説明

デジタルカメラの光学ファインダ

【課題】クロップ撮影時に、動体被写体を撮影する場合にはファインダ視野の周辺領域を確認しやすくする。
【解決手段】デジタルカメラの光学ファインダは、撮像素子の所定領域に含まれる画素から出力される画像データを記録するクロップ撮影機能を有するデジタルカメラの光学ファインダにおいて、クロップ撮影が設定されているとき、ファインダ視野のうちの領域であって、撮像素子の所定領域とは異なる無効領域を半透過にする半透過手段と、半透過手段を制御して、被写体の動きに関連するモードに応じて無効領域の透過率を設定する透過率制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラの光学ファインダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、クロップ撮影時に、ファインダ視野内の無効領域を半透過率に設定するデジタルカメラの光学ファインダが知られている(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−266244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、動体被写体を撮影する場合には、背景を確認しにくいため動体被写体を見失いやすくなるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明による、撮像素子の所定領域に含まれる画素から出力される画像データを記録するクロップ撮影機能を有するデジタルカメラの光学ファインダは、クロップ撮影が設定されているとき、ファインダ視野のうちの領域であって、撮像素子の所定領域とは異なる無効領域を半透過にする半透過手段と、半透過手段を制御して、被写体の動きに関連するモードに応じて無効領域の透過率を設定する透過率制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、クロップ撮影時に、ファインダ視野のうちの無効領域の透過率を、被写体の動きに関連するモードに応じて設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態によるデジタルカメラの縦断面図
【図2】実施の形態によるデジタルカメラの背面図
【図3】実施の形態によるデジタルカメラの制御系の要部構成を説明するブロック図
【図4】実施の形態によるファインダ視野の例を説明する図
【図5】第1の実施の形態による無効領域の透過率設定処理を説明するフローチャート
【図6】第1の実施の形態の変形例による無効領域の透過率設定処理を説明するフローチャート
【図7】第2の実施の形態による無効領域の透過率設定処理を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
−第1の実施の形態−
図面を参照して、本発明による第1の実施の形態におけるカメラを説明する。図1は第1の実施の形態のデジタルカメラの構成を示すカメラの縦断面図であり、図2は本実施の形態のデジタルカメラの背面図である。第1の実施の形態のデジタルカメラ1は、交換レンズ200とカメラボディ100から構成され、交換レンズ200はマウントを介してカメラボディ100に着脱可能に装着されている。交換レンズ200は、ズーミングレンズやフォーカシングレンズ等を含むレンズ211、絞り212および不図示のレンズROMなどを備えている。
【0009】
カメラボディ100は、撮像素子102、可動ミラー121、焦点板122、拡散型液晶123、ペンタプリズム124、接眼レンズ125、プリズム126、測光レンズ127、測光センサ128、ファインダ内液晶129、ファインダ内バックライト130、焦点検出センサ131、シャッタ132、ローパスフィルタ133、撮像基板134および背面液晶モニタ135を備える。また、図2に示すように、カメラボディ100の背面には、背面液晶モニタ135の近傍にAFエリアセレクトボタン136が設けられ、カメラボディ100の上部には撮影モードダイヤル137が設けられている。
【0010】
図3は交換レンズ200が装着されたときのデジタルカメラ1の要部構成を示すブロック図である。なお、図3においては、図1、図2に示した構成と同一の構成には同一の符号を付与している。デジタルカメラ1は、制御回路101、撮像素子102、SDRAM106、背面液晶制御回路108、ファインダ内表示制御回路109、スーパーインポーズ表示制御回路110、測光回路111、露出制御回路112、シャッタ制御部113、絞り制御部114、レンズ情報入力回路115、焦点検出回路116、レンズ駆動回路117、モード設定回路118、設定操作部材119および加速度センサ120を備えている。撮像基板134は撮像素子102の後方に配置されている。撮像基板134には、撮像素子102、A/D変換回路103、タイミング回路104、画像処理制御回路105、図示しない温度センサ等が配置されている。
【0011】
図1を参照して説明すると、交換レンズ200を通過してデジタルカメラ1に入射した被写体光の一部は、シャッタレリーズ前は図1において実線で示すように位置する可動ミラー121で上方に導かれて焦点板122に結像する。焦点板122に結像した被写体像は拡散型液晶123を介して、ペンタプリズム124により接眼レンズ125へ導かれてユーザに観察されるとともに、プリズム126、測光レンズ127を介して測光センサ128へ導かれてその撮像面上に被写体像が結像する。
【0012】
デジタルカメラ1に入射した被写体光の他の一部は、可動ミラー121の半透過領域を通過し、サブミラー121aにより下方に反射され、焦点検出センサ131へ入射される。レリーズ後は、可動ミラー121が図1の破線で示される位置へ回動し、被写体光がシャッタ132およびローパスフィルタ133を介して撮像素子102へ導かれ、その撮像面上に被写体像が結像する。被写体光は焦点検出センサ131により光電変換され、焦点検出回路116に出力される。焦点検出センサ131は、ファインダ視野内で焦点検出エリアが配列された位置に応じて配置されている。
【0013】
図3を参照して制御系について詳細に説明する。
制御回路101は、マイクロコンピュータであり、デジタルカメラ1の各構成要素を制御したり、各種のデータ処理を実行する演算回路である。撮像素子102は、たとえばCCDやCMOS等の光電変換素子により構成される。複数の光電変換素子が二次元のマトリックス状に配列されることにより撮像面を構成する。撮像素子102は、タイミング回路104から出力される駆動信号によって所定の動作タイミングで駆動され、レンズ211を通して入力される被写体像を撮像し、撮像して得た画像信号をA/D変換回路103へ出力する。撮像素子102の撮像面には、それぞれR(赤)、G(緑)およびB(青)のカラーフィルタが画素位置に対応するように設けられている。撮像素子102がカラーフィルタを通して被写体像を撮像するため、撮像素子102から出力される画像信号はRGB表色系の色情報を有する。
【0014】
A/D変換回路103は、タイミング回路104から出力される駆動信号によって所定の動作タイミングで駆動され、撮像素子102から出力されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換する。画像処理制御回路105では、入力されたデジタルの画像信号に対して、ホワイトバランス調整、シャープネス調整、ガンマ補正、階調調整などの画像処理が施され画像データとして出力される。この画像データは、JPEG形式などの方式により圧縮された後、揮発性記憶媒体であるSDRAM106に一時的に格納されたり、画像用記録媒体107にEXIFなどのファイル形式で記録されるとともに、背面液晶制御回路108の制御により、図2の背面液晶モニタ135に表示される。画像用記録媒体107は、たとえばコンパクトフラッシュ(登録商標)やSDカードなどの不揮発性の半導体メモリカードである。
【0015】
測光回路111は、図1の測光センサ128から得られた測光信号をA/D変換して制御回路101へ出力する。デジタル変換された測光信号は露出制御回路112へ入力され、被写体の輝度および撮像感度に基づいてシャッタスピードと撮影レンズ2の絞り値が露出制御回路112により演算される。そして、露出制御回路112は、演算結果をシャッタ制御部113と絞り制御部114へ出力することにより、シャッタスピードと絞り値を制御する。
【0016】
焦点検出回路116は、焦点検出センサ131から出力される対の光像に応じた焦点検出信号に対してA/D変換を施した後、レンズ211の焦点調節状態、ここではデフォーカス量を検出する。そして、焦点検出回路116は、検出したデフォーカス量に基づいて、レンズ211に含まれるフォーカシングレンズの合焦位置を検出し、焦点調節状態を示す信号を制御回路101へ出力する。
【0017】
レンズ駆動回路117は、レンズ情報入力回路115を介して入力された交換レンズ200の開放絞り値、焦点距離、射出瞳などのレンズ情報と、焦点検出回路116より得られた焦点調節状態とに基づいてレンズを駆動させるレンズ駆動信号をレンズ駆動装置(不図示)へ出力する。
【0018】
加速度センサ120は、カメラボディ100に働く振動を検出して、検出信号を制御回路101へ出力する。制御回路101は、入力した検出信号を用いて、ユーザがデジタルカメラ1を手で保持して撮影を行っているのか、たとえば三脚等に固定して撮影を行っているのか、構図を変更するためにユーザがカメラボディ100を動かしているのか等を判定するための水準器表示を行う。
【0019】
半押しスイッチS1はレリーズボタンの第一ストロークに連動してオン信号をMCU101へ出力し、全押しスイッチS2はレリーズボタンの第二のストロークに連動してオン信号を制御回路101へ出力する。
【0020】
モード設定回路118は、デジタルカメラ1の各種モードの設定を行う。各種のモードとしては、たとえば、撮影モードとして単写モードや連写モード、動画モードの設定、スルー画モードの設定や、露出モードとしてM(マニュアル)モードやA(絞り優先)モード、P(プログラム)モード、S(シャッタスピード優先)モードなどが含まれる。さらに、上記の各モードに加えて、撮影モードにはシーンモードや後述するクロップ撮影モードが含まれる。シーンモードでは、撮影シーンに合わせて撮影モードを選択してレリーズボタンを押下操作することによって撮影を行うことができる。シーンモードには、たとえばポートレートモード、スポーツモード、ペット撮影モード、風景モード、クローズアップモード等が含まれる。クロップ撮影モードは、撮像素子102の中央部付近に限定された領域に配列された画素からの出力を用いて画像データを生成することにより、撮像素子102の全領域に配列された画素からの出力を用いる場合と比べて、コマ速を高速にするモードである。これら各種モードの設定操作は撮影モードダイヤル137の設定操作により行われる。
【0021】
さらに、モード設定回路118は、焦点検出を行う際の焦点検出エリアの選択に関する各種のAFエリアモードの設定を行う。AFエリアモードとしては、たとえばシングルエリアAFモード、ダイナミックAFエリアモード、オートエリアAFモードなどが含まれる。これら各種のAFエリアモードの設定操作は、AFエリアセレクトボタン136の設定操作により行われる。シングルエリアAFモードは、複数の焦点検出エリアの内、ユーザがAFエリアセレクトボタン136により選択した1点の焦点検出エリアのみでレンズ211の焦点検出を行い、その結果にしたがって撮影レンズの焦点調節を行うAFエリアモードである。したがって、シングルエリアAFモードは静止被写体の撮影に効果的なAFエリアモードである。ダイナミックAFエリアモードは、ピントを合わせたい被写体が選択した焦点検出エリアから一時的に外れても、他の焦点検出エリアの中から選択エリアと同様な焦点検出結果が得られた焦点検出エリアを検索する。そして、その焦点検出エリアを選択した焦点検出エリアの「代替エリア」として被写体を捕捉し続けるAFモエリアードであり、移動被写体を追い続ける撮影に効果的なAFエリアモードである。
【0022】
設定操作部材119は、各種設定操作を行なう操作スイッチであり、設定内容に応じた操作信号が制御回路101へ出力される。設定操作部材119の操作により、たとえばAFモードの設定が行われる。AFモードとしては、AF−C、AF−S、AF−M等が含まれる。AF−Cでは、所定周期ごとに焦点検出センサ131から焦点検出信号を入力するごとにレンズ211の焦点調節状態、すなわちデフォーカス量が算出されるモードであり、一般的には、動きのある被写体を撮影する場合にユーザによって設定されるモードである。AF−Sでは、撮影準備動作時に焦点検出回路116による初回の処理で検出された合焦位置でフォーカシングレンズの駆動を固定(ロック)するモードであり、ユーザにより静止した被写体を撮影する場合に設定されるモードである。
【0023】
ファインダ内表示制御回路109は、ファインダ内液晶129とファインダ内バックライト130とを制御する。ファインダ内液晶129は、ファインダ内表示制御回路109に制御されて、ファインダ画面外下部に撮影に関する露出制御値や露出モード、露出補正値などの撮影に関する種々の情報を表示する。ファインダ内バックライト130は、ファインダ内表示用液晶129を照明するための光源である。
【0024】
スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123を制御して、ファインダ視野内に、焦点検出エリアの位置を示すフォーカスポイント(たとえば51点)の表示と、後述するクロップ撮影時における切出領域(有効領域)の表示とを行わせる。図4にファインダ視野の表示の一例を示す。図4(a)は、拡散型液晶123に51点の焦点検出エリア202が全て点灯されている状態を示している。なお、図4(a)は、通常撮影モードが設定された場合、すなわちクロック高速撮影モードが設定されていない場合の拡散型液晶123の表示態様を示している。通常の撮影においては、ユーザにより焦点検出用に選択された焦点検出エリアや、合焦している焦点検出エリア以外の焦点検出エリア202は消灯している。そのため、ファインダ視野内に焦点検出エリア202が存在する領域をユーザが確認できるようにするため、拡散型液晶123には刻線201が表示される。
【0025】
拡散型液晶123は、たとえばポリマーネットワーク型液晶(PN液晶)により構成され、光が拡散する拡散状態、すなわち透過率が低い状態(非透過状態)であるが、印加される電圧に応じて光の透過率が変化し、高電圧が印加されるほど透過率が高くなる特性を有する。すなわち、スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123へ印加する電圧値を制御することにより拡散型液晶123の透過率を変更する。拡散型液晶123は、図示しないLEDによって、被写体輝度に応じた光量で照明される構成を有している。なお、拡散型液晶123は、PN液晶に限定されず、液晶の拡散、透過を制御可能な表示素子を備える表示デバイスにより構成できる。
【0026】
図4(b)、(c)にクロップ撮影モードが設定された場合の拡散型液晶123の表示態様を示す。クロップ撮影モードでは、被写界の中心部の所定領域である有効領域R1と、被写界の周辺部、すなわち有効領域R1の外部に設けられた無効領域R2とがユーザによって明確に視認可能となるように、拡散型液晶123が制御される。撮像素子102の全領域のうち有効領域R1に対応した領域に配列された画素から出力された画像信号は、上述した画像処理制御回路105による画像データの生成に用いられ、画像用記録媒体107に記録される。撮像素子102の全領域のうち無効領域R2に対応した領域に配列された画素から出力された画像信号に対応する画像データは画像用記録媒体107には記録されない。
【0027】
スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123を制御して、無効領域R2に対応する領域の透過率を有効領域R1に対応する領域の透過率を低く設定する。換言すると、スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123の全領域のうち、無効領域R2に対応する領域に、有効領域R1に対応する領域よりも低い電圧を印加する。図4(b)、(c)では、無効領域R2の透過率が低く設定された様子を、無効領域R2に斜線を付して示している。なお、スーパーインポーズ表示制御回路110からの電圧は、拡散型液晶123の有効領域R1に対応する領域および無効領域R2に対応する領域にそれぞれ設けられた図示しない信号端子を介して印加される。
【0028】
さらに、本実施の形態のクロップ撮影モードでは、ユーザにより設定されたモードに基づいて、静止被写体を撮影するのか、動きのある被写体(動体被写体)を撮影するのかを判定し、判定結果に応じて無効領域R2の透過率が異なるように拡散型液晶123が制御される。静止被写体を撮影する場合には、無効領域R2の透過率を低くすることにより、すなわち背景を確認しにくくすることにより、ユーザは背景を気にすることなく有効領域R1内の被写体の撮影に集中できる。この場合、有効領域R1の透過率を100パーセントとしたとき、無効領域R2の透過率がたとえば30パーセントとなるように拡散型液晶123に電圧が印加される。動体被写体を撮影する場合には、無効領域R2の透過率を高くして、すなわち背景を確認しやすくして、ユーザによる動体被写体の動きに対応した構図の決定を容易にさせる。この場合、有効領域R1の透過率を100パーセントとしたとき、無効領域R2の透過率がたとえば70パーセントとなるように拡散型液晶123に電圧が印加される。
【0029】
図4(b)には、静止被写体を撮影する場合のファインダ視野の様子を示し、図4(c)には、動体被写体を撮影する場合のファインダ視野の様子を示す。図4(b)、(c)においては、無効領域R2に付した斜線の間隔を異ならせることにより無効領域R2の透過率が異なることを模式的に示している。すなわち、斜線の間隔が広い図4(c)の方が図4(b)に示す場合よりも無効領域R2の透過率が高いこと、換言すると背景が確認しやすいことを示している。なお、通常撮影モードが設定されている場合には、有効領域R1と無効領域R2との透過率を高く設定して、ユーザによりファインダ視野全体を確認可能にさせる。
【0030】
以下、クロップ撮影モードが設定された場合に、無効領域R2の透過率を異ならせるための処理について説明する。制御回路101は、被写体の動きに関するモード、すなわちユーザによる操作に応じてモード設定回路118によって設定された各種のAFモードに応じて、静止被写体の撮影か動体被写体の撮影かを判定する。制御回路101は、以下のAFエリアモード、AFモードが設定されている場合に、動体被写体が撮影されるものと判定する。換言すると、動体被写体の撮影に適した焦点検出に関連するモードが設定されている場合に、制御回路101は、動体被写体が撮影されると判定する。
(1)AF−C
(2)ダイナミックAFエリアモード
【0031】
上記2つのモードが設定されている場合、制御回路101は、スーパーインポーズ表示制御回路110に指令して、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域を高い透過率(高透過率)に設定させる。この場合、スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域に高い電圧を印加する。その結果、図4(c)に示すように、無効領域R2の透過率が高くなり、ユーザによる背景の確認が容易になる。
【0032】
AF−CおよびダイナミックAFエリアモードのいずれも設定されていない場合、制御回路101は、静止被写体の撮影であると判定する。この場合、制御回路101は、スーパーインポーズ表示制御回路110に指令して、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域を低い透過率(低透過率)に設定させる。すなわち、スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域に低い電圧を印加する。その結果、図4(b)に示すように無効領域R2の透過率が低くなり、ユーザは背景を気にすることなく有効領域R1内の被写体の構図決定、および撮影に集中できる。
【0033】
図5に示すフローチャートを用いて、第1の実施の形態によるデジタルカメラ1の無効領域の透過率設定処理について説明する。図5の各処理は制御回路101でプログラムを実行して行われる。図5の各処理を行なうプログラムはメモリ(不図示)に格納されている。ユーザにより電源ボタンが操作されると制御回路101によりプログラムが起動され、実行される。
【0034】
ステップS101においては、クロップ撮影モードが設定されているか否かを判定する。クロップ撮影モードが設定されている場合には、ステップS101が肯定判定されてステップS102へ進む。クロップ撮影モードが設定されていない場合には、ステップS101が否定判定されて処理を終了する。
【0035】
ステップS102においては、AFモードがAF−Cに設定されているか否かを判定する。AF−Cが設定されている場合には、ステップS102が肯定判定されてステップS103へ進む。AFモードがAF−Sに設定されている場合には、ステップS102が否定判定されてステップS105へ進む。
【0036】
ステップS103では、AFエリアモードとしてダイナミックAFエリアモードが設定されているか否かを判定する。ダイナミックAFエリアモードが設定されている場合には、ステップS103が肯定判定されてステップS104へ進む。ステップS104においては、動体被写体が撮影されるものと見なし、無効領域R2を高透過率に設定して処理を終了する。この結果、スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域に高い電圧を印加するので、無効領域R2の透過率が高くなる。
【0037】
AFエリアモードとして、ダイナミックAFエリアモード以外のAFエリアモードが設定されている場合には、ステップS103が否定判定されてステップS105へ進む。ステップS105では、静止被写体が撮影されるものと見なし、無効領域R2を低透過率に設定して処理を終了する。この結果、スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域に低い電圧を印加するので、無効領域R2の透過率が低くなる。
【0038】
以上で説明した第1の実施の形態のデジタルカメラによれば、以下の作用効果が得られる。
(1)本実施の形態のデジタルカメラ1は、撮像素子102の所定領域に含まれる画素から出力される画像データを記録するクロップ撮影機能を有するようにした。拡散型液晶123は、クロップ撮影が設定されているとき、ファインダ視野のうちの領域であって、撮像素子102に対応する領域であって、有効領域R1とは異なる無効領域R2を半透過にする。そして、制御回路101は、拡散型液晶123を制御して、被写体の動きに関連するモードに応じて無効領域R2の透過率を設定するようにした。換言すると、制御回路101は、動体被写体を撮影する場合と静止被写体を撮影する場合とにおいて、無効領域R2を異なる透過率に設定する。その結果、ユーザは撮影の状況に応じて有効領域R1の周辺部を確認しつつ構図を決定したり、周辺部の影響を受けず有効領域R1内の被写体に集中して撮影を行うことが可能になる。
【0039】
(2)制御回路101は、交換レンズ200の焦点調節に関して、合焦した後には焦点調節を停止するAF−Sが設定されている場合には、無効領域R2を低透過率に設定し、合焦した後でも焦点調節を繰り返すAF−Cが設定されている場合には、無効領域R2を高透過率に設定するようにした。すなわち、静止被写体を撮影する可能性が高いAF−Sが設定されている場合には、無効領域R2が低透過率に設定されるので、ユーザは周辺部の影響を受けることなく有効領域R1内の被写体の撮影に集中することができる。さらに、動体被写体を撮影する可能性が高いAF−Cが設定されている場合には、無効領域R2が高透過率に設定されるので、ユーザは周辺部の様子を確認しつつ、動体被写体の動きを見失うことなく撮影できる。
【0040】
(3)制御回路101は、交換レンズ200の被写界内に設けられた複数の焦点検出エリア202のうち所定の焦点検出領域の情報と所定の焦点検出領域以外の焦点検出領域の情報とを用いて焦点調節を行うダイナミックAFエリアモードが設定されている場合には、無効領域R2を高透過率に設定するようにした。したがって、動体被写体を撮影する可能性が高いダイナミックAFエリアモードが設定されている場合には、無効領域R2が高透過率に設定されるので、ユーザは動体被写体の動きが激しい場合であっても、動体被写体を見失うことなく、その動きに追従して撮影することができる。
【0041】
上述した第1の実施の形態のデジタルカメラを、次のように変形できる。
(1)ユーザにより設定されたAFモードとAFエリアモードとに加え、制御回路101は、加速度センサ120により検出された加速度をも用いて動体被写体の撮影か否かを判定してもよい。この場合、制御回路101は、AF−CおよびダイナミックAFエリアモードが設定されているときに、加速度センサ120から入力した検出信号に基づいて、カメラボディ100に加わる加速度が所定値以上か否かを判定する。加速度が所定値以上の場合には、制御回路101は、無効領域R2の透過率を高透過率に設定する。加速度が所定値未満の場合には、制御回路101は、無効領域R2の透過率を低透過率に設定する。その結果、動体被写体を撮影するモードが設定されている状態で、かつ加速度が高い場合には、すなわちユーザが激しい運動をしている動体被写体を撮影していると見なされる場合には、ユーザによる背景の確認を容易にさせることができる。なお、上記の所定値は、動体被写体の動きに追従してカメラボディ100を動かしていると判定するために適した値であり、実験等により算出され、予め不図示のメモリ等に記録されているものとする。ただし、加速度が所定値以上の状態から所定値未満の状態へ変化した場合は、ヒステリシスを設けることにより、制御回路101が無効領域R2の透過率を急激に変更しないようにすることが好ましい。
【0042】
この場合の制御回路101の処理を図6のフローチャートを用いて説明する。図6に示す処理は、図5のフローチャートの処理と同様に、制御回路101でプログラムを実行して行われる。図5の各処理を行なうプログラムはメモリ(不図示)に格納されている。ユーザにより電源ボタンが操作されると制御回路101によりプログラムが起動され、実行される。
【0043】
ステップS201(クロップ撮影モードの設定判定)からステップS203(ダイナミックAFエリアモードが設定)までの処理は、図5のステップS101(クロップ撮影モードの設定判定)とステップS103(ダイナミックAFエリアモードが設定)と同様である。ただし、ステップS202(AF−C設定判定)およびステップS203が否定判定された場合には、ステップS206へ進む。ステップS203が肯定判定されるとステップS204へ進み、加速度センサ120から入力した検出信号が示す加速度が所定値以上か否かを判定する。加速度が所定値以上の場合には、ステップS204が肯定判定されてステップS205へ進む。加速度が所定値未満の場合には、ステップS204が否定判定されてステップS206へ進む。ステップS205(無効領域R2を高透過率に設定)およびステップS206(無効領域R2を低透過率に設定)の処理は、図5のステップS104(無効領域R2を高透過率に設定)およびステップS105(無効領域R2を低透過率に設定)と同様である。
【0044】
(2)制御回路101は、AF−CおよびダイナミックAFエリアモードの設定に基づいて、動体被写体の撮影と判定したときに、カメラボディ100に加わる加速度が所定値以上の場合には、無効領域R2を高透過率よりもさらに所定の割合高い透過率に設定してもよい。すなわち、AF−CおよびダイナミックAFエリアモードが設定され、無効領域R2の透過率が有効領域R1の70パーセントに設定された状態で、加速度が所定値以上と判定されると、制御回路101は、無効領域R2の透過率を有効領域R1のたとえば80パーセントにすればよい。
【0045】
(3)AF−Cが設定されている場合には、無効領域R2の透過率を有効領域R1の透過率の所定パーセントとし、ダイナミックAFエリアモードが設定されている場合には、無効領域R2の透過率を有効領域R1の透過率の所定パーセントとしてもよい。換言すると、それぞれのモードの設定によって、制御回路101が無効領域R2の透過率への寄与度を決定するようにしてもよい。
【0046】
(4)ダイナミックAFエリアモードにおいて、代替エリアとなりうる焦点検出エリア(候補エリア)の数がユーザによって選択可能に構成されている場合、制御回路101は、候補エリアの数に基づいて無効領域R2の透過率を変更してもよい。この場合、候補エリアが多い程動体被写体を撮影する可能性が高くなるので、設定されている候補エリアの数が多い程、制御回路101は無効領域R2の透過率を高く設定すればよい。たとえば9か所の焦点検出エリアが候補エリアとして設定されている場合には、制御回路101は無効領域R2の透過率を有効領域R1の30パーセントとなるように設定する。また、たとえば20か所の候補エリアが設定されている場合には、制御回路101は無効領域R2の透過率を有効領域R1の50パーセントとなるように設定する。換言すると、候補エリアが設定された数に応じて、制御回路101は無効領域R2の透過率への寄与度を決定する。この結果、ユーザは背景を確認して、動体被写体の動きに対応した構図を容易に決定できる。
【0047】
(5)AFモードがAF−Aモードに設定されている場合、制御回路101は無効領域R2の透過率は高透過率と低透過率の中間の透過率に設定してもよい。なお、AF−Aモードは、AF−SとAF−Cとを自動的に切換えるAFモードである。AF−Aモードでは、ユーザにより半押し操作が行われると、焦点検出回路116は焦点検出エリアに重なる被写体でフォーカシングレンズを合焦位置に駆動させ、合焦位置でフォーカシングレンズの駆動をいったん固定させる。その後、被写体が動き出し、デジタルカメラ1と被写体との距離が変わった場合には、焦点検出回路116は自動的にAF−Cにより被写体にピントを合わせ続ける。
【0048】
(6)ダイナミックAFエリアモードが設定されているとき、動体被写体がすべての焦点検出エリアよりもさらに外部に移動した場合、すなわち刻線201の外部に移動した場合、制御回路101は、無効領域R2の透過率を高透過率よりもさらに高い透過率に設定してもよい。
(7)制御回路101は、AF−Cが設定されている場合に無効領域R2を高透過率に設定してもよい。また、制御回路101は、ダイナミックAFエリアモードが設定されている場合に、無効領域R2を高透過率に設定してもよい。
【0049】
−第2の実施の形態−
図面を参照して、本発明によるデジタルカメラの第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、ユーザにより設定されたシーンモードに応じて無効領域の透過率を異ならせる点で、第1の実施の形態と異なる。
【0050】
第2の実施の形態においては、無効領域R2の透過率を図4(b)に示す低透過率と、図4(c)に示す高透過率とに加えて、標準透過率にも設定可能に構成されている。図4(d)に標準透過率が設定された場合の無効領域R2を模式的に示す。標準透過率は、図4(b)における低透過率と、図4(c)に示す高透過率との中間程度の透過率であり、有効領域R1の透過率を100パーセントとした場合、標準透過率としてたとえば50パーセントに設定される。図4(d)においては、無効領域R2に付した斜線の間隔を、図4(b)に示す斜線の間隔と図4(c)に示す斜線の間隔との中間程度の間隔で表すことにより、高透過率と低透過率との中間程度の透過率であることを模式的に示している。
【0051】
制御回路101は、被写体の動きに関するシーンモード、すなわちユーザによる撮影モードダイヤル137の設定操作により静止被写体の撮影に適したシーンモードがモード設定回路118によって設定されている場合に、静止被写体の撮影であると判定する。すなわち、シーンモードとしてクローズアップモードが設定されている場合に、制御回路101は、スーパーインポーズ表示制御回路110に指令して、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域の透過率を低透過率となるように設定させる。この場合、スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域に低い電圧を印加する。その結果、図4(b)に示すように無効領域R2の透過率が低くなり、ユーザは背景を気にすることなく有効領域R1内の被写体の構図決定、および撮影に集中できる。
【0052】
制御回路101は、被写体の動きに関するシーンモード、すなわちユーザによる撮影モード選択ダイヤル137の設定操作により動体被写体の撮影に適したシーンモードがモード設定回路118によって設定されている場合に、動体被写体の撮影であると判定する。すなわち、シーンモードとしてスポーツモードやペット撮影モードが設定されている場合に、制御回路101は、スーパーインポーズ表示制御回路110に指令して、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域の透過率を高透過率となるように設定させる。この場合、スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域に高い電圧を印加する。その結果、図4(c)に示すように、無効領域R2の透過率が高くなり、ユーザによる背景の確認が容易になる。
【0053】
制御回路101は、シーンモードとして、上述したクローズアップモード、スポーツモードおよびペット撮影モードとは異なるシーンモードが設定されている場合には、動体被写体および静止被写体のいずれの撮影でもないものと判定する。この場合、制御回路101は、スーパーインポーズ表示制御回路110に指令して、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域の透過率を標準透過率となるように設定させる。すなわち、スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域に、高透過率を設定する場合の高い電圧と、低透過率を設定する場合の低い電圧との中間の電圧を印加する。
【0054】
図7に示すフローチャートを用いて、第2の実施の形態によるデジタルカメラ1の無効領域の透過率設定処理について説明する。図7の各処理は制御回路101でプログラムを実行して行われる。図7の各処理を行なうプログラムはメモリ(不図示)に格納されている。ユーザにより電源ボタンが操作されると制御回路101によりプログラムが起動され、実行される。
【0055】
ステップS301においては、クロップ撮影モードが設定されているか否かを判定する。クロップ撮影モードが設定されている場合には、ステップS301が肯定判定されてステップS302へ進む。クロップ撮影モードが設定されていない場合には、ステップS301が否定判定されて処理を終了する。
【0056】
ステップS302においては、シーンモードとしてスポーツモードやペット撮影モードのような動体被写体を撮影するシーンモードが設定されているか否かを判定する。動体被写体を撮影するシーンモードが設定されている場合には、ステップS302が肯定判定されてステップS303へ進む。ステップS303では、スーパーインポーズ表示制御回路110に指令して、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域の透過率を高透過率となるように設定させて処理を終了する。この結果、スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域に高い電圧を印加するので、無効領域R2の透過率が高くなる。
【0057】
動体被写体を撮影するシーンモードが設定されていない場合には、ステップS302が否定判定されてステップS304へ進む。ステップS304では、シーンモードとしてクローズアップモード、すなわち静止被写体を撮影するシーンモードが設定されているか否かを判定する。クローズアップモードが設定されている場合には、ステップS204が肯定判定されてステップS305へ進む。ステップS305では、スーパーインポーズ表示制御回路110に指令して、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域の透過率を低透過率となるように設定させて処理を終了する。この結果、スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域に低い電圧を印加するので、無効領域R2の透過率が低くなる。
【0058】
静止被写体を撮影するシーンモードが設定されていない場合、クローズアップモード、スポーツモードおよびペット撮影モードのいずれも設定されていない場合には、ステップS304が否定判定されてステップS306へ進む。ステップS306では、スーパーインポーズ表示制御回路110に指令して、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域の透過率を標準透過率となるように設定させて処理を終了する。この結果、スーパーインポーズ表示制御回路110は、拡散型液晶123の無効領域R2に対応する領域に、高透過率を設定する場合の高い電圧と、低透過率を設定する場合の低い電圧との中間の電圧を印加するので、無効領域R2の透過率が高透過率と低透過率の中間程度に設定される。
【0059】
以上で説明した第2の実施の形態のデジタルカメラによれば、第1の実施の形態により得られた作用効果(1)に加えて、以下の作用効果が得られる。
(1)制御回路101は、移動している被写体の撮影に最適な撮影条件が設定されるスポーツモードやペット撮影モードが設定されている場合には、無効領域R2を高透過率に設定し、静止している被写体の撮影に最適な撮影条件が設定されるクローズアップモードが設定されている場合には、無効領域R2を低透過率に設定するようにした。その結果、ユーザは設定したシーンモードに応じて有効領域R1の周辺部を確認しつつ構図を決定したり、周辺部の影響を受けず有効領域R1内の被写体に集中して撮影を行うことが可能になる。
【0060】
(2)スポーツモードやペット撮影モード、クローズアップモードとは異なるシーンモードが設定されている場合には、制御回路101は、無効領域R2の透過率を高透過率と低透過率との中間の標準透過率に設定するようにした。すなわち、動体被写体の撮影する場合や静止被写体を撮影する場合とは限らないような場合には、無効領域R2が極端に明るくなったり極端に暗くなったりすることで、ユーザの構図確認や撮影の妨げになることを防ぐことができる。
【0061】
以上で説明した第1および第2の実施の形態のデジタルカメラを、次のように変形できる。
(1)拡散型液晶123の無効領域R2の透過率を変更するものに代えて、制御回路101は、背面液晶モニタ135に表示されたライブビュー画像のうち、無効領域R2に対応する領域に、色を重畳して表示させてもよい。この場合、制御回路101は、動体被写体を撮影する場合には、たとえば灰色の色を重畳して、ユーザにより背景が透けて確認可能となるように背面液晶モニタ135を制御し、静止被写体を撮影する場合には、たとえば黒色を重畳して、ユーザにより背景を視認しにくくなるように背面液晶モニタ135を制御すればよい。
【0062】
(2)装着された交換レンズ200がズームレンズの場合には、制御回路101は、交換レンズ200の焦点距離に応じて無効領域R2の透過率を変更してもよい。この場合、制御回路101は、不図示のマウントを介して入力した信号に基づいて、交換レンズ200のズームが広角側に設定されていると判定した場合には、無効領域R2を低透過率に設定する。また、制御回路101は、交換レンズ200のズームが望遠側に設定されていると判定した場合には、無効領域R2を高透過率に設定すればよい。この結果、カメラボディ100を少し動かしただけでも構図が大きく変化する望遠側に設定されている場合には、無効領域R2の透過率が高くなり、ユーザによる背景の確認が容易になる。
【0063】
また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。説明に用いた実施の形態および変形例は、それぞれを適宜組合わせて構成しても構わない。
【符号の説明】
【0064】
101 制御回路、 110 スーパーインポーズ表示制御回路、
123 拡散型液晶

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子の所定領域に含まれる画素から出力される画像データを記録するクロップ撮影機能を有するデジタルカメラの光学ファインダにおいて、
前記クロップ撮影が設定されているとき、ファインダ視野のうちの領域であって、前記撮像素子の前記所定領域とは異なる無効領域を半透過にする半透過手段と、
前記半透過手段を制御して、被写体の動きに関連するモードに応じて前記無効領域の透過率を設定する透過率制御手段とを備えることを特徴とするデジタルカメラの光学ファインダ。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルカメラの光学ファインダにおいて、
前記透過率制御手段は、撮影光学系の焦点調節に関する第1モードが設定されている場合には、前記無効領域を低透過率に設定し、前記撮影光学系の焦点調節に関する前記第1モードとは異なる第2モードが設定されている場合には、前記無効領域を高透過率に設定し、
前記第1モードは、前記撮影光学系が合焦した後には焦点調節を停止するモードであり、前記第2モードは、前記撮影光学系が合焦した後であっても焦点調節を繰り返すモードであることを特徴とするデジタルカメラの光学ファインダ。
【請求項3】
請求項1に記載のデジタルカメラの光学ファインダにおいて、
前記透過率制御手段は、撮影光学系の被写界内に設けられた複数の焦点検出領域のうち所定の焦点検出領域の情報と前記所定の焦点検出領域以外の焦点検出領域の情報とを用いて前記撮影光学系の焦点調節を行う第3モードが設定されている場合には、前記無効領域を高透過率に設定することを特徴とするデジタルカメラの光学ファインダ。
【請求項4】
請求項1に記載のデジタルカメラの光学ファインダにおいて、
前記透過率制御手段は、移動している被写体の撮影に最適な撮影条件が設定される第1撮影モードが設定されている場合には、前記無効領域を高透過率に設定し、静止している被写体の撮影に最適な撮影条件が設定される第2撮影モードが設定されている場合には、前記無効領域を低透過率に設定することを特徴とするデジタルカメラの光学ファインダ。
【請求項5】
請求項4に記載のデジタルカメラの光学ファインダにおいて、
前記透過率制御手段は、前記1撮影モードおよび前記第2撮影モードとは異なる撮影モードが設定されている場合には、前記無効領域の透過率を前記高透過率と前記低透過率との中間の透過率に設定することを特徴とするデジタルカメラの光学ファインダ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−181323(P2012−181323A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43735(P2011−43735)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】