用可能な補正実行フラグ設定処理の一例について示したフローチャートである。
【図6】色情報の一致状態が継続しているピクセルの数を分割エリア毎に計数して色情報の一致状態が継続しているピクセルをエリア単位で検出するようにした分割エリア別補正実行フラグ設定処理の一例について示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための形態の幾つかについて、図面を参照して具体的に説明する。
【0013】
図1は本発明を適用した一実施形態のディスプレイ装置1の構成の概略について示したブロック図である。
【0014】
この実施形態のディスプレイ装置1は、上位装置として機能するコンピュータ2から1フレーム分ずつ纏めて送られてくる画像を構成するピクセル単位の色情報と輝度情報とに基いて1フレーム分の表示色と輝度の制御データをピクセル単位で生成するデコーダ3、および、データ伝送経路4を介してデコーダ3からの制御データを受け、各ピクセル毎の表示色と輝度を調整して逐次1フレーム分の画像を表示する表示モジュール5を備えたディスプレイ装置であり、表示モジュール5は、有機発光ダイオードモジュールによって構成されている。
【0015】
デコーダ3,データ伝送経路4,有機発光ダイオードモジュールによって構成される表示モジュール5の構成や機能に関しては既に公知であるので詳細な説明は省略する。
また、この実施形態では、表示モジュール5のドットは横方向にx列、また、縦方向にy行のマトリックスで存在するものとする。
【0016】
この実施形態のディスプレイ装置1は、更に、上位装置として機能するコンピュータ2から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と1フレーム前の色情報との一致不一致をフレーム上の同一位置でピクセル単位で比較することにより予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルを検出する比較検出器6、および、データ伝送経路4上でデコーダ3と表示モジュール5との間に配置され、デコーダ3からの制御データのうち、比較検出器6により予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているとして検出されたピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを、コンピュータ2から送られた当該ピクセルの輝度情報に相当する輝度よりも低い輝度となるように補正して、当該ピクセルの表示色に関わる制御データ、および、他のピクセルの制御データと共に表示モジュール5に引き渡す輝度補正器7を備える。
【0017】
そして、比較検出器6は、ピクセル単位の色情報を1フレーム分記憶する色情報記憶領域とコンピュータ2からのフレームデータの受信回数を単位として色情報の一致回数をピクセル単位で記憶する一致回数記憶領域とを有するメモリ8を備え、コンピュータ2から1フレーム分の色情報と輝度情報とが送られる度に、フレーム上の同一位置で、コンピュータ2から送られた色情報とメモリ8の色情報記憶領域に記憶された色情報との一致不一致をピクセル単位で判定し、両者が一致する場合には、このピクセルに対応する一致回数記憶領域に記憶された一致回数を1インクリメントする一方、両者が一致しない場合には、このピクセルに対応する一致回数記憶領域の一致回数の値を初期化して当該ピクセルに対応する色情報記憶領域にコンピュータ2から送られた色情報を更新して記憶させ、一致回数記憶領域に記憶されている各ピクセル毎の一致回数とコンピュータ2からのフレームデータの転送周期とに基いて、各ピクセル毎に色情報の一致状態が継続している時間を求め、この時間が予め設定された時間を越えているピクセルを検出する機能を備える。
【0018】
この実施形態におけるメモリ8には、上述の色情報記憶領域および一致回数記憶領域のほか、ディスプレイ装置用表示制御プログラムを格納するためのプログラム記憶領域と、ディスプレイ1の表示モジュール5に表示する最新の画像情報すなわちコンピュータ2から送られた1フレーム分の色情報と輝度情報とを一時記憶するためのフレームメモリ部と、表示制御に利用する各種のフラグの値を記憶するためのフラグ記憶領域等が設けられている。
【0019】
より具体的には、メモリ8のフレームメモリ部には、コンピュータ2から送られた最新の1フレーム分の色情報が、表示モジュール5のy行x列のピクセルの各位置となる(i,j)スポットに対応してCijのかたちでピクセル単位で一時記憶される(但し、iは1〜yの整数,jは1〜xの整数)。
また、メモリ8の色情報記憶領域には、色情報の一致不一致の判定に利用するための1フレーム分の色情報が、表示モジュール5のy行x列のピクセルの各位置(i,j)に対応してCPijのかたちでピクセル単位で記憶されるようになっている。メモリ8の色情報記憶領域に記憶される色情報は一般に1フレーム前の色情報であるが、電源投入直後の初期化時点では、色情報記憶領域の色情報は全て消去された状態となる。
そして、メモリ8の一致回数記憶領域には、表示モジュール5のy行x列のピクセルの各位置(i,j)における色情報の一致回数が、nijのかたちでピクセル単位で記憶される。
更に、メモリ8のフラグ記憶領域には、表示モジュール5のy行x列のピクセルの各位置(i,j)における輝度の補正を実行すべきか否かを示す補正実行フラグの値が、Fijのかたちでピクセル単位で記憶されるようになっている。
【0020】
図2〜図3は、ディスプレイ装置1に実装されたマイクロプロセッサ9を比較検出器6(比較検出手段)および輝度補正器7(輝度補正手段)として機能させるためにメモリ8のプログラム記憶領域に格納されたディスプレイ装置用表示制御プログラムの構成の一例を示したフローチャートである。
【0021】
ディスプレイ装置1に電源が投入されると、マイクロプロセッサ9は、まず、ピクセル単位の色情報を1フレーム分記憶するメモリ8の色情報記憶領域に記憶されている色情報CP11〜CPyxのデータを未記憶の状態に初期化すると共にCP11〜CPyxの色情報の各々に対応する一致回数n11〜nyxの値を全て0に初期化して(ステップS1)、上位装置として機能するコンピュータ2から1フレーム分の画像データ、つまり、各ピクセル毎の色情報と輝度情報が入力されるのを待つ待機状態に入る(ステップS2)。
【0022】
そして、コンピュータ2から1フレーム分の画像データが入力されると、マイクロプロセッサ9は、コンピュータ2から送られた最新の1フレーム分の色情報をCijのかたちでピクセル単位でメモリ8のフレームメモリ部に一時記憶させ(ステップS3)、行検索指標iの値を0に初期化すると共に列検索指標jの値を0に初期化する(ステップS4,ステップS5)。
【0023】
次いで、マイクロプロセッサ9は、行検索指標iの値を1インクリメントし(ステップS6)、行検索指標iの現在値が表示モジュール5の行方向のピクセル数yの値を超えているか否か、つまり、色情報の一致不一致を比較すべきピクセルを有する行がフレーム内に未だ残っているか否かを判定する(ステップS7)。
【0024】
そして、行検索指標iの現在値が表示モジュール5の行方向のピクセル数yの値を超えていなければ、色情報の一致不一致を比較すべきピクセルを有する行がフレーム内に未だ残っていることを意味するので、マイクロプロセッサ9は、列検索指標jの値を1インクリメントし(ステップS8)、列検索指標jの現在値が表示モジュール5の列方向のピクセル数xの値を超えているか否か、つまり、行検索指標iの値で特定される1行分のピクセルのなかに色情報の一致不一致を比較すべきピクセルが未だ残っているか否かを判定する(ステップS9)。
【0025】
ここで、列検索指標jの現在値が表示モジュール5の列方向のピクセル数xの値を超えていなければ、比較検出器6として機能するマイクロプロセッサ9は、行検索指標iの値と列検索指標jの現在値に基いてメモリ8のフレームメモリ部から色情報Cijの値を読み込むと共に、同じく、行検索指標iの値と列検索指標jの現在値に基いてメモリ8の色情報記憶領域から色情報CPijの値を読み込んで(ステップS10)、フレーム上の同一位置である(i,j)スポットの色情報Cijの値と色情報CPijの値との一致不一致をピクセル単位で判定する(ステップS11)。
【0026】
そして、今回の転送処理でコンピュータ2から送られた色情報Cijの値と1フレーム前の色情報CPijの値とが一致した場合には、フレーム上の(i,j)スポットの位置つまり表示モジュール5の(i,j)スポットのピクセル位置における表示色に変化が生じていないことを意味するので、比較検出器6として機能するマイクロプロセッサ9は、メモリ8の一致回数記憶領域にアクセスし、フレーム上の(i,j)スポットの位置に対応する色情報の一致回数nijの値を1インクリメントする(ステップS16)。
【0027】
一方、今回の転送処理でコンピュータ2から送られた色情報Cijの値と1フレーム前の色情報CPijの値とが一致しなかった場合には、フレーム上の(i,j)スポットの位置つまり表示モジュール5の(i,j)スポットの位置における表示色に変化が生じていることを意味するので、比較検出器6として機能するマイクロプロセッサ9は、メモリ8の色情報記憶領域にアクセスし、メモリ8の色情報記憶領域における色情報CPijの値を今回の転送処理でコンピュータ2から送られた色情報Cijの値に更新して記憶させると共に(ステップS12)、(i,j)スポットの位置に対応する色情報の一致回数nijの値を改めて0に初期化する(ステップS13)。
なお、電源投入直後に実行されるステップS11の処理ではメモリ8の色情報記憶領域における色情報CPijの値は全て初期化された状態となっているので、必然的に、ステップS11の判定結果は偽となる。
【0028】
次いで、比較検出器6として機能するマイクロプロセッサ9は、フレーム上の(i,j)スポットの位置に対応する色情報の一致回数nijの値が設定値εの値を超えているか否か、つまり、(i,j)スポットのピクセルの色情報の一致状態が継続している時間が予め設定された時間Δt・εを越えているか否かを判定する(ステップS14)。
但し、コンピュータ2からのフレームデータの転送周期Δtは一定であるから、色情報の一致状態の継続時間を求めるために敢えてΔt・nijの演算処理を行なう必要はなく、単にnijとεとの大小関係を比較すれば十分である。
【0029】
そして、フレーム上の(i,j)スポットの位置に対応する色情報の一致回数nijの値が設定値εの値を超えている場合には、比較検出器6として機能するマイクロプロセッサ9は、メモリ8のフラグ記憶領域にアクセスし、メモリ8のフラグ記憶領域における補正実行フラグFijに、輝度の補正を実行すべきことを示す値1をセットし(ステップS15)、また、フレーム上の(i,j)スポットの位置に対応する色情報の一致回数nijの値が設定値εの値を超えていない場合には、メモリ8のフラグ記憶領域における補正実行フラグFijに、輝度の補正を実行する必要がないことを示す値0をセットする(ステップS17)。
【0030】
従って、補正実行フラグFijに値1をセットされた(i,j)スポットのピクセルが、予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出されることになる。
【0031】
そして、マイクロプロセッサ9は、列検索指標jの値が表示モジュール5の列方向のピクセル数xの値を超えたことがステップS9の判定処理で検知されるまでの間、列検索指標jの値を逐次インクリメントしながら、第i行の色情報Cijと色情報CPij(但し、jは2〜xの整数)の対応関係に基いて前記と同様にしてステップS8〜ステップS17の処理を選択的に繰り返し実行する。
【0032】
また、列検索指標jの値が表示モジュール5の列方向のピクセル数xの値を超えたことがステップS9の判定処理で検知される度に、マイクロプロセッサ9は、改めてステップS5の処理で列検索指標jの値を0に初期化すると共に、ステップS6の処理で行検索指標iの値をインクリメントし、行検索指標iの値が表示モジュール5の行方向のピクセル数yの値を超えたことがステップS7の判定処理で検知されるまでの間、次々と各行の色情報Cijと色情報CPij(但し、iは2〜yの整数,jは1〜xの整数)の対応関係に基いて前記と同様にしてステップS8〜ステップS17の処理を選択的に繰り返し実行する。
【0033】
そして、最終的にステップS7の判定結果が真となり、i行j列の色情報Cijと色情報CPij(但し、iは1〜yの整数,jは1〜xの整数)との対応関係の全てについて色情報の一致不一致の判定処理(ステップS11参照)、および、色情報CPijの更新処理や一致回数nijの初期化処理(ステップS11〜ステップS13参照)、あるいは、色情報の一致回数nijのインクリメント処理(ステップS16参照)が完了したことが確認されると、輝度補正器7として機能するマイクロプロセッサ9が、メモリ8のフラグ記憶領域にアクセスし、フレーム上の(i,j)スポットの位置に対応する補正実行フラグFij(但し、iは1〜yの整数,jは1〜xの整数)の値を参照して、デコーダ3からの制御データのうち、比較検出器6により検出されたピクセルに対応する制御データ、つまり、補正実行フラグFijの値として1をセットされたスポットの輝度に関わる制御データを、上位装置であるコンピュータ2から送られた当該ピクセルの輝度情報に相当する輝度よりも低い輝度となるように補正し、当該ピクセルの表示色に関わる制御データ、および、他のピクセルの制御データと共に表示モジュール5に引き渡し(ステップS18)、表示モジュール5が此れらの制御データに基いて画像を表示する。
【0034】
従って、仮に、コンピュータ2から送られたフレームデータ上の(1,1)スポットの色情報がC11で輝度情報がD11、また、コンピュータ2から送られたフレームデータ上の(1,2)スポットの色情報がC12で輝度情報がD12であって、補正実行フラグF11の値が1、また、補正実行フラグF12の値が0であったとすれば、(1,1)スポットの輝度情報D11に基いてデコーダ3が生成した輝度に係る制御データD11’は、最終的な表示結果が輝度情報D11に相当する輝度よりも低い輝度となるように制御データD11’から制御データD11”に補正され、当該ピクセルの表示色C11に基いてデコーダ3が生成した表示色に係る制御データC11’と共に表示モジュール5に引き渡される。また、(1,2)スポットの輝度情報D12に基いてデコーダ3が生成した輝度に係る制御データD12’は何らの補正も受けることなく制御データD12’のまま、当該ピクセルの表示色C12に基いてデコーダ3が生成した表示色に係る制御データC12’と共に表示モジュール5に引き渡されることになる。
【0035】
補正実行フラグFijの値として1をセットされた(i,j)スポットの輝度を低くするための処理は、例えば、(i,j)スポットの輝度情報Dijに基いてデコーダ3が生成した輝度に係る制御データDij’に一定の係数(例えば80%)をオーバーライドすることによって制御データDij”とするといった方法、あるいは、予め設定された輝度だけ輝度が低下するように制御データDij’の値をシフト調整して制御データDij”にするといった方法が考えられる。
【0036】
図4はディスプレイ装置1の表示モジュール5にウインドウ10を表示し、ユーザがウインドウ10を上下方向にスクロールさせながらウインドウ10内に表示された文字情報を確認する場合の表示例について示した概念図であり、図4(a)ではスクロール開始時点の表示状態について、また、図4(b)ではウインドウ10を上方にスクロールしている最中の表示状態について示している。
【0037】
文字情報の一部である“MN OPQ”や“RSTUVW”等は全体としてウインドウ10内で左寄りに位置し、文字情報の他の一部である“JKL”や“XYZ”は全体としてウインドウ10内で右寄りに位置するが、これらの文字情報は相対的な位置関係を保持したままウインドウ10内を上下方向に流れるように移動することになるので、ウインドウ10内では何れのスポットでも其の色情報が周期的に文字表示色と背景色に変化する一方、ウインドウ10から外れた外側のスポット位置では其の色情報は常に背景色もしくは円や矩形等の図形の描画色に維持されることになる。
【0038】
結果的に、ウインドウ10に含まれる各スポット(ピクセル)の位置では色情報が周期的に変動し、その都度、色情報の一致回数の値がステップS11〜ステップS13の処理で0に初期化されるので、これらのスポットのピクセルに対応する色情報の一致回数が設定値εの値に達することはなく、対応する補正実行フラグの値はステップS14およびステップS17の処理によって0の状態に保たれる。従って、ウインドウ10内のスポットに対して輝度の補正処理が行われることはなく、ウインドウ10内の輝度は、コンピュータ2から指令された輝度に維持される。
また、ウインドウ10から外れた各スポットの位置では色情報が背景色もしくは円や矩形等の図形の描画色に維持されたままとなり、色情報の一致回数がステップS11およびステップS16の処理で逐次加算されて其の一致回数が設定値εの値を超え、これらのスポットのピクセルに対応する補正実行フラグの値がステップS14〜ステップS15の処理で1にセットされるので、ウインドウ10を外れた表示領域の輝度だけが補正処理によって落とされることになる。
【0039】
このように、カーソルの表示位置等を参照することなく、色情報に変動が生じるスポットの輝度を維持し、色情報に変動が生じないスポットの輝度を落とすようにしているので、ユーザの入力操作やコンピュータ2による応答情報の表示等によって画像が変化している表示領域、すなわち、実際にユーザが関心を持つ必要性の高い表示領域の輝度をコンピュータ2からの指令通りに保持することができ、しかも、ユーザが関心を持つ必要性の低い他の表示領域の輝度をコンピュータ2から指令される輝度よりも落として、ディスプレイ装置1の画像表示に要する消費電力それ自体を直接的に節約することができる。
輝度の低下は視認性に好ましくない影響を与える場合もあるが、そのピクセルが表示している情報の価値は相対的に低いものであるから、視認性の低下によって格別な差し障りが生じる恐れはない。
また、輝度を落とすべきピクセルの選択は、上位装置となるコンピュータ2から転送される画像表示データに含まれる色情報のみから抽出できるので、ユーザによる特別な選択操作は必要なく、コンピュータ2からディスプレイ装置1に格別の指令を与えるといった必要もない。従って、画像表示に必要とされる以外の格別の信号線を増設する必要もなく、既存のコンピュータ2によって、省電力効果に優れたディスプレイ装置1をそのまま利用することができる。
【0040】
〔変形例1〕
更に、比較検出器6により検出されたピクセルの色情報の一致状態の継続時間の長さに応じ、一致状態の継続時間が長ければ長いほど当該ピクセルの輝度が低くなるように輝度に関わる制御データを補正する機能を輝度補正器7に持たせることもできる。
【0041】
このような機能を実現する場合には、図3に示したステップS14〜ステップS15,ステップS17の処理に代え、例えば、図5に示すような補正実行フラグ設定処理を適用することにより、フレーム上の(i,j)スポットの位置に対応する色情報の一致回数nijの値が設定値εの値を超えている場合にはメモリ8のフラグ記憶領域における補正実行フラグFijに輝度の補正を実行すべきことを示す値3をセットし(ステップa1,ステップa7)、また、一致回数nijの値が設定値εの値を超えて設定値ε以下である場合には、メモリ8のフラグ記憶領域における補正実行フラグFijに輝度の補正を実行すべきことを示す値2をセットし(ステップa2,ステップa6)、更に、一致回数nijの値が設定値εの値を超えて設定値ε以下である場合には、メモリ8のフラグ記憶領域における補正実行フラグFijに輝度の補正を実行すべきことを示す値1をセットする一方(ステップa3,ステップa5)、それ以外の場合、つまり、一致回数nijの値が設定値εの値に達していない場合には、メモリ8のフラグ記憶領域における補正実行フラグFijに輝度の補正を実行する必要がないことを示す値0をセットするようにする(ステップa3,ステップa4)。
【0042】
この場合は、補正実行フラグFijに0以外の値をセットされた(i,j)スポットのピクセルが、予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出されたことになる。
【0043】
設定値の大小関係はε<ε<εであり、色情報の一致状態の継続時間が長ければ長いほど補正実行フラグFijの値は大きなものとなる。
【0044】
そして、図2に示したステップS18に代わる処理で、輝度補正器7として機能するマイクロプロセッサ9がメモリ8のフラグ記憶領域にアクセスし、フレーム上の(i,j)スポットの位置に対応する補正実行フラグFijの値を参照し、デコーダ3からの制御データのうち、比較検出器6により検出されたピクセルに対応する制御データ、つまり、補正実行フラグFijの値として0以外の値をセットされたスポットの輝度に関わる制御データを、上位装置であるコンピュータ2から送られた当該ピクセルの輝度情報に相当する輝度よりも低い輝度となるように補正する。
【0045】
但し、この場合は、補正実行フラグFijの値に応じ、補正実行フラグFijの値が大きければ大きいほど、つまり、比較検出器6により検出されたピクセルの色情報の一致状態の継続時間が長ければ長いほど当該ピクセルの輝度が低くなるように、制御データの輝度に関わる制御データを補正することになる。
【0046】
例えば、補正実行フラグFijの値が1である場合には(i,j)スポットの輝度情報Dijに基いてデコーダ3が生成した輝度に係る制御データDij’に一定の係数(例えば85%)をオーバーライドして制御データDij’を制御データDij”に補正し、また、補正実行フラグFijの値が2である場合には(i,j)スポットの輝度情報Dijに基いてデコーダ3が生成した輝度に係る制御データDij’に前記よりも小さな一定の係数(例えば70%)をオーバーライドして制御データDij’を制御データDij”に補正し、更に、補正実行フラグFijの値が3である場合には(i,j)スポットの輝度情報Dijに基いてデコーダ3が生成した輝度に係る制御データDij’に前記よりも更に小さな一定の係数(例えば55%)をオーバーライドして制御データDij’を制御データDij”に補正する。
【0047】
輝度を落とす際の設定時間Δt・ε,Δt・ε,Δt・εの長短は転送周期Δtの影響を受けるので、設定値ε,ε,εの値は、転送周期Δtの値等を考慮して適切に決めることが望ましい。
また、表示モジュール5の構成によって表現が可能な輝度範囲に違いがあるので、輝度を落とす際の係数(オーバーライド値)は、表示モジュール5の特性や視認性の問題を考慮して適切に決めることが望ましい。
【0048】
〔変形例2〕
更には、予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルの数をフレームを画成する分割エリア毎に計数し、その数が予め設定された閾値を超えていれば、この分割エリアに属する全てのピクセルを予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出する機能を比較検出器6に持たせることも可能である。
【0049】
このような機能を実現する場合には、図2に示したステップS18の処理に代えて図6に示すような分割エリア別補正実行フラグ設定処理を適用する。
【0050】
ここでは、一例として、y行x列のピクセルを有する表示モジュール5の表示領域をm行k列の矩形領域からなるエリアで分割した場合、つまり、表示モジュール5の表示領域を縦方向に等間隔でy/m分割すると共に横方向に等間隔でx/k分割した場合を例にとって説明する。
但し、m<y,k<xであって、y/mの値とx/kの値は共に整数値になるものとする。
【0051】
分割エリア別補正実行フラグ設定処理を開始したマイクロプロセッサ9は、まず、縦方向検索指標i’の値を0に初期化すると共に(ステップb1)、横方向検索指標j’の値を0に初期化する(ステップb2)。
【0052】
次いで、マイクロプロセッサ9は、縦方向検索指標i’の値を1インクリメントし(ステップb3)、縦方向検索指標i’の現在値が表示モジュール5における縦方向の分割数y/mを超えているか否か、つまり、予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルの数を計数すべき分割エリアを有する分割行(横並びの分割エリアの集まり)がフレーム内に未だ残っているか否かを判定する(ステップb4)。
【0053】
そして、縦方向検索指標i’の現在値が表示モジュール5における縦方向の分割数y/mを超えていなければ、予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルの数を計数すべき分割エリアを有する分割行がフレーム内に未だ残っていることを意味するので、マイクロプロセッサ9は、横方向検索指標j’の値を1インクリメントし(ステップb5)、横方向検索指標j’の現在値が表示モジュール5における横方向の分割数x/kを超えているか否か、つまり、縦方向検索指標i’の値で特定される1行分の分割行のなかに予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルの数を計数すべき分割エリアが未だ残っているか否かを判定する(ステップb6)。
【0054】
ここで、横方向検索指標j’の現在値が表示モジュール5における横方向の分割数x/kを超えていなければ、比較検出器6として機能するマイクロプロセッサ9は、メモリ8のフラグ記憶領域にアクセスし、縦方向検索指標i’の値と横方向検索指標j’の現在値で特定される1つの分割エリア(i’,j’)に含まれるピクセルに対応したm・k個の補正実行フラグの値を全てサーチし、予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態が継続していることを示す値1がセットされた補正実行フラグの総数を計数してレジスタn’に一時記憶する(ステップb7)。
【0055】
次いで、比較検出器6として機能するマイクロプロセッサ9は、予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態が継続しているとして分割エリア(i’,j’)から検出されたピクセルの総数n’が予め設定された閾値vを超えているか否かを判定する(ステップb8)。
【0056】
そして、予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態が継続しているとして分割エリア(i’,j’)から検出されたピクセルの総数n’が予め設定された閾値vを超えていれば、比較検出器6として機能するマイクロプロセッサ9は、メモリ8のフラグ記憶領域にアクセスし、当該分割エリア(i’,j’)に対応するエリア補正実行フラグF’i’j’に、この分割エリアに含まれる全てのピクセルを色情報の一致状態が継続しているピクセルとして取り扱うことを宣言する値1をセットし(ステップb9)、また、それ以外の場合には、分割エリア(i’,j’)に対応するエリア補正実行フラグF’i’j’に値0をセットする(ステップb10)。
【0057】
従って、個々のピクセルに対応してステップS15やステップS17の処理でセットされた補正実行フラグの値とは無関係に、値1をセットされたエリア補正実行フラグF’i’j’に対応する分割エリア(i’,j’)に含まれる全てのピクセルが、予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出されることになる。
なお、最初に示した実施形態に照らして言えば、この状況は、分割エリア(i’,j’)に含まれる各々のピクセルに対応する補正実行フラグの全てに輝度の補正を実行すべきことを示す値1がセットされたのと同じ状況である。
【0058】
そして、マイクロプロセッサ9は、横方向検索指標j’の値が表示モジュール5の横方向の分割数x/kの値を超えたことがステップb6の判定処理で検知されるまでの間、横方向検索指標j’の値を逐次インクリメントしながら、予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルの総数n’を分割エリア(i’,j’)から抽出し、その値に基いてエリア補正実行フラグF’i’j’(但し、j’は2〜x/kの整数)に1または0の値をセットするステップb5〜ステップb10の処理を前記と同様にして選択的に繰り返し実行する。
【0059】
また、横方向検索指標j’の値が表示モジュール5の横方向の分割数x/kの値を超えたことがステップb6の判定処理で検知される度に、マイクロプロセッサ9は、改めてステップb2の処理で横方向検索指標j’の値を0に初期化すると共に、ステップb3の処理で縦方向検索指標i’の値をインクリメントし、縦方向検索指標i’の値が表示モジュール5の縦方向の分割数y/mの値を超えたことがステップb4の判定処理で検知されるまでの間、各分割エリア(i’,j’)に対応するエリア補正実行フラグF’i’j’(但し、i’は2〜y/mの整数,j’は1〜x/kの整数)に対して前記と同様にしてステップb5〜ステップb10の処理を選択的に繰り返し実行する。
【0060】
そして、最終的にステップb4の判定結果が真となり、(y/m)・(x/k)個の分割エリアの各々に対応するエリア補正実行フラグF’i’j’(但し、i’は1〜y/mの整数,j’は1〜x/kの整数)の全てに対して1または0の数値がセットされたことが確認されると、輝度補正器7として機能するマイクロプロセッサ9が、メモリ8のフラグ記憶領域にアクセスし、各分割エリアに対応するエリア補正実行フラグF’i’j’(但し、i’は1〜y/mの整数,j’は1〜x/kの整数)の値を参照して、デコーダ3からの制御データのうち、比較検出器6により検出されたピクセルに対応する制御データ、つまり、エリア補正実行フラグF’i’j’の値として1をセットされた分割エリアに含まれる各々のピクセルの輝度に関わる制御データを、上位装置であるコンピュータ2から送られた各ピクセルの輝度情報に相当する輝度よりも低い輝度となるように補正し、当該ピクセルの表示色に関わる制御データ、および、他のピクセルの制御データと共に表示モジュール5に引き渡し(ステップb11)、表示モジュール5が此れらの制御データに基いて画像を表示する。
【0061】
従って、例えば、閾値vの値としてm・k−1をセットした場合にあっては、分割エリア(i’,j’)に含まれるm・k個の全てのピクセルが予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態を継続した場合(n’=m・k,v=m・k−1でn’>vとなる場合)に限って、この分割エリア(i’,j’)に含まれるm行k列の全てのピクセルの輝度が落とされ、
また、閾値vの値としてm・k−2をセットした場合にあっては、分割エリア(i’,j’)に含まれるm・k個の全てのピクセルが予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態を継続した場合(n’=m・k,v=m・k−2でn’>vとなる場合)と、分割エリア(i’,j’)に含まれるm・k個のピクセルのうち予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態を継続しなかったピクセルが1つだけある場合(n’=m・k−1,v=m・k−2でn’>vとなる場合)に、この分割エリア(i’,j’)に含まれるm行k列の全てのピクセルの輝度が落とされ、
更に、閾値vの値としてm・k−3をセットした場合にあっては、分割エリア(i’,j’)に含まれるm・k個の全てのピクセルが予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態を継続した場合(n’=m・k,v=m・k−3でn’>vとなる場合)と、分割エリア(i’,j’)に含まれるm・k個のピクセルのうち予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態を継続しなかったピクセルが1つだけある場合(n’=m・k−1,v=m・k−3でn’>vとなる場合)と、分割エリア(i’,j’)に含まれるm・k個のピクセルのうち予め設定された時間Δt・εを越えて色情報の一致状態を継続しなかったピクセルが2つだけある場合(n’=m・k−2,v=m・k−3でn’>vとなる場合)に、この分割エリア(i’,j’)に含まれるm行k列の全てのピクセルの輝度が落とされることになる。
【0062】
このように、閾値vの値はm・k−1〜0の範囲の整数として任意に設定することが可能であるので、分割エリアの輝度を落とす際の条件をユーザの要求に応じて任意に設定できるといったメリットがある。
【0063】
また、m・k個のピクセルを含む分割エリアの単位で纏めてコンピュータ2で指令された輝度を保持したり落としたりする構成であるので、有機発光ダイオードモジュール等とは異なってピクセル単位での輝度調整ができない種類の表示モジュール、例えば、液晶表示板と液晶表示板の分割エリアを照らす複数のLEDバックライトとの組み合わせからなる表示モジュールに対しても、この発明の技術思想を転用することができる。
この場合は分割エリアを特定するm行k列のピクセル数はLEDバックライトの大きさや縦横比に基いて決めることになる。
【0064】
以上に開示した実施形態の一部または全部は、以下の付記に示す記載によって適切に表現され得るが、発明を実施するための形態や発明の技術思想は、これらのものに制限されるものではない。
【0065】
〔付記1〕
上位装置(2)から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と輝度情報とに基いて1フレーム分の表示色と輝度の制御データをピクセル単位で生成するデコーダ(3)と、データ伝送経路(4)を介して前記デコーダ(3)からの制御データを受け、各ピクセル毎の表示色と輝度を調整して逐次1フレーム分の画像を表示する表示モジュール(5)とを備えたディスプレイ装置において、
上位装置(2)から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と1フレーム前の色情報との一致不一致をフレーム上の同一位置でピクセル単位ですることにより予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルを検出する比較検出器(6)と、
前記データ伝送経路(4)上で前記デコーダ(3)と前記表示モジュール(5)との間に配置され、前記デコーダ(3)からの制御データのうち、前記比較検出器(6)により検出されたピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを、上位装置(2)から送られた当該ピクセルの輝度情報に相当する輝度よりも低い輝度となるように補正して、当該ピクセルの表示色に関わる制御データ、および、他のピクセルの制御データと共に前記表示モジュール(5)に引き渡す輝度補正器(7)とを設けたことを特徴とするディスプレイ装置(1)。
【0066】
〔付記2〕
前記比較検出器(6)は、ピクセル単位の色情報を1フレーム分記憶する色情報記憶領域と上位装置(2)からのフレームの受信回数を単位として色情報の一致回数をピクセル単位で記憶する一致回数記憶領域とを有するメモリ(8)を備え、
上位装置(2)から1フレーム分の色情報と輝度情報とが送られる度に、フレーム上の同一位置で、上位装置(2)から送られた色情報と前記メモリ(8)の色情報記憶領域に記憶された色情報との一致不一致をピクセル単位で判定し、
両者が一致する場合には、このピクセルに対応する一致回数記憶領域の一致回数を1インクリメントする一方、両者が一致しない場合には、このピクセルに対応する一致回数記憶領域の値を初期化して当該ピクセルに対応する色情報記憶領域に上位装置(2)から送られた色情報を更新して記憶させ、
前記一致回数記憶領域に記憶されている各ピクセル毎の一致回数とフレームデータの転送周期とに基いて、各ピクセル毎に色情報の一致状態が継続している時間を求め、この時間が前記予め設定された時間を越えているピクセルを、予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出する付記1記載のディスプレイ装置(1)。
【0067】
〔付記3〕
前記輝度補正器(7)は、前記比較検出器(6)により検出されたピクセルの色情報の一致状態の継続時間の長さに応じ、一致状態の継続時間が長ければ長いほど当該ピクセルの輝度が低くなるように当該ピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを補正することを特徴とした付記1または付記2記載のディスプレイ装置(1)。
【0068】
〔付記4〕
前記比較検出器(6)は、予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルの数をフレームを画成する分割エリア毎に計数し、その数が予め設定された閾値を超えていれば、この分割エリアに属する全てのピクセルを予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出することを特徴とした付記1または付記2記載のディスプレイ装置(1)。
【0069】
〔付記5〕
前記表示モジュール(5)が有機発光ダイオードモジュールによって構成されている付記1,付記2,付記3,付記4のうち何れか一項に記載のディスプレイ装置(1)。
【0070】
〔付記6〕
上位装置(2)から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と輝度情報とに基いて1フレーム分の表示色と輝度の制御データをピクセル単位で生成し、この制御データに基いて各ピクセル毎の表示色と輝度を調整して逐次1フレーム分の画像を表示モジュール(5)に表示するようにしたディスプレイ装置(1)の表示制御方法において、
上位装置(2)から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と1フレーム前の色情報との一致不一致をフレーム上の同一位置でピクセル単位で比較することにより予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルを検出し、
前記生成された制御データのうち、予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを、当該ピクセルに対応して上位装置(2)から送られた輝度情報に相当する輝度よりも低い輝度となるように補正してから、当該ピクセルの表示色に関わる制御データ、および、他のピクセルの制御データと共に前記表示モジュール(5)に引き渡すようにしたことを特徴とするディスプレイ装置(1)の表示制御方法。
【0071】
〔付記7〕
ピクセル単位の色情報を1フレーム分記憶する色情報記憶領域と上位装置(2)からのフレームの受信回数を単位として色情報の一致回数をピクセル単位で記憶する一致回数記憶領域とを有するメモリ(8)をディスプレイ装置(1)に配備し、
上位装置(2)から1フレーム分の色情報と輝度情報とが送られる度に、フレーム上の同一位置で、上位装置(2)から送られた色情報と前記メモリ(8)の色情報記憶領域に記憶された色情報との一致不一致をピクセル単位で判定し、
両者が一致する場合には、このピクセルに対応する一致回数記憶領域の一致回数を1インクリメントする一方、両者が一致しない場合には、このピクセルに対応する一致回数記憶領域の値を初期化して当該ピクセルに対応する色情報記憶領域に上位装置(2)から送られた色情報を更新して記憶させ、
前記一致回数記憶領域に記憶されている各ピクセル毎の一致回数とフレームデータの転送周期とに基いて、各ピクセル毎に色情報の一致状態が継続している時間を求め、この時間が前記予め設定された時間を越えているピクセルを、予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出するようにした付記6記載のディスプレイ装置(1)の表示制御方法。
【0072】
〔付記8〕
予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出されたピクセルの色情報の一致状態の継続時間の長さに応じ、一致状態の継続時間が長ければ長いほど当該ピクセルの輝度が低くなるように当該ピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを補正するようにしたことを特徴とする付記6または付記7記載のディスプレイ装置(1)の表示制御方法。
【0073】
〔付記9〕
予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルの数をフレームを画成する分割エリア毎に計数し、その数が予め設定された閾値を超えていれば、この分割エリアに属する全てのピクセルを予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出するようにしたことを特徴とする付記6または付記7記載のディスプレイ装置(1)の表示制御方法。
【0074】
〔付記10〕
上位装置(2)から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と輝度情報とに基いて1フレーム分の表示色と輝度の制御データをピクセル単位で生成するデコーダ(3)と、データ伝送経路(4)を介して前記デコーダ(3)からの制御データを受け、各ピクセル毎の表示色と輝度を調整して逐次1フレーム分の画像を表示する表示モジュール(5)とを備えたディスプレイ装置(1)に実装されたマイクロプロセッサ(9)を、
上位装置(2)から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と1フレーム前の色情報との一致不一致をフレーム上の同一位置でピクセル単位で比較することにより予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルを検出する比較検出手段(6)、および、
前記デコーダ(3)からの制御データのうち、前記比較検出手段(6)により検出されたピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを、上位装置(2)から送られた当該ピクセルの輝度情報に相当する輝度よりも低い輝度となるように補正して、当該ピクセルの表示色に関わる制御データ、および、他のピクセルの制御データと共に前記表示モジュール(5)に引き渡す輝度補正手段(7)として機能させることを特徴としたディスプレイ装置用表示制御プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、有機発光ダイオードモジュールを始め、ピクセル単位での輝度調整が可能な表示モジュールを備えたディスプレイ装置に利用できる。
【符号の説明】
【0076】
1 ディスプレイ装置
2 コンピュータ(上位装置)
3 デコーダ
4 データ伝送経路
5 表示モジュール(有機発光ダイオードモジュール)
6 比較検出器
7 輝度補正器
8 メモリ
9 マイクロプロセッサ
10 ウインドウ
CPij 1フレーム以上前の色情報
ij 各ピクセルの最新の色情報
ij 色情報の一致回数
ij 補正実行フラグ
i 行検索指標
j 列検索指標
x 表示モジュールの列方向のピクセル数
y 表示モジュールの行方向のピクセル数
ε,ε,ε,ε 設定値
y/m 縦方向の分割数
x/k 横方向の分割数
i’ 縦方向検索指標
j’ 横方向検索指標
n’ レジスタ
v 予め設定された閾値
F’i’j’ エリア補正実行フラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と輝度情報とに基いて1フレーム分の表示色と輝度の制御データをピクセル単位で生成するデコーダと、データ伝送経路を介して前記デコーダからの制御データを受け、各ピクセル毎の表示色と輝度を調整して逐次1フレーム分の画像を表示する表示モジュールとを備えたディスプレイ装置において、
上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と1フレーム前の色情報との一致不一致をフレーム上の同一位置でピクセル単位で比較することにより予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルを検出する比較検出器と、
前記データ伝送経路上で前記デコーダと前記表示モジュールとの間に配置され、前記デコーダからの制御データのうち、前記比較検出器により検出されたピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを、上位装置から送られた当該ピクセルの輝度情報に相当する輝度よりも低い輝度となるように補正して、当該ピクセルの表示色に関わる制御データ、および、他のピクセルの制御データと共に前記表示モジュールに引き渡す輝度補正器とを設けたたことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
前記比較検出器は、ピクセル単位の色情報を1フレーム分記憶する色情報記憶領域と上位装置からのフレームの受信回数を単位として色情報の一致回数をピクセル単位で記憶する一致回数記憶領域とを有するメモリを備え、
上位装置から1フレーム分の色情報と輝度情報とが送られる度に、フレーム上の同一位置で、上位装置から送られた色情報と前記メモリの色情報記憶領域に記憶された色情報との一致不一致をピクセル単位で判定し、
両者が一致する場合には、このピクセルに対応する一致回数記憶領域の一致回数を1インクリメントする一方、両者が一致しない場合には、このピクセルに対応する一致回数記憶領域の値を初期化して当該ピクセルに対応する色情報記憶領域に上位装置から送られた色情報を更新して記憶させ、
前記一致回数記憶領域に記憶されている各ピクセル毎の一致回数とフレームデータの転送周期とに基いて、各ピクセル毎に色情報の一致状態が継続している時間を求め、この時間が前記予め設定された時間を越えているピクセルを、予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出する請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記輝度補正器は、前記比較検出器により検出されたピクセルの色情報の一致状態の継続時間の長さに応じ、一致状態の継続時間が長ければ長いほど当該ピクセルの輝度が低くなるように当該ピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを補正することを特徴とした請求項1または請求項2記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記比較検出器は、予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルの数をフレームを画成する分割エリア毎に計数し、その数が予め設定された閾値を超えていれば、この分割エリアに属する全てのピクセルを予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出することを特徴とした請求項1または請求項2記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記表示モジュールが有機発光ダイオードモジュールによって構成されている請求項1,請求項2,請求項3,請求項4のうち何れか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と輝度情報とに基いて1フレーム分の表示色と輝度の制御データをピクセル単位で生成し、この制御データに基いて各ピクセル毎の表示色と輝度を調整して逐次1フレーム分の画像を表示モジュールに表示するようにしたディスプレイ装置の表示制御方法において、
上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と1フレーム前の色情報との一致不一致をフレーム上の同一位置でピクセル単位で比較することにより予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルを検出し、
前記生成された制御データのうち、予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを、当該ピクセルに対応して上位装置から送られた輝度情報に相当する輝度よりも低い輝度となるように補正してから、当該ピクセルの表示色に関わる制御データ、および、他のピクセルの制御データと共に前記表示モジュールに引き渡すようにしたことを特徴とするディスプレイ装置の表示制御方法。
【請求項7】
ピクセル単位の色情報を1フレーム分記憶する色情報記憶領域と上位装置からのフレームの受信回数を単位として色情報の一致回数をピクセル単位で記憶する一致回数記憶領域とを有するメモリをディスプレイ装置に配備し、
上位装置から1フレーム分の色情報と輝度情報とが送られる度に、フレーム上の同一位置で、上位装置から送られた色情報と前記メモリの色情報記憶領域に記憶された色情報との一致不一致をピクセル単位で判定し、
両者が一致する場合には、このピクセルに対応する一致回数記憶領域の一致回数を1インクリメントする一方、両者が一致しない場合には、このピクセルに対応する一致回数記憶領域の値を初期化して当該ピクセルに対応する色情報記憶領域に上位装置から送られた色情報を更新して記憶させ、
前記一致回数記憶領域に記憶されている各ピクセル毎の一致回数とフレームデータの転送周期とに基いて、各ピクセル毎に色情報の一致状態が継続している時間を求め、この時間が前記予め設定された時間を越えているピクセルを、予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出するようにした請求項6記載のディスプレイ装置の表示制御方法。
【請求項8】
予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出されたピクセルの色情報の一致状態の継続時間の長さに応じ、一致状態の継続時間が長ければ長いほど当該ピクセルの輝度が低くなるように当該ピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを補正するようにしたことを特徴とする請求項6または請求項7記載のディスプレイ装置の表示制御方法。
【請求項9】
予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルの数をフレームを画成する分割エリア毎に計数し、その数が予め設定された閾値を超えていれば、この分割エリアに属する全てのピクセルを予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルとして検出するようにしたことを特徴とする請求項6または請求項7記載のディスプレイ装置の表示制御方法。
【請求項10】
上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と輝度情報とに基いて1フレーム分の表示色と輝度の制御データをピクセル単位で生成するデコーダと、データ伝送経路を介して前記デコーダからの制御データを受け、各ピクセル毎の表示色と輝度を調整して逐次1フレーム分の画像を表示する表示モジュールとを備えたディスプレイ装置に実装されたマイクロプロセッサを、
上位装置から1フレーム分ずつ纏めて送られてくるピクセル単位の色情報と1フレーム前の色情報との一致不一致をフレーム上の同一位置でピクセル単位で比較することにより予め設定された時間を越えて色情報の一致状態が継続しているピクセルを検出する比較検出手段、および、
前記デコーダからの制御データのうち、前記比較検出手段により検出されたピクセルに対応する制御データの輝度に関わる制御データを、上位装置から送られた当該ピクセルの輝度情報に相当する輝度よりも低い輝度となるように補正して、当該ピクセルの表示色に関わる制御データ、および、他のピクセルの制御データと共に前記表示モジュールに引き渡す輝度補正手段として機能させることを特徴としたディスプレイ装置用表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−73226(P2013−73226A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214753(P2011−214753)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】