説明

デオドラント組成物

【課題】消臭/マスキング効果が長時間持続し、香りに違和感がなく快適なデオドラント組成物を提供する。
【解決手段】(A)複数の香料成分を含む調合香料Aを、水溶性高分子化合物を主成分とする外殻基剤に保持させたマイクロカプセル化香料と、
(B)複数の香料成分を含む調合香料Bと、を含み、
前記調合香料A中、におい閾値の低い香料成分の配合量が50〜90質量%であることを特徴とするデオドラント組成物。
調合香料Aと調合香料Bとが同じ芳香特性を有する場合、調合香料Bの配合量に対する調合香料Aの配合量は、質量ベースで0.5〜3.0であることが好ましい。
調合香料Aと調合香料Bとが異なる芳香特性を有する場合、調合香料Bの配合量に対する調合香料Aの配合量は、質量ベースで0.01〜0.5であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デオドラント組成物、特にマイクロカプセル化香料を含むデオドラント組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、体臭や汗臭は、皮脂腺、アポクリン腺、エクリン腺等の汗腺からの皮膚分泌物が、皮膚常在菌により分解され、低級脂肪酸、ケトン、アンモニア、アルデヒド等に変化することにより発生すると考えられている。これらの体臭や汗臭を予防又は抑制するために、制汗剤や殺菌剤に加えて、有臭成分の消臭/マスキング香料が配合された様々な剤型の各種デオドラント組成物が市販されている。
【0003】
従来のデオドラント組成物においては、肌へ適用したときに最も香り、その後香りが薄れてくるため、消臭/マスキング効果が持続しないという問題がある。
この問題を解決する方法としては、シクロデキストリンにて香料を包接し、徐放させる技術が検討されているが、コストが高く、溶解性などの点でデオドラント分野には不向きであるという問題があるため、あまり実用化されていない。
【0004】
そこで近年では、水溶性のマイクロカプセルにて香料を包接することが検討されている。これらの例としては、水溶性マイクロカプセル化香料を含む粉末含有エアゾール組成物(特許文献1)や、液状香料と水溶性マイクロカプセル化香料とを含む非水性芳香組成物(特許文献2)が挙げられる。
しかしながら、上記の技術においては、実際に消費者が、消臭/マスキング効果の持続性向上を実感できるレベルには至っていないのが現状である。
【特許文献1】特開平8−208429号公報
【特許文献2】特開平6−271441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、消臭/マスキング効果が長時間持続し、香りに違和感がなく快適なデオドラント組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、本発明者等がこうした事情に鑑み、前記課題の解決に向けて鋭意検討を行った結果、マイクロカブセル化香料と非マイクロカプセル化香料とを併用し、且つにおい閾値の低い香料成分をマイクロカプセル化することにより、汗をかいたときに再び香りが付与され、消臭/マスキング効果の持続性が向上することを見出して完成したものであり、前記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
【0007】
<1> (A)複数の香料成分を含む調合香料Aを、水溶性高分子化合物を主成分とする外殻基剤に保持させたマイクロカプセル化香料と、
(B)複数の香料成分を含む調合香料Bと、を含み、
前記調合香料A中、におい閾値の低い香料成分の配合量が50〜90質量%であることを特徴とするデオドラント組成物である。
<2> 調合香料Aと調合香料Bとが同じ芳香特性を有し、調合香料Bの配合量に対する調合香料Aの配合量が、質量ベースで0.5〜3.0である前記<1>に記載のデオドラント組成物である。
<3> 調合香料Aと調合香料Bとが異なる芳香特性を有し、調合香料Bの配合量に対する調合香料Aの配合量が、質量ベースで0.01〜0.5である前記<1>に記載のデオドラント組成物である。
<4> におい閾値の低い香料成分が、オキサン、インドール、メチルアンソラニレート、カルボン、ダマスコン、ダマセノン、シトラール、α−ピネン、シネオール、エチルバニリン、ラクトン類(γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン等)、アルデヒド類(アルデヒドC8、アルデヒドC9、アルデヒドC10、アルデヒドC11(CYL)、アルデヒドC12等)、アンブロックス、オイゲノール、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、β−ヨノン、リモネン、リナロール、メチルサリシレート、ローズオキサイド、及びラズベリケトンから選択される1種または2種以上である前記<1>〜<3>のいずれかに記載のデオドラント組成物である。
<5> 水溶性高分子化合物が、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウムである前記<1>〜<4>のいずれかに記載のデオドラント組成物である。
<6> マイクロカプセル化香料中、調合香料Aの保持量が5〜60質量%である前記<1>〜<5>のいずれかに記載のデオドラント組成物である。
<7> マイクロカプセル化香料の配合量が0.1〜10質量%である前記<1>〜<6>のいずれかに記載のデオドラント組成物である。
<8> さらに、クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、クロルヒドロキシアルミニウム・プロピレングリコール、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、及びクロルヒドロキシジルコニウムから選択される1種又は2種以上の制汗剤を含む前記<1>〜<7>のいずれかに記載のデオドラント組成物である。
<9> さらに、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、トリクロロカルバニリド、塩酸クロルヘキシジン、ピロクトンオラミン、及びクララエキスから選択される1種又は2種以上の殺菌剤を含む前記<1>〜<8>のいずれかに記載のデオドラント組成物である。
<10> マイクロカプセル化香料の嵩比重が0.3〜0.5g/mLである前記<1>〜<9>のいずれかに記載のデオドラント組成物である。
<11> エアゾール製剤である前記<1>〜<10>のいずれかに記載のデオドラント組成物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来技術における前記諸問題を解決することができ、におい閾値の低い香料成分を50〜90質量%配合した調合香料Aをマイクロカプセル化し、これとマイクロカプセル化しない調合香料Bとを併用することにより、消臭/マスキング効果が長時間持続するデオドラント組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のデオドラント組成物は、(A)複数の香料成分を含む調合香料Aを、水溶性高分子化合物を主成分とする外殻基剤に保持させたマイクロカプセル化香料と、
(B)複数の香料成分を含む調合香料Bと、を含み、
前記調合香料A中、におい閾値の低い香料成分の配合量が50〜90質量%であることを特徴とする。
本発明者は、消費者が汗をかいた際、特にデオドラント組成物の香りの持続性に不満を感じる点に着目した。そして、本発明は、汗をかいた時に、香りを強く認知させることによって、汗臭による不快感を低減することができる。つまり汗をかいた際に、汗中の水分に反応して、水溶性のマイクロカプセルから調合香料Aが徐放されることによって、芳香を持続させることを特徴としている。
【0010】
(A)マイクロカプセル化香料
本発明において、「マイクロカプセル化香料」とは、水溶性高分子化合物を主成分とする外殻基剤に調合香料Aが保持されたものであり、汗等の水分の接触により、調合香料Aが放出されることを特徴とする。
一般に、皮膚外用剤において使用されるマイクロカプセルは、被保持物が外殻基剤の中心に内包されるタイプと、被保持物が微粒子として外殻基剤全体に分散しているタイプに分類される。本発明におけるマイクロカプセルは後者のタイプであり、被保持物である調合香料Aが、外殻基剤である水溶性高分子化合物中に微粒子として保持されたものである。
【0011】
前者のタイプのマイクロカプセルとしては、硬化ゼラチン等の外殻に液体を内包させたものが挙げられるが、このタイプのマイクロカプセルは押圧や摩擦等の物理的作用が加えられない限り崩壊せず、さらに一旦崩壊すると内包物の全量が一度に放出されるため、香料を徐放させる機構には適さない。これに対して、本発明に使用するマイクロカプセルは、汗等の水分の接触により部分的に崩壊し、その崩壊した部分に分散している被保持物のみが放出されるために、香料を徐放させるのに優れた構造を有している。
【0012】
本発明のデオドラント組成物においては、香りの調和及びデオドラント効果の点から、調合香料Aが保持されたマイクロカプセル化香料と、マイクロカプセル化しない調合香料Bとの2種の香料を特定の比率で配合することが重要である。
本発明者は、その比率について鋭意研究を重ねた結果、2通りの傾向があることを見出した。すなわち、調合香料Aと調合香料Bの芳香特性が同じである場合には、香りの持続性が認知しやすくなるよう、調合香料Bの配合量に対する調合香料Aの配合量は、香料成分の質量ベースで0.5〜3.0、特に0.7〜2.0であることが好ましい。0.5未満であると香りの持続性が十分でなく、3.0を超えると香りが強くなり過ぎるため好ましくない。
また、調合香料Aと調合香料Bとの芳香特性が異なる場合には、調合香料Bの香調を損なわないよう、調合香料Bの配合量に対する調合香料Aの配合量は、香料成分の質量ベースで0.01〜0.5、特に0.1〜0.5であることが好ましい。0.01未満であると香りの持続性が十分でなく、0.5を超えると香りに違和感が生じるため好ましくない。
【0013】
本発明のデオドラント組成物においては、香調をも考慮して、調合香料Aと調合香料Bとの配合比を決定しているが、調合香料A及び調合香料Bは、各々においても好ましい香りを有するよう香料成分の調合がなされており、製品としては塗布直後から経時においても、好ましい芳香が持続する。
【0014】
また、本発明においては、マイクロカプセル化する調合香料Aは、におい閾値の低い香料成分を配合しているため、非常に力価が高く、少量でも芳香することが特徴である。
調合香料A全体において、におい閾値の低い香料成分の割合は、50〜90質量%、特に60〜80質量%であることが好ましい。50質量%未満であると十分に芳香しない場合があり、90質量%を超えると香りの調和が悪くなる場合がある。
【0015】
ここで、「におい閾値」とは、その香気成分のにおいを感じることができる最低濃度の値を指す。
「におい閾値の低い香料成分」とは、例えば、「Leffingwell,J.C. et all,Perfumer&Flavorist,Vol 16.Jan/Feb.(1991)」等に示されているような、濃度が薄くてもにおいを感じることができる香料成分のことである。本発明では、具体的に0.01ppm以下のにおい閾値を有する香料成分を指す。
【0016】
におい閾値の低い香料成分としては、具体的には、オキサン、インドール、メチルアンソラニレート、カルボン、ダマスコン、ダマセノン、シトラール、α−ピネン、シネオール、エチルバニリン、ラクトン類(γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン等)、アルデヒド類(アルデヒドC8、アルデヒドC9、アルデヒドC10、アルデヒドC11(CYL)、アルデヒドC12等)、シトロネロール、アンブロックス、オイゲノール、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、β−ヨノン、リモネン、リナロール、メチルサリシレート、ローズオキサイド、ラズベリケトン等を挙げることができ、これらから選択される1種又は2種以上であることが好ましい。特にオキサン、インドール、メチルアンソラニレート、カルボン、ダマスコン、ダマセノン、シトラール、α−ピネン、シネオール、エチルバニリン、ラクトン類、及びアルデヒド類から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
【0017】
調合された香料の香調は、「香料と調香の基礎知識 中島基貴 編著」第30頁に記載されているようなベーシックな香調表現で分類することができる。一般にデオドラント組成物で使用される香調としては、「シトラス(Citrus)・グリーン(Green)・フルーティ(Fruity)・ミンティ(Minty)・ハーバル(Herbal)・スパイシー(Spicy)・フローラル(Floral)・ウッディ(Woody)・アンバー(Amber)・ムスキー(Musky)」等がある。
本発明において「芳香特性」とは、上記の一般に用いられる香調表現を指し、香調は、各香料成分の閾値や配合量、配合成分数等の様々な要因により左右される。つまり、調合香料Aと調合香料Bとの芳香特性を比較する際、各処方の香料成分を香調ごとに分類し、その配合量と配合成分数をかけあわせ、メイン香調及びサブ香調を決定する。
【0018】
「同じ芳香特性」とは、メイン香調が合致するものを指している。シトラス(メイン)/フローラル・ウッディ(サブ)調の調合香料と、シトラス(メイン)/グリーン(サブ)調の調合香料は、メイン香調が共通であるので、同じ芳香特性を有すると考えられる。また、シトラス(メイン)/フローラル・ウッディ(サブ)調の調合香料と、ムスキー(メイン)/フローラル(サブ)調の調合香料は、サブ香調(フローラル)は共通であるが、メイン香調が異なるため、異なる芳香特性を有すると考えられる。
ただし、フローラル、ウッディ、アンバー、ムスキー等の香料成分は、一般に高比率で配合されるので、これらの配合量が一番多いからといって、必ずしもメイン香調になるとは限らない。つまり、単純に量だけで香調が決定されないこともある。
【0019】
以下に、マイクロカプセル化する調合香料Aの処方例を挙げる。
(フローラル調調合香料)A
(質量%)
――――――――――――――――――――――――
オイゲノール 1.0
ゲラニルアセテート 7.0
インドール(10%) 1.0
におい閾値 シトロネロール 10.0
の低い ゲラニオール 10.0
香料成分 ローズオキサイド 2.0
ダマセノン 20.0
ダマスコン 20.0
メチルサリシレート 1.0
――――――――――――――――――――――――
他の香料成分 ヘディオン 28.0
――――――――――――――――――――――――
計 100.0
【0020】
(シトラス調調合香料)A
(質量%)
――――――――――――――――――――――――
アルデヒドC8 1.0
アルデヒドC9 1.0
におい閾値 リモネン 20.0
の低い シトラール 30.0
香料成分 リナロール 17.0
α−ピネン 1.0
――――――――――――――――――――――――
他の香料成分 ヘディオン 30.0
――――――――――――――――――――――――
計 100.0
【0021】
(ミント調調合香料)A
(質量%)
――――――――――――――――――――――――
におい閾値 リモネン 5.0
の低い カルボン 30.0
香料成分 シネオール 35.0
――――――――――――――――――――――――
他の香料成分 ヘディオン 30.0
――――――――――――――――――――――――
計 100.0
【0022】
(フルーティ調調合香料)A
(質量%)
―――――――――――――――――――――――――
オキサン(10%) 0.1
アルデヒドC10 0.1
アルデヒドC11(CYL) 0.2
アルデヒドC12 0.1
メチルアンソラニレート 1.0
におい閾値 γ−ウンデカラクトン 3.5
の低い γ−デカラクトン 2.0
香料成分 エチルバニリン 1.0
ダマスコン 20.0
β−ヨノン 20.0
ラズベリケトン 10.0
アンブロックス 10.0
―――――――――――――――――――――――――
他の香料成分 ヘディオン 32.0
―――――――――――――――――――――――――
計 100.0
【0023】
調合香料Aに配合される各香料成分は、常温で液状であっても、半固形状であってもよい。
本発明において調合香料Aの配合量は、マイクロカプセル全体の5〜60質量%であることが好ましく、20〜35質量%であることが特に好ましい。5質量%未満であると、デオドラント効果が十分に発揮されないことがあり、60質量%を超えると、カプセル化できないことがある。
【0024】
本発明におけるマイクロカプセルの外殻成分である水溶性高分子化合物は、本発明のデオドラント組成物内において安定に調合香料Aを保持し得ることが好ましい。また、当該水溶性高分子化合物は、マイクロカプセルの崩壊性の観点から、優れた水溶性を有することが好ましい。水溶性が良好でないと皮膚上の水分を感知することができず、被保持物である調合香料Aを徐放させることが困難になる。
【0025】
前記水溶性高分子化合物としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、天然または変性デンプン、アラビアガム、グリコーゲン、キサンタンガム、グアガム、ショ糖、ラクトース、トレハロース、グンチアノース等のオリゴ糖類、デキストリン、植物ゴム、ペクチン、アルギネート等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウムなどのスターチが好ましい。
【0026】
前記水溶性高分子化合物の配合量は、マイクロカプセル全体の30〜80質量%であることが好ましく、40〜70質量%であることが更に好ましい。前記配合量が30質量%未満であると、良好なマイクロカプセルが得られないことがあり、80質量%を超えると、マイクロカプセルの強度が高くなり、使用時に香料を徐放できないことがある。
【0027】
前記マイクロカプセルにおける外殻成分としては、水溶性高分子化合物の他、更に必要に応じて、抗酸化剤、水溶性ビタミン、アミノ酸、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、アルコール類、キレート剤、安定化剤等のその他の成分を適宜選択して含有することができる。
前記抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸のアルカリ金属塩、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、没食子酸のエステル類、エリソルビン酸、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、トコトリエノール等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0028】
前記水溶性ビタミンとしては、例えば、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸、ビタミンH、葉酸、ビタミンB12、コリン、イノシット、ビタミンL、ビタミンL、ビタミンB13、ビタミンBT、リポ酸、ビタミンB14、ビタミンB15、ビタミンBx、ビタミンP等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0029】
前記アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、プロリン、オキシプリン等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0030】
前記増粘剤としては、例えば、カゼインナトリウム、でんぷん、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、キトサン、グアガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、タラガム、カシアガム、アラビノガラクタン、スクレログルカン、プルラン、デキストラン、アルブミン、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0031】
前記安定化剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、リン酸、ピロリン酸、フィチン酸、ソルビン酸、エリソルビン酸、これらのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0032】
マイクロカプセル化香料の平均粒子径は、75μm以下であることが好ましく、特に好ましくは10〜75μm、さらに10〜50μmである。平均粒子径が10μm未満であると、マイクロカプセルの調製、及びマイクロカプセルの破壊による香料の放出が困難になることがあり、また肺に入る危険性が懸念され、75μmを超えると、組成物中に均一に分散させることが困難になることがある。一般には、平均粒子径が51μm以上だと肌当たりが悪く、エアゾールにした際、目詰まりをおこす可能性があるとされるが、本発明のマイクロカプセル化香料は、嵩比重にも特徴があり、嵩比重が0.3〜0.5g/mLであるため、非常に軽くて肌当たりがよく、この限りではない。
【0033】
本発明において、マイクロカプセル化香料の配合量は、デオドラント組成物中、0.1〜10質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、香りの持続性が十分でないことがあり、10質量%を超えると、香りが強くなり過ぎ、製剤処方上好ましくないことがある。
【0034】
本発明のマイクロカプセルの製造方法としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限されず、目的に応じて適宜選定することができる。例えば、相分離法、オリフィス法、液中硬化法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法等が挙げられ、これらの中でも、噴霧乾燥法又は凍結乾燥法が好ましい。
具体的には、上述した水溶性高分子化合物を数パーセント〜数十パーセントの濃度に溶解させた後に、所定の香料成分を添加して、溶解又は乳化させた液体とし、噴霧乾燥(スプレードレイ)や凍結乾燥(フリーズドライ)を行う。乳化に際しては、ホモミキサーや高圧乳化機等の任意の装置にて乳化を行うことができ、噴霧乾燥や凍結乾燥についても一般的に知られている方法にて実施可能である。得られたマイクロカプセル化香料は、粒子径を均一にするためにフルイを通過させることが好ましい。
【0035】
(B)調合香料B
本発明において、調合香料Bは、マイクロカプセル化されずに、デオドラント組成物中に配合される。
調合香料Bに配合される各香料成分は、常温で液状であっても、半固形状であってもよい。
本発明において、調合香料Bの配合量は、デオドラント組成物中、0.002〜5質量%であることが好ましい。0.002質量%未満であると、塗布後初期のデオドラント効果が十分でないことがあり、5質量%を超えると、香りが強くなり過ぎ、製剤処方上好ましくないことがある。
【0036】
本発明のデオドラント組成物は、さらに制汗剤を含むことが好ましい。
制汗剤としては、特に制限されないが、クロロヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、クロルヒドロキシアルミニウム・プロピレングリコール、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、フェノールスルホン酸アルミニウム、β−ナフトールジスルホン酸アルミニウム、過ホウ酸ナトリウム、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、ジルコニウムクロロハイドレート、硫酸アルミニウムカリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、塩基性臭化アルミニウム、アルミニウムナフタリンスルホン酸、塩基性ヨウ化アルミニウム等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。中でも、クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、クロルヒドロキシアルミニウム・プロピレングリコール、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(カリミョウバン)、クロルヒドロキシジルコニウムを使用することが好ましい。
上記制汗剤の配合量は、デオドラント組成物全体に対して0.1〜30重量%であることが好ましい。0.1重量%以下では、期待される制汗効果が発揮されず、30重量%を超えると、粉末のヨレやノビが悪化し使用感を損なうばかりか、エアゾール剤とした場合に、噴射を制御するバルブを目詰りさせることがある。
【0037】
本発明のデオドラント組成物は、さらに殺菌剤を含むことが好ましい。
殺菌剤としては、特に制限されないが、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、トリクロロカルバニリド、塩酸クロルヘキシジン、ピロクトンオラミン、クララエキス等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
上記殺菌剤の配合量は、デオドラント組成物全体に対して0.01〜10重量%であることが好ましい。0.01重量%未満では、期待される殺菌効果が充分でないことがあり、10重量%を超えると、皮膚刺激性が生じる恐れがある。
【0038】
本発明のデオドラント組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常デオドラント組成物に添加される任意成分を配合する事ができる。
任意成分としては、例えば、油脂類、ワックス類、シリコーン類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、界面活性剤、高分子化合物、酸化防止剤、色素、乳化安定剤、pH調整剤、収斂剤、防腐剤、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、増粘剤、清涼剤、抗炎症剤、アミノ酸、ビタミン剤、各種植物抽出エキス等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
本発明のデオドラント組成物の形態例としてはとくに限定されず、化粧料、医薬品、医薬部外品等に幅広く適用することが可能である。また、その剤型としても、本発明の効果を損なわない限り、エアゾール系、ゲル系、ペースト系、軟膏系、油液系、水−油2相系、水−油−粉末3相系、乳化系、可溶化系等の幅広い剤型を取り得る。即ち、エアゾール、スティック、パウダー、ローション、マスク、ミスト、スプレー、含浸シート、貼付剤、ボディーソープ、洗顔料、乳液、クリーム、ジェル、パック等の多様な剤型において広く適用可能である。
【0040】
中でも、デオドラント効果及びその持続性、並びに使用上の簡便性及び清潔性等の点から、エアゾール型とすることが好ましい。エアゾール型とする場合には、噴射剤として、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ネオペンタン等の炭化水素系ガス(LPG)、及びジメチルエーテル(DME)等の液化ガス、これらに加えて、炭酸ガス、窒素ガス等を用いることができる。特に炭化水素系ガスを用いることが好ましい。上記の噴射剤は、それぞれ単独で、または2種類以上を混合して使用することができる。配合量としては、エアゾール型デオドラント組成物中45〜98重量%の範囲であることが好ましい。
【実施例】
【0041】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%を示す。
初めに、本実施例にて用いられたデオドラント組成物(エアゾール型)の製造方法を示す。
(エアゾール型デオドラント組成物の調製)
マイクロカプセル化する調合香料100gと、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウム200gとを、水300gを用いて乳化し、得られたエマルジョンをスプレー乾燥させ、33%の調合香料が保持されたマイクロカプセル化香料を調製する。
上記マイクロカプセル化香料、及び他の材料をアルミ製エアゾール缶(東洋製罐社製アルミニウム缶+日本プリシジョンバルブ社製ストレートシャンクションバルブ)に入れ、バルブを装着後、噴射剤を充填する。
【0042】
1)簡易的スクリーニング方法(モデル系)
各エアゾール型デオドラント組成物について、以下の方法で評価を行った。
薬包紙に約0.8gの試料を噴霧し(使用容器:東洋製罐社製アルミニウム缶+日本プリシジョンバルブ社製ストレートシャンクションバルブ)、塗布直後の香りの調和(違和感のなさ)を評価した。
次に、発汗を想定し、水を霧吹きで約0.1g吹きかけ、香りの発現性(発汗時におけるデオドラント効果)、及び香りの調和(違和感のなさ)を評価した。
そして、塗布4時間後の香りの持続性について評価した。
【0043】
各評価基準は、以下の通りである。
[I]塗布直後の香りの調和
塗布直後に、香りに違和感がないかどうかについて、評価する。
◎:全く違和感がない
○:あまり違和感がない
△:少し違和感があり
×:違和感あり
[II]発汗時の香りの発現性
水を吹きかけた時に、香りが発現するかどうかについて、評価する。
◎:明らかに認知できる香りあり
○:違いが認知できる程度の香りあり
△:わずかに認知できる香りあり
×:ほとんど変化せず
[III]発汗時の香りの調和
水を吹きかけた時、香りに違和感が生じないかどうかについて、評価する。
◎:全く違和感がない
○:あまり違和感がない
△:少し違和感があり
×:違和感あり
[IV]香りの持続性
塗布4時間後に、香りが持続しているかどうかを評価する。
◎:はっきりわかる香りあり
○:少し香りあり
△:ほんのわずかに香りあり
×:全く香りがしない
【0044】
【表1】

マイクロカプセル化香料1:下記フローラル調調合香料Aを33%含有(粉末状)
マイクロカプセル化香料2:下記ミント調調合香料Aを33%含有(粉末状)
非マイクロカプセル化香料:下記フローラル調調合香料B(液状)
【0045】
表1から明らかなように、非マイクロカプセル化香料のみの比較例3では、香りの持続性が得られなかった。これに対し、マイクロカプセル化香料と非マイクロカプセル化香料とを併用した場合には、香りの持続性が高く、汗をかいた時の香りの再発現効果も得られた。
ただし、マイクロカプセル化香料と非マイクロカプセル化香料とが同じ芳香特性を有する場合、実施例1においては、香りの持続性や香りの再発現効果が十分であったが、これよりもマイクロカプセル化香料が少ない比較例1においては、これらが不十分であった。
また、マイクロカプセル化香料と非マイクロカプセル化香料とが異なる芳香特性を有する場合、実施例2においては、香りに違和感がなかったが、これよりもマイクロカプセル化香料が多い比較例2においては、香りに違和感があった。
【0046】
本発明者が、更に検討したところ、同じ芳香特性を有するマイクロカプセル化香料と非マイクロカプセル化香料とを使用する場合には、調合香料Bの配合量に対する調合香料Aの配合量が、香料成分の質量ベースで0.5〜3.0(特に、0.7〜1.5)であり、異なる芳香特性を有するマイクロカプセル化香料と非マイクロカプセル化香料とを使用する場合には、調合香料Bの配合量に対する調合香料Aの配合量が、香料成分の質量ベースで0.01〜0.5(特に、0.1〜0.5)であるとき、香りの違和感がなく、且つ香りの持続性及び香りの再発現効果が良好であることが確認された。
【0047】
2)ヒトでの実感方法(実効果の確認)
各エアゾール型デオドラント組成物について、以下の方法で実効果の評価を行った。
被験者20名を2グループに分け、両腋に別々の試料を2秒間噴霧した後、じんわり汗をかく程度に運動してもらい、6時間後にパネル自身に以下の評価基準に基づいて評価をしてもらった(第1グループ:実施例1と比較例4)(第2グループ:実施例2と比較例3)。
<評価基準>
◎:10名中8名以上が、汗をかいた時に心地よい香りを感じ、不快な臭いを感じなかった。
○:10名中5名以上が、汗をかいた時に心地よい香りを感じ、不快な臭いを感じなかった。
△:10名中5名以上が、汗をかいても不快な臭いを感じなかった。
×:10名中5名以上が、汗をかいた時に不快な臭いを感じた。
【0048】
【表2】

マイクロカプセル化香料1:下記フローラル調調合香料Aを33%含有(粉末状)
非マイクロカプセル化香料:下記フローラル調調合香料B(液状)
【0049】
【表3】

マイクロカプセル化香料2:下記ミント調調合香料Aを33%含有(粉末状)
非マイクロカプセル化香料:下記フローラル調調合香料B(液状)
【0050】
表2及び3の結果から明らかなように、マイクロカプセル化香料の配合により、汗をかいた時に心地よい香りを感じることが確認された。なお、被験者20名全員が左右のサンプルに効果の差を感じたと回答した。
【0051】
(フローラル調調合香料A) (質量%)
オイゲノール 1.0
ゲラニルアセテート 7.0
インドール(10%) 1.0
シトロネロール 10.0
ゲラニオール 10.0
ローズオキサイド 2.0
ダマセノン 20.0
ダマスコン 20.0
メチルサリシレート 1.0
ヘディオン 28.0
【0052】
(ミント調調合香料A) (質量%)
リモネン 5.0
カルボン 30.0
シネオール 35.0
ヘディオン 30.0
【0053】
(フローラル調調合香料B) (質量%)

【0054】
次に、マイクロカプセル化する調合香料A中における閾値の低い香料成分の配合量を変化させて、各種マイクロカプセルを作製し、下記処方にてエアゾール型デオドラント組成物を調製し、上記各評価を行った。
(質量%)
無水ケイ酸(多孔質シリカ) 10.0
シリコーン複合パウダー 2.0
マグネシアシリカ 5.0
クララエキス 1.0
ミリスチン酸イソプロピル 残部
デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0
メチルポリシロキサン(10cs) 3.0
トリイソステアリン酸POEグリセリル(20) 15.0
ジプロピレングリコール 1.0
クロルヒドロキシアルミニウム 25.0
イソプロピルメチルフェノール 0.1
(A)マイクロカプセル化香料1(フローラル調) 2.4
(B)非マイクロカプセル化香料(フローラル調) 0.8
上記原液/噴射剤(LPG(0.15MPa/20℃)) 10/90
【0055】
【表4】

【0056】
表4から明らかなように、マイクロカプセル化する調合香料A中における閾値の低い香料成分の配合量は、50〜90質量%、特に60〜80質量%であることが好ましいことが確認された。50質量%未満であると、発汗時の香りの発現性、香りの持続性及びが十分でなく、90質量%を超えると、塗布直後あるいは発汗時に香りの違和感が生じる。
なお、本発明者がさらに検討したところ、マイクロカプセル化香料中の調合香料Aの配合量が5〜60質量%であり、デオドラント組成物中のマイクロカプセル化香料の配合量が0.1〜10質量%であるとき、良好なデオドラント効果が発揮されることが確認された。
【0057】
(実施例3)パウダースプレー型デオドラント組成物
<成分> 配合量(%)
クロルヒドロキシアルミニウム 4.0
マグネシアシリカ 3.0
無水ケイ酸 4.0
ミリスチン酸イソプロピル 3.0
メチルシクロポリシロキサン 1.5
デカメチルペンタシロキサン 3.0
ソルビタントリオレエート 0.5
グリチルレチン酸ステアリル 0.02
植物性スクワラン 0.1
酸化マグネシウム粉体 0.6
マイクロカプセル化香料(下記シトラス調調合香料Aを33%含有) 1.2
非マイクロカプセル化香料(下記シトラス調調合香料B) 0.4
液化石油ガス 残部
【0058】
(シトラス調調合香料A) (質量%)
アルデヒドC8 1.0
アルデヒドC9 1.0
リモネン 20.0
シトラール 30.0
リナロール 17.0
α−ピネン 1.0
ヘディオン 30.0
【0059】
(シトラス調調合香料B) (質量%)

【0060】
(実施例4)スティック型デオドラント組成物
<成分> 配合量(%)
クロルヒドロキシアルミニウム 24.0
タルク 7.0
ステアリルアルコール 9.0
硬化ヒマシ油 4.0
マイクロクリスタリンワックス 2.0
POP(17)ブチルエーテル 3.0
ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
メチルポリシロキサン 10.0
グリチルレチン酸ステアリル 0.02
酸化チタン 0.2
マイクロカプセル化香料(上記シトラス調調合香料Aを33%含有) 0.6
非マイクロカプセル化香料(下記グリーンフローラル調調合香料B) 0.4
デカメチルペンタシロキサン 残部
【0061】
(グリーンフローラル調調合香料B) (質量%)

【0062】
(実施例5)スプレー型デオドラント組成物
<成分> 配合量(%)
ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(分子量10万) 2.0
テトラグリセリン脂肪酸エステル 3.0
酸化マグネシウム粉体 1.0
ポリオキシエチレン変性シリコーン(100万cs) 0.5
ポリオキシエチレン40モル硬化ヒマシ油 0.5
メチルパラベン 0.3
マイクロカプセル化香料(下記フルーティ調調合香料Aを33%含有) 0.4
非マイクロカプセル化香料(上記グリーンフローラル調調合香料B) 0.4
エタノール 残部
<製法>
上記原液50%、液化石油ガス30%及びジメチルエーテル20%を混合し、常法によりスプレーを調製した。
【0063】
(フルーティ調調合香料A) (質量%)
オキサン(10%) 0.1
アルデヒドC10 0.1
アルデヒドC11(CYL) 0.2
アルデヒドC12 0.1
メチルアンソラニレート 1.0
γ−ウンデカラクトン 3.5
γ−デカラクトン 2.0
エチルバニリン 1.0
ダマスコン 20.0
β−ヨノン 20.0
ラズベリケトン 10.0
アンブロックス 10.0
ヘディオン 32.0

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)複数の香料成分を含む調合香料Aを、水溶性高分子化合物を主成分とする外殻基剤に保持させたマイクロカプセル化香料と、
(B)複数の香料成分を含む調合香料Bと、を含み、
前記調合香料A中、におい閾値の低い香料成分の配合量が50〜90質量%であることを特徴とするデオドラント組成物。
【請求項2】
調合香料Aと調合香料Bとが同じ芳香特性を有し、調合香料Bの配合量に対する調合香料Aの配合量が、質量ベースで0.5〜3.0である請求項1に記載のデオドラント組成物。
【請求項3】
調合香料Aと調合香料Bとが異なる芳香特性を有し、調合香料Bの配合量に対する調合香料Aの配合量が、質量ベースで0.01〜0.5である請求項1に記載のデオドラント組成物。
【請求項4】
におい閾値の低い香料成分が、オキサン、インドール、メチルアンソラニレート、カルボン、ダマスコン、ダマセノン、シトラール、α−ピネン、シネオール、エチルバニリン、ラクトン類(γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン等)、アルデヒド類(アルデヒドC8、アルデヒドC9、アルデヒドC10、アルデヒドC11(CYL)、アルデヒドC12等)、アンブロックス、オイゲノール、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、β−ヨノン、リモネン、リナロール、メチルサリシレート、ローズオキサイド、及びラズベリケトンから選択される1種または2種以上である請求項1から3のいずれかに記載のデオドラント組成物。
【請求項5】
水溶性高分子化合物が、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルナトリウムである請求項1から4のいずれかに記載のデオドラント組成物。
【請求項6】
マイクロカプセル化香料中、調合香料Aの保持量が5〜60質量%である請求項1から5のいずれかに記載のデオドラント組成物。
【請求項7】
マイクロカプセル化香料の配合量が0.1〜10質量%である請求項1から6のいずれかに記載のデオドラント組成物。
【請求項8】
さらに、クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、クロルヒドロキシアルミニウム・プロピレングリコール、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、及びクロルヒドロキシジルコニウムから選択される1種又は2種以上の制汗剤を含む請求項1から7のいずれかに記載のデオドラント組成物。
【請求項9】
さらに、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、トリクロロカルバニリド、塩酸クロルヘキシジン、ピロクトンオラミン、及びクララエキスから選択される1種又は2種以上の殺菌剤を含む請求項1から8のいずれかに記載のデオドラント組成物。
【請求項10】
マイクロカプセル化香料の嵩比重が0.3〜0.5g/mLである請求項1から9のいずれかに記載のデオドラント組成物。
【請求項11】
エアゾール製剤である請求項1から10のいずれかに記載のデオドラント組成物。

【公開番号】特開2008−156236(P2008−156236A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343318(P2006−343318)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】