説明

デジタルカメラ、及びその動作方法

【課題】小型化や液晶モニタの大画面化に際しても撮影時の作業性を確保することが可能なデジタルカメラ、及びその動作方法を提供する。
【解決手段】
デジタルカメラに、カメラ本体の左右方向の回転を検出するための左右回転センサ44、上下方向の移動を検出するための上下動センサ45、前後方向の移動を検出するための前後動センサ46を設ける。撮影モードにあるとき、各センサ44,45,56によってカメラ本体の回転や移動といった動きの内容を検出し、検出した動きの内容に応じてCPU23にシャッター速度、絞り値、ズーム位置を制御させる。また、そのときの制御量を回転量や移動量に応じた制御量とする。カメラ本体の小型化や液晶モニタ5の大画面化に伴って、ユーザーがシャッター速度、絞り値、ズーム位置の設定や変更に使用する操作ボタンが小さくなり、その操作性が低下する場合においても撮影時の作業性を確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ、及びその動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子によって撮像した被写体の画像情報を各種の記録媒体に記録するデジタルカメラにおいては、カメラ本体に設けられている種々の操作キー(ボタン)の操作によって、例えば十字キーの操作によるシャッター速度等の撮影パラメータの設定、ズームボタンの操作によるズーム倍率の変更といった、ユーザーによる様々な操作を可能としている。また、近年のデジタルカメラにおいては、多機能化に加えてカメラ本体の小型化(薄型化)や、ビューファインダ機能と記録画像の表示機能とを有する液晶モニタの大画面化が進む傾向にある。
【0003】
一方、下記特許文献1には、携帯機器において、本体の動き(移動、回転、傾き)と、各種操作(文字入力、文字変換、表示スクロール)とを予め対応付けておき、ユーザーが本体を動かすことにより、その本体の動きの方向や量によって各種操作を行うことを可能とする技術が記載されている。
【特許文献1】特開2000−194693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デジタルカメラにおいて、前述した小型化や液晶モニタの大画面化が更に進むと、カメラ本体に確保可能な操作キー(ボタン)の配置や大きさや数が犠牲となったり、少ない操作キーで複数の指示を行わせるために操作が複雑になっていた。また、例えば動画撮影機能を備えたものでは動画撮影中においてズーム操作による手振れ(画面の揺れ)が顕著となったりすることが予想される。係ることから小型化や液晶モニタの大画面化を進めた場合には、その代償として撮影時の作業性が阻害されるという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、小型化や液晶モニタの大画面化に際しても撮影時の作業性を確保することが可能なデジタルカメラ、及びその動作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため請求項1の発明にあっては、撮像素子により撮像した被写体の画像情報を記録媒体に記録するデジタルカメラにおいて、カメラ本体における特定の動きに対応する特定の制御内容であって、撮影モードで使用者が指示可能な撮影動作に関する制御内容を示す制御内容情報を記憶する記憶手段と、カメラ本体における前記特定の動きを検出する検出手段と、前記記憶手段に記憶されている制御内容情報に基づき、前記検出手段により検出された特定の動きに対応する撮影動作の制御を実行する制御手段とを備えたものとした。
【0007】
かかる構成においては、撮影モードにあるとき、使用者が指示可能な撮影動作に関する制御が、予め決められているカメラ本体の特定の動きに応じて自動的に実施される。
【0008】
また、請求項2の発明にあっては、使用者が撮影動作をキー操作により指示するキー操作手段を備え、前記制御内容情報は、前記キー操作手段により指示される撮影動作に関する制御内容を示す制御内容情報を記憶するものとした。
【0009】
また、請求項3の発明にあっては、前記制御内容情報は、カメラ本体における複数種の動きにそれぞれ対応する複数の制御内容を示すとともに、当該複数の制御内容には、少なくともズーム倍率、露光時間、絞り値のうちのいずれかの制御が含まれるものとした。
【0010】
また、請求項4の発明にあっては、カメラ本体の特定の動きに対応する制御内容を使用者に指定させる指定制御手段と、この指定制御手段により使用者に指定させた制御内容を含む前記制御内容情報を生成し、前記記憶手段に記憶させる制御内容登録手段とを備えたものとした。
【0011】
また、請求項5の発明にあっては、前記指定制御手段は、使用者に所望とするキー操作を行わせることにより、当該キー操作に予め割り当てられている所定の制御内容をカメラ本体の特定の動きに対応する制御内容として指定させるものとした。
【0012】
また、請求項6の発明にあっては、前記制御内容情報は、カメラ本体の特定の動きに対応する制御内容に加え、当該特定の動きの量に応じた制御量を示すものとした。
【0013】
また、請求項7の発明にあっては、前記検出手段により検出されるカメラ本体の特定の動きは、撮影方向におけるカメラ本体の前後動であるとともに、当該動きに対応する特定の制御内容はズーム倍率の設定であるものとした。
【0014】
また、請求項8の発明にあっては、前記検出手段はカメラ本体と撮影者との離間距離を検出する距離センサを含み、当該距離センサの検出結果に基づきカメラ本体の前後動及び移動量を検出し、前記制御手段は、前記検出手段により検出されたカメラ本体の前後動及び移動量に応じたズーム倍率の設定処理を行うものとした。
【0015】
また、請求項9の発明にあっては、前記検出手段は加速度センサを含み、当該加速度センサの検出結果に基づきカメラ本体の撮影方向における移動の開始と停止とを検出し、前記制御手段は、カメラ本体の撮影方向における移動の開始と停止とに対応してズーム倍率の変更開始処理と変更停止処理とを実施するものとした。
【0016】
また、請求項10の発明にあっては、前記検出手段は加速度センサを含み、当該加速度センサの検出結果に基づきカメラ本体の撮影方向における移動速度を検出し、前記制御手段は、当該移動速度に対応する速度によるズーム倍率の変更処理を実施するものとした。
【0017】
また、請求項11の発明にあっては、撮像素子により撮像した被写体の画像情報を記録媒体に記録するデジタルカメラにおける動作方法であって、撮影モードでカメラ本体における特定の動きを検出する工程と、検出した特定の動きに対応する特定の動作であって、撮影モードで使用者が指示可能な所定の撮影動作を行う工程とを含む方法とした。
【0018】
また、請求項12の発明にあっては、撮像素子により撮像した被写体の画像情報を記録媒体に記録するデジタルカメラが有するコンピュータを、検出手段により検出されたカメラ本体における特定の動きに対応する特定の制御内容であって、撮影モードで使用者がキー操作により指示可能な撮影動作に関する制御内容の制御を実行する制御手段として機能させるためのプログラムとした。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明においては、撮影モードにあるとき、使用者がキー操作により指示可能な撮影動作に関する制御が、予め決められているカメラ本体の特定の動きに応じて自動的に実施されるようにした。よって、小型化や液晶モニタの大画面化に際しても撮影時の作業性を確保することが可能なデジタルカメラ、及びその動作方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明に係るデジタルカメラ1の外観を示した斜視図である。デジタルカメラ1は略矩形の薄板状のカメラ本体2を有しており、その上面には電源キー3及びシャッターキー4が配置されている。また、カメラ本体2の背面にはビューファインダ機能と記録画像の表示機能とを有する液晶モニタ(LCD)5と、記録モードと再生モードとを切り替えるためのモード切替スイッチ6、ズーム倍率変更用のズームアップボタン7及びズームダウンボタン8、デジタルカメラ1に対する撮影パラメータを含む種々の設定に用いられる十字キー9が配置されている。なお、十字キー9は上ボタン10、下ボタン11、左ボタン12、右ボタン13が一体化された操作キーである。
【0021】
図2は、前記デジタルカメラ1の主として電気的構成の概略を示すブロック図である。すなわちレンズブロック21には、ズームレンズ、フォーカスレンズ等の光学系、及び光学系を駆動するための駆動機構が含まれており、前記光学系は、駆動機構に設けられているレンズモーター22(DCモーター)によって光軸方向に駆動される。デジタルカメラ1全体を制御するCPU23にはモータードライバ24が接続されており、モータードライバ24はCPU23の命令に従いレンズモーター22を駆動する。なお、図示省略するが、デジタルカメラ1にはフォーカスレンズを駆動するためのフォーカスモーター及びモータードライバや、メカシャッターやメカ絞り及びそれらを駆動するための駆動機構等も設けられている。また、露光時間を制御するためにメカシャッターではなく電子シャッターを用いたり、露光量を制御するためにメカ絞りではなく電子絞りを用いる構成としてもよい。
【0022】
ストロボ26は発光管及びその駆動回路を含み、記録モードでの静止画撮影時においてCPU23の命令に従い必要に応じて前記発光管を駆動し補助光を発光させる。
【0023】
また、デジタルカメラ1は撮像素子としてCCD27を有している。CCD27は、レンズブロック21の光軸上に配置されており、被写体はレンズブロック21の前記光学系を介してCCD27の受光面に結像される。CCD27は、CPU23の命令に従いタイミング発生器28が生成するタイミング信号に基づき垂直及び水平ドライバ29により駆動され、被写体の光学像に応じたアナログの撮像信号を信号処理回路30に出力する。信号処理回路30は、CCD27の出力信号に含まれるノイズを相関二重サンプリングによって除去するCDS回路や、ノイズが除去された撮像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器等から構成され、デジタルに変換した撮像信号を画像処理部31へ出力する。
【0024】
画像処理部31は、入力した撮像信号に対しペデスタルクランプ等の処理を施し、それを輝度(Y)信号及び色差(UV)信号に変換するとともに、オートホワイトバランス、輪郭強調、画素補間などの画品質向上のためのデジタル信号処理を行う。画像処理部31で変換されたYUVデータは順次SDRAM32に格納されるとともに、記録モードでは1フレーム分のデータ(画像データ)が蓄積される毎にビデオ信号に変換され、バックライト33を備える前記液晶モニタ5へ送られてスルー画像として画面表示される。
【0025】
そして、静止画撮影モードにおいては、シャッターキー4の操作をトリガとして、画像処理部31により得られSDRAM32に一時記憶された画像データが、CPU23により圧縮され、最終的には所定のフォーマットの静止画ファイルとして外部メモリ34に記録される。また、動画撮影モードにおいては、SDRAM32に所定のフレーレートで記憶される複数の画像データがCPU23により順次圧縮され、動画ファイルとして外部メモリ34に記録される。この外部メモリ34に記録された静止画ファイル及び動画ファイルは、再生モードにおいてユーザーの選択操作に応じてCPU23に読み出されるとともに伸張され、YUVデータとしてSDRAM32に展開された後、液晶モニタ5に表示される。
【0026】
フラッシュメモリ35には、CPU23に前記各部を制御させるための各種のプログラム、AE、AF、AWB制御用のプログラム等の各種のプログラム、及びCPU23が使用する各種データが格納されている。また、フラッシュメモリ35には、デジタルカメラ1の動作を規定するとともに、必要に応じてユーザーにより変更、または設定されたデータが格納されている。特に本実施の形態においては、CPU23を本発明の制御手段、指定制御手段、制御内容登録手段として機能させるためのプログラム、及び後述する関連付けテーブルを構成するデータが格納されている。
【0027】
また、デジタルカメラ1は、前述した電源キー3、シャッターキー4、モード切替スイッチ6、ズームアップボタン7及びズームダウンボタン8、十字キー9を含むキー入力部36、及びニッケル水素電池等の充電可能なバッテリー37、このバッテリー37の電力を各部に供給するための電源制御回路38、及びこれらを制御するマイコン40を有している。マイコン40は、キー入力部36における各種スイッチ等の操作の有無を定常的にスキャンしており、ユーザーによっていずれかの操作キーが操作されると、その操作内容に応じた操作信号をCPU23へ送る。
【0028】
また、デジタルカメラ1は、動画撮影モード等において周囲の音声を記録する録音機能を備えており、CPU23には、音声処理ブロック41を介して、スピーカ(SP)42と、マイクロホン(MIC)43とが接続されている。音声処理ブロック41は、マイクロホン43から入力された音声信号を処理してCPU23に入力する一方、例えば動画ファイルと共に外部メモリ34に記録されている音声データを音声信号に変換しスピーカ42を駆動する。
【0029】
さらに、前記マイコン40には、本発明の検出手段である左右回転センサ44と、上下動センサ45、前後動センサ46の各種センサが、それぞれ検出アンプ47〜49を介して接続されている。より具体的には、左右回転センサ44は、図1に示した垂直方向の中心軸Oを基準としてカメラ本体2が右方向(図に矢示A+で示した反時計方向)または左方向(図に矢示A−で示した時計方向)へ回転したときの、各々の加速度(角速度)を検出するための加速度センサである。また、上下動センサ45は、カメラ本体2が上下方向(図でイ、ロ方向)に移動したときの加速度を検出するための加速度センサであり、前後動センサ46は、カメラ本体2が前後方向(図でハ、ニ方向)に移動したときの加速度を検出するための加速度センサである。マイコン40内には、各検出アンプ47〜49により増幅された検出信号をデジタルデータに変換するA/D変換器が設けられており、上記各種センサ44〜46の検出信号はマイコン40内でデジタル化されCPU23へ送られる。
【0030】
図3は、前述したフラッシュメモリ35に記憶されているプログラムのうち、記録モードにおいて使用される撮影制御プログラム中に規定されている、各操作ボタンに割り当てられた処理(制御)内容の一部を示した図である。図において「ボタン1〜6」は、図1に示したズームアップボタン7、ズームダウンボタン8、上ボタン10、下ボタン11、左ボタン12、右ボタン13の各操作ボタンをそれぞれ表しており、撮影制御プログラムには、例えばボタン1(ズームアップボタン7)が1回操作(押下)されたときには、ズーム位置(ズーム倍率)を望遠側へ1段移動すべき旨の内容が規定されている。
【0031】
一方、図4は、前記フラッシュメモリ35に記憶されているデータによって構成される関連付けテーブル100を示した図である。関連付けテーブル100は、前述した操作ボタン(ボタン1〜6)100aに対応する、カメラ本体2の動作内容100b、及び基準動作量に対する操作ボタンの操作量(操作回数)の比100cとを示す本発明の制御内容情報である。ここで、動作内容100bは、前述した左右回転センサ44と、上下動センサ45、前後動センサ46によって検出可能な、所定方向の移動または回転であり、動作量は移動量または回転量(例えば5mmや3mm)である。
【0032】
次に、以上の構成からなるデジタルカメラ1における本発明に係る動作を説明する。図5は、デジタルカメラ1に設けられている動き連動機能がオン設定されている状態において、例えば静止画撮影モードでスルー画像を表示している間にCPU23が実行するタイマ割込み処理の内容を示したフローチャートである。
【0033】
CPU23はタイマ割込み待ちを行った後(ステップSA1)、直ちに前述した左右回転センサ44と、上下動センサ45、前後動センサ46の各種センサの検出値を取得する(ステップSA2)。このときカメラ本体2が停止状態にあり、いずれのセンサについても検出値が得られなければ(ステップSA3でNO)、ステップSA1へ戻って次のタイマ割込み待ちを行う。一方、カメラ本体2に動きがあり、いずれのセンサについて検出値が得られたときには(ステップSA3でYES)、取得した検出値に基づきカメラ本体2の動作内容を特定するとともに、その動作量を算出する(ステップSA4)。なお、動作量の算出は、移動量(回転量)を直接検出可能なセンサを用いた場合には、そのままの検出値を用いることができるが、本実施の形態のように移動(回転)加速度を検出するセンサ44や移動(回転)速度を検出するセンサ45,46を用いた場合には、ステップSA2における検出値の取得を所定時間行い、その時間と検出値との積分計算によって行う。
【0034】
引き続き、前述した関連付けテーブル100に基づき、特定した動作内容に対する処理内容を特定した後(ステップSA5)、ステップSA4で算出した動作量が前述した規定の基準動作量以上であるか否かを判定する(ステップSA6)。ここで、基準動作量に達していなければ(ステップSA7でNO)、そのままステップSA1へ戻って次のタイマ割込み待ちを行う。また、基準動作量以上であったときには(ステップSA7でYES)、関連付けテーブル100に示されている基準動作量に対する操作ボタンの操作量(操作回数)の比100cに基づき、ステップSA5で特定した処理内容についての、カメラ本体2の動作量に応じた処理量を算出する(ステップSA8)。すなわち基準動作量をa、上記比(100c)をb、実際の動作量をnとして下記の式により得られるXの絶対値を実際の処理量とする。
X = a / b × n
【0035】
しかる後、算出した実際の処理量分の処理を行う(ステップSA9)。例えば上記比(100c)が図4に示したものであれば、特定したカメラ本体2の動作内容が「前方向への移動」であって実際の動作量(n)が10mmであった場合には、処理量が2となるため、ズーム位置を望遠側へ2段階移動させる処理を実行する。そして、今回検出したカメラ本体2の動作量をその時点でリセットした後(ステップSA10)、ステップSA1へ戻って次のタイマ割込み待ちを行う。以後、前述した処理を繰り返す。なお、以上の処理が繰り返されている間に、撮影者による静止画の撮影指示(シャッターキー4の押下)がなされたときには、上述したタイマ割込み処理によって逐次変更されている撮影条件を固定して静止画撮影を行う。
【0036】
これにより本実施の形態のデジタルカメラ1においては、撮影者は、図1に示した各種スイッチ等の操作を行うことなく、ズーム位置、シャッター速度、絞り値の変更(設定)作業を行うことができる。したがって、カメラ本体2の小型化や液晶モニタ5の大画面化に際して、前述した各種スイッチ等の大きさや配置や数が犠牲となり、その操作性が低下するような場合であっても、ユーザーにおける撮影時の作業性を確保することができる。
【0037】
また、図6は、ユーザーによってデジタルカメラ1に設けられている動き連動機能の設定モードが選択されたとき、CPU23が実行する関連付け処理の内容を示したフローチャートである。
【0038】
係る処理においてCPU23は、例えば液晶モニタ5の画面上に所定の設定画面を表示させて、まずユーザーに撮影時に使用される前述した複数種の操作ボタンの中から、関連付けの対象となるいずれかの操作ボタンを選択させる(ステップSB1)。次に、選択された操作ボタンに対するカメラ本体2の動作内容を選択させ(ステップSB2)、さらに選択された動作内容の基準動作量に対する操作ボタンの操作量(操作回数)の比を選択させる(ステップSB3)。なお、ここでは基準動作量を固定値とし、ユーザーには操作ボタンの操作量(操作回数)のみを選択させる。
【0039】
そして、上記各ステップで選択された内容を互いに対応させて前記フラッシュメモリ35に記憶させることにより、前記関連付けテーブル100を更新する(ステップSB4)。以後、他の関連付けの指定があれば(ステップSB5でYES)、ステップSB1へ戻り上記一連の処理を繰り返し、他の関連付けの指定がなければ(ステップSB5でNO)、その時点で処理を終了する。
【0040】
これにより、前記デジタルカメラ1においては、動き連動機能の設定モードにおいて所定の操作を行うことにより、ユーザーは関連付けテーブル100の内容、すなわち撮影時におけるカメラ本体2の動作内容と処理内容との関係や、カメラ本体2の動作量に応じた処理量をも好みに応じて設定することができる。すなわち通常は操作キーの押下により行っていた指示操作のうち、ユーザーが所望する任意の指示操作をカメラ本体2を動かす操作に置き換えることができ、指定された指示操作をキー操作なしで容易に行うことができ、且つ、それ以外の指示操作を行うためのキー操作を単純化することができる。
【0041】
なお、本実施の形態における前述した動き連動機能の例では、ズーム位置(ズーム倍率)を、カメラ本体2の前後方向への移動に応じ自動的に望遠側または広角側へ変化させ、かつその変更量をカメラ本体2の移動量に応じた段階分としたが、これとは別に、カメラ本体2の前後方向への移動に応じ以下のような動作を行わせるようにしてもよい。例えば前後動センサ46の検出信号に閾値を設定しておき、前後動センサ46から閾値を超えた前方(又は後方)への移動を示す検出信号が出力されたら、その時点でズーム位置の望遠側(又は広角側)への移動を開始し、その後、前後動センサ46から閾値を超えた逆方向への移動を示す検出信号が出力されたら、その時点でズーム位置の移動を停止させるようにしてもよい。
【0042】
一方、本実施の形態においては、撮影者による静止画の撮影指示がなされたときに、前述したタイマ割込み処理によって逐次変更されている撮影条件を固定して静止画撮影を行うものとしたが、以下のようにしてもよい。
【0043】
例えばシャッターキー4が半押しされたときに、前述したタイマ割込み処理によって逐次変更されている撮影条件を固定し、シャッターキー4の全押しで静止画撮影を行うようにしてもよい。そのようにすれば、シャッターキー4の半押し中に、撮影条件が不要に変更されてしまうことなく被写体アングル等の微調整を行うことができる。また、シャッターキー4が半押しされたときのみ、前述したタイマ割込み処理を実行するようにしてもよく、このようにすれば、不必要なタイミングで撮影条件の変更動作が行われることによる余分な電力消費を抑えることができる。
【0044】
また、動画撮影モード時においては、撮影開始から終了までの間、前述したタイマ割込み処理によって逐次撮影条件を変更するようにしてもよい。また、タイマ割込み処理の実行またはタイマ割込み処理による撮影条件の変更を許可するタイミングは、変更される撮影条件の性質や、それに対応させる本体の動作内容に応じて最適となるように、各撮影条件毎または各動作内容毎に自由に設定できるようにしてもよい。
(実施形態2)
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態とは異なる動き連動機能が設けられているデジタルカメラに関するものであり、図7は、本実施の形態におけるデジタルカメラ51の外観を示した斜視図、図8は、同デジタルカメラ51の主として電気的構成の概略を示すブロック図である。
【0045】
以下、前述したデジタルカメラ1と異なる部分について説明すると、デジタルカメラ51においては、図7に示したようにカメラ本体2の背面に測距部52が設けられており、図8に示したように前記マイコン40には、上記測距部14の内部に配置された測距センサ53が接続されている。測距センサ53は、カメラ本体2と撮影者Mとの距離L(図11参照)を任意の方式によって検出するための測距センサであり、その検出信号(測距信号)はマイコン40内に設けられているA/D変換器によってデジタル化されCPU23へ送られる。なお、本実施の形態においては測距センサ53が本発明の検出手段である。また、これ以外の部分については前述したデジタルカメラ1と同一であるため、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0046】
そして、本実施の形態においては、前記フラッシュメモリ35に、記録モードで動き連動機能がオン設定されているとき、前記CPU23に第1の実施の形態と異なるタイマ割込み処理を実行させるためのプログラム等が記憶されている。
【0047】
図9は、上記タイマ割込み処理の内容を示したフローチャートである。以下、説明すると、CPU23はタイマ割込み待ちを行った後(ステップSC1)、直ちに前述した測距センサ53の出力信号に基づき、カメラ本体2と撮影者Mとの距離Lを取得し、内部メモリ等に記憶する(ステップSC2)。引き続き、ここで新たに取得した距離Lが前回取得した距離から一定距離(例えば3cm)以上の変化があったか否かを判別し、変化がなかったときには(ステップSC3でNO)、ステップSC1へ戻る。また、一定距離以上の変化があったときには(ステップSC3でYES)、ステップSC2で取得した距離値Lに基づき目標ズーム位置を算出する(ステップSC4)。
【0048】
図10は、ここで算出される目標ズーム位置と測距センサ53の出力(撮影者との距離)との関係を示した図であって、本実施の形態においては、撮影者Mまでの距離Lが予め決められている所定の追従距離範囲内Cにあるとき、図11にも示したように目標ズーム位置は距離Lに比例してズーム位置が望遠側となる。なお、算出される目標ズーム位置の範囲は制御可能な全ズーム範囲である。
【0049】
そして、目標ズーム位置を算出した後には、その時点のズーム位置を目標ズーム位置へ移動する処理、すなわちレンズブロック21における光学系の駆動処理を行った後(ステップSC5)、ステップSC1へ戻り、次のタイマ割込み待ちを行う。以後、前述した処理を繰り返す。
【0050】
これにより本実施の形態のデジタルカメラ51においては、撮影者は、図7に示したズーム倍率変更用のズームアップボタン7及びズームダウンボタン8を操作することなく、ズーム位置の変更作業を行うことができる。したがって、カメラ本体2の小型化や液晶モニタ5の大画面化に際して、ズームアップボタン7やズームダウンボタン8の大きさや配置が犠牲となり、その操作性が低下するような場合であっても、ユーザーにおける撮影時の作業性を確保することができる。
【0051】
しかも、動画撮影中においては、ズーム操作をズームアップボタン7やズームダウンボタン8を用いて行う場合には、その操作に伴い手振れ(画面の揺れ)が生じることが予想されるが、本実施の形態においては、撮影者はカメラ本体2を前後に移動させるだけでよいことから、上記の手振れ(画面の揺れ)の発生を未然に防止することができる。
【0052】
なお、以上説明した第1及び第2の実施の形態においては、本発明を一般的なデジタルカメラに適用した場合について説明したが、これ以外にも本発明は、例えば携帯電話機等の他の機器に内蔵されている他のデジタルカメラにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1の実施の形態におけるデジタルカメラの外観を示した斜視図である。
【図2】同デジタルカメラの電気的構成の概略を示すブロック図である。
【図3】操作ボタンに割り当てられた処理(制御)内容の一部を示した図である。
【図4】関連付けテーブルの構成を示す概念図である。
【図5】第1の実施の形態におけるタイマ割込み処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】同実施の形態における関連付け処理の内容を示したフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態におけるデジタルカメラの外観を示した斜視図である。
【図8】同デジタルカメラの電気的構成の概略を示すブロック図である。
【図9】第2の実施の形態におけるタイマ割込み処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】目標ズーム位置と測距センサの出力との関係を示した図である。
【図11】撮影者との距離と目標ズーム位置との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
2 カメラ本体
3 電源キー
4 シャッターキー
5 液晶モニタ
6 モード切替スイッチ
7 ズームアップボタン
8 ズームダウンボタン
9 十字キー
10 上ボタン
11 下ボタン
12 左ボタン
13 右ボタン
23 CPU
27 CCD
35 フラッシュメモリ
36 キー入力部
40 マイコン
44 左右回転センサ
45 上下動センサ
46 前後動センサ
52 測距部
53 測距センサ
100 関連付けテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子により撮像した被写体の画像情報を記録媒体に記録するデジタルカメラにおいて、
カメラ本体における特定の動きに対応する特定の制御内容であって、撮影モードで使用者が指示可能な撮影動作に関する制御内容を示す制御内容情報を記憶する記憶手段と、
カメラ本体における前記特定の動きを検出する検出手段と、
前記記憶手段に記憶されている制御内容情報に基づき、前記検出手段により検出された特定の動きに対応する撮影動作の制御を実行する制御手段と
を備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
使用者が撮影動作をキー操作により指示するキー操作手段を備え、
前記制御内容情報は、前記キー操作手段により指示される撮影動作に関する制御内容を示す制御内容情報を記憶することを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記制御内容情報は、カメラ本体における複数種の動きにそれぞれ対応する複数の制御内容を示すとともに、当該複数の制御内容には、少なくともズーム倍率、露光時間、絞り値のうちのいずれかの制御が含まれることを特徴とする請求項1又は2記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
カメラ本体の特定の動きに対応する制御内容を使用者に指定させる指定制御手段と、
この指定制御手段により使用者に指定させた制御内容を含む前記制御内容情報を生成し、前記記憶手段に記憶させる制御内容登録手段と
を備えたことを特徴とする請求項1,2又は3記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記指定制御手段は、使用者に所望とするキー操作を行わせることにより、当該キー操作に予め割り当てられている所定の制御内容をカメラ本体の特定の動きに対応する制御内容として指定させることを特徴とする請求項4記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
前記制御内容情報は、カメラ本体の特定の動きに対応する制御内容に加え、当該特定の動きの量に応じた制御量を示すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
前記検出手段により検出されるカメラ本体の特定の動きは、撮影方向におけるカメラ本体の前後動であるとともに、当該動きに対応する特定の制御内容はズーム倍率の設定であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
前記検出手段はカメラ本体と撮影者との離間距離を検出する距離センサを含み、当該距離センサの検出結果に基づきカメラ本体の前後動及び移動量を検出し、前記制御手段は、前記検出手段により検出されたカメラ本体の前後動及び移動量に応じたズーム倍率の設定処理を行うことを特徴とする請求項7記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
前記検出手段は加速度センサを含み、当該加速度センサの検出結果に基づきカメラ本体の撮影方向における移動の開始と停止とを検出し、前記制御手段は、カメラ本体の撮影方向における移動の開始と停止とに対応してズーム倍率の変更開始処理と変更停止処理とを実施することを特徴とする請求項7記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
前記検出手段は加速度センサを含み、当該加速度センサの検出結果に基づきカメラ本体の撮影方向における移動速度を検出し、前記制御手段は、当該移動速度に対応する速度によるズーム倍率の変更処理を実施することを特徴とする請求項7記載のデジタルカメラ。
【請求項11】
撮像素子により撮像した被写体の画像情報を記録媒体に記録するデジタルカメラにおける動作方法であって、
撮影モードでカメラ本体における特定の動きを検出する工程と、
検出した特定の動きに対応する特定の動作であって、撮影モードで使用者が指示可能な所定の撮影動作を行う工程と
を含むことを特徴とするデジタルカメラの動作方法。
【請求項12】
撮像素子により撮像した被写体の画像情報を記録媒体に記録するデジタルカメラが有するコンピュータを、
検出手段により検出されたカメラ本体における特定の動きに対応する特定の制御内容であって、撮影モードで使用者が指示可能な撮影動作に関する制御内容の制御を実行する制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−211458(P2006−211458A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−22631(P2005−22631)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】